JP2004047401A - 建物区画内へのマイナスイオン放出方法 - Google Patents
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Abstract
【目的】マイナス高電圧発生器でその電圧が7000V以上で且パルスが50キロパルス以上のマイナス高電圧直流パルスを発生させたうえ、適宜数の建物区画内に配設させたマイナスイオン放出器より高密度のマイナスイオンを放出させる、建物区画内へのマイナスイオン発生方法を提供する。
【構成】その電圧が7000V以上で且パルスが50キロパルス以上のマイナス高電圧直流パルスを出力しえるマイナス高電圧発生器と、このマイナス高電圧直流パルスを適宜数の建物区画内に配設させたマイナスイオン放出器にリードケーブルで通電付加させるための分電器と、絶縁素材からなり下面が開口し且全体形状が立方形、直方形或いは角錐若しくは円錐形の適宜側面には、送風管が設けられ且送風管の送風口には絶縁体からなりその全面に亘って送風孔が形成され、而もその中央位置には送風方向に向って針状の電子放射極が固定保持され、更に開口部に帯電防止縁を有するマイナスイオン放出器とにより構成される建物区画内へのマイナスイオン放出方法。
【選択図】 図1
【構成】その電圧が7000V以上で且パルスが50キロパルス以上のマイナス高電圧直流パルスを出力しえるマイナス高電圧発生器と、このマイナス高電圧直流パルスを適宜数の建物区画内に配設させたマイナスイオン放出器にリードケーブルで通電付加させるための分電器と、絶縁素材からなり下面が開口し且全体形状が立方形、直方形或いは角錐若しくは円錐形の適宜側面には、送風管が設けられ且送風管の送風口には絶縁体からなりその全面に亘って送風孔が形成され、而もその中央位置には送風方向に向って針状の電子放射極が固定保持され、更に開口部に帯電防止縁を有するマイナスイオン放出器とにより構成される建物区画内へのマイナスイオン放出方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は主として多数の区画部からなる高層複合建物や集合住宅等のそれぞれの区画部内に高密度のマイナスイオンを放出せしめて安全で衛生的且快適な建物空間となすための、マイナスイオンの放出方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
我が国では近年に至る間著しい経済発展がなされて来たものであるが、かかる経済発展に伴う産業規模の拡大化や特には化学工業の進展とが相俟って膨大量の排煙や汚水の排出或いは産業廃棄物が排出されてきており、更には高度の車社会化により莫大な排気ガス並びに微粒子等が排出されているため、大気を初め水や土壌に至るまでその汚染は極限状態におかれている。
【0003】
加えて近年においては建築技術の向上と且アルミサッシや鉄扉等の建築金物、及び新建材等の採用とにより複合建物や住宅建物等の建物空間の密閉性が著しく高まっており、反面これら複合建物や住宅建物等においては、その使用目的に合せて建物空間内に多様な内装が施されるものであるが、かかる内装に使用される内装材には合成樹脂素材が多量に使用されてなるため、特に可塑剤を主因とする環境ホルモンやホルムアルデヒド等の揮散や或いは塗料や接着剤からの有機溶剤等揮発性有機化合物が揮散溶出し、これらが密閉性の高い建物空間内に滞留充満するため、これらによる健康被害所謂シックハウス症候群が各地で多発し、而も大気自体も汚染されていること等によりその解決が社会的に重大且緊急的課題として提起されている。
【0004】
これがため建材メーカーや接着剤或いは塗料メーカーも揮発性有機化合物の低減化や削減化に積極的に取組みつつあるものの、現状の技術水準においてはせいぜい低減化を図る程度しか解決手段が見出せず、特に既設建物空間で発生しているシックハウスには全く有効な手段すらも窺われない。
【0005】
而して近年に至り、該シックハウス症候群の原因物質とされる揮発性有機化合物等は、高密度のマイナスイオンの環境下ではその還元作用により分解消去され或いは分解消臭及び抗菌性も発揮されることが解明されるに至った。これがためマイナスイオンを放出させる専用の空気清浄器やエアーコンディショナー等にマイナスイオン放出機能を付与せしめた家電機器等が開発上市されている。
【0006】
然るにこれら現状のマイナスイオン空気清浄器やマイナスイオン放出機能を付与せしめた家電機器等は、主にプラズマ生成室で高密度のマイナスイオンを発生させたうえ建物区画内に拡散させるもので、該プラズマ生成室による手段は装置的に精緻であるため使用時における塵埃等による故障が発生し易く、且故障時の対処も至難で而もコスト的にも高価となり多数の建物区画に設置することには難点がある。
他方交流放電や直流放電手段はマイナスイオンを発生させるための電子放射極を建物区画内に露出させたうえ高電圧を付加させるものであるが、かかる手段においては高密度のマイナスイオンの発生に伴い、電子放射極近傍が過剰帯電しマイナスイオンの発生が阻害されるとともに、放電時にオゾンが生成されて折角のマイナスイオンが減殺される問題を抱え、更には高電圧が付加された電子放射極が露出されてなるため使用時の危険も内在する。
【0007】
