JP2004035118A - エレベータ用昇降駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コストが低減できるエレベータ用昇降駆動装置を提供する。
【解決手段】固定部材2と、固定部材2に対して相対的に回転しロープ4が巻き掛けられるシーブ3と、電動モータ6と、電動モータのロータ10の回転をシーブ3に伝達する減速機とを備えたエレベータ用駆動装置1において、減速機が電動モータ6のロータ10に一体的な入力軸21と、シーブ3の放射方向内側に配置され固定部材2に一体的な固定リング部材22と、入力軸21の外周及び固定リング部材22の内周にその外周で係合する複数の遊星ローラ26と、複数の遊星ローラ26を回転自在に支持し出力回転が取り出されると共にシーブ3に一体的な支持部材28とを有する遊星式減速機20である。
【選択図】 図1
【解決手段】固定部材2と、固定部材2に対して相対的に回転しロープ4が巻き掛けられるシーブ3と、電動モータ6と、電動モータのロータ10の回転をシーブ3に伝達する減速機とを備えたエレベータ用駆動装置1において、減速機が電動モータ6のロータ10に一体的な入力軸21と、シーブ3の放射方向内側に配置され固定部材2に一体的な固定リング部材22と、入力軸21の外周及び固定リング部材22の内周にその外周で係合する複数の遊星ローラ26と、複数の遊星ローラ26を回転自在に支持し出力回転が取り出されると共にシーブ3に一体的な支持部材28とを有する遊星式減速機20である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の遊星ローラを回転自在に支持すると共にシーブに一体的な支持部材から出力回転が取り出される遊星式減速機を備えたエレベータ用昇降駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のエレベータ用昇降駆動装置は、例えば特開2000−344449号公報に開示されたものがある。当該公報に開示されたエレベータ用昇降駆動装置は、固定部材と、該固定部材に対して相対的に回転しロープが巻き掛けられるシーブと、電動モータと、該電動モータのロータの回転をシーブに伝達する減速機とを備えている。そして、その減速機は電動モータのロータと一体的に回転する入力軸と、出力回転が取り出されると共にシーブに一体的なリング部材と、入力軸の外周及びリング部材の内周にその外周で係合する複数の遊星ローラと、該複数の遊星ローラを回転自在に支持すると共にリング部材の放射方向内側に配置され固定部材に一体的な固定の支持部材とを有する遊星式減速機である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のエレベータ用昇降駆動装置は叙上の如く、リング部材から出力を取り出す遊星式減速機を用いているため、減速比が大きく取れず電動機の容量・サイズが大きく成らざるを得ず、製造コストの高いエレベータ用昇降駆動装置となっていた。
本発明は以上の点に鑑み、製造コストが低減できるエレベータ用昇降駆動装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によるエレベータ用昇降駆動装置は、減速機が電動モータのロータと一体的に回転する入力軸と、シーブの放射方向内側に配置され固定部材に一体的な固定リング部材と、入力軸の外周及び固定リング部材の内周にその外周で係合する複数の遊星ローラと、複数の遊星ローラを回転自在に支持し出力回転が取り出されると共にシーブに一体的な支持部材とを有する遊星式減速機であることを特徴としている。即ち、複数の遊星ローラに係合する内周を有するリング部材が固定され、複数の遊星ローラを回転自在に支持する支持部材から出力回転が取り出される構成にしているので、減速比が大きく取れる遊星式減速機となっている。従って、電動機の容量・サイズが小さくなって、製造コストが低減できるエレベータ用昇降駆動装置を提供することができる。
【0005】
また、固定リング部材が固定部材に一体的な固定リングと、固定リングの放射方向内側に配設された円筒体と、固定リング及び円筒体を連結する離隔された複数の連結部材とから構成されていることを特徴としている。即ち、固定リング部材の主要部品が固定リング及び円筒体の二部品から構成されていて、その二部品は離隔された複数の連結部材の場所でのみ連結されているので、円筒体の変形・振動が固定リングへ伝達され難い構成となっている。従って、騒音が低減できるエレベータ用昇降駆動装置を提供することができる。
