JP2004118117A - 光導波路アレイフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】光導波路に結合できなかった迷光を排除することができ、低価格光配線の実現に寄与する。
【解決手段】光閉じ込めのための光導波路クラッド1中に光信号を導波する光導波路コア2が複数本配列された光導波路アレイフィルムにおいて、コア2の光入離出力端部を除く領域で、コア2間のクラッド1の一部に、隣接するコア2を光学的に分離するための分離溝3が設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】光閉じ込めのための光導波路クラッド1中に光信号を導波する光導波路コア2が複数本配列された光導波路アレイフィルムにおいて、コア2の光入離出力端部を除く領域で、コア2間のクラッド1の一部に、隣接するコア2を光学的に分離するための分離溝3が設けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の光配線路を内蔵する光導波路アレイフィルムに係わり、特に迷光による信号クロストーク及び温度変化による光軸変動を抑制した光導波路アレイフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、LSI間を光で接続する光配線装置における光実装のために、印刷技術やフォトリゾグラフィーの手法が適用できる光導波路アレイフィルムが用いられている。図11に、光導波路アレイフィルムの従来例を示す。図中の1は光導波路クラッド、2は光導波路コアであり、コア2の屈折率はクラッド1の屈折率より高く設定され、光がコア2に沿って伝播するよう構成されている。
【0003】
このような光導波路アレイフィルムは、光ファイバのように配線路を1本ずつ形成するのではなく、同一面内の配線を一括で形成でき、プリント基板のような多数の配線を形成する用途に適している。また、電気配線基板の内部や表面に固定して形成することもでき、フレキシブル配線として電気配線基板とは別の配線部品として作製することもできる。
【0004】
図12に、従来の光導波路アレイフィルムをフレキシブル配線として適用した光配線装置の例を示す。図中の6は搭載基板、7は光素子アレイ、8は光素子能動領域(発光又は受光領域)、9は光導波路アレイフィルムの固定材料(接着剤等)である。ここで、光導波路アレイフィルムのコア端部(45°ミラー4が形成された部分)は、予め光素子能動領域8a,8bにそれぞれ位置合わせされて固定されているものとする。この結果、発光素子7aに所定の電気信号を入力すると発光素子7aが光信号を発し、その光信号が光導波路コア2に沿って伝播して受光素子7bに送られる。そして、受光素子7bは光信号を電気信号に変換して出力する。
【0005】
このような光配線装置を用いると、例えば20Gbpsの信号を数10cmから数m配線することができ、ボード内やバックプレーンの高速配線に用いることができる。また、図12の例では、光配線路が5本並列に形成されているため、全部で100Gbpsの配線が可能となる。即ち、光導波路アレイフィルムを用いると多数の配線を一括で形成でき、しかも各光配線路が数10Gbpsの高速配線可能であるため、ボードレベルの動作速度を大幅に向上させることができる。しかしながら、この種の光導波路アレイフィルムにあっては、以下に述べるような問題があった。
【0006】
図13は、従来の光導波路アレイフィルムの光結合状況を模式的に示した図であり、図の右側から左側に向かって光信号が伝送される場合を示している。一般的に、光導波路で光が導波される条件は、光導波路のコア部分に光が入射されること、光導波路の最大受光角度以下の角度で光が入射されることの両方の条件が満たされなければならない。ここで、コアとクラッドが屈折率の内部分布を持たないステップインデックス型の場合、最大受光角θmは、コアの屈折率をn1、クラッドの屈折率をn2とすると以下の式のようになる。
【0007】
θm =sin−1(n1 2−n2 2)1/2
例えば、コアの屈折率n1=1.54、クラッドの屈折率n2=1.49とすると、θm=22.9°となり、23°以上の入射角の光は導波されずに散乱していく。光配線で用いられる発光素子には発光ダイオードや半導体レーザがあるが、その出力光はある広がり角を持っており、レンズ等の角度補正手段を用いても全ての光を光導波路に結合することは難しい。また、光結合系を簡略化するため、所謂直接結合を行う場合、数10%の光が非結合光(光導波路コアに導波されない光)となり易い。
【0008】
図13は、このような非導波光(非結合光)が散乱していく様子を示したものであり、図の破線矢印は非導波光を表している。非導波光の主な成分は、光軸ずれ(コア部分以外への入射)成分、入射ビームサイズがコアサイズより大きい成分、入射角が光導波路の最大受光角より大きい成分、光導波路コアの散乱光成分などであり、このうち最初の3成分が光結合に関するもので、光結合効率をηとすると1−ηの大部分を占める。図13の右側(光入射側)の破線矢印は光導波路に結合できなかった光であるが、この非導波光は図のように光導波路アレイフィルムの内部に散乱していく。
【0009】
通常、光導波路クラッドの屈折率は1より高く、光導波路アレイフィルムの外部が空気(屈折率1)の場合、散乱した非導波光は光導波路アレイフィルムの内部に閉じ込められて対向する光出射面(図13の場合左側(出射側)45°ミラー)に到達する。また、非導波光の中にはコアにガイドされないまでも、直線的に対向する光出射面に到達する成分もある。このような非導波光は、他の光配線チャネル(光導波路コア)から見れば単なる迷光であるが、自分以外の光配線チャネルの信号内容を持っているため、迷光の強度によっては信号クロストークとなってしまう。図13の左側の破線矢印は、近隣の光配線チャネルからの迷光を表しており、12は光導波路コアを伝播してきた本来の信号光、13は受光素子に入射する迷光の範囲を示している。
【0010】
このようなクロストーク(以下迷光クロストークと記す)は、隣接する導波路コアとの光結合によるものではなく、導波路コアの間隔を多少広くしても効果的ではない。本発明者らの実験によれば、光導波路コアのサイズが50μm×50μmで最大受光角15°(クラッド屈折率約1.45)、光導波路クラッドの厚さ上下それぞれ50μm、光導波路コアのアレイピッチが250μmでフィルム長さ約100mmの10ch光導波路アレイフィルムに対し、光放射角約25°(半値全角)のVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser Diode)出力光を直接結合(結合光学長約30μm)し、受光径80μmφのpin−PD(PIN Photo Diode)で受光(結合光学長約30μm)した場合、ch2のみ動作させているにも拘わらず、無入力であるはずのch1,ch3,ch4がクロストークにより動作する症状が観測された。
【0011】
本来、上記の光導波路アレイ条件では、隣接する光導波路コア間の光結合は無視できるほど小さいはずであり、これは光導波路コアを正規に伝播している光が隣接チャネルに漏れ結合して起きたものではない。また、上記実験において、ch9,ch10にもクロストーク信号が現れ、このとき中間のch5からch8のクロストーク信号強度より信号強度が大きいという現象が観測されたが、これは散乱光が光導波路アレイフィルムの端で反射して折り返して到達した影響と考えられる。
【0012】
上記の実験例においては、受信側の信号判別しきい値を調整して迷光クロストークによる誤動作を抑制したが、本来の信号光(光導波路コア出力光)と迷光の強度比が2倍程度と小さかったため、温度などの周囲条件によっては十分なクロストーク抑制ができなかった。
