JP2004066078A - 電解水生成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】添加溶液と電解槽内の水道水とのイオン濃度差によって適量の塩素イオンを電解槽内に供給させることで、添加剤の使用量を抑制するとともに高濃度の次亜塩素酸を含む電解水を生成できる電解水生成装置を実現する。
【解決手段】水道水が導入される電解槽11および電解槽11内に配設され互いに極性の異なる電極12、13を有し、電解槽11内の水道水を電気分解することにより次亜塩素酸を含む電解水を生成する電解水生成装置において、添加剤を投入して飽和または過飽和の添加溶液を貯える添加剤溶解槽20が設けられ、添加剤溶解槽20は、電解槽11内の水道水と陰イオンを通過する陰イオン交換膜21を介して連通するように構成した。これにより、添加剤の使用量を抑制するとともに高濃度の次亜塩素酸を含む電解水を生成できる。
【選択図】 図1
【解決手段】水道水が導入される電解槽11および電解槽11内に配設され互いに極性の異なる電極12、13を有し、電解槽11内の水道水を電気分解することにより次亜塩素酸を含む電解水を生成する電解水生成装置において、添加剤を投入して飽和または過飽和の添加溶液を貯える添加剤溶解槽20が設けられ、添加剤溶解槽20は、電解槽11内の水道水と陰イオンを通過する陰イオン交換膜21を介して連通するように構成した。これにより、添加剤の使用量を抑制するとともに高濃度の次亜塩素酸を含む電解水を生成できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水道水を電気分解することにより次亜塩素酸を含む電解水を生成する電解水生成装置に関するものであり、特に、安定した塩素イオンの供給に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電解水生成装置として、例えば、特開平10−328666号公報に記載のものが開示されている。この公報では、被処理水を入れる電解槽と、この電解槽内に対向して配設される互いに極性の異なる不溶性の電極を有し、電解槽内に所定量の食塩などの添加剤を添加させた被処理水を電気分解することにより次亜塩素酸を含有する電解水を生成する装置であって、次亜塩素酸の濃度に応じて電解電流値が求められることで、電極間に流れる電解電流値を検知し、この電解電流値の大きさによって次亜塩素酸の生成時間を制御する制御手段が設けられている。
【0003】
そして、電解電流値が所定の範囲内にあるときに、電解電流値に応じて生成時間を制御させて所定濃度の次亜塩素酸を含む電解水が生成されるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、次亜塩素酸の生成量は被処理水である水道水に含まれる塩素イオン濃度によって左右される。因みに、この塩素イオン濃度が低いと次亜塩素酸の生成量が少なく、塩素イオン濃度が高いと次亜塩素酸の生成量が多くなることが知られている。また、この水道水の塩素イオン濃度は各地の水道局によってバラツキがあり、しかも、同一の場所においても季節によってもバラツキが大きくて、常時一定量の濃度ではなく、しかも濃度の計量も容易にできないため、上記公報のように、一度に所定量の食塩などの添加剤を添加する装置であると、水道水に含まれるバラツキの大きい塩素イオンの量が加算され、概して所望する濃度を超えた次亜塩素酸が生成されるとともに、併せて添加する食塩などの添加剤の使用量が概して多くなってしまう問題がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記点に鑑みたものであり、添加溶液と電解槽内の水道水とのイオン濃度差によって適量の塩素イオンを電解槽内に供給させることで、添加剤の使用量を抑制するとともに高濃度の次亜塩素酸を含む電解水を生成できる電解水生成装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記、目的を達成するために、請求項1ないし請求項3に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、水道水が導入される電解槽(11)およびこの電解槽(11)内に対向して配設され導電性金属からなる互いに極性の異なる電極(12、13)を有し、電解槽(11)内に導入された水道水を電気分解することにより次亜塩素酸を含む電解水を生成する電解水生成装置において、
