JP2004097119A - 液状飲食品用組成物および飲食品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)カゼインナトリウム0.1〜6重量%、(B)乳清たんぱく質0.1〜6重量%、(C)乳たんぱく質0.1〜7重量%、(D)粉乳0.1〜5重量%、および(E)水を主成分として含有する液状飲食品組成物。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状飲食品用組成物に関する。さらに詳細には、カゼインナトリウム、乳清たんぱく質、乳たんぱく質、粉乳を主成分として含有する液状飲食品用組成物に関する。
また、本発明は、前記液状飲食品用組成物を含有する飲食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
カゼインナトリウム、乳清たんぱく質、乳たんぱく質は栄養価の高いたんぱく質原料である。このうちカゼインナトリウムは、乳化安定性を高めることにも寄与するため、液状飲食品、特に濃厚流動食にはよく使用されている。また、乳清たんぱく質は吸収が良く、分岐鎖アミノ酸も多く含まれていることから、濃厚流動食によく使用される原料の一つである。乳たんぱく質はカルシウム源としても評価の高い原料である。また、粉乳には全脂粉乳や脱脂粉乳があり、その風味が良好であることから経口用液状飲食品に配合した場合、飲食品の風味の評価を高めることができる。
従って、これまでにも、吸収性や乳化安定性および風味の優れたたんぱく質原料を選択してたんぱく質含量の高い液状飲食品を調製するために、カゼインナトリウム、乳清たんぱく質、乳たんぱく質や粉乳を使用した液状飲食品についての技術が開示されている。特開平8−196236号公報には、カゼインナトリウムと乳たんぱく質を使用した液状栄養食が開示されている。このように、たんぱく質を補給できる原料を組み合わせて使用した製品は、これまでにも多く製品化されている。
しかし、これまでの液状飲食品は、高たんぱく質であってもたんぱく質臭が感じられて風味が良好ではなかったり、あるいは乳化安定性が優れていても風味が良好ではなかったり、逆に風味が良好ではあるがたんぱく質含量が低かったり、もしくは乳化安定性が低かったりした。このように、(1)高たんぱく質であること、(2)乳化安定性が良好であること、(3)風味が良好であり嗜好性に優れていること、の3つのバランスが取れた液状飲食品、特に濃厚流動食はこれまで存在しなかった。
さらに言えば、カゼインナトリウム、乳清たんぱく質、乳たんぱく質および粉乳のたんぱく質原料4種類を全て組み合わせて使用し、たんぱく質含量7g以上/100mLを実現して、しかも風味と乳化安定性に非常に優れた高たんぱく質の液状飲食品、特に濃厚流動食は存在しなかった。
この理由として、たんぱく質原料の添加量を増やしていくと、たんぱく質臭も増加していくため、たんぱく質含量7g/100mL以上の高たんぱく質の液状飲食品を調製する場合、香料添加のみではたんぱく質臭のマスキングが十分とは言えない、ということが挙げられる。特に保存期間が長くなるにつれ、あるいは保存温度が高くなるにつれてたんぱく質臭が顕著になっていくため、たんぱく質臭の十分なマスキングが必要である。そこで、たんぱく質臭のマスキングを行うために、香料のみではなく、呈味原料の添加が重要となる。この呈味原料として液状飲食品では果汁やエキスなどの素材がたんぱく質臭のマスキングや風味向上に非常に有効である。しかし、たんぱく質原料を多く添加する場合の乳化安定性を保持するためには、果汁のようなpHの変動する原料、特にpHの酸性が強いような原料を添加することは極めて難しい。果汁などを添加する場合、pHが酸性側になり、加熱殺菌後にたんぱく質の凝集や沈殿が生じるという問題があった。従って、たんぱく質含量が7g/100mL以上の高たんぱく質で、しかも乳化安定性に優れ、風味が非常に良好な濃厚流動食が求められていたが、十分満足すべき性能が得られていないのが現状である。
【特許文献1】
特開平8−196236号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、たんぱく質含量が高く、なおかつ風味が優れており、しかも乳化安定性の高い液状飲食品用組成物を提供することにある。特に、酸性果汁等を配合した場合にも優れた乳化安定性を示す液状飲食品用組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、前記組成物を含有する飲食品を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、カゼインナトリウム、乳清たんぱく質、乳たんぱく質、粉乳の4種類のたんぱく質原料に加えて、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、有機酸モノグリセリド、油脂、果汁、水、を配合することによって、たんぱく質含量が、7g/100mLと高いにも関わらず、乳化安定性が良く、しかも風味が良好であり嗜好性に優れた液状飲食品用組成物を得ることができるという知見を得て、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、次の(1)〜(4)である。
たんぱく質含量が7g/100mL以上と高く、風味が良好であり嗜好性に優れ、しかも乳化安定性の良い液状飲食品用組成物である。
