【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヤーンパッケージおよびその製造方法に関し、さらに詳しくはガラスストランドをケーキから解舒して撚りをかけて、ヤーンパッケージを作製する際に、従来の口出し処理が不要であり、さらに、撚糸工程やガラスクロスの製織工程などにおける毛羽の発生などが低減されたヤーンパッケージおよびその製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、ガラスヤーンは、繊維径数ミクロンのガラスフィラメントを集束したガラスストランドからなるガラスの糸であり、電気絶縁性、寸法安定性、耐熱性、耐薬品性、引張強度などに優れ、クロス、テープ、スリーブ、ゴム補強用コードなどの原糸に使用されている。
【０００３】
以上の如きガラスヤーンは次の如く作製されている。すなわち、ブッシングにおいて溶融されたガラスをブッシング底部に設けられた多数のオリフィスを通して流出させて延伸し、多数のガラスフィラメントを形成し、該多数のガラスフィラメントに集束液を塗布した後、複数個の集束器により集束し、複数本のガラスストランドに形成し、該複数本のストランドを巻き取り装置を構成している綾振り装置によって、コレットに装着された巻き取りチューブにそれぞれ巻き取ってケーキを形成する。
【０００４】
このケーキの表面に巻かれているストランドは、集束剤のマイグレーションなどにより品質が不均一であることから、撚糸する前に、図４に示すようにエアノズルなどを用いて空気の流れによりストランドが引き出され、引き出されたストランドは廃棄処分または屑糸として再利用される。続いて、図５に示すようにケーキを撚糸機にセットし、ストランドを引き出して、初めに該ストランドの先端をボビンの巻き取り部の下方に固定して複数回巻き、その後にフランジに少なくとも１回巻いて尾端を形成し、さらに前記巻き取り部に該ストランドを複数回巻き付け、該ボビンをスピンドルにセットし、撚糸前の準備状態とする。この状態により撚糸を開始し、ストランドに撚りをかけてヤーンとしてボビンに巻き取り、ヤーンパッケージを得る。図５ａは巻き始めの状態を、図５ｂは巻き終りの状態を示している。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
上記のケーキは、水溶性の集束剤により処理されたストランドを高速で巻き取って形成されており、その結果、遠心力や水分の蒸発などにより、集束剤の成分がケーキの表面部分に移行し偏在しており（これをマイグレーションと呼ぶ）、また、ケーキ表面には傷や汚れが存在している。また、ケーキ形成直後（採糸直後）にはケーキ表面の水分率は高いが、撚糸開始までの間にケーキ表面が乾燥して、ケーキ表面はケーキ内部よりも水分率が低くなっている。
【０００６】
上記のようなケーキを用いてヤーンパッケージを製造すると、その際に糸切れや毛羽などが発生し、さらにガラスクロスの製織工程においても糸切れや毛羽が発生してガラスクロスの品質に著しい欠点を生じる問題がある。このような問題を解消すべく、従来技術では前記のように撚糸機にセットする前のケーキ表面層に存在しているストランドを所定の長さ分だけを除去（以下、口出し処理とする）している。
【０００７】
口出し処理を行った場合には、ケーキ表面の水分率は、図６に示すように推移する。しかし、上記の口出し処理は、ケーキスタンドに数個程度のケーキしか配することができず、撚糸機にセットされる１００個程度の口出し処理にはかなりの時間を要するため、口出し処理から撚糸開始までの間にケーキ毎に時間差が生じ、撚糸直前のケーキ表面の水分率が異なった状態となり、得られるヤーンパッケージの品質が一定にならなくなる問題がある。そのために口出し処理後のケーキの保管については、ケーキの水分率の減少を抑えるような温湿度の管理されたストックコンディショニング工程が必要となり、専用のストック室が要求される。また、口出し処理はエアノズルなどを用いて空気の流れを利用して行うために、ケーキ表面のストランドを除去する量にバラツキが生じたり、引き出されたストランドは非常に嵩高くなり、廃棄する場合には処理作業が煩雑になるという問題もある。さらに、図４に示すように、口出し処理において、ストランドはケーキの巻き方向に対してほぼ直角に引き出されることから、ケーキ表面のストランドが擦られることがあり、フィラメント切れや毛羽発生の原因となる。
【０００８】
本発明の目的は、従来のような口出し処理を省略するとともに、ケーキ表面のガラスストランドを除去するときのストランドの解舒方向をケーキの巻き方向とほぼ平行にすることにより、ケーキ表面のストランドへの損傷を軽減し、さらに撚糸直前のケーキ表面の水分率を一定にすることにより、撚糸工程やガラスクロスの製織工程における不具合を減らして、優れた品質のガラスクロスを製織することができるヤーンパッケージおよびその製造方法を提供することである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、下端にフランジを有し、中央に巻き取り部を有するボビンと、該ボビンに巻き取られたガラスヤーンとからなるヤーンパッケージであって、上記巻き取り部の表面をほぼ覆うように所定量のガラスヤーンが巻き取られて捨て巻き層が形成され、該ヤーンが連続してフランジ表面に巻かれて尾端を形成し、さらに該ヤーンが連続して上記巻き取り部に所定量巻き取られて本巻き層が形成されていることを特徴とするヤーンパッケージを提供する。
【００１０】
