JP2004083614A - 導電性を有し且つ着色可能なゴム及び樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】無機導電材を分散性よく配合する事が出来、又白度が高く、着色可能な導電性配合ゴム組成物や樹脂組成物を提供する。
【解決手段】主たる無機系導電材として、BET値20〜80m2/gの導電性酸化亜鉛を、基材ゴム又は基材樹脂に練り込むことにより、得られる硬化体の体積抵抗率が105〜1011Ω・cmで、着色可能な導電性配合ゴム組成物又は樹脂組成物とする。酸化亜鉛の配合量は、基材ゴム100質量部に対しては、20〜300質量部、基材樹脂に対しては、25〜150質量部の範囲が好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】主たる無機系導電材として、BET値20〜80m2/gの導電性酸化亜鉛を、基材ゴム又は基材樹脂に練り込むことにより、得られる硬化体の体積抵抗率が105〜1011Ω・cmで、着色可能な導電性配合ゴム組成物又は樹脂組成物とする。酸化亜鉛の配合量は、基材ゴム100質量部に対しては、20〜300質量部、基材樹脂に対しては、25〜150質量部の範囲が好ましい。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機系導電材を含み高い導電性を有するとともに、顔料を配合することによって着色可能としたゴム又は樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
導電性ゴムは、ゴムに導電性付与材料を配合・分散せしめ、本来絶縁体であるゴムに導電性を付与したもので、帯電防止材をはじめとして、接点材料、ファクス電極板、静電配線紙、感光紙、IC収納ケース、複写機用ロール、導電性接着剤、導電性タイヤ、医療用ゴム製品、コネクター素子等、OA機器、ハイテク機器等の産業分野においても不可欠な材料となっている。
【0003】
(カーボン系材料の問題点)
従来、導電性付与材料としては、カーボンブラック等カーボン系のものが最もよく研究され使用されているが、これには種々の問題がある。一つは着色が困難なことである。すなわち、カーボン系材料は、それ自身暗黒色であるため、これを配合した導電性ゴムは、必然的に黒色を帯びたゴムとなり、当該ゴムの成形体は、黒色のケース、黒色の筺体、黒色のロール等黒一色の意匠的に全く面白みの無いものとならざるを得ない。
【0004】
例えば、最近のOA機器のマーケティングにおいては、単にハードウエアの高機能性をアピールするよりも、むしろデザイン(意匠)が重要な要素となっている。すなわち、パソコン、モバイル機器、携帯電話機、複写機等の機器は、ユーザーの嗜好にアピールするようにスマートなフォルム(形態)にデザインされていることはもちろん、そのボディは、白色、赤、青、緑、紫、黄色、真珠色、グレー等、色とりどりに彩色され、カラフルなボディのOA機器等が販売店の売り場を埋め尽くしていることは、よく見られるところである。
【0005】
また同様にして、ベルト、スイッチ、トレー、シート、ケーブル、ロール等の工業製品のパーツやその素材についてもカラー化の傾向が強まっている。
【0006】
このように最近の市場のニーズを反映して、カラー化が素材開発上の重要な要素となりつつあり、ゴム素材についても上記のごとく本質的に着色が困難なカーボン配合の黒色ゴムに代わって、顔料を添加することにより各種の所望の色彩を付与できる導電性ゴムが求められている。
【0007】
また、カーボン系材料を配合した基材ゴムの部材等は、これと接触する他の部材が黒く着色する等、汚れを付着せしめるという問題がある。
【0008】
さらにまた、カーボン系材料の場合は、本質的に導電率(体積抵抗率)が変動しやすいという大きな問題がある。
【0009】
例えば、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)のごとき基材ゴムに対するカーボン系材料の配合部数を徐々に増加させた場合、導電率は、25PHR(基材100部に対する材料の配合部数)程度から低下し始め、通常練りの限度(汎用練機と通常の技術で練り込める上限の配合部数)とされている50PHR配合に至るまでに、1012Ω・cmから105Ω・cm程度まで急激に低下する。
【0010】
このように、カーボン系材料配合のゴム配合組成物では、僅か25PHRのカーボン配合部数の変動によって、導電率が大幅に振れてしまうばかりでなく、練り方によっても導電率が大幅に変動してしまうので、安定した品質を維持することは非常に困難である。
【0011】
かかる事情であるから、カーボン系以外の、無機系導電材を用いて、要求される体積抵抗率が105〜1011Ω・cmの実用的な製品を製造することが望ましいが、本発明者らの検討によると、通常市販されているBET値が3m2/g程度のアルミニウム等をドープした導電性酸化亜鉛粉体を使用する場合は、基材ゴムに対して、多量(200〜400PHR程度)の粉体を練り込む必要がある。このような多量の粉体についての練り作業性は、極度に悪くなるだけでなく、製品の物理特性にも支障をきたすことが見出された。
【0012】
以上の事項は、基材樹脂に無機導電材を配合して導電性樹脂を形成する場合についても同様であるが、一般的に、合成樹脂基材に導電材を配合して導電性を付与しようとする場合は、ゴム基材のように多量の無機系導電材を練りこむことは困難であり、体積抵抗率108Ω・cm以下のものは得られていない。
【0013】
本発明者らは、上記問題を解決するために、先に界面活性剤を併用した配合系を提案したが(公開2001−206988)、界面活性剤を多量に配合した場合は、時間の経過とともに、配合した界面活性剤がシートやローラー等の成形物の表面ににじみ出る現象(ブリード)が不可避であり、また、界面活性剤を配合することにより、成形物の耐水性が低下する等の問題も伴わざるを得ない。また、界面活性剤を配合することにより、これと、熱や配合薬品との反応によりゴム成形体等が変色するという問題もある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、無機系導電材として、導電性酸化亜鉛を主体として使用し、かつ、界面活性剤を実質的に使用することなく、目的とする体積抵抗率が105〜1011Ω・cmであり、白色度が20以上で希望する色に着色加工でき、かつ、ブリードの発生しない導電性配合ゴム組成物及び樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明に従えば、以下の発明が提供される。
【0016】
(1)主たる無機系導電材として、BET値20〜80m2/gの導電性酸化亜鉛を、基材ゴム又は基材樹脂に練り込んでなり、得られる硬化体の体積抵抗率が105〜1011Ω・cmで、着色可能な導電性配合ゴム組成物又は樹脂組成物。
【0017】
(2)さらにアニオン系又はノニオン系の界面活性剤を配合した(1)に記載のゴム組成物又は樹脂組成物。
【0018】
(3)導電性酸化亜鉛を、基材ゴム100質量部に対し、20〜300質量部配合する(1)又は(2)に記載のゴム組成物。
【0019】
(4)導電性酸化亜鉛を、基材樹脂100質量部に対し、25〜150質量部配合する(1)又は(2)に記載の樹脂組成物。
【0020】
(5)請求項1〜3のいずれかに記載の配合ゴム組成物に着色剤を配合し成形・加硫してなる、体積抵抗率が105〜1011Ω・cmの着色された導電性ゴム成形体。
【0021】
(6)請求項1、2又は4に記載の樹脂組成物に着色剤を配合し成形してなる、体積抵抗率が105〜1011Ω・cmの着色された導電性樹脂成形体。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0023】
本発明においては、基材ゴム又は基材樹脂に、主たる無機系導電材としてBET値20〜80m2/gの導電性酸化亜鉛を練りこんだ配合ゴム組成物又は樹脂組成物とする。まず基材ゴムについて述べ、つぎに基材樹脂について述べる。
【0024】
(基材ゴム)
本発明において使用できる基体ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、1,2−ポリブタジエンゴム(1,2−BR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルゴム(アクリルニトリル−ブタジエンゴム)(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM,EPR、EPDB、EPT)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリルゴム(ACM,ANM)、エピクロルヒドリンゴム(CO,ECO)、エチレン−酢酸ビニルゴム(EVA)、シリコーンゴム(Q)、メチルシリコーンゴム(MQ)、ビニル−メチルシリコーンゴム(VMQ)、フェニル−メチルシリコーンゴム(PMQ)、多硫化ゴム(T)、ウレタンゴム(U)、ポリエーテルウレタンゴム(EU)、ポリエステルウレタンゴム(AU)、フッ素ゴム(FKM)等が好ましいものとして挙げられる。これらは、単独で又は二種以上のブレンドゴムとして使用することができる。
