JP2004015107A - 機器制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明では、多種のインターフェースを別個に用意する必要がなく、かつ8bitよりも低いbit数の処理能力を有するマイコンの使用を可能にすることでコストを低くすることができる機器制御装置を提供することを課題とする。
【解決手段】携帯電話1が着脱自在に接続される機器制御装置2であって、携帯電話1のヘッドホンマイク端子11に接続され、そのヘッドホンマイク端子11から出力される所定の呼出音の周波数を検出すると所定の信号を出力する周波数検出部22を備える。また、この機器制御装置2は、ヘッドホンマイク端子11に接続され、そこから出力されるトーン信号を解読するDTMFレシーバ21と、周波数検出部22から出力される所定の信号に基づいて携帯電話1の通話状態を切り換え、かつDTMFレシーバ21から出力される信号に基づいて制御対象を制御するマイコン25を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】携帯電話1が着脱自在に接続される機器制御装置2であって、携帯電話1のヘッドホンマイク端子11に接続され、そのヘッドホンマイク端子11から出力される所定の呼出音の周波数を検出すると所定の信号を出力する周波数検出部22を備える。また、この機器制御装置2は、ヘッドホンマイク端子11に接続され、そこから出力されるトーン信号を解読するDTMFレシーバ21と、周波数検出部22から出力される所定の信号に基づいて携帯電話1の通話状態を切り換え、かつDTMFレシーバ21から出力される信号に基づいて制御対象を制御するマイコン25を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話等を利用して車両の各種機器を遠隔操作するための機器制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯電話やPHS等の無線電話装置を利用して遠隔操作を行う機器制御装置は、車両用のドアロックやエンジンスタータ等の遠隔操作や車両セキュリティシステム等に利用されている。このような機器制御装置としては、たとえば特開2001−111705号公報や、特開平11−96466号公報に開示されるものがある。
【0003】
特開2001−111705号公報に開示される機器制御装置は、車両内部に設けられてドアロック等の遠隔操作に利用されるものであり、携帯電話の機能のみが受信部や認証部等として装置内部に組み込まれている。そして、この機器制御装置では、車両外部から携帯電話で所定の操作をすることによりドアロック等の各種機器の遠隔操作を行っている。
【0004】
特開平11−96466号公報に開示される機器制御装置は、車両セキュリティシステムに利用されるものであり、携帯電話のイヤホンジャックとコントロール端子(外部接続端子)に装置側の端子を接続することで携帯電話が着脱自在な状態で取り付けられている。そして、この機器制御装置では、取り付けられている携帯電話に車両外部から電話をかけ、それらが通話状態になるとコントロール端子とマイコンの間で8bit以上のシリアルデータの送受信が行われる。たとえば、車両外部の電話のボタンを適宜操作すると、その操作に応じたシリアルデータが携帯電話からマイコンに送られ、そのデータに基づいた情報が音声合成ICやイヤホンジャック等を介して車両外部の電話から音声として伝達されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の特開2001−111705号公報に開示される機器制御装置では、携帯電話の機能のみをシステム内に組み込むので、携帯電話を単独で使用することができないといった問題があった。また、その装置用に携帯電話の機能を専用設計するため、システムにかかるコストが高くなっていた。
【0006】
一方、従来の特開平11−96466号公報に開示される機器制御装置では、携帯電話のコントロール端子の形状や仕様がメーカー毎によって異なるため、各コントロール端子に合わせた多種のインターフェースを別個に用意する必要があり、その分コストが高くなっていた。さらに、この機器制御装置では、8bit以上のシリアルデータを処理するために8bit以上の処理能力を有するマイコンが必要となり、その分コストが高くなっていた。
【0007】
そこで、本発明の課題は、携帯電話が単独使用できることを前提としつつ、多種のインターフェースを別個に用意する必要がなく、かつ8bitよりも低いbit数の処理能力を有するマイコンの使用を可能にすることでコストを低くすることができる機器制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決した本発明のうちの請求項1に記載の発明は、自動着信および自動終話機能を有する無線電話装置が着脱自在に接続される機器制御装置であって、前記無線電話装置の音声信号入出力端子に接続され、その音声信号入出力端子から出力されるトーン信号を解読するDTMFレシーバと、このDTMFレシーバから出力される信号に基づいて制御対象を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
ここで、「無線電話装置」とは、無線電話回線を利用した携帯電話やPHS等の携帯式の電話である。また、「音声信号入出力端子」とは、一般にイヤホンマイク端子やヘッドホンマイク端子と呼ばれるものであり、その種類として3極ジャックや4極ジャックのものが主に挙げられる。そして、一般に携帯電話において、この3極ジャックは、その3つの端子が音声信号入力、音声信号出力およびグランドとして利用される。また、4極ジャックは、その4つの端子が音声信号入力、音声信号出力、グランドおよびオフフック・オンフック(受話器を取る・受話器を置く)用として利用される。さらに、この音声信号入出力端子は、その仕様がメーカー毎によって異なることはなく、同様の構造となっている。また、「トーン信号」とは、電話機のダイヤルを押したときに出る通常「ピッポッパッ」と表現される信号であり、具体的には二つの信号が混ざり合っているツートン信号である。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、たとえば車両のドアロックを車両外部から解除する場合、まずトーン信号を出す電話により車両外部から機器制御装置に接続された無線電話装置を呼び出すと、この無線電話装置は自動着信機能により自動的にオフフックされて通話が可能な状態となる。次に、車両外部から電話のダイヤルを押して所定の番号を入力すると、そのトーン信号が無線電話装置の音声信号入出力端子からDTMFレシーバに送られて解読され、その結果が4bitの信号に変換されて制御部に出力される。そして、この制御部ではその4bitの信号に基づいて制御対象であるドアロックを解除するように制御する。
【0011】
