JP2004044764A - ディスクブレーキ - Google Patents
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- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D69/00—Friction linings; Attachment thereof; Selection of coacting friction substances or surfaces
- F16D2069/002—Combination of different friction materials
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- Braking Arrangements (AREA)
Abstract
【課題】自動車の高出力化とともに大型化し、かつ軽量化が求められているディスクブレーキは、高速性能を求める車両において高性能化と放熱効果を強め、制動性能を向上させるものが課題となっていた。
【解決手段】2枚のブレーキ用円盤1,2を、スペーサ3を介して中間部分に空隙4を設けてユニット5とし、2枚のブレーキ用円盤1,2のブレーキパッド7の当たる面の摺動円盤面6から裏面にかけて複数の貫通孔8を配設し、該貫通孔8にアルミニウム・珪素・りん・マンガン・ニッケル・錫などを添加した青銅、亜鉛との合金の黄銅など、熱伝導性の高い銅合金などの円筒状の貫入円筒材9、11、または熱伝導性が高く、硬度が低く、欠けにくいセラミックスの貫入円筒材9、11を嵌入し、前記それぞれのブレーキ用円盤1,2の摺動円盤面6を挟持するようにブレーキパッド7を配設し、油圧発生部10に連動して支点15を介してブレーキパッド7を駆動させるようにしたディスクブレーキである。
【選択図】 図1
【解決手段】2枚のブレーキ用円盤1,2を、スペーサ3を介して中間部分に空隙4を設けてユニット5とし、2枚のブレーキ用円盤1,2のブレーキパッド7の当たる面の摺動円盤面6から裏面にかけて複数の貫通孔8を配設し、該貫通孔8にアルミニウム・珪素・りん・マンガン・ニッケル・錫などを添加した青銅、亜鉛との合金の黄銅など、熱伝導性の高い銅合金などの円筒状の貫入円筒材9、11、または熱伝導性が高く、硬度が低く、欠けにくいセラミックスの貫入円筒材9、11を嵌入し、前記それぞれのブレーキ用円盤1,2の摺動円盤面6を挟持するようにブレーキパッド7を配設し、油圧発生部10に連動して支点15を介してブレーキパッド7を駆動させるようにしたディスクブレーキである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、円盤状ブレーキで、ブレーキ用円盤をホイールに固定し、それを両面からブレーキパッドで挟んで制動するもので、主たる素材としてはねずみ鋳鉄が中心で、耐摩耗性のためにニッケルやクロムなどが添加されている。
【0002】
【従来の技術】
自動車に使用しているブレーキ装置には、クラッチを使用しないエンジンブレーキ、シューやドラムなどで構成されるドラムブレーキ、回転円盤形式のディスクブレーキなどのいずれかが使用されているが、そのなかでもディスクブレーキはブレーキパッドを押し当てて回転エネルギーを熱エネルギーに変えて車両を静止させる働きをするもので、回転円盤がドラムブレーキに比べて表面積が広いことから面積効率が高く、放熱効果も良いことからブレーキ効果が安定し、車両の性能向上に順応して多く用いられるようになっている。
【0003】
ディスクブレーキには、大別してオポーズドピストン式と、シングルシリンダー式の2種があり、シングルキャリパーのものとデュアルキャリパーのものとが知られている。
【0004】
また、ディスク自体も1枚のものと、冷却をよくするために間に通風孔を開けたヴェンティレイテッドとがみられ、ディスクブレーキは、その形態上セルフサーヴォ効果が弱いか、あるいは全くないので重量車や高速車ではパワーサーヴォが不可欠とされている。
