JP2003528922A - 形態形成タンパク質および形態形成タンパク質刺激因子を用いた新脈管形成を誘導するための方法 - Google Patents

形態形成タンパク質および形態形成タンパク質刺激因子を用いた新脈管形成を誘導するための方法

Info

Publication number
JP2003528922A
JP2003528922A JP2001572121A JP2001572121A JP2003528922A JP 2003528922 A JP2003528922 A JP 2003528922A JP 2001572121 A JP2001572121 A JP 2001572121A JP 2001572121 A JP2001572121 A JP 2001572121A JP 2003528922 A JP2003528922 A JP 2003528922A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bmp
xaa
morphogenic protein
protein
res
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001572121A
Other languages
English (en)
Inventor
ウゴ リパモンティ,
レンシャ ナサニエル ラモシェビ,
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Stryker Corp
Original Assignee
Stryker Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Stryker Corp filed Critical Stryker Corp
Publication of JP2003528922A publication Critical patent/JP2003528922A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/18Growth factors; Growth regulators
    • A61K38/1875Bone morphogenic factor; Osteogenins; Osteogenic factor; Bone-inducing factor
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • A61P19/02Drugs for skeletal disorders for joint disorders, e.g. arthritis, arthrosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P27/00Drugs for disorders of the senses
    • A61P27/02Ophthalmic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/08Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis
    • A61P3/10Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis for hyperglycaemia, e.g. antidiabetics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/10Drugs for disorders of the cardiovascular system for treating ischaemic or atherosclerotic diseases, e.g. antianginal drugs, coronary vasodilators, drugs for myocardial infarction, retinopathy, cerebrovascula insufficiency, renal arteriosclerosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K48/00Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Orthopedic Medicine & Surgery (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Emergency Medicine (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、形態形成タンパク質を用いた、哺乳動物の標的部位における脈管形成を誘導するための方法を提供する。さらに、本発明はまた、哺乳動物の標的部位における形態形成タンパク質の脈管形成の能力を改善するための方法を特徴とする。この方法において、形態形成タンパク質は、哺乳動物において前駆細胞に接近可能である場合、脈管形成を誘導し得、そして形態形成タンパク質刺激因子は、この能力を増強する。形態形成タンパク質および形態形成タンパク質刺激因子は、この標的部位に同時に投与され得る。あるいは、これらの2つの成分は、いずれかの順序で別々に投与される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 血液血管(hemovascular)発生は、脈管形成(vasculog
enesis)、間葉由来の内皮細胞の凝集を介した血管の新規形成、および新
脈管形成(angiogenesis)(既存の脈管網からの新規血管の増殖)
を含むプロセスである(ZimrinおよびMaciag、J.Clin.In
vest.、97、1395頁(1996);Yancopoulosら、Ce
ll、93、661−664頁(1998);IsnerおよびAsahara
、J.Clin.Invest.、103、1231−1236頁(1999)
)。脈管形成は、正常には胚発生に関与するが、一方、新脈管形成(これもまた
、胚の発生において役割を果たす)は、成体における種々の生理学的プロセスお
よび病理学的プロセスにおいて中心的に重要性なものである(Folkman、
Ann.N.Y.Acad.Sci.、401、212−227頁(1982)
;FolkmanおよびKlagsbrun、Science、235、442
−447頁(1987);Bussolinoら、Trends Biochem.Sci.、22、251−256頁(1997);Glowa
cki、Clin.Orthop.、355、S82−S89頁(1998);
Gerberら、Nat.Med.、5、623−628頁(1999))。
【0002】 新脈管形成は、成体の組織の再構築の間および疾患における脈管系の生成にお
いて重要な役割を果たす、形態形成プロセスである。その重要な役割に起因して
、新脈管形成は、適切に調節されなければならない。新脈管形成因子と抗新脈管
形成因子との間の平衡は、適切な新脈管形成のために必要である。不適切な新脈
管形成は、過剰な血管の増殖または不適切な血管の増殖のいずれかを生じ得る。
例えば、過剰な血管新生は、慢性関節リウマチ、腫瘍増殖、腫瘍転移および糖尿
病性網膜症を生じる。一方、不適切な血管新生は、発作、虚血、および心筋梗塞
を含む心臓の発作を生じ得る。
【0003】 種々の生理学的プロセスおよび病態生理学は、新脈管形成を必要とする。これ
らとしては、再生、創傷治癒、器官移植、骨修復、虚血性心臓疾患および虚血性
末梢血管疾患が挙げられる。
【0004】 新脈管形成は、創傷治癒において重要な役割を果たす。新規に形成された毛細
管は、細胞、栄養素および細片を創傷へおよび創傷から運搬する手段として働く
。新脈管形成はまた、潰瘍のような炎症性疾患の治癒を加速することに関与する
。同様に、新脈管形成は、器官移植において役割を果たす。血管新生は、新規に
移植された器官の機能化のために重要である。新脈管形成は、新規に移植された
器官への血流を可能にし、従って、器官の維持のために栄養素を提供する。
【0005】 新脈管形成はまた、組織形成の間に重要な役割を果たす。特定の組織を形成す
るために、その組織の適切な脈管の浸潤についての必要性が存在する。例えば、
骨形成の間、脈管浸潤の非存在下では、軟骨のみが形成される。しかし、脈管浸
潤が存在する場合、次いで骨形成が観察される。
【0006】 心筋障害(例えば、心筋肥大または閉塞性の冠状動脈疾患)は、心筋虚血を生
じる。これらの病理学は、虚血性の損傷から心臓を保護するために、心筋への脈
管の供給における改善を必要とする。心筋梗塞は、深刻な組織損傷および壊死を
生じる。新脈管形成は、細胞の細片を除去し、そして必要な酸素の供給を心臓に
提供するように機能する。従って、哺乳動物において新脈管形成を増強するため
の方法を提供する必要性が存在する。
【0007】 いくつかの新脈管形成因子が単離され、精製され、そして特徴付けられてきた
(FolkmanおよびKlagsbrun、Science、235、442
−447頁(1987);Zagzag、Am.J.Pathol.、146、
293−309頁(1995);Aliniら、Dev.Biol.176、1
24−133頁(1996))。例えば、繊維芽細胞増殖因子(FGF)、トラ
ンスフォーミング増殖因子−α(TGF−α)、トランスフォーミング増殖因子
