JP2004079708A - コンデンサモジュール及びインバータ - Google Patents
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Abstract
【課題】電気的接続部分におけるインダクタンスの発生を抑制し得るだけでなく、搭載されているコンデンサの部分的な発熱集中による寿命の劣化が生じ難い、コンデンサモジュールを提供する。
【解決手段】基板2の上面に積層セラミックコンデンサ3〜8が搭載されており、基板2に設けられた入力端子部2aから基板2の上面に設けられた第1の導体12を介して積層セラミックコンデンサ3〜8の第1のリード端子3a〜8aに電流が流れ、積層セラミックコンデンサ3〜8内を流れた電流が、第2のリード端子3b〜8bから第2の導体14を介して出力端子2bに向かって流れるように構成されており、第1のリード端子3a〜8aと、第2のリード端子3b〜8bを結ぶ線が、第1,第2の導体12,14を流れる電流と略平行になるように、コンデンサ3〜8基板2に搭載されている、コンデンサモジュール1。
【選択図】 図1
【解決手段】基板2の上面に積層セラミックコンデンサ3〜8が搭載されており、基板2に設けられた入力端子部2aから基板2の上面に設けられた第1の導体12を介して積層セラミックコンデンサ3〜8の第1のリード端子3a〜8aに電流が流れ、積層セラミックコンデンサ3〜8内を流れた電流が、第2のリード端子3b〜8bから第2の導体14を介して出力端子2bに向かって流れるように構成されており、第1のリード端子3a〜8aと、第2のリード端子3b〜8bを結ぶ線が、第1,第2の導体12,14を流れる電流と略平行になるように、コンデンサ3〜8基板2に搭載されている、コンデンサモジュール1。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンデンサモジュール及びインバータに関し、より詳細には、例えば、自動車のモーター起動用インバータなどに好適に用いられるコンデンサモジュール及びインバータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、大きな体積を有する電解コンデンサを用いたコンデンサモジュールとスイッチングモジュールとが接続されてインバータが構成されていた。そのため、コンデンサモジュールとスイッチングモジュールとの電気的接続部分、例えば入力導体板がある程度の長さを有していた。従って、電気的接続部分により無視できないインダクタンス成分が発生する。
【0003】
このような問題を解決するために、特開2001−178151号公報には、上記インダクタンス成分を低減し得るインバータ用コンデンサモジュールが開示されている。
【0004】
図6(a)及び(b)並びに図7(a)及び(b)は、上記先行技術に記載のコンデンサモジュールを説明するための図である。
インバータ用コンデンサモジュール101では、基板102上に複数の積層セラミックコンデンサ103〜108が搭載されている。なお、積層セラミックコンデンサ103〜108は、極性が異なる第1,第2のリード端子を有する。各第1,第2のリード端子は、金属板の切り起こしにより形成された多数の金属舌片を有する。基板102には、第1,第2の端子取付け部102a,102bが形成されている。端子取付け部102a,102bは、基板102に設けられた貫通孔として構成されている。該貫通孔にコンデンサモジュール101をスイッチングモジュールに固定するためにボルト109,110が挿通されている。
【0005】
図7(a)及び(b)は、上記基板102の上面及び下面の構造を説明するための平面図及び底面図である。基板102は、絶縁性基板本体111を用いて構成されている。
【0006】
基板102には、積層セラミックコンデンサ103〜108(図6)の第1,第2のリード端子の上記金属舌片が挿入される複数の貫通孔111a、111bが形成されている。絶縁性基板本体111の上面には、ほぼ全面に渡り、第1の導体112が形成されている。第1の導体112は、貫通孔111aの内周面を隔てて、絶縁性基板本体111の下面において貫通孔111aの周縁に至るように形成されている。また、第1の導体112は、絶縁性基板本体111の上面において、貫通孔111bの周縁を除いて形成されている。
【0007】
図7(b)に示すように、絶縁性基板本体111の下面においては、ほぼ全面に渡り、第2の導体114が形成されている。もっとも、第2の導体114は、貫通孔111aの周縁を除いて形成されている。さらに、第2の導体114は、貫通孔111aの周縁において、第1の導体112の下面に至っている部分と所定距離を隔てて形成されている。
【0008】
図6(a)及び(b)に示されている基板102では、上記第1,第2の導体112,114が形成された絶縁性基板本体111に、さらに、絶縁被膜が形成されている。すなわち、第1,第2の導体112,114の電気的に接続される部分を除いた領域が図示しない絶縁被膜で形成されている。
【0009】
積層セラミックコンデンサ103〜108は、その第1,第2のリード端子の多数の金属舌片が、上記貫通孔111a,111bに挿入されるようにして、基板102に搭載される。この場合、第1のリード端子が半田により第1の導体112に接合され、第2のリード端子が半田により第2の導体114に接合される。
【0010】
積層コンデンサモジュール1の端子取付け部2a,2bでスイッチングモジュールに取付け、インバータを構成した場合、第1の導体112及び第2の導体114に電流が流れる。この場合、第1,第2の導体112,114が基板102の上面及び下面のほぼ全面に渡り形成されているため、多くの電流が流され得る。
【0011】
また、この広い面積に渡り第1,第2の導体112,114が形成されているため、多数の分流が生じる。よって、第1の導体112から第2の導体114側に電流が流れる場合、あるいは第2の導体114から第1の導体112側に電流が流れる場合のいずれにおいても、第1,第2の導体112,114で構成される電気的接続部分において、インダクタンス成分の発生を抑制することができる。
【0012】
加えて、第1,第2の端子取付け部102a,102bが基板102の1つの端縁において並設されている。従って、第1の端子取付け部102aから、第1の導体112、積層コンデンサ103〜108、第2の導体114を介して第2の端子取付け部102bに電流が流れる場合、基板102の上面と下面とで電流の流れる方向が逆となり、それによって、発生したインダクタンス成分が効果的に相殺される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記先行技術に記載のコンデンサモジュール101では、上記のように、基板12の上面と下面とで電流の流れる方向が逆となるため、発生したインダクタンス成分が効果的に相殺される。
