JP2004017335A - 射出成形用ノズル - Google Patents
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Abstract
【課題】溶融樹脂をノズルを通過する過程で効率良く撹拌する。
【解決手段】ノズル本体7の貫通孔9内に複数の隔壁17をノズル本体7の軸線に対してジグザグ状に交互に逆向きに傾斜して配設し、複数の撹拌室21をノズル本体7の軸線方向に千鳥状に交互に偏位して形成する。各隔壁17に複数の細孔17dを貫通形成し、隣り合う撹拌室21を連通させる。
【選択図】 図1
【解決手段】ノズル本体7の貫通孔9内に複数の隔壁17をノズル本体7の軸線に対してジグザグ状に交互に逆向きに傾斜して配設し、複数の撹拌室21をノズル本体7の軸線方向に千鳥状に交互に偏位して形成する。各隔壁17に複数の細孔17dを貫通形成し、隣り合う撹拌室21を連通させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、射出成形機における射出シリンダのシリンダヘッドに装着される射出成形用ノズルの改良に関し、特に溶融樹脂の色ムラ対策に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平7−125005号公報には、射出シリンダ内で顔料とナチュラルペレットとの混練が不足してノズルから射出される溶融樹脂中に顔料が均一に分散していないと、成形品に色ムラが生じて品質が低下することから、溶融樹脂をノズル内で細孔や網目状の流路を通過させて分流・合流を繰り返して撹拌し、顔料の分散不良を解消するようにした技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の公報例のノズルでは、溶融樹脂が分流・合流を繰り返しているとはいっても、その流れはほぼ直線的な流れであるため、顔料が溶融樹脂中に均一に混ざり合い難く、顔料の分散効率を高めることが要求される。
【0004】
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、溶融樹脂をノズルを通過する過程で効率良く撹拌することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、溶融樹脂の流速及び流れ方向を複数回に亘って変えるようにしたことを特徴とする。
【0006】
具体的には、この発明は、基端部が射出シリンダのシリンダヘッドに連結され軸線方向に貫通する貫通孔を有するノズル本体を備え、該ノズル本体の先端部を成形型のスプルに接続した状態で上記射出シリンダ内の溶融樹脂を射出して上記成形型のキャビティ内に充填する射出成形用ノズルを対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0007】
すなわち、請求項1に記載の発明は、上記ノズル本体の貫通孔内には、複数の隔壁が複数の撹拌室をノズル本体の軸線方向に千鳥状に交互に偏位して形成するようにノズル本体の軸線に対してジグザグ状に交互に逆向きに傾斜して配設され、上記各隔壁には、複数の細孔が隣り合う撹拌室を連通するように貫通形成されていることを特徴とする。
【0008】
上記の構成により、請求項1に記載の発明では、射出シリンダのシリンダヘッドからノズル本体の貫通孔内に流入した溶融樹脂は、流入方向上流側の撹拌室からその隣の流入方向下流側の撹拌室に隔壁の各細孔を通過することで分流されて、ノズル本体の軸線に対して傾斜する方向から勢いよく噴出されて当該撹拌室内の溶融樹脂と合流し、当該撹拌室内の溶融樹脂が上記各細孔から噴出する溶融樹脂の噴流により撹拌される。この撹拌された溶融樹脂はさらに流入方向下流側の撹拌室内に隔壁の各細孔を通過することで分流され、ノズル本体の軸線に対して上記とは逆向きに傾斜する方向から勢いよく噴出されて当該撹拌室内の溶融樹脂と合流し、当該撹拌室内の溶融樹脂が上記各細孔から噴出する溶融樹脂の噴流により撹拌される。
【0009】
このように、溶融樹脂は各撹拌室を通過する毎に流速及び流れ方向を変えながら分流・合流を繰り返して効率良く撹拌されるため、溶融樹脂中に顔料が含まれている場合、顔料が速やかにかつ確実に分散し、色ムラのない品質の優れた成形品が得られる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、上記ノズル本体の貫通孔内には、螺旋状羽根部を有するスクリュシャフトが該羽根部によってノズル本体の軸線方向に螺旋状撹拌通路を形成するように上記羽根部の周面を貫通孔内壁に当接させて配設され、上記羽根部には、複数の細溝又は細孔が隣接する上記撹拌通路を連通するように周方向に間隔をあけて貫通形成されていることを特徴とする。
【0011】
上記の構成により、請求項2に記載の発明では、射出シリンダのシリンダヘッドからノズル本体の貫通孔内に流入した溶融樹脂は、撹拌通路の流入方向上流側から流入方向下流側に螺旋状に旋回しながら移動する。また、この螺旋状に旋回する溶融樹脂の一部がスクリュシャフトの羽根部の各細溝又は細孔を通過することで分流されて流入方向下流側に勢いよく噴出され、上記螺旋状に旋回する溶融樹脂と合流して当該螺旋状に旋回する溶融樹脂が上記各細溝又は細孔から噴出する溶融樹脂の噴流により撹拌される。
