JP2004093460A - レンズ検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検レンズの透過光量差によって干渉縞のコントラストが均一でなくても、被検レンズの収差量を精度良く測定する。
【解決手段】光源からの光束を2分し、一方の光路中に配置した参照レンズを透過した光束と、他方の光路中に配置した被検レンズを透過した光束とを干渉させて発生する干渉縞から被検レンズの収差量を検査するレンズ検査方法において、透過光量が略等しい領域毎に光量の最適化と測定を行い、全ての領域を測定後にデータを合成することにより透過光量による測定分解能の差を除去する。
【選択図】 図1
【解決手段】光源からの光束を2分し、一方の光路中に配置した参照レンズを透過した光束と、他方の光路中に配置した被検レンズを透過した光束とを干渉させて発生する干渉縞から被検レンズの収差量を検査するレンズ検査方法において、透過光量が略等しい領域毎に光量の最適化と測定を行い、全ての領域を測定後にデータを合成することにより透過光量による測定分解能の差を除去する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズの収差量を検査するレンズ検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レンズを透過した光束によりレンズの収差量を検査するために干渉計を用いた検査が一般に知られている。図6は特開平6−109582号公報に開示されたマッハツェンダー干渉計方式によるレンズ検査装置を示す。
【0003】
このマッハツェンダー干渉計は縦型となっており、図6に示すように、レーザ光源100から出射した光束をNDフィルタ101で適正光量に調節し、ビームエキスパンダ102で被検レンズ106の径に対して十分な光束径に広げる。
【0004】
ビームスプリッタ103は入射した光束をR及びSの2つの光路に分岐させる。分岐した2つの光束は別のビームスプリッタ104で再び合成される。光路RとSは全く等価に設計・製作されているため、被検レンズ106の基準レンズ105に対する光路差、すなわち被検レンズ106の光路で発生する波面収差と基準レンズ105の光路で発生する波面収差との差がビームスプリッタ104で2つの光束を合成させることで干渉縞となり、結像レンズ107によってスクリーン108上に結像する。
【0005】
そして、スクリーン108上に結像した干渉縞を補助接写レンズ109及びズームレンズ110で適当な大きさに拡大した後、CCDカメラ111によって画像データとして縞解析装置112に取り込む。
【0006】
光路R中にはミラー113が配置されており、これと等価なものとして光路S中にはミラー114が配置されているが、このミラー114は縞解析装置112の指示によってピエゾ素子115によってレーザ波長レベルで微動し、位相の異なる複数枚の干渉縞画像を得ることができる。これにより、公知の技術であるフリンジスキャン法によってレンズの収差量を解析後、ツェルニケ係数への多項式展開計算を行う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図6に示す干渉計を用いたレンズ検査方法では、非球面レンズのように透過光量が一様にならない光学特性を有する被検レンズの場合、一画面中に干渉縞がハッキリと現れる領域(干渉縞のコントラストが高い領域)と、干渉縞が不鮮明な領域(干渉縞のコントラストが低い領域)とが発生する。このような状態でフリンジスキャン法による収差量解析を行っても、位相差による輝度差の変化量が少なく、その結果、測定分解能が低くなる問題があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、被検レンズの透過光量差で干渉縞画像のコントラストが均一でなくても、被検レンズの収差量を精度良く測定できるレンズ検査方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明のレンズ検査方法は、光源からの光束を2分し、一方の光路中に配置した参照レンズを透過した光束と、他方の光路中に配置した被検レンズを透過した光束とを干渉させて発生する干渉縞から被検レンズの収差量を検査するレンズ検査方法において、透過光量が略等しい領域毎に光量の最適化と測定を行い、全ての領域を測定後にデータを合成することにより透過光量による測定分解能の差を除去することを特徴とする。