【0014】
しかしながら、自動車のモーター起動用インバータなどに用いられるコンデンサモジュールを構成した場合、上記積層セラミックコンデンサ103〜108の平面形状は、数cm×数cmの大きさを有し、かなり大型である。また、流れる電流も40Arms程度と非常に大きかった。そのため、積層セラミックコンデンサ103〜108の実使用時の発熱により、特性が経時により劣化し、寿命が短くなるという問題があった。
【0015】
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、電気的接続部分においてインダクタンス成分を低減し得るだけでなく、コンデンサの発熱による寿命の低下が生じ難いコンデンサモジュール及び該コンデンサモジュールを備えたインバータを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本願の第1の発明に係るコンデンサモジュールは、対向し合う第1,第2の端面を有し、第1,第2の端面から、第1,第2の端面に沿って、それぞれ、第1,第2のリード端子が引き出されたコンデンサと、対向し合う第1,第2の面と、第1,第2の面を貫通している複数の貫通孔とを有し、前記コンデンサが搭載される基板とを備え、前記基板には、入力端子及び出力端子と、入力端子に電気的に接続されており、かつ基板の第1の面に形成された第1の導体と、出力端子に接続されており、基板の第2の面に形成された第2の導体とが設けられており、前記コンデンサの第1,第2のリード端子が前記貫通孔に挿入されるようにして、前記コンデンサが前記基板の第1の面側に搭載されており、かつ第1のリード端子が第1の導体に、第2のリード端子が第2の導体に電気的に接続されており、前記入力端子及び出力端子は、第1の導体及び第2の導体を流れる電流により発生する磁束が相殺されるように、前記基板の一端縁近傍において並設されており、かつ前記コンデンサの第1,第2のリード端子を結ぶ線が、第1,第2の導体を流れる電流と略平行になるように、前記コンデンサが前記基板に搭載されている。
【0017】
第2の発明は、対向し合う第1,第2の端面を有し、第1,第2の端面に、それぞれ、第1,第2の端子電極が形成されたコンデンサと、対向し合う第1,第2の面と、第1,第2の面を貫通している貫通孔とを有し、前記コンデンサが搭載される基板とを備え、前記基板には、入力端子及び出力端子と、入力端子に電気的に接続されており、かつ基板の第1の面に形成された第1の導体と、出力端子に接続されており、基板の第2の面に形成された第2の導体とが設けられており、前記貫通孔は、第1の面に第2の導体を引き出しており、前記コンデンサが前記基板の第1の面側に搭載されており、かつ第1の端子電極が第1の導体に、第2の端子電極が前記貫通孔に電気的に接続されており、前記入力端子及び出力端子は、第1の導体及び第2の導体を流れる電流により発生する磁束が相殺されるように、前記基板の一端縁近傍において並設されており、かつ前記コンデンサの第1,第2の端子電極を結ぶ線が、第1,第2の導体を流れる電流と略平行になるように、前記コンデンサが前記基板に搭載されている。
【0018】
本発明のある特定の局面では、複数のコンデンサが基板に搭載されている、インバータ用コンデンサモジュールが提供される。すなわち、本発明に従って、コンデンサの寿命の劣化が生じ難いインバータ用コンデンサモジュールが提供される。
【0019】
また、本発明に係るインバータは、本発明に従って構成されたコンデンサモジュールと、コンデンサモジュールの上記基板に設けられた入出力端子に取り付けられたスイッチングモジュールとを備えることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施例を図面を参照しつつ説明することにより、本発明を明らかにする。
【0021】
図1(a)及び(b)は、本発明の一実施例に係るインバータ用コンデンサモジュールを示す平面図及び正面図である。
インバータ用コンデンサモジュール1では、基板2上に複数の積層セラミックコンデンサ3〜8が搭載されている。なお、積層セラミックコンデンサ3〜8は、極性が異なる第1,第2のリード端子3a,3b〜8a,8bを有する。第1,第2のリード端子3a,3b〜8a,8bは、それぞれ、金属板の切り起こしにより形成された多数の金属舌片を有する。この金属舌片が本発明における端子接続部を構成している。すなわち、積層セラミックコンデンサ3を代表して説明すると、積層セラミックコンデンサ3は、内部電極が内蔵された矩形板状のコンデンサ素体3Aを有する。コンデンサ素体3Aの向かい合う第1,第2の端面から、それぞれ、第1,第2のリード端子3a,3bが引き出されている。第1,第2のリード端子3a,3bは、複数の端子接触部として、それぞれ、上記多数の金属舌片を有する。この多数の金属舌片は、コンデンサ素体3Aの第1,第2の端面に沿って配置されている。
【0022】
他の積層セラミックコンデンサ4〜8においても、第1,第2のリード端子4a,4b〜8a,8bが、第1,第2のリード端子3a,3bと同様に構成されている。
【0023】
なお、積層セラミックコンデンサ3〜8は、上記のように第1,第2のリード端子3a,3b〜8a,8bがコンデンサ素体に接合されたリード付部品として構成されている。
【0024】
基板2の1つの端縁には、入力端子部及び出力端子部2a,2bが形成されている。ここでは、入力端子部及び出力端子部2a,2bは、それぞれ、基板2に設けられた貫通孔として構成されており、スイッチングモジュールの端子に固定するために、貫通孔にそれぞれ、ボルト9,10が挿通されている。上記入力端子部2a及び出力端子部2bは、上記のように基板2の1つの端縁において並設されている。
【0025】
図2は、上記インバータ用コンデンサモジュールを用いて構成されたインバータを示す正面図である。インバータ31では、スイッチングモジュール18に、上記インバータ用コンデンサモジュール1がボルト10(ボルト9は図示されず)を用いて接合されている。すなわち、インバータ用コンデンサモジュール1の下方に、スイッチングモジュール18が配置されている。
【0026】
次に、上記インバータ用コンデンサモジュール1で用いられている基板2の構造を、図3(a)及び(b)を参照して説明する。
