JP2004042512A - 導光板製造装置及び導光板製造方法 - Google Patents

導光板製造装置及び導光板製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安価で信頼性の高い導光板製造装置を提供する。
【解決手段】導光板製造装置において、ヒータを内蔵し表面にドットパターンが形成されたスタンパを固定し加熱する円筒ローラと、ヒータを内蔵し樹脂基板を固定し加熱し前記円筒ローラの回動に伴い前記円筒ローラの下方を往復移動する基板固定手段と、前記円筒ローラに固定したスタンパを前記基板固定手段に固定した基板の表面に一定の圧力で押圧させる押圧手段とを備える構成とした。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置の背面照射装置に用いられる導光板を製造する導光板製造装置及び導光板製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
四角形の板状体である透明板の1つの側面(光入射面)から光を入射し、入射した光を表面(光出射面)から出射するようにした、いわゆるエッジライト方式の導光板が、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ及び薄型テレビジョン等に設けられる液晶表示装置などに使用される背面照明装置に用いられている。このような背面照明装置は、導光板の少なくとも1つの側面に管状光源が配置される。導光板の光出射面に対向する面(光反射面)には、導光板内部を透過する光の角度を変える要素(以下、「偏向要素」という。)が設けられている。
【0003】
導光板の光入射面から入射した光は、光反射面で反射され、進行方向を変えられて導光板内を伝搬し光出射面から出射する。一般に、光の輝度が光出射面全面で均一になるように、偏向要素の密度分布及び偏向要素の形状が決定される。
【0004】
上記の偏向要素としては、▲1▼導光板表面に光を散乱または反射する白色インクが塗布されたもの、▲2▼導光板表面に光が散乱または反射されるような凹凸部が設けられたもの、▲3▼導光板中に光拡散剤が含有されたものが挙げられる。
【0005】
上記▲1▼のタイプは、スクリーン印刷等により白色インクを光反射面に印刷することにより製造される。しかし、白色インクの膜厚が不均一になると光反射能に分布が生じ、結果として、光出射面から出射される光の輝度が不均一になる。更に、印刷作業時に空気中の塵埃が白色インクに混入したり、印刷面に付着すると、塵埃による光の散乱が生じ、輝度の均一化がはかれない。また、上記▲3▼のタイプの導光板は、所定の密度分布になるように偏向要素を設けようとしても、高い再現性で基材中に光拡散剤を分散させることが困難である。
【0006】
以上の理由により、上記▲2▼の表面に光を散乱し又は反射する凹凸部(以下「ドット」という。)が偏向要素として設けられた導光板が、多くの液晶表示装置の背面照明装置に用いられている。
【0007】
従来、ドットが設けられた導光板の製造方法としては、特開平9−222514号公報に開示されているような射出成形法が一般的である。しかしながら、導光板の大型化に伴い、大型の射出成形機が必要となり、製造コストが増加したり、転写精度を確保するために比較的長い加圧、冷却時間が必要となる等の課題がある。
【0008】
このような課題を解決する方法として、予めシート状に成形されたアクリル、ポリカーボネイト、ポリスチレンなどの樹脂基板を用い、表面加工を施して導光板を製造する方法が開発されている。その一例として、特開平11−147255号公報には、表面にドットに対応するパターンを刻設した円筒ローラにより樹脂基板の表面にドットを転写して導光板を製造する方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特開平11−147255号公報に記載されている製造方法では、ドットパターンを円筒ローラの表面に刻設しているが、数μmから50μm程度の深さを有するドットを円筒ローラへ直接加工する作業は大変困難である。また、ドットパターンが異なる導光板を製造する毎に、ドットパターンを刻設した円筒ローラを作製しなければならず、円筒ローラの加工に要する時間が増大し、製造コストが増加するという課題がある。
