JP2004028217A - クラスタミル用バックアップベアリング - Google Patents

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丸山 兆
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Abstract

【課題】クラスタミル用バックアップベアリングの寿命を延長することである。
【解決手段】バックアップベアリングの内輪1と外輪2との隙間の両側端を塞ぐ密封板5の外側面に凹部5aを形成し、この凹部5aからノックピン8を内輪1へ打ち込んでボルト9で抜け止めすることにより、ころ3の長さを短くすることなく、密封板5の内輪1からの抜け止めとオイルシール6との共回り防止とを確実に行って潤滑不良の発生を防止するとともに、内輪1およびころ3の表面に適量の残留オーステナイトを含む浸炭窒化層を形成して、内輪1やころ3の表面起点型の損傷を防止し、また、外輪2の表層に適切な圧縮応力を付与して、外輪2の表面クラックを起点とする割損を防止することにより、ベアリング寿命を延長したのである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、硬質の板材の圧延に使用されるクラスタミルに組み込まれているバックアップベアリングに関する。
【0002】
【従来の技術】
ステンレス鋼板やけい素鋼板等の硬質の板材の圧延では、小径のワークロールを組み込むことにより圧延荷重を小さくして高い寸法精度や圧延効率が得られるようにしたクラスタミル(ゼンジミアミル)が使用されることが多い。クラスタミルは、図4に12段式のものの一例を示すように、細くしたワークロールWの圧延中の撓みを抑えるために、ワークロールWの背後に配設した中間ロールMを介して、軸方向に分割された複数のバックアップベアリングB1、B2でワークロールWを支持する構造になっている。なお、クラスタミルには20段式のものもあるが、この場合も最外部にバックアップベアリングが配されている。
【0003】
このようなクラスタミルのバックアップベアリングは、その外輪の外径面が中間ロールの外径面と転がり接触して高い荷重を受けながら外輪回転で使用されるため、通常、外輪を厚肉化して高強度とするとともに、できるだけころを長くしてころと内外輪との接触面の圧力を小さくしている。また、近年の圧延速度の高速化に伴い、ベアリング内部の良好な潤滑性を確保するために、圧延油やスケール等の異物の侵入と潤滑油の流出を防止するシール構造を備えた密封型のものが使用されることが多い。
【0004】
図5は、上述した密封型のバックアップベアリングの一例を示す。このバックアップベアリングは、内輪51と外輪52との間にころ53が二列で収容されて保持器54に保持されており、両軌道輪51、52の隙間の両側端を、内輪51に固定された環状の密封板55と、外輪52に固定されて密封板55と摺動するオイルシール56とで塞ぐことにより主たるシール構造が形成されている。また、密封板55の内周縁部の内側面に接着した弾性シール部材57により、内輪51と密封板55の間からの水等の侵入を防止している。
【0005】
前記密封板55は、その内周縁部を内輪51外径面に設けた環状溝51aに嵌め込まれて抜け止めされている。また、図示は省略するが、密封板55内周側の外向きの環状突起55aを、周方向の数箇所で内輪51の環状溝51aの外側の段差部51bに設けた凹部に沿うようにかしめることにより、密封板55のオイルシール56との共回りを防止している。
【0006】
なお、密封板の抜け止めおよび回り止めの一般的な手段としては、ノックピンで密封板を内輪に固定する方法がある。しかし、ノックピンを用いる方法では、密封板にノックピン打込代を形成することが必要となり、その分ころが短くなってころと内外輪との接触面の圧力が高くなるので、高荷重下で使用するクラスタミル用のバックアップベアリングに適用するのは好ましくない。このため、このバックアップベアリングでは上述のような密封板固定方法を採用している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したバックアップベアリングでは、組立ての際に密封板55を熱膨張させて内輪51の環状溝51aへ嵌め込む必要があるため、その嵌め込み深さをわずかしかとれない。例えば、内輪51外径が400mmの場合、密封板55を内輪51との温度差を100℃つけて嵌め込んでも、嵌め込み深さは0.25mm程度にしかならず、密封板55の抜け止めとしては不十分である。また、弾性シール部材57は、ベアリング軸方向につぶされるように組み込まれているため、その反力が密封板55を内輪51の環状溝51aから抜け出させる方向に作用している。