加えて建物空間内に揮散滞留する揮発性有機化合物や産業活動や生活活動に伴い発生する各種の臭気、或いは多気中に混在されてなる各種の排気ガス成分等を分解消去若しくは分解消臭せしむるうえからは、そのマイナスイオン密度が少なくとも20乃至30万個/cc以上、望ましくは100乃至200万個/cc以上の高密度のマイナスイオンが要請されるものであって、現状のマイナスイオン空気清浄器はマイナスイオン放出機能を付与せしめた家電製品等では、そのマイナスイオン放出密度もせいぜい数百乃至数千個/cc程度と言われており、建物区画内の浄化には殆んど効果が期待できない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は現状のかかる問題に鑑みなされたものであって、本発明はマイナス高電圧発生器で、その電圧がマイナス7000V以上で且パルス数が50キロパルス以上のマイナス高電圧直流パルスを発生させたうえ、適宜数の建物区画内に配設されたマイナスイオン放出器に通電付加せしめて高密度のマイナスイオンを安定して且安全に放出しえる建物区画内へのマイナスイオン発生方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために本発明が採用した技術的手段は、建物区画内の空間に強度に且多量に電子放射をなさしめて水分子やガス分子の低クラスター化と且解離を促進し高密度のマイナスイオンを発生させるため、その電子放射エネルギーとして電圧が7000V以上のマイナス高電圧で且そのパルス数が50キロパルス以上のマイナス高電圧直流パルスをマイナス高電圧発生器で出力させるもので、該マイナス高電圧直流パルスの発生手段には特段の制約はなく、実質的にその電圧がマイナス7000V以上で且そのパルス数が50キロパルス以上であれば採用できるものであって、当然に適宜数の建物区画内に配設させたマイナスイオン放出器の電子放射極より電子放射をなす必要上出力電力容量としては十分なものを用いる。
【0010】
マイナス高電圧発生器により出力されるマイナス高電圧直流パルスは、適宜数の建物区画内に配設されるマイナスイオン放出器の電子放射極に通電付加させるため分電器に入力される。この分電器は入力されるマイナス高電圧直流パルスを適宜数の建物区画内に配設されるマイナスイオン放出器の電子放射極と接続されてなるリードケーブルを介して通電付加させるためのもので、絶縁素材からなる基板に十分な耐電圧間隔を以って分岐端子が形成されてなるもので、当然に建物区画内に配設されるマイナスイオン放出器までの通電距離の多少による通電抵抗の差異並びにマイナスイオン放出器の配設環境条件により電子放射の変動等を調整しえるようリードケーブルとの接続に際して可変若しくは固定抵抗を介在させることが望ましく、電子放射極からの電子放射に係る電力としては放電を防止するうえからも略3.0乃至30mW程度となるよう配慮されている。
【0011】
かかる点に対しては他の対処手段も提案されるもので、マイナス高電圧発生器から出力されるマイナス高電圧直流パルスを、その電圧若しくはパルス数を異にするマイナス高電圧直流パルスとして別に出力させるとともに、該電圧やパルス数の異なるマイナス高電圧直流パルスを、マイナスイオン放出器の条件に合せて通電付加させるものである。
【0012】
更に分電器よりマイナスイオン放出器の電子放射極に接続されるリードケーブルには特段の制約はなく、その中心に導電性素材からなる通電線が配されたうえ、外周囲を耐電圧絶縁性素材で被覆させた屈撓性を保持するものであれば使用可能であって、特にパルス数が100キロパルスを超える高パルスの使用時には、外表面に導電性素材からなるシールドを形成させたものの使用が配慮される。
【0013】
分電器よりリードケーブルで分電されたマイナス高電圧直流パルスは、それぞれの建物区画内に配設されたマイナスイオン放出器の電子放射極に通電付加され、電子放射に伴い高密度のマイナスイオンを発生せしむるものであるが、該マイナスイオン放出器は建物区画の天井面若しくは壁面に配設されるものであり、且該マイナスイオン放出器内で十分に高密度のマイナスイオンを発生させたうえ建物区画内に拡散放出させるうえから、絶縁性素材を用い下方が開口した立方形や直方形若しくは角錐或いは円錐形状に形成されたケーシングと、該ケーシングの適宜側面には発生した高密度のマイナスイオンを成可く短時に建物区画内に拡散放出させるため絶縁性素材からなる送風管が設けられており、且この送風管の送風口に絶縁体からなり而もその全体に亘って送風孔が形成されたうえ、その中央には針状の電子放出極が送風方向に突出するよう固定保持され、電子放射を送風空気中になさしめてその水分子やガス分子の低クラスター化と解離を促進させてマイナスイオンを高密度に発生させ、更には高密度のマイナスイオンの発生に伴う過剰帯電を消去させて長期に亘り安定した高密度のマイナスイオンを継続して発生せしむるため、ケーシングの開口部に導電性素材からなり且適宜位置がアースされた帯電防止縁が形成されたマイナスイオン放出器とからなる建物区画内へのマイナスイオン放出方法に存する。
【0014】
加えて送風される空気中に放電されることなく且効率良く電子放射をなさしめて高密度のマイナスイオンを発生させるため、送風管の送風口に設けられる絶縁体に少なくとも相互の間隔が40mm以上で且適宜数の電子放射極が固定保持させてなる建物区画内へのマイナスイオン放出方法に存する。
【0015】
【作用】
本発明は上述の如き技術的手段を用いてなるから以下のような作用を有する。即ちマイナス高電圧発生器において、その電圧がマイナス7000V以上で且そのパルス数が50キロパルス以上のマイナス高電圧直流パルスが出力されたうえ、分電器においてマイナスイオンを放出せしむる適宜数の建物区画内に配設されたマイナスイオン放出器に分電し通電付加させるものであるから、予め分電しえる電力量でマイナス高電圧直流パルスを出力させるのみで多数の建物区画内へのマイナスイオンの放出が可能となるばかりか、マイナスイオン放出器の電子放射極にはその電圧がマイナス7000V以上で且パルス数が50キロパルス以上のマイナス高電圧直流パルスが付加されるため、高電位で且パルス特有の過渡作用が働き電子放射が強力且多量になされるとともに、該電子放射は送風管からの送風空気中になされるため該空気中の水分子やガス分子が放射衝撃により低クラスター化とともに充分に解離されて高密度のマイナスイオンを発生する。
【0016】
加えて発生した高密度のマイナスイオンは送風管からの送風により短時に建物区画内に拡散放出され、その還元作用により建物空間内に拡散滞留している揮発性有機化合物や臭気分子は分解消去され或いは分解消臭される。