基板2は、ガラスエポキシ、フェノール樹脂、あるいは絶縁性セラミックなどの絶縁性材料からなる絶縁性基板本体11を有する。
【0027】
絶縁性基板本体11には、積層セラミックコンデンサ3〜8の第1,第2のリード端子の金属舌片部分が挿入される複数の貫通孔11a,11bが形成されている。例えば、積層セラミックコンデンサ3を例に取ると、図3(a)の複数の貫通孔11aに積層セラミックコンデンサ3の第1のリード端子3aの金属舌片部分が挿入される。他方、複数の貫通孔11bに積層セラミックコンデンサ3の第2のリード端子3bの金属舌片部分が挿入される。
【0028】
本実施例の特徴は、例えば積層セラミックコンデンサ3が搭載される部分において、第1のリード端子3aの多数の金属舌片が挿入される複数の貫通孔11aと、第2のリード端子3bの多数の金属舌片が挿入される複数の貫通孔11bとを結ぶ線が、後述の第1,第2の導体12,14を流れる電流と略平行にされていることにある。
【0029】
残りの積層セラミックコンデンサ4〜8の第1,第2のリード端子4a,4b〜8a,8bが挿入される貫通孔11a,11bも同様に構成されている。
図3(a)に示すように、絶縁性基板本体11の上面には、ほぼ全面に渡り第1の導体12が形成されている。第1の導体12は、Cu、AgまたはAlなどの適宜の導電性材料を用いて構成される。
【0030】
第1の導体12は、貫通孔11aの内周面にも至り、絶縁性基板本体11の下面において、貫通孔11aの周縁に至るように形成されている。他方、第1の導体12は、絶縁性基板本体11の上面においては、貫通孔11bの周縁の領域を除くように形成されている。また、第1の導体12は、貫通孔11b内には至らないように形成されている。
【0031】
なお、図3(a)及び(b)では示されていないが、第1の導体12の上面には絶縁性被膜が形成されている。すなわち、図4に示すように、絶縁性被膜13が、第1の導体12を被覆している。絶縁性被膜13は、絶縁性基板本体11の上面において、貫通孔11bの周縁に至るように形成されている。従って、第2のリード端子3bと、第1の導体12との短絡が防止される。
【0032】
図3(b)に示すように、絶縁性基板本体11の下面においては、ほぼ全面に渡り、第2の導体14が形成されている。もっとも、第2の導体14は、貫通孔11aの周縁を除いて形成されている。さらに、第2の導体14は、貫通孔11aの周縁において、第1の導体12の下面に至っている部分と所定距離を隔てて形成されている。第2の導体14は、第1の導体12と同様に、適宜の導電性材料で構成され得る。
【0033】
図3(b)では、図示されていないが、図4に示されているように、第2の導体14を被覆するように絶縁被膜15が形成されている。
図4に示すように、絶縁被膜15は、貫通孔11bの開口周縁において、第2の導体12を露出させるように形成されている。また、絶縁被膜15は、貫通孔11aの周縁においては、第1の導体12の下面に至っている部分を露出させるように、第1の導体12上には至らないように形成されている。
【0034】
積層セラミックコンデンサ3は、リード端子3a,3bの多数の金属舌片が上記貫通孔11a,11bに挿入されるようにして、基板2に搭載される。この場合、リード端子3aが半田16により第1の導体12に接合され、リード端子3bが、半田17により、第2の導体14に接合される。残りの積層セラミックコンデンサ4〜8についても、上記積層セラミックコンデンサ3と同様にして基板2に搭載されている。
【0035】
従って、図2に示したインバータでは、積層コンデンサモジュール1の入力端子部2aから、出力端子部2bに向かって電流が流れる。この場合、入力端子部2a、第1の導体12、第1,第2の積層セラミックコンデンサ103〜108、第2の導体14及び出力端子部2bの順に電流が流れることになる。
【0036】
第1,第2の導体12,14は、基板2の上面及び下面のほぼ全面に渡るように形成されている。従って、多くの電流が流され得る。また、広い面積に渡り第1,第2の導体12,14が形成されているので、第1,第2の導体12,14内において多数の分流が生じる。よって、第1,第2の導体12,14で構成される電気的接続部分においてインダクタンス成分の発生を抑制することができる。
【0037】
さらに、特開2001−178151号公報に記載の先行技術と同様に、基板2の上面と下面とで電流の流れる方向が逆となるため、第1の導体12及び第2の導体14で発生したインダクタンス成分が効果的に相殺される。
【0038】
加えて、本実施例では、積層セラミックコンデンサ3〜8の経時による特性の劣化が抑制され、積層セラミックコンデンサ3〜8の寿命が長くされ得る。これを、図5(a)及び(b)を参照して説明する。
【0039】
図3(a)及び(b)に示したように、本実施例では、積層セラミックコンデンサ3を代表して説明すると、積層セラミックコンデンサ3の第1,第2のリード端子3a,3bは、それぞれ、多数の金属舌片を有する。すなわち、第1のリード端子3aの多数の金属舌片と、第2のリード端子3bの多数の金属舌片とがそれぞれ、複数の貫通孔11a及び複数の貫通孔11bに挿入される。従って、複数の貫通孔11aが並ぶ線と、複数の貫通孔11bが並ぶ線は平行であるが、該貫通孔11a,11bが並ぶ線が上記第1の導体12を流れる電流と略直交にされている。
【0040】
すなわち、積層セラミックコンデンサ3の第1のリード端子3aの複数の金属舌片が挿入される複数の貫通孔11aと、第2のリード端子3bの複数の金属舌片が挿入される複数の貫通孔11bとを結ぶ線、言い換えればコンデンサの第1のリード端子3aと、第2のリード端子3bとを結ぶ線が、第1の導体12及び第2の導体14を流れる電流と略平行にされている。
【0041】
従って、図5(a)に略図的に示すように、入力端子部2aから、積層セラミックコンデンサ3に電流が通電され、出力端子部2bへと電流が流れる場合、第1,第2のリード端子3a,3bを結ぶ線が、第1,第2の導体12,14を電流が流れるZ1,Z2と略平行であり、入力端子部2aから積層セラミックコンデンサを介して出力端子部2bへと電流の流れる距離が略等しい距離になるため、積層セラミックコンデンサ内においては、電流が矢印X1〜X3で模式的に示すように均一に流れることになる。
【0042】
