JP2004025003A - 連続薄膜コーティング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス基板を複数保持可能な基板保持器を用いることにより、ガラス基板を接続することなく、またガラス/接続部界面を発生させることなく、連続塗布を可能とする装置を提供することにより、スリットダイ方式における塗布動作変化時の膜厚均一性向上、タクトタイムの向上。
【解決手段】ガラス基板1を流体による浮上又は真空吸着させる微細孔4を有するベースプレート2と、ベースプレート2の上にガラス基板1を1枚又は複数枚格納し保持する基板保持器3と、基板保持器3にガラス基板1を供給する供給部と、ベースプレート2の上に基板保持器3により保持されている各ガラス基板1に対して塗液を連続的に塗布するダイヘッド5と、ガラス基板1又は基板保持器3とダイヘッド5とのギャプを調整するZ軸調整部と、ダイヘッド5に塗液を供給する塗液供給部と、塗布後の各ガラス基板を排出する排出部とを備えることを連続薄膜コーティング装置。
【選択図】図1
【解決手段】ガラス基板1を流体による浮上又は真空吸着させる微細孔4を有するベースプレート2と、ベースプレート2の上にガラス基板1を1枚又は複数枚格納し保持する基板保持器3と、基板保持器3にガラス基板1を供給する供給部と、ベースプレート2の上に基板保持器3により保持されている各ガラス基板1に対して塗液を連続的に塗布するダイヘッド5と、ガラス基板1又は基板保持器3とダイヘッド5とのギャプを調整するZ軸調整部と、ダイヘッド5に塗液を供給する塗液供給部と、塗布後の各ガラス基板を排出する排出部とを備えることを連続薄膜コーティング装置。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の枚葉状ガラス基板に対する連続薄膜コーティングを高い均一性で実現する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ガラス基板に対する塗布装置の多くは、ガラス基板中央部に塗液を滴下し、その後基板を回転させることによって薄膜を形成させる、スピンコート方式を採っている。しかし近年、スピンコート方式は無効になる塗液量が多いこと、また特に大型基板において中央部と端部とでの膜厚の均一性が低下することなどの問題が挙げられている。
【0003】
スピンコート方式に代わる、単板塗布装置の塗布方式、いわゆるスリットダイ方式は、高精度に平面度が保証され、かつ真空吸着のための微細穴加工を施しガラス基板を吸着させたテーブルと、塗布を行うダイヘッドを相対的に移動することで塗布を行う方式である。しかし、テーブル、ダイヘッド及びその支持機構のいずれも重量物であるため慣性モーメントの影響が大きい。すなわち、以下の問題点が挙げられる。
【0004】
(1)塗布開始、終了時ではテーブルあるいはダイヘッドユニットの加減速による装置全体のひずみ、振動が塗布動作に影響する。
(2)加減速が終了し速度が一定に収束するまでの時間、すなわち安定状態での塗布動作が不可能となる時間が増大する。
(3)塗布動作の開始、終了時にはバルブ動作および塗液圧送を伴うため、圧力の立ち上がりのタイムラグによって塗液塗出量の不安定状態が生じる。
【0005】
すなわち、スリットダイ方式は塗布動作の定常状態を保つことが困難であり、塗布開始、および終了時に膜厚の挙動が乱れる現象が問題になっている。以上の点からスリットダイ方式は連続的に塗布を行う際に有効であり、枚葉塗工装置には不向きであると言える。このような経緯で、連続塗布方法に関する提案は数多く挙げられている。しかしながら、従来提案されてきた連続塗布方法では、ガラス衝突による発塵、テープ張り合わせによるテープ/ガラス界面の発生による均一性低下、テープ除去時の薄膜破損等の問題がある。また塗布の方式、装置の構造上からも、塗布速度を上げることが困難であるためタクトタイムに関する問題が生じる。
【0006】
また、従来の一般的なスリットダイ方式は、ダイのスリットから塗液を微量に塗出し、ダイヘッドとガラス基板とを相対的に移動させることによって塗布を行う。そのため、次の問題が生じる。塗布動作すなわち塗布バルブの開閉を繰り返すことによって、ダイの先端からエアが混入し、薄膜形成の妨げとなることである。そのため、塗布の際には塗布の開始、終了の動作を行わないこと、あるいはその影響がない範囲で塗布を行うことが求められる。
以上の点から、スリットダイ方式は、roll to rollの塗工など数m以上の塗布距離を持った塗布動作時に有利な手法であり、一般の枚葉塗工には不向きとされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ガラス基板を複数保持可能な基板保持器を用いることにより、ガラス基板を接続することなく、またガラス/接続部界面を発生させることなく、連続塗布を可能とする装置を提供することにより、スリットダイ方式における塗布動作変化時の膜厚均一性向上、タクトタイムの向上を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を達成するための本願各請求項に係る発明は、以下のようなものである。
