JP2004119552A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型パッケージにも適用できる生産性、信頼性等に優れた半導体装置(ウェハーレベルCSP)を提供する。
【解決手段】ウェハーレベルCSPである半導体装置10aにあっては、外部接続用端子4が形成された半導体素子1のアクティブ面2と、裏面6と、側端面部1aとを熱硬化性樹脂層5、7で封止するので、特に、熱衝撃環境下での半導体素子の側端面部での熱硬化性樹脂層と半導体素子との間での界面剥離の低減に寄与し得るとともに、パッケージ全体としての線膨張係数が、マザーボードに近づくために優れた実装信頼性が確保でき、更には、脆いシリコーンが露出しない構造なので、耐衝撃性に優れ、部品マウント性にも優れているため、大型の半導体装置への応用がより容易になる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置に関するものであり、特にウェハーレベルでパッケージングを行い、最終段階で個片化することによって製造される半導体装置(ウェハーレベルCSP)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体パッケージには、まず、半導体ウェハー9を個片化して作製した半導体素子1を用いて、いわゆる後工程によりパッケージ化する方法が主力であったが、この方法による限り、大口径のシリコンウェハーを使用しても、1パッケージあたりの組立コストは変化しないため、近年、技術進歩の著しいウェハー大口径化に伴うコストダウンのメリットを享受することができないという問題があった。これに対して、外部接続用端子4を有する複数の半導体素子1を形成した半導体ウェハー9を封止樹脂で封止して樹脂層を形成する樹脂封止工程と、前記半導体ウェハー9を前記樹脂層と共に切断して個々の半導体素子1に分離する分離工程とを、少なくとも具備する製造方法により製造される半導体装置、即ち、個片化する前の半導体ウェハー9の段階でパッケージングを行った後に、個片化することによって製造される半導体装置であるウェハーレベルCSP(チップサイズパッケージ)では、ウェハー大口径化の技術トレンドの進展に伴い、大幅なコストダウンが図れるため、最近、特に、注目を浴びており、近年のトレンドである軽薄短小パッケージの究極の姿として開発が盛んに進められている。
【0003】
かかるウェハーレベルCSPとして作製された半導体装置としては、米国特許第6347947号明細書において、開示された図7、図8に示すような構造が例示できる。即ち、図7は、半導体ウェハー9(半導体素子1)上の接続バンプ部3を封止用樹脂層5aでカバーし、その上端を露出させた上で、別のコンタクト用ハンダボールを外部接続用端子4として形成させた構造、図8は半導体ウェハー9(半導体素子1)上の外部接続ボール4aの一部を封止用樹脂層5aでカバーしつつ、接続用として、その一部を露出させた構造である。
【0004】
しかしながら、かかる構造を有する半導体装置においても、依然として、以下のような解決すべき問題点を残すものであった。
【0005】
▲1▼ウェハー段階で半導体ウェハー9(半導体素子1)のアクティブ面2を樹脂封止後、切断するものであり、個片化工程前に半導体ウェハー9を裏面グラインディング等によって厚みを減らし、より薄型のパッケージを製造することができる反面、封止用樹脂層5aと半導体ウェハー9(半導体素子1)の線膨張係数の不一致に起因する界面残留応力により、温熱ストレス環境で界面剥離不良等を起こしやすく、サイズの大きなパッケージには適用し難い。
【0006】
▲2▼パッケージ全体としての線膨張係数が小さいため、サイズの大きなパッケージでこの構造を構成した場合、マザーボードとのマッチングが悪く、所謂2次実装信頼性が、通常のCSP(チップサイズパッケージ)と比較して劣る。
【0007】
▲3▼裏面に半導体素子(半導体チップ)1の角が露出しているため、高速マウンタ等を用いて他の部品と同時実装するとパッケージ角の欠けやクラックが起こりやすい
【0008】
このような問題点に対して、既に、図9〜図11に示すような改良を加えた構造が提案されている。例えば、特許第3137322号明細書では、このような構造の半導体装置の製造方法として、モールド樹脂を用いた、半導体素子1(半導体ウェハー9)の表面を樹脂封止する方法が開示されている。
【0009】
即ち、図9及び図10の構造では、温熱ストレス環境下で発生する反り応力に対応するため、半導体素子1(半導体ウェハー9)の裏面6(6a)に補強層17を形成するもので、図9は裏面6に樹脂層17aを、図10は金属等の補強板17bを半導体素子1(半導体ウェハー9)の裏面6(6a)に形成したものである。このような構造を採用することにより、温熱ストレス環境下での反りを低減でき、且つ、パッケージ全体としての線膨張係数を大きくできるため、結果的に、2次実装信頼性が改良でき、更には、裏面6が補強層17で保護されているため、高速マウンタでも取り扱いやすいという利点があるが、例えば、図9の構造では、各封止用樹脂層5a、17aと半導体素子1との界面における樹脂層の硬化時に発生する残留応力が低減されるわけではないので、サイズの大きなパッケージに適用した場合に、界面剥離を起こしやすいという欠点はこのような構造を採用するだけでは克服することができない。
【0010】
一方、図11も、従来例に係る半導体装置の構造を示すもので、剥離不良を起こしやすい半導体素子1の側端面部1bが樹脂層18で補強された構造を示す断面図である。これは、半導体ウェハー9(半導体素子1)の表面の樹脂モールドの前に、半導体ウェハー9を部分ダイシングすることにより、上記▲1▼の問題点に対応しようとするものである。即ち、この構造では、剥離不良を起こしやすい半導体素子1の側端面部1bが樹脂層18で補強されているので、よりサイズの大きなパッケージに適する構造とも考えられるが、封止工程の後に発生する反り応力により、半導体素子1のクラック等が起こりやすく、また上記した▲2▼、▲3▼の課題は未解決のまま残されることとなる。
【0011】
これに対して、本願出願人は、すでに、特願2002−246651において、特に、熱硬化性樹脂層5(及び、熱硬化性樹脂層7)をスクリーン印刷に代表されるコーティング法等の手法により低Tg(ガラス転移温度)の熱硬化性樹脂組成物硬化体で形成して、これら熱硬化性樹脂層と半導体素子1との界面における樹脂層の硬化時に発生する内部応力、特に、熱硬化性樹脂層と半導体素子1との界面に残留する残留応力の低減が可能な、図12、図13に示すような構成の半導体装置を提案し、上記問題点の解決を図っているが、例えば、半導体素子1の側端面部1aでの熱硬化性樹脂層5(或いは、熱硬化性樹脂層7)とウェハー(半導体素子)1との間での界面剥離の防止等、解決すべき課題も依然として残されている。
【0012】
以上のような理由から、ウェハーレベルCSPは大きなコストメリットが期待されるにも関わらず、比較的サイズの小さなパッケージにのみ、その応用が限定されているというのが現状であり、より大型のパッケージに適用するには、さらに解決すべき課題も多い。
【0013】
【特許文献1】
米国特許第6347947号明細書 (第3頁左側欄第50行−第5頁右側欄第8行、Fig.2〜7)
【特許文献2】