【0013】
一般に、光導波路への光結合効率は光伝送パワーマージンの確保という観点で取り上げられることが多いが、光導波路アレイフィルムにおいては、非導波光による迷光クロストークという観点でも重要であることが本発明者らの実験により分った。従って、従来の光導波路アレイフィルムにおいては、光導波路への光結合効率を限りなく100%に近づける必要があり、光伝送パワーマージンに十分な余裕があっても直接結合のような簡易光結合が適用し難いという問題を有していることになる。即ち、低コストの実装構成が適用し難いという問題を有していることになる。
【0014】
次に、従来の光導波路アレイフィルムの別の問題を、図14により説明する。図14は、周囲温度70〜80℃といった高温での光結合部を模式的に示した図であり、12は光導波路コア2の導波光位置、14は光素子の能動領域位置を表している。一般に、発光素子や受光素子などの光素子は、GaAs,InP,Si等の半導体材料で構成されているが、光導波路材料であるポリマーは一般にはこれら半導体材料の数十倍以上の熱膨張係数を持っている。このため、室温付近で光軸合わせされていても、上述のような高温雰囲気の中では光軸ずれ、特にアレイピッチの変化が現れ、光結合効率がチャネル毎に変わるという問題を持っている。
【0015】
これを防止するため、光導波路材料を熱膨張係数の低い材料に限定したり、熱膨張係数補償材料(例えばガラスフィラー等)を混入したりすると、光導波路特性、例えば光導波損失特性が犠牲になる場合が生じる。また、光導波路の光軸ずれを吸収する別の方法として、光導波路コアを巨大化する方法もあるが、これは光配線チャネルの密度の低下、受光素子の受光面積の大型化を招く。そして、受光素子容量と負荷抵抗のCR積による動作速度低下を招き、高速動作という光配線の本来の効果が損なわれてしまう。更に、光導波路を堅固に固定してしまう方法もあるが、光導波路や光素子に過大な応力が加わるため信頼性の観点で好ましくなく、場合によっては何れかの部材にクラックが生じるなどの問題があった。
【0016】
また、光導波路アレイフィルムと光デバイスとの間の位置ずれを抑制するために、光導波路アレイフィルムの光導波路コア間に貫通溝を形成した例がある(特許文献1)。この例では、上記位置ずれの点は改善されるものの、依然として、非導波光による迷光クロストークが発生し易いという問題は解決できていない。
【0017】
【特許文献1】
特開平11−352362号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の光導波路アレイフィルムにおいては、非導波光による迷光クロストークが発生し易いという問題があった。さらに、温度変化によって光素子に対する光導波路コアの光軸ずれが起こり易いなどの問題があった。
【0019】
本発明は、上記事情を考慮して成されたもので、その目的とするところは、光導波路コアに結合できなかった迷光を排除することができ、低価格光配線の実現に寄与し得る光導波路アレイフィルムを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
(構成)
上記課題を解決するために本発明は、次のような構成を採用している。
【0021】
即ち本発明は、光閉じ込めのためのクラッド中に光信号を導波するコアが複数本配列されてなる光導波路アレイフィルムであって、前記複数のコア間の前記クラッドの少なくとも一部に、隣接するコアを光学的に分離するための分離溝が、前記複数のコアの光入出力端部近傍を除く部分に設けられてなることを特徴とする。
【0022】
ここで、本発明の望ましい実施態様としては次のものが挙げられる。
(1) 分離溝は、クラッドを貫通することなく該クラッドの表面から所定の深さまで設けられている。
【0023】
(2) 分離溝は、深さ方向に幅が変化し、側壁が斜面を有するように形成されている。
【0024】
(3) 分離溝は、複数のコアの光入出力端部近傍では、クラッドの表面から裏面まで貫通して設けられ、光入出力端部近傍を除く部分では、クラッドを貫通することなく該クラッドの表面から所定の深さまで設けられている。
【0025】
(4) 分離溝内に光吸収材が埋め込み形成されている。
【0026】
(5) 分離溝の内面に光吸収材がコーティングされている。
【0027】
(6) 複数のコアの光入出力端部近傍に、隣接するコアを機械的に分離するための分離溝が、クラッドの表面から裏面まで貫通して設けられている。
【0028】
また本発明は、光閉じ込めのためのクラッド中に光信号を導波するコアが複数本配列されてなる光導波路アレイフィルムであって、前記複数のコア間の前記クラッドの少なくとも一部に、隣接するコアを光学的に分離するために、深さ方向に幅が変化し側壁が斜面を有する分離溝が設けられてなることを特徴とする。
【0029】
また本発明は、光閉じ込めのためのクラッド中に光信号を導波するコアが複数本配列されてなる光導波路アレイフィルムであって、前記複数のコア間の前記クラッドの少なくとも一部に、隣接するコアを光学的に分離するための分離溝が設けられ、該分離溝の内面に光吸収材がコーティングされていることを特徴とする。
【0030】
また本発明は、光閉じ込めのためのクラッド中に光信号を導波するコアが複数本配列されてなる光導波路アレイフィルムであって、前記複数のコア間の前記クラッドの少なくとも一部に、前記光信号の迷光を除去するための光吸収材を設けてなることを特徴とする。
【0031】
(作用)
本発明によれば、アレイ化された光導波路コア間に分離溝などの空隙を設けることにより、近隣チャネルからの迷光を抑制することができる。また、迷光を斜面で反射させて光導波路アレイフィルムの外部に排出、又は迷光を光吸収材により除去することにより、近隣チャネルからの迷光を更に抑制することができる。また、光入出力端において光導波路コアを分離することにより、熱膨張による光軸ずれを抑制することができる。これにより、低価格光配線の実現に寄与することが可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図示の実施形態によって説明する。
【0033】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる光導波路アレイフィルムの概略構成を示す斜視図である。
【0034】
図中の1はフィルム状の光導波路クラッド、2はクラッド1内に複数本並列配置された光導波路コア、3は隣接コア間のクラッド1に設けられた分離溝(コア間空隙)、4は表面入出力のための45°ミラーである。光導波路材料としては、アクリル系,ポリスチレン系,ポリイミド系,ポリカーボネート系などのポリマー材料を用いることができ、異種ポリマーの組み合わせや、添加物量調整などにより屈折率を異ならせた材料をコア及びクラッドとして用いれば良い。
【0035】
光導波路コア2として、例えば断面サイズ50μm×50μmで最大受光角15°となるように光導波路クラッド1との屈折率差を設定する。また、光導波路クラッド1の厚さとして、例えば光導波路コア2の上下でそれぞれ50μmとなるように設定し、光導波路コア2のアレイピッチを250μmとする。分離溝3は、ドライエッチングやレーザーアブレーション等の方法で、例えば幅50μm、深さ120μmに形成する。ここで、分離溝3は光導波路コア2の光入出力端部を除いて形成する。なお、この分離溝3は光導波路コア2よりも深く設けられている。
【0036】
このようにして形成した光導波路アレイフィルムの構成を、図2に示す。図2の(a)は上面図、(b)は分離溝3の位置での側断面図、(c)は中央部断面図である。