【0009】
まず請求項1の発明は、ガラス基板を流体による浮上又は真空吸着させる微細孔を有するベースプレートと、ベースプレートの上にガラス基板を1枚又は複数枚格納し保持する基板保持器と、基板保持器にガラス基板を供給する供給部と、ベースプレートの上に基板保持器により保持されている全てのガラス基板に対して塗液を連続して塗布するダイヘッドと、ガラス基板又は基板保持器とダイヘッドとのギャプを調整するZ軸調整部と、ダイヘッドに塗液を供給する塗液供給部と、塗布後の全てのガラス基板を排出する排出部とを備えることを特徴とする連続薄膜コーティング装置である。
【0010】
また請求項2の発明は、前記ベースプレートが分割式になっており、それぞれのパートにおいては平面度が少なくとも数10μm以下に保証され、前記Z軸調整部がセンサに依ってガラス基板及び保持器の高さ変動にダイヘッドを追従させることを特徴とする請求項1に記載の連続薄膜コーティング装置である。
【0011】
また請求項3の発明は、前記基板保持器が、ガラス基板格納後に移動することに依って、保持しているガラス基板の位置決めがなされることを特徴とする請求項1又は2に記載の連続薄膜コーティング装置である。
【0012】
また請求項4の発明は、前記基板保持器の形状が、保持しているガラス基板からオフセットした状態で、該ガラス基板を端部から少なくとも数mm程度カバーしているものであり、該ガラス基板の端部に塗液が塗布されることを防止する形状であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の連続薄膜コーティング装置である。
【0013】
また請求項5の発明は、前記基板保持器の形状が、保持しているガラス基板に対して、毛細現象などによる塗液の該ガラス基板端部回り込みを防止する程度の該ガラス基板表面からのオフセット量を有する形状であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の連続薄膜コーティング装置である。
【0014】
また請求項6の発明は、前記基板保持器の裏面、すなわち保持しているガラス基板表面に対面する面は、ぬれ性を低下させる表面処理を施したものであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の連続薄膜コーティング装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、本発明による連続薄膜コーティング装置の主構成部を例示する模式図である。また、図2〜3は、本発明による連続薄膜コーティング装置の動作を例示する断面図である。
【0017】
[本発明装置の構成]
図1〜3において、1はガラス基板、2はベースプレート、3は基板保持器、4は流体圧送及び吸引のための微細孔、5は塗液をガラス基板上に塗布するためのダイヘッド、7はガラス基板表面及び基板保持器表面をセンシングし塗布ダイヘッドのZ軸を追従させるためのセンサである。また、Aはガラス基板1表面から基板保持器3の裏面、すなわちガラス基板1に対する面のオフセット量である。なお基板保持器3及びベースプレート2等のユニットは複数組み合わせることによってガラス基板1の複数設置を可能にするが、設置面積、装置としての精度及び剛性、タクトタイム等を考慮した上で拡張することが可能である。図1に示す連続薄膜コーティング装置は、基板四枚を同時に保持可能なユニットを組んだ例であり、その一部分を示した。
【0018】
基板保持器3は、図1に示すように、ガラス基板1を覆うようにして複数の基板を格納出来る構造である。ガラス基板1の格納および位置決めは、ロボットアーム等の供給部に依って行うが、ベースプレート2/ガラス基板1表面の摺動を容易にするため、ベースプレート2表面に配した微細孔4に依ってガラス基板1を流体浮上させている。この微細孔4に依ってガラス基板1をエア浮上及び真空吸着させることが可能なエア圧送及び真空引きを行う。塗布時において、ガラス基板1表面のZ軸位置にダイヘッド5を追従させることが可能なセンサ7及び構造を有している。
【0019】
前述のような連続薄膜塗布を実現するため、あらかじめ上に述べたような基板保持器3に複数のガラス基板1を格納後、全ガラス基板1に連続して塗膜形成を行う。基板保持器3にガラス基板1を格納することにより、ガラス基板1を突き当てた状態で設置することがないため、ガラス基板1端面からの発塵を防止することが可能である。
【0020】
基板保持器3のガラス格納部の開口高さはガラス基板1の厚さとほぼ同等であるため、ピンナップ等の手段によるガラス基板1の搬入は困難である。ガラス基板1の揚上はエア圧送によりエア浮上させ、ロボットハンドを用いて格納部スリットに挿入する。
【0021】
また、本実施形態では、ベースプレート2を分割式構造とした。本発明では、ガラス基板1を複数保持することに依ってベースプレート2の長大化が進んだため、ベースプレート2の平面度が低下した。この課題の解決手段として、高い平面度を有する複数のベースプレートを組み合わせ、各ベースプレートのZ軸位置に関してセンサ7による追従塗布運転を行った。ここでZ軸は、後述するように、ベースプレート2に垂直方向(各図の紙面上下方向)である。
