JP2004042533A - インクジェット記録ヘッド及び該インクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置 - Google Patents

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長田 虎近
Keisuke Matsuo
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Abstract

【課題】インクの吐出速度のばらつきに起因する画像の劣化及び吐出不良を防止する。
【解決手段】小吐出口105が形成された、流路幅b1の第1のノズル3と、大吐出口106が形成された流路幅b2の第2のノズル4とが厚さaの流路壁を挟んで交互に形成されている。第1のノズル3には第1のヒータ101と第2のヒータ102とが設けられており、第2のノズル4には、第3のヒータ103と第4のヒータ104が設けられている。各ノズルに形成された各吐出口の開口面積と各ヒータの伝熱面積とは、インクの吐出速度が所望の吐出速度域の範囲内で吐出されるように設定されており、各ヒータは、必要とされるインクの吐出量に応じて選択的に駆動される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク滴を吐出する、ノズルの各々に複数のヒータを配列したインクジェット記録ヘッド及び該インクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、計算機、ワードプロセッサ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ等、各種機器において、用紙等の被記録媒体に記録を行う手段として、騒音を発することがなく高速な記録が可能で、しかもカラー画像の記録も容易なことからインクジェット記録装置が広く利用されつつある。
【0003】
インクジェット記録装置に備えられたインクジェット記録ヘッドは、インクジェット記録装置からの信号電流の入力により被記録媒体に対向した位置からインクを吐出して被記録媒体に文字やイメージ画像等の記録を行う部材であり、インクジェット記録装置からの信号電流により発生させた熱エネルギによりインクを吐出させる構成となっている。
【0004】
図6は従来のインクジェット記録ヘッドの模式的な斜視透視図であり、図7は図6に示したインクジェット記録ヘッドの模式的正面断面図である。
【0005】
インクジェット記録ヘッドは、インクを加熱し発泡させるヒータ41aを有する第1の基板41上に、インク室42bと、不図示のインクタンクからインク室42bへとインクを供給するインク供給口42cと、吐出口40と、吐出口40とインク室42bとを結ぶインクの流路であるインク流路42aとが形成された第2の基板42が接合された構成からなる。なお、各吐出口40の開口面積は等しい。
【0006】
次に、上述のインクジェット記録ヘッドによるインクの吐出の概要を説明する。
【0007】
インク供給口42cからインク室42bへと供給されたインクは、インク流路42a内へと流入し、ヒータ41aにより加熱され、気泡を生じる。この気泡が発生する際に生じた圧力により、インク流路42a内のインクが吐出口40から不図示の被記録媒体に向けて吐出されることとなる。
【0008】
また、上述のインクジェット記録ヘッドは1つのインク流路42aに1つの電気熱変換素子41aのみを有する構成であったが、1つのノズル内に複数の電気熱変換素子が配設された構成のインクジェット記録ヘッドも知られている。このような構成のインクジェット記録ヘッドでは、伝熱面積が各々異なる電気熱変換素子が配設されており、必要な吐出量に応じて、必要な電気熱変換素子を駆動させてインクの発泡体積を変更することでインクの吐出量を変更し、階調性をもたせることを可能にしている。
【0009】
