JP2004066191A - フィルタとこのフィルタを用いた濾過方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶融ポリマー中の異物を効率よく捕捉するフィルタを提供する。
【解決手段】フィルタを、濾過精度の異なる複数の金属繊維フィルタ2を積層し、焼結した構造で構成する。これらの複数の金属繊維フィルタ2は、溶融樹脂の流れ方向の上流部から下流部に向けて、濾過精度が高くなるように、順次、積層された構造であってもよい。また、フィルタを、少なくとも1つの金属繊維フィルタで構成される第1のフィルタ層と、織り組織を有する少なくとも1つのフィルタで構成される第2のフィルタ層3とで構成する。前記第1のフィルタ層は複数の前記金属繊維フィルタ2であってもよい。
【選択図】 図1
【解決手段】フィルタを、濾過精度の異なる複数の金属繊維フィルタ2を積層し、焼結した構造で構成する。これらの複数の金属繊維フィルタ2は、溶融樹脂の流れ方向の上流部から下流部に向けて、濾過精度が高くなるように、順次、積層された構造であってもよい。また、フィルタを、少なくとも1つの金属繊維フィルタで構成される第1のフィルタ層と、織り組織を有する少なくとも1つのフィルタで構成される第2のフィルタ層3とで構成する。前記第1のフィルタ層は複数の前記金属繊維フィルタ2であってもよい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリマーの成形において、溶融ポリマーの濾過に有用なフィルタとこのフィルタを用いた濾過方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
押出成形機において、押出機からダイへ送られる溶融ポリマー成分は、成形体の品質を高めるため、異物を含んでいないことが重要である。この異物を除去する方法として、押出機のバレル先端部に位置するスクリーンパックに、フィルタとして30〜120メッシュ程度のステンレス鋼の金網を数枚重ねて配置し、異物を除去する方法が利用されている(プラスチック読本 改訂18版 249頁プラスチックエージ(株))。しかし、この金網による除去方法では、金網の空孔が大きいために小さい異物を除去できない。また、異物による目詰まりで金網が破損したり、金網の破損で金網の細片又は異物が溶融ポリマーに混入するおそれがある。
【0003】
これらの除去方法を改善する方法として、金網の代わりに金属の不織布を焼結した焼結金属繊維を用いる方法(例えば、特開昭61−64425号公報など)、金網にプレス加工を施し濾過面積を上げる方法(特開平2−253812号公報)などが提案されている。
【0004】
焼結金属繊維を成形品の製造に利用した例として、特開平8−207117号公報には、金属繊維を均一に積層焼結した焼結繊維フィルタを用いた熱可塑性樹脂の濾過を通じ、写真印画紙用支持体を製造する方法が開示されている。また、特開平9−314642号公報には、金属微細繊維の不織布を積層焼結して作られた焼結フィルタ(JIS B 8356に規定された濾過精度が50μm以下)を用いた熱可塑性樹脂の濾過を通じ、表面保護フィルムを製造する方法が開示されている。
【0005】
これらの文献に記載されるフィルタは、金属繊維が焼結されており、かつその濾過精度も高いため、従来の金網に比べて、フィルタの強度及び異物に対する捕捉性を大きく改善できる。
【0006】
しかし、濾過精度を上げるほど、より小さい異物の捕捉が可能になる反面、フィルタに対する負荷が大きくなり、より一層の強度が必要となる。従って、濾過精度の非常に高いフィルタにおいては、焼結により強化しても金属繊維の剥離などの破損が起こる可能性がある。そのため、濾過精度と強度とを両立できず、高い圧力が作用する押出成形機において、異物を効率よく除去できない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、濾過精度と強度とを両立でき、異物を効率よく除去できるフィルタ及びこのフィルタによる濾過方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、溶融ポリマーの濾過工程において、濾過精度を高めてもフィルタに対して負荷を直接的に作用させることなく異物を除去できるフィルタ及びこのフィルタによる濾過方法を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、溶融ポリマーの濾過工程において、小さな異物であっても、効率よくかつ確実に除去できるフィルタ及びこのフィルタによる濾過方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、フィルタを濾過精度の異なる複数の金属繊維フィルタの積層焼結体又は金属繊維フィルタと補強用フィルタとで構成すると、濾過精度を高めてもフィルタに対して負荷が直接的に作用するのを抑制でき、非常に小さい異物であっても、効率よくかつ確実に捕捉できることを見いだし、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明の積層焼結フィルタは、濾過精度の異なる複数の金属繊維フィルタが積層され、かつ焼結されている。また、本発明の補強フィルタは、少なくとも1つの金属繊維フィルタで構成される第1のフィルタ層と、この第1のフィルタ層を補強する少なくとも1つのフィルタで構成される第2のフィルタ層とで構成されている。前記第1のフィルタ層は前記積層焼結フィルタであってもよい。
【0012】
前記金属繊維フィルタは、不織布構造を有し、かつ焼結されていてもよい。前記積層焼結フィルタを構成する複数の金属繊維フィルタは、溶融ポリマーの流れ方向の上流部から下流部に向けて、順次濾過精度の高い金属繊維フィルタが積層されてもよく、また、前記複数の金属繊維フィルタのうち、最も濾過精度の高い金属繊維フィルタの濾過精度は、40μm以下であってもよい。前記補強フィルタを構成する前記第2のフィルタ層は、第1のフィルタ層の上流側及び/又は下流側に位置してもよい。
