JP2004009274A - 中空デバイスの製造方法並びに中空デバイス及び中空デバイスを有する反応装置 - Google Patents

中空デバイスの製造方法並びに中空デバイス及び中空デバイスを有する反応装置 Download PDF

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Yasushi Tominaga
富永 康
Takahiro Nakada
中田 高弘
Yukari Yasunaga
安永 ゆかり
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Abstract

【課題】nm〜μm単位の微細で複雑なパターンの中空部を有する中空デバイスを簡易にかつ低コストで精度良く製造する。
【解決手段】エポキシ樹脂等の本体用材料2を、自己保形性を有する程度にまで硬化させて第1デバイス本体12Aを形成する。この第1デバイス本体12Aにより銅箔(中空部形成部材用基材5)を支持し、銅箔の上にインクジェットでレジスト6を所定のパターンに描画した後、溶剤により銅箔をエッチングして、レジスト6により特定される所定のパターンを有する中空部形成部材3を形成する。この中空部形成部材3をプレスにより第1デバイス本体12A内に埋め込んだ後、中空部形成部材を除去して、第1デバイス本体12Aに中空部用凹部14Aを形成する。この第1デバイス本体12Aに、無垢の表面を有する第2デバイス本体12Bを接着して、中空部14を有する中空デバイス10を製造する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部に中空部を有する中空デバイス、特に、この中空部が内寸nm〜μm単位である微細な管状の流路(マイクロチャンネル)を有するマイクロリアクター(微小反応装置)用の流路デバイスとして使用することができる中空デバイス及びその製造方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、特に、例えば、遺伝子解析に使用されるPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)等の生化学関連の分野や、反応液と冷却液とを交互に流すことにより高い熱交換率を有する熱交換器やミキサー等の化学反応・合成関連の分野等において、従来のcm単位の寸法の反応装置よりも更に小さい、例えば、500μm以下の内寸を有する流路(マイクロチャンネル)を備えたマイクロリアクター(微小反応装置)の実用化が試みられている。
【0003】
このマイクロリアクターは、液体状又は気体状等の流体(反応生成物)を流路内に流すことにより様々な反応を起こすものであるが、その流路が内寸nm〜μm単位と微細であるため、(1)反応条件を精密に制御することができることから、副生成物の発生がきわめて少なく環境・資源面で有利であると共に、(2)熱制御が容易となることから、不必要に熱を用いることなく省エネルギー化を実現することができ、更には、(3)様々な反応を容易に制御できることから、反応を適切に管理(制御)して、反応の際の安全性を向上させることができる等の利点を有し、近時着目されるに至っている。
【0004】
このようなマイクロリアクターにおいては、その構成デバイスの1つとして、内部に流体の流路となる中空部を有する中空デバイスが使用され、マイクロリアクターは、この中空デバイスを適宜組み合わせる等して、加熱、冷却のためのデバイス(伝熱管等)と共に、反応生成物の分離(単離)、合成等を行う反応装置として形成される。
【0005】
この中空デバイスは、従来、主に、例えば、ステンレス等の金属製材料から形成されていた。この場合、金属製材料は、溶融温度が非常に高いため、注型によっては、中空部、特に、内寸がμm単位の微細な流路を有するように成形することが困難であった。そのため、従来は、これらの金属製材料の表面にエッチング処理により毛細状の溝を形成した後、これを溶接等により接合して管路状の流路を形成したり、金属製材料にレーザー加工により短管路を形成し、この短管路を接続して形成されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように金属製材料から中空デバイスを製造すると、特に、微細な流路(中空部)を形成するのに、複数の工程と細かな作業を必要とするため、非常に面倒で手間が掛かると共に、その結果、金属製材料の材料費とも相乗して、製造にコストを要する問題があった。また、金属製材料の接合や接続を行う必要もあったため、これらの接合や接続の強度の向上にも配慮をしなければならず、例えば、螺子止め等の強度向上のための特別な処理を施すことも必要であった。加えて、接合の際に、μm単位の微細な内寸を有する流路が精度良く形成されるように、デバイス本体を接合又は中空部を接続することが困難であると共に、溶接等により接合又は接続すると、溶接の際の加熱により金属製材料が熱膨張して精度良く中空部を形成することが困難であった。
【0007】
このため、例えば、流路(中空部)内に使用により不純物(反応外物質)が残存や付着等している場合にも、1回の使用や短期間で交換する等して簡単に廃棄処理することができず、洗浄等した上で再利用する必要があり、不純物等が除去できない場合には、反応に微妙な影響を与えたり、場合によっては、製造にコストや手間を要したにもかかわらず短期間で廃棄しなければならないこともあり、コスト、資源に無駄が生ずるおそれがあった。このことは、マイクロリアクターの環境性、省資源化という利点に逆行するものであり、回避することが望まれる。なお、その他、中空デバイスの材料として、ガラスも使用されていたが、700℃以上の高温で溶融するため、やはり同様に、型に充填して成形することが困難であり、金属製材料の場合と、ほぼ同様の問題を有していた。
【0008】
また、従来の金属製材料から成る中空デバイスでは、内部の中空部(流路)が中空デバイスの外部から観察することができないため、反応生成物の反応状態や導通状態等を確認することができなかった。
【0009】
更に、マイクロリアクターの実用化の更なる進展に伴い、複雑な流路パターンを有するマイクロチャンネルを形成することが今後より一層期待されることが予想されるが、これに伴い複雑なパターンを有する流路となる中空部を簡易に形成することが望まれる。
【0010】