【0012】
このように、溶融樹脂はスクリュシャフト回りに螺旋状に旋回し、かつその一部が各細溝又は細孔を通過する毎に流速を変えながら分流・合流を繰り返して効率良く撹拌されるため、溶融樹脂中に顔料が含まれている場合、顔料が速やかにかつ確実に分散し、色ムラのない品質の優れた成形品が得られる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、上記ノズル本体には、複数のピンが上記貫通孔の断面積を小さくするようにノズル本体の軸線方向に間隔をあけて周方向の異なる位置から貫通孔を通過して嵌装されていることを特徴とする。
【0014】
上記の構成により、請求項3に記載の発明では、射出シリンダのシリンダヘッドからノズル本体の貫通孔内に流入した溶融樹脂は、断面積の小さいピン嵌装部を通過することで流速が速くなり、勢いよく流入方向下流側に流入して流入方向下流側の溶融樹脂と合流し、当該溶融樹脂が上記流入する流速の速い溶融樹脂により撹拌される。この撹拌された溶融樹脂はさらに流入方向下流側の断面積の小さいピン嵌装部をノズル本体の軸線回りに流れ方向を変えながら通過することで流速が速くなり、勢いよく流入方向下流側に流入して流入方向下流側の溶融樹脂と合流し、当該溶融樹脂が上記流入する流速の速い溶融樹脂により撹拌される。
【0015】
このように、溶融樹脂は各ピン嵌装部を通過する毎に流速及び流れ方向を変えながら効率良く撹拌されるため、溶融樹脂中に顔料が含まれている場合、顔料が速やかにかつ確実に分散し、色ムラのない品質の優れた成形品が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1はこの発明の実施の形態1に係る射出成形用ノズル1を示す。このノズル1は、円筒体3と、該円筒体3先端に連結されたノズルチップ5とからなるノズル本体7を備え、上記円筒体3先端部の内周面には雌ねじ部3aが形成され、一方、上記ノズルチップ5基端部の外周面には雄ねじ部5aが形成され、この雄ねじ部5aを上記雌ねじ部3aに螺合させることによりノズルチップ5が円筒体3に連結され、軸線方向に貫通する貫通孔9を有するノズル本体7が構成されている。この貫通孔9は、ノズルチップ5先端側の小径に形成された噴出口部5bと、該噴出口部5bに続く円錐孔部5cと、該円錐孔部5cに続く孔部5dと、該孔部5dに続く円筒体3の孔部3cと、該孔部3cを射出成形機(図示せず)における射出シリンダのシリンダヘッド11先端部の流出通路11aに接続する接続孔部3dとで構成されている。
【0018】
上記ノズル本体7の円筒体3基端部の外周面には雄ねじ部3bが形成され、一方、上記シリンダヘッド11先端部の内周面には雌ねじ部11bが形成され、この雌ねじ部11bに上記雄ねじ部3bを螺合させることにより、円筒体3つまりノズル本体5基端部がシリンダヘッド11に連結され、上記貫通孔9をシリンダヘッド11の流出通路11aに連通させている。そして、上記ノズル本体7のノズルチップ5先端部を成形型13のスプル15の断面半円状開口部15aに当接させて接続した状態で、上記射出シリンダ内の溶融樹脂をノズル1から射出して上記成形型13のキャビティ(図示せず)内に充填し、成形品を射出成形するようになっている。
【0019】
この実施の形態1の特徴として、上記ノズル本体7の貫通孔9を構成する孔部3c,5d内には、2つの隔壁17からなる断面V字形状の隔壁構成部材19が3個向きを同じくして連続して並設され、これら隔壁構成部材19の一端側である隔壁17合体側端部は孔部3c,5d内壁に当接している。上記3個の隔壁構成部材19のうちノズル本体7基端部側の2個の隔壁構成部材19の他端側である隔壁17反合体側端部には、回り止め用の突出部17aが形成され、これら突出部17aを円筒体3の孔部3c内壁に形成された溝9eに嵌合して係止させて上記2個の隔壁構成部材19をノズル本体7の軸線回りに回動しないように位置決めしている。一方、ノズル本体7先端部側の残り1個の隔壁構成部材19の他端側である隔壁17反合体側端部には、回り止め用の突起部17bが形成され、この突起部17bをその隣の隔壁構成部材19の隔壁17に形成された凹部17cに係合させて当該隔壁構成部材19をノズル本体7の軸線回りに回動しないように位置決めしている。これにより、6つの隔壁17がノズル本体7の軸線に対してジグザグ状に交互に逆向きに傾斜して配設され、5個の撹拌室21がノズル本体7の軸線方向に千鳥状に交互に偏位して形成されている。また、上記各隔壁17には、複数の細孔17dがノズル本体7の軸線に対して傾斜して貫通形成され、これら細孔17dより隣り合う撹拌室21が連通されている。
【0020】