また、本発明は、ガラスストランドが巻き取られたケーキから該ストランドを巻き戻して、下端にフランジを有し、中央に巻き取り部を有するボビンに撚りをかけて巻き取るヤーンパッケージの製造方法であって、該ボビンの巻き取り部の表面をほぼ覆うように所定量のガラスヤーンを巻き取って捨て巻き層を形成し、該ヤーンを連続してフランジ表面に巻いて尾端を形成し、さらに該ヤーンを連続して上記巻き取り部に所定量巻き取って本巻き層を形成することを特徴とするヤーンパッケージの製造方法を提供する。
【００１１】
上記本発明においては、捨て巻き層に巻き取られたヤーンの長さが１００〜５，０００ｍであること；撚糸機にセットされるガラスストランドが巻き取られたケーキが、ケーキ表面のガラスストランドの除去処理がされていないケーキであること；捨て巻き層を形成するヤーンが、少なくともケーキ表面から除去処理されるべきガラスストランドであること；口出し処理時のケーキ表面のガラスストランドを巻き戻す方向が、ケーキの巻き方向に平行であること；および複数個のケーキが、撚糸機にセットされ、これら複数個のケーキからガラスストランドを一斉に巻き戻し、捨て巻き層を形成することが好ましい。
【００１２】
【発明の実施の形態】
次に図面に示す好ましい実施の形態に基づいて本発明をさらに詳しく説明する。本発明のヤーンパッケージを、図１〜３を参照して説明する。本発明のヤーンパッケージは、図２に示すように、ボビンの巻き取り部の表面をほぼ覆うように所定量のヤーンが巻き取られ、捨て巻き層が形成されている。この図における捨て巻き層のヤーンの終点は連続してフランジに少なくとも一回り巻かれて、尾端が形成されている。続けてヤーンを連続して捨て巻き層の表面に巻き取ることにより、ヤーンの層部分のみの切り欠き図である図３に示すように、捨て巻き層の表面にヤーンが巻かれて本巻き層が形成されている。
【００１３】
上記の本発明の捨て巻き層の厚みは、巻き取り部分の表面がほぼ被覆される厚みが必要であり、捨て巻き層を形成するヤーンの長さにすると、ヤーンの太さによっても異なるが、約１００〜５，０００ｍの長さであることが好ましい。ヤーンの長さが短すぎると、ボビンの巻取り部の表面をヤーンで十分に被覆することが難しく、一方、長すぎると本来捨て巻きするべきでない品質の良いヤーンを捨て巻きにすることになるので不経済である。
【００１４】
上記の本発明のヤーンパッケージの製造方法においては、図４に示す如き従来の口出し処理は不要である。この口出し処理は、前記に説明の通り、ストランドの品質が一定していないケーキ表面のストランドを除去することを目的としている。従って、本発明で使用するケーキは、ケーキ表面のガラスストランドの除去処理がされていないケーキであること、すなわち、捨て巻き層を形成するヤーンは、少なくともケーキ表面から除去処理されるべきガラスストランドであることが好ましい。このように、本発明では、上記口出し処理（すなわち、ケーキの表面のストランドの除去）を行わずに、図１ａに示すように口出し処理で除去されるべき量のストランドを、最初からボビンの巻き取り部に巻き取っているので、上記口出し処理は省略することができる。
【００１５】
さらに、本発明では、ヤーンパッケージの製造において、ケーキ表面のガラスストランドを巻き戻す方向が、ケーキの巻き方向に対して平行方向で行うことが好ましい。これにより、口出し処理後のケーキ表面のストランドには擦れなどがほとんどなく、フィラメント切れや毛羽発生の原因となる従来技術の問題も生じない。また、複数個、例えば、５０〜２００個のケーキを、撚糸機にセットして、これらの複数個のケーキからガラスストランドを一斉に巻き戻すことにより、撚糸における複数個のケーキ表面の水分率が一定になる。これにより、ボビンの外層から最内層まで均一に高品質のヤーンパッケージが得られる。
【００１６】
本発明では、以上のように口出し処理が省略されるため、作業負荷の軽減や生産性の向上という工程上の利益が得られる他に種々の効果が得られる。まず口出し処理によって、多量に発生する嵩高いストランドの屑が発生せず、その処理作業が不要となる。また、捨て巻き層の表面にガラスクロスなどの製織に使用されるヤーンが巻かれる結果、ヤーンパッケージ使用時のヤーン解舒において、ボビンの巻き取り部分の表面とヤーンとが最後まで直接接触する部分がないので、プラスチック製であるボビンの巻き取り部の表面にある傷や汚れの影響を受けず、最後まで安定した解舒状態を維持できる。
【００１７】
上記の水分率について従来技術と本発明とを比較すると、図６および図７に示す如くである。図６には、ケーキ形成直後（採糸直後）のケーキ表面では、時間の経過とともに乾燥によって水分率が低下することを示している。但し、口出し処理により水分率が低下したケーキ表面のストランドが除去されるため、ケーキ内部の水分率は高いが表面に露出することにより新たなケーキ表面の水分率は上昇する。しかし、従来の口出し処理にはかなりの時間を要するため、口出し処理から撚糸開始までの間にケーキ毎に時間差が生じて、ケーキ毎の表面の水分率が異なり、撚糸直前のケーキ毎の水分率がばらついた状態となってしまう。続いて撚糸工程の開始となるが、その初期のケーキ表面の水分率は低いので、撚糸工程の最初の時間はケーキ表面の水分率が上昇し、その後はケーキの水分率は一定となる。このように従来技術では、前記の通り口出し処理に伴う煩雑さとともに、ヤーンパッケージの製造においても、ケーキ毎の表面の水分率が異なることによりヤーンパッケージ毎の品質がばらついたり、ケーキの初期の水分率とその後の水分率が異なることで一つのヤーンパッケージ内の品質がばらついたりする。
【００１８】