ところで、インクの発泡体積は電子熱変換素子の伝熱面積にほぼ比例する。例えば同一のノズル内に、伝熱面積の大きい電気熱変換素子と、伝熱面積の小さい電気熱変換素子とが配設された構成において、吐出量を最大とする場合は、伝熱面積の大きい電気熱変換素子と、伝熱面積の小さい電気熱変換素子との両方を駆動させればよく、それよりも吐出量を減らしたい場合は、伝熱面積の大きい電気熱変換素子のみを駆動させればよく、また、吐出量を最小としたい場合は、伝熱面積の小さい電気熱変換素子のみを駆動させればよい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように各吐出口の開口面積が同じである各ノズルに配設された各電気熱変換素子を、必要な吐出量に応じて組み合わせて駆動させることによりインクを吐出させるだけでは、必要な吐出量は得られても、必要な吐出速度が得られないという問題があった。すなわち、同じ口径の吐出口から吐出されるインクの吐出速度は、伝熱面積の大きい電気熱変換素子を駆動させた場合の吐出速度の方が、伝熱面積の小さい電気熱変換素子を駆動させた場合の吐出速度よりも速くなるといったように吐出速度のばらつきが大きくなってしまい、所望の吐出速度域による印刷が困難であった。このため、所望の吐出速度を維持しながら階調印刷を行うことができず、画像の劣化を生じる場合があった。これは、被記録媒体に対して記録ヘッドが記録領域内を一定速度で移動しながらインクを吐出する際、インクの吐出速度が所望の吐出速度からはずれると、被記録媒体上のインクの着弾位置が所望の着弾位置からずれてしまうためによるものである。また、この吐出速度がばらつく傾向は、インクの粘度が高くなる低温環境下ではさらに顕著となり、画像の劣化にとどまらず、吐出不良など信頼性低下の原因となる場合もあった。
【0011】
そこで、本発明は、インクの吐出速度のばらつきに起因する画像の劣化及び信頼性低下を来たさないインクジェット記録ヘッド及び該インクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明のインクジェット記録ヘッドは、吐出口からインクを吐出するために利用される熱エネルギを与えるための、それぞれ伝熱面積の異なる複数の電気熱変換素子を備え、前記吐出口に連通するインク流路を複数有するインクジェット記録ヘッドにおいて、複数の前記吐出口の開口面積はそれぞれ、少なくとも1つの前記電気熱変換素子を駆動させてインクを吐出する際の吐出速度が、いずれも所望の吐出速度域の範囲内となるように設定されている。
【0013】
上記の通り構成された本発明のインクジェット記録ヘッドは、少なくとも1つの各電気熱変換素子を駆動させてインクを吐出する際の吐出速度が、いずれも所望の吐出速度域の範囲内となるように各吐出口の開口面積が設定されているため、電気熱変換素子を組み合わせて駆動させることによりインクの吐出量を変えてもインクの吐出速度のばらつきが少ない。
【0014】
本発明のインクジェット記録ヘッドは、第1の吐出口と、該第1の吐出口よりも開口面積の大きい第2の吐出口とが交互に並列に配列され、第2の吐出口に連通するインク流路に設けられた複数の電気熱変換素子のうち、少なくとも1つの電気熱変換素子の伝熱面積は、第1の吐出口に連通するインク流路に設けられた複数の電気熱変換素子のうちの少なくとも1つの電気熱変換素子の伝熱面積よりも大きいものであってもよいし、第2の吐出口より吐出されるインクの吐出量は、第1の吐出口より吐出されるインクの吐出量の4倍以上であるものであってもよい。
【0015】
また、第1の吐出口に連通するインク流路の幅と、第2の吐出口に連通するインク流路の幅とは略同一であるものであってもよいし、第1の吐出口に連通するインク流路の幅と、第2の吐出口に連通するインク流路の幅とは異なるものであってもよい。
【0016】
さらに、複数の電気熱変換素子は、発熱によりインクに膜沸騰を生じさせ、これにより生じた気泡の成長に伴う圧力を利用してインクを吐出させるものであってもよい。
【0017】
本発明のインクジェット記録装置は、被記録媒体を搬送する搬送手段と、インクを吐出し、前記被記録媒体に記録を行う本発明のインクジェット記録ヘッドを保持し、かつ、前記被記録媒体の搬送方向に対して略直角方向に往復移動する保持手段とを有する。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施形態であるインクジェット記録ヘッド70のノズルの一部を示す模式的断面図であり、図1(b)は、図1(a)に示したインクジェット記録ヘッド70を図1(a)中に示す一点鎖線を矢印Cの方向からみた模式的断面図である。
【0019】