【0013】
また、本発明は、押出機において、前記積層焼結フィルタ又は前記補強フィルタを用いて、溶融ポリマーを濾過する方法を含む。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の積層焼結フィルタ及び補強フィルタは、金属繊維フィルタで構成されている。前記金属繊維フィルタとしては、例えば、不織布構造(金属繊維が面方向においてランダムに配向した三次元網目状構造など)を有する金属不織布などが挙げられる。前記金属不織布を構成する金属繊維は、微細かつ高強度で、耐腐食性のある金属繊維(例えば、ステンレス鋼製の金属繊維など)であるのが好ましく、金属繊維の直径は、例えば、5〜50μm、好ましくは10〜40μm、さらに好ましくは10〜30μm程度である。
【0015】
前記金属繊維フィルタの濾過精度(JIS B 8356に規定された基準)は、成形する熱可塑性樹脂の種類や、成形品の用途などに応じて調整でき、例えば、1〜100μm、好ましくは2〜80μm、さらに好ましくは3〜50μm程度である。
【0016】
前記金属繊維フィルタの空隙率は、例えば、30〜90%、好ましくは40〜85%、さらに好ましくは50〜80%程度である。
【0017】
前記金属繊維フィルタの厚みは、濾過精度を損なわない範囲、例えば、0.2〜15mm、好ましくは0.5〜10mm、さらに好ましくは0.5〜5mm程度である。
【0018】
前記金属繊維フィルタの構造は、フィルタとしての強度を高めるために、金属繊維相互が無数のランダムな接合点を有し、焼結された焼結構造であるのが好ましい。また、前記金属繊維フィルタの平面形状としては、平板状、四角形、円形、多角形などが挙げられる。
【0019】
前記積層焼結フィルタは、押出時の高い圧力に耐え得るために、濾過精度の異なる複数の前記金属繊維フィルタが積層され、かつ焼結された積層焼結構造を有する。
【0020】
前記金属繊維フィルタの積層数(金属繊維フィルタの数)は、例えば、2〜10、好ましくは2〜7、さらに好ましくは2〜4程度である。
【0021】
前記積層焼結構造のフィルタにおいて、濾過精度の異なる複数の金属繊維フィルタは、ランダムに積層された構造であってもよく、大きい異物から連続的又は段階的に捕捉して、前記積層焼結フィルタにかかる負荷を分散させる構造であってもよい。負荷を分散させる構造としては、例えば、溶融ポリマーの流れ方向の上流部から下流部に向けて、前記金属繊維フィルタの濾過精度を高くして、前記金属繊維フィルタを順次積層した積層構造などが挙げられる。複数の金属繊維フィルタのうち、最も濾過精度の低い金属繊維フィルタ(前記負荷を分散させる構造では、最上流部に位置する前記金属繊維フィルタ)の濾過精度は、例えば、10〜100μm、好ましくは20〜80μm、さらに好ましくは30〜50μm程度であってもよく、最も濾過精度の高い金属繊維フィルタ(前記負荷を分散させる構造では、最下流部に位置する前記金属繊維フィルタ)の濾過精度(前記積層焼結フィルタそのものの濾過精度)は、溶融ポリマーの成形用途(成形体中の異物に対する捕捉性など)などに応じて調整でき、40μm以下(例えば、1〜40μm)、好ましくは3〜40μm、さらに好ましくは5〜40μm程度であってもよい。なお、前記負荷を分散させる構造においては、最上流側の前記金属繊維フィルタと最下流側の前記金属繊維フィルタとの間には1又は複数の前記金属繊維フィルタが介在していてもよい。このように介在する前記金属繊維フィルタの濾過精度は、最上流部に位置する前記金属繊維フィルタの濾過精度や、前記金属繊維フィルタの積層数によって調整でき、例えば、5〜60μm、好ましくは5〜40μm、さらに好ましくは5〜30μm程度であってもよい。
【0022】
前記積層焼結フィルタ全体の空隙率は、例えば、30〜90%、好ましくは40〜85%、さらに好ましくは50〜80%程度である。前記積層焼結フィルタは、高強度であるため、低い空隙率(換言すれば、バレル内の高圧状態)には耐えうるが、空孔率が高すぎると、バレル内の圧力が上がらず、溶融ポリマーの混練度が上がらない可能性がある。
【0023】
前記積層焼結フィルタの厚みは、ブレーカプレート内に取り付け可能であれば特に制限されず、例えば、0.5〜15mm、好ましくは0.5〜10mm、さらに好ましくは0.5〜5mm程度である。
【0024】
前記積層焼結フィルタによれば、複数のフィルタが積層され、かつ焼結した構造を有しているため、高強度である。また、上流部から下流部に向けて、濾過精度を高くして金属繊維フィルタを順次積層した積層構造を有する前記積層焼結フィルタでは、異物が大きいものから連続的又は段階的に捕捉されるため、フィルタに対する直接的な負荷をそれぞれのフィルタに分散して軽減することができる。従って、濾過精度を上げてもフィルタの破損などの障害が生じることなく、異物を効率よく確実に捕捉することで除去できる。また、前記積層焼結フィルタによれば、前記積層焼結フィルタそのものの濾過精度を高く設定することができるため、非常に小さい異物であっても除去することができ、さらに、捕捉された異物は三次元網目状構造を有する金属繊維で微細化されるため、フィルタの閉塞を抑制しつつ、長期にわたって使用できる。
【0025】
前記金属繊維フィルタは、前記金属繊維フィルタを構成する金属繊維の焼結により強度を改善することができるが、さらに、この金属繊維フィルタを補強するフィルタを組み合わせて用いてもよい。
【0026】
図1は、本発明の補強フィルタの一例を示す分解斜視図である。
【0027】
前記補強フィルタは、少なくとも1つの前記金属繊維フィルタで構成された第1のフィルタ層2と、この第1のフィルタ層を補強する少なくとも1つのフィルタで構成された第2のフィルタ層3とで構成されている。この例では、補強フィルタ1は、上流部から下流部に向けて、濾過精度が高くなるように配置された濾過精度の異なる2つの前記金属繊維フィルタで構成された第1のフィルタ層2と、この第1のフィルタ層の両側に位置して補強する2つのフィルタで構成された第2のフィルタ層3とで構成されている。また、第1のフィルタ層2と第2のフィルタ層とは、積層され、かつ焼結されている。