本発明が解決しようとする第1の課題は、上記の問題点に鑑み、簡易にかつ低コストで複雑なパターンを有する微細な中空部を精度良く形成することができる中空デバイスの製造方法を提供することにある。また、本発明の第2の課題は、使い切り及び再利用により適切に反応を起こさせることができる中空デバイスの製造方法を提供することにある。本発明の第3の課題は、同時に、流路等として使用される中空部内の状態を観察することもできる中空デバイスの製造方法を提供するものである。更に、その結果物としての中空デバイス、並びに、このような中空デバイスを有する反応装置、特に、内寸nm〜μm単位の流路を備えたマイクロリアクターとしての反応装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するための第1の手段として、デバイス本体とこのデバイス本体の内部に形成された中空部とを備えた中空デバイスの製造方法であって、本体用材料を少なくとも自己保形性を有する状態にまで硬化又は固化させることにより第1デバイス本体を形成し、この第1デバイス本体により中空部形成部材用基材を支持し、この中空部形成部材用基材を中空部を配置すべきパターンを有するレジストにより覆った後、中空部形成部材用基材をエッチングして、レジストにより特定される所定のパターンを有する中空部形成部材を形成し、この中空部形成部材を第1デバイス本体の所定の位置に埋め込んだ後、中空部形成部材を除去して第1デバイス本体に中空部用凹部を形成し、この中空部用凹部から中空部を形成することを特徴とする中空デバイスの製造方法を提供するものである。
【0012】
このように、レジストにより特定される所定のパターンを有する中空部形成部材により第1デバイス本体に中空部用凹部を形成すると、中空部を複雑なパターンに簡易に設定することができると共に、複雑なパターンを有する中空部を簡易に形成することができると共に、これにより、所望の化学反応その他の様々な反応に適した中空部を簡易に形成することができる。加えて、第1デバイス本体により中空部形成部材の位置を所望の任意の箇所に適切にかつ簡易に調整して設定することができるため、中空部の位置決めを適切に行うことができる。
【0013】
本発明は、上記の課題を解決するための第2の手段として、上記第1の解決手段において、中空部用凹部を有する第1デバイス本体の中空部用凹部が形成された面に予め別途形成された第2デバイス本体を接着して、第1デバイス本体と第2デバイス本体との間で中空部を形成することを特徴とする中空デバイスの製造方法を提供するものである。
【0014】
このように、第1デバイス本体に第2デバイス本体を接着するだけで、特に溝等の凹部の微妙な位置合わせ等を要することなく、第1デバイス本体が有する中空部用凹部を、簡易に複雑なパターンを有する中空部とすることができる。
【0015】
本発明は、上記の課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2のいずれかの解決手段において、レジストを、中空部形成部材用基材の上に直接描画することを特徴とする中空デバイスの製造方法を提供するものである。この直接描画は、具体的には、次の解決手段により達成することができる。
【0016】
本発明は、上記の課題を解決するための第4の手段として、上記第3の解決手段において、レジスト用材料をインクジェットにより噴射して中空部形成部材用基材に付着させて中空部形成部材用基材に中空部を配置すべきパターンをレジスト描画することを特徴とする中空デバイスの製造方法を提供するものである。
【0017】
このように、レジストをインクジェットにより中空部形成部材用基材に直接描画すると、フィルム等を用いることなく、中空部を簡易に複雑なパターンに設定することができる。
【0018】
本発明は、上記の課題を解決するための第5の手段として、上記第1乃至第4のいずれかの解決手段において、レジストを光照射により硬化させることを特徴とする中空デバイスの製造方法を提供するものである。
【0019】
本発明は、上記の課題を解決するための第6の手段として、上記第5の解決手段において、レジストとして感光性樹脂を使用することを特徴とする中空デバイスの製造方法を提供するものである。
【0020】
本発明は、上記の課題を解決するための第7の手段として、上記第1乃至第6のいずれかの解決手段において、中空部形成部材用基材を溶剤により溶解させてエッチングして、所定のパターンを有する中空部形成部材を形成することを特徴とする中空デバイスの製造方法を提供するものである。
【0021】
本発明は、上記の課題を解決するための第8の手段として、上記第1乃至第7のいずれかの解決手段において、中空部形成部材を溶剤により第1デバイス本体から溶出させて除去することにより、第1デバイス本体に中空部用凹部を形成することを特徴とする中空デバイスの製造方法を提供するものである。
【0022】
このように、中空部形成部材を溶剤により溶出させて第1デバイス本体から除去すると、第1デバイス本体から中空部形成部材を簡易に除去して、複雑なパターンを有する中空部用凹部を簡易に形成することができる。
【0023】
本発明は、上記の課題を解決するための第9の手段として、上記第1乃至第8のいずれかの解決手段において、第2デバイス本体は中空部用凹部を有しない無垢の表面を有することを特徴とする中空デバイスの製造方法を提供するものである。
【0024】
このように、無垢の表面を有する第2デバイス本体とすると、溝等の凹部の微妙な位置合わせ等を要することなく、この第2デバイス本体を第1デバイス本体に接着するだけで、第1デバイス本体に形成された中空部用凹部との間で複雑なパターンを有する中空部を簡易に形成することができる。
【0025】
本発明は、上記の課題を解決するための第10の手段として、上記第1乃至第9のいずれかの解決手段において、本体用材料として熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を使用することを特徴とする中空デバイスの製造方法を提供するものである。
【0026】
このように、本体用材料として、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリエーテルサルフォン(PES)等の熱可塑性樹脂を使用すると、これらの樹脂を型に充填してデバイス本体を簡易にかつ適切に成形することができると共に、容易な作業と金属製材料に比べて比較的安価な材料で中空デバイスを製造することができるため、コストを低減させることができると同時に、その結果、短期間で新しい中空デバイスに交換しても経済性が良い一方、特に熱可塑性樹脂を使用した場合にはデバイス本体を溶融させて簡易に再利用することにより、環境性、省資源化を実現することもできる。