これに対して、図5(b)に示すように、図6(a)及び(b)に示した従来のコンデンサモジュールでは、積層セラミックコンデンサ103の第1,第2のリード端子103a,103bを結ぶ線が、第1,第2の導体12,14を流れる電流Z1,Z2と直交している。従って、積層セラミックコンデンサ103では、入力端子部102a及び出力端子部102bと近い部分において、矢印Y1で示すように多くの電流が流れ、入力端子部102a及び出力端子部102bから遠ざかるにつれて、矢印Y2及びY3で模式的に示すように、通電量が少なくならざるを得ない。従って、積層セラミックコンデンサ103では、入出力端子部102a,102bに近い側において電流が集中するため、積層セラミックコンデンサ103の発熱分布が偏り、経時により寿命が劣化することとなる。
【0043】
これに対して、本実施例では、積層セラミックコンデンサ3において、部分的な通電量の偏りが生じ難いため、一部に発熱が集中し難い。従って、経時による特性の劣化を抑制でき、寿命を長くすることができる。
【0044】
なお、上記積層セラミックコンデンサ3だけでなく、積層セラミックコンデンサ4〜8においても、同様に第1,第2の導体12,14を流れる方向と略等しい方向に、第1のリード端子4a〜8aと第2のリード端子4b〜8bとを結ぶ線が位置するように積層セラミックコンデンサ4〜8が搭載されているため、積層セラミックコンデンサ3と同様に部分的な発熱を抑制し、寿命を延長することができる。
【0045】
本発明では、基板に搭載されるコンデンサとしては、積層セラミックコンデンサ以外の他のコンデンサを用いてもよい。さらに、第1,第2のリード端子の基板の第1,第2の導体に接続される複数の端子接続部は、第1,第2のリード端子と直交する方向に配置されている限り、金属舌片により構成される必要は必ずしもない。すなわち、金属舌片以外の形状を有していてもよく、複数の端子部分がコンデンサ素体から引き出されて、第1または第2リード端子の複数の端子接続部が構成されていてもよい。
【0046】
また、上記実施例では、6個の積層セラミックコンデンサ3〜8が基板2に搭載されていたが、1個のコンデンサのみが搭載されていてもよく、さらに基板2の上面及び下面の双方にコンデンサが搭載されていてもよい。
【0047】
なお、図4に示されているように、好ましくは、基板2に搭載された積層セラミックコンデンサ3を覆うように外装樹脂層44を形成してもよい。外装樹脂層44は、図5では、基板2の上面側だけでなく、下面側にも付与されている。外装樹脂層44を設けることにより、コンデンサ3やリード端子3a,3bの基板への接合部分、並びにスイッチングモジュールが取付けられる部分の耐衝撃性を高めることができる。また、耐環境特性に優れたコンデンサモジュールを構成することができる。さらに、外装樹脂層44の存在により、他の電子部品との短絡を防止することも可能となる。外装樹脂層44としては、例えばシリコーン樹脂やエポキシ樹脂などを用いることができる。
【0048】
また、上記実施例では、リード端子を有する積層セラミックコンデンサを用いて説明したが、これに限るものではなく、積層セラミックコンデンサの端面に形成された端子電極を直接、基板の第1の導体や貫通孔の第2の導体に接続してもよい。
【0049】
【発明の効果】
第1の発明に係るコンデンサモジュールでは、基板に搭載されたコンデンサの第1,第2のリード端子を結ぶ線が、基板の第1,第2の面に設けられた第1,第2の導体を流れる電流の方向と略平行となるように、コンデンサが基板に搭載されている。従って、コンデンサにおける部分的な電流集中が生じ難く、コンデンサの部分的な発熱集中を抑制することができ、それによって、経時による特性の劣化を抑制し、コンデンサの寿命の拡大を図ることができる。
【0050】
また、第2の発明に係るコンデンサモジュールにおいても、コンデンサの第1,第2の端子電極を結ぶ線が、第1,第2の導体を流れる電流と略平行となるように、コンデンサが基板に搭載されている。従って、コンデンサにおける部分的な電流集中が生じ難く、コンデンサの部分的な発熱集中を抑制することができ、それによって、経時による特性の劣化を抑制し、コンデンサの寿命の拡大を図ることができる。
【0051】
また、第1,第2の発明では、第1,第2の導体を流れる電流により発生する磁界が相殺されるように、基板の一端縁近傍に入力端子及び出力端子が並設されており、かつ第1,第2の導体が基板の第1,第2の面に形成されているため、電気的接続部分によるインダクタンス成分の発生を効果的に抑制することもできる。よって、第1,第2の発明によれば、例えば自動車のモーター起動用インバータなどに用いられる、大型のコンデンサが搭載されているコンデンサモジュールの寿命及び信頼性を効果的に改善することができ、ひいては、該コンデンサモジュールが搭載されインバータの寿命の拡大も図り得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の一実施例に係るコンデンサモジュールの平面図及び正面図。
【図2】本発明の一実施例のコンデンサモジュールが備えられたインバータを示す模式的正面図。
【図3】(a)及び(b)は、図1に示した実施例のコンデンサモジュールで用いられている基板の構造を説明するための平面図及び底面図。
【図4】本発明の一実施例のコンデンサモジュールの要部を説明するための部分表面断面図。
【図5】(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の一実施例のコンデンサモジュール及び従来のコンデンサモジュールにおける、導体を流れる電流と、コンデンサを流れる電流との関係を示す模式的平面図。
【図6】(a)及び(b)は、従来のコンデンサモジュールを説明するための平面図及び正面図。
【図7】(a)及び(b)は、従来のコンデンサモジュールに用いられている基板の構造を説明するための平面図及び底面図。
【符号の説明】
1…インバータ用コンデンサモジュール
2…基板
2a…入力端子部
2b…出力端子部
3〜8…積層セラミックコンデンサ
3a,4a,5a,6a,7a,8a…第1のリード端子
3b,4b,5b,6b,7b,8b…第2のリード端子
9,10…ボルト
11…絶縁性基板本体
11a…貫通孔
11b…貫通孔
12…第1の導体
13…絶縁被膜
14…第2の導体
15…絶縁被膜
16,17…半田
44…外装樹脂層
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンデンサモジュール及びインバータに関し、より詳細には、例えば、自動車のモーター起動用インバータなどに好適に用いられるコンデンサモジュール及びインバータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、大きな体積を有する電解コンデンサを用いたコンデンサモジュールとスイッチングモジュールとが接続されてインバータが構成されていた。そのため、コンデンサモジュールとスイッチングモジュールとの電気的接続部分、例えば入力導体板がある程度の長さを有していた。従って、電気的接続部分により無視できないインダクタンス成分が発生する。
