JP2004122338A - ピン挿入装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ピストンピンをピストン及びコンロッドの挿入孔に挿入する装置において、構造の簡略化、制御プログラムの簡素化、小型化、低コスト化等を図る。
【解決手段】ガイドシャフト109をピストン及びコンロッドの挿入孔P1,R1に通して心出しを行った後にガイドシャフト109及び押込みシャフト106でピストンピンSの両端を挟持しピストンピンを挿入孔に挿入する装置において、駆動機構として、単一の駆動源103と、第1ラック部材104、ピニオン105、ピニオン105及び押込みシャフト106を保持するスライダ107、及びガイドシャフト109を保持する第2ラック部材108からなる連動機構とを採用する。これにより、構造が簡略化、制御プログラムが簡素化される。
【選択図】 図2
【解決手段】ガイドシャフト109をピストン及びコンロッドの挿入孔P1,R1に通して心出しを行った後にガイドシャフト109及び押込みシャフト106でピストンピンSの両端を挟持しピストンピンを挿入孔に挿入する装置において、駆動機構として、単一の駆動源103と、第1ラック部材104、ピニオン105、ピニオン105及び押込みシャフト106を保持するスライダ107、及びガイドシャフト109を保持する第2ラック部材108からなる連動機構とを採用する。これにより、構造が簡略化、制御プログラムが簡素化される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一つの部品にピンを挿入、あるいは、別々に形成された複数の部品にピンを挿入して部品同士を連結するピン挿入装置に関し、特に、エンジンのピストンとコネクティングロッド(以下、コンロッドと称す)とを連結するためのピストンピンを自動的に挿入し得るピン挿入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃エンジンを構成するピストンとコンロッドとは、一直線上に並ぶ両者の挿入孔に対してピストンピンを挿入することにより連結されている。
このピストンピンを挿入する従来の挿入装置としては、ピストンとコンロッドとが、両者の挿入孔が略一直線上に並ぶように予め位置決めされた状態で、両者の挿入孔に挿入されて心出しを行うためのガイドシャフト、ガイドシャフトを往復駆動する第1の駆動機構、心出しされた状態において挿入孔の他方側からピストンピンを押して両者の挿入孔に挿入される押込みシャフト、押込みシャフトを往復駆動する第2の駆動機構等を備えている。
【0003】
すなわち、ピストン及びコンロッドが仮組付けされた状態で、第1の駆動機構により両者の挿入孔の一方側からガイドシャフトが挿入され、その後、第2の駆動機構により両者の挿入孔の他方側からピストンピンが押し込まれつつガイドシャフトが後退させられて、ピストンピンが挿入孔に挿入され、ピストンとコンロッドとの連結(組付け)が完了する(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−167725号公報
【特許文献2】
特開平11−285927号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の装置においては、ガイドシャフトを駆動する第1の駆動機構と押込みシャフトを駆動する第2の駆動機構とを別々に備えているため、装置の複雑化、大型化、高コスト化等を招いていた。
また、ガイドシャフトにより挿入孔の心出しを行った状態でピストンピンを挿入するにあたり、第2の駆動機構による押込みシャフトの押込み駆動と、第1の駆動機構によるガイドシャフトの後退駆動とを同期させて行わせる必要がある。そのため、制御プログラムにおいては、それぞれの駆動機構の駆動制御に併せて、お互いの動作のインターロック(連動)を確認するプログラムが必要になり、全体として制御プログラムが複雑になっていた。
さらに、上記のように別々の駆動機構によりガイドシャフトと押込みシャフトとを駆動する手法では、ピストンピンの挿入(組付け)作業を高速化するには限界があり、特に、エンジンの自動組付けラインにおける生産性向上の一環として、ピストンピンの組付けにおいても、その組付け時間の短縮化が望まれていた。
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、装置の簡略化、小型化、省スペース化、制御プログラムの簡素化、低コスト化、挿入(組付け)時間の短縮化等を図りつつ、ワークにピンを自動的に挿入、特に複数の部品同士を連結するためのピンを自動的に挿入し得るピン挿入装置及び方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のピン挿入装置は、ピンをワークの挿入孔に案内するガイドシャフトと、ピンを挿入孔に向けて押し込む押込みシャフトと、ガイドシャフト及び押込みシャフトを駆動する駆動機構とを備え、予めガイドシャフトを挿入孔に通した後にガイドシャフト及び押込みシャフトでピンの両端を挟持しつつピンを挿入孔に挿入するピン挿入装置であって、上記駆動機構は、駆動力を発生する単一の駆動源と、駆動源が発生する一方向への駆動力により、ガイドシャフトを移動させて挿入孔に通した後に押込みシャフト及びガイドシャフトを逆向きに一体的に移動させる連動機構と、を含むことを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、単一の駆動源が一方向に駆動されると、ガイドシャフトがワークの挿入孔を貫通し挿入孔の心出しが行われ、押込みシャフトと協働してピンを挟持する。そして、単一の駆動源がさらに同一方向(一方向)に駆動されると、連動機構が作用して、ピンが挟持された状態で押込みシャフト及びガイドシャフトが、心出しの際の移動方向とは逆向きに移動する。
すなわち、ガイドシャフトがピンを挿入孔に案内すると同時に押込みシャフトがピンを挿入孔に押し込み、ピンの挿入が完了する。
このように、単一の駆動源でしかも一方向への駆動により、挿入孔の心出し動作及びピンの挿入動作が行われるため、装置の構造が簡略化され、制御プログラムが簡素化され、装置のコストが低減され、ピンの挿入(組付け)作業に要する時間が短縮される。
【0009】
上記構成において、連動機構は、駆動源により直接往復駆動される第1ラック部材と、第1ラック部材に噛合するピニオンと、ピニオンを回動自在に保持すると共に押込みシャフトを保持しかつピンの挿入方向において往復動自在なスライダと、ガイドシャフトと一体的に往復動自在に形成されると共に第1ラック部材と対向する側においてピニオンに噛合する第2ラック部材と、を含む構成を採用できる。
【0010】
この構成によれば、単一の駆動源が一方向に駆動されると、第1ラック部材が一方向へ移動し、第2ラック部材及びガイドシャフトがピニオンを介して逆向きに移動し、ガイドシャフトが挿入孔を貫通して押込みシャフトと協働してピンを挟持する。この挟持と同時に、第1ラック部材に対する第2ラック部材の相対的な移動が拘束される。
そして、さらに単一の駆動源が同一方向(一方向)に駆動されると、第1ラック部材と第2ラック部材及びスライダ、すなわち、第1ラック部材と一体となってガイドシャフト及び押込みシャフトが移動する。これにより、ガイドシャフトが挿入孔から後退すると同時に押込みシャフトがピンを挿入孔に押し込んで、ピンの挿入(組付け)が完了する。
このように、連動機構が簡単な構造により形成されるため、制御プログラムを簡素化しつつ、ガイドシャフトによる心出し動作及び押込みシャフトによる押込み動作を所定のタイミングで確実に行わせることができる。
【0011】
上記構成において、押込みシャフトを挿入孔から離脱させる方向に付勢力を及ぼす付勢手段を設けた、構成を採用できる。
この構成によれば、ピンの挿入が完了した後、駆動源を逆向きに駆動すると、連動機構によるガイドシャフト及び押込みシャフトの連動が解除され、押込みシャフト及びスライダは、付勢手段の付勢力により元の待機位置に復帰する。
【0012】
上記構成において、スライダは、ガイドシャフトが押込みシャフトと協働してピンを挟持した時点で、第1ラックの一部が当接する当接部を有する、構成を採用できる。
この構成によれば、ガイドシャフトが押込みシャフトと協働してピンを挟持すると同時に、第1ラック部材の一部がスライダの当接部に当接するため、押込みシャフト(スライダ)及びガイドシャフトが、第1ラック部材と一体となってすなわち第1ラック部材の移動に連動して確実に移動させられる。
【0013】