【0027】
また、これらの樹脂は、種類が多いため、高弾性率や耐薬品性等、中空デバイスの用途に応じて適切な材質を幅広く選択することができ、中空デバイスを様々な用途に応じて簡易に対応させることができる。更に、この場合、例えば、エポキシ樹脂等の透明となる樹脂製材料を使用することにより、中空部内の状態をデバイス本体の外部から観察することができ、流体の反応状態や導通状態を簡易に確認することができる。
【0028】
本発明は、上記の課題を解決するための第11の手段として、上記第1乃至第10のいずれかの解決手段において、中空部形成部材用基材は銅箔その他の金属材料から成ることを特徴とする中空デバイスの製造方法を提供するものである。
【0029】
本発明は、上記の課題を解決するための第12の手段として、上記第1乃至第11のいずれかの解決手段において、中空部の内寸をnm〜μm単位で形成してマイクロリアクター用の中空デバイスを製造することを特徴とする中空デバイスの製造方法を提供するものである。
【0030】
このように、中空部形成部材の寸法を、例えば、nm〜μm単位の範囲で設定することにより、nm〜μm単位の内寸を有する微細な中空部を簡易にかつ適切に形成することができるため、マイクロリアクターに用いるのに適した中空デバイスを簡易に製造することができる。なお、この場合、中空デバイスは、(1)中空デバイスの中空部内で化学反応や生化学反応等の反応を起こさせるために用いられて中空デバイス自体が反応のためのマイクロリアクター(反応器)として使用されるものでもある場合は勿論、中空デバイス自体の中空部内では化学反応や生化学反応等の反応は行わないが、他のデバイス(反応器)内における反応のために流体を合流、分岐等する経路として使用されてマイクロリアクター(反応器)のために使用されるものであってもよい。また、(2)これらの中空デバイスを始め、例えば、伝熱管等の加熱・冷却のためのデバイスや、流体に圧力を負荷して搬送するためのポンプ等を含む系全体としてのマイクロリアクター(反応装置)の一部を構成する中空デバイスとして使用されるものであっても良い。
【0031】
また、本発明は、上記第1乃至第12の解決手段である中空デバイスの製造方法により製造される中空デバイスをも提供するものである。即ち、具体的には、本発明は、上記の課題を解決するための第13の手段として、デバイス本体とこのデバイス本体の内部に形成された中空部とを備えた中空デバイスであって、デバイス本体は、本体用材料を硬化又は固化させることにより形成された第1デバイス本体とこの第1デバイス本体に接着された第2デバイス本体とから成り、中空部は、本体用材料を少なくとも自己保形性を有する状態にまで硬化又は固化した第1デバイス本体により中空部形成部材用基材を支持してこの中空部形成部材用基材を中空部を配置すべきパターンを有するレジストにより覆った後、中空部形成部材用基材をエッチングしてレジストにより特定される所定のパターンを有する中空部形成部材を形成し、この中空部形成部材を第1デバイス本体の所定の位置に埋め込んだ後中空部形成部材を除去して第1デバイス本体に形成された中空部用凹部と第2デバイス本体との間で形成されていることを特徴とする中空デバイスを提供するものである。
【0032】
本発明は、上記の課題を解決するための第14の手段として、上記第13の解決手段において、レジストは、中空部形成部材用基材の上に直接描画されることを特徴とする中空デバイスを提供するものである。
【0033】
本発明は、上記の課題を解決するための第15の手段として、上記第14の解決手段において、レジストは、レジスト用材料をインクジェットにより噴射して中空部形成部材用基材に付着させることにより中空部形成部材用基材に描画されることを特徴とする中空デバイスを提供するものである。
【0034】
本発明は、上記の課題を解決するための第16の手段として、上記第13乃至第15のいずれかの解決手段において、レジストは、光照射により硬化させられることを特徴とする中空デバイスを提供するものである。
【0035】
本発明は、上記の課題を解決するための第17の手段として、上記第16の解決手段において、レジストは、感光性樹脂から成ることを特徴とする中空デバイスを提供するものである。
【0036】
本発明は、上記の課題を解決するための第18の手段として、上記第13乃至第17のいずれかの解決手段において、中空部形成部材は、中空部形成部材用基材を溶剤により溶解させてエッチングして所定のパターンに形成されることを特徴とする中空デバイスを提供するものである。
【0037】
本発明は、上記の課題を解決するための第19の手段として、上記第13乃至第18のいずれかの解決手段において、第1デバイス本体の中空部用凹部は、中空部形成部材を第1デバイス本体から溶剤により溶出させて除去することにより形成されることを特徴とする中空デバイスを提供するものである。
【0038】
本発明は、上記の課題を解決するための第20の手段として、上記第13乃至第19のいずれかの解決手段において、第2デバイス本体は中空部用凹部を有しない無垢の表面を有することを特徴とする中空デバイスを提供するものである。
【0039】
本発明は、上記の課題を解決するための第21の手段として、上記第13乃至第20のいずれかの解決手段において、本体用材料は、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂であることを特徴とする中空デバイスを提供するものである。
【0040】
本発明は、上記の課題を解決するための第22の手段として、上記第13乃至第21のいずれかの解決手段において、中空部形成部材用基材は銅箔その他の金属材料から成ることを特徴とする中空デバイスを提供するものである。
【0041】
本発明は、上記の課題を解決するための第23の手段として、上記第13乃至第22のいずれかの解決手段において、中空部は前記デバイス本体の外部に連通していることを特徴とする中空デバイスを提供するものである。
【0042】
このように、デバイス本体の外部に連通する中空部とすることにより、中空部がデバイス本体内部への流体の導管として機能する中空デバイスとすることができる。
【0043】
本発明は、上記の課題を解決するための第24の手段として、上記第13乃至第23のいずれかの解決手段において、中空部は管状の流路であることを特徴とする中空デバイスを提供するものである。
【0044】
