JP2004045813A - 光分岐挿入装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】可変減衰器や光アンプ等を使用せずに、全ての波長信号の信号レベルを揃えることのできる安価な光分岐挿入装置を提供する。
【解決手段】光分波用のモジュール21〜24と、光合波用のモジュール31〜34と、光スイッチ41〜44とで構成された光分岐挿入装置において、光分波用のモジュール21〜24で分波される波長の順序を光の上流側からλ1、λ2、…λnとした時、合波用のモジュール31〜34で合成される波長の順序を光の上流側からλ1、λ2、…λnとなるように、モジュール31〜34を接続した。
【選択図】 図1
【解決手段】光分波用のモジュール21〜24と、光合波用のモジュール31〜34と、光スイッチ41〜44とで構成された光分岐挿入装置において、光分波用のモジュール21〜24で分波される波長の順序を光の上流側からλ1、λ2、…λnとした時、合波用のモジュール31〜34で合成される波長の順序を光の上流側からλ1、λ2、…λnとなるように、モジュール31〜34を接続した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信等の分野において、中継機に向けて信号光を分岐したり、中継局からの信号光を挿入したりするための光分岐挿入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
波長多重方式の光通信システムでは、1本の光ファイバ上に複数の波長の光信号を多重化することができる。この方式によれば、1本の光ファイバを多重化により有効に活用できるようになる上、波長を単位として信号を中継局に向けて取り出したり、同時に中継局からの信号を挿入したりすることが可能になる。例えば、波長多重方式において波長単位で信号を取り出す場合には、幹線から読み出した信号を波長空間で分離し、しかるべき波長の信号だけを中継局に向けて取り出すことができる。ここで、光信号を識別する一つの方法としては、誘電体多層膜からなる波長選択フィルタを利用する方法がある。例えば、SiO2 及びTa2O5 を多層に積層した光学フィルタを用いることにより、所定の波長の光学信号をシャープに取り出すことができる。
【0003】
中継機に向けて分岐する信号の波長は固定されたものであってもよいが、一般的には選択可能であることが望ましい。後者の場合、回線の故障や混雑状況に応じて柔軟に分岐する波長の選択が可能ならば、新たなメリットが期待できる。このような分岐する波長を選択できる光分岐挿入回路は、「 Reconfigurable OADM(ROADM= Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer)」と言われる。
【0004】
フィルタモジュール(フィルタアッセンブリとも言われる)を利用したROADMの代表的な例が、特開平11−281903号公報に開示されている。この先行例の回路構成を図2に示す。上記公開公報に開示の例では、選択するべき信号の切り替えをミラーを利用して行っているが、概念的には2×2型のスイッチを利用する場合と同様であるので、図2では光スイッチとして、2×2型のスイッチを利用する構成としてある。
【0005】
この回路(光分岐挿入装置)は、8個の3ポートモジュール(3ポートを有するフィルタモジュールと同義)21〜24、31〜34と、4個の光スイッチ41〜44とから構成されている。まず、基本要素となる3ポートモジュールM(21〜24、31〜34)の構成及び動作を図3を利用して説明する。
【0006】
図3に示すように、3ポートモジュールMは、誘電体多層膜からなる薄膜多層フィルタ10と、第1〜第3のポート1、2、3に相当する3本の光ファイバを光学的に結合したものである。第1のポート1から入力した信号のうち、多層薄膜フィルタ10の通過帯域に対応する波長の信号光は、多層薄膜フィルタ10を透過して、第2のポート2に進む。一方、残りの波長の信号光は、多層薄膜フィルタ10で反射され、第3のポート3に進む。このように、波長多重信号を第1のポート1に入力することにより、この3ポートモジュールMは、信号を分岐するデバイス(光分波器)として機能する。
【0007】
このような光路の変更にはそれぞれ損失が伴う。第1のポート1から第2のポート2へ透過する信号の受ける損失は「透過損失」と呼ばれ、第1のポート1から第3のポート3へ進む信号の受ける損失は「反射損失」と呼ばれる。それぞれの値は、多層薄膜フィルタ10の特性やモジュールMの構成等に依存するが、共に概ね0.5dB程度である。
【0008】
一方、この3ポートモジュールMには、他の端子から信号光を加えることも可能である。例えば、第3のポート3から信号光を入力した場合、信号光は多層薄膜フィルタ10で反射し、第1のポート1に進む。また、多層薄膜フィルタ10を透過する信号が存在する場合、その信号は、第2のポート2には伝搬しない。このようなデバイスとして使用する場合、一般的な使い方として、第3のポート3には、多層薄膜フィルタ10で反射される帯域の光信号を導入する。
【009】
また、第3のポート3に多層薄膜フィルタ10の阻止帯域に相当する波長の信号光を導入し、第2のポート2に多層薄膜フィルタ10の通過帯域に相当する波長の信号光を導入すると、第1のポート1には、上記の2信号が合成された信号が取り出される。従って、このようにモジュールMを使用することにより、信号光を合波する光合波器を実現することができる。
【0010】
図2の回路中のモジュール21〜24は、光分波器20を構成する光分波部品として使用され、モジュール31〜34は、光合波器30を構成する光合波部品として使用されている。即ち、前者のモジュール21〜24は、第1のポート1に入力される波長多重光から特定の波長帯域の光のみを第2のポート2に出力すると共に、その他の波長の光を第3のポート3から出力する光分波部品として使用されている。また、後者のモジュール31〜34は、第3のポート3から入力される光と、第2のポート2から入力される特定波長帯域の光を合波して、第1のポート1から出力する光合波部品として使用されている。
