JP2004047870A - 熱電モジュールの製造装置および製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁基板の電極に熱電素子を精度よく固定でき、かつその固定が安価な設備を用いた簡単な操作で行うことのできる熱電モジュールの製造装置および製造方法を提供すること。
【解決手段】熱電モジュール30を製造するための製造装置に、下側絶縁基板31を設置するための設置プレート12と、上側絶縁基板32を設置するための押圧プレート14と、設置プレート12と押圧プレート14の間を加熱するための加熱ヒータ18a,18bと、所定間隔で設けられた複数の針状の歯部24を有する櫛歯状治具20とを設けた。また、櫛歯状治具20を2個一組で構成した。さらに、設置プレート12と押圧プレート14の対向する四隅に位置合わせのためのガイド棒13を設け、櫛歯状治具20に、ガイド棒13に沿って櫛歯状治具20を取り付けるためのガイド溝23a,23bを設けた
【選択図】 図7
【解決手段】熱電モジュール30を製造するための製造装置に、下側絶縁基板31を設置するための設置プレート12と、上側絶縁基板32を設置するための押圧プレート14と、設置プレート12と押圧プレート14の間を加熱するための加熱ヒータ18a,18bと、所定間隔で設けられた複数の針状の歯部24を有する櫛歯状治具20とを設けた。また、櫛歯状治具20を2個一組で構成した。さらに、設置プレート12と押圧プレート14の対向する四隅に位置合わせのためのガイド棒13を設け、櫛歯状治具20に、ガイド棒13に沿って櫛歯状治具20を取り付けるためのガイド溝23a,23bを設けた
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペルチェ効果を利用して熱変換を行う熱電モジュールを製造するための製造装置および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ペルチェ効果を利用して熱変換を行う熱電モジュールが加熱・冷却装置等に用いられている。この熱電モジュールは、一対の絶縁基板における相対向する所定箇所に複数の電極を形成し、この相対向する電極にそれぞれ熱電素子の上下面をハンダ付けすることにより、一対の絶縁基板間に複数の熱電素子を固定して構成されている。そして、この熱電モジュールにおいては、電極と熱電素子との接合部を精度よく一致させることが重要であり、そのために種々の製造方法が開発されている。このような熱電モジュールの製造方法として、特許第2561544号公報に開示されたものがある。
【0003】
この熱電モジュールの製造方法は、まず、電極が形成された絶縁基板の上に、3枚の格子形状構造体を重ねて構成した格子治具を、格子の穴部分を電極に合わせて載せ、この格子治具の穴部分にそれぞれ熱電素子を移動可能な状態で挿入する。そして、格子治具の中の一枚の格子形状構造体を水平方向に移動させることにより、すべての熱電素子を一定方向に整列させ、その状態でハンダ付け処理を行うことにより絶縁基板に熱電素子を固定するというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の方法では、下側の絶縁基板に熱電素子を固定して、格子治具を取り外したのちに、熱電素子の上端面を上側の絶縁基板に固定するというように、二回のハンダ付け処理が必要になり、製造工程が煩雑であるという問題がある。また、格子状治具等の複雑な設備が必要になるため、コストが高くつくという問題もある。さらに、格子状治具の取り外しの際に、熱電素子を傷つけてしまうおそれもある。
【0005】
【発明の概要】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、絶縁基板の電極に熱電素子を精度よく固定でき、かつその固定が安価な設備を用いた簡単な操作で行うことのできる熱電モジュールの製造装置および製造方法を提供することである。
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明にかかる熱電モジュールの製造装置の構成上の特徴は、対向させて配置した一対の絶縁基板における対向する所定箇所に電極を形成し、対向する電極にそれぞれ熱電素子の両端面をハンダ付けすることにより、一対の絶縁基板間に複数の熱電素子を固定して熱電モジュールを製造する熱電モジュールの製造装置において、電極を露呈させた状態で一対の絶縁基板のうちの一方の絶縁基板を設置するための設置プレートと、設置プレートに着脱可能に組み付けられ、一対の絶縁基板のうちの他方の絶縁基板の電極を一方の絶縁基板の電極に対向させた状態で他方の絶縁基板を設置するための押圧プレートと、設置プレートと押圧プレートの間に着脱可能に取り付けられ、一対の絶縁基板間に固定される熱電素子の固定位置を設定するための所定間隔で設けられた複数の針状の歯部を有する櫛歯状治具と、設置プレートと押圧プレートの間に設置された一対の絶縁基板の電極と、電極間に設置された熱電素子の端面との接触部を加熱するための加熱装置とを備えたことにある。
【0007】
このように構成した本発明の熱電モジュールの製造装置においては、熱電素子を一対の絶縁基板間に整列させて取り付けるための治具として櫛歯状治具を用いている。この櫛歯状治具は、所定間隔で設けられた複数の針状の歯部を備えており、各歯部間に熱電素子を設置できるようになっている。また、各歯部間の先端側は開放された状態になっている。したがって、櫛歯状治具が取り付けられた一対の絶縁基板に、同時に、熱電素子の両端面をハンダ付けしても、固定後に、櫛歯状治具を引っ張って抜くことにより櫛歯状治具を製造された熱電モジュールから容易に取り外すことができる。このため熱電素子を櫛歯状治具の各歯部間に設置して、熱電素子を正確に位置決めした状態で、その両端面に、一対の絶縁基板を同時にハンダ付けにより固定することができる。