(1)(A)カゼインナトリウム0.1〜6重量%、(B)乳清たんぱく質0.1〜6重量%、(C)乳たんぱく質0.1〜7重量%、(D)粉乳0.1〜5重量%、(E)水を主成分とする液状飲食品用組成物。
(2)(A)カゼインナトリウム0.1〜6重量%、(B)乳清たんぱく質0.1〜6重量%、(C)乳たんぱく質0.1〜7重量%、(D)粉乳0.1〜5重量%、(F)リン酸ナトリウム0.01〜0.5重量%、(G)クエン酸ナトリウム0.01〜0.5重量%、(H)クエン酸カリウム0.01〜0.5重量%、(I)有機酸モノグリセリド0.01〜1.0重量%、(J)油脂0.01〜5重量%、(K)果汁1〜20重量%、(E)水を主成分とする液状飲食品用組成物。
(3)[(A)カゼインナトリウム+(B)乳清たんぱく質+(C)乳たんぱく質+(D)粉乳]のたんぱく質含量/(E)水、が7g/100mL以上である液状飲食品用組成物。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物を含有する飲食品。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の液状飲食品用組成物は、(A)カゼインナトリウム0.1〜6重量%、(B)乳清たんぱく質0.1〜6重量%、(C)乳たんぱく質0.1〜7重量%、(D)粉乳0.1〜5重量%、および(E)水を主成分として含有することを特徴とする。
本発明に用いる(A)成分のカゼインナトリウムは、カゼインのナトリウム塩であり、いずれのメーカーのものでも食品添加物のカゼインナトリウムであれば使用できる。カゼインナトリウムは液状飲食品用組成物の乳化安定性に必要なたんぱく質原料であり、その含有量が液状飲食品用組成物中0.1〜6重量%であれば、調製直後の乳化状態は良好である。さらに、カゼインナトリウムが好ましくは1〜3重量%であれば、40℃30日間の保存後も風味にたんぱく質臭が生じることがなく、しかも乳化安定性が良好である。
次に、本発明に用いる(B)成分の乳清たんぱく質はラクトアルブミンとも言われ、ホエーを限外ろ過などにより低分子の乳糖、無機質および水を除き、たんぱく質含量75%以上に濃縮して得られたものである。乳清たんぱく質は液状飲食品用組成物のたんぱく質源として必要なたんぱく質原料であり、その含有量が、液状飲食品用組成物中0.1〜6重量%であれば、調製直後の乳化状態にほとんど影響を及ぼさない。さらに、乳清たんぱく質が好ましくは1〜4重量%であれば、さらに乳化安定性には全く影響を及ぼさず、40℃30日間の保存後も、乳化状態は良好である。
また、(C)成分の乳たんぱく質としては、例えば脱脂粉乳より乳糖を除いたものなどを使用することができる。乳たんぱく質は、液状飲食品用組成物のたんぱく質源として必要なたんぱく質原料であり、非常に呈味性やコク味の付与にも優れていることから、嗜好性の高い液状飲食品用組成物を製造する場合には有効な原料である。かつカルシウム源としても非常に有効なたんぱく質原料である。この乳たんぱく質の含有量が、液状飲食品用組成物中0.1〜7重量%であれば、調製直後の乳化状態にほとんど影響を及ぼさない。さらに、乳たんぱく質が好ましくは1〜5重量%であれば、40℃30日間の保存後も風味や乳化安定性には全く影響を及ぼさず、乳化状態は良好である。
(D)成分の粉乳は、牛乳を乾燥した全脂粉乳と、脱脂乳を乾燥した脱脂粉乳、牛乳にショ糖を加えて乾燥した加糖粉乳があるが、いずれの粉乳を使用しても良い。粉乳は、非常に呈味性に優れており、コク味の付与に必要であることから、液状飲食品用組成物の嗜好性を高めるのに、非常に有効なたんぱく質原料である。この粉乳の含有量が、液状飲食品用組成物中0.1〜5重量%であれば、調製直後の乳化状態にほとんど影響を及ぼさない。さらに、粉乳が好ましくは0.5〜4重量%であれば、乳化安定性には全く影響を及ぼさず、しかも呈味感のある嗜好性の優れた液状飲食品用組成物を調製することができ、40℃30日間の保存後も、乳化状態は良好である。
これらのたんぱく質原料を(E)成分の水に溶解させ、液状飲食品用組成物を調製する。(E)成分の水としては例えば、イオン交換水、蒸留水、精製水や天然水等が挙げられる。
【0006】
また本発明の液状飲食品用組成物は、さらに(F)リン酸ナトリウム、(G)クエン酸ナトリウム、(H)クエン酸カリウム、(I)有機酸モノグリセリド、(J)油脂、(K)果汁を含有する。
(F)成分のリン酸ナトリウムとしては、リン原子とナトリウム原子を含み、食用に用いられるものであれば、特に制限はないが、例えばリン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウムやヘキサメタリン酸ナトリウムなどを挙げることができる。リン酸ナトリウムを0.01〜0.5重量%、より好ましくは0.02〜0.3重量%添加することによって、乳化安定性の良好な液状飲食品用組成物を調製することができる。
(G)成分のクエン酸ナトリウムとしては、クエン酸分子とナトリウム原子を含み、食用に用いられるものであれば、特に制限はないが、例えばクエン酸三ナトリウムを挙げることができる。クエン酸ナトリウムを0.01〜0.5重量%、より好ましくは0.02〜0.3重量%添加することによって、乳化安定性の良好な液状飲食品用組成物を調製することができる。
(H)成分のクエン酸カリウムとしては、クエン酸分子とカリウム原子を含み、食用に用いられるものであれば、特に制限はないが、例えばクエン酸三カリウムを挙げることができる。クエン酸カリウムを0.01〜0.5重量%、より好ましくは0.02〜0.3重量%添加することによって、乳化安定性の良好な液状飲食品用組成物を調製することができる。