【0028】
前記第1のフィルタ層としては、例えば、(a)1つの前記金属繊維フィルタで構成される単一フィルタ層、(b)濾過精度が同じ複数の前記金属繊維フィルタが積層され(かつ必要により焼結され)たフィルタ層、(c)濾過精度の異なる複数の前記金属繊維フィルタが積層され(かつ必要により焼結され)たフィルタ層などが挙げられる。これらのフィルタ層は単独で又は二種以上組み合わせてよく、特に、少なくとも(c)濾過精度の異なる複数の前記金属繊維フィルタで構成されたフィルタ層を備えているのが好ましい。
【0029】
さらに、図1に示すように、(c)複数の金属繊維フィルタで構成されたフィルタ層を前記積層焼結フィルタで構成することにより、第2のフィルタ層による補強性と相まって、強度及び濾過精度の高い前記補強フィルタを得ることができる。
【0030】
前記第2のフィルタ層を構成するフィルタは、溶融ポリマーの流れ方向に対し、第1のフィルタ層の上流側から下流側に至る適所に配置できる。例えば、第2のフィルタ層を構成するフィルタは、第1のフィルタ層が1つの前記金属繊維フィルタで構成されている場合、第1のフィルタ層の上流側及び/又は下流側に配置してもよく、第1のフィルタ層が複数の前記金属繊維フィルタで構成されている場合、第1のフィルタ層の上流側及び/又は下流側に配置してもよく、複数の金属繊維フィルタの間に介在させて配置してもよい。好ましい態様において、前記第2のフィルタ層を構成するフィルタは、第1のフィルタ層の上流側及び/又は下流側に配置するのが好ましく、特に、第1のフィルタ層の下流側に配置するのが好ましい。また、第1のフィルタ層と第2のフィルタ層とは、近接又は隣接させて非接触で配置してもよいが、接触させて配置するのが好ましい。
【0031】
前記第2のフィルタ層を構成するフィルタとしては、織り組織(例えば、平織り、綾織り、畳織りなど)を有する金網や焼結金属などが挙げられるが、織り組織を有する金網(特に、焼結金網)が好ましい。前記フィルタの材質としては、高強度で、かつ耐腐食性のある金属、例えば、ステンレス鋼などが挙げられる。
【0032】
前記第2のフィルタ層を構成する織り組織を有するフィルタは、フィルタとしての役割を果たすだけでなく、第1のフィルタ層を補強する。そのため、前記フィルタの平均孔径は、溶融ポリマーの流れ方向において、前記金属繊維フィルタよりも大きいのが好ましい。例えば、1つの前記金属繊維フィルタで構成された第1のフィルタ層の上流側及び/又は下流側に前記フィルタを配置する場合は、前記金属繊維フィルタよりも前記フィルタの平均孔径を大きくしてもよく、複数の前記金属繊維フィルタで構成された第1のフィルタ層の上流側及び/又は下流側及び/又は間に介在させて前記フィルタを配置する場合は、前記金属繊維フィルタよりも、前記フィルタの平均孔径を大きくしてもよい。何れの場合においても、前記フィルタの平均孔径は、前記金属繊維フィルタよりも大きい孔径であるのが好ましい。また、前記第2のフィルタ層の織り組織を構成する針金又は細条体の直径は、高強度を保持できれば、特に限定されず、例えば、25〜400μm、好ましくは50〜300μm、さらに好ましくは60〜150μm程度である。
【0033】
前記第2のフィルタ層を構成するフィルタの形状及び前記補強フィルタの形状は、例えば、シート状、平板状、円盤状、膨出状などであってもよい。
【0034】
前記第1のフィルタ層と前記第2のフィルタ層とは、互いに取り外し可能であってもよいが、強度を高めるため、接合されているのが望ましい。接合方法としては、例えば、第1のフィルタ層と第2のフィルタ層とを溶接により固着する方法、第2のフィルタ層を第1のフィルタ層に冠着する方法、第1のフィルタ層と第2のフィルタ層とを焼結により固着する方法などが挙げられるが、焼結により固着する方法が好ましい。
【0035】
前記補強フィルタによれば、少なくとも1つの前記金属繊維フィルタで構成される第1のフィルタ層を第2のフィルタ層で補強できる。また、第1のフィルタ層を前記積層焼結フィルタで構成することにより、高強度であり、濾過精度を上げてもフィルタの損傷を伴わず、微細な異物であっても、確実かつ効率的に捕捉することにより除去できる。
【0036】
前記積層焼結フィルタ及び前記補強フィルタ(以下、濾過用フィルタと総称する場合がある)は、押出機において、溶融ポリマーを濾過するためのフィルタとして利用できる。
【0037】
前記濾過用フィルタは、通常、バレルの先端部に位置するスクリーンパックに設置される。前記濾過用フィルタによる濾過方法において、前記濾過用フィルタは、前記濾過用フィルタ内に、スクリュによりバレル内からダイへと押し出される溶融ポリマーを透過させることで、溶融ポリマー中の異物(例えば、原料ポリマーに含まれている不純物、工程中に混入する不純物、ポリマー架橋物、ポリマーと不純物との反応による異物など)を捕捉する。
【0038】
前記濾過方法において、溶融ポリマーとしては、種々の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーの溶融体が挙げられる。