【0011】
光分波器20は、複数の光分波部品(モジュール21〜24)を用意し、光の上流側に位置する光分波部品(モジュール21〜23)の第3のポート3を、光の下流側に隣接して位置する別の光分波部品(モジュール22〜24)の第1のポート1に、光ファイバ71〜73を用いて順に接続することで構成され、これら複数の光分波部品(モジュール21〜24)を信号光が順次通過することにより、λ1〜λ4の波長帯域の光を含む波長多重光から、λ1〜λ4の各波長帯域の光を順次分波することができるようになっている。なお、波長多重光は、光の最上流側に位置する光分波部品(モジュール21)の第1のポート1に接続した入力用の光ファイバ11から入力される。
【0012】
また、光合波器30は、複数の前記光合波部品(モジュール31〜34)を用意し、光の上流側の光合波部品(モジュール34〜32)の第1のポート1を、光の下流側に隣接する別の光合波部品(モジュール33〜31)の第3のポート3に、光ファイバ83〜81を用いて順次接続することで構成され、各光合波部品(モジュール31〜34)の第2のポート2からそれぞれ供給されるλ1〜λ4の各波長帯域の光を順次合波して、λ1〜λ4の波長帯域の光を含む波長多重光となすことができるようになっている。なお、波長多重光は、光の最下流側に位置する光分波部品(モジュール31)の第1のポート1に接続した出力用の光ファイバ12から出力される。
【0013】
また、光スイッチ41〜44は、光分波器20で分波された各波長帯域λ1〜λ4の光にそれぞれ対応して設けられており、各光分波部品(モジュール21〜24)の第2のポート2から出力される光の光路を切り替えることで、次の(A)または(B)のいずれかの状態を選択することができるようになっている。
【0014】
(A)光分波部品(モジュール21〜24)の第2のポート2から出力される光をそのまま透過させ、光合波器30の対応する波長特性を有する光合
波部品(モジュール31〜34)の第2のポート2に入力する;
(B)光分波部品(モジュール21〜24)の第2のポート2から出力される光の光路を変更して外部に分岐すると共に、外部から挿入される前記分岐された光と同じ波長帯域の光を、光合波器30の対応する波長特性を
有する光合波部品(31〜34)の第2のポート2へ入力する;
【0015】
それを実現するため、各光スイッチ41〜44は、光分波部品(モジュール21〜24)の第2のポート2と光合波部品(モジュール31〜34)の第2のポート2との間に、光ファイバ51〜54、61〜64を介して接続されている。また、各光スイッチ41〜44には、中継機100(外部への信号光取り出し及び外部からの信号光の挿入のための送受信機)が接続されている。
【0016】
次に図2の回路(光分岐挿入装置)の動作を説明する。
幹線から取り出された波長多重信号は、光ファイバ11を経由して、図2の回路に導入される。3ポートモジュール21に光ファイバ11から加えられた波長多重光信号のうち、多層薄膜フィルタの通過帯域の波長の信号成分は、多層薄膜フィルタを透過し、光ファイバ51に伝搬する。一方、波長多重光信号のうち、上記の透過波長を除く成分の光信号は、多層薄膜フィルタにより反射され、光ファイバ71に進む。
【0017】
光ファイバ51には、中継機100に向けて取り出すべき波長(例えばλ1)が取り出される。光ファイバ71に進んだ信号は、次のモジュール22で他の波長(例えばλ2)が光ファイバ52に取り出され、残りの信号が光ファイバ72を経由して更に次のモジュール23に加えられる。同様にモジュール23ではλ3の信号が、モジュール24ではλ4の信号が取り出される。波長多重信号がλ1〜λ4で構成されている場合、全ての信号成分は、光ファイバ51〜54に順次取り出され、それぞれの信号光は光スイッチ41〜44に加えられる。
【0018】
そして、これらの光スイッチ41〜44で、中継機100に落とすべき波長の信号光が選択されて分岐される。一例として、λ1の信号が分岐されるケースを説明する。
【0019】
光ファイバ51から光スイッチ41に加えられたλ1の信号は、中継機100に向けて進むように光路を切り替えられる。一方、中継機100から挿入される信号は、光スイッチ41を経由して光ファイバ61に加えられる。
【0020】
その他のチャンネル(波長帯域)では、信号光は光スイッチ42〜44を通過して、そのまま対応する合波用モジュール32〜34に加えられる。即ち、光ファイバ52〜54の信号光は、それぞれ光ファイバ62〜64にそのまま伝えられる。一旦波長分解された信号は、合波用モジュール34、33、32、31によりλ4、λ3、λ2、λ1の順で合波され、最終的に全ての波長の信号を有する波長多重信号が光ファイバ12に送り込まれる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の光分岐挿入装置には以下のように問題があった。即ち、多層薄膜フィルタで光信号を選択した場合、透過信号も反射信号も損失を伴う。その大きさは、フィルタの選択するべきバンド幅によっても異なるが、典型的な値として、バンド幅の広いCWDM(低密度波長多重)用フィルタの場合、それぞれの損失は約0.5dBである。従って、このようなフィルタを図2に示す公知例のように接続した場合には、光ファイバ12に出力される信号のレベルが変動するという問題があった。
【0022】
先に説明した例を利用して、レベルの変動の様子について説明する。
今、入力用の光ファイバ11の信号光のレベルを0dBとすると、分岐用モジュール21を選択透過して光ファイバ51に取り出されるλ1の信号は、モジュール21を通過しているため、0.5dBの損失を持つ。これに対し、光ファイバ52に取り出される信号のレベルは、一度の反射と一度の透過を経由しているので、0.5d+0.5dB=1dBの損失を持つ。同様にして、光ファイバ53の信号は1.5dB、光ファイバ54の信号は2dBの損失を持つ。
