JP2004101149A - 空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】高所に設置した空気調和機の室内ユニットにおいて、フロントパネルおよび上部空気吸込みパネルを室内ユニットから安全に取り外して、エアフィルターおよび室内ユニット内の熱交換器、その他の機器を容易に清掃できるようにする。
【解決手段】箱体内部に熱交換器、送風機等の機能部品を収納し、外観意匠を形成する前面部のフロントパネル、上面部の上部空気吸込みパネル、下面部の吹出しユニット等を有し、前面部のフロントパネルが2段階に回動可能な空気調和機の室内ユニットにおいて、室内ユニット上面部の上部空気吸込みパネルを取り外し可能にし、上部空気吸込みパネルの奥側部分を水平に構成し、手前側部分を手前側に低くして斜めに傾斜させて構成した。
【選択図】 図8
【解決手段】箱体内部に熱交換器、送風機等の機能部品を収納し、外観意匠を形成する前面部のフロントパネル、上面部の上部空気吸込みパネル、下面部の吹出しユニット等を有し、前面部のフロントパネルが2段階に回動可能な空気調和機の室内ユニットにおいて、室内ユニット上面部の上部空気吸込みパネルを取り外し可能にし、上部空気吸込みパネルの奥側部分を水平に構成し、手前側部分を手前側に低くして斜めに傾斜させて構成した。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空気調和機の室内ユニットに関するもので、特に高所に配置された室内ユニットの上部空気吸込みパネルの取り外し機構に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
空気調和機の室内ユニットは、室内ユニットの後部を構成する樹脂で成形された箱体本体と、室内ユニットの前面部を構成する化粧カバー本体と、室内ユニットの下面部を構成する吹出しユニットで構成されている。そして、箱体本体には空気調和機の機能部品である熱交換器や送風機、その他の機器が組みこまれていて、化粧カバー本体には正面から室内空気を吸いこむフロントグリルと上面部から室内空気を吸いこむ上部空気吸い込みグリルが設けられ、それらのグリルに対応してエアフィルターが収納されている。また吹出しユニットには、熱交換器で温湿度を調和された空気が流れる吹出し風路が構成されていて、吹出し風路の吹出し口の近傍には風の流れを偏向する風向偏向板が設けられている。そして、正面部のフロントグリルや上面部の上部空気吸込みグリルから室内ユニットに吸いこまれた室内空気は、エアフィルターで塵や埃を取りのぞかれ、熱交換器で温湿度を調和され、送風機で吹出し風路内に送りだされ、風向偏向板で風の流れを偏向されて空気吹出し口から再び室内に吹きだされてくる。
【0003】
一般に空気調和機の室内ユニットは、室内壁面の天井に近い高所に設置されていて、その高所から吹き出す温湿度を調和した空気で、人が生活する室内空間を快適な生活環境に調和してゆくものである。そして室内空気から取りのぞいた塵や埃がエアフィルターに蓄積するのでエアフィルターは定期的に清掃する必要がある。また長い間使用することにより熱交換器や送風機にも埃が付着するので、エアフィルターと同様に熱交換器や送風機も時々清掃する必要がある。しかし空気調和機の室内ユニットは先にも説明したように、室内壁面の天井部に近い高所に設置されているので、踏み台や脚立等上にあがって不安定な状態で清掃をしなければならなかった。
【0004】
これらの清掃や取り扱いの作業性を改善するために、フロントパネルを回転させて室内ユニットの全面下部に垂下させ、エアフィルターや熱交換器の清掃性の改善を図っている。しかし最近の室内ユニットは省エネルギー、高効率化を目指しているので、できるだけ大きな伝熱面積の熱交換器を比較的小さな室内ユニットに組み込む必要が生じている。そのため熱交換器を複数個に分割して、室内ユニットの前面側だけでなく室内ユニットの上面側にも組み込んでいる。室内ユニットの前面側だけに熱交換器が組み込まれている場合は、フロントパネルとエアフィルターを取り外すだけで熱交換器を清掃することができたが、室内ユニットの上面側に熱交換器が組み込まれている場合には、フロントパネルとエアフィルターを取り外しただけでは室内ユニットの上面側に組み込まれた熱交換器を清掃することはできない。この場合には室内ユニット上面部の上部空気吸込みパネルを取り外す必要性が生じてくる。
【0005】
特開平11−23000号公報(従来技術)には、室内ユニット上面部の化粧枠に、コ字状の取り付け用ガイドレールを設け、エアフィルターが取り付けられた上部空気吸込みパネルをガイドレールに係合させて取り付けると共に、手前に引き出すことにより上部空気吸込みパネルを取り外すことが記載されている。そして、この構成により上部吸込みパネルとエアフィルターの清掃を容易にすることができるというものである。
【特許文献1】
特開平11−23000号公報(図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
先に説明したように空気調和機の室内ユニットは、一般に室内壁面の天井部に近い高所に設置されているため、フロントパネルや上部空気吸込みパネルを取り外す場合には、不安定な踏み台や脚立の上にあがって不安定な状態でフロントパネルや上部空気吸込みパネルを取り外し、また不安定な状態で室内ユニットに組み込まれた熱交換器を清掃しなければならなかった。
【0007】
本発明はフロントパネルを2段階に回動可能にして取り外すことのできる室内ユニットにおいて、室内ユニット上面部の取り外し可能な上部空気吸込みパネルの取り付け、取り外しの際に、不安定な踏み台や脚立等の上にのって作業する作業者の頭部や顔面に、上部空気吸込みパネルが急激に接近してくることを防止し、安全にして、かつ確実に上部空気吸込みパネルの取り付け、取り外し作業が行なえるようにするものである。
【0008】
また本発明の別な目的とするところは、室内ユニットの外観意匠を視覚的に小さく見えるようにして、室内壁面の高所に設置された室内ユニットから生活空間に与える圧迫感をできるだけ少なくすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、室内ユニット箱体内部に収納された熱交換器及び送風機と、外観意匠を形成する前面部のフロントパネルと、上面部に設けられた上部空気吸込みパネルと、下面部の吹出しユニットとを備えた空気調和機において、前記前面部のフロントパネルを2段階に回動させる機構と、室内ユニット上面部の上部空気吸込みパネルを着脱するスライド機構とを備えることにより達成される。
【0010】
特に、前記上部空気吸込みパネルがスライドして挿入されるスライド機構の奥側部分を水平に、手前側部分を手前側に低くして斜めに傾斜させたものである。
【0011】
また、前記フロントパネルを回動させてフロントパネルの上端部が前記室内ユニット本体から離間させて前記上部空気吸込みパネルを取り外せるようにしたものである。
【0012】
また、前記上部空気吸込みパネルが自重で自然にスライドしたときに、第一回動の停止位置で停止しているフロントパネルに当接させることで前記上部空気吸込みパネルを停止させるようにしたものである。
【0013】
また、前記フロントパネルは第二回動の任意な位置で停止させることができるものであり、このフロントパネルを前記任意の位置で停止させて前記上部空気吸込みパネルを取り外すことができるようにしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細について一実施例をもとに図により説明する。
【0015】
図1は本発明による空気調和機の一実施例による断面説明図、図2は同実施例による空気調和機の運転停止時の外観図、図3は同実施例による空気調和機の運転時の外観図、図4は同実施例による空気調和機の運転時の別な外観図、図5は空気調和機を運転した場合の室内空気の流れ説明図、図6はフロントパネルを最大に開放した外観図、図7はフロントパネルを取り外し、上部空気吸込みパネルを引きだし、吹出しユニットを開放した外観図、図8は上部空気吸込みパネルの説明図である。