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂[C2−10オレフィンの単独又は共重合体(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリメチルペンテン−1、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン共重合体など)、オレフィンと共重合性単量体との共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)、変性ポリオレフィンなど]、スチレン系樹脂[ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(ABS樹脂)、ブタジエンに代えて各種ゴムXを用いたAXS樹脂など]、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンアリレート、又はこれらのコポリエステルなど)、ポリカーボネート系樹脂(ビスフェノールA型ポリカーボネートなど)、アクリル系樹脂(ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体など)、ハロゲン含有ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体などの塩素含有ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンと共重合性単量体との共重合体などのフッ素含有ビニル系樹脂など)、ポリアミド系樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12など)、ポリアセタール系樹脂(ポリオキシメチレンなど)、ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、ポリフェニレン系樹脂(ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィドなど)などが挙げられる。前記熱可塑性エラストマーとしてはポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性樹脂エラストマーなどの硬質相と軟質相から構成される熱可塑性エラストマーが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーは、溶融体として、単独で又は二種以上を組み合わせてもよく、複数の熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーで構成されたポリマーアロイ(高分子多成分系)であってもよい。
【0039】
前記熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーは、可塑剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤などの添加剤、強化剤又は充填剤などを含んでもよい。
【0040】
前記濾過方法において、溶融ポリマーの押出圧力としては、前記濾過用フィルタが高強度であるため、比較的高圧でもよく、例えば、1〜40MPa、好ましくは5〜30MPa、さらに好ましくは5〜20MPa程度である。
【0041】
また、前記ポリマーの流動性は、JIS K 7210に規定された温度及び荷重において、例えば、0.1〜50g/10分、好ましくは0.1〜40g/10分、さらに好ましくは0.1〜30g/10分程度である。
【0042】
前記濾過方法を利用できる押出機としては、単軸押出機、多軸押出機(二軸押出機など)、タンデム型押出機などが挙げられる。
【0043】
前記濾過方法によれば、非常に小さい異物であっても、効率よくかつ確実に捕捉できる。そのため、本発明の濾過方法は、押出成形において、種々の溶融ポリマーの濾過に有効であり、特に、精密な濾過を必要とする成形体(フィルムなど)や、溶融温度が高く異物の生じやすい条件下での混練を必要とするポリマーの濾過において有効である。
【0044】
【発明の効果】
本発明では、積層焼結フィルタ及び補強フィルタが高強度であるとともに、フィルタの濾過精度を高めることができる。そのため、これらのフィルタを用いて、溶融ポリマーを濾過することにより、異物を効率よく確実に除去できる。また、濾過精度を高めてもフィルタに対して負荷を直接的に作用させないため、小さな異物であっても効率よくかつ確実に除去できる。
【0045】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0046】
(実施例1〜7及び比較例1〜2)
ランダムポリプロピレン(メルトフローレート 8.5g/10分)に、ヒンダードアミン系光安定剤(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製 CHIMASSORB 944FD)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製 TINUBIN234)を添加した混合物を二軸押出機((株)東芝機械製、TEM48SS)を用いて溶融混練して押出し、次いで、水冷してコンパウンドペレットを得た。このペレットを、スクリーンパック内に表1に示す積層金属フィルタを具備した単軸押出機((株)プラスチック工学研究所製 TU−25スクリュー外径25mm)により溶融混練して、150mmのシートダイよりシート状に押出し、厚み150μmのフィルムを得た。
【0047】
得られたフィルム1mについて、直径0.2mm〜0.3mmの異物(ゲル、フィッシュアイなど)の個数を確認した。
【0048】
結果を表1に示す。表1において、積層金属フィルタとは、層数が2以上のフィルタでは、金属繊維フィルタ同士が焼結により接合されており、フィルタ番号の上昇につれて溶融ポリマーの流れ方向に対して下流側に積層したフィルタ構造であることを示す。また、比較例1では、溶融ポリマーの上流側から順に、40,60,120,300,120,60,40メッシュの平織りのフィルタを積層して使用した。なお、補強フィルタには、平織りのフィルタを用い、積層焼結フィルタの下流側に配置した。
【0049】
【表1】
【0050】
表1からわかるように、実施例のフィルタを用いた場合、比較例のフィルタに比べて、フィルム中の異物を精密に濾過できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の補強フィルタの一例を説明するための分解斜視図である。
【符号の説明】
1…補強フィルタ
2a,2b…第1のフィルタ層
3a,3b…第2のフィルタ層