【0010】
また、特開平11−147255号公報に記載されている製造方法は、3連続V溝等のように隣接するパターンが近接している高密度パターンを所望の形状に形成するために、複数の型ローラを用意しなければならず、これらの円筒ローラの加工に要する時間が増大し、製造コストが増加するという課題がある。
【0011】
さらに、特開平11−147255号公報に記載されている製造方法は、搬送ベルトにより搬送された樹脂基板が2つの円筒ローラ(型ローラ及び支持ローラ)により狭持されることによりドットが転写される。しかしながら、振動等により樹脂基板が搬送ベルト上の所定の位置(円筒ローラに対する所定の位置)からずれてしまい、樹脂基板の所定の位置にドットパターンを転写できない場合があった。
【0012】
一般に、樹脂基板は100μm以上の板厚偏差を有している。特開平11−147255号公報に記載されている製造方法では、予め定められた間隔を有した型ローラと支持ローラの間に樹脂基板を通過させているため、深さが数μmから50μmのドットパターンを欠陥なく形成することが困難である。
【0013】
本発明は上述した従来技術の課題を解決し、安価で信頼性の高い導光板製造装置及び導光板製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本願の請求項1記載の発明は、導光板製造装置において、ヒータを内蔵し表面にドットパターンが形成されたスタンパを固定し加熱する円筒ローラと、ヒータを内蔵し樹脂基板を固定し加熱し前記円筒ローラの回動に伴い前記円筒ローラの下方を往復移動する基板固定手段と、前記円筒ローラに固定されたスタンパを前記基板固定手段に固定した基板の表面に一定の圧力で押圧させる押圧手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
本願の請求項2記載の発明は、請求項1記載の導光板製造装置において、前記円筒ローラは、当該円筒ローラが固定するスタンパより熱膨張率が高い材料からなることを特徴とする。
【0016】
本願の請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の導光板製造装置において、前記基板固定手段に固定する樹脂基板を予め熱する加熱手段を更に備え、前記基板固定手段が固定する樹脂基板の荷重撓み温度をTとした場合、前記加熱手段は、(T±20)℃の範囲の温度に樹脂基板を加熱し、前記円筒ローラ及び前記基板固定手段は(T+10)℃以上かつ(T+30)℃以下の範囲の温度に前記円筒ローラに固定したスタンパを加熱することを特徴とする。
【0017】
本願の請求項4記載の発明は、請求項3に記載の導光板製造装置において、前記円筒ローラによりスタンパを押圧される前の樹脂基板の表面近傍の温度が(T±20)℃の範囲の温度になるように加熱する予備加熱手段を備えることを特徴とする。
【0018】
本願の請求項5記載の発明は、導光板製造方法において、固定するスタンパよりも熱膨張率が高い材料からなる円筒ローラにドットパターンが形成されたスタンパを固定するステップと、
基板固定手段に樹脂基板を固定するステップと、
樹脂基板の荷重撓み温度をTとした場合、(T+10)℃以上かつ(T+30)℃以下の温度範囲にスタンパを加熱するステップと、
前記円筒ローラを回動し前記円筒ローラの下方を前記基板固定手段を移動させ前記円筒ローラに固定したスタンパを前記基板固定手段に固定した基板の表面に一定の圧力で押圧するステップとを備えたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。まず、図1から図7を用いて、本発明の一実施例である導光板製造装置の構成を説明する。図1は、本発明の一実施例である導光板製造装置を側面から見た構成を示す模式図である。図2は、本発明の一実施例である導光板製造装置を正面から見た構成を示す模式図である。図3は、本発明の一実施例である導光板製造装置におけるドラムの構成を示す模式図である。図4は、本発明の一実施例である導光板製造装置における台車の上面構造を示す模式図である。