【0022】
ガラス基板1の格納後は基板保持器3が移動することに依ってガラス基板1の位置決めを行う構造とした。図2に示すように、ガラス基板1の格納時にはガラス基板1はベースプレート2に設置されている微細孔4からの流体圧送に依って浮上されており、ガラス基板1の端面をロボットハンド6等で押すことによって基板保持器3にある程度の粗い位置合わせで格納される。その後基板保持器3自体が移動することにより複数のガラス基板1を±1[mm]精度で同時に位置決めする。位置決め終了後は、ベースプレート2の微細孔4から真空吸着を行いガラス基板1を固定する。
【0023】
ここで、ベースプレート2に垂直方向(各図の紙面上下方向)をZ軸、ガラス基板1もしくはダイヘッド5の進行方向(塗布方向、各図の紙面左右方向)をX軸、塗布方向と直角方向(各図の紙面表裏方向)をY軸とする。ガラス基板1のY軸の位置合わせは基板保持器3のスリット状格納部奥の突き当て部に突き当てることに依って行う。これに対して、X軸位置決めに関して、ロボットハンド6は基板保持器3格納部の狭いスリット間にはアクセスが困難であるため、ロボットハンド6によるX軸のガラス基板1位置決めは不可能である。そのため基板保持器3自体が可動である構造とし、ガラス基板1の格納後の位置決めを可能とした。
【0024】
基板保持器3の格納部の形状に関して、ガラス基板1表面からの適切なクリアランスを持たせた形状とした。すなわち毛細現象に依って塗液が基板保持器3/ガラス基板1の間隙に回り込むことのないクリアランス量である。また、このクリアランス量に従って、基板保持器3はガラス基板1表面からオフセットした状態でガラス基板をカバーしているが、連続薄膜コーティング時にガラス基板1端部において表面張力による塗膜の不均一性を防止するため、および塗膜の基板保持器3表面からガラス基板1表面への移行時における界面の発生を防止するため、カバーはガラス基板1端部から5[mm]程度としている。
【0025】
毛細現象に関して、上記基板保持器3の裏面、すなわちガラス基板1に対する面に対するぬれ性を低下させるために表面処理を施した。毛細現象は間隙の距離、界面の表面張力、塗液の粘度によって導出されるが、ぬれ性を制御することに依り、塗液のガラス基板1/基板保持器3間への回り込みを低減した。
【0026】
また、基板保持器3は複数同時位置決めが可能である一体式、独立して位置決めを行い、ガラス基板サイズ変更に関して汎用性が高い分割式のいずれの方式も問わないが、ガラス基板を複数格納し、ガラス基板端面から数mmをカバーすることが本質であることを述べておく。すなわち、連続塗布方式では、塗膜が連続して形成されることが、その優位点であり、塗布工程で一貫して塗膜を定常状態におくためには、一体式が有利であると考えられる。また、本実施形態では一体式を採った。
【0027】
[本発明装置の動作]
図1に示すように本発明装置は複数のガラス基板1を複数同時に設置することが可能であり、複数のガラス基板1を基板保持器3の数量分すべてを設置後に、基板保持器3に格納された状態でまとめて塗布を行う装置である。実際の塗布動作を以下に示す。
【0028】
図2〜図4は断面図であり、実際には紙面の表方向にはガラス基板1のY軸方向突き当てのための可動式ブロックが設置されている。塗布前のガラス基板1搬入時にはブロックは位置決め位置にあり、塗布後のガラス基板排出時には、ガラス基板は紙面表方向に排出されるため位置決めブロックは逃げた状態になっている。
【0029】
図2は、前段階としてガラス基板1をベースプレート2上に複数保持する状態である。次の段階として、図3に示すように、全てのガラス基板1が格納された後に塗布するための複数同時位置決めを行う。さらに図4に示すように、全てのガラス基板1を吸引に依って保持し、ダイヘッド5及びベースプレート2が矢印方向に相対的に移動することにより基板保持器3内に保持された状態で塗布を行う。
【0030】
以下に各動作の詳細について述べる。図2に示すように、ガラス基板1は紙面の裏方向から挿入される。この際、ガラス基板1は微細孔4によって圧送された流体によって浮上されており、ベースプレート1との摺動が容易に行える。ガラス基板1は基板保持器3の手前(紙面の表方向)にロボット6によってある程度の精度で設置される。その後、上に述べた浮上を行い、ロボットハンド6によって基板保持器3のスリット状格納部に押し込まれる。ロボットハンド6の押し込みは、ガラス基板1がの基板保持器3の紙面表方向にある位置決めブロックに突き当たるまで行う。
【0031】
以上の動作によってY軸方向の位置決めが終了した状態で、図3に示す動作に移行する。
図3に示す動作では、ガラス基板1の浮上を継続した状態で基板保持器3がX軸方向(図3の矢印方法)に移動しガラス基板1に突き当たることに依ってガラス基板1のX軸方向位置決めを行う。X軸方向の位置決めは基板保持器3が同時に移動することにより全てのガラス基板1を同時に位置決めする。
【0032】