【0010】
図1は本発明の概略を示すフローチャートである。
測定に際し、まず、参照レンズ(基準レンズ)だけを干渉計にセットし、この状態で、参照レンズを透過した光線による画像を取得する(ステップS1)。この画像は、参照レンズの光学特性により一様な光量分布ではない画像である。
【0011】
次に、透過光領域(画像周辺の透過光がない部分を除いた範囲)中の最大光量値Imaxと最小光量値Iminとを求める。さらに、あらかじめ設定された輝度領域段階数nから次式によって各輝度領域I1〜Inを算出する(ステップS2)。
【0012】
次に、透過光画像の各画素がI1〜Inのどの輝度領域に属するかを判定し、各画素と輝度額域の関連づけを行う(ステップS3)。この状態で、干渉計に被検レンズをセットし、干渉縞画像が得られるように被検レンズの位置を調整する(ステップS4)。
【0013】
次に、輝度領域I1に属する画素群の最大輝度が所定の範囲に入るように光量調整を行う。光量調整後、フリンジスキャン法による測定を行う。同様の手順を輝度領域I2〜Inについて繰り返し、すべての画素について最適な光量での測定を実施する(ステップS5〜S9)。
【0014】
I1〜Inの測定結果を合成した後(ステップS10)に、ツェルニケ係数展開を行い、被検レンズの収差量を示すツェルニケ係数を得る(ステップS11)。ここで、ツェルニケ多項式は、図5に示すもので、ツェルニケ係数とは、各項にかかるZ1…Znにあたる。これにより、透過光量による測定分解能の差を除去した収差量を測定することができ、その結果を表示する(ステップS12)。
【0015】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図2は本発明の実施の形態1のフローチャート、図3はこの実施の形態で用いる干渉計の概略構成図である。
【0016】
図3において、1は光源でHe−Neレーザなどのコヒーレンス光源である。2は光源用光学系で光源1自体が有している収差量を低減させ、且つ光源1から出射される光束径を測定に適した光束径に拡大する。また、外部からの指示でNDフィルタを切り替えることにより光量調整が可能となっている。
【0017】
3はビームスプリッタで光源1からの光束を光路Sと光路Rの2つに分岐する。6は光路Rに配置されたミラーであり光束の向きを90°変更する。7は、測定対象の基準となる参照レンズであり、ミラー6からの反射光路に配置されている。4は光路Sに配置されたミラー、5はミラー4が取り付けられたピエゾ素子であり、外部からの指示により光源の波長レベルで微動し、光路Sの光路長を変化させる。
【0018】
8はミラー4からの反射光路に配置された測定対象となる被検レンズである。9はXステージであり、被検レンズ8の光軸に対して垂直面内の1軸方向に動作する。10はYステージであり、Xステージ9と同一平面内で且つ直交する方向に動作する。
【0019】
11はビームスプリッタであり、SとRの2つの光路に分岐された光束を再び合成する。12は結像レンズであり、スクリーン13上に干渉縞を結像する。14はCCDカメラ用レンズで、外部指令を受けてしぼりを制御することにより光量調整を行う。15はCCDカメラであり、スクリーン13上に結像した干渉縞を画像データとして取り込む。16はコンピュータであり、CCDカメラ15からの画像を取り込んで干渉縞画像をモニタに表示し、さらに演算処理すると共にピエゾ素子5の制御を行う。
【0020】
この実施の形態において、被検レンズ8がない状態では、参照レンズ7を透過した光(光路Rの光)がスクリーン13に結像する。これをCCDカメラ15で画像データとしてコンピュータ16に取り込む。この際、ランダムノイズの影響を除去するため、複数回画像を取り込んで平均化処理を行う場合もある。
【0021】
コンピュータ16はCCDカメラ15からの画像データに基づいて最大輝度を求め、所定の範囲、例えば、一画素あたりの輝度データを256段楷(8bit相当)で取り扱う場合は200〜230程度の範囲となるように、光源用光学系2のNDフィルタ及びCCDカメラ用レンズ14のしぼりを調整する。光量調整後、再度、参照レンズ7を透過した光による画像をコンピュータ16に取り込む。取り込んだ画像データの内、あらかじめ設定されたしきい値以下の画素データは全く透過光が当たっていない処理不要領域と判断して、以後のデータ処理の対象から省く。この結果残った領域を処理対象領域と呼ぶ。