【0037】
光導波路アレイフィルムの厚さ(クラッド1の厚さ)は150μmであり、分離溝3の深さを120μmとすると、光導波路アレイフィルムの底部は分離溝3のない連続部を有することになるが、連続部高さが30μm程度と狭く、また近隣チャネル方向への直線的な光通過経路が少なくなる。このため、光導波路アレイフィルム内を自由に拡散する迷光は大幅に低減される。
【0038】
ここで、分離溝3を完全に光導波路アレイフィルムを貫通させない理由は、フィルムとしての機械的強度やアレイとしての均等性を保つためであり、これらが問題無い場合は分離溝3の深さを150μmとして光導波路アレイフィルムを貫通させても良い。この場合、分離溝3の形成法として金型によるパンチング等も適用可能である。また、一旦、分離溝3を光導波路アレイフィルムを貫通させて形成した後、別の補強フィルムを片面又は上下両面に張り合わせても良い。
【0039】
上記のように構成した結果、分離溝3の無い従来型の光導波路アレイフィルムに比し、近隣チャネルからの迷光の強度は1/10以下に低減した。この結果は、迷光が分離溝3の側壁で反射する際、光導波路アレイフィルム外に散逸する成分があるため、数回の側壁反射により迷光の絶対量が減少する効果も含まれていると考えられる。
【0040】
このように本実施形態によれば、アレイ化された光導波路コア2を有する光導波路フィルムにおいて、隣接コア間のクラッド1に光入出力端部近傍を除いて分離溝3を設けることにより、光導波路コア2に結合できなかった迷光を分離溝3によって排除することができる。つまり、近隣チャネルからの迷光を分離溝3によって抑制することができ、これにより低価格光配線の実現に寄与することが可能となる。
【0041】
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係わる光導波路アレイフィルムの概略構成を説明するためのもので、(a)は上面図、(b)は分離溝3の位置での側断面図、(c)は中央部断面図である。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0042】
この実施形態は、図1、図2で示した第1の実施形態の分離溝側壁での迷光散逸を積極的に導入するために、分離溝3の側壁を斜面としたものである。本実施形態の分離溝3は、例えばウェットエッチングや機械的切削、金型成型等で形成すればよく、例えば30°程度の側壁傾きを持たせる。
【0043】
このような構成であれば、隣接チャネル方向は勿論、自己チャネルの光伝送方向に対する側壁間の多重反射による光伝播が難しくなる。その結果、迷光量はより低減可能となり、第1の実施形態に対して更に迷光強度が1/5程度に減少した。
【0044】
(参考例)
図4は、本発明の参考例に係わる光導波路アレイフィルムの概略構成を示す斜視図である。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0045】
本参考例は、分離溝を光導波路アレイフィルムの光入出力端に設け、温度変動による光軸変動を抑制するものであり、図中の5が光導波路コアを分離する端部分離溝である。
【0046】
光導波路コア2として、例えば断面サイズ50μm×50μmで最大受光角15°となるように光導波路クラッド1との屈折率差を設定する。また、光導波路クラッド1の厚さとして、例えば光導波路コア2の上下でそれぞれ50μmとなるように設定し、光導波路コア2のアレイピッチを250μmとする。光入出力端部の分離溝5は、例えばダイシング,ドライエッチング,レーザーアブレーション等の方法で、例えば幅50μmで光導波路アレイフィルムの表面から裏面まで形成する。また、分離溝5の長さは、例えば5mmとする。
【0047】
このようにして形成した光導波路アレイフィルムの構成を、図5に示す。図5の(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は端面図である。この図から分るように、光導波路アレイフィルムの端部は独立の光導波路と同等な状態になるが、全体としては一体化されたアレイフィルムのままであり、光入出力配列やアレイピッチ等は元の光導波路アレイフィルムと同等になっている。この光導波路アレイフィルムを図6に示すように、光素子と光結合させて光配線装置を構成する。
【0048】
図6において、(a)は上面図、(b)は中央部側断面図、(c)は光素子部断面図であり、図中の6は搭載基板、7は光素子アレイ、8は光素子能動領域(発光又は受光領域)、9は固定材料(接着剤等)であり、(b)の左側の発光素子7aから右側の受光素子7bに光信号を伝送する。この光導波路アレイフィルムのコア端部(45°ミラー4が形成された部分)は、光素子能動領域8a及び8bにそれぞれ位置合わせし、紫外線硬化樹脂等の固定材料9で固定する。これにより、発光素子7aに所定の電気信号を入力すると発光素子7aが光信号を発し、その光信号が光導波路コア2に沿って伝播して受光素子7bに送られ、受光素子7bは光信号を電気信号に変換して出力する。
【0049】
このように構成した場合、周囲の温度変化による光導波路アレイフィルムの熱膨張自体は起こるものの、光導波路端部がチャネル毎に個別に光素子と固定されているため、光導波路入出力部と光素子との結合位置が変化することが無くなる。また、光導波路入出力部のアレイピッチ変動が光素子アレイ7の熱膨張で規定されるようになり、光導波路アレイフィルム全体のアレイピッチ変動と差が生じるようになるが、これは光入出力端部の分離溝5の長さを十分に取っておくことで、光導波路材料の弾性で吸収することができる。このため、分離溝5の長さは光導波路コアのアレイピッチの少なくとも2倍以上、可能であれば10倍以上とっておくことが望ましい。
【0050】
また、端部分離溝5の長さは、前述の迷光クロストークを低減するためにも光導波路コア2のアレイピッチとの比が、光導波路の最大受光角をθm として1/tanθm 以上になることが望ましい。例えば、θm =15°の場合、光導波路コアアレイピッチの3.8倍(250μmピッチコアで0.95mm)以上とすることが望ましい。
【0051】
(第3の実施形態)
図7は、本発明の第3の実施形態に係わる光導波路アレイフィルムの概略構成を説明するためのもので、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は端面図である。なお、図5と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0052】
本実施形態は、先に説明した参考例の迷光抑制効果を更に高めるために、光入出力端部の分離溝5の側壁を斜面としたものである。このときの分離溝5は、例えばウェットエッチングや機械的切削、金型成型等で形成すればよく、例えば30°程度の側壁の傾きを持たせる。また、光入出力端部の分離溝5の長さは、光導波路コア2のアレイピッチとの比が、光導波路の最大受光角をθm として1/tanθm 以上とする。例えば、θm =15°で光導波路コアアレイピッチ250μmの場合、分離溝5の長さを1mm以上とする。
【0053】
この結果、光導波路コア2に入射しない15°以上の角度の光は、光入出力端部の分離溝5の形成されている範囲内で分離溝5の側壁に反射することになり、光導波路アレイフィルムの外部に散逸され易くなる。
【0054】
(第4の実施形態)
図8は、本発明の第4の実施形態に係わる光導波路アレイフィルムの概略構成を説明するためのもので、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は端面図である。なお、図7と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0055】