次の動作として、図4に示すように、X、Y軸方向位置決めが完了している状態で浮上させていたガラス基板1を吸着させる。すなわち微細孔4から流体を吸引することによりガラス基板1の固定を行う。ガラス基板1の固定後、ダイヘッド5がガラス基板1及び基板保持器3の上空をオフセットした状態で図4の矢印方向に移動し、基板保持器3に格納された状態で全てのガラス基板1に連続して塗布を行う。ダイヘッド5のガラス基板1あるいは基板保持器3からのオフセット量に関してはセンサ7によってダイヘッド5のZ軸追従(ガラス基板及び保持器の高さ変動への追従)を行いながら塗布を行う。このことによって塗膜の安定性が向上した。
【0033】
塗布終了後は、ガラス基板1の排出動作を行う。塗布終了後、微細孔4によるガラス基板1の吸着を解除し、さらに流体を圧送することによってガラス基板1を浮上させる。ガラス基板1は基板保持器3に対して搬入口と反対の方向に排出される。すなわち基板保持器3の紙面表側にある位置決めブロックは逃げた状態になり、ロボットハンド6によって基板保持器3から押し出される。基板保持器3から完全に排出された状態で、ガラス基板1はピンナップされ、ロボットで次工程へ搬送される。
【0034】
基板保持器3に付着した塗液は、次の塗布の際に正常な塗膜形成の妨げとなるため、クリーニングを行う工程を付加した。すなわち、基板保持器3には、ガラス基板1/基板保持器3界面で塗膜の安定性を失うことのないよう、表面処理を施したため、その効果を最大限に引き出すよう、毎工程でクリーニングが必要である。また、基板保持器3とダイヘッド5との高さ方向の間隙を数10μmに設定する際には、前塗布で基板保持器3に付着した塗膜がダイヘッド5に接触することを防止するためにもクリーニングの必要がある。
【0035】
【発明の効果】
基板保持器によってガラス基板の接続部界面を除くこと、ガラス基板端部の表面張力の影響を回避することが可能になった。その結果、膜厚均一性が向上し、有効エリアが増大した。また、以上に述べたように、本発明に係る装置に依って複数のガラス基板を同時に連続して塗布し、かつ高度に安定した塗膜を得ることが出来た。すなわち枚葉式単板塗布装置では問題となっていた、塗布速度の非定常状態時(立ち上がり、立ち下がり時)における膜厚の変動、塗布開始、終了時の塗膜供給量の変動を解消した。また装置動作が安定した後に連続塗布を行うため、装置の剛性が相対的に向上し、過剰な剛性設計が不要になった。
【0036】
また、連続塗布を行うことによってダイヘッドあるいはベースプレートの塗布開始、終了動作の回数が低減し、タクトタイムが減少した。さらに、従来の関連技術の連続塗布装置では、連続塗布化によって工程数が増加するのに対し、本発明による連続塗布化では工程数が従来技術の工程数とほぼ等しいため、連続塗布化がタクトタイムに与える影響は少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の構成を例示する模式図である。ただし、主要な一部分を示したものであり、基板保持器3、ベースプレート2からなるユニットは、精度、設置面積、タクトタイム等の許す限り拡張可能である。
【図2】本発明装置で、ガラス基板1を基板保持器3に搬入する動作を例示する断面図である。ガラス基板1は微細孔4から圧送される流体によって浮上され、ロボットハンド6によって紙面表側にある位置決めブロックまで突き当て、Y軸方向の位置決めされる。
【図3】本発明装置で、ガラス基板1の塗布方向の位置決めを行う動作を例示する断面図である。基板保持器3は位置決めブロックを兼ねており、基板保持器3が全て同時に矢印方向に移動することに依ってX軸方向の位置決めを行う。
【図4】本発明装置で、各ガラス基板1に対して連続して塗布を行なう動作を例示する断面図である。ガラス基板1のX、Y軸方向の位置決めが完了した時点で、微細孔4から吸着を行いガラス基板1を保持する。ここで、ガラス基板1保持後はガラス基板1表面と基板保持器3裏面とのオフセット量Aは、塗液が毛細現象によって回り込みが生じない量である。その後、ガラス基板1及び基板保持器3の上空をダイヘッド5が矢印方向に相対的に移動し全てのガラス基板1に連続塗布を行う。その際、ダイヘッド5のZ軸高さはセンサ7によってガラス基板1及び基板保持器3の高さ変動に追従させる。
【符号の説明】
1…ガラス基板
2…ベースプレート
3…基板保持器
4…微細孔
5…ダイヘッド
6…ロボットハンド
7…センサ(レーザ変位計)
A…オフセット量
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の枚葉状ガラス基板に対する連続薄膜コーティングを高い均一性で実現する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ガラス基板に対する塗布装置の多くは、ガラス基板中央部に塗液を滴下し、その後基板を回転させることによって薄膜を形成させる、スピンコート方式を採っている。しかし近年、スピンコート方式は無効になる塗液量が多いこと、また特に大型基板において中央部と端部とでの膜厚の均一性が低下することなどの問題が挙げられている。
【0003】
