JP2004133868A - 電子機器の文字入力方法とその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の文字入力を必要とする電子機器に対して、より容易で、迅速な、文字入力を可能にする、より小型で安価な文字入力装置を提供する。
【解決手段】携帯電話機サイズの各キーに複数の接点を設け、文字や記号を分かり易く効率的に割り当てると共に、それらをキーのコンパクトなスライド機構によって、容易に入力可能に構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】携帯電話機サイズの各キーに複数の接点を設け、文字や記号を分かり易く効率的に割り当てると共に、それらをキーのコンパクトなスライド機構によって、容易に入力可能に構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話機、電話機、ファックス、コンピュータ、テレビ、ビデオ、音響機器、デシタルカメラ、カーナビゲーション等の文字入力を必要とする電子機器の文字入力方法とその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、前記
【0001】段落に記載の電子機器において、小型化および情報機能の拡充が進む中で、様々な情報の文字入力を容易に短時間で行なえる小型のシステムが必要になっている。しかしながら、現状の文字入力は、先ず、コンピュータにおいては、45個もの文字のキーが何の規則性も無く乱雑に並べられた大きなキーボードを両手の指で押下して入力するというもので、熟練が必要なうえに、小型化にも限度がある。
【0003】また、携帯電話機においては、数字と英字と仮名文字を兼用した10個のテンキーのそれぞれに割り当てられた幾つもの文字が、キーの押下回数に応じて、一文字づつ順番に表示部に上書き表示されて入力となる。そして、1個のキーの押下回数が、該キーに割り当てられた文字の数を越えると、入力される文字は一巡して初回の押下によって入力された文字に戻るという、ループ式の文字入力割り当てが各キーに構成される。そのため、携帯電話機における、一文字の入力に必要なキーの押下回数は、仮名文字で最大5回、平均2.5回(拗音は最大10回、平均6.9回)、英字で最大4回、平均2.2回(小文字は最大8回、平均5.5回)と非常に効率が悪く、特に多くの文字を入力する電子メールの作成においては、時間がかかり非常に大変である。
【0004】ここで、携帯電話機の電子メール作成のモードに入り、様々な文字や記号の入力例として、「ピョン!と飛ぶ。」と入力する場合の操作を以下に説明する。
(イ)入力モード切替えキーを1回押下して、片仮名入力モードにする。
(ロ)6のテンキー(は行)を2回押下して、「ヒ」を入力。
(ハ)記号キーを2回押下して、半濁点を付け「ピ」にする。
(ニ)8のテンキー(や行)を6回押下して、「ヨ」の拗音「ョ」を入力。
(ホ)0のテンキー(わ行と記号)を3回押下して、「ン」を入力。
(ヘ)0のテンキー(わ行と記号)を6回押下して、「!」を入力。
(ト)入力モード切替えキーを5回押下して、平仮名入力モードにする。
(チ)4のテンキー(た行)を5回押下して、「と」を入力。
(リ)カーソルキーを1回押下して、カーソルを1文字移動。
(ヌ)4のテンキー(た行)を5回押下して、「と」を入力。
(ル)6のテンキー(は行)を3回押下して、「ふ」を入力。
(ヲ)記号キーを1回押下して、濁点を付け「ぶ」にする(以後、「飛ぶ」に漢字変換)。
(ワ)0のテンキー(わ行と記号)を9回押下して、句点「。」を入力。
以上、現状の携帯電話機による、「ピョン!と飛ぶ。」という、ほんの6文字2記号の入力に、計49回ものキーの押下を必要とし、通常の電子メール等の作成が、如何に非効率的で大変であるかが分かる。
【0005】更に、文字の他に頻繁に使用する多くの句読点(句点、読点、濁点、半濁点等)や記号(感嘆符、疑問符、ピリオド、アットマーク、スラッシュ、コロン等)の入力、および、英字、平仮名、片仮名とそれらの小文字(平仮名と片仮名は促音または拗音)、数字の計7つの文字入力モードの切替えに、何回ものキーの押下が必要であり、面倒である。
【0006】更に、例えば「あおいうお」と、同じ1個のキーに割り当てられた文字を連続して入力する際には、それぞれの文字を入力した後に、文字の入力位置を決めるカーソルを移動するカーソルキーの操作をしなければならず、この入力操作は、「あ行(1のテンキー)」キー1回押下→「カーソル」キー1回操作→「あ行」キー5回押下、→「カーソル」キー1回操作→「あ行」キー2回押下→「カーソル」キー1回操作→「あ行」キー3回押下→「カーソル」キー1回操作→「あ行」キー5回押下と、5文字の入力に、「あ行」キー16回と「カーソル」キー4回もの操作が必要になり、これも非常に効率が悪く時間がかかる。
【0007】更に、このようなキーを何回も押下しながらの携帯電話機の文字入力は、予想した文字を表示部に表示確認しながらの入力になるため、更に入力が遅くなるうえに、入力しよとする文字の押下回数を誤って超過してしまうという誤操作が頻繁に発生し、その場合、幾つもの文字がもう一巡りするまでキーを繰り返し押下し続けるしかなく、非常に腹立たしく、不便である。
【0008】その他の電子機器においては、コンピュータと携帯電話機のどちらかの入力方法か、表示部に表示された文字群の中から入力したい文字にカーソルを移動して合わせ、選択入力するという面倒なものである。
【0009】次に、先行技術文献情報としては、可倒式のキーを前後左右の4方向に倒して文字入力を行なう「ハンディーワードプロセッサ」が提案されている(特許文献1参照)。
【0010】また、1個のキーに複数の接点が設けられたキーを、その押下位置によって文字入力を行なう「携帯電話機」が提案されている(特許文献2参照)。
【0011】
【特許文献1】特開昭63−304311号公報
【特許文献2】特開2000−165499号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上の従来の電子機器の文字入力の問題点をまとめると以下のようになる。
(イ)コンピュータのキーボードにおいては、45個以上ものキーで構成されるため、迅速な入力には熟練が必要なうえ、現状以上の小型化は困難である。
(ロ)携帯電話機においては、一文字の入力に仮名文字で平均2.5回(拗音は平均6.9回)、英字で平均2.2回(小文字は平均5.5回)もキーを押下しなければならないため、時間と労力が過大で非常に効率が低い。
(ハ)更に、頻繁に使用する多くの句読点や記号の入力、および、英字、平仮名、片仮名とそれらの小文字、数字の計7つの文字入力モードの切替えに、何回ものキーの押下が必要であり、非常に面倒である。
(ニ)更に、同じ1個のキーに割り当てられた文字を連続して入力する場合、一文字入力の度に、文字の入力位置を決めるカーソルを移動するキーを操作しなければならず、非常に不便である。
(ホ)更に、入力しよとする文字の押下回数を誤って超過した場合、複数の文字がもう一巡りするまで、キーを繰り返し押下し続けるしかなく、非常に時間がかかり面倒である。
(ヘ)その他の電子機器においては、表示された文字群の中から入力文字にカーソルを移動して選択入力するのが、非常に面倒で、熟練しても時間がかかる。
(ト)
【特許文献1】においては、ワードプロセッサ限定の技術であるが、キーを倒して接触させるという複雑な構成により、高さ(厚さ)寸法が過大であるため、携帯電話機やモバイルコンピュータ等の小型、薄型電子機器への適用は困難である。
(チ)更に、
【特許文献1】においては、可倒式スイッチの複雑な構成と操作性のため、1個のキーに割り当て可能な文字数が4文字と少なく、割り当て文字数が5文字必要な現状の携帯電話機には対応出来ない。
(リ)
【特許文献2】においては、携帯電話機の1個のキーに4つの接点を設け、5つの押下位置によって文字入力を可能にするとあるが、人間の指(通常親指)の大きさと運動能力上、このキーの大きさ(表面積)は、最低でも15mm四方は必要であるため、テンキーの表面積が従来の携帯電話の2倍以上必要になり、現実的でない。
(ヌ)更に、
【特許文献2】においては、4つの接点それぞれの押下位置を押下識別することでさえ、誤操作の多発が考えられるうえに、5つ目の押下位置として前記4つの接点を同時に接触させるという押下は、非常に困難である。
(ル)更に、
