JP2004105639A - 脱毛装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】組み立て性を向上させ、安価な脱毛装置を提供する。
【解決手段】手で挟持できる本体ケーシングの一端に、爪取付台56と、脱毛爪とを有する回転シリンダーが設けられ、脱毛爪は、可動爪3aと固定爪116a、117aとを有し、可動爪3aと固定爪116a、117aとで毛を狭持することにより毛を引き抜くように構成された脱毛装置であって、上記可動爪3aは、2枚の可動爪3aが一体で形成されている可動爪対3で構成されている。
【選択図】 図6
【解決手段】手で挟持できる本体ケーシングの一端に、爪取付台56と、脱毛爪とを有する回転シリンダーが設けられ、脱毛爪は、可動爪3aと固定爪116a、117aとを有し、可動爪3aと固定爪116a、117aとで毛を狭持することにより毛を引き抜くように構成された脱毛装置であって、上記可動爪3aは、2枚の可動爪3aが一体で形成されている可動爪対3で構成されている。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、美容などの目的のために体毛を除毛するために使用される脱毛装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の脱毛装置としては、例えば、特許文献1に記載のされているようなものがある。
【0003】
特許文献1に記載されている脱毛装置は、例えば、図14、図15(特許文献1の図3、図5)に記載されているように、脱毛ヘッド20aには複数の固定爪1160を配設した固定爪ブロック1170と、支点部1180aを設けた爪支点部材1180と、脱毛爪30と、脱毛爪30を爪ブロック体690の回転軸方向に摺動させるための一対の開閉レバー670、680とで構成されている。ここで、固定爪1160の下部両側が支点部1170bとなっており、開閉レバー670、680の回転軸方向への摺動により脱毛爪30の揺動支点となり、脱毛爪3の先端と固定爪1160の先端部で毛を挟持し、脱毛ヘッド20aの回転により毛を引き抜くことができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−201725号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし特許文献1の構成においては、脱毛ヘッド20aに配置される脱毛爪30は各々が固定爪1160の下部両側の支点部1170bを支点として揺動を行うものであるため、各脱毛爪30は独立してなければならない。よって部品点数が多くなり、それに伴い価格も高くなるという問題を有している。
【0006】
本発明は上記のような点に鑑みて発明したものであって、組み立て性を向上させ、安価な脱毛装置を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る脱毛装置は、手で挟持できる本体ケーシングの一端に回転シリンダーを設けるとともに、回転シリンダーは脱毛用の脱毛爪を有し、当該脱毛爪を開閉させ回転シリンダーを回転させて毛を引き抜くように構成されており、この回転シリンダーの表面の回転軸方向に、上記脱毛爪を少なくとも1列以上の爪列にして配置している脱毛装置において、上記脱毛爪は、2つ以上の毛を挟持するための可動する可動爪と、固定された脱毛爪である固定爪とを有し、上記可動爪は、少なくともその一部が、2枚の可動爪が一体で形成されている可動爪対で構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
このような構成とすることで、2つの可動部品を一部品とするため、その部品数を減らすことが出来、回転シリンダーの組み立てにおける組み立て性が改善され、コストダウンが図られる。
【0009】
そして上記可動爪は、上記回転シリンダーの回転軸方向に移動自在で、可動爪を固定爪に対して離接させる開閉部材に取付固定されていると、開閉部材が回転軸方向に移動するに伴い、可動爪も回転軸方向へ平行移動し固定爪との間で毛の挟持を行う。その際、毛は可動爪と固定爪の接触する面で挟持されるため、確実に毛が挟持される。なお、上記脱毛爪が薄板の金属材料で構成されていると、毛の挟持はより確実になされる。
【0010】
また上記爪列中に配設した固定爪は、2つの固定爪が一体で構成されている固定爪対とすることで、回転シリンダー内の2つの構成部品を一部品とするため、回転シリンダーの組み立てにおける組み立て性が改善され、コストダウンが図られる。
【0011】
さらに上記固定爪対を、上記爪列中に2つ以上配置されていると、爪列における毛の把持箇所を多くすることができるため、脱毛効率を高めることができる。
【0012】
なお一対の固定爪対の間の中央に他対の固定爪対が設けられるようにすると、開閉部材を通じて上記可動爪より加えられる荷重を均等に受けることができる。
【0013】
したがって、回転シリンダーは開閉部材が荷重を受けている状態においても回転軸方向へ移動することなく常に中央に位置するため、開閉部材による荷重に対して損失なく脱毛爪により毛の挟持を行うことができ、少ない負荷で脱毛装置が作動する。
【0014】
さらに一対からなる可動爪は異なって対をなす固定爪と毛を挟持することで、同一の可動爪の対でもう一方の可動爪の対としても構造的に成り立つため、可動爪の形状を変えることなく固定爪と毛の挟持をなすことができ、回転シリンダーを構成する部品の種類を増やすことなく安価とすることができる。
【0015】
また上記回転シリンダーが、回転体と脱毛爪とを有し、当該回転体に設けられた脱毛爪の外周部が、回転体の外径より大径の円弧状に形成されているようにすると、上記外周部は、器具使用時には肌面と接するため、短い毛についても挟持して引き抜かれる。
【0016】
なお爪列における脱毛爪による毛の挟持位置の間隔が均一であると、一列の爪列により脱毛可能範囲の中で偏りなく脱毛を行うことができる。
【0017】
また上記回転シリンダーの表面に設けられた爪列は、各爪列毎に、脱毛爪の配置が回転軸方向にずらされていると、回転体の一回転で毛を引き抜くタイミングが異なるため、一度に多量の毛を引き抜くことによる大きな刺激をなくすことができる。また回転軸方向にずれていることで、一回転での毛の把持位置を密にすることができるため、短い毛の脱毛効率をより高めた脱毛装置とすることができる。
【0018】
さらに回転シリンダーの表面に設けられた爪列の数をn、爪列における毛の挟持位置の間隔をpとするとき、全爪列における各爪列のずらし量がp/nであると一回転での毛の把持位置は均等になるため、一度の脱毛行為によりムラなく脱毛が行うことができ、効率のよい脱毛装置とすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
本発明の脱毛装置は手で把持できる器具本体に毛を除毛するための脱毛手段を有するものであって、異方向への脱毛手段を構成する2つの脱毛ヘッドのそれぞれの毛の把持のタイミングをずらすようにしたものである。
まず、図1乃至図13に基づいて本発明の一実施形態につき説明する。本実施形態においては、器具本体の上部に2つの脱毛ヘッド2aを設け、この2つの脱毛ヘッド2aを互いに異方向に回転するようにした例が示してある。
【0020】
図1、図2、図3、図4に示すように、本体ブロック1は前後二つ割りで形成されたハウジング10内にモータ11を固定する基台55L、55Rを組み込んであり、ハウジング10の上端は、上端に開口を有するヘッドフレーム5が固定されている。ヘッドフレーム5の前後下部には孔5bを有する脚片5aを垂設してあり、基台55Rに設けられたリブ55lにヘッドフレーム5の上記脚片5aに設けた孔5bを係止することで取り付けてある。ここで、モータ11はモータ固定板100にねじ止めされて固定され、モータ固定板100の両側に設けた突片100aを二つ割りの基台55L、55Rの内面部に設けたはめ込み凹部55iにはめ込んだ状態で二つ割りの基台55L,55Rに挟まれるように位置決めされ固定されている。ハウジング10内の下端部には駆動源となる乾電池102が電池カバー103により内装されており、また、ハウジング10の外面にはスイッチ15が設けてある。そして、ハウジング10が手に持つ部分、つまり把持部となっている。
【0021】
そして、出力軸にピニオン12を圧入固定したモータ11をモータ固定板100を介して二つ割りの基台55L,55R内に取り付けるのであるが、この二つ割りの基台55L,55Rにはさらに、図1,4に示すように軸104jにより回転自在にフェイズギア104が取り付けてあり、フェイズギア104に伝達している。フェイズギア104には小歯車105が一体に設けてあり、この小歯車105が、基台55L,55Rに軸106jにより回転自在に取り付けた中間ギア106の大歯車107にかみ合って、中間ギア106に回転を伝達している。中間ギア106には小歯車108が設けてあり、この小歯車108が基台55L,55Rに軸109jにより回転自在に取り付けた駆動ギア109にかみ合っている。
【0022】