【0023】
これらの信号は、合波用のモジュール31〜34により合成される。例えば、光ファイバ54に取り出されたλ4の信号は、モジュールを更に4回経由するので、上記の損失(2dB)に対し更に、2dBの損失が追加され、合計4dBの損失を持つことになる。同様に、光ファイバ53に取り出されるλ3の波長の信号は3dB、光ファイバ52に取り出される波長λ2の信号は2dBの損失を持つことになる。
【0024】
一方、モジュール31の第2のポート2に入力される特定波長λ1の信号は、光スイッチ41を介して中継機100から入力された場合、中継機100で決定される信号レベルを持つ。この信号レベルを無視したとしても、λ2〜λ4の信号間では、2dBのレベル差が生じている。勿論チャンネル数が多くなるほど、このレベル差も大きくなる。
【0025】
このようなレベル差は、それぞれの波長の信号に対して信号のレベルを均一化することにより解消可能である。具体的には、光ファイバ61〜64に可変減衰器を挿入して、各光ファイバ61〜64を伝搬する信号のレベルを均一化することにより解消可能であり、一般的にはそのような方法が採られる。
【0026】
可変減衰器は新たな損失を発生するという弊害を持つが、DWDM(高密度波長多重)のように長距離伝送を行うシステムでは、不可避的に光アンプが使用されるので、この問題はあまり深刻な問題とはならない。
【0027】
しかしながら、アクセス系に近い回線に利用される、4波長もしくは8波長の広いバンド幅の信号を利用する、いわゆるCWDM(低密度波長多重)の場合、事情が少し異なる。第1に、伝送距離が比較的近いため、光アンプの利用は必ずしも必要なく、むしろ、機器の価格を抑えるため、アンプの利用は避けられる傾向にある。第2に、CWDMでは取り扱う情報量が少ないため、機器の価格を抑えることが望ましいと考えられている。
【0028】
フィルタを利用したROADMは、特に少数チャンネルのOADMに適しているため、CWDMにもこのタイプのOADMが利用されるが、CWDMに適用する場合、上記の問題を解決する必要がある。即ち、新たな損失の発生を避けるため、VOA(可変減衰器)無しの回路構成としたい。また、同時に光アンプの利用を避けるため、損失の少ない回路を実現したい。
【0029】
本発明は、上記事情を考慮し、可変減衰器や光アンプ等を使用することなく、全ての波長信号の信号レベルを揃えることができ、特にチャンネル数が少なく、伝送距離の短いCWDMに適用するのに好適な、安価な光分岐挿入装置を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、第1、第2、第3の3つのポートを有し、第1のポートに入力される波長多重光から特定の波長帯域の光のみを第2のポートに出力し、その他の波長の光を第3のポートから出力する光分波部品を複数備えており、光の上流側に位置する前記光分波部品の第3のポートが、光の下流側に隣接して位置する別の光分波部品の第1のポートに順に接続され、複数の光分波部品を順次通過することにより、λ1〜λnの波長帯域の光を含む波長多重光からλ1〜λnの光を順次分波する光分波器と、第1、第2、第3の3つのポートを有し、第3のポートに入力される光と、第2のポートに入力される特定波長帯域の光を合波し、その合波した光を第1のポートから出力する光合波部品を複数備えており、光の上流側の光合波部品の第1のポートが、光の下流側に隣接する別の光合波部品の第3のポートに順次接続され、各光合波部品の第2のポートからそれぞれ供給されるλ1〜λnの各波長帯域の光を順次合波して、λ1〜λnの波長帯域の光を含む波長多重光となす光合波器と、前記光分波器で分波された各波長帯域の光にそれぞれ対応して設けられ、各光分波部品の第2のポートから出力される光の光路を切り替えることで、次の(A)または(B)のいずれかの状態を選択する複数の光スイッチと、
(A)光分波部品の第2のポートから出力される光をそのまま透過させ、前記光合波器の対応する波長特性を有する光合波部品の第2のポートに入力
する;
(B)光分波部品の第2のポートから出力される光の光路を変更して外部に分岐すると共に、外部から挿入される前記分岐された光と同じ波長帯域の光を、光合波器の対応する波長特性を有する光合波部品の第2のポートへ入力する;
を有した光分岐挿入装置であって、前記光分波器で分波される波長の順序を光の上流側からλ1、λ2、…λnとしたとき、前記光合波器で合成される波長の順序を光の上流側からλ1、λ2、…λnとしたことを特徴とする。
【0031】
この光分岐挿入装置では、光分波器と光合波器における部品の結合順序を従来と変えることにより、各波長(チャンネル)信号が経由する光学部品の個数を揃え、それにより光学部品を経由する際の損失を等しくして、各波長の信号レベルを同じレベルに合わせるようにしている。従って、可変減衰器や光アンプ等を使用することなく、波長信号の信号レベルを揃えることができる。
【0032】
請求項2の発明は、請求項1において、前記光スイッチが前記(A)の状態のときに光合波器に入力される光の強度と、前記(B)の状態のときに光合波器に入力される光の強度が等しくなるように、前記外部から挿入される光の強度を調整可能としたことを特徴とする。
【0033】
この光分岐挿入装置では、外部から挿入する信号のレベルを、そこで分岐される信号のレベルに一致させるようにしたので、外部から信号を挿入する場合であっても、全ての波長信号に対してレベルを揃えることができる。
【0034】
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記光分波部品が、誘電体多層膜からなる波長選択フィルタを備えていることを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、既に説明した部材等については、図中に同一符号または相当符号を付すことにより、説明を簡略化あるいは省略する。