【特許文献2】においては、拗音、促音や英字の小文字の入力は、キーの同一接点に一定時間以内に2回接触させるとあるが、2連続押下自体が面倒で誤操作のもとであるうえに、前記一定時間の設定による弊害として、一定時間以内と以外の入力文字違い(例えば「きゃ」と「きやや」)や、該入力文字違いを避けるための、前記一定時間の延長による文字入力速度の低下が発生する。
(ヲ)更に、
【特許文献2】においては、数字、仮名文字、英字の各文字入力モードの切替に最大2回(平仮名込みで3回)ものモードキーの押下が必要となり、面倒で時間がかかる。
(ワ)以上の(ト)以外の問題点は全て、高齢者や子供、手の不自由な方にとっては、更に顕著な問題である。
(カ)最後に、以上の問題点を解決する装置を安価に作成する。
これらのため、前記従来技術は実用化されていない。本発明は、上記の問題を解決するためになされたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係る電子機器の文字入力方法とその装置は、文字や記号の入力が必要な電子機器において、文字入力用のそれぞれのキーにスライド作動機構を設け、前記キーのスライド前の原点および複数のスライド作動位置のそれぞれに接点を構成すると共に、該接点に文字または記号を割り当てる。そして、前記キーの原点位置での1回の押下、または前記スライド作動位置への1回のスライド、または前記スライド作動位置へのスライド後の1回の押下による前記接点の信号により、割り当てられた文字または記号が入力されるように構成したものである。
【0014】このような請求項1記載の発明によれば、1個のキーに多くの文字や記号をコンパクトに割り当てられるうえ、入力したい文字や記号を1回のキーのスライドや押下によって即座に誤操作無く入力することが可能である。更に、入力しよとする文字の押下回数を誤って超過した際に、複数の文字がもう一巡りするまで、キーを繰り返し押下し続けるという、非常に不便なことも無くなる。更に、同じ1個のキーに割り当てられた文字を連続して入力する際に、一文字入力の度に、文字の入力位置を決めるカーソルを移動するキーを操作しなければならないという、非常に面倒なことも無くなる。
【0015】請求項2記載の発明に係る電子機器の文字入力方法とその装置は、前記キーが、その押下方向と、それに垂直なスライド方向とに摺動可能なように、案内板に倣って作動しつつ、押圧バーが、その一端を前記キーの裏側面に垂直に弾性体を介して、押下方向に該弾性力を受けながら摺動可能に埋設されると共に、各スライド方向にも弾性支持される。そして、前記押圧バーの埋設された一端と反対側の一端の先端に接するフレキシブル基板が、前記キーの押下もしくはスライドによる押圧バーの押下方向加圧力によって撓むことにより、前記フレキシブル基板と該フレキシブル基板に近接した併設基板との間に設けられた複数の前記接点のうちの1箇所が通電して、該接点に割り当てられた文字が入力されるように構成したものである。
【0016】このような請求項2記載の発明によれば、前記請求項1に記載の、各キーの複数の接点に割り当てられた文字や記号を、キーの、原点位置での1回の押下、または複数のスライド作動位置の任意の位置への1回のスライドまたはスライド後の1回の押下によって、容易に入力可能な装置を、より小型で安価に作成することが出来る。
【0017】請求項3記載の発明に係る電子機器の文字入力方法とその装置は、文字入力に必要な全ての数字、英字、仮名文字(平仮名、片仮名)の1文字づつを、従来の携帯電話機の10個のテンキーにおける文字の割り当ておよび入力順番と同じくなるように、本発明による10個のテンキーの複数の接点のそれぞれに、また、使用頻度の高い句読点(句点、読点、濁点、半濁点等)、記号(感嘆符、疑問符、ピリオド、アットマーク、スラッシュ、コロン等)および、英字、平仮名、片仮名とそれらの小文字(平仮名と片仮名は促音または拗音)、数字の計7つの文字入力モードのそれぞれを、本発明による数個のキーの複数の接点のそれぞれに、規則性のある順番で、前記7つの文字入力モード別に、割り当てると共に、それらの前記接点への割り当て位置が識別可能なように、電子機器に前記文字、句読点、記号、文字入力モードそれぞれの配置を表記するように構成したものである。
【0018】このような請求項3記載の発明によれば、従来の携帯電話機と同様な文字の割り当て構成に慣れている使用者も多いうえに、文字に加えて使用頻度の高い句読点、記号および各文字入力モードの各キーの複数の接点への配置が表記により一目瞭然なため、初めての使用でも直ぐに容易に、より早い文字入力が可能になる。更に、各文字の配置順番も分かり易い規則性があるために、少し慣れれば予測も可能で、誰でも、キーを見なくても迅速な入力操作(ブラインドタッチ)が可能になる。よって、携帯電話機からコンピュータのキーボード等のあらゆる電子機器の文字や記号を、格段に容易に入力可能な装置を、現状の携帯電話機と同等の小ささで安価に構成することが出来る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態について説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。図1は本発明による実施の形態を示した携帯電話機の外観正面図、また図2は図1の操作部の拡大説明図である。そして、図3(a)、図3(b)、図3(c)は、それぞれ図2の断面A−Aにおけるキー押下前、キー3押下後、キー3スライド後の動作説明断面図である。更に、図4は、各キーの接点に割り当てた、文字、記号の割り当てとキー操作の対応表である。先ず、現状主流の携帯電話機は、図1のように表示部と操作部が二つ折り構造により上下に分割されており、該操作部の表面に、数字、英字、仮名文字の入力を兼用した10個のテンキー1〜10が配置されている。
【0020】次に本発明の文字入力方法とその装置の説明をする。図2、図3において、前記テンキー1〜10を構成する円柱状の各キーが、その押下方向(−Z方向)と、それに垂直なXY平面上のスライド方向に摺動可能なように、押下案内板11、表面案内板12、スライド案内板13の3つの案内板によって作動制限される。具体的には、押下案内板11は、それぞれのキー1〜10とセットで各キー毎に、該キーが該押下案内板11に対して該案内板11の裏側から、Z方向に摺動可能に貫設され、また、該キーは、その操作面14と反対側の該キーの端部に該キーと一体に設けられた突起状のスットパー15によって、前記操作面14が前記押下案内板11の表面から+Z方向に数mm程度突出した状態で停止する。この時の、キーの前記操作面14の前記表面案内板12からの+Z方向の突き出し量は、操作性と携帯性から1〜2mm程度とする。そして、携帯電話機の最表面を成すパネルでもある表面案内板12は、スライド案内板13と共に前記押下案内板11を挟み込むように前記押下案内板11に付設される。また、前記表面案内板12は、テンキー1〜10がXY平面上の上下左右(XY両方向)の各作動位置にスライド摺動可能なように作動範囲を制限する略四角形状のガイド孔16が空けられる。そのキーの大きさは、前記操作面14の直径が5mm程度で、原点から上下左右への各スライド移動量は2mm程度である。そして、前記略四角形状のガイド孔16は、キーと同程度の半径で四隅に形成した隅R部を、原点にあるキーの上下左右それぞれの位置に合わせて設け、その隅R間寸法であるガイド孔16の最大幅(XY両方向)は9mm程度である。
【0021】よって、本発明の文字入力装置は、10個のテンキー1〜10を含む、縦4個、横3個、計12個のキーが配置される操作部の表面積および厚さ寸法(Z方向)が、現状の携帯電話機の大きさ(それぞれ40mm四方、12mm程度)に収まるうえ、操作する人間の指(通常親指)の大きさと運動能力上、各キーの操作性も良好である。
【0022】そして、キーを押圧バー17が、その一端を前記キーの裏側面に垂直に押圧弾性体18を介して、その弾性力を押下方向(−Z方向)に受けながら押下方向に摺動可能に埋設される。そして、押圧バー17は前期の上下左右(XY両方向)にもスライド弾性体19により弾性支持されることにより、キーがスライド後に前記の上下左右方向の真ん中である原点位置に復元される。そして、前記押圧バー17の埋設された一端と反対側の端部の先端に接するフレキシブル基板20が、前記原点位置において、前期押圧弾性体18の弾性力により押下方向に撓んだ状態(図3(a))から、前記キーの押下による更なる前記フレキシブル基板20の撓み(図3(b))、または前記キーの上下左右いずれか任意のの1方向へのスライドによる前記フレキシブル基板20の撓み位置の移動(図3(c))により、前記フレキシブル基板20と該フレキシブル基板に近接する併設基板21との間に1個のキーあたり、前記の原点、上、下、左、右の計5箇所に設けられた接点22のうちの1箇所が通電して、該接点22に割り当てられた1つの文字や記号が入力されるように構成したものである。