請求項2に記載の発明は、無線電話装置が着脱自在に接続される機器制御装置であって、前記無線電話装置の音声信号入出力端子に接続され、その音声信号入出力端子から出力される所定の呼出音の周波数を検出すると所定の信号を出力する周波数検出部と、前記無線電話装置の音声信号入出力端子に接続され、その音声信号入出力端子から出力されるトーン信号を解読するDTMFレシーバと、前記周波数検出部から出力される所定の信号に基づいて前記無線電話装置の通話状態を切り換え、かつ前記DTMFレシーバから出力される信号に基づいて制御対象を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、たとえば車両のドアロックを車両外部から解除する場合、まず外部の電話により機器制御装置に接続された無線電話装置を呼び出すと、この無線電話装置の音声信号入出力端子から所定の周波数の呼出音が周波数検出部に出力される。この周波数検出部は、音声信号入出力端子から出力される所定の周波数の呼出音を検出したときのみに所定の信号を制御部に出力する。この制御部は、周波数検出部からの所定の信号に基づいて無線電話装置の通話状態をオンフック状態からオフフック状態に切り換えて、その無線電話装置を通話が可能な状態にする。次に、電話のダイヤルを押して所定の番号を入力すると、そのトーン信号が無線電話装置の音声信号入出力端子からDTMFレシーバに送られて解読され、その結果が4bitの信号に変換されて制御部に出力される。そして、この制御部ではその4bitの信号に基づいて制御対象であるドアロックを解除するように制御する。
【0013】
なお、この周波数検出部を利用して無線電話装置の通話状態を制御するためには、その無線電話装置の音声信号入出力端子が4極ジャックである必要がある。また、4極ジャックの無線電話装置を使用しない場合は、その無線電話装置自身の自動着信および自動終話機能を利用してその通話状態を制御する。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明の構成において、前記DTMFレシーバと前記制御部との間には、DTMFレシーバから出力される信号が所定の信号と一致しているか否かを判断する暗証番号解析部が設けられることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明による作用に加え、DTMFレシーバから出力される信号は、暗証番号解析部により所定の信号と一致しているか否かが判断される。そして、二つの信号が一致したときのみにDTMFレシーバと制御部とを通信可能な状態にすることで、暗証番号を知らない他人の操作を防止することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のうちのいずれか1項に記載の発明の構成において、前記制御部には、車両セキュリティシステムのセンサが接続されていることを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3のうちのいずれか1項に記載の発明による作用に加え、たとえばトーン信号を出す電話により車両外部から機器制御装置の無線電話装置に電話して、車両セキュリティシステムのセンサのオン・オフを選択することができる。そのため、この車両セキュリティシステムでは、従来のような車両を駐車場等に駐車した時点で作動させる必要がある車両セキュリティシステムに比べてバッテリの電気を節約することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のうちのいずれか1項に記載の発明の構成において、前記制御部から出力される信号を音声信号に変換して前記無線電話装置の音声信号入出力端子に出力する音声合成ICを備えることを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項4のうちのいずれか1項に記載の発明による作用に加え、たとえば車両外部からドアロックを解除する操作をする場合、車両外部の電話により所定の正しい操作が行われてドアロックが解除されると、その解除されたことを示す信号が制御部から音声合成ICに出力される。そして、この信号が音声合成ICで音声信号に変換され、この音声信号が無線電話装置を介して車両外部の電話の受話器から音声として伝達される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る機器制御装置の詳細について説明する。参照する図面において、図1は本発明に係る機器制御装置を有する車両セキュリティシステムの概略を示すブロック図、図2は図1の車両セキュリティシステムの設置場所を示す斜視図である。また、図3は図1の機器制御装置の動作を示すフローチャート、図4は図1の車両セキュリティシステムの動作を示すフローチャートである。
【0021】
図1に示すように、車両セキュリティシステムSは、携帯電話(無線電話装置)1と、この携帯電話1が着脱自在に接続される機器制御装置2と、この機器制御装置2に接続されるセンサ3を主に備えている。なお、この携帯電話1と機器制御装置2の接続は、携帯電話1の4極ジャックであるヘッドホンマイク端子(音声信号入出力端子)11に機器制御装置2の4極プラグ(図示せず)が差し込まれることで行われている。
【0022】
携帯電話1は、周知であるハンズフリー対応の機種のうち4極ジャックを有するタイプである。そして、この携帯電話1は、図2に示すように、車室R内の外から見え難い場所、たとえばインナーミラーM内やグローブボックスG内に設置されている。一方、機器制御装置2は、インパネP内に設置され、その内部から延出するコードCがインナーミラーM内やグローブボックスG内の携帯電話1に4極プラグ、4極ジャックを介して接続されている。
【0023】
機器制御装置2は、図1に示すように、DTMFレシーバ21、周波数検出部22、音声合成IC23、暗証番号解析部24および4bitの処理能力を有するマイコン(制御部)25を主に備えている。これらのDTMFレシーバ21、周波数検出部22および音声合成IC23は、それぞれ携帯電話1のヘッドホンマイク端子11に接続されるとともに、マイコン25に接続されている。このマイコン25は、ヘッドホンマイク端子11に接続されるとともに、センサ3や制御対象である図示しないドアロック、ホーン、ハザードおよびエンジンスタータ等に接続されている。そして、暗証番号解析部24は、DTMFレシーバ21とマイコン25の間に配設され、これらに接続されている。
【0024】
ここで、ヘッドホンマイク端子11は、その4極の端子(図示せず)がそれぞれ音声信号出力用、音声信号入力用、オンフック・オフフック用およびグランド用に利用されている。そして、この音声信号出力用の端子にDTMFレシーバ21と周波数検出部22、音声信号入力用の端子に音声合成IC23、オンフック・オフフック用の端子にマイコン25がそれぞれ接続されている。
【0025】
DTMFレシーバ21は、通話中の携帯電話1のヘッドホンマイク端子11から出力されるトーン信号を解読し、その結果を4bitの信号に変換してマイコン25に出力するものである。すなわち、車両外部から電話のダイヤル(キー)を操作することで、この操作に応じた指令がDTMFレシーバ21を介して暗証番号解析部24やマイコン25に出力される。
【0026】