【0005】
しかも、ディスクブレーキの回転する円盤の表面は、油圧制動装置による強力な接触圧力による摺動摩擦により表面は瞬時に高温度に上昇し、内部に向かって制動操作の度に極めて大きな温度傾斜が発生するという欠点があった。
【0006】
当然回転円盤は、接触圧力に対応する機械的厚み寸法も大きくなるから内部に蓄積する発熱による内部応力も瞬間的に極めて大きい値になる。
【0007】
また、極めて大きな温度傾斜により、絶えず内側に曲がろうとする反りを発生するような応力が孔加工部分に集中し、最初小さなひび割れを生じ、走行時間経過と共に成長する。
【0008】
すなわち制動操作をする度に絶えず内面方向へ曲がろうとする応力による反りが発生し、その結果、その応力は空気に接する孔加工部分に集中し、最初微細な傷から小さなひび割れを生じ、制動操作とともに成長する。円盤の直径が大きくなれば、当然ディスクブレーキの反りも生じ機械的変形も大きい。
【0009】
主たる素材としてはねずみ鋳鉄が中心で、耐摩耗性のためにニッケルやクロムなどが添加されているが、発熱による膨張があり、熱伝導率は銅などに比べ極端に悪く、常時繰り返されるブレーキ操作による温度サイクルにより、あたかも異種金属を張り合わせた状況になり、巨大な内部応力歪みが、孔の付近に集中し、幾筋ものひび割れが発生し、その後、次第に拡大伝搬し、いずれ円盤は破損の危険に至り、その結果、高価なディスクブレーキの交換が必要になっている。
【0010】
この場合、極端に膨脹係数の小さな合金の一体形に、またはクラッド構造やこれらに準ずる製作方法であれば、基本的に防止できるはずであるが、ブレーキ装置は重要保安部品であることを考慮し、高温度になるブレーキパッドとの組み合わせで考えるため、素材の安定性、結晶の状態、高温時の強度など材料の選択も重要で、鋳造および加工など、実現に高いコストと多くの時間が掛かるため採用しにくい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ディスクブレーキは、自動車の高出力化とともに大型化し、かつ軽量化が求められている。また、高速性能を求める車両はさらなる高性能化を目指し、放熱効果を強め、制動性能を向上することも求められている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を解決し、運行に高い安全性を求める車両のために提案したもので、放熱効果を強め、制動効果を向上させるために、ブレーキパッドの当たる面の摺動円盤面を2枚に分けて連結し、中間部分の空隙を利用して空気攪拌と対流が起きるような構造とし、円盤表面にも多数の孔をあける加工が基本になっており、制動性能の効果は確実に向上するものである。
【0013】
図面に基づいて詳細に説明すると、2枚のブレーキ用円盤1,2を、スペーサ3を介して中間部分に空隙4を設けてユニット5とし、それぞれのブレーキ用円盤1,2のブレーキパッド7の当たる面の摺動円盤面6から裏面にかけて複数の貫通孔8を配設し、該貫通孔8にアルミニウム・珪素・りん・マンガン・ニッケル・錫などを添加した青銅、亜鉛との合金の黄銅など、熱伝導性の高い銅合金などの円筒状の貫入円筒材9、11、または熱伝導性が高く、硬度が低く、欠けにくいセラミックスの貫入円筒材9、11を嵌入し、前記それぞれのブレーキ用円盤1,2の摺動円盤面6を挟持するようにブレーキパッド7を配設し、油圧発生部10に連動して支点15を介してブレーキパッド7を駆動させるようにしたディスクブレーキである。
【0014】
また、アルミニウム・珪素・りん・マンガン・ニッケル・錫などを添加した青銅、亜鉛との合金の黄銅など、熱伝導性の高い銅合金などの円筒状の貫入円筒材9,11、または熱伝導性が高く、硬度が低く、欠けにくいセラミックスの貫入円筒材9、11を円筒状で先端部に切欠状放熱部12を配設して構成し、複数の貫通孔8を配設したブレーキ用円盤1,2のブレーキパッド7の当たる面の摺動円盤面6から裏面にかけて嵌入させたもので、黄銅などの材料を使用するのは、ブレーキ用円盤1,2より膨脹係数が大きいからである。