これに対して、図７に示す本発明の場合には、採糸直後から口出し処理の始めまでは、従来と同じであるが、口出し処理の開始から終了までの間は、後のガラスクロスなどの製織には使用されない捨て巻き層の形成に相当しており、従来の口出し処理は完全に省略され、多量の嵩高いストランドの屑が発生しない。また、従来の口出し処理後に行われていたケーキのストックコンディショニング工程が不要となり、作業効率などが改善されている。また、撚糸機にケーキをセットし、ケーキ表面のストランドを除去し、そのストランドにより捨て巻き層を形成するため、撚糸機にセットした全てのケーキ表面の水分率を一定にすることができる。さらに、本発明の口出し処理から撚糸開始までの時間を管理することにより、ケーキ表面の水分率を絶対値で制御することが可能であり、ストランドの太さによって撚糸する上での最適な水分率にすることができる。これにより、撚糸機にセットした個々のケーキ表面の水分率がばらつくことによるヤーンの品質のバラツキやガラスクロスなどの製織工程での不具合などは著しく改善される。
【００１９】
以上において尾端とは、後のヤーンの使用に際して、複数のヤーンを連続させて使用せしめるために、尾端部のヤーンを切断し、別のパッケージのヤーンと連結するために、フランジに巻かれている。本発明では、捨て巻き層は、従来の口出し処理されるべきヤーン（ストランド）の量に相当しているが、使用に際しては尾端部分で切断されるので、捨て巻き層のヤーンがガラスクロスなどの製織に使用されることはない。
【００２０】
【実施例】
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
＜実験例１：捨て巻き評価＞
ＪＩＳ Ｒ ３４１３に規定するＥＣＤ４５０のガラスヤーンを製造する撚糸機において、ストランドに撚りをかけながら、先ず、捨て巻きを実施し（図１ａ）、フランジに尾端巻きを行った後、本巻きしてボビンに巻き取ったヤーンパッケージ（図１ｂ）を実施例１とした。このときの捨て巻き層のヤーンの長さは２，０００ｍであった。
【００２１】
また、予めケーキの表面のストランドを従来方法による口出し処理した後に、ストランド先端を最初にボビンの巻取り部分に複数回巻いて固定し、次いでフランジに尾端巻きを行なった後（図５ａ）、ボビンに直接本巻きをして巻き取ったヤーンパッケージ（図５ｂ）を比較例１とした。これらの実施例１および比較例１のヤーンパッケージについて、ヤーンを、それらの上方に設置されたセンタリングアイを通して、各ボビンの軸に対して平行方向にバルーンを形成しながら毎分１，２００ｍで引き出した。各ヤーンパッケージ１００本を引き出したときに、ボビンの最内層でのヤーンの引っ掛かり本数を測定した。さらに各ボビンの最内層のヤーンをそれぞれ緯糸として用いて、エアジェット織機にてガラスクロスを製織し、得られたガラスクロス上の緯糸の毛羽を目視にて評価した。それらの結果を表１に示す。
【００２２】
毛羽：○は殆どなし、×は多数発生
以上の結果からして、本発明のヤーンパッケージに巻かれたヤーンは最外層から最内層まで均質であることが分かる。
【００２３】
＜実験例２：口出し処理評価＞
ＪＩＳ Ｒ ３４１３に規定するＥＣＤ４５０のガラスヤーンを製造する工程において、撚糸機のクリールにケーキを１００個セットし、ストランドに撚りをかけながらボビンに捨て巻きする方法で、ケーキの表面部分を一斉に口出し処理を行って、ボビンに捨て巻き層を形成（図１ａ）し、フランジに尾端巻きをした後、本巻きを行い本発明のヤーンパッケージを作製し、これを実施例２とした。このときの捨て巻き層のヤーンの長さは２，０００ｍであった。
【００２４】
上記に対する比較例２として、オフラインにて、３個ずつケーキスタンドにケーキをセットし、順番に口出し処理を行い（従来方法：図４）、その後に撚糸機のクリールにケーキを１００個セットし、最初に尾端巻きを行った後ストランドによりをかけながら、ボビンに直接本巻きを実施した（図５ａ，ｂ）。これを比較例２のヤーンパッケージとした。
【００２５】
上記実施例２および比較例２の各ヤーンパッケージの最内層のヤーンをそれぞれ緯糸として用いて、エアジェット織機にてガラスクロスを製織し、得られたガラスクロス上の緯糸の毛羽を目視にて評価した。さらに飛走性の評価として、各ヤーンパッケージの最内層のヤーンをボビンから解舒し、１ｋｇ／ｃｍ２のエア圧をかけたエアノズル中を１分間通した後、そのエアによってノズル中を飛走した（通過した）ヤーンの重量を測定した。この測定をそれぞれ１０本について行い、各ヤーンの重量のバラツキにより飛走性の変動を評価した。それらの結果を表２に示す。
【００２６】
毛羽：○は殆どなし、×は多数発生
飛走性：○は変動小、×は変動大
以上の結果からして、本発明のヤーンパッケージに巻かれたヤーンは最外層から最内層まで均質であることが分かる。
【００２７】
【発明の効果】
以上の如き本発明によれば、従来のような口出し処理を省略するとともに、
ケーキ表面のガラスストランドを除去するときのストランドの解舒方向を、ケーキの巻き方向とほぼ平行にすることにより、ケーキ表面のストランドへの損傷を軽減し、さらに撚糸直前のケーキ表面の水分率を一定にすることにより、撚糸工程やガラスクロスの製織工程における不具合を減らして、優れた品質のガラスクロスを製織することができるヤーンパッケージおよびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のヤーンパッケージの製造を説明する図。
【図２】本発明のヤーンパッケージの構造を説明する図。
