JP2004069021A - 歯車装置 - Google Patents

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Mitsuki Kawamura
川村 満希
Jun Kimura
木村 純
Taku Ito
伊東 卓
Shigeru Yoshiyama
吉山 茂
Masafumi Hori
堀 政史
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Soken Inc
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Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Abstract

【課題】内歯歯車の変形を抑制しつつ、内歯歯車を外郭部材に強固に且つ容易に固定できる歯車装置を提供する。
【解決手段】歯車装置は、断面環状の固定壁17を有する外郭部材12と、固定壁17の内周側に固定される内歯歯車30と、内歯歯車30に遊星運動可能に内接噛合する外歯歯車40とを備える。固定壁17の内周部17aと内歯歯車30の外周部30aとにはそれぞれ、互いに係合して固定壁17に内歯歯車30を固定する第一係合部20と第二係合部21とが設けられる。第一係合部20は、固定壁17の内周部17aから内歯歯車30の外周部30aに向かって固定壁17及び内歯歯車30の径方向に突出する。第二係合部21は、固定壁17及び内歯歯車30の周方向両側から第一係合部20を挟圧しその第一係合部20の突出先端部20a側に空間24を形成する。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯車装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内歯歯車と、その内歯歯車に遊星運動可能に内接噛合する外歯歯車とを備えた歯車装置が公知である。この歯車装置では、通常、ケース等の外郭部材に断面環状の固定壁を設け、その固定壁の内周側に内歯歯車を固定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
内歯歯車を外郭部材の固定壁に固定する方法としては、従来、各種の手法が用いられているが、いずれも種々の問題を内在している。
例えば内歯歯車の外周部の全体に固定壁の内周部をかしめる場合、固定強度を得るために大きな荷重を内歯歯車の径方向に掛けるため、中空の内歯歯車は径方向に変形しその寸法精度が低下する。
【0004】
ねじ留めの場合、ねじの締結作業が繁雑であり、また作業用スペースを確保するために歯車装置が大型化する。
溶接やろう付け、熱膨張圧入の場合には、熱の伝達により内歯歯車が変形するため、内歯歯車の寸法精度が低下する。さらに溶接及びろう付けでは、煩雑な作業を伴うと共に、作業スペースの確保のために歯車装置が大型になる。
【0005】
本発明の目的は、内歯歯車の変形を抑制しつつ、内歯歯車を外郭部材に強固に固定できる歯車装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、外郭部材に内歯歯車を容易に固定できる歯車装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、小型化の可能な歯車装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の歯車装置によると、外郭部材の固定壁の内周部及び内歯歯車の外周部の一方と他方とにそれぞれ設けられる第一係合部と第二係合部とは、互いに係合することで、外歯歯車が遊星運動可能に内接噛合する内歯歯車を固定壁の内周側に固定する。したがって、第一係合部と第二係合部とを係合させることによって容易に内歯歯車を固定壁に固定することができる。
【0007】