インクジェット記録ヘッド70には、流路幅b1の第1のノズル3と流路幅b2の第2のノズル4とが、後述する各ヒータの設けられた厚さがaの流路壁を挟んで交互に形成されている。これら各ノズルには、図1中矢印Bに示す方向へと不図示のインクタンクからインクが供給される。なお、隣接する第1のノズル3と第2のノズル4との配列ピッチは600DPIであり、第2のノズル4を間に挟んだ第1のノズル3どうしの配列ピッチ、及び第1のノズル3を間に挟んだ第2のノズル4どうしの配列ピッチは、それぞれ300DPIである。
【0020】
第1のノズル3にはインクの吐出口である小吐出口105が形成されており、小吐出口105側から第1のノズル3の上流側に向けて順に、第1のヒータ101と第2のヒータ102とが下壁面に直列に設けられている。同様に、第2のノズル4にはインクの吐出口である、小吐出口105よりも開口面積の大きい大吐出口106が形成されており、大吐出口106側から第2のノズル4の上流側に向けて順に、第3のヒータ103と第4のヒータ104とが下壁面に直列に設けられている。
【0021】
各ヒータは伝熱面積がそれぞれ異なっており、伝熱面積が最も大きいものが第4のヒータ104であり、その次に大きいものが第3のヒータ103であり、3番目に大きいものが第2のヒータ102であり、最も小さいものが第1のヒータ101である。
【0022】
すなわち、小吐出口105の形成された第1のノズル3内には、4種類のヒータのうちの、伝熱面積が3番目に大きい第2のヒータ102と、伝熱面積の最も小さい第1のヒータ101とが設けられており、一方、大吐出口106の形成された第2のノズル4内には、4種類のヒータのうちの、伝熱面積が最も大きい第4のヒータ104と、伝熱面積が2番目に大きい第3のヒータ103とが設けられている。
【0023】
不図示のインクタンクから供給されたインクは、後述するように、選択されて駆動するヒータにより加熱され、気泡を生じる。この気泡が発生する際に生じた圧力により、ノズル内のインクが吐出口から不図示の被記録媒体に向けて吐出されることとなる。なお、いずれのヒータが選択されてインクを吐出するにしても、インクの吐出量の比較的小さいノズルの吐出口の開口面積は小さく、また、インクの吐出量の比較的多いノズルの吐出口の開口面積は大きく設定されているのでインクを所望の吐出速度の範囲内で吐出できる。
【0024】
次に、図2に本実施形態のインクジェット記録ヘッド70の液流路方向に沿った模式的側断面図を示す。なお、図2は、特に図1(a)及び図1(b)に示した第1のノズル3に対応するものである。
【0025】
インクジェット記録ヘッド70は、インクに気泡を発生させるための熱エネルギを与える第1のヒータ101と第2のヒータ102とが設けられた素子基板250と、この素子基板250上に接合された天板153とを有する。素子基板250は、シリコン材料をベースとする基板であり、各ヒータに電気的に接続された電気配線や、各ヒータを駆動するドライバ回路等を構成する機能素子は、半導体ウエハプロセス技術を用いて素子基板250上に形成される。
【0026】
天板153には、各ヒータに対応した複数の液流路155及び各液流路155にインクを供給するための共通液室156を構成する溝が形成されており、天板153は、素子基板250と接合されることで液流路155及び共通液室156が構成される。素子基板250と天板153との接合時には、液流路155を構成する溝が各ヒータと一致するように両者が位置合わせされ、これにより、各ヒータを有する液流路155が構成される。また、天板153にはインクを吐出するために各液流路155にそれぞれ連通する複数の吐出口151及び外部から共通液室156にインクを供給するためのインク供給口152が開口している。
【0027】
次に、図3にインクジェット記録ヘッド70の各ヒータへの電気配線について説明する図を示す。
【0028】
第1のヒータ101と、第2のヒータ102と、第3のヒータ103と、第4のヒータ104とは、スルーホール2を介して各ヒータの下層に形成されている不図示の層間絶縁膜の下に配設された、コモン配線1と接続されており、コモン配線1により電圧を印加される。
【0029】