−β(TGF−β)および他の関連のペプチドが、新脈管形成活性を有するとし
て同定されている。しかし、現在まで、これらの新脈管形成因子が、上記の病態
生理学の処置のために不適切であることが証明された。従って、新脈管形成を誘
導する新規の因子および方法が、必要である。
【0008】 トランスフォーミング増殖因子−β(「TGF−β」)スーパーファミリーは
、増殖、分化、組織形態形成および修復において種々の活性を有する、進化的に
保存された形態形成タンパク質の多数を代表する。このスーパーファミリーとし
ては、骨形成タンパク質(「OP」)および骨形態形成タンパク質(「BMP」
)が挙げられる。OPおよびBMPは、それらのC末端近くの高度に保存された
生物活性のシステインリッチドメインを共有し、そしてホモ二量体およびへテロ
二量体を形成する傾向を有する。
【0009】 BMPファミリーに属する多くの形態形成タンパク質が、記載されてきた。い
くつかは、骨形成活性に基づいた精製技術を使用して単離された。他は、BMP
ファミリーに共通する保存された領域内でのDNA配列の相同性によって同定さ
れ、クローニングされた。これらのホモログは、明らかな骨形成活性を有するか
否かにかかわらず、連続的に番号付けられたBMPとしていわれる。このBPM
ファミリーの初期のメンバーのいくつかは新規の軟骨および骨を誘導するそれら
の活性によって同定されたが、他のBMPの多くは、異なる組織誘導能力または
さらなる組織誘導能力を有する。他のBMPは、他の組織を誘導すると報告され
ている。例えば、報告によれば、TGF−βスーパーファミリーのBMP様メン
バーであるGDF−5は、いくつかの新脈管形成活性を有する。しかし、TGF
−βスーパーファミリーファミリーのメンバーであるBMP−2は、有さない(
Yamashitaら、Exp.Cell.Res.、235、218−226
頁(1997))。さらに、報告によれば、BMP−12およびBMP−13(
DNA配列の相同性によって同定された)は、インビボの腱/靭帯様組織形成を
誘導する(WO95/16035)。いくつかのBMP(元々その骨形成活性に
基づいて単離されたいくつかのBMPを含む)は、ニューロン増殖を誘導し得、
そして軸策の再生を促進し得る(WO95/05846;Liemら、Cell
、82、969−79頁(1995))。従って、BMPは、種々の潜在的な組
織誘導能力を有し得、その最終的な発現は、発生の合図および環境の合図の複雑
なセットに依存するようである。
【0010】 精製されかつ高度に活性な多量の形態形成タンパク質の利用可能性は、脈管組
織再生を一般的に含む手順を激変させる。哺乳動物のOPおよびBMPをコード
する遺伝子の多くは、現在クローン化され、そして細菌を含む種々の宿主系にお
いて活性な、ホモ二量体およびヘテロ二量体タンパク質として組換え的に発現さ
れ得る。OPおよびBMPのような形態形成タンパク質(増大した生物活性を有
する改変体および変異体を含む(以下を参照のこと))の活性形態を組換え的に
生成する能力は、形態形成タンパク質を使用する潜在的な治療処置を、実現可能
にする。
【0011】 新脈管形成の誘導における、形態形成タンパク質の潜在的な治療的使用に関し
て、非常に活性な形態の形態形成タンパク質の必要性が存在する。従って、形態
形成タンパク質の新脈管形成特性を増大させることが、所望される。増大した新
脈管形成活性を有する形態形成タンパク質での処置は、新脈管形成をより迅速に
誘導し得、または新脈管形成誘導は、減少した濃度の形態形成タンパク質を使用
して達成され得る。
【0012】 (発明の要旨) 本発明は、形態形成タンパク質が新脈管形成活性を保有し、そして形態形成タ
ンパク質の新脈管形成誘導活性が、形態形成タンパク質刺激性因子(MPSF)
によって増強され得るという発見に基づく。
【0013】 従って、本発明は、形態形成タンパク質を使用して哺乳動物において標的部位
での新脈管形成を誘導するための方法を、特徴とする。さらに、本発明はまた、
哺乳動物において標的部位での形態形成タンパク質の新脈管形成能力を改善する
ための方法を、特徴とする。この方法において、この形態形成タンパク質は、哺
乳動物において前駆細胞に接触可能である場合に新脈管形成を誘導し得、そして
形態形成タンパク質刺激性因子がその能力を増強する。この形態形成タンパク質
およびMPSFは、標的部位に同時に投与され得る。あるいは、これら2つの成
分は、任意の順序で別々に投与される。
【0014】 この形態形成タンパク質は、ジスルフィド結合して二量体種を生成するサブユ
ニットの組を含み得、ここで、このサブユニットの少なくとも1つは、BMPタ
ンパク質ファミリーに属するポリペプチドを含む。例えば、この形態形成タンパ
ク質は、参照BMP(例えば、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−
5、BMP−6、BMP−7(OP−1)、BMP−8、BMP−9、BMP−
10、BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−1
5、COP−5、COP−7)のアミノ酸配列に十分に複製的(duplica
tive)なアミノ酸配列を含み得、その結果、これは、参照BMPの活性と類
似の形態形成活性を有する。1つの好ましい実施形態において、この形態形成タ
ンパク質は、BMP−7(OP−1)サブユニットを含むホモ二量体またはヘテ
ロ二量体である。あるいは、この形態形成タンパク質は、単量体種を含み得る。
しかし、この形態形成タンパク質が形態形成タンパク質刺激性因子の非存在下で
使用される場合、この形態形成タンパク質は、BMP−2でなくてもGDF−5
でなくてもよい。
【0015】 本発明の方法において使用される形態形成タンパク質は、新脈管形成を誘導し
得る。例えば、これは、前駆細胞に脈管組織の形成を誘導し得る。従って、本発
明の方法は、組織の欠損部位での修復を導く脈管組織の再生を誘導するために使
用され得る。
【0016】 本発明において有用な形態形成タンパク質刺激性因子としては、ホルモン、サ
イトカインおよび増殖因子が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の方
法において使用されるMPSFは、本発明において使用される形態形成タンパク
質の新脈管形成活性を誘導し得る。
【0017】 他に定義しない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用語
は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を
有する。例示的な方法および材料を以下に記載したが、本明細書中に記載の方法
および材料に類似かまたは等価な方法および材料がまた、本発明の実施または試
験において使用され得る。本明細書中で言及する全ての刊行物および他の参考文
献は、その全体が参考として援用される。矛盾する場合は、本明細書(定義を含
む)が、支配する。これらの材料、方法および実施例は、例示的であるだけであ
り、限定するとは意図されない。
【0018】 本発明の他の特徴および利点は、以下の図面、詳細な説明および特許請求の範
囲から明らかである。
【0019】 (発明の詳細な説明) 本明細書中に記載される発明が十分に理解され得るために、以下の詳細な説明
を記載する。
【0020】 用語「生体適合性」は、細胞関連性免疫応答および体液性免疫応答(例えば、
炎症応答および異物性線維性応答)のような、身体の種々の防御系に関連する有
害な効果を誘発しない物質をいう。この用語はまた、患者に移植される場合に、
この物質により、特定の望ましくない効果(細胞障害性効果または全身的効果)
が引き起こされないことを意味する。
【0021】 用語「BMP」は、DNAおよびアミノ酸配列の相同性に基づき規定される、
TGF−βスーパーファミリータンパク質のBMPファミリーに属するタンパク
質をいう。本発明に従って、タンパク質が、BMPファミリーを特徴付ける保存
されたC末端のシステインリッチなドメイン内で、公知のBMPファミリーのメ
ンバーと少なくとも70%(例えば、少なくとも80%または85%でさえも)
のアミノ酸配列の相同性を有する場合、そのタンパク質はBMPファミリーに属
する。BMPファミリーのメンバーは、全体的に70%未満のDNAまたはアミ
ノ酸配列の相同性を有し得る。
【0022】 用語「形態形成タンパク質(morphogenic protein)」は
、形態形成活性を有するタンパク質をいう。例えば、このタンパク質は、前駆細
胞が増殖するように誘導し得、そして/または局所環境の合図に依存して軟骨、
骨、腱、靱帯、脈管、神経組織または他の型の組織の形成を誘導する分化経路を
開始するように誘導し得る。従って、本発明において有用な形態形成タンパク質
は、異なる環境で異なる挙動を示し得る。本発明の形態形成タンパク質は、BM
Pファミリーに属する少なくとも1つのポリペプチドを含み得る。
【0023】 用語「骨形成タンパク質(osteogenic protein)」は、軟
骨および/または骨を形成するように前駆細胞を誘導して、得る形態形成タンパ
ク質をいう。骨は、膜性の骨または軟骨内性骨であり得る。ほとんどの骨形成タ
ンパク質は、BMPファミリーのメンバーであり、従ってBMPでもある。しか
し、この議論は真実でないかもしれない。本発明に従って、配列相同性により同