したがって、射出成形時、射出シリンダのシリンダヘッド11からノズル本体7の貫通孔9内に流入した溶融樹脂を、流入方向上流側の撹拌室21からその隣の流入方向下流側の撹拌室21に隔壁17の各細孔17dを通過させることで分流し、ノズル本体7の軸線に対して傾斜する方向から勢いよく噴出させて当該撹拌室21内の溶融樹脂と合流させ、当該撹拌室21内の溶融樹脂を上記各細孔17dから噴出する溶融樹脂の噴流により撹拌することができる。この撹拌された溶融樹脂をさらに流入方向下流側の撹拌室21内に隔壁17の各細孔17dを通過させることで分流し、ノズル本体の軸線に対して上記とは逆向きに傾斜する方向から勢いよく噴出させて当該撹拌室21内の溶融樹脂と合流させ、当該撹拌室21内の溶融樹脂を上記各細孔17dから噴出する溶融樹脂の噴流により撹拌することができる。
【0021】
このように、溶融樹脂を各撹拌室21を通過する毎に流速及び流れ方向を変えながら分流・合流を繰り返して効率良く撹拌していることから、溶融樹脂中に顔料が含まれている場合、顔料を速やかにかつ確実に分散させて色ムラのない品質の優れた成形品を得ることができる。
【0022】
(実施の形態2)
図2及び図3はこの発明の実施の形態2に係る射出成形用ノズル1を示す。このノズル1は、先端部が円錐形状に形成され軸線方向に貫通する貫通孔9を有する円筒形状のノズル本体7を備え、上記貫通孔9は、ノズル本体7先端側の小径に形成された噴出口部7bと、該噴出口部7bに続く円錐孔部7cと、該円錐孔部7cに続き射出成形機(図示せず)における射出シリンダのシリンダヘッド11先端部の流出通路11aに接続される孔部7dとで構成されている。
【0023】
上記ノズル本体7基端部の内周面には雌ねじ部7aが形成され、一方、上記シリンダヘッド11先端部の外周面には雄ねじ部11cが形成され、この雄ねじ部11cを上記雌ねじ部7aに螺合させることにより、ノズル本体5基端部がシリンダヘッド11に連結され、上記貫通孔9をシリンダヘッド11の流出通路11aに連通させている。そして、上記ノズル本体7先端部を成形型13のスプル15の断面半円状開口部15aに当接させて接続した状態で、上記射出シリンダ内の溶融樹脂をノズル1から射出して上記成形型13のキャビティ(図示せず)内に充填し、成形品を射出成形するようになっている。
【0024】
この実施の形態2の特徴として、上記ノズル本体7の貫通孔9を構成する大径孔部9c内には、螺旋状羽根部25を有するスクリュシャフト27が該羽根部25によってノズル本体7の軸線方向に螺旋状撹拌通路23を形成するように上記羽根部25の周面をノズル本体7の孔部7d(貫通孔9)内壁に当接させて配設され、止めねじ29によりノズル本体7の軸線方向に移動しないようにかつ軸線回りに回動しないように位置決めされている。また、上記羽根部25外周には、複数の細溝25aが隣接する上記撹拌通路23を連通するように周方向に間隔をあけてノズル本体7の軸線方向に貫通形成されている。
【0025】
したがって、射出成形時、射出シリンダのシリンダヘッド11からノズル本体7の貫通孔9内に流入した溶融樹脂を、撹拌通路23の流入方向上流側から流入方向下流側に螺旋状に旋回させながら移動させ、この螺旋状に旋回する溶融樹脂の一部をスクリュシャフト27の羽根部25の各細溝25aを通過させることで分流して流入方向下流側に勢いよく噴出させ、上記螺旋状に旋回する溶融樹脂と合流させて当該螺旋状に旋回する溶融樹脂を上記各細溝25aから噴出する溶融樹脂の噴流により撹拌することができる。
【0026】
このように、溶融樹脂をスクリュシャフト27回りに螺旋状に旋回させ、かつその一部を各細溝25aを通過する毎に流速を変えながら分流・合流を繰り返して効率良く撹拌していることから、溶融樹脂中に顔料が含まれている場合、顔料を速やかにかつ確実に分散して色ムラのない品質の優れた成形品を得ることができる。
【0027】
なお、図2は断面図であるが、スクリュシャフト27はその形状をより明確化するために断面にしていない。また、羽根部25外周の各細溝25aの代わりに羽根部25外周寄りに細孔を形成してもよい。
【0028】
(実施の形態3)
図4及び図5はこの発明の実施の形態3に係る射出成形用ノズル1を示す。このノズル1は、円筒体3と、該円筒体3の孔部3c内に嵌装された内筒4と、上記円筒体3先端に連結されたノズルチップ5とからなるノズル本体7を備え、上記円筒体3先端部の内周面には雌ねじ部3aが形成され、一方、上記ノズルチップ5基端部の外周面には雄ねじ部5aが形成され、この雄ねじ部5aを上記雌ねじ部3aに螺合させることによりノズルチップ5が円筒体3に連結されている。また、上記内筒4は、止めねじ6により円筒体3の軸線方向に移動しないようにかつ軸線回りに回動しないように位置決めされて円筒体3の孔部3c内に嵌装されている。そして、上記ノズルチップ5先端側の小径に形成された噴出口部5bと、該噴出口部5bに続く円錐孔部5cと、該円錐孔部5cに続く孔部5dと、該孔部5dに続く内筒4の孔部4bと、該孔部4bに続き射出成形機(図示せず)における射出シリンダのシリンダヘッド11先端部の流出通路11aに接続される円筒体3の孔部3dとで、ノズル本体7の軸線方向に貫通する貫通孔9が構成されている。
【0029】