【0003】
このような問題を解決するために、特開2001−178151号公報には、上記インダクタンス成分を低減し得るインバータ用コンデンサモジュールが開示されている。
【0004】
図6(a)及び(b)並びに図7(a)及び(b)は、上記先行技術に記載のコンデンサモジュールを説明するための図である。
インバータ用コンデンサモジュール101では、基板102上に複数の積層セラミックコンデンサ103〜108が搭載されている。なお、積層セラミックコンデンサ103〜108は、極性が異なる第1,第2のリード端子を有する。各第1,第2のリード端子は、金属板の切り起こしにより形成された多数の金属舌片を有する。基板102には、第1,第2の端子取付け部102a,102bが形成されている。端子取付け部102a,102bは、基板102に設けられた貫通孔として構成されている。該貫通孔にコンデンサモジュール101をスイッチングモジュールに固定するためにボルト109,110が挿通されている。
【0005】
図7(a)及び(b)は、上記基板102の上面及び下面の構造を説明するための平面図及び底面図である。基板102は、絶縁性基板本体111を用いて構成されている。
【0006】
基板102には、積層セラミックコンデンサ103〜108(図6)の第1,第2のリード端子の上記金属舌片が挿入される複数の貫通孔111a、111bが形成されている。絶縁性基板本体111の上面には、ほぼ全面に渡り、第1の導体112が形成されている。第1の導体112は、貫通孔111aの内周面を隔てて、絶縁性基板本体111の下面において貫通孔111aの周縁に至るように形成されている。また、第1の導体112は、絶縁性基板本体111の上面において、貫通孔111bの周縁を除いて形成されている。
【0007】
図7(b)に示すように、絶縁性基板本体111の下面においては、ほぼ全面に渡り、第2の導体114が形成されている。もっとも、第2の導体114は、貫通孔111aの周縁を除いて形成されている。さらに、第2の導体114は、貫通孔111aの周縁において、第1の導体112の下面に至っている部分と所定距離を隔てて形成されている。
【0008】
図6(a)及び(b)に示されている基板102では、上記第1,第2の導体112,114が形成された絶縁性基板本体111に、さらに、絶縁被膜が形成されている。すなわち、第1,第2の導体112,114の電気的に接続される部分を除いた領域が図示しない絶縁被膜で形成されている。
【0009】
積層セラミックコンデンサ103〜108は、その第1,第2のリード端子の多数の金属舌片が、上記貫通孔111a,111bに挿入されるようにして、基板102に搭載される。この場合、第1のリード端子が半田により第1の導体112に接合され、第2のリード端子が半田により第2の導体114に接合される。
【0010】
積層コンデンサモジュール1の端子取付け部2a,2bでスイッチングモジュールに取付け、インバータを構成した場合、第1の導体112及び第2の導体114に電流が流れる。この場合、第1,第2の導体112,114が基板102の上面及び下面のほぼ全面に渡り形成されているため、多くの電流が流され得る。
【0011】
また、この広い面積に渡り第1,第2の導体112,114が形成されているため、多数の分流が生じる。よって、第1の導体112から第2の導体114側に電流が流れる場合、あるいは第2の導体114から第1の導体112側に電流が流れる場合のいずれにおいても、第1,第2の導体112,114で構成される電気的接続部分において、インダクタンス成分の発生を抑制することができる。
【0012】
加えて、第1,第2の端子取付け部102a,102bが基板102の1つの端縁において並設されている。従って、第1の端子取付け部102aから、第1の導体112、積層コンデンサ103〜108、第2の導体114を介して第2の端子取付け部102bに電流が流れる場合、基板102の上面と下面とで電流の流れる方向が逆となり、それによって、発生したインダクタンス成分が効果的に相殺される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記先行技術に記載のコンデンサモジュール101では、上記のように、基板12の上面と下面とで電流の流れる方向が逆となるため、発生したインダクタンス成分が効果的に相殺される。
【0014】
しかしながら、自動車のモーター起動用インバータなどに用いられるコンデンサモジュールを構成した場合、上記積層セラミックコンデンサ103〜108の平面形状は、数cm×数cmの大きさを有し、かなり大型である。また、流れる電流も40Arms程度と非常に大きかった。そのため、積層セラミックコンデンサ103〜108の実使用時の発熱により、特性が経時により劣化し、寿命が短くなるという問題があった。
【0015】
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、電気的接続部分においてインダクタンス成分を低減し得るだけでなく、コンデンサの発熱による寿命の低下が生じ難いコンデンサモジュール及び該コンデンサモジュールを備えたインバータを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本願の第1の発明に係るコンデンサモジュールは、対向し合う第1,第2の端面を有し、第1,第2の端面から、第1,第2の端面に沿って、それぞれ、第1,第2のリード端子が引き出されたコンデンサと、対向し合う第1,第2の面と、第1,第2の面を貫通している複数の貫通孔とを有し、前記コンデンサが搭載される基板とを備え、前記基板には、入力端子及び出力端子と、入力端子に電気的に接続されており、かつ基板の第1の面に形成された第1の導体と、出力端子に接続されており、基板の第2の面に形成された第2の導体とが設けられており、前記コンデンサの第1,第2のリード端子が前記貫通孔に挿入されるようにして、前記コンデンサが前記基板の第1の面側に搭載されており、かつ第1のリード端子が第1の導体に、第2のリード端子が第2の導体に電気的に接続されており、前記入力端子及び出力端子は、第1の導体及び第2の導体を流れる電流により発生する磁束が相殺されるように、前記基板の一端縁近傍において並設されており、かつ前記コンデンサの第1,第2のリード端子を結ぶ線が、第1,第2の導体を流れる電流と略平行になるように、前記コンデンサが前記基板に搭載されている。