定されるBMPは、骨形成タンパク質に対する機能的なバイオアッセイにおいて
、明白な骨形成活性または軟骨形成活性を有しなければならない。
【0024】 用語「形態形成タンパク質刺激因子(MPSF)」は、前駆細胞から組織形成
を誘導する形態形成タンパク質の能力を刺激し得る因子をいう。MPSFは、形
態形成タンパク質誘導活性に対して、直接的または間接的な効果を有し得る。例
えば、MPSFは、別のMPSFの生物活性を増加させ得る。MPSFの生物活
性を増加させる因子として、例えば、合成、半減期、他の生物分子との反応性(
例えば、タンパク質およびレセプターの結合)、またはMPSFのバイオアベイ
ラビリティーを増大させる因子が挙げられる。
【0025】 用語「形態形成活性」、「誘導活性」および「組織誘導活性」は択一的に、標
的細胞を刺激して、必要に応じて細胞分化を導き得る1つ以上の細胞分裂(増殖
)を起こす因子の能力をいう。このような標的細胞は、本明細書中で一般的に前
駆細胞と呼ばれる。代表的に細胞増殖は、細胞周期の調節における変化により特
徴付けられ、そしてDNA合成率または細胞増殖率を測定することを含む多くの
手段により検出され得る。代表的に細胞分化の初期段階は、前駆細胞と比較して
の遺伝子発現パターンの変化により特徴付けられ;このような変化は、特定の細
胞運命または細胞型への方向付けの指標となり得る。細胞分化の後期段階は、遺
伝子発現パターン、細胞生理、および細胞形態における変化により特徴付けられ
る。遺伝子発現、細胞生理、または細胞形態における任意の再現性のある変化は
、形態形成タンパク質により誘導される細胞分化の開始および程度を評価するた
めに用いられ得る。
【0026】 用語「新脈管形成」および「脈管形成活性」は択一的に、血管および関連細胞
(内皮細胞、脈管周囲細胞、間葉細胞、および平滑筋細胞を含む)ならびに血管
関連基底膜の形成を刺激する因子の能力をいう。これは、例えば、出芽による既
存の微小血管からの新たな毛細血管(すなわち、細胞増殖)の能力を含む。
【0027】 用語「相乗相互作用(synergistic interaction)」
は、2つ以上の因子の組み合された効果が、それらの個々の効果の代数的な和よ
りも大きい相互作用をいう。
【0028】 本発明の方法において有用な適切な形態形成タンパク質および形態形成タンパ
ク質刺激因子の詳細な説明が、以下に提供される。具体的には実施例は、新脈管
形成の誘導におけるこの形態形成タンパク質の有用性を実証するためのモデルを
提供する。
【0029】 (形態形成タンパク質) 本発明の方法において用いられる形態形成タンパク質は、前駆細胞を刺激して
細胞分裂および/または細胞分化を起こし得る。それらはTGF−βタンパク質
スーパーファミリーに属し得、そしてそれらとして、OP−1、OP−2、OP
−3、BMP−2、BMP−3、BMP−3b、BMP−4、BMP−5、BM
P−6、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−1
3、BMP−14、BMP−15、GDF−1、GDF−2、GDF−3、GD
F−5、GDF−6、GDF−7、GDF−8、GDF−9、GDF−10、G
DF−11、GDF−12、DPP、Vg−1、Vgr−1、60Aタンパク質
、NODAL、UNIVIN、SCREW、ADMP、およびNEURALが挙
げられるがこれらに限定されない。しかし、形態形成タンパク質が、形態形成タ
ンパク質刺激因子の非存在下で用いられる場合、この形態形成タンパク質は、B
MP−2でもGDF−5でもない。
【0030】 好ましい実施形態において、この形態形成タンパク質は、BMP−3、BMP
−4、BMP−5、BMP−6、OP−1(BMP−7)、BMP−8、BMP
−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP13、BMP−14
、BMP−15、COP−5、COP−7、およびそれらのアミノ酸配列改変体
からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。より好ましい実施形態において
、この形態形成タンパク質は、OP1、BMP−5、BMP−6、BMP−8、
GDF−6、GDF−7、およびそれらのアミノ酸配列改変体からなる群より選
択されるアミノ酸配列を含む。最も好ましい実施形態において、この形態形成タ
ンパク質は、OP−1である。
【0031】 本発明において有用な好ましい形態形成タンパク質の1つは、OP−1である
。hOP−1のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は、それぞれ配列番号1お
よび配列番号2に提供される。説明の容易さのために、hOP−1が、代表的な
形態形成タンパク質として記載される。OP−1は、モルフォゲンのファミリー
の代表にすぎないことが、当業者により理解される。
【0032】 他の有用な形態形成タンパク質として、公知の形態形成タンパク質(特にBM
Pタンパク質ファミリーを特徴付ける保存的C末端システインリッチなドメイン
内で公知のBMP)と少なくとも70%(例えば、少なくとも80%または85
%でさえも)の配列相同性を有するポリペプチドが挙げられる。これらの形態形
成タンパク質は、保存的アミノ酸の変化を含む改変体を含む、任意の公知の形態
形成タンパク質の生物学的に活性な改変体を包含する。例えば、有用な形態形成
タンパク質としては、hOP−1のC末端の7システインドメイン(このドメイ
ンは配列番号2のC末端の102〜106アミノ酸残基に対応する)と少なくと
も70%のアミノ酸配列相同性を共有する配列を含むタンパク質が挙げられる。
C末端の102アミノ酸残基は、配列番号2の残基330〜431に対応する。
本発明の1つの実施形態において、用いられる形態形成タンパク質は、ジスルフ
ィド結合して二量体を形成する一対のサブユニットからなり、ここで、これらの
サブユニットのうちの少なくとも1つは、BMPファミリーに属する組換えポリ
ペプチドを含む。本発明の別の実施形態において、用いられる形態形成タンパク
質は、BMPファミリーに属する単量体ポリペプチドからなる。
【0033】 本明細書中で用いられる場合、用語「アミノ酸配列の相同性」は、アミノ酸配
列の同一性および類似性の両方を含むことが理解される。相同な配列は、同一な
アミノ酸残基および/または類似のアミノ酸残基を共有し、類似の残基は、整列
された参照配列における対応するアミノ酸残基に代わる保存的置換であるか、ま
たはその対応するアミノ酸残基の「許容される点変異」である。従って、参照配
列と70%のアミノ酸相同性を共有する候補ポリペプチド配列は、整列された残
基の任意の70%が、参照配列の対応する残基と同一であるか、またはそれらの
保存的な置換であるかのいずれかである、ポリペプチドである。特定の特に好ま
しい形態形成ポリペプチドは、ヒトOP−1のC末端の7システインドメインと
少なくとも60%(例えば、少なくとも65%)のアミノ酸同一性を共有する。
【0034】 本明細書中で用いられる場合、「保存的置換」は、対応する参照残基と物理的
または機能的に類似する、残基である。つまり、保存的置換およびその参照残基
は、類似の大きさ、形状、電荷、化学的特性(共有結合または水素結合を形成す
る能力を含む)などを有する。好ましい保存的置換は、Dayhoffら,At
las of Protein Sequence and Structur
e,5,pp.345−362(1978および補遺)において受容される点変
異について規定された基準を満たす置換である。保存的置換の例は、以下のグル
ープ内での置換である:(a)バリン、グリシン;(b)グリシン、アラニン;
(c)バリン、イソロイシン、ロイシン;(d)アスパラギン酸、グルタミン酸
;(e)アスパラギン、グルタミン;(f)セリン、スレオニン;(g)リジン
、アルギニン、メチオニン;および(h)フェニルアラニン、チロシン。用語「
保存的改変体」または「保存的改変」はまた、所定の親アミノ酸配列におけるア
ミノ酸残基に代わって置換するアミノ酸残基の使用を含み、ここで、親配列に特
異的な抗体はまた、得られる置換されたポリペプチド配列に対しても特異的であ
り、すなわち、「交差反応性」または「免疫反応性」である。
【0035】 アミノ酸配列の相同性は、当該分野で周知の方法により決定され得る。例えば
、7システインドメイン配列に対する候補アミノ酸配列の相同性パーセントを決
定するために、その2つの配列が最初に整列される。このアライメントは、例え
ば、Needlemanら,J.Mol.Biol.,48,p.443(19
70)に記載される動的プログラミングアルゴリズムおよびDNAstar,I
nc.により製造される市販のソフトウェアパッケージであるAlign Pr
ogramを用いて作成され得る。両方の供給源による技術は、本明細書中で参
考として援用される。最初のアライメントは、関連タンパク質のファミリーのマ
ルチ配列アライメントとの比較により細分され得る。一旦アライメントが作成お
よび細分されると、相同性パーセントスコアが算出される。この2つの配列の整
列されたアミノ酸残基は、お互いに対する類似性について連続的に比較される。
類似性の要因としては、類似の大きさ、形状、および電荷が挙げられる。アミノ
酸の類似性を決定する1つの特定の好ましい方法は、Dayhoffら(前出)
に記載されるPAM250マトリクスである。類似性スコアは、整列された対を
