JP2004068204A - 繭成分を綿繊維に架橋しシルク様の性質を付与する加工方法 - Google Patents

繭成分を綿繊維に架橋しシルク様の性質を付与する加工方法 Download PDF

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小杉 源一郎
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Abstract

【課題】シルクの物性、触感を綿繊維に付与することを目的とし、シルク様の光沢、風合い、柔軟性、吸湿性を持ち、しかもそれらの性質の耐久性に優れた綿繊維を効率的にかつ安価に得る方法を提供する。
【解決手段】綿繊維に繭成分を付与する加工方法であって、繭成分中のセリシンと、フィブロインの主成分である主要アミノ酸とを、綿繊維に架橋し、綿繊維にシルク様の性状を付与する方法で、架橋剤がグリオキザ−ルで、架橋助剤が、多官能イソシアネ−ト化合物であるにシルク様の性状を付与する。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、綿繊維に繭成分を付与する加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シルクは、光沢、風合い、柔軟性等、他の繊維にはない独特の品格を持つものであり、繊維の中でも最高の素材としてされている。そのため、シルク以外の繊維にシルク様の特性を付与する加工法が多数提案されている。例えばポリエステル繊維では、アルカリ処理により風合いをソフトに仕上げる方法、又、セルロース系繊維では、酵素により柔軟に仕上げる方法が提案されている。更に、光沢を高める方法としては、シルクと類似の屈折率をもつポリマーをパディング方式、又はコーティング方式で付与する等の方法が提案されている。しかしながら、いずれも外観上の効果あるいは耐久性に見劣りがする。
【0003】
一方、これまでに、繭成分であるセリシンやフィブロイン液を用いた処理も提案されている。シルク糸は二本のフィブロインがコロイド状のセリシン皮膜で覆われた構造のものである。フィブロインやセリシンはいずれも硬蛋白質に属し、シルクでは70%前後がフィブロイン、30%前後がセリシンである。このセリシンは可紡性を高めたり、繊維を強化する機能をもち、フィブロインはシルクの感触や光沢を発現させるほかに保湿性や抗菌性の点で有効性が認められる。しかるに、従来のフィブロイン液を用いた処理にあっては、処理後の耐久性が悪いという問題がある。即ち、通常の繊維加工においてシルク本来の光沢、柔軟性、吸湿性、耐久性を良く発現することは困難であり、シルクに近い優れた特性を有する繊維体は未だ見い出されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、シルクの物性、触感を綿繊維に付与することを目的とし、シルク様の光沢、風合い、柔軟性、吸湿性を持ち、しかもそれらの性質の耐久性に優れた綿繊維を効率的にかつ安価に得る方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、綿繊維に繭成分を付与する加工方法であって、繭成分中のセリシンと、フィブロインの主成分である主要アミノ酸とを、綿繊維に架橋し、綿繊維にシルク様の性状を付与する加工方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、繭成分の主体であるセリシンと、フィブロインの主体であるアミノ酸を特に分離することなく綿繊維に化学的に架橋させてなり、綿繊維にシルク様の性質を与えようとするものである。具体的には、水溶性のセリシンはグリオキザ−ルと反応させてフォルマ−ル化させて不溶性となし、このグリオキザ−ルを架橋剤として綿繊維に架橋し、一方、アミノ酸縮合物であるフィブロインは、加水分解して各種のアミノ酸(主として、グリシン、アラニン、セリン)とし、かかるアミノ酸もグリオキザ−ルを架橋剤として綿繊維に架橋してなるものであり、ここに、綿繊維に繭成分の主体となる各成分を化学的に架橋してシルク様の性状を付与することとなったものである。
【0007】
ここでグリオキザ−ルと綿繊維及びアミノ酸との反応を中心に述べれば、綿繊維のOH基とグリオキザ−ルのOH基との間でエ−テル結合、又、グリオキザ−ルの他方側のOH基とアミノ酸のCOOH基との間にてエステル結合が生じ、いずれも脱水反応が生じて、綿繊維にグリオキザ−ルを介してアミノ酸が架橋されるものである。尚、綿繊維とセリシンとの間もグリオキザ−ルの働きによって同様の架橋が行われる。尚、綿繊維に対し、繭成分の付着量は2.5〜5重量%程度が好ましいものである。