【0008】
また、本発明にかかる熱電モジュールの製造装置の他の構成上の特徴は、櫛歯状治具を一対で構成し、互いに直交させて配置することにより各歯部間に形成される前記熱電素子の固定位置が格子状に整列するようにしたことにある。これによると、熱電素子が左右前後に正確に位置決めされより精度のよい熱電モジュールの製造が可能になる。
【0009】
本発明にかかる熱電モジュールの製造装置のさらに他の構成上の特徴は、設置プレートと押圧プレートの対向する四隅にそれぞれ位置合わせのための棒状ガイドを設けるとともに、棒状ガイドにスライド係合が可能なガイド溝を櫛歯状治具に設けて、櫛歯状治具を棒状ガイドに沿って取り付け可能にしたことにある。これによると、櫛歯状治具を位置ずれさせることなく正確な位置に設置できるとともに、櫛歯状治具を取り外す際には、熱電素子に接触させることなくスムーズに取り外すことができる。このため、櫛歯状治具の取り付け取り外しの操作が容易になるとともに、熱電素子を傷つけることがなくなる。
【0010】
本発明にかかる熱電モジュールの製造方法の構成上の特徴は、一対の絶縁基板の電極にハンダを塗布するハンダ塗布工程と、一対の絶縁基板のうちの一方の絶縁基板に電極を露呈させた状態で、所定間隔で設けられた複数の針状の歯部を有する一対の櫛歯状治具を互いに直交させて設置する櫛歯状治具設置工程と、一対の櫛歯状治具の歯部によって格子状に整列して形成された熱電素子の固定用位置に熱電素子を設置する熱電素子設置工程と、一対の櫛歯状治具を介して一方の絶縁基板に設置された前記熱電素子に、他方の絶縁基板の電極を合わせて、一対の絶縁基板を組み付ける組付工程と、電極に塗布されたハンダを加熱して溶解したのちに冷却することにより、一対の絶縁基板と熱電素子を固定するハンダ付け工程と、各工程により形成された熱電モジュールから櫛歯状治具を取り外す櫛歯状治具取外工程とを備えたことにある。
【0011】
この熱電モジュールの製造方法においては、一対の櫛歯状治具を互いに直交させて設置するため、熱電素子の固定用位置が格子状に設定される。したがって、その設置位置に熱電素子を設置することにより、熱電素子を電極に正確に位置決めすることができる。このため、一対の絶縁基板と熱電素子との固定を精度よく行えるとともに、熱電素子と電極との固着を確実に行える。また、櫛歯状治具は、熱電素子の固定後に引っ張ることにより簡単に取り外しができるため、一対の絶縁基板と熱電素子とのハンダ付けを一回の処理で同時に行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明にかかる熱電モジュールの製造装置の本体10を示しており、図2は、熱電モジュールの製造装置が備える金属製の櫛歯状治具20を示している。熱電モジュールの製造装置の本体10は、底面部を構成する支持台11の上面に設けられた設置プレート12と、設置プレート12の上面における四隅に取り付けられて上方に延びるガイド棒13を介して、設置プレート12に組み付けられた押圧プレート14とを備えている。
【0013】
押圧プレート14の四隅には、ガイド棒13が挿通できる穴部(図示せず)が設けられており、この穴部にガイド棒13を挿通させることにより押圧プレート14は、設置プレート12に組み付けられている。そして、押圧プレート14の上面には、ブロック状の重り15が取り付けられている。また、このように構成された本体10における支持台11の下面側は加熱ヒータ18aによって加熱でき、重り15の上面側は加熱ヒータ18bによって加熱できる。これらの加熱ヒータ18a,18bは、ハンダ付けを行うためのリフロー炉(図示せず)に設けられており、搬送装置によってリフロー炉内を搬送される本体10を加熱するためのものである。
【0014】
櫛歯状治具20は、図2に示したように、外側部分が平面視コ字状の基部21で構成されている。この基部21は、所定間隔を保って平行に延びる外側ガイド片21a,21bと、外側ガイド片21a,21bの基端部を連結する連結片21cとで構成されており、連結片21cの内側部から、それぞれ外側ガイド片21a,21bと所定間隔を保って平行に、内側ガイド片22a,22bが延びている。外側ガイド片21aと内側ガイド片22aの間および外側ガイド片21bと内側ガイド片22bの間には、それぞれガイド棒13が挿通できる幅のガイド溝23a,23bが形成されている。
【0015】
そして、連結片21cの内側部における内側ガイド片22a,22bの間には、細い針状の歯部24が、内側ガイド片22a等と平行して複数個設けられている。この歯部24は、根元側の幅広部24aと先端側の幅狭部24bとで構成されており、幅広部24aの幅は所定幅(例えば、150μm)に設定され、幅狭部24bの幅は幅広部24aの幅の略1/2に設定されている。また、各歯部24間の間隔は所定幅(例えば、1.25mm)に設定されており、その先端側は開放されている。また、この櫛歯状治具20は2個一組で使用される。この場合、2個の櫛歯状治具20は互いに直交して設置プレート12と押圧プレート14の間に設置され、互いの歯部24で平面視四角状の空間部を格子状に整列させた状態で形成する。
【0016】
図3は、熱電モジュールの製造装置を用いて製造される熱電モジュール30を示している。この熱電モジュール30は、下側絶縁基板31と上側絶縁基板32とからなる一対の絶縁基板を備えており、下側絶縁基板31の上面における所定部分に電極33が取り付けられ、上側絶縁基板32の下面における所定部分に電極34が取り付けられている。そして、本発明の熱電素子であるP型熱電素子35aとN型熱電素子35bが、それぞれ下端面を電極33にハンダ付けにより固定され、上端面を電極34にハンダ付けにより固定されて下側絶縁基板31と上側絶縁基板32を一体的に連結している。
【0017】