本発明のピン挿入方法は、ワークの挿入孔を所定位置に位置付けるべくガイドシャフトを挿入孔に通す心出し動作と、ガイドシャフトと対向する側から押込みシャフトを移動させてピンを挿入孔に向けて押し込む押込み動作とを含み、ガイドシャフト及び押込みシャフトでピンの両端を挟持しつつピンを挿入孔に挿入するピン挿入方法であって、上記心出し動作は、単一の駆動源が発生する一方向への駆動力により行われ、上記押込み動作は、心出し動作に続けてこの単一の駆動源が発生する一方向への駆動力により行われる、ことを特徴としている。
【0014】
この構成によれば、単一の駆動源が発生する一方向への駆動力により、先ずガイドシャフトによる挿入孔の心出し動作が行われ、続けてピンがガイドシャフト及び押込みシャフトにより挟持された状態で、押込みシャフトによるピンの押込み動作が行われる。
このように、単一の駆動源が発生する一方向への駆動力により、心出し動作と押込み動作とが連続的に行われるため、制御シーケンスが簡素化され、ピンの挿入(組付け)作業に要する時間が短縮化される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1ないし図4は、本発明に係るピン挿入装置及び方法の一実施形態を示すものであり、図1はピン挿入装置を含む組付けシステムの概略構成を示す外観斜視図、図2は装置の断面図、図3はピンを支持するピンホルダの正面図、図4は装置の動作図である。この実施形態においては、挿入孔をもつワークとしてエンジンのピストンP及びコンロッドR、ピンとしてピストンピンSを適用した場合を示す。尚、図2に示すように、ピストンPは挿入孔P1を有し、コンロッドRは挿入孔R1を有し、ピストンピンSは貫通孔S1を有する。
【0016】
この組付けシステムは、エンジンの自動組付けラインの一部を構成するものであり、図1に示すように、ピン挿入装置10、コンロッドRが仮組付けられたピストンPを装置10の所定位置に対して搬入しかつコンロッドRが連結されたピストンPを搬出するピストン搬送装置20、ピストンピンSを装置10の近傍に供給するピン供給装置30、ピン供給装置30により供給されたピストンピンSを装置10の所定位置に移載するピン移載装置40、ピストンピンSの不良品を回収する回収ボックス50等により形成されている。
【0017】
ピストン搬送装置20は、例えば、X,Y,Zの3方向において移動自在な把持ユニット等を備える搬送ロボットであり、コンロッドRが仮組付けされたピストンPを、テーブル101の所定位置に搬入して載置し、又、ピストンピンSの組付けが完了したピストンP(及びコンロッドR)を組付けラインの下流側に向けて搬出するものである。
【0018】
ピン供給装置30は、図1に示すように、例えばベルトコンベア31により、装置10に近接する所定の位置までピストンピンSを連続的に搬送して供給するものである。尚、ピン供給装置30としては、ピストンピンSを振動させて供給するもの、あるいは、トレイに載せて供給するもの等、その他の装置を採用することができる。
【0019】
ピン移載装置40は、図1に示すように、例えば把持ユニット41、把持ユニット41をZ方向、Y方向に駆動するアクチュエータ等を備える移載ロボットであり、ピン供給装置30により供給されたピストンピンSを把持して持ち上げ、装置10の所定位置(後述するピンホルダ130上)に移載するものである。
【0020】
尚、ピン移載装置40は、把持ユニット41をX方向に駆動するアクチュエータを備えていてもよい。また、ピン移載装置は、把持ユニット41だけでなく装置全体がX方向に移動するような駆動機構を備えていてもよい。さらに、ピン移載装置は、ピストンピンSを把持して三次元的に移動できるアームを備えたアーム型ロボットであってもよい。
【0021】
ピン挿入装置10は、図1及び図2に示すように、装置の外輪郭を画定するテーブル101、テーブル101を支持するベース102、ベース102に固定された単一の駆動源としてアクチュエータ103、第1ラック部材104、第1ラック部材104に噛合するピニオン105、ピニオン105を回動自在に保持しかつ押込みシャフト106を一体的に保持すると共にX方向に移動自在にベース102に支持されたスライダ107、第1ラック部材104と対向する側においてピニオン105に噛合すると共にガイドシャフト109と一体的にX方向に移動自在に形成された第2ラック部材108、スライダ107を所定の待機位置に向けて付勢する付勢手段としての圧縮バネ110等を備えている。
【0022】
アクチュエータ103は、図2に示すように、ロッド103aをX方向に伸縮する油圧駆動式、空気圧駆動式、あるいはモータ駆動式のシリンダ103bを備え、ロッド103aが没入した待機位置から最も突出した最大作動位置までの間を往復動して駆動力を発生するようになっている。尚、待機位置は、センサ121により検出される。
【0023】
第1ラック部材104は、図2に示すように、X方向に伸長すると共にピニオン105に噛合するラック104aを有し、その先端部104bがスライダ107の当接部107aに対して当接及び離脱し得るようになっている。ここで、第1ラック部材104は、スライダ107の上面に摺動自在に支持されて、X方向に往復動自在となっている。
尚、第1ラック部材104は、ベース102上に設けられたガイド面(不図示)により、スライダ107に対して非接触状態を維持しつつ、X方向に往復動自在に支持されてもよい。
【0024】
ピニオン105は、図2に示すように、スライダ107に固定された支持板107bにより回動自在に保持されており、スライダ107と一緒にX方向に移動すると共に、その回動により、第1ラック部材104と第2ラック部材108とをお互いに逆向きに移動させる。
【0025】
スライダ107は、ベース102の上面に形成された2本のガイドレール102aに連結部107cが摺動自在に連結されて、X方向に往復動自在に支持されている。ここで、ガイドレール102aと連結部107cとによりLMガイドが形成されている。また、スライダ107は、テーブル101の開口部101aから外側に突出する突出部107dを有し、この突出部107dに対して押込みシャフト106が一体的に移動するように固定(保持)されている。
【0026】
押込みシャフト106は、図1及び図2に示すように、テーブル101の上面に設けられた案内部101bによりX方向に往復動自在に支持されており、その先端部にはピストンピンSの一端面に当接する当接面106a、当接面106aから突出して貫通孔S1に嵌入される突出部106bを有する。
【0027】
スライダ107の突出部107dとベース102の突出壁102bとの間には、圧縮バネ110が配置されており、スライダ107を図2において左側端部の待機位置に向けて付勢している。
尚、スライダ107(すなわち押込みシャフト106)の待機位置は、センサ122により検出され、図2において最も右側に移動したスライダ107の最大移動位置(すなわち押込みシャフト106の押込み動作完了位置)は、センサ123により検出される。
【0028】
第2ラック部材108は、図2に示すように、X方向に伸長すると共にピニオン105と噛合するラック108aを有する。また、第2ラック部材108は、その右側端部においてテーブル101の開口部101cから外側に突出する突出部108bを有し、この突出部108bに対してガイドシャフト109が一体的に移動するように固定(保持)されている。
【0029】
ガイドシャフト109は、図1及び図2に示すように、テーブル101の上面に設けられた案内部101dによりX方向に往復動自在に支持されており、その先端部にはピストンピンSの他端面に当接する当接面109a、当接面109aから突出して貫通孔S1に嵌入される突出部109bを有する。
また、ガイドシャフト109の先端側領域109cは、ピストンPの挿入孔P1とコンロッドRの挿入孔R1との心出しを行うべく、所定の外径をなす円柱状に形成されている。さらに、先端側領域109cの端部には、挿入孔R1と挿入孔P1との軸心ずれを容易に合わせるためのテーパ部109c´が形成されている。
【0030】
上記の第1ラック部材104、ピニオン105、スライダ107、第2ラック部材108、さらにはスライダ107に設けられた当接部107a等により、単一の駆動源(アクチュエータ103)が発生する一方向への駆動力で、ガイドシャフト109を移動させてピストンP及びコンロッドRの挿入孔P1,R1に通した後に押込みシャフト106及びガイドシャフト109を逆向きに一体的に移動させる連動機構が構成されている。
また、上記の連動機構(104,105,107,108等)、単一の駆動源(アクチュエータ103)等により、ガイドシャフト109及び押込みシャフト106を駆動する駆動機構が構成されている。
【0031】
このように、単一の駆動源(アクチュエータ103)でしかも一方向への駆動により、挿入孔P1,R1の心出し動作及びピストンピンSの挿入動作が行われるため、装置10の構造が簡略化され、制御プログラムが簡素化され、装置10のコストが低減され、ピストンピンSの挿入(組付け)作業に要する時間が短縮される。