さらに請求項1に記載の歯車装置によると、第一係合部は、固定壁の内周部及び内歯歯車の外周部の一方から他方に向かって固定壁及び内歯歯車の径方向に突出する。また、第二係合部は、固定壁及び内歯歯車の周方向両側から第一係合部を挟圧する。この第二係合部による第一係合部の挟圧により内歯歯車を固定壁に強固に固定することができる。しかも第二係合部は、挟圧する第一係合部の突出先端部側に空間を形成する。この空間の形成により、第一及び第二係合部を通じて固定壁から内歯歯車の径方向に伝達される荷重が低減されるので、中空の内歯歯車について径方向の変形を抑制しその寸法精度を確保することができる。
【0008】
本発明の請求項2に記載の歯車装置によると、第一係合部は固定壁の内周部に設けられ、第二係合部は内歯歯車の外周部に開口する凹部で構成され、その凹部の底壁部と第一係合部の突出先端部との間に空間を形成する。これにより、例えば固定壁側の第一係合部を第二係合部にかしめて、内歯歯車の固定壁への固定強度を高めることが可能となる。
【0009】
本発明の請求項3に記載の歯車装置によると、外郭部材は、内歯歯車をその軸線方向一方側から支持する支持壁をさらに有し、支持壁と第一係合部とは内歯歯車の軸線方向両側から第二係合部を挟圧する。これにより、固定壁に対する内歯歯車の軸線方向の位置ずれを防止することができる。
【0010】
本発明の請求項4に記載の歯車装置によると、外郭部材及び内歯歯車の一方と他方とには嵌合突部と嵌合孔部とがそれぞれ設けられる。そして嵌合突部は、外郭部材及び内歯歯車の一方から他方に向かって固定壁及び内歯歯車の軸線に平行に突出し嵌合孔部に嵌合するので、固定壁に対する内歯歯車の周方向の位置ずれを防止することができる。
【0011】
本発明の請求項5に記載の歯車装置によると、第一係合部及び第二係合部の係合箇所は、嵌合突部と嵌合孔部との嵌合箇所近傍に設定される。これにより、第一係合部と第二係合部とを係合する際に内歯歯車に掛かる力を嵌合突部及び嵌合孔部との間に働く反作用で抑えて、内歯歯車の変形を防止することができる。
【0012】
本発明の請求項6に記載の歯車装置によると、第一係合部及び第二係合部は複数組設けられるので、各組の第一係合部及び第二係合部に作用する荷重を分散することができる。これにより、第一係合部及び第二係合部のサイズを小さくして、歯車装置全体の小型化に貢献することができる。
【0013】
本発明の請求項7に記載の歯車装置によると、第一係合部及び第二係合部の各組は固定壁及び内歯歯車の周方向で等間隔に設けられるので、各組の第一係合部及び第二係合部に作用する荷重を均等に分散することができる。これにより、第一係合部及び第二係合部の耐久性を高めることができる。
【0014】
本発明の請求項8に記載の歯車装置によると、第二係合部で挟圧される第一係合部の周方向両側部分は、突出先端部に向かうにつれ互いに接近する形状に形成される。これにより、第二係合部に対する第一係合部の突出方向の相対変位を各組で抑止して、固定壁に対する内歯歯車の径方向の位置ずれを防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す複数の実施例を図面に基づいて説明する。
(第一実施例)
本発明の第一実施例による歯車装置を図1〜図4に示す。この歯車装置1はシフトバイワイヤ式自動変速システムにおけるアクチュエータを構成し、車両に搭載されている。歯車装置1の入力軸は回転機2の回転軸3と共通であり、運転者のシフト操作に応じて回転機2が回転され、遊星歯車機構10で減速されトルク増幅されて、自動変速機のレンジ切換レバーを駆動する回転駆動力が遊星歯車機構10の出力軸50から出力される。
【0016】
回転機2は、互いに接合された金属製ケース12及び樹脂製ケース13内に収容されている。回転機2は、回転軸3、回転体4、電磁部5、磁束変化検出部6等を有している。
回転軸3の一端部は、転がり軸受14を介してケース13に回転自在に支持されている。回転軸3の他端部は、転がり軸受15、出力軸50及び滑り軸受19を順に介してケース12に回転自在に支持されている。両端部をケース12,13に軸支される回転軸3はその軸線O周りに回転可能である。回転軸3の中央部外周には、鉄製の回転体4が一体回転可能に固定されている。回転体4には、径方向外側に突出する複数の作用部4aが軸線Oの周りに等間隔に設けられている。回転軸3において回転体4と出力軸50の間となる部分7は、軸線Oに対し所定量αだけ偏心する偏心軸部7を形成している。