周波数検出部22は、携帯電話1のヘッドホンマイク端子11から出力される所定の呼出音の周波数を検出したときのみに所定の信号をマイコン25に出力するものである。ここで、本実施形態においては、着信時には400Hz/15〜20Hz変調の呼出音を利用し、周波数検出部22で15〜20Hzの周波数を検出することで、着信を判断させている。また、通話完了時は400Hzである話中の音を利用することで通話完了を判断させている。そして、この周波数検出部22は、着信と判断した場合に携帯電話1をオフフックさせる信号をマイコン25に出力し、通話完了と判断した場合に携帯電話1をオンフックさせる信号をマイコン25に出力している。
【0027】
なお、携帯電話1の設定において、ユーザーが利用する電話番号(自宅の電話や自分の携帯電話等の電話番号)のみに対応して所定の周波数の呼出音が鳴るように設定し、その周波数のみを周波数検出部22で検出させることが望ましい。この場合、その他の電話番号が着信したときには周波数検出部22から所定の信号が出力されないので、他人による機器制御装置2の操作を防止することができる。
【0028】
音声合成IC23は、マイコン25から出力される信号を音声信号に変換して携帯電話1のヘッドホンマイク端子11に出力(アンサーバック)するものである。すなわち、この音声合成IC23は、その内部に記憶された音声データをマイコン25からの信号に基づいて適宜選択して再生するものである。
【0029】
暗証番号解析部24は、DTMFレシーバ21から出力される信号が所定の信号と一致しているか否かを判断するものである。すなわち、この暗証番号解析部24では、DTMFレシーバ21からの信号がユーザーにより予め設定された暗証番号と一致していると判断した場合のみにDTMFレシーバ21とマイコン25とを通信可能な状態とし、それ以外の場合はDTMFレシーバ21からの信号を遮断する。
【0030】
マイコン25は、周波数検出部22から出力される所定の信号に基づいて携帯電話1の通話状態を切り換える信号をヘッドホンマイク端子11に出力する。また、このマイコン25は、DTMFレシーバ21から出力される信号に基づいてセンサ3のオン・オフや制御対象を適宜制御している。すなわち、車両外部の電話で所定のコントロールコマンドを入力することで、このコントロールコマンドに応じた制御をマイコン25が行うこととなる。たとえば、“*”,“1”のキーが押された場合はドアロックが実行され、また、“*”,“2”のキーが押された場合はエンジンスタートが実行される等、各コントロールコマンドに応じた制御が行われる。さらに、このマイコン25は、DTMFレシーバ21、センサ3または制御対象から入力される信号に応じた所定の音声データを呼び出すための信号を音声合成IC23に出力している。
【0031】
センサ3は、車両に対する異常を検出するものであって、たとえば車両に加わる振動や衝撃を検出する振動・衝撃センサや、車両内に侵入した人から発せられるわずかな赤外線を検出する焦電型赤外線センサ、または、車両のドアを開けたことを検出するドアオープンセンサ等である。
【0032】
次に、この車両セキュリティシステムSにおける機器制御装置2の動作について説明する。
図3(a)に示すように、まず、ユーザーが車両セキュリティシステムSの携帯電話1に電話をかけると(ステップS1)、この携帯電話1から所定の呼出音が出力され、その周波数が所定の値であるか否かが周波数検出部22で判断される(ステップS2)。このステップS2において、所定の周波数が検出された場合、すなわちユーザーからの着信と判断した場合は、周波数検出部22から所定の信号がマイコン25に出力され、このマイコン25により携帯電話1がオフフックされる(ステップS3)。また、ステップS2において、所定の周波数が検出されない場合、すなわちユーザーからの着信ではないと判断した場合は、周波数検出部22から信号は出力されないので、携帯電話1がオンフック状態のままとなり、この機器制御装置2は省電力モードで待機することになる(ステップS4)。
【0033】
前記ステップS3の後、マイコン25が音声合成IC23に所定の信号を出力することで、ユーザー側の電話から「暗証番号を入力して下さい。」というアナウンスが流れ、このアナウンスに従ってユーザーが暗証番号を入力する(ステップS5)。このステップS5において、ユーザーが電話のダイヤルを押して所定の番号を入力すると、そのトーン信号が携帯電話1のヘッドホンマイク端子11からDTMFレシーバ21に送られて解読され、その結果が4bitの信号に変換されて暗証番号解析部24に出力される。そして、この暗証番号解析部24によりユーザーが入力した番号が所定の暗証番号と一致するか否かが判断される(ステップS6)。このステップS6において、入力した番号と所定の暗証番号が一致した場合、マイコン25と音声合成IC23により「コントロールを許可します。」というアナウンスがユーザーにアンサーバックされる(ステップS7)。また、ステップS6において、入力した番号と所定の暗証番号が一致していないと判断された場合、マイコン25と音声合成IC23により「番号が違います。」というアナウンスがアンサーバックされるとともに(ステップS8)、ステップS5に戻され、ユーザーは再度暗証番号を入力することになる。
【0034】
前記ステップS7の後、ユーザーがコントロールコマンドを入力すると(ステップS9)、そのコントロールコマンドが所定のコマンドであるか否かが判別される(ステップS10)。このステップS10において、所定のコマンドではないと判断された場合は、マイコン25と音声合成IC23により「コマンドが違います。」というアナウンスがユーザーにアンサーバックされ(ステップS11)、ステップS9に戻される。また、ステップS10において、所定のコマンドが入力されたと判断された場合は、その各コマンドに応じた制御がマイコン25で行われるとともに、各コマンドに応じたアナウンスがユーザーにアンサーバックされる(ステップS12)。たとえば、“*”,“1”のキーを押すと、マイコン25でドアロックの解除(または実行)が行われるとともに、「ドアロックが解除(または実行)されました。」というアナウンスがアンサーバックされる。そして、このステップS12の後は、前記ステップS9に戻り、コントロールコマンドの入力待ちとなる。
【0035】
また、前記ステップS3で携帯電話1がオフフックされると、それ以降の処理(ステップS5〜S12)中において常に、図3(b)に示すような通話終了か否かの判断が行われる(ステップS20)。このステップS20において、通話が終了していないと判断されている間は、マイコン25は常にコントロール待ちの状態となる(ステップS21)。また、ステップS20において、通話が終了したと判断された場合は、すなわちユーザーが電話を切った場合は携帯電話1がマイコン25によりオンフックされ(ステップS22)、マイコン25が前記ステップS4の省電力モードで待機することとなる。
【0036】
なお、前記ステップS9において、センサ3を作動させるコマンドを入力すると、図4に示すように、車両セキュリティシステムSがセキュリティモードで待機することになる(ステップS30)。その後は常に、センサ3により車両の異常が検出されたか否かがマイコン25で判断される(ステップS31)。そして、このステップS31において、車両の異常が検出された場合は、フラッシュ作動(ステップS32)、ハザード作動(ステップS33)、ホーン作動(ステップS34)による犯人威嚇のための動作が行われる。また、この異常検出時に携帯電話1と車両外部の電話が通話状態である場合や異常検出後にユーザーから携帯電話1に電話をかけた場合には、マイコン25と音声合成IC23により「車両異常検出、車まで戻って下さい。」というアナウンスがユーザーにアンサーバックされる。