さらに、基台55L,55Rには軸110jにより基台55L寄りに片寄ってギア110が回転自在に取り付けてあり、基台55L,55Rには軸111j,112jにより基台55R寄りに片寄ってギア111,112が回転自在に取り付けている。そして、上記ギア110とギア111とがそれぞれ駆動ギア109にかみ合っており、ギア111とギア112とがかみ合っている。したがって、モータ11の回転がギア列を介してギア110とギア112とに伝達されるようになっている。
【0023】
上記のように二つ割りの基台55L,55R内にモータ11、ギア列を組み込んだ状態で、基台55Lに設けたボス55jを基台55Rに設けた凹部55kにはめ込んで位置決めすると共に、ねじ114により基台55Lを基台55Rに固定してある。このようにして固定された二つ割りの基台55L,55Rの固定は、ねじ300が一方のハウジング10の孔10aを通り基台55L,55Rに設けられたリブ59に押通され、他方のハウジング10にねじ止めされている。
【0024】
脱毛ヘッド2a(回転シリンダーに相当)は図1、図5、図6、図8に示すように、爪取付台56に脱毛ヘッド2aの回転軸56jに平行に且つ円周を三等分した120°離して配置した爪列と、脱毛ヘッド2aを回転させるためにギア110またはギア112とかみ合い爪取付台56に連結される爪取付台ギア60とからなるものとして形成してある。
【0025】
ここで2つの脱毛ヘッド2aは本体ブロック1の上部の前後に回転軸56jが平行となるように配置して取り付けられるものであるが、一方の脱毛ヘッド2aには軸方向の一方の片側に爪取付台ギア60が設けられ、他方の脱毛ヘッド2aには軸方向の他方の片側に爪取付台ギア60が設けられるものである。
【0026】
以下に、脱毛ヘッド2aの駆動について、図1及び図4を用いて説明する。
【0027】
モータ11の回転に伴い軸104jに取り付けられたフェイズギア104が回転すると、それに伴い軸106jに取り付けられている中間ギア106が小歯車105によって回転伝達され、さらに軸109jに取り付けられている駆動ギア109、軸110jに取り付けられているギア110を介して一方の脱毛ヘッド2aの爪取付台56に連結された爪取付台ギア60を回転させて一方の脱毛ヘッド2aを回転させる。他方の脱毛ヘッド2aは、爪取付台ギア60が一方の脱毛ヘッド2aとは反対側に設けられており、駆動ギア109の回転駆動を軸111jに取り付けているギア111、軸112jに取り付けているギア爪、軸112jに取り付けているギア112を介して他方の脱毛ヘッド2aの爪取付台ギア60を回転させて他方の脱毛ヘッド2aを回転させる。そして、一方の脱毛ヘッド2aを回転させるためのギア段数を奇数段(駆動ギア109)、他方の脱毛ヘッド2aを回転させるギア段数を偶数段(ギア111、ギア112)にすることで、2つの脱毛ヘッド2aを互いに異なる方向に回転することができ、腋などの毛の生え方向の異なる部位をそれぞれ適した脱毛ヘッド2aで抜くことができるものである。
【0028】
つまり、2つの脱毛ヘッド2aが共に駆動して脱毛を行っている場合には異なる方向の脱毛が行われ、生え方向の異なる部位における異方向の脱毛が効率良く行えることになる。また図3に示されるように、2つの脱毛ヘッド2aにより毛を挟持する位置は、前後の脱毛ヘッド2aで取付角度がずらされている。このように取り付けることで、前後の脱毛ヘッド2aが同時に毛を引き抜くことがないため、毛を引き抜くことによる刺激を抑えることができ、使用時の刺激に対する満足度を高めることができる。
【0029】
次に脱毛ヘッド2aの構成について説明する。
【0030】
脱毛ヘッド2aは図5、図6、図7、図8、図9に示すように(但し、以下の説明においては図6を主に用いて説明する。)、一端部に爪取付台ギア60を設けた爪取付台56と、2種類の固定爪である固定爪対大116と、固定爪対小117と、固定爪対小117の間に取り付ける爪支え118と、脱毛爪である可動爪対3と、可動爪対3を脱毛ヘッド2aの回転軸方向に平行移動させるための開閉レバー67,68,69と、爪取付台56の両側面より組みこまれた開閉レバー67,68,69をバネ付勢するためのバネ120と、可動爪対3、固定爪対大116、固定爪対小117、爪支え118を爪取付台56に固定し抜け止めを行うための抜け止めピン115とで構成してある。
【0031】
固定爪対大116は正面から見てU字形状をなすことで2つの固定爪116aを一体で形成している。本実施例において固定爪116aは薄い金属材料を曲げて形成してあり、この構成により部品点数を少なくすることができ、且つ安価にすることができる。この2つの固定爪116aは、外周部については爪取付台56の外径より大きい径を有する円弧状に形成され、固定爪116aの両端部については相対する固定爪116aに向かって曲げられた曲げ部116bが形成されている。この曲げ部116bを有することで脱毛ヘッド2aが回転する際、回転方向に対して向かってくる毛を固定爪116aと可動爪対3により作られる隙間に誘い込み易くすることができ、脱毛効率を高くすることができる。また脱毛ヘッド2aが回転する際、固定爪116aの曲げ部116bの先端の肌に接触し始める箇所は器具使用時の肌当たりをよくするため、滑らかに肌に接触し始める形状となっている。さらに両側に設けられた固定爪116aには孔116cが設けられており、両側の固定爪116aをつなぐためのつなぎ部116dは固定爪対大116を上面からみて片側のみに設けてあり、そのつなぎ部116dの中央部には凹部形状116eが設けられている。
【0032】
また、固定爪対小117も同様に正面から見てU字形状をなすことで2つの固定爪117aを一体で形成している。
【0033】
本実施例において、固定爪対小117は薄板の板金で形成されており、この構成により部品点数を少なくすることができ、且つ安価にすることができる。この2つの固定爪117aは、固定爪対大116と同様、外周部については爪取付台56の外径より大きい径を有する円弧状に形成され、固定爪117aの両端部にについては、相対する固定爪117aに向かって曲げられた曲げ部117bが形成されている。この曲げ部117bを有することで脱毛ヘッド2aが回転する際、回転方向に対して向かってくる毛を固定爪117aと可動爪対3により作られる隙間に誘い込み易くすることができ、脱毛効率を高くすることができる。また脱毛ヘッド2aが回転する際、固定爪117aの曲げ部117bの先端の肌に接触し始める箇所は器具使用時の肌当たりをよくするため、滑らかに肌に接触し始める形状となっている。さらに両側に設けられた固定爪117aには孔117cが設けられており、両側の固定爪117aをつなぐためのつなぎ部117dは固定爪対大116と固定爪対小116を上面からみて、固定爪対大116に設けられたつなぎ部116dの反対側に設けてある。
【0034】
また可動爪対3も正面から見てU字形状をなすことで2つの可動爪3aを一体で形成している。このような構成とすることで、2つの構成部品を一部品とすることができるので全構成部品点数を少なくすることができるので、組み立てが容易になり安価にすることができる。本実施例において、可動爪対3は薄板の金属材料を曲げることにより形成されている。この2つの可動爪3aは、上記固定爪対小117及び固定爪対大116と同様、外周部については爪取付台56の外径より大きい径を有する円弧状に形成され、可動爪3aの両端部については相対する可動爪3aとともに同方向に曲げられた曲げ部3bが形成されている。この曲げ部3bを有することで脱毛ヘッド2aが回転する際、回転方向に対して向かってくる毛を固定爪116a、117aと可動爪3aにより作られる隙間に誘い込み易くすることができ、脱毛効率をさらに高くすることができる。また脱毛ヘッド2aが回転する際、可動爪3aの曲げ部3bの先端の肌に接触し始める箇所は器具使用時の肌当たりをよくするため、滑らかに肌に接触し始める形状となっている。さらに両側に設けられた可動爪3aには孔3cが設けられている。
【0035】
また固定爪対小117の間に取り付けられる爪支え118の外周部は2つの固定爪117aの間に取り付けた際に固定爪117aの外周部に対して突出しない形状となっている。また爪支え118の中央には孔118aが設けられている。
【0036】
開閉レバー67,68,69は互いに長さが異なるが、開閉レバー67は開閉レバー69と対をなし、また開閉レバー68は2つで対をなしている。本実施形態においては、開閉レバー67は最も短く、また開閉レバー69は最も長い形状となっており、開閉レバー68と開閉レバー67の長手方向の差は開閉レバー69と開閉レバー68の長手方向の差と等しくしてある。また開閉レバー67,68,69の長手方向の一端面にはローラ当たり部67a,68a,69aが設けてあり、他端にはボス67b,68b,69bが設けられている。各開閉レバー67,68,69それぞれのボス67b,68b,69b側には凹部67c,68c,69cが形成してあり、この凹部67c,68c,69c内の開閉レバー67,68,69の長手方向の側面部にはフック67d,68d,69dが設けられている。
【0037】