また、入力軸の外周、固定リング部材の内周、並びに複数の遊星ローラの外周が円形面であって、複数の遊星ローラの外周が入力軸の外周及び固定リング部材の内周に圧入されて接触している係合状態であることを特徴としている。即ち、トラクション型或いはフリクション型の遊星式減速機の構成となっている。従って、騒音が低減できるエレベータ用昇降駆動装置を提供することができる。
【0006】
また、電動モータがコイルを有し固定リングの放射方向内側に取り付けられたステータと、ステータの放射方向内側に配設されたロータとから構成されていることを特徴としている。即ち、電動モータのステータ及びロータが放射平面上に配設されている。従って、軸方向に短いエレベータ用昇降駆動装置を提供することができる。
また、入力軸が固定リング及び支持部材に回転自在に支持されていることを特徴としている。即ち、入力軸が両端で安定支持されている。従って、剛性のあるエレベータ用昇降駆動装置を提供することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1において、1はエレベータシャフト100及びエレベータカー(図示なし)間に配設するエレベータ用昇降駆動装置である。2はエレベータシャフト100の内側に取り付けられる固定部材である。3は固定部材2に対して相対的に回転しロープ4が巻き掛けられる複数の外周溝5並びにブレーキ作用外周部11を形成した円筒状のシーブである。シーブ3の回転に基づくロープ4の移動によって、エレベータカーが昇降できる。6は電動モータである。電動モータ6は後述する減速機の固定リングの放射方向内側に取り付けられ、コイル7を有するステータ8と、後述する減速機の入力軸にスプライン結合されステータ8の放射方向内側に配設され、永久磁石9を有するロータ10から構成されている。ロータ10は減速機の入力軸と一体的に回転できるように取り付けられている。
20は電動モータ6のロータ10の回転をシーブ3に伝達する減速機である。減速機20は電動モータ6のロータ10と一体的に回転する入力軸21と、シーブ3の放射方向内側に配置され固定部材2に一体的な固定リング部材22と、入力軸21の外周の円形面23及び固定リング部材22の内周の円形面24に圧入され接触する円形面の外周25を有する複数(3個)の遊星ローラ26と、複数の遊星ローラ26の両端部を一対の軸受27で回転自在に支持し出力回転が取り出されると共にシーブ5に一体的な支持部材28とを有する遊星式減速機である。
複数の遊星ローラ26の外周は入力軸21の外周及び固定リング部材22の内周に圧入されて接触している係合状態となっている。
【0008】
各遊星ローラ26の円形面の外周は入力軸21の外周及び固定リング部材22の内周に歯車係合する形であっても良い。この場合、各遊星ローラ26の円形面の外周、入力軸21の外周及び固定リング部材22の内周には複数の歯が形成される。
固定リング部材22は固定部材2にボルト29で一体的に取り付けられた固定リング30と、固定リング30の放射方向内側に配設された円筒体31と、固定リング30及び円筒体31を連結する離隔された複数(15個)の円形のピン32とから構成されている。ピン32は、固定リング30及び円筒体31が相対回転不可能に連結する連結部材を構成する。
支持部材28は一対の円板部材33から構成されている。一対の円板部材33の一方34には複数(3個)の柱部35が形成されている。一対の円板部材33の他方36及び複数の柱部35は複数のボルト37で結合されている。
一対の軸受40は固定リング30の内周及び一対の円板部材33の外周間に挿嵌されており、支持部材28を固定リング部材22に対して支持している。
入力軸21の両端部は固定リング30の内方円板部41及び一対の円板部材33の他方36に軸受42と軸受43で回転自在に支持されている。即ち、入力軸21は固定リング30及び支持部材28に回転自在に支持されている。
シーブ5は一対の円板部材33の他方36と一体形成されている。即ち、減速機20は支持部材28及びシーブ5が一体的に構成され、支持部材28及びシーブ5から出力回転が取り出される遊星式減速機となっている。
【0009】