【0032】
ピンホルダ130は、図1及び図2に示すように、テーブル101の上面に固定され、かつ、図3(a)に示すようにVブロック状に形成されており、ピストンピンSの外周面上の二箇所を線接触にて支持するようになっている。これにより、ピストンピンSは、高精度に所定の位置に位置決め保持される。
尚、保持されたピストンピンSの浮き上がりを防止するべく、図3(b),(c)に示すようなピンホルダ130´,130´´を採用してもよい。この場合、ピン移載装置40としては、把持ユニット41をX方向にも駆動するアクチュエータを備えたものが好ましい。
【0033】
ピストン搬送装置20により、テーブル101上に搬入されたピストンP(及びコンロッドR)は、例えばテーブル101上に形成された位置決め嵌合穴(不図示)あるいは固定治具等により、テーブル101に対して位置決めされるようになっている。
【0034】
次に、ピン挿入装置10の動作について、図4を参照しつつ説明する。先ず、装置10の動作に先立って、図4(a)に示すように、ピストン搬送装置20により、コンロッドRを仮組付けしたピストンPがテーブル101上の所定位置に搬入されて位置決めされ、ピン移載装置40により、ピストンピンSがピンホルダ130に移載され保持される。
【0035】
この状態において、アクチュエータ103が一方向に駆動されると、図4(b)に示すように、ロッド103aが突出して第1ラック部材104を図4中右向きに移動させる。すると、ピニオン105が反時計回りに回転して第2ラック部材108を図4中の左向きに移動させる。このとき、スライダ107(及び押込みシャフト106)は、圧縮バネ110の付勢力により待機位置に停止した状態にある。
【0036】
そして、ガイドシャフト109(先端側領域109c)が挿入孔P1,R1を貫通して挿入孔P1,R1の心出し動作を行う。また、突出部109bがピストンピンSの一方側から貫通孔S1に嵌入しかつ当接面109aがピストンピンSの一方側の端面を押すと同時に、押込みシャフト106の突出部106bがピストンピンSの他方側から貫通孔S1に嵌入しかつ当接面106aがピストンピンSの他方側の端面に当接する。
これにより、ピストンピンSは、図4(b)に示すように、心出し(位置決め)されつつその両端がガイドシャフト109と押込みシャフト106とにより挟持された状態となる。また、このとき、第1ラック部材104の先端部104bは、スライダ107の当接部107aに当接する。
【0037】
この状態において、アクチュエータ103がさらに同一方向(一方向)に駆動されると、圧縮バネ110の付勢力に抗して(圧縮バネ110を圧縮しつつ)、第1ラック部材104及びスライダ107(及び押込みシャフト106)が、一体となって図4中の右側に向けて移動する。このとき、ピニオン105は回転不可能なため、ガイドシャフト109も一体となって図4中の右側に向けて移動する。
この際に、ガイドシャフト109が押込みシャフト106と協働してピストンピンSを挟持すると同時に、第1ラック部材104の先端部104b(一部)がスライダ107の当接部107aに当接するため、押込みシャフト106(スライダ107)及びガイドシャフト109は、ピストンピンSを堅固に挟持した状態で、第1ラック部材104と一体となって確実に移動させられる。
【0038】
すなわち、ガイドシャフト109が後退(挿入孔P1,R1から離脱)しつつピストンピンSを挿入孔P1,R1に案内すると同時に、押込みシャフト106がピストンピンSを挿入孔P1,R1に押し込み(押込み動作を行い)、図4(c)に示すように、スライダ107が最大移動位置(押込みシャフト106が押込み動作完了位置)に達して、ピストンピンSの挿入(組付け)が完了する。
【0039】
スライダ107が最大移動位置に至り、センサ123が挿入完了を検出すると、アクチュエータ103は、逆向きに(ロッド103aが没入する方向に)駆動される。すると、第1ラック部材104が図4中の左向きに移動し、ピニオン105が時計回りに回転して、第2ラック部材108が図4中の右向きに移動する。と同時に、圧縮バネ110の付勢力により、スライダ107が図4中の右向きに移動する。これにより、図4(d)に示すように、ガイドシャフト109及び押込みシャフト106がピストンピンSから離脱して元の待機位置に復帰する。そして、センサ122により、スライダ107が待機位置へ戻ったことが検出され、又、センサ121により、アクチュエータ103が待機位置に戻ったことが検出され、アクチュエータ103の駆動が停止される。
【0040】
このように、単一の駆動源(アクチュエータ103)が発生する一方向への駆動力により、心出し動作と押込み動作とが連続的に行われるため、制御シーケンスが簡素化され、ピストンピンSの挿入(組付け)作業に要する時間が短縮化される。
【0041】
図5は、本発明に係るピン挿入装置の他の実施形態を示すものである。この実施形態においては、圧縮バネ110´の配置構成を変更した以外は、前述の図2に示す実施形態と同一であるため、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0042】
この装置においては、図5に示すように、スライダ107´に突出壁107eが設けられ、第1ラック部材104´に当接壁104cが設けられている。そして、圧縮バネ110´が、突出壁107eと当接壁104cとの間に配置され、その一端110a´が突出壁107eに固定され、その他端部110b´が当接壁104c´に対して当接及び離脱自在となっている。
【0043】
この装置においては、アクチュエータ103が一方向に駆動されて、ガイドシャフト109による心出し動作の開始〜押込みシャフト106による押込み動作の完了までの間の所定の領域において、他端部110b´が当接壁104cから離脱して圧縮バネ110´は非圧縮状態となり、ピストンピンSの挿入が完了して、スライダ107´及び押込みシャフト106を待機位置に復帰させる場合に、当接壁104cが所定のタイミングで他端部110b´に当接して圧縮バネ110´を圧縮する。この圧縮動作により発生する付勢力により、スライダ107´が待機位置に復帰させられ、押込みシャフト106がピストンピンSから離脱して待機位置に復帰させられる。
【0044】
ここで、圧縮バネ110´の他端部110b´が当接壁104cから離脱するタイミングとしては、ガイドシャフト109及び押込みシャフト106によりピストンピンSが挟持された時点とするのが好ましい。
このタイミングによれば、ピストンピンSが挟持される(図4(b)に相当する位置に第1ラック部材104´が至る)までは、突出壁107eと当接壁104cとにより圧縮バネ110´は圧縮された状態にあるため、スライダ107´は圧縮バネ110´の付勢力により待機位置に保持された状態となる。
【0045】
一方、押込みシャフト106による押込み動作が開始されると、第1ラック部材104´の当接壁104cが圧縮バネ110´の他端部110b´から離脱して、圧縮バネ110´は非圧縮の状態となる。したがって、押込み動作の際中に、圧縮バネ110´の付勢力がアクチュエータ103に対する駆動負荷として作用しないため、押込み動作が円滑に行われ、アクチュエータ103の駆動に要するエネルギ(例えば消費電力)等が低減される。
【0046】
図6は、本発明に係るピン挿入装置のさらに他の実施形態を示すものであり、付勢手段として引張りバネ140を採用した以外は、図2に示す実施形態と同一であるため、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
この装置においては、図6に示すように、ベース102´に対して、突出部107dよりも外側の位置に突出壁102b´が設けられ、付勢手段としての引張りバネ140が突出壁102b´とスライダ107の突出部107dとの間に張設されている。また、テーブル101´には、引張りバネ140が収容された空間の上方部の開口部101eを覆う蓋101fが開閉自在に設けられている。
【0047】
この装置においては、引張りバネ140の引張り力がスライダ107を待機位置に復帰させる付勢力として作用する。また、蓋101fを開閉して、バネ特性の異なる引張りバネ140に容易に変更することができるため、スライダ107の戻り特性あるいはアクチュエータ103に対する負荷特性を適宜変更することができる。
【0048】
図7は、本発明に係るピン挿入装置のさらに他の実施形態を示すものであり、ピンホルダ130を廃止して、ピン移載装置40の把持ユニット41にピンホルダの役割を追加した以外は、図1及び図2に示す実施形態と同一であるため、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0049】