食塩などの添加剤を投入して飽和または過飽和の添加溶液を貯える添加剤溶解槽(20)が設けられ、この添加剤溶解槽(20)は、電解槽(11)内の水道水と陰イオンを通過するイオン交換膜(21)を介して連通するように構成したことを特徴としている。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、水道水に含まれる塩素イオンの濃度にバラツキがあっても安定した高濃度の次亜塩素酸を生成するために、本発明では、添加溶液を貯える添加剤溶解槽(20)と電解槽(11)内の水道水とをイオン交換膜(21)を介して連通するように構成したことにより、添加溶液と水道水とのイオン濃度差に基づいた最適な塩素イオンを添加剤溶解槽(20)から水道水側に供給できるため、食塩などの添加剤を過剰に投入することはなく高濃度の次亜塩素酸を含む電解水が生成できる。
【0008】
また、添加剤溶解槽(20)へ添加剤を過って過剰に投入してもイオン交換膜(21)によって電解槽(11)内の水道水に応じた添加溶液を供給するため、無駄にはならない。
【0009】
請求項2に記載の発明では、添加剤溶解槽(20)は、イオン交換膜(21)の上方に貯えられた添加溶液をオーバフローするための溢水管(22)が設けられ、この溢水管(22)は、電解槽(11)内の水道水に連通するように構成したことを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、上述のイオン交換膜(21)は、添加溶液と水道水とのイオン濃度差による浸透圧により、電解槽(11)内の水道水が添加剤溶解槽(20)が移動する。そこで、本発明では、添加剤溶解槽(20)に溢水管(22)を設け、かつ電解槽(11)内に連通するように構成したことにより、添加剤溶解槽(20)の液面が上昇したときに、添加溶液をオーバフローさせることで高濃度の次亜塩素酸を含む電解水が生成できる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、添加剤溶解槽(20)は、溢水管(22)およびイオン交換膜(21)を有する連通管(23)によって、電解槽(11)に隣接して設けたことを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、添加剤溶解槽(20)と電解槽(11)とが隣接して設けられたことにより、搬送手段であるポンプなどを用いることなく、添加溶液を電解槽(11)に供給できる。
【0013】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1および図2に基づいて説明する。図1は、本実施形態の電解水生成装置10の全体構成を示す模式図である。図1に示すように、電解水生成装置10は、水道水を電気分解することにより抗菌作用を有する次亜塩素酸を含む電解水を生成する装置であって、水道水が導入される電解槽11と、この電解槽11内に対向して配設され互いに極性の異なる電極12、13と、これらの電極12、13に直流電圧を印加する電圧印加手段14と、添加剤を投入して飽和または過飽和の添加溶液を貯える添加剤溶解槽20および制御手段である制御装置30から構成している。
【0015】
電解槽11は、アルカリ性に強いプラスチックまたは耐食性の優れる金属などの材料で形成された容器であり、導入された水道水を電気分解する槽である。電解槽11には、図示しない給水配管に接続され、水道水を導入する導入口11aおよび生成された次亜塩素酸を含む電解水を吐出する吐出口(図示せず)が形成されている。
【0016】
電解槽11内に配設される電極12、13は、導電性金属(例えば、Ti材にPtメッキかPtを焼成したもの)を板状に形成されている。そして、それぞれが電源である電圧印加手段14に接続されている。この電圧印加手段14は、電解効率の低下を防止するために、電極12、13に印加される電圧の極性が所定時間T1(例えば5分)ごとに陽極から陰極に極性が反転するように制御装置30によって制御される。これにより、陰極側へのスケールの付着を防止して電解性能を維持するようにしてある。また、制御装置30には、図示していないが電極12、13間に流れる電解電流値を検知する電流値検知手段が設けられている。
