JP2004032965A - 電機子製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ボビン24が回転してボビン24に巻線26を巻き掛ける際に、ノズル76の先端がボビン24の幅方向端部に向く状態で、ノズル76が設けられた誘導筒38をボビン24の回転方向と同方向へ所定角度回動させる。これにより、ボビン24とノズル76との間で巻線26の張力が増加し、巻線26の膨らみが抑制若しくは防止される。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータや発電機に用いられる回転電機の電機子製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、モータ等の回転電機は、磁性体によって円筒形状に形成されたコアを備えている。このコアの外周部からはティースがの軸心周りに所定角度毎に突出形成されており、更に、各ティースにはぞれぞれ巻線が巻き掛けられている。各ティースに巻き掛けられた巻線は、同一相の巻線を構成する巻線同士が互いに導通しており、回転電機がモータであれば巻線を通電させることでコア周囲に所定の磁界が形成される。
【0003】
一方、回転電機はコアの周囲等に永久磁石が配置されており、回転電機がモータであれば、この永久磁石が形成する磁界と巻線を通電することでコアの周囲に形成された磁界との相互作用でコアの軸心周りに回転力が生じる。この回転力で、永久磁石若しくはコアが回転する。
【0004】
このような、巻線をティースに巻き掛ける方法としては、ティースに直接巻線を巻き掛ける方法と、筒状のボビンの周囲に巻線を巻き掛け、このボビンをティースに嵌合させることで、間接的にティースに巻線を巻き掛ける方法とがあり、特に、コアが大型の場合には、ボビンを用いる方法が採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、巻線は銅等の金属により形成されているため、それ自体が弾性を有しており、しかも、この巻線の弾性は、当然のことながら線径が太い巻線ほど大きい。したがって、線径が太い巻線をボビン等に巻き掛ける際には、比較的強い弾性に抗して巻き掛けることになる。巻線の弾性は基本的に伸直しようとする方向に作用するため、ボビン等に巻線を巻き掛ける際には、この弾性により巻線が膨らもうとする。このような膨らみは、ボビンの径方向に沿って隣接する巻線間に隙間を形成してしまうことになり、ボビンへ巻線を巻いた際の占積率の向上させることが困難となり、ひいては、モータの効率向上の妨げとなる。
【0006】
このような巻線の膨らみを抑制若しくは防止するための一手段としては、ボビンに巻線を巻き掛けた後に、巻線をボビンに巻き掛けた後にプレス装置等の加圧手段によって外部から巻線を加圧して巻線を密着させる方法がある。しかしながら、このようなプレス装置等の加圧手段で巻線を加圧するということは、巻線工程の終了後に別の加圧工程が必要となるということであり、工数が増えてしまう。
【0007】
また、外部から一定の圧力を巻線に付与する際には、巻線を介してボビン等にも間接的に圧力が作用する。このようにボビン等に圧力が作用することで、ボビンが弾性変形した場合には、上記の加圧による巻線の圧縮効果が薄れ、効果的に占積率を向上させることができないという問題がある。
【0008】
さらに、外部から一定の圧力をかけることで、巻線同士が交差した部分に対しても他の部分と同様に加圧されてしまい、絶縁のために巻線を被覆するコーティング等に傷が入ったり等の不具合が生じる可能性がある。
【0009】
一方、他の手段としては、ボビンの周囲を回転しながら巻線を巻き掛けるフライヤの回転アームに加圧ローラを設け、巻線をボビンに巻き付けた直後に加圧ローラで押圧して巻線を密着させる方法がある。
【0010】
しかしながら、回転アームの回転速度、すなわち、巻線の巻き掛け速度が速すぎると、加圧ローラによる圧縮が回転に追従できない。このため、巻線の巻き掛け速度を遅くしなければならず、生産性という点で問題が残る。
【0011】
本発明は、上記事実を考慮して、容易に巻線の占積率を向上できる電機子製造方法を得ることが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、磁性材料により形成されたコアの本体部分の外周部から略放射状に突出形成されたティースに、直接或いは前記ティースに装着される筒状のボビンを介して間接的に導電性を有する長尺の巻線を巻き掛けて形成する回転電機の電機子を製造するための電機子製造方法であって、前記巻線を長手方向基端側から収納した前記巻線の供給源から、前記ティース及び前記ボビンのうち、前記巻線が直接巻き掛けられる巻線対象物の周囲に設けられた巻装手段まで前記巻線を引き出して前記巻装手段を通過させ、更に、前記巻装手段を通過した前記巻線の先端側を前記巻線対象物に係止した状態で、所定位置を中心にして前記巻装手段に対して前記巻線対象物を相対回転させて前記巻線を前記巻線対象物に巻き掛けると共に、前記巻装手段における前記巻線の通過方向下流側の前記巻装手段の端部の向きを、前記巻装手段と前記巻線対象物との間における前記巻線対象物に対する巻掛直前状態の前記巻線の長手方向に対し、前記相対回転の回転方向若しくはその反対方向へ傾ける、ことを特徴としている。
【0013】
上記構成の電機子製造方法によれば、供給源に長手方向基端側から収納された巻線は、巻装手段まで引き出され、巻装手段を通過した後に巻線対象物に係止される。この状態で、所定位置を中心にして巻装手段に対して巻線対象物を相対的に回転させることで、巻装手段よりも先端側で巻線が巻線対象物の周囲を回転しつつ巻線対象物に巻線が巻き掛けられる。
【0014】
ところで、本電機子製造方法では、巻線の通過方向下流側における巻装手段の端部の向きが、巻装手段と巻線対象物との間での巻掛直前状態の巻線(以下、巻装手段と巻線対象物との間の巻線を、単に「巻掛直前状態の巻線」と称する)の長手方向に対し、上記の相対回転方向又はその反対方向に傾く。
【0015】
ここで、巻装手段の端部の向きが巻装手段に対する巻線対象物の相対回転方向と同方向に傾くと、巻掛直前状態の巻線の長手方向に対する巻装手段の端部の相対回転方向と同方向周りの傾斜角度(以下、この相対回転方向と同方向周りの巻装手段の端部の傾斜角度を単に「傾斜角度」と称する)が大きくなる。このように傾斜角度が大きくなることで、巻装手段の端部では、この端部に接触する巻線への干渉が大きくなり巻線に付与する摩擦抵抗が大きくなる。
【0016】
この摩擦抵抗の増大により、巻線が巻装手段を通過しにくくなり、巻線の通過量、すなわち、巻装手段よりも巻線対象物側への巻線の供給量が少なくなる。この状態でも上記の相対回転速度が変わらなければ巻掛直前状態での巻線の張力が増加する。しかも、巻線対象物に対する巻線の最後の巻掛部分から巻装手段の端部までの直線距離が傾く以前よりも長くなる。これによっても巻掛直前状態の巻線の張力が増加する。
【0017】
このように、巻掛直前状態の巻線の張力を増加させることにより、巻線自体が有する弾性で、巻線が巻線対象物に対して外側へ膨らんだ状態で巻線対象物に巻き付くことが防止若しくは抑制される。このため、巻線対象物に巻き掛けられた巻線間での隙間を少なくでき、占積率を向上させることができる。
【0018】
一方、巻装手段の端部の向きが巻装手段に対する巻線対象物の相対回転方向とは反対方向に傾くと上記の傾斜角度が小さくなり、巻線に対する巻装手段の端部の干渉が小さくなって摩擦抵抗が小さくなる。
【0019】
ここで、例えば、巻線が巻線対象物の角部(コーナ部やR部)に巻き掛けられる際には、この角部から巻線が受ける干渉が他の部分に巻き掛けられる場合よりも大きくなる。
【0020】
このため、仮に、巻線自体の弾性で巻線対象物の外側に膨らむように巻線が巻き掛けられた後に、角部で急激に巻線を巻き掛けると、角部から巻線が受ける摩擦抵抗で、充分に巻線を引っ張ることができない。これにより、上記の膨らみを解消できない。
【0021】
したがって、上記のように角部に巻線を巻き掛ける際に、上記の傾斜角度が小さくなるように巻装手段の端部を傾けることで、角部への急激な巻き掛けが抑制され、角部から受ける摩擦抵抗が小さくなる。これにより、巻線対象物に対する巻装手段の相対回転で巻線を引っ張れば、巻線自体の弾性に抗して巻線を引っ張ることができる。このため、上記の膨らみが防止若しくは軽減され、その結果、巻線対象物に巻き掛けられた巻線間での隙間を少なくでき、占積率を向上させることができる。
【0022】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の電機子製造方法において、両端が開口した略筒状のノズルを、前記巻装手段における前記巻線の通過方向下流側の前記巻装手段の端部に設け、前記ノズルを通過した前記巻線を前記巻線対象物に巻き掛けると共に、前記巻掛直前状態の前記巻線の長手方向に対して前記ノズルの開口方向を前記相対回転の回転方向若しくはその反対方向へ傾ける、ことを特徴としている。
【0023】
上記構成の電機子製造方法では、略筒状のノズルが巻装手段に設けられており、巻装手段を通過する巻線は最後にノズルを通過してから巻線対象物に巻き掛けられる。
【0024】
また、本電機子製造方法では、ノズルの開口方向(すなわち、軸方向)が巻装手段に対する巻線対象物の相対回転と同方向若しくはその反対方向に傾く。
【0025】