【0016】
図1において、1は箱体本体、2は化粧カバー本体、3は吹出しユニット、4はフロントパネル、5は上部空気吸込みパネル、6はエアフィルター、7は熱交換器、8は送風機、9は露受皿、10は吹出し風路、11は左右風向偏向板、12は上下風向偏向板、13はヒンジ、14は2軸ヒンジを示している。そして、位置aのフロントパネル4はフロントパネルが閉じた状態を示し、位置bのフロントパネル4は第一回動で停止した状態を示し、位置cのフロントパネル4は最大に開放した状態を示している。また、位置dの上下風向偏向板12は空気調和機が運転を停止している状態を示し、位置eの上下風向偏向板12は空気調和機が運転をしている状態を示している。
【0017】
本実施例における空気調和機の室内ユニットは次のように構成されている。すなわち、箱体本体1と化粧カバー本体2および吹出しユニット3とで室内ユニットを構成している。箱体本体1には複数に分割された熱交換器7および本図では明記していないがその他の冷凍サイクル部品や電気品等と、送風機8が組みこまれている。また化粧カバー本体2の正面部は、室内ユニットの外観意匠の美観を向上させるため表面の凹凸をなくしてフラットな面で形成されたフロントパネル4が設けられていて、フロントパネル4は下端部に設けた回動機構の2軸ヒンジ14を介して回動できるように取り付けられている。そして化粧カバー本体2の上面部には、室内空気を吸いこむ上部空気吸込みパネル5がスライドして取り外せるように組みこまれている。またフロントパネル4や上部空気吸込みパネル5の内側に対応して、エアフィルター6が熱交換器7を被うように化粧カバー本体2に取り外し可能な状態で組みこまれている。フロントパネル4を開放してエアフィルター6の下端部を指でつまんで引きおろすことにより、エアフィルター6は化粧カバー本体2から容易に取り外すことができるようになっている。また、室内ユニットの下面部には、左右風向偏向板11、上下風向偏向板12を組みこんだ吹出し風路10を有する吹出しユニット3が箱体本体1にヒンジ13を介して回動可能に取り付けられている。
【0018】
そして本実施例の取り外し可能な上部空気吸込みパネル5は、図8、図9に示すように、上部空気吸込みパネル5の奥側部分d1を水平にし、手前側部分d2を手前側に高さh分低くして斜めに傾斜させた形状になっている。上部空気吸込みパネル5の手前側を低くくしたことにより、単純な平面状で室内ユニットに水平に組み込んだ場合に対し、生活空間から見上げた室内ユニットの視覚的な大きさをより小さく見せることができる。室内ユニットの大きさが小さく見えるため、室内の上部空間から室内ユニットが生活空間に与える圧迫感が少なくなり生活環境を改善することができる。
【0019】
図2は空気調和機が運転を停止している状態の室内ユニットの外観図である。壁面の上部に設置されて視覚的に小さく見える室内ユニットは、その前面部を表面の凹凸をなくしたフラットな面で構成されたフロントパネル4で被われ、下面部は吹出し風路10を遮蔽するやはり凹凸のないフラットな面で構成された上下風向偏向板12で被われている。外観全体に凹凸のないフラットでシンプルな意匠の室内ユニットは、室内上部空間から生活空間に与える圧迫感が少なくなるとともに、シンプルな意匠により室内に配置した他の家具や調度品と違和感なく調和させることができるようになる。
【0020】
図3は空気調和機を運転している状態の室内ユニットの外観図、図4は空気調和機を運転しているときの室内ユニットの別な状態の外観図、図5は空気調和機を運転した場合の室内空気の流れ説明図である。
【0021】
室内ユニットの電源をオンにして空気調和機を運転すると、送風機8が回転して室内空気を上部空気吸込みパネル5から室内ユニット内に吸いこみ、エアフィルター6で空気中の塵や埃を取りのぞき、吸い込んだ室内空気の温湿度を熱交換器7で調和することになる。そして調和された室内空気は、送風機8を貫流して吹出し風路10に送りだされ、左右風向偏向板11や上下風向偏向板12で空気の流れを偏向されて、塵や埃を取りのぞいた温湿度の調和された空気として再び室内に吹きだされる。この室内空気の流れを繰りかえすことにより室内空間が、人が生活するために快適な状態に調和されてゆくことになる。
【0022】
そして本実施例の室内ユニットでは、フロントパネル4を第一回動で図5の位置aから位置bに開放して停止することができるので、フロントパネル4を位置bに開放した状態で空気調和機を運転することができる。その場合には図5の実線矢印の上部空気吸込みパネル5からだけでなく、位置bに開放したフロントパネル4の上方部からも破線矢印のように、室内空気を吸い込むことができるようになる。破線矢印のように室内空気を吸い込むことにより、いままで露受皿9の近くに配置されていて室内空気が流れにくかった熱交換器7aの下半部分にも、破線矢印で示すように室内空気が流れるようになり、熱交換器7aが効果的に機能し、熱交換器7全体としての熱交換効率が向上する。その結果、空気調和機の冷房能力や暖房能力が増加することになる。フロントパネル4を位置bに開放して空気調和機を運転することは、室内空間を短時間で急速に冷暖房するような場合の運転に適している。しかもフロントパネル4を位置bに開放した状態で運転していても、生活空間から室内ユニットを見あげた場合、室内ユニットの内部はフロントパネル4で遮られて見えないので外観意匠の美観を損なうことがない。
【0023】
空気調和機を長い時間運転していると、先にも説明したようにエアフィルター6は室内空気中の塵や埃を取りのぞく部品であるため、エアフィルター6の表面に塵や埃が蓄積して室内空気の通りが悪くなり、熱交換器7と熱交換する室内空気の吸いこみ量が減少し、結果として空気調和機の効率が悪くなる。また、エアフィルター6に塵や埃を蓄積したまま運転をつづけると、空気調和機の効率が悪くなるばかりでなく、エアフィルター6で取りきれなくなった塵や埃が室内ユニット内部に侵入して熱交換器7に付着し、熱交換器7の熱交換効率を悪くし、空気調和機の性能を低下させることになる。
【0024】
これを防止するため、定期的にエアフィルター6を清掃する必要がある。しかし空気調和機の室内ユニットは室内壁面の天井部に近い高所に設置されているので、エアフィルー6を清掃するためには踏み台や脚立等の上にあがって不安定な状態でエアフィルター6を取り外さなければならない。
【0025】
本実施例では、エアフィルター6の取り外し作業性や清掃性を容易にするため、室内ユニット前面部のフロントパネル4を回動可能な状態で室内ユニットに組み込み、フロントパネル4を一気に開放するのでなく、2段階に分けて回動させ、第一回動でフロントパネル4の回動を一旦停止させている。すなわち、フロントパネルは本体下部に軸支(図では2軸ヒンジではあるが1軸でも良い)され、この軸を中心に上部が本体から離れるように回動する。そして、フロントパネル4が閉じているときのフロントパネル4の上端部が約180度反転して下になることで開く。そして、この状態でフロントパネル4を回動させて取り外すことにより、エアフィルター6や吹出しグリル3の清掃性は向上するが、本実施例の目的とするところはさらに室内ユニットに組み込んだ熱交換器の清掃作業性を容易にすることにある。そのため2段階に回動するフロントパネル4を組み込んだ室内ユニットの上部空気吸込みパネル5を、スライドさせて取り外せるようにするとともに、上部空気吸込みパネル5の取り外し時および取り付け時の作業性を容易で確実な構成にしている。
【0026】
フロントパネル4を開放するには室内ユニットが壁面高所に取り付けられているので、不安定な踏み台や脚立等の上にあがって作業をしなければならない。そしてさらにそれよりも上にある室内ユニット最上部の上部空気吸込みパネル5は、不安定な踏み台や脚立等の上にあがっても上部空気吸込みパネル5全体を見通すことができないので、感に頼る作業となりやすい。そのためエアフィルター6を清掃するにあたって室内ユニット前面部のフロントパネル4を開放するときに、一気に開放させるのでなく、フロントパネル4を2段階に分けて回動させている。すなわち第一回動では、不安定な踏み台や脚立等の上にあがって、エアフィルター6の取り外しをする作業者の頭部や顔面に向かって回動してくるフロントパネル4を、図1に示す位置bで一旦停止させて作業者の頭部や顔面にあたらないようにしている。そして更にフロントパネル4を位置bから位置cまで開放する第二回動で、フロントパネル4は作業者に向って突出してくることになる。そのため第二回動では、回動に制動力をかけてフロントパネル4が慣性力で急激に回動しないようにしている。