而も本発明においては高密度のマイナスイオンが発生されても、マイナスイオン放出器の開口部にその適宜位置がアースされた帯電防止縁が設けられてなるため過剰帯電がなくなり、電子放射極からは長期に亘って電子放射がなされ高密度のマイナスイオンが安定して発生される。
【0017】
【実施例】
以下に本発明実施例を図とともに説明すれば、図1は本発明のブロック図、図2はマイナス高電圧直流パルス発生原理の例示図であって、マイナス高電圧発生器1はマイナスイオン発生のためのマイナスイオン放出器3の電子放射極3Eから強度で且多量の電子を放射させるとともに送風される空気中の水分子やガス分子の低クラスター化と解離の促進を図るうえから、その電圧が少なくとも7000V以上望ましくは9000乃至15000Vのマイナス高電圧と、且そのパルス数が少なくとも50キロパルス以上好ましくは70乃至120キロパルスのマイナス高電圧直流パルス10を出力できるよう形成されている。
【0018】
即ちこのマイナス高電圧直流パルス10の発生手段は種々な手段が提案できるが、安価且簡便な手段としては図2のAに示すように入力電力1Aをサイクルチェンジャーやインバーター等の周波数変換機1Bを介して所望の周波数に変換のうえ、高圧出力トランス1Cの一次側に入力させるとともにその一側をアースさせておく。
そしてこの高圧出力トランス1Cの二次側を予め所望の高電圧を以って出力されるよう形成させておくとともに、該二次側の一方には整流器1Dを介してアースさせることにより、該二次側の他方からは半波整流された所望のマイナス高電圧と且高パルス数のマイナス高電圧直流パルス10を出力させることが可能となる。かかる場合におけるマイナス高電圧直流パルス10の出力電圧は二次側の設計により適宜に決定され、且そのパルス数は周波数変換機1Bの変換周波数の入力で決定される。
【0019】
図2のBはマイナス高電圧直流パルス10が異る電圧を以って出力させる場合の原理図であって、該図2のBにおいては高圧出力トランス1Cの二次側より異る高電圧直流パルス10、10Aが出力される。
更に図2のCにおいては異なる電圧とパルス数のマイナス高電圧直流パルス10を出力させる場合の原理図であって、一方側の周波数変換機1Bと異なる周波数で入力させる周波数変換機10Bを介して高圧出力トランス10Cに入力させ、且その二次側コイルも一方の高圧出力トランス1Cと異る設計でなされている。
【0020】
マイナス高電圧直流パルス10は適宜数の建物区画5内に配設されるマイナスイオン放出器3の電子放射極3Eに通電付加させるために適宜数に分電させる分電器2に入力される。
この分電器2は図3に示すように高電圧を使用するうえから絶縁素材からなる基材2Aに十分な耐電圧間隔を以って適宜数に分電されるように分岐端子2Bが装備されてなるもので、該分電器2の出力端子2Dからはそれぞれの建物区画5内に配設されたマイナスイオン放出器3の電子放射極3Eとがリードケーブル4により接続されて、分電されたマイナス高電圧直流パルス10が通電付加されるものである。
【0021】
かかる場合に基板2Aの具体的素材としてはセラミックスが好適であり、その他フェノール樹脂やポリカーボネート樹脂、ユリア樹脂等の合成樹脂素材も使用できる。そして考慮すべきは該分電器2の出力端子2Dからリードケーブル4によりマイナスイオン放出器3への通電に際しては、それぞれのマイナスイオン放出器3までの通電距離の相違による通電抵抗の差異と、配設される建物区画5内の湿度や各種ガスの多少等により変動するものであるから、これら変動を成可く平均化させる調整のため、及び過大な電流により放電が発生せぬよう分岐端子2Bと出力端子2D間に可変若しくは固定抵抗2Cを介在させることが望まれる。
【0022】
分電器2の出力端子2Dとマイナスイオン放出器3の電子放射極3Eとを通電接続させるリードケーブル4については特段の制約はなく、その中心に導電性素材からなる通電線が配されたうえ通電電圧に耐えうる耐電圧絶縁性素材からなる絶縁層が形成され、且屈撓性を保持するものであれば十分に使用可能である。
そして留意すべきは使用されるマイナス高電圧直流パルス10のパルス数が100キロパルスを超える高パルスを使用する場合においては、該絶縁層の外面に導電性素材からなるシールドを設けたものの使用を心掛けるべきである。
【0023】
而してそれぞれの建物区画5に配設されるマイナスイオン放出器3は、通常建物区画5の天井面や壁面に埋設させて取付けられること、及び発生させた高密度のマイナスイオンを広大な建物区画5内に短時に拡散させることが要請されること、並びに高密度のマイナスイオン発生のため少なくとも7000V以上のマイナス高電圧が使用されること等から、絶縁素材を用いその下面に開口部3Bが設けられ且全体形状が立方形若しくは直方形或いは角錐若しくは円錐形を有するケーシング3Aの適宜側面には、発生させた高密度のマイナスイオンをその開口部3Bより短時に建物区画5内に拡散放出させるための送風手段として、送風管3Cの送風口3Dが設けられている。
【0024】
かかる場合におけるケーシング3Aの具体的素材としてはポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂或いはガラス強化プラスチック等が好適であり、更には送風管3Cの素材としても絶縁性素材が用いられるもので、具体的素材としてはポリウレタン樹脂や合成ゴム等が挙げられる。
【0025】
そしてケーシング3Aの適宜側面に設けられる送風口3Dには、送風管3Cからの送風が自在に流通しえるように絶縁体31からなりその全面に亘って多数の送風孔32が形成され、且その中央位置には送風方向に向って針状の電子放射極3Eが固定保持されている。
かかる場合において絶縁体31に形成される送風孔32の形状は特段に制約はなく、実質的に送風管3Cからの送風を自在に流通させるものであれば使用でき、例えばネット状に形成されたものや或いは送風口3Dの中央位置に電子放射極3Eを固定保持されるよう、固定保持棹をその周縁より延出させたものでも良い。