図5は、本発明の一実施例である導光板製造装置における台車の断面構造を示す模式図である。図6は、本発明の一実施例である導光板製造装置における加熱装置を側面から見た構成を示す模式図である。図7は、本発明の一実施例である導光板製造装置の加熱装置を正面から見た構成を示す模式図である。図中、1はスタンパ、2は円筒ローラ、3はレール、4は台車、401は第1のアーム、402は第2のアーム、5は樹脂基板、6はドラム、7はベルト、8はテンショナー、9はエアーシリンダ、10はフレーム、11はシム、12はホットプレート、13は断熱シート、131は温度センサ、14はヒータ、15はプーリー、16はロープ、17はクランプ、18は軸受箱、19は赤外線ヒータ、20は放射温度計、21はビデオカメラ、22は幅可変ローラ、221は回転軸、222はローラ、223は載置部、23は軸、24は搬送装置、25は回転モータ、26は保温カバー、27は赤外線ヒータ、28は放射温度計、29はビデオカメラである。
【0020】
ドットパターンが形成されているスタンパ1は、厚さが0.2mmから0.5mm程度であり、ドットパターンが形成されたガラス原盤の表面にニッケルの電気鋳造を行うことにより作製される。スタンパ1は、クランプ17によって円筒ロール2に密着して固定される。円筒ロール2は、内部に電気ヒータ等を内蔵しており、円筒ロール2の表面が所定の温度になるように構成されている。
【0021】
円筒ロール2は、スタンパ1の材料よりも熱膨張率が高い材料により作製される。スタンパ1をニッケルとした場合、円筒ロール2は、アルミニウム、銅又はこれらの合金等が用いられる。ニッケルの熱膨張率は13×10−6cm/(cm・℃)であるのに対しアルミニウムの熱膨張率は20×10−6cm/(cm・℃)である。常温において、ニッケル製のスタンパ1をアルミニウム製の円筒ロール2に装着した後、円筒ロール2の表面を内蔵する電気ヒータ等により加熱すると、円筒ロール2の熱膨張率がスタンパ1の熱膨張率よりも高いため、スタンパ1に引張応力がかかり円筒ロール2に密着する。
【0022】
図2に示すように、ドラム6は、軸23を介して円筒ロール2に固定されている。軸23の両端はフレーム10の内部に昇降可能に設置されている軸受箱18により回転可能に軸支されている。軸23を回転軸として円筒ロール2及びドラム6は回転する。ドラム6が軸23を介して円筒ロール2に固定されているのは、加熱された円筒ロール2からの熱によるドラム6の変形を小さくするためである。ドラム6と円筒ロール2は軸23を介して固定されているため、ドラム6の回転に同期して円筒ロール2が回転する。
【0023】
上述したように、円筒ロール2にに内蔵されている電気ヒーター等は、円筒ロール2の表面が所定の温度になるよう制御される。構造物の性格上、常温時の寸法精度が高温時に保てるとは限らない。そのため円筒ロール2およびドラム6の最終仕上げ研削加工は、使用温度に加熱しながら加工すると真円度、平行度、円筒度が確保できる。
【0024】
図1に示すように、円筒ロール2の下方には、図1の左右方向に往復移動する台車4が設置されている。図2に示すように、フレーム10の下部上面にはレール3が設けられ、車輪を介して台車4を移動可能に支持している。
【0025】
図3に示すように、ドラム6はその外周縁にベルト7が巻かれている。図1に示すように、台車4は、図の左側に第1のアーム401を備え、図の右側に第2のアーム402を備えている。ベルト7の一端は、台車4の第1のアーム401に固定され、ベルト7の他端は台車4の第2のアーム402に固定されている。このため、台車4の移動がベルト7を介してドラム6に伝わり、結果として、図1において、台車4が右方向に移動すると円筒ロール2が反時計方向に回転し、台車4が左方向に移動すると円筒ロール2が時計方向に回転する。台車4の第2のアームにはバネを用いたテンショナー8が固定されていてベルト7の熱膨張等によるたるみを防止している。
【0026】
台車4にはロープ16が固定されている。台車4は、ロープ16とプーリー15によって図1の左右方向に往復移動をし、これにつれてドラム6が回転し、円筒ロール2に固定されたスタンパ1が回転する。
【0027】
