JP2004062812A - 情報提供システム及び情報提供方法、情報処理装置及び情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents
情報提供システム及び情報提供方法、情報処理装置及び情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】ネットワーク1上で稼動する共有空間提供サーバ25は、同じメディア・コンテンツを利用するユーザ同士を引き合わせて、共通の興味対象を持つ者同士の出会いをベースとして、ユーザ間の同期又は非同期のコミュニケーションや、コンテンツへの情報添付、イベント発生による共有体験などの仕組みを用意して、ユーザがアクティブに関わることができる新しいエンターテインメントを実現する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターネットなどの広域的な通信媒体を介した情報提供システム及び情報提供方法、情報処理装置及び情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、メディア・コンテンツ毎に密接に関係した情報提供サービスを行なう情報提供システム及び情報提供方法、情報処理装置及び情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、同じメディア・コンテンツに関心のあるユーザ間で通信媒体を介した共有体験を実現する情報提供システム及び情報提供方法、情報処理装置及び情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、元のメディア・コンテンツに好適に連携した共有体験を実現する情報提供システム及び情報提供方法、情報処理装置及び情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0003】
【従来の技術】
近年、通信や放送などの情報伝達や情報配信に関する技術が目覚しい進歩を遂げるとともに、さらに要求が高まっている。
【0004】
例えば、情報通信の分野では、世界規模に展開されたインターネットが既に広範に普及しており、インターネット関連の技術開発も盛んである。インターネット上では、例えば、ハイパーリンク構造の情報空間を提供する広域情報検索システムであるWWW(World Wide Web)が公開され、広汎に普及し、且つ、一般消費者層にも日常生活に深く浸透してきている。
【0005】
WWW上では、HTML(Hyper Text Markup Language)というハイパーテキスト形式の記述言語で作成された無数のドキュメントすなわち情報資源が有償又は無償で公開されている。インターネット上では、これらハイパーテキストを始めとする情報資源は、URL(Uniform Resource Locator)という形式の識別子によって特定される。URLは資源の名前と指定した文字列であり、スキーム名(プロトコル名)://ホスト名(ドメイン名):ポート番号/パス名(ファイル名)」という形式で記述される(周知)。
【0006】
WWW情報資源を提供するWWWサーバと、WWW情報資源の提供を要求するWWWクライアントとの間では、通常、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)プロトコルに従って資源アクセスが行なわれる。
【0007】
WWWクライアントは、WWWサーバからの情報資源の取り出しを代行する、「WWWブラウザ」と呼ばれるユーザ・エージェントを用いて動作するコンピュータである。すなわち、ブラウザ・ウィンドウ画面上の場所ボックスにキー入力されたURLに従って、インターネット上のハイパーリンク構造のWWW情報資源空間を探索し、該当するサーバから資源すなわちHTMLドキュメントを検索し、データのダウンロードを行なう。そして、取得したHTMLドキュメントを解析して、ブラウザ・ウィンドウ画面上で、その内容を表示する(すなわちホームページの画面を組み立てる)。
【0008】
HTMLはハイパーテキスト構造のドキュメントであり、ファイルを構成する文字や絵、表などをカードのようなオブジェクトとして扱い、さらにそのオブジェクト間で関連付けすなわちリンクを形成して、ドキュメント相互間ですぐに参照できる機能を持っている。WWWブラウザ画面上では、リンク情報に関連する表示オブジェクトは「アンカー」としてホットスポット表示され、ユーザが直感的に検知することができる。ホームページ上に散在するリンク情報の実態は、各リンク先の資源を指定したURLであり、ユーザはブラウザ画面上で所望のアンカーをクリックするだけでリンク先を指定することができる。WWWブラウザは、場所ボックスにURLが入力されたときと同様に、アンカーのクリックに応答してインターネット上のWWW資源空間を探索して、指定されたリンク先への移動を実現する。
【0009】
WWWは情報発信源として魅力的であるため、企業や各種団体(営利、非営利を問わない)、あるいは個人までもが競って、ホームページを開設したり、WWWサイトを立ち上げたりしている。
【0010】
例えば、航空会社や旅行代理店などは、飛行機やホテルなどの事前予約が必要なサービスに関する予約データをデータベース化して一元管理するとともに、このデータベースをWWW上で公開しておく。顧客は、WWWを通じてこの予約データベースにアクセスすることにより、実際に店舗に訪ねることなく、自宅やオフィスに居ながらにして、予約状況の確認から予約に至るすべての手続きを行なうことができる。
【0011】
また、単に情報配信の手段として利用するだけでなく、インターネットのような広域的ネットワークを介して、遠隔に散在する不特定多数のユーザ間で情報の共有化を図り、いわゆる仮想的な共有空間を実現することができる。例えば、オンラインの電子掲示板(BBS:Bulletin Board System)やチャットなど、実世界の事物に関する各種の情報や仮想世界での情報の交換などを行なうサービスが既にインターネット上に存在している。(掲示板は非同期のシステムであり、チャットは同期のシステムである。)
【0012】
これら情報提供サービスを利用するためには、通常、ユーザが自分の興味に関連する掲示板などを、その名前や検索サービスなどによって探し出して、新規の情報を閲覧したりあるいは自ら書き込んだりして情報を提供することができる。すなわち、ユーザ自身がコミュニティにおいて主導的な役割を果たす。また、同じ話題に興味があるもの同士が出会う大きなきっかけを与えることができ、情報交換サービスの利用をさらに促進することができる。
【0013】
ところが、従来の情報交換サービスにおいて、自分と興味が同じ人と出会うためには、ユーザが自ら積極的に探しに行かなければならない。また、本当の自分の興味となるテーマが選択肢として準備されていない場合も多い。
【0014】
具体的に言えば、従来の情報交換サービスでは、ユーザは、あるコミュニティ・サイトにアクセスする。そこで提示されているテーマの中から興味があるものを選択して、掲示板やチャットなどのコミュニケーションを開始する。このようなコミュニティにおいて提示するサービスは、音楽を聴く、映画を観るという行為をするだけで、興味を同じくする人と引き合わせてくれるものではない。そもそも、パソコンやステレオ、DVDプレーヤ、ゲーム機、テレビなどで再生されるコンテンツは受身で視聴するのが主流である。
【0015】
また、ネットワーク上で音楽や映画などのメディア・コンテンツについて他の人の意見や情報を交換した後、そのメディア・コンテンツを聴いたり観賞したりしたい場合には、改めてメディア・コンテンツを探索しなければならず、メディア・コンテンツと密接に関連する情報と元のメディア・コンテンツとの連携が充分ではない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、メディア・コンテンツ毎に密接に関係した情報提供サービスを行なうことができる、優れた情報提供システム及び情報提供方法、情報処理装置及び情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0017】
本発明のさらなる目的は、同じメディア・コンテンツに関心のあるユーザ間で通信媒体を介した共有体験を実現することができる、優れた情報提供システム及び情報提供方法、情報処理装置及び情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0018】
本発明のさらなる目的は、元のメディア・コンテンツに好適に連携した共有体験を実現することができる、優れた情報提供システム及び情報提供方法、情報処理装置及び情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、コンテンツを視聴するユーザに情報を提供する情報提供システム又は情報提供方法であって、
同じコンテンツを視聴するユーザを探索する手段又はステップと、
同じコンテンツを視聴するユーザが情報交換するための共有空間を提供する手段又はステップと、
を具備することを特徴とする情報提供システム又は情報提供方法である。
【0020】
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
【0021】
本発明の第1の側面に係る情報提供システム又は情報提供方法によれば、同じメディア・コンテンツを利用するユーザ同士を引き合わせて、共通の興味対象を持つ者同士の出会いをベースとして、ユーザ間の同期又は非同期のコミュニケーションや、コンテンツへの情報添付、イベント発生による共有体験などの仕組みを用意して、ユーザがアクティブに関わることができる新しいエンターテインメントを実現することができる。
【0022】
ここで、前記コンテンツ利用ユーザ判別手段又はステップは、各ユーザから送られてくる利用コンテンツの識別情報とユーザ端末の識別情報の組み合わせを参照することにより同じコンテンツを視聴するユーザであるかどうかを判別するようにすればよい。また、ここで言うコンテンツの識別情報は、コンテンツの所定位置からあらかじめ定められた間隔で抽出される複数のサンプリング点において複数の周波数成分毎に得たパワー・スペクトルからなる特徴ベクトルを利用して生成することができる。
【0023】
前記共有空間提供手段又はステップは、同じコンテンツを利用中の各ユーザに対してコンテンツに関連する情報を提供するようにしてもよい。したがって、音楽や映画など同じコンテンツを利用又は使用している人同士が仮想的な共有世界で引き合わされる。そして、出会った人同士での同期及び非同期両方のコミュニケーションを実現することができる。
【0024】
また、前記共有空間提供手段又はステップは、同じコンテンツを利用中のユーザの所在地を記した地図表示データを各ユーザに提供するようにしてもよい。そして、該ユーザの所在地を記した地図表示を介したユーザからの要求に応答して、指定されたユーザ間のリアルタイム・コミュニケーションを実行するようにしてもよい。したがって、ユーザは、日本地図や世界地図などに表示されている、同じコンテンツに接している人の位置を手がかりにしてチャットなどのコミュニケーションの相手を指定することができる。
【0025】
また、前記共有空間提供手段又はステップは、同じコンテンツを利用中のユーザ数を計数して、該ユーザ数が所定値に到達したことに応答して、各ユーザに所定のイベントを発するようにしてもよい。したがって、音楽や映像など同じコンテンツを利用して出会った人達が同時に新たな体験を共有することができる。
【0026】
また、前記所定値に到達するまでの人数をユーザに通知するようにしてもよい。このような場合、必要な一定人数に到達するまであと何人という表示がなされ、ユーザは友達などに声をかけ、一定人数になるように人集めをするので、サービスの利用が促進される。
【0027】
また、前記共有空間提供手段又はステップは、再生中のコンテンツに関する付加情報をユーザから受信して、コンテンツ及び/又はコンテンツの再生位置と関連付けて保管するようにしてもよい。そして、同じコンテンツを利用する他のユーザに該付加情報を提供するようにしてもよい。したがって、非同期のコミュニケーションなどにおいて、例えば楽曲コンテンツの特定の部分を示す部位IDを貼付することによって、ユーザはその部分を指定して相手側においてコンテンツの再生を行なわせることができる。ホームページやチャット、掲示板などにおいて、楽曲や映画、ゲームについて、その作品全体ではなく特定の部分に対応したメッセージを伝える際、そのコメントしたい部分をIDでタグ化して、URLで特定の情報のページを示すように使用することができる。
【0028】
また、本発明の第2の側面は、コンテンツ視聴に連携したサービスを利用するための情報処理装置又は情報処理方法であって、
コンテンツを再生するコンテンツ再生手段又はステップと、
再生中のコンテンツからコンテンツ識別情報を取得するコンテンツ識別情報抽出手段又はステップと、
当該装置自身の端末識別情報を保持する端末識別情報保持手段又はステップと、
コンテンツ識別情報と端末識別情報を含んだメッセージを通知する識別情報通知手段又はステップと、
を具備することを特徴とする情報処理装置又は情報処理方法である。
【0029】
本発明の第2の側面に係る情報処理装置又は情報処理方法によれば、再生中のコンテンツから取得したコンテンツ識別情報と当該装置自身の端末識別情報の組からなるコンテンツ利用の通知メッセージを外部に送信するようになっている。したがって、このようなメッセージを各ユーザから受信したサーバ側では、同じメディア・コンテンツを利用するユーザ同士を引き合わせて、共通の興味対象を持つ者同士の出会いをベースとして、ユーザ間の同期又は非同期のコミュニケーションや、コンテンツへの情報貼付、イベント発生による共有体験などの仕組みを用意して、ユーザがアクティブに関わることができる新しいエンターテインメントを実現することができる。
【0030】