【0022】
この処理対象領域中の最大光量Imaxと最小光量Iminを求め、あらかじめ設定された輝度領域段階数nから次式によって、各輝度領域I1〜Inを算出する。
【0023】
次に、処理対象領域中の各画素がI1〜Inのどの輝度領域に属するかを判定し、各画素と輝度領域の関連づけを行う。
【0024】
その後、被検レンズ8を所定の位置にセットし、Xステージ9、Yステージ10を操作して、スクリーン13上に干渉縞が観察できるようにする。この状態で画像データとしてコンピュータ16に取り込む。このとき、透過光の画像同様、ランダムノイズの影響を除去するため、複数回画像を取り込んで、平均化処理を行う場合もある。
【0025】
コンピュータ16は透過光画像の処理と同様に、干渉縞画像から処理対象領域I1の最大輝度が所定の範囲になるように光源用光学系2のNDフィルタ及びCCDカメラ用レンズ14のしぼりを調整する。光量調整後、再度、位相0°の干渉縞画俊としてコンピュータ16のメモリに取り込む。
【0026】
次に、コンピュータ16はピエゾ素子5に対して、光路Sの光路長が光源1の波長の1/4(λ/4)だけ変化するよう制御する。この状態で干渉縞データを取り込んで、コンピュータ16のメモリに位相90°の干渉縞データとして格納する。このとき、位相0°のときと同様に、平均化処理する場合もある。
【0027】
同様にして、コンピュータ16はピエゾ素子5に対して、光路Sの光路長がさらに光輝波長の1/4(λ/4)ずつ変化するように制御し、位相180°、270°、360°の干渉縞データをメモリに格納する。
【0028】
処理対象領域I2からInについても同様の手順を繰り返し、各処理対象領域に対する位相0°〜360°の干渉縞データをメモリに格納する。次に、位相0°〜380°の干渉縞データについて、各画素の属する輝度領域の干渉縞データを選択し、これを一画面分の画素の全てに実施し、これにより合成干渉縞データを生成する。
【0029】
0°、90°、180°、270°及び360°の5つの位相状態による干渉縞画像は、一般に5バケット(5サンプル)法と呼ばれる次式によって、2πごとの不連続点を有した透過波面データに変換される。
ψ=k・arctan(2×(位相270°−位相90°)
/(2×位相180°−位相0°−位相360°))
【0030】
この不連続点を有した透過波面データは、不連続点周辺との大小関係から連続的なデータに変換された後、ツェルニケ多項式に最小自乗近似法にて近似計算して、ツェルニケ係数を算出する。
【0031】
このような実施の形態によれば、透過光量による測定分解能の差を除去した収差量を、高い自動化率で且つ短時間で行うことができる。
【0032】
(実施の形態2)
図4は、実施の形態2のフローチャートを示す。この実施の形態で用いる干渉計は図3と同様であるため、その説明を省略する。
【0033】
この実施の形態において、まず、一回目の測定方法は、以下の2点を除き、実施の形態例1と同様であるので説明を省略する。
【0034】
異なる1点目は、被検レンズ8がない状態での画像を取り込んで、処理対象領域と輝度領域を求めた際に、その結果をコンピュータ16にファイルなどの再利用可能な形で保存することである。
【0035】
異なる2点目は、各輝度領域I1〜Inで輝度調整後の光源用光学系2のNDフィルタ及びCCDカメラ用レンズ14のしぼり調整値を、コンピュータ16にファイルなど再利用可能な形で保存することである。
【0036】
この実施の形態の2回目以降の測定では、処理対象領域と輝度領域はコンピュータ16に保存されているデータを呼び出して使用することにより測定動作を省略する。また、各輝度領域I1〜Inでの輝度調整も、光源用光学系2のNDフィルタ及びCCDカメラ用レンズ14のしぼり調整値をコンピュータ16に保存されているデータを呼び出して使用することにより輝度調整動作を省略する。
【0037】