なすアミノ酸の類似性スコアの和として最初に算出される。挿入および欠失は、
相同性パーセントおよび同一性パーセントの目的のために無視される。従って、
ギャップペナルティーは、この計算において用いられない。次いで、この未加工
のスコアは、候補配列および7システインドメインのスコアの幾何平均によりそ
れを除算することにより正規化される。この幾何平均は、これらのスコアの産物
の平方根である。この正規化された未加工のスコアが、相同性のパーセントであ
る。
【0036】 本明細書における有用な形態形成タンパク質は、任意の公知の天然に存在する
ネイティブのタンパク質(その対立遺伝子改変体、系統発生的な対応物、および
それらの他の改変体を含む)を包含する。これらの改変体は、ネイティブタンパ
ク質の変化したグリコシル化パターン、変化したN末端、および活性な短縮形態
または変異形態を有する形態を包含する。有用な形態形成タンパク質はまた、生
合成により産生された形態形成タンパク質(例えば、「ムテイン」または「変異
体タンパク質」)および一般的な形態形成ファミリーのタンパク質の新規の形態
形成的に活性なメンバーである形態形成タンパク質を包含する。特に有用な配列
としては、以下のうちのC末端の96〜102アミノ酸残基を含む配列が挙げら
れる:DPP(Drosophila由来)、Vg−1(Xenopus由来)
、Vgr−1(マウス由来)、OP1およびOP2タンパク質(米国特許第5,
011,691号)、ならびにBMP−2、BMP−3、BMP−4(WO88
/00205、米国特許第5,013,649号およびWO91/18098)
、BMP−5およびBMP−6(WO90/11366)、BMP−8ならびに
BMP−9と呼ばれるタンパク質。本発明の実施において有用な他のタンパク質
としては、OP1、OP2、OP3、BMP−2、BMP−3、BMP−3b、
BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−9、BMP−10、BMP−1
1、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−15、DPP、Vg
−1、Vgr−1、60Aタンパク質、GDF−1、GDF−2、GDF−3、
GDF−5、GDF−6、GDF−7、GDF−8、GDF−9、およびGDF
−10、GDF−11、GDF−12、GDF−13、UNIVIN、NODA
L、SCREW、ADMP、およびNEURALの活性な形態が挙げられる。し
かし、この形態形成タンパク質が、形態形成タンパク質刺激因子の非存在下で用
いられる場合、この形態形成タンパク質は、BMP−2でもGDF−5でもない
かもしれない。
【0037】 本発明の形態形成タンパク質として有用な骨形成タンパク質は、7システイン
ドメインと60%より大きい同一性を共有する配列を含むタンパク質を包含する
。他の実施形態において、有用な骨形成タンパク質は、OPX(配列番号3)お
よび一般配列7(Generic Sequence)(配列番号4)、8(配
列番号5)、9(配列番号6)ならびに10(配列番号7)を含む、本明細書中
で規定される一般配列のいずれか1つを有する骨形成的に活性なタンパク質とし
て規定される。
【0038】 以下に開示される一般配列7(配列番号4)および一般配列8(配列番号5)
は、OP−1、OP−2、OP−3、BMP−2、BMP−3、BMP−4、B
MP−5、BMP−6、60A、DPP、Vg−1、Vgr−1、およびGDF
−1を含む、今日までに同定された好ましいタンパク質ファミリーのメンバー間
で共有される相同性を有する。これらのタンパク質のアミノ酸配列は、本明細書
中および/または当該分野において記載されている。この一般配列は、C末端の
6システイン骨格ドメインまたは7システイン骨格ドメイン(それぞれ、一般配
列7および8により表わされる)におけるこれらの配列により共有される同一の
アミノ酸残基、ならびにこの配列内の可変性位置についての代替の残基を含む。
この一般配列は、分子内ジスルフィドまたは分子間ジスルフィド結合が形成され
得る適切なシステイン骨格を提供する。これらの配列は、フォールディングした
タンパク質の三次構造に影響を及ぼし得るある特定のアミノ酸を含む。さらに、
この一般配列は、36位(一般配列7)または41位(一般配列8)での付加的
なシステインを許容し、それによって、OP−2およびOP−3の生物学的に活
性な配列を含む。
【0039】 (一般配列7)
【0040】
【化1】 (配列番号4)。 ここで、各Xaaは、独立して以下のように規定される(「Res.」は「残基
」を意味する):res.2のXaa=(TyrまたはLys);res.3の
Xaa=(ValまたはIle);res.4のXaa=(Ser、Aspまた
はGlu);res.6のXaa=(Arg、Gln、Ser、LysまたはA
la);res.7のXaa=(AspまたはGlu);res.8のXaa=
(Leu、ValまたはIle);res.11のXaa=(Gln、Leu、
Asp、His、AsnまたはSer);res.12のXaa=(Asp、A
rg、AsnまたはGlu);res.13のXaa=(TrpまたはSer)
;res.14のXaa=(IleまたはVal);res.15のXaa=(
IleまたはVal);res.16のXaa(AlaまたはSer);res
.18のXaa=(Glu、Gln、Leu、Lys、ProまたはArg);
res.19のXaa=(GlyまたはSer);res.20のXaa=(T
yrまたはPhe);res.21のXaa=(Ala、Ser、Asp、Me
t、His、Gln、LeuまたはGly);res.23のXaa=(Tyr
、AsnまたはPhe);res.26のXaa=(Glu、His、Tyr、
Asp、Gln、AlaまたはSer);res.28のXaa=(Glu、L
ys、Asp、GlnまたはAla);res.30のXaa=(Ala、Se
r、Pro、Gln、IleまたはAsn);res.31のXaa=(Phe
、LeuまたはTyr);res.33のXaa=(Leu、ValまたはMe
t);res.34のXaa=(Asn、Asp、Ala、ThrまたはPro
);res.35のXaa=(Ser、Asp、Glu、Leu、Alaまたは
Lys);res.36のXaa=(Tyr、Cys、His、SerまたはI
le);res.37のXaa=(Met、Phe、GlyまたはLeu);r
es.38のXaa=(Asn、SerまたはLys);res.39のXaa
=(Ala、Ser、GlyまたはPro);res.40のXaa=(Thr
、LeuまたはSer);res.44のXaa=(Ile、ValまたはTh
r);res.45のXaa=(Val、Leu、MetまたはIle);re
s.46のXaa=(GlnまたはArg);res.47のXaa=(Thr
、AlaまたはSer);res.48のXaa=(LeuまたはIle);r
es.49のXaa=(ValまたはMet);res.50のXaa=(Hi
s、AsnまたはArg);res.51のXaa=(Phe、Leu、Asn
、Ser、AlaまたはVal);res.52のXaa=(Ile、Met、
Asn、Ala、Val、GlyまたはLeu);res.53のXaa=(A
sn、Lys、Ala、Glu、GlyまたはPhe);res.54のXaa
=(Pro、SerまたはVal);res.55のXaa=(Glu、Asp
、Asn、Gly、Val、ProまたはLys);res.56のXaa=(
Thr、Ala、Val、Lys、Asp、Tyr、Ser、Gly、Ileま
たはHis);res.57のXaa=(Val、AlaまたはIle);re
s.58のXaa=(ProまたはAsp);res.59のXaa=(Lys
、LeuまたはGlu);res.60のXaa=(Pro、ValまたはAl
a);res.63のXaa=(AlaまたはVal);res.65のXaa
=(Thr、AlaまたはGlu);res.66のXaa=(Gln、Lys
、ArgまたはGlu);res.67のXaa=(Leu、MetまたはVa
l);res.68のXaa=(Asn、Ser、AspまたはGly);re
s.69のXaa=(Ala、ProまたはSer);res.70のXaa=
(Ile、Thr、ValまたはLeu);res.71のXaa=(Ser、
AlaまたはPro);res.72のXaa=(Val、Leu、Metまた
はIle);res.74のXaa=(TyrまたはPhe);res.75の
Xaa=(Phe、Tyr、LeuまたはHis);res.76のXaa=(
Asp、AsnまたはLeu);res.77のXaa=(Asp、Glu、A
sn、ArgまたはSer);res.78のXaa=(Ser、Gln、As
n、TyrまたはAsp);res.79のXaa=(Ser、Asn、Asp
、GluまたはLys);res.80のXaa=(Asn、ThrまたはLy
s);res.82のXaa=(Ile、ValまたはAsn);res.84
のXaa=(LysまたはArg);res.85のXaa=(Lys、Asn
、Gln、His、ArgまたはVal);res.86のXaa=(Tyr、
GluまたはHis);res.87のXaa=(Arg、Gln、Gluまた
はPro);res.88のXaa=(Asn、Glu、TrpまたはAsp)
;res.90のXaa=(Val、Thr、AlaまたはIle);res.