【0026】
送風管3Cからの送風量は、マイナスイオン放出器3が配設される建物区画5の区画容積や区画内の環境、所謂湿度や揮散ガス成分或いは塵埃等の多少によっても異るが、通常の環境状態においては略2l/秒乃至20l/秒程度が目安となる。
更に電子放射極3Eには、マイナス高電圧直流パルスが常時付加されて多量の電子放射がなされるため、該電子放射極3Eは強靭で耐腐蝕性とともに導電性素材が望ましく、具体的素材としては白金、金、バナジウム、タングステン等が挙げられる。
【0027】
加えて本発明の特徴の一つとしてマイナス高電圧直流パルスの付加により、その電子放射極3Eからの多量の電子放射による水分子やガス分子等の低クラスター化と解離に伴い高密度のマイナスイオンが発生されると、該電子放射極3E周辺が過剰帯電して電子放射が抑制されて安定した高密度マイナスイオンの発生が阻害されたり放電発生の危険も生ずることから、ケーシング3Aの開口部3B周縁に導電性素材からなる帯電防止縁3Fをその適宜位置がアースされたうえ設けられ、これによりケーシング3A内の帯電が増大した場合にも逐次該帯電防止縁3Fより漏洩消去させる配慮が施されている。
【0028】
以下に本発明による高密度マイナスイオン発生の実験例を述べれば、使用したマイナス高電圧直流パルスは、AC100Vの電源を用いマイナス高電圧発生器においてその周波数変換機で50KHzの高周波数に変換のうえ高圧出力トランスに入力し、その二次側より電圧がマイナス9000Vで且パルス数が50キロパルス及び出力電力容量1Wのマイナス高電圧直流パルスを分電器により分電させ、長さ10mのリードケーブルを用いてマイナスイオン放出器の電子放射極と接続させたうえ通電付加させた。
【0029】
マイナスイオン放出器は鉄骨コンクリート造内容積26m3の住宅建物区画内の天井面の中央に配設させ、且マイナスイオン放出器は開口部の大きさ45cm平方で高さ15cmの角錐形のケーシングを用い、その一側面に直径5cmの送風口を設けたうえ、該送風口には送風管が接続され且送風口に合成樹脂製ネットからなる絶縁体を配置させ、その中央位置に送風方向に向ってタングステン素材からなる針状の電子放射極を固定保持させたものを用いた。
実験はかかるマイナスイオン放出器の電子放射極に前記マイナス高電圧直流パルスを付加し、且送風管より4l/秒の送風割合で送風させケーシング内の電子放射極近傍及びケーシング開口部より2m離れた直下でのマイナスイオン密度を測定した結果は、電子放射極近傍では平均120乃至160万個/ccのマイナスイオン密度であり、開口部直下2mの位置では平均18乃至26万個/ccのマイナスイオン密度であった。
【0030】
【発明の効果】
本発明は以上述べたようにマイナス高電圧発生器においては一般的入力電源を周波数変換機で変換し且高圧出力トランスにより、その電圧がマイナス7000V以上で且パルス数が50キロパルス以上のマイナス高電圧直流パルスが極めて簡便に出力形成でき、而もこのマイナス高電圧直流パルスを分電器を用いることにより適宜数に分電できるため、多数の建物区画内への高密度マイナスイオンの発生並びに放出に際してはマイナスイオン放出器をそれぞれの建物区画内に配設させることによりリードケーブルの配線のみでマイナス高電圧直流パルスがそれぞれのマイナスイオン放出器に付加でき、且高密度のマイナスイオンを発生させることが可能となる。
そして建物区画内に配設されるマイナスイオン放出器は絶縁素材からなり、その下面に開口部を有し且立方形若しくは直方形或いは角錐若しくは円錐形のケーシング内の一側面に送風口が設けられ且該送風口の中央位置に固定保持された電子放射極にマイナス高電圧直流パルスが通電付加されるため、送風口からの送風中の水分子やガス分子に強度且多量の電子放射がなされ、その高電位と且パルス特有の過渡作用により水分子やガス分子の低クラスター化と解離が促進され高密度のマイナスイオンが発生し、而もこの発生した高密度のマイナスイオンは送風管からの送風により、ケーシング開口部より建物区画内に即時に拡散放出されるため、建物区画内に揮散滞留する揮発性有機化合物や臭気ガス分子等は高密度のマイナスイオンの還元作用により分解消去、並びに分解消臭され更には空気中に浮遊する細菌や黴等も繁殖が阻害されるため安全で衛生的且快適な建物空間が実現される。
而もマイナスイオン放出器の開口部には帯電防止縁が設けてなるためケーシング内の過剰帯電が防止されるため、長期に亘って安定して電子放射がなされ且高密度のマイナスイオンの発生がなされる等、極めて優れた特長を具備する建物区画内へのマイナスイオン発生方法といえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブロック図である。
【図2】マイナス高電圧直流パルス発生原理の例示図である。
【図3】分電器の説明図である。
【図4】絶縁体に固定保持された電子放出極の説明図である。
【図5】マイナスイオン放出器の断面説明図である。
【図6】マイナスイオン放出器の配設態様図である。
【符号の説明】
1 マイナス高電圧発生器
1A 入力電源
1B 周波数変換機
1C 高圧出力トランス
1D 整流器
10 マイナス高電圧直流パルス
2 分電器
2A 基板
2B 分岐端子
2C 可変又は固定抵抗
2D 出力端子
3 マイナスイオン放出器
3A ケーシング
3B 開口部
3C 送風管
3D 送風口
3E 電子放射極
3F 帯電防止縁
31 絶縁体
32 通風孔
4 リードケーブル
5 建物区画
【産業上の利用分野】
本発明は主として多数の区画部からなる高層複合建物や集合住宅等のそれぞれの区画部内に高密度のマイナスイオンを放出せしめて安全で衛生的且快適な建物空間となすための、マイナスイオンの放出方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