【0036】
図1は本発明の実施形態としての4チャンネル光分岐挿入装置の構成を示している。この光分岐挿入装置は、図2の公知例と同様に、8個の3ポートモジュール21〜24、31〜34と、4個の光スイッチ41〜44を中心に構成されている。図2の構成との大きな相違点は、合波用のモジュール31〜34の接続方法が異なる点である。即ち、図2の例では、信号光がモジュール34→33→32→31の順に合成されていくように、モジュール31〜34間の接続が行われているのに対し、図1の実施形態の装置では、信号光が31→32→33→34の順で合成されていくように、各モジュール31〜34間が光ファイバ91〜93で接続され、その向きにおいて最下流に位置することになるモジュール34に対して、出力用の光ファイバ12が接続されている。
【0037】
具体的には、図2の従来例では、光の下流側に位置するモジュール31の第3のポート3が、光の上流側に隣接して位置する別のモジュール32の第1のポート1に接続されていたのに対し、本装置では反対に、モジュール31の第1のポート1がモジュール32の第3のポート3に接続され、光の合成の方向が逆になっている。他のモジュール間の接続も同様である。
【0038】
次に動作を説明する。
分波用のモジュール21〜24の動作は、図2の例のそれと同一である。従って、損失の発生も同一である。上述した例と同様に、光ファイバ51に出力される波長λ1の信号は、中継機100に向けて分岐され、中継機100からは、しかるべきレベルの信号光が挿入される。その挿入される信号は、モジュール31〜34を経由するのに伴って、2dBの損失が追加される。また、λ2の信号光は、光ファイバ52に分波された段階で1dBの損失があり、更にモジュール32〜34を経由することにより、1.5dBの損失が追加される。従って、結果的に損失は2.5dBとなる。また、λ3の信号光は、光ファイバ53に分波された段階で1.5dBの損失を持つが、モジュール33〜34を経由することにより、1dBの損失が追加されるので、損失は合計で2.5dBとなる。λ4についても同様に計算することができ、結果は2.5dBとなる。
【0039】
ここで、λ1の信号レベルを他の波長の信号と同一のレベルにするには、0.5dBの損失を持つ信号レベルに設定すればよいことが判る。このレベルは、光ファイバ51上の信号光のレベルと同一である。従って、光ファイバ61に流れる信号レベルを、光ファイバ51上の信号レベルと同一に設定することにより、λ1〜λ4の全ての波長信号に対し、信号レベルを2.5dBとすることができる。このように、光合波器30における接続順序を変えて、中継器100より挿入する信号の信号レベルを、そこで分岐される信号のレベルに一致させることにより、全ての波長信号に対しレベルを同一にすることができる。従って、光減衰器やアンプを使用しなくてよくなる。
【0040】
なお、中継機100からの挿入光の強度(信号レベル)を調整する方法としては、特に限定されるものではないが、次の方法をとるのが好ましい。一般に、中継局等の外部より挿入される光は、LD(レーザダイオード)等の光源を用いて発振される。このため、挿入光の強度の調整は、光源で発振される光の強度を調整することにより、簡単に行うことができる。このように、挿入光の光源において、発振される光の強度を調整することにより、追加の部品を要することなく、チャンネル間の信号レベルの揃った出力を簡単に得ることができる。また、この場合、可変減衰器を用いた場合のような損失が生じることがないという利点もある。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光分波器と光合波器における部品の結合順序を従来と変えるだけで、各波長(チャンネル)の信号が経由する光学部品の個数を揃えることができ、それにより、各波長の信号レベルを同じレベルに合わせることができる。従って、可変減衰器や光アンプ等を使用することなく、安価に波長信号の信号レベルを揃えることができる。また、中継機からの信号を光スイッチを介して挿入する場合、挿入する信号のレベルを、そこで分岐される信号のレベルに一致させることにより、全ての波長信号に対しレベルを同一にすることができる。従って、特にチャンネル数が少なく、伝送距離の短いCWDMに適用するのに好適な安価な光分岐挿入装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の光分岐挿入装置の回路図である。
【図2】従来の光分岐挿入装置の回路図である。
【図3】同装置に使用される3ポートモジュールの説明図である。
【符号の説明】
M 3ポートモジュール(光分波部品、光合波部品)
1 第1のポート
2 第2のポート
3 第3のポート
10 多層薄膜フィルタ
11 入力用の光ファイバ
12 出力用の光ファイバ
20 光分波器
21〜24 3ポートモジュール(光分波部品)
30 光合波器
31〜34 3ポートモジュール(光合波部品)
41〜44 光スイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信等の分野において、中継機に向けて信号光を分岐したり、中継局からの信号光を挿入したりするための光分岐挿入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
波長多重方式の光通信システムでは、1本の光ファイバ上に複数の波長の光信号を多重化することができる。この方式によれば、1本の光ファイバを多重化により有効に活用できるようになる上、波長を単位として信号を中継局に向けて取り出したり、同時に中継局からの信号を挿入したりすることが可能になる。例えば、波長多重方式において波長単位で信号を取り出す場合には、幹線から読み出した信号を波長空間で分離し、しかるべき波長の信号だけを中継局に向けて取り出すことができる。ここで、光信号を識別する一つの方法としては、誘電体多層膜からなる波長選択フィルタを利用する方法がある。例えば、SiO2 及びTa2O5 を多層に積層した光学フィルタを用いることにより、所定の波長の光学信号をシャープに取り出すことができる。