【0023】そして、図2に示すように、文字入力に必要な全ての数字、英字、仮名文字(平仮名および片仮名)の一文字づつを、従来の携帯電話機の1から9および0の10個のテンキーにおける割り当て、および入力順番と同じくなるように、本発明による10個のテンキー1〜10のそれぞれに設けられた5箇所の前記接点22に、原点(中心点)→上→右→下→左という中心から右回りの規則性のある順番で、英字、平仮名、片仮名とそれらの小文字(平仮名と片仮名は促音または拗音)、数字の計7つの文字入力モード別に対応して割り当てる。具体的には、現状の携帯電話のテンキーにおいて、1回のキーの押下によって入力される文字である仮名文字の五十音図の各行名(あ、か、さ、た、な、は、ま、や、ら、わ)および英字の8分担された各行名(A、D、G、J、M、P、T、W)と、数字とを、本発明の前記テンキー1〜10の原点位置に割り当て、各行の残りの文字(例えばテンキー2の仮名文字:き、く、け、こ/英字:B、C)を、該原点の周囲の4箇所のスライド位置に、順番に割り当てる。
【0024】更に、使用頻度の高い句読点(句点、読点、濁点、半濁点等)、記号(感嘆符、疑問符、ピリオド、アットマーク、スラッシュ、コロン等)および、前記7つの文字入力モードのそれぞれを、前記テンキー1〜10の残りの接点22、および本発明による数個の別のキー(記号キー23、入力モード切替えキー24)の複数の接点22のそれぞれに、前記テンキー1〜10と同様に割り当てる。そして、前記割り当て配置が目視で識別可能なように、割り当て先の前記接点22が、各キーの原点である場合はキーの前記操作面14上に、原点以外の場合はキーの上、下、左、右のいずれかの前記表面案内板12上の該当する位置に、前記の割り当てられた文字と記号を、数字、仮名文字、英字の各文字入力モード別に表記する。
【0025】ここで、キーのスライド操作例として、「せ」の文字を割り当てた接点である下方向(−Y方向)にテンキー3をスライドした際の本装置の外観を、図2のテンキー3に、また、この時の動作説明断面図を図3(c)に示す。
【0026】更に、英字、平仮名、片仮名とそれらの小文字(平仮名と片仮名は促音または拗音)、数字の計7つの文字入力モードの切替えを1個のキーに割り当てる場合は、本発明によるキーの構造と同様に、略七角形状のガイド孔を表面案内板12に空けて7箇所のスライド作動位置を設けて対応するか、もしくは、図2の入力モード切替えキー24に示す通り、スライド作動位置の3箇所に、平仮名、片仮名、英字のそれぞれ(大文字)とその小文字(平仮名と片仮名は促音または拗音)の大小2つの文字入力モードを割り当て、表面案内板12上に表記(例えばあ⇔ぁ、ア⇔ァ、A⇔a)し、入力モード切替えキー24のスライド操作の毎に文字入力モードの大文字/小文字が切替わると同時に、ディスプレイ(表示部)に文字入力モードの大文字あるいは小文字が表示される構成とする。
【0027】以上のテンキー1〜10と入力モード切替えキー24の各接点における、文字、記号の割り当てとキー操作の対応表は、図4に示す通りであり、必要な文字や記号が入力モード毎に1回のキーの操作で入力されることが分かる。なお、対応表に示したハッチング部は、文字や記号が割り当て可能な前記接点の空き容量であり、文字や記号の割り当てが無くても、例えばハッチング部に示した文字や記号を割り当てても、使用者が任意の文字や記号を割り当てても良い。
【0028】次に、以上の実施の形態の作用について、文字入力を例に説明する。まず、本発明によるところの電子機器が携帯電話機の場合、電源を入れると、従来の携帯電話機と同じように、数字入力モードに設定され、各テンキー1〜10上に表示された数字のキーを1回押下すれば、該数字が入力される。続いて、電子メール等のモードに入り、様々な文字入力をする場合について説明する。ここで、本発明により、入力例として「ピョン!と飛ぶ。」と入力する場合、その操作は次のようになる。
(イ)図2の入力モード切替えキー24を右(+X方向)に1回スライドして、片仮名(大文字)入力モードにする。
(ロ)テンキー6を上(+Y方向)に1回スライドして、「ヒ」を入力。
(ハ)テンキー8を左(−X方向)に1回スライドして、半濁点を付け「ピ」にする。
(ニ)入力モード切替えキー24を右(+X方向)に1回スライドして、片仮名(小文字)入力モードにする。
(ホ)テンキー8を右(+X方向)に1回スライドして、「ヨ」の拗音「ョ」を入力。
(ヘ)入力モード切替えキー24を右(+X方向)に1回スライドして、片仮名(大文字)入力モードにする。
(ト)テンキー10を右(+X方向)に1回スライドして、「ン」を入力。
(チ)記号キー23を右(+X方向)に1回スライドして、「!」を入力。
(リ)入力モード切替えキー24を上(+Y方向)に1回スライドして、平仮名(大文字)入力モードにする。
(ヌ)テンキー4を左(−X方向)に1回スライドして、「と」を入力。
(ル)テンキー4を左(−X方向)に1回スライドして、「と」を入力。
(ヲ)テンキー6を右(+X方向)に1回スライドして、「ふ」を入力。
(ワ)テンキー8を下(−Y方向)に1回スライドして、濁点を付け「ぶ」にする(以後、「飛ぶ」に漢字変換)。
(カ)テンキー10を左(−X方向)に1回スライドして、句点「。」を入力。
以上、本発明は、1回のキー操作で1個の文字や記号を入力可能で、「ピョン!と飛ぶ。」という複合的な文字入力に必要なキー操作は、14回のスライドだけである。
【0029】これに対して、同じ入力を現状の携帯電話機で実施すると、前記【0004】段落の(イ)〜(ワ)に示した通り、そのキー操作は、49回もの押下を必要とする。ここで、本発明によるキー操作は、入力したい文字や記号が表記された上下左右のいずれか1つの方向にキーを2mm程度スライドするか、そのまま原点で押下するという、キーの押下と同等の簡単な操作である。よって、本発明による複合的な文字入力は、その仕事量が、従来の携帯電話機の三分の一(前記14回/49回)レベルであり、非常に効率が高いと言える。
【0030】また、このキーの上下左右いずれか任意の方向へのスライド操作により、前記押下案内板11が、表面案内板12とスライド案内板13との間をキーと共に摺動すると同時に、キーに埋設された押圧バー17が押圧弾性体18の押圧力によるフレキシブル基板20の撓み位置を原点からスライド作動位置に移動させる結果、スライド作動位置に設けた併設基板21との接点が通電し、該当する文字または記号が確実に入力される。この時、キーは、その円弧状の外周部を、表面案内板12に空けられた四隅に隅Rが形成された略四角形状の孔に倣わせながら、スライド作動位置である隅R部に滑らかに誘導されると共に、スライド弾性体19の復元力により、心地良いスライド操作感が得られるうえ、スライド操作を止めてキーを解放した時にキーが原点に復元作動するため、誤操作の無い確実な入力を容易に行なうことが出来る。また、原点におけるキーの押下操作は、押圧バー17が押圧弾性体18の押圧力によるフレキシブル基板20を撓ませている状態から、キーの押下によって更にフレキシブル基板20を撓ませ、併設基板21との接点が通電し、該当する文字または記号が入力されるため、操作感が滑らかで誤操作が無い。
【0031】更に、1個のキーに割り当てられた文字を連続して入力する際に、一文字入力の度に、文字の入力位置を決めるカーソルを移動するキーを操作しなければならないという、非常に面倒なことも、本発明の1文字専用の容易な入力操作により無くなる。また、非常に不便であった、キーを何回も押下しながらの予想文字の表示部確認入力も、押下回数超過誤操作の何回もの修正入力も、同様に無くなる。
【0032】更に、各テンキー1〜10への文字入力モード毎の文字の割り当てが、現状の携帯電話機と同じため、現状の携帯電話機で覚えた文字の割り当てを、本発明において、そのまま活用出来る。更に、前記テンキーだけでも、現状の携帯電話に割り当てられた文字や記号に加えて、図4のキー操作の対応表のハッチング部に示した接点の空き容量部に、何十もの文字や記号を割り当てて、キーの1回の操作で入力することが可能であり、文字や記号または何かの接点の追加にも余裕がある。