【0027】
これにより、フロントパネル4は位置bで一旦停止するのでエアフィルター6の取り外しをする作業者に向って急激に接近することがなく、取り外しをする作業者の頭部や顔面を直撃することがない。また第一回動では制動力をかけていないので、化粧カバー本体2に係合しているフロントパネル4を化粧カバー本体2から引きはなす最初の開放力を小さくすることができる。そして一旦停止した状態から更にフロントパネル4を開放するためには、室内ユニットから突出しているフロントパネル4の一部に手をかけて自分の意志で押しさげることになるので、突出してくるフロントパネル4を意識しながら押しさげるので不安感を感じないで開放することができる。また第二回動時には制動をかけて回動させているので、フロントパネル4が急激に突出したり、室内ユニットの前面下部に急激に垂下したりすることがなく、安心してフロントパネル4を開放することができる。
【0028】
また第二回動時には、フロントパネル4の回動に制動力がかかっていいるので、フロントパネル4を任意な位置で停止させることができ、その位置でフロントパネル4を取り外すことができるようになっている。これによりフロントパネル4を最大に開放するすることなく、第二回動時の作業しやすい位置でフロントパネル4を取り外せるので、安全性や作業効率を向上させることができる。
【0029】
第一回動時には制動力がかかっていないので、制動力に対抗する力を加えることなく、化粧カバー本体2に係合している力を越える僅かな力をフロントパネル4に加えるだけで、フロントパネル4を化粧カバー本体2から開放することができる。またフロントパネル4は一旦所定位置bで停止するために、フロントパネル4を開放する作業者の頭や顔面にあたることがない。
【0030】
また第二回動時には制動力がかかっているので、フロントパネル4を開放している作業者にフロントパネル4が不意に突出してくることがない。さらにフロントパネル4を開放する場合は、作業者自身が意識しながらフロントパネル4を押しさげることになるので、フロントパネル4が作業者側に突出してきても突出してくることを認識しているので安全である。フロントパネル4は第二回動の任意の位置で停止するので、フロントパネル4を完全に開放しなくても、取り外し作業のしやすい位置で取り外すことができる。
【0031】
そして空気調和機をさらに長い間運転していると熱交換器7も汚れてくるので、空気調和機の性能を維持するためには熱交換機7の清掃も必要になってくる。そのため本発明の空気調和機では、室内ユニットの上部空気吸込みパネル5を図7、図8のようにスライドさせて取り外すことができるようにしている。
【0032】
図15に示す従来技術においては、エアフィルター31を前面部と上面部との2部品に分割し、正面部のエアフィルターは前面フロントパネルの下部の隙間から引きだし、上面部のエアフィルター31は上部空気吸込みパネル30に装着したまま上部空気吸込みパネル30と一緒に引きだして抜きとり、エアフィルター31および上部空気吸込みパネル30をそれぞれ清掃していた。また上部空気吸込みパネル30が取り外されることにより、室内ユニットの上部が開放され、開放された空間から室内ユニット内部の熱交換器を清掃することができるようになっていた。
【0033】
しかし上部空気吸込みパネル30に対応するエアフィルター31をフロントパネルと対応するエアフィルターと別部品としていたため、部品点数が増え、エアフィルター31を製作する金型が増え製品の価格を高くするとともに、エアフィルターを別々に洗わなければならず清掃作業性を悪いものにしていた。
【0034】
またエアフィルター31を上部空気吸込みパネル30と一緒に取り外す作業においても、上部空気吸込みパネル30は室内ユニットのさらに上部にあるため踏み台や脚立の上にあがっても、上部空気吸込みパネル30を引きだすために作業をする手元が見えないので、上部空気吸込みパネル30をスライドさせて引きだすだけでも容易な作業ではなかった。
【0035】
本実施例の空気調和機では、エアフィルター6は前面部も上面部も一体で成形して、部品点数を少なくして製作金型を少なくし、製造コストを安くして、清掃作業性のよい室内ユニットを提供している。図6に示すようにフロントパネル4を開放することにより、上部空気吸込みパネル5の前面部が室内ユニットの正面に露出するので、上部空気吸込みパネル5が室内ユニットの最上部にあっても作業をする手元を見ながら、上部空気吸込みパネル5を引きだすことができる。また上部空気吸込みパネル5の挿入が不充分な状態でフロントパネル4を開放したときでも、パネルガイド15から自重でスライドしてきた上部空気吸込みパネル5は、フロントパネル4が一旦停止する第一回動の位置aでフロントパネル4に当接して停止するので、上部空気吸込みパネル5が不安定な踏み台や脚立等の上にあがって開放作業をしている作業者の頭や顔面を直撃することがない。そして上部空気吸込みパネル5を、図11のように単純な平面状にして傾斜させて室内ユニットに組み込んだ場合には、突起16’と突起受け17’の係合が不充分なときには上部空気吸込みパネル5がその自重によりスライドすることが考えられるが、本実施例の上部空気吸込みパネル5では、図9に示すように上部空気吸込みパネル5の奥側部分d1を水平に構成してきるので、万が一突起16と突起受け17の係合が不充分であっても、上部空気吸込みパネル5の水平な奥側部分d1に支えられて自然にスライドすることはない。そして上部空気吸込みパネル5の手前側部分d2が手前側を高さh分低くして斜めに傾斜させているため、上部空気吸込みパネル5を支持するパネルガイド15も同様に、奥側部分に相当するパネルガイド15aは水平に構成し、手前側部分に相当するパネルガイド15bを手前側に高さh分低くして斜めに傾斜させている。したがって取り外した上部空気吸込みパネル5を取り付ける場合には、図10のように手前に傾斜したパネルガイド15bの上に上部空気吸込みパネル5の奥側部分d1の先端部をのせて、上部空気吸込みパネル5の手前側を若干上向きに押し込むだけで、上部空気吸込みパネル5はパネルガイド15bをスライドして上昇し、所定の位置に上部空気吸込みパネル5を挿入することができるようになる。上部空気吸込みパネル5の奥側部分d1の先端部をのせるパネルガイド15bが、上部空気吸込みパネル5の水平な奥側部分d1の2点鎖線面より低くなって傾斜しているので、先端部をのせるパネルガイド15bを目で確認でき、また下から作業ができるので挿入が容易になる。図11の単純な平板状の上部空気吸込みパネル5’を水平にして室内ユニットに組み込んだ図12の場合には、突起16’と突起受け17’の係合が不充分であっても上部空気吸込みパネル5’が自重で自然に落下するようなことはない。しかし一度取り外した上部空気吸込みパネル5’を取り付ける場合、作業者は室内ユニットの天井面に相当する2点鎖線より上の見えないパネルガイド15’に上部空気吸込みパネル5’の先端部をのせて、手を高く上げたまま勘に頼って上部空気吸込みパネル5’を室内ユニットの奥方向へ押し込まなければならない。上部空気吸込みパネル5’をのせるパネルガイド5’が見えないことにより不安を感じ、また手を伸ばした状態で作業を続けるので上部空気吸込みパネル5’の挿入作業はかなり疲れる作業となる。
【0036】
また本実施例ではパネルガイド15に設けた突起16と、それと係合する上部空気吸込みパネル5に設けた突起受け17の形状を半円形にして、取り付け、取り外し時の突起の引っ掛かり具合を滑らかにしている。しかし引っ掛かり具合を滑らかにすることは、上部空気吸込みパネル5に何らかの力がかかったときに外れ易いことにもつながる。そのため上部空気吸込みパネル5とパネルガイド15の引っ掛かりを確実にする方法として、図13、図14に示す形状が考えられる。