特許第3137322号明細書 (第13頁、段落0131〜第14頁、段落0137、第19頁、段落0221〜第20頁、段落0238、第23頁、段落0285〜段落0286、第37頁、図14、第38頁、図13、第41頁、図33、第42頁、図34、第44頁、図41等)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、大型パッケージにも適用できる生産性、信頼性等に優れた半導体装置(ウェハーレベルCSP)およびその製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る半導体装置にあっては、外部接続用端子を有する複数の半導体素子を形成したウェハーを封止樹脂で封止して樹脂層を形成する樹脂封止工程と、前記ウェハーを前記樹脂層と共に切断して個々の半導体素子に分離する分離工程とを、少なくとも具備する製造方法により製造される半導体装置において、前記外部接続用端子が形成された半導体素子のアクティブ面と、前記アクティブ面の反対側面である裏面と、前記アクティブ面と前記裏面との双方に隣接する側端面部とを熱硬化性樹脂層で封止してなることを特徴とするものである。なお、ここでいうアクティブ面とは、半導体素子上の半導体機能を形成してある面をいい、裏面とは、半導体素子上のアクティブ面と反対側の面をいう。一方、ここでいう熱硬化性樹脂層とは、熱硬化性樹脂組成物硬化体よりなる絶縁層をいう。また、ここでいう熱硬化性樹脂組成物とは、未硬化の熱硬化性樹脂の他、フィラー等を含んでなり、硬化後に熱硬化性樹脂組成物硬化体よりなる絶縁層を形成する混合物(溶媒を除く)をいう。
【0016】
請求項2に係る半導体装置にあっては、請求項1記載の半導体装置において、前記アクティブ面および前記側端面部をコーティング法により形成した熱硬化性樹脂層で封止していることを特徴とするものである。
【0017】
請求項3に係る半導体装置にあっては、請求項2記載の半導体装置において、前記アクティブ面および前記側端面部をコーティング法により形成した熱硬化性樹脂層を、ガラス転移温度が、40℃〜100℃で、且つ、フィラー充填率が、60質量%以上、80質量%以下の熱硬化性樹脂組成物硬化体で形成したことを特徴とするものである。
【0018】
請求項4に係る半導体装置にあっては、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置において、前記裏面の熱硬化性樹脂層の外側に金属層を有することを特徴とするものである。
【0019】
請求項5に係る半導体装置にあっては、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の半導体装置において、前記裏面の熱硬化性樹脂層を、ガラス転移温度が、40℃〜100℃で、且つ、フィラー充填率が、60質量%以上、80質量%以下の熱硬化性樹脂組成物硬化体で形成したことを特徴とするものである。
【0020】
請求項6に係る半導体装置の製造方法にあっては、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法であって、下記の(A)〜(F)の工程を備えることを特徴とするものである。
(A)板状体に熱硬化樹脂組成物層を形成する工程。
(B)前記板状体上に形成した前記熱硬化樹脂組成物層の上に、さらに半導体ウェハーが積層した積層体を形成した後、前記熱硬化樹脂組成物層を硬化せしめ、熱硬化性樹脂層とする工程。
(C)半導体ウェハーを所定の寸法に貫通、切断する一方、前記板状体までは、到達しないハーフカットダイシングを行なう工程。
(D)半導体ウェハーのアクティブ面および前記ハーフカットダイシングで形成した側端部を覆う第2の熱硬化樹脂組成物層を形成する工程。
(E)前記第2の熱硬化樹脂組成物層を硬化する工程。
(F)フルカットダイシングにより個片化する工程。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。なお、本発明の半導体装置は、下記の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。ここで、図1は、本発明の第1の実施形態である半導体装置10aを示す断面図である。図2は、図1に示した半導体装置10aの製造方法を示すもので、(a)〜(h)は、各製造工程を示す断面図である。図3は、本発明の図1に示した実施形態と異なる第2の実施形態である半導体装置10bを示す断面図である。図4は、図3に示した半導体装置10bの製造方法を示すもので、(a)〜(g)は、各製造工程を示す断面図である。図5は、本発明の上記と更に異なる第3の実施形態である半導体装置10cを示す断面図である。図6は、図5に示した半導体装置10cの製造方法を示すもので、(a)〜(g)は、各製造工程を示す断面図である。
【0022】
図7は、従来例に係る半導体装置の構造を示すもので、半導体ウェハー9(半導体素子1)上の接続バンプ部3を封止用樹脂層5aでカバーし、その上端を露出させた上で、別のコンタクト用ハンダボールを外部接続用端子4として形成させた構造を示す断面図である。図8は、従来例に係る半導体装置の構造を示すもので、半導体ウェハー9(半導体素子1)上の外部接続ボール4aの一部を封止用樹脂層5aでカバーしつつ、接続用として、その一部を露出させた構造を示す断面図である。図9は、従来例に係る半導体装置の構造を示すもので、半導体素子1(半導体ウェハー9)の裏面6(6a)に補強層17である樹脂層17aを形成した構造を示す断面図である。図10は、従来例に係る半導体装置の構造を示すもので、半導体素子1(半導体ウェハー9)の裏面6(6a)に補強層17である金属等の補強板17bを形成した構造を示す断面図である。図11は、従来例に係る半導体装置の構造を示すもので、剥離不良を起こしやすい半導体素子1の側端面部1bが樹脂層18で補強された構造を示す断面図である。図12は、従来例に係る半導体装置の構造を示すもので、熱硬化性樹脂層5及び、熱硬化性樹脂層7をコーティング法等の手法により低Tg(ガラス転移温度)の熱硬化性樹脂組成物硬化体で形成して、これら熱硬化性樹脂層と半導体素子1との界面に残留する残留応力の低減が可能な半導体装置の構造を示す断面図である。図13は、従来例に係る半導体装置の構造を示すもので、熱硬化性樹脂層5及び、熱硬化性樹脂層7をコーティング法等の手法により低Tg(ガラス転移温度)の熱硬化性樹脂組成物硬化体で形成して、これら熱硬化性樹脂層と半導体素子1との界面に残留する残留応力の低減が可能な半導体装置の構造を示す断面図である。
【0023】
即ち、図1は、本発明の第1の実施形態である半導体装置10aの断面図を示すもので、半導体素子1のアクティブ面2に外部接続のための接続バンプ部3が形成されており、この接続バンプ部3にさらに外部接続用端子4が接続されている。また、接続バンプ部3は、熱硬化性樹脂層5によって、外部接続用端子4との接続面を除いて埋設されている。また、半導体素子1の裏面6にも熱硬化性樹脂層7が形成されている。さらに、半導体素子1の側端面部1aも上記熱硬化性樹脂層5によって覆われる構造を持っている。半導体素子1の側端面部1aの熱硬化性樹脂層5の樹脂厚みは、0.1mm以上が好ましい。これが0.1mmよりも薄いと、側端面部1aでの熱硬化性樹脂層5の強度が弱く、信頼性試験で、クラックが入る等の不良の原因となり得るからである。
【0024】