このように、中空部を、具体的には、流体の導管としての管状の流路とすると、この流路内に流体(反応生成物)を導通させて、混合・分離等の流体の反応に使用することができ、簡易に反応装置を構成する中空デバイスとすることができる。
【0045】
本発明は、上記の課題を解決するための第25の手段として、上記第13乃至第24のいずれかの解決手段において、中空部の内寸がnm〜μm単位であるマイクロリアクター用の中空デバイスであることを特徴とする中空デバイスを提供するものである。
【0046】
更に本発明は、上記第1乃至第25の解決手段により提供される中空デバイスを有する以下の反応装置をも提供するものである。即ち、具体的には、本発明は、上記の課題を解決するための第26の手段として、デバイス本体とこのデバイス本体の内部に形成された中空部とを備えた中空デバイスを有する反応装置であって、デバイス本体は、本体用材料を硬化又は固化させることにより形成された第1デバイス本体とこの第1デバイス本体に接着された第2デバイス本体とから成り、中空部は、本体用材料を少なくとも自己保形性を有する状態にまで硬化又は固化した第1デバイス本体により中空部形成部材用基材を支持してこの中空部形成部材用基材を中空部を配置すべきパターンを有するレジストにより覆った後、中空部形成部材用基材をエッチングしてレジストにより特定される所定のパターンを有する中空部形成部材を形成し、この中空部形成部材を第1デバイス本体の所定の位置に埋め込んだ後中空部形成部材を除去して第1デバイス本体に形成された中空部用凹部と第2デバイス本体との間で形成されていることを特徴とする中空デバイスを備えた反応装置を提供するものである。
【0047】
本発明は、上記の課題を解決するための第27の手段として、上記第26の解決手段において、中空部はデバイス本体の外部に連通する管状の流路であって、中空部の内寸がnm〜μm単位であることを特徴とする中空デバイスを有する反応装置を提供するものである。
【0048】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明すると、図1は、本発明の中空デバイス10の製造方法を実施する状態を示し、この中空デバイス10は、特に、図1(E)に示すように、デバイス本体12と、このデバイス本体12の内部に形成された中空部14とを備えている。
【0049】
このデバイス本体12は、特に、図1(E)に示すように、第1デバイス本体12Aと、この第1デバイス本体12Aに接着された第2デバイス本体12Bとから成っている。これらの各デバイス本体12A、12Bは、図2に示すように、金型1内に、本体用材料2を充填して、この本体用材料2を金型1内で硬化又は固化させることにより形成される。
【0050】
この本体用材料2としては、何らかの方法により硬化又は固化させることができる液体状又は粉末状の材料を使用することができる。具体的には、例えば、溶融若しくは液体状の材料を硬化させることにより、また、粉末材料等を溶融等した後硬化させることにより、デバイス本体12を形成することができるが、特に、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を使用することが望ましい。
【0051】
本体用材料2として、これらの熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を使用する場合、具体的な材質は、中空デバイス10の用途に応じて、幅広く適切に選択することができる。具体的には、中空デバイス10を、例えば、化学反応を主目的とした化学反応装置に使用する場合には、耐薬品性に優れる樹脂、具体的には、熱硬化性樹脂であればエポキシ樹脂やフラン樹脂等を、熱可塑性樹脂であればポリエチレン、ポリプロピレン等を選択して使用することもできる。同様に、主に耐熱性が要求される場合には、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を選択して使用することができる。また、このような用途だけではなく、硬化又は固化による形成や中空部形成部材3の除去作業の際の作業性・利便性等も考慮して、ある程度靱性の高い材料を選択することもできる。
【0052】
勿論、これらの本体用材料2は、硬化又は固化によりデバイス本体12を形成することができれば、特にその材質は限定されないが、後述する溶剤による中空部形成部材3の除去の際や化学反応装置用のデバイスとしての用途上要求される耐薬品性や注型による成形性の良さ等の総合的な性質を考慮して、図示の実施の形態では、エポキシ樹脂を使用している。特に、このエポキシ樹脂のように、透明となる樹脂製材料を使用することにより、中空部内の状態をデバイス本体12の外部から観察することができ、中空部14内の状態(後述するように、中空デバイス10を反応装置に使用した場合には、流体の反応状態や導通状態)を簡易に確認することができる。
【0053】
なお、本体用材料2として、熱硬化性樹脂を使用した場合には、金型1内に充填後、加熱することにより、又は、常温で放置することにより、本体用材料2を硬化させてデバイス本体12を形成することができる。一方、本体用材料2として、熱可塑性樹脂を使用した場合には、加熱により液体状となっている熱可塑性樹脂を金型1に充填した後、強制冷却することにより、又は、常温下で放置して自然冷却することにより、本体用材料2を固化させてデバイス本体12を形成することができる。なお、本体用材料2を硬化又は固化させる方法も、特に限定されるものではなく、本体用材料2の材質に応じて適切に硬化又は固化することができれば、その他、光硬化等により固形化することもできる。
【0054】
このように、デバイス本体12を、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等の本体用材料2から簡易に形成すると、容易な作業と金属製材料に比べて比較的安価な材料で中空デバイス10を製造することができるため、コストを低減させることができると同時に、その結果、短期間で新しい中空デバイス10に交換しても経済性が良い一方、特に熱可塑性樹脂を使用した場合には、デバイス本体12を溶融させて簡易に再利用することにより、環境性、省資源化を実現することもできる。
【0055】
一方、中空部14は、図1及び図2に示すように、中空部形成部材3により形成されるが、予め金型1内の所定の位置に中空部形成部材3を配置した上で、この金型1内に本体用材料2を注入してデバイス本体12を注型するのではなく、本発明では、ある程度デバイス本体12を形成した後の段階で中空部形成部材3により中空部14を形成する点に特徴がある。具体的には以下の方法による。