【0008】
これらの要因により、ベアリング使用中に、密封板55が内輪51の環状溝51aから抜け出してしまったり、抜けには至らなくても、その嵌め込み部の塑性変形により弾性シール部材57を安定して挟み込んでおけなくなって、水等の侵入を許す場合がある。
【0009】
また、ベアリングを組み立てる際に、密封板55をかしめることにより、弾性シール部材57が変形したり、オイルシール56との摺動面の振れ精度や形状精度が悪化したりして、使用開始時からシール性能が低下しているおそれもある。
【0010】
このようなシール性能の低下によりベアリング内部の潤滑不良が進行すると、内輪51軌道面やころ53表面では、発熱やせん断応力が大きくなり、焼戻しされて材質(残留応力、表面硬さ、ミクロ組織等)が変化したり、疲労亀裂が発生したりしやすい。そして、これがピーリングやスミアリングを起点とする表面起点型の損傷に発展し、ベアリング寿命が大幅に短くなってしまう。
【0011】
一方、外輪52については、その外径面で直接負荷を受けるため、変形量が大きく、軌道面に大きな曲げ応力(最大引張応力)が作用する。このため、軌道面に微小な剥離やクラックが発生し、これらを起点として割損に至ることがある。そのほかにも、外輪外径面での滑りや、外輪側端面とベアリング側面に設けられるスラストワッシャとの滑りによりヒートクラックが発生し、これが起点となって割損する場合があり、これらの割損による短寿命化の問題がある。
【0012】
そこで、この発明の課題は、クラスタミル用バックアップベアリングの寿命を延長することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明は、ころを挟んで内輪と対向する外輪の外径面を、クラスタミルのワークロールの背後に配設された中間ロールの外径面に接触させて、前記ワークロールを中間ロールを介して支持するクラスタミル用バックアップベアリングにおいて、前記内輪と外輪との隙間の両側端を塞ぐ密封板の外側面に凹部を形成し、この凹部から前記内輪へノックピンを打ち込んで前記密封板を内輪に固定し、前記ノックピンを抜け止めする手段を、前記密封板の外側面よりも外側へ突出しないように設けた構成を採用したのである。
【0014】
すなわち、密封板の外側面に凹部を形成し、この凹部から内輪へノックピンを打ち込むとともに、ノックピンを抜け止めする手段を密封板の外側面よりも外側へ突出しないように設けることにより、ころを短くすることなく、密封板を確実に内輪に固定して潤滑不良の発生を防止できるようにしたのである。
【0015】
また、この発明は、ころを挟んで内輪と対向する外輪の外径面を、クラスタミルのワークロールの背後に配設された中間ロールの外径面に接触させて、前記ワークロールを中間ロールを介して支持するクラスタミル用バックアップベアリングにおいて、前記ころおよび内輪をそれぞれ浸炭鋼で形成して、その表面に炭素含有量が0.80wt%以上、硬度がHRC58以上、残留オーステナイト量が25〜35容量%の浸炭窒化層を形成し、前記外輪を高炭素クロム軸受鋼で形成して、その表面の硬度をHRC60以上、内部の硬度をHRC30〜45とし、表層に20〜200MPaの圧縮応力を付与したのである。ここで、「HRC」はロックウェル硬さのCスケールを表している。
【0016】
ころおよび内輪を浸炭鋼で形成して、その表面に浸炭窒化層を形成した理由は以下のとおりである。すなわち、通常の浸炭処理により得られる表層の残留オーステナイトは、亀裂の発生や進展を抑え、また使用中に加工硬化するので、適度に含むことで強靱な材質にすることができるが、熱に対しては不安定である。これに対し、適切な条件で表層に窒素を複合、浸入させてやることにより、残留オーステナイトや母相(マトリックス)のマルテンサイトを熱に対して変化しにくい材質にするとともに、適当量の炭化物を析出させて、割れ強度を下げることなく、疲労強度を高め、表面起点型の損傷が発生しにくいようにしたのである。
【0017】
このとき、浸炭窒化層の炭素含有量を0.80wt%以上としたのは、浸炭窒化処理により適当量の炭化物を析出させるためであり、硬度をHRC58以上としたのは、異物が噛み込んだときの塑性変形を小さくして、損傷の起点となるような圧痕を生じにくくするためである。また、残留オーステナイト量が25容量%未満であると、靱性が不十分となり、35容量%を越えると、前記表面硬度を確保することが難しくなる。
【0018】
一方、外輪については、高炭素クロム軸受鋼で形成し、その表面と内部に硬度差をつけて表層に圧縮応力を付与することにより、表層の亀裂敏感性を小さくするとともに内部の靱性を確保して、割れが生じにくいようにしたのである。
【0019】