【0008】
架橋剤の補助剤として、トリレンジイソシアネ−ト(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネ−ト(MDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−ト(HDI)等の多官能イソシアネ−ト化合物を併用することもでき、これによって架橋反応をもたらし、アミノ酸等の活性OH基と比較的低温で反応し、ウレタン結合や尿素結合によって架橋することになる。このように、グリオキザ−ルと併用して、多官能イソシアネ−ト化合物を用いることにより、繭成分が更に強固に架橋され、綿繊維がシルク様の性質を長時間にわたり持ち続けることができるようになる。
【0009】
このように、繭成分がグリオキザ−ル、更にはイソシアネ−ト化合物を介して化学的に架橋されており、水に溶解〜脱落せず、家庭での洗濯やドライクリーニングに耐え得るものとなる。そして、綿繊維にシルク本来の光沢、風合い、柔軟性、吸湿性を、耐久性良く付与することができることとなったものである。
【0010】
本発明において採用される繊維体とは、木綿、レーヨン、麻、ウ−ル、シルク繊維体が挙げられ、その形態としては、長尺の繊維素材、織物、編物、不織布等である。尚、混紡もしくは混繊維も含まれ、更には、他の合成繊維等との混紡若しくは混織体も用いられ得る。
【0011】
繭成分の原料としては、繭・生糸・絹綿等を挙げることができるが、低コストという観点からは屑繭・不良生糸・副蚕糸・屑絹地・屑絹綿・屑絹糸等を原料とするのがよい。
【0012】
具体的な処理手段としては、繭成分からセリシンを解かしてグリオキザ−ルと反応させてフォルマ−ル化して不溶化させ、一方、フィブロインは加水分解してグリシン、アラニン、セリン等に分解し、これにグリオキザ−ルをもって脱水反応をもたらされる。そして、架橋剤を加えた後、液中に綿繊維を浸漬・パティング、乾燥、を行い、綿繊維に架橋をもたらすものである。
【0013】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
繭成分を水で溶かしてセリシンを解かし、不溶性のフィブロインを加水分解し構成するアミノ酸に分解した。そして、これら繭成分の8%水溶液を得、一方、3%グリオキザ−ル(架橋剤)液を用意し、これらを混ぜ合わせてセリシン、アミノ酸とグリオキザ−ルとを反応させた。かかる液に綿繊維を浸漬・パディングし、150℃×3分の条件下で架橋し水洗した。尚、4.5%のTDI溶液を架橋補助剤として用いた。
【0014】
【発明の効果】
(1)洗濯試験JIS・L−0844・A/2号にて試験した。試験結果を以下に示す。即ち、綿繊維の蛋白質呈色反応にて定性分析(ニンヒドリン反応)を行った。原繊維も洗濯10回後もほぼ同じ反応(赤紫色)を示した。このことから、綿繊維と蛋白質(セリシン、アミノ酸)は強固な架橋が施されていることが分かった。
【0015】
本発明の綿繊維は、シルクの風合い及び光沢を有し、更に、張りや柔軟性が増し、又、表面の水分の吸湿、放湿が絹に近いものであった。又、触った時の触感が暖かく感じられ、よりシルクに近い感覚を呈するものであり、耐洗濯性にも優れることが分かった。

Claims (4)

  1. 綿繊維に繭成分を付与する加工方法であって、繭成分中のセリシンと、フィブロインの主成分である主要アミノ酸とを、綿繊維に架橋し、綿繊維にシルク様の性状を付与する加工方法。
  2. アミノ酸が、グリシン、アラニン、セリンである請求項1記載の綿繊維にシルク様の性状を付与する加工方法。
  3. 架橋剤が、グリオキザ−ルである請求項1又は2記載の綿繊維にシルク様の性状を付与する加工方法。
  4. 架橋助剤が、多官能イソシアネ−ト化合物である請求項1又は2記載の綿繊維にシルク様の性状を付与する加工方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105079877A (zh) * 2014-05-20 2015-11-25 中国科学院苏州纳米技术与纳米仿生研究所 丝素蛋白牙周补片及其制备方法
CN113564802A (zh) * 2021-07-21 2021-10-29 福建恒安集团有限公司 一种蚕丝棉无纺布、蚕丝棉无纺布制备工艺及卫生巾

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