ここで、前記コンテンツ識別情報抽出手段又はステップは、再生コンテンツの所定位置からあらかじめ定められた間隔で抽出される複数のサンプリング点において複数の周波数成分毎に得たパワー・スペクトルからなる特徴ベクトルを利用してコンテンツの識別情報を生成することができる。
【0031】
本発明の第2の側面に係る情報処理装置又は情報処理方法は、
前記の識別情報の通知に応答してコンテンツに関連する情報を受信するコンテンツ関連情報受信手段又はステップと、
該受信したコンテンツ関連情報をユーザに提示するコンテンツ関連情報提示手段又はステップと、
をさらに備えていてもよい。
【0032】
したがって、音楽や映画など同じコンテンツを利用又は使用している人同士が仮想的な共有世界で引き合わされ、その出会った人同士での同期及び非同期両方のコミュニケーションを実現することができる。
【0033】
前記コンテンツ関連情報受信手段又はステップは同じコンテンツを利用中のユーザの所在地を記した地図表示データを受信し、前記コンテンツ関連情報提示手段又はステップは該地図表示データを表示出力し、該地図の表示画面を介して選択されたユーザとのリアルタイム・コミュニケーションを要求するコミュニケーション要求手段又はステップをさらに備えていてもよい。このような場合、ユーザは、日本地図や世界地図などに表示されている、同じコンテンツに接している人の位置を手がかりにしてチャットなどのコミュニケーションの相手を指定することができる。
【0034】
また、前記コンテンツ関連情報受信手段又はステップは同じコンテンツを利用中のユーザ数の計数結果に関する画面情報を受信し、前記コンテンツ関連情報提示手段又はステップは該同じコンテンツを利用中のユーザ数の計数結果に関する画面情報を表示出力するようにしてもよい。そして、前記コンテンツ関連情報受信手段又はステップは同じコンテンツを利用中のユーザ数を計数して該ユーザ数が所定値に到達したことに応じて生成されるイベント情報を受信し、前記コンテンツ関連情報提示手段又はステップは該イベント情報を表示出力するようにしてもよい。
【0035】
このような場合、音楽や映像など同じコンテンツを利用して出会った人達が同時に新たな体験を共有することができる。また、前記所定値に到達するまでの人数をユーザに通知するようにしてもよい。このような場合、必要な一定人数に到達するまであと何人という表示がなされ、ユーザは友達などに声をかけ、一定人数になるように人集めをするので、サービスの利用が促進される。
【0036】
また、本発明の第2の側面に係る情報処理装置又は情報処理方法は、再生中のコンテンツに対する付加情報を入力する付加情報入力手段又はステップと、該入力された付加情報を通知する付加情報通知手段又はステップとをさらに備え、前記コンテンツ関連情報受信手段又はステップは付加情報が反映されたコンテンツ関連情報を受信し、前記コンテンツ関連情報提示手段又はステップはこれを表示出力するようにしてもよい。
【0037】
このような場合、非同期のコミュニケーションなどにおいて、例えば楽曲コンテンツの特定の部分を示す部位IDを貼付することによって、ユーザはその部分を指定して相手側においてコンテンツの再生を行なわせることができる。ホームページやチャット、掲示板などにおいて、楽曲や映画、ゲームについて、その作品全体ではなく特定の部分に対応したメッセージを伝える際、そのコメントしたい部分をIDでタグ化して、URLで特定の情報のページを示すように使用することができる。
【0038】
また、本発明の第3の側面は、コンテンツを視聴するユーザに情報を提供するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
同じコンテンツを視聴するユーザであるかどうかを判別するコンテンツ利用ユーザ判別ステップと、
同じコンテンツを視聴するユーザが情報交換するための共有空間を提供する共有空間提供ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
【0039】
また、本発明の第4の側面は、コンテンツ視聴に連携したサービスを利用するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
コンテンツを再生するコンテンツ再生ステップと、
再生中のコンテンツからコンテンツ識別情報を取得するコンテンツ識別情報抽出ステップと、
コンテンツ識別情報と当該装置自身の端末識別情報を含んだメッセージを通知する識別情報通知ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
【0040】
本発明の第3並びに第4の各側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第3並びに第4の各側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによって、コンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、本発明の第1の側面に係る情報提供システム又は情報提供方法、並びに本発明の第2の側面に係る情報処理装置又は情報処理方法と同様の作用効果を得ることができる。
【0041】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
【0043】
A.システム構成
図1には、本発明の実施に供されるネットワーク・コンピューティング・システム1の構成を模式的に示している。ネットワーク・コンピューティング・システム1には、無数のコンピュータ・システムが接続されている。これらコンピュータ・システムは、世界中に散在しており、一部のコンピュータは各種の資源サービスを有償又は無償で提供する「サーバ」として稼動し、他の一部はサーバに対して資源サービスを要求する「クライアント」として稼動している。
【0044】
また、図1に示すように、ネットワーク・コンピューティング・システム1は、通信媒体として、インターネット10や、その他の小規模ネットワークとしてのLAN(Local Area Network)20A,20B…、各国又は各地域の電話会社が構築・提供する公衆電話網30などを含んでいる。インターネット10やそれぞれの小規模ネットワーク20A…は、ルータ21A…などを経由して相互接続されている。これらインターネット10や小規模ネットワーク20A,20B…上のサーバ同士は、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの所定の通信プロトコルに従って相互アクセスが可能である。また、インターネット10やLAN20A,20B…などのネットワークと、公衆電話網30とは、ゲートウェイ・システム40によって相互接続されている。
【0045】
インターネット10上のコンピュータ・システム(LAN経由でインターネット接続されているコンピュータを含む)は、インターネット10上で識別可能なIPアドレスを取得している。また、インターネット10上には、専用線によるIP接続を行なうことができない一般ユーザのために、インターネットへの接続サービスを提供する通信事業者すなわちインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)が存在する。ユーザは、サービス・プロバイダが設置するアクセス・ポイント(AP)にダイヤルアップすることで、インターネットへのIP接続が行なわれる。
【0046】
任意のサービス・プロバイダ(ISP)経由でIP接続された一般ユーザのコンピュータ(PC)100は、例えばWWWブラウザのようなクライアント・アプリケーションを導入することで、インターネット10上でクライアントとして稼動することができる。
【0047】
本実施形態では、クライアントとなる各コンピュータは、ブロードバンドな通信網でネットワークに常時接続されていることを想定している。但し、一時的な接続形態であっても、本発明は同様の作用効果を奏する。
【0048】
また、LAN20A上には、HTMLコンテンツなどのHTTP資源オブジェクトを提供する1以上のWWWサーバ25や、各ユーザ・アカウントに対する電子メールの送受信サービスを提供するメール・サーバ26、データベース・サーバ、ファイル・サーバなど各種のサーバが複数存在していている。LAN20A上の各サーバ22,23−1,23−2,25,26に対しては、ルータ21A経由でインターネット・アクセスすることができる。
【0049】
ネットワーク上の各サーバは、情報提供サービスを運営している。例えばサーバ25のうちの1つは、音楽や映画などのメディア・コンテンツに対してユーザがアクティブに関わることができる新しいエンターテインメントを実現する共有空間提供サイトとして動作している。より具体的には、ネットワーク上の各クライアントは、CDなどのメディアやMP3などの圧縮データ形式でダウンロードされる音楽、あるいはDVDなどのメディアやストリーミング配信により得られる映画などの映像を再生しており、これに対しサーバは、楽曲や映像などの同じメディア・コンテンツを利用するユーザ同士で新しい共有経験を実現する空間を提供する。
【0050】
このような共有空間提供サーバが行なうサービス内容は以下の通りである。
【0051】
(1)出会い:
同じ音楽や映像(すなわち同じ識別子を持つオブジェクト)を利用している(または利用したことがある)ユーザ同士が仮想的な共有世界で引き合わされる。以下で説明するすべてのサービスはこの共通の興味対象を持つ者同士の出会いをベースとして実現される。
【0052】
(2)コミュニケーション:
共有世界で出会った者同士での、同期及び非同期でのコミュニケーションを実現する。
【0053】
(3)オブジェクトへの情報貼り付け:
視聴している音楽や映像などのコンテンツに対して、さまざまな情報を貼り付ける。貼り付ける部位を指定することも可能である。また、貼り付けた情報を後ほど閲覧することができる。
【0054】
(4)イベント:
同じメディア・コンテンツを同時に視聴しているユーザが一定人数以上に到達すると、イベントを発生して、その人達が同時に新たな体験をする仕組みを用意する。したがって、音楽や映像など同じコンテンツを利用して出会った人たちが、同時に新たな体験をすることができる。
【0055】
(5)広告システム:
音楽や映像など同じコンテンツに興味を示しているユーザ同士が出会うコミュニティをベースにして、且つ、そのときまさに再生されているコンテンツと連動した広告が提示される。
【0056】
(6)部位ID(コンテンツ再生区間の指定):
同期又は非同期コミュニケーションにおいて、楽曲などコンテンツの特定の部分を指定する部位IDを添付することにより、受け手側でその部分を指定してコンテンツを再生させる。同期のコミュニケーション中の視聴の際、部位IDを利用する場合(この曲のこの部分だけを聴かせる)、送り手がその部分を指定する。これによってコンテンツ購入を促進する作用が働く。また、My Favorite(後述)のように、お気に入りライブラリを相手が閲覧して、視聴を試みる場合は、受けて側がその部分(再生希望部分)を指定する。例えば、ホームページやチャットや掲示板などで楽曲や映画、ゲームについて、コンテンツの特定部分に対応したコメントを伝える際、コメントしたい部分(再生区間)を部位IDでタグ化して使用する。部位IDをメールに貼り付けて送るようにしてもよい。
【0057】
図1に示すネットワーク1上で、サーバ又はクライアントと呼ばれるホスト端末は、通常、パーソナル・コンピュータあるいはゲーム機、セットトップ・ボックス(STB)などのコンピュータ・システム上で特定のサーバ・アプリケーション又はクライアント・アプリケーションを稼動することによって構成されている。図2には、この種のコンピュータ・システム500のハードウェア構成例を模式的に示している。以下、各部について説明する。
【0058】
システム500のメイン・コントローラであるCPU(Central Processing Unit)511は、オペレーティング・システム(OS)の制御下で、各種のアプリケーションを実行するようになっている。図示の通り、CPU511は、バス517によって他の機器類(後述)と相互接続されている。
【0059】
メモリ512は、CPU511において実行されるプログラム・コードを格納したり、実行中の作業データを一時保管したりするために使用される記憶装置である。同図に示すメモリ512は、不揮発及び揮発メモリ双方を含むものと理解されたい。
【0060】
ディスプレイ・コントローラ513は、プロセッサ511が発行する描画命令を実際に処理するための専用コントローラであり、ディスプレイ・コントローラ513において処理された描画データは、例えばフレーム・バッファ(図示しない)に一旦書き込まれた後、表示装置521に画面出力される。
【0061】
入力機器インターフェース514は、キーボード522やマウス523などのユーザ入力機器をシステム500に接続するための装置である。
【0062】
ネットワーク・インターフェース515は、Ethernet(登録商標)などの所定の通信プロトコルに従って、システム500をネットワーク1に接続することができる。ネットワーク1上では、ソフトウェア・プログラムやデータ・コンテンツなどの配信が行われる。例えば、本実施形態に係る共有空間提供サービスを実行するサーバ・アプリケーションや、本実施形態に係る共有空間の利用を行なうクライアント・アプリケーションなどを、ネットワーク1経由で送受信することができる。同様に、MP3やATRAC、あるいはその他の形式の楽曲コンテンツをネットワーク1経由で送受信することができる。
【0063】
外部機器インターフェース516は、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)524やメディア・ドライブ525などの外部装置をシステム500に接続するための装置である。
【0064】