【0056】
即ち、まず、図1(A)に示すように、本体用材料2を金型1内において、少なくとも自己保形性を有する状態にまで硬化又は固化させることにより第1デバイス本体12Aを形成する。この場合、本体用材料2は、少なくとも自己保形性を有する状態にまで硬化又は固化させれば足りる。これは、例えば、本体用材料2であるエポキシ樹脂等は、少なくとも固体状に形成されれば、その後の製造工程に影響を与えないと共に、特に、完全硬化するよりも前の、破壊に至らない程度のある程度の塑性変形ができる状態である方が後述する中空部形成部材3の埋め込みにも適すると同時に、同じく後述する第2デバイス本体12Bとの接合も容易に行うことができるからである。具体的には、本体用材料2がエポキシ樹脂である場合、一般的には、ガラス転移温度以上まで温度を上昇させて硬化させれば充分であると考えられる。
【0057】
次いで、同じく図1(A)に示すように、この自己保形性を有する程度にまで硬化又は固化させられた第1デバイス本体12Aにより中空部形成部材用基材5を支持し、この中空部形成部材用基材5を、中空部14を配置すべきパターンを有するレジスト6(版膜)により覆った後、図1(B)に示すように、この中空部形成部材用基材5をエッチングして、レジスト6(版膜)により特定される所定のパターンを有する中空部形成部材3を形成する。
【0058】
この場合、エッチングにより中空部形成部材3となるべき中空部形成部材用基材5として、図示の実施の形態では、約25μmの厚みを有する銅箔を使用している。材質として銅を使用したのは、本体用材料2の注入により変形等の影響を受けない一方、エッチング処理が比較的容易だからである。従って、ほぼ同様の性質を有する材料であれば、必ずしも、銅箔に限定されるものではなく、他に、例えば、アルミ箔や鉄箔その他の金属材料、特に、後述するように溶剤によりエッチングする場合には、可溶性の金属材料等を使用することもできる。
【0059】
また、中空部形成部材用基材5の形状(厚み)についても、図示の実施の形態では、金属箔状としたのは、後述するように、内寸がμm単位の中空部14を形成するためである。即ち、中空部14の形状や大きさは、この中空部形成部材用基材5から形成される中空部形成部材3の形状や大きさにより決定される。従って、この中空部形成部材用基材5(ひいては、中空部形成部材3)の厚みや大きさは、形成すべき中空部14の形状に合わせて、適宜設定することができる。この意味において、図示の実施の形態では、上記の通り、銅箔の厚さを約25μmとしたが、勿論、例えば、約20〜35μm程度の金属箔とすることもできるし、更には、中空デバイス10の用途や必要に応じて、nm単位、mm単位、cm単位の厚みを有する中空部形成部材3とすることを妨げるものではない。
【0060】
更に、レジスト6(版膜)は、図1に示す実施の形態では、中空部形成部材用基材5に直接描画されて、中空部形成部材用基材5を覆っている。この場合、具体的には、特に図1(A)に示す実施の形態のように、レジスト6用材料をインクジェットにより噴射して中空部形成部材用基材5に付着させることにより、中空部形成部材用基材5に中空部14を配置すべきパターンを描画して、レジスト6を形成することが望ましい。このように、レジスト6をインクジェットにより中空部形成部材用基材5に直接描画すると、フィルム等を用いることなく、中空部14を簡易に複雑なパターンに設定することができる。
【0061】
この場合、銅箔等の中空部形成部材用基材5に描画されたレジスト6を、その後、硬化して特定のパターン維持するように固定するが、その際、レジスト6用材料を比較的簡易に硬化させることができるため、光照射により硬化させることが好ましい。従って、このレジスト6用材料として塗布すべきインクとしては、アクリル系等の感光性樹脂や光硬化性の樹脂を使用することができる。
【0062】
このようにしてレジスト6により所定のパターン部分が覆われた銅箔等の中空部形成部材用基材5のエッチングは、通常の金属製材料のエッチングと、ほぼ同様の方法によりエッチングすることができる。具体的には、図2に示すように、金型1内に溶剤9を注入して、この溶剤9により中空部形成部材用基材5を溶解させることによりエッチングして、所定のパターンを有する中空部形成部材3を形成することができる。この溶剤9としては、特に、中空部形成部材用基材5である銅箔等の金属箔の溶解に適したものとして、例えば、硫酸、硝酸等の酸や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩化第二鉄、第二塩化銅などのアルカリの溶剤を使用することができ、これらの溶剤9を、レジスト6により覆われた中空部形成部材用基材5である銅箔上に流すことにより、図1(B)に示すように、レジスト6によりマスキングされた部分以外の銅箔が溶解する一方で、レジスト6によりマスキングされた部分のみが残存して、所定の回路パターンを有する中空部形成部材3となる。
【0063】
このようにして中空部形成部材3を所定のパターンで第1デバイス本体12の上の所定の位置に形成した後は、図1(C)に示すように、この中空部形成部材3を第1デバイス本体12の所定の位置に埋め込む。この場合、図1(B)に示す状態から、図示しないロール等により中空部形成部材3の表面に付着したレジスト6をエッチングした後、中空部形成部材3をプレスして第1デバイス本体12A内に埋め込むことができるが、同じく図示しないロールプレス等によりレジスト6をエッチングして除去しつつ同時に中空部形成部材3を第1デバイス本体12A内に埋め込むこともできる。即ち、次に述べる溶剤9等による中空部形成部材3の第1デバイス本体12Aからの除去に影響を与えないように、中空部形成部材3の表面に付着したレジスト6を除去することができれば、その処理手順は特に問わない。
【0064】
一方、このようにして、第1デバイス本体12Aに中空部形成部材3を埋め込んだ後は、図1(D)に示すように、この第1デバイス本体12Aから中空部形成部材3を除去して第1デバイス本体12に中空部用凹部14Aを形成する。
【0065】
この場合、銅箔から成る中空部形成部材3のエッチングは、上記と同様に酸又はアルカリ等の溶剤9により中空部形成部材3を中空部用凹部14Aから溶出させることにより、行うことができる。これにより、溶剤9により第1デバイス本体12から中空部形成部材3を簡易に除去して、複雑なパターンを有する中空部用凹部14Aを簡易に形成することができる。なお、このことから解るように、中空部14(中空部用凹部14A)が形成される位置は、この中空部形成部材3が埋め込まれる位置により決定されるため、この中空部形成部材3が埋め込まれる第1デバイス本体12Aの高さ(厚み)等を調整することにより、中空部形成部材3が中空部14を形成すべき位置に配置されるように設定する。