【0025】
(導電性酸化亜鉛)
本発明で用いられる導電性酸化亜鉛としては、BET値が20〜100m2 /g、より好ましくは20〜80m2 /gの微粉末状のものが望ましい。BET値が20m2 /gよりあまり小さくなると、基材ゴムに配合した場合、硬化体の体積抵抗率が所望の程度に低くならない。また、BET値は大きい方が好ましいが、現実には、100m2 /gより大きいものは、現在の技術では製造が困難であり、製造コストが高くなり実質的に実用化が困難であり、効果と製造の容易性の点からBET値80m2 /g以下がより好ましい。
【0026】
本発明におけるBET値とは、公知のBET法により測定された比表面積の値である。
【0027】
なお、上記BET値に対応する導電性酸化亜鉛の1次粒子の粒径は、0.01〜0.05μm、好ましくは0.015〜0.05μm程度である。
【0028】
本発明で使用する導電性酸化亜鉛は、酸化亜鉛の結晶格子中にAl3+、In3+、Ti4+、Sn4+などをドーピングし導電性を付与したもので、ドーパント( 導電性付与成分 )としてはアルミニウムがドーピング性能及びコストの面で最も好ましい。
【0029】
本発明で用いられる導電性酸化亜鉛の製造方法としては、特に限定されるものでなく比表面積が20〜100m2 /g、好ましくは20〜80m2 /gの導電性酸化亜鉛微粉末が得られる方法であれば、基本的には、いかなる方法も用いられうるが、実施の容易性から以下の方法が最も好ましい。
【0030】
出発原料の酸化亜鉛としては、亜鉛を溶融・蒸発させ気相で酸化するフランス法、亜鉛鉱石を仮焼・コークス還元・酸化するアメリカ法、亜鉛塩溶液にソーダ灰を加えて塩基性炭酸亜鉛を沈殿させ、乾燥・仮焼する湿式法等のいずれでもよいが、比表面積が上記範囲のものであることが好ましい。
【0031】
これら一般的な製法により製造された酸化亜鉛微粒子を、例えば特公昭62−41171号に開示されているようにして、炭酸アンモニウム等のアンモニウム塩及びアルミニウムやチタンの水溶性塩を含む水溶液中に投入・分散処理し、生成ケーキを水洗・乾燥後、水素等の還元性雰囲気中で400〜1,000℃程度の温度で0.2〜3時間程度還元焼成する。
【0032】
かくして、酸化亜鉛の結晶格子中にAl3+、In3+又はTi4+などが充分ドーピングされた、比表面積が20〜100m2 /g、好ましくは20〜80m2 /g、体積抵抗率が3×103Ω・cm以下、好ましくは5×102Ω・cm以下である導電性酸化亜鉛微粉末が得られる。本発明で使用する導電性酸化亜鉛は、このようなものである。なお、この体積抵抗率は、試料10gを内径25mmの内面をフッ素樹脂加工した円筒に入れ、100kg/cm2 (10MPa)の加圧を行い、テスターで測定した値( Ω・cm )である。
【0033】
使用する導電性酸化亜鉛微粉末の粒子形状としては、球状、鱗片状、薄片状、板状、破砕状、不定形状、板状、針状等いずれであっても構わない。
【0034】
導電性酸化亜鉛は、基材ゴム100質量部に対し、20〜300質量部配合することが好ましい。
【0035】
本発明においては、無機系導電材として導電性酸化亜鉛を主体として使用するが、さらに他の無機系導電材を併用してもよい。すなわち、カーボンブラック等のカーボン系導電材以外のもので、これを配合したゴム組成物が黒色等の暗色を帯びず、顔料を添加することにより明彩色に着色可能なものであれば従来公知のものがいずれも使用可能である。
【0036】
例えば酸化インジウムにスズをドープしたもの又は酸化インジウムと酸化スズとの固溶体、酸化スズにアンチモンをドープしたもの又は酸化スズと酸化アンチモンとの固溶体、酸化インジウムと酸化スズの固溶体(ITO)、酸化スズと酸化アンチモンの固溶体、酸化鉄と酸化チタンの固溶体、酸化アルミニウムと酸化マグネシウムの固溶体、チタン酸カリウム、酸化スズにアンチモンをドープしたもので酸化チタン表面を被覆したもの等の金属酸化物を主体とする粒子、及び金、銀、銅、ニッケル等の金属の粒子が使用可能である。特に値段及び安定性の点で、導電性酸化チタン酸カリ、導電性酸化チタン等が好ましい。
【0037】
これら併用する導電性酸化亜鉛以外の導電材は、配合する当該導電性酸化亜鉛100質量部に対し、50質量部以下、好ましくは30質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。
【0038】
基材ゴムには、無機導電材とともに、常法に従って、ゴム薬品が配合される。かかるゴム薬品としては、通常のゴムの配合剤が好適に使用され、例えば加硫剤(硬化剤)、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤(酸化防止剤)、充填剤(補強剤・増量剤)、着色剤、滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、抗菌剤、難燃剤等があげられる。なお、本発明の組成物においては、界面活性剤の添加は必須ではないが、場合により、適量のアニオン系またはノニオン系の界面活性剤を添加することを排除するものではない。
【0039】
ここで加硫剤としては、従来公知の、例えば硫黄、無機系硫黄化合物、有機系硫黄化合物、有機過酸化物、金属酸化物が用いられ、特に硫黄又は硫黄化合物を用いた場合は、体積抵抗率をより低下させることができるため好ましい。これらの添加量は、基材ゴム100質量部に対して0.1〜5質量部程度である。
【0040】
混練は、バンバリーミキサー、ニーダー、インターナルミキサー、ロール機等従来公知の装置において、基材ゴム、導電性酸化亜鉛及び所望のゴム薬品を投入して行われる。
【0041】
(成形・加硫)
【0042】
混練後における配合ゴム組成物は、シート、ベルト、ロール等の目的に応じた製品の形態に加工される。通常、シート状(特に薄いシート)の加工製品は、カレンダー加工又はロールシート加工によって行われ、平板、シート、チューブ(単層又は多層)、丸棒(ロール)、複雑な断面形状のパッキング製品等は、押出成形加工により行われる。
【0043】
上記のごとくしてカレンダー加工や押出加工により得られた当該配合ゴム成形体を、硫黄等の架橋剤の存在下に加熱して架橋を起こさしめることにより、実質的な弾性体であるゴム製品(硬化体)が得られる。
【0044】
加硫を行う装置は、配合ゴム成形体を収容し加熱できる装置であればよく、例えば加硫缶が代表的なものであり、これに当該配合ゴム成形体をセットし、水蒸気加熱、熱風加熱、赤外線加熱、電気加熱、マイクロ波加熱等任意の手段で加熱すればよい。また加硫プレス機により成形体を加圧しながら加硫することもできる。さらに、成形体がシートやベルト状である場合は、当該シート等を連続的に移動させながら加熱し加硫することも可能である。
【0045】
加硫温度は、基材ゴムや加硫剤の種類によって変わりうるが、通常120〜200℃程度である。また加硫時間は、予め当該ゴム成形体の試験片について、引張り応力やトルクの変化を温度一定の条件下で連続的に測定してグラフ化しておくことにより決定することができるが、通常は、2〜60分、好ましくは5〜60分程度である。
【0046】
なお、より複雑な形状の成形体を形成する場合は、金型を使用することも可能である。この場合は、溶剤を含んだ配合ゴム組成物を直接金型の中空部分(キャビティ)内に流し込み、型付けを行った状態で加熱して加硫するのである。
【0047】
(基材樹脂)
導電性配合ゴム組成物について述べたのと同様にして、BET値20〜80m2/gの高比表面積の導電性酸化亜鉛を基材樹脂に練り込むことにより、導電性樹脂組成物を得ることができる。
【0048】
基材樹脂としては、酸化亜鉛を配合することにより、導電性を付与することが望ましい樹脂で、かつ、所望の形状に成形することができるものである。これらの導電性を付与した樹脂組成物は、その成形体が、静電気を帯電させがたく、塵埃の付着防止、放電による電子部品へのダメージ防止、OA機器の筺体(ハウジング)の電磁シールド性確保等の好ましい特性を付与することができる。なお、導電性酸化亜鉛は、基材樹脂100質量部に対して、25〜150質量部配合することが好ましい。