HDD524は、記憶担体としての磁気ディスクを固定的に搭載した外部記憶装置であり(周知)、記憶容量やデータ転送速度などの点で他の外部記憶装置よりも優れている。ソフトウェア・プログラムを実行可能な状態でHDD526上に置くことをプログラムのシステムへの「インストール」と呼ぶ。通常、HDD524には、プロセッサ511が実行すべきオペレーティング・システムのプログラム・コードや、アプリケーション・プログラム、デバイス・ドライバなどが不揮発的に格納されている。例えば、本実施形態に係る共有空間提供サービスを実行するサーバ・アプリケーションや、本実施形態に係る共有空間の利用を行なうクライアント・アプリケーションなどは、HDD524上にインストールされる。また、MP3やATRACなどの形式の楽曲コンテンツやその他のメディア・コンテンツをHDD524上に蓄積しておいてもよい。
【0065】
また、メディア・ドライブ525は、CD(Compact Disc)やMO(Magneto−Optical disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの可搬型メディアを装填して、データ記録面にアクセスするための装置である。可搬型メディアは、主として、ソフトウェア・プログラムやデータ・ファイルなどをコンピュータ可読形式のデータとしてバックアップすることや、これらをシステム間で移動(販売・流通・配布を含む)する目的で使用される。例えば、本実施形態に係る共有空間提供サービスを実行するサーバ・アプリケーションや、本実施形態に係る共有空間の利用を行なうクライアント・アプリケーションなどは、これら可搬型メディアを利用して流通・配布することができる。同様に、MP3やATRAC、あるいはその他の形式の楽曲コンテンツをこの種の可搬型メディアを利用して流通・配布することができる。
【0066】
B.メディア ・ コンテンツと連携した共有空間提供サービス
既に述べたように、ネットワーク1上で稼動しているサーバ25のうち少なくとも1つは、音楽や映画などのメディア・コンテンツに対してユーザがアクティブに関わることができる新しいエンターテインメントを実現する共有空間提供サイトを運営している。すなわち、この共有空間提供サーバは、CDなどのメディアやMP3などの圧縮データ形式でダウンロードされる音楽、あるいはDVDなどのメディアやストリーミング配信により得られる映画などの映像を再生しているクライアントに対して、同じメディア・コンテンツを利用するユーザ同士で新しい共有経験を実現する空間を提供する。共有空間提供サーバが行なう各サービス内容について、以下に詳解する。
【0067】
B−1.出会い:
同じ音楽や映像(すなわち同じ識別子を持つオブジェクト)を利用している(または利用したことがある)ユーザ同士が仮想的な共有世界で引き合わされる。具体的には、ネットワーク1に接続されているクライアント機器上で音楽や映像などのメディア・コンテンツを再生していると、その再生中のコンテンツ本体から取り出すことができる一意の識別情報を自動的に抽出して、サーバに通知する。そして、サーバ側では、各クライアントからの通知を基に、同じコンテンツを同時期に再生しているクライアントが互いにその存在を確認し合えるようにする。
【0068】
図3には、同じ音楽や映像(すなわち同じ識別子を持つオブジェクト)を利用している(または利用したことがある)ユーザ同士がネットワーク1上の仮想的な共有世界で引き合わされる仕組みを模式的に示している。
【0069】
クライアントは、CDやDVDなどの記録メディアを媒介にして、音楽や映像などのコンテンツを取得して、これを再生することができる。また、ネットワーク上のサーバからMP3ファイル又はMPEG2ファイルなどの形式で配信される音楽や映像などのコンテンツを取得して、これを再生することができる。
【0070】
そして、クライアントは、その再生中のコンテンツ本体から取り出すことができる一意の識別情報(楽曲IDなどのコンテンツID)を自動的に抽出して、これをクライアント自身の端末IDとともにサーバに通知する。
【0071】
ここで、コンテンツIDは、コンテンツの所定位置からあらかじめ定められた間隔で抽出される複数のサンプリング点において複数の周波数成分毎に得たパワー・スペクトルからなる特徴ベクトルを利用して生成することができる。このようなIDの生成方法によれば、元の楽曲ファイルに変更を加えることなくコンテンツ本体から識別情報を得ることができ、また、ファイルの圧縮方式(MP3、ATRACなど)に依存せずに識別情報を得ることができるので、共通の識別情報として広い範囲でコンテンツの検索に利用することができる。
【0072】
サーバ側では、コンテンツを再生する各クライアントからコンテンツIDと端末IDの組からなる通知を受けて、これをチャットや掲示板などのコンテンツ付加情報として管理するとともに、付加情報をクライアントに返す。また、クライアント側では、受け取った付加情報を画面出力又は音声出力して、ユーザに提示することにより、元のコンテンツと連携した情報提供サービスを実現することができる。
【0073】
図4には、ユーザ同士がネットワーク1上の仮想的な共有世界で引き合わされるという動作を実現するためのクライアント及びサーバの機能構成を模式的に示している。
【0074】
クライアントは、コンテンツ再生部51と、ユーザ・インターフェース52と、コンテンツ取得部53と、メディア読み取り部54と、コンテンツ蓄積部55と、コンテンツID抽出部56と、端末ID保持部57と、メッセージ生成部58と、メッセージ送受信部59と、メッセージ解析部60と、楽曲データ蓄積部61とを備えている。
【0075】
コンテンツ再生部51は、ユーザ・インターフェース52を介したユーザからのコマンドに従って、指定された楽曲や映像などのコンテンツの再生動作を行なう。
【0076】
コンテンツ取得部53は、コンテンツ再生部51において再生されるコンテンツの取得を行なう。より具体的には、コンテンツ取得部53は、指定されたコンテンツがハード・ディスク装置などのローカル・ファイルとして保存されている場合には、そこからコンテンツを取得する。あるいは、CDやDVDなどの可搬型メディアの形態でコンテンツが提供されている場合には、コンテンツ取得部53は、このメディアを装填したメディア読み取り部54より読み取られたコンテンツを取得する。また、ローカル・ファイルが存在しない場合には、コンテンツ取得部53は、MP3やATRACなどの形式でコンテンツを提供するサイトからネットワーク1経由でコンテンツを取得する。
【0077】
コンテンツID抽出部56は、コンテンツを改変することなく、コンテンツ本体から固有の識別情報すなわちコンテンツIDを抽出する。ここで、コンテンツIDは、コンテンツの所定位置からあらかじめ定められた間隔で抽出される複数のサンプリング点において複数の周波数成分毎に得たパワー・スペクトルからなる特徴ベクトルを利用して生成することができる。このようなIDの生成方法によれば、元の楽曲ファイルに変更を加えることなくコンテンツ本体から識別情報を得ることができ、また、ファイルの圧縮方式(MP3、ATRACなど)に依存せずに識別情報を得ることができるので、共通の識別情報として広い範囲でコンテンツの検索に利用することができる。
【0078】
端末ID保持部57は、クライアント装置毎に固有の端末IDを保持している。
【0079】
メッセージ生成部58は、コンテンツID抽出部56により得られたコンテンツIDと端末ID保持部57が保持する端末IDを含んだコンテンツ利用を通知するためのメッセージを生成する。
【0080】
そして、メッセージ送受信部59は、このコンテンツ利用を通知するためのメッセージを、同じコンテンツを利用するユーザに対して共有空間を提供するサーバに送信する。
【0081】
一方、共有空間を提供するサーバは、メッセージ送受信部62と、メッセージ解析部63と、データベース管理部64と、楽曲再生データベース65と、楽曲データ・データベース66と、メッセージ生成部67とを備えている。
【0082】
メッセージ送受信部62は、ネットワーク経由でコンテンツを利用する各クライアントからコンテンツ利用を通知するためのメッセージを受信する。
【0083】
メッセージ解析部63は、クライアントからの受信メッセージを解析して、コンテンツIDと端末IDを取り出す。クライアントが利用するコンテンツが楽曲の場合には、コンテンツIDは楽曲IDである。
【0084】
データベース管理部64は、メッセージ解析結果に基づいて、楽曲再生データベース65の更新と、楽曲データ・データベース66の検索を行なう。ここで、楽曲再生データベース65は、楽曲IDと端末IDの組み合わせをレコードとし(図5を参照のこと)、どのクライアントがどのコンテンツを利用したかを記録する。また、楽曲データ・データベース66は、楽曲IDと楽曲情報データとの組み合わせをレコードとし(図6を参照のこと)、各コンテンツに密接に関係する情報を保管している。
【0085】
メッセージ生成部67は、楽曲データ・データベース66を検索して得られた楽曲情報データを基に、クライアントへのメッセージを生成する。このメッセージは、メッセージ送受信部62によって該当するクライアントへ送信される。
【0086】
クライアント側では、サーバからのメッセージを受信すると、メッセージ解析部60がこれを解析して、楽曲情報データのような再生中のコンテンツに密接に関係する情報を取り出す。そして、楽曲情報データを楽曲情報データ蓄積部61に記録するとともに、ユーザ・インターフェース52を介してこれを画面表示する(あるいは音声出力する)などして、ユーザに提示する。
【0087】
図7には、ユーザ同士がネットワーク1上の仮想的な共有世界で引き合わされるという動作を実現するために、クライアントにおいて実行される処理手順をフローチャートの形式で示している。
【0088】
CDなどのメディアをメディア読み取り部54に装填する、あるいはユーザ・インターフェース52を介したユーザからの指示に応答して、楽曲などのコンテンツの読み込みが開始される(ステップS1)。
【0089】
コンテンツ再生部51では、読み込まれたコンテンツの画面出力あるいは音声出力を行ない、コンテンツの再生処理を実行する。このとき、コンテンツID抽出部56は、再生中のコンテンツの所定位置からあらかじめ定められた間隔で切り出す(ステップS2)。そして、複数のサンプリング点において複数の周波数成分毎に得たパワー・スペクトルからなる特徴ベクトルを利用して、楽曲IDなどのコンテンツIDを生成する(ステップS3)。
【0090】
そして、算出されたコンテンツIDとクライアント装置自身に割り当てられている端末IDを基にメッセージを生成して、これを共有空間提供サーバに向けて送信する(ステップS4)。
【0091】
その後、共有空間提供サーバから楽曲データを受信することができたならば(ステップS5)、これを楽曲データ蓄積部61に蓄積するとともに(ステップS6)、ユーザ・インターフェース52を介して画面出力あるいは音声出力する(ステップS7)。
【0092】
例えば、コンテンツの利用がCD再生という形態で行なわれている場合、再生位置が次のトラックに移動したときには(ステップS8)、ステップS1に戻り、上述と同様の処理を繰り返し実行する。
【0093】
また、図8には、ユーザ同士がネットワーク1上の仮想的な共有世界で引き合わされるという動作を実現するために、共有空間を提供するサーバにおいて実行される処理手順をフローチャートの形式で示している。
【0094】
ネットワーク1経由でクライアントから端末ID及びコンテンツIDを含んだメッセージを受信すると(ステップS11)、楽曲再生データベースを更新するとともに(ステップS12)、楽曲データ・データベース66を検索する(ステップS13)。そして、データベース66から取り出された楽曲データを、メッセージ送信元のクライアントに返す(ステップS14)。
【0095】
以下で説明するすべてのサービスは、上述したような共通の興味対象を持つ者同士の出会いの仕組みをベースとして実現される。
【0096】
B−2.コミュニケーション
共有空間提供サーバによって実現される共通の興味対象を持つ者同士の出会いの仕組みをベースとして、音楽や映画など同じコンテンツに興味を持ったもの同士で掲示板やチャットなどを利用して、同期及び非同期でのコミュニケーションが可能になる。同期のコミュニケーション中の視聴の際、部位IDを利用する場合(この曲のこの部分だけを聴かせる)、送り手がその部分を指定する。また、非同期のコミュニケーションの際には、My Favorite(後述)のように、お気に入りライブラリを相手が閲覧して、視聴を試みる場合は、受けて側がその部分(再生希望部分)を指定する。また、IP電話などを利用して、楽曲中の特定のフレーズを試聴させることが可能である。この場合、テキストベースではなく、音声コミュニケーションを実現することができる。
【0097】
図9には、音楽や映画など同じコンテンツに興味を持ったもの同士で掲示板やチャットなどを利用するための仕組みを模式的に示している。
【0098】
クライアントは、CDやDVDなどの記録メディアを媒介にして、音楽や映像などのコンテンツを取得して、これを再生することができる。また、ネットワーク上のサーバからMP3ファイル又はMPEG2ファイルなどの形式で配信される音楽や映像などのコンテンツを取得して、これを再生することができる。
【0099】
そして、クライアントは、その再生中のコンテンツ本体から取り出すことができる一意の識別情報(楽曲IDなどのコンテンツID)を自動的に抽出して、これをクライアント自身の端末IDとともにサーバに通知する。
【0100】
ここで、コンテンツIDは、コンテンツの所定位置からあらかじめ定められた間隔で抽出される複数のサンプリング点において複数の周波数成分毎に得たパワー・スペクトルからなる特徴ベクトルを利用して生成することができる。このようなIDの生成方法によれば、元の楽曲ファイルに変更を加えることなくコンテンツ本体から識別情報を得ることができ、また、ファイルの圧縮方式(MP3、ATRACなど)に依存せずに識別情報を得ることができるので、共通の識別情報として広い範囲でコンテンツの検索に利用することができる。