このピン挿入装置においては、テーブル101の上面からピンホルダ130が取り除かれている。一方、ピン移載装置の把持ユニット41´は、協働によりV字状の保持面を画定する一対の把持アーム41a´、ピストンピンSを保持した状態で、上方からピストンピンSを押し付けるべくZ方向に往復動自在な押付片41b´等を備えている。
【0050】
この装置によれば、図1及び図2に示すようなピン移載装置40からピンホルダ130へのピストンピンSの移載動作が不要になるため、移載動作に伴なうピストンピンSの位置ずれあるいは脱落等が防止され、又、ピストンピンSの位置決めが迅速に行われ、全体として挿入動作に要する時間が短縮される。
【0051】
図8は、本発明に係るピン挿入装置のさらに他の実施形態を示すものであり、押込みシャフトの一部を変更し、ピンホルダ130を廃止した以外は、図2に示す実施形態と同一であるため、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0052】
この装置においては、図8に示すように、テーブル101の上面からピンホルダ130が取り除かれている。また、押込みシャフト106´は、その先端領域に縮径部106a´を有し、この縮径部106a´は、ピストンピンSの貫通孔S1に対して所定の長さ(すなわち、ピストンピンSを保持できる長さ)に亘り嵌入するようになっている。
【0053】
この装置によれば、ピン移載装置40によりピストンピンSが把持されて、押込みシャフト106´の縮径部106a´にピストンピンSが嵌め込まれて位置決めされた後に、ピストン搬送装置20によりピストンP(及びコンロッドR)がテーブル101上の所定位置に搬入され位置決めされる。
したがって、ピンホルダ130が不要になり、又、ピストンピンSの位置ずれを防止でき、挿入前の所定位置に高精度に位置決めすることができる。
【0054】
図9は、本発明に係るピン挿入装置のさらに他の実施形態を示すものであり、図7に示す装置を縦型として使用する以外は、同一の構成であるため、同一の構成及び動作についてはその説明を省略する。
この装置においては、ガイドシャフト109、押込みシャフト106、スライダ107、アクチュエータ103の駆動方向を鉛直方向にし、ピストンP及びコンロッドRを挿入位置において位置決め保持する保持ユニット150を設け、ピストンピンSを鉛直方向に方向付けるように把持ユニット41´を駆動する。尚、この装置において、テーブル101は装置の単なる外壁として使用される。
この装置によれば、狭いスペースに装置を配置できるため、エンジンの自動組付けライン等において、システム全体の省スペース化に寄与する。
【0055】
図10は、本発明に係るピン挿入装置のさらに他の実施形態を示すものであり、図2に示す装置を縦型として使用し、押込みシャフト106を案内する案内部101bを変更し、ピンホルダ130を廃止した以外は、図2に示す装置と同一の構成であるため、同一の構成及び動作についてはその説明を省略する。
【0056】
この装置においては、ガイドシャフト109、押込みシャフト106、スライダ107、アクチュエータ103の駆動方向を鉛直方向にし、ピストンP及びコンロッドRを挿入位置において位置決め保持する保持ユニット150を設け、ピストンピンSを鉛直方向に方向付けるように把持ユニット41を駆動する。尚、この装置において、テーブル101は装置の単なる外壁として使用される。
また、案内部101b´は、図2の実施形態に比べて長めに形成され、押込みシャフト106が待機状態にあるとき、ピストンピンSが挿入されて位置決めされた状態で保持されるようになっている。
この装置によれば、狭いスペースに装置を配置できるため、エンジンの自動組付けライン等において、システム全体の省スペース化に寄与する。
【0057】
上記実施形態においては、挿入孔をもつワークとしてエンジンのピストンP及びコンロッドRを示し、挿入孔に挿入されるピンとしてピストンピンSを示したが、これに限定されるものではなく、ワークが単一の挿入孔あるいは複数の挿入孔をもつ機械部品その他の電子機器部品であり、ピンがこれらの部品に挿入されるものである場合においても、本発明の装置及び方法を採用できる。
【0058】
また、上記実施形態においては、ピストンピンSとして、貫通孔S1をもつものを示したが、これに限定されるものではなく、ガイドシャフト109及び押込みシャフト106により両端が挟持されるものであれば、両端部の領域だけに凹状の穴をもつピストンピン、あるいは、穴がない中実のピストンピンに対しても、本発明の装置及び方法を採用できる。
また、上記実施形態においては、付勢手段としてコイル状のバネを示したが、これに限定されるものではなく、所定の付勢力を発生するものであれば、板状のバネ、弾性ゴム等その他の弾性体を採用してもよい。
さらに、図10に示す装置(案内部101b´をもつ装置)を、図2に示すように横型として使用することも可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のピン挿入装置及び方法によれば、予めガイドシャフトを挿入孔に通した後にガイドシャフト及び押込みシャフトでピンの両端を挟持しつつピンを挿入孔に挿入するピン挿入装置及び方法において、単一の駆動源が発生する一方向への駆動力により、ガイドシャフトを移動させて挿入孔に通した後に押込みシャフト及びガイドシャフトを逆向きに一体的に移動させる連動機構を採用したことにより、単一の駆動源でしかも一方向への駆動により、挿入孔の心出し動作及びピンの挿入動作が行われるため、装置の構造が簡略化され、制御プログラムが簡素化され、装置のコストが低減され、ピンの挿入(組付け)作業に要する時間が短縮される。
特に、連動機構として、駆動源により直接駆動される第1ラック部材、ピニオン、ピニオンを回動自在に保持しかつ押込みシャフトを保持するスライダ、ガイドシャフトと一体的に往復動する第2ラック部材等を採用したことにより、構造が簡略化され、心出し動作と押込み動作とを所定のタイミングで確実に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るピン挿入装置を含む組付けシステムの概略構成を示す外観斜視図である。
【図2】本発明に係るピン挿入装置の一実施形態を示す断面図である。
【図3】(a)はピン挿入装置の一部を構成するピンホルダを示す正面図であり、(b),(c)はピンホルダの他の実施形態を示す正面図である。
【図4】(a),(b),(c),(d)は、ピン挿入装置の動作を説明する動作図である。
【図5】本発明に係るピン挿入装置の他の実施形態を示す断面図である。
【図6】本発明に係るピン挿入装置のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図7】本発明に係るピン挿入装置のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図8】本発明に係るピン挿入装置のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図9】本発明に係るピン挿入装置のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図10】本発明に係るピン挿入装置のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
P ピストン(ワーク)
R コンロッド(ワーク)
P1,R1 挿入孔
S ピストンピン(ピン)
S1 貫通孔
10 ピン挿入装置
20 ピストン搬送装置
30 ピン供給装置
40 ピン移載装置
41,41´ 把持ユニット
41a´ 把持アーム
41b´ 押付片
50 回収ボックス
101,101´ テーブル
101a,101c 開口部
101b,101b´,101d 案内部
102,102´ ベース
102b,102b´ 突出壁
103 アクチュエータ(単一の駆動源)
103a ロッド
104,104´ 第1ラック部材
104a ラック
104b 先端部(一部)
104c 当接壁
105 ピニオン
106,106´ 押込みシャフト
107,107´ スライダ
107a 当接部
107d 突出部
107e 突出壁
108 第2ラック部材
108a ラック
108b 突出部
109 ガイドシャフト
110,110´ 圧縮バネ(付勢手段)
130,130´,130´´ ピンホルダ
140 引張りバネ(付勢手段)
150 保持ユニット
【発明の属する技術分野】
本発明は、一つの部品にピンを挿入、あるいは、別々に形成された複数の部品にピンを挿入して部品同士を連結するピン挿入装置に関し、特に、エンジンのピストンとコネクティングロッド(以下、コンロッドと称す)とを連結するためのピストンピンを自動的に挿入し得るピン挿入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃エンジンを構成するピストンとコンロッドとは、一直線上に並ぶ両者の挿入孔に対してピストンピンを挿入することにより連結されている。