【0017】
添加剤溶解槽20は、所定量の添加剤として食塩を投入し飽和または過飽和の添加溶液(食塩水)を貯える槽であって、電解槽11に適量の添加溶液(食塩水)を供給するように隣接して設けられている。因みに、図1に示すように、添加剤溶解槽20の上方に溢水管22と添加剤溶解槽20の下方に連通管23とが設けられて、電解槽11内の水道水に連通するように構成されている。
【0018】
溢水管22は、添加剤溶解槽20内の添加溶液(食塩水)がオーバーフローしたときに電解槽11内へ溢れさせるオーバーフロー管である。一方の連通管23には、イオン交換膜である陰イオン交換膜21が設けられ、この陰イオン交換膜21にて、電解槽11内の水道水と添加剤溶解槽20内の添加溶液(食塩水)とを区画している。
【0019】
この陰イオン交換膜21は、水道水と添加溶液(食塩水)との陰イオンの濃度差によって、添加剤溶解槽20から電解槽11へ陰イオン(Cl−)を通過させて電解槽11内の水道水の陰イオン(Cl−)濃度を高めるものである。また、陰イオン交換膜21は、陰イオンの濃度差による浸透圧によって、電解槽11内の水道水が添加剤溶解槽20側に透過する。これにより、添加剤溶解槽20側の液面が上昇するが、一定水位を超えると溢水管22から電解槽11内へ排出される。これにより、電解槽11内の水道水に飽和または過飽和の食塩水が供給される。従って、電解槽11内の水道水は、添加剤溶解槽20内の塩素イオン濃度とほぼ同等の塩素イオン濃度を有する液質となる。
【0020】
次に、以上の構成による電解水生成装置10の作動について説明する。ところで、電解水生成装置10によって生成される次亜塩素酸の生成量は水道水に含まれる塩素イオン濃度によって左右される。因みに、この塩素イオン濃度が低いと次亜塩素酸の生成量が少なく、塩素イオン濃度が高いと次亜塩素酸の生成量が多くなることが知られている。
【0021】
しかも、図示しない給水配管から電解槽11内に導入される水道水の塩素イオン濃度は、各地の水道局によってバラツキがあり、さらに、同一の場所においても季節によってもバラツキが大きくて、常時一定量の濃度ではない。従って、水道水に含まれる塩素イオンのみでは生成される次亜塩素酸の生成にバラツキが生じてしまい所望する濃度の次亜塩素酸の生成ができない。
【0022】
そこで、本発明の電解水生成装置10では、高濃度の次亜塩素酸を生成するために、食塩などの添加剤を投入して飽和または過飽和の添加溶液を貯える添加剤溶解槽20を設けるとともに、添加剤溶解槽20内の添加溶液と、電解槽11内の水道水とを陰イオン交換膜21を介して区画させたものである。
【0023】
本発明では、予め、図示しない投入口から所定量の食塩と水道水を添加剤溶解槽20内に投入させて飽和または過飽和の食塩水を貯めておく。そして、図示しない給水配管から水道水が電解槽内11内に導入されると、陰イオン交換膜21によって、添加剤溶解槽20内から電解槽内11内に塩素イオンが透過されるとともに、溢水管22から飽和または過飽和の食塩水が流入することで電解槽内11内の塩素イオン濃度を高めることができる。
【0024】
そして、電圧印加手段14に電源が通電され、電極12、13間に電圧が印加されると、電極12、13間の水道水が以下に示すように電気分解される。因みに、電極12、13間に印加される電圧の極性は所定時間T1(例えば、5分)毎に陽極から陰極に反転するように切り換えられるが、説明の便宜上、以下電極13が陰極側の極性に、電極12が陽極側の極性となっているときの電気分解による次亜塩素酸(HClO)が生成される化学式について図1に基づいて説明する。
【0025】
図1に示すように、陽極側の電極12近傍では、下記化学式(1)によって示されるように水酸化物イオン(OH−)が分解され、相対的に水素イオン(H+)濃度が高まることによって強酸性水が生成されるとともに、化学式(2)、(3)によって示すように、塩素イオン(Cl−)がいったん塩素ガス(Cl2↑)となった後、水と反応し抗菌成分である次亜塩素酸(HClO)が生成される。
【0026】
【化1】4OH−+4e+→O2↑+H2O
【0027】