(I)成分の有機酸モノグリセリドとしては、クエン酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリドなどを挙げることができ、これらは単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて、予め混合してから使用することもできる。また、その他の乳化剤を組み合わせることも可能である。その他の乳化剤としては、食用に使用されるものであれば特に制限はなく、具体的には、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、サポニンなどを挙げることができる。有機酸モノグリセリドは、液状飲食品用組成物の乳化に必要不可欠な乳化剤であり、特にたんぱく質含量が高い液状飲食品用組成物の場合、有機酸モノグリセリドの添加によりたんぱく変性が抑制され、乳化状態が非常に良好である。この有機酸モノグリセリドの含有量が、液状飲食品用組成物中0.01〜1重量%、より好ましくは0.05〜0.9重量%であれば、乳化状態が良好である。
(J)成分の油脂としては、大豆油、コーン油、紅花油、オリーブ油、バターなどの食用動植物油脂や食用精製加工油脂などを挙げることができる。また、中鎖脂肪、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)を含有油する魚油、α−リノレン酸を含有するしそ油やγ−リノレン酸を含有するボラージ油なども使用できる。これらの油脂を添加することで、製造時の泡立ちを抑制することができ、また有機酸モノグリセリドなどの乳化剤を油脂に一旦溶解してから使用することが可能となる。また風味の面でも、コク味の付与により、嗜好性が高くなる。この油脂の含有量が、液状飲食品用組成物中0.01〜5重量%であれば製造時の泡立ち抑制に効果があり、好ましくは0.02〜4重量%であれば、さらに乳化状態も良好である。
(K)成分の果汁としては、リンゴ果汁、メロン果汁、パイナップル果汁やオレンジ果汁などを挙げることができ、特に果汁の種類の制限はなく、また濃縮果汁を使用しても良い。これらの果汁を液状飲食品用組成物に添加することで呈味感が増し、嗜好性が高くなる。この果汁の含有量が、液状飲食品用組成物中に1〜20重量%、より好ましく2〜16重量%であれば乳化安定性に影響することなく呈味感を付与した液状飲食品用組成物を調製することができる。
【0007】
また、必要に応じて、糖質、ビタミン、ミネラル、エキス、香料などを添加しても良い。
糖質としては、澱粉、デキストリン、オリゴ糖などを使用することができ、嗜好性を向上させるためにショ糖や果糖などによる甘味付与も可能であり、特に糖質の種類の制限はない。
ビタミンとしては、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビタミンKなどが使用でき、これらは1種単独で用いても良いし2種以上を配合して用いても良い。さらに、予め2種以上を組み合わせてミックスしたものを用いるのが作業性の点から好ましい。
ミネラルとしては、カルシウム、マグネシウム、鉄、ナトリウム、カリウム、亜鉛、銅、セレン、クロム、ヨウ素、モリブデンなどを使用することができる。これらのミネラルも、1種単独で用いても良いし、2種以上配合して使用しても良い。予め2種以上を組み合わせてミックスしたものを用いるのが作業性の点から好ましい。
エキスとしては、果物や野菜のエキス、コーヒー、紅茶、煎茶、麦茶やウーロン茶などのお茶のエキス、だしや旨味調味料などを挙げることができる。これらを必要に応じて適宜添加することにより、液状飲食品用組成物に呈味感を付与することができ、風味の向上が可能となる。
香料としては、アップル、メロン、パイナップルなどの果実のフレーバーや、コーヒー、紅茶、抹茶などのお茶のフレーバー、バターフレーバー、クリームフレーバー、ミルクフレーバーなどの乳化状フレーバーを使用することができ、特に種類やメーカーの制限はない。これらの香料を添加することにより、液状飲食品用組成物の風味を良好にすることができ、たんぱく質原料由来の臭いや苦味を抑制することができる。
また、液状飲食品中のたんぱく質含量が7g/100mL以上であれば、栄養表示基準において「高たんぱく質」の強調表示が可能であり、7g/100mL未満では「高たんぱく質」の表示はできない。この液状飲食品用組成物においては[(A)カゼインナトリウム+(B)乳清たんぱく質+(C)乳たんぱく質+(D)粉乳]のたんぱく質含量/(E)水、が7g/100mL以上になるので、「高たんぱく質」の強調表示が可能となる。従ってこの液状飲食品用組成物が、たんぱく質を補給できる飲食品であることが明確となる。
【0008】
液状飲食品用組成物の製造方法としては、例えば、リン酸ナトリウムやクエン酸ナトリウムおよびクエン酸カリウムを水に溶解し、これに、カゼインナトリウム、乳清たんぱく質、乳たんぱく質、粉乳の4種のたんぱく質原料を添加して溶解する。次に、別途、油脂と有機酸モノグリセリドを溶解したものを添加する。さらに、果汁などの呈味原料を加え、必要に応じて糖質、ビタミン、ミネラル、エキスや香料を加える。これらの調合液を例えば、ホモジナイザー等の均質化機械を用いて均質化し、その後レトルトもしくはUHT殺菌によって滅菌処理を行って調製される。