上記ノズル本体7の円筒体3基端部の外周面には雄ねじ部3bが形成され、一方、上記シリンダヘッド11先端部の内周面には雌ねじ部11bが形成され、この雌ねじ部11bに上記雄ねじ部3bを螺合させることにより、円筒体3つまりノズル本体7基端部がシリンダヘッド11に連結され、上記貫通孔9をシリンダヘッド11の流出通路11aに連通させている。そして、上記ノズル本体7のノズルチップ5先端部を成形型13のスプル15の断面半円状開口部15aに当接させて接続した状態で、上記射出シリンダ内の溶融樹脂をノズル1から射出して上記成形型13のキャビティ(図示せず)内に充填し、成形品を射出成形するようになっている。
【0030】
この実施の形態3の特徴として、上記内筒4には、ピン挿入孔4aがノズル本体7(内筒4)の軸線方向に間隔をあけて周方向の異なる位置から径方向に複数貫通形成され、これらピン挿入孔4aに複数のピン31がそれぞれ挿入されている。これにより、上記ノズル本体7の貫通孔9つまり内筒4の孔部4b内に、複数のピン31が上記貫通孔9の断面積を小さくするようにノズル本体7の軸線方向に間隔をあけて周方向の異なる位置から貫通孔9を通過して嵌装されている。
【0031】
このように、この実施の形態3に係るノズル1では、6本のピン31をノズル本体7の貫通孔9を構成する内筒4の孔部4bに向きがランダムになるように通過させることにより、6箇所の小断面積部分がノズル本体7の軸線回りに位置を変えて配置されている。
【0032】
したがって、射出成形時、射出シリンダのシリンダヘッド11からノズル本体7の貫通孔9内に流入した溶融樹脂を、断面積の小さいピン嵌装部を通過させることで流速を速くし、勢いよく流入方向下流側に流入させて流入方向下流側の溶融樹脂と合流させ、当該溶融樹脂を上記流入する流速の速い溶融樹脂により撹拌することができる。この撹拌された溶融樹脂をさらに流入方向下流側の断面積の小さいピン嵌装部をノズル本体の軸線回りに流れ方向を変えながら通過させることで流速を速くし、勢いよく流入方向下流側に流入させて流入方向下流側の溶融樹脂と合流させ、当該溶融樹脂を上記流入する流速の速い溶融樹脂により撹拌することができる。
【0033】
このように、溶融樹脂を各ピン嵌装部を通過する毎に流速及び流れ方向を変えながら効率良く撹拌していることから、溶融樹脂中に顔料が含まれている場合、顔料を速やかにかつ確実に分散して色ムラのない品質の優れた成形品を得ることができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、ノズル本体の貫通孔内に複数の隔壁をノズル本体の軸線に対してジグザグ状に交互に逆向きに傾斜して配設することで、複数の撹拌室をノズル本体の軸線方向に千鳥状に交互に偏位して形成し、隣り合う撹拌室を上記各隔壁に貫通形成した複数の細孔で連通したので、溶融樹脂の流速及び流れ方向を各撹拌室を通過する毎に変化させて効率良く撹拌することができ、溶融樹脂中に含まれる顔料を速やかにかつ確実に分散して色ムラのない品質の優れた成形品を得ることができる。
【0035】
請求項2に係る発明によれば、ノズル本体の貫通孔内にスクリュシャフトをその螺旋状羽根部周面が貫通孔内壁に当接するように配設することで、螺旋状撹拌通路をノズル本体の軸線方向に形成し、周方向に間隔をあけて貫通形成した複数の細溝又は細孔で隣接する上記撹拌通路を連通したので、溶融樹脂を上記撹拌通路でスクリュシャフト回りに旋回させながらその流速を上記各細溝又は細孔を通過する毎に変化させて効率良く撹拌することができ、溶融樹脂中に含まれる顔料を速やかにかつ確実に分散して色ムラのない品質の優れた成形品を得ることができる。
【0036】
請求項3に係る発明によれば、ノズル本体に複数のピンをノズル本体の軸線方向に間隔をあけて周方向の異なる位置から貫通孔を通過させて嵌装することで上記貫通孔の断面積を小さくしたので、溶融樹脂の流速及び流れ方向を各ピン嵌装部を通過する毎に変化させて効率良く撹拌することができ、溶融樹脂中に含まれる顔料を速やかにかつ確実に分散して色ムラのない品質の優れた成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る射出成形用ノズルの断面図である。
【図2】この発明の実施の形態2に係る射出成形用ノズルの断面図である。
【図3】図2のA−A線における断面図である。
【図4】この発明の実施の形態3に係る射出成形用ノズルの断面図である。
【図5】(a)は図4のB−B線における断面図、(b)は図4のC−C線における断面図、(c)は図4のD−D線における断面図である。
【符号の説明】
1 ノズル
7 ノズル本体
9 貫通孔
11 シリンダヘッド
13 成形型
15 スプル
17 隔壁
17d 細孔
21 撹拌室
23 撹拌通路
25 羽根部
25a 細溝
27 スクリュシャフト
31 ピン
【発明の属する技術分野】