92のXaa=(Arg、Lys、Val、Asp、GlnまたはGlu);r
es.93のXaa=(Ala、Gly、GluまたはSer);res.95
のXaa=(GlyまたはAla);およびres.97のXaa=(Hisま
たはArg)。
【0041】 一般配列8(配列番号5)は、一般配列7の全ておよびさらに以下の5アミノ
酸をそのN末端に含む:Cys Xaa Xaa Xaa Xaa(配列番号8
)、ここで、res.2のXaa=(Lys、Arg、AlaまたはGln);
res.3のXaa=(Lys、ArgまたはMet);res.4のXaa=
(His、ArgまたはGln);およびres.5のXaa=(Glu、Se
r、His、Gly、Arg、Pro、Thr、またはTyr)。従って、残基
7から始めると、一般配列8の各「Xaa」は、一般配列7について規定される
ような特定のアミノ酸であり、一般配列7について記載される各残基数は、一般
配列8において5つシフトしていることが異なる。例えば、一般配列7における
「res.2のXaa=(TyrまたはLys)」は、一般配列8におけるre
s.7のXaaに対応する。
【0042】 一般配列9(配列番号6)および一般配列10(配列番号7)は、以下のタン
パク質の複合アミノ酸配列である:ヒトOP−1(「hOP−1」)、hOP−
2、hOP−3、hBMP−2、hBMP−3、hBMP−4、hBMP−5、
hBMP−6、hBMP−9、hBMP10、hBMP−11、Drosoph
ila 60A、Xenopus Vg−1、ウニUNIVIN、hCDMP−
1(マウスGDF−5または「mGDF−5」)、hCDMP−2(mGDF−
6、hBMP−13)、hCDMP−3(mGDF−7、hBMP−12)、m
GDF−3、hGDF−1、mGDF−1、ニワトリDORSALIN、DPP
、Drosophila SCREW、マウスNODAL、mGDF−8、hG
DF−8、mGDF−9、mGDF−10、hGDF−11、mGDF−11、
hBMP−15、およびラットBMP3b。一般配列7と同様に、一般配列9は
、C末端の6システイン骨格を所有し、そして一般配列8と同様に、一般配列1
0は、C末端の7システイン骨格を所有する。
【0043】 (一般配列9)
【0044】
【化2】 (配列番号6)。 ここで、各Xaaは、独立して以下のように規定される:res.1のXaa=
(Phe、LeuまたはGlu);res.2のXaa=(Tyr、Phe、H
is、Arg、Thr、Lys、Gln、ValまたはGlu);res.3の
Xaa=(Val、Ile、LeuまたはAsp);res.4のXaa=(S
er、Asp、Glu、AsnまたはPhe);res.5のXaa=(Phe
またはGlu);res.6のXaa=(Arg、Gln、Lys、Ser、G
lu、AlaまたはAsn);res.7のXaa=(Asp、Glu、Leu
、AlaまたはGln);res.8のXaa=(Leu、Val、Met、I
leまたはPhe);res.9のXaa=(Gly、HisまたはLys);
res.10のXaa=(TrpまたはMet);res.11のXaa=(G
ln、Leu、His、Glu、Asn、Asp、SerまたはGly);re
s.12のXaa=(Asp、Asn、Ser、Lys、Arg、Gluまたは
His);res.13のXaa=(TrpまたはSer);res.14のX
aa=(IleまたはVal);res.15のXaa=(IleまたはVal
);res.16のXaa=(Ala、Ser、TyrまたはTrp);res
.18のXaa=(Glu、Lys、Gln、Met、Pro、Leu、Arg
、HisまたはLys);res.19のXaa=(Gly、Glu、Asp、
Lys、Ser、Gln、ArgまたはPhe);res.20のXaa=(T
yrまたはPhe);res.21のXaa=(Ala、Ser、Gly、Me
t、Gln、His、Glu、Asp、Leu、Asn、LysまたはThr)
;res.22のXaa=(AlaまたはPro);res.23のXaa=(
Tyr、Phe、Asn、AlaまたはArg);res.24のXaa=(T
yr、His、Glu、PheまたはArg);res.26のXaa=(Gl
u、Asp、Ala、Ser、Tyr、His、Lys、Arg、Glnまたは
Gly);res.28のXaa=(Glu、Asp、Leu、Val、Lys
、Gly、Thr、AlaまたはGln);res.30のXaa=(Ala、
Ser、Ile、Asn、Pro、Glu、Asp、Phe、GlnまたはLe
u);res.31のXaa=(Phe、Tyr、Leu、Asn、Glyまた
はArg);res.32のXaa=(Pro、Ser、AlaまたはVal)
;res.33のXaa=(Leu、Met、Glu、PheまたはVal);
res.34のXaa=(Asn、Asp、Thr、Gly、Ala、Arg、
LeuまたはPro);res.35のXaa=(Ser、Ala、Glu、A
sp、Thr、Leu、Lys、GlnまたはHis);res.36のXaa
=(Tyr、His、Cys、Ile、Arg、Asp、Asn、Lys、Se
r、GluまたはGly);res.37のXaa=(Met、Leu、Phe
、Val、GlyまたはTyr);res.38のXaa=(Asn、Glu、
Thr、Pro、Lys、His、Gly、Met、ValまたはArg);r
es.39のXaa=(Ala、Ser、Gly、ProまたはPhe);re
s.40のXaa=(Thr、Ser、Leu、Pro、HisまたはMet)
;res.41のXaa=(Asn、Lys、Val、ThrまたはGln);
res.42のXaa=(His、TyrまたはLys);res.43のXa
a=(Ala、Thr、LeuまたはTyr);res.44のXaa=(Il
e、Thr、Val、Phe、Tyr、MetまたはPro);res.45の
Xaa=(Val、Leu、Met、IleまたはHis);res.46のX
aa=(Gln、ArgまたはThr);res.47のXaa=(Thr、S
er、Ala、AsnまたはHis);res.48のXaa=(Leu、As
nまたはIle);res.49のXaa=(Val、Met、Leu、Pro
またはIle);res.50のXaa=(His、Asn、Arg、Lys、
TyrまたはGln);res.51のXaa=(Phe、Leu、Ser、A
sn、Met、Ala、Arg、Glu、GlyまたはGin);res.52
のXaa=(Ile、Met、Leu、Val、Lys、Gln、Alaまたは
Tyr);res.53のXaa=(Asn、Phe、Lys、Glu、Asp
、Ala、Gln、Gly、LeuまたはVal);res.54のXaa=(
Pro、Asn、Ser、ValまたはAsp);res.55のXaa=(G
lu、Asp、Asn、Lys、Arg、Ser、Gly、Thr、Gln、P
roまたはHis);res.56のXaa=(Thr、His、Tyr、Al
a、Ile、Lys、Asp、Ser、GlyまたはArg);res.57の
Xaa=(Val、Ile、Thr、Ala、LeuまたはSer);res.
58のXaa=(Pro、Gly、Ser、AspまたはAla);res.5
9のXaa=(Lys、Leu、Pro、Ala、Ser、Glu、Argまた
はGly);res.60のXaa=(Pro、Ala、Val、Thrまたは
Ser);res.61のXaa=(Cys、ValまたはSer);res.
63のXaa=(Ala、ValまたはThr);res.65のXaa=(T
hr、Ala、Glu、Val、Gly、AspまたはTyr);res.66
のXaa=(Gln、Lys、Glu、ArgまたはVal);res.67の
Xaa=(Leu、Met、ThrまたはTyr);res.68のXaa=(
Asn、Ser、Gly、Thr、Asp、Glu、LysまたはVal);r
es.69のXaa=(Ala、Pro、GlyまたはSer);res.70
のXaa=(Ile、Thr、LeuまたはVal);res.71のXaa=
(Ser、Pro、Ala、Thr、AsnまたはGly);res.72のX
aa=(Val、Ile、LeuまたはMet);res.74のXaa=(T
yr、Phe、Arg、Thr、TyrまたはMet);res.75のXaa
=(Phe、Tyr、His、Leu、Ile、Lys、GlnまたはVal)
;res.76のXaa=(Asp、Leu、AsnまたはGlu);res.
77のXaa=(Asp、Ser、Arg、Asn、Glu、Ala、Lys、
GlyまたはPro);res.78のXaa=(Ser、Asn、Asp、T
yr、Ala、Gly、Gln、Met、Glu、AsnまたはLys);re
s.79のXaa=(Ser、Asn、Glu、Asp、Val、Lys、Gl
y、GlnまたはArg);res.80のXaa=(Asn、Lys、Thr
、Pro、Val、Ile、Arg、SerまたはGln);res.81のX
aa=(Val、Ile、ThrまたはAla);res.82のXaa=(I
le、Asn、Val、Leu、Tyr、AspまたはAla);res.83
のXaa=(Leu、Tyr、LysまたはIle);res.84のXaa=
(Lys、Arg、Asn、Tyr、Phe、Thr、GluまたはGly);
res.85のXaa=(Lys、Arg、His、Gln、Asn、Gluま
たはVal);res.86のXaa=(Tyr、His、GluまたはIle
);res.87のXaa=(Arg、Glu、Gln、ProまたはLys)
;res.88のXaa=(Asn、Asp、Ala、Glu、GlyまたはL
ys);res.89のXaa=(MetまたはAla);res.90のXa
a=(Val、Ile、Ala、Thr、SerまたはLys);res.91
のXaa=(ValまたはAla);res.92のXaa=(Arg、Lys
、Gln、Asp、Glu、Val、Ala、SerまたはThr);res.