【0037】
すなわち図14に示すように、上部空気吸込みパネル5の上面から見た場合に上部空気吸込みパネル5の側面に突出する形で、側面から見た場合には図12のようにL字状になるL字突起受け20を設けている。そしてパネルガイド15にはL字突起20と係合する角突起19を設けている。上部空気吸込みパネル5を室内ユニットに取り付けるときには、図10に示すと同様に上部空気吸込みパネル5の水平な奥側部分d1の先端部をのせて、上部空気吸込みパネル5の手前側を若干上向きに押し込むことにより、上部空気吸込みパネル5はパネルガイド15bをスライドして上昇する。そしてL字突起20が角突起19に当接すると、角突起19の傾斜面に沿ってL字突起20が上昇して角突起19を乗り越え、図13のようにL字突起20と角突起19が係合する。上部空気吸込みパネル5を取り外す場合には、上部空気吸込みパネル5の手前側を角突起19の高さ分持ち上げてから、上部空気吸込みパネル5を手前に引き下ろして取り外すことになる。
【0038】
図8のようにフロントパネル4を開放して取り外し、上部空気吸込みパネル5を取り外すと、室内ユニットの前面部と上面部の2面が開放され、さらにエアフィルター6を取り外すと、室内ユニットの上面部は完全に開放されることになるので、熱交換器7を簡単に清掃することができる。
【0039】
清掃が終わった後、取り外した上部空気吸込みパネル5を化粧カバー本体2に装着する場合には、図9、図10に示すように傾斜しているパネルガイド15bに上部空気吸込みパネル5の先端部をのせて、上部空気吸込みパネル5を押しこむだけで確実に所定の位置に装着させることができる。しかも先に説明したようフロントパネル4を開放しているため、上部空気吸込みパネル5を押しこむ手元を見ながら押しこめるので安心して作業をすることができる。
【0040】
そして上部空気吸込みパネル5の挿入が不完全な場合でも、フロントパネル4を閉めることによりフロントパネル4の先端がクッション18を介して上部空気吸込みパネル5を所定の位置まで押しこむようになるので、上部空気吸込みパネル5の装着状態が不充分なまま空気調和機を運転することはない。そしてフロントパネル4の先端部と上部空気吸込みパネル5の先端部とはクッション18を介して接触させているので、室内ユニット運転時の僅かな振動で上部空気吸込みパネル5が共振して振動することがなく、上部空気吸込みパネル5がパネルガイド15との間で騒音を発するようなことがない。
【0041】
エアフィルター6で室内空気の塵や埃を取りのぞいていても空気調和機を長い間運転していると、送風機8や吹出し風路10、左右風向偏向板11、上下風向偏向板12等に埃が付着してくる。本実施例の空気調和機では、送風機8や吹出し風路10、左右風向偏向板11、上下風向偏向板12等に付着した埃を清掃するときは、図7のようにヒンジ13を支軸にして吹出しユニット3を室内ユニットの前面下部に回動させて開放する。これにより、吹出しユニット3に組み込まれている吹出し風路10、左右風向偏向板11、上下風向偏向板12等が作業者側に開放されるので、それぞれの部品を簡単に掃除することができる。また吹出しユニット3が開放された空間に送風機8が露出してくるので、送風機8も開放された空間から簡単に清掃することができるようになる。
【0042】
以上説明したように、本実施例によれば次のような効果が期待される。
【0043】
フロントパネルが2段階に回動するとともに、室内ユニットから取り外すことのできる室内ユニットにおいて、さらに上部空気吸込みパネルも取り外せるようにしたので、室内ユニットに組み込んだ熱交換器の汚れを簡単に清掃することができ、空気調和機を常に効率よく運転することができる。
【0044】
上部空気吸込みパネルの奥側吸込みパネル部分を水平に構成し、手前側吸込みパネル部分を手前側に低くして斜めに傾斜させているので、生活空間から室内ユニットを見上げた場合、視覚的に室内ユニットを細く見せることができる。
【0045】
取り外し可能な上部空気吸込みパネルの奥側吸込みパネル部分を水平に構成しているので、上部空気吸込みパネルの落下防止の係合が不十分であっても、上部空気吸込みパネルの自重を上部空気吸込みパネルの水平で支持し、上部空気吸込みパネルの落下を防止することができる。
【0046】
取り外し可能な上部空気吸込みパネルの手前側吸込みパネル部分を手前側に低くして斜めに傾斜させていることにより、上部空気吸込みパネルを支持するスライドガイドも同様に手前側部分を斜めに傾斜させて構成しているので、上部空気吸込みパネルを取り付けるときに、上部空気吸込みパネルをのせるスライドガイド部を目で確認することができ、また室内ユニットの下の方から作業ができるので、上部空気吸込みパネルの取り付け作業が確実になり、かつ楽に取り付けることができる。
【0047】
上部空気吸込みパネルの落下防止の係合が不十分で、かつ上部空気吸込みパネルの水平部分で上部空気吸込みパネルの自重を支持できなくて上部空気吸込みパネルが自重で落下する場合でも、落下する上部空気吸込みパネルを第一回動で一旦停止しているフロントパネルが当接して停止させるので、不安定な踏み台や脚立の上にあがって上部空気吸込みパネルを取り外す作業をしている人の頭部や顔面に、急激に近づくことがなく安全であり、安心して作業をすることができる。
【0048】
2段階に回動するフロントパネルの第二回動の任意の位置で、フロントパネルを停止させて上部空気吸込みパネルを取り外せるので、作業しやすい位置で上部空気吸込みパネルを取り外して、上部空気吸込みパネル自身の清掃や熱交換器の清掃を効率良く行なうことができる。
【0049】
【発明の効果】
以上本発明によれば、フロントパネルを2段階に回動可能にして取り外すことのできる室内ユニットにおいて、室内ユニット上面部の取り外し可能な上部空気吸込みパネルの取り付け、取り外しの際に、不安定な踏み台や脚立等の上にのって作業する作業者の頭部や顔面に、上部空気吸込みパネルが急激に接近してくることを防止し、安全にして、かつ確実に上部空気吸込みパネルの取り付け、取り外し作業が行なえるようにすることができる。
【0050】
また本発明によれば、室内ユニットの外観意匠を視覚的に小さく見えるようにして、室内壁面の高所に設置された室内ユニットから生活空間に与える圧迫感をできるだけ少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による空気調和機の一実施例による断面説明図。
【図2】同実施例による空気調和機の運転停止時の外観図。
【図3】同実施例による空気調和機の運転時の外観図。
【図4】同実施例による空気調和機の運転時の別な外観図。
【図5】空気調和機を運転した場合の室内空気の流れ説明図。
【図6】フロントパネルを最大に開放した外観図。
【図7】フロントパネルを取り外し、上部空気吸込みパネルを引きだし、吹出しユニットを開放した外観図。
【図8】上部空気吸込みパネルの説明図。
【図9】上部空気吸込みパネルの側面説明図。
【図10】上部空気吸込みパネルのスライド時の説明図。
【図11】単純な平面状の上部空気吸込みパネルの側面説明図。
【図12】単純な平面状の上部空気吸込みパネルのスライド時の説明図。
【図13】上部空気吸込みパネルの係合部の別な実施例の側面図。
【図14】上部空気吸込みパネルの係合部の別な実施例の上面図。
【図15】従来の空気調和機の上部吸込みパネルの説明図。
【符号の説明】
1…箱体本体、2…化粧カバー本体、3…吹出しユニット、4…フロントパネル、5…上部空気吸込みパネル、6…エアフィルター、7…熱交換器、8…送風機、9…露受皿、10…吹出し風路、11…左右風向偏向板、12…上下風向偏向板、13…ヒンジ、14…2軸ヒンジ、15…パネルガイド、16…突起、17…突起受け、18…緩衝材、19…角突起、20…L状突起受け。
【発明の属する技術分野】