【0033】よって、本発明による文字入力方法とその装置は、上記の構成とその作用により、従来の電子機器に対し、誤操作が少なく、非常に容易に、迅速な入力を、従来の携帯電話機と同程度の小型の装置で安価に作成可能である。
【0034】
【実施例】次に、前記の本発明による実施の形態の実施例について説明する。
(第1実施例)図5は前記実施の形態を改良した実施例であり、本発明の第1実施例による携帯電話機の操作部の拡大説明図を示す。なお、図5において、図1〜図3と同様な構成要素は、重複説明を省略し、動作説明断面図も図3と同様なため省略する。また、図4のキー操作対応表も、下記の通りの小変更に留まるため省略する。この第1実施例は、下記の点で、前記実施の形態と相違しているが、その他の点では前記実施の形態と同様に構成されている。図5において、各キーの周囲のXY平面上にスライド作動する位置は5箇所あり、それら5箇所のスライド作動位置のそれぞれに設けられた接点と、それらの中心である原点に設けられた接点との計6箇所の接点が、1個のキーに構成される。そして、表面案内板12上のガイド孔16は、略五角形状で、キーと同程度の半径で5つの角部に隅Rを形成し、キーの周囲に、1つの隅R部を真上(+Y)に合わせて設ける。また、図5の通り、テンキー1〜10における、原点への文字割り当ては数字のみで、残りの文字と記号とを、該原点の周囲の5箇所のスライド位置に、前記真上(+Y)から右回転に順序良く割り当てる。
ここで、キーのスライド操作例として、「す」の文字を割り当てた接点である右下方向に、テンキー3をスライドした際の本装置の外観を、図5のテンキー3に示す。
【0035】次に、前記第1実施例の作用について、前記実施の形態の作用に対し、相違のある点について説明する。50音の仮名文字(平仮名および片仮名)の各行は、殆どが5文字で構成されており、その5文字の全てを各テンキー1〜10の周囲に設けられた5箇所の接点に、切りが良く順番に割り当てられるため、キーのスライド操作だけで、より自然に容易に、仮名文字と英字の全てを入力することが可能になる。また、1個のキーへの文字や記号の割り当て量を決める接点は6箇所となり、1箇所分多い情報を1操作で入力可能になる。
【0036】(第2実施例)図6は前記実施の形態を更に改良した実施例であり、本発明の第2実施例による携帯電話機の操作部の拡大説明図を示す。更に図7(a)、図7(b)は、それぞれ図6の断面A−Aにおけるキー押下前、キースライド押下後の動作説明断面図である。なお、図6、図7において、図1〜図3と同様な構成要素は、重複説明を省略し、また、図4のキー操作対応表も、下記の通りの小変更に留まるため省略する。この第2実施例は、下記の点で、前記実施の形態と相違しているが、その他の点では前記実施の形態と同様に構成されている。図6において、各キーのXY平面上の上下方向(Y方向)に、原点位置を含めてスライド作動位置が5箇所あり、それらのそれぞれの位置にキーをスライド後、押下することにより通電する接点が構成される。そして、表面案内板12上のガイド孔16は、略四角形状で、キーの5箇所のスライド位置毎に、キーのスライド操作に節度のある操作感が得られるクリック機構等を設ける。また、図6の通り、テンキー1〜10における、原点への文字割り当ては数字のみで、残りの文字と記号とを、5箇所のスライド位置に、順序良く割り当てる。そして、入力モード切替えキー24には、前記上下方向(Y方向)にスライド可能なキーに加えて、左右(X方向)へのスライドにより平仮名、片仮名、英字各文字の大文字と小文字(平仮名と片仮名は促音または拗音)の入力モードを切替え可能な大/小文字キー25を設ける。ここで、キーのスライド操作例として、「す」または「F」の文字を割り当てた接点である原点より2箇所下方向(−Y方向)に、テンキー3をスライド後押下した際の本装置の外観を、図6のテンキー3に、また、この時の動作説明断面図を図7(b)に示す。
【0037】次に、前記第2実施例の作用について、前記実施の形態の作用に対し、相違のある点について説明する。50音の仮名文字(平仮名および片仮名)の各行は、殆どが5文字で構成されており、その5文字の全てを各テンキー1〜10に設けられた、分かり易い直線状の5箇所の接点に、切りが良く順番に割り当てられるため、キーの1方向へのスライドと押下だけで、より自然に、仮名文字と英字の全てを入力することが可能になる。
【0038】
【発明の効果】以上により、本発明は下記の効果を得ることが出来る。
(1)従来の携帯電話機においては、何回ものキーの操作を必要とした、文字や記号の入力、および文字入力モードの切替えが、1回のキーの押下やスライド操作で可能になり、大幅に容易で迅速になる。
(2)同じ1個のキーに割り当てられた文字を連続して入力する場合、従来の携帯電話のように、一文字入力の度に、文字の入力位置を決めるカーソルを移動するキーを操作する必要が無くなり、入力が大幅に迅速になる。
(3)従来の携帯電話機の文字入力おいて、頻繁に生じるキーの誤操作と該誤操作を修正する何回もの面倒なキーの操作が無くなるため、非常に便利になる。
(4)各テンキーへの文字と記号の割り当て、および入力順番が従来の携帯電話機と同じうえに、入力順番の配置が分かり易く表記されるため、従来の携帯電話機の使用経験者は勿論、使用経験が無くても、直ぐに容易に、より早い文字入力が可能になる。
(5)よって、少し慣れれば、誰でも、キーを見なくても素早い入力操作(ブラインドタッチ)が可能になる。
(6)メール作成時の複合的な文字入力の仕事量が、従来の携帯電話機の三分の一レベルに減少し、文字入力の効率が非常に高くなる。
(7)本発明により構成される文字入力装置が、現状の電子機器の中で一番小さな文字入力装置を持つ携帯電話機の操作部に収まるうえ、各キーの操作性も良好である。
(8)テンキーだけでも、現状の携帯電話機に割り当てられた文字や記号に加えて、各接点に何十もの文字や記号を割り当てて、キーの1回の操作で入力可能な空き容量に余裕がある。
(9)50音の各行の5文字づつを、各テンキーの略五角形状の5箇所の接点に、切りが良く割り当てることも出来るため、より自然に容易に文字入力をすることが可能になる。
(10)コンピュータのキーボード等の、その他の電子機器に、本発明を適用することにより、より容易で、早い、文字入力を可能とする、より小型で安価な文字入力方法とその装置を提供することが出来る。
(11)以上の効果は、高齢者や子供、手の不自由な方にとっては、更に効果絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の形態を示した携帯電話機の外観正面図である。
【図2】図1の操作部の拡大説明図である。
【図3】図3(a)、図3(b)、図3(c)は、それぞれ図2の断面A−Aにおける、キー押下前、キー押下後、キースライド後の動作説明断面図である。
【図4】文字、記号の割り当てとキー操作の対応表である。
【図5】本発明による実施の形態の第1実施例を示した操作部の拡大説明図である。
【図6】本発明による実施の形態の第2実施例を示した操作部の拡大説明図である。
【図7】図7(a)、図7(b)は、それぞれ図6の断面A−Aにおけるキー押下前、キースライド押下後の動作説明断面図である。
【符号の説明】
1〜10 テンキー
11 押下案内板
12 表面案内板
13 スライド案内板
14 操作面
15 ストッパー
16 ガイド孔
17 押圧バー
18 押圧弾性体
19 スライド弾性体
20 フレキシブル基板
21 併設基板
22 接点
23 記号キー
24 入力モード切替えキー
25 大/小文字キー
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話機、電話機、ファックス、コンピュータ、テレビ、ビデオ、音響機器、デシタルカメラ、カーナビゲーション等の文字入力を必要とする電子機器の文字入力方法とその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、前記
【0001】段落に記載の電子機器において、小型化および情報機能の拡充が進む中で、様々な情報の文字入力を容易に短時間で行なえる小型のシステムが必要になっている。しかしながら、現状の文字入力は、先ず、コンピュータにおいては、45個もの文字のキーが何の規則性も無く乱雑に並べられた大きなキーボードを両手の指で押下して入力するというもので、熟練が必要なうえに、小型化にも限度がある。