先に説明した第3の実施形態においては、一部の迷光は光導波路アレイフィルム内部に残留する可能性がある。本実施形態ではこれを更に低減するために、図8に示すように、光入出力端部の分離溝5の他に、第2の実施形態のような中間の分離溝3を追加している。
【0056】
このような構成であれば、第3の実施形態と同様の効果が得られるのは勿論のこと、第1及び第2の実施形態のように迷光クロストークを更に低減することができる。
【0057】
(第5の実施形態)
図9は、本発明の第5の実施形態に係わる光導波路アレイフィルムの概略構成を説明するためのもので、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は端面図である。なお、図1、図2及び図7と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0058】
本実施形態は、迷光クロストークを更に低減するため、迷光の散逸ではなく、積極的な迷光の吸収除去を行わせるものであり、第1の実施形態で示した分離溝3に光吸収材10を埋め込むと共に、第3の実施形態と同様に光入出力端部の分離溝5も形成したものである。
【0059】
光吸収材10としては、例えば色素材料やカーボンなどを混入した光導波路材料を用い、分離溝3にスクリーン印刷と同様にスキージを用いて充填形成する。また、別途用意した光吸収材10の成型品を圧入する方法や、分離溝に低反射率金属などの不透明材料をメッキ形成する手法で作製することも可能である。
【0060】
このような構成とすることで、分離溝3で迷光を反射や散逸させるのではなく、近隣のチャネルに向かう迷光を吸収除去するため、迷光が確実に除去可能となる。また、分離溝3内に光吸収材10を埋め込むことは、光導波路アレイフィルムの強度維持にも有効となる。
【0061】
(第6の実施形態)
図10は、本発明の第6の実施形態に係わる光導波路アレイフィルムの概略構を説明するためのもので、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は端面図である。なお、図7と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0062】
本実施形態は、図7に示した第3の実施形態に加え、分離溝5の近傍においてクラッド1の表面に光吸収材11をコーティングしたものである。即ち、第5の実施形態のように光導波路アレイフィルムの内部に光吸収材を埋め込むのではなく、光導波路アレイフィルムの表面に光吸収材11をコーティングしたものである。光吸収材11としては、例えばGeなどの蒸着形成可能な狭バンドギャップ材料をメタルマスクにより選択形成する。また、色素材料やカーボンなどを混入した光導波路材料を印刷形成することもできる。
【0063】
この実施形態では、図6又は図7で示した分離溝5を用い、その長さを光導波路コア2のアレイピッチとの比が1/tanθm 以上(θm は光導波路の最大受光角)となるようにすれば、光導波路コア2に入射しない光が分離溝5の形成されている範囲内で側壁に当たるため、図のように光入出力部を除く分離溝5の周辺だけに光吸収材11を形成して迷光の吸収除去が可能である。勿論、光入出力端部分を除いて全面に光吸収材11を設けても構わない。
【0064】
また、この実施形態は、光吸収材11をコーティングする形態であるため、コーティングする部分が垂直面や逆テーパー面でないことが望ましい。従って、分離溝5などは第3の実施形態のように斜面に形成することが望ましい。この実施形態では、図9のような分離溝3の加工が不要であり、光導波路アレイフィルムの作製コストの低減が可能である。
【0065】
(変形例)
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。実施形態では、光導波路アレイフィルムの光入出力端部に45°ミラーを形成して表面入出力を行う光配線を行う例について説明したが、これに限らず45°ミラーのない端面入出力の光配線であっても同様に適用可能である。また、第6の実施形態(図10)に第1の実施形態(図1,2)の分離溝3を併用してもよく、逆に、第4の実施形態(図8)に第6の実施形態の手法による光吸収材コーティングを導入しても良い。要するに、第1〜第6の実施形態は適宜組み合わせて用いることが可能である。
【0066】
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、光閉じ込めのためのクラッド中に光信号を導波するコアが複数本配列された光導波路アレイフィルムにおいて、隣接コア間のクラッドの少なくとも一部に、隣接コアを光学的に分離するための分離溝、又は光信号の迷光を除去するための光吸収材を設けることにより、迷光によるクロストークや熱膨張による光軸ずれが抑制でき、ボードレベルやラックレベルの低価格光配線を効果的に実現して、情報通信機器などの各種電子機器の高機能化を促進するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わる光導波路アレイフィルムの概略構成を示す斜視図。
【図2】第1の実施形態の光導波路アレイフィルムの概略構成を説明するための上面図と側断面図と中央部断面図。
【図3】第2の実施形態に係わる光導波路アレイフィルムの概略構成を説明するためのもので、上面図と側断面図と中央部断面図。
【図4】本発明の参考例に係わる光導波路アレイフィルムを示す概略斜視図。
【図5】本発明の参考例の光導波路アレイフィルムの概略構成を説明するための上面図と側面図と端面図。
【図6】本発明の参考例における光配線装置の概略構成を説明するための上面図と側断面図と光素子部断面図。
【図7】第3の実施形態に係わる光導波路アレイフィルムの概略構成を説明するためのもので、上面図と側面図と端面図。
【図8】第4の実施形態に係わる光導波路アレイフィルムの概略構成を説明するためのもので、上面図と側面図と端面図。
【図9】第5の実施形態に係わる光導波路アレイフィルムの概略構成を説明するためのもので、上面図と側面図と端面図。
【図10】第6の実施形態に係わる光導波路アレイフィルムの概略構を説明するためのもので、上面図と側面図と端面図。
【図11】従来の光導波路アレイフィルムの構成を示す図。
【図12】従来の光導波路アレイフィルムをフレキシブル配線として適用した光配線装置の例を示す図。
【図13】従来の光導波路アレイフィルムの光結合状況を模式的に示した図。
【図14】従来の光導波路アレイフィルムによる光軸ずれを説明するための図。
【符号の説明】
1…光導波路クラッド
2…光導波路コア
3…分離溝
4…45°ミラー部
5…分離溝
6…搭載基板
7…光素子
8…光素子能動領域
9…固定材料
10…光吸収材
11…光吸収コーティング
12…光導波路導波光位置
13…迷光入射領域
14…光素子能動領域位置
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の光配線路を内蔵する光導波路アレイフィルムに係わり、特に迷光による信号クロストーク及び温度変化による光軸変動を抑制した光導波路アレイフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、LSI間を光で接続する光配線装置における光実装のために、印刷技術やフォトリゾグラフィーの手法が適用できる光導波路アレイフィルムが用いられている。図11に、光導波路アレイフィルムの従来例を示す。図中の1は光導波路クラッド、2は光導波路コアであり、コア2の屈折率はクラッド1の屈折率より高く設定され、光がコア2に沿って伝播するよう構成されている。