93のXaa=(Ala、Ser、Glu、Gly、ArgまたはThr);r
es.95のXaa=(Gly、AlaまたはThr);およびres.97の
Xaa=(His、Arg、Gly、LeuまたはSer)。さらに、ラットB
MP3bおよびmGDF−10の残基53の後にはIle;GDF−1の残基5
4の後にはThr;BMP3の残基54の後にはVal;BMP−8およびDO
RSALINの残基78の後にはGly;hGDF−1の残基37の後にはPr
o、Gly、GlyおよびProが存在する。
【0045】 一般配列10(配列番号7)は、遺伝子配列9の全てを含み、そしてさらにそ
のN末端で以下の5つのアミノ酸残基を含む:Cys Xaa Xaa Xaa
Xaa(配列番号9)、ここで、残基2のXaa=(Lys、Arg、Gln
、Ser、His、Glu、Ala、またはCys);残基3のXaa=(Ly
s、Arg、Met、Lys、Thr、Leu、Tyr、またはAla);残基
4のXaa=(His、Gln、Arg、Lys、Thr、Leu、Val、P
ro、またはTyr);および残基5のXaa=(Gln、Thr、His、A
rg、Pro、Ser、Ala、Gln、Asn、Tyr、Lys、Asp、ま
たはLeu)である。従って、残基6で始まる遺伝子配列10の各「Xaa」は
、遺伝子配列9について規定されるような特定のアミノ酸であり、遺伝子配列9
について記載される各残基番号が、遺伝子配列10において5つシフトされるこ
とによって識別される。例えば、遺伝子配列9の「残基1のXaa=(Phe、
LeuまたはGlu)」は、遺伝子配列10の残基6のXaaに対応する。
【0046】 上記のように、本発明において有用な特定の好ましい骨形態形成タンパク質は
、hOP−1のC末端の7システインのドメインに60%を超える、より好まし
くは65%を超える同一性を有する。これらの特に好ましい配列としてOP−1
タンパク質およびOP−2タンパク質の対立遺伝子改変体ならびに系統発生的改
変体(Drosophila 60Aタンパク質を含む)が挙げられる。従って
、特定の特に好ましい実施形態において、有用なタンパク質として、一般的なア
ミノ酸配列「OPX」(配列番号3)(これは、7システイン骨格を規定し、そ
してOP−1およびOP−2のいくつかの同定された改変体の間の相同性に適応
する)を有する二量体を含む活性なタンパク質が挙げられる。OPXの各Xaa
は、マウスまたはヒトOP−1もしくはOP−2のC末端配列の対応する位置に
生じる残基から独立して選択される。
【0047】
【化3】 (配列番号3) ここで、残基2のXaa=(LysまたはArg);残基3のXaa=(Lys
またはArg);残基11のXaa=(ArgまたはGln);残基16のXa
a=(GlnまたはLeu);残基19のXaa=(IleまたはVal);残
基23のXaa=(GluまたはGln);残基26のXaa=(Alaまたは
Ser);残基35のXaa=(AlaまたはSer);残基39のXaa=(
AsnまたはAsp);残基41のXaa=(TyrまたはCys);残基50
のXaa=(ValまたはLeu);残基52のXaa=(SerまたはThr
);残基56のXaa=(PheまたはLeu);残基57のXaa=(Ile
またはMet);残基58のXaa=(AsnまたはLys);残基60のXa
a=(Glu、AspまたはAsn);残基61のXaa=(Thr、Alaま
たはVal);残基65のXaa=(ProまたはAla);残基71のXaa
=(GlnまたはLys);残基73のXaa=(AsnまたはSer);残基
75のXaa=(IleまたはThr);残基80のXaa=(PheまたはT
yr);残基82のXaa=(AspまたはSer);残基84のXaa=(S
erまたはAsn);残基89のXaa=(LysまたはArg);残基91の
Xaa=(TyrまたはHis);および残基97のXaa=(ArgまたはL
ys)である。
【0048】 別の実施形態において、本発明の方法で使用される形態形成タンパク質は、以
下の一般的なアミノ酸配列の種類:
【0049】
【化4】 (配列番号10) または配列番号10の残基6〜102を含み、ここで文字は、標準的な1文字コ
ードのアミノ酸残基を示し、そしてXは、任意のアミノ酸残基を表す。システイ
ン残基が強調されている。
【0050】 上記一般的配列(配列番号10)内の好ましいアミノ酸配列は:
【0051】
【化5】 であり、ここで、配列中、各位置で縦に並べられた各々のアミノ酸は、種々の組
合せで代替的に使用され得る(配列番号10)。これらの一般的配列は、6また
は7のシステイン残基を有し、ここで分子間または分子内ジスルフィド結合が形
成され得る。これらの配列はまた、タンパク質の3次元構造に影響する他の重要
なアミノ酸を含む。
【0052】 なお別の実施形態において、有用な形態形成タンパク質は、低い、中程度の、
または高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件下で、参照形態形
成タンパク質コード配列をコードするDNAもしくはRNAにハイブリダイズす
る核酸によってコードされるアミノ酸配列を含む。例示的な参照配列として、O
P−1、OP−2、BMP−4、BMP−5、BMP−6、60A、GDF−3
、GDF−5、GDF−6、GDF−7などの保存された7システインのドメイ
ンを規定するC末端配列が挙げられる。高いストリンジェントのハイブリダイゼ
ーション条件は、本明細書中で40%のホルムアミド、5×SSPE、5×De
nhardt溶液、および0.1%のSDS中での37℃で一晩のハイブリダイ
ゼーション、ならびに0.1×SSPE、0.1%SDS中、50℃での洗浄と
して規定される。標準的なストリンジェンシー条件は、市販の標準的な分子クロ
ーニングの教科書に十分に特徴付けされている。例えば、Molecular
Cloning、A Laboratory Manual、第2版、Samb
rookら編(Cold Spring Harbor Laboratory
Press 1989);DNA Cloning、第I巻および第II巻(
D.N.Glover編、1985);Oligonucleotide Sy
nthesis(M.J.Gait編,1984);Nucleic Acid
Hybridization(B.D.HamesおよびS.J.Higgi
ns編、1984);ならびにB.Perbal、A Practical G
uide To Molecular Cloning(1984)を参照のこ
と。
【0053】 当該分野で公知の適切なインビトロ、エキソビボおよびインビボのバイオアッ
セイ(本明細書中で記載されているバイオアッセイを含む)を使用して、新規B
MP関連遺伝子産物が形態形成活性を有するか否かを確かめ得る。この遺伝子が
、どこで、そしていつ発現されるのかを規定する発現研究および局在化研究をま
た使用して、潜在的な形態形成活性を同定し得る。核酸およびタンパク質の局在
化手順は、当業者に周知である(例えば、Ausubelら編、Current
Protocols in Molecular Cloning、Gree
ne Publishing and Wiley Interscience
,New York、1989を参照のこと)。
【0054】 同定されたBMPの多くは、骨原性であり、そして哺乳動物に移植された場合
に骨および軟骨の形成を誘導し得る。既知の骨原性タンパク質に対する配列相同
性に基づいて同定されたいくつかのBMPは、脈管形成活性のような他の形態形
成活性を有し、そして本発明によるMPSFを使用してこれらの活性を高め得る
【0055】 骨の基質に元々由来するこの骨原性タンパク質が新脈管形成に関与することは
、BMPファミリーのこれらおよび他のメンバーが、まだ開示されていないさら
なる組織誘導性特性を有することを示唆する。本発明に示すMPSFを使用して
種々の公知の形態形成タンパク質の新規または既知の組織誘導特性を高め得るこ
とが予見される。本明細書中で記載される本発明が、新規の形態形成タンパク質
が将来同定された場合に、そのタンパク質の組織誘導性活性を刺激するために有
用であることもまた、予見される。
【0056】 (形態形成タンパク質の生成) 本発明の形態形成タンパク質は、種々の供給源に由来し得る。例えば、これら
は天然の供給源から単離され得るか、組換えで生成され得るか、または化学的に
合成され得る。
【0057】 (1.天然に由来する形態形成タンパク質) 本発明で使用される形態形成タンパク質は、組織供給源(例えば、哺乳動物組
織供給源)から周知の技術を使用して精製され得る。例えば、Opperman
nら、米国特許第5,324,819号および同第5,354,557号を参照
のこと。精製プロトコルが刊行されていない場合、新しく同定された形態形成タ
ンパク質に関しては、従来のタンパク質精製技術(例えば、免疫アフィニティー
)が、形態形成活性のアッセイと組合せて実施され得る。このようなアッセイは
、一連の精製工程を介して形態形成活性の追跡を可能にする。
【0058】 (2.組換え的に発現された形態形成タンパク質) 本発明の別の実施形態において、本発明で使用される形態形成タンパク質は、
宿主細胞中で適切な組換えDNA分子を発現することによって生成される。多く
のBMPおよびOPのDNAおよびアミノ酸配列が報告されており、そしてこれ
らの組換え生成のための方法が刊行されており、他に当業者に公知である。クロ
ーニングおよび組換えDNA技術の一般的な議論については、Ausubelら
(前出)を参照のこと;また、Watsonら、Recombinant DN
A,第2版、1992(W.H.FreemanおよびCo., New Yo
rk)を参照のこと。
【0059】 ウシおよびヒトのBMP−2(以前は、BMP−2A)およびBMP−4(以
前は、BMP−2B)をコードするDNA配列ならびに対応するタンパク質を組