図1に示す半導体装置10aは、ウェハーレベルで形成され、製造工程の最終段階でA、Bで示す部位で、ダイシングにより個片化されることとなる。熱硬化性樹脂層5、7は、上記課題解決に寄与する限りにおいて、相互に異なる組成のものであっても、差し支えないが、半導体装置を構成する半導体素子(半導体チップ)1の表裏の応力バランスを保つためには、同一または近似した組成のものであることがより好ましいと言える。
【0025】
また、半導体素子1の側端面部1aは、熱硬化性樹脂層5或いは、熱硬化性樹脂層7と同一組成の熱硬化性樹脂層で覆われていても良いし、異なる組成のものでも良いが、後述する製造工程によって製造すれば、アクティブ面2を覆う熱硬化性樹脂層5と一体的に製造し得ることとなる。図1に示した半導体装置10aの構造では、半導体素子1の側端面部1aが熱硬化性樹脂層5で覆われているので、熱衝撃環境下での半導体素子1の側端面部1aでの熱硬化性樹脂層5と半導体素子1との間での界面剥離の低減に寄与し得るとともに、製造時の最終個片化工程が、熱硬化性樹脂層のみの切断であるので、ダイシング時のダメージを受けにくく、大型の半導体装置への応用に、より適した構造であるといえる。
【0026】
一方、接続バンプ部3は、通常、銅、ハンダ等の材質よりなるものが、ペースト印刷、スパッタリング、メッキ等の方法で形成され、一方、外部接続用端子4は、通常、ハンダボールを用いて形成される。
【0027】
アクティブ面2を覆う熱硬化性樹脂層5の厚みとしては、30μm〜300μm程度が適当であり、さらに、好ましくは、70μm〜150μmである。即ち、30μm以下であると金属ポスト(又は、ハンダバンプ)である接続バンプ部3または外部接続用端子4の根本を補強する効果が得られず、またパッケージ全体の線膨張係数が小さくなるため、大型の半導体装置に適用した際の2次実装信頼性が低下し、好ましくない。一方、この厚みが、300μmを越えると、工程中に発生する反りが大きくなり、好ましくない。半導体装置を構成する半導体素子(半導体チップ)1の表裏の応力バランスについては、最終的な反りが小さくなるように設計すべきであり、上下樹脂層が同じ種類のものを用いる場合には、同じ厚みであることがこの観点からは、好ましい。なお、ここでいう樹脂層の厚みは最終パッケージにおけるものであり、製造工程中の塗布厚み等については、厚すぎて反りが大きくなり過ぎる等のハンドリング上の支障が生じない限りにおいて特に制限されるものではない。
【0028】
さらに、具体的には、熱硬化性樹脂層5については、硬化後のガラス転移温度(Tg)が、40℃〜100℃で、且つ、フィラー充填率が、60質量%以上、80質量%以下の熱硬化性樹脂組成物を使用することにより好適に形成される。即ち、ガラス転移温度(Tg)が、40℃以下のものを用いると、接続バンプ部3または外部接続用端子4の根本を補強する効果が得られず、大型の半導体装置に適用した際の2次実装信頼性が得られない上、パッケージのボール強度が低下してしまうおそれがある一方、硬化後のガラス転移温度(Tg)が、100℃以上の熱硬化性樹脂組成物を用いると、熱硬化性樹脂層5とウェハー(半導体素子)1との界面に残留する硬化応力が過大となり、大型の半導体装置に適用した際に、耐熱衝撃性を確保するのが難しくなり、熱硬化性樹脂層5とウェハー(半導体素子)1との界面で界面剥離を起こす原因となるおそれがあるからである。特に、本発明の半導体装置においては、硬化後のガラス転移温度(Tg)が、100℃程度以下の熱硬化性樹脂組成物で熱硬化性樹脂層5を構成することにより内部応力、特に、熱硬化性樹脂層と半導体素子との界面に残留する硬化応力を緩和し得る点に特徴を有するものである。
【0029】
さらに、この熱硬化性樹脂組成物のフィラー充填率を80質量%以上とすると、硬化前においても実質的に流動性を確保できない一方、フィラー充填率が60質量%以下のものを用いると、実質的に、接続バンプ部3または外部接続用端子4の根本を補強する効果が得られず、大型の半導体装置に適用した際の2次実装信頼性が低下するのみならず、パッケージのボール強度が低下してしまうおそれがあるからである
【0030】
この点、本発明に係る半導体装置10にあっては、アクティブ面2及び側端面部1aを覆う熱硬化性樹脂層5を、ガラス転移温度が、40℃〜100℃で、且つ、フィラー充填率が、60質量%以上、80質量%以下の熱硬化性樹脂組成物硬化体で形成することにより、接続バンプ部、或いは、外部接続用端子の根本を補強する効果を確保できる一方、内部応力、特に、熱硬化性樹脂層と半導体素子との界面に残留する硬化応力を緩和し得ることとなる。
【0031】
一方、熱硬化性樹脂層5の形成に際して、上記したガラス転移温度(Tg)が、40℃〜100℃で、且つ、フィラー充填率が、60質量%以上、80質量%以下の熱硬化性樹脂を使用する場合においては、液状樹脂を用いたコーティング法、例えば、スピンコーティング法、或いは、スクリーン印刷等の樹脂印刷法によって特に有利に形成することができる。即ち、例えば、金型を用いた成形による場合は、粉体樹脂による成形では、脱型時に樹脂がダメージを受けやすく、また、液状樹脂を選択した場合は、フィラー含有率が多いために高粘度になりやすく、ハンドリングが煩雑となる等の問題があるが、上記した印刷法によれば、これらを回避できるのみならず、例えば、上記した日本特許第3137322号明細書において開示された、モールド樹脂によるウェハー(半導体素子)1表面の樹脂封止では、達成困難なガラス転移温度(Tg)が、100℃以下の熱硬化性樹脂層の形成も比較的容易になし得るからである。
【0032】
一方、かかる液状樹脂を使用した典型的なコーティング法である樹脂印刷工程においては、塗布層内部にボイド等が発生することを回避するため、50torr以下の減圧雰囲気下で行なう、所謂、真空印刷によることが好ましい。50torr以上だと、真空印刷の効果が少なく、樹脂層内部にボイドを包含し易いためである。また、加熱硬化についても、これを、1.5〜10Kgf/cm2程度の加圧条件下で行うことが好ましい。1.5Kgf/cm2程度以下であると、樹脂層内部にボイドを含みやすく、10Kgf/cm2程度以上で加熱硬化するためには、装置を大型化することが必要となるためである。
【0033】
かかる液状樹脂を用いた印刷法による場合、塗布厚みのばらつきが生じ易いため、塗布、硬化後に所定の厚みに調整することが好ましい。その方法としては、グラインディング、化学的エッチング、プラズマエッチング等の種々の方法を用いることができるが、操作の簡便さ等の観点からは、グラインディングが最も好ましい。
【0034】
このように、本発明の半導体装置においては、アクティブ面2及び側端面部1aを覆う熱硬化性樹脂層5をコーティング法により形成した熱硬化性樹脂層で封止することにより、フィラー充填率の高い液状樹脂を使用して、ガラス転移温度(Tg)が、100℃以下の熱硬化性樹脂層による半導体素子の封止も比較的容易になし得ることとなる。
【0035】