【0017】
第2の発明は、対向し合う第1,第2の端面を有し、第1,第2の端面に、それぞれ、第1,第2の端子電極が形成されたコンデンサと、対向し合う第1,第2の面と、第1,第2の面を貫通している貫通孔とを有し、前記コンデンサが搭載される基板とを備え、前記基板には、入力端子及び出力端子と、入力端子に電気的に接続されており、かつ基板の第1の面に形成された第1の導体と、出力端子に接続されており、基板の第2の面に形成された第2の導体とが設けられており、前記貫通孔は、第1の面に第2の導体を引き出しており、前記コンデンサが前記基板の第1の面側に搭載されており、かつ第1の端子電極が第1の導体に、第2の端子電極が前記貫通孔に電気的に接続されており、前記入力端子及び出力端子は、第1の導体及び第2の導体を流れる電流により発生する磁束が相殺されるように、前記基板の一端縁近傍において並設されており、かつ前記コンデンサの第1,第2の端子電極を結ぶ線が、第1,第2の導体を流れる電流と略平行になるように、前記コンデンサが前記基板に搭載されている。
【0018】
本発明のある特定の局面では、複数のコンデンサが基板に搭載されている、インバータ用コンデンサモジュールが提供される。すなわち、本発明に従って、コンデンサの寿命の劣化が生じ難いインバータ用コンデンサモジュールが提供される。
【0019】
また、本発明に係るインバータは、本発明に従って構成されたコンデンサモジュールと、コンデンサモジュールの上記基板に設けられた入出力端子に取り付けられたスイッチングモジュールとを備えることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施例を図面を参照しつつ説明することにより、本発明を明らかにする。
【0021】
図1(a)及び(b)は、本発明の一実施例に係るインバータ用コンデンサモジュールを示す平面図及び正面図である。
インバータ用コンデンサモジュール1では、基板2上に複数の積層セラミックコンデンサ3〜8が搭載されている。なお、積層セラミックコンデンサ3〜8は、極性が異なる第1,第2のリード端子3a,3b〜8a,8bを有する。第1,第2のリード端子3a,3b〜8a,8bは、それぞれ、金属板の切り起こしにより形成された多数の金属舌片を有する。この金属舌片が本発明における端子接続部を構成している。すなわち、積層セラミックコンデンサ3を代表して説明すると、積層セラミックコンデンサ3は、内部電極が内蔵された矩形板状のコンデンサ素体3Aを有する。コンデンサ素体3Aの向かい合う第1,第2の端面から、それぞれ、第1,第2のリード端子3a,3bが引き出されている。第1,第2のリード端子3a,3bは、複数の端子接触部として、それぞれ、上記多数の金属舌片を有する。この多数の金属舌片は、コンデンサ素体3Aの第1,第2の端面に沿って配置されている。
【0022】
他の積層セラミックコンデンサ4〜8においても、第1,第2のリード端子4a,4b〜8a,8bが、第1,第2のリード端子3a,3bと同様に構成されている。
【0023】
なお、積層セラミックコンデンサ3〜8は、上記のように第1,第2のリード端子3a,3b〜8a,8bがコンデンサ素体に接合されたリード付部品として構成されている。
【0024】
基板2の1つの端縁には、入力端子部及び出力端子部2a,2bが形成されている。ここでは、入力端子部及び出力端子部2a,2bは、それぞれ、基板2に設けられた貫通孔として構成されており、スイッチングモジュールの端子に固定するために、貫通孔にそれぞれ、ボルト9,10が挿通されている。上記入力端子部2a及び出力端子部2bは、上記のように基板2の1つの端縁において並設されている。
【0025】
図2は、上記インバータ用コンデンサモジュールを用いて構成されたインバータを示す正面図である。インバータ31では、スイッチングモジュール18に、上記インバータ用コンデンサモジュール1がボルト10(ボルト9は図示されず)を用いて接合されている。すなわち、インバータ用コンデンサモジュール1の下方に、スイッチングモジュール18が配置されている。
【0026】
次に、上記インバータ用コンデンサモジュール1で用いられている基板2の構造を、図3(a)及び(b)を参照して説明する。
基板2は、ガラスエポキシ、フェノール樹脂、あるいは絶縁性セラミックなどの絶縁性材料からなる絶縁性基板本体11を有する。
【0027】
絶縁性基板本体11には、積層セラミックコンデンサ3〜8の第1,第2のリード端子の金属舌片部分が挿入される複数の貫通孔11a,11bが形成されている。例えば、積層セラミックコンデンサ3を例に取ると、図3(a)の複数の貫通孔11aに積層セラミックコンデンサ3の第1のリード端子3aの金属舌片部分が挿入される。他方、複数の貫通孔11bに積層セラミックコンデンサ3の第2のリード端子3bの金属舌片部分が挿入される。
【0028】
本実施例の特徴は、例えば積層セラミックコンデンサ3が搭載される部分において、第1のリード端子3aの多数の金属舌片が挿入される複数の貫通孔11aと、第2のリード端子3bの多数の金属舌片が挿入される複数の貫通孔11bとを結ぶ線が、後述の第1,第2の導体12,14を流れる電流と略平行にされていることにある。
【0029】
残りの積層セラミックコンデンサ4〜8の第1,第2のリード端子4a,4b〜8a,8bが挿入される貫通孔11a,11bも同様に構成されている。
図3(a)に示すように、絶縁性基板本体11の上面には、ほぼ全面に渡り第1の導体12が形成されている。第1の導体12は、Cu、AgまたはAlなどの適宜の導電性材料を用いて構成される。
【0030】
第1の導体12は、貫通孔11aの内周面にも至り、絶縁性基板本体11の下面において、貫通孔11aの周縁に至るように形成されている。他方、第1の導体12は、絶縁性基板本体11の上面においては、貫通孔11bの周縁の領域を除くように形成されている。また、第1の導体12は、貫通孔11b内には至らないように形成されている。
【0031】
なお、図3(a)及び(b)では示されていないが、第1の導体12の上面には絶縁性被膜が形成されている。すなわち、図4に示すように、絶縁性被膜13が、第1の導体12を被覆している。絶縁性被膜13は、絶縁性基板本体11の上面において、貫通孔11bの周縁に至るように形成されている。従って、第2のリード端子3bと、第1の導体12との短絡が防止される。
【0032】