【化2】2Cl−+2e+→Cl2↑
【0028】
【化3】H2O+Cl2→HClO+H++Cl−
一方の陰極側の電極13近傍では、下記化学式(4)に示すように、水素イオン(H+)が水素ガス(H2↑)に分解され、相対的に水酸化イオン(OH−)の濃度が高められアルカリイオン水が生成される。
【0029】
【化4】2H++2e−→H2↑
なお、電極12、13の陽陰が反転したときには、電極13では化学式(1)〜(3)で示す反応が起こり、電極12では化学式(4)で示す反応が起こるので、説明は省略する。また、陰極側に発生した水素ガス(H2↑)は、図示しない排気口から大気に排出される。
【0030】
これにより、本発明の電解水生成装置10では、水道水よりも高めの塩素イオン濃度とすることで次亜塩素酸(HClO)の生成量が大となる。因みに、図2は、本発明の電解水生成装置10による電解性能を示した特性図であって、生成された電解水にて遊離残留塩素濃度と経過時間との関係を測定したものである。一般的に、図示していないが水道水のみのときには次亜塩素酸の生成量が少ないために遊離残留塩素濃度の上昇が僅かであるが、本実施形態では図2に示すように、高濃度の遊離残留塩素が得られるものである。
【0031】
以上の一実施形態の電解水生成装置10によれば、添加溶液である食塩水を貯える添加剤溶解槽20と電解槽11内の水道水とを陰イオン交換膜21を介して連通するように構成したことにより、添加溶液と水道水とのイオン濃度差に基づいた最適な塩素イオンを添加剤溶解槽20から水道水側に供給できるため、食塩などの添加剤を過剰に投入することはなく高濃度の次亜塩素酸を含む電解水が生成できる。
【0032】
また、添加剤溶解槽20へ添加剤を過って過剰に投入しても陰イオン交換膜21によって電解槽11内の水道水に応じた添加溶液を供給するため、無駄にはならない。
【0033】
また、陰イオン交換膜21は、添加溶液と水道水とのイオン濃度差による浸透圧により、電解槽11内の水道水が添加剤溶解槽20に移動する。そこで、本発明では、添加剤溶解槽20に溢水管22を設け、かつ電解槽11内に連通するように構成したことにより、添加剤溶解槽20の液面が上昇したときに、添加溶液をオーバフローさせることで高濃度の次亜塩素酸を含む電解水が生成できる。
【0034】
また、添加剤溶解槽20と電解槽11とが隣接して設けられたことにより、搬送手段であるポンプなどを用いることなく、添加溶液を電解槽11に供給できる。しかも、添加剤に安価な食塩を用いるのみであるため維持費の低コスト化が図れる。
【0035】
(他の実施形態)
以上の一実施形態では、電解槽11と添加剤溶解槽20とを別体で設けて、溢水管21および連通管23にてそれぞれを連通するように構成したが、これに限らず、電解槽11と添加剤溶解槽20とを一体に形成しても良い。具体的には、図3に示すように、電解槽11と添加剤溶解槽20とを区画板11bによって容器内を区画し、その区画板11bに電解槽11と添加剤溶解槽20とを連通する一実施形態の溢水管22である溢水部22aと、同じように連通管23である連通部23とが設けられるとともに、この連通部23に陰イオン交換膜21が設けられている。これにより、一実施形態よりも低コストの電解槽11および添加剤溶解槽20が提供できる。なお、図中の符号は、一実施形態と同じ構成のものは、一実施形態と同じ符号を付して説明は省略している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における電解水生成装置10の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施形態における電解水生成装置10の電解性能を示す特性図である。
【図3】他の実施形態における電解水生成装置10の全体構成を示す模式図である
【符号の説明】
11…電解槽
12、13…電極
20…添加剤溶解槽
21…陰イオン交換膜(イオン交換膜)
22…溢水管、溢水部
23…連通管、連通部
【発明の属する技術分野】