本発明は空気調和機の室内ユニットに関するもので、特に高所に配置された室内ユニットの上部空気吸込みパネルの取り外し機構に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
空気調和機の室内ユニットは、室内ユニットの後部を構成する樹脂で成形された箱体本体と、室内ユニットの前面部を構成する化粧カバー本体と、室内ユニットの下面部を構成する吹出しユニットで構成されている。そして、箱体本体には空気調和機の機能部品である熱交換器や送風機、その他の機器が組みこまれていて、化粧カバー本体には正面から室内空気を吸いこむフロントグリルと上面部から室内空気を吸いこむ上部空気吸い込みグリルが設けられ、それらのグリルに対応してエアフィルターが収納されている。また吹出しユニットには、熱交換器で温湿度を調和された空気が流れる吹出し風路が構成されていて、吹出し風路の吹出し口の近傍には風の流れを偏向する風向偏向板が設けられている。そして、正面部のフロントグリルや上面部の上部空気吸込みグリルから室内ユニットに吸いこまれた室内空気は、エアフィルターで塵や埃を取りのぞかれ、熱交換器で温湿度を調和され、送風機で吹出し風路内に送りだされ、風向偏向板で風の流れを偏向されて空気吹出し口から再び室内に吹きだされてくる。
【0003】
一般に空気調和機の室内ユニットは、室内壁面の天井に近い高所に設置されていて、その高所から吹き出す温湿度を調和した空気で、人が生活する室内空間を快適な生活環境に調和してゆくものである。そして室内空気から取りのぞいた塵や埃がエアフィルターに蓄積するのでエアフィルターは定期的に清掃する必要がある。また長い間使用することにより熱交換器や送風機にも埃が付着するので、エアフィルターと同様に熱交換器や送風機も時々清掃する必要がある。しかし空気調和機の室内ユニットは先にも説明したように、室内壁面の天井部に近い高所に設置されているので、踏み台や脚立等上にあがって不安定な状態で清掃をしなければならなかった。
【0004】
これらの清掃や取り扱いの作業性を改善するために、フロントパネルを回転させて室内ユニットの全面下部に垂下させ、エアフィルターや熱交換器の清掃性の改善を図っている。しかし最近の室内ユニットは省エネルギー、高効率化を目指しているので、できるだけ大きな伝熱面積の熱交換器を比較的小さな室内ユニットに組み込む必要が生じている。そのため熱交換器を複数個に分割して、室内ユニットの前面側だけでなく室内ユニットの上面側にも組み込んでいる。室内ユニットの前面側だけに熱交換器が組み込まれている場合は、フロントパネルとエアフィルターを取り外すだけで熱交換器を清掃することができたが、室内ユニットの上面側に熱交換器が組み込まれている場合には、フロントパネルとエアフィルターを取り外しただけでは室内ユニットの上面側に組み込まれた熱交換器を清掃することはできない。この場合には室内ユニット上面部の上部空気吸込みパネルを取り外す必要性が生じてくる。
【0005】
特開平11−23000号公報(従来技術)には、室内ユニット上面部の化粧枠に、コ字状の取り付け用ガイドレールを設け、エアフィルターが取り付けられた上部空気吸込みパネルをガイドレールに係合させて取り付けると共に、手前に引き出すことにより上部空気吸込みパネルを取り外すことが記載されている。そして、この構成により上部吸込みパネルとエアフィルターの清掃を容易にすることができるというものである。
【特許文献1】
特開平11−23000号公報(図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
先に説明したように空気調和機の室内ユニットは、一般に室内壁面の天井部に近い高所に設置されているため、フロントパネルや上部空気吸込みパネルを取り外す場合には、不安定な踏み台や脚立の上にあがって不安定な状態でフロントパネルや上部空気吸込みパネルを取り外し、また不安定な状態で室内ユニットに組み込まれた熱交換器を清掃しなければならなかった。
【0007】
本発明はフロントパネルを2段階に回動可能にして取り外すことのできる室内ユニットにおいて、室内ユニット上面部の取り外し可能な上部空気吸込みパネルの取り付け、取り外しの際に、不安定な踏み台や脚立等の上にのって作業する作業者の頭部や顔面に、上部空気吸込みパネルが急激に接近してくることを防止し、安全にして、かつ確実に上部空気吸込みパネルの取り付け、取り外し作業が行なえるようにするものである。
【0008】
また本発明の別な目的とするところは、室内ユニットの外観意匠を視覚的に小さく見えるようにして、室内壁面の高所に設置された室内ユニットから生活空間に与える圧迫感をできるだけ少なくすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、室内ユニット箱体内部に収納された熱交換器及び送風機と、外観意匠を形成する前面部のフロントパネルと、上面部に設けられた上部空気吸込みパネルと、下面部の吹出しユニットとを備えた空気調和機において、前記前面部のフロントパネルを2段階に回動させる機構と、室内ユニット上面部の上部空気吸込みパネルを着脱するスライド機構とを備えることにより達成される。
【0010】
特に、前記上部空気吸込みパネルがスライドして挿入されるスライド機構の奥側部分を水平に、手前側部分を手前側に低くして斜めに傾斜させたものである。
【0011】
また、前記フロントパネルを回動させてフロントパネルの上端部が前記室内ユニット本体から離間させて前記上部空気吸込みパネルを取り外せるようにしたものである。
【0012】
また、前記上部空気吸込みパネルが自重で自然にスライドしたときに、第一回動の停止位置で停止しているフロントパネルに当接させることで前記上部空気吸込みパネルを停止させるようにしたものである。
【0013】
また、前記フロントパネルは第二回動の任意な位置で停止させることができるものであり、このフロントパネルを前記任意の位置で停止させて前記上部空気吸込みパネルを取り外すことができるようにしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細について一実施例をもとに図により説明する。
【0015】
図1は本発明による空気調和機の一実施例による断面説明図、図2は同実施例による空気調和機の運転停止時の外観図、図3は同実施例による空気調和機の運転時の外観図、図4は同実施例による空気調和機の運転時の別な外観図、図5は空気調和機を運転した場合の室内空気の流れ説明図、図6はフロントパネルを最大に開放した外観図、図7はフロントパネルを取り外し、上部空気吸込みパネルを引きだし、吹出しユニットを開放した外観図、図8は上部空気吸込みパネルの説明図である。
【0016】
図1において、1は箱体本体、2は化粧カバー本体、3は吹出しユニット、4はフロントパネル、5は上部空気吸込みパネル、6はエアフィルター、7は熱交換器、8は送風機、9は露受皿、10は吹出し風路、11は左右風向偏向板、12は上下風向偏向板、13はヒンジ、14は2軸ヒンジを示している。そして、位置aのフロントパネル4はフロントパネルが閉じた状態を示し、位置bのフロントパネル4は第一回動で停止した状態を示し、位置cのフロントパネル4は最大に開放した状態を示している。また、位置dの上下風向偏向板12は空気調和機が運転を停止している状態を示し、位置eの上下風向偏向板12は空気調和機が運転をしている状態を示している。
【0017】
本実施例における空気調和機の室内ユニットは次のように構成されている。すなわち、箱体本体1と化粧カバー本体2および吹出しユニット3とで室内ユニットを構成している。箱体本体1には複数に分割された熱交換器7および本図では明記していないがその他の冷凍サイクル部品や電気品等と、送風機8が組みこまれている。また化粧カバー本体2の正面部は、室内ユニットの外観意匠の美観を向上させるため表面の凹凸をなくしてフラットな面で形成されたフロントパネル4が設けられていて、フロントパネル4は下端部に設けた回動機構の2軸ヒンジ14を介して回動できるように取り付けられている。そして化粧カバー本体2の上面部には、室内空気を吸いこむ上部空気吸込みパネル5がスライドして取り外せるように組みこまれている。またフロントパネル4や上部空気吸込みパネル5の内側に対応して、エアフィルター6が熱交換器7を被うように化粧カバー本体2に取り外し可能な状態で組みこまれている。フロントパネル4を開放してエアフィルター6の下端部を指でつまんで引きおろすことにより、エアフィルター6は化粧カバー本体2から容易に取り外すことができるようになっている。また、室内ユニットの下面部には、左右風向偏向板11、上下風向偏向板12を組みこんだ吹出し風路10を有する吹出しユニット3が箱体本体1にヒンジ13を介して回動可能に取り付けられている。