爪取付台56には、その一端部に爪取付台ギア60が設けられ、円周を三等分した位置に3つの開閉レバー挿入孔56aが回転軸方向に延びるように設けてあり、この開閉レバー挿入孔56aは回転軸56jと平行な方向の両端部に開口している。そして、上記開閉レバー挿入孔56aを挿通するように、開閉レバー67,68,69が上記の対をなして爪取付台56に取り付けられ、対をなす開閉レバー67,68,69のボス67b,68b,69bにバネ120が取り付けられている。このとき対をなす開閉レバー67,69、または2つの開閉レバー68が爪取付台56の両側より中央側に変位すると、バネ120は対をなす開閉レバー67,69、または2つの開閉レバー68を爪取付台56の外側に向けて付勢する。また爪取付台56に設けた開閉レバー挿入孔56aと同じ角度の円周方向には凹部56bが設けられている。この爪取付台56の円周上方より固定爪対大116を組み込み、その際、可動爪対3を開閉レバー67,68,69に設けた凹部67c,68c,69cにはめ込み凹部67cの側面に設けたフック67d,68d,69dを2つの可動爪3aを連結するつなぎ部底面に対してフック結合し可動爪対3を開閉レバー67,68,69に固定させている。さらに固定爪対小117を固定爪対大116の中央に配置される。このとき爪取付台56に設けられた凹部56bの回転軸方向の両側面部には凸部56dが設けてあり、その凸部56dと固定爪対大116のつなぎ部116dの中央に設けた凹部形状116eとが嵌合することにより、固定爪対大116の位置決めがなされ、上記凸部56dと固定爪対小117とが略接触するように配置されることにより、固定爪対小117は、爪取付台56の周方向について位置決めされている(図6、図8参照)。また両側面部に設けた凸部56dにより形成される下面56eにより、固定爪対大116および固定爪対小117の爪取付台56の周方向についての位置決めがなされている。また爪支え118は固定爪対小117の2つの固定爪117a間に組み込まれている。そして、爪取付台56に設けた爪取付台ギア60とは反対の端面には抜け止め用孔56cが設けられており、抜け止めピン115は爪取付台56の抜け止め用孔56cと、可動爪対3に設けた孔3cと、固定爪対大116に設けた孔116cと、固定爪対小117に設けた孔117cと、爪支え118に設けた孔118aとを通り、爪取付台ギア60の側面に接触するまで圧入される。この抜け止めピン115により固定爪対大116と固定爪対小117および爪支え118の円周方向への抜け止めおよび位置決めをなしている。すなわち、凹部56bの表面には、複数の爪が列状に並んだ爪列が構成されている。
【0038】
ここで、凹部56bは、爪取付台56の円周方向について開閉レバー挿入孔56aと同じ角度の円周方向には凹部56bが設けられている(本実施形態では120°毎に3カ所)。そして、図9(b)に示されるようにそれぞれの凹部56bは回転軸方向にそれぞれずれて配置してあり、且つそれぞれのずらし量は等しい。本実施例においては、図9(a)に示すように、一列の爪列における毛の把持領域(図9(a)においてのハッチング部分)の間隔が均等に配置してあり、各爪列の回転軸方向へのずらし量は、毛の把持領域が設けられている間隔(ピッチ)を爪取付台に設けた爪列数(挿入孔56aの数。本実施形態では3)で割った距離を回転軸方向へのずらし量としている。
【0039】
このような構成にすることで、脱毛ヘッド2aとして組み立てられた状態において、脱毛ヘッド2aが一回転した際、脱毛爪による毛の把持位置が重複することなく、近接する脱毛箇所の間隔を均等にすることができ、且つ各爪列は爪取付台56において一定角度離して(本実施形態では120°)配置されているため、毛を引き抜くタイミングもずらすことが出来る。そのため、一度に大きな刺激を与えることなく、脱毛による刺激については、小さな刺激を連続的に与えるようになり、一度に大きな刺激を与えることがなくなる。
【0040】
さらに、脱毛ヘッド2aが一回転した際、脱毛爪による毛の把持位置が重複することなく、近接する脱毛箇所の間隔を略均等にすることができるため、一度の脱毛動作でムラなく脱毛ができ、さらに脱毛効率を高めることができる。
【0041】
脱毛ヘッド2aの毛の把持動作については、開閉レバー67,68,69のローラ当たり部67a,68a,69aに荷重が加わることで、開閉レバー67,68,69は回転軸に平行に爪取付台56の中央に向かって変位する。
【0042】
このとき開閉レバー67,68,69に取付固定された可動爪対3も回転軸に平行に変位し、固定爪対大116の一方の固定爪116a、および固定爪対小117の一方の固定爪117aに面接触する構成になっており、開閉レバー67,68,69のローラ当たり部67a,68a,69aに荷重が加わっていないとき可動爪3aと固定爪116aの間、および可動爪3aと固定爪117aの間には隙間がつくられるため、これらの間に誘い込まれた毛は開閉レバー67,68,69が変位して可動爪3aと固定爪116a、117aが面接触することにより毛は挟持され、脱毛ヘッド2aの回転により毛は引き抜かれる。開閉レバー67,68,69のローラ当たり部67a,68a,69aに荷重が加わらなくなると、対をなす開閉レバー67、69、および2つの開閉レバー68の間に取り付けられたバネ120の反力により開閉レバー67,68,69は爪取付台56の外側へ変位し、各開閉レバーに取り付けられた外側の可動爪3aが爪取付台56の凹部56bの端面に接触する位置まで戻される。これにより、可動爪3aと固定爪116a、117aの間に隙間を設けることができる。
【0043】
また、固定爪対大116および固定爪対小117に可動爪3aが面接触する際、固定爪対大116及び固定爪対小117及び可動爪3aの外周部は、爪取付台56の外径より大径の円弧状に形成されているため、脱毛ヘッド2aが回転して肌面上を移動するとき、肌面と脱毛爪による毛の挟持位置は接する状態にあるので短い毛の脱毛には最適な形状となっている。
【0044】
さらに可動爪3aおよび固定爪対大116、固定爪対小117が薄い板金により形成されていると、脱毛爪により毛を挟持する際の可動爪3aおよび固定爪対大116、固定爪対小117の先端部の断面において、成形品により構成されたものより各脱毛爪の角に不要なR形状がなされないために、より肌面と毛を挟持する面との段差を小さくすることができ、短い毛の脱毛性能を上げることができる。
【0045】
次にカム手段について、図4、図10を用いて説明する。
【0046】
カム手段は、カムの主体を構成するローラ71と、ローラ71の軸71aと、ローラ71を抑圧するバネである保持バネ80により構成してある。そして、基台55L,55Rの各上部の左右にはそれぞれ十字状をした孔55cが設けてある。この孔55cは図13に示すようにガイドレールを構成する軸挿入孔部55c1とローラ挿入孔部55c2とを十字状に交差連通させて構成してあり、軸挿入孔部55c1の内側部には抜け止め部55c3が設けてある。また、軸71aに回転自在に挿入されたローラ71をローラ挿入孔部55c2に入れると共に軸71aの両端部がガイドレールを構成する軸挿入孔部55c1に入れ、抜け止め部55c3により内側に抜けないように抜け止めをしてある。すなわち、カムの主体を構成するローラ71の軸71aが、基台55L,55Rに設けたガイドレールを構成する軸挿入孔部55c1に、脱毛ヘッド2aの回転軸方向に移動可動に挿入支持されている。また、軸挿入孔部55c1の奥端部に設けられた抜け止め部55c3が、カムの主体を構成するローラ71の脱毛ヘッド2aの回転軸方向における移動制御をするストッパを構成している。なお、軸71aの軸方向は、脱毛ヘッド2aの回転の中心と交差するように組み込まれているものである。
【0047】
保持バネ80は図4に示すように、両側上部の上端部に孔80eを有するバネ部80aを設け、中央上部に孔80gを有する中央凸部80bを設けてある。また、保持バネ80の下部の両側端から背方に向けて凸部80cが突設してあり、保持バネ80の下端から2つの突片80dが垂設してある。バネ部80aの上端部の孔80eの両側が作用部80fとなっている。ここで、バネ部80aは中央凸部80bに対して相対的に背方に向けて曲げられている。
【0048】
上記の構成の保持バネ80はそれぞれ基台55L,55Rの外面側に取り付けられる。保持バネ80の取り付けは、まず、基台55Lについて説明すると、保持バネ80の下端にある2つの突片80dが基台55Lに設けられた溝55fにはめこまれ、保持バネ80の左右に設けられた凸部80cを基台55Lの左右に設けられたフック55dに引っかかるように取り付けられ、ねじ81が、保持バネ80の中央凸部80bに設けた孔gと基台55Lに設けた孔55eとを通って孔55eのボス55h(図4では図示出来ないが、55Rのボス55hと同位置に設けている。)にねじ固定されることにより行われる。なお、基台55Lの上部外面部の両側部は段部55mとなっており、保持バネ80の両側のバネ部80aがこの段部55mに位置するように取り付けられる。また、十字状をした孔55cはこの段部55mにおいて外面側に開口している。段部55mに配置されたバネ部80aは前述のように中央凸部80bに対して基台55L側に曲げられており、保持バネ80が基台55Lに取り付けられたときローラ挿入孔部55c2をバネ部80aの孔80eが囲むように配置されると共にバネ部80aの上端部の孔80eの両側の作用部80fが軸挿入孔部55c1の外側開口に架け渡されるように配置される。また、保持バネ80の両側に設けられたバネ部80aは、中央凸部80bに対して基台55L側に曲げられており、保持バネ80が基台55Lに取り付けられたとき、軸71aに弾性的に当たって初期荷重を与えるように構成されている。この場合、軸71aは、抜け止め部55c3により押し込み方向の抜け止めが防止される。ここで、保持バネ80の回転軸56jと直行する方向のガタ止めは、中央凸部80bを基台55Lに設けた2つのリブ55gに当てることによって行われている。このように保持バネ80を取り付けることで、ローラ71に加える力を安定して出すように構成している。