【0049】
基材樹脂としては、溶融成形可能な熱可塑性樹脂でもよいし、金型中で溶融硬化可能な熱硬化性樹脂のいずれでもよい。
【0050】
熱可塑性樹脂としては、特に限定するものではないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、プロピロピレン−メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;不飽和ジカルボン酸、またはその無水物によりグラフト変性されたポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−プロピレン共重合体等のグラフト変性ポリオレフィン系樹脂;
【0051】
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂;ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル等のポリエーテル系樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のアクリル系樹脂;ポリビニルフルオライド、ポリビニリデンフルオライド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;その他、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0052】
一方、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、フラン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、グアナミン樹脂、ケトン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂等が好ましいものとして挙げられる。
【0053】
基材樹脂と導電性酸化亜鉛との混練は、ゴム基材の場合と同様に、バンバリーミキサー、ニーダー、インターナルミキサー、ロール機等でもよいし、また、熱可塑性樹脂を使用する場合は、射出成形機や押出成形機中で行うことも可能である。
【0054】
なお、無機導電材とともに、常法に従って、老化防止剤(酸化防止剤)、充填剤(補強剤・増量剤)、着色剤、可塑剤、滑剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、抗菌剤、難燃剤等の添加剤を加えてもよい。
【0055】
混練後における樹脂基材組成物は、配合ゴム組成物の場合と同様にして、カレンダー加工、ロールシート加工、押出成形加工によって成形してもよいし、さらには、射出成形加工、圧縮成形加工、トランスファー成形加工等従来公知の成形加工方法が適用できる。
【0056】
本発明の導電性配合ゴム組成物又は樹脂組成物(以下「導電性配合ゴム組成物等」と称することがある。)は、BET値20〜80m2/gという高比表面積を有する導電性酸化亜鉛を、基材ゴムや基材樹脂に練り込んでなるものである。当該組成物は、黒色のカーボンブラック等の代わりに白色の導電性酸化亜鉛等の無機系導電材を配合しているので、着色剤を添加することにより着色可能な組成物であり、またこれを硬化せしめて得られる硬化体(導電性ゴム硬化体すなわち導電性ゴム成形体又は導電性樹脂成形体。以下単に「導電性ゴム成形体等」と称することがある。)は、以下の特性を有するものである。
【0057】
すなわち、本発明の導電性ゴム成形体等(硬化体)の体積抵抗率は、105〜1011Ω・cmである。この硬化体の体積抵抗率は、JIS K6911に準じた絶縁抵抗計により測定した値である。
【0058】
本発明の導電性配合ゴム組成物等は、着色可能なものである。すなわち、当該組成物から得られる硬化体は、その色調が白色又は薄い灰色、灰色若しくは濃い灰色であり、好ましくは白色、又は灰色若しくは薄い灰色であるから、着色剤を配合することにより容易に着色された硬化体となしうるのである。なお、そのハンター白度(Wb)としては、少なくとも20以上、好ましくは30以上、さらに好ましくは40以上、一層好ましくは50以上、95以下である。概して、濃灰色はWbが20〜30程度に対応し、灰色は30〜40程度、薄い灰色は40〜50程度、白色は50以上に対応する。
【0059】
特にハンター白度が30〜40以上であれば、少量(2〜3PHR程度)の着色剤を添加することにより、種々の色彩の明彩色の配合ゴム組成物、したがって明彩色の硬化体とすることができ好ましい。なお、ハンター白度は、ハンター式分光式色差計により測定した値である。
【0060】
(着色剤)
着色剤としては、無機顔料、有機顔料のいずれであってもよく、目的に応じて適宜選択使用する。
【0061】
有機顔料としては、例えば以下のものが例示される。
赤色顔料としては、レーキレッドC、レーキレッドD、ピグメントレッド3、ピグメントレッド179、パーマネントレッド4R、パーマネントカーミンFB、ピラゾロンレッド、ピグメントオレンジ13、バルカンオレンジ、ブリリアントカーミン6B、リゾールレッド等が;
【0062】
緑色顔料としては、シアニングリーン、フタロシアニングリーン等が;
黄色顔料としては、ピグメントイエロー110、クロモファインイエロー、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR等が;
【0063】
青色顔料としては、ピグメントブルー60、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー等が挙げられる。
【0064】
また、無機顔料としては、例えば以下のものが例示される。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウム赤、モリブデン赤、光明丹(鉛丹)、ベニス赤等が;
【0065】
緑色顔料としては、酸化クロム、コバルト緑、ビリジアン等が;
黄色顔料としては、リサージ、黄鉛、カドミウム黄、ストロンチウム黄、バリウム黄、クロム黄等が;
【0066】
青色顔料としては、群青、紺青、コバルト青等が;
白色顔料としては、酸化亜鉛の他、チタン白、リトポン、鉛白、硫化亜鉛、炭酸カルシウム等が好ましいものとして挙げられる。
【0067】
これらの顔料は、通常基材ゴムや基材樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部程度配合する。
【0068】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。ただし、これらは単なる実施の態様の一例であり、本発明の技術的範囲がこれらによりなんら限定的に解釈されるものではない。
【0069】
なお、以下の実施例、比較例において、部は質量部を示し、また硬化体の硬度、強度、体積抵抗率、ハンター白度及び色調は、以下のようにして測定した。
【0070】
(a)硬度は、JIS K6253(ISO48)に従いスプリング硬さ(Hs)A型のデュロメータを使用して測定した。
【0071】
(b)強度は、JIS K6251に準じ、3号ダンベル状試験片を上島製作所製の引張り試験機(TS−2540)を使用し測定した。
【0072】
(c)体積抵抗率は、東亜電波工業社製の極超絶縁抵抗計(SM−10E型)又は抵抗率の値が106Ω・cm以下の場合、三菱油化製の四端子電極型抵抗計(LorestaGP MCP−T6000)により測定した。
【0073】
(d)ハンター白色度(W)とハンター白度(Wb)は、日本電色工業社のハンター式分光式色差計(SE2000)、またハンター白度を目安とし、色調を視覚で判断した。
【0074】
また、顔料を加えた場合の配合ゴム組成物の色調は、上記色差計により測定した。
【0075】
なお、測定項目は、L、a、b、W、Wbにより、以下の通り表現した。
L=明度〔色の明るさ(0〜100)〕
a=色度〔色相と彩度:赤色方向(+)、緑色方向(−表示)〕
b=色度〔色相と彩度:黄色方向(+)、青色方向(−表示)〕
W=白色度〔(0〜100)〕
Wb=白度〔(0〜100)〕
【0076】
(e)ブリード(配合剤のゴムやプラスチック硬化体表面へのにじみ出し現象)は触感と視覚で判定した。
【0077】
〔実施例1〕
(1)基材ゴムとしてエチレン−プロピレン−ジエンゴム(以下、EPDMと称する。)(JSR社製EP−21)を使用した。当該基材ゴム100部に、無機系導電材として導電性酸化亜鉛〔BET値:43m2/gのもの(体積抵抗率:1500Ω・cm)(以下、ZAB−40と称する。)〕100部を配合してラボプラストミル(BR600型、東洋精機社製、内容積600mL)で混練し、一定時間熟成後、加硫剤として硫黄1.75部、加硫促進剤(ノクセラーNS−G、大内新興化学工業社製)1.0部を加え、さらに混練した。当該混練した配合ゴム組成物をロール機により加工処理し厚さ2mmのシートに成形した。
