JP2004021099A - 定着装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ローラの耐久性の低下や定着装置の変形、振動の発生等の原因となる機械的負荷を増大させることなく、また、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる定着装置を提供する。
【解決手段】加熱ロ−ラと、弾性体層を有する加圧ロ−ラと、からなるローラ対を圧接してニップ領域を形成しつつ回転駆動させ、かつ、未定着トナー像が形成された記録媒体を該ニップ領域に挿通させて、加熱手段6により、前記未定着トナ−像を前記記録媒体上に加熱定着させるようにした定着装置において、前記定着装置の定着温度の上昇を伴う使用状態の変化に基づいて、前記定着温度を適切な値に制御する制御手段28を設けている。
【選択図】図5
【解決手段】加熱ロ−ラと、弾性体層を有する加圧ロ−ラと、からなるローラ対を圧接してニップ領域を形成しつつ回転駆動させ、かつ、未定着トナー像が形成された記録媒体を該ニップ領域に挿通させて、加熱手段6により、前記未定着トナ−像を前記記録媒体上に加熱定着させるようにした定着装置において、前記定着装置の定着温度の上昇を伴う使用状態の変化に基づいて、前記定着温度を適切な値に制御する制御手段28を設けている。
【選択図】図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真技術を用いたプリンタ、複写機、フアクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置に設けられる定着装置に係り、詳しくは、記録媒体の表面に形成されたトナー像を該記録媒体に定着させる定着装置及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置における定着ローラ方式の定着装置は、互いに圧接されて回転駆動される加熱ローラと加圧ロ−ラからなる定着ローラ対を備え、加熱ローラは、金属製の円筒体の外表面にフッ素樹脂等の高離型性の材料により形成された薄い外被層を有し、金属製円筒の中空部にはハロゲンランプ等のヒ−タが設置されている。その外被層は、トナーが加熱ローラに転移するオフセット現象の発生を抑制するために設けられる。
【0003】
一方、加圧ローラは、金属製の芯金と、その外表面のシリコンゴム等の弾性体層と、必要に応じて弾性体層の外周に設けられる離型層とから成る。加熱ローラと加圧ローラは、互いに圧接された状態でローラ駆動装置により駆動されて回転し、その圧接状態によって、加圧ローラの弾性体層が弾性変形を起こし、加熱ローラと加圧ローラの接触部にニップ領域と呼ばれる接触面を形成する。
【0004】
この接触面に記録紙を挿通させることにより、記録紙とその表面に形成されたトナー像が加圧及び加熱されて該トナー像が記録紙に定着される。ここで、ニップ領域のローラに沿う弦長をニップ幅と呼び、記録紙上の一点がニップ領域を通過する時間をニップ通過時間と称している。
【0005】
以上のように、多くの定着装置では、加熱ローラが加熱されるが、加圧ローラが加熱されるものや、両ローラが加熱されるものもある。また、加熱ローラの外被層によるオフセット現象の発生抑制効果が不十分な場合には、加熱ローラや加圧ローラにシリコンオイル等の離型剤を塗布して離型性を増加させたり、クリ−ナを設置して加熱ローラに転移したトナ−を拭き取る方法も用いられる。
【0006】
一方、定着装置は、記録紙に対する画像(トナー像)の固着強さ(定着強度)を十分高めることが必要である。定着強度が弱いと、定着後に記録紙が積層されたり、摺擦された場合に、定着されたトナー画像が剥離して画像欠損を引き起こしたり、相手側をトナ−で汚す問題が発生する。
【0007】
また、定着強度が不十分な状態での定着は、オフセット現象を引き起こし易いため、オフセットによる誤印字や印字品位低下の原因にもなる。この定着強度を高めるために、加熱ローラと加圧ローラを圧接する際の押し付け荷重を高くする方法がとられることがある。
【0008】
しかし、ある限界値以上に押し付け荷重を高めると、加圧ローラの変形量が過大に増加し、このような圧接状態を長時間続けたときに永久変形を発生させる場合があり、これにより加圧ローラの寿命が短くなるという問題が発生する。
【0009】
また、押し付け荷重を高くすると定着装置全体の歪も増大し、装置の強度限界を越えると装置自体の寿命を縮め、著しい場合には定着ロ−ラの回転に伴い振動等を発生させるという問題もある。
【0010】
定着性能(強度)と加圧ローラの寿命及び定着装置の機械的強度(変形、歪及び振動)の間には、このようなトレードオフ関係が存在し、これらの課題を共に克服することは容易ではない。
【0011】
従来の定着装置における構成条件の設定では、主として、定着強度等の画像品質を所望の値に確保する条件を定め、その後、連続印刷試験による寿命確認を経て、これらの課題を克服するようにその他の条件を設定する方法が用いられていたが、装置の検討・開発に対する多大な時間、労力が必要となるので、あまり得策ではない。
【0012】
そこで、圧接機構に、加圧荷重を変化させる加圧荷重可変手段とニップ通過時間を検出するニップ時間検出手段を設け、ニップ通過時間の変化に応じて加圧荷重を変化させたり、或いは、圧接機構に、加圧荷重を変化させる加圧荷重可変手段とニップ幅を検出するニップ幅検出手段を設け、ニップ幅の変化に応じて加圧荷重を変化させる方法が用いられている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ニップ通過時間またはニップ幅の検出結果に基づいて、圧接機構の加圧荷重を変更する方法によると、耐久使用ではニップ通過時間またはニップ幅の変化する方向は増加方向のみであるので、ニップ圧維持、定着強度確保のみに着目して、加圧ローラに与える加圧力を一方的に増大すると、永久変形による加圧ローラの寿命の短命化、定着装置の変形或いは振動発生等の定着装置の機械的負荷を増大、促進するような不具合を伴う。
【0014】
また、加圧ローラの寿命としては、上記した長時間の圧接による加圧ローラの永久変形発生だけでなく、耐久使用に伴う弾性体層の硬度低下についても配慮する必要がある。すなわち、従来の定着装置では、耐久使用に伴う加圧ローラの弾性体層の硬度低下も考慮した定着強度、加圧ローラの寿命及び定着装置の機械的強度の関係について総合的に配慮されていなかった。
【0015】
従って、これらの課題が克服されているように見えても、実際には、定着装置の構成がある課題を克服する構成条件の限界値に近い値に設定される場合があり、定着強度の低下、ホットオフセット発生、装置振動の発生、加圧ローラの寿命の短命化、などの不具合が発生する問題があった。
【0016】
本発明は、このような実情に鑑みてなされ、ローラの耐久性の低下や定着装置の変形、振動の発生等の原因となる機械的負荷を増大させることなく、また、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる定着装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の課題を解決するための手段を、以下のように構成している。
【0018】
(1)加熱ロ−ラと、弾性体層を有する加圧ロ−ラと、からなるローラ対を圧接してニップ領域を形成しつつ回転駆動させ、かつ、未定着トナー像が形成された記録媒体を該ニップ領域に挿通させて、加熱手段により、前記未定着トナ−像を前記記録媒体上に加熱定着させるようにした定着装置において、
前記定着装置の定着温度の上昇を伴う使用状態の変化に基づいて、前記定着温度を適切な値に制御する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0019】
画像形成装置の耐久使用に伴う経年的変化によって加圧ローラが劣化し、ニップ幅が増加すると、熱伝導面積が増大するため熱移動量が増加し、定着温度が初期と同じ設定である場合には、未定着トナー像または記録媒体への投入熱量が過剰となり、ホットオフセットが発生しやすくなり、適正な定着性を維持することができなくなる。
【0020】
この構成においては、定着装置の定着温度の上昇を伴う使用状態の変化があった場合には、制御手段により、定着温度を適切な値に変化させるので、ホットオフセットの発生を防止して、良好な定着性能を確保することができる。
【0021】
定着温度の上昇を伴う使用状態の変化とは、具体的には、例えば、ローラ対に対する累積通紙枚数、定着装置の累計稼動時間または前記ローラ対の回転数の累計等の増加が挙げられるが、このような経年的変化だけでなく、小サイズ用紙の連続使用による定着温度の上昇や、使用環境・条件等により周囲温度が高い条件下での使用による定着温度の上昇等をも対象とする。その変化状態の検出には、各種計数計や温度センサー等を用いればよい。
【0022】
また、この構成においては、定着温度の制御のみにより対処するため、ローラ対への圧接力を増大させる必要がなく機械的負荷の増大を伴わないことから、ローラの耐久性の低下や定着装置の変形、振動の発生等を抑制できる利点がある。
【0023】