【0003】また、携帯電話機においては、数字と英字と仮名文字を兼用した10個のテンキーのそれぞれに割り当てられた幾つもの文字が、キーの押下回数に応じて、一文字づつ順番に表示部に上書き表示されて入力となる。そして、1個のキーの押下回数が、該キーに割り当てられた文字の数を越えると、入力される文字は一巡して初回の押下によって入力された文字に戻るという、ループ式の文字入力割り当てが各キーに構成される。そのため、携帯電話機における、一文字の入力に必要なキーの押下回数は、仮名文字で最大5回、平均2.5回(拗音は最大10回、平均6.9回)、英字で最大4回、平均2.2回(小文字は最大8回、平均5.5回)と非常に効率が悪く、特に多くの文字を入力する電子メールの作成においては、時間がかかり非常に大変である。
【0004】ここで、携帯電話機の電子メール作成のモードに入り、様々な文字や記号の入力例として、「ピョン!と飛ぶ。」と入力する場合の操作を以下に説明する。
(イ)入力モード切替えキーを1回押下して、片仮名入力モードにする。
(ロ)6のテンキー(は行)を2回押下して、「ヒ」を入力。
(ハ)記号キーを2回押下して、半濁点を付け「ピ」にする。
(ニ)8のテンキー(や行)を6回押下して、「ヨ」の拗音「ョ」を入力。
(ホ)0のテンキー(わ行と記号)を3回押下して、「ン」を入力。
(ヘ)0のテンキー(わ行と記号)を6回押下して、「!」を入力。
(ト)入力モード切替えキーを5回押下して、平仮名入力モードにする。
(チ)4のテンキー(た行)を5回押下して、「と」を入力。
(リ)カーソルキーを1回押下して、カーソルを1文字移動。
(ヌ)4のテンキー(た行)を5回押下して、「と」を入力。
(ル)6のテンキー(は行)を3回押下して、「ふ」を入力。
(ヲ)記号キーを1回押下して、濁点を付け「ぶ」にする(以後、「飛ぶ」に漢字変換)。
(ワ)0のテンキー(わ行と記号)を9回押下して、句点「。」を入力。
以上、現状の携帯電話機による、「ピョン!と飛ぶ。」という、ほんの6文字2記号の入力に、計49回ものキーの押下を必要とし、通常の電子メール等の作成が、如何に非効率的で大変であるかが分かる。
【0005】更に、文字の他に頻繁に使用する多くの句読点(句点、読点、濁点、半濁点等)や記号(感嘆符、疑問符、ピリオド、アットマーク、スラッシュ、コロン等)の入力、および、英字、平仮名、片仮名とそれらの小文字(平仮名と片仮名は促音または拗音)、数字の計7つの文字入力モードの切替えに、何回ものキーの押下が必要であり、面倒である。
【0006】更に、例えば「あおいうお」と、同じ1個のキーに割り当てられた文字を連続して入力する際には、それぞれの文字を入力した後に、文字の入力位置を決めるカーソルを移動するカーソルキーの操作をしなければならず、この入力操作は、「あ行(1のテンキー)」キー1回押下→「カーソル」キー1回操作→「あ行」キー5回押下、→「カーソル」キー1回操作→「あ行」キー2回押下→「カーソル」キー1回操作→「あ行」キー3回押下→「カーソル」キー1回操作→「あ行」キー5回押下と、5文字の入力に、「あ行」キー16回と「カーソル」キー4回もの操作が必要になり、これも非常に効率が悪く時間がかかる。
【0007】更に、このようなキーを何回も押下しながらの携帯電話機の文字入力は、予想した文字を表示部に表示確認しながらの入力になるため、更に入力が遅くなるうえに、入力しよとする文字の押下回数を誤って超過してしまうという誤操作が頻繁に発生し、その場合、幾つもの文字がもう一巡りするまでキーを繰り返し押下し続けるしかなく、非常に腹立たしく、不便である。
【0008】その他の電子機器においては、コンピュータと携帯電話機のどちらかの入力方法か、表示部に表示された文字群の中から入力したい文字にカーソルを移動して合わせ、選択入力するという面倒なものである。
【0009】次に、先行技術文献情報としては、可倒式のキーを前後左右の4方向に倒して文字入力を行なう「ハンディーワードプロセッサ」が提案されている(特許文献1参照)。
【0010】また、1個のキーに複数の接点が設けられたキーを、その押下位置によって文字入力を行なう「携帯電話機」が提案されている(特許文献2参照)。
【0011】
【特許文献1】特開昭63−304311号公報
【特許文献2】特開2000−165499号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上の従来の電子機器の文字入力の問題点をまとめると以下のようになる。
(イ)コンピュータのキーボードにおいては、45個以上ものキーで構成されるため、迅速な入力には熟練が必要なうえ、現状以上の小型化は困難である。
(ロ)携帯電話機においては、一文字の入力に仮名文字で平均2.5回(拗音は平均6.9回)、英字で平均2.2回(小文字は平均5.5回)もキーを押下しなければならないため、時間と労力が過大で非常に効率が低い。
(ハ)更に、頻繁に使用する多くの句読点や記号の入力、および、英字、平仮名、片仮名とそれらの小文字、数字の計7つの文字入力モードの切替えに、何回ものキーの押下が必要であり、非常に面倒である。
(ニ)更に、同じ1個のキーに割り当てられた文字を連続して入力する場合、一文字入力の度に、文字の入力位置を決めるカーソルを移動するキーを操作しなければならず、非常に不便である。
(ホ)更に、入力しよとする文字の押下回数を誤って超過した場合、複数の文字がもう一巡りするまで、キーを繰り返し押下し続けるしかなく、非常に時間がかかり面倒である。
(ヘ)その他の電子機器においては、表示された文字群の中から入力文字にカーソルを移動して選択入力するのが、非常に面倒で、熟練しても時間がかかる。
(ト)
【特許文献1】においては、ワードプロセッサ限定の技術であるが、キーを倒して接触させるという複雑な構成により、高さ(厚さ)寸法が過大であるため、携帯電話機やモバイルコンピュータ等の小型、薄型電子機器への適用は困難である。
(チ)更に、
【特許文献1】においては、可倒式スイッチの複雑な構成と操作性のため、1個のキーに割り当て可能な文字数が4文字と少なく、割り当て文字数が5文字必要な現状の携帯電話機には対応出来ない。
(リ)
【特許文献2】においては、携帯電話機の1個のキーに4つの接点を設け、5つの押下位置によって文字入力を可能にするとあるが、人間の指(通常親指)の大きさと運動能力上、このキーの大きさ(表面積)は、最低でも15mm四方は必要であるため、テンキーの表面積が従来の携帯電話の2倍以上必要になり、現実的でない。
(ヌ)更に、
【特許文献2】においては、4つの接点それぞれの押下位置を押下識別することでさえ、誤操作の多発が考えられるうえに、5つ目の押下位置として前記4つの接点を同時に接触させるという押下は、非常に困難である。
(ル)更に、
【特許文献2】においては、拗音、促音や英字の小文字の入力は、キーの同一接点に一定時間以内に2回接触させるとあるが、2連続押下自体が面倒で誤操作のもとであるうえに、前記一定時間の設定による弊害として、一定時間以内と以外の入力文字違い(例えば「きゃ」と「きやや」)や、該入力文字違いを避けるための、前記一定時間の延長による文字入力速度の低下が発生する。
(ヲ)更に、
【特許文献2】においては、数字、仮名文字、英字の各文字入力モードの切替に最大2回(平仮名込みで3回)ものモードキーの押下が必要となり、面倒で時間がかかる。
(ワ)以上の(ト)以外の問題点は全て、高齢者や子供、手の不自由な方にとっては、更に顕著な問題である。
(カ)最後に、以上の問題点を解決する装置を安価に作成する。
これらのため、前記従来技術は実用化されていない。本発明は、上記の問題を解決するためになされたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係る電子機器の文字入力方法とその装置は、文字や記号の入力が必要な電子機器において、文字入力用のそれぞれのキーにスライド作動機構を設け、前記キーのスライド前の原点および複数のスライド作動位置のそれぞれに接点を構成すると共に、該接点に文字または記号を割り当てる。そして、前記キーの原点位置での1回の押下、または前記スライド作動位置への1回のスライド、または前記スライド作動位置へのスライド後の1回の押下による前記接点の信号により、割り当てられた文字または記号が入力されるように構成したものである。