電極33と電極34は、一断面から見たとき、それぞれP型熱電素子35aまたはN型熱電素子35bの略一個分に等しい距離をずらして取り付けられている。下側基板31の電極33には、P型熱電素子35aまたはN型熱電素子35bの一端面だけが接合されるものと、P型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bのそれぞれ一端面が接合されるものとがあり、一端面だけが接合される電極33は少なくとも2個以上設けられ、図示しないリード線またはポスト電極を介したワイヤーが取り付けられ、外部から通電可能になっている。
【0018】
下側絶縁基板31および上側絶縁基板32は、アルミナで構成され、電極33,34は薄い銅板で構成されている。また、P型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bは、直方体に形成されたビスマス・テルル系の合金からなり、端部表面には、ハンダ濡れ性改善のためにニッケルとすずのメッキが施されている。このP型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bは、上下の端面における縦横の幅がともに所定値(例えば、1mm)に設定され、高さ(長さ)が所定値(例えば、2mm)に設定されている。また、このP型熱電素子35aとN型熱電素子35bは、下側絶縁基板31と上側絶縁基板32の間で交互に配置されて電極33,34を介して直列に接続されている。
【0019】
つぎに、以上のように構成した熱電モジュールの製造装置を用いて、熱電モジュール30を製造する方法について説明する。熱電モジュール30の製造に際しては、まず、図4に示すように、支持台11の上面に設置プレート12を取り付けるとともに、設置プレート12の上面に、粘着剤16を塗布する。そして、粘着剤16が塗布された設置プレート12の上面に、下側絶縁基板31を設置して粘着剤16によって固定する。この場合、下側絶縁基板31の上面には予め電極33を取り付けておくとともに、電極33の表面にクリームハンダを印刷によって塗布しておく。また、粘着剤16としては、ポリイミドテープや粘着用のフラックス等の比較的粘着力が小さく、後の処理で、下側絶縁基板31を設置プレート12から取り外し易いものを用いる。
【0020】
つぎに、図5および図6に示すように、下側絶縁基板31の上面に、一対の櫛歯状治具20を重ねて取り付ける。この場合、櫛歯状治具20のガイド溝23a,23b内にそれぞれ2個のガイド棒13を位置決めするようにして、一対の櫛歯状治具20を互いに直交させて上下に取り付ける。これによって、下側絶縁基板31の上面には、一対の櫛歯状治具20の歯部24で囲まれた各辺の長さが所定値(例えば1mm強)の四角形の空間部が格子状に並んで形成される。この場合、電極33が歯部24で形成される空間部に位置するように、下側絶縁基板31および一対の櫛歯状治具20は設置プレート12に設置される。
【0021】
ついで、図7及び図8に示すように、歯部24で形成される空間部に、P型熱電素子35aとN型熱電素子35bを交互に挿入して、下側絶縁基板31の電極33上に仮置きする。つぎに、押圧プレート14の下面に、粘着剤16と同じ粘着剤17を塗布してその粘着剤17の粘着力によって上側絶縁基板32を貼り付ける。この上側絶縁基板32の下面には予め電極34を取り付けておくとともに、電極34の表面にクリームハンダを印刷によって塗布しておく。
【0022】
そして、図9に示すように、上側絶縁基板32が取り付けられた押圧プレート14を、下側絶縁基板31が取り付けられた設置プレート12の上側に組み付ける。この組み付けは、押圧プレート14の四隅に設けられた穴部にガイド棒13を挿通させることによって行われ、これによって、上側絶縁基板32の電極34は、それぞれ対応するP型熱電素子35aとN型熱電素子35bの上端面上に仮置きされる。
【0023】
つぎに、図10に示すように、押圧プレート14の上面に重り15を載せて、押圧プレート14を設置プレート12側に押圧することにより、P型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bの上下の端面と、電極33,34との接触を確実にする。その状態で、P型熱電素子35a、N型熱電素子35bおよび一対の櫛歯状治具20が組み付けられた本体10をリフロー炉の中に入れ、加熱ヒータ18a,18bで加熱する。これによって、電極33,34に予め印刷されていたクリームハンダが溶解して、各P型熱電素子35a、N型熱電素子35bの上下の端面と電極33,34との間を密接状態で接触させる。
【0024】
そして、一対の櫛歯状治具20等が組み付けられた本体10をリフロー炉から出して放冷することにより、クリームハンダを冷却固化させて、各P型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bの上下の端面と電極33,34を固着させる。これによって、熱電モジュール30が形成される。つぎに、図11に示すように、押圧プレート14上から重り15を取り外すとともに、設置プレート12を押圧プレート14等とともに、支持台11から取り外す。
【0025】
ついで、連結片21cを各プレート面と平行な方向に引っ張ることによって、一対の櫛歯状治具20を設置プレート12等からそれぞれ抜き取る。この場合、櫛歯状治具20のガイド溝23a,23bを、それぞれ2個のガイド棒13に沿わせて櫛歯状治具20が移動するため、櫛歯状治具20の歯部24が、P型熱電素子35aやN型熱電素子35bに強く接触して、P型熱電素子35aやN型熱電素子35bを破損させることがない。
【0026】
そして、設置プレート12から押圧プレート14を取り外すとともに、形成された熱電モジュール30を設置プレート12から取り外すことにより、図3に示した熱電モジュール30が得られる。なお、設置プレート12から押圧プレート14を取り外す際、粘着剤17の粘着力が小さいため、押圧プレート14は熱電モジュール30から容易に取り外すことができ、熱電モジュール30を設置プレート12から取り外す際も、粘着剤16の粘着力が小さいため、設置プレート12から熱電モジュール30を容易に取り外すことができる。