この際、均質化機械としては、低圧ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、TKホモミキサーなどの均質化機械を使用することができる。また、均質化圧力は15〜50MPaであり、この調合液を無菌的に均質化処理する。
この調合液を、130〜150℃の高温で瞬間に加熱し、この温度で約2〜60秒間位保持することで滅菌し、その後、無菌的に容器内に密封する。
【0009】
本発明の液状飲食品用組成物は、高たんぱく質である経管経口用流動食として好適である。
ここで、経管用流動食としては、術後の栄養等として鼻や体外から管を通じて栄養食を補給するものである。また、経口用流動食としては、特に、高たんぱくで味も良いので病人等も栄養補給に好適である。そのままもしくは加温して摂取することができる。
さらに前記の液状飲食品用組成物にアミノ酸やペプチドなどを加えたりして、例えばスポーツドリンクやダイエット時の栄養補助食品等の飲食品とすることができる。
【0010】
【発明の効果】
本発明の液状飲食品用組成物は、カゼインナトリウム、乳清たんぱく質、乳たんぱく質、粉乳を含んでいるので、たんぱく質含量が高く、しかも嗜好性が高い液状飲食品用組成物である。また、本発明の液状飲食品用組成物は、果汁などのpHが酸性に傾き乳化安定性に影響するような呈味原料や、乳化状態が良好でない場合クリーミングやオイルオフが発生してしまう油脂を含むが、リン酸ナトリウムやクエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、および有機酸モノグリセリドを含有するので、たんぱく質原料の沈殿やクリーミングなどのない、乳化安定性が非常に優れた液状飲食品用組成物を調製することができる。
さらに、本発明の飲食品は、前記液状飲食品用組成物を含有するので、たんぱく質含量が高く、しかも乳化安定性に優れた、非常に嗜好性の高い飲食品を提供することができる。
【0011】
【実施例】
具体例に基づき本発明をさらに詳しく説明する。
次に、たんぱく質含量の測定方法、風味の評価方法、乳化安定性の評価方法について説明する。
1.たんぱく質含量の測定方法
「MRK自動式窒素/たんぱく質定量装置 KJEL−AUTO DTP−3」(三田村理研工業(株))にて窒素含量を測定し、この数値に窒素−たんぱく質換算係数を用い、この結果よりたんぱく質含量を算定する。この液状飲食品用組成物では、乳由来のたんぱく質原料を使用しているため、窒素−たんぱく質換算係数は6.38を用い、測定した窒素含量に乗じてたんぱく質含量を求める。
2.風味の評価方法
試料を製造直後および40℃で30日間保存後に、10人のパネラーを対象として、5段階評価で評価する。また、評価点数は、数値が高いほど風味が良好であることを示し、10人の点数の平均値を算定する。
この平均値が4.0点以上〜5.0点であれば、風味が非常に良好であることを示し、また3.0点以上〜4.0点未満であれば、風味が良好であることを示すが、3.0点未満であれば、風味が不良であることを示す。
3.乳化安定性の評価方法
液状飲食品用組成物について、製造直後の沈殿物、および40℃で30日間保存した後の沈殿物の有無を観察し、乳化安定性の評価とする。
特に沈殿物が認められない場合は「なし」とし、乳化安定性が非常に良好であることを示す。沈殿物が若干認められる場合は「ややあり」とし、乳化安定性はやや状態不良を示す。逆に沈殿物が多く認められた場合は「あり」とし、乳化安定性が悪いことを示す。
【0012】
実施例1
表1に配合を示すように、リン酸ナトリウム0.2重量%、クエン酸ナトリウム0.1重量%、クエン酸カリウム0.1重量%を約60℃の温水に溶解させ、この水溶液にデキストリン5.0重量%、カゼインナトリウム0.1重量%、乳清たんぱく質3.0重量%、乳たんぱく質5.0重量%、脱脂粉乳1.5重量%を溶解させた。一方予め、大豆油0.2重量%とコーン油0.2重量%の混合油に、有機酸モノグリセリド(クエン酸モノグリセリド)0.3重量%を溶解させた調合油を調製しておき、この調合油を上記の水溶液に混合し、さらに表2に示すビタミン類の配合物(ビタミンミックス)0.1重量%、および表3に示すミネラル類の配合物(ミネラルミックス)0.1重量%、リンゴ果汁10.0重量%、アップルフレーバー0.3重量%を混合し、プロペラ式攪拌機で20分間攪拌し予備乳化させた。
この予備乳化液をホモジナイザーによって、均質化圧15MPaにて均質化処理し、約1000Lの乳化液を得た。次に、この乳化液を間接加熱方式のUHT滅菌装置を用い、135℃にて30秒間処理した後、60℃で40MPaにてホモジナイザーにより無菌的に均質化処理を行った。これを20℃に冷却し、容器に無菌充填して、200mL/パックの液状飲食品用組成物を得た。
この液状飲食品用組成物は、前記「1.たんぱく質含量の測定方法」に従ってたんぱく質含量を測定したところ、溶液100mL当たりたんぱく質含量が7.0g/100mLであった。
また、風味の評価を実施した結果、製造直後の評価は4.6点であり、また、40℃で30日間保存後の風味評価は4.1点であり、風味が非常に良好で嗜好性に優れていた。
この液状飲食品用組成物について、製造直後および40℃で30日間保存した後の沈殿物の有無を調べた結果、沈殿物は全く認められなかった。
これらの結果をあわせて表1に示す。
【0013】
実施例2
表1に示すように、実施例1の、カゼインナトリウムの配合量を2.5重量%、乳たんぱく質を3.0重量%、とした以外は、実施例1と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表1に示す。