【0037】
以上によれば、本実施形態において、次のような効果を得ることができる。
(1)携帯電話1と機器制御装置2がヘッドホンマイク端子11のみで接続されているので、メーカー毎による仕様の違いに対応すべくインターフェースを別個に用意する必要がない。また、DTMFレシーバ21でトーン信号が4bitの信号に変換されるので、4bitの処理能力を有するマイコン25を使用することができる。したがって、この機器制御装置2によれば、多種のインターフェースを別個に用意する必要がなく、かつ8bitよりも低いbit数の処理能力を有するマイコン25の使用が可能となり、コストを低くすることができる。また、携帯電話1が機器制御装置2に着脱自在に取り付けられるので、この携帯電話1を単独で使用することができる。
【0038】
(2)暗証番号解析部24で暗証番号を知らない他人の操作を防止するので、防犯機能をより高めることができる。
(3)車両セキュリティシステムSのセンサ3のオン・オフを車両外部からコントロールできるので、従来のような車両を駐車場等に駐車した時点で作動させる必要があるシステムに比べてバッテリの電気を節約することができる。
(4)マイコン25から出力される種々の信号が音声合成IC23を介して音声としてユーザーに伝達されるので、ユーザーが音声に従って操作したり、音声により操作の確認を行うことができる。
【0039】
以上、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
(i)たとえば、本実施形態の機器制御装置2を、送信機能を有する構造にしてもよい。この場合、センサ3で車両の異常を検出した時点で、その情報を携帯電話1を介してユーザーの電話へ伝えることができる。
(ii)本実施形態では、4極ジャックのタイプの携帯電話1を利用したが、本発明はこれに限定されず、たとえば3極ジャックのタイプの携帯電話を利用してもよい。この場合、機器制御装置2の4極プラグを3極プラグに変換する変換用プラグを必要とするが、従来のようにコントロール端子毎に種々のインターフェースを要するものに比べて一つの変換用プラグを用意するだけで十分なので、その分コストを低くすることができる。また、この場合は、携帯電話自体の自動着信および自動終話機能を利用する必要があり、周波数検出部22は必要なくなる。
(iii)さらに、本実施形態の携帯電話1がGPS機能を有するものであれば、盗難された車両の位置を知ることができる。
【0040】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、無線電話装置と機器制御装置が音声信号入出力端子のみで接続されているので、メーカー毎による仕様の違いに対応すべくインターフェースを別個に用意する必要がない。また、DTMFレシーバでトーン信号が4bitの信号に変換されるので、制御部として4bitの処理能力を有するマイコン等を使用することができる。したがって、この機器制御装置によれば、多種のインターフェースを別個に用意する必要がなく、かつ8bitよりも低いbit数の処理能力を有するマイコンの使用が可能となり、コストを低くすることができる。
【0041】
請求項2に記載の発明によれば、無線電話装置と機器制御装置が音声信号入出力端子のみで接続され、かつDTMFレシーバでトーン信号が4bitの信号に変換されるので、多種のインターフェースを別個に用意する必要がなく、かつ8bitよりも低いbit数のマイコンの使用が可能となり、コストを低くすることができる。さらに、周波数検出部で呼出音が特定の周波数であると検出されたときのみに無線電話装置がオフフックされるので、その他の周波数の呼出音(特定の電話番号以外からの呼び出し)では無線電話装置が通話状態にならず防犯機能が高まる。
【0042】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明による効果に加え、暗証番号解析部で暗証番号を知らない他人の操作を防止するので、防犯機能をより高めることができる。
【0043】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3のうちのいずれか1項に記載の発明による効果に加え、たとえば車両セキュリティシステムのセンサのオン・オフを車両外部からコントロールできるので、その分バッテリの電気を節約することができる。
【0044】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項4のうちのいずれか1項に記載の発明による効果に加え、制御部から出力される種々の信号が音声合成ICを介して音声としてユーザーに伝達されるので、ユーザーが音声に従って操作したり、音声により操作の確認を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る機器制御装置を有する車両セキュリティシステムの概略を示すブロック図である。
【図2】図1の車両セキュリティシステムの設置場所を示す斜視図である。
【図3】図1の機器制御装置の動作を示す図であり、ステップS1〜S12までの動作を示すフローチャート(a)と、ステップS20〜S22までの動作を示すフローチャート(b)である。
【図4】図1の車両セキュリティシステムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
S 車両セキュリティシステム
1 携帯電話(無線電話装置)
2 機器制御装置
3 センサ
11 ヘッドホンマイク端子(音声信号入出力端子)
21 DTMFレシーバ
22 周波数検出部
23 音声合成IC
24 暗証番号解析部
25 マイコン(制御部)
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話等を利用して車両の各種機器を遠隔操作するための機器制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯電話やPHS等の無線電話装置を利用して遠隔操作を行う機器制御装置は、車両用のドアロックやエンジンスタータ等の遠隔操作や車両セキュリティシステム等に利用されている。このような機器制御装置としては、たとえば特開2001−111705号公報や、特開平11−96466号公報に開示されるものがある。
【0003】
特開2001−111705号公報に開示される機器制御装置は、車両内部に設けられてドアロック等の遠隔操作に利用されるものであり、携帯電話の機能のみが受信部や認証部等として装置内部に組み込まれている。そして、この機器制御装置では、車両外部から携帯電話で所定の操作をすることによりドアロック等の各種機器の遠隔操作を行っている。
【0004】