一方、熱硬化性樹脂層7についても、その厚みとしては、30μm〜300μm程度が適当であり、さらに、好ましくは、70μm〜150μmである。これが、30μm以下であると半導体装置10a(図1)のパッケージ全体としての線膨張係数が小さくなり、大型の半導体装置に適用した際の2次実装信頼性の確保が困難となり好ましくない。一方、これが、300μmを越えると、工程中に発生する反りが大きくなり、好ましくない。また、この場合において、熱硬化性樹脂層7を構成する熱硬化性樹脂組成物硬化体についても、上記した熱硬化性樹脂層5と略同様の理由により、硬化後のガラス転移温度(Tg)が、40℃〜100℃で、且つ、フィラー充填率が、60質量%以上、80質量%以下の熱硬化性樹脂組成物を使用することにより好適に形成される。この結果、裏面6の熱硬化性樹脂層7においても、内部応力、特に、熱硬化性樹脂層と半導体素子との界面に残留する硬化応力を緩和することが可能となる。また、熱硬化性樹脂層7の形成についても、上記コーティング法が適用できる他、熱硬化性樹脂組成物よりなるフィルム材料とのラミネート工程、或いは、後述するように、金属板(または金属箔)8等を使用して、熱硬化性樹脂組成物7aを展延する方法等により形成可能である。
【0036】
かかる熱硬化性樹脂層5、7に使用可能な熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等が例示でき、特に限定されないが、密着性と低収縮性を兼ね備えた樹脂としてエポキシ樹脂が最も好ましい。更に、使用可能なエポキシ樹脂としては、特に限定されないが、グリシジル基を分子中に2個以上有するものが、好適に使用可能である。グリシジル基を分子中に2個以上有するエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂等を例示できる。また、硬化剤としては、フェノール化合物、芳香族アミン化合物、アミド類、酸無水物化合物、イミダゾール類、ジシアンジアミド、ヒドラジン類を例示することができる。これに、反応促進剤、単官能エポキシ樹脂、難燃剤、希釈剤、カップリング剤、顔料、改質剤等が配合されていても良い。また、使用可能なフィラーとしては、シリカ、アルミナ、水和アルミナ、タルク、炭酸カルシウム等を例示できるが、高純度、低線膨張係数を有する溶融シリカがもっとも好適に使用可能である。
【0037】
図2は、図1に示した半導体装置10aを製造するための各製造工程を示すものであるが、本発明の半導体装置の製造方法としては、例えば、下記の(A)〜(G)の工程を備えることを特徴とする製造方法で好適に製造することができる。即ち、(A)板状体に熱硬化樹脂組成物層を形成する工程、(B)前記板状体上に形成した前記熱硬化樹脂組成物層の上に、さらに半導体ウェハーが積層した積層体を形成した後、前記熱硬化樹脂組成物層を硬化せしめ、熱硬化性樹脂層とする工程、(C)半導体ウェハーを所定の寸法に貫通、切断する一方、前記板状体までは、到達しないハーフカットダイシングを行なう工程、(D)半導体ウェハーのアクティブ面および前記ハーフカットダイシングで形成した側端部を覆う第2の熱硬化樹脂組成物層を形成する工程、(E)前記第2の熱硬化樹脂組成物層を硬化する工程、(F)フルカットダイシングにより個片化する工程である。
【0038】
以下、図2に示した半導体装置10aの製造工程を例として、上記(A)〜(F)の各工程を説明する。
【0039】
(A)板状体に熱硬化樹脂組成物層を形成する工程
図2(a)は半導体素子1のアクティブ面2に外部接続のためのハンダバンプまたは金属ポストである接続バンプ部3が形成された単位を複数個有する半導体ウェハー9の裏面6aを、硬化後に、ガラス転移温度(Tg)が、40℃〜100℃で、且つ、フィラー充填率が、60質量%以上、80質量%以下となる熱硬化性樹脂組成物7aを塗布した金属板(または金属箔)8上への貼り付ける工程を示すものである。熱硬化性樹脂組成物7aが液状の場合には、このように、中央部にその所定量をディスペンスした後、上記半導体ウェハー9の裏面6aを張り付けることによって、熱硬化性樹脂組成物7aを展延する方法により、ボイド等の発生なく、簡便に貼り付けることができる。この際、上記したように、この図2(a)の工程に代えて、樹脂印刷等のコーティング法の他、熱硬化性樹脂組成物7aよりなるフィルム材料とのラミネート工程等によっても、熱硬化性樹脂組成物7aからなる層を形成することができる(図2(b))。
【0040】
(B)前記板状体上に形成した前記熱硬化樹脂組成物層の上に、さらに半導体ウェハーが積層した積層体を形成した後、前記熱硬化樹脂組成物層を硬化せしめ、熱硬化性樹脂層とする工程
上記のように所定の厚みの熱硬化性樹脂組成物7aを介して、半導体ウェハー9の裏面6aを金属板(または金属箔)8上へ貼り付けた後、熱硬化させ、上記熱硬化性樹脂組成物7aを熱硬化性樹脂層7として、積層体11aを得る(図2(c))。この場合、金属板(または金属箔)8の材質等については、特に限定されないが、比較的安価な銅やアルミニウムが好適に使用可能である。その厚みは50μm〜300μm程度が好ましい。即ち、これが、50μm以下であると、次に説明するハーフカットダイシング工程後における機械的補強効果の確保が困難となる一方、300μmを越えると、同工程で、反りが大きすぎてダイシングに支障をきたすおそれがあるからである。
【0041】
(C)半導体ウェハーを所定の寸法に貫通、切断する一方、前記板状体までは、到達しないハーフカットダイシングを行なう工程
次に、熱硬化性樹脂層7を形成した積層体11aに対し、半導体ウェハー9を貫通し、金属板(または金属箔)8を貫通しないハーフカットダイシングを施す(図2d)。この場合のダイシング幅は、最終個片化後に半導体素子1の側端面部1aをカバーするための残存厚みを考慮すると、0.3〜0.5mm程度が好ましいが、複数回のダイシングによって、この幅を確保するようにしてもよい。
【0042】
(D)半導体ウェハーのアクティブ面および前記ハーフカットダイシングで形成した側端部を覆う第2の熱硬化樹脂組成物層を形成する工程
(E)前記第2の熱硬化樹脂組成物層を硬化する工程
さらに、上記コーティング法により熱硬化性樹脂層5を形成する(図2e)。その後、金属ポスト(又は、ハンダバンプ)である接続バンプ部3の上部を露出する加工を施す(図2f)。この加工は、グラインディングやローリングのような機械的研磨法を用いても良いし、薬品やプラズマ等による化学的なエッチンッグ法を用いても行なうことができる。
【0043】
さらに裏面の金属板(または金属箔)8を、同様にして、除去する加工を施す(図2g)。この図2fと図2gの工程は、どちらを先に行なってもよい。次に、このように形成した金属ポスト(又は、ハンダバンプ)である接続バンプ部3の露出部に外部接続用端子4を搭載(ボールマウント)する(図2h)。この工程は、通常、ハンダボールを使用し、リフロー処理によって行われる。
【0044】
(F)フルカットダイシングにより個片化する工程
このようにして得られた図9hに示した積層体11fを、フルカットダイシングにより個片化することにより、図1に示す半導体装置10aを得ることができる。
【0045】
以上、上記(A)〜(F)の各工程について図2を例として、説明した。なお、図2では、板状体として、金属板(または金属箔)8を使用したが、次工程((B)工程)の熱硬化樹脂組成物層の硬化を行なう温度条件で、充分な熱剛性を有するものであれば、上記課題解決に寄与する限りにおいて、これのみに限定されない。また、図2(f)〜(h)の工程は、本発明の実施形態である半導体装置10aの製造において必要な工程であり、以下に示す実施形態の場合も含め、適宜、変更しうることは、勿論である。
【0046】