我が国では近年に至る間著しい経済発展がなされて来たものであるが、かかる経済発展に伴う産業規模の拡大化や特には化学工業の進展とが相俟って膨大量の排煙や汚水の排出或いは産業廃棄物が排出されてきており、更には高度の車社会化により莫大な排気ガス並びに微粒子等が排出されているため、大気を初め水や土壌に至るまでその汚染は極限状態におかれている。
【0003】
加えて近年においては建築技術の向上と且アルミサッシや鉄扉等の建築金物、及び新建材等の採用とにより複合建物や住宅建物等の建物空間の密閉性が著しく高まっており、反面これら複合建物や住宅建物等においては、その使用目的に合せて建物空間内に多様な内装が施されるものであるが、かかる内装に使用される内装材には合成樹脂素材が多量に使用されてなるため、特に可塑剤を主因とする環境ホルモンやホルムアルデヒド等の揮散や或いは塗料や接着剤からの有機溶剤等揮発性有機化合物が揮散溶出し、これらが密閉性の高い建物空間内に滞留充満するため、これらによる健康被害所謂シックハウス症候群が各地で多発し、而も大気自体も汚染されていること等によりその解決が社会的に重大且緊急的課題として提起されている。
【0004】
これがため建材メーカーや接着剤或いは塗料メーカーも揮発性有機化合物の低減化や削減化に積極的に取組みつつあるものの、現状の技術水準においてはせいぜい低減化を図る程度しか解決手段が見出せず、特に既設建物空間で発生しているシックハウスには全く有効な手段すらも窺われない。
【0005】
而して近年に至り、該シックハウス症候群の原因物質とされる揮発性有機化合物等は、高密度のマイナスイオンの環境下ではその還元作用により分解消去され或いは分解消臭及び抗菌性も発揮されることが解明されるに至った。これがためマイナスイオンを放出させる専用の空気清浄器やエアーコンディショナー等にマイナスイオン放出機能を付与せしめた家電機器等が開発上市されている。
【0006】
然るにこれら現状のマイナスイオン空気清浄器やマイナスイオン放出機能を付与せしめた家電機器等は、主にプラズマ生成室で高密度のマイナスイオンを発生させたうえ建物区画内に拡散させるもので、該プラズマ生成室による手段は装置的に精緻であるため使用時における塵埃等による故障が発生し易く、且故障時の対処も至難で而もコスト的にも高価となり多数の建物区画に設置することには難点がある。
他方交流放電や直流放電手段はマイナスイオンを発生させるための電子放射極を建物区画内に露出させたうえ高電圧を付加させるものであるが、かかる手段においては高密度のマイナスイオンの発生に伴い、電子放射極近傍が過剰帯電しマイナスイオンの発生が阻害されるとともに、放電時にオゾンが生成されて折角のマイナスイオンが減殺される問題を抱え、更には高電圧が付加された電子放射極が露出されてなるため使用時の危険も内在する。
【0007】
加えて建物空間内に揮散滞留する揮発性有機化合物や産業活動や生活活動に伴い発生する各種の臭気、或いは多気中に混在されてなる各種の排気ガス成分等を分解消去若しくは分解消臭せしむるうえからは、そのマイナスイオン密度が少なくとも20乃至30万個/cc以上、望ましくは100乃至200万個/cc以上の高密度のマイナスイオンが要請されるものであって、現状のマイナスイオン空気清浄器はマイナスイオン放出機能を付与せしめた家電製品等では、そのマイナスイオン放出密度もせいぜい数百乃至数千個/cc程度と言われており、建物区画内の浄化には殆んど効果が期待できない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は現状のかかる問題に鑑みなされたものであって、本発明はマイナス高電圧発生器で、その電圧がマイナス7000V以上で且パルス数が50キロパルス以上のマイナス高電圧直流パルスを発生させたうえ、適宜数の建物区画内に配設されたマイナスイオン放出器に通電付加せしめて高密度のマイナスイオンを安定して且安全に放出しえる建物区画内へのマイナスイオン発生方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために本発明が採用した技術的手段は、建物区画内の空間に強度に且多量に電子放射をなさしめて水分子やガス分子の低クラスター化と且解離を促進し高密度のマイナスイオンを発生させるため、その電子放射エネルギーとして電圧が7000V以上のマイナス高電圧で且そのパルス数が50キロパルス以上のマイナス高電圧直流パルスをマイナス高電圧発生器で出力させるもので、該マイナス高電圧直流パルスの発生手段には特段の制約はなく、実質的にその電圧がマイナス7000V以上で且そのパルス数が50キロパルス以上であれば採用できるものであって、当然に適宜数の建物区画内に配設させたマイナスイオン放出器の電子放射極より電子放射をなす必要上出力電力容量としては十分なものを用いる。
【0010】
マイナス高電圧発生器により出力されるマイナス高電圧直流パルスは、適宜数の建物区画内に配設されるマイナスイオン放出器の電子放射極に通電付加させるため分電器に入力される。この分電器は入力されるマイナス高電圧直流パルスを適宜数の建物区画内に配設されるマイナスイオン放出器の電子放射極と接続されてなるリードケーブルを介して通電付加させるためのもので、絶縁素材からなる基板に十分な耐電圧間隔を以って分岐端子が形成されてなるもので、当然に建物区画内に配設されるマイナスイオン放出器までの通電距離の多少による通電抵抗の差異並びにマイナスイオン放出器の配設環境条件により電子放射の変動等を調整しえるようリードケーブルとの接続に際して可変若しくは固定抵抗を介在させることが望ましく、電子放射極からの電子放射に係る電力としては放電を防止するうえからも略3.0乃至30mW程度となるよう配慮されている。
【0011】
かかる点に対しては他の対処手段も提案されるもので、マイナス高電圧発生器から出力されるマイナス高電圧直流パルスを、その電圧若しくはパルス数を異にするマイナス高電圧直流パルスとして別に出力させるとともに、該電圧やパルス数の異なるマイナス高電圧直流パルスを、マイナスイオン放出器の条件に合せて通電付加させるものである。