【0018】
そして本実施例の取り外し可能な上部空気吸込みパネル5は、図8、図9に示すように、上部空気吸込みパネル5の奥側部分d1を水平にし、手前側部分d2を手前側に高さh分低くして斜めに傾斜させた形状になっている。上部空気吸込みパネル5の手前側を低くくしたことにより、単純な平面状で室内ユニットに水平に組み込んだ場合に対し、生活空間から見上げた室内ユニットの視覚的な大きさをより小さく見せることができる。室内ユニットの大きさが小さく見えるため、室内の上部空間から室内ユニットが生活空間に与える圧迫感が少なくなり生活環境を改善することができる。
【0019】
図2は空気調和機が運転を停止している状態の室内ユニットの外観図である。壁面の上部に設置されて視覚的に小さく見える室内ユニットは、その前面部を表面の凹凸をなくしたフラットな面で構成されたフロントパネル4で被われ、下面部は吹出し風路10を遮蔽するやはり凹凸のないフラットな面で構成された上下風向偏向板12で被われている。外観全体に凹凸のないフラットでシンプルな意匠の室内ユニットは、室内上部空間から生活空間に与える圧迫感が少なくなるとともに、シンプルな意匠により室内に配置した他の家具や調度品と違和感なく調和させることができるようになる。
【0020】
図3は空気調和機を運転している状態の室内ユニットの外観図、図4は空気調和機を運転しているときの室内ユニットの別な状態の外観図、図5は空気調和機を運転した場合の室内空気の流れ説明図である。
【0021】
室内ユニットの電源をオンにして空気調和機を運転すると、送風機8が回転して室内空気を上部空気吸込みパネル5から室内ユニット内に吸いこみ、エアフィルター6で空気中の塵や埃を取りのぞき、吸い込んだ室内空気の温湿度を熱交換器7で調和することになる。そして調和された室内空気は、送風機8を貫流して吹出し風路10に送りだされ、左右風向偏向板11や上下風向偏向板12で空気の流れを偏向されて、塵や埃を取りのぞいた温湿度の調和された空気として再び室内に吹きだされる。この室内空気の流れを繰りかえすことにより室内空間が、人が生活するために快適な状態に調和されてゆくことになる。
【0022】
そして本実施例の室内ユニットでは、フロントパネル4を第一回動で図5の位置aから位置bに開放して停止することができるので、フロントパネル4を位置bに開放した状態で空気調和機を運転することができる。その場合には図5の実線矢印の上部空気吸込みパネル5からだけでなく、位置bに開放したフロントパネル4の上方部からも破線矢印のように、室内空気を吸い込むことができるようになる。破線矢印のように室内空気を吸い込むことにより、いままで露受皿9の近くに配置されていて室内空気が流れにくかった熱交換器7aの下半部分にも、破線矢印で示すように室内空気が流れるようになり、熱交換器7aが効果的に機能し、熱交換器7全体としての熱交換効率が向上する。その結果、空気調和機の冷房能力や暖房能力が増加することになる。フロントパネル4を位置bに開放して空気調和機を運転することは、室内空間を短時間で急速に冷暖房するような場合の運転に適している。しかもフロントパネル4を位置bに開放した状態で運転していても、生活空間から室内ユニットを見あげた場合、室内ユニットの内部はフロントパネル4で遮られて見えないので外観意匠の美観を損なうことがない。
【0023】
空気調和機を長い時間運転していると、先にも説明したようにエアフィルター6は室内空気中の塵や埃を取りのぞく部品であるため、エアフィルター6の表面に塵や埃が蓄積して室内空気の通りが悪くなり、熱交換器7と熱交換する室内空気の吸いこみ量が減少し、結果として空気調和機の効率が悪くなる。また、エアフィルター6に塵や埃を蓄積したまま運転をつづけると、空気調和機の効率が悪くなるばかりでなく、エアフィルター6で取りきれなくなった塵や埃が室内ユニット内部に侵入して熱交換器7に付着し、熱交換器7の熱交換効率を悪くし、空気調和機の性能を低下させることになる。
【0024】
これを防止するため、定期的にエアフィルター6を清掃する必要がある。しかし空気調和機の室内ユニットは室内壁面の天井部に近い高所に設置されているので、エアフィルー6を清掃するためには踏み台や脚立等の上にあがって不安定な状態でエアフィルター6を取り外さなければならない。
【0025】
本実施例では、エアフィルター6の取り外し作業性や清掃性を容易にするため、室内ユニット前面部のフロントパネル4を回動可能な状態で室内ユニットに組み込み、フロントパネル4を一気に開放するのでなく、2段階に分けて回動させ、第一回動でフロントパネル4の回動を一旦停止させている。すなわち、フロントパネルは本体下部に軸支(図では2軸ヒンジではあるが1軸でも良い)され、この軸を中心に上部が本体から離れるように回動する。そして、フロントパネル4が閉じているときのフロントパネル4の上端部が約180度反転して下になることで開く。そして、この状態でフロントパネル4を回動させて取り外すことにより、エアフィルター6や吹出しグリル3の清掃性は向上するが、本実施例の目的とするところはさらに室内ユニットに組み込んだ熱交換器の清掃作業性を容易にすることにある。そのため2段階に回動するフロントパネル4を組み込んだ室内ユニットの上部空気吸込みパネル5を、スライドさせて取り外せるようにするとともに、上部空気吸込みパネル5の取り外し時および取り付け時の作業性を容易で確実な構成にしている。
【0026】
フロントパネル4を開放するには室内ユニットが壁面高所に取り付けられているので、不安定な踏み台や脚立等の上にあがって作業をしなければならない。そしてさらにそれよりも上にある室内ユニット最上部の上部空気吸込みパネル5は、不安定な踏み台や脚立等の上にあがっても上部空気吸込みパネル5全体を見通すことができないので、感に頼る作業となりやすい。そのためエアフィルター6を清掃するにあたって室内ユニット前面部のフロントパネル4を開放するときに、一気に開放させるのでなく、フロントパネル4を2段階に分けて回動させている。すなわち第一回動では、不安定な踏み台や脚立等の上にあがって、エアフィルター6の取り外しをする作業者の頭部や顔面に向かって回動してくるフロントパネル4を、図1に示す位置bで一旦停止させて作業者の頭部や顔面にあたらないようにしている。そして更にフロントパネル4を位置bから位置cまで開放する第二回動で、フロントパネル4は作業者に向って突出してくることになる。そのため第二回動では、回動に制動力をかけてフロントパネル4が慣性力で急激に回動しないようにしている。
【0027】
これにより、フロントパネル4は位置bで一旦停止するのでエアフィルター6の取り外しをする作業者に向って急激に接近することがなく、取り外しをする作業者の頭部や顔面を直撃することがない。また第一回動では制動力をかけていないので、化粧カバー本体2に係合しているフロントパネル4を化粧カバー本体2から引きはなす最初の開放力を小さくすることができる。そして一旦停止した状態から更にフロントパネル4を開放するためには、室内ユニットから突出しているフロントパネル4の一部に手をかけて自分の意志で押しさげることになるので、突出してくるフロントパネル4を意識しながら押しさげるので不安感を感じないで開放することができる。また第二回動時には制動をかけて回動させているので、フロントパネル4が急激に突出したり、室内ユニットの前面下部に急激に垂下したりすることがなく、安心してフロントパネル4を開放することができる。
【0028】