【0027】
このように、この実施形態によれば、一対の櫛歯状治具20を用いて、P型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bを設置するための複数の空間部を、下側絶縁基板31の上面に、格子状に形成することができる。したがって、その空間部内にP型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bを挿入することにより、下側絶縁基板31の上面に整列状態でP型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bを取り付けることができる。これによって、P型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bと電極33,34との接合部に位置ずれのない、精度のよい熱電モジュール30の製造が可能になる。
【0028】
また、櫛歯状治具20を使用することによって、下側絶縁基板31の電極33とP型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bの下端面とのハンダ付け、および上側絶縁基板32の電極34とP型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bの上端面とのハンダ付けを同時に行うことができる。これによって、ハンダ付けの処理工程が大幅に簡略化できる。
【0029】
また、櫛歯状治具20は、連結片21cを引っ張るだけで取り外すことができ、その際、ガイド棒13とガイド溝23a,23bの係合によって、P型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bの列と正確に平行する方向に歯部24を抜き取ることができる。この結果、歯部24がP型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bと強く接触してP型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bを破損させるといったことが生じない。
【0030】
また、櫛歯状治具20の歯部24は、先端部が幅狭部24bに形成されている。このため、例えば、櫛歯状治具20を取り付けてから熱電素子を設置する場合には、幅狭部の櫛歯状治具20を直交させておけば、熱電素子1個を設置する空間が大きくなるので熱電素子の設置が容易になる。一方、櫛歯状治具20を取り付ける前に熱電素子を設置する場合には、熱電素子を一方の基板上に配置したのち、2本の櫛歯状治具をそれぞれ直交する向きに、幅広部に熱電素子が接するまで押し込む。すると、接合の際の加熱工程においても、ハンダ溶融に伴い熱電素子が動くことなく、精度良く設置できる。さらに、櫛歯状治具20は、使用後に取り外して繰り返し使用することができるためコストの低下が図れる。
【0031】
また、前述した実施形態では、押圧プレート14の上面に重り15を載せるようにしているため、押圧プレート14を設置プレート12側に押圧するための加圧装置が不要になる。これによって、装置の簡略化が図れる。また、前述した実施形態では、櫛歯状治具20を二個一組として用いているが、治具代の節約や作業数を減らす目的で、この櫛歯状治具20は1個だけで使用することもできる。さらに、前記実施形態では、加熱装置をリフロー炉が備える加熱ヒータ18a,18bとしているが、このヒータは、支持台11および重り15に内蔵させてもよいし、設置プレート12および押圧プレート14に内蔵させてもよいし、炉ではなく、少なくとも接触部が加熱できるスポットの加熱器具としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による熱電モジュールの製造装置の本体を示す正面図である。
【図2】熱電モジュールの製造装置が備える櫛歯状治具を示す平面図である。
【図3】熱電モジュールを示す正面図である。
【図4】設置プレート上に下側絶縁基板を取り付けた状態を示す正面図である。
【図5】下側絶縁基板の上に一対の櫛歯状治具を取り付けた状態を示す平面図である。
【図6】図5のVI―VI断面図である。
【図7】一対の櫛歯状治具が取り付けられた下側絶縁基板の上面にP型熱電素子およびN型熱電素子を仮置きした状態を示す平面図である。
【図8】図7のVIII―VIII断面図である。
【図9】図8の設置プレートの上に押圧プレートを組み付けた状態を示す断面図である。
【図10】図9の押圧プレートの上に重りを載せた状態を示す断面図である。
【図11】熱電モジュールが組み込まれた設置プレート等を、支持台から取り外した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10…本体、12…設置プレート、14…押圧プレート、18a,18b…加熱ヒータ、20…櫛歯状治具、23a,23b…ガイド溝、24…歯部、30…熱電モジュール、31…下側絶縁基板、32…上側熱電基板、33,34…電極、35a…P型熱電素子、35b…N型熱電素子。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペルチェ効果を利用して熱変換を行う熱電モジュールを製造するための製造装置および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ペルチェ効果を利用して熱変換を行う熱電モジュールが加熱・冷却装置等に用いられている。この熱電モジュールは、一対の絶縁基板における相対向する所定箇所に複数の電極を形成し、この相対向する電極にそれぞれ熱電素子の上下面をハンダ付けすることにより、一対の絶縁基板間に複数の熱電素子を固定して構成されている。そして、この熱電モジュールにおいては、電極と熱電素子との接合部を精度よく一致させることが重要であり、そのために種々の製造方法が開発されている。このような熱電モジュールの製造方法として、特許第2561544号公報に開示されたものがある。