このように、上記した本発明の半導体装置の製造方法においては、上記の(A)〜(F)の工程を備えているので、かかるアクティブ面と側端面部とを含んで封止する構造を有する半導体装置10を生産性良く、且つ、簡便に製造しうる方法を提供し得ることとなる。
【0047】
続いて、本発明の第2の実施形態を説明する。図3は、本発明の図1に示した実施形態と異なる第2の実施形態である半導体装置10bを示す断面図である。即ち、半導体装置10bは、熱硬化性樹脂層7の外側に、更に金属層12を備えた構造を有するものである。このように、本実施形態の半導体装置10bは、裏面に金属層12を有するため、図1に示した実施形態に比べて、パッケージとしての機械的補強効果を、更に充分に確保し得るとともに、効率的に、熱を放散し得ることとなる。金属層12を構成する金属の材質としては、特に限定されないが、熱放散性に優れ、比較的安価な銅やアルミニウムが好ましい。その厚みは50μm〜300μmが好ましい。50μm以下であると、機械的補強効果の確保が困難となる一方、300μmを越えると、パッケージの反りが大きすぎたり、熱硬化性樹脂層7及び半導体チップ1に大きな応力を与えて、不良の原因となり得るからである。なお、熱硬化性樹脂層5或いは、熱硬化性樹脂層7に要求される材料構成、物性、厚み等は、上記半導体装置10aと同様である。
【0048】
また、半導体素子1の側端面部1aは、熱硬化性樹脂層5或いは、熱硬化性樹脂層7と同一組成の熱硬化性樹脂層で覆われていても良いし、異なる組成のものでも良いが、後述する製造工程によって製造すれば、アクティブ面2を覆う熱硬化性樹脂層5と一体的に製造し得ることとなる。図3の構造では、半導体素子1の側端面部1aが覆われているので、熱衝撃環境下での剥離不良が一層起こりにくくなると共に、製造時の最終個片化工程が、熱硬化性樹脂層のみの切断であるので、ダイシング時のダメージを受けにくく、大型の半導体装置への応用に、より適した構造であるといえる。
【0049】
図4は、図3に示した半導体装置10bの製造方法を示すもので、(a)〜(g)は、各製造工程を示す断面図である。ここで、図4(a)〜(f)の工程は、金属板(または金属箔)8を有する積層体11dを得る上記図2(a)〜(f)の工程と略同様に行なわれ、積層体13dが得られる。この後、図2(f)の工程でのグラインディング等によって形成された接続バンプ部3の露出部に外部接続用端子4を搭載(ボールマウント)する(図2(g))。この工程は、通常、ハンダボールを使用し、リフロー処理によって行われる。このようにして得られた積層体13eを、フルカットダイシングすることにより個片化して図3の半導体装置10bを得ることができるというものである。
【0050】
続いて、本発明の第3の実施形態を説明する。図5は、本発明の上記と更に異なる第3の実施形態である半導体装置10cを示す断面図である。即ち、半導体装置10cは、半導体装置10bの熱硬化性樹脂層7の代わりに高熱伝導性接着剤層14を有し、さらにその外側に、金属層15を備えた構造を有するものである。このように、本実施形態の半導体装置10cは、裏面に高熱伝導性接着剤層14を介してさらに、金属層15を有するため、半導体装置10bに比較して、一層、熱放散性に優れている。金属層15を構成する金属の材質としては、特に限定されないが、熱放散性に優れ、比較的安価な銅やアルミニウムが好ましい。その厚みは50μm〜300μmが好ましい。50μm以下であると、機械的補強効果の確保が困難となる一方、300μmを越えると、パッケージの反りが大きすぎたり、高熱伝導性接着剤層14及び半導体チップ1に大きな応力を与えて、不良の原因となり得るからである。なお、熱硬化性樹脂層5に要求される材料構成、物性、厚み等は、上記半導体装置10bと同様である。一方、高熱伝導性接着剤層14の厚みは10μm〜100μmが好ましい。10μm以下であると、工程上、ピンホール等が出やすく、接着力が、充分に得られない場合があり、100μmを越えると、パッケージの反りが大きくなりすぎたりして、不良の原因となり得るからである。
【0051】
また、半導体素子1の側端面部1aは、熱硬化性樹脂層5と同一組成の熱硬化性樹脂層で覆われていても良いし、異なる組成のものでも良いが、後述する製造工程によって製造すれば、アクティブ面2を覆う熱硬化性樹脂層5と一体的に製造し得ることとなる。半導体装置10cの構造では、半導体素子1の側端面部1aが覆われているので、熱衝撃環境下での剥離不良が一層起こりにくくなると共に、製造時の最終個片化工程が、熱硬化性樹脂層のみの切断であるので、ダイシング時のダメージを受けにくく、大型の半導体装置への応用に適した構造であるといえる。
【0052】
図6は、図5に示した半導体装置10cの製造方法を示すもので、(a)〜(g)は、各製造工程を示す断面図である。ここで、図6(a)〜(g)の工程は、熱硬化性樹脂組成物7aの代わりに未硬化の高熱伝導性接着剤14aを使用することにより、金属層12を有する半導体装置10cを得る上記図4(a)〜(g)の工程と略同様に行なうことができる。
【0053】
このようにして得られた図6(g)の積層体16eを、最終段階として、フルカットダイシングすることにより個片化することによって、図5の半導体装置10cを得ることができる。
【0054】
【実施例】
以下、本発明に係る半導体装置10及びその製造方法に関する実施例を具体的に説明する。
【0055】
[実施例1]
2×3mmの最小単位を持ち、約0.5mmピッチで10個の共晶ハンダバンプ(融点183℃、150μmΦ)が形成されているデジーチェインTEGを作り込んだ4インチのシリコンウェハー(450μm厚)を用いて、ウェハーレベルCSPの組立を行った。次に、厚さ150μmで直径15cmの円形形状を持つ圧延銅箔上の中央付近に、硬化後のTgが46℃、フィラー含有率が、75質量%である液状エポキシ樹脂組成物であるXV−5381−12(松下電工(株)製)をディスペンサを用いて塗布した。なお、ここでいうエポキシ樹脂組成物とは、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を含んでなり、硬化後に絶縁層を形成する未硬化の混合物(溶媒を除く)をいう。また、上記した液状エポキシ樹脂組成物の硬化後のTgの測定については、このエポキシ樹脂組成物を100℃で、1時間硬化した後に150℃で、3時間硬化して1mm×5mm×50mmの試験片を作製した後、これを粘弾性スペクトロメーター(セイコー電子工業株式会社製DMS110)により5℃/分の速度で昇温した際の測定値〔tanδのピーク温度〕を用いた。
【0056】
この樹脂上にウェハーの裏面を重ね、樹脂部厚さ0.1mmとなるまで加圧し、塗布樹脂を周辺部に拡がらせた。その後、5Kgf/cm2の加圧条件下、加圧オーブン内で、80℃で1時間加熱した後、更に150℃で6時間加熱して上記液状エポキシ樹脂組成物を加熱硬化し、積層体11a(図2(a))を得た。このとき、40μm程度の反りが、認められた。この硬化物(積層体11a)を、通常のダイシングマシンにより、刃幅0.4mmのブレードを用いて、底部0.25mmを残す設定でハーフカットダイシングすることにより、積層体11b(図2(d))を得た。これを、真空印刷機にセットし、アクティブ面に、厚さ0.8mmのメタルマスクを用いて、1torrの条件下で樹脂印刷を行った。樹脂としては、同じくXV−5381−12(松下電工(株)製)を用いた。
【0057】