このピストンピンを挿入する従来の挿入装置としては、ピストンとコンロッドとが、両者の挿入孔が略一直線上に並ぶように予め位置決めされた状態で、両者の挿入孔に挿入されて心出しを行うためのガイドシャフト、ガイドシャフトを往復駆動する第1の駆動機構、心出しされた状態において挿入孔の他方側からピストンピンを押して両者の挿入孔に挿入される押込みシャフト、押込みシャフトを往復駆動する第2の駆動機構等を備えている。
【0003】
すなわち、ピストン及びコンロッドが仮組付けされた状態で、第1の駆動機構により両者の挿入孔の一方側からガイドシャフトが挿入され、その後、第2の駆動機構により両者の挿入孔の他方側からピストンピンが押し込まれつつガイドシャフトが後退させられて、ピストンピンが挿入孔に挿入され、ピストンとコンロッドとの連結(組付け)が完了する(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−167725号公報
【特許文献2】
特開平11−285927号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の装置においては、ガイドシャフトを駆動する第1の駆動機構と押込みシャフトを駆動する第2の駆動機構とを別々に備えているため、装置の複雑化、大型化、高コスト化等を招いていた。
また、ガイドシャフトにより挿入孔の心出しを行った状態でピストンピンを挿入するにあたり、第2の駆動機構による押込みシャフトの押込み駆動と、第1の駆動機構によるガイドシャフトの後退駆動とを同期させて行わせる必要がある。そのため、制御プログラムにおいては、それぞれの駆動機構の駆動制御に併せて、お互いの動作のインターロック(連動)を確認するプログラムが必要になり、全体として制御プログラムが複雑になっていた。
さらに、上記のように別々の駆動機構によりガイドシャフトと押込みシャフトとを駆動する手法では、ピストンピンの挿入(組付け)作業を高速化するには限界があり、特に、エンジンの自動組付けラインにおける生産性向上の一環として、ピストンピンの組付けにおいても、その組付け時間の短縮化が望まれていた。
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、装置の簡略化、小型化、省スペース化、制御プログラムの簡素化、低コスト化、挿入(組付け)時間の短縮化等を図りつつ、ワークにピンを自動的に挿入、特に複数の部品同士を連結するためのピンを自動的に挿入し得るピン挿入装置及び方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のピン挿入装置は、ピンをワークの挿入孔に案内するガイドシャフトと、ピンを挿入孔に向けて押し込む押込みシャフトと、ガイドシャフト及び押込みシャフトを駆動する駆動機構とを備え、予めガイドシャフトを挿入孔に通した後にガイドシャフト及び押込みシャフトでピンの両端を挟持しつつピンを挿入孔に挿入するピン挿入装置であって、上記駆動機構は、駆動力を発生する単一の駆動源と、駆動源が発生する一方向への駆動力により、ガイドシャフトを移動させて挿入孔に通した後に押込みシャフト及びガイドシャフトを逆向きに一体的に移動させる連動機構と、を含むことを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、単一の駆動源が一方向に駆動されると、ガイドシャフトがワークの挿入孔を貫通し挿入孔の心出しが行われ、押込みシャフトと協働してピンを挟持する。そして、単一の駆動源がさらに同一方向(一方向)に駆動されると、連動機構が作用して、ピンが挟持された状態で押込みシャフト及びガイドシャフトが、心出しの際の移動方向とは逆向きに移動する。
すなわち、ガイドシャフトがピンを挿入孔に案内すると同時に押込みシャフトがピンを挿入孔に押し込み、ピンの挿入が完了する。
このように、単一の駆動源でしかも一方向への駆動により、挿入孔の心出し動作及びピンの挿入動作が行われるため、装置の構造が簡略化され、制御プログラムが簡素化され、装置のコストが低減され、ピンの挿入(組付け)作業に要する時間が短縮される。
【0009】
上記構成において、連動機構は、駆動源により直接往復駆動される第1ラック部材と、第1ラック部材に噛合するピニオンと、ピニオンを回動自在に保持すると共に押込みシャフトを保持しかつピンの挿入方向において往復動自在なスライダと、ガイドシャフトと一体的に往復動自在に形成されると共に第1ラック部材と対向する側においてピニオンに噛合する第2ラック部材と、を含む構成を採用できる。
【0010】
この構成によれば、単一の駆動源が一方向に駆動されると、第1ラック部材が一方向へ移動し、第2ラック部材及びガイドシャフトがピニオンを介して逆向きに移動し、ガイドシャフトが挿入孔を貫通して押込みシャフトと協働してピンを挟持する。この挟持と同時に、第1ラック部材に対する第2ラック部材の相対的な移動が拘束される。
そして、さらに単一の駆動源が同一方向(一方向)に駆動されると、第1ラック部材と第2ラック部材及びスライダ、すなわち、第1ラック部材と一体となってガイドシャフト及び押込みシャフトが移動する。これにより、ガイドシャフトが挿入孔から後退すると同時に押込みシャフトがピンを挿入孔に押し込んで、ピンの挿入(組付け)が完了する。
このように、連動機構が簡単な構造により形成されるため、制御プログラムを簡素化しつつ、ガイドシャフトによる心出し動作及び押込みシャフトによる押込み動作を所定のタイミングで確実に行わせることができる。
【0011】
上記構成において、押込みシャフトを挿入孔から離脱させる方向に付勢力を及ぼす付勢手段を設けた、構成を採用できる。
この構成によれば、ピンの挿入が完了した後、駆動源を逆向きに駆動すると、連動機構によるガイドシャフト及び押込みシャフトの連動が解除され、押込みシャフト及びスライダは、付勢手段の付勢力により元の待機位置に復帰する。
【0012】
上記構成において、スライダは、ガイドシャフトが押込みシャフトと協働してピンを挟持した時点で、第1ラックの一部が当接する当接部を有する、構成を採用できる。
この構成によれば、ガイドシャフトが押込みシャフトと協働してピンを挟持すると同時に、第1ラック部材の一部がスライダの当接部に当接するため、押込みシャフト(スライダ)及びガイドシャフトが、第1ラック部材と一体となってすなわち第1ラック部材の移動に連動して確実に移動させられる。
【0013】
本発明のピン挿入方法は、ワークの挿入孔を所定位置に位置付けるべくガイドシャフトを挿入孔に通す心出し動作と、ガイドシャフトと対向する側から押込みシャフトを移動させてピンを挿入孔に向けて押し込む押込み動作とを含み、ガイドシャフト及び押込みシャフトでピンの両端を挟持しつつピンを挿入孔に挿入するピン挿入方法であって、上記心出し動作は、単一の駆動源が発生する一方向への駆動力により行われ、上記押込み動作は、心出し動作に続けてこの単一の駆動源が発生する一方向への駆動力により行われる、ことを特徴としている。
【0014】
この構成によれば、単一の駆動源が発生する一方向への駆動力により、先ずガイドシャフトによる挿入孔の心出し動作が行われ、続けてピンがガイドシャフト及び押込みシャフトにより挟持された状態で、押込みシャフトによるピンの押込み動作が行われる。
このように、単一の駆動源が発生する一方向への駆動力により、心出し動作と押込み動作とが連続的に行われるため、制御シーケンスが簡素化され、ピンの挿入(組付け)作業に要する時間が短縮化される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1ないし図4は、本発明に係るピン挿入装置及び方法の一実施形態を示すものであり、図1はピン挿入装置を含む組付けシステムの概略構成を示す外観斜視図、図2は装置の断面図、図3はピンを支持するピンホルダの正面図、図4は装置の動作図である。この実施形態においては、挿入孔をもつワークとしてエンジンのピストンP及びコンロッドR、ピンとしてピストンピンSを適用した場合を示す。尚、図2に示すように、ピストンPは挿入孔P1を有し、コンロッドRは挿入孔R1を有し、ピストンピンSは貫通孔S1を有する。
【0016】
この組付けシステムは、エンジンの自動組付けラインの一部を構成するものであり、図1に示すように、ピン挿入装置10、コンロッドRが仮組付けられたピストンPを装置10の所定位置に対して搬入しかつコンロッドRが連結されたピストンPを搬出するピストン搬送装置20、ピストンピンSを装置10の近傍に供給するピン供給装置30、ピン供給装置30により供給されたピストンピンSを装置10の所定位置に移載するピン移載装置40、ピストンピンSの不良品を回収する回収ボックス50等により形成されている。