換え的に生成するためのプロセスが、米国特許第5,011,691号、同第5
,013,649号,同第5,166,058号および同第5,168,050
号に記載される。ヒトおよびウシのBMP−5およびBMP−6のDNA配列お
よびアミノ酸配列、ならびにこれらの組換え生成の方法が、米国特許第5,10
6,748号,および同第5,187,076号にそれぞれ開示される;米国特
許第5,011,691号および同第5,344,654号も参照のこと。OP
−1の組換え発現についての方法は、Oppermannら,米国特許第5,0
11,691号および同第5,258,494号に開示される。BMP−2,B
MP−4,BMP−5,BMP−6およびOP−1(BMP7)のアミノ酸配列
のアラインメントについては、WO 95/16034を参照のこと。BMP−
8をコードするDNA配列は、WO 91/18098に開示され、そしてBM
P−9をコードするDNA配列は、WO 93/00432に開示される。BM
P−10およびBMP−11をコードするDNAおよび推定されるアミノ酸配列
は、WO 94/26893およびWO 94/26892にそれぞれ開示され
る。BMP−12およびBMP−13についてのDNAおよび推定アミノ酸配列
は、WO 95/16035に開示される。上の特許開示(DNAおよびアミノ
酸配列を記載し、そしてこれらの配列によってコードされるBMPおよびOPを
生成するための方法を記載する)は、参考として本明細書中で援用される。
【0060】 バイオアッセイによって抽出物中で同定された新規のBMP、OPおよび他の
形態形成タンパク質をコードする遺伝子をクローン化するために、「逆遺伝学(
reverse genetics)」を伴う方法を使用し得る。このような方
法は、そのタンパク質をコードする遺伝子を得るために既知または未知の機能を
有するタンパク質を用いて開始する。標準的なタンパク質精製技術を、開始工程
として使用し得る。部分的なアミノ酸配列を得るために十分なタンパク質が精製
され得る場合、その部分的なアミノ酸配列をコードするDNA配列にハイブリダ
イズし得る縮重したDNAプローブが、設計され、合成され、そしてその形態形
成タンパク質または関連する形態形成タンパク質をコードする全長クローンを単
離するためのプローブとして使用され得る。
【0061】 あるいは、形態形成タンパク質を含む部分的に精製された抽出物を使用して、
このタンパク質に対する抗体を惹起させ得る。次いで、形態形成タンパク質に特
異的な抗体をプローブとして使用して、cDNAから作製された発現ライブラリ
ーをスクリーニングし得る(例えば、BroomeおよびGilbert、Pr
oc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、75、2746〜49頁(
1978);YoungおよびDavis、Proc.Natl.Acad.S
ci.U.S.A.、80、31−35頁(1983)を参照のこと)。
【0062】 DNA配列相同性に基づいて同定された新規のBMP、OPおよび他の形態形
成タンパク質をクローニングならびに発現させるために、相同な配列を、標準的
な組換えDNA技術を使用してクローン化し、そして配列決定し得る。DNA配
列が利用可能である場合、形態形成タンパク質をコードするDNAフラグメント
は、所望の宿主発現系で一緒に作用するように選択された発現ベクターに挿入さ
れ得る。DNAフラグメントは、ベクター中にクローン化され、その結果その転
写が、ベクター中の異種プロモーター、好ましくは必要に応じて調節され得るプ
ロモーターによって制御される。
【0063】 BMPおよびOPの組換え発現に適切ないくつかの宿主ベクター系が、上に列
挙された参照文献中に開示される。有用な宿主細胞として、E.coliのよう
な細菌、SaccharomycesおよびPiciaのような酵母、昆虫細胞
および他の主に形質転換または不死化された真核生物培養細胞が挙げられるが、
これらに限定されない。好ましい真核生物宿主細胞としては、CHO、COS、
およびBSC細胞が挙げられる(以下を参照のこと)。
【0064】 適切なベクターは、選択される宿主系に従って選択される。有用なベクターと
して、プラスミド、コスミド、バクテリオファージ、昆虫ウイルスおよび動物ウ
イルスベクター(レトロウイルスならびに他の一本鎖DNAおよび二本鎖DNA
ウイルスに由来するベクターを含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】 1つの実施形態において、本発明の方法において使用される形態形成タンパク
質は、原核生物宿主において発現される組換えDNA分子に由来し得る。組換え
DNA技術を使用して、種々の融合遺伝子が、E.coliにおいて天然に供給
される骨形成配列の組換え発現を誘導するために構築されてきた(例えば、Op
permannら、米国特許第5,354,557号(本明細書中で参考として
援用される)を参照のこと)。類似の手順を使用して、天然に供給される形態形
成配列の短縮形態を含むDNAが、酸不安定切断部位(Asp−Pro)をコー
ドする配列によってE.coliにおける発現を促進するために適切なリーダー
配列(例えば、「MLEリーダー」)に連結された融合構築物として調製され得
る。
【0066】 別の実施形態において、本発明で使用される形態形成タンパク質は、哺乳動物
宿主−ベクター系を使用して発現される(例えば、トランスジェニック生成、ま
たは組織培養生成)。このように発現された形態形成タンパク質は、より密接に
天然に存在するタンパク質に類似し得る。組換えタンパク質のグリコシル化パタ
ーンは、時折天然のタンパク質のグリコシル化パターンとは異なるが、このよう
な差異は、しばしば組換えタンパク質の生物学的活性について重要ではない。組
換えタンパク質のトランスフェクション、発現および精製のための技術は、当該
分野で周知である。例えば、Ausubelら、前出、およびBendig、G
enetic Engineering、7、91−127頁(1988)を参
照のこと。
【0067】 哺乳動物DNAベクターは、目的の遺伝子の発現を促進するための適切な配列
を含むべきである。このような配列として、転写開始配列、終止配列およびエン
ハンサー配列;スプライシングおよびポリアデニル化シグナルのような効率的な
RNAプロセシングシグナル;mRNA安定化配列;翻訳増強配列(例えば、K
ozakコンセンサス配列);タンパク質安定化配列;および所望である場合、
タンパク質分泌を増強する配列が挙げられる。
【0068】 哺乳動物細胞でのOP−1発現について設計された種々の例示的な発現ベクタ
ーの制限マップおよび供給源は、米国特許第5,354,557号に記載されて
いる。これらのベクターはそれぞれ、pUC−18ベクターに挿入された全長h
OP−1 cDNA配列を使用する。形態形成タンパク質の短縮形態をコードす
るDNA配列がまた使用され得ること(ただしこの発現ベクターまたは宿主細胞
は、発現されるタンパク質の直接的なプロセシングおよび分泌に必要な配列を提
供する)が当業者に認識される。
【0069】 有用なプロモーターとして、SV40初期および後期プロモーター、アデノウ
イルス主要後期プロモーター、マウスメタロチオネイン−I(「mMT」)プロ
モーター、ラウス肉腫ウイルス(「RSV」)長末端反復(「LTR」)、マウ
ス乳腺癌ウイルス(「MMTV」)LTR,およびヒトサイトメガロウイルス(
「CMV」)主要中期−初期プロモーターが挙げられるが、これらに限定されな
い。例えば、CMVまたはMMTVプロモーターとRSV LTR由来のエンハ
ンサー配列との組合せは、ヒト骨形成タンパク質の発現において特に有用である
ことが見出されている。
【0070】 好ましいDNAベクターはまた、マーカー遺伝子(例えば、ネオマイシンまた
はDHFR)および目的の遺伝子のコピー数を増幅するための手段を含む。DN
Aベクターはまた、安定化配列(例えば、ori様配列またはARS様配列なら
びにテロメア様配列)を含み得るか、あるいは宿主細胞ゲノムへの指向された組
込みまたは指向されていない組込みを好むように設計され得る。
【0071】 哺乳動物細胞系における遺伝子増幅の1つの方法は、選択可能なジヒドロ葉酸
レダクターゼ(DHFR)遺伝子のdhfr細胞株での使用である。一般的に
、DHFR遺伝子が目的の遺伝子を保有するベクターに提供され、そして漸増濃
度の細胞毒性薬物であるメトトレキサート(MTX)の添加が、DHFR遺伝子
のコピー数の増幅およびそれに物理的に関連する遺伝子の増幅を引き起こす。ト
ランスフェクトされたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株中の選択可
能な、増幅可能なマーカー遺伝子としてのDHFRは、当該分野で特に十分に特
徴付けられている。他の有用な増幅可能なマーカー遺伝子としては、アデノシン
デアミナーゼ(ADA)およびグルタミンシンテターゼ(GS)遺伝子が挙げら
れる。
【0072】 遺伝子の増幅は、生成されるマーカータンパク質のレベルを減少するためにマ
ーカー遺伝子発現の調節配列(例えば、エンハンサー、プロモーター、および転
写または翻訳開始配列)を改変することによって、さらに増強され得る。DHF
R転写のレベルを低下すると、DHFR遺伝子のコピー数(および物理的に関連
する遺伝子)が増加し、低いレベルのメトトレキサート(例えば、0.1μM
MTX)においてさえ、トランスフェクトされた細胞を増殖に適合可能にする。
好ましい発現ベクター(例えば、pH754およびpH752(Opperma
nnら、米国特許第5,354,557号、図19CおよびD))は、弱いDH
FRプロモーターを作製するために、標準的な組換えDNA技術を使用して操作
されてきた。当業者に認識されるように、本明細書中で開示された弱いプロモー