【0012】
更に分電器よりマイナスイオン放出器の電子放射極に接続されるリードケーブルには特段の制約はなく、その中心に導電性素材からなる通電線が配されたうえ、外周囲を耐電圧絶縁性素材で被覆させた屈撓性を保持するものであれば使用可能であって、特にパルス数が100キロパルスを超える高パルスの使用時には、外表面に導電性素材からなるシールドを形成させたものの使用が配慮される。
【0013】
分電器よりリードケーブルで分電されたマイナス高電圧直流パルスは、それぞれの建物区画内に配設されたマイナスイオン放出器の電子放射極に通電付加され、電子放射に伴い高密度のマイナスイオンを発生せしむるものであるが、該マイナスイオン放出器は建物区画の天井面若しくは壁面に配設されるものであり、且該マイナスイオン放出器内で十分に高密度のマイナスイオンを発生させたうえ建物区画内に拡散放出させるうえから、絶縁性素材を用い下方が開口した立方形や直方形若しくは角錐或いは円錐形状に形成されたケーシングと、該ケーシングの適宜側面には発生した高密度のマイナスイオンを成可く短時に建物区画内に拡散放出させるため絶縁性素材からなる送風管が設けられており、且この送風管の送風口に絶縁体からなり而もその全体に亘って送風孔が形成されたうえ、その中央には針状の電子放出極が送風方向に突出するよう固定保持され、電子放射を送風空気中になさしめてその水分子やガス分子の低クラスター化と解離を促進させてマイナスイオンを高密度に発生させ、更には高密度のマイナスイオンの発生に伴う過剰帯電を消去させて長期に亘り安定した高密度のマイナスイオンを継続して発生せしむるため、ケーシングの開口部に導電性素材からなり且適宜位置がアースされた帯電防止縁が形成されたマイナスイオン放出器とからなる建物区画内へのマイナスイオン放出方法に存する。
【0014】
加えて送風される空気中に放電されることなく且効率良く電子放射をなさしめて高密度のマイナスイオンを発生させるため、送風管の送風口に設けられる絶縁体に少なくとも相互の間隔が40mm以上で且適宜数の電子放射極が固定保持させてなる建物区画内へのマイナスイオン放出方法に存する。
【0015】
【作用】
本発明は上述の如き技術的手段を用いてなるから以下のような作用を有する。即ちマイナス高電圧発生器において、その電圧がマイナス7000V以上で且そのパルス数が50キロパルス以上のマイナス高電圧直流パルスが出力されたうえ、分電器においてマイナスイオンを放出せしむる適宜数の建物区画内に配設されたマイナスイオン放出器に分電し通電付加させるものであるから、予め分電しえる電力量でマイナス高電圧直流パルスを出力させるのみで多数の建物区画内へのマイナスイオンの放出が可能となるばかりか、マイナスイオン放出器の電子放射極にはその電圧がマイナス7000V以上で且パルス数が50キロパルス以上のマイナス高電圧直流パルスが付加されるため、高電位で且パルス特有の過渡作用が働き電子放射が強力且多量になされるとともに、該電子放射は送風管からの送風空気中になされるため該空気中の水分子やガス分子が放射衝撃により低クラスター化とともに充分に解離されて高密度のマイナスイオンを発生する。
【0016】
加えて発生した高密度のマイナスイオンは送風管からの送風により短時に建物区画内に拡散放出され、その還元作用により建物空間内に拡散滞留している揮発性有機化合物や臭気分子は分解消去され或いは分解消臭される。
而も本発明においては高密度のマイナスイオンが発生されても、マイナスイオン放出器の開口部にその適宜位置がアースされた帯電防止縁が設けられてなるため過剰帯電がなくなり、電子放射極からは長期に亘って電子放射がなされ高密度のマイナスイオンが安定して発生される。
【0017】
【実施例】
以下に本発明実施例を図とともに説明すれば、図1は本発明のブロック図、図2はマイナス高電圧直流パルス発生原理の例示図であって、マイナス高電圧発生器1はマイナスイオン発生のためのマイナスイオン放出器3の電子放射極3Eから強度で且多量の電子を放射させるとともに送風される空気中の水分子やガス分子の低クラスター化と解離の促進を図るうえから、その電圧が少なくとも7000V以上望ましくは9000乃至15000Vのマイナス高電圧と、且そのパルス数が少なくとも50キロパルス以上好ましくは70乃至120キロパルスのマイナス高電圧直流パルス10を出力できるよう形成されている。
【0018】
即ちこのマイナス高電圧直流パルス10の発生手段は種々な手段が提案できるが、安価且簡便な手段としては図2のAに示すように入力電力1Aをサイクルチェンジャーやインバーター等の周波数変換機1Bを介して所望の周波数に変換のうえ、高圧出力トランス1Cの一次側に入力させるとともにその一側をアースさせておく。
そしてこの高圧出力トランス1Cの二次側を予め所望の高電圧を以って出力されるよう形成させておくとともに、該二次側の一方には整流器1Dを介してアースさせることにより、該二次側の他方からは半波整流された所望のマイナス高電圧と且高パルス数のマイナス高電圧直流パルス10を出力させることが可能となる。かかる場合におけるマイナス高電圧直流パルス10の出力電圧は二次側の設計により適宜に決定され、且そのパルス数は周波数変換機1Bの変換周波数の入力で決定される。
【0019】
図2のBはマイナス高電圧直流パルス10が異る電圧を以って出力させる場合の原理図であって、該図2のBにおいては高圧出力トランス1Cの二次側より異る高電圧直流パルス10、10Aが出力される。
更に図2のCにおいては異なる電圧とパルス数のマイナス高電圧直流パルス10を出力させる場合の原理図であって、一方側の周波数変換機1Bと異なる周波数で入力させる周波数変換機10Bを介して高圧出力トランス10Cに入力させ、且その二次側コイルも一方の高圧出力トランス1Cと異る設計でなされている。