【0078】
(2)配合ゴム組成物のシート状成形体を金型に入れ、加硫機にセットし、圧力9.8MPa、160℃で、10分間加硫した。なお、この加硫時間は、当該温度において、T90値(レオメータで測定し最大トルクと最小トルクを100等分したときに90の値まで達する時間)の1.5倍の時間である。
【0079】
以上のごとくして得られた硬化体(導電性ゴム硬化体)について体積抵抗率を測定した結果を表1に示す。(なお、表中で「PHR」とあるのは、基材ゴム100部当たりの導電性酸化亜鉛の配合量(部)を示す。以下、同じ。)
【0080】
【表1】
【0081】
〔実施例2〕
導電性酸化亜鉛として、BET値:67m2/gのもの(体積抵抗率:2000Ω・cm)(以下、ZAB−70と称する。)を使用するほかは、実施例1と同様な実験を行った。結果を表1に示す。
【0082】
〔比較例1〕
導電性酸化亜鉛として、BET値:10m2/gのもの(体積抵抗率:200Ω・cm)(以下、ZAB−10と称する。)を使用するほかは、実施例1と同様な実験を行った。結果を表1に示す。
【0083】
〔比較例2〕
導電性酸化亜鉛として、BET値:14m2/gのもの(体積抵抗率:300Ω・cm)(以下、ZAB−15と称する。)を使用するほかは、実施例1と同様な実験を行った。結果を表1に示す。
【0084】
〔比較例3〕
導電性酸化亜鉛として、BET値:3m2/gのもの(体積抵抗率:90Ω・cm)(以下、23−Kと称する。)を使用するほかは、実施例1と同様な実験を行った。結果を表1に示す。
【0085】
〔実施例3〕〜〔実施例6〕
配合する導電性酸化亜鉛〔BET値:43m2/g(ZAB−40)の添加量をEPDM100部に対し、50部(実施例3)、150部(実施例4)、200部(実施例5)、250部(実施例6)使用するほかは、実施例1と同様な実験を行った。結果を実施例1の硬化体のデータとともに表2に示す。
【0086】
なお、表2において、粘度MLとは、未加硫ゴムの粘度であり、上島製作所社製のムーニー測定装置を使用し、130℃で測定した。
【0087】
【表2】
【0088】
〔参考例1〕
導電性酸化亜鉛を配合しないほかは、実施例1と同様な実験を行った。結果を表2に示す。
【0089】
導電性酸化亜鉛ZAB−40の添加量を50PHRから250PHRに増加させるにつれて、硬化体の体積抵抗率は低下した。また色調は好適である。また、添加量の増加とともに、硬化体の300%モジュラス、強度、硬度が向上する傾向が認められた。
【0090】
〔実施例7〕
(1)基材樹脂としてポリスチレン(以下、PSと称する。)(日本ポリスチレン社製H430)を使用した。基材樹脂100部を、ラボプラストミル(BR600型、東洋精機社製、内容積600mL)に投入し、200℃で15分間予熱後、導電性酸化亜鉛〔BET値:43m2/g(ZAB−40)〕50部を加えて、2分間混練した。
【0091】
(2)直ちに、当該混練物を、200℃に加熱されている厚み2mmの金型に入れ、9.8MPaの圧力下に成型し、冷却後、当該金型より厚さ2mmのシートを取り出した。当該シートから、体積抵抗率と白色度測定用に10cm角のサンプル切り出し、また強度測定用に5mm巾のサンプルを切り出し、実施例1と同様にして測定を行った。結果を表3に示す。
【0092】
【表3】
【0093】
〔実施例8〕
導電性酸化亜鉛(ZAB−40)の添加量を100部とするほかは、実施例7と同様の実験を行った。結果を表3に示す。
【0094】
〔比較例3〕
導電性酸化亜鉛(ZAB−40)の添加量を25部とするほかは、実施例7と同様の実験を行った。結果を表3に示す。
【0095】
〔比較例4〕
導電性酸化亜鉛として、23−Kを100部添加するほかは、実施例7と同様の実験を行った。結果を表3に示す。
【0096】
〔参考例2〕
導電性酸化亜鉛を配合しないほかは、実施例7と同様な実験を行った。結果を表3に示す。
【0097】
〔実施例9〕〜〔実施例11〕
実施例1において、さらに白色顔料として、酸化チタン又は炭酸カルシウムを使用し、同様の実験を行った結果を、実施例1の結果とともに表4に示す。
【0098】
なお、酸化チタンとしては、石原産業社製の酸化チタン(A−100)を、また、炭酸カルシウムとしては、神島化学工業社製の「軽微性炭酸カルシウム」をそれぞれ表4に示す量を使用した。
【0099】
【表4】
表4において、実施例1の色調は薄緑灰色で白色度は55である。これに酸化チタンを配合することで白色度は向上する。すなわち、白色度は、実施例9、10に示すように酸化チタンを5PHR以上配合することにより、実施例1に比べ白色度は60を超え、白色度が顕著に増加することが確認された。なお、実用的には、酸化チタンの場合、3PHR程度以上の配合であれば充分良好な白色度が得られるものと推測される。
【0100】
一方、所謂体質顔料である軽質炭酸カルシウム添加の場合では、実施例11のごとく40PHR以上を配合する必要があるものと思われる。このように、各白色顔料の持つ隠蔽力の強弱によって、必要な白色顔料の配合量が異なることが確認された。
【0101】
〔実施例12〕〜〔実施例14〕
実施例1において、さらに着色顔料として、赤色顔料(実施例12)、緑色顔料(実施例13)、黄色顔料(実施例14)をそれぞれ5部配合して、同様の実験を行った結果を実施例1の値とともに表5に示した。
【0102】
ここで赤色顔料としては「レーキレッドC#405(F)」を、緑色顔料としては「シアニングリーン260」を、黄色顔料としては「クロモファインイエロー5900」(いずれも大日本精化工社製)を使用した。
【0103】
【表5】
【0104】
表5において、実施例12の赤色、実施例13の緑色、実施例14の黄色を色差計で測定した値及び視覚で判定した色は、すべて目的とするレベルにあり、本配合組成物が、着色可能な導電性配合ゴム組成物であることが確認された。
【0105】
【発明の効果】
本発明の導電性配合ゴム組成物及び導電性樹脂組成物は、無機導電材が分散性よく配合され、また白度の高いものであるから、着色可能で容易に明彩色の導電性ゴム成形体や導電性樹脂成形体を形成することができる。
【0106】
より具体的には、以下のごとき効果が奏される。
本発明においては、従来のBET値の低い導電性酸化亜鉛を使用する場合よりも、少ない配合部数でより導電率が降下し始め、105Ω・cm まで低下し、配合部数に対しては急激な導電率の変化がない。したがって、ゴム配合等の計量誤差や水分率の差異や練り時の薬品飛散のロスなどからくる導電率の変動を小さく抑えられ、製品である成形体の導電率の均一化が図れる。
【0107】
また、従来のBET値の低い導電性酸化亜鉛と異なり、界面活性剤等を添加することなく所望量の酸化亜鉛粒子(粉体)を均一に配合・練り込むことができ、その充填密度を上げることが可能である。そのため、製品である成形体の製品の局部的な導電率の違いからくる不具合の発生を抑えることができ、例えば転写材として使用した場合、均一に帯電可能であり、鮮明な画像を得ることができる。又、局部的な発熱が防止でき劣化を防止し、製品寿命を延ばすなどの利点を生む。
【0108】
また、本発明の組成物は、任意の希望する色に着色できるので、医療用キャスターやクリーンルームの床や壁などでは清潔感や精神面で適切な色を選択でき、カーペットの裏地、安全靴用の底材、静電気を嫌う電気器具のゴム部品などでは色彩を取り入れたデザインが可能であり、用途や環境、好みなどを考慮して設計できる。また、静電気が発生する個所で使用する搬送用コンベヤ、ホースなどの製品で除電不要ラインとの識別や汚れを嫌う屋内フォークリフトタイヤ、さらには低い導電率が要求される樹脂製のLCDトレーなどに好適に利用できる。
【0109】
さらには、塗料組成物に配合して導電性塗料とした場合でも従来の低比表面積の導電性酸化亜鉛に比較して、より少量の配合で同じレベルの導電率が得られるため、きわめて好ましい。
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機系導電材を含み高い導電性を有するとともに、顔料を配合することによって着色可能としたゴム又は樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
導電性ゴムは、ゴムに導電性付与材料を配合・分散せしめ、本来絶縁体であるゴムに導電性を付与したもので、帯電防止材をはじめとして、接点材料、ファクス電極板、静電配線紙、感光紙、IC収納ケース、複写機用ロール、導電性接着剤、導電性タイヤ、医療用ゴム製品、コネクター素子等、OA機器、ハイテク機器等の産業分野においても不可欠な材料となっている。