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリマーの成形において、溶融ポリマーの濾過に有用なフィルタとこのフィルタを用いた濾過方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
押出成形機において、押出機からダイへ送られる溶融ポリマー成分は、成形体の品質を高めるため、異物を含んでいないことが重要である。この異物を除去する方法として、押出機のバレル先端部に位置するスクリーンパックに、フィルタとして30〜120メッシュ程度のステンレス鋼の金網を数枚重ねて配置し、異物を除去する方法が利用されている(プラスチック読本 改訂18版 249頁プラスチックエージ(株))。しかし、この金網による除去方法では、金網の空孔が大きいために小さい異物を除去できない。また、異物による目詰まりで金網が破損したり、金網の破損で金網の細片又は異物が溶融ポリマーに混入するおそれがある。
【0003】
これらの除去方法を改善する方法として、金網の代わりに金属の不織布を焼結した焼結金属繊維を用いる方法(例えば、特開昭61−64425号公報など)、金網にプレス加工を施し濾過面積を上げる方法(特開平2−253812号公報)などが提案されている。
【0004】
焼結金属繊維を成形品の製造に利用した例として、特開平8−207117号公報には、金属繊維を均一に積層焼結した焼結繊維フィルタを用いた熱可塑性樹脂の濾過を通じ、写真印画紙用支持体を製造する方法が開示されている。また、特開平9−314642号公報には、金属微細繊維の不織布を積層焼結して作られた焼結フィルタ(JIS B 8356に規定された濾過精度が50μm以下)を用いた熱可塑性樹脂の濾過を通じ、表面保護フィルムを製造する方法が開示されている。
【0005】
これらの文献に記載されるフィルタは、金属繊維が焼結されており、かつその濾過精度も高いため、従来の金網に比べて、フィルタの強度及び異物に対する捕捉性を大きく改善できる。
【0006】
しかし、濾過精度を上げるほど、より小さい異物の捕捉が可能になる反面、フィルタに対する負荷が大きくなり、より一層の強度が必要となる。従って、濾過精度の非常に高いフィルタにおいては、焼結により強化しても金属繊維の剥離などの破損が起こる可能性がある。そのため、濾過精度と強度とを両立できず、高い圧力が作用する押出成形機において、異物を効率よく除去できない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、濾過精度と強度とを両立でき、異物を効率よく除去できるフィルタ及びこのフィルタによる濾過方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、溶融ポリマーの濾過工程において、濾過精度を高めてもフィルタに対して負荷を直接的に作用させることなく異物を除去できるフィルタ及びこのフィルタによる濾過方法を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、溶融ポリマーの濾過工程において、小さな異物であっても、効率よくかつ確実に除去できるフィルタ及びこのフィルタによる濾過方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、フィルタを濾過精度の異なる複数の金属繊維フィルタの積層焼結体又は金属繊維フィルタと補強用フィルタとで構成すると、濾過精度を高めてもフィルタに対して負荷が直接的に作用するのを抑制でき、非常に小さい異物であっても、効率よくかつ確実に捕捉できることを見いだし、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明の積層焼結フィルタは、濾過精度の異なる複数の金属繊維フィルタが積層され、かつ焼結されている。また、本発明の補強フィルタは、少なくとも1つの金属繊維フィルタで構成される第1のフィルタ層と、この第1のフィルタ層を補強する少なくとも1つのフィルタで構成される第2のフィルタ層とで構成されている。前記第1のフィルタ層は前記積層焼結フィルタであってもよい。
【0012】
前記金属繊維フィルタは、不織布構造を有し、かつ焼結されていてもよい。前記積層焼結フィルタを構成する複数の金属繊維フィルタは、溶融ポリマーの流れ方向の上流部から下流部に向けて、順次濾過精度の高い金属繊維フィルタが積層されてもよく、また、前記複数の金属繊維フィルタのうち、最も濾過精度の高い金属繊維フィルタの濾過精度は、40μm以下であってもよい。前記補強フィルタを構成する前記第2のフィルタ層は、第1のフィルタ層の上流側及び/又は下流側に位置してもよい。
【0013】
また、本発明は、押出機において、前記積層焼結フィルタ又は前記補強フィルタを用いて、溶融ポリマーを濾過する方法を含む。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の積層焼結フィルタ及び補強フィルタは、金属繊維フィルタで構成されている。前記金属繊維フィルタとしては、例えば、不織布構造(金属繊維が面方向においてランダムに配向した三次元網目状構造など)を有する金属不織布などが挙げられる。前記金属不織布を構成する金属繊維は、微細かつ高強度で、耐腐食性のある金属繊維(例えば、ステンレス鋼製の金属繊維など)であるのが好ましく、金属繊維の直径は、例えば、5〜50μm、好ましくは10〜40μm、さらに好ましくは10〜30μm程度である。
【0015】
前記金属繊維フィルタの濾過精度(JIS B 8356に規定された基準)は、成形する熱可塑性樹脂の種類や、成形品の用途などに応じて調整でき、例えば、1〜100μm、好ましくは2〜80μm、さらに好ましくは3〜50μm程度である。
【0016】
前記金属繊維フィルタの空隙率は、例えば、30〜90%、好ましくは40〜85%、さらに好ましくは50〜80%程度である。
【0017】