【0003】
この熱電モジュールの製造方法は、まず、電極が形成された絶縁基板の上に、3枚の格子形状構造体を重ねて構成した格子治具を、格子の穴部分を電極に合わせて載せ、この格子治具の穴部分にそれぞれ熱電素子を移動可能な状態で挿入する。そして、格子治具の中の一枚の格子形状構造体を水平方向に移動させることにより、すべての熱電素子を一定方向に整列させ、その状態でハンダ付け処理を行うことにより絶縁基板に熱電素子を固定するというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の方法では、下側の絶縁基板に熱電素子を固定して、格子治具を取り外したのちに、熱電素子の上端面を上側の絶縁基板に固定するというように、二回のハンダ付け処理が必要になり、製造工程が煩雑であるという問題がある。また、格子状治具等の複雑な設備が必要になるため、コストが高くつくという問題もある。さらに、格子状治具の取り外しの際に、熱電素子を傷つけてしまうおそれもある。
【0005】
【発明の概要】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、絶縁基板の電極に熱電素子を精度よく固定でき、かつその固定が安価な設備を用いた簡単な操作で行うことのできる熱電モジュールの製造装置および製造方法を提供することである。
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明にかかる熱電モジュールの製造装置の構成上の特徴は、対向させて配置した一対の絶縁基板における対向する所定箇所に電極を形成し、対向する電極にそれぞれ熱電素子の両端面をハンダ付けすることにより、一対の絶縁基板間に複数の熱電素子を固定して熱電モジュールを製造する熱電モジュールの製造装置において、電極を露呈させた状態で一対の絶縁基板のうちの一方の絶縁基板を設置するための設置プレートと、設置プレートに着脱可能に組み付けられ、一対の絶縁基板のうちの他方の絶縁基板の電極を一方の絶縁基板の電極に対向させた状態で他方の絶縁基板を設置するための押圧プレートと、設置プレートと押圧プレートの間に着脱可能に取り付けられ、一対の絶縁基板間に固定される熱電素子の固定位置を設定するための所定間隔で設けられた複数の針状の歯部を有する櫛歯状治具と、設置プレートと押圧プレートの間に設置された一対の絶縁基板の電極と、電極間に設置された熱電素子の端面との接触部を加熱するための加熱装置とを備えたことにある。
【0007】
このように構成した本発明の熱電モジュールの製造装置においては、熱電素子を一対の絶縁基板間に整列させて取り付けるための治具として櫛歯状治具を用いている。この櫛歯状治具は、所定間隔で設けられた複数の針状の歯部を備えており、各歯部間に熱電素子を設置できるようになっている。また、各歯部間の先端側は開放された状態になっている。したがって、櫛歯状治具が取り付けられた一対の絶縁基板に、同時に、熱電素子の両端面をハンダ付けしても、固定後に、櫛歯状治具を引っ張って抜くことにより櫛歯状治具を製造された熱電モジュールから容易に取り外すことができる。このため熱電素子を櫛歯状治具の各歯部間に設置して、熱電素子を正確に位置決めした状態で、その両端面に、一対の絶縁基板を同時にハンダ付けにより固定することができる。
【0008】
また、本発明にかかる熱電モジュールの製造装置の他の構成上の特徴は、櫛歯状治具を一対で構成し、互いに直交させて配置することにより各歯部間に形成される前記熱電素子の固定位置が格子状に整列するようにしたことにある。これによると、熱電素子が左右前後に正確に位置決めされより精度のよい熱電モジュールの製造が可能になる。
【0009】
本発明にかかる熱電モジュールの製造装置のさらに他の構成上の特徴は、設置プレートと押圧プレートの対向する四隅にそれぞれ位置合わせのための棒状ガイドを設けるとともに、棒状ガイドにスライド係合が可能なガイド溝を櫛歯状治具に設けて、櫛歯状治具を棒状ガイドに沿って取り付け可能にしたことにある。これによると、櫛歯状治具を位置ずれさせることなく正確な位置に設置できるとともに、櫛歯状治具を取り外す際には、熱電素子に接触させることなくスムーズに取り外すことができる。このため、櫛歯状治具の取り付け取り外しの操作が容易になるとともに、熱電素子を傷つけることがなくなる。
【0010】
本発明にかかる熱電モジュールの製造方法の構成上の特徴は、一対の絶縁基板の電極にハンダを塗布するハンダ塗布工程と、一対の絶縁基板のうちの一方の絶縁基板に電極を露呈させた状態で、所定間隔で設けられた複数の針状の歯部を有する一対の櫛歯状治具を互いに直交させて設置する櫛歯状治具設置工程と、一対の櫛歯状治具の歯部によって格子状に整列して形成された熱電素子の固定用位置に熱電素子を設置する熱電素子設置工程と、一対の櫛歯状治具を介して一方の絶縁基板に設置された前記熱電素子に、他方の絶縁基板の電極を合わせて、一対の絶縁基板を組み付ける組付工程と、電極に塗布されたハンダを加熱して溶解したのちに冷却することにより、一対の絶縁基板と熱電素子を固定するハンダ付け工程と、各工程により形成された熱電モジュールから櫛歯状治具を取り外す櫛歯状治具取外工程とを備えたことにある。
【0011】