【0003】
中継機に向けて分岐する信号の波長は固定されたものであってもよいが、一般的には選択可能であることが望ましい。後者の場合、回線の故障や混雑状況に応じて柔軟に分岐する波長の選択が可能ならば、新たなメリットが期待できる。このような分岐する波長を選択できる光分岐挿入回路は、「 Reconfigurable OADM(ROADM= Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer)」と言われる。
【0004】
フィルタモジュール(フィルタアッセンブリとも言われる)を利用したROADMの代表的な例が、特開平11−281903号公報に開示されている。この先行例の回路構成を図2に示す。上記公開公報に開示の例では、選択するべき信号の切り替えをミラーを利用して行っているが、概念的には2×2型のスイッチを利用する場合と同様であるので、図2では光スイッチとして、2×2型のスイッチを利用する構成としてある。
【0005】
この回路(光分岐挿入装置)は、8個の3ポートモジュール(3ポートを有するフィルタモジュールと同義)21〜24、31〜34と、4個の光スイッチ41〜44とから構成されている。まず、基本要素となる3ポートモジュールM(21〜24、31〜34)の構成及び動作を図3を利用して説明する。
【0006】
図3に示すように、3ポートモジュールMは、誘電体多層膜からなる薄膜多層フィルタ10と、第1〜第3のポート1、2、3に相当する3本の光ファイバを光学的に結合したものである。第1のポート1から入力した信号のうち、多層薄膜フィルタ10の通過帯域に対応する波長の信号光は、多層薄膜フィルタ10を透過して、第2のポート2に進む。一方、残りの波長の信号光は、多層薄膜フィルタ10で反射され、第3のポート3に進む。このように、波長多重信号を第1のポート1に入力することにより、この3ポートモジュールMは、信号を分岐するデバイス(光分波器)として機能する。
【0007】
このような光路の変更にはそれぞれ損失が伴う。第1のポート1から第2のポート2へ透過する信号の受ける損失は「透過損失」と呼ばれ、第1のポート1から第3のポート3へ進む信号の受ける損失は「反射損失」と呼ばれる。それぞれの値は、多層薄膜フィルタ10の特性やモジュールMの構成等に依存するが、共に概ね0.5dB程度である。
【0008】
一方、この3ポートモジュールMには、他の端子から信号光を加えることも可能である。例えば、第3のポート3から信号光を入力した場合、信号光は多層薄膜フィルタ10で反射し、第1のポート1に進む。また、多層薄膜フィルタ10を透過する信号が存在する場合、その信号は、第2のポート2には伝搬しない。このようなデバイスとして使用する場合、一般的な使い方として、第3のポート3には、多層薄膜フィルタ10で反射される帯域の光信号を導入する。
【009】
また、第3のポート3に多層薄膜フィルタ10の阻止帯域に相当する波長の信号光を導入し、第2のポート2に多層薄膜フィルタ10の通過帯域に相当する波長の信号光を導入すると、第1のポート1には、上記の2信号が合成された信号が取り出される。従って、このようにモジュールMを使用することにより、信号光を合波する光合波器を実現することができる。
【0010】
図2の回路中のモジュール21〜24は、光分波器20を構成する光分波部品として使用され、モジュール31〜34は、光合波器30を構成する光合波部品として使用されている。即ち、前者のモジュール21〜24は、第1のポート1に入力される波長多重光から特定の波長帯域の光のみを第2のポート2に出力すると共に、その他の波長の光を第3のポート3から出力する光分波部品として使用されている。また、後者のモジュール31〜34は、第3のポート3から入力される光と、第2のポート2から入力される特定波長帯域の光を合波して、第1のポート1から出力する光合波部品として使用されている。
【0011】
光分波器20は、複数の光分波部品(モジュール21〜24)を用意し、光の上流側に位置する光分波部品(モジュール21〜23)の第3のポート3を、光の下流側に隣接して位置する別の光分波部品(モジュール22〜24)の第1のポート1に、光ファイバ71〜73を用いて順に接続することで構成され、これら複数の光分波部品(モジュール21〜24)を信号光が順次通過することにより、λ1〜λ4の波長帯域の光を含む波長多重光から、λ1〜λ4の各波長帯域の光を順次分波することができるようになっている。なお、波長多重光は、光の最上流側に位置する光分波部品(モジュール21)の第1のポート1に接続した入力用の光ファイバ11から入力される。
【0012】
また、光合波器30は、複数の前記光合波部品(モジュール31〜34)を用意し、光の上流側の光合波部品(モジュール34〜32)の第1のポート1を、光の下流側に隣接する別の光合波部品(モジュール33〜31)の第3のポート3に、光ファイバ83〜81を用いて順次接続することで構成され、各光合波部品(モジュール31〜34)の第2のポート2からそれぞれ供給されるλ1〜λ4の各波長帯域の光を順次合波して、λ1〜λ4の波長帯域の光を含む波長多重光となすことができるようになっている。なお、波長多重光は、光の最下流側に位置する光分波部品(モジュール31)の第1のポート1に接続した出力用の光ファイバ12から出力される。
【0013】
また、光スイッチ41〜44は、光分波器20で分波された各波長帯域λ1〜λ4の光にそれぞれ対応して設けられており、各光分波部品(モジュール21〜24)の第2のポート2から出力される光の光路を切り替えることで、次の(A)または(B)のいずれかの状態を選択することができるようになっている。
【0014】
(A)光分波部品(モジュール21〜24)の第2のポート2から出力される光をそのまま透過させ、光合波器30の対応する波長特性を有する光合