【0003】
(カーボン系材料の問題点)
従来、導電性付与材料としては、カーボンブラック等カーボン系のものが最もよく研究され使用されているが、これには種々の問題がある。一つは着色が困難なことである。すなわち、カーボン系材料は、それ自身暗黒色であるため、これを配合した導電性ゴムは、必然的に黒色を帯びたゴムとなり、当該ゴムの成形体は、黒色のケース、黒色の筺体、黒色のロール等黒一色の意匠的に全く面白みの無いものとならざるを得ない。
【0004】
例えば、最近のOA機器のマーケティングにおいては、単にハードウエアの高機能性をアピールするよりも、むしろデザイン(意匠)が重要な要素となっている。すなわち、パソコン、モバイル機器、携帯電話機、複写機等の機器は、ユーザーの嗜好にアピールするようにスマートなフォルム(形態)にデザインされていることはもちろん、そのボディは、白色、赤、青、緑、紫、黄色、真珠色、グレー等、色とりどりに彩色され、カラフルなボディのOA機器等が販売店の売り場を埋め尽くしていることは、よく見られるところである。
【0005】
また同様にして、ベルト、スイッチ、トレー、シート、ケーブル、ロール等の工業製品のパーツやその素材についてもカラー化の傾向が強まっている。
【0006】
このように最近の市場のニーズを反映して、カラー化が素材開発上の重要な要素となりつつあり、ゴム素材についても上記のごとく本質的に着色が困難なカーボン配合の黒色ゴムに代わって、顔料を添加することにより各種の所望の色彩を付与できる導電性ゴムが求められている。
【0007】
また、カーボン系材料を配合した基材ゴムの部材等は、これと接触する他の部材が黒く着色する等、汚れを付着せしめるという問題がある。
【0008】
さらにまた、カーボン系材料の場合は、本質的に導電率(体積抵抗率)が変動しやすいという大きな問題がある。
【0009】
例えば、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)のごとき基材ゴムに対するカーボン系材料の配合部数を徐々に増加させた場合、導電率は、25PHR(基材100部に対する材料の配合部数)程度から低下し始め、通常練りの限度(汎用練機と通常の技術で練り込める上限の配合部数)とされている50PHR配合に至るまでに、1012Ω・cmから105Ω・cm程度まで急激に低下する。
【0010】
このように、カーボン系材料配合のゴム配合組成物では、僅か25PHRのカーボン配合部数の変動によって、導電率が大幅に振れてしまうばかりでなく、練り方によっても導電率が大幅に変動してしまうので、安定した品質を維持することは非常に困難である。
【0011】
かかる事情であるから、カーボン系以外の、無機系導電材を用いて、要求される体積抵抗率が105〜1011Ω・cmの実用的な製品を製造することが望ましいが、本発明者らの検討によると、通常市販されているBET値が3m2/g程度のアルミニウム等をドープした導電性酸化亜鉛粉体を使用する場合は、基材ゴムに対して、多量(200〜400PHR程度)の粉体を練り込む必要がある。このような多量の粉体についての練り作業性は、極度に悪くなるだけでなく、製品の物理特性にも支障をきたすことが見出された。
【0012】
以上の事項は、基材樹脂に無機導電材を配合して導電性樹脂を形成する場合についても同様であるが、一般的に、合成樹脂基材に導電材を配合して導電性を付与しようとする場合は、ゴム基材のように多量の無機系導電材を練りこむことは困難であり、体積抵抗率108Ω・cm以下のものは得られていない。
【0013】
本発明者らは、上記問題を解決するために、先に界面活性剤を併用した配合系を提案したが(公開2001−206988)、界面活性剤を多量に配合した場合は、時間の経過とともに、配合した界面活性剤がシートやローラー等の成形物の表面ににじみ出る現象(ブリード)が不可避であり、また、界面活性剤を配合することにより、成形物の耐水性が低下する等の問題も伴わざるを得ない。また、界面活性剤を配合することにより、これと、熱や配合薬品との反応によりゴム成形体等が変色するという問題もある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、無機系導電材として、導電性酸化亜鉛を主体として使用し、かつ、界面活性剤を実質的に使用することなく、目的とする体積抵抗率が105〜1011Ω・cmであり、白色度が20以上で希望する色に着色加工でき、かつ、ブリードの発生しない導電性配合ゴム組成物及び樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明に従えば、以下の発明が提供される。
【0016】
(1)主たる無機系導電材として、BET値20〜80m2/gの導電性酸化亜鉛を、基材ゴム又は基材樹脂に練り込んでなり、得られる硬化体の体積抵抗率が105〜1011Ω・cmで、着色可能な導電性配合ゴム組成物又は樹脂組成物。
【0017】
(2)さらにアニオン系又はノニオン系の界面活性剤を配合した(1)に記載のゴム組成物又は樹脂組成物。
【0018】
(3)導電性酸化亜鉛を、基材ゴム100質量部に対し、20〜300質量部配合する(1)又は(2)に記載のゴム組成物。
【0019】
(4)導電性酸化亜鉛を、基材樹脂100質量部に対し、25〜150質量部配合する(1)又は(2)に記載の樹脂組成物。
【0020】
(5)請求項1〜3のいずれかに記載の配合ゴム組成物に着色剤を配合し成形・加硫してなる、体積抵抗率が105〜1011Ω・cmの着色された導電性ゴム成形体。
【0021】
(6)請求項1、2又は4に記載の樹脂組成物に着色剤を配合し成形してなる、体積抵抗率が105〜1011Ω・cmの着色された導電性樹脂成形体。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0023】
本発明においては、基材ゴム又は基材樹脂に、主たる無機系導電材としてBET値20〜80m2/gの導電性酸化亜鉛を練りこんだ配合ゴム組成物又は樹脂組成物とする。まず基材ゴムについて述べ、つぎに基材樹脂について述べる。
【0024】
(基材ゴム)
本発明において使用できる基体ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、1,2−ポリブタジエンゴム(1,2−BR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルゴム(アクリルニトリル−ブタジエンゴム)(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM,EPR、EPDB、EPT)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリルゴム(ACM,ANM)、エピクロルヒドリンゴム(CO,ECO)、エチレン−酢酸ビニルゴム(EVA)、シリコーンゴム(Q)、メチルシリコーンゴム(MQ)、ビニル−メチルシリコーンゴム(VMQ)、フェニル−メチルシリコーンゴム(PMQ)、多硫化ゴム(T)、ウレタンゴム(U)、ポリエーテルウレタンゴム(EU)、ポリエステルウレタンゴム(AU)、フッ素ゴム(FKM)等が好ましいものとして挙げられる。これらは、単独で又は二種以上のブレンドゴムとして使用することができる。
【0025】
(導電性酸化亜鉛)
本発明で用いられる導電性酸化亜鉛としては、BET値が20〜100m2 /g、より好ましくは20〜80m2 /gの微粉末状のものが望ましい。BET値が20m2 /gよりあまり小さくなると、基材ゴムに配合した場合、硬化体の体積抵抗率が所望の程度に低くならない。また、BET値は大きい方が好ましいが、現実には、100m2 /gより大きいものは、現在の技術では製造が困難であり、製造コストが高くなり実質的に実用化が困難であり、効果と製造の容易性の点からBET値80m2 /g以下がより好ましい。
【0026】
本発明におけるBET値とは、公知のBET法により測定された比表面積の値である。
【0027】
なお、上記BET値に対応する導電性酸化亜鉛の1次粒子の粒径は、0.01〜0.05μm、好ましくは0.015〜0.05μm程度である。
【0028】
本発明で使用する導電性酸化亜鉛は、酸化亜鉛の結晶格子中にAl3+、In3+、Ti4+、Sn4+などをドーピングし導電性を付与したもので、ドーパント( 導電性付与成分 )としてはアルミニウムがドーピング性能及びコストの面で最も好ましい。
【0029】