たんぱく質含量が7.6g/100mLであり、また風味については、製造直後の風味が5.0点であり、40℃で30日間保存した後も4.6点と非常に良好であり、しかも製造直後および40℃で30日間保存後も沈殿物を全く認めなかった。
【0014】
実施例3
表1に示すように、実施例1の、カゼインナトリウムの配合量を6.0重量%、乳清たんぱく質を1.0重量%、乳たんぱく質を1.0重量%、とした以外は、実施例1と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表1に示す。
たんぱく質含量が7.7g/100mLであり、また風味については、製造直後の風味が3.6点であり、40℃で30日間保存した後も3.2点と良好であった。しかも製造直後および40℃で30日間保存後も沈殿物を全く認めなかった。
【0015】
比較例1
表1に示すように、カゼインナトリウムを配合しなかった以外は、実施例1と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表1に示す。
風味は製造直後で4.6点であり、40℃で30日間保存後も3.9点と良好であったが、たんぱく質含量が6.9gとわずかに低く、また製造直後で沈殿物を認めた。
【0016】
比較例2
表1に示すように、実施例3の、カゼインナトリウムを6.5重量%にした以外は、実施例1と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表1に示す。
たんぱく質含量が8.1g/100mLと高く、しかも製造直後および40℃で30日間保存後も沈殿物は認めなかったが、粘度が急激に上昇したこととたんぱく質臭が若干感じられたため風味の評価が低下し、風味は製造直後で2.9点であり、40℃で30日間保存後は2.6点であった。
【0017】
実施例4
表4に示すように、実施例1の、カゼインナトリウムの配合量を2.5重量%、乳清たんぱく質を0.1重量%、乳たんぱく質を5.1重量%とした以外は、実施例1と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表4に示す。
たんぱく質含量が7.0g/100mLであり、また風味については、製造直後の風味が4.8点であり、40℃で30日間保存した後も4.3点と非常に良好であった。しかも製造直後および40℃で30日間保存後も沈殿物を全く認めなかった。
【0018】
実施例5
表4に示すように、実施例1の、カゼインナトリウムの配合量を2.5重量%、乳清たんぱく質を6.0重量%、乳たんぱく質を1.0重量%とした以外は、実施例1と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表4に示す。
たんぱく質含量は8.4g/100mLと高く、また風味については、製造直後の風味が3.5点であり、40℃で30日間保存した後も3.0点と良好であった。しかも製造直後および40℃で30日間保存後も沈殿物を全く認めなかった。
【0019】
比較例3
表4に示すように、乳清たんぱく質を配合しなかった以外は、実施例4と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表4に示す。
風味は製造直後で4.5点であり、40℃で30日間保存後も4.1点と非常に良好であり、沈殿物は製造直後および40℃で30日間保存後も認めなかったが、たんぱく質含量が6.9g/100mLとわずかに低かったため、「高たんぱく質」の強調表示が可能な配合とは言えない。
【0020】
比較例4
表4に示すように、実施例5の、乳清たんぱく質を6.5重量%とした以外は、実施例5と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表4に示す。
たんぱく質含量は8.8g/100mLと非常に高かったが、そのため、たんぱく質臭が感じられて風味の評価が低下し、製造直後で2.9点であり、40℃30日間保存後も2.5点と低かった。また製造直後には認められなかった沈殿物も、40℃30日間保存後に認められ、乳化安定性が低下したと判断した。
【0021】
実施例6
表5に示すように、実施例1の、カゼインナトリウムの配合量を2.5重量%、乳清たんぱく質を5.1重量%、乳たんぱく質を0.1重量%とした以外は、実施例1と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表5に示す。
たんぱく質含量は7.0g/100mLであり、また風味については、製造直後の風味が3.6点であり、40℃で30日間保存した後も3.2点と良好であった。しかも製造直後および40℃で30日間保存後も沈殿物を全く認めなかった。
【0022】
実施例7
表5に示すように、実施例1の、カゼインナトリウムの配合量を2.5重量%、乳清たんぱく質を0.1重量%、乳たんぱく質を7.0重量%とした以外は、実施例1と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表5に示す。
たんぱく質含量は8.5g/100mLと非常に高く、また風味については、製造直後の風味が3.5点であり、40℃で30日間保存した後も3.0点と良好であった。しかも製造直後および40℃で30日間保存後も沈殿物を全く認めなかった。
【0023】
比較例5