波部品(モジュール31〜34)の第2のポート2に入力する;
(B)光分波部品(モジュール21〜24)の第2のポート2から出力される光の光路を変更して外部に分岐すると共に、外部から挿入される前記分岐された光と同じ波長帯域の光を、光合波器30の対応する波長特性を
有する光合波部品(31〜34)の第2のポート2へ入力する;
【0015】
それを実現するため、各光スイッチ41〜44は、光分波部品(モジュール21〜24)の第2のポート2と光合波部品(モジュール31〜34)の第2のポート2との間に、光ファイバ51〜54、61〜64を介して接続されている。また、各光スイッチ41〜44には、中継機100(外部への信号光取り出し及び外部からの信号光の挿入のための送受信機)が接続されている。
【0016】
次に図2の回路(光分岐挿入装置)の動作を説明する。
幹線から取り出された波長多重信号は、光ファイバ11を経由して、図2の回路に導入される。3ポートモジュール21に光ファイバ11から加えられた波長多重光信号のうち、多層薄膜フィルタの通過帯域の波長の信号成分は、多層薄膜フィルタを透過し、光ファイバ51に伝搬する。一方、波長多重光信号のうち、上記の透過波長を除く成分の光信号は、多層薄膜フィルタにより反射され、光ファイバ71に進む。
【0017】
光ファイバ51には、中継機100に向けて取り出すべき波長(例えばλ1)が取り出される。光ファイバ71に進んだ信号は、次のモジュール22で他の波長(例えばλ2)が光ファイバ52に取り出され、残りの信号が光ファイバ72を経由して更に次のモジュール23に加えられる。同様にモジュール23ではλ3の信号が、モジュール24ではλ4の信号が取り出される。波長多重信号がλ1〜λ4で構成されている場合、全ての信号成分は、光ファイバ51〜54に順次取り出され、それぞれの信号光は光スイッチ41〜44に加えられる。
【0018】
そして、これらの光スイッチ41〜44で、中継機100に落とすべき波長の信号光が選択されて分岐される。一例として、λ1の信号が分岐されるケースを説明する。
【0019】
光ファイバ51から光スイッチ41に加えられたλ1の信号は、中継機100に向けて進むように光路を切り替えられる。一方、中継機100から挿入される信号は、光スイッチ41を経由して光ファイバ61に加えられる。
【0020】
その他のチャンネル(波長帯域)では、信号光は光スイッチ42〜44を通過して、そのまま対応する合波用モジュール32〜34に加えられる。即ち、光ファイバ52〜54の信号光は、それぞれ光ファイバ62〜64にそのまま伝えられる。一旦波長分解された信号は、合波用モジュール34、33、32、31によりλ4、λ3、λ2、λ1の順で合波され、最終的に全ての波長の信号を有する波長多重信号が光ファイバ12に送り込まれる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の光分岐挿入装置には以下のように問題があった。即ち、多層薄膜フィルタで光信号を選択した場合、透過信号も反射信号も損失を伴う。その大きさは、フィルタの選択するべきバンド幅によっても異なるが、典型的な値として、バンド幅の広いCWDM(低密度波長多重)用フィルタの場合、それぞれの損失は約0.5dBである。従って、このようなフィルタを図2に示す公知例のように接続した場合には、光ファイバ12に出力される信号のレベルが変動するという問題があった。
【0022】
先に説明した例を利用して、レベルの変動の様子について説明する。
今、入力用の光ファイバ11の信号光のレベルを0dBとすると、分岐用モジュール21を選択透過して光ファイバ51に取り出されるλ1の信号は、モジュール21を通過しているため、0.5dBの損失を持つ。これに対し、光ファイバ52に取り出される信号のレベルは、一度の反射と一度の透過を経由しているので、0.5d+0.5dB=1dBの損失を持つ。同様にして、光ファイバ53の信号は1.5dB、光ファイバ54の信号は2dBの損失を持つ。
【0023】
これらの信号は、合波用のモジュール31〜34により合成される。例えば、光ファイバ54に取り出されたλ4の信号は、モジュールを更に4回経由するので、上記の損失(2dB)に対し更に、2dBの損失が追加され、合計4dBの損失を持つことになる。同様に、光ファイバ53に取り出されるλ3の波長の信号は3dB、光ファイバ52に取り出される波長λ2の信号は2dBの損失を持つことになる。
【0024】
一方、モジュール31の第2のポート2に入力される特定波長λ1の信号は、光スイッチ41を介して中継機100から入力された場合、中継機100で決定される信号レベルを持つ。この信号レベルを無視したとしても、λ2〜λ4の信号間では、2dBのレベル差が生じている。勿論チャンネル数が多くなるほど、このレベル差も大きくなる。
【0025】
このようなレベル差は、それぞれの波長の信号に対して信号のレベルを均一化することにより解消可能である。具体的には、光ファイバ61〜64に可変減衰器を挿入して、各光ファイバ61〜64を伝搬する信号のレベルを均一化することにより解消可能であり、一般的にはそのような方法が採られる。
【0026】
可変減衰器は新たな損失を発生するという弊害を持つが、DWDM(高密度波長多重)のように長距離伝送を行うシステムでは、不可避的に光アンプが使用されるので、この問題はあまり深刻な問題とはならない。
【0027】
しかしながら、アクセス系に近い回線に利用される、4波長もしくは8波長の広いバンド幅の信号を利用する、いわゆるCWDM(低密度波長多重)の場合、事情が少し異なる。第1に、伝送距離が比較的近いため、光アンプの利用は必ずしも必要なく、むしろ、機器の価格を抑えるため、アンプの利用は避けられる傾向にある。第2に、CWDMでは取り扱う情報量が少ないため、機器の価格を抑えることが望ましいと考えられている。
【0028】