固定部材2の内方にはブラケット44が取り付けられている。ブラケット44の内方には回転検出器(エンコーダ)45の固定部が取り付けられている。回転検出器45の入力軸部は入力軸21の端面にボルト46で取り付けられている。
シーブ3の一端側の内周面及び固定リング30の外周面間にはオイルシール50が設けられており、減速機内の油の外部側への漏洩を防止している。
固定リング30の内方の内周面及び入力軸21の端部の外周面間にはオイルシール51が設けられており、減速機内の油の電動機側への漏洩を防止している。
60はブレーキシュー61を有するブレーキ装置である。ブレーキ装置60の固定部62は固定部材2に取り付けられている。ブレーキシュー61はシーブ3のブレーキ作用外周部11に向かってブレーキ作用外周部11に当接することにより、シーブ3にブレーキを付与し、ブレーキ作用外周部11から離隔することにより、シーブ3のブレーキを解除する。
蓋70は、遊星ローラ26及び入力軸21を覆うように、一対の円板部材33の他方36の外端面にシートガスケットを介してボルト71で取り付けており、減速機内の油の外部側への漏洩を防止している。
【0010】
次に、本発明の実施形態の作用について説明する。
電動モータ6のコイル7に通電することにより、ロータ10及びロータ10と一体的に回転する入力軸21が回転する。入力軸21に接触している複数の遊星ローラ26は固定の円筒体31の内周に接触しつつ、自身の遊星ローラ26の中心軸回りに回転しながら入力軸21の中心軸回りに回動する。遊星ローラ26が入力軸21の中心軸回りに公転することにより支持部材28も一緒に回動し、支持部材28及び支持部材28と一体的なシーブ3から出力回転が取り出される構成となっている。シーブ3の回転に基づくロープ4の移動によって、エレベータカー(図示なし)が昇降できる。
【0011】
次に本エレベータ用昇降駆動装置1に用いた、固定リング30を固定し支持部材28から回転出力を取り出す本遊星式減速機20において、減速比が大きく取れる理由を説明する。
入力軸21の円形外径をD0とし固定リング30の円形内径をD1とすると、支持部材28から回転出力を取り出す本遊星式減速機20の場合は、入力軸21の回転数Nと支持部材28(即ちシーブ5)の回転数NKとの減速比i1は次式(1)となる。
i1=NK/N=D0/(D0+D1) ・・・・(1)
一方、支持部材28を固定し固定リング30から回転出力を取り出す遊星式減速機の場合は、入力軸21の回転数Nと固定リング30(即ちシーブ5)の回転数NRとの減速比i2は次式(2)となる。
i2=NR/N=D0/D1 ・・・・(2)
即ち、i1<i2となり、支持部材28から回転出力を取り出す本遊星式減速機20は、固定リング30から回転出力を取り出す遊星式減速機より減速比が大きくなるのである。従って、本エレベータ用昇降駆動装置1は電動機の容量・サイズが小さくなって、コストが低減できる。
【0012】
固定リング部材22が固定部材2に一体的な固定リング30と、固定リング30の放射方向内側に配設された円筒体31と、固定リング30及び円筒体31を連結する離隔された複数の連結部材32とから構成している。即ち、固定リング部材22の主要部品が固定リング30及び円筒体31の二部品から構成されていて、その二部品は離隔された複数の連結部材32の場所でのみ連結されているので、円筒体31の変形・振動が固定リング30へ伝達され難い構成としている。従って、本エレベータ用昇降駆動装置1は騒音が低減できる。
【0013】
入力軸21の外周23、固定リング部材22の内周24、並びに複数の遊星ローラ26の外周25が円形面であって、複数の遊星ローラ26の外周25が入力軸21の外周23及び固定リング部材22の内周24に圧入されて接触している係合状態としている。即ち、トラクション型或いはフリクション型の遊星式減速機20としている。従って、本エレベータ用昇降駆動装置1は騒音が低減できる。
電動モータ6がコイル7を有し固定リング30の放射方向内側に取り付けられたステータ8と、ステータ8の放射方向内側に配設されたロータ10とから構成している。即ち、電動モータ6のステータ8及びロータ10が放射平面上に配設されている。従って、本エレベータ用昇降駆動装置1は軸方向に短いものとなっている。
入力軸21が固定リング30及び支持部材28に回転自在に支持されている。即ち、入力軸21が両端で安定支持されている。従って、本エレベータ用昇降駆動装置1は剛性があるものとなっている。
【0014】
【発明の効果】