スピンコート方式に代わる、単板塗布装置の塗布方式、いわゆるスリットダイ方式は、高精度に平面度が保証され、かつ真空吸着のための微細穴加工を施しガラス基板を吸着させたテーブルと、塗布を行うダイヘッドを相対的に移動することで塗布を行う方式である。しかし、テーブル、ダイヘッド及びその支持機構のいずれも重量物であるため慣性モーメントの影響が大きい。すなわち、以下の問題点が挙げられる。
【0004】
(1)塗布開始、終了時ではテーブルあるいはダイヘッドユニットの加減速による装置全体のひずみ、振動が塗布動作に影響する。
(2)加減速が終了し速度が一定に収束するまでの時間、すなわち安定状態での塗布動作が不可能となる時間が増大する。
(3)塗布動作の開始、終了時にはバルブ動作および塗液圧送を伴うため、圧力の立ち上がりのタイムラグによって塗液塗出量の不安定状態が生じる。
【0005】
すなわち、スリットダイ方式は塗布動作の定常状態を保つことが困難であり、塗布開始、および終了時に膜厚の挙動が乱れる現象が問題になっている。以上の点からスリットダイ方式は連続的に塗布を行う際に有効であり、枚葉塗工装置には不向きであると言える。このような経緯で、連続塗布方法に関する提案は数多く挙げられている。しかしながら、従来提案されてきた連続塗布方法では、ガラス衝突による発塵、テープ張り合わせによるテープ/ガラス界面の発生による均一性低下、テープ除去時の薄膜破損等の問題がある。また塗布の方式、装置の構造上からも、塗布速度を上げることが困難であるためタクトタイムに関する問題が生じる。
【0006】
また、従来の一般的なスリットダイ方式は、ダイのスリットから塗液を微量に塗出し、ダイヘッドとガラス基板とを相対的に移動させることによって塗布を行う。そのため、次の問題が生じる。塗布動作すなわち塗布バルブの開閉を繰り返すことによって、ダイの先端からエアが混入し、薄膜形成の妨げとなることである。そのため、塗布の際には塗布の開始、終了の動作を行わないこと、あるいはその影響がない範囲で塗布を行うことが求められる。
以上の点から、スリットダイ方式は、roll to rollの塗工など数m以上の塗布距離を持った塗布動作時に有利な手法であり、一般の枚葉塗工には不向きとされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ガラス基板を複数保持可能な基板保持器を用いることにより、ガラス基板を接続することなく、またガラス/接続部界面を発生させることなく、連続塗布を可能とする装置を提供することにより、スリットダイ方式における塗布動作変化時の膜厚均一性向上、タクトタイムの向上を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を達成するための本願各請求項に係る発明は、以下のようなものである。
【0009】
まず請求項1の発明は、ガラス基板を流体による浮上又は真空吸着させる微細孔を有するベースプレートと、ベースプレートの上にガラス基板を1枚又は複数枚格納し保持する基板保持器と、基板保持器にガラス基板を供給する供給部と、ベースプレートの上に基板保持器により保持されている全てのガラス基板に対して塗液を連続して塗布するダイヘッドと、ガラス基板又は基板保持器とダイヘッドとのギャプを調整するZ軸調整部と、ダイヘッドに塗液を供給する塗液供給部と、塗布後の全てのガラス基板を排出する排出部とを備えることを特徴とする連続薄膜コーティング装置である。
【0010】
また請求項2の発明は、前記ベースプレートが分割式になっており、それぞれのパートにおいては平面度が少なくとも数10μm以下に保証され、前記Z軸調整部がセンサに依ってガラス基板及び保持器の高さ変動にダイヘッドを追従させることを特徴とする請求項1に記載の連続薄膜コーティング装置である。
【0011】
また請求項3の発明は、前記基板保持器が、ガラス基板格納後に移動することに依って、保持しているガラス基板の位置決めがなされることを特徴とする請求項1又は2に記載の連続薄膜コーティング装置である。
【0012】
また請求項4の発明は、前記基板保持器の形状が、保持しているガラス基板からオフセットした状態で、該ガラス基板を端部から少なくとも数mm程度カバーしているものであり、該ガラス基板の端部に塗液が塗布されることを防止する形状であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の連続薄膜コーティング装置である。
【0013】
また請求項5の発明は、前記基板保持器の形状が、保持しているガラス基板に対して、毛細現象などによる塗液の該ガラス基板端部回り込みを防止する程度の該ガラス基板表面からのオフセット量を有する形状であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の連続薄膜コーティング装置である。
【0014】
また請求項6の発明は、前記基板保持器の裏面、すなわち保持しているガラス基板表面に対面する面は、ぬれ性を低下させる表面処理を施したものであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の連続薄膜コーティング装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、本発明による連続薄膜コーティング装置の主構成部を例示する模式図である。また、図2〜3は、本発明による連続薄膜コーティング装置の動作を例示する断面図である。