このとき、表層の圧縮応力が20MPaよりも小さいと、亀裂敏感性が十分に小さくならず短寿命となりやすい。また、圧縮応力を200MPaよりも大きくしようとすると、熱処理時に焼き割れが発生しやすい。そして、その間の適切な圧縮応力を得るためには、表面硬度をHRC60以上、内部硬度をHRC30〜45とすればよく、これにより内部の靱性も同時に確保することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図3に基づき、この発明の実施形態を説明する。このクラスタミル用バックアップベアリングは、図1(a)に示すように、内輪1と外輪2との間にころ3が二列で収容されて保持器4に保持されており、両軌道輪1、2の隙間の両側端を、内輪1に固定された環状の密封板5と、外輪2に固定されて密封板5と摺動するオイルシール6とで塞ぐことにより主たるシール構造が形成されている。また、密封板5の内径面の溝底と内輪1外径面との間にOリング7を挟み込んで、内輪1と密封板5の間からの水等の浸入を防止している。
【0021】
前記密封板5は、図1(b)にも示すように、その外側面に凹部5aが形成されており、この凹部5aからノックピン挿入孔5bを通して内輪1へ打ち込まれたノックピン8により内輪1に固定されている。ノックピン8は、凹部5a底面から密封板5厚さ方向にねじ込まれた六角穴付ボルト9により抜け止めされている。また、凹部5aはボルト9の頭部の厚みよりも深く形成されており、ボルト9が密封板5の外側面よりも外側へ突出しないようになっている。
【0022】
すなわち、このバックアップベアリングは、密封板5をノックピン8で内輪1に固定し、ノックピン8を抜け止めするボルト9を設けているので、密封板5の内輪1からの抜け止めとオイルシール6との共回り防止とを同時に確実に行うことができ、前述した従来例のように共回り防止のために密封板をかしめる必要がない。また、Oリング7が密封板5の内径面と内輪1外径面との間で径方向につぶされているため、従来例のように密封板を抜け出させる方向の力が作用することもない。従って、長期間安定したシール性能が維持され、潤滑不良による内輪1やころ3の表面起点型の損傷の発生を防止することができる。
【0023】
しかも、ノックピン8および抜止めボルト9が、密封板5の凹部5aを利用して密封板5外側面よりも外側へ突出しないように取り付けられており、密封板5にノックピン8打込代を設ける必要がないので、通常のバックアップベアリングと同様にころ3をできるだけ長く設計することができ、高荷重下でも安定して使用できるようになっている。
【0024】
図2は、ノックピンの抜け止め方法を変えた例を示す。この変形例では、密封板10の肉厚が薄く、図1のように抜け止め用ボルトを密封板10の厚さ方向にねじ込むことができないため、ノックピン11を若干短くして、密封板10の凹部10aに連続するノックピン挿入孔10b入口部にねじプラグ12をねじ込んでいる。
【0025】
なお、ノックピンを抜け止めする手段としては、図1や図2に示した例のほかにも、接着剤やロックインサート等の一般的な抜け止め方法を採用することもできる。
【0026】
次に、このバックアップベアリングを構成する内輪1、外輪2およびころ3の材質について説明する。前記内輪1およびころ3は、それぞれ炭素含有量が0.12〜0.40wt%の浸炭鋼で形成されており、その表面には、炭素含有量が0.80wt%以上、硬度がHRC58以上、残留オーステナイト量が25〜35容量%の浸炭窒化層が形成されている。
【0027】
この浸炭窒化層では、浸炭窒化処理により、適度に含まれている残留オーステナイトおよび母相のマルテンサイトが焼戻しに対して変化しにくい材質になるとともに、適当量の炭化物が析出して、割れ強度が維持されたまま十分な疲労強度が得られるようになっている。また、硬度が十分に高いため、異物が噛み込んでも塑性変形が小さく、損傷の起点となるような圧痕が生じにくい。
【0028】
従って、ベアリング使用中に何らかのトラブル等によりシール性能が低下してベアリング内部で潤滑不良が発生し、内輪1軌道面やころ3表面の発熱やせん断応力が大きくなっても、内輪1やころ3に表面起点型の損傷が発生しにくい。
【0029】
また、前記外輪2は、高炭素クロム軸受鋼で形成されて、表面の硬度がHRC60以上、内部の硬度がHRC30〜45となるように熱処理されており、その結果、表層に20〜200MPaの圧縮応力が付与されている。表面と内部に硬度差をつけて表層に圧縮応力を付与するには、例えば、焼入れの際に冷却速度を遅くして内部の硬度上昇を抑える方法を採用することができる。この方法により得られた外輪2の径方向の硬度分布の一例を図3に示す。
【0030】