【図３】本発明のヤーンパッケージの構造を説明する図。
【図４】従来技術の口出し処理を説明する図。
【図５】従来技術のヤーンパッケージの製造を説明する図。
【図６】ケーキ表面の水分率推移（従来方法）を説明する図。
【図７】ケーキ表面の水分率推移（本発明方法）を説明する図。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a yarn package and a method for producing the yarn package, and more particularly, to unwind and twist a glass strand from a cake to produce a yarn package. The present invention relates to a yarn package in which the generation of fluff in a weaving process of a glass cloth or the like is reduced, and a method of manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, glass yarn is a glass thread consisting of glass strands in which glass filaments with a fiber diameter of several microns are bundled, and has excellent electrical insulation, dimensional stability, heat resistance, chemical resistance, tensile strength, etc. It is used for yarns such as cords, sleeves and rubber reinforcing cords.
[0003]
The glass yarn as described above is manufactured as follows. That is, the glass melted in the bushing flows out through a number of orifices provided at the bottom of the bushing and is stretched to form a number of glass filaments. The bundle is formed by a vessel, formed into a plurality of glass strands, and the plurality of strands are respectively wound around a winding tube mounted on a collet by a traverse device constituting a winding device to form a cake. .
[0004]
Since the strands wound on the surface of the cake are not uniform in quality due to the migration of the sizing agent, etc., the strands are drawn out by an air flow using an air nozzle or the like as shown in FIG. 4 before twisting. The withdrawn strand is discarded or reused as waste thread. Subsequently, as shown in FIG. 5, the cake is set on a twisting machine, and the strand is drawn out. First, the tip of the strand is fixed below the winding portion of the bobbin and wound a plurality of times. The strand is wound around the winding section a plurality of times to form a tail end, and the bobbin is set on a spindle to be ready for twisting. In this state, twisting is started, the strand is twisted, wound as a yarn on a bobbin, and a yarn package is obtained. FIG. 5A shows a state at the start of winding, and FIG. 5B shows a state at the end of winding.