ここで、ノズルの開口方向が相対回転と同方向に傾くと、この相対回転方向と同方向周りでの巻掛直前状態での巻掛直前の巻線線(以下、ノズルと巻線対象物との間の巻線を、単に「巻掛直前状態の巻線」と称する)の長手方向に対するノズルの開口方向の傾斜角度(以下、相対回転方向と同方向周りのノズルの傾斜角度を単に「傾斜角度」と称する)が大きくなり、この結果、巻掛直前状態の巻線の長手方向に対するノズル内での巻線の長手方向の傾斜角度が大きくなる。
【0026】
巻掛直前状態の巻線の長手方向に対してノズル内での巻線の長手方向が傾斜している場合、巻線はノズルの先端(より厳密にはノズル先端における内周部)に当接して屈曲する。このため、巻線はノズルの先端からの干渉を受ける。この干渉に伴う摩擦抵抗はノズルからの巻線の引き出しを妨げるように作用し、しかも、当然のことながら干渉が大きければ摩擦抵抗も大きくなる。
【0027】
このような巻線の引き出しを妨げる摩擦抵抗が巻線に作用している状態で、巻装手段に対して巻線対象物を相対回転させると、この相対回転の回転数に応じた速度でノズルから巻線を引き出そうとするのに対し、上記の摩擦抵抗が抗するため、巻線対象物とノズルとの間で巻線に摩擦抵抗の大きさに対応した張力が生じる。
【0028】
上記のように、巻線に対するノズルの開口端の干渉が大きいほど摩擦抵抗は大きくなる。このため、ノズルの開口方向が相対回転と同方向に傾くことで巻掛直前状態での巻線の張力が大きくなる。このようにして巻掛直前状態での巻線の張力を大きくすることで、巻線自体の弾性により巻線が巻線対象物に対して外側へ膨らんだ状態で巻線対象物に巻き付くことが防止若しくは抑制される。このため、巻線対象物に巻き掛けられた巻線間での隙間を少なくでき、占積率を向上させることができる。
【0029】
一方、ノズルの開口方向が相対回転とは反対方向に傾くと、上述した相対回転方向と同方向にノズルの開口方向が傾く場合と反対の減少が生じる。
【0030】
すなわち、ノズルの開口方向が相対回転とは反対方向に傾くと上記の傾斜角度が小さくなり、巻線に対するノズルの開口端の干渉が小さくなる。この結果、上記の摩擦抵抗が小さくなり、ひいてはノズルと巻線対象物との間での巻線の張力が小さくなる。
【0031】
これにより、例えば、巻線が巻線対象物の角部(コーナ部やR部)に巻き掛けられる際にノズルの開口端を相対回転とは反対方向へ傾けて巻掛直前状態での巻線の張力を小さくすることで、巻線対象物の角部に対する巻線の急激な巻き掛けが抑制され、角部から受ける摩擦抵抗が軽減される。これにより、上記の相対回転によって巻線を引っ張れば、巻線自体の弾性に抗して巻線を引っ張ることができる。このため、上記の膨らみが防止若しくは軽減され、その結果、巻線対象物に巻き掛けられた巻線間での隙間を少なくでき、占積率を向上させることができる。
【0032】
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2記載の電機子製造方法において、前記巻線対象物の前記巻線が巻き掛けられる部分のうち、前記コアの周方向側へ向く部分に前記巻装手段の端部が向く状態で、前記巻装手段の端部が、前記巻装手段に対する前記巻線対象物の相対回転方向と同方向へ傾く、ことを特徴としている。
【0033】
上記構成の電機子製造方法では、巻線対象物の巻線が巻き掛けられる部分のうち、コアの周方向側へ向く部分に巻装手段の端部が向く状態で、巻装手段の端部が巻装手段に対する巻線対象物の相対回転方向と同方向へ傾く。
【0034】
ここで、巻線対象物の巻線が巻き掛けられる部分のうち、コアの周方向側へ向く部分は比較的直線的で、仮に、巻線対象物の巻線が巻き掛けられる部分の外周形状が略長方形状である場合には、幅方向側端部に相当することが多く、このような部分では巻線の膨らみが比較的多く生じる。
【0035】
しかしながら、このような部分に巻装手段の端部が向く場合に、巻装手段の端部が巻装手段に対する巻線対象物の相対回転方向と同方向へ傾くことで、上述したように、巻装手段と巻線対象物と間で巻線の張力が増加する。これにより、巻線が巻線対象物に対して外側へ膨らんだ状態で巻線対象物に巻き付くことが防止若しくは抑制される。このため、巻線対象物に巻き掛けられた巻線間での隙間を少なくでき、占積率を向上させることができる。
【0036】
請求項4記載の本発明は、請求項1又は請求項2記載の電機子製造方法において、前記巻線対象物の前記巻線が巻き掛けられる部分のうち、前記コアの軸方向及び周方向の何れか一方の側へ向く部分に前記巻装手段の端部が向く状態から前記コアの軸方向及び周方向の何れか他方の側へ向く部分に前記巻装手段の端部が向く状態までの間に、前記巻装手段の端部が前記巻装手段に対する前記巻線対象物の相対回転方向とは反対方向へ傾く、ことを特徴としている。
【0037】
上記構成の電機子製造方法では、巻線対象物の巻線が巻き掛けられる部分のうち、コアの軸方向及び周方向の何れか一方の側へ向く部分に巻装手段の端部が向く状態から何れか他方の側へ向く部分に巻装手段の端部が向く状態までの間に巻装手段の端部が巻装手段に対する巻線対象物の相対回転方向とは反対方向へ傾く。
【0038】
ここで、例えば、巻線対象物の巻線が巻き掛けられる部分の外周形状がコアの軸方向に沿って長辺で周方向に沿って短辺の略長方形等である場合には、コアの軸方向及び周方向の何れか一方の側へ向く部分に巻装手段の端部が向く状態から何れか他方の側へ向く部分に巻装手段の端部が向く状態までの間に上記外周形状の角部に巻線を巻き掛けることになる。上述したように、このような角部から巻線が受ける干渉が他の部分に巻き掛けられる場合よりも大きくなり、巻線の膨らみを解消しにくくなる。
【0039】
しかしながら、上記のように、コアの軸方向及び周方向の何れか一方の側へ向く部分に巻装手段の端部が向く状態から何れか他方の側へ向く部分に巻装手段の端部が向く状態までの間に巻装手段の端部が巻装手段に対する巻線対象物の相対回転方向とは反対方向へ傾くことで、角部への急激な巻き掛けが抑制され、角部から受ける摩擦抵抗が軽減される。これにより、巻線対象物に対する巻装手段の相対回転で巻線を引っ張れば、巻線自体の弾性に抗して巻線を引っ張ることができる。このため、上記の膨らみが防止若しくは軽減され、その結果、巻線対象物に巻き掛けられた巻線間での隙間を少なくでき、占積率を向上させることができる。
【0040】
請求項5記載の本発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の電機子製造方法において、前記巻線の通過方向下流側における前記巻装手段の端部近傍に設けられ、前記巻装手段と共に前記巻線対象物に対して相対回転する圧延ローラにより、前記巻装手段を通過した前記巻線を圧縮して断面形状を略矩形状に塑性変形した後に、前記巻線を前記巻線対象物に巻き掛ける、ことを特徴としている。
【0041】
上記構成の電機子製造方法では、巻装手段を通過した巻線は、この通過方向下流側での巻装手段の端部近傍に設けられて、巻装手段と共に巻線対象物に対して相対回転する圧延ローラにより圧縮される。これにより、巻線の断面形状が略矩形状に塑性変形される。
【0042】
このように、巻線の断面形状を略矩形状にすることで、先に巻き掛けた巻線に隣接するように後続の巻線を巻線対象物に巻き掛けることで、隣接する巻線同士の隙間を巻線の断面形状が円形や楕円形の場合よりも小さくできる。これにより、一層、占積率を向上できる。
【0043】
請求項6記載の本発明は、請求項5記載の電機子製造方法において、前記巻線の両側で前記巻線の長手方向に対して直交する方向を軸方向として回転可能に設けられた前記圧延ローラとしての一対の第1ローラの外周部で、前記巻線の長手方向及び前記第1ローラの回転軸方向の双方に対して直交する方向に前記巻線を圧縮し、前記第1ローラよりも前記巻線の長手方向先端側の前記巻線の両側で、前記巻線の長手方向及び前記第1ローラの回転軸方向の双方に対して直交するに対して直交する方向を軸方向として回転可能に設けられた前記圧延ローラとしての一対の第2ローラで、前記第1ローラにより圧縮された前記巻線を更に前記巻線の長手方向及び前記第2ローラの回転軸方向の双方に対して直交する方向に圧縮する、ことを特徴としている。
【0044】
上記構成の電機子製造方法では、巻装手段から巻線対象物へ向かう巻線は、先ず、圧延ローラとしての一対の第1ローラにより、この部分での巻線の長手方向及び第1ローラの回転軸方向の双方に対して直交する方向に圧縮される。これにより、例えば、それまで断面円形状だった巻線の断面形状が、第1ローラの回転軸方向に沿って長径方向とされた略小判形状に塑性変形される。
【0045】
次いで、第1ローラにより圧縮された巻線は、圧延ローラとしての第2ローラにより、この部分での巻線の長手方向及び第2ローラの回転軸方向の双方に対して直交する方向に圧縮される。
【0046】
ここで、第2ローラの回転軸方向は、巻線の長手方向及び第1ローラの回転軸方向の双方に対して直交する方向である。このため、巻線に対しての第2ローラによる圧縮方向は、その断面形状(略小判形状)の長径方向になる。
【0047】
すなわち、本電機子製造方法では、第1ローラと第2ローラとにより巻線が四方から圧縮されて塑性変形させられるため、断面形状が略長方形状となる。
【0048】
請求項7記載の本発明は、請求項6記載の電機子製造方法において、前記巻線対象物に対する前記巻線の巻き掛け途中で、前記第1ローラ及び前記第2ローラの少なくとも何れか一方の軸間距離を変更する、ことを特徴としている。
【0049】