特開平11−96466号公報に開示される機器制御装置は、車両セキュリティシステムに利用されるものであり、携帯電話のイヤホンジャックとコントロール端子(外部接続端子)に装置側の端子を接続することで携帯電話が着脱自在な状態で取り付けられている。そして、この機器制御装置では、取り付けられている携帯電話に車両外部から電話をかけ、それらが通話状態になるとコントロール端子とマイコンの間で8bit以上のシリアルデータの送受信が行われる。たとえば、車両外部の電話のボタンを適宜操作すると、その操作に応じたシリアルデータが携帯電話からマイコンに送られ、そのデータに基づいた情報が音声合成ICやイヤホンジャック等を介して車両外部の電話から音声として伝達されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の特開2001−111705号公報に開示される機器制御装置では、携帯電話の機能のみをシステム内に組み込むので、携帯電話を単独で使用することができないといった問題があった。また、その装置用に携帯電話の機能を専用設計するため、システムにかかるコストが高くなっていた。
【0006】
一方、従来の特開平11−96466号公報に開示される機器制御装置では、携帯電話のコントロール端子の形状や仕様がメーカー毎によって異なるため、各コントロール端子に合わせた多種のインターフェースを別個に用意する必要があり、その分コストが高くなっていた。さらに、この機器制御装置では、8bit以上のシリアルデータを処理するために8bit以上の処理能力を有するマイコンが必要となり、その分コストが高くなっていた。
【0007】
そこで、本発明の課題は、携帯電話が単独使用できることを前提としつつ、多種のインターフェースを別個に用意する必要がなく、かつ8bitよりも低いbit数の処理能力を有するマイコンの使用を可能にすることでコストを低くすることができる機器制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決した本発明のうちの請求項1に記載の発明は、自動着信および自動終話機能を有する無線電話装置が着脱自在に接続される機器制御装置であって、前記無線電話装置の音声信号入出力端子に接続され、その音声信号入出力端子から出力されるトーン信号を解読するDTMFレシーバと、このDTMFレシーバから出力される信号に基づいて制御対象を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
ここで、「無線電話装置」とは、無線電話回線を利用した携帯電話やPHS等の携帯式の電話である。また、「音声信号入出力端子」とは、一般にイヤホンマイク端子やヘッドホンマイク端子と呼ばれるものであり、その種類として3極ジャックや4極ジャックのものが主に挙げられる。そして、一般に携帯電話において、この3極ジャックは、その3つの端子が音声信号入力、音声信号出力およびグランドとして利用される。また、4極ジャックは、その4つの端子が音声信号入力、音声信号出力、グランドおよびオフフック・オンフック(受話器を取る・受話器を置く)用として利用される。さらに、この音声信号入出力端子は、その仕様がメーカー毎によって異なることはなく、同様の構造となっている。また、「トーン信号」とは、電話機のダイヤルを押したときに出る通常「ピッポッパッ」と表現される信号であり、具体的には二つの信号が混ざり合っているツートン信号である。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、たとえば車両のドアロックを車両外部から解除する場合、まずトーン信号を出す電話により車両外部から機器制御装置に接続された無線電話装置を呼び出すと、この無線電話装置は自動着信機能により自動的にオフフックされて通話が可能な状態となる。次に、車両外部から電話のダイヤルを押して所定の番号を入力すると、そのトーン信号が無線電話装置の音声信号入出力端子からDTMFレシーバに送られて解読され、その結果が4bitの信号に変換されて制御部に出力される。そして、この制御部ではその4bitの信号に基づいて制御対象であるドアロックを解除するように制御する。
【0011】
請求項2に記載の発明は、無線電話装置が着脱自在に接続される機器制御装置であって、前記無線電話装置の音声信号入出力端子に接続され、その音声信号入出力端子から出力される所定の呼出音の周波数を検出すると所定の信号を出力する周波数検出部と、前記無線電話装置の音声信号入出力端子に接続され、その音声信号入出力端子から出力されるトーン信号を解読するDTMFレシーバと、前記周波数検出部から出力される所定の信号に基づいて前記無線電話装置の通話状態を切り換え、かつ前記DTMFレシーバから出力される信号に基づいて制御対象を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、たとえば車両のドアロックを車両外部から解除する場合、まず外部の電話により機器制御装置に接続された無線電話装置を呼び出すと、この無線電話装置の音声信号入出力端子から所定の周波数の呼出音が周波数検出部に出力される。この周波数検出部は、音声信号入出力端子から出力される所定の周波数の呼出音を検出したときのみに所定の信号を制御部に出力する。この制御部は、周波数検出部からの所定の信号に基づいて無線電話装置の通話状態をオンフック状態からオフフック状態に切り換えて、その無線電話装置を通話が可能な状態にする。次に、電話のダイヤルを押して所定の番号を入力すると、そのトーン信号が無線電話装置の音声信号入出力端子からDTMFレシーバに送られて解読され、その結果が4bitの信号に変換されて制御部に出力される。そして、この制御部ではその4bitの信号に基づいて制御対象であるドアロックを解除するように制御する。
【0013】
なお、この周波数検出部を利用して無線電話装置の通話状態を制御するためには、その無線電話装置の音声信号入出力端子が4極ジャックである必要がある。また、4極ジャックの無線電話装置を使用しない場合は、その無線電話装置自身の自動着信および自動終話機能を利用してその通話状態を制御する。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明の構成において、前記DTMFレシーバと前記制御部との間には、DTMFレシーバから出力される信号が所定の信号と一致しているか否かを判断する暗証番号解析部が設けられることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明による作用に加え、DTMFレシーバから出力される信号は、暗証番号解析部により所定の信号と一致しているか否かが判断される。そして、二つの信号が一致したときのみにDTMFレシーバと制御部とを通信可能な状態にすることで、暗証番号を知らない他人の操作を防止することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のうちのいずれか1項に記載の発明の構成において、前記制御部には、車両セキュリティシステムのセンサが接続されていることを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3のうちのいずれか1項に記載の発明による作用に加え、たとえばトーン信号を出す電話により車両外部から機器制御装置の無線電話装置に電話して、車両セキュリティシステムのセンサのオン・オフを選択することができる。