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The cake is formed by winding a strand treated with a water-soluble sizing agent at a high speed, and as a result, components of the sizing agent migrate to the surface of the cake due to centrifugal force, evaporation of moisture, and the like. It is unevenly distributed (this is called migration), and scratches and stains are present on the cake surface. Immediately after cake formation (immediately after spinning), the moisture content of the cake surface is high, but the cake surface is dried before the start of twisting, and the moisture content of the cake surface is lower than that inside the cake.
[0006]
When a yarn package is manufactured using the above-described cake, yarn breakage or fluff occurs at that time, and furthermore, yarn breakage or fluff also occurs in the weaving process of the glass cloth, which causes a significant defect in the quality of the glass cloth. There are problems that arise. In order to solve such a problem, in the prior art, as described above, the strands existing on the cake surface layer before being set in the twisting machine are removed by a predetermined length (hereinafter, referred to as a spinning process). ing.
[0007]
When the pouring process is performed, the moisture content of the cake surface changes as shown in FIG. However, in the above-described pouring process, only a few cakes can be arranged on the cake stand, and the pouring process of about 100 pieces set in the twisting machine requires a considerable time. There is a problem that a time difference occurs between the cakes until the time is reached, and the moisture content of the cake surface immediately before the twisting is different, and the quality of the obtained yarn package is not constant. For this reason, for the storage of cake after the pouring process, a stock conditioning step in which temperature and humidity are controlled so as to suppress a decrease in the moisture content of the cake is required, and a dedicated stock room is required. In addition, since the pouring process is performed by using an air flow using an air nozzle or the like, the amount of removing the strands on the cake surface varies, and the drawn out strands become very bulky and are discarded. However, there is also a problem that the processing operation becomes complicated. Furthermore, as shown in FIG. 4, in the pouring process, since the strand is drawn out substantially at right angles to the winding direction of the cake, the strand on the cake surface may be rubbed, which may cause filament breakage or fuzz generation. .