【0101】
サーバ側では、コンテンツを再生する各クライアントからコンテンツIDと端末IDの組からなる通知を受けて、これをリアルタイム情報として管理する。また、サーバは、端末IDと該当ユーザの住所情報からなるユーザ情報データベースを管理しており、同時視聴ユーザの所在を地図上にマッピングして、同時視聴ユーザの人数(人数ゲージ)とともに各クライアントにフィードバックする。
【0102】
したがって、クライアント側では、日本地図や世界地図の表示画面上で音楽や映像など同じコンテンツに接している人の所在を確認することができる。クライアント・ユーザの立場で言えば、同じ時に同じ曲を聴いている人に引き合わせてもらえる。なかなか出会えない、近くにいても知らない、共通の興味、価値観の持ち主と出会うことができる。すなわち、「この曲の良さを語れる人と出会えた!」という喜びを享受することができる。
【0103】
図10には、コンテンツを再生中のクライアント装置上での表示画面の構成例を示している。同図に示す例では、現在再生中のコンテンツに関する属性情報(アーティスト名、楽曲名、演奏時間など)とともに、日本地図上で音楽や映像など同じコンテンツに接している人の分布が表示されている。この地図表示上では、同じ曲を聴いている人の所在地にマークが付されている。このマークをクリックすると、チャットやインスタント・メッセージなどの機能が起動する。また、同時視聴ユーザの人数(人数ゲージ)が併せて表示されている。人数ゲージが所定値(図示の例では50人)に到達すると、同時視聴する各ユーザにイベントが提供される(後述)。
【0104】
このとき、現実世界において同じコンテンツを楽しんでいるユーザに対して、チャットや掲示板などの仮想世界におけるコミュニケーションが用意される。同期又は非同期のコミュニケーションによりユーザ間で情報交換が行なわれる結果として、商品の購買意欲が喚起されることもある。また、共通の興味、価値観の持ち主の間で一緒に盛り上がり、イベント性を持つことになる(図11を参照のこと)。
【0105】
同じコンテンツを楽しんでいるユーザが同期でコミュニケーションを行なう場合、共通の興味対象を持つ者同士(同じIDを持つコンテンツを再生している者同士、すなわち、違う場所で同じ時に同じ音楽を聴き又は同じ映画を観ている者同)が、仮想共有空間で引き合わされる。具体的には、興味が同じ人の存在が画面上で表示されており(図10を参照のこと)、コミュニケーション希望者にはチャット(n×n)を仕掛けることができる。
【0106】
図12には、同じコンテンツを楽しんでいるユーザ同士をチャットなどの仮想共有空間に引き込んでコミュニケーションへ導くための画面構成例を示している。
【0107】
同図に示す例では、現在再生中のコンテンツに関する属性情報(アーティスト名、楽曲名、演奏時間など)とともに、日本地図上で音楽や映像など同じコンテンツに接している人の分布が表示されている。この地図表示上では、同じ曲を聴いている人の所在地にマークが付されている。このマークは、チャットなどのコミュニケーションの希望の有無を区別して表示されており、コミュニケーションを希望するユーザのマークをクリックすると、チャット又はその他の同期コミュニケーション機能が起動する。また、既にチャットをしている者同士のメッセージがダイナミック(motion graphic)に表示される。既にチャットをしている者同士のメッセージがダイナミック(motion graphic)に表示されるのは、(地図に現在同じコンテンツを視聴している人の存在が表示されなくても、そのステップを飛ばして)、直接、音楽や映画を見ていてコミュニケーションモードになると、会話がダイナミックに見えてくるという想定である。
【0108】
また、同じコンテンツを楽しんでいるユーザが非同期でコミュニケーションを行なう場合、コメントの対象部分を指定しないメッセージに関して、視聴しているその対象となるコンテンツ(音楽や映像)毎に、掲示板を作成して、メッセージを提示することができる。また、次から同じコンテンツにアクセスした人には、それに関する掲示板が自動的に提示され、コメントを随時追加することが可能である。
【0109】
コメントの対象部分を指定するメッセージに関しては、後述するオブジェクトへの情報貼り付けの結果を非同期コミュニケーションとして楽しむこともできる。
【0110】
図13には、日本地図や世界地図の表示画面上で音楽や映像など同じコンテンツに接している人の所在を確認することにより、仮想的な共有世界でユーザ同士を引き合わせるという動作を実現するためのクライアント及びサーバの機能構成を模式的に示している。
【0111】
クライアントは、コンテンツ再生部51と、ユーザ・インターフェース52と、コンテンツ取得部53と、メディア読み取り部54と、コンテンツ蓄積部55と、コンテンツID抽出部56と、端末ID保持部57と、メッセージ生成部58と、メッセージ送受信部59と、地図表示データ解析部161と、チャット・データ解析部162とを備えている。
【0112】
コンテンツ再生部51は、ユーザ・インターフェース52を介したユーザからのコマンドに従って、指定された楽曲や映像などのコンテンツの再生動作を行なう。
【0113】
コンテンツ取得部53は、コンテンツ再生部51において再生されるコンテンツの取得を行なう。より具体的には、コンテンツ取得部53は、指定されたコンテンツがハード・ディスク装置などのローカル・ファイルとして保存されている場合には、そこからコンテンツを取得する。あるいは、CDやDVDなどの可搬型メディアの形態でコンテンツが提供されている場合には、コンテンツ取得部53は、このメディアを装填したメディア読み取り部54より読み取られたコンテンツを取得する。また、ローカル・ファイルが存在しない場合には、コンテンツ取得部53は、MP3やATRACなどの形式でコンテンツを提供するサイトからネットワーク1経由でコンテンツを取得する。
【0114】
コンテンツID抽出部56は、コンテンツを改変することなく、コンテンツ本体から固有の識別情報すなわちコンテンツIDを抽出する(同上)。また、端末ID保持部57は、クライアント装置毎に固有の端末IDを保持している。
【0115】
メッセージ生成部58は、コンテンツID抽出部56により得られたコンテンツIDと端末ID保持部57が保持する端末IDを含んだコンテンツ利用を通知するためのメッセージを生成する。そして、メッセージ送受信部59は、このメッセージを、同じコンテンツを利用するユーザに対して共有空間を提供するサーバに送信する。
【0116】
一方、共有空間を提供するサーバは、メッセージ送受信部62と、メッセージ解析部63と、データベース管理部64と、楽曲再生データベース65と、楽曲データ・データベース66と、メッセージ生成部67と、地図表示データ生成部163と、地図表示データ・データベース164と、チャット処理部165と、ユーザ情報データベース166を備えている。
【0117】
メッセージ送受信部62は、ネットワーク経由でコンテンツを利用する各クライアントからのメッセージを受信する。また、メッセージ解析部63は、クライアントからの受信メッセージを解析する。
【0118】
クライアントからの受信メッセージがコンテンツ利用の通知である場合には、コンテンツIDと端末IDを取り出して、データベース管理部64は、メッセージ解析結果に基づいて、楽曲再生データベース65の更新と、楽曲データ・データベース66の検索を行なう(同上)。
【0119】
クライアント側では、例えばユーザ・インターフェース52を介したユーザ・コマンドに応答して、同じコンテンツを楽しんでいるユーザの所在を表した地図情報を要求する地図表示要求メッセージを生成、送信することができる。
【0120】
サーバは、クライアントからの受信メッセージが地図表示要求である場合には、地図表示データ生成部163は、楽曲再生データベース65を検索して同じコンテンツを楽しんでいる端末IDを見つけ出すとともに、ユーザ情報データベース166を参照して、見つけ出された各ユーザの所在を突き止める。図14に示すように、ユーザ情報データベース166は、端末IDと該当ユーザの住所情報の組み合わせをレコードとしてユーザ情報を管理している。そして、地図表示データ・データベース164から地図表示用のデータを取り出して、同時視聴ユーザの所在を地図上にマッピングする。メッセージ生成部67は、このようにして得られた地図表示データを基にメッセージを生成する。このメッセージは、メッセージ送受信部62によって該当するクライアントへ送信される。
【0121】
クライアント側では、サーバからのメッセージを受信すると、メッセージ解析部60がこれを解析する。サーバからのメッセージが地図表示データである場合には、地図表示データ解析部161がこれを解析して地図表示画面(図10を参照のこと)を生成して、これをユーザ・インターフェース52を介して画面表示する。
【0122】
上述したように、この地図表示上では、同じ曲を聴いている人の所在地にマークが付されている。このマークは、チャットなどのコミュニケーションの希望の有無を区別して表示されている。そして、コミュニケーションを希望するユーザのマークをクリックすることによって、チャット要求メッセージを生成、送信することができる。
【0123】
サーバは、クライアントからの受信メッセージがチャット要求である場合には、チャット処理部165は、楽曲再生データベース65を参照して、チャット要求元クライアントと同じコンテンツを同時に再生して且つチャットを希望している他のクライアントを見つけ出して、これらクライアントの間でチャット機能を起動する。
【0124】
クライアント側では、サーバからのメッセージがチャット・データである場合には、チャット・データ解析部162がこれを解析して、地図表示画面を利用して会話内容を画面表示する(図12を参照のこと)。
【0125】
図15には、日本地図や世界地図の表示画面上で音楽や映像など同じコンテンツに接している人の所在を確認することにより仮想的な共有世界でユーザ同士を引き合わせるという動作を実現するために、クライアントにおいて実行される処理手順をフローチャートの形式で示している。
【0126】
クライアントは、コンテンツを楽しむ者に共有世界を提供するサーバに対して、現在再生中のコンテンツのIDを付した地図表示要求メッセージを送信し(ステップS21)、これを受信するまで待機する(ステップS22)。
【0127】
そして、地図表示データを受信すると、これをディスプレイ画面上で表示出力する(ステップS23)(図12を参照のこと)。
【0128】
日本地図上で音楽や映像など同じコンテンツに接している人の分布が表示されている。この地図表示上では、同じ曲を聴いている人の所在地にマークが付されている。このマークは、チャットなどのコミュニケーションの希望の有無を区別して表示されている。
【0129】
コミュニケーションを希望するユーザのマークをマウスでクリックすると(ステップS24)、そのクリック位置が検出され、クリック位置に対応するユーザとのチャット要求メッセージを生成して、サーバへ送信される(ステップS25)。
【0130】
この結果、同じコンテンツを楽しんでいるユーザ間でチャット機能が起動する(ステップS26)。また、既にチャットをしている者同士のメッセージがダイナミック(motion graphic)に表示される。既にチャットをしている者同士のメッセージがダイナミック(motion graphic)に表示されるのは、(地図に現在同じコンテンツを視聴している人の存在が表示されなくても、そのステップを飛ばして)、直接、音楽や映画を見ていてコミュニケーションモードになると、会話がダイナミックに見えてくるという想定である。
【0131】
また、図16には、日本地図や世界地図の表示画面上で音楽や映像など同じコンテンツに接している人の所在を確認することにより仮想的な共有世界でユーザ同士を引き合わせるという動作を実現するために、サーバにおいて実行される処理手順をフローチャートの形式で示している。
【0132】
クライアントから地図表示要求メッセージを受信すると(ステップS31)、まず、楽曲再生データベース65(図5を参照のこと)を検索して、要求元クライアントと同じ楽曲を楽しんでいるユーザIDを取得する(ステップS32)。
【0133】
次いで、ユーザ情報データベース166(図14を参照のこと)を検索して、要求元クライアントと同じ楽曲を楽しんでいる各クライアントの所在地を確認する(ステップS33)。
【0134】
そして、日本地図若しくは世界地図などの地図上に同時視聴ユーザの所在を地図上にマッピングして、地図表示データを生成する(ステップS34)。そして、この地図表示データを要求元クライアントに送信する(ステップS35)。
【0135】
ここで、クライアントからチャット要求を受信した場合には(ステップS36)、同じコンテンツを楽しんでいるユーザ間でチャット機能が起動する(ステップS37)。また、既にチャットをしている者同士のメッセージがダイナミック(motion graphic)に表示される。
【0136】
なお、リアルタイムでチャットを行なっているとき、この曲のこの部分がお薦めというように、実際にそのお薦めの部分を相手に聴かせることができるようにしてもよい (部位IDの活用、推奨、視聴行動としての活用)。
【0137】
音楽や映画の選択は嗜好性が非常に高く、その人の興味、価値観をまさに反映させていると考えられる。よって、同時に(又は同じコンテキストで)同じコンテンツ(楽曲など)を聴いている人から薦められる新たなコンテンツは、薦められた人の興味に適合する可能性が極めて高く、よって、商品の購買に結び付きやすいと思料される。
【0138】
B−3.オブジェクトへの情報貼り付け
本実施形態では、ユーザが視聴している音楽や映像などのコンテンツに対して、さまざまな情報を貼り付けることができる。貼り付ける部位を指定することも可能である。また、貼り付けた情報を後ほど閲覧することができる。
【0139】