【0017】
[本発明装置の構成]
図1〜3において、1はガラス基板、2はベースプレート、3は基板保持器、4は流体圧送及び吸引のための微細孔、5は塗液をガラス基板上に塗布するためのダイヘッド、7はガラス基板表面及び基板保持器表面をセンシングし塗布ダイヘッドのZ軸を追従させるためのセンサである。また、Aはガラス基板1表面から基板保持器3の裏面、すなわちガラス基板1に対する面のオフセット量である。なお基板保持器3及びベースプレート2等のユニットは複数組み合わせることによってガラス基板1の複数設置を可能にするが、設置面積、装置としての精度及び剛性、タクトタイム等を考慮した上で拡張することが可能である。図1に示す連続薄膜コーティング装置は、基板四枚を同時に保持可能なユニットを組んだ例であり、その一部分を示した。
【0018】
基板保持器3は、図1に示すように、ガラス基板1を覆うようにして複数の基板を格納出来る構造である。ガラス基板1の格納および位置決めは、ロボットアーム等の供給部に依って行うが、ベースプレート2/ガラス基板1表面の摺動を容易にするため、ベースプレート2表面に配した微細孔4に依ってガラス基板1を流体浮上させている。この微細孔4に依ってガラス基板1をエア浮上及び真空吸着させることが可能なエア圧送及び真空引きを行う。塗布時において、ガラス基板1表面のZ軸位置にダイヘッド5を追従させることが可能なセンサ7及び構造を有している。
【0019】
前述のような連続薄膜塗布を実現するため、あらかじめ上に述べたような基板保持器3に複数のガラス基板1を格納後、全ガラス基板1に連続して塗膜形成を行う。基板保持器3にガラス基板1を格納することにより、ガラス基板1を突き当てた状態で設置することがないため、ガラス基板1端面からの発塵を防止することが可能である。
【0020】
基板保持器3のガラス格納部の開口高さはガラス基板1の厚さとほぼ同等であるため、ピンナップ等の手段によるガラス基板1の搬入は困難である。ガラス基板1の揚上はエア圧送によりエア浮上させ、ロボットハンドを用いて格納部スリットに挿入する。
【0021】
また、本実施形態では、ベースプレート2を分割式構造とした。本発明では、ガラス基板1を複数保持することに依ってベースプレート2の長大化が進んだため、ベースプレート2の平面度が低下した。この課題の解決手段として、高い平面度を有する複数のベースプレートを組み合わせ、各ベースプレートのZ軸位置に関してセンサ7による追従塗布運転を行った。ここでZ軸は、後述するように、ベースプレート2に垂直方向(各図の紙面上下方向)である。
【0022】
ガラス基板1の格納後は基板保持器3が移動することに依ってガラス基板1の位置決めを行う構造とした。図2に示すように、ガラス基板1の格納時にはガラス基板1はベースプレート2に設置されている微細孔4からの流体圧送に依って浮上されており、ガラス基板1の端面をロボットハンド6等で押すことによって基板保持器3にある程度の粗い位置合わせで格納される。その後基板保持器3自体が移動することにより複数のガラス基板1を±1[mm]精度で同時に位置決めする。位置決め終了後は、ベースプレート2の微細孔4から真空吸着を行いガラス基板1を固定する。
【0023】
ここで、ベースプレート2に垂直方向(各図の紙面上下方向)をZ軸、ガラス基板1もしくはダイヘッド5の進行方向(塗布方向、各図の紙面左右方向)をX軸、塗布方向と直角方向(各図の紙面表裏方向)をY軸とする。ガラス基板1のY軸の位置合わせは基板保持器3のスリット状格納部奥の突き当て部に突き当てることに依って行う。これに対して、X軸位置決めに関して、ロボットハンド6は基板保持器3格納部の狭いスリット間にはアクセスが困難であるため、ロボットハンド6によるX軸のガラス基板1位置決めは不可能である。そのため基板保持器3自体が可動である構造とし、ガラス基板1の格納後の位置決めを可能とした。
【0024】
基板保持器3の格納部の形状に関して、ガラス基板1表面からの適切なクリアランスを持たせた形状とした。すなわち毛細現象に依って塗液が基板保持器3/ガラス基板1の間隙に回り込むことのないクリアランス量である。また、このクリアランス量に従って、基板保持器3はガラス基板1表面からオフセットした状態でガラス基板をカバーしているが、連続薄膜コーティング時にガラス基板1端部において表面張力による塗膜の不均一性を防止するため、および塗膜の基板保持器3表面からガラス基板1表面への移行時における界面の発生を防止するため、カバーはガラス基板1端部から5[mm]程度としている。
【0025】
毛細現象に関して、上記基板保持器3の裏面、すなわちガラス基板1に対する面に対するぬれ性を低下させるために表面処理を施した。毛細現象は間隙の距離、界面の表面張力、塗液の粘度によって導出されるが、ぬれ性を制御することに依り、塗液のガラス基板1/基板保持器3間への回り込みを低減した。
【0026】