前記金属繊維フィルタの厚みは、濾過精度を損なわない範囲、例えば、0.2〜15mm、好ましくは0.5〜10mm、さらに好ましくは0.5〜5mm程度である。
【0018】
前記金属繊維フィルタの構造は、フィルタとしての強度を高めるために、金属繊維相互が無数のランダムな接合点を有し、焼結された焼結構造であるのが好ましい。また、前記金属繊維フィルタの平面形状としては、平板状、四角形、円形、多角形などが挙げられる。
【0019】
前記積層焼結フィルタは、押出時の高い圧力に耐え得るために、濾過精度の異なる複数の前記金属繊維フィルタが積層され、かつ焼結された積層焼結構造を有する。
【0020】
前記金属繊維フィルタの積層数(金属繊維フィルタの数)は、例えば、2〜10、好ましくは2〜7、さらに好ましくは2〜4程度である。
【0021】
前記積層焼結構造のフィルタにおいて、濾過精度の異なる複数の金属繊維フィルタは、ランダムに積層された構造であってもよく、大きい異物から連続的又は段階的に捕捉して、前記積層焼結フィルタにかかる負荷を分散させる構造であってもよい。負荷を分散させる構造としては、例えば、溶融ポリマーの流れ方向の上流部から下流部に向けて、前記金属繊維フィルタの濾過精度を高くして、前記金属繊維フィルタを順次積層した積層構造などが挙げられる。複数の金属繊維フィルタのうち、最も濾過精度の低い金属繊維フィルタ(前記負荷を分散させる構造では、最上流部に位置する前記金属繊維フィルタ)の濾過精度は、例えば、10〜100μm、好ましくは20〜80μm、さらに好ましくは30〜50μm程度であってもよく、最も濾過精度の高い金属繊維フィルタ(前記負荷を分散させる構造では、最下流部に位置する前記金属繊維フィルタ)の濾過精度(前記積層焼結フィルタそのものの濾過精度)は、溶融ポリマーの成形用途(成形体中の異物に対する捕捉性など)などに応じて調整でき、40μm以下(例えば、1〜40μm)、好ましくは3〜40μm、さらに好ましくは5〜40μm程度であってもよい。なお、前記負荷を分散させる構造においては、最上流側の前記金属繊維フィルタと最下流側の前記金属繊維フィルタとの間には1又は複数の前記金属繊維フィルタが介在していてもよい。このように介在する前記金属繊維フィルタの濾過精度は、最上流部に位置する前記金属繊維フィルタの濾過精度や、前記金属繊維フィルタの積層数によって調整でき、例えば、5〜60μm、好ましくは5〜40μm、さらに好ましくは5〜30μm程度であってもよい。
【0022】
前記積層焼結フィルタ全体の空隙率は、例えば、30〜90%、好ましくは40〜85%、さらに好ましくは50〜80%程度である。前記積層焼結フィルタは、高強度であるため、低い空隙率(換言すれば、バレル内の高圧状態)には耐えうるが、空孔率が高すぎると、バレル内の圧力が上がらず、溶融ポリマーの混練度が上がらない可能性がある。
【0023】
前記積層焼結フィルタの厚みは、ブレーカプレート内に取り付け可能であれば特に制限されず、例えば、0.5〜15mm、好ましくは0.5〜10mm、さらに好ましくは0.5〜5mm程度である。
【0024】
前記積層焼結フィルタによれば、複数のフィルタが積層され、かつ焼結した構造を有しているため、高強度である。また、上流部から下流部に向けて、濾過精度を高くして金属繊維フィルタを順次積層した積層構造を有する前記積層焼結フィルタでは、異物が大きいものから連続的又は段階的に捕捉されるため、フィルタに対する直接的な負荷をそれぞれのフィルタに分散して軽減することができる。従って、濾過精度を上げてもフィルタの破損などの障害が生じることなく、異物を効率よく確実に捕捉することで除去できる。また、前記積層焼結フィルタによれば、前記積層焼結フィルタそのものの濾過精度を高く設定することができるため、非常に小さい異物であっても除去することができ、さらに、捕捉された異物は三次元網目状構造を有する金属繊維で微細化されるため、フィルタの閉塞を抑制しつつ、長期にわたって使用できる。
【0025】
前記金属繊維フィルタは、前記金属繊維フィルタを構成する金属繊維の焼結により強度を改善することができるが、さらに、この金属繊維フィルタを補強するフィルタを組み合わせて用いてもよい。
【0026】
図1は、本発明の補強フィルタの一例を示す分解斜視図である。
【0027】
前記補強フィルタは、少なくとも1つの前記金属繊維フィルタで構成された第1のフィルタ層2と、この第1のフィルタ層を補強する少なくとも1つのフィルタで構成された第2のフィルタ層3とで構成されている。この例では、補強フィルタ1は、上流部から下流部に向けて、濾過精度が高くなるように配置された濾過精度の異なる2つの前記金属繊維フィルタで構成された第1のフィルタ層2と、この第1のフィルタ層の両側に位置して補強する2つのフィルタで構成された第2のフィルタ層3とで構成されている。また、第1のフィルタ層2と第2のフィルタ層とは、積層され、かつ焼結されている。
【0028】
前記第1のフィルタ層としては、例えば、(a)1つの前記金属繊維フィルタで構成される単一フィルタ層、(b)濾過精度が同じ複数の前記金属繊維フィルタが積層され(かつ必要により焼結され)たフィルタ層、(c)濾過精度の異なる複数の前記金属繊維フィルタが積層され(かつ必要により焼結され)たフィルタ層などが挙げられる。これらのフィルタ層は単独で又は二種以上組み合わせてよく、特に、少なくとも(c)濾過精度の異なる複数の前記金属繊維フィルタで構成されたフィルタ層を備えているのが好ましい。
【0029】
さらに、図1に示すように、(c)複数の金属繊維フィルタで構成されたフィルタ層を前記積層焼結フィルタで構成することにより、第2のフィルタ層による補強性と相まって、強度及び濾過精度の高い前記補強フィルタを得ることができる。
【0030】