本発明の請求項1によれば、製造コストが低減できるエレベータ用昇降駆動装置を提供することができる。
本発明の請求項2によれば、騒音が低減できるエレベータ用昇降駆動装置を提供することができる。
本発明の請求項3によれば、騒音が低減できるエレベータ用昇降駆動装置を提供することができる。
本発明の請求項4によれば、軸方向に短いエレベータ用昇降駆動装置を提供することができる。
本発明の請求項5によれば、剛性のあるエレベータ用昇降駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・エレベータ用駆動装置
2・・・・・固定部材
3・・・・・シーブ
4・・・・・ロープ
6・・・・・電動モータ
7・・・・・コイル
8・・・・・ステータ
10・・・・ロータ
20・・・・遊星式減速機
21・・・・入力軸
22・・・・固定リング部材
26・・・・遊星ローラ
28・・・・支持部材
30・・・・固定リング
31・・・・円筒体
32・・・・連結部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の遊星ローラを回転自在に支持すると共にシーブに一体的な支持部材から出力回転が取り出される遊星式減速機を備えたエレベータ用昇降駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のエレベータ用昇降駆動装置は、例えば特開2000−344449号公報に開示されたものがある。当該公報に開示されたエレベータ用昇降駆動装置は、固定部材と、該固定部材に対して相対的に回転しロープが巻き掛けられるシーブと、電動モータと、該電動モータのロータの回転をシーブに伝達する減速機とを備えている。そして、その減速機は電動モータのロータと一体的に回転する入力軸と、出力回転が取り出されると共にシーブに一体的なリング部材と、入力軸の外周及びリング部材の内周にその外周で係合する複数の遊星ローラと、該複数の遊星ローラを回転自在に支持すると共にリング部材の放射方向内側に配置され固定部材に一体的な固定の支持部材とを有する遊星式減速機である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のエレベータ用昇降駆動装置は叙上の如く、リング部材から出力を取り出す遊星式減速機を用いているため、減速比が大きく取れず電動機の容量・サイズが大きく成らざるを得ず、製造コストの高いエレベータ用昇降駆動装置となっていた。
本発明は以上の点に鑑み、製造コストが低減できるエレベータ用昇降駆動装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によるエレベータ用昇降駆動装置は、減速機が電動モータのロータと一体的に回転する入力軸と、シーブの放射方向内側に配置され固定部材に一体的な固定リング部材と、入力軸の外周及び固定リング部材の内周にその外周で係合する複数の遊星ローラと、複数の遊星ローラを回転自在に支持し出力回転が取り出されると共にシーブに一体的な支持部材とを有する遊星式減速機であることを特徴としている。即ち、複数の遊星ローラに係合する内周を有するリング部材が固定され、複数の遊星ローラを回転自在に支持する支持部材から出力回転が取り出される構成にしているので、減速比が大きく取れる遊星式減速機となっている。従って、電動機の容量・サイズが小さくなって、製造コストが低減できるエレベータ用昇降駆動装置を提供することができる。
【0005】
また、固定リング部材が固定部材に一体的な固定リングと、固定リングの放射方向内側に配設された円筒体と、固定リング及び円筒体を連結する離隔された複数の連結部材とから構成されていることを特徴としている。即ち、固定リング部材の主要部品が固定リング及び円筒体の二部品から構成されていて、その二部品は離隔された複数の連結部材の場所でのみ連結されているので、円筒体の変形・振動が固定リングへ伝達され難い構成となっている。従って、騒音が低減できるエレベータ用昇降駆動装置を提供することができる。
また、入力軸の外周、固定リング部材の内周、並びに複数の遊星ローラの外周が円形面であって、複数の遊星ローラの外周が入力軸の外周及び固定リング部材の内周に圧入されて接触している係合状態であることを特徴としている。即ち、トラクション型或いはフリクション型の遊星式減速機の構成となっている。従って、騒音が低減できるエレベータ用昇降駆動装置を提供することができる。