【0017】
ピストン搬送装置20は、例えば、X,Y,Zの3方向において移動自在な把持ユニット等を備える搬送ロボットであり、コンロッドRが仮組付けされたピストンPを、テーブル101の所定位置に搬入して載置し、又、ピストンピンSの組付けが完了したピストンP(及びコンロッドR)を組付けラインの下流側に向けて搬出するものである。
【0018】
ピン供給装置30は、図1に示すように、例えばベルトコンベア31により、装置10に近接する所定の位置までピストンピンSを連続的に搬送して供給するものである。尚、ピン供給装置30としては、ピストンピンSを振動させて供給するもの、あるいは、トレイに載せて供給するもの等、その他の装置を採用することができる。
【0019】
ピン移載装置40は、図1に示すように、例えば把持ユニット41、把持ユニット41をZ方向、Y方向に駆動するアクチュエータ等を備える移載ロボットであり、ピン供給装置30により供給されたピストンピンSを把持して持ち上げ、装置10の所定位置(後述するピンホルダ130上)に移載するものである。
【0020】
尚、ピン移載装置40は、把持ユニット41をX方向に駆動するアクチュエータを備えていてもよい。また、ピン移載装置は、把持ユニット41だけでなく装置全体がX方向に移動するような駆動機構を備えていてもよい。さらに、ピン移載装置は、ピストンピンSを把持して三次元的に移動できるアームを備えたアーム型ロボットであってもよい。
【0021】
ピン挿入装置10は、図1及び図2に示すように、装置の外輪郭を画定するテーブル101、テーブル101を支持するベース102、ベース102に固定された単一の駆動源としてアクチュエータ103、第1ラック部材104、第1ラック部材104に噛合するピニオン105、ピニオン105を回動自在に保持しかつ押込みシャフト106を一体的に保持すると共にX方向に移動自在にベース102に支持されたスライダ107、第1ラック部材104と対向する側においてピニオン105に噛合すると共にガイドシャフト109と一体的にX方向に移動自在に形成された第2ラック部材108、スライダ107を所定の待機位置に向けて付勢する付勢手段としての圧縮バネ110等を備えている。
【0022】
アクチュエータ103は、図2に示すように、ロッド103aをX方向に伸縮する油圧駆動式、空気圧駆動式、あるいはモータ駆動式のシリンダ103bを備え、ロッド103aが没入した待機位置から最も突出した最大作動位置までの間を往復動して駆動力を発生するようになっている。尚、待機位置は、センサ121により検出される。
【0023】
第1ラック部材104は、図2に示すように、X方向に伸長すると共にピニオン105に噛合するラック104aを有し、その先端部104bがスライダ107の当接部107aに対して当接及び離脱し得るようになっている。ここで、第1ラック部材104は、スライダ107の上面に摺動自在に支持されて、X方向に往復動自在となっている。
尚、第1ラック部材104は、ベース102上に設けられたガイド面(不図示)により、スライダ107に対して非接触状態を維持しつつ、X方向に往復動自在に支持されてもよい。
【0024】
ピニオン105は、図2に示すように、スライダ107に固定された支持板107bにより回動自在に保持されており、スライダ107と一緒にX方向に移動すると共に、その回動により、第1ラック部材104と第2ラック部材108とをお互いに逆向きに移動させる。
【0025】
スライダ107は、ベース102の上面に形成された2本のガイドレール102aに連結部107cが摺動自在に連結されて、X方向に往復動自在に支持されている。ここで、ガイドレール102aと連結部107cとによりLMガイドが形成されている。また、スライダ107は、テーブル101の開口部101aから外側に突出する突出部107dを有し、この突出部107dに対して押込みシャフト106が一体的に移動するように固定(保持)されている。
【0026】
押込みシャフト106は、図1及び図2に示すように、テーブル101の上面に設けられた案内部101bによりX方向に往復動自在に支持されており、その先端部にはピストンピンSの一端面に当接する当接面106a、当接面106aから突出して貫通孔S1に嵌入される突出部106bを有する。
【0027】
スライダ107の突出部107dとベース102の突出壁102bとの間には、圧縮バネ110が配置されており、スライダ107を図2において左側端部の待機位置に向けて付勢している。
尚、スライダ107(すなわち押込みシャフト106)の待機位置は、センサ122により検出され、図2において最も右側に移動したスライダ107の最大移動位置(すなわち押込みシャフト106の押込み動作完了位置)は、センサ123により検出される。
【0028】
第2ラック部材108は、図2に示すように、X方向に伸長すると共にピニオン105と噛合するラック108aを有する。また、第2ラック部材108は、その右側端部においてテーブル101の開口部101cから外側に突出する突出部108bを有し、この突出部108bに対してガイドシャフト109が一体的に移動するように固定(保持)されている。
【0029】
ガイドシャフト109は、図1及び図2に示すように、テーブル101の上面に設けられた案内部101dによりX方向に往復動自在に支持されており、その先端部にはピストンピンSの他端面に当接する当接面109a、当接面109aから突出して貫通孔S1に嵌入される突出部109bを有する。
また、ガイドシャフト109の先端側領域109cは、ピストンPの挿入孔P1とコンロッドRの挿入孔R1との心出しを行うべく、所定の外径をなす円柱状に形成されている。さらに、先端側領域109cの端部には、挿入孔R1と挿入孔P1との軸心ずれを容易に合わせるためのテーパ部109c´が形成されている。
【0030】
上記の第1ラック部材104、ピニオン105、スライダ107、第2ラック部材108、さらにはスライダ107に設けられた当接部107a等により、単一の駆動源(アクチュエータ103)が発生する一方向への駆動力で、ガイドシャフト109を移動させてピストンP及びコンロッドRの挿入孔P1,R1に通した後に押込みシャフト106及びガイドシャフト109を逆向きに一体的に移動させる連動機構が構成されている。
また、上記の連動機構(104,105,107,108等)、単一の駆動源(アクチュエータ103)等により、ガイドシャフト109及び押込みシャフト106を駆動する駆動機構が構成されている。
【0031】
このように、単一の駆動源(アクチュエータ103)でしかも一方向への駆動により、挿入孔P1,R1の心出し動作及びピストンピンSの挿入動作が行われるため、装置10の構造が簡略化され、制御プログラムが簡素化され、装置10のコストが低減され、ピストンピンSの挿入(組付け)作業に要する時間が短縮される。
【0032】
ピンホルダ130は、図1及び図2に示すように、テーブル101の上面に固定され、かつ、図3(a)に示すようにVブロック状に形成されており、ピストンピンSの外周面上の二箇所を線接触にて支持するようになっている。これにより、ピストンピンSは、高精度に所定の位置に位置決め保持される。
尚、保持されたピストンピンSの浮き上がりを防止するべく、図3(b),(c)に示すようなピンホルダ130´,130´´を採用してもよい。この場合、ピン移載装置40としては、把持ユニット41をX方向にも駆動するアクチュエータを備えたものが好ましい。
【0033】
ピストン搬送装置20により、テーブル101上に搬入されたピストンP(及びコンロッドR)は、例えばテーブル101上に形成された位置決め嵌合穴(不図示)あるいは固定治具等により、テーブル101に対して位置決めされるようになっている。
【0034】
次に、ピン挿入装置10の動作について、図4を参照しつつ説明する。先ず、装置10の動作に先立って、図4(a)に示すように、ピストン搬送装置20により、コンロッドRを仮組付けしたピストンPがテーブル101上の所定位置に搬入されて位置決めされ、ピン移載装置40により、ピストンピンSがピンホルダ130に移載され保持される。
【0035】
この状態において、アクチュエータ103が一方向に駆動されると、図4(b)に示すように、ロッド103aが突出して第1ラック部材104を図4中右向きに移動させる。すると、ピニオン105が反時計回りに回転して第2ラック部材108を図4中の左向きに移動させる。このとき、スライダ107(及び押込みシャフト106)は、圧縮バネ110の付勢力により待機位置に停止した状態にある。
【0036】
そして、ガイドシャフト109(先端側領域109c)が挿入孔P1,R1を貫通して挿入孔P1,R1の心出し動作を行う。また、突出部109bがピストンピンSの一方側から貫通孔S1に嵌入しかつ当接面109aがピストンピンSの一方側の端面を押すと同時に、押込みシャフト106の突出部106bがピストンピンSの他方側から貫通孔S1に嵌入しかつ当接面106aがピストンピンSの他方側の端面に当接する。