【0015】
また、貫入円筒材9、11の組成中にアルミニウム・珪素・りん・マンガン・ニッケル・錫・亜鉛などを微少量分散し、その材料の硬度の向上とその材料が制動操作の度に摩耗剥離し、微粉末状となり、ブレーキ面に微量付着し、ブレーキ用円盤1,2の摩擦力の安定性および表面のクリーニング効果に寄与するための手法が採用できるようになった。
【0016】
本発明は、摺動円盤面6に発生した熱は高温になるに従いブレーキ用円盤1,2と貫入円筒材9,11は膨張し、両者は強固に密圧着し、安全に脱落が防止でき、貫通孔8に貫入載置した熱伝導性の高い銅合金、セラミックスなどの貫入円筒材9,11を介して中間部分の空隙4に放熱するようになっている。
【0017】
また、それぞれのブレーキ用円盤1,2のブレーキパッド7の当たる面の摺動円盤面6から裏面にかけて複数の貫通孔8を配設し、該貫通孔8に嵌入する貫入円筒材9,11は熱の伝導性が良いので、加工断面の温度は逃げる熱のために貫通孔8から少し離れた周辺部より温度が下がり、内部応力(ひずみ)も周辺のドーナッツ部分に移動し、加工断面部が結果的に守られるようになっている。つまり、周辺部は平面であり、加工歪みが少なく、金属の粒度が均一なため機械的強度が高いからである。
【0018】
また、熱伝導性が高く、硬度が低く、欠けにくいセラミックスを、貫入円筒材9,11として採用しているが、具体的な選択材料としては、二酸化銅と酸化ベリリウムの合金があげられる。ベリリウムは融点1280℃で、二酸化銅と酸化ベリリウムの混和物に適量の炭素を混合したセラミックスが適切と考えられる。このほか、炭素繊維を束状に形状加工したものも高耐熱性および熱伝導性が優れて必要な強度も満足するので、二酸化銅と酸化ベリリウムの混和物に添加するのも有効であるからである。
【0019】
【発明の効果】
自動車は高出力化するとともに、大型化し、かつ軽量化が求められているが、高速性能を求める車両は、さらなる高性能化を目指し、放熱効果を強め、制動性能を向上することが求められているなかで、本発明のディスクブレーキは、これらのニーズに対応して十分に満足することができるようになった。
【0020】
しかも、ディスクブレーキの回転する円盤の表面は、油圧制動装置による強力な接触圧力による摺動摩擦により表面は瞬時に高温度に上昇し、制動操作の度に内部に蓄積する発熱による内部応力も瞬間的に極めて大きい値になり、極めて大きな温度傾斜が発生するという欠点が生じ、絶えず内側に曲がろうとする反りを発生するような応力が孔加工部分に集中し、最初小さなひび割れを生じ、走行時間経過と共に成長し、制動操作をする度に絶えず内面方向へ曲がろうとする応力による反りが発生し、その結果、その応力は空気に接する孔加工部分に集中し、最初微細な傷から小さなひび割れを生じ、制動操作とともに成長し、円盤の直径が大きくなれば、当然ディスクブレーキの反りも生じ機械的変形も大きくなったが、本発明のディスクブレーキによってこれらの問題は軽減し解消した。
【図面の簡単な説明】
【図 1】本発明のディスクブレーキの機構図。
【図 2】本発明のユニットの一部断面図。
【図 3】本発明に用いる貫入金属の他の実施例図。
【図 4】本発明に用いた貫通孔の詳細断面図。
【符号の説明】
1:ブレーキ用円盤
2:ブレーキ用円盤
3:スペーサ
4:空 隙
5:ユニット
6:摺動円盤面
7:ブレーキパッド
8:貫 通 孔
9:貫入円筒材
10:油圧発生部
11:貫入円筒材
12:切欠状放熱部
13:空気孔
14:車 軸
15:支 点
【発明の属する技術分野】
本発明は、円盤状ブレーキで、ブレーキ用円盤をホイールに固定し、それを両面からブレーキパッドで挟んで制動するもので、主たる素材としてはねずみ鋳鉄が中心で、耐摩耗性のためにニッケルやクロムなどが添加されている。
【0002】
【従来の技術】