また、基板保持器3は複数同時位置決めが可能である一体式、独立して位置決めを行い、ガラス基板サイズ変更に関して汎用性が高い分割式のいずれの方式も問わないが、ガラス基板を複数格納し、ガラス基板端面から数mmをカバーすることが本質であることを述べておく。すなわち、連続塗布方式では、塗膜が連続して形成されることが、その優位点であり、塗布工程で一貫して塗膜を定常状態におくためには、一体式が有利であると考えられる。また、本実施形態では一体式を採った。
【0027】
[本発明装置の動作]
図1に示すように本発明装置は複数のガラス基板1を複数同時に設置することが可能であり、複数のガラス基板1を基板保持器3の数量分すべてを設置後に、基板保持器3に格納された状態でまとめて塗布を行う装置である。実際の塗布動作を以下に示す。
【0028】
図2〜図4は断面図であり、実際には紙面の表方向にはガラス基板1のY軸方向突き当てのための可動式ブロックが設置されている。塗布前のガラス基板1搬入時にはブロックは位置決め位置にあり、塗布後のガラス基板排出時には、ガラス基板は紙面表方向に排出されるため位置決めブロックは逃げた状態になっている。
【0029】
図2は、前段階としてガラス基板1をベースプレート2上に複数保持する状態である。次の段階として、図3に示すように、全てのガラス基板1が格納された後に塗布するための複数同時位置決めを行う。さらに図4に示すように、全てのガラス基板1を吸引に依って保持し、ダイヘッド5及びベースプレート2が矢印方向に相対的に移動することにより基板保持器3内に保持された状態で塗布を行う。
【0030】
以下に各動作の詳細について述べる。図2に示すように、ガラス基板1は紙面の裏方向から挿入される。この際、ガラス基板1は微細孔4によって圧送された流体によって浮上されており、ベースプレート1との摺動が容易に行える。ガラス基板1は基板保持器3の手前(紙面の表方向)にロボット6によってある程度の精度で設置される。その後、上に述べた浮上を行い、ロボットハンド6によって基板保持器3のスリット状格納部に押し込まれる。ロボットハンド6の押し込みは、ガラス基板1がの基板保持器3の紙面表方向にある位置決めブロックに突き当たるまで行う。
【0031】
以上の動作によってY軸方向の位置決めが終了した状態で、図3に示す動作に移行する。
図3に示す動作では、ガラス基板1の浮上を継続した状態で基板保持器3がX軸方向(図3の矢印方法)に移動しガラス基板1に突き当たることに依ってガラス基板1のX軸方向位置決めを行う。X軸方向の位置決めは基板保持器3が同時に移動することにより全てのガラス基板1を同時に位置決めする。
【0032】
次の動作として、図4に示すように、X、Y軸方向位置決めが完了している状態で浮上させていたガラス基板1を吸着させる。すなわち微細孔4から流体を吸引することによりガラス基板1の固定を行う。ガラス基板1の固定後、ダイヘッド5がガラス基板1及び基板保持器3の上空をオフセットした状態で図4の矢印方向に移動し、基板保持器3に格納された状態で全てのガラス基板1に連続して塗布を行う。ダイヘッド5のガラス基板1あるいは基板保持器3からのオフセット量に関してはセンサ7によってダイヘッド5のZ軸追従(ガラス基板及び保持器の高さ変動への追従)を行いながら塗布を行う。このことによって塗膜の安定性が向上した。
【0033】
塗布終了後は、ガラス基板1の排出動作を行う。塗布終了後、微細孔4によるガラス基板1の吸着を解除し、さらに流体を圧送することによってガラス基板1を浮上させる。ガラス基板1は基板保持器3に対して搬入口と反対の方向に排出される。すなわち基板保持器3の紙面表側にある位置決めブロックは逃げた状態になり、ロボットハンド6によって基板保持器3から押し出される。基板保持器3から完全に排出された状態で、ガラス基板1はピンナップされ、ロボットで次工程へ搬送される。
【0034】
基板保持器3に付着した塗液は、次の塗布の際に正常な塗膜形成の妨げとなるため、クリーニングを行う工程を付加した。すなわち、基板保持器3には、ガラス基板1/基板保持器3界面で塗膜の安定性を失うことのないよう、表面処理を施したため、その効果を最大限に引き出すよう、毎工程でクリーニングが必要である。また、基板保持器3とダイヘッド5との高さ方向の間隙を数10μmに設定する際には、前塗布で基板保持器3に付着した塗膜がダイヘッド5に接触することを防止するためにもクリーニングの必要がある。
【0035】
【発明の効果】
基板保持器によってガラス基板の接続部界面を除くこと、ガラス基板端部の表面張力の影響を回避することが可能になった。その結果、膜厚均一性が向上し、有効エリアが増大した。また、以上に述べたように、本発明に係る装置に依って複数のガラス基板を同時に連続して塗布し、かつ高度に安定した塗膜を得ることが出来た。すなわち枚葉式単板塗布装置では問題となっていた、塗布速度の非定常状態時(立ち上がり、立ち下がり時)における膜厚の変動、塗布開始、終了時の塗膜供給量の変動を解消した。また装置動作が安定した後に連続塗布を行うため、装置の剛性が相対的に向上し、過剰な剛性設計が不要になった。
【0036】