【0003】
このような光導波路アレイフィルムは、光ファイバのように配線路を1本ずつ形成するのではなく、同一面内の配線を一括で形成でき、プリント基板のような多数の配線を形成する用途に適している。また、電気配線基板の内部や表面に固定して形成することもでき、フレキシブル配線として電気配線基板とは別の配線部品として作製することもできる。
【0004】
図12に、従来の光導波路アレイフィルムをフレキシブル配線として適用した光配線装置の例を示す。図中の6は搭載基板、7は光素子アレイ、8は光素子能動領域(発光又は受光領域)、9は光導波路アレイフィルムの固定材料(接着剤等)である。ここで、光導波路アレイフィルムのコア端部(45°ミラー4が形成された部分)は、予め光素子能動領域8a,8bにそれぞれ位置合わせされて固定されているものとする。この結果、発光素子7aに所定の電気信号を入力すると発光素子7aが光信号を発し、その光信号が光導波路コア2に沿って伝播して受光素子7bに送られる。そして、受光素子7bは光信号を電気信号に変換して出力する。
【0005】
このような光配線装置を用いると、例えば20Gbpsの信号を数10cmから数m配線することができ、ボード内やバックプレーンの高速配線に用いることができる。また、図12の例では、光配線路が5本並列に形成されているため、全部で100Gbpsの配線が可能となる。即ち、光導波路アレイフィルムを用いると多数の配線を一括で形成でき、しかも各光配線路が数10Gbpsの高速配線可能であるため、ボードレベルの動作速度を大幅に向上させることができる。しかしながら、この種の光導波路アレイフィルムにあっては、以下に述べるような問題があった。
【0006】
図13は、従来の光導波路アレイフィルムの光結合状況を模式的に示した図であり、図の右側から左側に向かって光信号が伝送される場合を示している。一般的に、光導波路で光が導波される条件は、光導波路のコア部分に光が入射されること、光導波路の最大受光角度以下の角度で光が入射されることの両方の条件が満たされなければならない。ここで、コアとクラッドが屈折率の内部分布を持たないステップインデックス型の場合、最大受光角θmは、コアの屈折率をn1、クラッドの屈折率をn2とすると以下の式のようになる。
【0007】
θm =sin−1(n1 2−n2 2)1/2
例えば、コアの屈折率n1=1.54、クラッドの屈折率n2=1.49とすると、θm=22.9°となり、23°以上の入射角の光は導波されずに散乱していく。光配線で用いられる発光素子には発光ダイオードや半導体レーザがあるが、その出力光はある広がり角を持っており、レンズ等の角度補正手段を用いても全ての光を光導波路に結合することは難しい。また、光結合系を簡略化するため、所謂直接結合を行う場合、数10%の光が非結合光(光導波路コアに導波されない光)となり易い。
【0008】
図13は、このような非導波光(非結合光)が散乱していく様子を示したものであり、図の破線矢印は非導波光を表している。非導波光の主な成分は、光軸ずれ(コア部分以外への入射)成分、入射ビームサイズがコアサイズより大きい成分、入射角が光導波路の最大受光角より大きい成分、光導波路コアの散乱光成分などであり、このうち最初の3成分が光結合に関するもので、光結合効率をηとすると1−ηの大部分を占める。図13の右側(光入射側)の破線矢印は光導波路に結合できなかった光であるが、この非導波光は図のように光導波路アレイフィルムの内部に散乱していく。
【0009】
通常、光導波路クラッドの屈折率は1より高く、光導波路アレイフィルムの外部が空気(屈折率1)の場合、散乱した非導波光は光導波路アレイフィルムの内部に閉じ込められて対向する光出射面(図13の場合左側(出射側)45°ミラー)に到達する。また、非導波光の中にはコアにガイドされないまでも、直線的に対向する光出射面に到達する成分もある。このような非導波光は、他の光配線チャネル(光導波路コア)から見れば単なる迷光であるが、自分以外の光配線チャネルの信号内容を持っているため、迷光の強度によっては信号クロストークとなってしまう。図13の左側の破線矢印は、近隣の光配線チャネルからの迷光を表しており、12は光導波路コアを伝播してきた本来の信号光、13は受光素子に入射する迷光の範囲を示している。
【0010】
このようなクロストーク(以下迷光クロストークと記す)は、隣接する導波路コアとの光結合によるものではなく、導波路コアの間隔を多少広くしても効果的ではない。本発明者らの実験によれば、光導波路コアのサイズが50μm×50μmで最大受光角15°(クラッド屈折率約1.45)、光導波路クラッドの厚さ上下それぞれ50μm、光導波路コアのアレイピッチが250μmでフィルム長さ約100mmの10ch光導波路アレイフィルムに対し、光放射角約25°(半値全角)のVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser Diode)出力光を直接結合(結合光学長約30μm)し、受光径80μmφのpin−PD(PIN Photo Diode)で受光(結合光学長約30μm)した場合、ch2のみ動作させているにも拘わらず、無入力であるはずのch1,ch3,ch4がクロストークにより動作する症状が観測された。
【0011】
本来、上記の光導波路アレイ条件では、隣接する光導波路コア間の光結合は無視できるほど小さいはずであり、これは光導波路コアを正規に伝播している光が隣接チャネルに漏れ結合して起きたものではない。また、上記実験において、ch9,ch10にもクロストーク信号が現れ、このとき中間のch5からch8のクロストーク信号強度より信号強度が大きいという現象が観測されたが、これは散乱光が光導波路アレイフィルムの端で反射して折り返して到達した影響と考えられる。
【0012】
上記の実験例においては、受信側の信号判別しきい値を調整して迷光クロストークによる誤動作を抑制したが、本来の信号光(光導波路コア出力光)と迷光の強度比が2倍程度と小さかったため、温度などの周囲条件によっては十分なクロストーク抑制ができなかった。
【0013】
一般に、光導波路への光結合効率は光伝送パワーマージンの確保という観点で取り上げられることが多いが、光導波路アレイフィルムにおいては、非導波光による迷光クロストークという観点でも重要であることが本発明者らの実験により分った。従って、従来の光導波路アレイフィルムにおいては、光導波路への光結合効率を限りなく100%に近づける必要があり、光伝送パワーマージンに十分な余裕があっても直接結合のような簡易光結合が適用し難いという問題を有していることになる。即ち、低コストの実装構成が適用し難いという問題を有していることになる。
【0014】
次に、従来の光導波路アレイフィルムの別の問題を、図14により説明する。図14は、周囲温度70〜80℃といった高温での光結合部を模式的に示した図であり、12は光導波路コア2の導波光位置、14は光素子の能動領域位置を表している。一般に、発光素子や受光素子などの光素子は、GaAs,InP,Si等の半導体材料で構成されているが、光導波路材料であるポリマーは一般にはこれら半導体材料の数十倍以上の熱膨張係数を持っている。このため、室温付近で光軸合わせされていても、上述のような高温雰囲気の中では光軸ずれ、特にアレイピッチの変化が現れ、光結合効率がチャネル毎に変わるという問題を持っている。
【0015】