(2)加熱ロ−ラと、弾性体層を有する加圧ロ−ラと、からなるローラ対を圧接してニップ領域を形成しつつ回転駆動させ、かつ、未定着トナー像が形成された記録媒体を該ニップ領域に挿通させて、加熱手段により、前記未定着トナ−像を前記記録媒体上に加熱定着させるようにした定着装置において、
前記ローラ対に対する通紙枚数の累積値の増加に伴って、定着温度を低下する方向に変化させる制御手段を設けたことを特徴とする。
【0024】
この構成においては、ニップ幅が増加するに伴い、定着温度を低下する方向へ変化させることによって、未定着トナー像または記録媒体への投入熱量を適正に維持し、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保できるようにしている。
【0025】
また、ローラ対への圧接力を増大させることによる機械的負荷の増大を伴うことがなく、ローラの耐久性の低下や定着装置の変形、振動の発生等を抑制することができる。
【0026】
(3)加熱ロ−ラと、弾性体層を有する加圧ロ−ラと、からなるローラ対を圧接してニップ領域を形成しつつ回転駆動させ、かつ、未定着トナー像が形成された記録媒体を該ニップ領域に挿通させて、加熱手段により、前記未定着トナ−像を前記記録媒体上に加熱定着させるようにした定着装置において、
前記ローラ対に対する通紙枚数の累積値の増加に伴って発生するニップ幅の増大変化に対応して、定着温度を変化させることにより、前記未定着トナー像または前記記録媒体への前記加熱手段からの投入熱量を略一定に維持する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0027】
この構成においては、ニップ幅の増大変化に対応して、定着温度を低下させることにより、定着ローラと記録媒体またはトナーの温度差とニップ通過時間との積で決定される熱移動量を、初期の適正な定着状態と略同等に維持するので、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。
【0028】
また、ローラ対への圧接力を増大させることによる機械的負荷の増大を伴うことがなく、ローラの耐久性の低下や定着装置の変形、振動の発生等を抑制することができる。
【0029】
(4)前記加熱ローラが薄肉ロ−ラからなり、かつ、前記加圧ロ−ラが弾性発泡体層を有することを特徴とする。
【0030】
薄肉の加熱ローラは、通常の加熱ローラに較べると、熱移動(入熱及び放熱)に対しての温度変化が起こり易く、オーバーシュートを発生しやすい。そして、加圧ローラの弾性体層が弾性発泡体(スポンジゴム)製の場合には、ソリッドゴム製の場合よりも、耐久使用において硬度低下や劣化が促進されやすく、また、熱を吸収しにくい。
【0031】
従って、薄肉の加熱ローラと、弾性体層が弾性発泡体からなる加圧ローラとの組合せによる定着装置では、通常の加熱ローラと弾性体層がソリッドゴム製の加圧ローラとの組合せによる定着装置よりも、記録媒体または未定着トナー像への投入熱量が過剰になりやすく、ホットオフセット現象を発生しやすい条件下で定着処理が行なわれる。
【0032】
定着装置ないしは画像形成装置の耐久使用に伴う部材の経年的変化によって加圧ローラの弾性発泡体層が劣化し、ニップ幅が初期値に対して増加方向へ変化するが、この構成においては、ニップ幅の増大変化に対応して、定着温度を低下する方向に変化させるか、あるいは、定着温度を変化させることにより前記未定着トナー像または前記記録媒体への前記加熱手段からの投入熱量を略一定に維持するので、加熱ローラが薄肉ロ−ラからなり、加圧ロ−ラが弾性発泡体層を有するにもかかわらず、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。
【0033】
(5)前記制御手段は、前記ローラ対に対する通紙枚数を計数する計数手段による累積通紙枚数についての検出結果に基づいて、前記加熱手段への通電量を制御することを特徴とする。
【0034】
この構成においては、記録媒体の通紙枚数の累積量に基づいて、定着温度が低下する方向へ加熱手段への通電量を制御することで、画像形成装置の耐久使用に伴う経年的変化によって加圧ローラが劣化し、ニップ幅が増加しても、未定着トナー像または記録媒体への投入熱量を適正に維持するので、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。
【0035】
(6)前記計数手段は、前記ローラ対に対する通紙枚数に代えて、前記定着装置の稼動時間を計数することを特徴とする。
【0036】
この構成においては、定着装置の稼働時間を計数し、その累積量に基づいて、定着温度が低下する方向へ加熱手段への通電量を制御することで、画像形成装置の耐久使用に伴う経年的変化によって加圧ローラが劣化し、ニップ幅が増加しても、未定着トナー像または記録媒体への投入熱量を適正に維持するので、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。
【0037】
(7)前記計数手段は、前記ローラ対に対する通紙枚数に代えて、前記ローラ対の回転数を計数することを特徴とする。
【0038】
この構成においては、ローラ対の回転数を計数し、その累積量に基づいて、定着温度が低下する方向へ加熱手段への通電量を制御することで、画像形成装置の耐久使用に伴う経年的変化によって加圧ローラが劣化し、ニップ幅が増加しても、未定着トナー像または記録媒体への投入熱量を適正に維持するので、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。
【0039】
(8)加熱手段により加熱される加熱ローラと、通過する記録媒体を介して前記加熱ローラに圧接しつつ従動または連動回転する加圧ローラと、を有し、前記加熱ローラの表面温度を検知してこれを設定温度となるように制御する画像形成装置の定着装置の温度制御方法において、
前記画像形成装置の稼動量を検出し、該検出結果を累積した累積稼動量に基づいて、前記定着装置からの未定着トナー像または記録媒体への投入熱量が略一定になるように、前記加熱ローラの設定温度を低下させるべく、前記加熱手段への通電量を制御することを特徴とする。
【0040】
この方法においては、定着装置の累積稼動量に応じて、定着温度が低下する方向へ加熱手段への通電量を制御するので、画像形成装置の耐久使用に伴う経年的変化によって加圧ローラが劣化し、ニップ幅が増加しても、未定着トナー像または記録媒体への投入熱量を適正に維持するので、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。また、機械的負荷の増大を伴うことがなく、ローラの耐久性の低下や定着装置の変形、振動の発生等を抑制することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態に係る定着装置およびその制御方法について詳細に説明する。
【0042】
(定着装置)
図1は、定着装置の構成を示す断面図で、1は加熱ローラ、2は加圧ローラ、3は記録紙(記録媒体)、4はトナー像、5はフレ−ム、6は加熱手段としてのヒ−タ、7はクリ−ナ、8a,8bは分離爪、9は、加熱ローラ1の表面温度を検出するための温度センサである。
【0043】
加熱ローラ1は、炭素鋼製の円筒の外表面にPTFE(フッ素樹脂)から成る外被層を形成したものである。この外被層は、トナ−像4の一部が加熱ローラ1に転移するオフセット現象を抑制するために設けられている。
【0044】
加熱ローラ1の中心部には、ハロゲンランプを用いたヒ−タ(加熱手段)6が内蔵されている。また、加圧ローラ2は、炭素鋼製の芯金の外表面にシリコンゴム製の弾性体層を形成して構成される。加熱ローラ1は加熱され、加熱ローラ1と加圧ローラ2は圧接機構でお互いに圧接され、この状態でローラ対駆動手段により一定速度で回転駆動される。
【0045】
通常は、加熱ローラ1を駆動し、加圧ローラ2は加熱ローラ1に摺接して従動する構成が採用される。この圧接により加圧ローラ2の弾性体層が弾性変形を起こし、ニップ領域を形成する。この接触面に記録紙3を挾んで挿通させることにより、記録紙3とその表面に形成したトナー像4を加熱・加圧して該トナー像4を記録紙3に定着する。
【0046】
剥離爪8aは、ニップ領域を通過した記録紙3の前端を加熱ローラ1から引き剥がし、定着を終了した記録紙3を定着装置の外へ排出する。剥離爪8bは、記録紙3が加圧ローラ2に巻き付いたときにこれを引き剥がすように機能する。
【0047】
温度センサ9は、例えば、サーミスタまたは熱電対等からなり、加熱ローラ1の温度を検出し、その検出信号を受けた制御装置(図示省略)によりヒータ6の発熱量を制御して加熱ローラ1が所定の温度に制御されるようになっている。また、クリ−ナ7は、加熱ローラ1に転移したオフセットトナ−を拭き取るために用いられ、離型剤としてのオイルの塗布は行わない構成である。
【0048】
ところで、加熱ローラ1を薄肉ローラで形成した場合には、設定温度まで加熱ローラ1を静止立ち上げし、設定温度に到達した直後に回転を開始することでウォームアップ時間をできるだけ短縮させている。しかし、ウォームアップ完了直後加熱ローラ1は、サーミスタの検知遅れから、設定温度に対してオーバーシュートするため、通紙を開始しても最初の数枚は設定温度よりもかなり高い温度で加熱ローラ1を通過する。