また、連続塗布を行うことによってダイヘッドあるいはベースプレートの塗布開始、終了動作の回数が低減し、タクトタイムが減少した。さらに、従来の関連技術の連続塗布装置では、連続塗布化によって工程数が増加するのに対し、本発明による連続塗布化では工程数が従来技術の工程数とほぼ等しいため、連続塗布化がタクトタイムに与える影響は少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の構成を例示する模式図である。ただし、主要な一部分を示したものであり、基板保持器3、ベースプレート2からなるユニットは、精度、設置面積、タクトタイム等の許す限り拡張可能である。
【図2】本発明装置で、ガラス基板1を基板保持器3に搬入する動作を例示する断面図である。ガラス基板1は微細孔4から圧送される流体によって浮上され、ロボットハンド6によって紙面表側にある位置決めブロックまで突き当て、Y軸方向の位置決めされる。
【図3】本発明装置で、ガラス基板1の塗布方向の位置決めを行う動作を例示する断面図である。基板保持器3は位置決めブロックを兼ねており、基板保持器3が全て同時に矢印方向に移動することに依ってX軸方向の位置決めを行う。
【図4】本発明装置で、各ガラス基板1に対して連続して塗布を行なう動作を例示する断面図である。ガラス基板1のX、Y軸方向の位置決めが完了した時点で、微細孔4から吸着を行いガラス基板1を保持する。ここで、ガラス基板1保持後はガラス基板1表面と基板保持器3裏面とのオフセット量Aは、塗液が毛細現象によって回り込みが生じない量である。その後、ガラス基板1及び基板保持器3の上空をダイヘッド5が矢印方向に相対的に移動し全てのガラス基板1に連続塗布を行う。その際、ダイヘッド5のZ軸高さはセンサ7によってガラス基板1及び基板保持器3の高さ変動に追従させる。
【符号の説明】
1…ガラス基板
2…ベースプレート
3…基板保持器
4…微細孔
5…ダイヘッド
6…ロボットハンド
7…センサ(レーザ変位計)
A…オフセット量
Claims (6)
- ガラス基板を流体による浮上又は真空吸着させる微細孔を有するベースプレートと、ベースプレートの上にガラス基板を1枚又は複数枚格納し保持する基板保持器と、基板保持器にガラス基板を供給する供給部と、ベースプレートの上に基板保持器により保持されている全てのガラス基板に対して塗液を連続して塗布するダイヘッドと、ガラス基板又は基板保持器とダイヘッドとのギャプを調整するZ軸調整部と、ダイヘッドに塗液を供給する塗液供給部と、塗布後の全てのガラス基板を排出する排出部とを備えることを特徴とする連続薄膜コーティング装置。
- 前記ベースプレートが分割式になっており、それぞれのパートにおいては平面度が少なくとも数10μm以下に保証され、前記Z軸調整部がセンサに依ってガラス基板及び保持器の高さ変動にダイヘッドを追従させることを特徴とする請求項1に記載の連続薄膜コーティング装置。
- 前記基板保持器が、ガラス基板格納後に移動することに依って、保持しているガラス基板の位置決めがなされることを特徴とする請求項1又は2に記載の連続薄膜コーティング装置。
- 前記基板保持器の形状が、保持しているガラス基板からオフセットした状態で、該ガラス基板を端部から少なくとも数mm程度カバーしているものであり、該ガラス基板の端部に塗液が塗布されることを防止する形状であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の連続薄膜コーティング装置。
- 前記基板保持器の形状が、保持しているガラス基板に対して、毛細現象などによる塗液の該ガラス基板端部回り込みを防止する程度の該ガラス基板表面からのオフセット量を有する形状であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の連続薄膜コーティング装置。
- 前記基板保持器の裏面、すなわち保持しているガラス基板表面に対面する面は、ぬれ性を低下させる表面処理を施したものであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の連続薄膜コーティング装置。
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CN103521400A (zh) * | 2013-10-24 | 2014-01-22 | 福建农林大学 | 一种激光熔敷试样预置涂层用夹具 |
US9567555B2 (en) | 2005-06-25 | 2017-02-14 | Lg Display Co., Ltd. | Coating apparatus and method of fabricating liquid crystal display device using the same |
CN117184835A (zh) * | 2022-05-31 | 2023-12-08 | 上海德沪涂膜设备有限公司 | 涂布设备 |
-
2002
- 2002-06-25 JP JP2002183865A patent/JP2004025003A/ja active Pending
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