この発明は、射出成形機における射出シリンダのシリンダヘッドに装着される射出成形用ノズルの改良に関し、特に溶融樹脂の色ムラ対策に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平7−125005号公報には、射出シリンダ内で顔料とナチュラルペレットとの混練が不足してノズルから射出される溶融樹脂中に顔料が均一に分散していないと、成形品に色ムラが生じて品質が低下することから、溶融樹脂をノズル内で細孔や網目状の流路を通過させて分流・合流を繰り返して撹拌し、顔料の分散不良を解消するようにした技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の公報例のノズルでは、溶融樹脂が分流・合流を繰り返しているとはいっても、その流れはほぼ直線的な流れであるため、顔料が溶融樹脂中に均一に混ざり合い難く、顔料の分散効率を高めることが要求される。
【0004】
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、溶融樹脂をノズルを通過する過程で効率良く撹拌することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、溶融樹脂の流速及び流れ方向を複数回に亘って変えるようにしたことを特徴とする。
【0006】
具体的には、この発明は、基端部が射出シリンダのシリンダヘッドに連結され軸線方向に貫通する貫通孔を有するノズル本体を備え、該ノズル本体の先端部を成形型のスプルに接続した状態で上記射出シリンダ内の溶融樹脂を射出して上記成形型のキャビティ内に充填する射出成形用ノズルを対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0007】
すなわち、請求項1に記載の発明は、上記ノズル本体の貫通孔内には、複数の隔壁が複数の撹拌室をノズル本体の軸線方向に千鳥状に交互に偏位して形成するようにノズル本体の軸線に対してジグザグ状に交互に逆向きに傾斜して配設され、上記各隔壁には、複数の細孔が隣り合う撹拌室を連通するように貫通形成されていることを特徴とする。
【0008】
上記の構成により、請求項1に記載の発明では、射出シリンダのシリンダヘッドからノズル本体の貫通孔内に流入した溶融樹脂は、流入方向上流側の撹拌室からその隣の流入方向下流側の撹拌室に隔壁の各細孔を通過することで分流されて、ノズル本体の軸線に対して傾斜する方向から勢いよく噴出されて当該撹拌室内の溶融樹脂と合流し、当該撹拌室内の溶融樹脂が上記各細孔から噴出する溶融樹脂の噴流により撹拌される。この撹拌された溶融樹脂はさらに流入方向下流側の撹拌室内に隔壁の各細孔を通過することで分流され、ノズル本体の軸線に対して上記とは逆向きに傾斜する方向から勢いよく噴出されて当該撹拌室内の溶融樹脂と合流し、当該撹拌室内の溶融樹脂が上記各細孔から噴出する溶融樹脂の噴流により撹拌される。
【0009】
このように、溶融樹脂は各撹拌室を通過する毎に流速及び流れ方向を変えながら分流・合流を繰り返して効率良く撹拌されるため、溶融樹脂中に顔料が含まれている場合、顔料が速やかにかつ確実に分散し、色ムラのない品質の優れた成形品が得られる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、上記ノズル本体の貫通孔内には、螺旋状羽根部を有するスクリュシャフトが該羽根部によってノズル本体の軸線方向に螺旋状撹拌通路を形成するように上記羽根部の周面を貫通孔内壁に当接させて配設され、上記羽根部には、複数の細溝又は細孔が隣接する上記撹拌通路を連通するように周方向に間隔をあけて貫通形成されていることを特徴とする。
【0011】
上記の構成により、請求項2に記載の発明では、射出シリンダのシリンダヘッドからノズル本体の貫通孔内に流入した溶融樹脂は、撹拌通路の流入方向上流側から流入方向下流側に螺旋状に旋回しながら移動する。また、この螺旋状に旋回する溶融樹脂の一部がスクリュシャフトの羽根部の各細溝又は細孔を通過することで分流されて流入方向下流側に勢いよく噴出され、上記螺旋状に旋回する溶融樹脂と合流して当該螺旋状に旋回する溶融樹脂が上記各細溝又は細孔から噴出する溶融樹脂の噴流により撹拌される。
【0012】
このように、溶融樹脂はスクリュシャフト回りに螺旋状に旋回し、かつその一部が各細溝又は細孔を通過する毎に流速を変えながら分流・合流を繰り返して効率良く撹拌されるため、溶融樹脂中に顔料が含まれている場合、顔料が速やかにかつ確実に分散し、色ムラのない品質の優れた成形品が得られる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、上記ノズル本体には、複数のピンが上記貫通孔の断面積を小さくするようにノズル本体の軸線方向に間隔をあけて周方向の異なる位置から貫通孔を通過して嵌装されていることを特徴とする。
【0014】
上記の構成により、請求項3に記載の発明では、射出シリンダのシリンダヘッドからノズル本体の貫通孔内に流入した溶融樹脂は、断面積の小さいピン嵌装部を通過することで流速が速くなり、勢いよく流入方向下流側に流入して流入方向下流側の溶融樹脂と合流し、当該溶融樹脂が上記流入する流速の速い溶融樹脂により撹拌される。この撹拌された溶融樹脂はさらに流入方向下流側の断面積の小さいピン嵌装部をノズル本体の軸線回りに流れ方向を変えながら通過することで流速が速くなり、勢いよく流入方向下流側に流入して流入方向下流側の溶融樹脂と合流し、当該溶融樹脂が上記流入する流速の速い溶融樹脂により撹拌される。