印刷後、これを5Kgf/cm2の加圧条件下、加圧オーブン内で、80℃で1時間加熱した後、更に150℃で6時間加熱して上記液状エポキシ樹脂組成物を加熱硬化し、積層体11c(図2(e))を得た。このとき、120μm程度の反りが、認められたが、真空吸着によりフラット化した形で、アクティブ面をトータル厚さ800μmになるまで、グラインディングし、さらにウェハー裏面側より、トータル厚さ550μmになるまでグラインディングして、銅箔層を完全に除去し、内部共晶ハンダバンプが一部表面露出した構造のサンプルである積層体11e(図2(g))を得た。グラインディング後の積層体11eでは、反りは全く認められなかった。次にアクティブ面に露出している接続バンプ部であるハンダバンプ上に、0.35mmΦのハンダボールを、通常の方法でボールマウントし、積層体11f(図2(h))を得た。さらに、通常の方法でダイシングして、図1に示した断面構造を持つ半導体装置10aであるウェハーレベルCSPを得た。なお、ダイシングに当たっては、ダイシング幅を調整し、2×3mm、6×6mm、8×9mm、12×12mm角の各サイズのパッケージが得られるようにした。
【0058】
[実施例2]
実施例1において、ウェハー裏面側よりグラインディングを行わず、図4(a)〜(g)の各工程を経た以外は、全く同様にして、図3に示した断面構造を持つ半導体装置10bであるウェハーレベルCSPを上記各サイズのパッケージとして得た。
【0059】
[実施例3]
実施例2において、圧延銅箔上の中央付近に、樹脂をディスペンサ塗布する工程に代えて、銀ペースト#8355F(エーブルボンド社製)を50μmの厚みとなるように樹脂印刷する工程を採用した以外は、全く実施例2と同様にして図6(a)〜(g)の各工程を経た以外は全く同様にして、図5に示した断面構造を持つ半導体装置10cであるウェハーレベルCSPを上記各サイズのパッケージとして得た。
【0060】
[比較例]
2×3mmの最小単位を持ち、約0.5mmピッチで10個の共晶ハンダバンプ(融点183℃、150μmΦ)が形成されているデジーチェインTEGを作り込んだ4インチのシリコンウェハー(厚さ450μm)を用いて、ウェハーレベルCSPの組立を行った。このシリコンウェハー(半導体素子)のアクティブ面に、厚さ0.3mmのメタルマスクを用いて、1torrの減圧条件下で樹脂印刷を行った。印刷用樹脂として、硬化後のTgが46℃、フィラー含有率が、75質量%の液状エポキシ樹脂組成物であるXV−5381−12(松下電工(株)製)を用いた。
【0061】
印刷後、5Kgf/cmの条件下で窒素ガスをパージした加圧オーブン内で、80℃で1時間加熱した後、更に150℃で6時間加熱して上記印刷用樹脂を加熱硬化した。加熱硬化後、80μm程度のパッケージ反りが認められたが、真空吸着によりフラット化した形で、厚さが、100μmになるまで、グラインディングした。グラインディングした後は、パッケージ反りは全く認められなかった。次に、ウェハー(半導体素子)の裏面(アクティブ面の反対側の面)に、上記と全く同じ方法により、100μmの厚みの樹脂層を形成した。このようにして得られた、表裏両面に樹脂層が形成された上記ウェハーのアクティブ面に露出しているハンダバンプ上に、0.35mmΦのハンダボールを、通常の方法でボールマウントした。これを、通常の方法でダイシングして、図12に示した断面構造を有するウェハーレベルCSPを上記各サイズのパッケージとして得た。
【0062】
上記のようにして得た実施例1〜3の各パッケージ(半導体装置)について評価試験を実施した。具体的な評価項目は、以下のとおりである。これらの評価結果を表1に示す。
【0063】
<評価>
▲1▼パッケージ反り 12mm角のパッケージの裏面を対角線方向に、表面粗さ計で測定し、その最大反り量を求めた。
▲2▼表面ボイド 12mm角パッケージの樹脂層を表面観察し、0.05mm以上のボイド数をカウントした。
▲3▼TCT(温度サイクル試験)信頼性 上記各サイズのパッケージを、−65℃〜150℃、各15分の条件でTCT(温度サイクル試験)を500回繰り返した後に、以下の(A)〜(E)の判定基準により、顕微鏡による剥離観察にて判定した。
(A) 12mm角のパッケージにおいても剥離無し。
(B) 12mm角のパッケージにおいては剥離したが、8×9mmのパッケージにおいては剥離無し。
(C) 8×9mm以上のパッケージにおいては剥離したが、6×6mmのパッケージにおいては剥離無し。
(D) 6×6mm以上のパッケージにおいては剥離したが、2×3mmのパッケージにおいては剥離無し。
(E) 2×3mmのパッケージにおいても剥離有り。
▲4▼実装信頼性 0.54mmの厚さのFR−4基板上に、各パッケージをハンダペーストを用いて2次実装し、−55℃〜125℃、各15分の条件でTCT(温度サイクル試験)を1000回繰り返した後に、導通試験により判定し、5%以上のボール切断が見られたものを不合格、5%未満のものを合格と判定した。
(A)12mm角のパッケージにおいては合格。
(B)12mm角のパッケージにおいては不合格となったが、8×9mmのパッケージでは合格。
(C) 8×9mm以上のパッケージにおいては不合格となったが、6×6mmのパッケージでは合格。
(D) 6×6mm以上のパッケージにおいては不合格となったが、2×3mmのパッケージでは合格。
(E) 2×3mmのパッケージにおいても不合格。
▲5▼ボールシェアテスト シェアテスタを用いて、シェア強度を測定した。その結果、ボールとバンプの界面で破壊し、200g/バンプ以上の値が得られたものを合格、ボールとバンプ界面で破壊せず、より下部のバンプにダメージが見られたもの、或いは、樹脂層そのものの破壊が見られたものを不合格とした。
▲6▼耐衝撃性 1mの高さから、各パッケージを裏面を下にしてコンクリート製の床に落下させる試験を10回繰り返した後、裏面のチッピングを観察し、4種類のパッケージ全てにおいてチッピング現象が観察されたものを×、全てのパッケージにおいてチッピングが起こらなかったものを○、これら以外のものを△と判定した。
【0064】
【表1】
Figure 2004119552
【0065】
以上の評価結果より、表1にみられるように、図1、図3、図5の構造を有する半導体装置(実施例1〜3)については、実施例3のパッケージ反りを除いて、今回実施した総ての評価項目において、最高レベルの結果が得られた。特に、TCT(温度サイクル試験)信頼性においても、実施例1〜3の総てが、(A)評価、即ち、評価サンプル中最大の12mm角のパッケージにおいても剥離無しであり、既に本願出願人が、提案している図12の構造を有するもの(比較例)をも凌駕しており、特に、大型パッケージ(半導体装置)への応用に、より適した構造であることが明らかとなった。このように、TCT(温度サイクル試験)信頼性において優れる理由としては、特に、実施例1及び2では、アクティブ面、裏面(アクティブ面の反対側の面)、更には、アクティブ面と裏面との双方に隣接する側端面部の総てを封止する熱硬化性樹脂層が、ガラス転移温度(Tg)が、40℃〜100℃で、且つ、フィラー充填率が、60質量%以上、80質量%以下の熱硬化性樹脂組成物硬化体で覆われた構造であるため、アクティブ面と裏面の反りのバランスが改善され、全体として、反りの小さなパッケージが得られるとともに、これらの熱硬化性樹脂層のガラス転移温度が低く、樹脂硬化時の残留応力が小さいことが挙げられるが、これらの結果として、特に、熱衝撃環境下での半導体素子の側端面部での熱硬化性樹脂層と半導体素子との間での界面剥離の低減の寄与が大きいものと考えられる。