【0049】
なお、上記実施形態では軸71aはストッパである抜け止め部55c3に当たっている状態で保持バネ80のバネ部80aが軸71aに弾性的に当たって初期荷重を与えている例を示したが、軸71aはストッパである抜け止め部55c3に当たっている状態では保持バネ80のバネ部80aが軸71aに弾接せずに接している状態、あるいはわずかな隙間を介して非接触の状態とし、開閉レバー67又は開閉レバー68又は開閉レバー69がローラ71に当たってローラ71が移動した時にバネ部80aが軸71aに弾接するようにしてもよい。
【0050】
しかして、図11、図12に示すように、それぞれの脱毛ヘッド2aが回転すると開閉レバー67又は開閉レバー68又は開閉レバー69がローラ71と接触し、ローラ71が軸71aを中心にして回転する。このとき、ローラ71には、回転軸56jの外側方向に移動する力が加わり、軸71aも基台55Lの孔55cを摺動するため、保持バネ80の両端上方に設けられた孔80eの両側の作用部80fに圧力を加える。そして、その反力により開閉レバー67又は開閉レバー68又は開閉レバー69に圧力を加え、脱毛爪3と固定爪対大116、固定爪対小117とが接触するようになっている。さらに、脱毛ヘッド2aが回転して開閉レバー67又は開閉レバー68又は開閉レバー69がローラ71から離れると、軸71aも保持バネ80に圧着しなくなり、ローラ71は回転軸56j方向にフリーとなるようになっている。また、基台55Lのローラ挿入孔部55c2をバネ部80aの孔80eで囲むように配置してあるので、ローラ71と保持バネ80の孔80eとは接触しないようになっている。
【0051】
このような構造とすることにより、脱毛ヘッド2aは夫々個別に開閉手段を設けることができ、それぞれの脱毛ヘッド2aの開閉の制御を容易にすることができ、基台55Lの孔55cと保持バネ80の孔80eとでローラ71をこじることなく、ローラ71が安定して回転するように構成することができる。
【0052】
なお、上記の説明は基台55L側に保持バネ80を取り付けることにつき説明したが、基台55Rにおいても同じ構成である。
【0053】
【発明の効果】
請求項1記載の発明にあっては、上記可動爪において、2枚の可動爪が一体で形成されている可動爪対で構成されているため、その部品数を低減させることが出来、回転シリンダーの組み立てにおける組み立て性を改善し、コストダウンを図ることが出来る。
【0054】
請求項2記載の発明にあっては、上記可動爪は、回転シリンダーの回転軸方向に移動自在で、可動爪を固定爪に対して離接させる開閉部材に取付固定されている。したがって、開閉部材が回転軸方向に移動するに伴い、可動爪も回転軸方向へ平行移動し、毛は可動爪と固定爪との接触する面で挟持されるため、確実に毛が挟持される。
【0055】
請求項3記載の発明にあっては、上記爪列中に配設した固定爪を、2つの固定爪が一体で構成されている固定爪対にしているため、その部品数を低減させることが出来、回転シリンダーの組み立てにおける組み立て性が改善され、コストダウンが図られる。
【0056】
請求項4記載の発明にあっては、上記固定爪対を、爪列中において2つ以上で構成されているため、爪列における毛の把持箇所を多くすることができ、脱毛効率を高めることができる。
【0057】
請求項5記載の発明にあっては、一対の固定爪対の間の中央に他対の固定爪対が設けられるようにしているため、開閉部材を通じて可動爪より加えられる荷重を均等に受けることができる。したがって、回転シリンダーは開閉部材が荷重を受けている状態においても回転軸方向へ移動することなく常に中央に位置するため、開閉部材による荷重に対して損失なく脱毛爪により毛の挟持を行うことができる。よって、少ない負荷で脱毛装置を作動させることが可能となり、かかる装置の省電力化を図ることが出来る。
【0058】
請求項6記載の発明にあっては、一対からなる可動爪は異なって対をなす固定爪と毛を挟持することで、同一の可動爪の対でもう一方の可動爪の対としても構造的に成り立つため、可動爪の形状を変えることなく固定爪と毛の挟持をなすことができ、回転シリンダーを構成する部品の種類を増やすことなく安価とすることができる。
【0059】
請求項7記載の発明にあっては、上記回転シリンダーは、回転体と脱毛爪とを有し、当該回転体に設けられた脱毛爪の外周部は、回転体の外径より大径の円弧状に形成されているため、上記外周部は、器具使用時には肌面と接し、短い毛についても挟持して引き抜くことが可能となる。したがって、短い毛においても脱毛効率の高い脱毛装置とすることができる。
【0060】
請求項8記載の発明にあっては、爪列における脱毛爪による毛の挟持位置の間隔が均一であると、一列の爪列により脱毛可能範囲の中で偏りなく脱毛を行うことができる。
【0061】
請求項9記載の発明にあっては、上記回転シリンダーの表面に設けられた爪列は、各爪列毎に、脱毛爪の配置が回転軸方向にずらされて配設されていると、回転体の一回転で毛を引き抜くタイミングが異なるため、一度に多量の毛を引き抜くことによる大きな刺激をなくすことができる。また回転軸方向にずれていることで、一回転での毛の把持位置を密にすることができるため、短い毛の脱毛効率を高めることができる。
【0062】
請求項10記載の発明にあっては、上記回転シリンダーの表面に設けられた爪列の数をn、爪列における毛の挟持位置の間隔をpとするとき、全爪列における各爪列のずらし量がp/nであると、一回転での毛の把持位置は均等になるため、一度の脱毛行為によりムラなく脱毛が行うことができ、脱毛効率も高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態にかかる脱毛装置の側面断面図である。
【図2】本実施形態にかかる脱毛装置の正面断面図である。
【図3】本実施形態にかかる脱毛装置の平面図である。
【図4】本実施形態にかかる脱毛装置の分解斜視図である。
【図5】本実施形態にかかる脱毛ヘッドを組み立てた状態についての断面図である。
【図6】本実施形態にかかる脱毛ヘッドの分解斜視図である。
【図7】本実施形態にかかる脱毛ヘッドの正面断面図である。
【図8】本実施形態にかかる脱毛ヘッドの側面断面図である。
【図9】(a)は、本実施形態にかかる脱毛ヘッドの毛の把持領域を示したものであり、(b)は脱毛ヘッドの展開図である。
【図10】本実施形態にかかる保持ばねとローラの取付部分を示した図である。
【図11】本実施形態にかかる脱毛ヘッドの脱毛爪による毛の非狭持状態を示した図である。
【図12】本実施形態にかかる脱毛ヘッドの脱毛爪による毛の狭持状態を示した図である。
【図13】本実施形態にかかる基台に設けた孔の拡大図である。
【図14】従来の脱毛装置の平面図である。
【図15】従来の脱毛装置の脱毛ヘッドの分解斜視図である。
【符号の説明】
2a 脱毛ヘッド(回転シリンダーに相当)
3a 可動爪
3 可動爪対
10 ハウジング(ケーシングに相当)
56 爪取付台(回転体に相当)
67,68,69 開閉レバー(開閉部材に相当)
116 固定爪対大
116a 固定爪
117 固定爪対小
117a 固定爪
118 爪支点部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、美容などの目的のために体毛を除毛するために使用される脱毛装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の脱毛装置としては、例えば、特許文献1に記載のされているようなものがある。
【0003】
特許文献1に記載されている脱毛装置は、例えば、図14、図15(特許文献1の図3、図5)に記載されているように、脱毛ヘッド20aには複数の固定爪1160を配設した固定爪ブロック1170と、支点部1180aを設けた爪支点部材1180と、脱毛爪30と、脱毛爪30を爪ブロック体690の回転軸方向に摺動させるための一対の開閉レバー670、680とで構成されている。ここで、固定爪1160の下部両側が支点部1170bとなっており、開閉レバー670、680の回転軸方向への摺動により脱毛爪30の揺動支点となり、脱毛爪3の先端と固定爪1160の先端部で毛を挟持し、脱毛ヘッド20aの回転により毛を引き抜くことができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−201725号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし特許文献1の構成においては、脱毛ヘッド20aに配置される脱毛爪30は各々が固定爪1160の下部両側の支点部1170bを支点として揺動を行うものであるため、各脱毛爪30は独立してなければならない。よって部品点数が多くなり、それに伴い価格も高くなるという問題を有している。