【0049】
オーバーシュートの発生する高温領域において、未定着トナー像を定着させると、温度が高すぎるため、溶融した未定着トナーが加熱ローラ側に付着し、このトナーが記録紙3に逆転写されるホットオフセットが発生し、画質を低下させる。例えば、定着温度を190℃に設定している時、サーミスタが190℃を検知して定着ローラが回転し始め通紙動作を開始するが、実際のローラ表面の温度は、240℃まで達している。
【0050】
そして、ニップ幅の増加に伴い、この温度(240℃)ではホットオフセットが発生する。一方、設定温度を185℃にするとオーバーシュートが235℃に低減される。この温度では、ニップ幅が、9.5mmまで増加してもホットオフセットは発生しない。
【0051】
(温度検出手段)
定着装置の温度センサ(温度検出手段)9として用いられるサーミスタは、基材の上に断熱層を形成し、その上にサーミスタと熱伝導性の良いペーストを配置した構成となっており、サーミスタの外周は、耐磨耗性の樹脂層で覆われている。
【0052】
次に、ヒータ6に電力を供給して、加熱ローラ1の表面温度を室温から定着装置動作時の温度である定着温度まで上昇させ、温度センサ9を用いて加熱ローラ1の表面温度を測定する場合について説明する。この場合の加熱ローラ1表面のセンサ検出温度と、加熱ローラ1の実際の表面温度とを図2に示す。
【0053】
同図にて、縦軸は、加熱ローラ1の表面温度で、横軸は時間を示す。図中のXは加熱ローラ1の実際の表面温度であり、Yは加熱ローラ1の表面のセンサ検出温度である。このX、Yの傾向に基づくと、例えば、加熱ローラ1の実際の表面温度がT1のとき、センサ検出温度は約T1’ となり、両者間には、温度差(T1−T1’ )が生じていることがわかる。
【0054】
上記温度差が発生する原因は、温度センサ9が非接触タイプであれば、サーミスタが加熱ローラ1の表面から約1mm程度離隔されて配置されているため、間の空気層を介して加熱ローラ1の表面温度が検出されることによると考えられ、その結果、加熱ローラ1の表面温度は、遅れて温度センサ9に検出されるため、上記温度差が発生する。
【0055】
また、温度センサ9が接触タイプであれば、温度センサ9の耐磨耗性の樹脂層が、加熱ローラ1の表面とサーミスタとの間に介在するため、温度センサ9の熱伝導性を損なうこととなり、上記温度差が発生する。
【0056】
(シミュレーション)
そこで、これらの条件でのトナー温度をシミュレーションにより計算し、相関関係を考察した。定着装置に未定着トナー画像を通紙したときの記録紙上に転写したトナー画像のトナー上層温度(ローラとトナーとの界面の温度:ホットオフセットに起因)、トナー下層温度(トナーと紙との界面の温度:定着強度に起因)を、ニップ幅との関係で示した計算結果を、図3(a)(b)に示す。また、シミュレーション条件を以下に示す。
【0057】
(シミュレーション条件)
(a)プロセス速度:225mm/s
(b)上ローラ(加熱ローラ)仕様:φ40STKM(厚みt=0.4mm)、表層PTEF20μm
(c)下ローラ(加圧ローラ)仕様:φ40スポンジローラ(肉厚8mm)、表面離型層PFAチューブ30μm
(d)定着温度(加熱ローラ表層温度):185℃,190℃,235℃,240℃
上述のような条件下にて、初期には、ニップ幅が7mmであり、定着温度190℃にしたときウォームアップ直後のオーバーシュートは240℃なので、このときのトナー上層温度が177.4℃であるのに対し、耐久使用の結果、ニップ幅が9.5mmになり、このニップ幅の増加に伴い、ウォームアップ直後ローラ温度が240℃到達時に通紙した際のトナー上層の温度が181.8℃に上昇し、この温度ではホットオフセットが発生する。
【0058】
一方、ニップ幅が9.5mmの時、定着温度を185℃に設定すると、ウォームアップ直後のオーバーシュートが235℃になり、このときのトナーの上層温度が178.3℃となり、耐久性評価前の240℃到達時のトナー上層温度とほぼ同等になる。他方、定着性においては、トナー下層温度で比較するとニップ幅9.5mmのとき、185℃に設定した際のトナー下層温度は140℃であり、使用初期の設定温度190℃でのトナー下層温度140℃とほぼ一致し定着性としても問題ない。このことから、耐久使用に伴うニップ幅増大に応じて定着温度を下げることで画質向上が見込まれる。
【0059】
(定着温度と定着性能)
定着温度と定着性能の関係について、実験により確認した結果を、下記の表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
表1より、当初、7mmであったニップ幅が、耐久使用によって9.5mmになった場合、設定温度を当初の190℃のままとした時には、上層温度が181.8℃、下層温度が140℃となり、定着強度はOKであったが、ホットオフセットが発生した。
【0062】
これに対して、ニップ幅が9.5mmになると、設定温度を185℃に低下させた時には、上層温度が178.3℃、下層温度は140℃となり、ホットオフセットは発生せず、定着強度も充分であった。
【0063】
このように、耐久使用によるニップ幅の増大に対応して、定着装置の設定温度を適切に低下させることで、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保できることを確認することができた。
【0064】
(耐久枚数と設定温度)
表2に耐久枚数と設定温度の相関関係を示す。
【0065】
【表2】
【0066】
表2に示すように、耐久枚数の増加に伴いニップ幅が増加するため、記録紙上の未定着トナー画像への熱移動量が増加し、設定温度を当初の190℃に固定した場合には、ホットオフセットが発生する。
【0067】
これに対して、ニップ幅が増加した場合に、設定温度を185℃に低下させると、ホットオフセットが発生せず、充分な定着強度を得ることもできる(耐久枚数150K,200K参照)。
【0068】
従って、具体的には、例えば、耐久枚数が100Kになるまでは、当初の設定温度190℃のままとして、耐久枚数が100Kを超過すると、設定温度を185℃に低下させるような対応をとれば、ホットオフセットを発生させずに、充分な定直強度を得ることができる。なお、表2のK=103 とする。
【0069】
(画像形成装置の動作の概要)
本実施形態の定着装置を備えた画像形成装置の構成について、図4に基づいて説明する。この画像形成装置11は、給紙カセット12内に収納する記録紙3を給紙ローラ14および重走防止手段15により1枚ずつ送り出し、図示しないガイド板に導かれて搬送ローラ16に挿入する。
【0070】
搬送ローラ16から送り出される記録紙3は、レジストローラ17に挿入され、転写処理部の転写領域に送り出される。その後、記録紙3は感光体ドラム18、転写チャージャ19、剥離チャージャ20を通過してトナー像を担持し、分離爪21を経て搬送ベルト22に上載され、定着部23に送り込まれる。
【0071】
この定着部(定着装置)23内で加熱・加圧された記録紙3はトナー像を定着し、図示しない排紙トレイに搬出される。定着部23は、表面にトナーが付着しない非粘着剤を被覆した加熱ローラ1と、図示しない引張コイルバネ等の付勢部材により加熱ローラ1に圧接されている加圧ローラ2とを有し、加熱ローラ1は内部にヒータ(加熱手段)6を備えている。
【0072】
定着部23は、トナー像が形成された記録紙3を加熱ローラ1および加圧ローラ2間に噛み込んで通過させ、その間にトナー像を熱定着させる。また、ヒータ6は温度制御部(制御手段)28に接続されており、本体制御部29のコントロールの基に各ローラの表面温度が自動制御される。
【0073】
(温度制御装置)
図5(a)〜(b)は、定着装置23に用いられている温度制御装置(温度制御部、制御手段)28の制御系統を示し、加熱ローラ1の表面温度は、状態変化量入力部120の温度センサ9で検知され、その検知温度は温度制御装置28に入力される。温度制御装置28は、CPU(演算処理部)101,RAM(一時記憶部)102,ROM(記憶部)103を有し、かつ、上述のように、温度制御に関する状態量(定着装置23の定着温度の上昇を伴う使用状態の変化量)を取り込む状態変化量入力部120を有する。
【0074】
状態変化量入力部120は、図5(a)に示す例では、温度センサ9と、ヒータ6に印加される電圧を直流化した形で入力する入力電圧検知部122と、累積コピー枚数を検出して、これをCPU(演算処理部)101に入力するコピー数量検知部123と、を有する。また、図5(b)に示す例では、上述のコピー数量検知部123に代えて、定着装置23の累積稼動時間を検出する稼動時間検知部123が設けられ、図5(c)に示す例では、ローラ対1,2の回転数を検出する回転数検知部123が設けられる。
【0075】
温度センサ9からの温度信号および入力電圧検知部122からの入力電圧信号はA/Dコンバータ124でデジタル信号に変換され、該デジタル信号はCPU101に与えられる。計数手段としてのコピー数量検知部123(または稼動時間検知部または回転数検知部)からのコピー数量信号はCPU101に直接に与えられる。
【0076】