上記構成の電機子製造方法では、巻装手段から巻線対象物へ向かう巻線は、先ず、圧延ローラとしての一対の第1ローラ及び一対の第2ローラにより四方から圧縮され、これによって、巻線対象物に巻き掛けられる巻線の断面形状が略長方形状になる。
【0050】
ここで、本電機子製造方法では、巻線対象物への巻き掛け途中で、第1ローラ及び第2ローラの少なくとも何れか一方の軸間距離が変更される。この軸間距離の変更により、軸間距離が変更されたローラは、互いの外周部の間隔が変更される(すなわち、軸間距離が変更されたローラが第1ローラであれば、一方の第1ローラの外周部と他方の第1ローラの外周部との間隔が変わる)。
【0051】
上述したように、第1ローラ間及び第2ローラの間を通過することで、巻線の断面形状は略長方形状になるが、このように軸間距離が変更される前と後とでは、そのローラが巻線に付与する圧力が変わる。このため、巻線の断面形状である長方形の縦横比が変わる。これにより、巻線対象物での巻線の巻き掛け部分の形状等に応じて巻線を密に巻き掛けることが可能となり、より一層占積率を向上できる。
【0052】
請求項8記載の本発明は、請求項5乃至請求項7の何れか1項に記載の電機子製造方法において、前記巻線対象物に対して予め決められた回数の前記巻線の巻き掛けが終了した後、前記圧延ローラによる前記巻線の圧縮を解除する、ことを特徴としている。
【0053】
上記構成の電機子製造方法では、巻線対象物に対して予め決められた回数の巻線の巻き掛けが終了すると、圧延ローラによる巻線の圧縮が解除される。これにより、巻線は事実上コイルを形成しない部分、すなわち、一方のコイルから他方のコイルへの接続部分である所謂「渡り線」の部分で、その断面形状が圧縮前の形状、例えば、略円形のままで維持される。
【0054】
ここで、このような渡り線の部分では、他の渡り線が交差して渡り線の外周部同士が接触する。ここで、渡り線の断面形状を略長方形状とした場合に、長方形の角部が他の渡り線の外周部に接触すると、渡り線(巻線)の絶縁コーティング等が損傷する可能性がある。
【0055】
しかしながら、本電機子製造方法では、渡り線の部分では圧延ローラによる圧縮が行なわれないため、渡り線の部分では、巻線が断面円形等の元の形状のままとなり、渡り線の外周部同士が互いに接触しても、絶縁コーティング等を損傷させることがない。
【0056】
請求項9記載の本発明は、請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の電機子製造方法において、前記巻装手段における前記巻線の通過方向下流側の前記巻装手段の端部よりも前記巻線の基端側で、前記巻線対象物と前記巻装手段との間における前記巻線の張力の増減とは反対に張力を付与し、若しくは当該張力の付与を解除する、ことを特徴としている。
【0057】
上記構成の電機子製造方法では、巻装手段における巻線の通過方向下流側の巻装手段の端部よりも巻線の基端側で、巻線に対して張力が付与され、また、張力の付与が解除される。但し、この張力の付与及び解除は、巻線対象物と巻装手段との間における巻線の張力の増減とは反対になる。このため、巻線全体に対する張力の過剰な付加及び過剰な緩みが防止され、適度な張力で巻線が巻線対象物に巻き掛けられる。
【0058】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態の構成>
図1には、本発明の第1の実施の形態に係る電機子製造方法により巻線26が巻き掛けられた回転電機としてのモータ10の電機子を構成するコア12の概略が平面図によって示されている。先ず、コア12の概略について簡単に説明する。
【0059】
(コア12の構成)
コア12は、内コア14と外コア16とによって構成されている。内コア14は、例えば、薄珪素鋼鈑等の磁性板材を打ち抜き成形することによって形成された複数枚のコア片をその厚さ方向に複数枚積層することによって形成されている。コア12の略中央には円孔18が形成されている。この円孔18には、例えば、本コア12が適用されるモータ10が一般的な直流モータであれば、略棒形状の回転軸(図示省略)が同軸的且つ一体的に嵌挿される。また、本コア12が適用されるモータ10がブラシレスモータであれば、回転軸が同軸的且つ一体的に固定された永久磁石が円孔18に対して同軸的に遊嵌される。
【0060】
また、内コア14の外周部からは複数のティース20が円孔18の中心周りに一定角度毎に突出形成されている。ティース20は、上述した各コア片に形成された突出片によって構成されており、コア片を積層すると共に突出片を積層することで円孔18の径方向に沿って見た場合に、円孔18の中心軸線方向に沿って長手方向で円孔18の接線方向に沿って幅方向とされた略長方形状若しくは略平行四辺形状(本実施の形態では略長方形状)に形成されている。
【0061】
一方、外コア16は、外径寸法がティース20の先端部を通る円孔18と同心の仮想円の半径よりも大きく、内径寸法が前記仮想円よりも小さな円筒形状に形成されている。また、外コア16の内周部にはその中心周りに一定角度毎に嵌合溝22が形成されている。嵌合溝22は上述したティース20に対応して形成されており、内コア14を外コア16の内側に嵌挿した際には、ティース20の先端部が嵌合溝22に嵌合している。
【0062】
さらに、各ティース20には巻線対象物としてのボビン24が設けられている。図2に示されるように、ボビン24は、内周形状が略矩形の筒形状で、各ティース20がその内側を貫通した状態で取り付けられている。図2に示されるように、上述した外コア16は、これらのボビン24が各ティース20に取り付けられた状態で内コア14に取り付けられ、外コア16がティース20からのボビン24の脱落を規制する。
【0063】
また、図2に示されるように、これらのボビン24の外周部には、断面円形の巻線26が所定回数(所定ターン)巻き掛けられている。
【0064】
(巻線システム30の概略)
次に、ボビン24に巻線26を巻き掛ける(すなわち、ボビン24に巻線を施す)巻装手段としての巻線装置30の構成の概略を図3及び図4に基づいて説明する。
【0065】
これらの図に示されるように、巻線装置30は、巻線26を誘導する誘導部32、上述したボビン24を保持した状態で回転する回転部34、及び誘導部32よりも巻線26の基端側で巻線26のテンションを調整するテンション調整部36により構成されている。
【0066】
図3に示されるように、誘導部32は、略円筒形状に形成された誘導筒38を備えている。誘導筒38は図示しない支持手段により自らの軸心周りに回転自在に軸支されている。誘導筒38の内側では巻線26が通過している。図4に示されるように、誘導筒38よりも巻線26の長手方向基端側には、誘導プーリ40が設けられている。巻線26は誘導プーリ40に巻き掛けられることで、その長手方向が誘導筒38の軸方向に沿った方向から誘導筒38の軸直交方向(半径方向)に変更されている。
【0067】
さらに、巻線26の誘導プーリ40よりも基端側には、供給手段としての巻線パック42が設けられている。巻線パック42は略筒状に形成され、その外周部に巻線26が基端部から幾重にも巻き取られており、巻線26を先端側から引っ張ると、その張力によって巻線パック42が自らの軸周りに回転させられつつ、巻線パック42に巻き取られている巻線26が巻線パック42から順次引き出される。
【0068】
また、巻線パック42と誘導プーリ40との間における巻線26の側方には、テンション調整部36を構成する複数のテンションローラ44が巻線26の長手方向に沿って所定間隔毎に配置されていると共に、巻線26を介してテンションローラ44の反対側には、複数のテンションローラ46が巻線26の長手方向に沿って所定間隔毎に配置されている。テンションローラ46の各々は、巻線26の長手方向に沿って互いに隣り合う2つのテンションローラ44の間に対応して配置されている。さらに、各テンションローラ46は、スライドベース48により一体的に連結されている。
【0069】
スライドベース48は、図示しないガイド手段によってテンションローラ46と巻線26の対向方向及びその反対方向にスライド自在に支持されており、スライドベース48が移動することでテンションローラ46とテンションローラ44との間のピッチ、すなわち、テンションローラ46のスライド方向に沿ったテンションローラ44の中心とテンションローラ46の中心との間隔が変化する。
【0070】
さらに、図4に示されるように、スライドベース48には、ピッチ調整機構を構成するボールネジ50の一端が固定されている。ボールネジ50の軸方向中間部では、軸心部分に雌ねじが形成された外歯のギヤ52が螺合している。ギヤ52は、その軸方向両端側に設けられたストッパ54によってボールネジ50の軸方向に沿った変位が規制されており、このため、自らの軸心周りにギヤ52が回転すると、ボールネジ50がその軸心方向に沿って変位する。
【0071】
また、ギヤ52の側方にはギヤ56がギヤ52に対して噛み合った状態で配置されている。このギヤ56にはモータ58の出力軸60が同軸的且つ一体的に固定されており、モータ58の駆動力で出力軸60が回転することで、ギヤ56を介してギヤ52にモータ58の駆動力(回転力)を伝えてギヤ52を回転させる構成となっている。
【0072】
さらに、モータ58はドライバ62を介して電源64に接続されており、ドライバ62を介して給電されることでモータ58が作動する。また、ドライバ62は制御部66に接続されており、制御部66から出力された制御信号に基づいてモータ58に対する通電制御を行なっている。
【0073】