この熱電モジュールの製造方法においては、一対の櫛歯状治具を互いに直交させて設置するため、熱電素子の固定用位置が格子状に設定される。したがって、その設置位置に熱電素子を設置することにより、熱電素子を電極に正確に位置決めすることができる。このため、一対の絶縁基板と熱電素子との固定を精度よく行えるとともに、熱電素子と電極との固着を確実に行える。また、櫛歯状治具は、熱電素子の固定後に引っ張ることにより簡単に取り外しができるため、一対の絶縁基板と熱電素子とのハンダ付けを一回の処理で同時に行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明にかかる熱電モジュールの製造装置の本体10を示しており、図2は、熱電モジュールの製造装置が備える金属製の櫛歯状治具20を示している。熱電モジュールの製造装置の本体10は、底面部を構成する支持台11の上面に設けられた設置プレート12と、設置プレート12の上面における四隅に取り付けられて上方に延びるガイド棒13を介して、設置プレート12に組み付けられた押圧プレート14とを備えている。
【0013】
押圧プレート14の四隅には、ガイド棒13が挿通できる穴部(図示せず)が設けられており、この穴部にガイド棒13を挿通させることにより押圧プレート14は、設置プレート12に組み付けられている。そして、押圧プレート14の上面には、ブロック状の重り15が取り付けられている。また、このように構成された本体10における支持台11の下面側は加熱ヒータ18aによって加熱でき、重り15の上面側は加熱ヒータ18bによって加熱できる。これらの加熱ヒータ18a,18bは、ハンダ付けを行うためのリフロー炉(図示せず)に設けられており、搬送装置によってリフロー炉内を搬送される本体10を加熱するためのものである。
【0014】
櫛歯状治具20は、図2に示したように、外側部分が平面視コ字状の基部21で構成されている。この基部21は、所定間隔を保って平行に延びる外側ガイド片21a,21bと、外側ガイド片21a,21bの基端部を連結する連結片21cとで構成されており、連結片21cの内側部から、それぞれ外側ガイド片21a,21bと所定間隔を保って平行に、内側ガイド片22a,22bが延びている。外側ガイド片21aと内側ガイド片22aの間および外側ガイド片21bと内側ガイド片22bの間には、それぞれガイド棒13が挿通できる幅のガイド溝23a,23bが形成されている。
【0015】
そして、連結片21cの内側部における内側ガイド片22a,22bの間には、細い針状の歯部24が、内側ガイド片22a等と平行して複数個設けられている。この歯部24は、根元側の幅広部24aと先端側の幅狭部24bとで構成されており、幅広部24aの幅は所定幅(例えば、150μm)に設定され、幅狭部24bの幅は幅広部24aの幅の略1/2に設定されている。また、各歯部24間の間隔は所定幅(例えば、1.25mm)に設定されており、その先端側は開放されている。また、この櫛歯状治具20は2個一組で使用される。この場合、2個の櫛歯状治具20は互いに直交して設置プレート12と押圧プレート14の間に設置され、互いの歯部24で平面視四角状の空間部を格子状に整列させた状態で形成する。
【0016】
図3は、熱電モジュールの製造装置を用いて製造される熱電モジュール30を示している。この熱電モジュール30は、下側絶縁基板31と上側絶縁基板32とからなる一対の絶縁基板を備えており、下側絶縁基板31の上面における所定部分に電極33が取り付けられ、上側絶縁基板32の下面における所定部分に電極34が取り付けられている。そして、本発明の熱電素子であるP型熱電素子35aとN型熱電素子35bが、それぞれ下端面を電極33にハンダ付けにより固定され、上端面を電極34にハンダ付けにより固定されて下側絶縁基板31と上側絶縁基板32を一体的に連結している。
【0017】
電極33と電極34は、一断面から見たとき、それぞれP型熱電素子35aまたはN型熱電素子35bの略一個分に等しい距離をずらして取り付けられている。下側基板31の電極33には、P型熱電素子35aまたはN型熱電素子35bの一端面だけが接合されるものと、P型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bのそれぞれ一端面が接合されるものとがあり、一端面だけが接合される電極33は少なくとも2個以上設けられ、図示しないリード線またはポスト電極を介したワイヤーが取り付けられ、外部から通電可能になっている。
【0018】
下側絶縁基板31および上側絶縁基板32は、アルミナで構成され、電極33,34は薄い銅板で構成されている。また、P型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bは、直方体に形成されたビスマス・テルル系の合金からなり、端部表面には、ハンダ濡れ性改善のためにニッケルとすずのメッキが施されている。このP型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bは、上下の端面における縦横の幅がともに所定値(例えば、1mm)に設定され、高さ(長さ)が所定値(例えば、2mm)に設定されている。また、このP型熱電素子35aとN型熱電素子35bは、下側絶縁基板31と上側絶縁基板32の間で交互に配置されて電極33,34を介して直列に接続されている。
【0019】
つぎに、以上のように構成した熱電モジュールの製造装置を用いて、熱電モジュール30を製造する方法について説明する。熱電モジュール30の製造に際しては、まず、図4に示すように、支持台11の上面に設置プレート12を取り付けるとともに、設置プレート12の上面に、粘着剤16を塗布する。そして、粘着剤16が塗布された設置プレート12の上面に、下側絶縁基板31を設置して粘着剤16によって固定する。この場合、下側絶縁基板31の上面には予め電極33を取り付けておくとともに、電極33の表面にクリームハンダを印刷によって塗布しておく。また、粘着剤16としては、ポリイミドテープや粘着用のフラックス等の比較的粘着力が小さく、後の処理で、下側絶縁基板31を設置プレート12から取り外し易いものを用いる。
【0020】