本発明は、水道水を電気分解することにより次亜塩素酸を含む電解水を生成する電解水生成装置に関するものであり、特に、安定した塩素イオンの供給に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電解水生成装置として、例えば、特開平10−328666号公報に記載のものが開示されている。この公報では、被処理水を入れる電解槽と、この電解槽内に対向して配設される互いに極性の異なる不溶性の電極を有し、電解槽内に所定量の食塩などの添加剤を添加させた被処理水を電気分解することにより次亜塩素酸を含有する電解水を生成する装置であって、次亜塩素酸の濃度に応じて電解電流値が求められることで、電極間に流れる電解電流値を検知し、この電解電流値の大きさによって次亜塩素酸の生成時間を制御する制御手段が設けられている。
【0003】
そして、電解電流値が所定の範囲内にあるときに、電解電流値に応じて生成時間を制御させて所定濃度の次亜塩素酸を含む電解水が生成されるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、次亜塩素酸の生成量は被処理水である水道水に含まれる塩素イオン濃度によって左右される。因みに、この塩素イオン濃度が低いと次亜塩素酸の生成量が少なく、塩素イオン濃度が高いと次亜塩素酸の生成量が多くなることが知られている。また、この水道水の塩素イオン濃度は各地の水道局によってバラツキがあり、しかも、同一の場所においても季節によってもバラツキが大きくて、常時一定量の濃度ではなく、しかも濃度の計量も容易にできないため、上記公報のように、一度に所定量の食塩などの添加剤を添加する装置であると、水道水に含まれるバラツキの大きい塩素イオンの量が加算され、概して所望する濃度を超えた次亜塩素酸が生成されるとともに、併せて添加する食塩などの添加剤の使用量が概して多くなってしまう問題がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記点に鑑みたものであり、添加溶液と電解槽内の水道水とのイオン濃度差によって適量の塩素イオンを電解槽内に供給させることで、添加剤の使用量を抑制するとともに高濃度の次亜塩素酸を含む電解水を生成できる電解水生成装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記、目的を達成するために、請求項1ないし請求項3に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、水道水が導入される電解槽(11)およびこの電解槽(11)内に対向して配設され導電性金属からなる互いに極性の異なる電極(12、13)を有し、電解槽(11)内に導入された水道水を電気分解することにより次亜塩素酸を含む電解水を生成する電解水生成装置において、
食塩などの添加剤を投入して飽和または過飽和の添加溶液を貯える添加剤溶解槽(20)が設けられ、この添加剤溶解槽(20)は、電解槽(11)内の水道水と陰イオンを通過するイオン交換膜(21)を介して連通するように構成したことを特徴としている。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、水道水に含まれる塩素イオンの濃度にバラツキがあっても安定した高濃度の次亜塩素酸を生成するために、本発明では、添加溶液を貯える添加剤溶解槽(20)と電解槽(11)内の水道水とをイオン交換膜(21)を介して連通するように構成したことにより、添加溶液と水道水とのイオン濃度差に基づいた最適な塩素イオンを添加剤溶解槽(20)から水道水側に供給できるため、食塩などの添加剤を過剰に投入することはなく高濃度の次亜塩素酸を含む電解水が生成できる。
【0008】
また、添加剤溶解槽(20)へ添加剤を過って過剰に投入してもイオン交換膜(21)によって電解槽(11)内の水道水に応じた添加溶液を供給するため、無駄にはならない。
【0009】