また第二回動時には、フロントパネル4の回動に制動力がかかっていいるので、フロントパネル4を任意な位置で停止させることができ、その位置でフロントパネル4を取り外すことができるようになっている。これによりフロントパネル4を最大に開放するすることなく、第二回動時の作業しやすい位置でフロントパネル4を取り外せるので、安全性や作業効率を向上させることができる。
【0029】
第一回動時には制動力がかかっていないので、制動力に対抗する力を加えることなく、化粧カバー本体2に係合している力を越える僅かな力をフロントパネル4に加えるだけで、フロントパネル4を化粧カバー本体2から開放することができる。またフロントパネル4は一旦所定位置bで停止するために、フロントパネル4を開放する作業者の頭や顔面にあたることがない。
【0030】
また第二回動時には制動力がかかっているので、フロントパネル4を開放している作業者にフロントパネル4が不意に突出してくることがない。さらにフロントパネル4を開放する場合は、作業者自身が意識しながらフロントパネル4を押しさげることになるので、フロントパネル4が作業者側に突出してきても突出してくることを認識しているので安全である。フロントパネル4は第二回動の任意の位置で停止するので、フロントパネル4を完全に開放しなくても、取り外し作業のしやすい位置で取り外すことができる。
【0031】
そして空気調和機をさらに長い間運転していると熱交換器7も汚れてくるので、空気調和機の性能を維持するためには熱交換機7の清掃も必要になってくる。そのため本発明の空気調和機では、室内ユニットの上部空気吸込みパネル5を図7、図8のようにスライドさせて取り外すことができるようにしている。
【0032】
図15に示す従来技術においては、エアフィルター31を前面部と上面部との2部品に分割し、正面部のエアフィルターは前面フロントパネルの下部の隙間から引きだし、上面部のエアフィルター31は上部空気吸込みパネル30に装着したまま上部空気吸込みパネル30と一緒に引きだして抜きとり、エアフィルター31および上部空気吸込みパネル30をそれぞれ清掃していた。また上部空気吸込みパネル30が取り外されることにより、室内ユニットの上部が開放され、開放された空間から室内ユニット内部の熱交換器を清掃することができるようになっていた。
【0033】
しかし上部空気吸込みパネル30に対応するエアフィルター31をフロントパネルと対応するエアフィルターと別部品としていたため、部品点数が増え、エアフィルター31を製作する金型が増え製品の価格を高くするとともに、エアフィルターを別々に洗わなければならず清掃作業性を悪いものにしていた。
【0034】
またエアフィルター31を上部空気吸込みパネル30と一緒に取り外す作業においても、上部空気吸込みパネル30は室内ユニットのさらに上部にあるため踏み台や脚立の上にあがっても、上部空気吸込みパネル30を引きだすために作業をする手元が見えないので、上部空気吸込みパネル30をスライドさせて引きだすだけでも容易な作業ではなかった。
【0035】
本実施例の空気調和機では、エアフィルター6は前面部も上面部も一体で成形して、部品点数を少なくして製作金型を少なくし、製造コストを安くして、清掃作業性のよい室内ユニットを提供している。図6に示すようにフロントパネル4を開放することにより、上部空気吸込みパネル5の前面部が室内ユニットの正面に露出するので、上部空気吸込みパネル5が室内ユニットの最上部にあっても作業をする手元を見ながら、上部空気吸込みパネル5を引きだすことができる。また上部空気吸込みパネル5の挿入が不充分な状態でフロントパネル4を開放したときでも、パネルガイド15から自重でスライドしてきた上部空気吸込みパネル5は、フロントパネル4が一旦停止する第一回動の位置aでフロントパネル4に当接して停止するので、上部空気吸込みパネル5が不安定な踏み台や脚立等の上にあがって開放作業をしている作業者の頭や顔面を直撃することがない。そして上部空気吸込みパネル5を、図11のように単純な平面状にして傾斜させて室内ユニットに組み込んだ場合には、突起16’と突起受け17’の係合が不充分なときには上部空気吸込みパネル5がその自重によりスライドすることが考えられるが、本実施例の上部空気吸込みパネル5では、図9に示すように上部空気吸込みパネル5の奥側部分d1を水平に構成してきるので、万が一突起16と突起受け17の係合が不充分であっても、上部空気吸込みパネル5の水平な奥側部分d1に支えられて自然にスライドすることはない。そして上部空気吸込みパネル5の手前側部分d2が手前側を高さh分低くして斜めに傾斜させているため、上部空気吸込みパネル5を支持するパネルガイド15も同様に、奥側部分に相当するパネルガイド15aは水平に構成し、手前側部分に相当するパネルガイド15bを手前側に高さh分低くして斜めに傾斜させている。したがって取り外した上部空気吸込みパネル5を取り付ける場合には、図10のように手前に傾斜したパネルガイド15bの上に上部空気吸込みパネル5の奥側部分d1の先端部をのせて、上部空気吸込みパネル5の手前側を若干上向きに押し込むだけで、上部空気吸込みパネル5はパネルガイド15bをスライドして上昇し、所定の位置に上部空気吸込みパネル5を挿入することができるようになる。上部空気吸込みパネル5の奥側部分d1の先端部をのせるパネルガイド15bが、上部空気吸込みパネル5の水平な奥側部分d1の2点鎖線面より低くなって傾斜しているので、先端部をのせるパネルガイド15bを目で確認でき、また下から作業ができるので挿入が容易になる。図11の単純な平板状の上部空気吸込みパネル5’を水平にして室内ユニットに組み込んだ図12の場合には、突起16’と突起受け17’の係合が不充分であっても上部空気吸込みパネル5’が自重で自然に落下するようなことはない。しかし一度取り外した上部空気吸込みパネル5’を取り付ける場合、作業者は室内ユニットの天井面に相当する2点鎖線より上の見えないパネルガイド15’に上部空気吸込みパネル5’の先端部をのせて、手を高く上げたまま勘に頼って上部空気吸込みパネル5’を室内ユニットの奥方向へ押し込まなければならない。上部空気吸込みパネル5’をのせるパネルガイド5’が見えないことにより不安を感じ、また手を伸ばした状態で作業を続けるので上部空気吸込みパネル5’の挿入作業はかなり疲れる作業となる。
【0036】
また本実施例ではパネルガイド15に設けた突起16と、それと係合する上部空気吸込みパネル5に設けた突起受け17の形状を半円形にして、取り付け、取り外し時の突起の引っ掛かり具合を滑らかにしている。しかし引っ掛かり具合を滑らかにすることは、上部空気吸込みパネル5に何らかの力がかかったときに外れ易いことにもつながる。そのため上部空気吸込みパネル5とパネルガイド15の引っ掛かりを確実にする方法として、図13、図14に示す形状が考えられる。
【0037】
すなわち図14に示すように、上部空気吸込みパネル5の上面から見た場合に上部空気吸込みパネル5の側面に突出する形で、側面から見た場合には図12のようにL字状になるL字突起受け20を設けている。そしてパネルガイド15にはL字突起20と係合する角突起19を設けている。上部空気吸込みパネル5を室内ユニットに取り付けるときには、図10に示すと同様に上部空気吸込みパネル5の水平な奥側部分d1の先端部をのせて、上部空気吸込みパネル5の手前側を若干上向きに押し込むことにより、上部空気吸込みパネル5はパネルガイド15bをスライドして上昇する。そしてL字突起20が角突起19に当接すると、角突起19の傾斜面に沿ってL字突起20が上昇して角突起19を乗り越え、図13のようにL字突起20と角突起19が係合する。上部空気吸込みパネル5を取り外す場合には、上部空気吸込みパネル5の手前側を角突起19の高さ分持ち上げてから、上部空気吸込みパネル5を手前に引き下ろして取り外すことになる。
【0038】
図8のようにフロントパネル4を開放して取り外し、上部空気吸込みパネル5を取り外すと、室内ユニットの前面部と上面部の2面が開放され、さらにエアフィルター6を取り外すと、室内ユニットの上面部は完全に開放されることになるので、熱交換器7を簡単に清掃することができる。
【0039】