【0015】
このように、溶融樹脂は各ピン嵌装部を通過する毎に流速及び流れ方向を変えながら効率良く撹拌されるため、溶融樹脂中に顔料が含まれている場合、顔料が速やかにかつ確実に分散し、色ムラのない品質の優れた成形品が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1はこの発明の実施の形態1に係る射出成形用ノズル1を示す。このノズル1は、円筒体3と、該円筒体3先端に連結されたノズルチップ5とからなるノズル本体7を備え、上記円筒体3先端部の内周面には雌ねじ部3aが形成され、一方、上記ノズルチップ5基端部の外周面には雄ねじ部5aが形成され、この雄ねじ部5aを上記雌ねじ部3aに螺合させることによりノズルチップ5が円筒体3に連結され、軸線方向に貫通する貫通孔9を有するノズル本体7が構成されている。この貫通孔9は、ノズルチップ5先端側の小径に形成された噴出口部5bと、該噴出口部5bに続く円錐孔部5cと、該円錐孔部5cに続く孔部5dと、該孔部5dに続く円筒体3の孔部3cと、該孔部3cを射出成形機(図示せず)における射出シリンダのシリンダヘッド11先端部の流出通路11aに接続する接続孔部3dとで構成されている。
【0018】
上記ノズル本体7の円筒体3基端部の外周面には雄ねじ部3bが形成され、一方、上記シリンダヘッド11先端部の内周面には雌ねじ部11bが形成され、この雌ねじ部11bに上記雄ねじ部3bを螺合させることにより、円筒体3つまりノズル本体5基端部がシリンダヘッド11に連結され、上記貫通孔9をシリンダヘッド11の流出通路11aに連通させている。そして、上記ノズル本体7のノズルチップ5先端部を成形型13のスプル15の断面半円状開口部15aに当接させて接続した状態で、上記射出シリンダ内の溶融樹脂をノズル1から射出して上記成形型13のキャビティ(図示せず)内に充填し、成形品を射出成形するようになっている。
【0019】
この実施の形態1の特徴として、上記ノズル本体7の貫通孔9を構成する孔部3c,5d内には、2つの隔壁17からなる断面V字形状の隔壁構成部材19が3個向きを同じくして連続して並設され、これら隔壁構成部材19の一端側である隔壁17合体側端部は孔部3c,5d内壁に当接している。上記3個の隔壁構成部材19のうちノズル本体7基端部側の2個の隔壁構成部材19の他端側である隔壁17反合体側端部には、回り止め用の突出部17aが形成され、これら突出部17aを円筒体3の孔部3c内壁に形成された溝9eに嵌合して係止させて上記2個の隔壁構成部材19をノズル本体7の軸線回りに回動しないように位置決めしている。一方、ノズル本体7先端部側の残り1個の隔壁構成部材19の他端側である隔壁17反合体側端部には、回り止め用の突起部17bが形成され、この突起部17bをその隣の隔壁構成部材19の隔壁17に形成された凹部17cに係合させて当該隔壁構成部材19をノズル本体7の軸線回りに回動しないように位置決めしている。これにより、6つの隔壁17がノズル本体7の軸線に対してジグザグ状に交互に逆向きに傾斜して配設され、5個の撹拌室21がノズル本体7の軸線方向に千鳥状に交互に偏位して形成されている。また、上記各隔壁17には、複数の細孔17dがノズル本体7の軸線に対して傾斜して貫通形成され、これら細孔17dより隣り合う撹拌室21が連通されている。
【0020】
したがって、射出成形時、射出シリンダのシリンダヘッド11からノズル本体7の貫通孔9内に流入した溶融樹脂を、流入方向上流側の撹拌室21からその隣の流入方向下流側の撹拌室21に隔壁17の各細孔17dを通過させることで分流し、ノズル本体7の軸線に対して傾斜する方向から勢いよく噴出させて当該撹拌室21内の溶融樹脂と合流させ、当該撹拌室21内の溶融樹脂を上記各細孔17dから噴出する溶融樹脂の噴流により撹拌することができる。この撹拌された溶融樹脂をさらに流入方向下流側の撹拌室21内に隔壁17の各細孔17dを通過させることで分流し、ノズル本体の軸線に対して上記とは逆向きに傾斜する方向から勢いよく噴出させて当該撹拌室21内の溶融樹脂と合流させ、当該撹拌室21内の溶融樹脂を上記各細孔17dから噴出する溶融樹脂の噴流により撹拌することができる。
【0021】
このように、溶融樹脂を各撹拌室21を通過する毎に流速及び流れ方向を変えながら分流・合流を繰り返して効率良く撹拌していることから、溶融樹脂中に顔料が含まれている場合、顔料を速やかにかつ確実に分散させて色ムラのない品質の優れた成形品を得ることができる。
【0022】
(実施の形態2)
図2及び図3はこの発明の実施の形態2に係る射出成形用ノズル1を示す。このノズル1は、先端部が円錐形状に形成され軸線方向に貫通する貫通孔9を有する円筒形状のノズル本体7を備え、上記貫通孔9は、ノズル本体7先端側の小径に形成された噴出口部7bと、該噴出口部7bに続く円錐孔部7cと、該円錐孔部7cに続き射出成形機(図示せず)における射出シリンダのシリンダヘッド11先端部の流出通路11aに接続される孔部7dとで構成されている。
【0023】