本図ではロープ16、レール3及び台車4の車輪を用いているが、ロープ16の代わりにボールスクリュー、ラックとピニオン、リニアモーターなどを用いてもよく、レール3、車輪の代わりに、転がり軸受けを用いたリニアガイド機構や摺動案内機構を用いてもよい。
【0028】
図4及び図5に示すように、台車4は、上面に断熱シート13、ホットプレート12及び爪部29を備えている。ホットプレート12は、温度センサ131及びヒータ14を備えている。温度センサ131によりヒータの温度が制御される。台車4は、ホットプレート12の上面に樹脂基板5を固定載置する。樹脂基板5は、複数の爪部29により、台車4のホットプレート12上で位置決めされる。スタンパ1による樹脂基板5の押圧時、スタンパ1から伝導した熱が樹脂基板5の上面にのみ蓄積され、樹脂基板5の上面が高温、下面が低温のように温度分布が生じる場合がある。この場合、冷却後、樹脂基板5に反りが発生する虞がある。ホットプレート12は、この反りの発生を防止するために設けられたものであり、樹脂基板5の下面の温度が円筒ローラ2の表面温度と同じ温度になるよう、樹脂基板5を加熱する。本実施例の導光板製造装置において、樹脂基板5の下面の温度が、円筒ローラ2の表面温度から±10℃の範囲内にあれば、樹脂基板5に反りは発生しなかった。
【0029】
断熱シート13は、ホットプレート12が発生する熱が台車4に伝導し、台車4が加熱されることを防止する。
【0030】
図2に示すように、軸受箱18の下側には高さ調整用のシム11がある。軸受箱18及びシム11は、エアーシリンダー9により一定圧力に制御されて下方に押圧されている。円筒ロール2に固定されたスタンパ1の下端面が、樹脂基板5の上面より数十μm程度下になるようシム11の厚さが調整される。これにより、スタンパ1による樹脂基板5の押圧時に、数十μmの圧下げを一定押し込み力で実施することができる。
【0031】
図6及び図7は、本実施例の導光板製造装置における加熱装置の構成を示す図である。加熱装置は、台車4に供給する樹脂基板を予め定めた温度に加熱するための装置であり、図1のフレーム10の左側に配置されている。図6及び図7に示すように、加熱装置は、保温カバー26を備えている。
【0032】
保温カバー26の内部には、複数の幅可変ローラ22が設けられている。幅可変ローラ22の回転により、樹脂基板5は加熱装置の内部を入口側から出口側に向かって移動する。図7に示すように幅可変ローラ22は、回転軸221と2つのローラ222により構成されている。ローラ222は内側に載置部223を備えており、載置部223に樹脂基板5を載置する。また、樹脂基板5の幅に応じて2つのローラ222の間隔を変化させることができる。回転軸221の一端は回転モータ25に歯合されており、回転モータ25の回転により回転軸221は回転する。
【0033】
図6に示すように、加熱装置は、幅可変ローラ22の上方と下方に複数の赤外線ヒータ19を備えている。赤外線ヒータ19により、幅可変ローラ22によって移動している樹脂基板5を加熱する。幅可変ローラ22の上方にある赤外線ヒータ19は、後述するように、樹脂基板5の表面の温度が荷重撓み温度±20℃になるように制御される。ここで、樹脂基板5の上面のみを加熱すると、樹脂基板5の上面と下面の熱膨張率が異なるため、反りが発生する。幅可変ローラ22の下方にある赤外線ヒータ19により樹脂基板5の下面を加熱し、樹脂基板5に反りが発生することを防止する。ここで、幅可変ローラ22の上方と下方では、対流熱や輻射熱等の影響で熱の伝わり方が異なるため、赤外線ヒータ19による、樹脂基板5の上面と下面の加熱温度の制御は別々に行うことが好ましい。
【0034】
図1において、円筒ローラ2の左側下方には、上面に反射板を備えた赤外線ヒータ27が設置されている。上面に反射板を備えたのは、赤外線ヒータ27からの熱により円筒ローラ2が加熱されないようにするためであり、また、台車4に載置された樹脂基板5を効率よく加熱するためである。
【0035】
また、図1に示すように、円筒ローラ2の上方には放射温度計20及び放射温度計28が設置されている。放射温度計20は、赤外線ヒータ27よりも図1において右側に位置する樹脂基板5の表面の温度を測定する。放射温度計28は、円筒ローラ2を通過した(図1において円筒ローラ2の左側に位置する)樹脂基板5の表面の温度を測定する。赤外線ヒータ27は、放射温度計20及び放射温度計28の温度測定結果に応じて制御される。