貼り付ける情報には、同期で楽しむものと非同期で楽しむものに分けられる。貼り付ける情報としては以下のようなものが挙げられる。
【0140】
(1)同期での楽しみ方
▲1▼拍手やパーカッションなどを付加:
楽曲を楽しみながら、キー(ボタン)などを叩くことにより、拍手、パーカッションなどを楽しむことができる。コンテンツ中の叩かれた再生位置に、そのアクション(マーク)が貼付される。なお、同じ楽曲を同時に楽しんでいる人には、拍手やパーカッションの音が聴こえ、同時にそのマークが付加されていく様子も見える。
【0141】
▲2▼ココ好きマークの付加:
この楽曲のこの部分が特に好きといった、お気に入りマークを貼り付ける。具体的には、楽曲が流れている際に、自分のお気に入りの部分に到達したら、キー(ボタン)を押すことによって、お気に入りマークが貼付される。
【0142】
▲3▼その部分に対するコメント付加:
楽曲全体に関わるメッセージだけでなく、例えば「曲のその部分」についてのコメントを貼り付けることができる(該当部分の演奏テクニックのすばらしさについて、その部分の歌詞作成時にまつわる逸話など)。
【0143】
(2)非同期での楽しみ方
同じ楽曲を、後ほど再生した人にとっては、これら貼り合わせた情報(拍手マーク、ココ好きマーク、部分に対してのコメント群など)は、非同期のコミュニケーションとも言える。すなわち、楽曲(映像)を対象とした、掲示板的な存在と言える。
【0144】
図17には、再生中の楽曲コンテンツにさまざまな情報を貼り付けるための操作画面の構成例を示している。
【0145】
同図に示す例では、コンテンツに付加すべき情報が部品化され、ツール・パレットから選択して用いることができる。
【0146】
画面略中央の帯状の表示は、楽曲コンテンツの再生位置を時間軸上で表現している。ユーザは、楽曲を再生中に、好きな部分に到達したときや、コメントなどその他の情報を付加したい場合には、ツール・パレットから該当する部品をドラッグ・アンド・ドロップ操作により移動させればよい。
【0147】
例えば、楽曲を再生中にセッション感覚でキーを叩くことによって、該当する再生位置に拍手マークが貼付される。また、ツール・パレットからハート・マークを取り出して楽曲コンテンツに貼付することにより、該当する再生位置がユーザのお気に入りの箇所であることを明示することができる。また、楽曲の特定の再生位置に吹き出しを置いてコメントを挿入することにより、該当部分の演奏テクニックのすばらしさやその部分の歌詞作成時にまつわる逸話など楽曲情報をコンテンツ貼り付けることができる。
【0148】
図18には、ユーザが視聴している音楽や映像などのコンテンツに対して、さまざまな情報を貼り付けるという動作を実現するためのクライアント及びサーバの機能構成を模式的に示している。
【0149】
クライアントは、コンテンツ再生部51と、ユーザ・インターフェース52と、コンテンツ取得部53と、メディア読み取り部54と、コンテンツ蓄積部55と、コンテンツID抽出部56と、端末ID保持部57と、メッセージ生成部58と、メッセージ送受信部59と、メッセージ解析部60と、マーク追加処理部261とを備えている。
【0150】
コンテンツ再生部51は、ユーザ・インターフェース52を介したユーザからのコマンドに従って、指定された楽曲や映像などのコンテンツの再生動作を行なう。
【0151】
コンテンツ取得部53は、コンテンツ再生部51において再生されるコンテンツの取得を行なう。より具体的には、コンテンツ取得部53は、指定されたコンテンツがハード・ディスク装置などのローカル・ファイルとして保存されている場合には、そこからコンテンツを取得する。あるいは、CDやDVDなどの可搬型メディアの形態でコンテンツが提供されている場合には、コンテンツ取得部53は、このメディアを装填したメディア読み取り部54より読み取られたコンテンツを取得する。また、ローカル・ファイルが存在しない場合には、コンテンツ取得部53は、MP3やATRACなどの形式でコンテンツを提供するサイトからネットワーク1経由でコンテンツを取得する。
【0152】
コンテンツID抽出部56は、コンテンツを改変することなく、コンテンツ本体から固有の識別情報すなわちコンテンツIDを抽出する。また、端末ID保持部57は、クライアント装置毎に固有の端末IDを保持している。
【0153】
メッセージ生成部58は、コンテンツID抽出部56により得られたコンテンツIDと端末ID保持部57が保持する端末IDを含んだコンテンツ利用を通知するためのメッセージを生成する。そして、メッセージ送受信部59は、このコンテンツ利用を通知するためのメッセージを、同じコンテンツを利用するユーザに対して共有空間を提供するサーバに送信する。
【0154】
一方、共有空間を提供するサーバは、メッセージ送受信部62と、メッセージ解析部63と、データベース管理部64と、楽曲再生データベース65と、楽曲データ・データベース66と、メッセージ生成部67と、画面表示データ生成部262とを備えている。
【0155】
メッセージ送受信部62は、ネットワーク経由でコンテンツを利用する各クライアントからコンテンツ利用を通知するためのメッセージを受信する。
【0156】
メッセージ解析部63は、クライアントからの受信メッセージを解析する。例えば、コンテンツ利用の通知メッセージの場合には、コンテンツIDと端末IDを取り出す。クライアントが利用するコンテンツが楽曲の場合には、コンテンツIDは楽曲IDである。また、貼付情報メッセージの場合には、メッセージから楽曲IDと楽曲情報データの組み合わせを取り出す。
【0157】
データベース管理部64は、メッセージ解析結果に基づいて、楽曲再生データベース65の更新と、楽曲データ・データベース66の検索を行なう。ここで、楽曲再生データベース65は、楽曲IDと端末IDの組み合わせをレコードとし(図5を参照のこと)、どのクライアントがどのコンテンツを利用したかを記録する。また、楽曲データ・データベース66は、楽曲IDと楽曲情報データとの組み合わせをレコードとし(図6を参照のこと)、各コンテンツに密接に関係する情報を保管している。
【0158】
画面表示データ生成部262は、楽曲データ・データベース66を参照して、クライアント側で再生されている楽曲コンテンツに関する画面表示用のデータを生成する。
【0159】
メッセージ生成部67は、楽曲データ・データベース66を検索して得られた楽曲情報データを基に、クライアントへのメッセージを生成する。これらのメッセージは、メッセージ送受信部62によって該当するクライアントへ送信される。
【0160】
クライアント側では、サーバからのメッセージを受信すると、メッセージ解析部60がこれを解析して、再生中のコンテンツに関連する画面表示用のデータを取り出す。そして、ユーザ・インターフェース52を介して楽曲への情報付加用の画面(図17を参照のこと)を表示する。
【0161】
クライアント・ユーザは、再生中の楽曲コンテンツに情報を貼り付けるための操作画面を介して、拍手マークやお気に入り、吹き出しなどのマークの追加を指示することができる。マーク追加処理部261は、ユーザ・インターフェース52を介したユーザ入力に基づいてコンテンツへ貼り付けるマークの追加処理を行なう。メッセージ生成部58は、追加されたこれらマークを楽曲データとしてメッセージを生成し、メッセージ送受信部59がこのメッセージをサーバに送出する。
【0162】
サーバ側では、楽曲データ・メッセージを受信すると、楽曲データ・データベース66の内容を更新するとともに、画面表示データ生成部262はデータベースの更新内容に基づいて画面表示データを更新する。更新された画面表示データは、メッセージ生成部67によりメッセージ化され、メッセージ送受信部62によりクライアントに送出される。
【0163】
図19には、ユーザが視聴している音楽や映像などのコンテンツに対して、さまざまな情報を貼り付けるという動作を実現するために、クライアントにおいて実行される処理手順をフローチャートの形式で示している。
【0164】
まず、図17に示すような操作画面において、ウィンドウ・フレーム下端縁のタブをクリックして「Add Information(情報の貼り付け)」を選択する。
【0165】
CDなどのメディアをメディア読み取り部54に装填する、あるいはユーザ・インターフェース52を介したユーザからの指示に応答して、楽曲などのコンテンツの読み込みが開始される(ステップS41)。
【0166】
楽曲コンテンツの読み込みに合わせて、楽曲再生時に使用する画面表示データをサーバに要求する(ステップS42)。
【0167】
そして、サーバ側から無事に画面表示データを受け取ることができたならば(ステップS43)、ユーザ・インターフェース52を介してこれを画面表示する(ステップS44)。
【0168】
ユーザはこの表示画面を介して再生コンテンツへのマーク追加処理を行なうことができる(ステップS45)。既に述べたように、図17に示したようなコンテンツへの情報貼り付け操作画面上では、画面略中央の帯状の表示は、楽曲コンテンツの再生位置を時間軸上で表現されており、楽曲を再生中に、好きな部分に到達したときや、コメントなどその他の情報を付加したい場合には、ツール・パレットから該当する部品をドラッグ・アンド・ドロップ操作により移動させる。
【0169】
例えば、楽曲を再生中でセッション感覚でキーを叩くことによって、該当する再生位置に拍手マークが貼付される。また、ツール・パレットからハート・マークを取り出して楽曲コンテンツに貼付することにより、該当する再生位置がユーザのお気に入りの箇所であることを明示することができる。また、楽曲の特定の再生位置に吹き出しを置いてコメントを挿入することにより、該当部分の演奏テクニックのすばらしさやその部分の歌詞作成時にまつわる逸話など楽曲情報をコンテンツ貼り付けることができる。
【0170】
そして、図17に示すような操作画面上でユーザがコンテンツに向かって追加したマークは、楽曲データとしてサーバに送出される(ステップS46)。サーバ側では、各クライアントから受信した楽曲データを基に画面表示データを更新する。
【0171】
その後、ステップS43に戻り、サーバから新しい画面表示データを受信する毎に、上述と同様のマーク追加処理を繰り返し実行する。
【0172】
また、図20には、ユーザが視聴している音楽や映像などのコンテンツに対して、さまざまな情報を貼り付けるという動作を実現するために、サーバにおいて実行される処理手順をフローチャートの形式で示している。
【0173】
サーバは、クライアントから画面表示要求を受信すると(ステップS51)、楽曲データ・データベース66を検索して(ステップS52)、画面表示データを生成する(ステップS53)。そして、この画面表示データを要求元のクライアントに送信する(ステップS54)。
【0174】
また、サーバは、クライアントから更新された楽曲データを受信すると(ステップS55)、楽曲データ・データベース66にその内容を更新する(ステップS56)。
【0175】
さらに、楽曲データの更新に伴い、画面表示データを更新して(ステップS57)、これをクライアントに送信する(ステップS58)。
【0176】
B−4.イベント
共有空間提供サーバによって実現される共通の興味対象を持つ者同士が出会う共有世界では、同じメディア・コンテンツを同時に視聴しているユーザが一定人数以上に到達すると、イベントを発生して、その人達が同時に新たな体験をする仕組みを用意する。したがって、音楽や映像など同じコンテンツを利用して出会った人たちが、同時に新たな体験をすることができる。
【0177】
図21に示すように、共有空間では、イベントを起動するために必要な一定人数に到達するまで、あと何人という表示がなされる。既に共有空間にログインしているユーザは友達に声をかけたりして一定人数に届くよう人数集めを行なうので、サービス利用の促進につながる。
【0178】
新たな体験の例としては、以下に示すように元のメディア・コンテンツに対するプレミア的、限定版的な内容などが挙げられる。
【0179】
▲1▼音楽の場合、同じ楽曲のリミックス・バージョンが聴ける。
▲2▼同じアーティストのコンサートでの楽曲順に曲が聴ける。20年前のコンサートの楽曲をその時の順序で再現する。
▲3▼映画の場合、ノーカット版の上映を行なう。
▲4▼その映画のメイキング状況の映像が観られる。
▲5▼映画に対してのコメント、関連情報、俳優に対しての情報提示。
【0180】
同時に同じ曲を聴いている人が10人になると、○○。50人に達すると△△△というように、段階を追って新しい体験をさせてくれる仕掛けも可能である。例えば、10人同時に同じ楽曲を楽しんでいれば、そのアーティストの発売前の新曲や、限定アレンジ版の楽曲を1フレーズだけ提供し、50人に達すると、すべてのフレーズを聴くことができるようにする。
【0181】
また、ファンクラブ内において、あらかじめ日時を告知しておき、全員が同時に同じ曲をかけ(同時に同じ楽曲を楽しんでいる人数を充分に確保し)、イベントに参加するようにして、イベントを誘発して積極的に楽しむようにしてもよい。
【0182】
なお、ある人数に達した場合のイベントの展開において、その時刻(時間帯)を反映された展開も可能である。例えば、夜50人に達すれば、夜バージョンのアレンジのその楽曲が聴けるようにしてもよい。
【0183】
図22には、同じメディア・コンテンツを同時に視聴しているユーザが一定人数以上に到達すると、イベントを発生して、その人達が同時に新たな体験をするという動作を実現するためのクライアント及びサーバの機能構成を模式的に示している。
【0184】
クライアントは、コンテンツ再生部51と、ユーザ・インターフェース52と、コンテンツ取得部53と、メディア読み取り部54と、コンテンツ蓄積部55と、コンテンツID抽出部56と、端末ID保持部57と、メッセージ生成部58と、メッセージ送受信部59と、メッセージ解析部60と、楽曲データ蓄積部61とを備えている。
【0185】
コンテンツ再生部51は、ユーザ・インターフェース52を介したユーザからのコマンドに従って、指定された楽曲や映像などのコンテンツの再生動作を行なう。