このような実施の形態によれば、透過光量による測定分解能の差を除去した収差量を高い自動化率で行うことができるのに加え、一回目の測定結果及び調整結果を再利用することにより測定時間を一層短縮することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光源からの光束を2分し、参照レンズを透過した光束と被検レンズを透過した光束とを干渉させて発生する干渉縞から被検レンズの収差量を検査する際に、透過光量が略等しい領域ごとに光量の最適化と測定を行い、全ての領域を測定後、データを合成するため、透過光量による測定分解能の差を除去することができ、これにより、被検レンズの透過光量差によって干渉縞のコントラストが均一でなくても、被検レンズの収差量を精度良く測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検査方法を示すフローチャートである。
【図2】実施の形態1の検査方法を示すフローチャートである。
【図3】検査に用いる干渉計の光路図である。
【図4】実施の形態2の検査方法を示すフローチャートである。
【図5】ツェルニケ多項式の説明図である。
【図6】従来の検査装置を示す光路図である。
【符号の説明】
1 光源
2 光源用光学系
3 ビームスプリッタ
4 ミラー
5 ピエゾ素子
6 ミラー
7 参照レンズ
8 被検レンズ
11 ビームスプリッタ
12 結像レンズ
13 スクリーン
14 CCDカメラ用レンズ
15 CCDカメラ
16 コンピュータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズの収差量を検査するレンズ検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レンズを透過した光束によりレンズの収差量を検査するために干渉計を用いた検査が一般に知られている。図6は特開平6−109582号公報に開示されたマッハツェンダー干渉計方式によるレンズ検査装置を示す。
【0003】
このマッハツェンダー干渉計は縦型となっており、図6に示すように、レーザ光源100から出射した光束をNDフィルタ101で適正光量に調節し、ビームエキスパンダ102で被検レンズ106の径に対して十分な光束径に広げる。
【0004】
ビームスプリッタ103は入射した光束をR及びSの2つの光路に分岐させる。分岐した2つの光束は別のビームスプリッタ104で再び合成される。光路RとSは全く等価に設計・製作されているため、被検レンズ106の基準レンズ105に対する光路差、すなわち被検レンズ106の光路で発生する波面収差と基準レンズ105の光路で発生する波面収差との差がビームスプリッタ104で2つの光束を合成させることで干渉縞となり、結像レンズ107によってスクリーン108上に結像する。
【0005】
そして、スクリーン108上に結像した干渉縞を補助接写レンズ109及びズームレンズ110で適当な大きさに拡大した後、CCDカメラ111によって画像データとして縞解析装置112に取り込む。
【0006】
光路R中にはミラー113が配置されており、これと等価なものとして光路S中にはミラー114が配置されているが、このミラー114は縞解析装置112の指示によってピエゾ素子115によってレーザ波長レベルで微動し、位相の異なる複数枚の干渉縞画像を得ることができる。これにより、公知の技術であるフリンジスキャン法によってレンズの収差量を解析後、ツェルニケ係数への多項式展開計算を行う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図6に示す干渉計を用いたレンズ検査方法では、非球面レンズのように透過光量が一様にならない光学特性を有する被検レンズの場合、一画面中に干渉縞がハッキリと現れる領域(干渉縞のコントラストが高い領域)と、干渉縞が不鮮明な領域(干渉縞のコントラストが低い領域)とが発生する。このような状態でフリンジスキャン法による収差量解析を行っても、位相差による輝度差の変化量が少なく、その結果、測定分解能が低くなる問題があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、被検レンズの透過光量差で干渉縞画像のコントラストが均一でなくても、被検レンズの収差量を精度良く測定できるレンズ検査方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明のレンズ検査方法は、光源からの光束を2分し、一方の光路中に配置した参照レンズを透過した光束と、他方の光路中に配置した被検レンズを透過した光束とを干渉させて発生する干渉縞から被検レンズの収差量を検査するレンズ検査方法において、透過光量が略等しい領域毎に光量の最適化と測定を行い、全ての領域を測定後にデータを合成することにより透過光量による測定分解能の差を除去することを特徴とする。