【0017】
電磁部5はケース12,13に変位不能に固定され、回転体4の外周側に配置されている。電磁部5は、軸線O周りに等間隔に並ぶ複数の鉄製芯部5aと、各芯部5aに巻線されたコイル5bとから構成されている。各コイル5bは図示しない制御回路に電気的に接続され、制御回路からの通電に応じ磁界を発生させる。この発生磁界により回転体4の各作用部4aが磁気吸引力と磁気反発力とを受けることで、回転軸3が回転する。
磁束変化検出部6はケース13に固定されている。磁束変化検出部6は、回転体4に設けられた磁石(図示しない)による磁束変化を測定することで、回転軸3の回転角度を検出する。さらに磁束変化検出部6から前述した制御回路に回転角度情報が伝達され、その情報に基づき制御回路が各コイル5bへの電力供給を制御する。
【0018】
遊星歯車機構10は、内歯歯車30、外歯歯車40、出力軸50等を有している。
内歯歯車30は金属で形成されている。外郭部材としてのケース12には軸線Oを回転対称軸とする断面円環状の固定壁17が設けられ、内歯歯車30はその固定壁17の内周側に同軸上に固設されている。内歯歯車30の外周部30aは、固定壁17の内周部17aに対し微少なクリアランスを介して実質的に当接している。ケース12にはさらに、軸線Oを中心とする内径が固定壁17の内径よりも小さい断面環状の支持壁18が設けられ、内歯歯車30のうち軸線方向(厚さ方向)一方側の外壁部30bはその支持壁18で支持されている。
【0019】
外歯歯車40は金属で形成されている。外歯歯車40の歯数は内歯歯車30の歯数よりも一つ少ない。外歯歯車40の中心孔42は、転がり軸受16を介して偏心軸部7に回転自在に支持されている。この支持状態において外歯歯車40の複数の歯の一部は、内歯歯車30に遊星運動可能に内接噛合する。
【0020】
出力軸50は滑り軸受19を介してケース12に支持され、軸線O周りに回転可能である。出力軸50の回転軸側端部には、円環板状の係合部52が同軸上に形成されている。この係合部52を複数の係合孔54が板厚方向に貫通している。複数の係合孔54は、軸線Oの周りに等間隔に配設されている。各係合孔54は断面円形のストレート孔状に形成されている。係合部52に正対する外歯歯車40の軸線方向一方側の外壁部40aから、各係合孔54に対応する複数の係合突起44が突出している。複数の係合突起44は、偏心軸部7の偏心軸線P周りに等間隔に配設されている。各係合突起44は断面円形のストレートピン状に形成され、対応する係合孔54に突入している。係合突起44の外径は係合孔54の内径よりも小さく設定されている。
【0021】
歯車装置1において回転軸3が回転するとき、偏心軸部7の外周壁で押圧された外歯歯車40はそれと噛み合う内歯歯車30の反作用を受け、揺動運動をしながら回転軸3の回転方向と反対方向に自転する。このとき外歯歯車40の各係合突起44はそれに係合する係合孔54の内周壁を自転方向に押圧し、それにより出力軸50が外歯歯車40の自転とほぼ同位相で回転軸3の回転方向と反対方向に回転する。本実施例では、外歯歯車40の歯数が内歯歯車30の歯数よりも一つ少ないため、外歯歯車40の内歯歯車30への噛み合い位置が回転軸3の一回転毎に一歯分ずつずれる。これにより出力軸50の回転速度が回転軸3の回転速度に対して減速され、出力軸50から大きな回転駆動力が出力される。
【0022】
以下、歯車装置1における内歯歯車30のケース12への固定形態について図1、図2及び図5を参照しつつ詳細に説明する。
歯車装置1は、内歯歯車30をケース12に固定するための固定構造と、ケース12に対して内歯歯車30を周方向で位置決めするための位置決め構造とを備えている。
【0023】
まず、固定構造について説明する。本実施例の固定構造は、係合突部20及び係合凹部21の複数組(本実施例では三組)から構成されている。各組の係合突部20と係合凹部21とは、係合凹部21への係合突部20のかしめにより互いに係合している。
【0024】