【0066】
また、本発明の半導体装置においては、半導体素子のアクティブ面と裏面のみならず、側端面部をも含んで、パッケージ(半導体装置)全体が、樹脂で覆われる構造であるため、パッケージ全体としての線膨張係数が、マザーボードに近づくために優れた実装信頼性が確保できたものと考えられる。
【0067】
更には、脆いシリコーンが露出しない構造なので、優れた耐衝撃性を示したものと考えられ、部品マウント性にも優れていると考えられる。
【0068】
なお、パッケージ反りの評価において、同様な構造を有する実施例3よりも実施例2のほうが、より良好な結果が得られたのは、実施例2が、熱硬化性樹脂層5と熱硬化性樹脂層7とを同一組成の熱硬化性樹脂組成物硬化体で構成しているため、裏面6側にのみ熱硬化性樹脂層5と異なる組成の高熱伝導性接着剤層14を形成した実施例3と比較すると、半導体素子(半導体チップ)1の表裏の応力バランスが、より良好になったことが寄与しているものと考えられる。
【0069】
このように、本発明の半導体装置においては、半導体素子のアクティブ面と裏面のみならず、側端面部をも含んで、ガラス転移温度が低く、樹脂硬化時の残留応力が小さい熱硬化性樹脂層で封止されているので、大型の半導体装置に応用した場合においても、熱衝撃環境下における表面樹脂層の剥離が、発生し難い構造であり、且つ、部品マウント性にも優れているといえる。同時に、パッケージ(半導体装置)全体が、樹脂で覆われる構造であるため、パッケージ全体としての線膨張係数が、マザーボードに近づき、優れた実装信頼性を確保し得ることとなる。したがって、これらを総合的に勘案すると、本発明の半導体装置は、従来のものと比較しても、より大型のパッケージへの適応性を具備するものと考えられる。
【0070】
一方、半導体装置10b、10cでは、それぞれ裏面に金属層12、15が取り付けられており、機械的強度の向上と共に、熱放散性の向上をも図ることが可能なパッケージとなっている。半導体装置10cでは、高熱伝導性接着剤層が、外側の金属層と半導体素子との間に介在する構成となっており、一層、その熱放散効果が高いといえる。
【0071】
さらに、図2、図4、図6に示したこれらの半導体装置の製造方法は、下記の(A)〜(F)の工程を備えることを特徴とするので、かかるアクティブ面と側端面部とを含んで封止する構造を有する半導体装置を生産性良く、且つ、簡便に製造しうる方法を提供するものであるといえる。
(A)板状体に熱硬化樹脂組成物層を形成する工程。
(B)前記板状体上に形成した前記熱硬化樹脂組成物層の上に、さらに半導体ウェハーが積層した積層体を形成した後、前記熱硬化樹脂組成物層を硬化せしめ、熱硬化性樹脂層とする工程。
(C)半導体ウェハーを所定の寸法に貫通、切断する一方、前記板状体までは、到達しないハーフカットダイシングを行なう工程。
(D)半導体ウェハーのアクティブ面および前記ハーフカットダイシングで形成した側端部を覆う第2の熱硬化樹脂組成物層を形成する工程。
(E)前記第2の熱硬化樹脂組成物層を硬化する工程。
(F)フルカットダイシングにより個片化する工程。
【0072】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に係る半導体装置にあっては、外部接続用端子を有する複数の半導体素子を形成したウェハーを封止樹脂で封止して樹脂層を形成する樹脂封止工程と、前記ウェハーを前記樹脂層と共に切断して個々の半導体素子に分離する分離工程とを、少なくとも具備する製造方法により製造される半導体装置において、前記外部接続用端子が形成された半導体素子のアクティブ面と、前記アクティブ面の反対側面である裏面と、前記アクティブ面と前記裏面との双方に隣接する側端面部とを熱硬化性樹脂層で封止してなることを特徴とするので、特に、熱衝撃環境下での半導体素子の側端面部での熱硬化性樹脂層と半導体素子との間での界面剥離の低減に寄与し得るとともに、パッケージ全体としての線膨張係数が、マザーボードに近づくために優れた実装信頼性が確保でき、更には、脆いシリコーンが露出しない構造なので、耐衝撃性に優れ、部品マウント性にも優れているため、大型の半導体装置への応用がより容易になるという優れた効果を奏する。
【0073】
請求項2に係る半導体装置にあっては、請求項1記載の半導体装置において、前記アクティブ面および前記側端面部をコーティング法により形成した熱硬化性樹脂層で封止していることを特徴とするので、請求項1記載の半導体装置の発明の効果に加えて、フィラー充填率の高い液状樹脂を使用して、ガラス転移温度(Tg)が、100℃以下の熱硬化性樹脂層による半導体素子のアクティブ面および側端面部の封止も比較的容易になし得るという優れた効果を奏する。
【0074】
請求項3に係る半導体装置にあっては、請求項2記載の半導体装置において、前記アクティブ面および前記側端面部をコーティング法により形成した熱硬化性樹脂層を、ガラス転移温度が、40℃〜100℃で、且つ、フィラー充填率が、60質量%以上、80質量%以下の熱硬化性樹脂組成物硬化体で形成したことを特徴とするので、請求項2記載の半導体装置の発明の効果に加えて、接続バンプ部、或いは、外部接続用端子の根本を補強する効果を確保できる一方、内部応力、特に、熱硬化性樹脂層と半導体素子との界面に残留する硬化応力を緩和し得るという優れた効果を奏する。
【0075】
請求項4に係る半導体装置にあっては、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置において、前記裏面の熱硬化性樹脂層の外側に金属層を有することを特徴とするので、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置の発明の効果に加えて、パッケージとしての機械的補強効果を充分に確保し得るとともに、効率的に、熱を放散できるという優れた効果を奏する。
【0076】
請求項5に係る半導体装置にあっては、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の半導体装置において、前記裏面の熱硬化性樹脂層を、ガラス転移温度が、40℃〜100℃で、且つ、フィラー充填率が、60質量%以上、80質量%以下の熱硬化性樹脂組成物硬化体で形成したことを特徴とするので、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の半導体装置の発明の効果に加えて、裏面の熱硬化性樹脂層においても、内部応力、特に、熱硬化性樹脂層と半導体素子との界面に残留する硬化応力を緩和し得るという優れた効果を奏する。
【0077】
請求項6に係る半導体装置の製造方法にあっては、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法であって、下記の(A)〜(F)の工程を備えることを特徴とするので、かかるアクティブ面と側端面部とを含んで封止する構造を有する半導体装置を生産性良く、且つ、簡便に製造しうる方法を提供し得るという優れた効果を奏する。
(A)板状体に熱硬化樹脂組成物層を形成する工程。
(B)前記板状体上に形成した前記熱硬化樹脂組成物層の上に、さらに半導体ウェハーが積層した積層体を形成した後、前記熱硬化樹脂組成物層を硬化せしめ、熱硬化性樹脂層とする工程。