【0010】
図1は本発明の概略を示すフローチャートである。
測定に際し、まず、参照レンズ(基準レンズ)だけを干渉計にセットし、この状態で、参照レンズを透過した光線による画像を取得する(ステップS1)。この画像は、参照レンズの光学特性により一様な光量分布ではない画像である。
【0011】
次に、透過光領域(画像周辺の透過光がない部分を除いた範囲)中の最大光量値Imaxと最小光量値Iminとを求める。さらに、あらかじめ設定された輝度領域段階数nから次式によって各輝度領域I1〜Inを算出する(ステップS2)。
【0012】
次に、透過光画像の各画素がI1〜Inのどの輝度領域に属するかを判定し、各画素と輝度額域の関連づけを行う(ステップS3)。この状態で、干渉計に被検レンズをセットし、干渉縞画像が得られるように被検レンズの位置を調整する(ステップS4)。
【0013】
次に、輝度領域I1に属する画素群の最大輝度が所定の範囲に入るように光量調整を行う。光量調整後、フリンジスキャン法による測定を行う。同様の手順を輝度領域I2〜Inについて繰り返し、すべての画素について最適な光量での測定を実施する(ステップS5〜S9)。
【0014】
I1〜Inの測定結果を合成した後(ステップS10)に、ツェルニケ係数展開を行い、被検レンズの収差量を示すツェルニケ係数を得る(ステップS11)。ここで、ツェルニケ多項式は、図5に示すもので、ツェルニケ係数とは、各項にかかるZ1…Znにあたる。これにより、透過光量による測定分解能の差を除去した収差量を測定することができ、その結果を表示する(ステップS12)。
【0015】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図2は本発明の実施の形態1のフローチャート、図3はこの実施の形態で用いる干渉計の概略構成図である。
【0016】
図3において、1は光源でHe−Neレーザなどのコヒーレンス光源である。2は光源用光学系で光源1自体が有している収差量を低減させ、且つ光源1から出射される光束径を測定に適した光束径に拡大する。また、外部からの指示でNDフィルタを切り替えることにより光量調整が可能となっている。
【0017】
3はビームスプリッタで光源1からの光束を光路Sと光路Rの2つに分岐する。6は光路Rに配置されたミラーであり光束の向きを90°変更する。7は、測定対象の基準となる参照レンズであり、ミラー6からの反射光路に配置されている。4は光路Sに配置されたミラー、5はミラー4が取り付けられたピエゾ素子であり、外部からの指示により光源の波長レベルで微動し、光路Sの光路長を変化させる。
【0018】
8はミラー4からの反射光路に配置された測定対象となる被検レンズである。9はXステージであり、被検レンズ8の光軸に対して垂直面内の1軸方向に動作する。10はYステージであり、Xステージ9と同一平面内で且つ直交する方向に動作する。
【0019】
11はビームスプリッタであり、SとRの2つの光路に分岐された光束を再び合成する。12は結像レンズであり、スクリーン13上に干渉縞を結像する。14はCCDカメラ用レンズで、外部指令を受けてしぼりを制御することにより光量調整を行う。15はCCDカメラであり、スクリーン13上に結像した干渉縞を画像データとして取り込む。16はコンピュータであり、CCDカメラ15からの画像を取り込んで干渉縞画像をモニタに表示し、さらに演算処理すると共にピエゾ素子5の制御を行う。
【0020】
この実施の形態において、被検レンズ8がない状態では、参照レンズ7を透過した光(光路Rの光)がスクリーン13に結像する。これをCCDカメラ15で画像データとしてコンピュータ16に取り込む。この際、ランダムノイズの影響を除去するため、複数回画像を取り込んで平均化処理を行う場合もある。
【0021】