請求項2に記載の発明では、添加剤溶解槽(20)は、イオン交換膜(21)の上方に貯えられた添加溶液をオーバフローするための溢水管(22)が設けられ、この溢水管(22)は、電解槽(11)内の水道水に連通するように構成したことを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、上述のイオン交換膜(21)は、添加溶液と水道水とのイオン濃度差による浸透圧により、電解槽(11)内の水道水が添加剤溶解槽(20)が移動する。そこで、本発明では、添加剤溶解槽(20)に溢水管(22)を設け、かつ電解槽(11)内に連通するように構成したことにより、添加剤溶解槽(20)の液面が上昇したときに、添加溶液をオーバフローさせることで高濃度の次亜塩素酸を含む電解水が生成できる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、添加剤溶解槽(20)は、溢水管(22)およびイオン交換膜(21)を有する連通管(23)によって、電解槽(11)に隣接して設けたことを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、添加剤溶解槽(20)と電解槽(11)とが隣接して設けられたことにより、搬送手段であるポンプなどを用いることなく、添加溶液を電解槽(11)に供給できる。
【0013】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1および図2に基づいて説明する。図1は、本実施形態の電解水生成装置10の全体構成を示す模式図である。図1に示すように、電解水生成装置10は、水道水を電気分解することにより抗菌作用を有する次亜塩素酸を含む電解水を生成する装置であって、水道水が導入される電解槽11と、この電解槽11内に対向して配設され互いに極性の異なる電極12、13と、これらの電極12、13に直流電圧を印加する電圧印加手段14と、添加剤を投入して飽和または過飽和の添加溶液を貯える添加剤溶解槽20および制御手段である制御装置30から構成している。
【0015】
電解槽11は、アルカリ性に強いプラスチックまたは耐食性の優れる金属などの材料で形成された容器であり、導入された水道水を電気分解する槽である。電解槽11には、図示しない給水配管に接続され、水道水を導入する導入口11aおよび生成された次亜塩素酸を含む電解水を吐出する吐出口(図示せず)が形成されている。
【0016】
電解槽11内に配設される電極12、13は、導電性金属(例えば、Ti材にPtメッキかPtを焼成したもの)を板状に形成されている。そして、それぞれが電源である電圧印加手段14に接続されている。この電圧印加手段14は、電解効率の低下を防止するために、電極12、13に印加される電圧の極性が所定時間T1(例えば5分)ごとに陽極から陰極に極性が反転するように制御装置30によって制御される。これにより、陰極側へのスケールの付着を防止して電解性能を維持するようにしてある。また、制御装置30には、図示していないが電極12、13間に流れる電解電流値を検知する電流値検知手段が設けられている。
【0017】
添加剤溶解槽20は、所定量の添加剤として食塩を投入し飽和または過飽和の添加溶液(食塩水)を貯える槽であって、電解槽11に適量の添加溶液(食塩水)を供給するように隣接して設けられている。因みに、図1に示すように、添加剤溶解槽20の上方に溢水管22と添加剤溶解槽20の下方に連通管23とが設けられて、電解槽11内の水道水に連通するように構成されている。
【0018】
溢水管22は、添加剤溶解槽20内の添加溶液(食塩水)がオーバーフローしたときに電解槽11内へ溢れさせるオーバーフロー管である。一方の連通管23には、イオン交換膜である陰イオン交換膜21が設けられ、この陰イオン交換膜21にて、電解槽11内の水道水と添加剤溶解槽20内の添加溶液(食塩水)とを区画している。
【0019】
この陰イオン交換膜21は、水道水と添加溶液(食塩水)との陰イオンの濃度差によって、添加剤溶解槽20から電解槽11へ陰イオン(Cl−)を通過させて電解槽11内の水道水の陰イオン(Cl−)濃度を高めるものである。また、陰イオン交換膜21は、陰イオンの濃度差による浸透圧によって、電解槽11内の水道水が添加剤溶解槽20側に透過する。これにより、添加剤溶解槽20側の液面が上昇するが、一定水位を超えると溢水管22から電解槽11内へ排出される。これにより、電解槽11内の水道水に飽和または過飽和の食塩水が供給される。従って、電解槽11内の水道水は、添加剤溶解槽20内の塩素イオン濃度とほぼ同等の塩素イオン濃度を有する液質となる。
【0020】
次に、以上の構成による電解水生成装置10の作動について説明する。ところで、電解水生成装置10によって生成される次亜塩素酸の生成量は水道水に含まれる塩素イオン濃度によって左右される。因みに、この塩素イオン濃度が低いと次亜塩素酸の生成量が少なく、塩素イオン濃度が高いと次亜塩素酸の生成量が多くなることが知られている。