CPU101は、加熱ローラ1の表面温度、ヒータ6への入力電圧および累積コピー数量に基づき演算を行い、該演算の結果をオンオフ信号として出力する。CPU101の演算は、ROM103に格納されている各種データテーブル等を参照しながら実行され、CPU101の演算結果などはRAM102の作業領域に格納される。CPU101のオンオフ信号は、ヒータ制御部130に与えられ、ヒータ制御部130は、CPU101の演算結果に基づきヒータ6への通電および通電停止をおこなう。つまり、検出した状態変化量に基づいて、温度制御装置28により、ヒータ6への通電量が制御される。
【0077】
ところで、状態変化量入力部120は、上述したような経年的な状態の変化だけでなく、小サイズ用紙の連続使用による定着温度の上昇や、使用環境・条件等により周囲温度が異常に高くなった条件下での使用による定着温度の上昇等をも対象とすることができる。
【0078】
例えば、コピー数量検知部123に、小サイズ用紙の連続使用を検知する機能を付加し、所定枚数を超過した場合には、その旨をCPU101に入力させ、定着温度を所定の値に低下させるべく、ヒータ6への通電量を制御すればよい。特に、加熱ローラ1を薄肉ロ−ラで形成し、加圧ロ−ラ2に弾性発泡体層を設けている場合には、熱が逃げにくくなっているため、小サイズ用紙の連続使用では、両側からはみ出た部分から過熱しやすくなるので、このような対応が有効である。
【0079】
また、夏期等で空調が充分になされていない状況下での使用等で、定着装置23の周囲温度が異常に高くなった場合には、定着温度の上昇が懸念されるが、このような場合に対処するためには、例えば、定着装置23の近傍に、別途、温度検出手段を設け、周囲温度が所定以上の高温になった場合には、定着温度を適切な値に低下させるようにすればよい。
【0080】
(温度制御方法)
画像形成動作が行なわれる度に、上述のように、コピー数量(または稼働時間、または回転数)を検知して、これらの量の累積値が予め設定された閾値に達するか、超えていれば、加熱ローラ1の制御温度を、例えば、図6(a)〜(c)に示すように、段階的(または連続的)に低下させてゆけばよい。
【0081】
これらの累積値に従って変更される加熱ローラ1の制御温度TGT1 、TGT2、TGT3、TGT4の具体的な数値は、転写材の種類(通常の転写紙、トレーシングペーパ、OHPフィルム等の別及び厚さ等)毎にあらかじめ理論的計算及び実験により設定し、温度制御装置28に記憶させておく。
【0082】
このように制御することにより、例えばコピー数量(または稼働時間、または回転数)の累積値がP3 (またはt3またはN3)に到達し、加熱ローラ1の温度が第4制御温度TGT4で制御されるようになった後は、この状態よりもローラ対間のニップ幅が増加することなく概ね一定値となるので、画像形成装置の使用寿命に到達する迄、加熱ローラ1は制御温度TGT4で制御され、ホットオフセットを発生することなく、良好な定着性能を維持することができる。
【0083】
なお、本発明は、定着装置を、図1に示す構成に限定するものではなく、少なくとも、加熱ロ−ラと、弾性体層を有する加圧ロ−ラと、からなるローラ対を圧接してニップ領域を形成しつつ回転駆動させ、かつ、未定着トナー像が形成された記録媒体を該ニップ領域に挿通させて、加熱手段により、前記未定着トナ−像を前記記録媒体上に加熱定着させるように構成されていれば、その構成や形式の如何を問わず、本発明を適用することができる。
【0084】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、以下の効果を奏する。
【0085】
(1)定着装置の定着温度の上昇を伴う使用状態の変化に基づいて、制御手段により、定着温度を適切な値に変化させるので、ホットオフセットの発生を防止して、良好な定着性能を確保することができる。
【0086】
また、ローラ対への圧接力を増大させることによる機械的負荷の増大を伴うことがなく、ローラの耐久性の低下や定着装置の変形、振動の発生等を抑制することができる。
【0087】
(2)ローラ対に対する通紙枚数の累積値の増加に伴って定着温度を低下する方向に変化させるので、熱伝導面積の増大に伴う熱移動量の増加を効果的に抑制して適正な定着温度を維持することができ、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。
【0088】
また、ローラ対への圧接力を増大させることによる機械的負荷の増大を伴わないため、ローラの耐久性の低下や定着装置の変形、振動の発生等を抑制することができる。
【0089】
(3)ローラ対に対する通紙枚数の累積値の増加に伴なって発生するニップ幅の増大に従って、定着温度を変化させることにより、前記未定着トナー像または前記記録媒体への前記加熱手段からの投入熱量を略一定に維持するので、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。
【0090】
また、ローラ対への圧接力を増大させることによる機械的負荷の増大を伴わないため、ローラの耐久性の低下や定着装置の変形、振動の発生等を抑制することができる。
【0091】
(4)加熱ローラと加圧ローラとのニップ幅の増大変化に対応して、定着温度を低下する方向に変化させるか、あるいは、定着温度を変化させることにより前記未定着トナー像または前記記録媒体への前記加熱手段からの投入熱量を略一定に維持するので、加熱ローラを薄肉ロ−ラで形成し、かつ、加圧ロ−ラに弾性発泡体層を設けていても、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。
【0092】
(5)ローラ対に対する通紙枚数を計数する計数手段による累積通紙枚数の増加に伴い、定着温度が低下する方向へ加熱手段への通電量を制御するので、画像形成装置の耐久使用に伴う経年的変化によって加圧ローラが劣化し、ニップ幅が増加しても、未定着トナー像または記録媒体への投入熱量を適正に維持し、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。
【0093】
(6)定着装置の稼動時間を計数する計数手段による累積量の増加に伴い、定着温度が低下する方向へ加熱手段への通電量を制御するので、画像形成装置の耐久使用に伴う経年的変化によって加圧ローラが劣化し、ニップ幅が増加しても、未定着トナー像または記録媒体への投入熱量を適正に維持し、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。
【0094】
(7)ローラ対の回転数を計数する計数手段による累積量の増加に伴い、定着温度が低下する方向へ加熱手段への通電量を制御するので、画像形成装置の耐久使用に伴う経年的変化によって加圧ローラが劣化し、ニップ幅が増加しても、未定着トナー像または記録媒体への投入熱量を適正に維持し、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。
【0095】
(8)定着装置の累積稼動量の増加に対応して、定着温度が低下する方向へ加熱手段への通電量を制御するので、画像形成装置の耐久使用に伴う経年的変化によって加圧ローラが劣化し、ニップ幅が増加しても、未定着トナー像または記録媒体への投入熱量を適正に維持し、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る定着装置の構成説明図である。
【図2】同加熱ローラ表面温度とセンサー温度とを経過時間対応で比較して示すグラフである。
【図3】同ニップ幅の変化に対応するトナー温度の推移を示すグラフである。
【図4】同定着装置を具備した画像形成装置の構成説明図である。
【図5】同制御手段の制御系統を示すブロック図である。
【図6】同加熱ローラの制御温度を段階的に低下させる場合の説明図である。
【符号の説明】
1−加熱ローラ
2−加圧ローラ
3−記録媒体
4−トナー像
6−加熱手段
28−制御手段
123−計数手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真技術を用いたプリンタ、複写機、フアクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置に設けられる定着装置に係り、詳しくは、記録媒体の表面に形成されたトナー像を該記録媒体に定着させる定着装置及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置における定着ローラ方式の定着装置は、互いに圧接されて回転駆動される加熱ローラと加圧ロ−ラからなる定着ローラ対を備え、加熱ローラは、金属製の円筒体の外表面にフッ素樹脂等の高離型性の材料により形成された薄い外被層を有し、金属製円筒の中空部にはハロゲンランプ等のヒ−タが設置されている。その外被層は、トナーが加熱ローラに転移するオフセット現象の発生を抑制するために設けられる。
【0003】
一方、加圧ローラは、金属製の芯金と、その外表面のシリコンゴム等の弾性体層と、必要に応じて弾性体層の外周に設けられる離型層とから成る。加熱ローラと加圧ローラは、互いに圧接された状態でローラ駆動装置により駆動されて回転し、その圧接状態によって、加圧ローラの弾性体層が弾性変形を起こし、加熱ローラと加圧ローラの接触部にニップ領域と呼ばれる接触面を形成する。