コンピュータ16はCCDカメラ15からの画像データに基づいて最大輝度を求め、所定の範囲、例えば、一画素あたりの輝度データを256段楷(8bit相当)で取り扱う場合は200〜230程度の範囲となるように、光源用光学系2のNDフィルタ及びCCDカメラ用レンズ14のしぼりを調整する。光量調整後、再度、参照レンズ7を透過した光による画像をコンピュータ16に取り込む。取り込んだ画像データの内、あらかじめ設定されたしきい値以下の画素データは全く透過光が当たっていない処理不要領域と判断して、以後のデータ処理の対象から省く。この結果残った領域を処理対象領域と呼ぶ。
【0022】
この処理対象領域中の最大光量Imaxと最小光量Iminを求め、あらかじめ設定された輝度領域段階数nから次式によって、各輝度領域I1〜Inを算出する。
【0023】
次に、処理対象領域中の各画素がI1〜Inのどの輝度領域に属するかを判定し、各画素と輝度領域の関連づけを行う。
【0024】
その後、被検レンズ8を所定の位置にセットし、Xステージ9、Yステージ10を操作して、スクリーン13上に干渉縞が観察できるようにする。この状態で画像データとしてコンピュータ16に取り込む。このとき、透過光の画像同様、ランダムノイズの影響を除去するため、複数回画像を取り込んで、平均化処理を行う場合もある。
【0025】
コンピュータ16は透過光画像の処理と同様に、干渉縞画像から処理対象領域I1の最大輝度が所定の範囲になるように光源用光学系2のNDフィルタ及びCCDカメラ用レンズ14のしぼりを調整する。光量調整後、再度、位相0°の干渉縞画俊としてコンピュータ16のメモリに取り込む。
【0026】
次に、コンピュータ16はピエゾ素子5に対して、光路Sの光路長が光源1の波長の1/4(λ/4)だけ変化するよう制御する。この状態で干渉縞データを取り込んで、コンピュータ16のメモリに位相90°の干渉縞データとして格納する。このとき、位相0°のときと同様に、平均化処理する場合もある。
【0027】
同様にして、コンピュータ16はピエゾ素子5に対して、光路Sの光路長がさらに光輝波長の1/4(λ/4)ずつ変化するように制御し、位相180°、270°、360°の干渉縞データをメモリに格納する。
【0028】
処理対象領域I2からInについても同様の手順を繰り返し、各処理対象領域に対する位相0°〜360°の干渉縞データをメモリに格納する。次に、位相0°〜380°の干渉縞データについて、各画素の属する輝度領域の干渉縞データを選択し、これを一画面分の画素の全てに実施し、これにより合成干渉縞データを生成する。
【0029】
0°、90°、180°、270°及び360°の5つの位相状態による干渉縞画像は、一般に5バケット(5サンプル)法と呼ばれる次式によって、2πごとの不連続点を有した透過波面データに変換される。
ψ=k・arctan(2×(位相270°−位相90°)
/(2×位相180°−位相0°−位相360°))
【0030】
この不連続点を有した透過波面データは、不連続点周辺との大小関係から連続的なデータに変換された後、ツェルニケ多項式に最小自乗近似法にて近似計算して、ツェルニケ係数を算出する。
【0031】
このような実施の形態によれば、透過光量による測定分解能の差を除去した収差量を、高い自動化率で且つ短時間で行うことができる。
【0032】
(実施の形態2)
図4は、実施の形態2のフローチャートを示す。この実施の形態で用いる干渉計は図3と同様であるため、その説明を省略する。
【0033】
この実施の形態において、まず、一回目の測定方法は、以下の2点を除き、実施の形態例1と同様であるので説明を省略する。
【0034】
異なる1点目は、被検レンズ8がない状態での画像を取り込んで、処理対象領域と輝度領域を求めた際に、その結果をコンピュータ16にファイルなどの再利用可能な形で保存することである。
【0035】
異なる2点目は、各輝度領域I1〜Inで輝度調整後の光源用光学系2のNDフィルタ及びCCDカメラ用レンズ14のしぼり調整値を、コンピュータ16にファイルなど再利用可能な形で保存することである。
【0036】
この実施の形態の2回目以降の測定では、処理対象領域と輝度領域はコンピュータ16に保存されているデータを呼び出して使用することにより測定動作を省略する。また、各輝度領域I1〜Inでの輝度調整も、光源用光学系2のNDフィルタ及びCCDカメラ用レンズ14のしぼり調整値をコンピュータ16に保存されているデータを呼び出して使用することにより輝度調整動作を省略する。