すなわち、この外輪2では、表面と内部に硬度差をつけることにより表層に適切な圧縮応力が付与されているので、表層の亀裂敏感性が小さく、かつ内部が十分な靱性を有しており、表面のクラックを起点とする割損が発生しにくい。
【0031】
なお、この特性は浸炭鋼を浸炭焼入れしても得ることができるが、その場合は材料費および熱処理費用が高くなるので、より安価な高炭素クロム軸受鋼を使用するようにしている。
【0032】
上述した実施形態では、シール構造を有するバックアップベアリングのシール性能を向上させて潤滑不良を防止するとともに、ころおよび内外輪の材質を改善して、万一潤滑不良が発生した場合でもベアリング寿命が大幅に短くならないようにしたが、シール性能の向上のみ、あるいはころおよび内外輪の材質改善のみを実施することもできる。
【0033】
また、この発明のころおよび内外輪の材質改善は、シール構造のない開放型のバックアップベアリングにももちろん適用することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、この発明は、バックアップベアリングの密封板の外側面に凹部を形成し、この凹部から内輪へノックピンを打ち込むとともに、ノックピンを抜け止めする手段を密封板の外側面よりも外側へ突出しないように設けたので、密封板にノックピン打込代を設ける必要がなく、高荷重条件下でも安定して使用できるだけのころ長さを維持したまま、密封板を確実に内輪に固定して潤滑不良の発生を防止することができ、ベアリング寿命を延長できる。
【0035】
また、この発明は、バックアップベアリングのころおよび内輪を浸炭鋼で形成し、その表面に焼戻軟化抵抗性と十分な疲労強度を有する浸炭窒化層を形成することにより、ころや内輪の表面起点型の損傷を防止するとともに、外輪を高炭素クロム軸受鋼で形成し、その表面と内部に硬度差をつけて表層に適切な圧縮応力を付与することにより、外輪の表面クラックを起点とする割損を防止するようにしたので、これによってもベアリング寿命を延長することができる。
【0036】
そして、上述のようにベアリング寿命の延長が図れるため、ベアリングのメンテナンス周期を長くすることができ、クラスタミルの稼働率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】aは実施形態のバックアップベアリングの正面断面図、bはaの要部拡大正面断面図
【図2】図1のバックアップベアリングのノックピン抜止め方法の変形例を示す要部拡大正面断面図
【図3】図1のバックアップベアリングの外輪の硬度分布を示すグラフ
【図4】クラスタミルの一例の側面図
【図5】従来のバックアップベアリングの正面断面図
【符号の説明】
1 内輪
2 外輪
3 ころ
4 保持器
5 密封板
5a 凹部
5b ノックピン挿入孔
6 オイルシール
7 Oリング
8 ノックピン
9 ボルト
10 密封板
10a 凹部
10b ノックピン挿入孔
11 ノックピン
12 ねじプラグ

Claims (2)

  1. ころを挟んで内輪と対向する外輪の外径面を、クラスタミルのワークロールの背後に配設された中間ロールの外径面に接触させて、前記ワークロールを中間ロールを介して支持するクラスタミル用バックアップベアリングにおいて、前記内輪と外輪との隙間の両側端を塞ぐ密封板の外側面に凹部を形成し、この凹部から前記内輪へノックピンを打ち込んで前記密封板を内輪に固定し、前記ノックピンを抜け止めする手段を、前記密封板の外側面よりも外側へ突出しないように設けたことを特徴とするクラスタミル用バックアップベアリング。
  2. ころを挟んで内輪と対向する外輪の外径面を、クラスタミルのワークロールの背後に配設された中間ロールの外径面に接触させて、前記ワークロールを中間ロールを介して支持するクラスタミル用バックアップベアリングにおいて、前記ころおよび内輪をそれぞれ浸炭鋼で形成して、その表面に炭素含有量が0.80wt%以上、硬度がHRC58以上、残留オーステナイト量が25〜35容量%の浸炭窒化層を形成し、前記外輪を高炭素クロム軸受鋼で形成して、その表面の硬度をHRC60以上、内部の硬度をHRC30〜45とし、表層に20〜200MPaの圧縮応力を付与したことを特徴とするクラスタミル用バックアップベアリング。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006226357A (ja) * 2005-02-16 2006-08-31 Ntn Corp ころ軸受
KR101287695B1 (ko) 2012-12-10 2013-08-07 오원 롤러

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