つぎに、図5および図6に示すように、下側絶縁基板31の上面に、一対の櫛歯状治具20を重ねて取り付ける。この場合、櫛歯状治具20のガイド溝23a,23b内にそれぞれ2個のガイド棒13を位置決めするようにして、一対の櫛歯状治具20を互いに直交させて上下に取り付ける。これによって、下側絶縁基板31の上面には、一対の櫛歯状治具20の歯部24で囲まれた各辺の長さが所定値(例えば1mm強)の四角形の空間部が格子状に並んで形成される。この場合、電極33が歯部24で形成される空間部に位置するように、下側絶縁基板31および一対の櫛歯状治具20は設置プレート12に設置される。
【0021】
ついで、図7及び図8に示すように、歯部24で形成される空間部に、P型熱電素子35aとN型熱電素子35bを交互に挿入して、下側絶縁基板31の電極33上に仮置きする。つぎに、押圧プレート14の下面に、粘着剤16と同じ粘着剤17を塗布してその粘着剤17の粘着力によって上側絶縁基板32を貼り付ける。この上側絶縁基板32の下面には予め電極34を取り付けておくとともに、電極34の表面にクリームハンダを印刷によって塗布しておく。
【0022】
そして、図9に示すように、上側絶縁基板32が取り付けられた押圧プレート14を、下側絶縁基板31が取り付けられた設置プレート12の上側に組み付ける。この組み付けは、押圧プレート14の四隅に設けられた穴部にガイド棒13を挿通させることによって行われ、これによって、上側絶縁基板32の電極34は、それぞれ対応するP型熱電素子35aとN型熱電素子35bの上端面上に仮置きされる。
【0023】
つぎに、図10に示すように、押圧プレート14の上面に重り15を載せて、押圧プレート14を設置プレート12側に押圧することにより、P型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bの上下の端面と、電極33,34との接触を確実にする。その状態で、P型熱電素子35a、N型熱電素子35bおよび一対の櫛歯状治具20が組み付けられた本体10をリフロー炉の中に入れ、加熱ヒータ18a,18bで加熱する。これによって、電極33,34に予め印刷されていたクリームハンダが溶解して、各P型熱電素子35a、N型熱電素子35bの上下の端面と電極33,34との間を密接状態で接触させる。
【0024】
そして、一対の櫛歯状治具20等が組み付けられた本体10をリフロー炉から出して放冷することにより、クリームハンダを冷却固化させて、各P型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bの上下の端面と電極33,34を固着させる。これによって、熱電モジュール30が形成される。つぎに、図11に示すように、押圧プレート14上から重り15を取り外すとともに、設置プレート12を押圧プレート14等とともに、支持台11から取り外す。
【0025】
ついで、連結片21cを各プレート面と平行な方向に引っ張ることによって、一対の櫛歯状治具20を設置プレート12等からそれぞれ抜き取る。この場合、櫛歯状治具20のガイド溝23a,23bを、それぞれ2個のガイド棒13に沿わせて櫛歯状治具20が移動するため、櫛歯状治具20の歯部24が、P型熱電素子35aやN型熱電素子35bに強く接触して、P型熱電素子35aやN型熱電素子35bを破損させることがない。
【0026】
そして、設置プレート12から押圧プレート14を取り外すとともに、形成された熱電モジュール30を設置プレート12から取り外すことにより、図3に示した熱電モジュール30が得られる。なお、設置プレート12から押圧プレート14を取り外す際、粘着剤17の粘着力が小さいため、押圧プレート14は熱電モジュール30から容易に取り外すことができ、熱電モジュール30を設置プレート12から取り外す際も、粘着剤16の粘着力が小さいため、設置プレート12から熱電モジュール30を容易に取り外すことができる。
【0027】
このように、この実施形態によれば、一対の櫛歯状治具20を用いて、P型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bを設置するための複数の空間部を、下側絶縁基板31の上面に、格子状に形成することができる。したがって、その空間部内にP型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bを挿入することにより、下側絶縁基板31の上面に整列状態でP型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bを取り付けることができる。これによって、P型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bと電極33,34との接合部に位置ずれのない、精度のよい熱電モジュール30の製造が可能になる。
【0028】
また、櫛歯状治具20を使用することによって、下側絶縁基板31の電極33とP型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bの下端面とのハンダ付け、および上側絶縁基板32の電極34とP型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bの上端面とのハンダ付けを同時に行うことができる。これによって、ハンダ付けの処理工程が大幅に簡略化できる。
【0029】
また、櫛歯状治具20は、連結片21cを引っ張るだけで取り外すことができ、その際、ガイド棒13とガイド溝23a,23bの係合によって、P型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bの列と正確に平行する方向に歯部24を抜き取ることができる。この結果、歯部24がP型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bと強く接触してP型熱電素子35aおよびN型熱電素子35bを破損させるといったことが生じない。