【0186】
コンテンツ取得部53は、コンテンツ再生部51において再生されるコンテンツの取得を行なう。より具体的には、コンテンツ取得部53は、指定されたコンテンツがハード・ディスク装置などのローカル・ファイルとして保存されている場合には、そこからコンテンツを取得する。あるいは、CDやDVDなどの可搬型メディアの形態でコンテンツが提供されている場合には、コンテンツ取得部53は、このメディアを装填したメディア読み取り部54より読み取られたコンテンツを取得する。また、ローカル・ファイルが存在しない場合には、コンテンツ取得部53は、MP3やATRACなどの形式でコンテンツを提供するサイトからネットワーク1経由でコンテンツを取得する。
【0187】
コンテンツID抽出部56は、コンテンツを改変することなく、コンテンツ本体から固有の識別情報すなわちコンテンツIDを抽出する。また、端末ID保持部57は、クライアント装置毎に固有の端末IDを保持している。
【0188】
メッセージ生成部58は、コンテンツID抽出部56により得られたコンテンツIDと端末ID保持部57が保持する端末IDを含んだコンテンツ利用を通知するためのメッセージを生成する。また、メッセージ生成部58は、ユーザ・インターフェース52からイベント画面出力するための画面表示データの要求メッセージを生成する。そして、メッセージ送受信部59は、これらのメッセージを、同じコンテンツを利用するユーザに対して共有空間を提供するサーバに送信する。
【0189】
一方、共有空間を提供するサーバは、メッセージ送受信部62と、メッセージ解析部63と、データベース管理部64と、楽曲再生データベース65と、楽曲データ・データベース66と、メッセージ生成部67と、スペシャル・コンテンツ蓄積部361と、画面表示データ生成部362とを備えている。
【0190】
メッセージ送受信部62は、ネットワーク経由でコンテンツを利用する各クライアントからコンテンツ利用を通知するためのメッセージや、イベント画面表示データの要求メッセージを受信する。メッセージ解析部63は、クライアントからの受信メッセージを解析する。
【0191】
データベース管理部64は、メッセージ解析結果に基づいて、楽曲再生データベース65の更新と、楽曲データ・データベース66の検索を行なう。ここで、楽曲再生データベース65は、楽曲IDと端末IDの組み合わせをレコードとし(図5を参照のこと)、どのクライアントがどのコンテンツを利用したかを記録する。また、楽曲データ・データベース66は、楽曲IDと楽曲情報データとの組み合わせをレコードとし(図6を参照のこと)、各コンテンツに密接に関係する情報を保管している。
【0192】
画面表示データ生成部67は、イベント画面表示データ要求に応じて、楽曲再生データベース65を検索して、同じコンテンツを同時に楽しんでいるユーザの人数を集計して、イベント画面表示用のデータを生成する。メッセージ生成部67は、この画面表示データをクライアントに送信するためのメッセージを生成する。
【0193】
また、メッセージ生成部67は、楽曲データ・データベース66を検索して得られた楽曲情報データをクライアントに送信するためのメッセージを生成する。
【0194】
これらのメッセージは、メッセージ送受信部62によって該当するクライアントへ送信される。
【0195】
クライアント側では、サーバからのメッセージを受信すると、メッセージ解析部60がこれを解析して、イベント画面表示用のデータを取り出す。あるいは、楽曲情報データのような再生中のコンテンツに密接に関係する情報を取り出す。そして、楽曲情報データを楽曲情報データ蓄積部61に記録するとともに、ユーザ・インターフェース52を介してこれを画面表示する(あるいは音声出力する)などして、ユーザに提示する。
【0196】
図23には、同じメディア・コンテンツを同時に視聴しているユーザが一定人数以上に到達するとイベントを発生して、その人達が同時に新たな体験をするという動作を実現するために、クライアントにおいて実行される処理手順をフローチャートの形式で示している。
【0197】
まず、図21に示すような操作画面において、ウィンドウ・フレーム下端縁のタブをクリックして「Event」を選択する。
【0198】
そして、クライアントは、サーバに対して画面表示データの要求メッセージを送信する(ステップS61)。
【0199】
その後、サーバから画面表示データを無事に受信することができたならば(ステップS62)、これを画面表示する(ステップS63)。
【0200】
また、図24には、同じメディア・コンテンツを同時に視聴しているユーザが一定人数以上に到達するとイベントを発生して、その人達が同時に新たな体験をするという動作を実現するために、サーバにおいて実行される処理手順をフローチャートの形式で示している。
【0201】
いずれかのクライアントからイベント画面表示用データの要求メッセージを受信すると(ステップS71)、楽曲再生データベース65を検索して、当該クライアントと同じコンテンツを同時に楽しんでいるクライアントの数を集計する(ステップS72)。
【0202】
そして、このデータベース検索結果に基づいて、図21に示すようなイベント画面表示用データを生成し(ステップS73)、これを要求元のクライアントに送信する(ステップS74)。
【0203】
このとき、同じコンテンツを同時に楽しんでいるクライアントの数が所定人数に到達していたならば(ステップS75)、スペシャル・コンテンツ蓄積部361から現在再生中のコンテンツに関するスペシャル・コンテンツを取り出し、同じコンテンツを同時に楽しんでいるすべてのクライアントに配信する(ステップS76)。
【0204】
B−5.My Favorite
My Favoriteは、自分が好きな楽曲のライブラリである。特に好きな部分が、マーキングされており、その部位を指定するリンク作成が可能である。また、チャット相手に、私の好きな曲を「推奨」することもできる。
【0205】
図25には、My Favorite機能を実現するためのクライアント及びサーバの機能構成を模式的に示している。
【0206】
クライアントは、コンテンツ再生部51と、ユーザ・インターフェース52と、コンテンツ取得部53と、メディア読み取り部54と、コンテンツ蓄積部55と、コンテンツID抽出部56と、端末ID保持部57と、メッセージ生成部58と、メッセージ送受信部59と、メッセージ解析部60と、個人用データ作成処理部461とを備えている。
【0207】
コンテンツ再生部51は、ユーザ・インターフェース52を介したユーザからのコマンドに従って、指定された楽曲や映像などのコンテンツの再生動作を行なう。
【0208】
コンテンツ取得部53は、コンテンツ再生部51において再生されるコンテンツの取得を行なう。より具体的には、コンテンツ取得部53は、指定されたコンテンツがハード・ディスク装置などのローカル・ファイルとして保存されている場合には、そこからコンテンツを取得する。あるいは、CDやDVDなどの可搬型メディアの形態でコンテンツが提供されている場合には、コンテンツ取得部53は、このメディアを装填したメディア読み取り部54より読み取られたコンテンツを取得する。また、ローカル・ファイルが存在しない場合には、コンテンツ取得部53は、MP3やATRACなどの形式でコンテンツを提供するサイトからネットワーク1経由でコンテンツを取得する。
【0209】
コンテンツID抽出部56は、コンテンツを改変することなく、コンテンツ本体から固有の識別情報すなわちコンテンツIDを抽出する。また、端末ID保持部57は、クライアント装置毎に固有の端末IDを保持している。
【0210】
メッセージ生成部58は、コンテンツID抽出部56により得られたコンテンツIDと端末ID保持部57が保持する端末IDを含んだコンテンツ利用を通知するためのメッセージを生成する。そして、メッセージ送受信部59は、このコンテンツ利用を通知するためのメッセージを、同じコンテンツを利用するユーザに対して共有空間を提供するサーバに送信する。
【0211】
一方、共有空間を提供するサーバは、メッセージ送受信部62と、メッセージ解析部63と、データベース管理部64と、楽曲再生データベース65と、掲示板データベース463と、メッセージ生成部67と、画面表示データ生成部462とを備えている。
【0212】
メッセージ解析部63は、クライアントからの受信メッセージを解析する。例えば、コンテンツ利用の通知メッセージの場合には、コンテンツIDと端末IDを取り出す。クライアントが利用するコンテンツが楽曲の場合には、コンテンツIDは楽曲IDである。また、個人用データ・メッセージの場合には、メッセージから個人用データを取り出す。
【0213】
データベース管理部64は、メッセージ解析結果に基づいて、楽曲再生データベース65の更新と、掲示板データベース463の検索を行なう。ここで、楽曲再生データベース65は、楽曲IDと端末IDの組み合わせをレコードとし(図5を参照のこと)、どのクライアントがどのコンテンツを利用したかを記録する。また、掲示板データベース463は、端末IDとコンテンツ・ファイル格納位置との組み合わせをレコードとし(図26を参照のこと)、各コンテンツに密接に関係する情報を保管している。
【0214】
画面表示データ生成部462は、掲示板データベース463を参照して、クライアントから送られた個人用データを基に掲示板の画面表示用データを生成する。
【0215】
メッセージ生成部67は、作成された掲示板画面表示用データを基に、クライアントへのメッセージを生成する。これらのメッセージは、メッセージ送受信部62によって該当するクライアントへ送信される。
【0216】
クライアント側では、サーバからのメッセージを受信すると、メッセージ解析部60がこれを解析して、再生中のコンテンツに関連する画面表示用のデータを取り出す。そして、ユーザ・インターフェース52を介して楽曲への情報付加用の画面を表示する。
【0217】
図26には、同じメディア・コンテンツを同時に視聴しているユーザ間でMyFavorite機能を実現するために、クライアントにおいて実行される処理手順をフローチャートの形式で示している。
【0218】
まず、図21に示すような操作画面において、ウィンドウ・フレーム下端縁のタブをクリックして「My Favorite」を選択する。
【0219】
そして、クライアントは、サーバに対して画面表示データの要求メッセージを送信する(ステップS81)。
【0220】
その後、サーバから画面表示データを無事に受信することができたならば(ステップS82)、これを画面表示する(ステップS83)。
【0221】
クライアント装置のユーザは、My Favorite画面上で個人用データの作成を行なうことができる(ステップS84)。そして、作成された個人用データは、サーバに送信される(ステップS85)。
【0222】
その後、ステップS82に戻り、クライアント側で作成した個人用データに基づき更新された画面表示データを受信したならば、これを画面表示する。
【0223】
また、図27には、同じメディア・コンテンツを同時に視聴しているユーザ間でMy Favorite機能を実現するために、サーバにおいて実行される処理手順をフローチャートの形式で示している。
【0224】
サーバは、クライアントから画面表示要求を受信すると(ステップS91)、掲示板データベース66を検索して(ステップS92)、画面表示データを生成する(ステップS93)。そして、この画面表示データを要求元のクライアントに送信する(ステップS94)。
【0225】
また、サーバは、クライアントから更新された個人用データを受信すると(ステップS95)、個人用データベース66にその内容を更新する(ステップS96)。
【0226】
さらに、掲示板データベースの更新に伴い、画面表示データを更新して(ステップS97)、これをクライアントに送信する(ステップS98)。
【0227】
B−6.広告システム
音楽や映像など同じコンテンツに興味を示しているユーザ同士が出会うコミュニティをベースにして、且つ、そのときまさに再生されているコンテンツと連動した広告が提示される。図12に示したコミュニケーション画面の例では、コンテンツと連動した広告A及び広告Bの画像情報が右側に配置されている。
【0228】
再生されている音楽や映画と連動する広告が提示される。但し、既に購入した商品と連動するのではなく、いま再生されている楽曲や映像との関係で表示すべき広告コンテンツが決定される。よって、購入回数より再生回数の方が多く(すなわち、広告露出回数が多く)、且つ、視聴中(前後を含む)に提示される情報はより興味深く接せられると言える。例えば、現在再生中のアーティストの過去のアルバムや、再生中の映画と同じ監督の作品が広告として提示される。
【0229】
また、クライアント・ユーザ本人の過去の視聴履歴や購入履歴などに応じて、このコミュニティ内における他者の視聴や購入履歴に基づいたレコメンデーション・システムにより広告が提示される。
【0230】
B−6.部位ID(コンテンツ再生区間の指定)
同期又は非同期コミュニケーションにおいて、楽曲などコンテンツの特定の部分を指定する部位IDを添付することにより、受け手側でその部分を指定してコンテンツを再生させる。
【0231】
同期コミュニケーション中の視聴の際、部位IDを利用する場合(この曲のこの部分だけを聴かせる)、送り手がその部分を指定する。例えば、IP電話などを利用して、楽曲中の特定のフレーズを試聴させることが可能である。この場合、テキストベースではなく、音声コミュニケーションを実現することができる。このような同期コミュニケーション中の再生区間指定によってコンテンツ購入を促進する作用が働く。
【0232】
また、非同期のコミュニケーションの際には、My Favorite(後述)のように、お気に入りライブラリを相手が閲覧して、視聴を試みる場合は、受けて側がその部分(再生希望部分)を指定する。例えば、ホームページやチャットや掲示板などで楽曲や映画、ゲームについて、コンテンツの特定部分に対応したコメントを伝える際、コメントしたい部分(再生区間)を部位IDでタグ化して使用する。部位IDをメールに貼り付けて送るようにしてもよい。
