JP2004036510A - ガスタービン動翼シュラウド - Google Patents

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Koichiro Iida
飯田 耕一郎
Takashi Hiyama
檜山 貴志
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Abstract

【課題】簡単な構成で、動翼前縁ハブ側の冷却効率を向上させ、動翼の長寿命化を図ることが可能なガスタービン動翼シュラウドを提供する。
【解決手段】動翼シュラウド2前部のキャビティー面2aに、正面から見て傾斜した状態で羽根10を配置している。そして、キャビティー9からの冷却空気が、矢印Aで示すように、羽根10に沿いつつこれを通過して、動翼前縁ハブ側1aに集中的に吹き出す構成としている。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービン動翼の冷却を効果的に行うための、動翼シュラウドの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ガスタービンにおいては、例えば冷却空気によりタービン回転部の冷却を行っている。図5は、ガスタービンにおける回転部と静止部との間のシール構造を模式的に示す縦断面図である。同図において、1は動翼であり、ケーシング4内部に設けられている。また、動翼1の下部即ちハブ側には動翼シュラウド2が固定されている。そして、動翼1に動翼シュラウド2が固定された各ブロックが、タービンディスク3外周に配設され、全周に渡って取り付けられている。
【0003】
一方、静翼5は動翼1に対して、タービンを駆動する高温・高圧ガスの上流側に設けられている。また、静翼5の上下部には静翼シュラウド6,7がそれぞれ固定されている。そして、動翼シュラウド2と静翼シュラウド7の間には、タービンの全周に渡ってハニカムシール8が静止部側に配置されている。なお、図6は動翼及びシール部の平面図である。同図に示すように、ハニカムシール8は動翼シュラウド2前端を上から覆うように配置されている。また、動翼1に動翼シュラウド2が固定された各ブロックは、そのブロック毎に分割され配設されているのが分かる。
【0004】
図5に示したように、高温・高圧ガスの主流は、矢印aの如く静翼5を通過して所定の流れとなり、更に矢印bの如く動翼1に吹き付けられてこれを駆動し、タービンディスク3に回転力を与える。一方、冷却空気は矢印cで示したように、ハニカムシール8と動翼シュラウド2前端との間を通過し、動翼シュラウド2前部に設けられたキャビティー9を経て動翼シュラウド2さらには動翼1を冷却する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来からの構成では、動翼1前縁の圧力場の影響で、キャビティー9からの冷却空気は動翼1を避けて通過する。このため、動翼前縁ハブ側1aは高温ガスに曝されることとなり、動翼1の耐久性に悪影響を及ぼす。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑み、簡単な構成で、動翼前縁ハブ側の冷却効率を向上させ、動翼の長寿命化を図ることが可能なガスタービン動翼シュラウドを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、動翼の回転によりポンピング作用を生じさせ、これによりシュラウド前部のキャビティーからの冷却空気を動翼前縁ハブ側に吹き付けることを特徴とする。
【0008】
そして、シュラウド前部のキャビティー面に羽根を配置し、前記キャビティーからの冷却空気がその羽根に沿いつつこれを通過して、動翼前縁ハブ側に吹き出すことを特徴とする。
【0009】
或いは、シュラウド上面の動翼前縁付近からシュラウド前部のキャビティー面下部までを掘り下げた溝を形成し、前記キャビティーからの冷却空気がその溝を通過して、動翼前縁ハブ側に吹き出すことを特徴とする。
【0010】
或いは、シュラウド前部のキャビティー面を波形状とし、前記キャビティーからの冷却空気がその波形状の谷間を通過して、動翼前縁ハブ側に吹き出すことを特徴とする。
【0011】
或いは、シュラウド上面前端のR面がシュラウド前部のキャビティー面から前方へ延びて成る突出部を設け、そのR面にフローガイドを配置して、前記キャビティーからの冷却空気がそのR面及びそのフローガイドに導かれ、動翼前縁ハブ側に吹き出すことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本発明では、動翼シュラウド前部のキャビティーからの冷却空気を、積極的に動翼前縁ハブ側に吹き付ける構成としている。この場合、冷却空気を積極的に吹き出すために、動翼の回転を利用してポンピング作用を生じさせるような構造としている。
【0013】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るガスタービン動翼シュラウドの構成を模式的に示す斜視図である。同図に示すように、本実施形態では、動翼シュラウド2前部のキャビティー面2aに、正面から見て傾斜した状態で羽根10を配置している。そして、キャビティー9からの冷却空気が、矢印Aで示すように、羽根10に沿いつつこれを通過して、動翼前縁ハブ側1aに集中的に吹き出す構成としている。
【0014】
図2は、本発明の第2の実施形態に係るガスタービン動翼シュラウドの構成を模式的に示す斜視図である。同図に示すように、本実施形態では、動翼1が固定されている動翼シュラウド2の上面2bにおける動翼前縁付近から、動翼シュラウド2前部のキャビティー面2a下部までを掘り下げて溝11を形成している。そして、この溝11が冷却空気の道筋となり、キャビティー9からの冷却空気がここを通過して、動翼前縁ハブ側1aに集中的に吹き出す構成としている。
【0015】
図3は、本発明の第3の実施形態に係るガスタービン動翼シュラウドの構成を模式的に示す斜視図である。同図に示すように、本実施形態では、動翼シュラウド2前部のキャビティー面2aを波形状とし、正面から見て傾斜した状態で谷間2aaを設けている。この谷間2aaが冷却空気の道筋となり、キャビティー9からの冷却空気がここを通過して、動翼前縁ハブ側1aに集中的に吹き出す構成としている。
【0016】
図4は、本発明の第4の実施形態に係るガスタービン動翼シュラウドの構成を模式的に示す斜視図である。同図に示すように、本実施形態では、動翼シュラウド2の上面2b前端をR面形状とし、これがキャビティー面2aから前方へ延びて成る突出部2cを設けた構造としている。さらに、この突出部2cの表面であるR面2ca上に、楔状のフローガイド12を配置している。
【0017】
そして、キャビティー9からの冷却空気が、突出部2cのR面2ca及びフローガイド12に導かれ、動翼前縁ハブ側1aに集中的に吹き出す構成としている。なお、ここでの動翼前縁ハブ側1aは、同図に示したように、R面2caに沿って若干垂下した形状となっている。
【0018】
以上、図示した実施の形態について本発明の説明を行ったが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えて良いことは言うまでもない。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、簡単な構成で、動翼前縁ハブ側の冷却効率を向上させ、動翼の長寿命化を図ることが可能なガスタービン動翼シュラウドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るガスタービン動翼シュラウドの構成を模式的に示す斜視図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るガスタービン動翼シュラウドの構成を模式的に示す斜視図。
【図3】本発明の第3の実施形態に係るガスタービン動翼シュラウドの構成を模式的に示す斜視図。
【図4】本発明の第4の実施形態に係るガスタービン動翼シュラウドの構成を模式的に示す斜視図。
【図5】ガスタービンにおける回転部と静止部との間のシール構造を模式的に示す縦断面図。
【図6】動翼及びシール部の平面図。
【符号の説明】
1  動翼
1a  動翼前縁ハブ側
2  動翼シュラウド
2a  キャビティー面
2c  突出部
3  タービンディスク
4  ケーシング
5  静翼
6,7  静翼シュラウド
8  ハニカムシール
9  キャビティー
10  羽根
11  溝
12  フローガイド