一方、図3に示されるように、巻線26の長手方向先端側における誘導筒38の一端には、誘導プーリ68が設けられている。誘導プーリ68は、誘導筒38の一端に形成された一対の支持壁70(図3では一方の支持壁70のみを図示)に誘導筒38の軸方向に対して直交する方向(半径方向)を軸方向として、この軸周りに回転自在に軸支されている。誘導筒38を通過した巻線26は、誘導プーリ68に巻き掛けられており、その長手方向が誘導筒38の軸直交方向(半径方向)に変更されている。
【0074】
また、誘導筒38の一端には、支持ブラケット72が固定されている。支持ブラケット72は基端が誘導筒38に固定されており、誘導プーリ68により先端側への向きが変更された巻線26の長手方向と略同方向へ延出されている。支持ブラケット72には、一対の支持壁74(図3では一方の支持壁74のみを図示)が設けられており、これらの支持壁74によりノズル76が保持されている。ノズル76は、概ね誘導プーリ68よりも先端側での巻線26の長手方向に沿って軸方向とされた筒形状で、その内側を巻線26が通過している。巻線26はノズル76を通過した後にボビン24に巻き掛けられる。
【0075】
一方、上述した誘導筒38の軸方向中間部には、ギヤ78が誘導筒38に対して同軸的且つ一体的に設けられている。また、誘導筒38の側方にはモータ80が設けられている。
【0076】
モータ80はドライバ82を介して電源64に接続されており、ドライバ82を介して給電されることでモータ80が作動する。また、ドライバ82は制御部66に接続されており、制御部66から出力された制御信号に基づいてモータ80に対する通電制御を行なっている。モータ80の出力軸84にはギヤ78に噛み合うギヤ86が同軸的且つ一体的に設けられている。
【0077】
一方、概ね誘導プーリ68よりも先端側における巻線26の長手方向に沿った誘導筒38の側方には、回転部34を構成するベース88が設けられている。ベース88は略円盤状に形成されており、厚さ方向一方の面の略中央部に支持体90が一体的に取り付けられている。支持体90は、ベース88の外周方向に沿った外周形状が上述したボビン24の内周形状に対応しており、支持体90がボビン24の内側に入り込むことでボビン24を支持する。
【0078】
ベース88の支持体90とは反対側には、モータ92が配置されている。モータ92の出力軸94は、ベース88に同軸的に固定されており、モータ92の駆動力により出力軸94が回転することでベース88が回転し、支持体90に支持されたボビン24がベース88の軸心周りに回転する構成となっている。
【0079】
また、モータ92はドライバ96を介して電源64に接続されており、ドライバ96を介して給電されることでモータ92が作動する。また、ドライバ96は制御部66に接続されており、制御部66から出力された制御信号に基づいてモータ92に対する通電制御を行なっている。
【0080】
<第1の実施の形態の作用、効果>
次に、本実施の形態に係る電機子製造方法としての巻線方法の説明を通して本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
【0081】
本実施の形態に係る巻線方法では、先ず、ボビン24を支持体90にセットし、次いで、巻線26の先端側を例えば1ターンだけボビン24に掛け回し、巻線26に張力が作用した状態でもボビン24に掛け回した巻線26が解けないような状態とする。
【0082】
次いで、この状態から図示しない操作スイッチ等を操作すると、制御部66がドライバ96に対して駆動開始信号を出力する。制御部66からの駆動開始信号が入力されたドライバ96は、電源64とモータ92とを適宜に導通状態にし、モータ92の出力軸94を所定の速度で図5の矢印A方向(なお、図5では出力軸94及びモータ92の図示は省略している)へ回転させる。
【0083】
このようにして、モータ92が作動し、出力軸94が図5の矢印A方向へ回転することで、ベース88が回転し、更に、ベース88の支持体90に支持されたボビン24が同方向へ所定の速度で回転する。
【0084】
このようにボビン24が回転することで、予めボビン24に先端側が係止されていた巻線26はボビン24に巻き掛けられる。さらに、巻線26が先端側からボビン24に巻き掛けられることで、巻線26に張力が作用し、この張力が巻線26を先端側へ引っ張る。これにより、後続の巻線26が巻線パック42から引き出され、誘導筒38の内部、誘導プーリ68、及びノズル76の内部を通過してボビン24側に供給されてボビン24に巻き掛けられる。
【0085】
このようにして、所定回数ボビン24が回転させられることで、一定ターンの巻線26の巻き掛け、すなわち、巻線が終了する。
【0086】
ここで、本実施の形態では、単にモータ92が回転するだけではなく、モータ92の回転に連動して(出力軸94の回転位置に対応して)、モータ92が作動する。
【0087】
詳細には、ボビン24の長手方向の一端側の側面(すなわち、ボビン24がコア12のティース20に装着された状態でコア12の軸方向に向く面)が、ノズル76の先端と対向した状態から、ボビン24の幅方向の一端側の側面(すなわち、ボビン24がコア12のティース20に装着された状態でコア12の軸周り方向に向く面)が、ノズル76の先端と対向するまでモータ92がベース88を回転させると、制御部66がドライバ82に対して制御信号としての正転駆動信号を出力する。
【0088】
制御部66からの正転駆動信号が入力されたドライバ82は、モータ80に電流を流し、出力軸84を図5の矢印B方向へ所定量回動させる。このように出力軸84が回転させられることにより、出力軸84と一体のギヤ86が回動し、ギヤ86に噛み合うギヤ78が図5の矢印C方向へ一定量回動する。これにより、ギヤ78と一体の誘導筒38が自らの軸心周りに、図5の矢印C方向(すなわち、ボビン24の回転方向と同方向)へ一定量回動する。
【0089】
ここで、図5の矢印C方向、すなわち、ボビン24の回転方向と同じ方向へ誘導筒38を回動させると、ノズル76の軸方向(開口方向)に対する巻線26の引出方向の角度がそれまで、すなわち、図5の二点鎖線状態に示されるように、誘導筒38を回動させなかった状態に比べて大きくなる。このため、ノズル76の開口端を境に巻線26が大きく屈曲する。
【0090】
これにより、巻線26の「反り」は大きくなるが、ノズル76の開口端における巻線26の接触抵抗が高くなる。しかも、図5に示されるように、誘導筒38が回動することで、ノズル76の排出側の開口端と、ボビン24における巻線26の最終的な接触部位との間隔が大きくなる。これにより、ボビン24とノズル76との間における巻線26の張力が増加し、巻線26をボビン24に巻き掛ける際に、ボビン24の側面から離間する方向に巻線26が湾曲する(すなわち、膨らむ)ことが抑制若しくは防止される。
【0091】
このように、巻線26をボビン24に巻き掛けるにあたり、巻線26が膨らむことを抑制若しくは防止できることで、占積率を向上でき、ひいては、本コア12を用いたモータの効率を向上させることができる。
【0092】
また、上記のように、制御部66がドライバ82に対して正転駆動信号を出力する際には、ドライバ62に対しても制御信号としての正転駆動信号を出力する。正転駆動信号が入力されたドライバ62は、モータ58に電流を流して正転駆動させ出力軸60をその軸周り一方へ回転させる。出力軸60の回転はギヤ56を介してギヤ52に伝わりギヤ52を回転させる。
【0093】
上述したように、ギヤ52は軸心部分に形成された雌ねじがボールネジ50に噛み合っており、しかも、ストッパ54によってボールネジ50の軸方向に沿った変位が規制されている。このため、モータ58の正転駆動力を受けてギヤ52が回転すると、ボールネジ50がテンションローラ44とは反対側へ移動する。
【0094】
これにより、ボールネジ50が固定されたスライドベース88、ひいてはスライドベース88に固定されたテンションローラ46がテンションローラ44から離間する方向にスライドし、テンションローラ44、46間のピッチが大きくなる。この状態では、スライド前の状態に比べてテンションローラ44、46間における巻線26の通過経路が短くなるため、巻線26に付与された張力(テンション)が弱められる。
【0095】
このように、ボビン24とノズル76との間における巻線26の張力を増加させた状態で、テンションローラ44、46間において巻線26に付与される張力を軽減することで、巻線26全体に対して過剰な張力を付与することを防止でき、適切なテンションでボビン24に巻線26を巻き掛けることができる。
【0096】
また、巻線26をボビン24に巻き掛けるにあたり、巻線26が膨らむことを抑制若しくは防止できることで、占積率を向上でき、ひいては、本コア12を用いたモータの効率を向上させることができる。
【0097】
一方、ボビン24の幅方向の一端側の側面がノズル76の先端と対向した状態から、ボビン24の長手方向の一端側の側面がノズル76の先端と対向するまでモータ92がベース88を回転させると、制御部66がドライバ82に対して制御信号としての逆転駆動信号を出力する。
【0098】
制御部66からの逆転駆動信号が入力されたドライバ82は、モータ80に電流を流し、出力軸84を図6の矢印D方向へ所定量回動させる。これにより、ギヤ78と一体の誘導筒38の軸心周りにノズル76が図6の矢印E方向へ一定量回動する。
【0099】
この状態では、ノズル76の軸方向(開口方向)に対する巻線26の引出方向の角度がそれまで、すなわち、図6の二点鎖線状態に示されるように、誘導筒38を回動させなかった状態に比べて小さくなる。このため、ノズル76の開口端を境として巻線26の基端側と先端側との間での屈曲が小さくなる。