【0036】
台車4の移動速度は、約1mm〜10mm/sであるため、樹脂基板5を載置した台車4が円筒ローラ2の下方を移動中に、前述した加熱装置により加熱された樹脂基板5が台車4上で冷却され、樹脂基板5の表面の温度が所定の温度よりも低くなってしまう虞がある。そこで、放射温度計20によりスタンパ1に押圧される前の樹脂基板5の表面の温度を測定し、所定の温度よりも低い場合は、赤外線ヒータ27により樹脂基板5を加熱する。また、放射温度計28により樹脂基板5が所定温度まで加熱されたか否かを確認する。
【0037】
図2に示すように、本実施例の導光板製造装置は、円筒ローラ2よりも加熱装置側の位置(図1において、円筒ローラ2よりも左側の位置)には、ビデオカメラ21が設置されている。ビデオカメラ21は、台車4に載置された樹脂基板5を側面から撮影し、樹脂基板5に反りが発生しているか否かを検出する。樹脂基板5に反りが発生していた場合、図6に示した、幅可変ローラ22の上下にある赤外線ヒータ19を制御し、樹脂基板5に反りが発生しない温度に調整する。
【0038】
次に導光板に対する熱の加え方について説明する。図8は、スタンパ温度を120℃に固定し、導光板樹脂温度を変化させてパターンを形成した時の転写率を示す図である。樹脂基板として荷重撓み温度100℃のアクリル樹脂を用いた。ここで、荷重撓み温度とは、規定荷重をかけた状態で、荷重中央の撓み量が0.25mmとなった時の温度である。また、転写率とはスタンパ1のパターン高さと樹脂基板に形成されたパターン高さの比を百分率で示したものである。一般的に、転写率は80%以上となることが好ましい。
【0039】
図8に示すように、樹脂基板5の温度が低い場合、転写率は低く、スタンパの温度を変化させても同様である。すなわち、室温に放置した状態の樹脂基板では、高い転写率でパターンを形成することができない。樹脂基板の温度を上げると80℃以上、120℃以下の温度範囲で転写率が80%以上となる。120℃以上の温度となると転写率が急激に減少するが、これは樹脂深部の変形が起こってしまうことに起因する。
【0040】
図9は、樹脂基板の温度100℃に固定し、スタンパの温度を変化させた場合の転写率を示す図である。80%以上の転写率となるスタンパの温度は110℃以上、130℃以下の範囲である。以上より、スタンパだけでなく樹脂基板を予め加熱しておく必要がある。加熱方法としては、オーブン、ホットプレートなど直接熱を加える方法もあるが、樹脂基板の吸収率が高い波長の光を照射する方法がよく、その理由を以下に述べる。
【0041】
図10は、アクリル樹脂の分光透過率を示した図である。図11は、遠赤外線ヒーターの放射輝度を示す図である。二つの図を見比べると、アクリル樹脂の透過率が低い、即ち、加熱効果の高い波長域(2200nm以上の波長域)において遠赤外線ヒーターの放射輝度が高いことが判る。
【0042】
以上のことから、図6に示した加熱装置において、赤外線ヒータ19として遠赤外線ヒータを使用することが好ましい。また、赤外線以外でも樹脂を加熱できる方法であれば使用することができる。例えば、波長350nm以下の紫外線に対するアクリル樹脂の透過率は低く、即ち、吸収率は高くなるため、紫外線を利用することができる。一般的に波長の短い光の方が熱効率は悪くなるが、表面部分のみの加熱が可能となる。
【0043】
次に、本実施例の導光板製造装置の動作について説明する。まず、図6に示すように、樹脂基板5は、ベルトコンベアー等の搬送装置24によって加熱装置内部に搬送される。搬送された樹脂基板5は、加熱装置の幅可変ローラ22上に載置され、加熱装置内を移動している間に赤外線ヒータ19により加熱される。幅可変ローラ22の上方に設置された赤外線ヒータ19は、樹脂基板5の上面の温度が、樹脂基板5の荷重撓み温度(樹脂基板5がアクリル樹脂の場合は100℃)±20℃になるよう加熱する。また、幅可変ローラ22の下方に設置された赤外線ヒータ19は、樹脂基板5に反りが発生しないように、樹脂基板5の下面を加熱する。
【0044】