本発明で用いられる導電性酸化亜鉛の製造方法としては、特に限定されるものでなく比表面積が20〜100m2 /g、好ましくは20〜80m2 /gの導電性酸化亜鉛微粉末が得られる方法であれば、基本的には、いかなる方法も用いられうるが、実施の容易性から以下の方法が最も好ましい。
【0030】
出発原料の酸化亜鉛としては、亜鉛を溶融・蒸発させ気相で酸化するフランス法、亜鉛鉱石を仮焼・コークス還元・酸化するアメリカ法、亜鉛塩溶液にソーダ灰を加えて塩基性炭酸亜鉛を沈殿させ、乾燥・仮焼する湿式法等のいずれでもよいが、比表面積が上記範囲のものであることが好ましい。
【0031】
これら一般的な製法により製造された酸化亜鉛微粒子を、例えば特公昭62−41171号に開示されているようにして、炭酸アンモニウム等のアンモニウム塩及びアルミニウムやチタンの水溶性塩を含む水溶液中に投入・分散処理し、生成ケーキを水洗・乾燥後、水素等の還元性雰囲気中で400〜1,000℃程度の温度で0.2〜3時間程度還元焼成する。
【0032】
かくして、酸化亜鉛の結晶格子中にAl3+、In3+又はTi4+などが充分ドーピングされた、比表面積が20〜100m2 /g、好ましくは20〜80m2 /g、体積抵抗率が3×103Ω・cm以下、好ましくは5×102Ω・cm以下である導電性酸化亜鉛微粉末が得られる。本発明で使用する導電性酸化亜鉛は、このようなものである。なお、この体積抵抗率は、試料10gを内径25mmの内面をフッ素樹脂加工した円筒に入れ、100kg/cm2 (10MPa)の加圧を行い、テスターで測定した値( Ω・cm )である。
【0033】
使用する導電性酸化亜鉛微粉末の粒子形状としては、球状、鱗片状、薄片状、板状、破砕状、不定形状、板状、針状等いずれであっても構わない。
【0034】
導電性酸化亜鉛は、基材ゴム100質量部に対し、20〜300質量部配合することが好ましい。
【0035】
本発明においては、無機系導電材として導電性酸化亜鉛を主体として使用するが、さらに他の無機系導電材を併用してもよい。すなわち、カーボンブラック等のカーボン系導電材以外のもので、これを配合したゴム組成物が黒色等の暗色を帯びず、顔料を添加することにより明彩色に着色可能なものであれば従来公知のものがいずれも使用可能である。
【0036】
例えば酸化インジウムにスズをドープしたもの又は酸化インジウムと酸化スズとの固溶体、酸化スズにアンチモンをドープしたもの又は酸化スズと酸化アンチモンとの固溶体、酸化インジウムと酸化スズの固溶体(ITO)、酸化スズと酸化アンチモンの固溶体、酸化鉄と酸化チタンの固溶体、酸化アルミニウムと酸化マグネシウムの固溶体、チタン酸カリウム、酸化スズにアンチモンをドープしたもので酸化チタン表面を被覆したもの等の金属酸化物を主体とする粒子、及び金、銀、銅、ニッケル等の金属の粒子が使用可能である。特に値段及び安定性の点で、導電性酸化チタン酸カリ、導電性酸化チタン等が好ましい。
【0037】
これら併用する導電性酸化亜鉛以外の導電材は、配合する当該導電性酸化亜鉛100質量部に対し、50質量部以下、好ましくは30質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。
【0038】
基材ゴムには、無機導電材とともに、常法に従って、ゴム薬品が配合される。かかるゴム薬品としては、通常のゴムの配合剤が好適に使用され、例えば加硫剤(硬化剤)、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤(酸化防止剤)、充填剤(補強剤・増量剤)、着色剤、滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、抗菌剤、難燃剤等があげられる。なお、本発明の組成物においては、界面活性剤の添加は必須ではないが、場合により、適量のアニオン系またはノニオン系の界面活性剤を添加することを排除するものではない。
【0039】
ここで加硫剤としては、従来公知の、例えば硫黄、無機系硫黄化合物、有機系硫黄化合物、有機過酸化物、金属酸化物が用いられ、特に硫黄又は硫黄化合物を用いた場合は、体積抵抗率をより低下させることができるため好ましい。これらの添加量は、基材ゴム100質量部に対して0.1〜5質量部程度である。
【0040】
混練は、バンバリーミキサー、ニーダー、インターナルミキサー、ロール機等従来公知の装置において、基材ゴム、導電性酸化亜鉛及び所望のゴム薬品を投入して行われる。
【0041】
(成形・加硫)
【0042】
混練後における配合ゴム組成物は、シート、ベルト、ロール等の目的に応じた製品の形態に加工される。通常、シート状(特に薄いシート)の加工製品は、カレンダー加工又はロールシート加工によって行われ、平板、シート、チューブ(単層又は多層)、丸棒(ロール)、複雑な断面形状のパッキング製品等は、押出成形加工により行われる。
【0043】
上記のごとくしてカレンダー加工や押出加工により得られた当該配合ゴム成形体を、硫黄等の架橋剤の存在下に加熱して架橋を起こさしめることにより、実質的な弾性体であるゴム製品(硬化体)が得られる。
【0044】
加硫を行う装置は、配合ゴム成形体を収容し加熱できる装置であればよく、例えば加硫缶が代表的なものであり、これに当該配合ゴム成形体をセットし、水蒸気加熱、熱風加熱、赤外線加熱、電気加熱、マイクロ波加熱等任意の手段で加熱すればよい。また加硫プレス機により成形体を加圧しながら加硫することもできる。さらに、成形体がシートやベルト状である場合は、当該シート等を連続的に移動させながら加熱し加硫することも可能である。
【0045】
加硫温度は、基材ゴムや加硫剤の種類によって変わりうるが、通常120〜200℃程度である。また加硫時間は、予め当該ゴム成形体の試験片について、引張り応力やトルクの変化を温度一定の条件下で連続的に測定してグラフ化しておくことにより決定することができるが、通常は、2〜60分、好ましくは5〜60分程度である。
【0046】
なお、より複雑な形状の成形体を形成する場合は、金型を使用することも可能である。この場合は、溶剤を含んだ配合ゴム組成物を直接金型の中空部分(キャビティ)内に流し込み、型付けを行った状態で加熱して加硫するのである。
【0047】
(基材樹脂)
導電性配合ゴム組成物について述べたのと同様にして、BET値20〜80m2/gの高比表面積の導電性酸化亜鉛を基材樹脂に練り込むことにより、導電性樹脂組成物を得ることができる。
【0048】
基材樹脂としては、酸化亜鉛を配合することにより、導電性を付与することが望ましい樹脂で、かつ、所望の形状に成形することができるものである。これらの導電性を付与した樹脂組成物は、その成形体が、静電気を帯電させがたく、塵埃の付着防止、放電による電子部品へのダメージ防止、OA機器の筺体(ハウジング)の電磁シールド性確保等の好ましい特性を付与することができる。なお、導電性酸化亜鉛は、基材樹脂100質量部に対して、25〜150質量部配合することが好ましい。
【0049】
基材樹脂としては、溶融成形可能な熱可塑性樹脂でもよいし、金型中で溶融硬化可能な熱硬化性樹脂のいずれでもよい。
【0050】
熱可塑性樹脂としては、特に限定するものではないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、プロピロピレン−メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;不飽和ジカルボン酸、またはその無水物によりグラフト変性されたポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−プロピレン共重合体等のグラフト変性ポリオレフィン系樹脂;
【0051】
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂;ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル等のポリエーテル系樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のアクリル系樹脂;ポリビニルフルオライド、ポリビニリデンフルオライド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;その他、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0052】
一方、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、フラン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、グアナミン樹脂、ケトン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂等が好ましいものとして挙げられる。