【0021】
しかも、図示しない給水配管から電解槽11内に導入される水道水の塩素イオン濃度は、各地の水道局によってバラツキがあり、さらに、同一の場所においても季節によってもバラツキが大きくて、常時一定量の濃度ではない。従って、水道水に含まれる塩素イオンのみでは生成される次亜塩素酸の生成にバラツキが生じてしまい所望する濃度の次亜塩素酸の生成ができない。
【0022】
そこで、本発明の電解水生成装置10では、高濃度の次亜塩素酸を生成するために、食塩などの添加剤を投入して飽和または過飽和の添加溶液を貯える添加剤溶解槽20を設けるとともに、添加剤溶解槽20内の添加溶液と、電解槽11内の水道水とを陰イオン交換膜21を介して区画させたものである。
【0023】
本発明では、予め、図示しない投入口から所定量の食塩と水道水を添加剤溶解槽20内に投入させて飽和または過飽和の食塩水を貯めておく。そして、図示しない給水配管から水道水が電解槽内11内に導入されると、陰イオン交換膜21によって、添加剤溶解槽20内から電解槽内11内に塩素イオンが透過されるとともに、溢水管22から飽和または過飽和の食塩水が流入することで電解槽内11内の塩素イオン濃度を高めることができる。
【0024】
そして、電圧印加手段14に電源が通電され、電極12、13間に電圧が印加されると、電極12、13間の水道水が以下に示すように電気分解される。因みに、電極12、13間に印加される電圧の極性は所定時間T1(例えば、5分)毎に陽極から陰極に反転するように切り換えられるが、説明の便宜上、以下電極13が陰極側の極性に、電極12が陽極側の極性となっているときの電気分解による次亜塩素酸(HClO)が生成される化学式について図1に基づいて説明する。
【0025】
図1に示すように、陽極側の電極12近傍では、下記化学式(1)によって示されるように水酸化物イオン(OH−)が分解され、相対的に水素イオン(H+)濃度が高まることによって強酸性水が生成されるとともに、化学式(2)、(3)によって示すように、塩素イオン(Cl−)がいったん塩素ガス(Cl2↑)となった後、水と反応し抗菌成分である次亜塩素酸(HClO)が生成される。
【0026】
【化1】4OH−+4e+→O2↑+H2O
【0027】
【化2】2Cl−+2e+→Cl2↑
【0028】
【化3】H2O+Cl2→HClO+H++Cl−
一方の陰極側の電極13近傍では、下記化学式(4)に示すように、水素イオン(H+)が水素ガス(H2↑)に分解され、相対的に水酸化イオン(OH−)の濃度が高められアルカリイオン水が生成される。
【0029】
【化4】2H++2e−→H2↑
なお、電極12、13の陽陰が反転したときには、電極13では化学式(1)〜(3)で示す反応が起こり、電極12では化学式(4)で示す反応が起こるので、説明は省略する。また、陰極側に発生した水素ガス(H2↑)は、図示しない排気口から大気に排出される。
【0030】
これにより、本発明の電解水生成装置10では、水道水よりも高めの塩素イオン濃度とすることで次亜塩素酸(HClO)の生成量が大となる。因みに、図2は、本発明の電解水生成装置10による電解性能を示した特性図であって、生成された電解水にて遊離残留塩素濃度と経過時間との関係を測定したものである。一般的に、図示していないが水道水のみのときには次亜塩素酸の生成量が少ないために遊離残留塩素濃度の上昇が僅かであるが、本実施形態では図2に示すように、高濃度の遊離残留塩素が得られるものである。
【0031】
以上の一実施形態の電解水生成装置10によれば、添加溶液である食塩水を貯える添加剤溶解槽20と電解槽11内の水道水とを陰イオン交換膜21を介して連通するように構成したことにより、添加溶液と水道水とのイオン濃度差に基づいた最適な塩素イオンを添加剤溶解槽20から水道水側に供給できるため、食塩などの添加剤を過剰に投入することはなく高濃度の次亜塩素酸を含む電解水が生成できる。
【0032】
また、添加剤溶解槽20へ添加剤を過って過剰に投入しても陰イオン交換膜21によって電解槽11内の水道水に応じた添加溶液を供給するため、無駄にはならない。
【0033】