【0014】このような請求項1記載の発明によれば、1個のキーに多くの文字や記号をコンパクトに割り当てられるうえ、入力したい文字や記号を1回のキーのスライドや押下によって即座に誤操作無く入力することが可能である。更に、入力しよとする文字の押下回数を誤って超過した際に、複数の文字がもう一巡りするまで、キーを繰り返し押下し続けるという、非常に不便なことも無くなる。更に、同じ1個のキーに割り当てられた文字を連続して入力する際に、一文字入力の度に、文字の入力位置を決めるカーソルを移動するキーを操作しなければならないという、非常に面倒なことも無くなる。
【0015】請求項2記載の発明に係る電子機器の文字入力方法とその装置は、前記キーが、その押下方向と、それに垂直なスライド方向とに摺動可能なように、案内板に倣って作動しつつ、押圧バーが、その一端を前記キーの裏側面に垂直に弾性体を介して、押下方向に該弾性力を受けながら摺動可能に埋設されると共に、各スライド方向にも弾性支持される。そして、前記押圧バーの埋設された一端と反対側の一端の先端に接するフレキシブル基板が、前記キーの押下もしくはスライドによる押圧バーの押下方向加圧力によって撓むことにより、前記フレキシブル基板と該フレキシブル基板に近接した併設基板との間に設けられた複数の前記接点のうちの1箇所が通電して、該接点に割り当てられた文字が入力されるように構成したものである。
【0016】このような請求項2記載の発明によれば、前記請求項1に記載の、各キーの複数の接点に割り当てられた文字や記号を、キーの、原点位置での1回の押下、または複数のスライド作動位置の任意の位置への1回のスライドまたはスライド後の1回の押下によって、容易に入力可能な装置を、より小型で安価に作成することが出来る。
【0017】請求項3記載の発明に係る電子機器の文字入力方法とその装置は、文字入力に必要な全ての数字、英字、仮名文字(平仮名、片仮名)の1文字づつを、従来の携帯電話機の10個のテンキーにおける文字の割り当ておよび入力順番と同じくなるように、本発明による10個のテンキーの複数の接点のそれぞれに、また、使用頻度の高い句読点(句点、読点、濁点、半濁点等)、記号(感嘆符、疑問符、ピリオド、アットマーク、スラッシュ、コロン等)および、英字、平仮名、片仮名とそれらの小文字(平仮名と片仮名は促音または拗音)、数字の計7つの文字入力モードのそれぞれを、本発明による数個のキーの複数の接点のそれぞれに、規則性のある順番で、前記7つの文字入力モード別に、割り当てると共に、それらの前記接点への割り当て位置が識別可能なように、電子機器に前記文字、句読点、記号、文字入力モードそれぞれの配置を表記するように構成したものである。
【0018】このような請求項3記載の発明によれば、従来の携帯電話機と同様な文字の割り当て構成に慣れている使用者も多いうえに、文字に加えて使用頻度の高い句読点、記号および各文字入力モードの各キーの複数の接点への配置が表記により一目瞭然なため、初めての使用でも直ぐに容易に、より早い文字入力が可能になる。更に、各文字の配置順番も分かり易い規則性があるために、少し慣れれば予測も可能で、誰でも、キーを見なくても迅速な入力操作(ブラインドタッチ)が可能になる。よって、携帯電話機からコンピュータのキーボード等のあらゆる電子機器の文字や記号を、格段に容易に入力可能な装置を、現状の携帯電話機と同等の小ささで安価に構成することが出来る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態について説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。図1は本発明による実施の形態を示した携帯電話機の外観正面図、また図2は図1の操作部の拡大説明図である。そして、図3(a)、図3(b)、図3(c)は、それぞれ図2の断面A−Aにおけるキー押下前、キー3押下後、キー3スライド後の動作説明断面図である。更に、図4は、各キーの接点に割り当てた、文字、記号の割り当てとキー操作の対応表である。先ず、現状主流の携帯電話機は、図1のように表示部と操作部が二つ折り構造により上下に分割されており、該操作部の表面に、数字、英字、仮名文字の入力を兼用した10個のテンキー1〜10が配置されている。
【0020】次に本発明の文字入力方法とその装置の説明をする。図2、図3において、前記テンキー1〜10を構成する円柱状の各キーが、その押下方向(−Z方向)と、それに垂直なXY平面上のスライド方向に摺動可能なように、押下案内板11、表面案内板12、スライド案内板13の3つの案内板によって作動制限される。具体的には、押下案内板11は、それぞれのキー1〜10とセットで各キー毎に、該キーが該押下案内板11に対して該案内板11の裏側から、Z方向に摺動可能に貫設され、また、該キーは、その操作面14と反対側の該キーの端部に該キーと一体に設けられた突起状のスットパー15によって、前記操作面14が前記押下案内板11の表面から+Z方向に数mm程度突出した状態で停止する。この時の、キーの前記操作面14の前記表面案内板12からの+Z方向の突き出し量は、操作性と携帯性から1〜2mm程度とする。そして、携帯電話機の最表面を成すパネルでもある表面案内板12は、スライド案内板13と共に前記押下案内板11を挟み込むように前記押下案内板11に付設される。また、前記表面案内板12は、テンキー1〜10がXY平面上の上下左右(XY両方向)の各作動位置にスライド摺動可能なように作動範囲を制限する略四角形状のガイド孔16が空けられる。そのキーの大きさは、前記操作面14の直径が5mm程度で、原点から上下左右への各スライド移動量は2mm程度である。そして、前記略四角形状のガイド孔16は、キーと同程度の半径で四隅に形成した隅R部を、原点にあるキーの上下左右それぞれの位置に合わせて設け、その隅R間寸法であるガイド孔16の最大幅(XY両方向)は9mm程度である。
【0021】よって、本発明の文字入力装置は、10個のテンキー1〜10を含む、縦4個、横3個、計12個のキーが配置される操作部の表面積および厚さ寸法(Z方向)が、現状の携帯電話機の大きさ(それぞれ40mm四方、12mm程度)に収まるうえ、操作する人間の指(通常親指)の大きさと運動能力上、各キーの操作性も良好である。
【0022】そして、キーを押圧バー17が、その一端を前記キーの裏側面に垂直に押圧弾性体18を介して、その弾性力を押下方向(−Z方向)に受けながら押下方向に摺動可能に埋設される。そして、押圧バー17は前期の上下左右(XY両方向)にもスライド弾性体19により弾性支持されることにより、キーがスライド後に前記の上下左右方向の真ん中である原点位置に復元される。そして、前記押圧バー17の埋設された一端と反対側の端部の先端に接するフレキシブル基板20が、前記原点位置において、前期押圧弾性体18の弾性力により押下方向に撓んだ状態(図3(a))から、前記キーの押下による更なる前記フレキシブル基板20の撓み(図3(b))、または前記キーの上下左右いずれか任意のの1方向へのスライドによる前記フレキシブル基板20の撓み位置の移動(図3(c))により、前記フレキシブル基板20と該フレキシブル基板に近接する併設基板21との間に1個のキーあたり、前記の原点、上、下、左、右の計5箇所に設けられた接点22のうちの1箇所が通電して、該接点22に割り当てられた1つの文字や記号が入力されるように構成したものである。
【0023】そして、図2に示すように、文字入力に必要な全ての数字、英字、仮名文字(平仮名および片仮名)の一文字づつを、従来の携帯電話機の1から9および0の10個のテンキーにおける割り当て、および入力順番と同じくなるように、本発明による10個のテンキー1〜10のそれぞれに設けられた5箇所の前記接点22に、原点(中心点)→上→右→下→左という中心から右回りの規則性のある順番で、英字、平仮名、片仮名とそれらの小文字(平仮名と片仮名は促音または拗音)、数字の計7つの文字入力モード別に対応して割り当てる。具体的には、現状の携帯電話のテンキーにおいて、1回のキーの押下によって入力される文字である仮名文字の五十音図の各行名(あ、か、さ、た、な、は、ま、や、ら、わ)および英字の8分担された各行名(A、D、G、J、M、P、T、W)と、数字とを、本発明の前記テンキー1〜10の原点位置に割り当て、各行の残りの文字(例えばテンキー2の仮名文字:き、く、け、こ/英字:B、C)を、該原点の周囲の4箇所のスライド位置に、順番に割り当てる。