これにより、ピストンピンSは、図4(b)に示すように、心出し(位置決め)されつつその両端がガイドシャフト109と押込みシャフト106とにより挟持された状態となる。また、このとき、第1ラック部材104の先端部104bは、スライダ107の当接部107aに当接する。
【0037】
この状態において、アクチュエータ103がさらに同一方向(一方向)に駆動されると、圧縮バネ110の付勢力に抗して(圧縮バネ110を圧縮しつつ)、第1ラック部材104及びスライダ107(及び押込みシャフト106)が、一体となって図4中の右側に向けて移動する。このとき、ピニオン105は回転不可能なため、ガイドシャフト109も一体となって図4中の右側に向けて移動する。
この際に、ガイドシャフト109が押込みシャフト106と協働してピストンピンSを挟持すると同時に、第1ラック部材104の先端部104b(一部)がスライダ107の当接部107aに当接するため、押込みシャフト106(スライダ107)及びガイドシャフト109は、ピストンピンSを堅固に挟持した状態で、第1ラック部材104と一体となって確実に移動させられる。
【0038】
すなわち、ガイドシャフト109が後退(挿入孔P1,R1から離脱)しつつピストンピンSを挿入孔P1,R1に案内すると同時に、押込みシャフト106がピストンピンSを挿入孔P1,R1に押し込み(押込み動作を行い)、図4(c)に示すように、スライダ107が最大移動位置(押込みシャフト106が押込み動作完了位置)に達して、ピストンピンSの挿入(組付け)が完了する。
【0039】
スライダ107が最大移動位置に至り、センサ123が挿入完了を検出すると、アクチュエータ103は、逆向きに(ロッド103aが没入する方向に)駆動される。すると、第1ラック部材104が図4中の左向きに移動し、ピニオン105が時計回りに回転して、第2ラック部材108が図4中の右向きに移動する。と同時に、圧縮バネ110の付勢力により、スライダ107が図4中の右向きに移動する。これにより、図4(d)に示すように、ガイドシャフト109及び押込みシャフト106がピストンピンSから離脱して元の待機位置に復帰する。そして、センサ122により、スライダ107が待機位置へ戻ったことが検出され、又、センサ121により、アクチュエータ103が待機位置に戻ったことが検出され、アクチュエータ103の駆動が停止される。
【0040】
このように、単一の駆動源(アクチュエータ103)が発生する一方向への駆動力により、心出し動作と押込み動作とが連続的に行われるため、制御シーケンスが簡素化され、ピストンピンSの挿入(組付け)作業に要する時間が短縮化される。
【0041】
図5は、本発明に係るピン挿入装置の他の実施形態を示すものである。この実施形態においては、圧縮バネ110´の配置構成を変更した以外は、前述の図2に示す実施形態と同一であるため、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0042】
この装置においては、図5に示すように、スライダ107´に突出壁107eが設けられ、第1ラック部材104´に当接壁104cが設けられている。そして、圧縮バネ110´が、突出壁107eと当接壁104cとの間に配置され、その一端110a´が突出壁107eに固定され、その他端部110b´が当接壁104c´に対して当接及び離脱自在となっている。
【0043】
この装置においては、アクチュエータ103が一方向に駆動されて、ガイドシャフト109による心出し動作の開始〜押込みシャフト106による押込み動作の完了までの間の所定の領域において、他端部110b´が当接壁104cから離脱して圧縮バネ110´は非圧縮状態となり、ピストンピンSの挿入が完了して、スライダ107´及び押込みシャフト106を待機位置に復帰させる場合に、当接壁104cが所定のタイミングで他端部110b´に当接して圧縮バネ110´を圧縮する。この圧縮動作により発生する付勢力により、スライダ107´が待機位置に復帰させられ、押込みシャフト106がピストンピンSから離脱して待機位置に復帰させられる。
【0044】
ここで、圧縮バネ110´の他端部110b´が当接壁104cから離脱するタイミングとしては、ガイドシャフト109及び押込みシャフト106によりピストンピンSが挟持された時点とするのが好ましい。
このタイミングによれば、ピストンピンSが挟持される(図4(b)に相当する位置に第1ラック部材104´が至る)までは、突出壁107eと当接壁104cとにより圧縮バネ110´は圧縮された状態にあるため、スライダ107´は圧縮バネ110´の付勢力により待機位置に保持された状態となる。
【0045】
一方、押込みシャフト106による押込み動作が開始されると、第1ラック部材104´の当接壁104cが圧縮バネ110´の他端部110b´から離脱して、圧縮バネ110´は非圧縮の状態となる。したがって、押込み動作の際中に、圧縮バネ110´の付勢力がアクチュエータ103に対する駆動負荷として作用しないため、押込み動作が円滑に行われ、アクチュエータ103の駆動に要するエネルギ(例えば消費電力)等が低減される。
【0046】
図6は、本発明に係るピン挿入装置のさらに他の実施形態を示すものであり、付勢手段として引張りバネ140を採用した以外は、図2に示す実施形態と同一であるため、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
この装置においては、図6に示すように、ベース102´に対して、突出部107dよりも外側の位置に突出壁102b´が設けられ、付勢手段としての引張りバネ140が突出壁102b´とスライダ107の突出部107dとの間に張設されている。また、テーブル101´には、引張りバネ140が収容された空間の上方部の開口部101eを覆う蓋101fが開閉自在に設けられている。
【0047】
この装置においては、引張りバネ140の引張り力がスライダ107を待機位置に復帰させる付勢力として作用する。また、蓋101fを開閉して、バネ特性の異なる引張りバネ140に容易に変更することができるため、スライダ107の戻り特性あるいはアクチュエータ103に対する負荷特性を適宜変更することができる。
【0048】
図7は、本発明に係るピン挿入装置のさらに他の実施形態を示すものであり、ピンホルダ130を廃止して、ピン移載装置40の把持ユニット41にピンホルダの役割を追加した以外は、図1及び図2に示す実施形態と同一であるため、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0049】
このピン挿入装置においては、テーブル101の上面からピンホルダ130が取り除かれている。一方、ピン移載装置の把持ユニット41´は、協働によりV字状の保持面を画定する一対の把持アーム41a´、ピストンピンSを保持した状態で、上方からピストンピンSを押し付けるべくZ方向に往復動自在な押付片41b´等を備えている。
【0050】
この装置によれば、図1及び図2に示すようなピン移載装置40からピンホルダ130へのピストンピンSの移載動作が不要になるため、移載動作に伴なうピストンピンSの位置ずれあるいは脱落等が防止され、又、ピストンピンSの位置決めが迅速に行われ、全体として挿入動作に要する時間が短縮される。
【0051】
図8は、本発明に係るピン挿入装置のさらに他の実施形態を示すものであり、押込みシャフトの一部を変更し、ピンホルダ130を廃止した以外は、図2に示す実施形態と同一であるため、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0052】
この装置においては、図8に示すように、テーブル101の上面からピンホルダ130が取り除かれている。また、押込みシャフト106´は、その先端領域に縮径部106a´を有し、この縮径部106a´は、ピストンピンSの貫通孔S1に対して所定の長さ(すなわち、ピストンピンSを保持できる長さ)に亘り嵌入するようになっている。
【0053】
この装置によれば、ピン移載装置40によりピストンピンSが把持されて、押込みシャフト106´の縮径部106a´にピストンピンSが嵌め込まれて位置決めされた後に、ピストン搬送装置20によりピストンP(及びコンロッドR)がテーブル101上の所定位置に搬入され位置決めされる。
したがって、ピンホルダ130が不要になり、又、ピストンピンSの位置ずれを防止でき、挿入前の所定位置に高精度に位置決めすることができる。
【0054】
図9は、本発明に係るピン挿入装置のさらに他の実施形態を示すものであり、図7に示す装置を縦型として使用する以外は、同一の構成であるため、同一の構成及び動作についてはその説明を省略する。