第一係合部としての係合突部20は、固定壁17の内周部17aから内歯歯車30の外周部30a側に向かって、固定壁17及び内歯歯車30の径方向(以下、単に径方向という)に複数突出している。複数の係合突部20は、固定壁17及び内歯歯車30の周方向(以下、単に周方向という)で等間隔に並んでいる。各係合突部20の周方向で向かい合う両側部20b,20cは、突出先端部20aに向かうにつれ互いに接近する形状に形成されている。本実施例の両側部20b,20cはそれぞれ、滑らかに湾曲する断面円弧状に形成されている。各係合突部20の突出先端部20aは、側部20b,20c間をほぼ周方向に真っ直ぐに延伸している。
【0025】
第二係合部としての複数の係合凹部21は、内歯歯車30の外周部30aのうち各係合突部20に対応した位置にそれぞれ設けられ、周方向に等間隔に並んでいる。各係合凹部21は、内歯歯車30における外周部30aと軸線方向他方側の外壁部30cとに開口している。各係合凹部21は、外周部30a側の開口に対向する底壁部21aと、外壁部30c側の開口に対向する側壁部21dと、周方向で向かい合う側壁部21b,21cとで構成されている。各係合凹部21の構成は互いに同一であり、以下、一つの係合凹部21の構成について説明する。
【0026】
係合凹部21の側壁部21b,21cは、対応する係合突部20の側部20b,20cを補完する形状に形成されている。すなわち側壁部21b,21cは、底壁部21aに向かうにつれ互いに接近する断面円弧状に形成されている。かかる側壁部21b,21cは、対応する係合突部20の側部20b,20cを周方向の両側から挟圧している。内歯歯車30において側壁部21dと外壁部30bの一部とを形成する保持部22は、係合突部20とケース12の支持壁18とで軸線方向の両側から挟圧され保持されている。底壁部21aは、側壁部21b,21c間を滑らかに繋ぐように凹む断面円弧状に形成されている。これにより、係合凹部21の底壁部21aと係合突部20の突出先端部20aとの間に、概ね蒲鉾形の空間24が形成されている。
【0027】
尚、係合凹部21については、公知の各種の手法により形成することができ、例えば図6に示す方法により形成する。具体的には、まず図6(A)に示すように、内歯歯車30の素材である金属板36をプレス加工により打ち抜いて、内径が内歯歯車30の外径より一回り大きな円弧状のスリット37を複数形成する。尚、各スリット37は、各係合凹部21を形成する部分38を残すように打ち抜かれる。次に図6(B)に示すように、各スリット37間の残存部分38をプレス加工により押し潰して、一部が係合凹部21となる凹所39を形成する。続いて図6(C)に示すように、内歯歯車30の外径に一致する径で凹所39を通る円形に金属板36をせん断する。このように係合凹部21を形成することで、内歯歯車30の外周部30aに肉の隆起が生じない。
【0028】
次に、位置決め構造について説明する。本実施例の位置決め構造は、嵌合突部25及び嵌合孔部26の複数組(本実施例では三組)から構成されている。
複数の嵌合突部25は、内歯歯車30の各係合凹部21の近傍位置にそれぞれ設けられている。各嵌合突部25は、内歯歯車30の外壁部30bからケース12の支持壁18側に向かって軸線Oに平行に突出している。各嵌合突部25は、内歯歯車30をプレス加工により半抜きすることで断面円形のストレートピン状に形成されている。尚、そのようなプレス加工により形成される嵌合突部25の代わりに、図7に変形例を示すようなノックピンで構成される嵌合突部25’を用いてもよい。
【0029】
複数の嵌合孔部26は、支持壁18のうち各嵌合突部25に対応した位置にそれぞれ設けられている。各嵌合孔部26は、内歯歯車30の外壁部30bに当接する支持壁18の壁面に開口し、円形断面でストレートに延びている。各嵌合孔部26には、対応する嵌合突部25が嵌入されている。このような各嵌合孔部26への各嵌合突部25の嵌合により、固定壁17に対する内歯歯車30の周方向位置を規定している。
【0030】
以上説明した歯車装置1では、内歯歯車30の各係合凹部21に固定壁17の各係合突部20をかしめて係合するだけで、内歯歯車30を容易にケース12に固定できる。しかも歯車装置1では、上記かしめによって各係合凹部21の側壁部21b,21cで各係合突部20を周方向両側から挟圧するので、ケース12に内歯歯車30を強固に固定することができる。さらに歯車装置1では、係合凹部21を形成している保持部22を支持壁18と係合突部20とにより軸線方向の両側から挟圧しているので、固定壁17に対する内歯歯車30の軸線方向変位が制限されている。