【0024】更に、使用頻度の高い句読点(句点、読点、濁点、半濁点等)、記号(感嘆符、疑問符、ピリオド、アットマーク、スラッシュ、コロン等)および、前記7つの文字入力モードのそれぞれを、前記テンキー1〜10の残りの接点22、および本発明による数個の別のキー(記号キー23、入力モード切替えキー24)の複数の接点22のそれぞれに、前記テンキー1〜10と同様に割り当てる。そして、前記割り当て配置が目視で識別可能なように、割り当て先の前記接点22が、各キーの原点である場合はキーの前記操作面14上に、原点以外の場合はキーの上、下、左、右のいずれかの前記表面案内板12上の該当する位置に、前記の割り当てられた文字と記号を、数字、仮名文字、英字の各文字入力モード別に表記する。
【0025】ここで、キーのスライド操作例として、「せ」の文字を割り当てた接点である下方向(−Y方向)にテンキー3をスライドした際の本装置の外観を、図2のテンキー3に、また、この時の動作説明断面図を図3(c)に示す。
【0026】更に、英字、平仮名、片仮名とそれらの小文字(平仮名と片仮名は促音または拗音)、数字の計7つの文字入力モードの切替えを1個のキーに割り当てる場合は、本発明によるキーの構造と同様に、略七角形状のガイド孔を表面案内板12に空けて7箇所のスライド作動位置を設けて対応するか、もしくは、図2の入力モード切替えキー24に示す通り、スライド作動位置の3箇所に、平仮名、片仮名、英字のそれぞれ(大文字)とその小文字(平仮名と片仮名は促音または拗音)の大小2つの文字入力モードを割り当て、表面案内板12上に表記(例えばあ⇔ぁ、ア⇔ァ、A⇔a)し、入力モード切替えキー24のスライド操作の毎に文字入力モードの大文字/小文字が切替わると同時に、ディスプレイ(表示部)に文字入力モードの大文字あるいは小文字が表示される構成とする。
【0027】以上のテンキー1〜10と入力モード切替えキー24の各接点における、文字、記号の割り当てとキー操作の対応表は、図4に示す通りであり、必要な文字や記号が入力モード毎に1回のキーの操作で入力されることが分かる。なお、対応表に示したハッチング部は、文字や記号が割り当て可能な前記接点の空き容量であり、文字や記号の割り当てが無くても、例えばハッチング部に示した文字や記号を割り当てても、使用者が任意の文字や記号を割り当てても良い。
【0028】次に、以上の実施の形態の作用について、文字入力を例に説明する。まず、本発明によるところの電子機器が携帯電話機の場合、電源を入れると、従来の携帯電話機と同じように、数字入力モードに設定され、各テンキー1〜10上に表示された数字のキーを1回押下すれば、該数字が入力される。続いて、電子メール等のモードに入り、様々な文字入力をする場合について説明する。ここで、本発明により、入力例として「ピョン!と飛ぶ。」と入力する場合、その操作は次のようになる。
(イ)図2の入力モード切替えキー24を右(+X方向)に1回スライドして、片仮名(大文字)入力モードにする。
(ロ)テンキー6を上(+Y方向)に1回スライドして、「ヒ」を入力。
(ハ)テンキー8を左(−X方向)に1回スライドして、半濁点を付け「ピ」にする。
(ニ)入力モード切替えキー24を右(+X方向)に1回スライドして、片仮名(小文字)入力モードにする。
(ホ)テンキー8を右(+X方向)に1回スライドして、「ヨ」の拗音「ョ」を入力。
(ヘ)入力モード切替えキー24を右(+X方向)に1回スライドして、片仮名(大文字)入力モードにする。
(ト)テンキー10を右(+X方向)に1回スライドして、「ン」を入力。
(チ)記号キー23を右(+X方向)に1回スライドして、「!」を入力。
(リ)入力モード切替えキー24を上(+Y方向)に1回スライドして、平仮名(大文字)入力モードにする。
(ヌ)テンキー4を左(−X方向)に1回スライドして、「と」を入力。
(ル)テンキー4を左(−X方向)に1回スライドして、「と」を入力。
(ヲ)テンキー6を右(+X方向)に1回スライドして、「ふ」を入力。
(ワ)テンキー8を下(−Y方向)に1回スライドして、濁点を付け「ぶ」にする(以後、「飛ぶ」に漢字変換)。
(カ)テンキー10を左(−X方向)に1回スライドして、句点「。」を入力。
以上、本発明は、1回のキー操作で1個の文字や記号を入力可能で、「ピョン!と飛ぶ。」という複合的な文字入力に必要なキー操作は、14回のスライドだけである。
【0029】これに対して、同じ入力を現状の携帯電話機で実施すると、前記【0004】段落の(イ)〜(ワ)に示した通り、そのキー操作は、49回もの押下を必要とする。ここで、本発明によるキー操作は、入力したい文字や記号が表記された上下左右のいずれか1つの方向にキーを2mm程度スライドするか、そのまま原点で押下するという、キーの押下と同等の簡単な操作である。よって、本発明による複合的な文字入力は、その仕事量が、従来の携帯電話機の三分の一(前記14回/49回)レベルであり、非常に効率が高いと言える。
【0030】また、このキーの上下左右いずれか任意の方向へのスライド操作により、前記押下案内板11が、表面案内板12とスライド案内板13との間をキーと共に摺動すると同時に、キーに埋設された押圧バー17が押圧弾性体18の押圧力によるフレキシブル基板20の撓み位置を原点からスライド作動位置に移動させる結果、スライド作動位置に設けた併設基板21との接点が通電し、該当する文字または記号が確実に入力される。この時、キーは、その円弧状の外周部を、表面案内板12に空けられた四隅に隅Rが形成された略四角形状の孔に倣わせながら、スライド作動位置である隅R部に滑らかに誘導されると共に、スライド弾性体19の復元力により、心地良いスライド操作感が得られるうえ、スライド操作を止めてキーを解放した時にキーが原点に復元作動するため、誤操作の無い確実な入力を容易に行なうことが出来る。また、原点におけるキーの押下操作は、押圧バー17が押圧弾性体18の押圧力によるフレキシブル基板20を撓ませている状態から、キーの押下によって更にフレキシブル基板20を撓ませ、併設基板21との接点が通電し、該当する文字または記号が入力されるため、操作感が滑らかで誤操作が無い。
【0031】更に、1個のキーに割り当てられた文字を連続して入力する際に、一文字入力の度に、文字の入力位置を決めるカーソルを移動するキーを操作しなければならないという、非常に面倒なことも、本発明の1文字専用の容易な入力操作により無くなる。また、非常に不便であった、キーを何回も押下しながらの予想文字の表示部確認入力も、押下回数超過誤操作の何回もの修正入力も、同様に無くなる。
【0032】更に、各テンキー1〜10への文字入力モード毎の文字の割り当てが、現状の携帯電話機と同じため、現状の携帯電話機で覚えた文字の割り当てを、本発明において、そのまま活用出来る。更に、前記テンキーだけでも、現状の携帯電話に割り当てられた文字や記号に加えて、図4のキー操作の対応表のハッチング部に示した接点の空き容量部に、何十もの文字や記号を割り当てて、キーの1回の操作で入力することが可能であり、文字や記号または何かの接点の追加にも余裕がある。
【0033】よって、本発明による文字入力方法とその装置は、上記の構成とその作用により、従来の電子機器に対し、誤操作が少なく、非常に容易に、迅速な入力を、従来の携帯電話機と同程度の小型の装置で安価に作成可能である。
【0034】
【実施例】次に、前記の本発明による実施の形態の実施例について説明する。
(第1実施例)図5は前記実施の形態を改良した実施例であり、本発明の第1実施例による携帯電話機の操作部の拡大説明図を示す。なお、図5において、図1〜図3と同様な構成要素は、重複説明を省略し、動作説明断面図も図3と同様なため省略する。また、図4のキー操作対応表も、下記の通りの小変更に留まるため省略する。この第1実施例は、下記の点で、前記実施の形態と相違しているが、その他の点では前記実施の形態と同様に構成されている。図5において、各キーの周囲のXY平面上にスライド作動する位置は5箇所あり、それら5箇所のスライド作動位置のそれぞれに設けられた接点と、それらの中心である原点に設けられた接点との計6箇所の接点が、1個のキーに構成される。そして、表面案内板12上のガイド孔16は、略五角形状で、キーと同程度の半径で5つの角部に隅Rを形成し、キーの周囲に、1つの隅R部を真上(+Y)に合わせて設ける。また、図5の通り、テンキー1〜10における、原点への文字割り当ては数字のみで、残りの文字と記号とを、該原点の周囲の5箇所のスライド位置に、前記真上(+Y)から右回転に順序良く割り当てる。