【0066】
以上から解るとおり、本発明においては、銅箔等の中空部形成部材用基材5は溶剤9等により二回にわたってエッチングされ、その結果、中空部14となる中空部用凹部14Aが形成されるが、最初のエッチングは、レジスト6によりマスキングされて所定のパターンの中空部形成部材3を形成することにより、いわば形成される中空部14の「形状」を決定するための作業であり、二回目のエッチングは、第1デバイス本体12Aに埋め込まれた中空部形成部材3を除去して、中空部14となるべき中空部用凹部14Aを形成する作業といえる。
【0067】
以上の工程を経て、最後に、必要に応じて、第1デバイス本体12Aを、金型1から取り出して、あるいは、取り出さずにそのままの状態で、予め別途形成された第2デバイス本体12を、図1(E)に示すように、この第1デバイス本体12Aに接着して、第1デバイス本体12Aの中空部用凹部14Aと第2デバイス本体12Bとの間で中空部14を形成して、中空部14を有する中空デバイス10を製造する。これにより、この第1デバイス本体12Aに第2デバイス本体12Bを接着するだけで、複雑なパターンを有する中空部14を簡易に形成することができると共に、所望の化学反応その他の様々な反応に適した中空部14を簡易に形成することができる。
【0068】
この場合、第2デバイス本体12Bは、図1(E)に示すように、第1デバイス本体12Aと異なり、中空部用凹部14Aを有しない無垢の表面を有することが望ましい。これにより、溝等の中空部用凹部14Aの微妙な位置合わせ等を要することなく、この第2デバイス本体12Bを第1デバイス本体12Aに接着するだけで、第1デバイス本体12Aの中空部用凹部14Aとの間で複雑なパターンを有する中空部14を簡易に形成することができるためである。
【0069】
なお、この第1デバイス本体12Aと第2デバイス本体12Bとの接着は、接着剤や、また、中空部14の形状やデバイス本体12としての性能等に影響を与えない範囲で熱融着させること等により行うことができる。
【0070】
以上のようにして製造された中空デバイス10は、図1に示すように、中空部14が、デバイス本体12の外部に連通するように形成されている。従って、この中空デバイス10を、例えば、中空部14がデバイス本体12の外部から内部への流体の導管として機能する中空デバイス10とすることができる。
【0071】
また、この場合、この中空部14の形状は、上述したように、中空部形成部材3の形状により決定される。従って、例えば、中空部14を管状の流路として使用できる形状に形成する場合には、中空部形成部材3を、当該流路に合わせたパターン・大きさに形成する。これにより、例えば、中空部14を、略Y字状に形成して、この流路(中空部14)内に流体(反応生成物)を導通させて、混合・分離等の流体の反応に使用することができ、簡易に反応装置を構成する中空デバイス10とすることができる。勿論、本発明においては、形成される中空部14の形状に特に限定はなく、レジスト6により特定できるパターンであれば、必要や用途に応じて、如何なる複雑なパターンを有する中空部であっても簡易に形成することができる。
【0072】
また、この中空部14の大きさも、中空部形成部材3の大きさにより決定され、図示の実施の形態では、上述したように約25μmの銅箔から中空部形成部材3を形成したため、μm単位等の微細なサイズを有する中空部14を有する中空デバイス10を製造することができた。このように、中空部形成部材3の寸法を、例えば、nm〜μm単位の範囲で設定することにより、nm〜μm単位の内寸を有する微細な中空部14を簡易にかつ適切に形成することができる。これにより、中空デバイス10を、マイクロリアクターとしての反応装置に適した中空デバイス10を簡易に製造することができる。このような中空デバイス10を、例えば、伝熱管等の加熱・冷却のためのデバイスや、流体に圧力を負荷して搬送するためのポンプ等と組み合わせることにより、中空デバイス10を有するマイクロリアクターとしての反応装置を製造することができる。
【0073】
なお、図1に示す実施の形態では、図1(A)に示すように、レジスト6をインクジェットにより中空部形成部材用基材5に直接描画したが、必ずしも、インクジェットに限定されるものではなく、他の、例えば、スクリーン印刷等の適宜な手段により、中空部形成部材用基材5に直接描画することもできる。この場合、具体的には、図3(A)に示すように、まず、レジスト用材料6Aが透過することができるスクリーン7に、レジスト6を形成したいパターン以外の部分にスクリーン用レジスト8を形成し、このスクリーン7を中空部形成部材用基材5の上に設置して、スクリーン7のうちスクリーン用レジスト8により目が塞がれていない部分から、レジスト用材料6Aを浸透させて、中空部形成部材用基材5の上にレジスト6を所定のパターンに直接描画することができる。この後、図1に示す実施の形態と同様に、溶剤により中空部形成部材用基材5である銅箔をエッチングして、所定のパターン形状を有する中空部形成部材3を形成する。
【0074】
また、これらのように、レジスト6を中空部形成部材用基材5に直接描画するのではなく、中空部形成部材用基材5をレジスト6により適切に覆うことができれば、他の方法によることもできる。具体的には、例えば、図3(B)に示すように、銅箔等の中空部形成部材用基材5をエッチングするための溶剤9が透過することができるスクリーン7に、図3(A)とは異なり、中空部形成部材3を形成したい所定のパターン状にレジスト6を塗布等により描画し、このスクリーン7を中空部形成部材用基材5の上に設置して、スクリーン7のレジスト6により目が塞がれていない部分から、溶剤9を浸透させることにより、中空部形成部材用基材5をエッチングして、所定のパターン形状を有する中空部形成部材3を形成することもできる。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、上記のように、レジストにより特定される所定のパターンを有する中空部形成部材により第1デバイス本体に中空部用凹部を形成しているため、中空部を複雑なパターンに簡易に設定することができると共に、複雑なパターンを有する中空部を簡易に形成することができると共に、これにより、所望の化学反応その他の様々な反応に適した中空部を簡易に形成することができる実益がある。加えて、第1デバイス本体により中空部形成部材の位置を所望の任意の箇所に適切にかつ簡易に調整して設定することができるため、中空部の位置決めを適切に行うことができる実益がある。