[0008]
An object of the present invention is to omit the conventional squeezing process and to make the unwinding direction of the strand when removing the glass strand on the cake surface substantially parallel to the winding direction of the cake, thereby forming the strand on the cake surface. Yarn package that reduces the number of defects in the twisting process and the weaving process of the glass cloth by reducing the damage of the fabric and keeping the moisture content of the cake surface just before the twisting, and weaving excellent quality glass cloth And a method for producing the same.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The above object is achieved by the present invention described below. That is, the present invention is a yarn package including a bobbin having a flange at a lower end and a winding portion in the center, and a glass yarn wound on the bobbin, and substantially covers the surface of the winding portion. As described above, a predetermined amount of glass yarn is wound to form a discarded winding layer, and the yarn is continuously wound around the flange surface to form a tail end, and further, the yarn is continuously wound at the winding portion. Provided is a yarn package characterized in that a fixed winding is formed to form a main winding layer.
[0010]
Further, the present invention provides a method for producing a yarn package in which a glass strand is unwound from a wound cake, and the bobbin having a flange at the lower end and having a winding portion in the center is twisted and wound. Then, a predetermined amount of glass yarn is wound so as to substantially cover the surface of the winding portion of the bobbin, a discarded winding layer is formed, and the yarn is continuously wound on a flange surface to form a tail end. A method of manufacturing a yarn package, comprising continuously winding a predetermined amount of the yarn on the winding section to form a main winding layer.
[0011]
In the present invention, the length of the yarn wound on the discarded winding layer is 100 to 5,000 m; the cake on which the glass strand set on the twisting machine is wound is the glass strand on the cake surface. The cake that has not been subjected to the removal treatment; the yarn forming the discarded winding layer must be at least a glass strand to be removed from the cake surface; It is preferable to be parallel to the winding direction of the cake; and it is preferable that a plurality of cakes are set in a twisting machine, and that the glass strands are simultaneously unwound from the plurality of cakes to form a discarded winding layer.
[0012]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Next, the present invention will be described in more detail based on preferred embodiments shown in the drawings. The yarn package of the present invention will be described with reference to FIGS. In the yarn package of the present invention, as shown in FIG. 2, a predetermined amount of yarn is wound so as to substantially cover the surface of the winding portion of the bobbin, and a waste winding layer is formed. The end point of the yarn of the sacrificial winding layer in this figure is continuously wound at least once around the flange to form a tail end. Subsequently, by continuously winding the yarn on the surface of the discarded winding layer, the yarn is wound on the surface of the discarded winding layer as shown in FIG. Is formed.
[0013]
The thickness of the discarded winding layer of the present invention is required to be such that the surface of the wound portion is almost covered, and when the length of the yarn forming the discarded winding layer is different depending on the thickness of the yarn, Preferably it is about 100-5,000 m long. If the length of the yarn is too short, it is difficult to sufficiently cover the surface of the winding portion of the bobbin with the yarn. On the other hand, if the length is too long, the quality yarn that should not be discarded is discarded. It is uneconomical.
[0014]
In the above-described method for manufacturing a yarn package according to the present invention, the conventional tapping processing as shown in FIG. 4 is unnecessary. The purpose of this pouring process is to remove the strands on the cake surface where the strand quality is not constant, as described above. Therefore, the cake used in the present invention is a cake in which the glass strand on the cake surface has not been subjected to the removal treatment, that is, the yarn forming the discarded winding layer is at least the glass strand to be removed from the cake surface. Preferably, there is. As described above, according to the present invention, the amount of the strand to be removed by the pouring process as shown in FIG. Since the sheet is wound around the take-up section, the above-described opening processing can be omitted.