【0100】
これにより、ノズル76の開口端における巻線26の接触抵抗が低くなり、ノズル76の排出側の開口端と、ボビン24における巻線26の最終的な接触部位との間隔も小さくなる。このため、この状態ではボビン24とノズル76との間における巻線26の張力が軽減される。
【0101】
このように、巻き掛け状態で巻線26が急激に湾曲若しくは屈曲されるボビン24の長手方向の一端に巻線26を巻き掛ける際に、上記のように巻線26に付与する張力を軽減することで、ボビン24の長手方向の一端と幅方向一端との交点部分の角部やR部等での摩擦抵抗を軽減でき、巻線26のうち、ボビン24の幅方向一端に既に巻き掛けられている部分に対しても容易に張力を付与できる。
【0102】
このようにしてボビン24の幅方向一端に既に巻き掛けられている部分に対して張力を付与することで、巻線26が膨らむことを抑制若しくは防止できることで、占積率を向上でき、ひいては、本コア12を用いたモータ10の効率を向上させることができる。
【0103】
また、上記のように、制御部66がドライバ82に対して逆転駆動信号を出力する際には、ドライバ62に対しても制御信号としての逆転駆動信号を出力する。逆転駆動信号が入力されたドライバ62は、モータ58に電流を流して逆転駆動させ出力軸60をその軸周り他方へ回転させ、ボールネジ50並びにスライドベース88を介してテンションローラ46をテンションローラ44側へ移動させる。これにより、スライド前の状態に比べてテンションローラ44、46間における巻線26の通過経路が長くなるため、巻線26に張力(テンション)が付与される。
【0104】
このように、ボビン24とノズル76との間における巻線26の張力を軽減させた状態で、テンションローラ44、46間において巻線26に張力を付与することで、巻線26を適切なテンションでボビン24に巻き掛けることができる。
【0105】
なお、本実施の形態におけるテンション調整部36は、テンションローラ46をスライドさせることで巻線26の張力(テンション)を調整する構成であったが、テンション調整部36はこのような構成に限定されるものではない。テンション調整部36の変形例であるテンション調整部100の構成の概略について図7に基づいて以下に説明する。
【0106】
テンション調整部100は、誘導プーリ40の回転半径方向側方に設けられたテンションプーリ102を備えている。テンションプーリ102には無端ベルト104が掛け回されており、更に、無端ベルト104は誘導プーリ40にも掛け回されている。また、テンションプーリ102にはモータ58の出力軸60が同軸的且つ一体的に固定されており、モータ58が駆動することで生じる出力軸60の回転がテンションプーリ102及び無端ベルト104を介して誘導プーリ40に伝えられる構成となっている。
【0107】
以上の構成のテンション調整部100は、制御部66からの正転駆動信号がドライバ62に入力されることで、モータ58が正転駆動するとテンションプーリ102が正転し、無端ベルト104を介して誘導プーリ40を図7の矢印F方向へ強制的に回転させる。このときの誘導プーリ40の回転方向は巻線26が誘導筒38側へ移動する際の巻線26の移動方向に対応しているため、巻線26は誘導プーリ40との摩擦で巻線26が更に引き出される。これにより、誘導プーリ40とノズル76との間での巻線26のテンションが軽減される。
【0108】
また、これとは反対に、制御部66からの逆転駆動信号がドライバ62に入力されることで、モータ58が逆転駆動するとテンションプーリ102が逆転し、無端ベルト104を介して誘導プーリ40を図7の矢印G方向へ強制的に回転させる。このときの誘導プーリ40の回転方向は巻線26を誘導筒38側から引っ張る方向となるため、誘導プーリ40とノズル76との間での巻線26のテンションが増加する。
【0109】
このように、テンション調整部100は、構成こそテンション調整部36とは異なるが、ノズル76よりも基端側における巻線26の張力を調整できるという点においてはテンション調整部36と同じ作用を奏するため、基本的には、テンション調整部36と同様の効果を得ることができる。
【0110】
なお、本実施の形態では、モータ92の駆動力によってノズル76の排出側の開口端の向きを自在に変更できる構成であったが、例えば、ノズル76の開口端の向きを予めボビン24の回転方向と同方向へ一定角度傾斜させた状態で保持しておいてもよい。この場合には、ノズル76の開口端の向きをボビン24の回転方向とは反対方向へ傾斜させた場合の効果を得ることはできないが、ノズル76の排出側の開口端の向き傾けるだけでよく、従来の巻線装置を僅かに改良するだけで実現可能というメリットがある。
【0111】
<第2の実施の形態の構成>
次に、本発明のその他の実施の形態について説明する。なお、以下の各実施の形態を説明するにあたり、前記第1の実施の形態を含め説明している実施の形態よりも前出の実施の形態と実質的に同一の部位に関しては、同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0112】
図8には、本発明の第2の実施の形態に係る巻装手段としてのフライヤ110の概略的な構成が平断面図により示されている。
【0113】
この図に示されるように、フライヤ110は、誘導部112を構成する支持筒114を備えている。支持筒114は内側に断面円形の中空部116が形成された筒状部材で、図示しない基台上に固定されている。中空部116は軸方向両端が開口しており、有底円筒形状の誘導筒118が中空部116を貫通した状態で中空部116の軸心周りに回転自在に軸支されている。
【0114】
誘導筒118の開口端側の外周部には、リング状のプーリ120が誘導筒118に対して同軸的且つ一体的に固定されている。プーリ120の半径方向側方には、モータ122の出力軸124の先端に同軸的且つ一体的に固定されたプーリ126が配置されている。プーリ120、126には無端ベルト128が掛け回されており、モータ122の駆動力で出力軸124が回転すると、この回転力がプーリ126、無端ベルト128、及びプーリ120を介して誘導筒118に伝わり、誘導筒118が中空部116の軸心周りに回転する構成となっている。
【0115】
モータ122はドライバ130を介して電源64に接続されており、ドライバ130を介して給電されることでモータ122が作動する。また、ドライバ130は制御部132に接続されており、制御部132から出力された制御信号に基づいてモータ122に対する通電制御を行なっている。
【0116】
一方、誘導筒118の底部側の外周一部には、誘導筒118の内外を連通する引出孔134が形成されている。この引出孔134の内側には、誘導プーリ136が誘導筒118の軸方向及び引出孔134の開口方向の双方に対して直交する方向を軸方向として回転自在に誘導筒118に軸支されており、テンション調整部36若しくはテンション調整部100を介して巻線パック42(図8では何れも図示省略)から送られて誘導筒118の開口端から誘導筒118の内部を通る巻線26が、誘導プーリ136に巻き掛けられた後に引出孔134から誘導筒38の外部に引き出されている。
【0117】
さらに、誘導筒118の底部側には回転筒138が支持筒114及び誘導筒118の双方に対して同軸的に相対回転可能に取り付けられている。回転筒138の開口端側にはプーリ140が同軸的且つ一体的に固定されている。プーリ140の半径方向側方には、モータ142の出力軸144の先端に同軸的且つ一体的に固定されたプーリ146が配置されている。
【0118】
プーリ140、146には無端ベルト148が掛け回されており、モータ142の駆動力で出力軸144が回転すると、この回転力がプーリ146、無端ベルト148、及びプーリ140を介して回転筒138に伝わり、回転筒138が誘導筒118及び支持筒114に対して同軸的に回転する構成となっている。
【0119】
モータ142はドライバ150を介して電源64に接続されており、ドライバ150を介して給電されることでモータ142が作動する。また、ドライバ150は制御部132に接続されており、制御部132から出力された制御信号に基づいてモータ142に対する通電制御を行なっている。
【0120】
また、誘導筒118の底部の外側には、シャフト152が誘導筒118に対して同軸的且つ一体的に取り付けられている。シャフト152は回転筒138を貫通してその外部へ突出しており、その先端部近傍には回転アーム154が一体的に固定されている。回転アーム154は誘導筒118の回転半径方向に沿って長手方向とされており、その一端には誘導筒156が設けられている。誘導筒156は、誘導筒118の軸方向と同方向が軸方向とされて、軸方向両端が開口した筒状部材である。誘導筒156は回転アーム154の一端に自らの軸周りに回転自在に軸支されている。
【0121】
誘導筒156の軸方向一端(誘導筒118側)近傍の外周部にはプーリ158が誘導筒156に対して同軸的且つ一体的に取り付けられている。このプーリ158には無端ベルト160が掛け回されている。無端ベルト160は上述した回転筒138の底部近傍の外周部に回転筒138に対して同軸的且つ一体的に取り付けられたプーリ162にも掛け回されている。したがって、モータ142の駆動力で回転筒138が回転すると、この回転力がプーリ162、無端ベルト160、及びプーリ158を介して誘導筒156に伝わり、誘導筒156が自らの軸心周りに回転する構成となっている。