【0233】
当該サービスにおいて、音楽や映画など再生中のコンテンツに情報を貼り付けたい場合、貼り付けたい場所をマークするとその部位IDが認識される。例えば、楽曲再生時にコメントしたい部分をマーキングし、そしてその部分に後からコメントを付けることができる。
【0234】
図28には、部位IDすなわちコンテンツの再生区間を指定した楽曲紹介サービスの仕組みを模式的に示している。同図に示すように、楽曲の紹介を行なうWWWサイトと、この楽曲紹介ホームページにアクセスするWWWクライアントと、紹介された楽曲コンテンツを提供(販売)するコンテンツ・サイトの3者間による協働的動作により、元のメディア・コンテンツと密接に連携した楽曲紹介サービスを実現することができる。
【0235】
WWWクライアントは、所定のURLに従って、楽曲の紹介を行なうWWWサイトにアクセスして、WWWブラウザ画面上でホームページを組み立てる。このホームページ上には、楽曲を紹介するコメント情報に、該当するコンテンツへアクセスするためのコンテンツ識別子と、楽曲中でコメントに該当する区間の指定を含んだリンク参照情報が埋め込まれている。
【0236】
図29には、このリンク参照情報の一例を示している。同図に示す例では、通常のHTTPリンクと同様に、テキスト形式でメディアへの参照が記述されている。ここで、mid以降の数値データは、コンテンツ固有識別子であり、ネットワーク上で共通に使用されるものであることが好ましい。また、fromとdurationで示される数値は、コンテンツ中の再生区間の指定であり、楽曲の紹介コメント「このフレーズのベースラインがいい。」に該当する場所を表している。
【0237】
コンテンツ固有識別子の生成方法の一例として、楽曲の所定位置からあらかじめ定められた間隔で抽出される複数のサンプリング点において複数の周波数成分毎に得たパワー・スペクトルからなる特徴ベクトルを利用して識別子を演算する方法が挙げられる。この方法によれば、元の楽曲ファイルに変更を加えることなくコンテンツ本体から識別情報を得ることができ、また、ファイルの圧縮方式に依存せずに識別情報を得ることができるので、共通の識別情報として広い範囲でコンテンツの検索に利用することができる(前述)。
【0238】
WWWクライアントのユーザは、ブラウザ画面上で関心のあるリンク参照情報を選択(例えばマウスでクリック)することにより、該当する楽曲コンテンツの検索処理を起動することができる。WWWクライアントは、まず、自身のローカル・ストレージ(HDD)上にある各コンテンツからその識別情報を生成して、リンク参照情報に含まれている固有識別子midと同じ識別情報を持つコンテンツが存在するかどうかを検索する。そして、コンテンツが存在すれば、指定された再生区間の再生処理を行なう。
【0239】
また、ローカル・ストレージ中でコンテンツを発見することができなかった場合には、さらにコンテンツ・サイト(リモート・ストレージ)にアクセスする。そして、リモート・ストレージ(HDD)上にある各コンテンツからその識別情報を生成して、リンク参照情報に含まれている固有識別子midと同じ識別情報を持つコンテンツが存在するかどうかを検索する。所望のコンテンツを発見することができたときには、所定の購入手続きなどを経て、コンテンツのダウンロードを行なう。
【0240】
図30には、WWWクライアント上で楽曲紹介サービスを受けるための動作手順をフローチャートの形式で示している。この動作は、実際にはCPUが所定のプログラム・コードを実行するという形態で実現される。
【0241】
ユーザはブラウザ画面上で表示されているリンク参照情報のアンカーをクリックしたものとする(ステップS101)。ここで言うリンク参照情報とは、ある楽曲に対する紹介やコメントなどに相当する。
【0242】
このような場合、まず、ローカル・ストレージに蓄積されているコンテンツから固有識別情報を生成して、リンク参照情報に含まれている識別情報と一致するものがあるかどうかを判別する(ステップS102)。
【0243】
ローカル・ストレージ上で該当するコンテンツを発見することができた場合には、これをローカル・ストレージから読み出す(ステップS103)。そして、リンク情報にコンテンツの再生区間の指定があるかどうかを判別する(ステップS104)。再生区間の指定がある場合には、コンテンツからその区間を探索して(ステップS105)、コンテンツの再生を行なう(ステップS106)。
【0244】
一方、コンテンツがローカル・ストレージに存在しない場合には、ネットワーク上でコンテンツを提供するサーバにおいて、リンク参照情報に含まれているコンテンツ固有識別子をキーにして、コンテンツを検索する(ステップS107)。このような場合、サーバにおいては、自身のストレージに蓄積されているコンテンツから固有識別情報を生成して、リンク参照情報に含まれている識別情報と一致するものがあるかどうかを判別する。
【0245】
サーバ上のリモート・ストレージで該当するコンテンツを発見することができた場合には、クライアントこれをリモート・ストレージから取得する(ステップS103)。そして、リンク情報にコンテンツの再生区間の指定があるかどうかを判別する(ステップS104)。再生区間の指定がある場合には、コンテンツからその区間を探索して(ステップS105)、コンテンツの再生を行なう(ステップS106)。
【0246】
このような処理によって、楽曲コンテンツなどの同じメディアを所有している人どうしでは、テキスト上のリンク参照情報によって自動的にコンテンツが再生される。したがって、このような仕組みを広域ネットワーク上に導入することにより、例えば同じ音楽を愛好している人同士の効率的で魅力的なコミュニケーションを実現することができる。
【0247】
一方、コンテンツをまだ所有していないサイトでのリンク・オープンは、コンテンツの販売を促進するようなアイコン・サンプル版の再生につながる。したがって、メールなどで気に入った楽曲を他人に薦める場合にこのような仕組みを利用することができる(ステップS108)。
【0248】
また、コンテンツがローカル・ストレージにない場合にどのサーバに検索にいくかをブラウザ毎にあらかじめ設定しておくようにしてもよい。あるいは、図31に示すように、コンテンツがない場合に検索にいくべきサーバをリンクに(例えば引数の形式で)含めるようにしてもよい。
【0249】
なお、いわゆるP2P技術を活用して、コミュニケーションをしている者同士が直接、曲のある部分を紹介し合うことも可能であり、例えばNapster、Gnuteera方式のいずれを適用することも可能である。
【0250】
以上説明してきたように、本発明によれば、メディア・コンテンツに好適に連携した共有体験をユーザに与える情報提供サービスを実現することができる。個のような情報提供サービスは、例えば以下に示すようなサービス又はビジネスに展開していくことが可能である。
(1)国会中継の映像に対するコメントの貼り付けや視聴者同士のリアルタイム・チャット
(2)スポーツ中継に対するコメントや拍手。離れていても、バーチャル共有体験で応援が可能になる。
(3)E−learningの際、同じ教材や対象物を介したコミュニケーションに活用する。
【0251】
[追補]
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0252】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、メディア・コンテンツ毎に密接に関係した情報提供サービスを行なうことができる、優れた情報提供システム及び情報提供方法、情報処理装置及び情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0253】
また、本発明によれば、同じメディア・コンテンツに関心のあるユーザ間で通信媒体を介した共有体験を実現することができる、優れた情報提供システム及び情報提供方法、情報処理装置及び情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することかできる。
【0254】
また、本発明によれば、元のメディア・コンテンツに好適に連携した共有体験を実現することができる、優れた情報提供システム及び情報提供方法、情報処理装置及び情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0255】
本発明によれば、ネットワークにデバイスが繋がることにより、各デバイスで再生される音楽や映像などのコンテンツに対して、従来のように受身で視聴するだけでなく、アクティブに関わることができる。また、同時に違う場所で同じコンテンツを視聴している人との共有体験を実現することができる。
【0256】
また、本発明によれば、興味の似ている人を自ら探し回ったり検索したりしなくても、そのときの自分の興味そのものであるコンテンツを視聴するだけで、自動的に同じコンテンツを楽しんでいる人同士が出会うことができる。
【0257】
本発明によって実現される仮想的な共有空間は、なかなか出会えない、近くにいてもお互いが同じ興味を持っていることを知り得なかった人と自動的に出会える貴重な場である。また、メジャーではなくマニアックな一部の人々に他の閉まれているコンテンツにおいてもその良さを分かり合える人と出会うことができる。
【0258】
また、本発明に係る共有空間では、同じ時に同じコンテンツを視聴している人達だけで、離れた場所の複数人がそのコンテンツを通して共有体験をすることができる。
【0259】
興味の近い人(すなわち、音楽や映画など同じコンテンツを楽しんでいた人)からの推奨は、まさにその人の趣味にフィットするコンテンツとの出会いを促す。趣味を同じくする人からの推奨は、まったく意外なコンテンツ、でも試してみるととっても気に入るコンテンツというような、同様の購入パターンを示す人のデータをベースとした機械的なレコメンデーション・システムでは難しいとされている出会いのきっかけを与えることができ、ユーザは自分の新たな興味を引き出すことができる。
【0260】
本発明によれば、出会い後のさまざまな行為「コミュニケーション」、「コンテンツの特定部位への情報追加」、「イベント参加」、「推奨→購入」は、ユーザのその時の思いに従って巡ることができる。コミュニケーションはコミュニケーション・サイト、購入はショッピング・サイトというように目的をまず決めて訪問するのではなく、人の自然な好意にフィットするシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に供されるネットワーク・コンピューティング・システム1の構成を模式的に示した図である。
【図2】ネットワーク1上でサーバ又はクライアントとして動作するコンピュータ・システム500のハードウェア構成を模式的に示した図である。
【図3】同じ音楽や映像(すなわち同じ識別子を持つオブジェクト)を利用している(または利用したことがある)ユーザ同士がネットワーク1上の仮想的な共有世界で引き合わされる仕組みを模式的に示した図である。
【図4】ユーザ同士がネットワーク1上の仮想的な共有世界で引き合わされるという動作を実現するためのクライアント及びサーバの機能構成を模式的に示した図である。
【図5】楽曲再生データベースの構成を模式的に示した図である。
【図6】楽曲データ・データベースの構成を模式的に示した図である。
【図7】ユーザ同士がネットワーク1上の仮想的な共有世界で引き合わされるという動作を実現するために、クライアントにおいて実行される処理手順をフローチャートの形式で示した図である。
【図8】ユーザ同士がネットワーク1上の仮想的な共有世界で引き合わされるという動作を実現するために、サーバにおいて実行される処理手順をフローチャートの形式で示した図である。
【図9】同じコンテンツに興味を持ったもの同士で掲示板やチャットなどを利用するための仕組みを模式的に示した図である。
【図10】コンテンツを再生中のクライアント装置上での表示画面の構成例を示した図である。
【図11】同じ音楽や映像を利用しているユーザ同士がネットワーク1上の仮想的な共有世界で引き合わされることによって得られる効果を説明するための図である。
【図12】同じコンテンツを楽しんでいるユーザ同士をチャットなどの仮想共有空間に引き込んでコミュニケーションへ導くための画面構成例を示した図である。
【図13】日本地図や世界地図の表示画面上で音楽や映像など同じコンテンツに接している人の所在を確認することにより、仮想的な共有世界でユーザ同士を引き合わせるという動作を実現するためのクライアント及びサーバの機能構成を模式的に示した図である。
【図14】ユーザ情報データベースの構成を模式的に示した図である。
【図15】日本地図や世界地図の表示画面上で音楽や映像など同じコンテンツに接している人の所在を確認することにより仮想的な共有世界でユーザ同士を引き合わせるという動作を実現するために、クライアントにおいて実行される処理手順を示したフローチャートである。
【図16】日本地図や世界地図の表示画面上で音楽や映像など同じコンテンツに接している人の所在を確認することにより仮想的な共有世界でユーザ同士を引き合わせるという動作を実現するために、サーバにおいて実行される処理手順を示したフローチャートである。
【図17】再生中の楽曲コンテンツに拍手やパーカッションなどの情報を付加する様子を示した図である。
【図18】ユーザが視聴している音楽や映像などのコンテンツに対して、さまざまな情報を貼り付けるという動作を実現するためのクライアント及びサーバの機能構成を模式的に示した図である。
【図19】ユーザが視聴している音楽や映像などのコンテンツに対してさまざまな情報を貼り付けるという動作を実現するために、クライアントにおいて実行される処理手順を示したフローチャートである。
【図20】ユーザが視聴している音楽や映像などのコンテンツに対してさまざまな情報を貼り付けるという動作を実現するために、サーバにおいて実行される処理手順を示したフローチャートである。