【0020】
マイナス高電圧直流パルス10は適宜数の建物区画5内に配設されるマイナスイオン放出器3の電子放射極3Eに通電付加させるために適宜数に分電させる分電器2に入力される。
この分電器2は図3に示すように高電圧を使用するうえから絶縁素材からなる基材2Aに十分な耐電圧間隔を以って適宜数に分電されるように分岐端子2Bが装備されてなるもので、該分電器2の出力端子2Dからはそれぞれの建物区画5内に配設されたマイナスイオン放出器3の電子放射極3Eとがリードケーブル4により接続されて、分電されたマイナス高電圧直流パルス10が通電付加されるものである。
【0021】
かかる場合に基板2Aの具体的素材としてはセラミックスが好適であり、その他フェノール樹脂やポリカーボネート樹脂、ユリア樹脂等の合成樹脂素材も使用できる。そして考慮すべきは該分電器2の出力端子2Dからリードケーブル4によりマイナスイオン放出器3への通電に際しては、それぞれのマイナスイオン放出器3までの通電距離の相違による通電抵抗の差異と、配設される建物区画5内の湿度や各種ガスの多少等により変動するものであるから、これら変動を成可く平均化させる調整のため、及び過大な電流により放電が発生せぬよう分岐端子2Bと出力端子2D間に可変若しくは固定抵抗2Cを介在させることが望まれる。
【0022】
分電器2の出力端子2Dとマイナスイオン放出器3の電子放射極3Eとを通電接続させるリードケーブル4については特段の制約はなく、その中心に導電性素材からなる通電線が配されたうえ通電電圧に耐えうる耐電圧絶縁性素材からなる絶縁層が形成され、且屈撓性を保持するものであれば十分に使用可能である。
そして留意すべきは使用されるマイナス高電圧直流パルス10のパルス数が100キロパルスを超える高パルスを使用する場合においては、該絶縁層の外面に導電性素材からなるシールドを設けたものの使用を心掛けるべきである。
【0023】
而してそれぞれの建物区画5に配設されるマイナスイオン放出器3は、通常建物区画5の天井面や壁面に埋設させて取付けられること、及び発生させた高密度のマイナスイオンを広大な建物区画5内に短時に拡散させることが要請されること、並びに高密度のマイナスイオン発生のため少なくとも7000V以上のマイナス高電圧が使用されること等から、絶縁素材を用いその下面に開口部3Bが設けられ且全体形状が立方形若しくは直方形或いは角錐若しくは円錐形を有するケーシング3Aの適宜側面には、発生させた高密度のマイナスイオンをその開口部3Bより短時に建物区画5内に拡散放出させるための送風手段として、送風管3Cの送風口3Dが設けられている。
【0024】
かかる場合におけるケーシング3Aの具体的素材としてはポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂或いはガラス強化プラスチック等が好適であり、更には送風管3Cの素材としても絶縁性素材が用いられるもので、具体的素材としてはポリウレタン樹脂や合成ゴム等が挙げられる。
【0025】
そしてケーシング3Aの適宜側面に設けられる送風口3Dには、送風管3Cからの送風が自在に流通しえるように絶縁体31からなりその全面に亘って多数の送風孔32が形成され、且その中央位置には送風方向に向って針状の電子放射極3Eが固定保持されている。
かかる場合において絶縁体31に形成される送風孔32の形状は特段に制約はなく、実質的に送風管3Cからの送風を自在に流通させるものであれば使用でき、例えばネット状に形成されたものや或いは送風口3Dの中央位置に電子放射極3Eを固定保持されるよう、固定保持棹をその周縁より延出させたものでも良い。
【0026】
送風管3Cからの送風量は、マイナスイオン放出器3が配設される建物区画5の区画容積や区画内の環境、所謂湿度や揮散ガス成分或いは塵埃等の多少によっても異るが、通常の環境状態においては略2l/秒乃至20l/秒程度が目安となる。
更に電子放射極3Eには、マイナス高電圧直流パルスが常時付加されて多量の電子放射がなされるため、該電子放射極3Eは強靭で耐腐蝕性とともに導電性素材が望ましく、具体的素材としては白金、金、バナジウム、タングステン等が挙げられる。
【0027】
加えて本発明の特徴の一つとしてマイナス高電圧直流パルスの付加により、その電子放射極3Eからの多量の電子放射による水分子やガス分子等の低クラスター化と解離に伴い高密度のマイナスイオンが発生されると、該電子放射極3E周辺が過剰帯電して電子放射が抑制されて安定した高密度マイナスイオンの発生が阻害されたり放電発生の危険も生ずることから、ケーシング3Aの開口部3B周縁に導電性素材からなる帯電防止縁3Fをその適宜位置がアースされたうえ設けられ、これによりケーシング3A内の帯電が増大した場合にも逐次該帯電防止縁3Fより漏洩消去させる配慮が施されている。
【0028】
以下に本発明による高密度マイナスイオン発生の実験例を述べれば、使用したマイナス高電圧直流パルスは、AC100Vの電源を用いマイナス高電圧発生器においてその周波数変換機で50KHzの高周波数に変換のうえ高圧出力トランスに入力し、その二次側より電圧がマイナス9000Vで且パルス数が50キロパルス及び出力電力容量1Wのマイナス高電圧直流パルスを分電器により分電させ、長さ10mのリードケーブルを用いてマイナスイオン放出器の電子放射極と接続させたうえ通電付加させた。
【0029】
マイナスイオン放出器は鉄骨コンクリート造内容積26m3の住宅建物区画内の天井面の中央に配設させ、且マイナスイオン放出器は開口部の大きさ45cm平方で高さ15cmの角錐形のケーシングを用い、その一側面に直径5cmの送風口を設けたうえ、該送風口には送風管が接続され且送風口に合成樹脂製ネットからなる絶縁体を配置させ、その中央位置に送風方向に向ってタングステン素材からなる針状の電子放射極を固定保持させたものを用いた。