【0122】
また、誘導筒156の軸方向一端部側方には、誘導プーリ164が設けられている。誘導プーリ164は回転アーム154に固定された支持アーム166に誘導プーリ136の軸方向と同じ方向を軸方向として、その軸周りに回転自在に軸支されている。誘導プーリ164には、誘導プーリ136に掛け回されて誘導筒118の外部に引き出された巻線26が掛け回されており、巻線26は誘導プーリ158に掛け回された後に誘導筒156内に導かれている。
【0123】
一方、図8及び図9に示されるように、誘導筒156の軸方向他端部からは一対の支持壁168が延出されている。これらの支持壁168は、誘導プーリ164の軸方向に互いに対向している。これらの支持壁168の間には、誘導プーリ170が配置されている。誘導プーリ170は、軸方向両端が支持壁168に回転自在に軸支されており、その外周部には誘導筒156内を通過した巻線26が掛け回されている。
【0124】
また、誘導プーリ170の近傍にはノズル76が設けられている。ノズル76は誘導プーリ170よりも回転アーム154の回転半径方向内側に配置されており、上述した支持壁168に固定された支持ブラケット72に固定されている。
【0125】
以上の構成のフライヤ110に対し、シャフト152の先端部の側方には、ボビン支持装置172が設けられている。ボビン支持装置172は、上述した誘導筒118の軸方向に対して直交する方向を軸方向として、この軸周りに回転可能な回転部174を備えている。回転部174の外周部からは、略平板状の支持部176が回転部174の回転中心周りに一定角度(本実施の形態では90度)毎に略放射状に延出されている。これらの支持部176の外周形状は、ボビン24の内周形状に対応しており、ボビン24の内側に支持部176が入り込むようにボビン24を支持部176に嵌め込むことで、支持部176にボビン24が支持される。
【0126】
また、支持部176の先端の中心は概ねシャフト152の軸心の延長上に位置しており、支持部176の先端の中心とシャフト152の軸心の延長線とを略一致させた状態で回転アーム154を回転させると、図9に示されるように、誘導筒156やノズル76が支持部176の中心周り図9の矢印H方向へ回転する。
【0127】
<第2の実施の形態の作用、効果>
本実施の形態では、先ず、支持部176にボビン24を取り付けた状態で回転部174を回転させて、ボビン24が取り付けられた支持部176をフライヤ110へ接近させ、この支持部176の先端の中心とシャフト152の軸心とを略同軸とさせる。次いで、この状態で、ノズル76の先端から引き出されている巻線26の先端を、例えば、1ターンだけボビン24に掛け回し、巻線26に張力が作用した状態でもボビン24に掛け回した巻線26が解けないような状態とする。
【0128】
この状態で、この状態から図示しない操作スイッチ等を操作すると、制御部132がドライバ130に対して制御信号としての駆動開始信号を出力する。制御部132からの駆動開始信号が入力されたドライバ130は、電源64とモータ122とを適宜に導通状態にし、モータ122の出力軸124を所定の速度で図9の矢印H方向(なお、図9では出力軸124及びモータ122の図示は省略している)へ回転させる。
【0129】
このようにして、モータ122が作動して誘導筒118が回転することで、回転アーム154、ひいては、誘導筒156がシャフト152の軸周り、すなわち、ボビン24の中心周りに回転しボビン24に巻線26を巻き掛ける。巻線26がボビン24に巻き掛けられていくことにより巻線26には張力が生じ、この張力が巻線パック42から巻線26を引き出す。
【0130】
次いで、巻線26の一定回数回転アーム154が回転して、ボビン24に巻線26が所定ターンの巻き掛けられると、制御部132がドライバ130に対して制御信号としての駆動停止信号を出力し、モータ122を停止させる。この状態で、回転部174を略90度回動させ、先に巻線26が巻き掛けられたボビン24を支持する支持部176に対して回転部174の回転方向とは反対側で隣り合う支持部176に支持されたボビン24の中心とシャフト152の軸心とが略同一となる。この状態で、同様にモータ122を駆動させて巻線26をボビン24に巻き掛ける。
【0131】
このようにして、後続のボビン24にも同様に巻線26を巻き掛けることで、複数のボビン24には1本の巻線26が連続して巻き掛けられることになる。したがって、本実施の形態では、コア12のティース20にこれらのボビン24を装着した際に、各ボビン24に巻き掛けられた巻線26をあらためて接続して導通させる必要はない。このため、本実施の形態では、ティース20にボビン24を装着した際の巻線26の接続工程を廃することができ、以上の巻線工程における工数を軽減できる。
【0132】
ところで、上述したように、本実施の形態で用いるフライヤ110では、モータ142が駆動して出力軸144が回転すると、出力軸144の回転力は、プーリ146、無端ベルト148、プーリ140を介して回転筒138に伝わり、更に、プーリ162、無端ベルト160、及びプーリ158を介して誘導筒156に伝わり、誘導筒156をその軸心周りに回転させる。したがって、モータ122の回転による誘導筒118の回転角速度とモータ142の回転による誘導筒156の回転角速度とが同じになるように、制御部132がドライバ130、150を介してモータ122、142を制御すれば、誘導筒118に対するノズル76の相対回転が生じない(図9の二点鎖線状態)。
【0133】
ここで、本実施の形態では、誘導筒118の回転位置、すなわち、ボビン24に対するノズル76の回転位置に応じて、制御部66がドライバ150を介してモータ142の回転速度を増減させる。このモータ142の回転速度の増減により、誘導筒118の回転角速度に対して誘導筒156の回転角速度に差異が生じ、その結果、ノズル76の開口端の向きが変更される。
【0134】
このように、本実施の形態は、巻装手段の構成が前記第1の実施の形態とは異なるが、ノズル76の排出側の開口端と、ボビン24における巻線26の最終的な接触部位との間隔が大きくなるようにノズル76を回動させることも可能であるし、ノズル76の軸方向(開口方向)に対する巻線26の引出方向の角度を小さくするようにノズル76を回動させることも可能である。したがって、ボビン24に対するノズル76の回転位置に応じて前記第1の実施の形態と同様にノズル76を適宜に回動させることで、前記第1の実施の形態と同様の作用を奏し、同様の効果を得ることができる。
【0135】
<第3の実施の形態の構成>
次に、本発明の第3の他の実施の形態について説明する。
【0136】
図10には本実施の形態において用いる巻装手段としてのフライヤ180の概略的な構成が平断面図により示されている。
【0137】
この図に示されるように、フライヤ180は、回転アーム154の一端側に誘導筒156が回転自在に軸支されている点については前記第2の実施の形態におけるフライヤ110と同じである。しかしながら、フライヤ180はフライヤ110とは異なり、モータ142を備えておらず、また、モータ142の回転力を誘導筒156に伝えるための回転筒138や無端ベルト148、160等を備えていない。
【0138】
代わりに、フライヤ180はカム円盤182を備えている。カム円盤182は支持筒114と同軸の略円盤状の部材で、支持筒114の軸方向一端部(回転アーム154側の端部)に一体的に嵌め込まれている。カム円盤182には支持筒114に対して同軸の円孔184が形成されており、誘導筒118の底部側が同軸的に貫通している。
【0139】
カム円盤182の回転アーム154側の端面には、略楕円形状のカム溝186が形成されている。このカム溝186には、リンクロッド188の一端に設けられたローラ190が転動自在に嵌め込まれている。リンクロッド188の他端は誘導筒156の軸方向一端(支持筒114側)の端部に固定されている。
【0140】
このように、リンクロッド188は、他端が誘導筒156の一端に固定されているため、モータ122の駆動力で誘導筒118が回転して回転アーム154が回転すれば、リンクロッド188の他端がシャフト152の軸心周りに回転する。さらに、リンクロッド188の他端がシャフト152の軸心周りに回転すれば、リンクロッド188の一端もまたシャフト152の軸心周りに回転しようとする。
【0141】
しかしながら、リンクロッド188の一端に設けられたローラ190は楕円形のカム溝186の内部に入り込んでいるため、リンクロッド188の一端はシャフト152の軸心周りに回転しても、その回転軌道は楕円形となる。このように、リンクロッド188は、一端が楕円軌道でシャフト152の軸心周りに回転するのに対して他端は他端が円軌道(図11の一点鎖線J)でシャフト152の軸心周りに回転するため、図11の(A)及び(B)に示されるように、リンクロッド188の他端は、シャフト152の軸心周りに回転しつつもローラ190の軸心周りに回動する。
【0142】
このローラ190の軸心周りの回動により、誘導筒156が回動し、ひいては、ノズル76が回動する。これにより、ボビン24周りのノズル76の回転位置に応じてノズル76の排出方向側の開口端の向きを変えることができる。
【0143】
このように、本実施の形態で用いる巻装手段としてのフライヤ180は、ノズル76の向きを変えるための機構こそフライヤ110とは異なるが、ノズル76の向きを変えることができることに関しては同様であるため、基本的に前記第2の実施の形態と同様の作用を奏し、同様の効果を得ることができる。