ここで、キーのスライド操作例として、「す」の文字を割り当てた接点である右下方向に、テンキー3をスライドした際の本装置の外観を、図5のテンキー3に示す。
【0035】次に、前記第1実施例の作用について、前記実施の形態の作用に対し、相違のある点について説明する。50音の仮名文字(平仮名および片仮名)の各行は、殆どが5文字で構成されており、その5文字の全てを各テンキー1〜10の周囲に設けられた5箇所の接点に、切りが良く順番に割り当てられるため、キーのスライド操作だけで、より自然に容易に、仮名文字と英字の全てを入力することが可能になる。また、1個のキーへの文字や記号の割り当て量を決める接点は6箇所となり、1箇所分多い情報を1操作で入力可能になる。
【0036】(第2実施例)図6は前記実施の形態を更に改良した実施例であり、本発明の第2実施例による携帯電話機の操作部の拡大説明図を示す。更に図7(a)、図7(b)は、それぞれ図6の断面A−Aにおけるキー押下前、キースライド押下後の動作説明断面図である。なお、図6、図7において、図1〜図3と同様な構成要素は、重複説明を省略し、また、図4のキー操作対応表も、下記の通りの小変更に留まるため省略する。この第2実施例は、下記の点で、前記実施の形態と相違しているが、その他の点では前記実施の形態と同様に構成されている。図6において、各キーのXY平面上の上下方向(Y方向)に、原点位置を含めてスライド作動位置が5箇所あり、それらのそれぞれの位置にキーをスライド後、押下することにより通電する接点が構成される。そして、表面案内板12上のガイド孔16は、略四角形状で、キーの5箇所のスライド位置毎に、キーのスライド操作に節度のある操作感が得られるクリック機構等を設ける。また、図6の通り、テンキー1〜10における、原点への文字割り当ては数字のみで、残りの文字と記号とを、5箇所のスライド位置に、順序良く割り当てる。そして、入力モード切替えキー24には、前記上下方向(Y方向)にスライド可能なキーに加えて、左右(X方向)へのスライドにより平仮名、片仮名、英字各文字の大文字と小文字(平仮名と片仮名は促音または拗音)の入力モードを切替え可能な大/小文字キー25を設ける。ここで、キーのスライド操作例として、「す」または「F」の文字を割り当てた接点である原点より2箇所下方向(−Y方向)に、テンキー3をスライド後押下した際の本装置の外観を、図6のテンキー3に、また、この時の動作説明断面図を図7(b)に示す。
【0037】次に、前記第2実施例の作用について、前記実施の形態の作用に対し、相違のある点について説明する。50音の仮名文字(平仮名および片仮名)の各行は、殆どが5文字で構成されており、その5文字の全てを各テンキー1〜10に設けられた、分かり易い直線状の5箇所の接点に、切りが良く順番に割り当てられるため、キーの1方向へのスライドと押下だけで、より自然に、仮名文字と英字の全てを入力することが可能になる。
【0038】
【発明の効果】以上により、本発明は下記の効果を得ることが出来る。
(1)従来の携帯電話機においては、何回ものキーの操作を必要とした、文字や記号の入力、および文字入力モードの切替えが、1回のキーの押下やスライド操作で可能になり、大幅に容易で迅速になる。
(2)同じ1個のキーに割り当てられた文字を連続して入力する場合、従来の携帯電話のように、一文字入力の度に、文字の入力位置を決めるカーソルを移動するキーを操作する必要が無くなり、入力が大幅に迅速になる。
(3)従来の携帯電話機の文字入力おいて、頻繁に生じるキーの誤操作と該誤操作を修正する何回もの面倒なキーの操作が無くなるため、非常に便利になる。
(4)各テンキーへの文字と記号の割り当て、および入力順番が従来の携帯電話機と同じうえに、入力順番の配置が分かり易く表記されるため、従来の携帯電話機の使用経験者は勿論、使用経験が無くても、直ぐに容易に、より早い文字入力が可能になる。
(5)よって、少し慣れれば、誰でも、キーを見なくても素早い入力操作(ブラインドタッチ)が可能になる。
(6)メール作成時の複合的な文字入力の仕事量が、従来の携帯電話機の三分の一レベルに減少し、文字入力の効率が非常に高くなる。
(7)本発明により構成される文字入力装置が、現状の電子機器の中で一番小さな文字入力装置を持つ携帯電話機の操作部に収まるうえ、各キーの操作性も良好である。
(8)テンキーだけでも、現状の携帯電話機に割り当てられた文字や記号に加えて、各接点に何十もの文字や記号を割り当てて、キーの1回の操作で入力可能な空き容量に余裕がある。
(9)50音の各行の5文字づつを、各テンキーの略五角形状の5箇所の接点に、切りが良く割り当てることも出来るため、より自然に容易に文字入力をすることが可能になる。
(10)コンピュータのキーボード等の、その他の電子機器に、本発明を適用することにより、より容易で、早い、文字入力を可能とする、より小型で安価な文字入力方法とその装置を提供することが出来る。
(11)以上の効果は、高齢者や子供、手の不自由な方にとっては、更に効果絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の形態を示した携帯電話機の外観正面図である。
【図2】図1の操作部の拡大説明図である。
【図3】図3(a)、図3(b)、図3(c)は、それぞれ図2の断面A−Aにおける、キー押下前、キー押下後、キースライド後の動作説明断面図である。
【図4】文字、記号の割り当てとキー操作の対応表である。
【図5】本発明による実施の形態の第1実施例を示した操作部の拡大説明図である。
【図6】本発明による実施の形態の第2実施例を示した操作部の拡大説明図である。
【図7】図7(a)、図7(b)は、それぞれ図6の断面A−Aにおけるキー押下前、キースライド押下後の動作説明断面図である。
【符号の説明】
1〜10 テンキー
11 押下案内板
12 表面案内板
13 スライド案内板
14 操作面
15 ストッパー
16 ガイド孔
17 押圧バー
18 押圧弾性体
19 スライド弾性体
20 フレキシブル基板
21 併設基板
22 接点
23 記号キー
24 入力モード切替えキー
25 大/小文字キー
Claims (3)
- 文字や記号の入力が必要な電子機器において、文字入力用のキーにスライド作動機構を設け、前記キーのスライド前の原点および複数のスライド作動位置それぞれに接点を構成すると共に、該接点のそれぞれに文字または記号を割り当て、前記キーの原点位置での1回の押下、または前記スライド作動位置への1回のスライド、または前記スライド作動位置へのスライド後の1回の押下による前記接点の信号により、前記接点に割り当てられた文字または記号が入力されることを特徴とする電子機器の文字入力方法とその装置。
- 前記キーは、その押下方向と、それに垂直なスライド方向とに摺動可能に、案内板に倣って作動しつつ、押圧バーが、その一端を前記キーの裏側面に垂直に弾性体を介して、押下方向に該弾性力を受けながら摺動可能に埋設されると共に、前記スライド方向にも弾性支持され、前記押圧バーの埋設された一端と反対側の一端の先端に接するフレキシブル基板が、前記キーの押下もしくはスライドによる押圧バーの押下方向加圧力によって撓むことにより、前記フレキシブル基板と該フレキシブル基板に近接した併設基板との間に設けられた複数の前記接点のうちの1箇所が通電して、該接点に割り当てられた文字が入力されることを特徴とする請求項1に記載の電子機器の文字入力方法とその装置。
- 文字入力に必要な全ての文字を、従来の携帯電話機の10個のテンキーにおける文字の割り当ておよび入力順番と同じくなるように、本発明による10個のテンキーの複数の接点のそれぞれに、また、使用頻度の高い句読点、記号および、英字、平仮名、片仮名とそれらの小文字(平仮名と片仮名は促音または拗音)、数字の計7つの文字入力モードのそれぞれを、本発明による数個のキーの複数の接点のそれぞれに、規則性のある順番で、前記7つの文字入力モード別に割り当てると共に、それらの前記接点への割り当て位置が識別可能なように、電子機器に前記文字、句読点、記号、文字入力モードそれぞれの配置を表記することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子機器の文字入力方法とその装置。
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