上記ノズル本体7基端部の内周面には雌ねじ部7aが形成され、一方、上記シリンダヘッド11先端部の外周面には雄ねじ部11cが形成され、この雄ねじ部11cを上記雌ねじ部7aに螺合させることにより、ノズル本体5基端部がシリンダヘッド11に連結され、上記貫通孔9をシリンダヘッド11の流出通路11aに連通させている。そして、上記ノズル本体7先端部を成形型13のスプル15の断面半円状開口部15aに当接させて接続した状態で、上記射出シリンダ内の溶融樹脂をノズル1から射出して上記成形型13のキャビティ(図示せず)内に充填し、成形品を射出成形するようになっている。
【0024】
この実施の形態2の特徴として、上記ノズル本体7の貫通孔9を構成する大径孔部9c内には、螺旋状羽根部25を有するスクリュシャフト27が該羽根部25によってノズル本体7の軸線方向に螺旋状撹拌通路23を形成するように上記羽根部25の周面をノズル本体7の孔部7d(貫通孔9)内壁に当接させて配設され、止めねじ29によりノズル本体7の軸線方向に移動しないようにかつ軸線回りに回動しないように位置決めされている。また、上記羽根部25外周には、複数の細溝25aが隣接する上記撹拌通路23を連通するように周方向に間隔をあけてノズル本体7の軸線方向に貫通形成されている。
【0025】
したがって、射出成形時、射出シリンダのシリンダヘッド11からノズル本体7の貫通孔9内に流入した溶融樹脂を、撹拌通路23の流入方向上流側から流入方向下流側に螺旋状に旋回させながら移動させ、この螺旋状に旋回する溶融樹脂の一部をスクリュシャフト27の羽根部25の各細溝25aを通過させることで分流して流入方向下流側に勢いよく噴出させ、上記螺旋状に旋回する溶融樹脂と合流させて当該螺旋状に旋回する溶融樹脂を上記各細溝25aから噴出する溶融樹脂の噴流により撹拌することができる。
【0026】
このように、溶融樹脂をスクリュシャフト27回りに螺旋状に旋回させ、かつその一部を各細溝25aを通過する毎に流速を変えながら分流・合流を繰り返して効率良く撹拌していることから、溶融樹脂中に顔料が含まれている場合、顔料を速やかにかつ確実に分散して色ムラのない品質の優れた成形品を得ることができる。
【0027】
なお、図2は断面図であるが、スクリュシャフト27はその形状をより明確化するために断面にしていない。また、羽根部25外周の各細溝25aの代わりに羽根部25外周寄りに細孔を形成してもよい。
【0028】
(実施の形態3)
図4及び図5はこの発明の実施の形態3に係る射出成形用ノズル1を示す。このノズル1は、円筒体3と、該円筒体3の孔部3c内に嵌装された内筒4と、上記円筒体3先端に連結されたノズルチップ5とからなるノズル本体7を備え、上記円筒体3先端部の内周面には雌ねじ部3aが形成され、一方、上記ノズルチップ5基端部の外周面には雄ねじ部5aが形成され、この雄ねじ部5aを上記雌ねじ部3aに螺合させることによりノズルチップ5が円筒体3に連結されている。また、上記内筒4は、止めねじ6により円筒体3の軸線方向に移動しないようにかつ軸線回りに回動しないように位置決めされて円筒体3の孔部3c内に嵌装されている。そして、上記ノズルチップ5先端側の小径に形成された噴出口部5bと、該噴出口部5bに続く円錐孔部5cと、該円錐孔部5cに続く孔部5dと、該孔部5dに続く内筒4の孔部4bと、該孔部4bに続き射出成形機(図示せず)における射出シリンダのシリンダヘッド11先端部の流出通路11aに接続される円筒体3の孔部3dとで、ノズル本体7の軸線方向に貫通する貫通孔9が構成されている。
【0029】
上記ノズル本体7の円筒体3基端部の外周面には雄ねじ部3bが形成され、一方、上記シリンダヘッド11先端部の内周面には雌ねじ部11bが形成され、この雌ねじ部11bに上記雄ねじ部3bを螺合させることにより、円筒体3つまりノズル本体7基端部がシリンダヘッド11に連結され、上記貫通孔9をシリンダヘッド11の流出通路11aに連通させている。そして、上記ノズル本体7のノズルチップ5先端部を成形型13のスプル15の断面半円状開口部15aに当接させて接続した状態で、上記射出シリンダ内の溶融樹脂をノズル1から射出して上記成形型13のキャビティ(図示せず)内に充填し、成形品を射出成形するようになっている。
【0030】
この実施の形態3の特徴として、上記内筒4には、ピン挿入孔4aがノズル本体7(内筒4)の軸線方向に間隔をあけて周方向の異なる位置から径方向に複数貫通形成され、これらピン挿入孔4aに複数のピン31がそれぞれ挿入されている。これにより、上記ノズル本体7の貫通孔9つまり内筒4の孔部4b内に、複数のピン31が上記貫通孔9の断面積を小さくするようにノズル本体7の軸線方向に間隔をあけて周方向の異なる位置から貫通孔9を通過して嵌装されている。
【0031】
このように、この実施の形態3に係るノズル1では、6本のピン31をノズル本体7の貫通孔9を構成する内筒4の孔部4bに向きがランダムになるように通過させることにより、6箇所の小断面積部分がノズル本体7の軸線回りに位置を変えて配置されている。
【0032】