これを防止するため、光導波路材料を熱膨張係数の低い材料に限定したり、熱膨張係数補償材料(例えばガラスフィラー等)を混入したりすると、光導波路特性、例えば光導波損失特性が犠牲になる場合が生じる。また、光導波路の光軸ずれを吸収する別の方法として、光導波路コアを巨大化する方法もあるが、これは光配線チャネルの密度の低下、受光素子の受光面積の大型化を招く。そして、受光素子容量と負荷抵抗のCR積による動作速度低下を招き、高速動作という光配線の本来の効果が損なわれてしまう。更に、光導波路を堅固に固定してしまう方法もあるが、光導波路や光素子に過大な応力が加わるため信頼性の観点で好ましくなく、場合によっては何れかの部材にクラックが生じるなどの問題があった。
【0016】
また、光導波路アレイフィルムと光デバイスとの間の位置ずれを抑制するために、光導波路アレイフィルムの光導波路コア間に貫通溝を形成した例がある(特許文献1)。この例では、上記位置ずれの点は改善されるものの、依然として、非導波光による迷光クロストークが発生し易いという問題は解決できていない。
【0017】
【特許文献1】
特開平11−352362号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の光導波路アレイフィルムにおいては、非導波光による迷光クロストークが発生し易いという問題があった。さらに、温度変化によって光素子に対する光導波路コアの光軸ずれが起こり易いなどの問題があった。
【0019】
本発明は、上記事情を考慮して成されたもので、その目的とするところは、光導波路コアに結合できなかった迷光を排除することができ、低価格光配線の実現に寄与し得る光導波路アレイフィルムを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
(構成)
上記課題を解決するために本発明は、次のような構成を採用している。
【0021】
即ち本発明は、光閉じ込めのためのクラッド中に光信号を導波するコアが複数本配列されてなる光導波路アレイフィルムであって、前記複数のコア間の前記クラッドの少なくとも一部に、隣接するコアを光学的に分離するための分離溝が、前記複数のコアの光入出力端部近傍を除く部分に設けられてなることを特徴とする。
【0022】
ここで、本発明の望ましい実施態様としては次のものが挙げられる。
(1) 分離溝は、クラッドを貫通することなく該クラッドの表面から所定の深さまで設けられている。
【0023】
(2) 分離溝は、深さ方向に幅が変化し、側壁が斜面を有するように形成されている。
【0024】
(3) 分離溝は、複数のコアの光入出力端部近傍では、クラッドの表面から裏面まで貫通して設けられ、光入出力端部近傍を除く部分では、クラッドを貫通することなく該クラッドの表面から所定の深さまで設けられている。
【0025】
(4) 分離溝内に光吸収材が埋め込み形成されている。
【0026】
(5) 分離溝の内面に光吸収材がコーティングされている。
【0027】
(6) 複数のコアの光入出力端部近傍に、隣接するコアを機械的に分離するための分離溝が、クラッドの表面から裏面まで貫通して設けられている。
【0028】
また本発明は、光閉じ込めのためのクラッド中に光信号を導波するコアが複数本配列されてなる光導波路アレイフィルムであって、前記複数のコア間の前記クラッドの少なくとも一部に、隣接するコアを光学的に分離するために、深さ方向に幅が変化し側壁が斜面を有する分離溝が設けられてなることを特徴とする。
【0029】
また本発明は、光閉じ込めのためのクラッド中に光信号を導波するコアが複数本配列されてなる光導波路アレイフィルムであって、前記複数のコア間の前記クラッドの少なくとも一部に、隣接するコアを光学的に分離するための分離溝が設けられ、該分離溝の内面に光吸収材がコーティングされていることを特徴とする。
【0030】
また本発明は、光閉じ込めのためのクラッド中に光信号を導波するコアが複数本配列されてなる光導波路アレイフィルムであって、前記複数のコア間の前記クラッドの少なくとも一部に、前記光信号の迷光を除去するための光吸収材を設けてなることを特徴とする。
【0031】
(作用)
本発明によれば、アレイ化された光導波路コア間に分離溝などの空隙を設けることにより、近隣チャネルからの迷光を抑制することができる。また、迷光を斜面で反射させて光導波路アレイフィルムの外部に排出、又は迷光を光吸収材により除去することにより、近隣チャネルからの迷光を更に抑制することができる。また、光入出力端において光導波路コアを分離することにより、熱膨張による光軸ずれを抑制することができる。これにより、低価格光配線の実現に寄与することが可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図示の実施形態によって説明する。
【0033】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる光導波路アレイフィルムの概略構成を示す斜視図である。
【0034】
図中の1はフィルム状の光導波路クラッド、2はクラッド1内に複数本並列配置された光導波路コア、3は隣接コア間のクラッド1に設けられた分離溝(コア間空隙)、4は表面入出力のための45°ミラーである。光導波路材料としては、アクリル系,ポリスチレン系,ポリイミド系,ポリカーボネート系などのポリマー材料を用いることができ、異種ポリマーの組み合わせや、添加物量調整などにより屈折率を異ならせた材料をコア及びクラッドとして用いれば良い。
【0035】
光導波路コア2として、例えば断面サイズ50μm×50μmで最大受光角15°となるように光導波路クラッド1との屈折率差を設定する。また、光導波路クラッド1の厚さとして、例えば光導波路コア2の上下でそれぞれ50μmとなるように設定し、光導波路コア2のアレイピッチを250μmとする。分離溝3は、ドライエッチングやレーザーアブレーション等の方法で、例えば幅50μm、深さ120μmに形成する。ここで、分離溝3は光導波路コア2の光入出力端部を除いて形成する。なお、この分離溝3は光導波路コア2よりも深く設けられている。
【0036】
このようにして形成した光導波路アレイフィルムの構成を、図2に示す。図2の(a)は上面図、(b)は分離溝3の位置での側断面図、(c)は中央部断面図である。
【0037】
光導波路アレイフィルムの厚さ(クラッド1の厚さ)は150μmであり、分離溝3の深さを120μmとすると、光導波路アレイフィルムの底部は分離溝3のない連続部を有することになるが、連続部高さが30μm程度と狭く、また近隣チャネル方向への直線的な光通過経路が少なくなる。このため、光導波路アレイフィルム内を自由に拡散する迷光は大幅に低減される。
【0038】
ここで、分離溝3を完全に光導波路アレイフィルムを貫通させない理由は、フィルムとしての機械的強度やアレイとしての均等性を保つためであり、これらが問題無い場合は分離溝3の深さを150μmとして光導波路アレイフィルムを貫通させても良い。この場合、分離溝3の形成法として金型によるパンチング等も適用可能である。また、一旦、分離溝3を光導波路アレイフィルムを貫通させて形成した後、別の補強フィルムを片面又は上下両面に張り合わせても良い。
【0039】
上記のように構成した結果、分離溝3の無い従来型の光導波路アレイフィルムに比し、近隣チャネルからの迷光の強度は1/10以下に低減した。この結果は、迷光が分離溝3の側壁で反射する際、光導波路アレイフィルム外に散逸する成分があるため、数回の側壁反射により迷光の絶対量が減少する効果も含まれていると考えられる。
【0040】
このように本実施形態によれば、アレイ化された光導波路コア2を有する光導波路フィルムにおいて、隣接コア間のクラッド1に光入出力端部近傍を除いて分離溝3を設けることにより、光導波路コア2に結合できなかった迷光を分離溝3によって排除することができる。つまり、近隣チャネルからの迷光を分離溝3によって抑制することができ、これにより低価格光配線の実現に寄与することが可能となる。