【0053】
基材樹脂と導電性酸化亜鉛との混練は、ゴム基材の場合と同様に、バンバリーミキサー、ニーダー、インターナルミキサー、ロール機等でもよいし、また、熱可塑性樹脂を使用する場合は、射出成形機や押出成形機中で行うことも可能である。
【0054】
なお、無機導電材とともに、常法に従って、老化防止剤(酸化防止剤)、充填剤(補強剤・増量剤)、着色剤、可塑剤、滑剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、抗菌剤、難燃剤等の添加剤を加えてもよい。
【0055】
混練後における樹脂基材組成物は、配合ゴム組成物の場合と同様にして、カレンダー加工、ロールシート加工、押出成形加工によって成形してもよいし、さらには、射出成形加工、圧縮成形加工、トランスファー成形加工等従来公知の成形加工方法が適用できる。
【0056】
本発明の導電性配合ゴム組成物又は樹脂組成物(以下「導電性配合ゴム組成物等」と称することがある。)は、BET値20〜80m2/gという高比表面積を有する導電性酸化亜鉛を、基材ゴムや基材樹脂に練り込んでなるものである。当該組成物は、黒色のカーボンブラック等の代わりに白色の導電性酸化亜鉛等の無機系導電材を配合しているので、着色剤を添加することにより着色可能な組成物であり、またこれを硬化せしめて得られる硬化体(導電性ゴム硬化体すなわち導電性ゴム成形体又は導電性樹脂成形体。以下単に「導電性ゴム成形体等」と称することがある。)は、以下の特性を有するものである。
【0057】
すなわち、本発明の導電性ゴム成形体等(硬化体)の体積抵抗率は、105〜1011Ω・cmである。この硬化体の体積抵抗率は、JIS K6911に準じた絶縁抵抗計により測定した値である。
【0058】
本発明の導電性配合ゴム組成物等は、着色可能なものである。すなわち、当該組成物から得られる硬化体は、その色調が白色又は薄い灰色、灰色若しくは濃い灰色であり、好ましくは白色、又は灰色若しくは薄い灰色であるから、着色剤を配合することにより容易に着色された硬化体となしうるのである。なお、そのハンター白度(Wb)としては、少なくとも20以上、好ましくは30以上、さらに好ましくは40以上、一層好ましくは50以上、95以下である。概して、濃灰色はWbが20〜30程度に対応し、灰色は30〜40程度、薄い灰色は40〜50程度、白色は50以上に対応する。
【0059】
特にハンター白度が30〜40以上であれば、少量(2〜3PHR程度)の着色剤を添加することにより、種々の色彩の明彩色の配合ゴム組成物、したがって明彩色の硬化体とすることができ好ましい。なお、ハンター白度は、ハンター式分光式色差計により測定した値である。
【0060】
(着色剤)
着色剤としては、無機顔料、有機顔料のいずれであってもよく、目的に応じて適宜選択使用する。
【0061】
有機顔料としては、例えば以下のものが例示される。
赤色顔料としては、レーキレッドC、レーキレッドD、ピグメントレッド3、ピグメントレッド179、パーマネントレッド4R、パーマネントカーミンFB、ピラゾロンレッド、ピグメントオレンジ13、バルカンオレンジ、ブリリアントカーミン6B、リゾールレッド等が;
【0062】
緑色顔料としては、シアニングリーン、フタロシアニングリーン等が;
黄色顔料としては、ピグメントイエロー110、クロモファインイエロー、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR等が;
【0063】
青色顔料としては、ピグメントブルー60、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー等が挙げられる。
【0064】
また、無機顔料としては、例えば以下のものが例示される。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウム赤、モリブデン赤、光明丹(鉛丹)、ベニス赤等が;
【0065】
緑色顔料としては、酸化クロム、コバルト緑、ビリジアン等が;
黄色顔料としては、リサージ、黄鉛、カドミウム黄、ストロンチウム黄、バリウム黄、クロム黄等が;
【0066】
青色顔料としては、群青、紺青、コバルト青等が;
白色顔料としては、酸化亜鉛の他、チタン白、リトポン、鉛白、硫化亜鉛、炭酸カルシウム等が好ましいものとして挙げられる。
【0067】
これらの顔料は、通常基材ゴムや基材樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部程度配合する。
【0068】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。ただし、これらは単なる実施の態様の一例であり、本発明の技術的範囲がこれらによりなんら限定的に解釈されるものではない。
【0069】
なお、以下の実施例、比較例において、部は質量部を示し、また硬化体の硬度、強度、体積抵抗率、ハンター白度及び色調は、以下のようにして測定した。
【0070】
(a)硬度は、JIS K6253(ISO48)に従いスプリング硬さ(Hs)A型のデュロメータを使用して測定した。
【0071】
(b)強度は、JIS K6251に準じ、3号ダンベル状試験片を上島製作所製の引張り試験機(TS−2540)を使用し測定した。
【0072】
(c)体積抵抗率は、東亜電波工業社製の極超絶縁抵抗計(SM−10E型)又は抵抗率の値が106Ω・cm以下の場合、三菱油化製の四端子電極型抵抗計(LorestaGP MCP−T6000)により測定した。
【0073】
(d)ハンター白色度(W)とハンター白度(Wb)は、日本電色工業社のハンター式分光式色差計(SE2000)、またハンター白度を目安とし、色調を視覚で判断した。
【0074】
また、顔料を加えた場合の配合ゴム組成物の色調は、上記色差計により測定した。
【0075】
なお、測定項目は、L、a、b、W、Wbにより、以下の通り表現した。
L=明度〔色の明るさ(0〜100)〕
a=色度〔色相と彩度:赤色方向(+)、緑色方向(−表示)〕
b=色度〔色相と彩度:黄色方向(+)、青色方向(−表示)〕
W=白色度〔(0〜100)〕
Wb=白度〔(0〜100)〕
【0076】
(e)ブリード(配合剤のゴムやプラスチック硬化体表面へのにじみ出し現象)は触感と視覚で判定した。
【0077】
〔実施例1〕
(1)基材ゴムとしてエチレン−プロピレン−ジエンゴム(以下、EPDMと称する。)(JSR社製EP−21)を使用した。当該基材ゴム100部に、無機系導電材として導電性酸化亜鉛〔BET値:43m2/gのもの(体積抵抗率:1500Ω・cm)(以下、ZAB−40と称する。)〕100部を配合してラボプラストミル(BR600型、東洋精機社製、内容積600mL)で混練し、一定時間熟成後、加硫剤として硫黄1.75部、加硫促進剤(ノクセラーNS−G、大内新興化学工業社製)1.0部を加え、さらに混練した。当該混練した配合ゴム組成物をロール機により加工処理し厚さ2mmのシートに成形した。
【0078】
(2)配合ゴム組成物のシート状成形体を金型に入れ、加硫機にセットし、圧力9.8MPa、160℃で、10分間加硫した。なお、この加硫時間は、当該温度において、T90値(レオメータで測定し最大トルクと最小トルクを100等分したときに90の値まで達する時間)の1.5倍の時間である。
【0079】
以上のごとくして得られた硬化体(導電性ゴム硬化体)について体積抵抗率を測定した結果を表1に示す。(なお、表中で「PHR」とあるのは、基材ゴム100部当たりの導電性酸化亜鉛の配合量(部)を示す。以下、同じ。)
【0080】
【表1】
【0081】
〔実施例2〕
導電性酸化亜鉛として、BET値:67m2/gのもの(体積抵抗率:2000Ω・cm)(以下、ZAB−70と称する。)を使用するほかは、実施例1と同様な実験を行った。結果を表1に示す。
【0082】
〔比較例1〕
導電性酸化亜鉛として、BET値:10m2/gのもの(体積抵抗率:200Ω・cm)(以下、ZAB−10と称する。)を使用するほかは、実施例1と同様な実験を行った。結果を表1に示す。
【0083】
〔比較例2〕
導電性酸化亜鉛として、BET値:14m2/gのもの(体積抵抗率:300Ω・cm)(以下、ZAB−15と称する。)を使用するほかは、実施例1と同様な実験を行った。結果を表1に示す。
【0084】
〔比較例3〕
導電性酸化亜鉛として、BET値:3m2/gのもの(体積抵抗率:90Ω・cm)(以下、23−Kと称する。)を使用するほかは、実施例1と同様な実験を行った。結果を表1に示す。
【0085】
〔実施例3〕〜〔実施例6〕