そのため、この車両セキュリティシステムでは、従来のような車両を駐車場等に駐車した時点で作動させる必要がある車両セキュリティシステムに比べてバッテリの電気を節約することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のうちのいずれか1項に記載の発明の構成において、前記制御部から出力される信号を音声信号に変換して前記無線電話装置の音声信号入出力端子に出力する音声合成ICを備えることを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項4のうちのいずれか1項に記載の発明による作用に加え、たとえば車両外部からドアロックを解除する操作をする場合、車両外部の電話により所定の正しい操作が行われてドアロックが解除されると、その解除されたことを示す信号が制御部から音声合成ICに出力される。そして、この信号が音声合成ICで音声信号に変換され、この音声信号が無線電話装置を介して車両外部の電話の受話器から音声として伝達される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る機器制御装置の詳細について説明する。参照する図面において、図1は本発明に係る機器制御装置を有する車両セキュリティシステムの概略を示すブロック図、図2は図1の車両セキュリティシステムの設置場所を示す斜視図である。また、図3は図1の機器制御装置の動作を示すフローチャート、図4は図1の車両セキュリティシステムの動作を示すフローチャートである。
【0021】
図1に示すように、車両セキュリティシステムSは、携帯電話(無線電話装置)1と、この携帯電話1が着脱自在に接続される機器制御装置2と、この機器制御装置2に接続されるセンサ3を主に備えている。なお、この携帯電話1と機器制御装置2の接続は、携帯電話1の4極ジャックであるヘッドホンマイク端子(音声信号入出力端子)11に機器制御装置2の4極プラグ(図示せず)が差し込まれることで行われている。
【0022】
携帯電話1は、周知であるハンズフリー対応の機種のうち4極ジャックを有するタイプである。そして、この携帯電話1は、図2に示すように、車室R内の外から見え難い場所、たとえばインナーミラーM内やグローブボックスG内に設置されている。一方、機器制御装置2は、インパネP内に設置され、その内部から延出するコードCがインナーミラーM内やグローブボックスG内の携帯電話1に4極プラグ、4極ジャックを介して接続されている。
【0023】
機器制御装置2は、図1に示すように、DTMFレシーバ21、周波数検出部22、音声合成IC23、暗証番号解析部24および4bitの処理能力を有するマイコン(制御部)25を主に備えている。これらのDTMFレシーバ21、周波数検出部22および音声合成IC23は、それぞれ携帯電話1のヘッドホンマイク端子11に接続されるとともに、マイコン25に接続されている。このマイコン25は、ヘッドホンマイク端子11に接続されるとともに、センサ3や制御対象である図示しないドアロック、ホーン、ハザードおよびエンジンスタータ等に接続されている。そして、暗証番号解析部24は、DTMFレシーバ21とマイコン25の間に配設され、これらに接続されている。
【0024】
ここで、ヘッドホンマイク端子11は、その4極の端子(図示せず)がそれぞれ音声信号出力用、音声信号入力用、オンフック・オフフック用およびグランド用に利用されている。そして、この音声信号出力用の端子にDTMFレシーバ21と周波数検出部22、音声信号入力用の端子に音声合成IC23、オンフック・オフフック用の端子にマイコン25がそれぞれ接続されている。
【0025】
DTMFレシーバ21は、通話中の携帯電話1のヘッドホンマイク端子11から出力されるトーン信号を解読し、その結果を4bitの信号に変換してマイコン25に出力するものである。すなわち、車両外部から電話のダイヤル(キー)を操作することで、この操作に応じた指令がDTMFレシーバ21を介して暗証番号解析部24やマイコン25に出力される。
【0026】
周波数検出部22は、携帯電話1のヘッドホンマイク端子11から出力される所定の呼出音の周波数を検出したときのみに所定の信号をマイコン25に出力するものである。ここで、本実施形態においては、着信時には400Hz/15〜20Hz変調の呼出音を利用し、周波数検出部22で15〜20Hzの周波数を検出することで、着信を判断させている。また、通話完了時は400Hzである話中の音を利用することで通話完了を判断させている。そして、この周波数検出部22は、着信と判断した場合に携帯電話1をオフフックさせる信号をマイコン25に出力し、通話完了と判断した場合に携帯電話1をオンフックさせる信号をマイコン25に出力している。
【0027】
なお、携帯電話1の設定において、ユーザーが利用する電話番号(自宅の電話や自分の携帯電話等の電話番号)のみに対応して所定の周波数の呼出音が鳴るように設定し、その周波数のみを周波数検出部22で検出させることが望ましい。この場合、その他の電話番号が着信したときには周波数検出部22から所定の信号が出力されないので、他人による機器制御装置2の操作を防止することができる。
【0028】
音声合成IC23は、マイコン25から出力される信号を音声信号に変換して携帯電話1のヘッドホンマイク端子11に出力(アンサーバック)するものである。すなわち、この音声合成IC23は、その内部に記憶された音声データをマイコン25からの信号に基づいて適宜選択して再生するものである。
【0029】
暗証番号解析部24は、DTMFレシーバ21から出力される信号が所定の信号と一致しているか否かを判断するものである。すなわち、この暗証番号解析部24では、DTMFレシーバ21からの信号がユーザーにより予め設定された暗証番号と一致していると判断した場合のみにDTMFレシーバ21とマイコン25とを通信可能な状態とし、それ以外の場合はDTMFレシーバ21からの信号を遮断する。
【0030】
マイコン25は、周波数検出部22から出力される所定の信号に基づいて携帯電話1の通話状態を切り換える信号をヘッドホンマイク端子11に出力する。また、このマイコン25は、DTMFレシーバ21から出力される信号に基づいてセンサ3のオン・オフや制御対象を適宜制御している。すなわち、車両外部の電話で所定のコントロールコマンドを入力することで、このコントロールコマンドに応じた制御をマイコン25が行うこととなる。たとえば、“*”,“1”のキーが押された場合はドアロックが実行され、また、“*”,“2”のキーが押された場合はエンジンスタートが実行される等、各コントロールコマンドに応じた制御が行われる。さらに、このマイコン25は、DTMFレシーバ21、センサ3または制御対象から入力される信号に応じた所定の音声データを呼び出すための信号を音声合成IC23に出力している。
【0031】
センサ3は、車両に対する異常を検出するものであって、たとえば車両に加わる振動や衝撃を検出する振動・衝撃センサや、車両内に侵入した人から発せられるわずかな赤外線を検出する焦電型赤外線センサ、または、車両のドアを開けたことを検出するドアオープンセンサ等である。