配線72、62、71、61は、第3のヒータ103と、第4のヒータ104と、第1のヒータ101と、第2のヒータ102と、層間絶縁膜の下に配設されたスイッチングトランジスタ8、9、10、11とにスルーホール16を介して、それぞれ接続される。さらにスイッチングトランジスタ8、9、10、11のON、OFFの制御は、信号配線171、181、17、18により接続されたシフトレジスタ191、201、19、20に各ヒータの駆動データを取り込んで、これを基に制御を行う。
【0030】
また、グランド配線12、13、14、15は、それぞれ、スイッチングトランジスタ8、9、10、11のエミッタに接続されている。
【0031】
次に、本実施形態のインクジェット記録ヘッド70の吐出量の安定制御について説明する。
【0032】
第1のノズル3は、インクの吐出量の最も少ない第1のヒータ101のみを駆動させることで小吐出口105から1200DPIに相当する約8[pl]の吐出量のインクを吐出する。また、第1のノズル3は、第1のヒータ101と第2のヒータ102とを同時に駆動させることで小吐出口105から600DPIに相当する約15[pl]の吐出量のインクを吐出する。すなわち、第1のノズル3は、第1のノズル3において最も少ない吐出量(各ノズルの配列密度の2倍に相当する1200DPI相当の吐出量)のインクと、その約2倍の吐出量である、最も多い吐出量(各ノズルの配列密度と同等の600DPI相当の吐出量)のインクとを吐出させることができる。
【0033】
一方、第2のノズル4は、第3のヒータ103のみを駆動させることで大吐出口106から600DPIに相当する約15[pl]の吐出量のインクを吐出する。また、第2のノズル4は、第3のヒータ103と伝熱面積の最も大きい第4のヒータ104とを同時に駆動させることで、大吐出口106から300DPIに相当する約40[pl]の吐出量のインクを吐出する。すなわち、第2のノズル4は、第2のノズル4において最も少ない吐出量(各ノズルの配列密度と同等の600DPI相当の吐出量)インクと、その2倍強の吐出量である、最も多い吐出量(各ノズルの配列密度の半分の300DPI相当の吐出量)のインクとを吐出させることができる。
【0034】
すなわち、約8〜約15[pl]と、第2のノズル4よりもインクの吐出量が比較的少ない第1のノズル3に形成された小吐出口105の開口面積は、約15〜約40[pl]と、第1のノズル3よりもインクの吐出量が比較的多い第2のノズル4に形成された大吐出口106の開口面積よりも小さいため、第1のノズル3と第2のノズル4とにより吐出されるインクの吐出速度は所望の吐出速度域で吐出されることとなる。
【0035】
このように、本実施形態のインクジェット記録ヘッド70は、第2のノズル4の最も多い吐出量は、第1のノズル3の最も少ない吐出量の4倍以上となるが、いずれも所望の吐出速度域で吐出させることができる。
【0036】
なお、600DPIで印刷を行う場合は、第1のノズル3と第2のノズル4との両ノズルを駆動させる。
【0037】
また、本実施形態では、第2のノズル4の第3のヒータ103の伝熱面積のほうが、第1のノズル3の第2のヒータ102の伝熱面積よりも大きい場合の例を用いて説明したが、それぞれ、大吐出口106及び小吐出口105からの距離が変更される等により、第3のヒータ103によるインクの吐出量よりも第2のヒータ102によるインクの吐出量のほうが多くなる場合は、伝熱面積の大きさの順序が逆になり、第1のノズル3の第2のヒータ102の伝熱面積のほうが第2のノズル4の第3のヒータ103の伝熱面積よりも大きくなるように設定してもよい。
【0038】
なお、本実施形態で用いた伝熱面積とは、各ヒータの表面のうち、気泡の発生に寄与する面積をいうものである。
【0039】
以上説明したように、本実施形態のインクジェット記録ヘッド70は、吐出速度のばらつきが抑制された状態での各々の吐出量を組み合わせた階調印刷が可能であるため、高品位の印刷が可能となる。さらに、低温環境下におけるインクの粘度増大に起因するさらなる吐出速度のばらつきも抑制でき、吐出不良等の問題も回避でき、信頼性を向上させることができる。
【0040】
また、600DPIの間隔で配置された第1のノズル3及び第2のノズル4とをフルに利用した600DPIの通常印刷と、第2のノズル4だけを使用した300DPIの高速印刷と、第1のノズル3だけを利用した1200DPIの高画質印刷を可能にする。