[0015]
Furthermore, in the present invention, in the production of the yarn package, the direction in which the glass strand on the cake surface is rewound is preferably parallel to the winding direction of the cake. As a result, the strands on the cake surface after the pouring process have almost no rubbing and the like, and there is no problem of the prior art which causes the breakage of the filament or the generation of fluff. In addition, a plurality of cakes, for example, 50 to 200 cakes, are set in a twisting machine, and the glass strands are unwound from these cakes at the same time, so that the moisture content of the plurality of cake surfaces in the twisted yarn is reduced. Be constant. As a result, a high-quality yarn package can be obtained uniformly from the outer layer to the innermost layer of the bobbin.
[0016]
In the present invention, since the tapping process is omitted as described above, various effects can be obtained in addition to the process benefit of reducing the work load and improving the productivity. First, a large amount of bulky strand debris is not generated by the pouring process, and the processing operation is not required. In addition, as a result of the yarn used for weaving such as glass cloth being wound on the surface of the discarded winding layer, a part where the surface of the bobbin winding portion and the yarn come into direct contact with the end to the end in unwinding the yarn when the yarn package is used. Therefore, it is possible to maintain a stable unwound state to the end without being affected by scratches or dirt on the surface of the winding section of the bobbin made of plastic.
[0017]
6 and 7 show a comparison between the prior art and the present invention with respect to the above moisture content. FIG. 6 shows that on the cake surface immediately after the formation of the cake (immediately after spinning), the moisture content decreases with time with drying. However, since the strands on the cake surface whose moisture content has been reduced by the pouring process are removed, the moisture content inside the cake is high, but the moisture content on the new cake surface increases due to exposure to the surface. However, since the conventional pouring process requires a considerable amount of time, there is a time difference between the cakes from the pouring process to the start of twisting, and the moisture content of the surface of each cake differs. Will be in a scattered state. Subsequently, the twisting step is started. Since the moisture content of the cake surface in the initial stage is low, the moisture content of the cake surface increases during the first time of the twisting process, and thereafter, the moisture content of the cake becomes constant. As described above, in the prior art, as described above, the quality of each yarn package varies due to the difference in the moisture content of the surface of each cake, and the initial moisture content of the cake also varies in the production of the yarn package, in addition to the complexity involved in the opening process. The difference between the moisture content and the subsequent moisture content may cause variations in the quality of a single yarn package.
[0018]
On the other hand, in the case of the present invention shown in FIG. 7, the process from immediately after the spinning to the start of the spinning process is the same as the conventional one, but from the start to the end of the spinning process, the subsequent glass cloth or the like This corresponds to the formation of a discarded winding layer that is not used in weaving, and the conventional tapping treatment is completely omitted, and a large amount of bulky strand waste is not generated. Further, the stock conditioning step of the cake, which has been performed after the conventional pouring process, is not required, and the working efficiency and the like are improved. In addition, the cake is set in the twisting machine, the strands on the cake surface are removed, and the discarded winding layer is formed by the strands. Therefore, the moisture content of all the cake surfaces set in the twisting machine can be kept constant. Further, by controlling the time from the pouring process to the start of twisting according to the present invention, it is possible to control the moisture content of the cake surface by an absolute value, and the optimal moisture content for twisting by the thickness of the strand is controlled. Can be As a result, unevenness in the moisture content of the individual cake surfaces set in the twisting machine, unevenness in the quality of the yarn, and problems in the weaving process such as glass cloth are significantly improved.
[0019]
In the above, the tail end is used to cut a yarn at the tail end in order to use a plurality of yarns continuously at the time of later use of the yarn, and is wound around a flange to connect with a yarn of another package. ing. In the present invention, the discarded winding layer corresponds to the amount of the yarn (strand) to be conventionally subjected to the unwinding treatment, but is cut at the tail end portion in use, so that the yarn of the discarded winding layer is made of glass cloth or the like. Is not used for weaving.
[0020]
【Example】
Next, the present invention will be described more specifically with reference to examples and comparative examples.