【0004】
この接触面に記録紙を挿通させることにより、記録紙とその表面に形成されたトナー像が加圧及び加熱されて該トナー像が記録紙に定着される。ここで、ニップ領域のローラに沿う弦長をニップ幅と呼び、記録紙上の一点がニップ領域を通過する時間をニップ通過時間と称している。
【0005】
以上のように、多くの定着装置では、加熱ローラが加熱されるが、加圧ローラが加熱されるものや、両ローラが加熱されるものもある。また、加熱ローラの外被層によるオフセット現象の発生抑制効果が不十分な場合には、加熱ローラや加圧ローラにシリコンオイル等の離型剤を塗布して離型性を増加させたり、クリ−ナを設置して加熱ローラに転移したトナ−を拭き取る方法も用いられる。
【0006】
一方、定着装置は、記録紙に対する画像(トナー像)の固着強さ(定着強度)を十分高めることが必要である。定着強度が弱いと、定着後に記録紙が積層されたり、摺擦された場合に、定着されたトナー画像が剥離して画像欠損を引き起こしたり、相手側をトナ−で汚す問題が発生する。
【0007】
また、定着強度が不十分な状態での定着は、オフセット現象を引き起こし易いため、オフセットによる誤印字や印字品位低下の原因にもなる。この定着強度を高めるために、加熱ローラと加圧ローラを圧接する際の押し付け荷重を高くする方法がとられることがある。
【0008】
しかし、ある限界値以上に押し付け荷重を高めると、加圧ローラの変形量が過大に増加し、このような圧接状態を長時間続けたときに永久変形を発生させる場合があり、これにより加圧ローラの寿命が短くなるという問題が発生する。
【0009】
また、押し付け荷重を高くすると定着装置全体の歪も増大し、装置の強度限界を越えると装置自体の寿命を縮め、著しい場合には定着ロ−ラの回転に伴い振動等を発生させるという問題もある。
【0010】
定着性能(強度)と加圧ローラの寿命及び定着装置の機械的強度(変形、歪及び振動)の間には、このようなトレードオフ関係が存在し、これらの課題を共に克服することは容易ではない。
【0011】
従来の定着装置における構成条件の設定では、主として、定着強度等の画像品質を所望の値に確保する条件を定め、その後、連続印刷試験による寿命確認を経て、これらの課題を克服するようにその他の条件を設定する方法が用いられていたが、装置の検討・開発に対する多大な時間、労力が必要となるので、あまり得策ではない。
【0012】
そこで、圧接機構に、加圧荷重を変化させる加圧荷重可変手段とニップ通過時間を検出するニップ時間検出手段を設け、ニップ通過時間の変化に応じて加圧荷重を変化させたり、或いは、圧接機構に、加圧荷重を変化させる加圧荷重可変手段とニップ幅を検出するニップ幅検出手段を設け、ニップ幅の変化に応じて加圧荷重を変化させる方法が用いられている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ニップ通過時間またはニップ幅の検出結果に基づいて、圧接機構の加圧荷重を変更する方法によると、耐久使用ではニップ通過時間またはニップ幅の変化する方向は増加方向のみであるので、ニップ圧維持、定着強度確保のみに着目して、加圧ローラに与える加圧力を一方的に増大すると、永久変形による加圧ローラの寿命の短命化、定着装置の変形或いは振動発生等の定着装置の機械的負荷を増大、促進するような不具合を伴う。
【0014】
また、加圧ローラの寿命としては、上記した長時間の圧接による加圧ローラの永久変形発生だけでなく、耐久使用に伴う弾性体層の硬度低下についても配慮する必要がある。すなわち、従来の定着装置では、耐久使用に伴う加圧ローラの弾性体層の硬度低下も考慮した定着強度、加圧ローラの寿命及び定着装置の機械的強度の関係について総合的に配慮されていなかった。
【0015】
従って、これらの課題が克服されているように見えても、実際には、定着装置の構成がある課題を克服する構成条件の限界値に近い値に設定される場合があり、定着強度の低下、ホットオフセット発生、装置振動の発生、加圧ローラの寿命の短命化、などの不具合が発生する問題があった。
【0016】
本発明は、このような実情に鑑みてなされ、ローラの耐久性の低下や定着装置の変形、振動の発生等の原因となる機械的負荷を増大させることなく、また、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる定着装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の課題を解決するための手段を、以下のように構成している。
【0018】
(1)加熱ロ−ラと、弾性体層を有する加圧ロ−ラと、からなるローラ対を圧接してニップ領域を形成しつつ回転駆動させ、かつ、未定着トナー像が形成された記録媒体を該ニップ領域に挿通させて、加熱手段により、前記未定着トナ−像を前記記録媒体上に加熱定着させるようにした定着装置において、
前記定着装置の定着温度の上昇を伴う使用状態の変化に基づいて、前記定着温度を適切な値に制御する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0019】
画像形成装置の耐久使用に伴う経年的変化によって加圧ローラが劣化し、ニップ幅が増加すると、熱伝導面積が増大するため熱移動量が増加し、定着温度が初期と同じ設定である場合には、未定着トナー像または記録媒体への投入熱量が過剰となり、ホットオフセットが発生しやすくなり、適正な定着性を維持することができなくなる。
【0020】
この構成においては、定着装置の定着温度の上昇を伴う使用状態の変化があった場合には、制御手段により、定着温度を適切な値に変化させるので、ホットオフセットの発生を防止して、良好な定着性能を確保することができる。
【0021】
定着温度の上昇を伴う使用状態の変化とは、具体的には、例えば、ローラ対に対する累積通紙枚数、定着装置の累計稼動時間または前記ローラ対の回転数の累計等の増加が挙げられるが、このような経年的変化だけでなく、小サイズ用紙の連続使用による定着温度の上昇や、使用環境・条件等により周囲温度が高い条件下での使用による定着温度の上昇等をも対象とする。その変化状態の検出には、各種計数計や温度センサー等を用いればよい。
【0022】
また、この構成においては、定着温度の制御のみにより対処するため、ローラ対への圧接力を増大させる必要がなく機械的負荷の増大を伴わないことから、ローラの耐久性の低下や定着装置の変形、振動の発生等を抑制できる利点がある。
【0023】
(2)加熱ロ−ラと、弾性体層を有する加圧ロ−ラと、からなるローラ対を圧接してニップ領域を形成しつつ回転駆動させ、かつ、未定着トナー像が形成された記録媒体を該ニップ領域に挿通させて、加熱手段により、前記未定着トナ−像を前記記録媒体上に加熱定着させるようにした定着装置において、
前記ローラ対に対する通紙枚数の累積値の増加に伴って、定着温度を低下する方向に変化させる制御手段を設けたことを特徴とする。
【0024】
この構成においては、ニップ幅が増加するに伴い、定着温度を低下する方向へ変化させることによって、未定着トナー像または記録媒体への投入熱量を適正に維持し、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保できるようにしている。
【0025】
また、ローラ対への圧接力を増大させることによる機械的負荷の増大を伴うことがなく、ローラの耐久性の低下や定着装置の変形、振動の発生等を抑制することができる。
【0026】
(3)加熱ロ−ラと、弾性体層を有する加圧ロ−ラと、からなるローラ対を圧接してニップ領域を形成しつつ回転駆動させ、かつ、未定着トナー像が形成された記録媒体を該ニップ領域に挿通させて、加熱手段により、前記未定着トナ−像を前記記録媒体上に加熱定着させるようにした定着装置において、
前記ローラ対に対する通紙枚数の累積値の増加に伴って発生するニップ幅の増大変化に対応して、定着温度を変化させることにより、前記未定着トナー像または前記記録媒体への前記加熱手段からの投入熱量を略一定に維持する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0027】
この構成においては、ニップ幅の増大変化に対応して、定着温度を低下させることにより、定着ローラと記録媒体またはトナーの温度差とニップ通過時間との積で決定される熱移動量を、初期の適正な定着状態と略同等に維持するので、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。
【0028】
また、ローラ対への圧接力を増大させることによる機械的負荷の増大を伴うことがなく、ローラの耐久性の低下や定着装置の変形、振動の発生等を抑制することができる。
【0029】
(4)前記加熱ローラが薄肉ロ−ラからなり、かつ、前記加圧ロ−ラが弾性発泡体層を有することを特徴とする。
【0030】
薄肉の加熱ローラは、通常の加熱ローラに較べると、熱移動(入熱及び放熱)に対しての温度変化が起こり易く、オーバーシュートを発生しやすい。そして、加圧ローラの弾性体層が弾性発泡体(スポンジゴム)製の場合には、ソリッドゴム製の場合よりも、耐久使用において硬度低下や劣化が促進されやすく、また、熱を吸収しにくい。