配合する導電性酸化亜鉛〔BET値:43m2/g(ZAB−40)の添加量をEPDM100部に対し、50部(実施例3)、150部(実施例4)、200部(実施例5)、250部(実施例6)使用するほかは、実施例1と同様な実験を行った。結果を実施例1の硬化体のデータとともに表2に示す。
【0086】
なお、表2において、粘度MLとは、未加硫ゴムの粘度であり、上島製作所社製のムーニー測定装置を使用し、130℃で測定した。
【0087】
【表2】
【0088】
〔参考例1〕
導電性酸化亜鉛を配合しないほかは、実施例1と同様な実験を行った。結果を表2に示す。
【0089】
導電性酸化亜鉛ZAB−40の添加量を50PHRから250PHRに増加させるにつれて、硬化体の体積抵抗率は低下した。また色調は好適である。また、添加量の増加とともに、硬化体の300%モジュラス、強度、硬度が向上する傾向が認められた。
【0090】
〔実施例7〕
(1)基材樹脂としてポリスチレン(以下、PSと称する。)(日本ポリスチレン社製H430)を使用した。基材樹脂100部を、ラボプラストミル(BR600型、東洋精機社製、内容積600mL)に投入し、200℃で15分間予熱後、導電性酸化亜鉛〔BET値:43m2/g(ZAB−40)〕50部を加えて、2分間混練した。
【0091】
(2)直ちに、当該混練物を、200℃に加熱されている厚み2mmの金型に入れ、9.8MPaの圧力下に成型し、冷却後、当該金型より厚さ2mmのシートを取り出した。当該シートから、体積抵抗率と白色度測定用に10cm角のサンプル切り出し、また強度測定用に5mm巾のサンプルを切り出し、実施例1と同様にして測定を行った。結果を表3に示す。
【0092】
【表3】
【0093】
〔実施例8〕
導電性酸化亜鉛(ZAB−40)の添加量を100部とするほかは、実施例7と同様の実験を行った。結果を表3に示す。
【0094】
〔比較例3〕
導電性酸化亜鉛(ZAB−40)の添加量を25部とするほかは、実施例7と同様の実験を行った。結果を表3に示す。
【0095】
〔比較例4〕
導電性酸化亜鉛として、23−Kを100部添加するほかは、実施例7と同様の実験を行った。結果を表3に示す。
【0096】
〔参考例2〕
導電性酸化亜鉛を配合しないほかは、実施例7と同様な実験を行った。結果を表3に示す。
【0097】
〔実施例9〕〜〔実施例11〕
実施例1において、さらに白色顔料として、酸化チタン又は炭酸カルシウムを使用し、同様の実験を行った結果を、実施例1の結果とともに表4に示す。
【0098】
なお、酸化チタンとしては、石原産業社製の酸化チタン(A−100)を、また、炭酸カルシウムとしては、神島化学工業社製の「軽微性炭酸カルシウム」をそれぞれ表4に示す量を使用した。
【0099】
【表4】
表4において、実施例1の色調は薄緑灰色で白色度は55である。これに酸化チタンを配合することで白色度は向上する。すなわち、白色度は、実施例9、10に示すように酸化チタンを5PHR以上配合することにより、実施例1に比べ白色度は60を超え、白色度が顕著に増加することが確認された。なお、実用的には、酸化チタンの場合、3PHR程度以上の配合であれば充分良好な白色度が得られるものと推測される。
【0100】
一方、所謂体質顔料である軽質炭酸カルシウム添加の場合では、実施例11のごとく40PHR以上を配合する必要があるものと思われる。このように、各白色顔料の持つ隠蔽力の強弱によって、必要な白色顔料の配合量が異なることが確認された。
【0101】
〔実施例12〕〜〔実施例14〕
実施例1において、さらに着色顔料として、赤色顔料(実施例12)、緑色顔料(実施例13)、黄色顔料(実施例14)をそれぞれ5部配合して、同様の実験を行った結果を実施例1の値とともに表5に示した。
【0102】
ここで赤色顔料としては「レーキレッドC#405(F)」を、緑色顔料としては「シアニングリーン260」を、黄色顔料としては「クロモファインイエロー5900」(いずれも大日本精化工社製)を使用した。
【0103】
【表5】
【0104】
表5において、実施例12の赤色、実施例13の緑色、実施例14の黄色を色差計で測定した値及び視覚で判定した色は、すべて目的とするレベルにあり、本配合組成物が、着色可能な導電性配合ゴム組成物であることが確認された。
【0105】
【発明の効果】
本発明の導電性配合ゴム組成物及び導電性樹脂組成物は、無機導電材が分散性よく配合され、また白度の高いものであるから、着色可能で容易に明彩色の導電性ゴム成形体や導電性樹脂成形体を形成することができる。
【0106】
より具体的には、以下のごとき効果が奏される。
本発明においては、従来のBET値の低い導電性酸化亜鉛を使用する場合よりも、少ない配合部数でより導電率が降下し始め、105Ω・cm まで低下し、配合部数に対しては急激な導電率の変化がない。したがって、ゴム配合等の計量誤差や水分率の差異や練り時の薬品飛散のロスなどからくる導電率の変動を小さく抑えられ、製品である成形体の導電率の均一化が図れる。
【0107】
また、従来のBET値の低い導電性酸化亜鉛と異なり、界面活性剤等を添加することなく所望量の酸化亜鉛粒子(粉体)を均一に配合・練り込むことができ、その充填密度を上げることが可能である。そのため、製品である成形体の製品の局部的な導電率の違いからくる不具合の発生を抑えることができ、例えば転写材として使用した場合、均一に帯電可能であり、鮮明な画像を得ることができる。又、局部的な発熱が防止でき劣化を防止し、製品寿命を延ばすなどの利点を生む。
【0108】
また、本発明の組成物は、任意の希望する色に着色できるので、医療用キャスターやクリーンルームの床や壁などでは清潔感や精神面で適切な色を選択でき、カーペットの裏地、安全靴用の底材、静電気を嫌う電気器具のゴム部品などでは色彩を取り入れたデザインが可能であり、用途や環境、好みなどを考慮して設計できる。また、静電気が発生する個所で使用する搬送用コンベヤ、ホースなどの製品で除電不要ラインとの識別や汚れを嫌う屋内フォークリフトタイヤ、さらには低い導電率が要求される樹脂製のLCDトレーなどに好適に利用できる。
【0109】
さらには、塗料組成物に配合して導電性塗料とした場合でも従来の低比表面積の導電性酸化亜鉛に比較して、より少量の配合で同じレベルの導電率が得られるため、きわめて好ましい。
Claims (6)
- 主たる無機系導電材として、BET値20〜80m2/gの導電性酸化亜鉛を、基材ゴム又は基材樹脂に練り込んでなり、得られる硬化体の体積抵抗率が105〜1011Ω・cmで、着色可能な導電性配合ゴム組成物又は樹脂組成物。
- さらにアニオン系又はノニオン系の界面活性剤を配合した請求項1に記載のゴム組成物又は樹脂組成物。
- 導電性酸化亜鉛を、基材ゴム100質量部に対し、20〜300質量部配合する請求項1又は2に記載のゴム組成物。
- 導電性酸化亜鉛を、基材樹脂100質量部に対し、25〜150質量部配合する請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の配合ゴム組成物に着色剤を配合し成形・加硫してなる、体積抵抗率が105〜1011Ω・cmの着色された導電性ゴム成形体。
- 請求項1、2又は4に記載の樹脂組成物に着色剤を配合し成形してなる、体積抵抗率が105〜1011Ω・cmの着色された導電性樹脂成形体。
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JP2006160941A (ja) * | 2004-12-09 | 2006-06-22 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 導電性樹脂組成物と、それを用いてなるシート |
US7776951B2 (en) | 2005-02-14 | 2010-08-17 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Rubber composition and tire comprising thereof |
JP2017039833A (ja) * | 2015-08-19 | 2017-02-23 | 信越化学工業株式会社 | 自己融着高誘電シリコーンゴム組成物及び自己融着高誘電テープ |
WO2019235073A1 (ja) * | 2018-06-06 | 2019-12-12 | 横浜ゴム株式会社 | ホース用ゴム組成物及びホース |
-
2002
- 2002-08-22 JP JP2002242347A patent/JP2004083614A/ja active Pending
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