(第2の実施形態)
次に、図4(a)に、本発明の第2の実施形態であるインクジェット記録ヘッド170のノズルの一部を示す模式断面図を、また、図4(b)に、図4(a)に示したインクジェット記録ヘッド170を図4(a)中に示す一点鎖線を矢印Dの方向からみた模式的断面図である。
【0041】
本実施形態のインクジェット記録ヘッド170には、小吐出口205が形成された、流路幅bの第1のノズル31と、小吐出口205よりも開口面積の大きい大吐出口206が形成された、第1のノズル31と同じ流路幅bの第2のノズル32とが、各ヒータの設けられた厚さがa’の流路壁を挟んで交互に形成されている。
【0042】
上記以外の基本的構成及び吐出動作は第1の実施形態で示したインクジェット記録ヘッド70と同様であるため、詳細の説明は省略する。
【0043】
本実施形態のインクジェット記録ヘッド170も、第1の実施形態のインクジェット記録ヘッド70と同様に、約8〜約15[pl]と、第2のノズル32よりもインクの吐出量が比較的少ない第1のノズル31に形成された小吐出口205の開口面積は、約15〜約40[pl]と、第1のノズル31よりもインクの吐出量が比較的多い第2のノズル32に形成された大吐出口206の開口面積よりも小さいため、第1のノズル31と第2のノズル32とにより吐出されるインクの吐出速度は所望の吐出速度域で吐出されることとなる。
【0044】
このように、本実施形態のインクジェット記録ヘッド170も第1の実施形態と同様に、第2のノズル32の最も多い吐出量は、第1のノズル31の最も少ない吐出量の4倍以上となるが、いずれも所望の吐出速度域で吐出させることができる。
【0045】
なお、600DPIで印刷を行う場合は、第1のノズル31と第2のノズル32との両ノズルを駆動させる。
【0046】
また、本実施形態も第1の実施形態と同様に、第2のノズル32の第3のヒータ203の伝熱面積のほうが、第1のノズル31の第2のヒータ202の伝熱面積よりも大きい場合の例を用いて説明したが、それぞれ、大吐出口206及び小吐出口205からの距離が変更される等により、第3のヒータ203によるインクの吐出量よりも第2のヒータ202によるインクの吐出量のほうが多くなる場合は、伝熱面積の大きさの順序が逆になり、第1のノズル31の第2のヒータ202の伝熱面積のほうが第2のノズル32の第3のヒータ203の伝熱面積よりも大きくなるように設定してもよい。
【0047】
なお、本実施形態で用いた伝熱面積とは、各ヒータの表面のうち、気泡の発生に寄与する面積をいうものである。
【0048】
以上により、本実施形態も第1の実施形態と同様に、吐出速度のばらつきが抑制された状態での各々の吐出量を組み合わせた階調印刷が可能であるため、高品位の印刷が可能となる。さらに、低温環境下におけるインクの粘度増大に起因するさらなる吐出速度のばらつきも抑制でき、吐出不良等の問題も回避でき、信頼性を向上させることができる。
【0049】
また、600DPIの間隔で配置された第1のノズル31及び第2のノズル32とをフルに利用した600DPIの通常印刷と、第2のノズル32だけを使用した300DPIの高速印刷と、第1のノズル31だけを利用した1200DPIの高画質印刷を可能にする。
【0050】
以上、第1及び第2の実施形態を例に挙げて本発明のインクジェット記録ヘッドについて説明したが、以下に、本発明のインクジェット記録ヘッドが適用されたインクジェット記録装置について説明する。
【0051】
インクジェット記録ヘッド70が適用されたインクジェット記録装置の一例の外観図を図5に示す。なお、以下の説明に用いる記号は、代表として第1の実施形態で用いられた記号を用いる。
【0052】
本体フレーム551には、螺旋溝553の刻まれたリードスクリュー552が回転自在に軸支されている。リードスクリュー552は、駆動モータ559の正逆回転に連動し、駆動力伝達ギア560、561を介して回転駆動される。さらに、本体フレーム551には、キャリッジ555を摺動自在に案内する案内レール554が固定されている。キャリッジ555には、螺旋溝553に係合するピン(不図示)が設けられており、駆動モータ559の回転によりリードスクリュー552を回転させることで、キャリッジ555が図示矢印a、b方向に往復移動できるようになっている。紙押え板572は、キャリッジ555の移動方向にわたって、被記録媒体590をプラテンローラ573に対して押圧する。