【0006】
また、電動モータがコイルを有し固定リングの放射方向内側に取り付けられたステータと、ステータの放射方向内側に配設されたロータとから構成されていることを特徴としている。即ち、電動モータのステータ及びロータが放射平面上に配設されている。従って、軸方向に短いエレベータ用昇降駆動装置を提供することができる。
また、入力軸が固定リング及び支持部材に回転自在に支持されていることを特徴としている。即ち、入力軸が両端で安定支持されている。従って、剛性のあるエレベータ用昇降駆動装置を提供することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1において、1はエレベータシャフト100及びエレベータカー(図示なし)間に配設するエレベータ用昇降駆動装置である。2はエレベータシャフト100の内側に取り付けられる固定部材である。3は固定部材2に対して相対的に回転しロープ4が巻き掛けられる複数の外周溝5並びにブレーキ作用外周部11を形成した円筒状のシーブである。シーブ3の回転に基づくロープ4の移動によって、エレベータカーが昇降できる。6は電動モータである。電動モータ6は後述する減速機の固定リングの放射方向内側に取り付けられ、コイル7を有するステータ8と、後述する減速機の入力軸にスプライン結合されステータ8の放射方向内側に配設され、永久磁石9を有するロータ10から構成されている。ロータ10は減速機の入力軸と一体的に回転できるように取り付けられている。
20は電動モータ6のロータ10の回転をシーブ3に伝達する減速機である。減速機20は電動モータ6のロータ10と一体的に回転する入力軸21と、シーブ3の放射方向内側に配置され固定部材2に一体的な固定リング部材22と、入力軸21の外周の円形面23及び固定リング部材22の内周の円形面24に圧入され接触する円形面の外周25を有する複数(3個)の遊星ローラ26と、複数の遊星ローラ26の両端部を一対の軸受27で回転自在に支持し出力回転が取り出されると共にシーブ5に一体的な支持部材28とを有する遊星式減速機である。
複数の遊星ローラ26の外周は入力軸21の外周及び固定リング部材22の内周に圧入されて接触している係合状態となっている。
【0008】
各遊星ローラ26の円形面の外周は入力軸21の外周及び固定リング部材22の内周に歯車係合する形であっても良い。この場合、各遊星ローラ26の円形面の外周、入力軸21の外周及び固定リング部材22の内周には複数の歯が形成される。
固定リング部材22は固定部材2にボルト29で一体的に取り付けられた固定リング30と、固定リング30の放射方向内側に配設された円筒体31と、固定リング30及び円筒体31を連結する離隔された複数(15個)の円形のピン32とから構成されている。ピン32は、固定リング30及び円筒体31が相対回転不可能に連結する連結部材を構成する。
支持部材28は一対の円板部材33から構成されている。一対の円板部材33の一方34には複数(3個)の柱部35が形成されている。一対の円板部材33の他方36及び複数の柱部35は複数のボルト37で結合されている。
一対の軸受40は固定リング30の内周及び一対の円板部材33の外周間に挿嵌されており、支持部材28を固定リング部材22に対して支持している。
入力軸21の両端部は固定リング30の内方円板部41及び一対の円板部材33の他方36に軸受42と軸受43で回転自在に支持されている。即ち、入力軸21は固定リング30及び支持部材28に回転自在に支持されている。
シーブ5は一対の円板部材33の他方36と一体形成されている。即ち、減速機20は支持部材28及びシーブ5が一体的に構成され、支持部材28及びシーブ5から出力回転が取り出される遊星式減速機となっている。
【0009】
固定部材2の内方にはブラケット44が取り付けられている。ブラケット44の内方には回転検出器(エンコーダ)45の固定部が取り付けられている。回転検出器45の入力軸部は入力軸21の端面にボルト46で取り付けられている。
シーブ3の一端側の内周面及び固定リング30の外周面間にはオイルシール50が設けられており、減速機内の油の外部側への漏洩を防止している。
固定リング30の内方の内周面及び入力軸21の端部の外周面間にはオイルシール51が設けられており、減速機内の油の電動機側への漏洩を防止している。