また、陰イオン交換膜21は、添加溶液と水道水とのイオン濃度差による浸透圧により、電解槽11内の水道水が添加剤溶解槽20に移動する。そこで、本発明では、添加剤溶解槽20に溢水管22を設け、かつ電解槽11内に連通するように構成したことにより、添加剤溶解槽20の液面が上昇したときに、添加溶液をオーバフローさせることで高濃度の次亜塩素酸を含む電解水が生成できる。
【0034】
また、添加剤溶解槽20と電解槽11とが隣接して設けられたことにより、搬送手段であるポンプなどを用いることなく、添加溶液を電解槽11に供給できる。しかも、添加剤に安価な食塩を用いるのみであるため維持費の低コスト化が図れる。
【0035】
(他の実施形態)
以上の一実施形態では、電解槽11と添加剤溶解槽20とを別体で設けて、溢水管21および連通管23にてそれぞれを連通するように構成したが、これに限らず、電解槽11と添加剤溶解槽20とを一体に形成しても良い。具体的には、図3に示すように、電解槽11と添加剤溶解槽20とを区画板11bによって容器内を区画し、その区画板11bに電解槽11と添加剤溶解槽20とを連通する一実施形態の溢水管22である溢水部22aと、同じように連通管23である連通部23とが設けられるとともに、この連通部23に陰イオン交換膜21が設けられている。これにより、一実施形態よりも低コストの電解槽11および添加剤溶解槽20が提供できる。なお、図中の符号は、一実施形態と同じ構成のものは、一実施形態と同じ符号を付して説明は省略している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における電解水生成装置10の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施形態における電解水生成装置10の電解性能を示す特性図である。
【図3】他の実施形態における電解水生成装置10の全体構成を示す模式図である
【符号の説明】
11…電解槽
12、13…電極
20…添加剤溶解槽
21…陰イオン交換膜(イオン交換膜)
22…溢水管、溢水部
23…連通管、連通部
Claims (3)
- 水道水が導入される電解槽(11)および前記電解槽(11)内に対向して配設され導電性金属からなる互いに極性の異なる電極(12、13)を有し、前記電解槽(11)内に導入された水道水を電気分解することにより次亜塩素酸を含む電解水を生成する電解水生成装置において、
食塩などの添加剤を投入して飽和または過飽和の添加溶液を貯える添加剤溶解槽(20)が設けられ、前記添加剤溶解槽(20)は、前記電解槽(11)内の水道水と陰イオンを通過するイオン交換膜(21)を介して連通するように構成したことを特徴とする電解水生成装置。 - 前記添加剤溶解槽(20)は、前記イオン交換膜(21)の上方に貯えられた添加溶液をオーバフローするための溢水管(22)が設けられ、前記溢水管(22)は、前記電解槽(11)内の水道水に連通するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の電解水生成装置。
- 前記添加剤溶解槽(20)は、前記溢水管(22)および前記イオン交換膜(21)を有する連通管(23)によって、前記電解槽(11)に隣接して設けたことを特徴とする請求項2に記載の電解水生成装置。
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JP2002227361A JP2004066078A (ja) | 2002-08-05 | 2002-08-05 | 電解水生成装置 |
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JP2015192966A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-05 | Toto株式会社 | 除菌水生成装置 |
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- 2002-08-05 JP JP2002227361A patent/JP2004066078A/ja active Pending
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