表5に示すように、乳たんぱく質を配合しなかった以外は、実施例6と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表5に示す。
また風味については、製造直後の風味が3.6点であり、40℃で30日間保存した後も3.2点と良好であった。しかも製造直後および40℃で30日間保存後も沈殿物を全く認めなかった。しかし、たんぱく質含量が6.9g/100mLとわずかに低かったため、「高たんぱく質」の強調表示が可能な配合とは言えない。
【0024】
比較例6
表5に示すように、乳たんぱく質を7.5重量%、とした以外は、実施例7と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表5に示す。
たんぱく質含量は8.9g/100mLと非常に高かったが、風味の評価において製造直後では3.2点であったのに対して40℃30日後では、粘度が上昇したことと、たんぱく質臭が若干感じられたため風味が2.6点と低下した。また、製造直後では認められなかった沈殿物が、40℃30日後に認められ、乳化安定性が低下したと判断した。
【0025】
実施例8
表6に示すように、実施例2の、脱脂粉乳を0.1重量%とした以外は、実施例1と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表6に示す。
たんぱく質含量は7.1g/100mLであり、また風味については、製造直後の風味が3.5点であり、40℃で30日間保存した後も3.1点と良好であった。しかも製造直後および40℃で30日間保存後も沈殿物を全く認めなかった。
【0026】
実施例9
表6に示すように、実施例2の、脱脂粉乳を5重量%とした以外は、実施例1と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表6に示す。
たんぱく質含量は8.8g/100mLと非常に高く、また脱脂粉乳が多いため風味が非常に良好であり、風味の評価は製造直後で4.7点であり、40℃で30日間保存後も4.3点であり、非常に良好であった。しかも、製造直後および40℃で30日間保存後も沈殿物を全く認めなかった。
【0027】
比較例7
表6に示すように、脱脂粉乳を配合しなかった以外は、実施例2と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表6に示す。たんぱく質含量は7.1g/100mLであり、製造直後も40℃で30日間保存後も沈殿物は認めなかったが、風味の評価では製造直後の3.4点から、40℃30日間保存後では2.9点に低下した。
【0028】
比較例8
表6に示すように、脱脂粉乳を5.5重量%とした以外は、実施例2と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表6に示す。
たんぱく質含量は9.0g/100mLと非常に高く、風味の評価も製造直後で4.5点であり、40℃で30日間保存後も4.1点と非常に良好であった。しかし、製造直後で沈殿物は認められなかったものの、すでに粘度が高く、40℃で30日間保存後には沈殿物を認めたため、乳化安定性が低下したと判断した。
【0029】
実施例10
表7に示すように、実施例2の、リン酸ナトリウムを0.01重量%とした以外は、実施例1と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表7に示す。
たんぱく質含量は実施例2と同様7.6/100mLgであり、また風味の評価では製造直後で5.0点であり、40℃で30日間保存後も4.6点と非常に良好であった。しかも、製造直後および40℃で30日間保存後も沈殿物を認めなかった。
【0030】
実施例11
表7に示すように、実施例2の、リン酸ナトリウムを0.5重量%とした以外は、実施例1と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表7に示す。
たんぱく質含量は実施例2と同様7.6g/100mLであり、また風味の評価では製造直後で5.0点であり、40℃で30日間保存後も4.6点と非常に良好であった。しかも、製造直後および40℃で30日間保存後も沈殿物を認めなかった。
【0031】
実施例12
表7に示すように、リン酸ナトリウムを配合しなかった以外は、実施例2と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同に試験を行った。結果を表7に示す。
たんぱく質含量は実施例2と同様7.6g/100mLであり、風味の評価では製造直後で4.0点であり、40℃で30日間保存後も3.2点と良好であった。しかし、塩類のバランスが若干崩れたため、製造直後で認められなかった沈殿物が40℃で30日間保存後に若干認められ、やや乳化安定性が低下したと判断した。
【0032】
実施例13
表7に示すように、リン酸ナトリウムを0.55重量%にした以外は、実施例2と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表7に示す。
たんぱく質含量は実施例2と同様7.6g/100mLであり、風味の評価では製造直後で3.2点であり、40℃で30日間保存後では3.0点と良好であった。しかし、塩類のバランスが若干崩れたため、製造直後と40℃で30日間保存後に沈殿物が若干認められ、やや乳化安定性が低下したと判断した。
【0033】
実施例14