前記第2のフィルタ層を構成するフィルタは、溶融ポリマーの流れ方向に対し、第1のフィルタ層の上流側から下流側に至る適所に配置できる。例えば、第2のフィルタ層を構成するフィルタは、第1のフィルタ層が1つの前記金属繊維フィルタで構成されている場合、第1のフィルタ層の上流側及び/又は下流側に配置してもよく、第1のフィルタ層が複数の前記金属繊維フィルタで構成されている場合、第1のフィルタ層の上流側及び/又は下流側に配置してもよく、複数の金属繊維フィルタの間に介在させて配置してもよい。好ましい態様において、前記第2のフィルタ層を構成するフィルタは、第1のフィルタ層の上流側及び/又は下流側に配置するのが好ましく、特に、第1のフィルタ層の下流側に配置するのが好ましい。また、第1のフィルタ層と第2のフィルタ層とは、近接又は隣接させて非接触で配置してもよいが、接触させて配置するのが好ましい。
【0031】
前記第2のフィルタ層を構成するフィルタとしては、織り組織(例えば、平織り、綾織り、畳織りなど)を有する金網や焼結金属などが挙げられるが、織り組織を有する金網(特に、焼結金網)が好ましい。前記フィルタの材質としては、高強度で、かつ耐腐食性のある金属、例えば、ステンレス鋼などが挙げられる。
【0032】
前記第2のフィルタ層を構成する織り組織を有するフィルタは、フィルタとしての役割を果たすだけでなく、第1のフィルタ層を補強する。そのため、前記フィルタの平均孔径は、溶融ポリマーの流れ方向において、前記金属繊維フィルタよりも大きいのが好ましい。例えば、1つの前記金属繊維フィルタで構成された第1のフィルタ層の上流側及び/又は下流側に前記フィルタを配置する場合は、前記金属繊維フィルタよりも前記フィルタの平均孔径を大きくしてもよく、複数の前記金属繊維フィルタで構成された第1のフィルタ層の上流側及び/又は下流側及び/又は間に介在させて前記フィルタを配置する場合は、前記金属繊維フィルタよりも、前記フィルタの平均孔径を大きくしてもよい。何れの場合においても、前記フィルタの平均孔径は、前記金属繊維フィルタよりも大きい孔径であるのが好ましい。また、前記第2のフィルタ層の織り組織を構成する針金又は細条体の直径は、高強度を保持できれば、特に限定されず、例えば、25〜400μm、好ましくは50〜300μm、さらに好ましくは60〜150μm程度である。
【0033】
前記第2のフィルタ層を構成するフィルタの形状及び前記補強フィルタの形状は、例えば、シート状、平板状、円盤状、膨出状などであってもよい。
【0034】
前記第1のフィルタ層と前記第2のフィルタ層とは、互いに取り外し可能であってもよいが、強度を高めるため、接合されているのが望ましい。接合方法としては、例えば、第1のフィルタ層と第2のフィルタ層とを溶接により固着する方法、第2のフィルタ層を第1のフィルタ層に冠着する方法、第1のフィルタ層と第2のフィルタ層とを焼結により固着する方法などが挙げられるが、焼結により固着する方法が好ましい。
【0035】
前記補強フィルタによれば、少なくとも1つの前記金属繊維フィルタで構成される第1のフィルタ層を第2のフィルタ層で補強できる。また、第1のフィルタ層を前記積層焼結フィルタで構成することにより、高強度であり、濾過精度を上げてもフィルタの損傷を伴わず、微細な異物であっても、確実かつ効率的に捕捉することにより除去できる。
【0036】
前記積層焼結フィルタ及び前記補強フィルタ(以下、濾過用フィルタと総称する場合がある)は、押出機において、溶融ポリマーを濾過するためのフィルタとして利用できる。
【0037】
前記濾過用フィルタは、通常、バレルの先端部に位置するスクリーンパックに設置される。前記濾過用フィルタによる濾過方法において、前記濾過用フィルタは、前記濾過用フィルタ内に、スクリュによりバレル内からダイへと押し出される溶融ポリマーを透過させることで、溶融ポリマー中の異物(例えば、原料ポリマーに含まれている不純物、工程中に混入する不純物、ポリマー架橋物、ポリマーと不純物との反応による異物など)を捕捉する。
【0038】
前記濾過方法において、溶融ポリマーとしては、種々の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーの溶融体が挙げられる。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂[C2−10オレフィンの単独又は共重合体(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリメチルペンテン−1、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン共重合体など)、オレフィンと共重合性単量体との共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)、変性ポリオレフィンなど]、スチレン系樹脂[ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(ABS樹脂)、ブタジエンに代えて各種ゴムXを用いたAXS樹脂など]、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンアリレート、又はこれらのコポリエステルなど)、ポリカーボネート系樹脂(ビスフェノールA型ポリカーボネートなど)、アクリル系樹脂(ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体など)、ハロゲン含有ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体などの塩素含有ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンと共重合性単量体との共重合体などのフッ素含有ビニル系樹脂など)、ポリアミド系樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12など)、ポリアセタール系樹脂(ポリオキシメチレンなど)、ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、ポリフェニレン系樹脂(ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィドなど)などが挙げられる。前記熱可塑性エラストマーとしてはポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性樹脂エラストマーなどの硬質相と軟質相から構成される熱可塑性エラストマーが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーは、溶融体として、単独で又は二種以上を組み合わせてもよく、複数の熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーで構成されたポリマーアロイ(高分子多成分系)であってもよい。