自動車に使用しているブレーキ装置には、クラッチを使用しないエンジンブレーキ、シューやドラムなどで構成されるドラムブレーキ、回転円盤形式のディスクブレーキなどのいずれかが使用されているが、そのなかでもディスクブレーキはブレーキパッドを押し当てて回転エネルギーを熱エネルギーに変えて車両を静止させる働きをするもので、回転円盤がドラムブレーキに比べて表面積が広いことから面積効率が高く、放熱効果も良いことからブレーキ効果が安定し、車両の性能向上に順応して多く用いられるようになっている。
【0003】
ディスクブレーキには、大別してオポーズドピストン式と、シングルシリンダー式の2種があり、シングルキャリパーのものとデュアルキャリパーのものとが知られている。
【0004】
また、ディスク自体も1枚のものと、冷却をよくするために間に通風孔を開けたヴェンティレイテッドとがみられ、ディスクブレーキは、その形態上セルフサーヴォ効果が弱いか、あるいは全くないので重量車や高速車ではパワーサーヴォが不可欠とされている。
【0005】
しかも、ディスクブレーキの回転する円盤の表面は、油圧制動装置による強力な接触圧力による摺動摩擦により表面は瞬時に高温度に上昇し、内部に向かって制動操作の度に極めて大きな温度傾斜が発生するという欠点があった。
【0006】
当然回転円盤は、接触圧力に対応する機械的厚み寸法も大きくなるから内部に蓄積する発熱による内部応力も瞬間的に極めて大きい値になる。
【0007】
また、極めて大きな温度傾斜により、絶えず内側に曲がろうとする反りを発生するような応力が孔加工部分に集中し、最初小さなひび割れを生じ、走行時間経過と共に成長する。
【0008】
すなわち制動操作をする度に絶えず内面方向へ曲がろうとする応力による反りが発生し、その結果、その応力は空気に接する孔加工部分に集中し、最初微細な傷から小さなひび割れを生じ、制動操作とともに成長する。円盤の直径が大きくなれば、当然ディスクブレーキの反りも生じ機械的変形も大きい。
【0009】
主たる素材としてはねずみ鋳鉄が中心で、耐摩耗性のためにニッケルやクロムなどが添加されているが、発熱による膨張があり、熱伝導率は銅などに比べ極端に悪く、常時繰り返されるブレーキ操作による温度サイクルにより、あたかも異種金属を張り合わせた状況になり、巨大な内部応力歪みが、孔の付近に集中し、幾筋ものひび割れが発生し、その後、次第に拡大伝搬し、いずれ円盤は破損の危険に至り、その結果、高価なディスクブレーキの交換が必要になっている。
【0010】
この場合、極端に膨脹係数の小さな合金の一体形に、またはクラッド構造やこれらに準ずる製作方法であれば、基本的に防止できるはずであるが、ブレーキ装置は重要保安部品であることを考慮し、高温度になるブレーキパッドとの組み合わせで考えるため、素材の安定性、結晶の状態、高温時の強度など材料の選択も重要で、鋳造および加工など、実現に高いコストと多くの時間が掛かるため採用しにくい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ディスクブレーキは、自動車の高出力化とともに大型化し、かつ軽量化が求められている。また、高速性能を求める車両はさらなる高性能化を目指し、放熱効果を強め、制動性能を向上することも求められている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を解決し、運行に高い安全性を求める車両のために提案したもので、放熱効果を強め、制動効果を向上させるために、ブレーキパッドの当たる面の摺動円盤面を2枚に分けて連結し、中間部分の空隙を利用して空気攪拌と対流が起きるような構造とし、円盤表面にも多数の孔をあける加工が基本になっており、制動性能の効果は確実に向上するものである。
【0013】
図面に基づいて詳細に説明すると、2枚のブレーキ用円盤1,2を、スペーサ3を介して中間部分に空隙4を設けてユニット5とし、それぞれのブレーキ用円盤1,2のブレーキパッド7の当たる面の摺動円盤面6から裏面にかけて複数の貫通孔8を配設し、該貫通孔8にアルミニウム・珪素・りん・マンガン・ニッケル・錫などを添加した青銅、亜鉛との合金の黄銅など、熱伝導性の高い銅合金などの円筒状の貫入円筒材9、11、または熱伝導性が高く、硬度が低く、欠けにくいセラミックスの貫入円筒材9、11を嵌入し、前記それぞれのブレーキ用円盤1,2の摺動円盤面6を挟持するようにブレーキパッド7を配設し、油圧発生部10に連動して支点15を介してブレーキパッド7を駆動させるようにしたディスクブレーキである。