表8に示すように、実施例2の、クエン酸ナトリウムを0.01重量%とした以外は、実施例1と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表8に示す。
たんぱく質含量は実施例2と同様7.6g/100mLであり、また風味の評価では製造直後で5.0点であり、40℃で30日間保存後も4.6点と非常に良好であった。しかも、製造直後および40℃で30日間保存後も沈殿物を認めなかった。
【0034】
実施例15
表8に示すように、実施例2の、クエン酸ナトリウムを0.5重量%とした以外は、実施例1と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表8に示す。
たんぱく質含量は実施例2と同様7.6g/100mLであり、また風味の評価では製造直後で5.0点であり、40℃で30日間保存後も4.6点と非常に良好であった。しかも、製造直後および40℃で30日間保存後も沈殿物を認めなかった。
【0035】
実施例16
表8に示すように、クエン酸ナトリウムを配合しなかった以外は、実施例2と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表8に示す。
たんぱく質含量は実施例2と同様7.6g/100mLであり、風味の評価では製造直後で4.3点であり、40℃で30日間保存後では3.4点と良好であった。しかし、塩類のバランスが若干崩れたため、製造直後には認められなかったが40℃で30日間保存後に沈殿物が若干認められ、やや乳化安定性が低下したと判断した。
【0036】
実施例17
表8に示すように、クエン酸ナトリウムを0.55重量%にした以外は、実施例2と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表8に示す。
たんぱく質含量は実施例2と同様7.6g/100mLであり、風味の評価では製造直後で3.2点であり、40℃で30日間保存後では3.0点と良好であった。しかし、塩類のバランスが若干崩れたため、製造直後および40℃で30日間保存後に沈殿物が若干認められ、やや乳化安定性が低下したと判断した。
【0037】
実施例18
表9に示すように、実施例2の、クエン酸カリウムを0.01重量%とした以外は、実施例1と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表9に示す。
たんぱく質含量は実施例2と同様7.6g/100mLであり、また風味の評価では製造直後で5.0点であり、40℃で30日間保存後も4.6点と非常に良好であった。しかも、製造直後および40℃で30日間保存後も沈殿物を認めなかった。
【0038】
実施例19
表9に示すように、実施例2の、クエン酸カリウムを0.5重量%とした以外は、実施例1と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表9に示す。
たんぱく質含量は実施例2と同様7.6g/100mLであり、また風味の評価では製造直後で5.0点であり、40℃で30日間保存後も4.6点と非常に良好であった。しかも、製造直後および40℃で30日間保存後も沈殿物を認めなかった。
【0039】
実施例20
表9に示すように、クエン酸カリウムを配合しなかった以外は、実施例2と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表9に示す。
たんぱく質含量は実施例2と同様7.6g/100mLであり、風味の評価では製造直後で4.2点であり、40℃で30日間保存後では3.3点と良好であった。しかし、塩類のバランスが若干崩れたため、製造直後には認められなかったが40℃で30日間保存後に沈殿物が若干認められ、やや乳化安定性が低下したと判断した。
【0040】
実施例21
表9に示すように、クエン酸カリウムを0.55重量%にした以外は、実施例2と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表9に示す。
たんぱく質含量は実施例2と同様7.6g/100mLであり、風味の評価では製造直後で3.2点であり、40℃で30日間保存後では3.0点と良好であった。しかし、塩類のバランスが若干崩れたため、製造直後および40℃で30日間保存後に沈殿物が若干認められ、やや乳化安定性が低下したと判断した。
【0041】
実施例22
表10に示すように、実施例2の、有機酸モノグリセリド(クエン酸モノグリセリド)を0.01重量%とした以外は、実施例1と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表10に示す。
たんぱく質含量は実施例2と同様7.6g/100mLであり、また風味の評価では製造直後で5.0点であり、40℃で30日間保存後も4.6点と非常に良好であった。しかも、製造直後および40℃で30日間保存後も沈殿物を認めなかった。
【0042】
実施例23
表10に示すように、実施例2の、クエン酸モノグリセリドを1.0重量%とした以外は、実施例1と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表10に示す。
たんぱく質含量は実施例2と同様7.6g/100mLであり、また風味の評価では製造直後で3.5点であり、40℃で30日間保存後も3.0点と非常に良好であった。しかも、製造直後および40℃で30日間保存後も沈殿物を認めなかった。
【0043】
実施例24