したがって、射出成形時、射出シリンダのシリンダヘッド11からノズル本体7の貫通孔9内に流入した溶融樹脂を、断面積の小さいピン嵌装部を通過させることで流速を速くし、勢いよく流入方向下流側に流入させて流入方向下流側の溶融樹脂と合流させ、当該溶融樹脂を上記流入する流速の速い溶融樹脂により撹拌することができる。この撹拌された溶融樹脂をさらに流入方向下流側の断面積の小さいピン嵌装部をノズル本体の軸線回りに流れ方向を変えながら通過させることで流速を速くし、勢いよく流入方向下流側に流入させて流入方向下流側の溶融樹脂と合流させ、当該溶融樹脂を上記流入する流速の速い溶融樹脂により撹拌することができる。
【0033】
このように、溶融樹脂を各ピン嵌装部を通過する毎に流速及び流れ方向を変えながら効率良く撹拌していることから、溶融樹脂中に顔料が含まれている場合、顔料を速やかにかつ確実に分散して色ムラのない品質の優れた成形品を得ることができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、ノズル本体の貫通孔内に複数の隔壁をノズル本体の軸線に対してジグザグ状に交互に逆向きに傾斜して配設することで、複数の撹拌室をノズル本体の軸線方向に千鳥状に交互に偏位して形成し、隣り合う撹拌室を上記各隔壁に貫通形成した複数の細孔で連通したので、溶融樹脂の流速及び流れ方向を各撹拌室を通過する毎に変化させて効率良く撹拌することができ、溶融樹脂中に含まれる顔料を速やかにかつ確実に分散して色ムラのない品質の優れた成形品を得ることができる。
【0035】
請求項2に係る発明によれば、ノズル本体の貫通孔内にスクリュシャフトをその螺旋状羽根部周面が貫通孔内壁に当接するように配設することで、螺旋状撹拌通路をノズル本体の軸線方向に形成し、周方向に間隔をあけて貫通形成した複数の細溝又は細孔で隣接する上記撹拌通路を連通したので、溶融樹脂を上記撹拌通路でスクリュシャフト回りに旋回させながらその流速を上記各細溝又は細孔を通過する毎に変化させて効率良く撹拌することができ、溶融樹脂中に含まれる顔料を速やかにかつ確実に分散して色ムラのない品質の優れた成形品を得ることができる。
【0036】
請求項3に係る発明によれば、ノズル本体に複数のピンをノズル本体の軸線方向に間隔をあけて周方向の異なる位置から貫通孔を通過させて嵌装することで上記貫通孔の断面積を小さくしたので、溶融樹脂の流速及び流れ方向を各ピン嵌装部を通過する毎に変化させて効率良く撹拌することができ、溶融樹脂中に含まれる顔料を速やかにかつ確実に分散して色ムラのない品質の優れた成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る射出成形用ノズルの断面図である。
【図2】この発明の実施の形態2に係る射出成形用ノズルの断面図である。
【図3】図2のA−A線における断面図である。
【図4】この発明の実施の形態3に係る射出成形用ノズルの断面図である。
【図5】(a)は図4のB−B線における断面図、(b)は図4のC−C線における断面図、(c)は図4のD−D線における断面図である。
【符号の説明】
1 ノズル
7 ノズル本体
9 貫通孔
11 シリンダヘッド
13 成形型
15 スプル
17 隔壁
17d 細孔
21 撹拌室
23 撹拌通路
25 羽根部
25a 細溝
27 スクリュシャフト
31 ピン
Claims (3)
- 基端部が射出シリンダのシリンダヘッドに連結され軸線方向に貫通する貫通孔を有するノズル本体を備え、該ノズル本体の先端部を成形型のスプルに接続した状態で上記射出シリンダ内の溶融樹脂を射出して上記成形型のキャビティ内に充填する射出成形用ノズルであって、
上記ノズル本体の貫通孔内には、複数の隔壁が複数の撹拌室をノズル本体の軸線方向に千鳥状に交互に偏位して形成するようにノズル本体の軸線に対してジグザグ状に交互に逆向きに傾斜して配設され、
上記各隔壁には、複数の細孔が隣り合う撹拌室を連通するように貫通形成されていることを特徴とする射出成形用ノズル。 - 基端部が射出シリンダのシリンダヘッドに連結され軸線方向に貫通する貫通孔を有するノズル本体を備え、該ノズル本体の先端部を成形型のスプルに接続した状態で上記射出シリンダ内の溶融樹脂を射出して上記成形型のキャビティ内に充填する射出成形用ノズルであって、
上記ノズル本体の貫通孔内には、螺旋状羽根部を有するスクリュシャフトが該羽根部によってノズル本体の軸線方向に螺旋状撹拌通路を形成するように上記羽根部の周面を貫通孔内壁に当接させて配設され、
上記羽根部には、複数の細溝又は細孔が隣接する上記撹拌通路を連通するように周方向に間隔をあけて貫通形成されていることを特徴とする射出成形用ノズル。 - 基端部が射出シリンダのシリンダヘッドに連結され軸線方向に貫通する貫通孔を有するノズル本体を備え、該ノズル本体の先端部を成形型のスプルに接続した状態で上記射出シリンダ内の溶融樹脂を射出して上記成形型のキャビティ内に充填する射出成形用ノズルであって、
上記ノズル本体には、複数のピンが上記貫通孔の断面積を小さくするようにノズル本体の軸線方向に間隔をあけて周方向の異なる位置から貫通孔を通過して嵌装されていることを特徴とする射出成形用ノズル。
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