Claims (5)

  1. 動翼の回転によりポンピング作用を生じさせ、これによりシュラウド前部のキャビティーからの冷却空気を動翼前縁ハブ側に吹き付けることを特徴とするガスタービン動翼シュラウド。
  2. シュラウド前部のキャビティー面に羽根を配置し、前記キャビティーからの冷却空気が該羽根に沿いつつこれを通過して、動翼前縁ハブ側に吹き出すことを特徴とする請求項1に記載のガスタービン動翼シュラウド。
  3. シュラウド上面の動翼前縁付近からシュラウド前部のキャビティー面下部までを掘り下げた溝を形成し、前記キャビティーからの冷却空気が該溝を通過して、動翼前縁ハブ側に吹き出すことを特徴とする請求項1に記載のガスタービン動翼シュラウド。
  4. シュラウド前部のキャビティー面を波形状とし、前記キャビティーからの冷却空気が該波形状の谷間を通過して、動翼前縁ハブ側に吹き出すことを特徴とする請求項1に記載のガスタービン動翼シュラウド。
  5. シュラウド上面前端のR面がシュラウド前部のキャビティー面から前方へ延びて成る突出部を設け、該R面にフローガイドを配置して、前記キャビティーからの冷却空気が該R面及び該フローガイドに導かれ、動翼前縁ハブ側に吹き出すことを特徴とする請求項1に記載のガスタービン動翼シュラウド。
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