【0006】
本発明は上記のような点に鑑みて発明したものであって、組み立て性を向上させ、安価な脱毛装置を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る脱毛装置は、手で挟持できる本体ケーシングの一端に回転シリンダーを設けるとともに、回転シリンダーは脱毛用の脱毛爪を有し、当該脱毛爪を開閉させ回転シリンダーを回転させて毛を引き抜くように構成されており、この回転シリンダーの表面の回転軸方向に、上記脱毛爪を少なくとも1列以上の爪列にして配置している脱毛装置において、上記脱毛爪は、2つ以上の毛を挟持するための可動する可動爪と、固定された脱毛爪である固定爪とを有し、上記可動爪は、少なくともその一部が、2枚の可動爪が一体で形成されている可動爪対で構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
このような構成とすることで、2つの可動部品を一部品とするため、その部品数を減らすことが出来、回転シリンダーの組み立てにおける組み立て性が改善され、コストダウンが図られる。
【0009】
そして上記可動爪は、上記回転シリンダーの回転軸方向に移動自在で、可動爪を固定爪に対して離接させる開閉部材に取付固定されていると、開閉部材が回転軸方向に移動するに伴い、可動爪も回転軸方向へ平行移動し固定爪との間で毛の挟持を行う。その際、毛は可動爪と固定爪の接触する面で挟持されるため、確実に毛が挟持される。なお、上記脱毛爪が薄板の金属材料で構成されていると、毛の挟持はより確実になされる。
【0010】
また上記爪列中に配設した固定爪は、2つの固定爪が一体で構成されている固定爪対とすることで、回転シリンダー内の2つの構成部品を一部品とするため、回転シリンダーの組み立てにおける組み立て性が改善され、コストダウンが図られる。
【0011】
さらに上記固定爪対を、上記爪列中に2つ以上配置されていると、爪列における毛の把持箇所を多くすることができるため、脱毛効率を高めることができる。
【0012】
なお一対の固定爪対の間の中央に他対の固定爪対が設けられるようにすると、開閉部材を通じて上記可動爪より加えられる荷重を均等に受けることができる。
【0013】
したがって、回転シリンダーは開閉部材が荷重を受けている状態においても回転軸方向へ移動することなく常に中央に位置するため、開閉部材による荷重に対して損失なく脱毛爪により毛の挟持を行うことができ、少ない負荷で脱毛装置が作動する。
【0014】
さらに一対からなる可動爪は異なって対をなす固定爪と毛を挟持することで、同一の可動爪の対でもう一方の可動爪の対としても構造的に成り立つため、可動爪の形状を変えることなく固定爪と毛の挟持をなすことができ、回転シリンダーを構成する部品の種類を増やすことなく安価とすることができる。
【0015】
また上記回転シリンダーが、回転体と脱毛爪とを有し、当該回転体に設けられた脱毛爪の外周部が、回転体の外径より大径の円弧状に形成されているようにすると、上記外周部は、器具使用時には肌面と接するため、短い毛についても挟持して引き抜かれる。
【0016】
なお爪列における脱毛爪による毛の挟持位置の間隔が均一であると、一列の爪列により脱毛可能範囲の中で偏りなく脱毛を行うことができる。
【0017】
また上記回転シリンダーの表面に設けられた爪列は、各爪列毎に、脱毛爪の配置が回転軸方向にずらされていると、回転体の一回転で毛を引き抜くタイミングが異なるため、一度に多量の毛を引き抜くことによる大きな刺激をなくすことができる。また回転軸方向にずれていることで、一回転での毛の把持位置を密にすることができるため、短い毛の脱毛効率をより高めた脱毛装置とすることができる。
【0018】
さらに回転シリンダーの表面に設けられた爪列の数をn、爪列における毛の挟持位置の間隔をpとするとき、全爪列における各爪列のずらし量がp/nであると一回転での毛の把持位置は均等になるため、一度の脱毛行為によりムラなく脱毛が行うことができ、効率のよい脱毛装置とすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
本発明の脱毛装置は手で把持できる器具本体に毛を除毛するための脱毛手段を有するものであって、異方向への脱毛手段を構成する2つの脱毛ヘッドのそれぞれの毛の把持のタイミングをずらすようにしたものである。
まず、図1乃至図13に基づいて本発明の一実施形態につき説明する。本実施形態においては、器具本体の上部に2つの脱毛ヘッド2aを設け、この2つの脱毛ヘッド2aを互いに異方向に回転するようにした例が示してある。
【0020】
図1、図2、図3、図4に示すように、本体ブロック1は前後二つ割りで形成されたハウジング10内にモータ11を固定する基台55L、55Rを組み込んであり、ハウジング10の上端は、上端に開口を有するヘッドフレーム5が固定されている。ヘッドフレーム5の前後下部には孔5bを有する脚片5aを垂設してあり、基台55Rに設けられたリブ55lにヘッドフレーム5の上記脚片5aに設けた孔5bを係止することで取り付けてある。ここで、モータ11はモータ固定板100にねじ止めされて固定され、モータ固定板100の両側に設けた突片100aを二つ割りの基台55L、55Rの内面部に設けたはめ込み凹部55iにはめ込んだ状態で二つ割りの基台55L,55Rに挟まれるように位置決めされ固定されている。ハウジング10内の下端部には駆動源となる乾電池102が電池カバー103により内装されており、また、ハウジング10の外面にはスイッチ15が設けてある。そして、ハウジング10が手に持つ部分、つまり把持部となっている。
【0021】
そして、出力軸にピニオン12を圧入固定したモータ11をモータ固定板100を介して二つ割りの基台55L,55R内に取り付けるのであるが、この二つ割りの基台55L,55Rにはさらに、図1,4に示すように軸104jにより回転自在にフェイズギア104が取り付けてあり、フェイズギア104に伝達している。フェイズギア104には小歯車105が一体に設けてあり、この小歯車105が、基台55L,55Rに軸106jにより回転自在に取り付けた中間ギア106の大歯車107にかみ合って、中間ギア106に回転を伝達している。中間ギア106には小歯車108が設けてあり、この小歯車108が基台55L,55Rに軸109jにより回転自在に取り付けた駆動ギア109にかみ合っている。
【0022】
さらに、基台55L,55Rには軸110jにより基台55L寄りに片寄ってギア110が回転自在に取り付けてあり、基台55L,55Rには軸111j,112jにより基台55R寄りに片寄ってギア111,112が回転自在に取り付けている。そして、上記ギア110とギア111とがそれぞれ駆動ギア109にかみ合っており、ギア111とギア112とがかみ合っている。したがって、モータ11の回転がギア列を介してギア110とギア112とに伝達されるようになっている。
【0023】
上記のように二つ割りの基台55L,55R内にモータ11、ギア列を組み込んだ状態で、基台55Lに設けたボス55jを基台55Rに設けた凹部55kにはめ込んで位置決めすると共に、ねじ114により基台55Lを基台55Rに固定してある。このようにして固定された二つ割りの基台55L,55Rの固定は、ねじ300が一方のハウジング10の孔10aを通り基台55L,55Rに設けられたリブ59に押通され、他方のハウジング10にねじ止めされている。
【0024】
脱毛ヘッド2a(回転シリンダーに相当)は図1、図5、図6、図8に示すように、爪取付台56に脱毛ヘッド2aの回転軸56jに平行に且つ円周を三等分した120°離して配置した爪列と、脱毛ヘッド2aを回転させるためにギア110またはギア112とかみ合い爪取付台56に連結される爪取付台ギア60とからなるものとして形成してある。
【0025】
ここで2つの脱毛ヘッド2aは本体ブロック1の上部の前後に回転軸56jが平行となるように配置して取り付けられるものであるが、一方の脱毛ヘッド2aには軸方向の一方の片側に爪取付台ギア60が設けられ、他方の脱毛ヘッド2aには軸方向の他方の片側に爪取付台ギア60が設けられるものである。
【0026】
以下に、脱毛ヘッド2aの駆動について、図1及び図4を用いて説明する。
【0027】
モータ11の回転に伴い軸104jに取り付けられたフェイズギア104が回転すると、それに伴い軸106jに取り付けられている中間ギア106が小歯車105によって回転伝達され、さらに軸109jに取り付けられている駆動ギア109、軸110jに取り付けられているギア110を介して一方の脱毛ヘッド2aの爪取付台56に連結された爪取付台ギア60を回転させて一方の脱毛ヘッド2aを回転させる。他方の脱毛ヘッド2aは、爪取付台ギア60が一方の脱毛ヘッド2aとは反対側に設けられており、駆動ギア109の回転駆動を軸111jに取り付けているギア111、軸112jに取り付けているギア爪、軸112jに取り付けているギア112を介して他方の脱毛ヘッド2aの爪取付台ギア60を回転させて他方の脱毛ヘッド2aを回転させる。そして、一方の脱毛ヘッド2aを回転させるためのギア段数を奇数段(駆動ギア109)、他方の脱毛ヘッド2aを回転させるギア段数を偶数段(ギア111、ギア112)にすることで、2つの脱毛ヘッド2aを互いに異なる方向に回転することができ、腋などの毛の生え方向の異なる部位をそれぞれ適した脱毛ヘッド2aで抜くことができるものである。