【0031】
従って、薄肉の加熱ローラと、弾性体層が弾性発泡体からなる加圧ローラとの組合せによる定着装置では、通常の加熱ローラと弾性体層がソリッドゴム製の加圧ローラとの組合せによる定着装置よりも、記録媒体または未定着トナー像への投入熱量が過剰になりやすく、ホットオフセット現象を発生しやすい条件下で定着処理が行なわれる。
【0032】
定着装置ないしは画像形成装置の耐久使用に伴う部材の経年的変化によって加圧ローラの弾性発泡体層が劣化し、ニップ幅が初期値に対して増加方向へ変化するが、この構成においては、ニップ幅の増大変化に対応して、定着温度を低下する方向に変化させるか、あるいは、定着温度を変化させることにより前記未定着トナー像または前記記録媒体への前記加熱手段からの投入熱量を略一定に維持するので、加熱ローラが薄肉ロ−ラからなり、加圧ロ−ラが弾性発泡体層を有するにもかかわらず、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。
【0033】
(5)前記制御手段は、前記ローラ対に対する通紙枚数を計数する計数手段による累積通紙枚数についての検出結果に基づいて、前記加熱手段への通電量を制御することを特徴とする。
【0034】
この構成においては、記録媒体の通紙枚数の累積量に基づいて、定着温度が低下する方向へ加熱手段への通電量を制御することで、画像形成装置の耐久使用に伴う経年的変化によって加圧ローラが劣化し、ニップ幅が増加しても、未定着トナー像または記録媒体への投入熱量を適正に維持するので、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。
【0035】
(6)前記計数手段は、前記ローラ対に対する通紙枚数に代えて、前記定着装置の稼動時間を計数することを特徴とする。
【0036】
この構成においては、定着装置の稼働時間を計数し、その累積量に基づいて、定着温度が低下する方向へ加熱手段への通電量を制御することで、画像形成装置の耐久使用に伴う経年的変化によって加圧ローラが劣化し、ニップ幅が増加しても、未定着トナー像または記録媒体への投入熱量を適正に維持するので、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。
【0037】
(7)前記計数手段は、前記ローラ対に対する通紙枚数に代えて、前記ローラ対の回転数を計数することを特徴とする。
【0038】
この構成においては、ローラ対の回転数を計数し、その累積量に基づいて、定着温度が低下する方向へ加熱手段への通電量を制御することで、画像形成装置の耐久使用に伴う経年的変化によって加圧ローラが劣化し、ニップ幅が増加しても、未定着トナー像または記録媒体への投入熱量を適正に維持するので、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。
【0039】
(8)加熱手段により加熱される加熱ローラと、通過する記録媒体を介して前記加熱ローラに圧接しつつ従動または連動回転する加圧ローラと、を有し、前記加熱ローラの表面温度を検知してこれを設定温度となるように制御する画像形成装置の定着装置の温度制御方法において、
前記画像形成装置の稼動量を検出し、該検出結果を累積した累積稼動量に基づいて、前記定着装置からの未定着トナー像または記録媒体への投入熱量が略一定になるように、前記加熱ローラの設定温度を低下させるべく、前記加熱手段への通電量を制御することを特徴とする。
【0040】
この方法においては、定着装置の累積稼動量に応じて、定着温度が低下する方向へ加熱手段への通電量を制御するので、画像形成装置の耐久使用に伴う経年的変化によって加圧ローラが劣化し、ニップ幅が増加しても、未定着トナー像または記録媒体への投入熱量を適正に維持するので、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。また、機械的負荷の増大を伴うことがなく、ローラの耐久性の低下や定着装置の変形、振動の発生等を抑制することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態に係る定着装置およびその制御方法について詳細に説明する。
【0042】
(定着装置)
図1は、定着装置の構成を示す断面図で、1は加熱ローラ、2は加圧ローラ、3は記録紙(記録媒体)、4はトナー像、5はフレ−ム、6は加熱手段としてのヒ−タ、7はクリ−ナ、8a,8bは分離爪、9は、加熱ローラ1の表面温度を検出するための温度センサである。
【0043】
加熱ローラ1は、炭素鋼製の円筒の外表面にPTFE(フッ素樹脂)から成る外被層を形成したものである。この外被層は、トナ−像4の一部が加熱ローラ1に転移するオフセット現象を抑制するために設けられている。
【0044】
加熱ローラ1の中心部には、ハロゲンランプを用いたヒ−タ(加熱手段)6が内蔵されている。また、加圧ローラ2は、炭素鋼製の芯金の外表面にシリコンゴム製の弾性体層を形成して構成される。加熱ローラ1は加熱され、加熱ローラ1と加圧ローラ2は圧接機構でお互いに圧接され、この状態でローラ対駆動手段により一定速度で回転駆動される。
【0045】
通常は、加熱ローラ1を駆動し、加圧ローラ2は加熱ローラ1に摺接して従動する構成が採用される。この圧接により加圧ローラ2の弾性体層が弾性変形を起こし、ニップ領域を形成する。この接触面に記録紙3を挾んで挿通させることにより、記録紙3とその表面に形成したトナー像4を加熱・加圧して該トナー像4を記録紙3に定着する。
【0046】
剥離爪8aは、ニップ領域を通過した記録紙3の前端を加熱ローラ1から引き剥がし、定着を終了した記録紙3を定着装置の外へ排出する。剥離爪8bは、記録紙3が加圧ローラ2に巻き付いたときにこれを引き剥がすように機能する。
【0047】
温度センサ9は、例えば、サーミスタまたは熱電対等からなり、加熱ローラ1の温度を検出し、その検出信号を受けた制御装置(図示省略)によりヒータ6の発熱量を制御して加熱ローラ1が所定の温度に制御されるようになっている。また、クリ−ナ7は、加熱ローラ1に転移したオフセットトナ−を拭き取るために用いられ、離型剤としてのオイルの塗布は行わない構成である。
【0048】
ところで、加熱ローラ1を薄肉ローラで形成した場合には、設定温度まで加熱ローラ1を静止立ち上げし、設定温度に到達した直後に回転を開始することでウォームアップ時間をできるだけ短縮させている。しかし、ウォームアップ完了直後加熱ローラ1は、サーミスタの検知遅れから、設定温度に対してオーバーシュートするため、通紙を開始しても最初の数枚は設定温度よりもかなり高い温度で加熱ローラ1を通過する。
【0049】
オーバーシュートの発生する高温領域において、未定着トナー像を定着させると、温度が高すぎるため、溶融した未定着トナーが加熱ローラ側に付着し、このトナーが記録紙3に逆転写されるホットオフセットが発生し、画質を低下させる。例えば、定着温度を190℃に設定している時、サーミスタが190℃を検知して定着ローラが回転し始め通紙動作を開始するが、実際のローラ表面の温度は、240℃まで達している。
【0050】
そして、ニップ幅の増加に伴い、この温度(240℃)ではホットオフセットが発生する。一方、設定温度を185℃にするとオーバーシュートが235℃に低減される。この温度では、ニップ幅が、9.5mmまで増加してもホットオフセットは発生しない。
【0051】
(温度検出手段)
定着装置の温度センサ(温度検出手段)9として用いられるサーミスタは、基材の上に断熱層を形成し、その上にサーミスタと熱伝導性の良いペーストを配置した構成となっており、サーミスタの外周は、耐磨耗性の樹脂層で覆われている。
【0052】
次に、ヒータ6に電力を供給して、加熱ローラ1の表面温度を室温から定着装置動作時の温度である定着温度まで上昇させ、温度センサ9を用いて加熱ローラ1の表面温度を測定する場合について説明する。この場合の加熱ローラ1表面のセンサ検出温度と、加熱ローラ1の実際の表面温度とを図2に示す。
【0053】
同図にて、縦軸は、加熱ローラ1の表面温度で、横軸は時間を示す。図中のXは加熱ローラ1の実際の表面温度であり、Yは加熱ローラ1の表面のセンサ検出温度である。このX、Yの傾向に基づくと、例えば、加熱ローラ1の実際の表面温度がT1のとき、センサ検出温度は約T1’ となり、両者間には、温度差(T1−T1’ )が生じていることがわかる。
【0054】
上記温度差が発生する原因は、温度センサ9が非接触タイプであれば、サーミスタが加熱ローラ1の表面から約1mm程度離隔されて配置されているため、間の空気層を介して加熱ローラ1の表面温度が検出されることによると考えられ、その結果、加熱ローラ1の表面温度は、遅れて温度センサ9に検出されるため、上記温度差が発生する。
【0055】
また、温度センサ9が接触タイプであれば、温度センサ9の耐磨耗性の樹脂層が、加熱ローラ1の表面とサーミスタとの間に介在するため、温度センサ9の熱伝導性を損なうこととなり、上記温度差が発生する。
【0056】
(シミュレーション)