【0076】
また、本発明によれば、上記のように、第1デバイス本体に第2デバイス本体を接着するだけで、特に溝等の凹部の微妙な位置合わせ等を要することなく、第1デバイス本体が有する中空部用凹部を、簡易に複雑なパターンを有する中空部とすることができる。
【0077】
本発明によれば、上記のように、レジストをインクジェットにより中空部形成部材用基材に直接描画しているため、フィルム等を用いることなく、中空部を簡易に複雑なパターンに設定することができる実益がある。
【0078】
本発明によれば、上記のように、中空部形成部材を溶剤により溶出させて第1デバイス本体から除去しているため、第1デバイス本体から中空部形成部材を簡易に除去して、複雑なパターンを有する中空部用凹部を簡易に形成することができる実益がある。
【0079】
本発明によれば、上記のように、中空部用凹部を有しない無垢の表面を有する第2デバイス本体としているため、溝等の凹部の微妙な位置合わせ等を要することなく、この第2デバイス本体を第1デバイス本体に接着するだけで、第1デバイス本体の中空部用凹部との間で複雑なパターンを有する中空部を簡易に形成することができる実益がある。
【0080】
本発明によれば、上記のように、本体用材料として、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を使用しているため、これらの樹脂を型に充填して中空デバイスを簡易にかつ適切に一体成形することができると共に、容易な作業と金属製材料に比べて比較的安価な材料で中空デバイスを製造することができるため、コストを低減させることができると同時に、その結果、短期間で新しい中空デバイスに交換しても経済性が良い一方、特に熱可塑性樹脂を使用した場合にはデバイス本体を溶融させて簡易に再利用することにより、環境性、省資源化を実現することもできる実益がある。
【0081】
また、これらの樹脂は、種類が多いため、高弾性率や耐薬品性等、中空デバイスの用途に応じて適切な材質を幅広く選択することができ、中空デバイスを様々な用途に応じて簡易に対応させることができる実益があり、更に、この場合、例えば、エポキシ樹脂等の硬化により透明となる樹脂製材料を使用しているため、中空部内の状態をデバイス本体の外部から観察することができ、流体の反応状態や導通状態を簡易に確認することができる実益がある。
【0082】
本発明によれば、上記のように、中空部形成部材の寸法を、例えば、nm〜μm単位の範囲で設定することにより、nm〜μm単位の内寸を有する微細な中空部を簡易にかつ適切に形成することができるため、マイクロリアクターに適した中空デバイスを簡易に製造することができる実益がある。
【0083】
本発明によれば、上記のように、デバイス本体の硬化又は固化後中空部形成部材を除去することにより、デバイス本体の外部に連通する中空部を簡易に形成しているため、中空部がデバイス本体内部への流体の導管として機能する中空デバイスとすることができる実益がある。
【0084】
本発明によれば、上記のように、中空部を、具体的には、流体の導管としての管状の流路としているため、この流路内に流体(反応生成物)を導通させて、混合・分離等の流体の反応に使用することができ、簡易に反応装置を構成する中空デバイスとすることができる実益がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中空デバイスの製造方法の実施状態を示す概略図である。
【図2】本発明の中空デバイスの製造方法を実施する状態の概略斜視図である。
【図3】本発明の他の実施の形態の中空デバイスの製造方法を実施する状態の概略平面図である。
【符号の説明】
1 金型
2 本体用材料
3 中空部形成部材
5 中空部形成部材用基材
6 レジスト
6A レジスト用材料
7 スクリーン
8 スクリーン用レジスト
9 溶剤
10 中空デバイス
12 デバイス本体
12A 第1デバイス本体
12B 第2デバイス本体
14 中空部
14A 中空部用凹部

Claims (27)

  1. デバイス本体と前記デバイス本体の内部に形成された中空部とを備えた中空デバイスの製造方法であって、本体用材料を少なくとも自己保形性を有する状態にまで硬化又は固化させることにより第1デバイス本体を形成し、前記第1デバイス本体により中空部形成部材用基材を支持し、前記中空部形成部材用基材を前記中空部を配置すべきパターンを有するレジストにより覆った後、前記中空部形成部材用基材をエッチングして、前記レジストにより特定される所定のパターンを有する中空部形成部材を形成し、前記中空部形成部材を前記第1デバイス本体の所定の位置に埋め込んだ後、前記中空部形成部材を除去して前記第1デバイス本体に中空部用凹部を形成し、前記中空部用凹部から中空部を形成することを特徴とする中空デバイスの製造方法。
  2. 請求項1に記載された中空デバイスの製造方法であって、前記中空部用凹部を有する第1デバイス本体の前記中空部用凹部が形成された面に予め別途形成された第2デバイス本体を接着して前記第1デバイス本体と前記第2デバイス本体との間で中空部を形成することを特徴とする中空デバイスの製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載された中空デバイスの製造方法であって、前記レジストを、前記中空部形成部材用基材の上に直接描画することを特徴とする中空デバイスの製造方法。
  4. 請求項3に記載された中空デバイスの製造方法であって、前記レジスト用材料をインクジェットにより噴射して前記中空部形成部材用基材に付着させて前記中空部形成部材用基材に前記中空部を配置すべきパターンをレジスト描画することを特徴とする中空デバイスの製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された中空デバイスの製造方法であって、前記レジストを光照射により硬化させることを特徴とする中空デバイスの製造方法。