清掃が終わった後、取り外した上部空気吸込みパネル5を化粧カバー本体2に装着する場合には、図9、図10に示すように傾斜しているパネルガイド15bに上部空気吸込みパネル5の先端部をのせて、上部空気吸込みパネル5を押しこむだけで確実に所定の位置に装着させることができる。しかも先に説明したようフロントパネル4を開放しているため、上部空気吸込みパネル5を押しこむ手元を見ながら押しこめるので安心して作業をすることができる。
【0040】
そして上部空気吸込みパネル5の挿入が不完全な場合でも、フロントパネル4を閉めることによりフロントパネル4の先端がクッション18を介して上部空気吸込みパネル5を所定の位置まで押しこむようになるので、上部空気吸込みパネル5の装着状態が不充分なまま空気調和機を運転することはない。そしてフロントパネル4の先端部と上部空気吸込みパネル5の先端部とはクッション18を介して接触させているので、室内ユニット運転時の僅かな振動で上部空気吸込みパネル5が共振して振動することがなく、上部空気吸込みパネル5がパネルガイド15との間で騒音を発するようなことがない。
【0041】
エアフィルター6で室内空気の塵や埃を取りのぞいていても空気調和機を長い間運転していると、送風機8や吹出し風路10、左右風向偏向板11、上下風向偏向板12等に埃が付着してくる。本実施例の空気調和機では、送風機8や吹出し風路10、左右風向偏向板11、上下風向偏向板12等に付着した埃を清掃するときは、図7のようにヒンジ13を支軸にして吹出しユニット3を室内ユニットの前面下部に回動させて開放する。これにより、吹出しユニット3に組み込まれている吹出し風路10、左右風向偏向板11、上下風向偏向板12等が作業者側に開放されるので、それぞれの部品を簡単に掃除することができる。また吹出しユニット3が開放された空間に送風機8が露出してくるので、送風機8も開放された空間から簡単に清掃することができるようになる。
【0042】
以上説明したように、本実施例によれば次のような効果が期待される。
【0043】
フロントパネルが2段階に回動するとともに、室内ユニットから取り外すことのできる室内ユニットにおいて、さらに上部空気吸込みパネルも取り外せるようにしたので、室内ユニットに組み込んだ熱交換器の汚れを簡単に清掃することができ、空気調和機を常に効率よく運転することができる。
【0044】
上部空気吸込みパネルの奥側吸込みパネル部分を水平に構成し、手前側吸込みパネル部分を手前側に低くして斜めに傾斜させているので、生活空間から室内ユニットを見上げた場合、視覚的に室内ユニットを細く見せることができる。
【0045】
取り外し可能な上部空気吸込みパネルの奥側吸込みパネル部分を水平に構成しているので、上部空気吸込みパネルの落下防止の係合が不十分であっても、上部空気吸込みパネルの自重を上部空気吸込みパネルの水平で支持し、上部空気吸込みパネルの落下を防止することができる。
【0046】
取り外し可能な上部空気吸込みパネルの手前側吸込みパネル部分を手前側に低くして斜めに傾斜させていることにより、上部空気吸込みパネルを支持するスライドガイドも同様に手前側部分を斜めに傾斜させて構成しているので、上部空気吸込みパネルを取り付けるときに、上部空気吸込みパネルをのせるスライドガイド部を目で確認することができ、また室内ユニットの下の方から作業ができるので、上部空気吸込みパネルの取り付け作業が確実になり、かつ楽に取り付けることができる。
【0047】
上部空気吸込みパネルの落下防止の係合が不十分で、かつ上部空気吸込みパネルの水平部分で上部空気吸込みパネルの自重を支持できなくて上部空気吸込みパネルが自重で落下する場合でも、落下する上部空気吸込みパネルを第一回動で一旦停止しているフロントパネルが当接して停止させるので、不安定な踏み台や脚立の上にあがって上部空気吸込みパネルを取り外す作業をしている人の頭部や顔面に、急激に近づくことがなく安全であり、安心して作業をすることができる。
【0048】
2段階に回動するフロントパネルの第二回動の任意の位置で、フロントパネルを停止させて上部空気吸込みパネルを取り外せるので、作業しやすい位置で上部空気吸込みパネルを取り外して、上部空気吸込みパネル自身の清掃や熱交換器の清掃を効率良く行なうことができる。
【0049】
【発明の効果】
以上本発明によれば、フロントパネルを2段階に回動可能にして取り外すことのできる室内ユニットにおいて、室内ユニット上面部の取り外し可能な上部空気吸込みパネルの取り付け、取り外しの際に、不安定な踏み台や脚立等の上にのって作業する作業者の頭部や顔面に、上部空気吸込みパネルが急激に接近してくることを防止し、安全にして、かつ確実に上部空気吸込みパネルの取り付け、取り外し作業が行なえるようにすることができる。
【0050】
また本発明によれば、室内ユニットの外観意匠を視覚的に小さく見えるようにして、室内壁面の高所に設置された室内ユニットから生活空間に与える圧迫感をできるだけ少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による空気調和機の一実施例による断面説明図。
【図2】同実施例による空気調和機の運転停止時の外観図。
【図3】同実施例による空気調和機の運転時の外観図。
【図4】同実施例による空気調和機の運転時の別な外観図。
【図5】空気調和機を運転した場合の室内空気の流れ説明図。
【図6】フロントパネルを最大に開放した外観図。
【図7】フロントパネルを取り外し、上部空気吸込みパネルを引きだし、吹出しユニットを開放した外観図。
【図8】上部空気吸込みパネルの説明図。
【図9】上部空気吸込みパネルの側面説明図。
【図10】上部空気吸込みパネルのスライド時の説明図。
【図11】単純な平面状の上部空気吸込みパネルの側面説明図。
【図12】単純な平面状の上部空気吸込みパネルのスライド時の説明図。
【図13】上部空気吸込みパネルの係合部の別な実施例の側面図。
【図14】上部空気吸込みパネルの係合部の別な実施例の上面図。
【図15】従来の空気調和機の上部吸込みパネルの説明図。
【符号の説明】
1…箱体本体、2…化粧カバー本体、3…吹出しユニット、4…フロントパネル、5…上部空気吸込みパネル、6…エアフィルター、7…熱交換器、8…送風機、9…露受皿、10…吹出し風路、11…左右風向偏向板、12…上下風向偏向板、13…ヒンジ、14…2軸ヒンジ、15…パネルガイド、16…突起、17…突起受け、18…緩衝材、19…角突起、20…L状突起受け。
Claims (5)
- 室内ユニット箱体内部に収納された熱交換器及び送風機と、外観意匠を形成する前面部のフロントパネルと、上面部に設けられた上部空気吸込みパネルと、下面部の吹出しユニットとを備えた空気調和機において、前記前面部のフロントパネルを2段階に回動させる機構と、室内ユニット上面部の上部空気吸込みパネルを着脱するスライド機構とを備えた空気調和機。
- 請求項1において、前記上部空気吸込みパネルがスライドして挿入されるスライド機構の奥側部分を水平に、手前側部分を手前側に低くして斜めに傾斜させた空気調和機。
- 請求項1において、前記フロントパネルを回動させてフロントパネルの上端部が前記室内ユニット本体から離間させて前記上部空気吸込みパネルを取り外せるようにした空気調和機。
- 請求項3において、前記上部空気吸込みパネルが自重で自然にスライドしたときに、第一回動の停止位置で停止しているフロントパネルに当接させることで前記上部空気吸込みパネルを停止させるようにした空気調和機。
- 請求項3において、前記フロントパネルは第二回動の任意な位置で停止させることができるものであり、このフロントパネルを前記任意の位置で停止させて前記上部空気吸込みパネルを取り外すことができるようにした空気調和機。
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- 2002-09-13 JP JP2002267535A patent/JP2004101149A/ja active Pending
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