(C)半導体ウェハーを所定の寸法に貫通、切断する一方、前記板状体までは、到達しないハーフカットダイシングを行なう工程。
(D)半導体ウェハーのアクティブ面および前記ハーフカットダイシングで形成した側端部を覆う第2の熱硬化樹脂組成物層を形成する工程。
(E)前記第2の熱硬化樹脂組成物層を硬化する工程。
(F)フルカットダイシングにより個片化する工程。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である半導体装置10aを示す断面図である。
【図2】図1に示した半導体装置10aの製造方法を示すもので、(a)〜(h)は、各製造工程を示す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態である半導体装置10bを示す断面図である。
【図4】図3に示した半導体装置10bの製造方法を示すもので、(a)〜(g)は、各製造工程を示す断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態である半導体装置10cを示す断面図である。
【図6】図5に示した半導体装置10cの製造方法を示すもので、(a)〜(g)は、各製造工程を示す断面図である。
【図7】従来例に係る半導体装置の構造を示すもので、半導体ウェハー9(半導体素子1)上の接続バンプ部3を封止用樹脂層5aでカバーし、その上端を露出させた上で、別のコンタクト用ハンダボールを外部接続用端子4として形成させた構造を示す断面図である。
【図8】従来例に係る半導体装置の構造を示すもので、半導体ウェハー9(半導体素子1)上の外部接続ボール4aの一部を封止用樹脂層5aでカバーしつつ、接続用として、その一部を露出させた構造を示す断面図である。
【図9】従来例に係る半導体装置の構造を示すもので、半導体素子1(半導体ウェハー9)の裏面6(6a)に補強層17である樹脂層17aを形成した構造を示す断面図である。
【図10】従来例に係る半導体装置の構造を示すもので、半導体素子1(半導体ウェハー9)の裏面6(6a)に補強層17である金属等の補強板17bを形成した構造を示す断面図である。
【図11】従来例に係る半導体装置の構造を示すもので、剥離不良を起こしやすい半導体素子1の側端面部1bが樹脂層18で補強された構造を示す断面図である。
【図12】従来例に係る半導体装置の構造を示すもので、熱硬化性樹脂層5及び、熱硬化性樹脂層7をコーティング法等の手法により低Tg(ガラス転移温度)の熱硬化性樹脂組成物硬化体で形成して、これら熱硬化性樹脂層と半導体素子1との界面に残留する残留応力の低減が可能な半導体装置の構造を示す断面図である。
【図13】従来例に係る半導体装置の構造を示すもので、熱硬化性樹脂層5及び、熱硬化性樹脂層7をコーティング法等の手法により低Tg(ガラス転移温度)の熱硬化性樹脂組成物硬化体で形成して、これら熱硬化性樹脂層と半導体素子1との界面に残留する残留応力の低減が可能な半導体装置の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1   半導体素子(半導体チップ)
1a  側端面部〔半導体素子1〕
1b  側端面部〔半導体素子1〕
2   アクティブ面〔半導体素子1〕
3   接続バンプ部〔アクティブ面2〕
4   外部接続用端子〔アクティブ面2〕
4a  外部接続ボール〔アクティブ面2〕
5   熱硬化性樹脂層〔アクティブ面2〕
5a  封止用樹脂層
6   裏面〔半導体素子1〕
6a  裏面〔半導体ウェハー9〕
7   熱硬化性樹脂層〔裏面6、6a〕
7a  熱硬化性樹脂組成物
8   金属板(または金属箔)
9   半導体ウェハー
10   半導体装置
10a  半導体装置
10b  半導体装置
10c  半導体装置
11   積層体
11a  積層体
11b  積層体
11c  積層体
11d  積層体
11e  積層体
11f  積層体
12   金属層〔半導体装置10b〕
13   積層体
13a  積層体
13b  積層体
13c  積層体
13d  積層体
13e  積層体
14   高熱伝導性接着剤層
14a  高熱伝導性接着剤(未硬化)
15   金属層〔半導体装置10c〕
16   積層体
16a  積層体
16b  積層体
16c  積層体
16d  積層体
16e  積層体
17   補強層〔裏面6〕
17a  樹脂層〔裏面6〕
17b  補強板〔裏面6〕
18   樹脂層〔側端面部1b〕

Claims (6)

  1. 外部接続用端子を有する複数の半導体素子を形成したウェハーを封止樹脂で封止して樹脂層を形成する樹脂封止工程と、前記ウェハーを前記樹脂層と共に切断して個々の半導体素子に分離する分離工程とを、少なくとも具備する製造方法により製造される半導体装置において、前記外部接続用端子が形成された半導体素子のアクティブ面と、前記アクティブ面の反対側面である裏面と、前記アクティブ面と前記裏面との双方に隣接する側端面部とを熱硬化性樹脂層で封止してなることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記アクティブ面および前記側端面部をコーティング法により形成した熱硬化性樹脂層で封止していることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記アクティブ面および前記側端面部をコーティング法により形成した熱硬化性樹脂層を、ガラス転移温度が、40℃〜100℃で、且つ、フィラー充填率が、60質量%以上、80質量%以下の熱硬化性樹脂組成物硬化体で形成したことを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
  4. 前記裏面の熱硬化性樹脂層の外側に金属層を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置。
  5. 前記裏面の熱硬化性樹脂層を、ガラス転移温度が、40℃〜100℃で、且つ、フィラー充填率が、60質量%以上、80質量%以下の熱硬化性樹脂組成物硬化体で形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の半導体装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法であって、下記の(A)〜(F)の工程を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
    (A)板状体に熱硬化樹脂組成物層を形成する工程。
    (B)前記板状体上に形成した前記熱硬化樹脂組成物層の上に、さらに半導体ウェハーが積層した積層体を形成した後、前記熱硬化樹脂組成物層を硬化せしめ、熱硬化性樹脂層とする工程。
    (C)半導体ウェハーを所定の寸法に貫通、切断する一方、前記板状体までは、到達しないハーフカットダイシングを行なう工程。
    (D)半導体ウェハーのアクティブ面および前記ハーフカットダイシングで形成した側端部を覆う第2の熱硬化樹脂組成物層を形成する工程。
    (E)前記第2の熱硬化樹脂組成物層を硬化する工程。
    (F)フルカットダイシングにより個片化する工程。
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