加熱装置により加熱された樹脂基板5は、図1に示す台車4のホットプレート12上に載置される。このとき、図2に示すビデオカメラ21は樹脂基板5に反りが発生しいるか否かを検出する。ビデオカメラ21は、樹脂基板5に反りが発生したことを検出したとき、反りの方向及び量に応じて、加熱装置の赤外線ヒータ19を制御し、反りが発生しないように加熱温度を調整する。
【0045】
台車4のホットプレート12上に樹脂基板5が固定されると、図1に示すプーリ15が回転し、ロープ16により台車4が引っ張られ、図1の右方向へ移動を開始する。このとき、放射温度計20により樹脂基板5の上面の温度が測定され、樹脂基板5の温度が、樹脂基板5の荷重撓み温度±20℃の範囲にあるか否かが測定される。樹脂基板5の上面の温度が、樹脂基板5の荷重撓み温度から20℃よりも低い場合は、赤外線ヒータ27により樹脂基板5の上面を加熱する。
【0046】
台車4の図1における右方向への移動に伴い、スタンパ1が固定された円筒ロール2が回転する。円筒ロール2及びホットプレート12は、内蔵されたヒータにより樹脂基板5の荷重撓み温度よりも10〜30℃高い温度に加熱されている。円筒ロール2は、図2に示すエアシリンダ9により、一定圧力で下方に押圧されている。スタンパ1は、樹脂基板5が円筒ロール2の下方を通過するとき、スタンパ1の全面が樹脂基板5の上面の全面に接する位置に固定されている。
【0047】
台車4の円筒ロール2の下方の移動及び円筒ロール2の回転に伴い、台車4に固定された樹脂基板5の上面は、円筒ロール2に固定されたスタンパ1によって押圧され、スタンパ1に形成されたドットパターンが樹脂基板5に転写される。
【0048】
そして、スタンパ1による樹脂基板5の押圧を行いながら台車4は円筒ロール2を通過する。台車4は所定の位置まで移動すると停止し、樹脂基板5のバキュームチャッキングを停止し、リフトシリンダ14によりドットパターンが転写された樹脂基板5(導光板)を台車4から除去する。
【0049】
図1に示すプーリ15が回転し、ロープ16により樹脂基板5が除去された台車4が引っ張られ、図1における左方向へ台車4は移動する。台車4は、所定の位置まで移動すると停止し、加熱装置により加熱された次の樹脂基板5を載置する。本実施例の導光板製造装置は、以上のような動作を繰り返し、樹脂基板5にドットパターンを転写する。
【0050】
また、図1に示すように、円筒ローラ2の右側にはビデオカメラ29を設置してもよい。このビデオカメラ29は、円筒ローラ2に取り付けたスタンパ1によってドットパターンが転写された樹脂基板5に許容値を超える反りが発生したか否かを検出する。ビデオカメラ29が樹脂基板5に上面が凹状となる反りが発生したことを検出した場合、台車4のホットプレート12の温度を上げるように制御し、ビデオカメラ29が樹脂基板5に上面が凸状となる反りが発生したことを検出した場合、台車4のホットプレート12の温度を下げるように制御する。
【0051】
以上のように、本実施例の導光板製造装置によれば、円筒ローラにスタンパを固定する方式としたので、ドットパターンや形状が異なる導光板を製造する場合、スタンパのみを取り替えればよいので、製造時間や製造コストを低減することができる。
【0052】
本実施例の導光板製造装置によれば、円筒ロールにスタンパを固定する方式としたので、1の円筒ロールでドット密度に分布をつけることができる(スタンパにドット密度に分布があるパターンを形成しておけばよいため。)。従来技術に比べ工程数が少ないため、欠陥が発生する可能性が低く、また、製造時間を短縮することができる。
【0053】
本実施例の導光板製造装置によれば、台車に樹脂基板を固定してスタンパを押圧する構成としたので、製造工程中に樹脂基板が所定の位置からずれてしまうことがなく、欠陥なく導光板を製造することができる。
【0054】
本実施例の導光板製造装置によれば、樹脂基板に対し一定圧力でスタンパを押圧するようにしたので、樹脂基板の板厚偏差に伴い、転写不良を起こす可能性が低い。
【0055】
以上に示した実施例では、樹脂基板の片面にドットパターンを押圧したが、本実施例の導光板製造装置を用いてドットパターンを形成した後、樹脂基板を反転し、更に本実施例の導光板製造装置を用いてプリズムパターン等の異なるパターンを形成するようにしてもよい。