【0031】
また歯車装置1では、各係合凹部21内において各係合突部20の突出先端部20a側に空間24が形成されているので、各係合凹部21に各係合突部20をかしめる際に固定壁17から内歯歯車30の径方向に荷重が伝達され難い。したがって、かしめにより固定強度を確保しつつ、中空の内歯歯車30が径方向に変形することを防止して内歯歯車30の寸法精度を確保することができる。加えて歯車装置1では、内歯歯車30の位置決めのために設けられる嵌合突部25及び嵌合孔部26の各嵌合箇所近傍に、係合突部20及び係合凹部21の各係合箇所が設定されている。したがって、各係合凹部21に各係合突部20をかしめるに先立ち嵌合突部25と嵌合孔部26とを嵌合しておくことで、かしめ時に内歯歯車30に掛かる力を嵌合突部25と嵌合孔部26との間に働く反作用で抑えることができる。このことによっても、内歯歯車30の変形を防止することができる。
【0032】
さらに歯車装置1では、係合突部20及び係合凹部21の組が周方向において複数、等間隔に設けられるので、各組の要素20,21に掛かる荷重を均等に分散することができる。したがって、係合突部20及び係合凹部21の小型化、ひいては装置1全体の小型化を図りつつ、係合突部20及び係合凹部21の耐久性を向上することができる。またさらに歯車装置1では、各係合突部20の側部20b,20cが突出先端部20aに向かうにつれ互いに接近する形状に形成され、各係合凹部21の側壁部21b,21cが側部20b,20cを補完する形状に形成されている。そのため、周方向で等間隔な複数箇所において係合突部20の突出方向への変位が阻止されるので、固定壁17に対する内歯歯車30の径方向の位置ずれを防ぐことができる。
【0033】
(第二実施例、第三実施例)
本発明の第二実施例及び第三実施例による歯車装置の要部をそれぞれ図8及び図9に示す。第二及び第三実施例の歯車装置は、係合凹部の構成についてそれぞれ第一実施例と異なっている。尚、第一実施例と実質的に同一の構成部分については同一符号を付し説明を省略する。
【0034】
第二実施例の歯車装置では、図8に示すように各係合凹部21において、底壁部21aと側壁部21bとの間に段差壁部21eが形成され、底壁部21aと側壁部21cとの間に段差壁部21fが形成されている。各段差壁部21e,21fはほぼ周方向に真っ直ぐに延び、係合突部20の突出先端部20aの周方向両端部分に当接している。これにより、突出先端部20aの周方向中央部分と係合凹部21の底壁部21aとの間に、概ね蒲鉾形の空間24が形成されている。このように係合突部20の突出先端部20a側に空間24が形成されるので、係合突部20を係合凹部21にかしめる際に固定壁17から内歯歯車30への径方向の荷重伝達が抑制される。これにより、内歯歯車30について径方向の変形を抑えて寸法精度を確保することができる。
【0035】
第三実施例の歯車装置では、図9に示すように、内歯歯車30に第一実施例の保持部22が設けられず、各係合凹部21が内歯歯車30の外壁部30bにも開口している。第三実施例において内歯歯車30の軸線方向の位置ずれは、係合凹部21の側壁部21b,21cによる係合突部20の挟圧と、支持壁18による外壁部30bの支持とにより規制されている。
【0036】
以上説明した複数の実施例では、回転機2を備えた歯車装置に本発明を適用した例について説明したが、回転機2を持たない歯車装置に本発明を適用することも勿論可能である。
さらに上記複数の実施例では、第一係合部としての係合突部20を外郭部材たるケース12の固定壁17に設け、第二係合部としての係合凹部21を内歯歯車30に設けた。これに対し、第一係合部を内歯歯車に設け、第二係合部を外郭部材の固定壁に設けるようにしてもよい。そしていずれの場合にも第一係合部及び第二係合部の組数については、適宜設定することができる。また、いずれの場合にも第二係合部の形状は、上述した有底の凹状の他、例えば貫通孔状であってもよい。