図3(b)に示すように、絶縁性基板本体11の下面においては、ほぼ全面に渡り、第2の導体14が形成されている。もっとも、第2の導体14は、貫通孔11aの周縁を除いて形成されている。さらに、第2の導体14は、貫通孔11aの周縁において、第1の導体12の下面に至っている部分と所定距離を隔てて形成されている。第2の導体14は、第1の導体12と同様に、適宜の導電性材料で構成され得る。
【0033】
図3(b)では、図示されていないが、図4に示されているように、第2の導体14を被覆するように絶縁被膜15が形成されている。
図4に示すように、絶縁被膜15は、貫通孔11bの開口周縁において、第2の導体12を露出させるように形成されている。また、絶縁被膜15は、貫通孔11aの周縁においては、第1の導体12の下面に至っている部分を露出させるように、第1の導体12上には至らないように形成されている。
【0034】
積層セラミックコンデンサ3は、リード端子3a,3bの多数の金属舌片が上記貫通孔11a,11bに挿入されるようにして、基板2に搭載される。この場合、リード端子3aが半田16により第1の導体12に接合され、リード端子3bが、半田17により、第2の導体14に接合される。残りの積層セラミックコンデンサ4〜8についても、上記積層セラミックコンデンサ3と同様にして基板2に搭載されている。
【0035】
従って、図2に示したインバータでは、積層コンデンサモジュール1の入力端子部2aから、出力端子部2bに向かって電流が流れる。この場合、入力端子部2a、第1の導体12、第1,第2の積層セラミックコンデンサ103〜108、第2の導体14及び出力端子部2bの順に電流が流れることになる。
【0036】
第1,第2の導体12,14は、基板2の上面及び下面のほぼ全面に渡るように形成されている。従って、多くの電流が流され得る。また、広い面積に渡り第1,第2の導体12,14が形成されているので、第1,第2の導体12,14内において多数の分流が生じる。よって、第1,第2の導体12,14で構成される電気的接続部分においてインダクタンス成分の発生を抑制することができる。
【0037】
さらに、特開2001−178151号公報に記載の先行技術と同様に、基板2の上面と下面とで電流の流れる方向が逆となるため、第1の導体12及び第2の導体14で発生したインダクタンス成分が効果的に相殺される。
【0038】
加えて、本実施例では、積層セラミックコンデンサ3〜8の経時による特性の劣化が抑制され、積層セラミックコンデンサ3〜8の寿命が長くされ得る。これを、図5(a)及び(b)を参照して説明する。
【0039】
図3(a)及び(b)に示したように、本実施例では、積層セラミックコンデンサ3を代表して説明すると、積層セラミックコンデンサ3の第1,第2のリード端子3a,3bは、それぞれ、多数の金属舌片を有する。すなわち、第1のリード端子3aの多数の金属舌片と、第2のリード端子3bの多数の金属舌片とがそれぞれ、複数の貫通孔11a及び複数の貫通孔11bに挿入される。従って、複数の貫通孔11aが並ぶ線と、複数の貫通孔11bが並ぶ線は平行であるが、該貫通孔11a,11bが並ぶ線が上記第1の導体12を流れる電流と略直交にされている。
【0040】
すなわち、積層セラミックコンデンサ3の第1のリード端子3aの複数の金属舌片が挿入される複数の貫通孔11aと、第2のリード端子3bの複数の金属舌片が挿入される複数の貫通孔11bとを結ぶ線、言い換えればコンデンサの第1のリード端子3aと、第2のリード端子3bとを結ぶ線が、第1の導体12及び第2の導体14を流れる電流と略平行にされている。
【0041】
従って、図5(a)に略図的に示すように、入力端子部2aから、積層セラミックコンデンサ3に電流が通電され、出力端子部2bへと電流が流れる場合、第1,第2のリード端子3a,3bを結ぶ線が、第1,第2の導体12,14を電流が流れるZ1,Z2と略平行であり、入力端子部2aから積層セラミックコンデンサを介して出力端子部2bへと電流の流れる距離が略等しい距離になるため、積層セラミックコンデンサ内においては、電流が矢印X1〜X3で模式的に示すように均一に流れることになる。
【0042】
これに対して、図5(b)に示すように、図6(a)及び(b)に示した従来のコンデンサモジュールでは、積層セラミックコンデンサ103の第1,第2のリード端子103a,103bを結ぶ線が、第1,第2の導体12,14を流れる電流Z1,Z2と直交している。従って、積層セラミックコンデンサ103では、入力端子部102a及び出力端子部102bと近い部分において、矢印Y1で示すように多くの電流が流れ、入力端子部102a及び出力端子部102bから遠ざかるにつれて、矢印Y2及びY3で模式的に示すように、通電量が少なくならざるを得ない。従って、積層セラミックコンデンサ103では、入出力端子部102a,102bに近い側において電流が集中するため、積層セラミックコンデンサ103の発熱分布が偏り、経時により寿命が劣化することとなる。
【0043】
これに対して、本実施例では、積層セラミックコンデンサ3において、部分的な通電量の偏りが生じ難いため、一部に発熱が集中し難い。従って、経時による特性の劣化を抑制でき、寿命を長くすることができる。
【0044】
なお、上記積層セラミックコンデンサ3だけでなく、積層セラミックコンデンサ4〜8においても、同様に第1,第2の導体12,14を流れる方向と略等しい方向に、第1のリード端子4a〜8aと第2のリード端子4b〜8bとを結ぶ線が位置するように積層セラミックコンデンサ4〜8が搭載されているため、積層セラミックコンデンサ3と同様に部分的な発熱を抑制し、寿命を延長することができる。
【0045】
本発明では、基板に搭載されるコンデンサとしては、積層セラミックコンデンサ以外の他のコンデンサを用いてもよい。さらに、第1,第2のリード端子の基板の第1,第2の導体に接続される複数の端子接続部は、第1,第2のリード端子と直交する方向に配置されている限り、金属舌片により構成される必要は必ずしもない。すなわち、金属舌片以外の形状を有していてもよく、複数の端子部分がコンデンサ素体から引き出されて、第1または第2リード端子の複数の端子接続部が構成されていてもよい。
【0046】
また、上記実施例では、6個の積層セラミックコンデンサ3〜8が基板2に搭載されていたが、1個のコンデンサのみが搭載されていてもよく、さらに基板2の上面及び下面の双方にコンデンサが搭載されていてもよい。
【0047】