【0032】
次に、この車両セキュリティシステムSにおける機器制御装置2の動作について説明する。
図3(a)に示すように、まず、ユーザーが車両セキュリティシステムSの携帯電話1に電話をかけると(ステップS1)、この携帯電話1から所定の呼出音が出力され、その周波数が所定の値であるか否かが周波数検出部22で判断される(ステップS2)。このステップS2において、所定の周波数が検出された場合、すなわちユーザーからの着信と判断した場合は、周波数検出部22から所定の信号がマイコン25に出力され、このマイコン25により携帯電話1がオフフックされる(ステップS3)。また、ステップS2において、所定の周波数が検出されない場合、すなわちユーザーからの着信ではないと判断した場合は、周波数検出部22から信号は出力されないので、携帯電話1がオンフック状態のままとなり、この機器制御装置2は省電力モードで待機することになる(ステップS4)。
【0033】
前記ステップS3の後、マイコン25が音声合成IC23に所定の信号を出力することで、ユーザー側の電話から「暗証番号を入力して下さい。」というアナウンスが流れ、このアナウンスに従ってユーザーが暗証番号を入力する(ステップS5)。このステップS5において、ユーザーが電話のダイヤルを押して所定の番号を入力すると、そのトーン信号が携帯電話1のヘッドホンマイク端子11からDTMFレシーバ21に送られて解読され、その結果が4bitの信号に変換されて暗証番号解析部24に出力される。そして、この暗証番号解析部24によりユーザーが入力した番号が所定の暗証番号と一致するか否かが判断される(ステップS6)。このステップS6において、入力した番号と所定の暗証番号が一致した場合、マイコン25と音声合成IC23により「コントロールを許可します。」というアナウンスがユーザーにアンサーバックされる(ステップS7)。また、ステップS6において、入力した番号と所定の暗証番号が一致していないと判断された場合、マイコン25と音声合成IC23により「番号が違います。」というアナウンスがアンサーバックされるとともに(ステップS8)、ステップS5に戻され、ユーザーは再度暗証番号を入力することになる。
【0034】
前記ステップS7の後、ユーザーがコントロールコマンドを入力すると(ステップS9)、そのコントロールコマンドが所定のコマンドであるか否かが判別される(ステップS10)。このステップS10において、所定のコマンドではないと判断された場合は、マイコン25と音声合成IC23により「コマンドが違います。」というアナウンスがユーザーにアンサーバックされ(ステップS11)、ステップS9に戻される。また、ステップS10において、所定のコマンドが入力されたと判断された場合は、その各コマンドに応じた制御がマイコン25で行われるとともに、各コマンドに応じたアナウンスがユーザーにアンサーバックされる(ステップS12)。たとえば、“*”,“1”のキーを押すと、マイコン25でドアロックの解除(または実行)が行われるとともに、「ドアロックが解除(または実行)されました。」というアナウンスがアンサーバックされる。そして、このステップS12の後は、前記ステップS9に戻り、コントロールコマンドの入力待ちとなる。
【0035】
また、前記ステップS3で携帯電話1がオフフックされると、それ以降の処理(ステップS5〜S12)中において常に、図3(b)に示すような通話終了か否かの判断が行われる(ステップS20)。このステップS20において、通話が終了していないと判断されている間は、マイコン25は常にコントロール待ちの状態となる(ステップS21)。また、ステップS20において、通話が終了したと判断された場合は、すなわちユーザーが電話を切った場合は携帯電話1がマイコン25によりオンフックされ(ステップS22)、マイコン25が前記ステップS4の省電力モードで待機することとなる。
【0036】
なお、前記ステップS9において、センサ3を作動させるコマンドを入力すると、図4に示すように、車両セキュリティシステムSがセキュリティモードで待機することになる(ステップS30)。その後は常に、センサ3により車両の異常が検出されたか否かがマイコン25で判断される(ステップS31)。そして、このステップS31において、車両の異常が検出された場合は、フラッシュ作動(ステップS32)、ハザード作動(ステップS33)、ホーン作動(ステップS34)による犯人威嚇のための動作が行われる。また、この異常検出時に携帯電話1と車両外部の電話が通話状態である場合や異常検出後にユーザーから携帯電話1に電話をかけた場合には、マイコン25と音声合成IC23により「車両異常検出、車まで戻って下さい。」というアナウンスがユーザーにアンサーバックされる。
【0037】
以上によれば、本実施形態において、次のような効果を得ることができる。
(1)携帯電話1と機器制御装置2がヘッドホンマイク端子11のみで接続されているので、メーカー毎による仕様の違いに対応すべくインターフェースを別個に用意する必要がない。また、DTMFレシーバ21でトーン信号が4bitの信号に変換されるので、4bitの処理能力を有するマイコン25を使用することができる。したがって、この機器制御装置2によれば、多種のインターフェースを別個に用意する必要がなく、かつ8bitよりも低いbit数の処理能力を有するマイコン25の使用が可能となり、コストを低くすることができる。また、携帯電話1が機器制御装置2に着脱自在に取り付けられるので、この携帯電話1を単独で使用することができる。
【0038】
(2)暗証番号解析部24で暗証番号を知らない他人の操作を防止するので、防犯機能をより高めることができる。
(3)車両セキュリティシステムSのセンサ3のオン・オフを車両外部からコントロールできるので、従来のような車両を駐車場等に駐車した時点で作動させる必要があるシステムに比べてバッテリの電気を節約することができる。
(4)マイコン25から出力される種々の信号が音声合成IC23を介して音声としてユーザーに伝達されるので、ユーザーが音声に従って操作したり、音声により操作の確認を行うことができる。
【0039】
以上、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
(i)たとえば、本実施形態の機器制御装置2を、送信機能を有する構造にしてもよい。この場合、センサ3で車両の異常を検出した時点で、その情報を携帯電話1を介してユーザーの電話へ伝えることができる。
(ii)本実施形態では、4極ジャックのタイプの携帯電話1を利用したが、本発明はこれに限定されず、たとえば3極ジャックのタイプの携帯電話を利用してもよい。この場合、機器制御装置2の4極プラグを3極プラグに変換する変換用プラグを必要とするが、従来のようにコントロール端子毎に種々のインターフェースを要するものに比べて一つの変換用プラグを用意するだけで十分なので、その分コストを低くすることができる。また、この場合は、携帯電話自体の自動着信および自動終話機能を利用する必要があり、周波数検出部22は必要なくなる。
(iii)さらに、本実施形態の携帯電話1がGPS機能を有するものであれば、盗難された車両の位置を知ることができる。