またさらに上記複数の実施例では、嵌合突部25を内歯歯車30に設け、嵌合孔部26を外郭部材たるケース12の支持壁18に設けた。これに対し、嵌合突部を外郭部材に設け、嵌合孔部を内歯歯車に設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例による歯車装置の要部を示す図であって、(A)は図2のI−I線断面図、(B)は(A)におけるB部の拡大図である。
【図2】本発明の第一実施例による歯車装置を示す図であって、(A)は図1のII−II線断面図、(B)は(A)におけるB部の拡大図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】図1(B)のV−V線断面図である。
【図6】本発明の第一実施例による係合凹部の形成方法を説明するための模式図である。
【図7】本発明の第一実施例による嵌合突部の変形例を示す図であって、図2(B)に対応する図である。
【図8】本発明の第二実施例による歯車装置の要部を示す図であって、図1(B)に対応する拡大図である。
【図9】本発明の第三実施例による歯車装置の要部を示す図であって、図5に対応する断面図である。
【符号の説明】
1 歯車装置
2 回転機
3 回転軸
10 遊星歯車機構
12 ケース(外郭部材)
17 固定壁
17a 内周部
18 支持壁
20 係合突部(第一係合部)
20a 突出先端部
20b,20c 側部(第一係合部の周方向両側部分)
21 係合凹部(第二係合部)
21a 底壁部
22 保持部
24 空間
25 嵌合突部
26 嵌合孔部
30 内歯歯車
30a 外周部
40 外歯歯車
50 出力軸

Claims (8)

  1. 断面環状の固定壁を有する外郭部材と、
    前記固定壁の内周側に固定される内歯歯車と、
    前記内歯歯車に遊星運動可能に内接噛合する外歯歯車と、
    を備える歯車装置であって、
    前記固定壁の内周部及び前記内歯歯車の外周部の一方と他方とには、互いに係合して前記固定壁に前記内歯歯車を固定する第一係合部と第二係合部とがそれぞれ設けられ、
    前記第一係合部は、前記固定壁の内周部及び前記内歯歯車の外周部の一方から他方に向かって前記固定壁及び前記内歯歯車の径方向に突出し、
    前記第二係合部は、前記固定壁及び前記内歯歯車の周方向両側から前記第一係合部を挟圧しその第一係合部の突出先端部側に空間を形成することを特徴とする歯車装置。
  2. 前記第一係合部は前記固定壁の内周部に設けられ、
    前記第二係合部は、前記内歯歯車の外周部に開口する凹部で構成され、前記凹部の底壁部と前記第一係合部の突出先端部との間に前記空間を形成することを特徴とする請求項1に記載の歯車装置。
  3. 前記外郭部材は、前記内歯歯車をその軸線方向一方側から支持する支持壁をさらに有し、
    前記支持壁と前記第一係合部とは前記軸線方向両側から前記第二係合部を挟圧することを特徴とする請求項2に記載の歯車装置。
  4. 前記外郭部材及び前記内歯歯車の一方と他方とには、嵌合突部と嵌合孔部とがそれぞれ設けられ、
    前記嵌合突部は、前記外郭部材及び前記内歯歯車の一方から他方に向かって前記固定壁及び前記内歯歯車の軸線に平行に突出し、前記嵌合孔部に嵌合することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の歯車装置。
  5. 前記第一係合部及び前記第二係合部の係合箇所は、前記嵌合突部と前記嵌合孔部との嵌合箇所近傍に設定されることを特徴とする請求項4に記載の歯車装置。
  6. 前記第一係合部及び前記第二係合部は複数組設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の歯車装置。
  7. 前記第一係合部及び前記第二係合部の各組は前記周方向で等間隔に設けられることを特徴とする請求項6に記載の歯車装置。
  8. 前記第二係合部で挟圧される前記第一係合部の前記周方向両側部分は、前記突出先端部に向かうにつれ互いに接近する形状に形成されることを特徴とする請求項6又は7に記載の歯車装置。
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