  6. 請求項5に記載された中空デバイスの製造方法であって、前記レジストとして感光性樹脂を使用することを特徴とする中空デバイスの製造方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載された中空デバイスの製造方法であって、前記中空部形成部材用基材を溶剤により溶解させてエッチングして、所定のパターンを有する中空部形成部材を形成することを特徴とする中空デバイスの製造方法。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載された中空デバイスの製造方法であって、前記中空部形成部材を溶剤により前記第1デバイス本体から溶出させて除去することにより、第1デバイス本体に前記中空部用凹部を形成することを特徴とする中空デバイスの製造方法。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載された中空デバイスの製造方法であって、前記第2デバイス本体は前記中空部用凹部を有しない無垢の表面を有することを特徴とする中空デバイスの製造方法。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載された中空デバイスの製造方法であって、前記本体用材料として熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を使用することを特徴とする中空デバイスの製造方法。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれかに記載された中空デバイスの製造方法であって、前記中空部形成部材用基材は銅箔その他の金属材料から成ることを特徴とする中空デバイスの製造方法。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれかに記載された中空デバイスの製造方法であって、前記中空部の内寸をnm〜μm単位で形成してマイクロリアクター用の中空デバイスを製造することを特徴とする中空デバイスの製造方法。
  13. デバイス本体と前記デバイス本体の内部に形成された中空部とを備えた中空デバイスであって、前記デバイス本体は、本体用材料を硬化又は固化させることにより形成された第1デバイス本体と前記第1デバイス本体に接着された第2デバイス本体とから成り、前記中空部は、前記本体用材料を少なくとも自己保形性を有する状態にまで硬化又は固化した前記第1デバイス本体により中空部形成部材用基材を支持して前記中空部形成部材用基材を前記中空部を配置すべきパターンを有するレジストにより覆った後、前記中空部形成部材用基材をエッチングして前記レジストにより特定される所定のパターンを有する中空部形成部材を形成し、前記中空部形成部材を前記第1デバイス本体の所定の位置に埋め込んだ後前記中空部形成部材を除去して前記第1デバイス本体に形成された中空部用凹部と前記第2デバイス本体との間で形成されていることを特徴とする中空デバイス。
  14. 請求項13に記載された中空デバイスであって、前記レジストは、前記中空部形成部材用基材の上に直接描画されることを特徴とする中空デバイス。
  15. 請求項14に記載された中空デバイスであって、前記レジストは、レジスト用材料をインクジェットにより噴射して前記中空部形成部材用基材に付着させることにより前記中空部形成部材用基材に描画されることを特徴とする中空デバイス。
  16. 請求項13乃至請求項15のいずれかに記載された中空デバイスであって、前記レジストは、光照射により硬化させられることを特徴とする中空デバイス。
  17. 請求項16に記載された中空デバイスであって、前記レジストは、感光性樹脂から成ることを特徴とする中空デバイス。
  18. 請求項13乃至請求項17のいずれかに記載された中空デバイスであって、前記中空部形成部材は、前記中空部形成部材用基材を溶剤により溶解させてエッチングして所定のパターンに形成されることを特徴とする中空デバイス。
  19. 請求項13乃至請求項18のいずれかに記載された中空デバイスであって、前記第1デバイス本体の前記中空部用凹部は、前記中空部形成部材を前記第1デバイス本体から溶剤により溶出させて除去することにより形成されることを特徴とする中空デバイス。
  20. 請求項13乃至請求項19のいずれかに記載された中空デバイスであって、前記第2デバイス本体は前記中空部用凹部を有しない無垢の表面を有することを特徴とする中空デバイス。
  21. 請求項13乃至請求項20のいずれかに記載された中空デバイスであって、前記本体用材料は、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂であることを特徴とする中空デバイス。
  22. 請求項13乃至請求項21のいずれかに記載された中空デバイスであって、前記中空部形成部材用基材は銅箔その他の金属材料から成ることを特徴とする中空デバイス。
  23. 請求項13乃至請求項22のいずれかに記載された中空デバイスであって、前記中空部は前記デバイス本体の外部に連通していることを特徴とする中空デバイス。
  24. 請求項13乃至請求項23のいずれかに記載された中空デバイスであって、前記中空部は管状の流路であることを特徴とする中空デバイス。
  25. 請求項13乃至請求項24のいずれかに記載された中空デバイスであって、前記中空部の内寸がnm〜μm単位であるマイクロリアクター用の中空デバイスであることを特徴とする中空デバイス。
  26. デバイス本体と前記デバイス本体の内部に形成された中空部とを備えた中空デバイスを有する反応装置であって、前記デバイス本体は、前記本体用材料を硬化又は固化させることにより形成された第1デバイス本体と前記第1デバイス本体に接着された第2デバイス本体とから成り、前記中空部は、前記本体用材料を少なくとも自己保形性を有する状態にまで硬化又は固化した前記第1デバイス本体により中空部形成部材用基材を支持して前記中空部形成部材用基材を前記中空部を配置すべきパターンを有するレジストにより覆った後、前記中空部形成部材用基材をエッチングして前記レジストにより特定される所定のパターンを有する中空部形成部材を形成し、前記中空部形成部材を前記第1デバイス本体の所定の位置に埋め込んだ後前記中空部形成部材を除去して前記第1デバイス本体に形成された中空部用凹部と前記第2デバイス本体との間で形成されていることを特徴とする中空デバイスを備えた反応装置。
  27. 請求項26に記載された中空デバイスを有する反応装置であって、前記中空部は前記デバイス本体の外部に連通する管状の流路であって、前記中空部の内寸がnm〜μm単位であることを特徴とする中空デバイスを有する反応装置。
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