【0028】
つまり、2つの脱毛ヘッド2aが共に駆動して脱毛を行っている場合には異なる方向の脱毛が行われ、生え方向の異なる部位における異方向の脱毛が効率良く行えることになる。また図3に示されるように、2つの脱毛ヘッド2aにより毛を挟持する位置は、前後の脱毛ヘッド2aで取付角度がずらされている。このように取り付けることで、前後の脱毛ヘッド2aが同時に毛を引き抜くことがないため、毛を引き抜くことによる刺激を抑えることができ、使用時の刺激に対する満足度を高めることができる。
【0029】
次に脱毛ヘッド2aの構成について説明する。
【0030】
脱毛ヘッド2aは図5、図6、図7、図8、図9に示すように(但し、以下の説明においては図6を主に用いて説明する。)、一端部に爪取付台ギア60を設けた爪取付台56と、2種類の固定爪である固定爪対大116と、固定爪対小117と、固定爪対小117の間に取り付ける爪支え118と、脱毛爪である可動爪対3と、可動爪対3を脱毛ヘッド2aの回転軸方向に平行移動させるための開閉レバー67,68,69と、爪取付台56の両側面より組みこまれた開閉レバー67,68,69をバネ付勢するためのバネ120と、可動爪対3、固定爪対大116、固定爪対小117、爪支え118を爪取付台56に固定し抜け止めを行うための抜け止めピン115とで構成してある。
【0031】
固定爪対大116は正面から見てU字形状をなすことで2つの固定爪116aを一体で形成している。本実施例において固定爪116aは薄い金属材料を曲げて形成してあり、この構成により部品点数を少なくすることができ、且つ安価にすることができる。この2つの固定爪116aは、外周部については爪取付台56の外径より大きい径を有する円弧状に形成され、固定爪116aの両端部については相対する固定爪116aに向かって曲げられた曲げ部116bが形成されている。この曲げ部116bを有することで脱毛ヘッド2aが回転する際、回転方向に対して向かってくる毛を固定爪116aと可動爪対3により作られる隙間に誘い込み易くすることができ、脱毛効率を高くすることができる。また脱毛ヘッド2aが回転する際、固定爪116aの曲げ部116bの先端の肌に接触し始める箇所は器具使用時の肌当たりをよくするため、滑らかに肌に接触し始める形状となっている。さらに両側に設けられた固定爪116aには孔116cが設けられており、両側の固定爪116aをつなぐためのつなぎ部116dは固定爪対大116を上面からみて片側のみに設けてあり、そのつなぎ部116dの中央部には凹部形状116eが設けられている。
【0032】
また、固定爪対小117も同様に正面から見てU字形状をなすことで2つの固定爪117aを一体で形成している。
【0033】
本実施例において、固定爪対小117は薄板の板金で形成されており、この構成により部品点数を少なくすることができ、且つ安価にすることができる。この2つの固定爪117aは、固定爪対大116と同様、外周部については爪取付台56の外径より大きい径を有する円弧状に形成され、固定爪117aの両端部にについては、相対する固定爪117aに向かって曲げられた曲げ部117bが形成されている。この曲げ部117bを有することで脱毛ヘッド2aが回転する際、回転方向に対して向かってくる毛を固定爪117aと可動爪対3により作られる隙間に誘い込み易くすることができ、脱毛効率を高くすることができる。また脱毛ヘッド2aが回転する際、固定爪117aの曲げ部117bの先端の肌に接触し始める箇所は器具使用時の肌当たりをよくするため、滑らかに肌に接触し始める形状となっている。さらに両側に設けられた固定爪117aには孔117cが設けられており、両側の固定爪117aをつなぐためのつなぎ部117dは固定爪対大116と固定爪対小116を上面からみて、固定爪対大116に設けられたつなぎ部116dの反対側に設けてある。
【0034】
また可動爪対3も正面から見てU字形状をなすことで2つの可動爪3aを一体で形成している。このような構成とすることで、2つの構成部品を一部品とすることができるので全構成部品点数を少なくすることができるので、組み立てが容易になり安価にすることができる。本実施例において、可動爪対3は薄板の金属材料を曲げることにより形成されている。この2つの可動爪3aは、上記固定爪対小117及び固定爪対大116と同様、外周部については爪取付台56の外径より大きい径を有する円弧状に形成され、可動爪3aの両端部については相対する可動爪3aとともに同方向に曲げられた曲げ部3bが形成されている。この曲げ部3bを有することで脱毛ヘッド2aが回転する際、回転方向に対して向かってくる毛を固定爪116a、117aと可動爪3aにより作られる隙間に誘い込み易くすることができ、脱毛効率をさらに高くすることができる。また脱毛ヘッド2aが回転する際、可動爪3aの曲げ部3bの先端の肌に接触し始める箇所は器具使用時の肌当たりをよくするため、滑らかに肌に接触し始める形状となっている。さらに両側に設けられた可動爪3aには孔3cが設けられている。
【0035】
また固定爪対小117の間に取り付けられる爪支え118の外周部は2つの固定爪117aの間に取り付けた際に固定爪117aの外周部に対して突出しない形状となっている。また爪支え118の中央には孔118aが設けられている。
【0036】
開閉レバー67,68,69は互いに長さが異なるが、開閉レバー67は開閉レバー69と対をなし、また開閉レバー68は2つで対をなしている。本実施形態においては、開閉レバー67は最も短く、また開閉レバー69は最も長い形状となっており、開閉レバー68と開閉レバー67の長手方向の差は開閉レバー69と開閉レバー68の長手方向の差と等しくしてある。また開閉レバー67,68,69の長手方向の一端面にはローラ当たり部67a,68a,69aが設けてあり、他端にはボス67b,68b,69bが設けられている。各開閉レバー67,68,69それぞれのボス67b,68b,69b側には凹部67c,68c,69cが形成してあり、この凹部67c,68c,69c内の開閉レバー67,68,69の長手方向の側面部にはフック67d,68d,69dが設けられている。
【0037】
爪取付台56には、その一端部に爪取付台ギア60が設けられ、円周を三等分した位置に3つの開閉レバー挿入孔56aが回転軸方向に延びるように設けてあり、この開閉レバー挿入孔56aは回転軸56jと平行な方向の両端部に開口している。そして、上記開閉レバー挿入孔56aを挿通するように、開閉レバー67,68,69が上記の対をなして爪取付台56に取り付けられ、対をなす開閉レバー67,68,69のボス67b,68b,69bにバネ120が取り付けられている。このとき対をなす開閉レバー67,69、または2つの開閉レバー68が爪取付台56の両側より中央側に変位すると、バネ120は対をなす開閉レバー67,69、または2つの開閉レバー68を爪取付台56の外側に向けて付勢する。また爪取付台56に設けた開閉レバー挿入孔56aと同じ角度の円周方向には凹部56bが設けられている。この爪取付台56の円周上方より固定爪対大116を組み込み、その際、可動爪対3を開閉レバー67,68,69に設けた凹部67c,68c,69cにはめ込み凹部67cの側面に設けたフック67d,68d,69dを2つの可動爪3aを連結するつなぎ部底面に対してフック結合し可動爪対3を開閉レバー67,68,69に固定させている。さらに固定爪対小117を固定爪対大116の中央に配置される。このとき爪取付台56に設けられた凹部56bの回転軸方向の両側面部には凸部56dが設けてあり、その凸部56dと固定爪対大116のつなぎ部116dの中央に設けた凹部形状116eとが嵌合することにより、固定爪対大116の位置決めがなされ、上記凸部56dと固定爪対小117とが略接触するように配置されることにより、固定爪対小117は、爪取付台56の周方向について位置決めされている(図6、図8参照)。また両側面部に設けた凸部56dにより形成される下面56eにより、固定爪対大116および固定爪対小117の爪取付台56の周方向についての位置決めがなされている。また爪支え118は固定爪対小117の2つの固定爪117a間に組み込まれている。そして、爪取付台56に設けた爪取付台ギア60とは反対の端面には抜け止め用孔56cが設けられており、抜け止めピン115は爪取付台56の抜け止め用孔56cと、可動爪対3に設けた孔3cと、固定爪対大116に設けた孔116cと、固定爪対小117に設けた孔117cと、爪支え118に設けた孔118aとを通り、爪取付台ギア60の側面に接触するまで圧入される。この抜け止めピン115により固定爪対大116と固定爪対小117および爪支え118の円周方向への抜け止めおよび位置決めをなしている。すなわち、凹部56bの表面には、複数の爪が列状に並んだ爪列が構成されている。
【0038】