表11に示すように、実施例2の、大豆油を0.005重量%、コーン油を0.005重量%とした以外は、実施例1と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表11に示す。
たんぱく質含量は実施例2と同様7.6g/100mLであり、また風味の評価では製造直後で4.4点であり、40℃で30日間保存後も4.0点と非常に良好であった。しかも、製造直後および40℃で30日間保存後も沈殿物を認めなかった。
【0044】
実施例25
表11に示すように、実施例2の、大豆油を2.5重量%、コーン油を2.5重量%とした以外は、実施例1と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表11に示す。
たんぱく質含量は実施例2と同様7.6g/100mLであり、また風味の評価では製造直後で4.3点であり、40℃で30日間保存後も3.8点と良好であった。しかも、製造直後および40℃で30日間保存後も沈殿物を認めなかった。
【0045】
実施例26
表12に示すように、実施例2の、リンゴ果汁を1.0重量%とした以外は、実施例1と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表12に示す。
たんぱく質含量は実施例2と同様7.6g/100mLであり、また風味の評価では製造直後で3.6点であり、40℃で30日間保存後も3.2点と良好であった。しかも、製造直後および40℃で30日間保存後も沈殿物を認めなかった。
【0046】
実施例27
表12に示すように、実施例2の、リンゴ果汁を20.0重量%とした以外は、実施例1と同様に液状飲食品用組成物を調製し、実施例1と同様に試験を行った。結果を表12に示す。
たんぱく質含量は実施例2と同様7.6g/100mLであり、また風味の評価では製造直後で5.0点であり、40℃で30日間保存後も4.7点と非常に良好であった。しかも、製造直後および40℃で30日間保存後も沈殿物を認めなかった。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】
【表7】
【0054】
【表8】
【0055】
【表9】
【0056】
【表10】
【0057】
【表11】
【0058】
【表12】
【0059】
以上の結果から、本発明の実施例1〜3は、(A)成分のカゼインナトリウムが規定量より少ない比較例1、多すぎる比較例2に比べて、たんぱく質含量、沈殿物の有無や風味において優れていることが分かる。
本発明の実施例4、5は、(B)成分の乳清たんぱく質が規定量より少ない比較例3、多すぎる比較例4に比べて、たんぱく質含量、沈殿物の有無や風味において優れていることが分かる。
本発明の実施例6、7は、(C)成分の乳たんぱく質が規定量より少ない比較例5、多すぎる比較例6に比べて、たんぱく質含量、沈殿物の有無や風味において優れていることが分かる。
本発明の実施例8、9は、(D)成分の粉乳が規定量より少ない比較例7、多すぎる比較例8に比べて、風味沈や殿物の有無において優れていることが分かる。
(F)成分のリン酸ナトリウムが少ない実施例8、多い実施例9に比べて、本発明の実施例10、11は、沈殿物の有無において、やや優れていることが分かる。
(G)成分のクエン酸ナトリウムが少ない実施例16、多い実施例17に比べて、本発明の実施例14、15は、沈殿物の有無において、やや優れていることが分かる。
(H)成分のクエン酸カリウムが少ない実施例20、多い実施例21に比べて、本発明の実施例18、19は、沈殿物の有無において、やや優れていることが分かる。
(I)成分の有機酸モノグリセリドが規定量含有されている、本発明の実施例22、23は、たんぱく質含量、風味や乳化安定性において優れていることが分かる。
(J)成分の油脂が規定量含有されている、本発明の実施例24、25は、たんぱく質含量、風味や乳化安定性において優れていることが分かる。
(K)成分の果汁が規定量含有されている、本発明の実施例26、27は、たんぱく質含量、風味や乳化安定性において優れていることが分かる。
従って、酸性果汁を配合した実施例1〜27は、pHの変化が少なく、比較例3〜8に比べて、優れた安定な液状飲食品用組成物であることが分かる。
Claims (4)
- (A)カゼインナトリウム0.1〜6重量%、(B)乳清たんぱく質0.1〜6重量%、(C)乳たんぱく質0.1〜7重量%、(D)粉乳0.1〜5重量%、および(E)水を主成分として含有する液状飲食品組成物。
- (A)カゼインナトリウム0.1〜6重量%、(B)乳清たんぱく質0.1〜6重量%、(C)乳たんぱく質0.1〜7重量%、(D)粉乳0.1〜5重量%、(F)リン酸ナトリウム0.01〜0.5重量%、(G)クエン酸ナトリウム0.01〜0.5重量%、(H)クエン酸カリウム0.01〜0.5重量%、(I)有機酸モノグリセリド0.01〜1重量%、(J)油脂0.01〜5重量%、(K)果汁1〜20重量%、および(E)水を主成分として含有する請求項1記載の液状飲食品用組成物。
- [(A)カゼインナトリウム+(B)乳清たんぱく質+(C)乳たんぱく質+(D)粉乳]のたんぱく質含量/(E)水、の割合が7g/100mL以上である請求項1または2記載の液状飲食品用組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の液状飲食品用組成物を含有する飲食品。
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