フィルタを利用したROADMは、特に少数チャンネルのOADMに適しているため、CWDMにもこのタイプのOADMが利用されるが、CWDMに適用する場合、上記の問題を解決する必要がある。即ち、新たな損失の発生を避けるため、VOA(可変減衰器)無しの回路構成としたい。また、同時に光アンプの利用を避けるため、損失の少ない回路を実現したい。
【0029】
本発明は、上記事情を考慮し、可変減衰器や光アンプ等を使用することなく、全ての波長信号の信号レベルを揃えることができ、特にチャンネル数が少なく、伝送距離の短いCWDMに適用するのに好適な、安価な光分岐挿入装置を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、第1、第2、第3の3つのポートを有し、第1のポートに入力される波長多重光から特定の波長帯域の光のみを第2のポートに出力し、その他の波長の光を第3のポートから出力する光分波部品を複数備えており、光の上流側に位置する前記光分波部品の第3のポートが、光の下流側に隣接して位置する別の光分波部品の第1のポートに順に接続され、複数の光分波部品を順次通過することにより、λ1〜λnの波長帯域の光を含む波長多重光からλ1〜λnの光を順次分波する光分波器と、第1、第2、第3の3つのポートを有し、第3のポートに入力される光と、第2のポートに入力される特定波長帯域の光を合波し、その合波した光を第1のポートから出力する光合波部品を複数備えており、光の上流側の光合波部品の第1のポートが、光の下流側に隣接する別の光合波部品の第3のポートに順次接続され、各光合波部品の第2のポートからそれぞれ供給されるλ1〜λnの各波長帯域の光を順次合波して、λ1〜λnの波長帯域の光を含む波長多重光となす光合波器と、前記光分波器で分波された各波長帯域の光にそれぞれ対応して設けられ、各光分波部品の第2のポートから出力される光の光路を切り替えることで、次の(A)または(B)のいずれかの状態を選択する複数の光スイッチと、
(A)光分波部品の第2のポートから出力される光をそのまま透過させ、前記光合波器の対応する波長特性を有する光合波部品の第2のポートに入力
する;
(B)光分波部品の第2のポートから出力される光の光路を変更して外部に分岐すると共に、外部から挿入される前記分岐された光と同じ波長帯域の光を、光合波器の対応する波長特性を有する光合波部品の第2のポートへ入力する;
を有した光分岐挿入装置であって、前記光分波器で分波される波長の順序を光の上流側からλ1、λ2、…λnとしたとき、前記光合波器で合成される波長の順序を光の上流側からλ1、λ2、…λnとしたことを特徴とする。
【0031】
この光分岐挿入装置では、光分波器と光合波器における部品の結合順序を従来と変えることにより、各波長(チャンネル)信号が経由する光学部品の個数を揃え、それにより光学部品を経由する際の損失を等しくして、各波長の信号レベルを同じレベルに合わせるようにしている。従って、可変減衰器や光アンプ等を使用することなく、波長信号の信号レベルを揃えることができる。
【0032】
請求項2の発明は、請求項1において、前記光スイッチが前記(A)の状態のときに光合波器に入力される光の強度と、前記(B)の状態のときに光合波器に入力される光の強度が等しくなるように、前記外部から挿入される光の強度を調整可能としたことを特徴とする。
【0033】
この光分岐挿入装置では、外部から挿入する信号のレベルを、そこで分岐される信号のレベルに一致させるようにしたので、外部から信号を挿入する場合であっても、全ての波長信号に対してレベルを揃えることができる。
【0034】
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記光分波部品が、誘電体多層膜からなる波長選択フィルタを備えていることを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、既に説明した部材等については、図中に同一符号または相当符号を付すことにより、説明を簡略化あるいは省略する。
【0036】
図1は本発明の実施形態としての4チャンネル光分岐挿入装置の構成を示している。この光分岐挿入装置は、図2の公知例と同様に、8個の3ポートモジュール21〜24、31〜34と、4個の光スイッチ41〜44を中心に構成されている。図2の構成との大きな相違点は、合波用のモジュール31〜34の接続方法が異なる点である。即ち、図2の例では、信号光がモジュール34→33→32→31の順に合成されていくように、モジュール31〜34間の接続が行われているのに対し、図1の実施形態の装置では、信号光が31→32→33→34の順で合成されていくように、各モジュール31〜34間が光ファイバ91〜93で接続され、その向きにおいて最下流に位置することになるモジュール34に対して、出力用の光ファイバ12が接続されている。
【0037】
具体的には、図2の従来例では、光の下流側に位置するモジュール31の第3のポート3が、光の上流側に隣接して位置する別のモジュール32の第1のポート1に接続されていたのに対し、本装置では反対に、モジュール31の第1のポート1がモジュール32の第3のポート3に接続され、光の合成の方向が逆になっている。他のモジュール間の接続も同様である。
【0038】
次に動作を説明する。
分波用のモジュール21〜24の動作は、図2の例のそれと同一である。従って、損失の発生も同一である。上述した例と同様に、光ファイバ51に出力される波長λ1の信号は、中継機100に向けて分岐され、中継機100からは、しかるべきレベルの信号光が挿入される。その挿入される信号は、モジュール31〜34を経由するのに伴って、2dBの損失が追加される。また、λ2の信号光は、光ファイバ52に分波された段階で1dBの損失があり、更にモジュール32〜34を経由することにより、1.5dBの損失が追加される。従って、結果的に損失は2.5dBとなる。また、λ3の信号光は、光ファイバ53に分波された段階で1.5dBの損失を持つが、モジュール33〜34を経由することにより、1dBの損失が追加されるので、損失は合計で2.5dBとなる。λ4についても同様に計算することができ、結果は2.5dBとなる。