【0144】
なお、以上の第2及び第3の実施の形態では、最終的に巻線26を誘導するための部材としてノズル76を用いてきたが、最終的に巻線26を誘導するための部材はノズル76に限定されるものではない。例えば、図12及び図13に示されるように、ノズル76に代えて一対のローラ202を用いてもよい。この図12及び図13に示される変形例について以下に簡単に説明する。
【0145】
これらの図に示されるように、この変形例では、支持ブラケット72に一対の支持シャフト204が互いに平行に設けられている。これらの支持シャフト204は、誘導プーリ170に掛け回されてからボビン24へ向かう巻線26を介して互いに対向するように配置されており、しかも、これらの支持シャフト204は、巻線26が支持シャフト204間の略中央に位置している。
【0146】
また、支持シャフト204の軸方向は、ボビン24の貫通方向と略同方向とされている。これらの支持シャフト204には、同形状のローラ202が回転自在に軸支されている。ローラ202の半径寸法は、その2倍(すなわち、直径寸法)が支持シャフト204の間隔よりも僅かに小さく、更に詳細にいえば、支持シャフト204の間隔と巻線26の外径寸法との和と略同じ(厳密には極僅かに大きい)程度とされている。
【0147】
したがって、巻線26は、誘導プーリ170とボビン24との間でローラ202の外周部に摺接しており、フライヤ110(若しくは、フライヤ180)が作動して巻線26が引き出されてボビン24側へ移動する際には、巻線26はローラ202との摩擦でローラ202を回動させながらボビン24へ向かうことになる。
【0148】
なお、以上の変形例の場合、ローラ202の外周部は軸方向に沿って外径寸法を均一の円柱形状であってもよいが、例えば、図14に示されるように、巻線26の外周形状の略半分程度の略半円形状の溝206や、図15に示されるように、溝206よりも曲率半径が大きな溝208を形成し、これらの溝206、208の内側に巻線26が通過する構成としてもよい。
【0149】
次に、別の変形例について説明する。図16及び図17に示されるように、この変形例では、ローラ202と誘導プーリ170との間に一対の支持シャフト210が設けられている。これらの支持シャフト210は、支持シャフト204の軸方向及び巻線26の長手方向の双方に対して直交する方向に沿って軸方向とされており、支持シャフト204と同様に巻線26が支持シャフト210の間の中央に位置するように設けられている。
【0150】
これらの支持シャフト210の各々には、ローラ212が回転自在に軸支されている。ローラ212の半径寸法はローラ202と同様に、その2倍(すなわち、直径寸法)が支持シャフト210の間隔よりも僅かに小さく、更に詳細にいえば、支持シャフト210の間隔と巻線26の外径寸法との和と略同じ(厳密には極僅かに大きい)程度とされている。
【0151】
したがって、巻線26は、誘導プーリ170とボビン24との間でローラ202、212の外周部に摺接しており、フライヤ110(若しくは、フライヤ180)が作動して巻線26が引き出されてボビン24側へ移動する際には、巻線26は、先ず、ローラ212との摩擦でローラ212を回動させながらローラ212間を通過し、更に、ローラ202との摩擦でローラ202を回動させながらローラ202間を通過してボビン24へ向かうことになる。
【0152】
<第4の実施の形態の構成>
次に、本発明の第4の他の実施の形態について説明する。
【0153】
図18には本実施の形態において用いる巻装手段としてのフライヤ220の要部を拡大した平面図が示されており、図19にはフライヤ220の要部を拡大した正面図が示されている。
【0154】
この図に示されるようにフライヤ220は、一対の支持シャフト204、210及びローラ202、212に代わり、一対の支持シャフト222、224及び圧延ローラ226、228を備えている。
備えている。
【0155】
支持シャフト222、224は、基本的に支持シャフト204、210と同じであるが、図示しない間隔調整機構により支持シャフト222同士、及び支持シャフト224同士が互いに接離する方向へ変位可能であると共に、変位した状態で固定可能とされている。これにより、支持シャフト222に回転自在に軸支された第1ローラとしての圧延ローラ226の間隔が可変とされ、支持シャフト224に回転自在に軸支された第2ローラとしての圧延ローラ228の間隔が可変とされている。
【0156】
本実施の形態では、フライヤ220を作動させると、巻線26が圧延ローラ228の間を通過し、更に、圧延ローラ226の間を通過した後にボビン24に巻き掛けられる。ここで、本実施の形態では、支持シャフト224の間隔が予め調整されて圧延ローラ228の外周部間の間隔が巻線26の外径寸法よりも小さく設定される。したがって、圧延ローラ228の間を通過した巻線26は、圧延ローラ228の外周部に圧縮されて、その外周形状が支持シャフト224の軸方向に長手の楕円形状若しくは小判形状になる。
【0157】
また、支持シャフト222の間隔も予め調整されて圧延ローラ226の外周部間の間隔が圧延ローラ228により圧縮された後の巻線26の外径寸法のうち、外周形状の長手方向に沿った寸法よりも短く設定される。したがって、圧延ローラ226の間を通過した巻線26は、圧延ローラ226の断面長手方向両端が外周部に圧縮されて、その外周形状が略長方形状になる。これにより、ボビン24には、断面略長方形状の巻線26が巻き掛けられる。
【0158】
ここで、断面形状が円形のままボビン24に巻線を施すと、ボビン24に巻き掛けられた巻線26の一部は先若しくは後に巻き掛けられた隣接する巻線26に外周部の一点で接触する。このように、隣接する巻線26との接触部位が極めて小さいということは、その分、隙間が多いということであり、すなわち、所謂「占積率」が小さい。
【0159】
これに対して、図22に示されるように、断面略長方形状の巻線26は、断面積の大きさは基本的に変化しないものの、略長方形状(略矩形状)に断面形状が変形しているため、長方形の各辺にて先若しくは後に巻き掛けられた隣接する巻線26が接触する。このため、占積率が向上し、その結果、同じボビン24であるならば、多くの回数(ターン数)巻線を施すことができ、モータ10の性能(特にトルク)を向上させることができる。一方、同じ回数(ターン数)巻線を施すのであれば、ボビン24を小さくでき、同じ性能でありながらコア12を小型化でき、ひいてはモータ10を小型化できる。
【0160】
なお、断面円形の巻線26を用いずに最初から断面略長方形状の巻線26(すなわち、所謂「平角線」)を用いることも充分に考えられ、第1の実施の形態のように、ボビン24を回転させることで巻線を施す構成であれば、最初から平角の巻線26を用いることも可能である。しかしながら、フライヤ220が回転しながら巻線26を巻き掛けることで巻線26の軸心周りに捩れが生じる。したがって、最初から平角線を用いると、平角線が捩じられながらボビン24に巻き掛けられることになり、均等にボビン24に巻線26を巻き掛けて先に巻き掛けられた巻線26に接触させることができない。
【0161】
これに対して、本実施の形態では、圧延ローラ226、228が回転アーム154と共に回転する構成であるため、巻線26が一定の方向を長手方向及び幅方向とする断面長方形状に成形された状態でボビン24に巻き掛けられる。このため、均等にボビン24に巻線を施して先に巻き掛けられた巻線26に巻線26を接触させることができる。
【0162】
なお、本実施の形態は、2組の圧延ローラ226、228を用いた構成であったが、必ずしも、圧延ローラを2組用いなくてもよい。すなわち、例えば、1組の圧延ローラ232の一方の外周部に、断面略長方形状のリング状の溝234を形成し、溝234の内側に巻線26を入り込ませた状態で他方の圧延ローラ232の外周部で巻線26を圧縮して巻線26の断面形状を略長方形状にしてもよい。
【0163】
また、図20に示されるように、例えば、1組の圧延ローラ238の一方の外周部に溝234を形成すると共に、他方の圧延ローラ238の外周部に溝234に遊嵌可能で且つ外周部からの突出寸法が溝234の深さ寸法よりも小さなフランジ部240を形成し、溝234の内側に巻線26を入り込ませた状態でフランジ部240の外周部で巻線26を圧縮して巻線26の断面形状を略長方形状にしてもよい。
【0164】
さらに、これまで、単に巻線26を圧縮して断面略長方形状にする点について説明したが、圧縮後における巻線26の断面形状は、図23に示されるように、基本的に同一形状であってもよいし、1つのボビン24に巻き掛けている途中で断面の縦横比(偏平率)を変化させてもよい。これにより、一層占積率を向上させることが可能となる。
【0165】
また、前記第1の実施の形態とは異なり、第2の実施の形態以降は複数のボビン24に1本の巻線26が連続して巻き掛けられる構成であった。ここで、本実施の形態のように圧延ローラ226、228、232、238等を用いて巻線26を圧縮してその断面形状を略長方形状にする場合、巻線26を全て断面長方形状にしてもよいが、例えば、ボビン24に巻き掛けられる部分のみを巻線26の断面形状を略長方形状とし、図24に示されるように、ボビン24から次のボビン24へ渡る所謂「渡り線250」と称される部分については、巻線26の圧縮を中止し、断面形状を円形のままとしてもよい。
【0166】