【0030】
また、櫛歯状治具20の歯部24は、先端部が幅狭部24bに形成されている。このため、例えば、櫛歯状治具20を取り付けてから熱電素子を設置する場合には、幅狭部の櫛歯状治具20を直交させておけば、熱電素子1個を設置する空間が大きくなるので熱電素子の設置が容易になる。一方、櫛歯状治具20を取り付ける前に熱電素子を設置する場合には、熱電素子を一方の基板上に配置したのち、2本の櫛歯状治具をそれぞれ直交する向きに、幅広部に熱電素子が接するまで押し込む。すると、接合の際の加熱工程においても、ハンダ溶融に伴い熱電素子が動くことなく、精度良く設置できる。さらに、櫛歯状治具20は、使用後に取り外して繰り返し使用することができるためコストの低下が図れる。
【0031】
また、前述した実施形態では、押圧プレート14の上面に重り15を載せるようにしているため、押圧プレート14を設置プレート12側に押圧するための加圧装置が不要になる。これによって、装置の簡略化が図れる。また、前述した実施形態では、櫛歯状治具20を二個一組として用いているが、治具代の節約や作業数を減らす目的で、この櫛歯状治具20は1個だけで使用することもできる。さらに、前記実施形態では、加熱装置をリフロー炉が備える加熱ヒータ18a,18bとしているが、このヒータは、支持台11および重り15に内蔵させてもよいし、設置プレート12および押圧プレート14に内蔵させてもよいし、炉ではなく、少なくとも接触部が加熱できるスポットの加熱器具としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による熱電モジュールの製造装置の本体を示す正面図である。
【図2】熱電モジュールの製造装置が備える櫛歯状治具を示す平面図である。
【図3】熱電モジュールを示す正面図である。
【図4】設置プレート上に下側絶縁基板を取り付けた状態を示す正面図である。
【図5】下側絶縁基板の上に一対の櫛歯状治具を取り付けた状態を示す平面図である。
【図6】図5のVI―VI断面図である。
【図7】一対の櫛歯状治具が取り付けられた下側絶縁基板の上面にP型熱電素子およびN型熱電素子を仮置きした状態を示す平面図である。
【図8】図7のVIII―VIII断面図である。
【図9】図8の設置プレートの上に押圧プレートを組み付けた状態を示す断面図である。
【図10】図9の押圧プレートの上に重りを載せた状態を示す断面図である。
【図11】熱電モジュールが組み込まれた設置プレート等を、支持台から取り外した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10…本体、12…設置プレート、14…押圧プレート、18a,18b…加熱ヒータ、20…櫛歯状治具、23a,23b…ガイド溝、24…歯部、30…熱電モジュール、31…下側絶縁基板、32…上側熱電基板、33,34…電極、35a…P型熱電素子、35b…N型熱電素子。
Claims (4)
- 対向させて配置した一対の絶縁基板における対向する所定箇所に電極を形成し、前記対向する電極にそれぞれ熱電素子の両端面をハンダ付けすることにより、前記一対の絶縁基板間に複数の熱電素子を固定して熱電モジュールを製造する熱電モジュールの製造装置において、
前記電極を露呈させた状態で、前記一対の絶縁基板のうちの一方の絶縁基板を設置するための設置プレートと、
前記設置プレートに着脱可能に組み付けられ、前記一対の絶縁基板のうちの他方の絶縁基板の電極を前記一方の絶縁基板の電極に対向させた状態で、前記他方の絶縁基板を設置するための押圧プレートと、
前記設置プレートと前記押圧プレートの間に着脱可能に取り付けられ、前記一対の絶縁基板間に固定される熱電素子の固定位置を設定するための所定間隔で設けられた複数の針状の歯部を有する櫛歯状治具と、
前記設置プレートと前記押圧プレートの間に設置された前記一対の絶縁基板の電極と、前記電極間に設置された熱電素子の端面との接触部を加熱するための加熱装置と
を備えたことを特徴とする熱電モジュールの製造装置。 - 前記櫛歯状治具を一対で構成し、互いに直交させて配置することにより各歯部間に形成される前記熱電素子の固定位置が格子状に整列するようにした請求項1に記載の熱電モジュールの製造装置。
- 前記設置プレートと前記押圧プレートの対向する四隅にそれぞれ位置合わせのための棒状ガイドを設けるとともに、前記棒状ガイドにスライド係合が可能なガイド溝を前記櫛歯状治具に設けて、前記櫛歯状治具を棒状ガイドに沿って取り付け可能にした請求項1または2に記載の熱電モジュールの製造装置。
- 対向させて配置した一対の絶縁基板における対向する所定箇所に電極を形成し、前記対向する電極にそれぞれ熱電素子の両端面をハンダ付けすることにより、前記一対の絶縁基板間に複数の熱電素子を固定して熱電モジュールを製造する熱電モジュールの製造方法において、
前記一対の絶縁基板の電極にハンダを塗布するハンダ塗布工程と、
前記一対の絶縁基板のうちの一方の絶縁基板に電極を露呈させた状態で、所定間隔で設けられた複数の針状の歯部を有する一対の櫛歯状治具を互いに直交させて設置する櫛歯状治具設置工程と、
前記一対の櫛歯状治具の歯部によって格子状に整列して形成された熱電素子の固定用位置に熱電素子を設置する熱電素子設置工程と、
前記一対の櫛歯状治具を介して前記一方の絶縁基板に設置された前記熱電素子に、他方の絶縁基板の電極を合わせて、前記一対の絶縁基板を組み付ける組付工程と、
前記電極に塗布されたハンダを加熱して溶解したのちに冷却することにより、前記一対の絶縁基板と前記熱電素子を固定するハンダ付け工程と、
前記各工程により形成された熱電モジュールから前記櫛歯状治具を取り外す櫛歯状治具取外工程と
を備えたことを特徴とする熱電モジュールの製造方法。
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