そこで、これらの条件でのトナー温度をシミュレーションにより計算し、相関関係を考察した。定着装置に未定着トナー画像を通紙したときの記録紙上に転写したトナー画像のトナー上層温度(ローラとトナーとの界面の温度:ホットオフセットに起因)、トナー下層温度(トナーと紙との界面の温度:定着強度に起因)を、ニップ幅との関係で示した計算結果を、図3(a)(b)に示す。また、シミュレーション条件を以下に示す。
【0057】
(シミュレーション条件)
(a)プロセス速度:225mm/s
(b)上ローラ(加熱ローラ)仕様:φ40STKM(厚みt=0.4mm)、表層PTEF20μm
(c)下ローラ(加圧ローラ)仕様:φ40スポンジローラ(肉厚8mm)、表面離型層PFAチューブ30μm
(d)定着温度(加熱ローラ表層温度):185℃,190℃,235℃,240℃
上述のような条件下にて、初期には、ニップ幅が7mmであり、定着温度190℃にしたときウォームアップ直後のオーバーシュートは240℃なので、このときのトナー上層温度が177.4℃であるのに対し、耐久使用の結果、ニップ幅が9.5mmになり、このニップ幅の増加に伴い、ウォームアップ直後ローラ温度が240℃到達時に通紙した際のトナー上層の温度が181.8℃に上昇し、この温度ではホットオフセットが発生する。
【0058】
一方、ニップ幅が9.5mmの時、定着温度を185℃に設定すると、ウォームアップ直後のオーバーシュートが235℃になり、このときのトナーの上層温度が178.3℃となり、耐久性評価前の240℃到達時のトナー上層温度とほぼ同等になる。他方、定着性においては、トナー下層温度で比較するとニップ幅9.5mmのとき、185℃に設定した際のトナー下層温度は140℃であり、使用初期の設定温度190℃でのトナー下層温度140℃とほぼ一致し定着性としても問題ない。このことから、耐久使用に伴うニップ幅増大に応じて定着温度を下げることで画質向上が見込まれる。
【0059】
(定着温度と定着性能)
定着温度と定着性能の関係について、実験により確認した結果を、下記の表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
表1より、当初、7mmであったニップ幅が、耐久使用によって9.5mmになった場合、設定温度を当初の190℃のままとした時には、上層温度が181.8℃、下層温度が140℃となり、定着強度はOKであったが、ホットオフセットが発生した。
【0062】
これに対して、ニップ幅が9.5mmになると、設定温度を185℃に低下させた時には、上層温度が178.3℃、下層温度は140℃となり、ホットオフセットは発生せず、定着強度も充分であった。
【0063】
このように、耐久使用によるニップ幅の増大に対応して、定着装置の設定温度を適切に低下させることで、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保できることを確認することができた。
【0064】
(耐久枚数と設定温度)
表2に耐久枚数と設定温度の相関関係を示す。
【0065】
【表2】
【0066】
表2に示すように、耐久枚数の増加に伴いニップ幅が増加するため、記録紙上の未定着トナー画像への熱移動量が増加し、設定温度を当初の190℃に固定した場合には、ホットオフセットが発生する。
【0067】
これに対して、ニップ幅が増加した場合に、設定温度を185℃に低下させると、ホットオフセットが発生せず、充分な定着強度を得ることもできる(耐久枚数150K,200K参照)。
【0068】
従って、具体的には、例えば、耐久枚数が100Kになるまでは、当初の設定温度190℃のままとして、耐久枚数が100Kを超過すると、設定温度を185℃に低下させるような対応をとれば、ホットオフセットを発生させずに、充分な定直強度を得ることができる。なお、表2のK=103 とする。
【0069】
(画像形成装置の動作の概要)
本実施形態の定着装置を備えた画像形成装置の構成について、図4に基づいて説明する。この画像形成装置11は、給紙カセット12内に収納する記録紙3を給紙ローラ14および重走防止手段15により1枚ずつ送り出し、図示しないガイド板に導かれて搬送ローラ16に挿入する。
【0070】
搬送ローラ16から送り出される記録紙3は、レジストローラ17に挿入され、転写処理部の転写領域に送り出される。その後、記録紙3は感光体ドラム18、転写チャージャ19、剥離チャージャ20を通過してトナー像を担持し、分離爪21を経て搬送ベルト22に上載され、定着部23に送り込まれる。
【0071】
この定着部(定着装置)23内で加熱・加圧された記録紙3はトナー像を定着し、図示しない排紙トレイに搬出される。定着部23は、表面にトナーが付着しない非粘着剤を被覆した加熱ローラ1と、図示しない引張コイルバネ等の付勢部材により加熱ローラ1に圧接されている加圧ローラ2とを有し、加熱ローラ1は内部にヒータ(加熱手段)6を備えている。
【0072】
定着部23は、トナー像が形成された記録紙3を加熱ローラ1および加圧ローラ2間に噛み込んで通過させ、その間にトナー像を熱定着させる。また、ヒータ6は温度制御部(制御手段)28に接続されており、本体制御部29のコントロールの基に各ローラの表面温度が自動制御される。
【0073】
(温度制御装置)
図5(a)〜(b)は、定着装置23に用いられている温度制御装置(温度制御部、制御手段)28の制御系統を示し、加熱ローラ1の表面温度は、状態変化量入力部120の温度センサ9で検知され、その検知温度は温度制御装置28に入力される。温度制御装置28は、CPU(演算処理部)101,RAM(一時記憶部)102,ROM(記憶部)103を有し、かつ、上述のように、温度制御に関する状態量(定着装置23の定着温度の上昇を伴う使用状態の変化量)を取り込む状態変化量入力部120を有する。
【0074】
状態変化量入力部120は、図5(a)に示す例では、温度センサ9と、ヒータ6に印加される電圧を直流化した形で入力する入力電圧検知部122と、累積コピー枚数を検出して、これをCPU(演算処理部)101に入力するコピー数量検知部123と、を有する。また、図5(b)に示す例では、上述のコピー数量検知部123に代えて、定着装置23の累積稼動時間を検出する稼動時間検知部123が設けられ、図5(c)に示す例では、ローラ対1,2の回転数を検出する回転数検知部123が設けられる。
【0075】
温度センサ9からの温度信号および入力電圧検知部122からの入力電圧信号はA/Dコンバータ124でデジタル信号に変換され、該デジタル信号はCPU101に与えられる。計数手段としてのコピー数量検知部123(または稼動時間検知部または回転数検知部)からのコピー数量信号はCPU101に直接に与えられる。
【0076】
CPU101は、加熱ローラ1の表面温度、ヒータ6への入力電圧および累積コピー数量に基づき演算を行い、該演算の結果をオンオフ信号として出力する。CPU101の演算は、ROM103に格納されている各種データテーブル等を参照しながら実行され、CPU101の演算結果などはRAM102の作業領域に格納される。CPU101のオンオフ信号は、ヒータ制御部130に与えられ、ヒータ制御部130は、CPU101の演算結果に基づきヒータ6への通電および通電停止をおこなう。つまり、検出した状態変化量に基づいて、温度制御装置28により、ヒータ6への通電量が制御される。
【0077】
ところで、状態変化量入力部120は、上述したような経年的な状態の変化だけでなく、小サイズ用紙の連続使用による定着温度の上昇や、使用環境・条件等により周囲温度が異常に高くなった条件下での使用による定着温度の上昇等をも対象とすることができる。
【0078】
例えば、コピー数量検知部123に、小サイズ用紙の連続使用を検知する機能を付加し、所定枚数を超過した場合には、その旨をCPU101に入力させ、定着温度を所定の値に低下させるべく、ヒータ6への通電量を制御すればよい。特に、加熱ローラ1を薄肉ロ−ラで形成し、加圧ロ−ラ2に弾性発泡体層を設けている場合には、熱が逃げにくくなっているため、小サイズ用紙の連続使用では、両側からはみ出た部分から過熱しやすくなるので、このような対応が有効である。
【0079】
また、夏期等で空調が充分になされていない状況下での使用等で、定着装置23の周囲温度が異常に高くなった場合には、定着温度の上昇が懸念されるが、このような場合に対処するためには、例えば、定着装置23の近傍に、別途、温度検出手段を設け、周囲温度が所定以上の高温になった場合には、定着温度を適切な値に低下させるようにすればよい。
【0080】
(温度制御方法)
画像形成動作が行なわれる度に、上述のように、コピー数量(または稼働時間、または回転数)を検知して、これらの量の累積値が予め設定された閾値に達するか、超えていれば、加熱ローラ1の制御温度を、例えば、図6(a)〜(c)に示すように、段階的(または連続的)に低下させてゆけばよい。
【0081】
これらの累積値に従って変更される加熱ローラ1の制御温度TGT1 、TGT2、TGT3、TGT4の具体的な数値は、転写材の種類(通常の転写紙、トレーシングペーパ、OHPフィルム等の別及び厚さ等)毎にあらかじめ理論的計算及び実験により設定し、温度制御装置28に記憶させておく。
【0082】