実験はかかるマイナスイオン放出器の電子放射極に前記マイナス高電圧直流パルスを付加し、且送風管より4l/秒の送風割合で送風させケーシング内の電子放射極近傍及びケーシング開口部より2m離れた直下でのマイナスイオン密度を測定した結果は、電子放射極近傍では平均120乃至160万個/ccのマイナスイオン密度であり、開口部直下2mの位置では平均18乃至26万個/ccのマイナスイオン密度であった。
【0030】
【発明の効果】
本発明は以上述べたようにマイナス高電圧発生器においては一般的入力電源を周波数変換機で変換し且高圧出力トランスにより、その電圧がマイナス7000V以上で且パルス数が50キロパルス以上のマイナス高電圧直流パルスが極めて簡便に出力形成でき、而もこのマイナス高電圧直流パルスを分電器を用いることにより適宜数に分電できるため、多数の建物区画内への高密度マイナスイオンの発生並びに放出に際してはマイナスイオン放出器をそれぞれの建物区画内に配設させることによりリードケーブルの配線のみでマイナス高電圧直流パルスがそれぞれのマイナスイオン放出器に付加でき、且高密度のマイナスイオンを発生させることが可能となる。
そして建物区画内に配設されるマイナスイオン放出器は絶縁素材からなり、その下面に開口部を有し且立方形若しくは直方形或いは角錐若しくは円錐形のケーシング内の一側面に送風口が設けられ且該送風口の中央位置に固定保持された電子放射極にマイナス高電圧直流パルスが通電付加されるため、送風口からの送風中の水分子やガス分子に強度且多量の電子放射がなされ、その高電位と且パルス特有の過渡作用により水分子やガス分子の低クラスター化と解離が促進され高密度のマイナスイオンが発生し、而もこの発生した高密度のマイナスイオンは送風管からの送風により、ケーシング開口部より建物区画内に即時に拡散放出されるため、建物区画内に揮散滞留する揮発性有機化合物や臭気ガス分子等は高密度のマイナスイオンの還元作用により分解消去、並びに分解消臭され更には空気中に浮遊する細菌や黴等も繁殖が阻害されるため安全で衛生的且快適な建物空間が実現される。
而もマイナスイオン放出器の開口部には帯電防止縁が設けてなるためケーシング内の過剰帯電が防止されるため、長期に亘って安定して電子放射がなされ且高密度のマイナスイオンの発生がなされる等、極めて優れた特長を具備する建物区画内へのマイナスイオン発生方法といえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブロック図である。
【図2】マイナス高電圧直流パルス発生原理の例示図である。
【図3】分電器の説明図である。
【図4】絶縁体に固定保持された電子放出極の説明図である。
【図5】マイナスイオン放出器の断面説明図である。
【図6】マイナスイオン放出器の配設態様図である。
【符号の説明】
1 マイナス高電圧発生器
1A 入力電源
1B 周波数変換機
1C 高圧出力トランス
1D 整流器
10 マイナス高電圧直流パルス
2 分電器
2A 基板
2B 分岐端子
2C 可変又は固定抵抗
2D 出力端子
3 マイナスイオン放出器
3A ケーシング
3B 開口部
3C 送風管
3D 送風口
3E 電子放射極
3F 帯電防止縁
31 絶縁体
32 通風孔
4 リードケーブル
5 建物区画
Claims (3)
- その電圧がマイナス7000V以上及びそのパルス数が50キロパルス以上のマイナス高電圧直流パルスを出力しえるマイナス高電圧発生器と、この出力されたマイナス高電圧直流パルスを適宜数の建物区画内に配設されたマイナスイオン放出器にリードケーブルで通電付加させるための分電器と、絶縁素材からなりその下面が開口し且全体形状が立方形若しくは直方形或いは角錐又は円錐形のケーシングの適宜側面には送風管が設けられ、而も該送風管の送風口には絶縁体からなりその全面に亘って送風孔が形成され、且その中央位置には送風方向に向って針状の電子放射極が固定保持されてなるとともに、ケーシングの開口部には導電性素材からなりその適宜位置がアースされた帯電防止縁が設けられたマイナスイオン放出器とから構成される、建物区画内へのマイナスイオン放出方法。
- マイナス高電圧発生器から出力されるマイナス高電圧直流パルスが、異なる高圧若しくはパルス数で出力されるようなされている請求項1記載の建物区画内へのマイナスイオン放出方法。
- 送風管の送風口に形成される絶縁体に相互の電子放射極の間隔が少なくとも40mm以上の間隔を以って適宜数固定配置させてなる請求項1若しくは請求項2記載の、建物区画内へのマイナスイオン放出方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002237161A JP2004047401A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | 建物区画内へのマイナスイオン放出方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007107809A (ja) * | 2005-10-13 | 2007-04-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 空気調和機 |
CN107013996A (zh) * | 2017-06-02 | 2017-08-04 | 罗志彬 | 一种空气净化装置 |
-
2002
- 2002-07-12 JP JP2002237161A patent/JP2004047401A/ja active Pending
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JP2007107809A (ja) * | 2005-10-13 | 2007-04-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 空気調和機 |
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