なお、図4に示されているように、好ましくは、基板2に搭載された積層セラミックコンデンサ3を覆うように外装樹脂層44を形成してもよい。外装樹脂層44は、図5では、基板2の上面側だけでなく、下面側にも付与されている。外装樹脂層44を設けることにより、コンデンサ3やリード端子3a,3bの基板への接合部分、並びにスイッチングモジュールが取付けられる部分の耐衝撃性を高めることができる。また、耐環境特性に優れたコンデンサモジュールを構成することができる。さらに、外装樹脂層44の存在により、他の電子部品との短絡を防止することも可能となる。外装樹脂層44としては、例えばシリコーン樹脂やエポキシ樹脂などを用いることができる。
【0048】
また、上記実施例では、リード端子を有する積層セラミックコンデンサを用いて説明したが、これに限るものではなく、積層セラミックコンデンサの端面に形成された端子電極を直接、基板の第1の導体や貫通孔の第2の導体に接続してもよい。
【0049】
【発明の効果】
第1の発明に係るコンデンサモジュールでは、基板に搭載されたコンデンサの第1,第2のリード端子を結ぶ線が、基板の第1,第2の面に設けられた第1,第2の導体を流れる電流の方向と略平行となるように、コンデンサが基板に搭載されている。従って、コンデンサにおける部分的な電流集中が生じ難く、コンデンサの部分的な発熱集中を抑制することができ、それによって、経時による特性の劣化を抑制し、コンデンサの寿命の拡大を図ることができる。
【0050】
また、第2の発明に係るコンデンサモジュールにおいても、コンデンサの第1,第2の端子電極を結ぶ線が、第1,第2の導体を流れる電流と略平行となるように、コンデンサが基板に搭載されている。従って、コンデンサにおける部分的な電流集中が生じ難く、コンデンサの部分的な発熱集中を抑制することができ、それによって、経時による特性の劣化を抑制し、コンデンサの寿命の拡大を図ることができる。
【0051】
また、第1,第2の発明では、第1,第2の導体を流れる電流により発生する磁界が相殺されるように、基板の一端縁近傍に入力端子及び出力端子が並設されており、かつ第1,第2の導体が基板の第1,第2の面に形成されているため、電気的接続部分によるインダクタンス成分の発生を効果的に抑制することもできる。よって、第1,第2の発明によれば、例えば自動車のモーター起動用インバータなどに用いられる、大型のコンデンサが搭載されているコンデンサモジュールの寿命及び信頼性を効果的に改善することができ、ひいては、該コンデンサモジュールが搭載されインバータの寿命の拡大も図り得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の一実施例に係るコンデンサモジュールの平面図及び正面図。
【図2】本発明の一実施例のコンデンサモジュールが備えられたインバータを示す模式的正面図。
【図3】(a)及び(b)は、図1に示した実施例のコンデンサモジュールで用いられている基板の構造を説明するための平面図及び底面図。
【図4】本発明の一実施例のコンデンサモジュールの要部を説明するための部分表面断面図。
【図5】(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の一実施例のコンデンサモジュール及び従来のコンデンサモジュールにおける、導体を流れる電流と、コンデンサを流れる電流との関係を示す模式的平面図。
【図6】(a)及び(b)は、従来のコンデンサモジュールを説明するための平面図及び正面図。
【図7】(a)及び(b)は、従来のコンデンサモジュールに用いられている基板の構造を説明するための平面図及び底面図。
【符号の説明】
1…インバータ用コンデンサモジュール
2…基板
2a…入力端子部
2b…出力端子部
3〜8…積層セラミックコンデンサ
3a,4a,5a,6a,7a,8a…第1のリード端子
3b,4b,5b,6b,7b,8b…第2のリード端子
9,10…ボルト
11…絶縁性基板本体
11a…貫通孔
11b…貫通孔
12…第1の導体
13…絶縁被膜
14…第2の導体
15…絶縁被膜
16,17…半田
44…外装樹脂層
Claims (4)
- 対向し合う第1,第2の端面を有し、第1,第2の端面から、第1,第2の端面に沿って、それぞれ、第1,第2のリード端子が引き出されたコンデンサと、
対向し合う第1,第2の面と、第1,第2の面を貫通している複数の貫通孔とを有し、前記コンデンサが搭載される基板とを備え、
前記基板には、入力端子及び出力端子と、入力端子に電気的に接続されており、かつ基板の第1の面に形成された第1の導体と、出力端子に接続されており、基板の第2の面に形成された第2の導体とが設けられており、
前記コンデンサの第1,第2のリード端子が前記貫通孔に挿入されるようにして、前記コンデンサが前記基板の第1の面側に搭載されており、かつ第1のリード端子が第1の導体に、第2のリード端子が第2の導体に電気的に接続されており、
前記入力端子及び出力端子は、第1の導体及び第2の導体を流れる電流により発生する磁束が相殺されるように、前記基板の一端縁近傍において並設されており、かつ前記コンデンサの第1,第2のリード端子を結ぶ線が、第1,第2の導体を流れる電流と略平行になるように、前記コンデンサが前記基板に搭載されている、コンデンサモジュール。 - 対向し合う第1,第2の端面を有し、第1,第2の端面に、それぞれ、第1,第2の端子電極が形成されたコンデンサと、
対向し合う第1,第2の面と、第1,第2の面を貫通している貫通孔とを有し、前記コンデンサが搭載される基板とを備え、
前記基板には、入力端子及び出力端子と、入力端子に電気的に接続されており、かつ基板の第1の面に形成された第1の導体と、出力端子に接続されており、基板の第2の面に形成された第2の導体とが設けられており、
前記貫通孔は、第1の面に第2の導体を引き出しており、
前記コンデンサが前記基板の第1の面側に搭載されており、かつ第1の端子電極が第1の導体に、第2の端子電極が前記貫通孔に電気的に接続されており、
前記入力端子及び出力端子は、第1の導体及び第2の導体を流れる電流により発生する磁束が相殺されるように、前記基板の一端縁近傍において並設されており、かつ前記コンデンサの第1,第2の端子電極を結ぶ線が、第1,第2の導体を流れる電流と略平行になるように、前記コンデンサが前記基板に搭載されている、コンデンサモジュール。 - 複数のコンデンサが前記基板に搭載されている、インバータ用のコンデンサモジュールである、請求項1または2に記載のコンデンサモジュール。
- 請求項1ないし3に記載のコンデンサモジュールと、
前記コンデンサモジュールの基板に設けられた入出力端子部に取り付けられたスイッチングモジュールを備えることを特徴とする、インバータ。
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