【0039】
前記熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーは、可塑剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤などの添加剤、強化剤又は充填剤などを含んでもよい。
【0040】
前記濾過方法において、溶融ポリマーの押出圧力としては、前記濾過用フィルタが高強度であるため、比較的高圧でもよく、例えば、1〜40MPa、好ましくは5〜30MPa、さらに好ましくは5〜20MPa程度である。
【0041】
また、前記ポリマーの流動性は、JIS K 7210に規定された温度及び荷重において、例えば、0.1〜50g/10分、好ましくは0.1〜40g/10分、さらに好ましくは0.1〜30g/10分程度である。
【0042】
前記濾過方法を利用できる押出機としては、単軸押出機、多軸押出機(二軸押出機など)、タンデム型押出機などが挙げられる。
【0043】
前記濾過方法によれば、非常に小さい異物であっても、効率よくかつ確実に捕捉できる。そのため、本発明の濾過方法は、押出成形において、種々の溶融ポリマーの濾過に有効であり、特に、精密な濾過を必要とする成形体(フィルムなど)や、溶融温度が高く異物の生じやすい条件下での混練を必要とするポリマーの濾過において有効である。
【0044】
【発明の効果】
本発明では、積層焼結フィルタ及び補強フィルタが高強度であるとともに、フィルタの濾過精度を高めることができる。そのため、これらのフィルタを用いて、溶融ポリマーを濾過することにより、異物を効率よく確実に除去できる。また、濾過精度を高めてもフィルタに対して負荷を直接的に作用させないため、小さな異物であっても効率よくかつ確実に除去できる。
【0045】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0046】
(実施例1〜7及び比較例1〜2)
ランダムポリプロピレン(メルトフローレート 8.5g/10分)に、ヒンダードアミン系光安定剤(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製 CHIMASSORB 944FD)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製 TINUBIN234)を添加した混合物を二軸押出機((株)東芝機械製、TEM48SS)を用いて溶融混練して押出し、次いで、水冷してコンパウンドペレットを得た。このペレットを、スクリーンパック内に表1に示す積層金属フィルタを具備した単軸押出機((株)プラスチック工学研究所製 TU−25スクリュー外径25mm)により溶融混練して、150mmのシートダイよりシート状に押出し、厚み150μmのフィルムを得た。
【0047】
得られたフィルム1mについて、直径0.2mm〜0.3mmの異物(ゲル、フィッシュアイなど)の個数を確認した。
【0048】
結果を表1に示す。表1において、積層金属フィルタとは、層数が2以上のフィルタでは、金属繊維フィルタ同士が焼結により接合されており、フィルタ番号の上昇につれて溶融ポリマーの流れ方向に対して下流側に積層したフィルタ構造であることを示す。また、比較例1では、溶融ポリマーの上流側から順に、40,60,120,300,120,60,40メッシュの平織りのフィルタを積層して使用した。なお、補強フィルタには、平織りのフィルタを用い、積層焼結フィルタの下流側に配置した。
【0049】
【表1】
【0050】
表1からわかるように、実施例のフィルタを用いた場合、比較例のフィルタに比べて、フィルム中の異物を精密に濾過できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の補強フィルタの一例を説明するための分解斜視図である。
【符号の説明】
1…補強フィルタ
2a,2b…第1のフィルタ層
3a,3b…第2のフィルタ層
Claims (8)
- 溶融ポリマーの濾過に用いるフィルタであって、濾過精度の異なる複数の金属繊維フィルタが積層され、かつ焼結されている積層焼結フィルタ。
- 溶融ポリマーの濾過に用いるフィルタであって、少なくとも1つの金属繊維フィルタで構成された第1のフィルタ層と、この第1のフィルタ層を補強し、かつ織り組織を有する少なくとも1つのフィルタで構成された第2のフィルタ層とで構成されている補強フィルタ。
- 第1のフィルタ層が、請求項1記載の積層焼結フィルタで構成されている請求項2記載のフィルタ。
- 金属繊維フィルタが不織布構造を有し、かつ焼結されている請求項1又は請求項2記載のフィルタ。
- 溶融ポリマーの流れ方向の上流部から下流部に向けて、順次濾過精度の高い金属繊維フィルタが積層されている請求項1記載の積層焼結フィルタ。
- 複数の金属繊維フィルタのうち、最も濾過精度の高い金属繊維フィルタの濾過精度が40μm以下である請求項1記載の積層焼結フィルタ。
- 第2のフィルタ層が、第1のフィルタ層の上流側及び/又は下流側に位置する請求項2記載の補強フィルタ。
- 押出機において、請求項1又は請求項2記載のフィルタを用いて、溶融ポリマーを濾過する方法。
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