【0041】
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係わる光導波路アレイフィルムの概略構成を説明するためのもので、(a)は上面図、(b)は分離溝3の位置での側断面図、(c)は中央部断面図である。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0042】
この実施形態は、図1、図2で示した第1の実施形態の分離溝側壁での迷光散逸を積極的に導入するために、分離溝3の側壁を斜面としたものである。本実施形態の分離溝3は、例えばウェットエッチングや機械的切削、金型成型等で形成すればよく、例えば30°程度の側壁傾きを持たせる。
【0043】
このような構成であれば、隣接チャネル方向は勿論、自己チャネルの光伝送方向に対する側壁間の多重反射による光伝播が難しくなる。その結果、迷光量はより低減可能となり、第1の実施形態に対して更に迷光強度が1/5程度に減少した。
【0044】
(参考例)
図4は、本発明の参考例に係わる光導波路アレイフィルムの概略構成を示す斜視図である。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0045】
本参考例は、分離溝を光導波路アレイフィルムの光入出力端に設け、温度変動による光軸変動を抑制するものであり、図中の5が光導波路コアを分離する端部分離溝である。
【0046】
光導波路コア2として、例えば断面サイズ50μm×50μmで最大受光角15°となるように光導波路クラッド1との屈折率差を設定する。また、光導波路クラッド1の厚さとして、例えば光導波路コア2の上下でそれぞれ50μmとなるように設定し、光導波路コア2のアレイピッチを250μmとする。光入出力端部の分離溝5は、例えばダイシング,ドライエッチング,レーザーアブレーション等の方法で、例えば幅50μmで光導波路アレイフィルムの表面から裏面まで形成する。また、分離溝5の長さは、例えば5mmとする。
【0047】
このようにして形成した光導波路アレイフィルムの構成を、図5に示す。図5の(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は端面図である。この図から分るように、光導波路アレイフィルムの端部は独立の光導波路と同等な状態になるが、全体としては一体化されたアレイフィルムのままであり、光入出力配列やアレイピッチ等は元の光導波路アレイフィルムと同等になっている。この光導波路アレイフィルムを図6に示すように、光素子と光結合させて光配線装置を構成する。
【0048】
図6において、(a)は上面図、(b)は中央部側断面図、(c)は光素子部断面図であり、図中の6は搭載基板、7は光素子アレイ、8は光素子能動領域(発光又は受光領域)、9は固定材料(接着剤等)であり、(b)の左側の発光素子7aから右側の受光素子7bに光信号を伝送する。この光導波路アレイフィルムのコア端部(45°ミラー4が形成された部分)は、光素子能動領域8a及び8bにそれぞれ位置合わせし、紫外線硬化樹脂等の固定材料9で固定する。これにより、発光素子7aに所定の電気信号を入力すると発光素子7aが光信号を発し、その光信号が光導波路コア2に沿って伝播して受光素子7bに送られ、受光素子7bは光信号を電気信号に変換して出力する。
【0049】
このように構成した場合、周囲の温度変化による光導波路アレイフィルムの熱膨張自体は起こるものの、光導波路端部がチャネル毎に個別に光素子と固定されているため、光導波路入出力部と光素子との結合位置が変化することが無くなる。また、光導波路入出力部のアレイピッチ変動が光素子アレイ7の熱膨張で規定されるようになり、光導波路アレイフィルム全体のアレイピッチ変動と差が生じるようになるが、これは光入出力端部の分離溝5の長さを十分に取っておくことで、光導波路材料の弾性で吸収することができる。このため、分離溝5の長さは光導波路コアのアレイピッチの少なくとも2倍以上、可能であれば10倍以上とっておくことが望ましい。
【0050】
また、端部分離溝5の長さは、前述の迷光クロストークを低減するためにも光導波路コア2のアレイピッチとの比が、光導波路の最大受光角をθm として1/tanθm 以上になることが望ましい。例えば、θm =15°の場合、光導波路コアアレイピッチの3.8倍(250μmピッチコアで0.95mm)以上とすることが望ましい。
【0051】
(第3の実施形態)
図7は、本発明の第3の実施形態に係わる光導波路アレイフィルムの概略構成を説明するためのもので、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は端面図である。なお、図5と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0052】
本実施形態は、先に説明した参考例の迷光抑制効果を更に高めるために、光入出力端部の分離溝5の側壁を斜面としたものである。このときの分離溝5は、例えばウェットエッチングや機械的切削、金型成型等で形成すればよく、例えば30°程度の側壁の傾きを持たせる。また、光入出力端部の分離溝5の長さは、光導波路コア2のアレイピッチとの比が、光導波路の最大受光角をθm として1/tanθm 以上とする。例えば、θm =15°で光導波路コアアレイピッチ250μmの場合、分離溝5の長さを1mm以上とする。
【0053】
この結果、光導波路コア2に入射しない15°以上の角度の光は、光入出力端部の分離溝5の形成されている範囲内で分離溝5の側壁に反射することになり、光導波路アレイフィルムの外部に散逸され易くなる。
【0054】
(第4の実施形態)
図8は、本発明の第4の実施形態に係わる光導波路アレイフィルムの概略構成を説明するためのもので、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は端面図である。なお、図7と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0055】
先に説明した第3の実施形態においては、一部の迷光は光導波路アレイフィルム内部に残留する可能性がある。本実施形態ではこれを更に低減するために、図8に示すように、光入出力端部の分離溝5の他に、第2の実施形態のような中間の分離溝3を追加している。
【0056】
このような構成であれば、第3の実施形態と同様の効果が得られるのは勿論のこと、第1及び第2の実施形態のように迷光クロストークを更に低減することができる。
【0057】
(第5の実施形態)
図9は、本発明の第5の実施形態に係わる光導波路アレイフィルムの概略構成を説明するためのもので、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は端面図である。なお、図1、図2及び図7と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0058】
本実施形態は、迷光クロストークを更に低減するため、迷光の散逸ではなく、積極的な迷光の吸収除去を行わせるものであり、第1の実施形態で示した分離溝3に光吸収材10を埋め込むと共に、第3の実施形態と同様に光入出力端部の分離溝5も形成したものである。
【0059】
光吸収材10としては、例えば色素材料やカーボンなどを混入した光導波路材料を用い、分離溝3にスクリーン印刷と同様にスキージを用いて充填形成する。また、別途用意した光吸収材10の成型品を圧入する方法や、分離溝に低反射率金属などの不透明材料をメッキ形成する手法で作製することも可能である。