【0014】
また、アルミニウム・珪素・りん・マンガン・ニッケル・錫などを添加した青銅、亜鉛との合金の黄銅など、熱伝導性の高い銅合金などの円筒状の貫入円筒材9,11、または熱伝導性が高く、硬度が低く、欠けにくいセラミックスの貫入円筒材9、11を円筒状で先端部に切欠状放熱部12を配設して構成し、複数の貫通孔8を配設したブレーキ用円盤1,2のブレーキパッド7の当たる面の摺動円盤面6から裏面にかけて嵌入させたもので、黄銅などの材料を使用するのは、ブレーキ用円盤1,2より膨脹係数が大きいからである。
【0015】
また、貫入円筒材9、11の組成中にアルミニウム・珪素・りん・マンガン・ニッケル・錫・亜鉛などを微少量分散し、その材料の硬度の向上とその材料が制動操作の度に摩耗剥離し、微粉末状となり、ブレーキ面に微量付着し、ブレーキ用円盤1,2の摩擦力の安定性および表面のクリーニング効果に寄与するための手法が採用できるようになった。
【0016】
本発明は、摺動円盤面6に発生した熱は高温になるに従いブレーキ用円盤1,2と貫入円筒材9,11は膨張し、両者は強固に密圧着し、安全に脱落が防止でき、貫通孔8に貫入載置した熱伝導性の高い銅合金、セラミックスなどの貫入円筒材9,11を介して中間部分の空隙4に放熱するようになっている。
【0017】
また、それぞれのブレーキ用円盤1,2のブレーキパッド7の当たる面の摺動円盤面6から裏面にかけて複数の貫通孔8を配設し、該貫通孔8に嵌入する貫入円筒材9,11は熱の伝導性が良いので、加工断面の温度は逃げる熱のために貫通孔8から少し離れた周辺部より温度が下がり、内部応力(ひずみ)も周辺のドーナッツ部分に移動し、加工断面部が結果的に守られるようになっている。つまり、周辺部は平面であり、加工歪みが少なく、金属の粒度が均一なため機械的強度が高いからである。
【0018】
また、熱伝導性が高く、硬度が低く、欠けにくいセラミックスを、貫入円筒材9,11として採用しているが、具体的な選択材料としては、二酸化銅と酸化ベリリウムの合金があげられる。ベリリウムは融点1280℃で、二酸化銅と酸化ベリリウムの混和物に適量の炭素を混合したセラミックスが適切と考えられる。このほか、炭素繊維を束状に形状加工したものも高耐熱性および熱伝導性が優れて必要な強度も満足するので、二酸化銅と酸化ベリリウムの混和物に添加するのも有効であるからである。
【0019】
【発明の効果】
自動車は高出力化するとともに、大型化し、かつ軽量化が求められているが、高速性能を求める車両は、さらなる高性能化を目指し、放熱効果を強め、制動性能を向上することが求められているなかで、本発明のディスクブレーキは、これらのニーズに対応して十分に満足することができるようになった。
【0020】
しかも、ディスクブレーキの回転する円盤の表面は、油圧制動装置による強力な接触圧力による摺動摩擦により表面は瞬時に高温度に上昇し、制動操作の度に内部に蓄積する発熱による内部応力も瞬間的に極めて大きい値になり、極めて大きな温度傾斜が発生するという欠点が生じ、絶えず内側に曲がろうとする反りを発生するような応力が孔加工部分に集中し、最初小さなひび割れを生じ、走行時間経過と共に成長し、制動操作をする度に絶えず内面方向へ曲がろうとする応力による反りが発生し、その結果、その応力は空気に接する孔加工部分に集中し、最初微細な傷から小さなひび割れを生じ、制動操作とともに成長し、円盤の直径が大きくなれば、当然ディスクブレーキの反りも生じ機械的変形も大きくなったが、本発明のディスクブレーキによってこれらの問題は軽減し解消した。
【図面の簡単な説明】
【図 1】本発明のディスクブレーキの機構図。
【図 2】本発明のユニットの一部断面図。
【図 3】本発明に用いる貫入金属の他の実施例図。
【図 4】本発明に用いた貫通孔の詳細断面図。