【0039】
ここで、λ1の信号レベルを他の波長の信号と同一のレベルにするには、0.5dBの損失を持つ信号レベルに設定すればよいことが判る。このレベルは、光ファイバ51上の信号光のレベルと同一である。従って、光ファイバ61に流れる信号レベルを、光ファイバ51上の信号レベルと同一に設定することにより、λ1〜λ4の全ての波長信号に対し、信号レベルを2.5dBとすることができる。このように、光合波器30における接続順序を変えて、中継器100より挿入する信号の信号レベルを、そこで分岐される信号のレベルに一致させることにより、全ての波長信号に対しレベルを同一にすることができる。従って、光減衰器やアンプを使用しなくてよくなる。
【0040】
なお、中継機100からの挿入光の強度(信号レベル)を調整する方法としては、特に限定されるものではないが、次の方法をとるのが好ましい。一般に、中継局等の外部より挿入される光は、LD(レーザダイオード)等の光源を用いて発振される。このため、挿入光の強度の調整は、光源で発振される光の強度を調整することにより、簡単に行うことができる。このように、挿入光の光源において、発振される光の強度を調整することにより、追加の部品を要することなく、チャンネル間の信号レベルの揃った出力を簡単に得ることができる。また、この場合、可変減衰器を用いた場合のような損失が生じることがないという利点もある。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光分波器と光合波器における部品の結合順序を従来と変えるだけで、各波長(チャンネル)の信号が経由する光学部品の個数を揃えることができ、それにより、各波長の信号レベルを同じレベルに合わせることができる。従って、可変減衰器や光アンプ等を使用することなく、安価に波長信号の信号レベルを揃えることができる。また、中継機からの信号を光スイッチを介して挿入する場合、挿入する信号のレベルを、そこで分岐される信号のレベルに一致させることにより、全ての波長信号に対しレベルを同一にすることができる。従って、特にチャンネル数が少なく、伝送距離の短いCWDMに適用するのに好適な安価な光分岐挿入装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の光分岐挿入装置の回路図である。
【図2】従来の光分岐挿入装置の回路図である。
【図3】同装置に使用される3ポートモジュールの説明図である。
【符号の説明】
M 3ポートモジュール(光分波部品、光合波部品)
1 第1のポート
2 第2のポート
3 第3のポート
10 多層薄膜フィルタ
11 入力用の光ファイバ
12 出力用の光ファイバ
20 光分波器
21〜24 3ポートモジュール(光分波部品)
30 光合波器
31〜34 3ポートモジュール(光合波部品)
41〜44 光スイッチ
Claims (3)
- 第1、第2、第3の3つのポートを有し、第1のポートに入力される波長多重光から特定の波長帯域の光のみを第2のポートに出力し、その他の波長の光を第3のポートから出力する光分波部品を複数備えており、光の上流側に位置する前記光分波部品の第3のポートが、光の下流側に隣接して位置する別の光分波部品の第1のポートに順に接続され、複数の光分波部品を順次通過することにより、λ1〜λnの波長帯域の光を含む波長多重光からλ1〜λnの光を順次分波する光分波器と、
第1、第2、第3の3つのポートを有し、第3のポートに入力される光と、第2のポートに入力される特定波長帯域の光を合波し、その合波した光を第1のポートから出力する光合波部品を複数備えており、光の上流側の光合波部品の第1のポートが、光の下流側に隣接する別の光合波部品の第3のポートに順次接続され、各光合波部品の第2のポートからそれぞれ供給されるλ1〜λnの各波長帯域の光を順次合波して、λ1〜λnの波長帯域の光を含む波長多重光となす光合波器と、
前記光分波器で分波された各波長帯域の光にそれぞれ対応して設けられ、各光分波部品の第2のポートから出力される光の光路を切り替えることで、次の(A)または(B)のいずれかの状態を選択する複数の光スイッチと、
(A)光分波部品の第2のポートから出力される光をそのまま透過させ、前記光合波器の対応する波長特性を有する光合波部品の第2のポートに入力
する;
(B)光分波部品の第2のポートから出力される光の光路を変更して外部に分岐すると共に、外部から挿入される前記分岐された光と同じ波長帯域の光を、光合波器の対応する波長特性を有する光合波部品の第2のポート
へ入力する;
を有した光分岐挿入装置であって、
前記光分波器で分波される波長の順序を光の上流側からλ1、λ2、…λnとしたとき、前記光合波器で合成される波長の順序を光の上流側からλ1、λ2、…λnとしたことを特徴とする光分岐挿入装置。 - 前記光スイッチが前記(A)の状態のときに光合波器に入力される光の強度と、前記(B)の状態のときに光合波器に入力される光の強度が等しくなるように、前記外部から挿入される光の強度を調整可能としたことを特徴とする請求項1に記載の光分岐挿入装置。
- 前記光分波部品が、誘電体多層膜からなる波長選択フィルタを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の光分岐挿入装置。
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Cited By (1)
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JP2008546037A (ja) * | 2005-06-08 | 2008-12-18 | ベライゾン・ビジネス・グローバル・エルエルシー | ヒットを伴わない同調可能フィルター |
-
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