【図21】イベントを起動するために必要な一定人数に到達するまで、あと何人という表示がなされる画面の構成例を示した図である。
【図22】同じメディア・コンテンツを同時に視聴しているユーザが一定人数以上に到達すると、イベントを発生して、その人達が同時に新たな体験をするという動作を実現するためのクライアント及びサーバの機能構成を模式的に示した図である。
【図23】同じメディア・コンテンツを同時に視聴しているユーザが一定人数以上に到達するとイベントを発生して、その人達が同時に新たな体験をするという動作を実現するために、クライアントにおいて実行される処理手順を示したフローチャートである。
【図24】同じメディア・コンテンツを同時に視聴しているユーザが一定人数以上に到達するとイベントを発生して、その人達が同時に新たな体験をするという動作を実現するために、サーバにおいて実行される処理手順を示したフローチャートである。
【図25】My Favorite機能を実現するためのクライアント及びサーバの機能構成を模式的に示した図である。
【図26】同じメディア・コンテンツを同時に視聴しているユーザ間でMy Favorite機能を実現するために、クライアントにおいて実行される処理手順を示したフローチャートである。
【図27】同じメディア・コンテンツを同時に視聴しているユーザ間でMy Favorite機能を実現するために、サーバにおいて実行される処理手順を示したフローチャートである。
【図28】部位IDを利用した楽曲紹介サービスの仕組みを模式的に示した図である。
【図29】楽曲紹介に関するリンク参照情報の一例を示した図である。
【図30】WWWクライアント上で楽曲紹介サービスを受けるための動作手順を示したフローチャートである。
【図31】コンテンツがローカル・ストレージにない場合に検索に行くべきサーバを引数に持つリンク参照情報の構成例を示した図である。
【符号の説明】
1…ネットワーク・コンピューティング・システム
10…インターネット
20…小規模ネットワーク(LAN)
21…ルータ
25…WWWサーバ
26…メール・サーバ
30…公衆電話網
40…ゲートウェイ・システム
51…コンテンツ再生部,52…ユーザ・インターフェース
53…コンテンツ取得部,54…メディア読み取り部
55…コンテンツ蓄積部,56…コンテンツID抽出部
57…端末ID保持部,58…メッセージ生成部
59…メッセージ送受信部,60…メッセージ解析部
61…楽曲データ蓄積部
62…メッセージ受信部,63…メッセージ解析部
64…データベース管理部,65…楽曲再生データベース
66…楽曲データ・データベース,67…メッセージ生成部
100…ユーザ・コンピュータ(クライアント)
Claims (36)
- コンテンツを視聴するユーザに情報を提供する情報提供システムであって、
同じコンテンツを視聴するユーザであるかどうかを判別するコンテンツ利用ユーザ判別手段と、
同じコンテンツを視聴するユーザが情報交換するための共有空間を提供する共有空間提供手段と、
を具備することを特徴とする情報提供システム。 - 前記コンテンツ利用ユーザ判別手段は、各ユーザから送られてくる利用コンテンツの識別情報とユーザ端末の識別情報の組み合わせを参照することにより同じコンテンツを視聴するユーザであるかどうかを判別する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。 - コンテンツの識別情報は、コンテンツの所定位置からあらかじめ定められた間隔で抽出される複数のサンプリング点において複数の周波数成分毎に得たパワー・スペクトルからなる特徴ベクトルを利用して生成される、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報提供システム。 - 前記共有空間提供手段は、同じコンテンツを利用中の各ユーザに対してコンテンツに関連する情報を提供する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。 - 前記共有空間提供手段は、同じコンテンツを利用中のユーザの所在地を記した地図表示データを各ユーザに提供する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。 - 前記共有空間提供手段は、該ユーザの所在地を記した地図表示を介したユーザからの要求に応答して、指定されたユーザ間のリアルタイム・コミュニケーションを実行する、
ことを特徴とする請求項5に記載の情報提供システム。 - 前記共有空間提供手段は、同じコンテンツを利用中のユーザ数を計数して、該ユーザ数が所定値に到達したことに応答して、各ユーザに所定のイベントを発する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。 - 前記共有空間提供手段は、前記所定値に到達するまでの人数をユーザに通知する、
ことを特徴とする請求項7に記載の情報提供システム。 - 前記共有空間提供手段は、再生中のコンテンツに関する付加情報をユーザから受信して、コンテンツ及び/又はコンテンツの再生位置と関連付けて保管する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
- 前記共有空間提供手段は、同じコンテンツを利用する他のユーザに該付加情報を提供する、
ことを特徴とする請求項9に記載の情報提供システム。 - コンテンツを視聴するユーザに情報を提供する情報提供方法であって、
同じコンテンツを視聴するユーザであるかどうかを判別するコンテンツ利用ユーザ判別ステップと、
同じコンテンツを視聴するユーザが情報交換するための共有空間を提供する共有空間提供ステップと、
を具備することを特徴とする情報提供方法。 - 前記コンテンツ利用ユーザ判別ステップでは、各ユーザから送られてくる利用コンテンツの識別情報とユーザ端末の識別情報の組み合わせを参照することにより同じコンテンツを視聴するユーザであるかどうかを判別する、
ことを特徴とする請求項11に記載の情報提供方法。 - コンテンツの識別情報は、コンテンツの所定位置からあらかじめ定められた間隔で抽出される複数のサンプリング点において複数の周波数成分毎に得たパワー・スペクトルからなる特徴ベクトルを利用して生成される、
ことを特徴とする請求項12に記載の情報提供方法。 - 前記共有空間提供ステップでは、同じコンテンツを利用中の各ユーザに対してコンテンツに関連する情報を提供する、
ことを特徴とする請求項11に記載の情報提供方法。 - 前記共有空間提供ステップでは、同じコンテンツを利用中のユーザの所在地を記した地図表示データを各ユーザに提供する、
ことを特徴とする請求項11に記載の情報提供方法。 - 前記共有空間提供ステップでは、該ユーザの所在地を記した地図表示を介したユーザからの要求に応答して、指定されたユーザ間のリアルタイム・コミュニケーションを実行する、
ことを特徴とする請求項15に記載の情報提供方法。 - 前記共有空間提供ステップでは、同じコンテンツを利用中のユーザ数を計数して、該ユーザ数が所定値に到達したことに応答して、各ユーザに所定のイベントを発する、
ことを特徴とする請求項11に記載の情報提供方法。 - 前記共有空間提供ステップでは、前記所定値に到達するまでの人数をユーザに通知する、
ことを特徴とする請求項17に記載の情報提供方法。 - 前記共有空間提供ステップでは、再生中のコンテンツに関する付加情報をユーザから受信して、コンテンツ及び/又はコンテンツの再生位置と関連付けて保管する、
ことを特徴とする請求項11に記載の情報提供方法。 - 前記共有空間提供ステップでは、同じコンテンツを利用する他のユーザに該付加情報を提供する、
ことを特徴とする請求項19に記載の情報提供方法。 - コンテンツ視聴に連携したサービスを利用するための情報処理装置であって、
コンテンツを再生するコンテンツ再生手段と、
再生中のコンテンツからコンテンツ識別情報を取得するコンテンツ識別情報抽出手段と、
当該装置自身の端末識別情報を保持する端末識別情報保持手段と、
コンテンツ識別情報と端末識別情報を含んだメッセージを通知する識別情報通知手段と、
を具備することを特徴とする情報処理装置。 - 前記コンテンツ識別情報抽出手段は、再生コンテンツの所定位置からあらかじめ定められた間隔で抽出される複数のサンプリング点において複数の周波数成分毎に得たパワー・スペクトルからなる特徴ベクトルを利用してコンテンツの識別情報を生成する、
ことを特徴とする請求項21に記載の情報処理装置。 - 前記の識別情報の通知に応答してコンテンツに関連する情報を受信するコンテンツ関連情報受信手段と、
該受信したコンテンツ関連情報をユーザに提示するコンテンツ関連情報提示手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項21に記載の情報処理装置。 - 前記コンテンツ関連情報受信手段は、同じコンテンツを利用中のユーザの所在地を記した地図表示データを受信し、
前記コンテンツ関連情報提示手段は、該地図表示データを表示出力し、
該地図の表示画面を介して選択されたユーザとのリアルタイム・コミュニケーションを要求するコミュニケーション要求手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項23に記載の情報処理装置。 - 前記コンテンツ関連情報受信手段は、同じコンテンツを利用中のユーザ数の計数結果に関する画面情報を受信し、
前記コンテンツ関連情報提示手段は、該同じコンテンツを利用中のユーザ数の計数結果に関する画面情報を表示出力する、
ことを特徴とする請求項23に記載の情報処理装置。 - 前記コンテンツ関連情報受信手段は、同じコンテンツを利用中のユーザ数を計数して該ユーザ数が所定値に到達したことに応じて生成されるイベント情報を受信し、
前記コンテンツ関連情報提示手段は該イベント情報を表示出力する、
ことを特徴とする請求項23に記載の情報処理装置。 - 再生中のコンテンツに対する付加情報を入力する付加情報入力手段と、
該入力された付加情報を通知する付加情報通知手段とをさらに備え、
前記コンテンツ関連情報受信手段は付加情報が反映されたコンテンツ関連情報を受信し、前記コンテンツ関連情報提示手段はこれを表示出力する、
ことを特徴とする請求項23に記載の情報処理装置。 - コンテンツ視聴に連携したサービスを利用するための情報処理方法であって、
コンテンツを再生するコンテンツ再生ステップと、
再生中のコンテンツからコンテンツ識別情報を取得するコンテンツ識別情報抽出ステップと、
コンテンツ識別情報と当該装置自身の端末識別情報を含んだメッセージを通知する識別情報通知ステップと、
を具備することを特徴とする情報処理方法。 - 前記コンテンツ識別情報抽出ステップでは、再生コンテンツの所定位置からあらかじめ定められた間隔で抽出される複数のサンプリング点において複数の周波数成分毎に得たパワー・スペクトルからなる特徴ベクトルを利用してコンテンツの識別情報を生成する、
ことを特徴とする請求項28に記載の情報処理方法。 - 前記の識別情報の通知に応答してコンテンツに関連する情報を受信するコンテンツ関連情報受信ステップと、
該受信したコンテンツ関連情報をユーザに提示するコンテンツ関連情報提示ステップと、
をさらに備えることを特徴とする請求項28に記載の情報処理方法。 - 前記コンテンツ関連情報受信ステップでは、同じコンテンツを利用中のユーザの所在地を記した地図表示データを受信し、
前記コンテンツ関連情報提示ステップでは、該地図表示データを表示出力し、該地図の表示画面を介して選択されたユーザとのリアルタイム・コミュニケーションを要求するコミュニケーション要求ステップをさらに備える、
ことを特徴とする請求項30に記載の情報処理方法。 - 前記コンテンツ関連情報受信ステップでは、同じコンテンツを利用中のユーザ数の計数結果に関する画面情報を受信し、
前記コンテンツ関連情報提示ステップでは、該同じコンテンツを利用中のユーザ数の計数結果に関する画面情報を表示出力する、
ことを特徴とする請求項30に記載の情報処理方法。 - 前記コンテンツ関連情報受信ステップでは、同じコンテンツを利用中のユーザ数を計数して、該ユーザ数が所定値に到達したことに応じて生成されるイベント情報を受信し、
前記コンテンツ関連情報提示ステップでは該イベント情報を表示出力する、
ことを特徴とする請求項30に記載の情報処理方法。 - 再生中のコンテンツに対する付加情報を入力する付加情報入力ステップと、
該入力された付加情報を通知する付加情報通知ステップとをさらに備え、
前記コンテンツ関連情報受信ステップでは付加情報が反映されたコンテンツ関連情報を受信し、前記コンテンツ関連情報提示ステップではこれを表示出力する、
ことを特徴とする請求項28に記載の情報処理方法。 - コンテンツを視聴するユーザに情報を提供するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
同じコンテンツを視聴するユーザであるかどうかを判別するコンテンツ利用ユーザ判別ステップと、
同じコンテンツを視聴するユーザが情報交換するための共有空間を提供する共有空間提供ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラム。 - コンテンツ視聴に連携したサービスを利用するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
コンテンツを再生するコンテンツ再生ステップと、
再生中のコンテンツからコンテンツ識別情報を取得するコンテンツ識別情報抽出ステップと、
コンテンツ識別情報と当該装置自身の端末識別情報を含んだメッセージを通知する識別情報通知ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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