【0037】
このような実施の形態によれば、透過光量による測定分解能の差を除去した収差量を高い自動化率で行うことができるのに加え、一回目の測定結果及び調整結果を再利用することにより測定時間を一層短縮することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光源からの光束を2分し、参照レンズを透過した光束と被検レンズを透過した光束とを干渉させて発生する干渉縞から被検レンズの収差量を検査する際に、透過光量が略等しい領域ごとに光量の最適化と測定を行い、全ての領域を測定後、データを合成するため、透過光量による測定分解能の差を除去することができ、これにより、被検レンズの透過光量差によって干渉縞のコントラストが均一でなくても、被検レンズの収差量を精度良く測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検査方法を示すフローチャートである。
【図2】実施の形態1の検査方法を示すフローチャートである。
【図3】検査に用いる干渉計の光路図である。
【図4】実施の形態2の検査方法を示すフローチャートである。
【図5】ツェルニケ多項式の説明図である。
【図6】従来の検査装置を示す光路図である。
【符号の説明】
1 光源
2 光源用光学系
3 ビームスプリッタ
4 ミラー
5 ピエゾ素子
6 ミラー
7 参照レンズ
8 被検レンズ
11 ビームスプリッタ
12 結像レンズ
13 スクリーン
14 CCDカメラ用レンズ
15 CCDカメラ
16 コンピュータ
Claims (1)
- 光源からの光束を2分し、一方の光路中に配置した参照レンズを透過した光束と、他方の光路中に配置した被検レンズを透過した光束とを干渉させて発生する干渉縞から被検レンズの収差量を検査するレンズ検査方法において、透過光量が略等しい領域毎に光量の最適化と測定を行い、全ての領域を測定後にデータを合成することにより透過光量による測定分解能の差を除去することを特徴とするレンズ検査方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002256965A JP2004093460A (ja) | 2002-09-02 | 2002-09-02 | レンズ検査方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2004093460A true JP2004093460A (ja) | 2004-03-25 |
Family
ID=32062032
Family Applications (1)
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JP2002256965A Withdrawn JP2004093460A (ja) | 2002-09-02 | 2002-09-02 | レンズ検査方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004093460A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006343287A (ja) * | 2005-06-10 | 2006-12-21 | Yokogawa Electric Corp | 光学特性測定装置 |
JP2011179877A (ja) * | 2010-02-26 | 2011-09-15 | Olympus Corp | 形状測定方法及び形状測定装置 |
WO2016021028A1 (ja) * | 2014-08-07 | 2016-02-11 | 日立化成株式会社 | レンズシートの検査方法及びそれによって得られるレンズシート、レンズ付き光導波路、並びに、レンズ付き電気配線板 |
CN111238779A (zh) * | 2020-01-20 | 2020-06-05 | 西安工业大学 | Dfdi仪器多普勒干涉条纹对比度分析方法 |
-
2002
- 2002-09-02 JP JP2002256965A patent/JP2004093460A/ja not_active Withdrawn
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