ここで、凹部56bは、爪取付台56の円周方向について開閉レバー挿入孔56aと同じ角度の円周方向には凹部56bが設けられている(本実施形態では120°毎に3カ所)。そして、図9(b)に示されるようにそれぞれの凹部56bは回転軸方向にそれぞれずれて配置してあり、且つそれぞれのずらし量は等しい。本実施例においては、図9(a)に示すように、一列の爪列における毛の把持領域(図9(a)においてのハッチング部分)の間隔が均等に配置してあり、各爪列の回転軸方向へのずらし量は、毛の把持領域が設けられている間隔(ピッチ)を爪取付台に設けた爪列数(挿入孔56aの数。本実施形態では3)で割った距離を回転軸方向へのずらし量としている。
【0039】
このような構成にすることで、脱毛ヘッド2aとして組み立てられた状態において、脱毛ヘッド2aが一回転した際、脱毛爪による毛の把持位置が重複することなく、近接する脱毛箇所の間隔を均等にすることができ、且つ各爪列は爪取付台56において一定角度離して(本実施形態では120°)配置されているため、毛を引き抜くタイミングもずらすことが出来る。そのため、一度に大きな刺激を与えることなく、脱毛による刺激については、小さな刺激を連続的に与えるようになり、一度に大きな刺激を与えることがなくなる。
【0040】
さらに、脱毛ヘッド2aが一回転した際、脱毛爪による毛の把持位置が重複することなく、近接する脱毛箇所の間隔を略均等にすることができるため、一度の脱毛動作でムラなく脱毛ができ、さらに脱毛効率を高めることができる。
【0041】
脱毛ヘッド2aの毛の把持動作については、開閉レバー67,68,69のローラ当たり部67a,68a,69aに荷重が加わることで、開閉レバー67,68,69は回転軸に平行に爪取付台56の中央に向かって変位する。
【0042】
このとき開閉レバー67,68,69に取付固定された可動爪対3も回転軸に平行に変位し、固定爪対大116の一方の固定爪116a、および固定爪対小117の一方の固定爪117aに面接触する構成になっており、開閉レバー67,68,69のローラ当たり部67a,68a,69aに荷重が加わっていないとき可動爪3aと固定爪116aの間、および可動爪3aと固定爪117aの間には隙間がつくられるため、これらの間に誘い込まれた毛は開閉レバー67,68,69が変位して可動爪3aと固定爪116a、117aが面接触することにより毛は挟持され、脱毛ヘッド2aの回転により毛は引き抜かれる。開閉レバー67,68,69のローラ当たり部67a,68a,69aに荷重が加わらなくなると、対をなす開閉レバー67、69、および2つの開閉レバー68の間に取り付けられたバネ120の反力により開閉レバー67,68,69は爪取付台56の外側へ変位し、各開閉レバーに取り付けられた外側の可動爪3aが爪取付台56の凹部56bの端面に接触する位置まで戻される。これにより、可動爪3aと固定爪116a、117aの間に隙間を設けることができる。
【0043】
また、固定爪対大116および固定爪対小117に可動爪3aが面接触する際、固定爪対大116及び固定爪対小117及び可動爪3aの外周部は、爪取付台56の外径より大径の円弧状に形成されているため、脱毛ヘッド2aが回転して肌面上を移動するとき、肌面と脱毛爪による毛の挟持位置は接する状態にあるので短い毛の脱毛には最適な形状となっている。
【0044】
さらに可動爪3aおよび固定爪対大116、固定爪対小117が薄い板金により形成されていると、脱毛爪により毛を挟持する際の可動爪3aおよび固定爪対大116、固定爪対小117の先端部の断面において、成形品により構成されたものより各脱毛爪の角に不要なR形状がなされないために、より肌面と毛を挟持する面との段差を小さくすることができ、短い毛の脱毛性能を上げることができる。
【0045】
次にカム手段について、図4、図10を用いて説明する。
【0046】
カム手段は、カムの主体を構成するローラ71と、ローラ71の軸71aと、ローラ71を抑圧するバネである保持バネ80により構成してある。そして、基台55L,55Rの各上部の左右にはそれぞれ十字状をした孔55cが設けてある。この孔55cは図13に示すようにガイドレールを構成する軸挿入孔部55c1とローラ挿入孔部55c2とを十字状に交差連通させて構成してあり、軸挿入孔部55c1の内側部には抜け止め部55c3が設けてある。また、軸71aに回転自在に挿入されたローラ71をローラ挿入孔部55c2に入れると共に軸71aの両端部がガイドレールを構成する軸挿入孔部55c1に入れ、抜け止め部55c3により内側に抜けないように抜け止めをしてある。すなわち、カムの主体を構成するローラ71の軸71aが、基台55L,55Rに設けたガイドレールを構成する軸挿入孔部55c1に、脱毛ヘッド2aの回転軸方向に移動可動に挿入支持されている。また、軸挿入孔部55c1の奥端部に設けられた抜け止め部55c3が、カムの主体を構成するローラ71の脱毛ヘッド2aの回転軸方向における移動制御をするストッパを構成している。なお、軸71aの軸方向は、脱毛ヘッド2aの回転の中心と交差するように組み込まれているものである。
【0047】
保持バネ80は図4に示すように、両側上部の上端部に孔80eを有するバネ部80aを設け、中央上部に孔80gを有する中央凸部80bを設けてある。また、保持バネ80の下部の両側端から背方に向けて凸部80cが突設してあり、保持バネ80の下端から2つの突片80dが垂設してある。バネ部80aの上端部の孔80eの両側が作用部80fとなっている。ここで、バネ部80aは中央凸部80bに対して相対的に背方に向けて曲げられている。
【0048】
上記の構成の保持バネ80はそれぞれ基台55L,55Rの外面側に取り付けられる。保持バネ80の取り付けは、まず、基台55Lについて説明すると、保持バネ80の下端にある2つの突片80dが基台55Lに設けられた溝55fにはめこまれ、保持バネ80の左右に設けられた凸部80cを基台55Lの左右に設けられたフック55dに引っかかるように取り付けられ、ねじ81が、保持バネ80の中央凸部80bに設けた孔gと基台55Lに設けた孔55eとを通って孔55eのボス55h(図4では図示出来ないが、55Rのボス55hと同位置に設けている。)にねじ固定されることにより行われる。なお、基台55Lの上部外面部の両側部は段部55mとなっており、保持バネ80の両側のバネ部80aがこの段部55mに位置するように取り付けられる。また、十字状をした孔55cはこの段部55mにおいて外面側に開口している。段部55mに配置されたバネ部80aは前述のように中央凸部80bに対して基台55L側に曲げられており、保持バネ80が基台55Lに取り付けられたときローラ挿入孔部55c2をバネ部80aの孔80eが囲むように配置されると共にバネ部80aの上端部の孔80eの両側の作用部80fが軸挿入孔部55c1の外側開口に架け渡されるように配置される。また、保持バネ80の両側に設けられたバネ部80aは、中央凸部80bに対して基台55L側に曲げられており、保持バネ80が基台55Lに取り付けられたとき、軸71aに弾性的に当たって初期荷重を与えるように構成されている。この場合、軸71aは、抜け止め部55c3により押し込み方向の抜け止めが防止される。ここで、保持バネ80の回転軸56jと直行する方向のガタ止めは、中央凸部80bを基台55Lに設けた2つのリブ55gに当てることによって行われている。このように保持バネ80を取り付けることで、ローラ71に加える力を安定して出すように構成している。
【0049】
なお、上記実施形態では軸71aはストッパである抜け止め部55c3に当たっている状態で保持バネ80のバネ部80aが軸71aに弾性的に当たって初期荷重を与えている例を示したが、軸71aはストッパである抜け止め部55c3に当たっている状態では保持バネ80のバネ部80aが軸71aに弾接せずに接している状態、あるいはわずかな隙間を介して非接触の状態とし、開閉レバー67又は開閉レバー68又は開閉レバー69がローラ71に当たってローラ71が移動した時にバネ部80aが軸71aに弾接するようにしてもよい。
【0050】
しかして、図11、図12に示すように、それぞれの脱毛ヘッド2aが回転すると開閉レバー67又は開閉レバー68又は開閉レバー69がローラ71と接触し、ローラ71が軸71aを中心にして回転する。このとき、ローラ71には、回転軸56jの外側方向に移動する力が加わり、軸71aも基台55Lの孔55cを摺動するため、保持バネ80の両端上方に設けられた孔80eの両側の作用部80fに圧力を加える。そして、その反力により開閉レバー67又は開閉レバー68又は開閉レバー69に圧力を加え、脱毛爪3と固定爪対大116、固定爪対小117とが接触するようになっている。さらに、脱毛ヘッド2aが回転して開閉レバー67又は開閉レバー68又は開閉レバー69がローラ71から離れると、軸71aも保持バネ80に圧着しなくなり、ローラ71は回転軸56j方向にフリーとなるようになっている。また、基台55Lのローラ挿入孔部55c2をバネ部80aの孔80eで囲むように配置してあるので、ローラ71と保持バネ80の孔80eとは接触しないようになっている。
【0051】
このような構造とすることにより、脱毛ヘッド2aは夫々個別に開閉手段を設けることができ、それぞれの脱毛ヘッド2aの開閉の制御を容易にすることができ、基台55Lの孔55cと保持バネ80の孔80eとでローラ71をこじることなく、ローラ71が安定して回転するように構成することができる。