<Experimental example 1: Discard winding evaluation>
In a twisting machine for producing glass yarn of ECD450 specified in JIS R 3413, first, while twisting the strand, discard winding is performed (Fig. 1a), and the tail end winding is performed on the flange, and then the main winding is performed. Example 1 was a yarn package wound on a bobbin (FIG. 1b). At this time, the length of the yarn of the discarded winding layer was 2,000 m.
[0021]
Also, after the strands on the cake surface have been previously subjected to a tapping treatment by a conventional method, the strand ends are first wound around the bobbin winding portion a plurality of times and fixed, and then the tail ends are wound around the flange (FIG. 5a). The yarn package (FIG. 5 b) in which the main bobbin was directly wound and wound was used as Comparative Example 1. For these yarn packages of Example 1 and Comparative Example 1, the yarns were drawn through a centering eye placed above them at 1200 m / min while forming a balloon in a direction parallel to the axis of each bobbin. Was. When 100 yarn packages were pulled out, the number of yarn hooks on the innermost layer of the bobbin was measured. Further, a glass cloth was woven with an air jet loom using the innermost yarn of each bobbin as a weft, and the fluff of the weft on the obtained glass cloth was visually evaluated. Table 1 shows the results.
[0022]
[0023]
<Experimental example 2: Evaluation of extraction processing>
In the process of producing glass yarn of ECD450 specified in JIS R 3413, 100 pieces of cake are set on a creel of a twisting machine, and the strands are thrown out around a bobbin while twisting the strands, and the surface portion of the cake is simultaneously discharged. After performing the treatment, a discarded winding layer was formed on the bobbin (FIG. 1a), and the tail end was wound on the flange, and then the main winding was performed to produce the yarn package of the present invention. At this time, the length of the yarn of the discarded winding layer was 2,000 m.
[0024]
As Comparative Example 2 with respect to the above, three cakes were set on a cake stand in an off-line manner, and the squeezing process was sequentially performed (conventional method: FIG. 4). Thereafter, 100 cakes were set on a creel of a twisting machine. The main winding was performed directly on the bobbin while the tail end was wound first and then wound with a strand (FIGS. 5a and 5b). This was designated as a yarn package of Comparative Example 2.
[0025]
Using the innermost yarn of each yarn package of Example 2 and Comparative Example 2 as a weft, weaving a glass cloth with an air jet loom, and visually evaluating the fluff of the weft on the obtained glass cloth. did. Further, as an evaluation of flight performance, the innermost yarn of each yarn package was unwound from a bobbin, passed through an air nozzle with an air pressure of 1 kg / cm 2 for 1 minute, and then flown through the nozzle with the air. The weight of the passed (passed) yarn was measured. This measurement was performed for each of ten yarns, and the fluctuation in flight performance was evaluated based on the variation in the weight of each yarn. Table 2 shows the results.
[0026]
Fluff: almost none, ×: many occurrences Flyability: ○: small fluctuation, ×: large fluctuation or more, the yarn wound on the yarn package of the present invention is uniform from the outermost layer to the innermost layer. You can see that there is.
[0027]
【The invention's effect】
According to the present invention as described above, the conventional squeezing process is omitted,
By making the unwinding direction of the strand when removing the glass strand on the cake surface almost parallel to the winding direction of the cake, the damage to the strand on the cake surface is reduced, and the moisture content of the cake surface just before twisting is reduced. By making it constant, it is possible to provide a yarn package capable of weaving glass cloth of excellent quality by reducing inconvenience in the twisting step and the weaving step of the glass cloth, and a method of manufacturing the same.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram illustrating the production of a yarn package according to the present invention.
FIG. 2 is a diagram illustrating the structure of a yarn package according to the present invention.
FIG. 3 is a diagram illustrating the structure of a yarn package according to the present invention.
FIG. 4 is a view for explaining a conventional extraction process.
FIG. 5 is a diagram illustrating the production of a conventional yarn package.
FIG. 6 is a diagram illustrating a change in the moisture content of the cake surface (conventional method).
FIG. 7 is a diagram illustrating a change in the water content of the cake surface (the method of the present invention).