【0053】
キャリッジ555には、インクジェット記録ヘッドカートリッジ580が搭載される。インクジェット記録ヘッドカートリッジ580は、上述したインクジェット記録ヘッド70をインクタンクと一体化したものである。また、このインクジェット記録ヘッドカートリッジ580は、キャリッジ555に設けられている位置決め手段および電気的接点によってキャリッジ555に固定支持されるとともに、キャリッジ555に対して着脱可能に設けられている。
【0054】
フォトカプラ557、558は、キャリッジ555のレバー556のこの域での存在を確認して駆動モータ559の回転方向の逆転等を行うためのホームポジション検知手段を構成する。インクジェット記録ヘッド70の前面(小吐出口105及び大吐出口106とが形成された面)をキャップするキャップ部材567は、支持部材562によって支持され、さらに吸引手段566を備え、キャップ内開口568を介してインクジェット記録ヘッド70の吸引回復を行う。本体支持板564には支持板565が取り付けられており、この支持板565に摺動自在に支持されたクリーニングブレード563は、図示しない駆動手段によって前後方向に移動される。クリーニングブレード563の形態は図示するものに限られず、公知のものが適用できることはいうまでもない。レバー570は、インクジェット記録ヘッド70の吸引回復動作を開始するためのもので、キャリッジ555と当接するカム571の移動に伴って移動し、駆動モータ559から駆動力がギアやラッチ切換え等の公知の伝達手段によって移動制御される。
【0055】
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復の各処理は、キャリッジ555がホームポジション側領域に移動したときにリードスクリュー552の作用によって、それぞれの対応位置で行われるようになっている。周知のタイミングで所望の動作を行うようにすれば、本例にはいずれも適用できる。
【0056】
以上説明したインクジェット記録装置においては、搭載したインクジェット記録ヘッド70の第1のヒータ101と第2のヒータ102とを駆動するための記録信号をインクジェット記録ヘッド70に与える記録信号供給手段を有し、インクジェット記録装置の動作を司る制御部を備えている。
【0057】
本発明のインクジェット記録装置は、上述したインクジェット記録ヘッド70を搭載しているのでインクの吐出速度のばらつきを抑制でき、その結果、画像品位の劣化が少ないだけでなく、吐出不良等の問題も回避でき、信頼性の向上した記録装置とすることができる。なお、本発明のインクジェット記録装置ではキャリッジ555にインクジェット記録ヘッドカートリッジ580が着脱可能に搭載される例を示したが、これに限らず、インクジェット記録ヘッド70をキャリッジ555に一体化し、インクタンクのみを着脱可能に搭載する構成としてもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、少なくとも1つの各電気熱変換素子を駆動させてインクを吐出する際の吐出速度が、いずれも所望の吐出速度域の範囲内となるように、各電気熱変換素子の各伝熱面積に対して各吐出口の開口面積が設定されているため、インクの吐出量を変えてもインクの吐出速度のばらつきが少ない。よって、インクの吐出速度のばらつきに起因する画像の劣化及び特に低温環境下における吐出に関する信頼性の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のインクジェット記録ヘッドのノズルの一部を示す模式的断面図及び模式的断面図である。
【図2】図1に示したインクジェット記録ヘッドの模式断面図である。
【図3】図1に示したインクジェット記録ヘッドの各ヒータへの電気配線について説明する図である。
【図4】本発明の第2の実施形態のインクジェット記録ヘッドのノズルの一部を示す模式断面図及び模式断面図である。
【図5】本発明のインクジェット記録装置の概略構成図である。
【図6】従来のインクジェット記録ヘッドの模式的斜視透視図である。
【図7】従来のインクジェット記録ヘッドの模式的正面断面図である。