【0040】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、無線電話装置と機器制御装置が音声信号入出力端子のみで接続されているので、メーカー毎による仕様の違いに対応すべくインターフェースを別個に用意する必要がない。また、DTMFレシーバでトーン信号が4bitの信号に変換されるので、制御部として4bitの処理能力を有するマイコン等を使用することができる。したがって、この機器制御装置によれば、多種のインターフェースを別個に用意する必要がなく、かつ8bitよりも低いbit数の処理能力を有するマイコンの使用が可能となり、コストを低くすることができる。
【0041】
請求項2に記載の発明によれば、無線電話装置と機器制御装置が音声信号入出力端子のみで接続され、かつDTMFレシーバでトーン信号が4bitの信号に変換されるので、多種のインターフェースを別個に用意する必要がなく、かつ8bitよりも低いbit数のマイコンの使用が可能となり、コストを低くすることができる。さらに、周波数検出部で呼出音が特定の周波数であると検出されたときのみに無線電話装置がオフフックされるので、その他の周波数の呼出音(特定の電話番号以外からの呼び出し)では無線電話装置が通話状態にならず防犯機能が高まる。
【0042】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明による効果に加え、暗証番号解析部で暗証番号を知らない他人の操作を防止するので、防犯機能をより高めることができる。
【0043】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3のうちのいずれか1項に記載の発明による効果に加え、たとえば車両セキュリティシステムのセンサのオン・オフを車両外部からコントロールできるので、その分バッテリの電気を節約することができる。
【0044】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項4のうちのいずれか1項に記載の発明による効果に加え、制御部から出力される種々の信号が音声合成ICを介して音声としてユーザーに伝達されるので、ユーザーが音声に従って操作したり、音声により操作の確認を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る機器制御装置を有する車両セキュリティシステムの概略を示すブロック図である。
【図2】図1の車両セキュリティシステムの設置場所を示す斜視図である。
【図3】図1の機器制御装置の動作を示す図であり、ステップS1〜S12までの動作を示すフローチャート(a)と、ステップS20〜S22までの動作を示すフローチャート(b)である。
【図4】図1の車両セキュリティシステムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
S 車両セキュリティシステム
1 携帯電話(無線電話装置)
2 機器制御装置
3 センサ
11 ヘッドホンマイク端子(音声信号入出力端子)
21 DTMFレシーバ
22 周波数検出部
23 音声合成IC
24 暗証番号解析部
25 マイコン(制御部)
Claims (5)
- 自動着信および自動終話機能を有する無線電話装置が着脱自在に接続される機器制御装置であって、
前記無線電話装置の音声信号入出力端子に接続され、その音声信号入出力端子から出力されるトーン信号を解読するDTMFレシーバと、
このDTMFレシーバから出力される信号に基づいて制御対象を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする機器制御装置。 - 無線電話装置が着脱自在に接続される機器制御装置であって、
前記無線電話装置の音声信号入出力端子に接続され、その音声信号入出力端子から出力される所定の呼出音の周波数を検出すると所定の信号を出力する周波数検出部と、
前記無線電話装置の音声信号入出力端子に接続され、その音声信号入出力端子から出力されるトーン信号を解読するDTMFレシーバと、
前記周波数検出部から出力される所定の信号に基づいて前記無線電話装置の通話状態を切り換え、かつ前記DTMFレシーバから出力される信号に基づいて制御対象を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする機器制御装置。 - 前記DTMFレシーバと前記制御部との間には、DTMFレシーバから出力される信号が所定の信号と一致しているか否かを判断する暗証番号解析部が設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の機器制御装置。
- 前記制御部には、車両セキュリティシステムのセンサが接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちのいずれか1項に記載の機器制御装置。
- 前記制御部から出力される信号を音声信号に変換して前記無線電話装置の音声信号入出力端子に出力する音声合成ICを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちのいずれか1項に記載の機器制御装置。
Priority Applications (1)
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JP2002161869A JP2004015107A (ja) | 2002-06-03 | 2002-06-03 | 機器制御装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102015001099A1 (de) * | 2015-01-30 | 2016-08-04 | Schalltechnik Dr.-Ing. Schoeps Gmbh | Vorrichtung und Verfahren zur Konfiguration eines digitalen Mikrofons |
CN106227079A (zh) * | 2016-06-30 | 2016-12-14 | 大连楼兰科技股份有限公司 | 车联网嵌入式系统中使用dtmf技术控制车辆的方法、平台及应用 |
-
2002
- 2002-06-03 JP JP2002161869A patent/JP2004015107A/ja active Pending
Cited By (2)
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DE102015001099A1 (de) * | 2015-01-30 | 2016-08-04 | Schalltechnik Dr.-Ing. Schoeps Gmbh | Vorrichtung und Verfahren zur Konfiguration eines digitalen Mikrofons |
CN106227079A (zh) * | 2016-06-30 | 2016-12-14 | 大连楼兰科技股份有限公司 | 车联网嵌入式系统中使用dtmf技术控制车辆的方法、平台及应用 |
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