【0052】
なお、上記の説明は基台55L側に保持バネ80を取り付けることにつき説明したが、基台55Rにおいても同じ構成である。
【0053】
【発明の効果】
請求項1記載の発明にあっては、上記可動爪において、2枚の可動爪が一体で形成されている可動爪対で構成されているため、その部品数を低減させることが出来、回転シリンダーの組み立てにおける組み立て性を改善し、コストダウンを図ることが出来る。
【0054】
請求項2記載の発明にあっては、上記可動爪は、回転シリンダーの回転軸方向に移動自在で、可動爪を固定爪に対して離接させる開閉部材に取付固定されている。したがって、開閉部材が回転軸方向に移動するに伴い、可動爪も回転軸方向へ平行移動し、毛は可動爪と固定爪との接触する面で挟持されるため、確実に毛が挟持される。
【0055】
請求項3記載の発明にあっては、上記爪列中に配設した固定爪を、2つの固定爪が一体で構成されている固定爪対にしているため、その部品数を低減させることが出来、回転シリンダーの組み立てにおける組み立て性が改善され、コストダウンが図られる。
【0056】
請求項4記載の発明にあっては、上記固定爪対を、爪列中において2つ以上で構成されているため、爪列における毛の把持箇所を多くすることができ、脱毛効率を高めることができる。
【0057】
請求項5記載の発明にあっては、一対の固定爪対の間の中央に他対の固定爪対が設けられるようにしているため、開閉部材を通じて可動爪より加えられる荷重を均等に受けることができる。したがって、回転シリンダーは開閉部材が荷重を受けている状態においても回転軸方向へ移動することなく常に中央に位置するため、開閉部材による荷重に対して損失なく脱毛爪により毛の挟持を行うことができる。よって、少ない負荷で脱毛装置を作動させることが可能となり、かかる装置の省電力化を図ることが出来る。
【0058】
請求項6記載の発明にあっては、一対からなる可動爪は異なって対をなす固定爪と毛を挟持することで、同一の可動爪の対でもう一方の可動爪の対としても構造的に成り立つため、可動爪の形状を変えることなく固定爪と毛の挟持をなすことができ、回転シリンダーを構成する部品の種類を増やすことなく安価とすることができる。
【0059】
請求項7記載の発明にあっては、上記回転シリンダーは、回転体と脱毛爪とを有し、当該回転体に設けられた脱毛爪の外周部は、回転体の外径より大径の円弧状に形成されているため、上記外周部は、器具使用時には肌面と接し、短い毛についても挟持して引き抜くことが可能となる。したがって、短い毛においても脱毛効率の高い脱毛装置とすることができる。
【0060】
請求項8記載の発明にあっては、爪列における脱毛爪による毛の挟持位置の間隔が均一であると、一列の爪列により脱毛可能範囲の中で偏りなく脱毛を行うことができる。
【0061】
請求項9記載の発明にあっては、上記回転シリンダーの表面に設けられた爪列は、各爪列毎に、脱毛爪の配置が回転軸方向にずらされて配設されていると、回転体の一回転で毛を引き抜くタイミングが異なるため、一度に多量の毛を引き抜くことによる大きな刺激をなくすことができる。また回転軸方向にずれていることで、一回転での毛の把持位置を密にすることができるため、短い毛の脱毛効率を高めることができる。
【0062】
請求項10記載の発明にあっては、上記回転シリンダーの表面に設けられた爪列の数をn、爪列における毛の挟持位置の間隔をpとするとき、全爪列における各爪列のずらし量がp/nであると、一回転での毛の把持位置は均等になるため、一度の脱毛行為によりムラなく脱毛が行うことができ、脱毛効率も高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態にかかる脱毛装置の側面断面図である。
【図2】本実施形態にかかる脱毛装置の正面断面図である。
【図3】本実施形態にかかる脱毛装置の平面図である。
【図4】本実施形態にかかる脱毛装置の分解斜視図である。
【図5】本実施形態にかかる脱毛ヘッドを組み立てた状態についての断面図である。
【図6】本実施形態にかかる脱毛ヘッドの分解斜視図である。
【図7】本実施形態にかかる脱毛ヘッドの正面断面図である。
【図8】本実施形態にかかる脱毛ヘッドの側面断面図である。
【図9】(a)は、本実施形態にかかる脱毛ヘッドの毛の把持領域を示したものであり、(b)は脱毛ヘッドの展開図である。
【図10】本実施形態にかかる保持ばねとローラの取付部分を示した図である。
【図11】本実施形態にかかる脱毛ヘッドの脱毛爪による毛の非狭持状態を示した図である。
【図12】本実施形態にかかる脱毛ヘッドの脱毛爪による毛の狭持状態を示した図である。
【図13】本実施形態にかかる基台に設けた孔の拡大図である。
【図14】従来の脱毛装置の平面図である。
【図15】従来の脱毛装置の脱毛ヘッドの分解斜視図である。
【符号の説明】
2a 脱毛ヘッド(回転シリンダーに相当)
3a 可動爪
3 可動爪対
10 ハウジング(ケーシングに相当)
56 爪取付台(回転体に相当)
67,68,69 開閉レバー(開閉部材に相当)
116 固定爪対大
116a 固定爪
117 固定爪対小
117a 固定爪
118 爪支点部材
Claims (10)
- 手で挟持できる本体ケーシングの一端に回転シリンダーを設けるとともに、回転シリンダーは脱毛用の脱毛爪を有し、当該脱毛爪で毛を狭持し、回転シリンダーを回転させて毛を引き抜くように構成されており、この回転シリンダーの表面の回転軸方向に、上記脱毛爪を少なくとも1列以上の爪列にして配置している脱毛装置において、上記脱毛爪は、上記毛を挟持するため、複数枚の可動爪と、固定爪とを有し、上記可動爪は、少なくともその一部が、2枚の可動爪が一体で形成されている可動爪対で構成されていることを特徴とする脱毛装置。
- 上記可動爪対は、回転シリンダーの回転軸方向に移動自在で、可動爪を固定爪に対して離接させる開閉部材に取付固定されていることを特徴とする請求項1記載の脱毛装置。
- 上記爪列中に配設した固定爪は、少なくとも2枚の固定爪が一体で構成されている固定爪対であることを特徴とする請求項1又は2記載の脱毛装置。
- 上記固定爪対は、上記爪列中に2つ以上配置されていることを特徴とする請求項3記載の脱毛装置。
- 一対の固定爪対の間に他対の固定爪対が設けられており、一対の固定爪対の固定爪間に配設される固定爪対は、一対の固定爪対の中央に設けられていることを特徴とする請求項4記載の脱毛装置。
- 一対からなる可動爪は異なって対をなす固定爪と毛を挟持することを特徴とする請求項1〜3記載の脱毛装置。
- 上記回転シリンダーは、回転体と脱毛爪とを有し、当該回転体に設けられた脱毛爪の外周部は、回転体の外径より大径の円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の脱毛装置。
- 爪列における脱毛爪による毛の挟持位置の間隔が均一であることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の脱毛装置。
- 上記回転シリンダーの表面に設けられた爪列は、各爪列毎に、脱毛爪の配置が回転軸方向にずらされていることを特徴とする請求項1〜8いずれかに記載の脱毛装置。
- 上記回転シリンダーの表面に設けられた爪列の数をn、爪列における毛の挟持位置の間隔をpとするとき、全爪列における各爪列のずらし量がp/nであることを特徴とする請求項1〜9いずれかに記載の脱毛装置。
Priority Applications (1)
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JP2002275632A JP2004105639A (ja) | 2002-09-20 | 2002-09-20 | 脱毛装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7717925B2 (en) | 2004-12-22 | 2010-05-18 | Panasonic Electric Works Co., Ltd. | Epilating apparatus |
JP2014501148A (ja) * | 2010-12-28 | 2014-01-20 | ブラウン ゲーエムベーハー | 脱毛のための改良された毛抜ヘッド |
-
2002
- 2002-09-20 JP JP2002275632A patent/JP2004105639A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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US7717925B2 (en) | 2004-12-22 | 2010-05-18 | Panasonic Electric Works Co., Ltd. | Epilating apparatus |
JP2014501148A (ja) * | 2010-12-28 | 2014-01-20 | ブラウン ゲーエムベーハー | 脱毛のための改良された毛抜ヘッド |
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