【符号の説明】
1  コモン配線
2、16  スルーホール
3、31  第1のノズル
4、32  第2のノズル
5  ノズル
6、7  電極配線
8、9、10、11  スイッチングトランジスタ
12、13、14、15  グランド配線
17、18、171、181  信号配線
19、20、191、201  シフトレジスタ
61、62、71、72  配線
70、170  インクジェット記録ヘッド
101  第1のヒータ
102  第2のヒータ
103  第3のヒータ
104  第4のヒータ
105、205  小吐出口
106、206  大吐出口
551  本体フレーム
552  リードスクリュー
553  螺旋溝
554  案内レール
555  キャリッジ
556、570  レバー
557、558  フォトカプラ
559  駆動モータ
560、561  駆動力伝達ギア
562  支持部材
563  クリーニングブレード
564  本体支持板
565  支持板
566  吸引手段
567  キャップ部材
568  キャップ内開口
571  カム
572  紙押え板
573  プラテンローラ
580  液体吐出ヘッドカートリッジ
590  被記録媒体

Claims (7)

  1. 吐出口からインクを吐出するために利用される熱エネルギを与えるための、それぞれ伝熱面積の異なる複数の電気熱変換素子を備え、前記吐出口に連通するインク流路を複数有するインクジェット記録ヘッドにおいて、
    複数の前記吐出口の開口面積はそれぞれ、少なくとも1つの前記電気熱変換素子を駆動させてインクを吐出する際の吐出速度が、いずれも所望の吐出速度域の範囲内となるように設定されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 第1の吐出口と、該第1の吐出口よりも開口面積の大きい第2の吐出口とが交互に並列に配列され、前記第2の吐出口に連通するインク流路に設けられた前記複数の電気熱変換素子のうち、少なくとも1つの前記電気熱変換素子の伝熱面積は、前記第1の吐出口に連通するインク流路に設けられた複数の電気熱変換素子のうちの少なくとも1つの前記電気熱変換素子の伝熱面積よりも大きいものである請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 前記第2の吐出口より吐出されるインクの吐出量は、前記第1の吐出口より吐出されるインクの吐出量の4倍以上である請求項2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 前記第1の吐出口に連通するインク流路の幅と、前記第2の吐出口に連通するインク流路の幅とは略同一である請求項2または3に記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 前記第1の吐出口に連通するインク流路の幅と、前記第2の吐出口に連通するインク流路の幅とは異なるものである請求項2または3に記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 前記複数の電気熱変換素子は、発熱によりインクに膜沸騰を生じさせ、これにより生じた気泡の成長に伴う圧力を利用してインクを吐出させるものである請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 被記録媒体を搬送する搬送手段と、インクを吐出し、前記被記録媒体に記録を行う請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドを保持し、かつ、前記被記録媒体の搬送方向に対して略直角方向に往復移動する保持手段とを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
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JP2009029116A (ja) * 2007-06-27 2009-02-12 Canon Inc インクジェット記録ヘッド用基板およびインクジェット記録ヘッド

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