【0060】
このような構成とすることで、分離溝3で迷光を反射や散逸させるのではなく、近隣のチャネルに向かう迷光を吸収除去するため、迷光が確実に除去可能となる。また、分離溝3内に光吸収材10を埋め込むことは、光導波路アレイフィルムの強度維持にも有効となる。
【0061】
(第6の実施形態)
図10は、本発明の第6の実施形態に係わる光導波路アレイフィルムの概略構を説明するためのもので、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は端面図である。なお、図7と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0062】
本実施形態は、図7に示した第3の実施形態に加え、分離溝5の近傍においてクラッド1の表面に光吸収材11をコーティングしたものである。即ち、第5の実施形態のように光導波路アレイフィルムの内部に光吸収材を埋め込むのではなく、光導波路アレイフィルムの表面に光吸収材11をコーティングしたものである。光吸収材11としては、例えばGeなどの蒸着形成可能な狭バンドギャップ材料をメタルマスクにより選択形成する。また、色素材料やカーボンなどを混入した光導波路材料を印刷形成することもできる。
【0063】
この実施形態では、図6又は図7で示した分離溝5を用い、その長さを光導波路コア2のアレイピッチとの比が1/tanθm 以上(θm は光導波路の最大受光角)となるようにすれば、光導波路コア2に入射しない光が分離溝5の形成されている範囲内で側壁に当たるため、図のように光入出力部を除く分離溝5の周辺だけに光吸収材11を形成して迷光の吸収除去が可能である。勿論、光入出力端部分を除いて全面に光吸収材11を設けても構わない。
【0064】
また、この実施形態は、光吸収材11をコーティングする形態であるため、コーティングする部分が垂直面や逆テーパー面でないことが望ましい。従って、分離溝5などは第3の実施形態のように斜面に形成することが望ましい。この実施形態では、図9のような分離溝3の加工が不要であり、光導波路アレイフィルムの作製コストの低減が可能である。
【0065】
(変形例)
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。実施形態では、光導波路アレイフィルムの光入出力端部に45°ミラーを形成して表面入出力を行う光配線を行う例について説明したが、これに限らず45°ミラーのない端面入出力の光配線であっても同様に適用可能である。また、第6の実施形態(図10)に第1の実施形態(図1,2)の分離溝3を併用してもよく、逆に、第4の実施形態(図8)に第6の実施形態の手法による光吸収材コーティングを導入しても良い。要するに、第1〜第6の実施形態は適宜組み合わせて用いることが可能である。
【0066】
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、光閉じ込めのためのクラッド中に光信号を導波するコアが複数本配列された光導波路アレイフィルムにおいて、隣接コア間のクラッドの少なくとも一部に、隣接コアを光学的に分離するための分離溝、又は光信号の迷光を除去するための光吸収材を設けることにより、迷光によるクロストークや熱膨張による光軸ずれが抑制でき、ボードレベルやラックレベルの低価格光配線を効果的に実現して、情報通信機器などの各種電子機器の高機能化を促進するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わる光導波路アレイフィルムの概略構成を示す斜視図。
【図2】第1の実施形態の光導波路アレイフィルムの概略構成を説明するための上面図と側断面図と中央部断面図。
【図3】第2の実施形態に係わる光導波路アレイフィルムの概略構成を説明するためのもので、上面図と側断面図と中央部断面図。
【図4】本発明の参考例に係わる光導波路アレイフィルムを示す概略斜視図。
【図5】本発明の参考例の光導波路アレイフィルムの概略構成を説明するための上面図と側面図と端面図。
【図6】本発明の参考例における光配線装置の概略構成を説明するための上面図と側断面図と光素子部断面図。
【図7】第3の実施形態に係わる光導波路アレイフィルムの概略構成を説明するためのもので、上面図と側面図と端面図。
【図8】第4の実施形態に係わる光導波路アレイフィルムの概略構成を説明するためのもので、上面図と側面図と端面図。
【図9】第5の実施形態に係わる光導波路アレイフィルムの概略構成を説明するためのもので、上面図と側面図と端面図。
【図10】第6の実施形態に係わる光導波路アレイフィルムの概略構を説明するためのもので、上面図と側面図と端面図。
【図11】従来の光導波路アレイフィルムの構成を示す図。
【図12】従来の光導波路アレイフィルムをフレキシブル配線として適用した光配線装置の例を示す図。
【図13】従来の光導波路アレイフィルムの光結合状況を模式的に示した図。
【図14】従来の光導波路アレイフィルムによる光軸ずれを説明するための図。
【符号の説明】
1…光導波路クラッド
2…光導波路コア
3…分離溝
4…45°ミラー部
5…分離溝
6…搭載基板
7…光素子
8…光素子能動領域
9…固定材料
10…光吸収材
11…光吸収コーティング
12…光導波路導波光位置
13…迷光入射領域
14…光素子能動領域位置
Claims (8)
- 光閉じ込めのためのクラッド中に光信号を導波するコアが複数本配列されてなる光導波路アレイフィルムであって、
前記複数のコア間の前記クラッドの少なくとも一部に、隣接するコアを光学的に分離するための分離溝が、前記複数のコアの光入出力端部近傍を除く部分に設けられてなることを特徴とする光導波路アレイフィルム。 - 前記分離溝は、前記クラッドを貫通することなく該クラッドの表面から所定の深さまで設けられてなることを特徴とする請求項1記載の光導波路アレイフィルム。
- 前記分離溝は、深さ方向に幅が変化し、側壁が斜面を有することを特徴とする請求項1又は2記載の光導波路アレイフィルム。
- 前記分離溝内に光吸収材が埋め込み形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の光導波路アレイフィルム。
- 前記複数のコアの光入出力端部近傍に、隣接するコアを機械的に分離するための分離溝が、前記クラッドの表面から裏面まで貫通して設けられてなることを特徴とする請求項1記載の光導波路アレイフィルム。
- 光閉じ込めのためのクラッド中に光信号を導波するコアが複数本配列されてなる光導波路アレイフィルムであって、
前記複数のコア間の前記クラッドの少なくとも一部に、隣接するコアを光学的に分離するために、深さ方向に幅が変化し側壁が斜面を有する分離溝が設けられてなることを特徴とする光導波路アレイフィルム。 - 光閉じ込めのためのクラッド中に光信号を導波するコアが複数本配列されてなる光導波路アレイフィルムであって、
前記複数のコア間の前記クラッドの少なくとも一部に、隣接するコアを光学的に分離するための分離溝が設けられ、該分離溝の内面に光吸収材がコーティングされていることを特徴とする光導波路アレイフィルム。 - 光閉じ込めのためのクラッド中に光信号を導波するコアが複数本配列されてなる光導波路アレイフィルムであって、
前記複数のコア間の前記クラッドの少なくとも一部に、前記光信号の迷光を除去するための光吸収材を設けてなることを特徴とする光導波路アレイフィルム。
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