このように制御することにより、例えばコピー数量(または稼働時間、または回転数)の累積値がP3 (またはt3またはN3)に到達し、加熱ローラ1の温度が第4制御温度TGT4で制御されるようになった後は、この状態よりもローラ対間のニップ幅が増加することなく概ね一定値となるので、画像形成装置の使用寿命に到達する迄、加熱ローラ1は制御温度TGT4で制御され、ホットオフセットを発生することなく、良好な定着性能を維持することができる。
【0083】
なお、本発明は、定着装置を、図1に示す構成に限定するものではなく、少なくとも、加熱ロ−ラと、弾性体層を有する加圧ロ−ラと、からなるローラ対を圧接してニップ領域を形成しつつ回転駆動させ、かつ、未定着トナー像が形成された記録媒体を該ニップ領域に挿通させて、加熱手段により、前記未定着トナ−像を前記記録媒体上に加熱定着させるように構成されていれば、その構成や形式の如何を問わず、本発明を適用することができる。
【0084】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、以下の効果を奏する。
【0085】
(1)定着装置の定着温度の上昇を伴う使用状態の変化に基づいて、制御手段により、定着温度を適切な値に変化させるので、ホットオフセットの発生を防止して、良好な定着性能を確保することができる。
【0086】
また、ローラ対への圧接力を増大させることによる機械的負荷の増大を伴うことがなく、ローラの耐久性の低下や定着装置の変形、振動の発生等を抑制することができる。
【0087】
(2)ローラ対に対する通紙枚数の累積値の増加に伴って定着温度を低下する方向に変化させるので、熱伝導面積の増大に伴う熱移動量の増加を効果的に抑制して適正な定着温度を維持することができ、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。
【0088】
また、ローラ対への圧接力を増大させることによる機械的負荷の増大を伴わないため、ローラの耐久性の低下や定着装置の変形、振動の発生等を抑制することができる。
【0089】
(3)ローラ対に対する通紙枚数の累積値の増加に伴なって発生するニップ幅の増大に従って、定着温度を変化させることにより、前記未定着トナー像または前記記録媒体への前記加熱手段からの投入熱量を略一定に維持するので、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。
【0090】
また、ローラ対への圧接力を増大させることによる機械的負荷の増大を伴わないため、ローラの耐久性の低下や定着装置の変形、振動の発生等を抑制することができる。
【0091】
(4)加熱ローラと加圧ローラとのニップ幅の増大変化に対応して、定着温度を低下する方向に変化させるか、あるいは、定着温度を変化させることにより前記未定着トナー像または前記記録媒体への前記加熱手段からの投入熱量を略一定に維持するので、加熱ローラを薄肉ロ−ラで形成し、かつ、加圧ロ−ラに弾性発泡体層を設けていても、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。
【0092】
(5)ローラ対に対する通紙枚数を計数する計数手段による累積通紙枚数の増加に伴い、定着温度が低下する方向へ加熱手段への通電量を制御するので、画像形成装置の耐久使用に伴う経年的変化によって加圧ローラが劣化し、ニップ幅が増加しても、未定着トナー像または記録媒体への投入熱量を適正に維持し、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。
【0093】
(6)定着装置の稼動時間を計数する計数手段による累積量の増加に伴い、定着温度が低下する方向へ加熱手段への通電量を制御するので、画像形成装置の耐久使用に伴う経年的変化によって加圧ローラが劣化し、ニップ幅が増加しても、未定着トナー像または記録媒体への投入熱量を適正に維持し、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。
【0094】
(7)ローラ対の回転数を計数する計数手段による累積量の増加に伴い、定着温度が低下する方向へ加熱手段への通電量を制御するので、画像形成装置の耐久使用に伴う経年的変化によって加圧ローラが劣化し、ニップ幅が増加しても、未定着トナー像または記録媒体への投入熱量を適正に維持し、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。
【0095】
(8)定着装置の累積稼動量の増加に対応して、定着温度が低下する方向へ加熱手段への通電量を制御するので、画像形成装置の耐久使用に伴う経年的変化によって加圧ローラが劣化し、ニップ幅が増加しても、未定着トナー像または記録媒体への投入熱量を適正に維持し、ホットオフセットを発生させることなく、良好な定着性能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る定着装置の構成説明図である。
【図2】同加熱ローラ表面温度とセンサー温度とを経過時間対応で比較して示すグラフである。
【図3】同ニップ幅の変化に対応するトナー温度の推移を示すグラフである。
【図4】同定着装置を具備した画像形成装置の構成説明図である。
【図5】同制御手段の制御系統を示すブロック図である。
【図6】同加熱ローラの制御温度を段階的に低下させる場合の説明図である。
【符号の説明】
1−加熱ローラ
2−加圧ローラ
3−記録媒体
4−トナー像
6−加熱手段
28−制御手段
123−計数手段
Claims (8)
- 加熱ロ−ラと、弾性体層を有する加圧ロ−ラと、からなるローラ対を圧接してニップ領域を形成しつつ回転駆動させ、かつ、未定着トナー像が形成された記録媒体を該ニップ領域に挿通させて、加熱手段により、前記未定着トナ−像を前記記録媒体上に加熱定着させるようにした定着装置において、
前記定着装置の定着温度の上昇を伴う使用状態の変化に基づいて、前記定着温度を適切な値に制御する制御手段を設けたことを特徴とする定着装置。 - 加熱ロ−ラと、弾性体層を有する加圧ロ−ラと、からなるローラ対を圧接してニップ領域を形成しつつ回転駆動させ、かつ、未定着トナー像が形成された記録媒体を該ニップ領域に挿通させて、加熱手段により、前記未定着トナ−像を前記記録媒体上に加熱定着させるようにした定着装置において、
前記ローラ対に対する通紙枚数の累積値の増加に伴って、定着温度を低下する方向に変化させる制御手段を設けたことを特徴とする定着装置。 - 加熱ロ−ラと、弾性体層を有する加圧ロ−ラと、からなるローラ対を圧接してニップ領域を形成しつつ回転駆動させ、かつ、未定着トナー像が形成された記録媒体を該ニップ領域に挿通させて、加熱手段により、前記未定着トナ−像を前記記録媒体上に加熱定着させるようにした定着装置において、
前記ローラ対に対する通紙枚数の累積値の増加に伴って発生するニップ幅の増大変化に対応して、定着温度を変化させることにより、前記未定着トナー像または前記記録媒体への前記加熱手段からの投入熱量を略一定に維持する制御手段を設けたことを特徴とする定着装置。 - 前記加熱ローラが薄肉ロ−ラからなり、かつ、前記加圧ロ−ラが弾性発泡体層を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の定着装置。
- 前記制御手段は、
前記ローラ対に対する通紙枚数を計数する計数手段による累積通紙枚数についての検出結果に基づいて、前記加熱手段への通電量を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。 - 前記計数手段は、
前記ローラ対に対する通紙枚数に代えて、前記定着装置の稼動時間を計数することを特徴とする請求項5に記載の定着装置。 - 前記計数手段は、
前記ローラ対に対する通紙枚数に代えて、前記ローラ対の回転数を計数することを特徴とする請求項5に記載の定着装置。 - 加熱手段により加熱される加熱ローラと、通過する記録媒体を介して前記加熱ローラに圧接しつつ従動または連動回転する加圧ローラと、を有し、前記加熱ローラの表面温度を検知してこれを設定温度となるように制御する画像形成装置の定着装置の温度制御方法において、
前記画像形成装置の稼動量を検出し、該検出結果を累積した累積稼動量に基づいて、前記定着装置からの未定着トナー像または記録媒体への投入熱量が略一定になるように、前記加熱ローラの設定温度を低下させるべく、前記加熱手段への通電量を制御することを特徴とする制御方法。
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JP2009075499A (ja) * | 2007-09-25 | 2009-04-09 | Brother Ind Ltd | 画像形成装置 |
JP2015206980A (ja) * | 2014-04-23 | 2015-11-19 | 株式会社沖データ | 画像形成装置 |
-
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- 2002-06-19 JP JP2002178630A patent/JP2004021099A/ja active Pending
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