60はブレーキシュー61を有するブレーキ装置である。ブレーキ装置60の固定部62は固定部材2に取り付けられている。ブレーキシュー61はシーブ3のブレーキ作用外周部11に向かってブレーキ作用外周部11に当接することにより、シーブ3にブレーキを付与し、ブレーキ作用外周部11から離隔することにより、シーブ3のブレーキを解除する。
蓋70は、遊星ローラ26及び入力軸21を覆うように、一対の円板部材33の他方36の外端面にシートガスケットを介してボルト71で取り付けており、減速機内の油の外部側への漏洩を防止している。
【0010】
次に、本発明の実施形態の作用について説明する。
電動モータ6のコイル7に通電することにより、ロータ10及びロータ10と一体的に回転する入力軸21が回転する。入力軸21に接触している複数の遊星ローラ26は固定の円筒体31の内周に接触しつつ、自身の遊星ローラ26の中心軸回りに回転しながら入力軸21の中心軸回りに回動する。遊星ローラ26が入力軸21の中心軸回りに公転することにより支持部材28も一緒に回動し、支持部材28及び支持部材28と一体的なシーブ3から出力回転が取り出される構成となっている。シーブ3の回転に基づくロープ4の移動によって、エレベータカー(図示なし)が昇降できる。
【0011】
次に本エレベータ用昇降駆動装置1に用いた、固定リング30を固定し支持部材28から回転出力を取り出す本遊星式減速機20において、減速比が大きく取れる理由を説明する。
入力軸21の円形外径をD0とし固定リング30の円形内径をD1とすると、支持部材28から回転出力を取り出す本遊星式減速機20の場合は、入力軸21の回転数Nと支持部材28(即ちシーブ5)の回転数NKとの減速比i1は次式(1)となる。
i1=NK/N=D0/(D0+D1) ・・・・(1)
一方、支持部材28を固定し固定リング30から回転出力を取り出す遊星式減速機の場合は、入力軸21の回転数Nと固定リング30(即ちシーブ5)の回転数NRとの減速比i2は次式(2)となる。
i2=NR/N=D0/D1 ・・・・(2)
即ち、i1<i2となり、支持部材28から回転出力を取り出す本遊星式減速機20は、固定リング30から回転出力を取り出す遊星式減速機より減速比が大きくなるのである。従って、本エレベータ用昇降駆動装置1は電動機の容量・サイズが小さくなって、コストが低減できる。
【0012】
固定リング部材22が固定部材2に一体的な固定リング30と、固定リング30の放射方向内側に配設された円筒体31と、固定リング30及び円筒体31を連結する離隔された複数の連結部材32とから構成している。即ち、固定リング部材22の主要部品が固定リング30及び円筒体31の二部品から構成されていて、その二部品は離隔された複数の連結部材32の場所でのみ連結されているので、円筒体31の変形・振動が固定リング30へ伝達され難い構成としている。従って、本エレベータ用昇降駆動装置1は騒音が低減できる。
【0013】
入力軸21の外周23、固定リング部材22の内周24、並びに複数の遊星ローラ26の外周25が円形面であって、複数の遊星ローラ26の外周25が入力軸21の外周23及び固定リング部材22の内周24に圧入されて接触している係合状態としている。即ち、トラクション型或いはフリクション型の遊星式減速機20としている。従って、本エレベータ用昇降駆動装置1は騒音が低減できる。
電動モータ6がコイル7を有し固定リング30の放射方向内側に取り付けられたステータ8と、ステータ8の放射方向内側に配設されたロータ10とから構成している。即ち、電動モータ6のステータ8及びロータ10が放射平面上に配設されている。従って、本エレベータ用昇降駆動装置1は軸方向に短いものとなっている。
入力軸21が固定リング30及び支持部材28に回転自在に支持されている。即ち、入力軸21が両端で安定支持されている。従って、本エレベータ用昇降駆動装置1は剛性があるものとなっている。
【0014】
【発明の効果】
本発明の請求項1によれば、製造コストが低減できるエレベータ用昇降駆動装置を提供することができる。
本発明の請求項2によれば、騒音が低減できるエレベータ用昇降駆動装置を提供することができる。
本発明の請求項3によれば、騒音が低減できるエレベータ用昇降駆動装置を提供することができる。
本発明の請求項4によれば、軸方向に短いエレベータ用昇降駆動装置を提供することができる。
本発明の請求項5によれば、剛性のあるエレベータ用昇降駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・エレベータ用駆動装置