【発明の効果】
本発明によれば、安価で信頼性の高い導光板製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である導光板製造装置を側面から見た構成を示す模式図。
【図2】本発明の一実施例である導光板製造装置を正面から見た構成を示す模式図。
【図3】本発明の一実施例である導光板製造装置におけるドラムの構成を示す模式図。
【図4】本発明の一実施例である導光板製造装置の台車の上面構造を示す模式図
【図5】本発明の一実施例である導光板製造装置の台車の断面構造を示す模式図。
【図6】本発明の一実施例である導光板製造装置の加熱装置を側面から見た構成を示す模式図。
【図7】本発明の導光板製造装置の一実施例の加熱装置を正面から見た構成を示す模式図。
【図8】スタンパ温度を120℃に固定し、導光板樹脂温度を変化させてパターンを形成した時の転写率を示す図。
【図9】樹脂基板の温度100℃に固定し、スタンパの温度を変化させた場合の転写率を示す図。
【図10】アクリル樹脂の分光透過率を示した図。
【図11】遠赤外線ヒーターの放射輝度を示す図。
【符号の説明】
1・・・スタンパ、2・・・円筒ローラ、3・・・レール、4・・・台車、401・・・第1のアーム、402・・・第2のアーム、5・・・樹脂基板、6・・・ドラム、7・・・ベルト、8・・・テンショナー、9・・・エアーシリンダ、10・・・フレーム、11・・・シム、12・・・ホットプレート、13・・・断熱シート、131・・・温度センサ、14・・・ヒータ、15・・・プーリー、16・・・ロープ、17・・・クランプ、18・・・軸受箱、19・・・赤外線ヒータ、20・・・放射温度計、21・・・ビデオカメラ、22・・・幅可変ローラ、221・・・回転軸、222・・・ローラ、223・・・載置部、23・・・軸、24・・・搬送装置、25・・・回転モータ、26・・・保温カバー、27・・・赤外線ヒータ、28・・・放射温度計、29・・・ビデオカメラ

Claims (5)

  1. ヒータを内蔵し表面にドットパターンが形成されたスタンパを固定し加熱する円筒ローラと、ヒータを内蔵し樹脂基板を固定し加熱し前記円筒ローラの回動に伴い前記円筒ローラの下方を往復移動する基板固定手段と、前記円筒ローラに固定されたスタンパを前記基板固定手段に固定した基板の表面に一定の圧力で押圧させる押圧手段とを備えることを特徴とする導光板製造装置。
  2. 請求項1記載の導光板製造装置において、前記円筒ローラは、当該円筒ローラが固定するスタンパより熱膨張率が高い材料からなることを特徴とする導光板製造装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の導光板製造装置において、前記基板固定手段に固定する樹脂基板を予め熱する加熱手段を更に備え、前記基板固定手段が固定する樹脂基板の荷重撓み温度をTとした場合、前記加熱手段は(T±20)℃の範囲の温度に樹脂基板を加熱し、前記円筒ローラ及び前記基板固定手段は、(T+10)℃以上かつ(T+30)℃以下の範囲の温度に前記円筒ローラに固定したスタンパを加熱することを特徴とする導光板製造装置。
  4. 請求項3に記載の導光板製造装置において、前記円筒ローラによりスタンパを押圧される前の樹脂基板の表面近傍の温度が(T±20)℃の範囲の温度になるように加熱する予備加熱手段を備えることを特徴とする導光板製造装置。
  5. 固定するスタンパよりも熱膨張率が高い材料からなる円筒ローラにドットパターンが形成されたスタンパを固定するステップと、
    基板固定手段に樹脂基板を固定するステップと、
    樹脂基板の荷重撓み温度をTとした場合、(T+10)℃以上かつ(T+30)℃以下の温度範囲にスタンパを加熱するステップと、
    前記円筒ローラを回動し前記円筒ローラの下方を前記基板固定手段を移動させ前記円筒ローラに固定したスタンパを前記基板固定手段に固定した基板の表面に一定の圧力で押圧するステップとを備えたことを特徴とする導光板製造方法。
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