この装置においては、ガイドシャフト109、押込みシャフト106、スライダ107、アクチュエータ103の駆動方向を鉛直方向にし、ピストンP及びコンロッドRを挿入位置において位置決め保持する保持ユニット150を設け、ピストンピンSを鉛直方向に方向付けるように把持ユニット41´を駆動する。尚、この装置において、テーブル101は装置の単なる外壁として使用される。
この装置によれば、狭いスペースに装置を配置できるため、エンジンの自動組付けライン等において、システム全体の省スペース化に寄与する。
【0055】
図10は、本発明に係るピン挿入装置のさらに他の実施形態を示すものであり、図2に示す装置を縦型として使用し、押込みシャフト106を案内する案内部101bを変更し、ピンホルダ130を廃止した以外は、図2に示す装置と同一の構成であるため、同一の構成及び動作についてはその説明を省略する。
【0056】
この装置においては、ガイドシャフト109、押込みシャフト106、スライダ107、アクチュエータ103の駆動方向を鉛直方向にし、ピストンP及びコンロッドRを挿入位置において位置決め保持する保持ユニット150を設け、ピストンピンSを鉛直方向に方向付けるように把持ユニット41を駆動する。尚、この装置において、テーブル101は装置の単なる外壁として使用される。
また、案内部101b´は、図2の実施形態に比べて長めに形成され、押込みシャフト106が待機状態にあるとき、ピストンピンSが挿入されて位置決めされた状態で保持されるようになっている。
この装置によれば、狭いスペースに装置を配置できるため、エンジンの自動組付けライン等において、システム全体の省スペース化に寄与する。
【0057】
上記実施形態においては、挿入孔をもつワークとしてエンジンのピストンP及びコンロッドRを示し、挿入孔に挿入されるピンとしてピストンピンSを示したが、これに限定されるものではなく、ワークが単一の挿入孔あるいは複数の挿入孔をもつ機械部品その他の電子機器部品であり、ピンがこれらの部品に挿入されるものである場合においても、本発明の装置及び方法を採用できる。
【0058】
また、上記実施形態においては、ピストンピンSとして、貫通孔S1をもつものを示したが、これに限定されるものではなく、ガイドシャフト109及び押込みシャフト106により両端が挟持されるものであれば、両端部の領域だけに凹状の穴をもつピストンピン、あるいは、穴がない中実のピストンピンに対しても、本発明の装置及び方法を採用できる。
また、上記実施形態においては、付勢手段としてコイル状のバネを示したが、これに限定されるものではなく、所定の付勢力を発生するものであれば、板状のバネ、弾性ゴム等その他の弾性体を採用してもよい。
さらに、図10に示す装置(案内部101b´をもつ装置)を、図2に示すように横型として使用することも可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のピン挿入装置及び方法によれば、予めガイドシャフトを挿入孔に通した後にガイドシャフト及び押込みシャフトでピンの両端を挟持しつつピンを挿入孔に挿入するピン挿入装置及び方法において、単一の駆動源が発生する一方向への駆動力により、ガイドシャフトを移動させて挿入孔に通した後に押込みシャフト及びガイドシャフトを逆向きに一体的に移動させる連動機構を採用したことにより、単一の駆動源でしかも一方向への駆動により、挿入孔の心出し動作及びピンの挿入動作が行われるため、装置の構造が簡略化され、制御プログラムが簡素化され、装置のコストが低減され、ピンの挿入(組付け)作業に要する時間が短縮される。
特に、連動機構として、駆動源により直接駆動される第1ラック部材、ピニオン、ピニオンを回動自在に保持しかつ押込みシャフトを保持するスライダ、ガイドシャフトと一体的に往復動する第2ラック部材等を採用したことにより、構造が簡略化され、心出し動作と押込み動作とを所定のタイミングで確実に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るピン挿入装置を含む組付けシステムの概略構成を示す外観斜視図である。
【図2】本発明に係るピン挿入装置の一実施形態を示す断面図である。
【図3】(a)はピン挿入装置の一部を構成するピンホルダを示す正面図であり、(b),(c)はピンホルダの他の実施形態を示す正面図である。
【図4】(a),(b),(c),(d)は、ピン挿入装置の動作を説明する動作図である。
【図5】本発明に係るピン挿入装置の他の実施形態を示す断面図である。
【図6】本発明に係るピン挿入装置のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図7】本発明に係るピン挿入装置のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図8】本発明に係るピン挿入装置のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図9】本発明に係るピン挿入装置のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図10】本発明に係るピン挿入装置のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
P ピストン(ワーク)
R コンロッド(ワーク)
P1,R1 挿入孔
S ピストンピン(ピン)
S1 貫通孔
10 ピン挿入装置
20 ピストン搬送装置
30 ピン供給装置
40 ピン移載装置
41,41´ 把持ユニット
41a´ 把持アーム
41b´ 押付片
50 回収ボックス
101,101´ テーブル
101a,101c 開口部
101b,101b´,101d 案内部
102,102´ ベース
102b,102b´ 突出壁
103 アクチュエータ(単一の駆動源)
103a ロッド
104,104´ 第1ラック部材
104a ラック
104b 先端部(一部)
104c 当接壁
105 ピニオン
106,106´ 押込みシャフト
107,107´ スライダ
107a 当接部
107d 突出部
107e 突出壁
108 第2ラック部材
108a ラック
108b 突出部
109 ガイドシャフト
110,110´ 圧縮バネ(付勢手段)
130,130´,130´´ ピンホルダ
140 引張りバネ(付勢手段)
150 保持ユニット
Claims (5)
- ピンをワークの挿入孔に案内するガイドシャフトと、ピンを挿入孔に向けて押し込む押込みシャフトと、前記ガイドシャフト及び押込みシャフトを駆動する駆動機構とを備え、予め前記ガイドシャフトを挿入孔に通した後に前記ガイドシャフト及び押込みシャフトでピンの両端を挟持しつつ、ピンを挿入孔に挿入するピン挿入装置であって、
前記駆動機構は、駆動力を発生する単一の駆動源と、前記駆動源が発生する一方向への駆動力により、前記ガイドシャフトを移動させて前記挿入孔に通した後に前記押込みシャフト及び前記ガイドシャフトを逆向きに一体的に移動させる連動機構と、を含む、
ことを特徴とするピン挿入装置。 - 前記連動機構は、前記駆動源により直接往復駆動される第1ラック部材と、前記第1ラック部材に噛合するピニオンと、前記ピニオンを回動自在に保持すると共に前記押込みシャフトを保持しかつピンの挿入方向において往復動自在なスライダと、前記ガイドシャフトと一体的に往復動自在に形成されると共に前記第1ラック部材と対向する側において前記ピニオンに噛合する第2ラック部材と、
を含む、ことを特徴とする請求項1記載のピン挿入装置。 - 前記押込みシャフトを挿入孔から離脱させる方向に付勢力を及ぼす付勢手段を設けた、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のピン挿入装置。 - 前記スライダは、前記ガイドシャフトが前記押込みシャフトと協働してピンを挟持した時点で、前記第1ラックの一部が当接する当接部を有する、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のピン挿入装置。 - ワークの挿入孔を所定位置に位置付けるべくガイドシャフトを挿入孔に通す心出し動作と、前記ガイドシャフトと対向する側から押込みシャフトを移動させてピンを挿入孔に向けて押し込む押込み動作とを含み、前記ガイドシャフト及び押込みシャフトでピンの両端を挟持しつつピンを挿入孔に挿入するピン挿入方法であって、
前記心出し動作は、単一の駆動源が発生する一方向への駆動力により行われ、
前記押込み動作は、前記心出し動作に続けて、前記単一の駆動源が発生する前記一方向への駆動力により行われる、
ことを特徴とするピン挿入方法。
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