仮に、渡り線250における断面形状を略長方形状とした場合には、渡り線250が他の渡り線250(特に、他の相の巻線を構成する渡り線250)の角部に接触すると、巻線26の絶縁コーティングに傷が入ったり等の不具合が生じる可能性がある。これに対して、渡り線250における断面形状を円形のままとした場合には、渡り線250の断面に角がないため、渡り線250同士が接触しても巻線26の絶縁コーティングに傷が入ったり等の不具合が生じることがなく、長期に亘り確実に絶縁を維持できる。
【0167】
なお、以上の各実施の形態では、基本的にボビン24に巻線26を巻き掛ける態様について説明したが、本発明はこのようなボビン24を介して間接的にコア12に巻線26を巻き掛ける態様に限定されるものではなく、コア12のティース20に巻線26を直接巻き掛ける構成に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電機子製造方法により巻線を巻き掛けたコアの平面図である。
【図2】巻線対象物としてのボビンの斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る電機子製造方法で用いる巻装手段としての巻線装置の構成のうち、回転部及び誘導部の概略を示す正面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る電機子製造方法で用いる巻装手段としての巻線装置の構成のうち、テンション調整部の概略を示す正面図である。
【図5】ボビン外周部のうち、コアの周方向に沿った側の端部に巻線を巻き掛ける際の巻装手段としての巻線装置の動作を示す平面図である。
【図6】ボビン外周部のうち、コアの軸方向沿った側の端部に巻線を巻き掛ける際の巻装手段としての巻線装置の動作を示す平面図である。
【図7】テンション調整部の変形例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る電機子製造方法で用いる巻装手段としてのフライヤの構成の概略を示す平断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る電機子製造方法で用いる巻装手段としてのフライヤの先端側が回転している状態を示す概略的な正面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る電機子製造方法で用いる巻装手段としてのフライヤの構成の概略を示す平断面図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る電機子製造方法で用いる巻装手段としてのフライヤの先端がその回転位置により向きを変える様子を示す概略的な正面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態及び第3の実施の形態に係る電機子製造方法で用いる巻装手段としてのフライヤの先端の変形例を示す拡大平面図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態及び第3の実施の形態に係る電機子製造方法で用いる巻装手段としてのフライヤの先端の変形例を示す拡大正面図である。
【図14】ローラの変形例を示す図である。
【図15】ローラの他の変形例を示す図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態及び第3の実施の形態に係る電機子製造方法で用いる巻装手段としてのフライヤの先端の他の変形例を示す拡大平面図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態及び第3の実施の形態に係る電機子製造方法で用いる巻装手段としてのフライヤの先端の他の変形例を示す拡大正面図である。
【図18】本発明の第4実施の形態に係る電機子製造方法で用いる巻装手段としてのフライヤの先端の平面図であり、圧延ローラにより巻線が圧縮される状態を示す図である。
【図19】本発明の第4実施の形態に係る電機子製造方法で用いる巻装手段としてのフライヤの先端の正面図であり、圧延ローラにより巻線が圧縮される状態を示す図である。
【図20】圧延ローラの変形例を示す図である。
【図21】圧延ローラの他の変形例を示す図である。
【図22】断面形状を略長方形状に塑性変形された巻線がボビンに巻き掛けられた状態を示す拡大断面図である。
【図23】略長方形状である断面形状の偏平率を適宜に変更した状態で巻線をボビンに巻き掛けた状態を示す拡大断面図である。
【図24】巻線のうち、渡り線の部分だけ圧縮しない状態を示す図である。
【符号の説明】
10・・・モータ(回転電機)、12・・・コア、20・・・ティース、24・・・ボビン(巻線対象物)、26・・・巻線、30・・・巻線装置(巻装手段)、42・・・巻線パック(供給源)、76・・・ノズル、110・・・フライヤ(巻装手段)、180・・・フライヤ(巻装手段)、220・・・フライヤ(巻装手段)、226・・・圧延ローラ(第1ローラ)、228・・・圧延ローラ(第2ローラ)、232・・・圧延ローラ、238・・・圧延ローラ
Claims (9)
- 磁性材料により形成されたコアの本体部分の外周部から略放射状に突出形成されたティースに、直接或いは前記ティースに装着される筒状のボビンを介して間接的に導電性を有する長尺の巻線を巻き掛けて形成する回転電機の電機子を製造するための電機子製造方法であって、
前記巻線を長手方向基端側から収納した前記巻線の供給源から、前記ティース及び前記ボビンのうち、前記巻線が直接巻き掛けられる巻線対象物の周囲に設けられた巻装手段まで前記巻線を引き出して前記巻装手段を通過させ、
更に、前記巻装手段を通過した前記巻線の先端側を前記巻線対象物に係止した状態で、所定位置を中心にして前記巻装手段に対して前記巻線対象物を相対回転させて前記巻線を前記巻線対象物に巻き掛けると共に、
前記巻装手段における前記巻線の通過方向下流側の前記巻装手段の端部の向きを、前記巻装手段と前記巻線対象物との間における前記巻線対象物に対する巻掛直前状態の前記巻線の長手方向に対し、前記相対回転の回転方向若しくはその反対方向へ傾ける、
ことを特徴とする電機子製造方法。 - 両端が開口した略筒状のノズルを、前記巻装手段における前記巻線の通過方向下流側の前記巻装手段の端部に設け、前記ノズルを通過した前記巻線を前記巻線対象物に巻き掛けると共に、
前記巻掛直前状態の前記巻線の長手方向に対して前記ノズルの開口方向を前記相対回転の回転方向若しくはその反対方向へ傾ける、
ことを特徴とする請求項1記載の電機子製造方法。 - 前記巻線対象物の前記巻線が巻き掛けられる部分のうち、前記コアの周方向側へ向く部分に前記巻装手段の端部が向く状態で、前記巻装手段の端部が、前記巻装手段に対する前記巻線対象物の相対回転方向と同方向へ傾く、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電機子製造方法。 - 前記巻線対象物の前記巻線が巻き掛けられる部分のうち、前記コアの軸方向及び周方向の何れか一方の側へ向く部分に前記巻装手段の端部が向く状態から前記コアの軸方向及び周方向の何れか他方の側へ向く部分に前記巻装手段の端部が向く状態までの間に、前記巻装手段の端部が前記巻装手段に対する前記巻線対象物の相対回転方向とは反対方向へ傾く、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電機子製造方法。 - 前記巻線の通過方向下流側における前記巻装手段の端部近傍に設けられ、前記巻装手段と共に前記巻線対象物に対して相対回転する圧延ローラにより、前記巻装手段を通過した前記巻線を圧縮して断面形状を略矩形状に塑性変形した後に、前記巻線を前記巻線対象物に巻き掛ける、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の電機子製造方法。 - 前記巻線の両側で前記巻線の長手方向に対して直交する方向を軸方向として回転可能に設けられた前記圧延ローラとしての一対の第1ローラの外周部で、前記巻線の長手方向及び前記第1ローラの回転軸方向の双方に対して直交する方向に前記巻線を圧縮し、
前記第1ローラよりも前記巻線の長手方向先端側の前記巻線の両側で、前記巻線の長手方向及び前記第1ローラの回転軸方向の双方に対して直交するに対して直交する方向を軸方向として回転可能に設けられた前記圧延ローラとしての一対の第2ローラで、前記第1ローラにより圧縮された前記巻線を更に前記巻線の長手方向及び前記第2ローラの回転軸方向の双方に対して直交する方向に圧縮する、
ことを特徴とする請求項5記載の記載の電機子製造方法。 - 前記巻線対象物に対する前記巻線の巻き掛け途中で、前記第1ローラ及び前記第2ローラの少なくとも何れか一方の軸間距離を変更する、
ことを特徴とする請求項6記載の電機子製造方法。 - 前記巻線対象物に対して予め決められた回数の前記巻線の巻き掛けが終了した後、前記圧延ローラによる前記巻線の圧縮を解除する、
ことを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れか1項に記載の電機子製造方法。 - 前記巻装手段における前記巻線の通過方向下流側の前記巻装手段の端部よりも前記巻線の基端側で、前記巻線対象物と前記巻装手段との間における前記巻線の張力の増減とは反対に張力を付与し、若しくは当該張力の付与を解除する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の電機子製造方法。
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