【符号の説明】
1:ブレーキ用円盤
2:ブレーキ用円盤
3:スペーサ
4:空 隙
5:ユニット
6:摺動円盤面
7:ブレーキパッド
8:貫 通 孔
9:貫入円筒材
10:油圧発生部
11:貫入円筒材
12:切欠状放熱部
13:空気孔
14:車 軸
15:支 点
Claims (2)
- 2枚のブレーキ用円盤を、スペーサを介して中間部分に空隙を設けてユニットとし、それぞれのブレーキ用円盤のブレーキパッドの当たる面の摺動円盤面から裏面にかけて複数の貫通孔を配設し、該貫通孔にアルミニウム・珪素・りん・マンガン・ニッケル・錫などを添加した青銅、亜鉛との合金の黄銅など、熱伝導性の高い銅合金などの円筒状の貫入円筒材、または熱伝導性が高く、硬度が低く、欠けにくいセラミックスの貫入円筒材を嵌入し、前記それぞれのブレーキ用円盤の摺動円盤面を挟持するようにブレーキパッドを配設し、油圧発生部に連動してブレーキパッドを駆動させるようにしたディスクブレーキ。
- アルミニウム・珪素・りん・マンガン・ニッケル・錫などを添加した青銅、亜鉛との合金の黄銅など、熱伝導性の高い銅合金などで作られた貫入円筒材、または熱伝導性が高く、硬度が低く、欠けにくいセラミックスの貫入円筒材を円筒状で先端部に切欠状放熱部を配設して構成し、複数の貫通孔を配設したブレーキ用円盤のブレーキパッドの当たる面の摺動円盤面から裏面にかけて嵌入させたことを特徴とする請求項1記載のディスクブレーキ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002232110A JP2004044764A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | ディスクブレーキ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002232110A JP2004044764A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | ディスクブレーキ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004044764A true JP2004044764A (ja) | 2004-02-12 |
Family
ID=31711773
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002232110A Pending JP2004044764A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | ディスクブレーキ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004044764A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ITSI20080006A1 (it) * | 2008-11-12 | 2010-05-12 | Mario Elia | Sistema frenante del tipo freno a disco con aumentata capacita' di dissipazione di calore. |
-
2002
- 2002-07-08 JP JP2002232110A patent/JP2004044764A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ITSI20080006A1 (it) * | 2008-11-12 | 2010-05-12 | Mario Elia | Sistema frenante del tipo freno a disco con aumentata capacita' di dissipazione di calore. |
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