2・・・・・固定部材
3・・・・・シーブ
4・・・・・ロープ
6・・・・・電動モータ
7・・・・・コイル
8・・・・・ステータ
10・・・・ロータ
20・・・・遊星式減速機
21・・・・入力軸
22・・・・固定リング部材
26・・・・遊星ローラ
28・・・・支持部材
30・・・・固定リング
31・・・・円筒体
32・・・・連結部材
Claims (5)
- 固定部材と、該固定部材に対して相対的に回転しロープが巻き掛けられるシーブと、電動モータと、該電動モータのロータの回転を前記シーブに伝達する減速機とを備えたエレベータ用駆動装置において、前記減速機が前記電動モータのロータと一体的に回転する入力軸と、前記シーブの放射方向内側に配置され前記固定部材に一体的な固定リング部材と、前記入力軸の外周及び前記固定リング部材の内周にその外周で係合する複数の遊星ローラと、該複数の遊星ローラを回転自在に支持し出力回転が取り出されると共に前記シーブに一体的な支持部材とを有する遊星式減速機であることを特徴とするエレベータ用昇降駆動装置。
- 前記固定リング部材が前記固定部材に一体的な固定リングと、該固定リングの放射方向内側に配設された円筒体と、前記固定リング及び前記円筒体を連結する離隔された複数の連結部材とから構成されていることを特徴とする請求項1記載のエレベータ用昇降駆動装置。
- 前記入力軸の前記外周、前記固定リング部材の前記内周、並びに前記複数の遊星ローラの前記外周が円形面であって、前記複数の遊星ローラの前記外周が前記入力軸の前記外周及び前記固定リング部材の前記内周に圧入されて接触している係合状態であることを特徴とする請求項1記載のエレベータ用昇降駆動装置。
- 前記電動モータがコイルを有し前記固定リングの放射方向内側に取り付けられたステータと、該ステータの放射方向内側に配設されたロータとから構成されていることを特徴とする請求項1記載のエレベータ用昇降駆動装置。
- 前記入力軸が前記固定リング及び前記支持部材に回転自在に支持されていることを特徴とする請求項2記載のエレベータ用昇降駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002191168A JP2004035118A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | エレベータ用昇降駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002191168A JP2004035118A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | エレベータ用昇降駆動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004035118A true JP2004035118A (ja) | 2004-02-05 |
Family
ID=31700866
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002191168A Pending JP2004035118A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | エレベータ用昇降駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004035118A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013106694A (ja) * | 2011-11-18 | 2013-06-06 | Itoki Corp | 椅子 |
-
2002
- 2002-06-28 JP JP2002191168A patent/JP2004035118A/ja active Pending
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JP2013106694A (ja) * | 2011-11-18 | 2013-06-06 | Itoki Corp | 椅子 |
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