ターとは異なる他の有用な弱いプロモーターが、標準的な方法を使用して構築さ
れ得る。他の調節配列はまた、同様の効果を達成するために改変され得る。
【0073】 別の遺伝子増幅スキームは、SV40ベクターでトランスフェクトされたBS
C40−tsA58細胞の温度感受性(ts)に依存する。33℃までの温度低
下は、組込まれたトランスフェクトされたベクターDNAの切除および増幅を導
く温度感受性SV40 T抗原を安定化し、これによって、目的の物理的に関連
する遺伝子を増幅する。
【0074】 細胞/細胞株の選択は、当業者の必要性に依存する。サル腎細胞(COS)は
、高いレベルの一過性の遺伝子発現を提供し、従って、ベクター構築物を迅速に
試験するためおよびクローニングされた遺伝子の発現のために有用である。目的
の遺伝子を発現するCOS細胞を、例えば、この遺伝子を保有するSV40ベク
ターを用いて、トランスフェクトすることによって樹立した。他方、安定してト
ランスフェクトされた細胞株は、形態形成タンパク質の長期産生のために使用さ
れ得る。例として、CHO細胞およびBSC40−tsA58細胞の両方は、宿
主細胞として使用され得る。組換えOP−1は、3つの異なる細胞発現系で発現
されている:種々の発現構築物の機能性を迅速にスクリーニングするためのCO
S細胞、安定した細胞株の樹立のためのCHO細胞、および組換えOP−1タン
パク質を産生するための代替的な手段としてのBSC40−tsA58細胞。
【0075】 いくつかの骨由来の骨原性タンパク質(OP)およびBMPは、それらの活性
形態において鎖間ジスルフィド結合を含むホモ二量体およびヘテロ二量体として
見出される。例えば、BMP−4、BMP−6およびBMP−7(OP−1)(
本来骨から単離される)は、ホモ二量体またはヘテロ二量体のいずれかとして、
生理活性である。ヘテロ二量体を形成するOPおよびBMPの能力は、形態形成
タンパク質に対してさらなる形態形成活性または変更された形態形成活性を与え
得る。ヘテロ二量体は、OPおよびBMPレセプターについてのホモ二量体とは
、質的または量的に異なる結合親和性を示し得る。変更された結合親和性は、次
に、異なるシグナル伝達経路を媒介するレセプターの差次的な活性化を生じ得、
最終的に、異なる生物学的活性を生じる。変更された結合親和性はまた、組織ま
たは細胞型特異的様式において明白であり得、それにより、特定の前駆細胞型の
みに増殖および/または分化を誘導する。
【0076】 二量体タンパク質は、培養培地から単離され得るかそして/またはインビトロ
で再折り畳みおよび二量体化され得、生物学的に活性な組成物を形成する。ヘテ
ロ二量体は、別々の別個のポリペプチド鎖を併用することによって、インビトロ
で形成され得る。あるいは、ヘテロ二量体は、別々の別個のポリペプチド鎖をコ
ードする核酸を同時発現することによって、単一細胞で形成され得る。例えば、
ヘテロ二量体産生のための例示的なプロトコルについては、WO93/0922
9および米国特許5,411,941号を参照のこと。
【0077】 (合成非ネイティブ形態形成タンパク質) 別の実施形態において、本発明の方法において使用される形態形成タンパク質
は、合成的に調節される。合成的に調製される形態形成タンパク質は、ネイティ
ブであってもよいし、非ネイティブ(すなわち、他に天然で見出されないタンパ
ク質)であってもよい。
【0078】 非ネイティブ形態形成タンパク質は、天然の形態形成タンパク質を変異誘発す
ることによって作製され得る。サブユニットを再折り畳みおよび/またはアセン
ブリすることを支持する、より大きい形態形成タンパク質を示す形態への変異を
作製するための方法が、記載されている。例えば、米国特許第5,399,67
7号を参照のこと。
【0079】 非ネイティブの形態形成タンパク質はまた、一連のコンセンサス配列(米国特
許第5,324,819号)を使用して合成され得る。これらのコンセンサス配
列は、ネイティブな骨原性産物から得られる部分的なアミノ酸配列データに基づ
いてか、または推定または実証された発生機能を有することが報告されている他
のタンパク質とそれらの相同性に基づいて設計された。いくつかの生合成コンセ
ンサス配列(コンセンサス骨原性タンパク質または「COP」と呼ばれている)
を原核生物中で融合タンパク質として発現した。精製した融合タンパク質を、切
断し、再折り畳みし、ホルモンおよびその可溶性レセプターと組み合わされ得、
樹立された動物モデル中で移植され、そして、それらの骨および/または軟骨誘
導活性について調査した。特定の好ましい合成骨原性タンパク質は、COP5お
よびCOP7と命名される2つの合成アミノ酸配列の1つまたは両方を含む。
【0080】 COP5およびCOP7のアミノ酸配列は、Oppermannら、米国特許
第5,011,691号および同第5,324,819号(これらは、本明細書
中に参考文献として援用される)において示されるように、以下に示される。
【0081】
【化6】 これらのアミノ酸配列において、ダッシュ(−)は、関連したアミノ酸におけ
る比較可能な配列を並べるためのみに、フィルターとして使用される。整列され
たアミノ酸配列間の差異を強調して表示する。
【0082】 1つの実施形態において、本発明の方法において使用される形態形成タンパク
質は、上記の一般的な配列(配列番号4、5、6、7、または10)の部分的ま
たは完全配列を含む骨原性タンパク質であり、その結果、このタンパク質は、適
切に折り畳まれ、そして哺乳動物中に移植される場合に組織形成を誘導し得る。
例えば、合成タンパク質は、都合の良い環境中で移植される場合に、骨芽細胞か
ら骨形成を誘導し得る;または、これは、無血管部位に移植される場合または完
全な骨発達のインヒビターと共に同時投与される場合、軟骨形成を促進し得る。
【0083】 別の実施形態において、本発明の方法において使用される合成形態形成タンパ
ク質は、COP(例えば、COP5またはCOP7)の部分的または完全配列を
十分に複製可能な配列を含む。生合成COP配列は、再折り畳みの間に二量体化
すると考えられ、そして還元される場合に活性でないようである。ホモ二量体お
よびヘテロ二量体のCOPは、本発明において意図される。特定の実施形態にお
いて、この合成タンパク質は、約200アミノ酸長未満である。
【0084】 これらおよび他の合成非ネイティブ骨原性タンパク質は、MPSFと協力して
使用され得、そして、前駆細胞誘導および組織再生のためのインビトロ、エキソ
ビボまたはインビボ生物アッセイを使用して試験され得る。本発明のMPSFと
結合したタンパク質は、血管、骨、軟骨、腱、靭帯、神経および潜在的に他の型
の組織の修復のために有用であると想定されている。
【0085】 (形態形成活性を有する相同なタンパク質) 本発明において有用である形態形成タンパク質は、上記の骨原性COPコンセ
ンサス配列との相同性に基づいて単離されたDNA配列の組換え発現によって産
生され得る。合成COP DNA配列は、種々の種由来の関連DNA配列を検索
するためのプローブとして使用される(例えば、Oppermannら、米国特
許第5,011,591号および同第5,258,494号(これらは、本明細
書中に参考文献として援用される)を参照のこと)。
【0086】 COP配列プローブとハイブリダイズする遺伝子によってコードされる形態形
成タンパク質は、ジスルフィド結合した2つのサブユニットにアセンブリされ、
哺乳動物に移植される場合、組織形成を誘導し得るヘテロ二量体またはホモ二量
体を産生する。組換えBMP−2およびBMP−4は、OP−1サブユニットと
アセンブリされたホモ二量体およびヘテロ二量体としての種交差骨原性活性を有
することが示されている。
【0087】 合成COP配列プローブにハイブリダイズする形態形成タンパク質コード遺伝
子は、Vg1、インヒビン、DPP、OP−1、BMP−2およびBMP−4を
コードする遺伝子を含む。Vg1は、初期胚のパターン形成に関与する公知のX
enopus laevisのタンパク質である。インヒビンは、Xenopu
s laevis由来のタンパク質のBMPファミリーのメンバーである別の発
生遺伝子である。DPPは、背腹側の発生を担うDrosophila遺伝子に
よってコードされたアミノ酸配列である。OP−1、BMP−2およびBMP−
4は、軟骨、骨、および神経組織形成を誘導し得る骨原性タンパク質である。
【0088】 別の実施形態において、本発明の方法において使用される形態形成タンパク質
は、「OPS」核酸プローブにストリンジェントな条件下でハイブリダイズする
核酸によってコードされるポリペプチドを含み得る(Oppermanら、米国
特許第5,354,557号)。「OPS」(OP−1「短い」を意味する)は
、C末端活性領域(97アミノ酸;配列番号2、残基335−431)中の保存
された6つのサイトカイン骨格を規定するヒトOP−1タンパク質の部分をいう
【0089】 ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の1つの例としては、65℃
(または、ミスマッチの塩基対を含まない、プローブと核酸配列との間のハイブ
リッドについての計算された融解温度よりも10℃高い)での4×SSC中のハ
イブリダイゼーション、次いで、このハイブリダイゼーション温度での0.1×
SSC中の洗浄である。別のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は
、42℃で、50%ホルムアミド、4×SSC中のハイブリダイゼーションであ
る。
【0090】 従って、この開示を考慮して、当業者は、遺伝子を容易に設計および合成し得
るか、または形態形成活性を有するアミノ酸配列をコードするcDNAまたはゲ
ノムライブラリーから遺伝子を単離し得る。これらの遺伝子は、大量の活性骨原
性タンパク質または他に形態形成タンパク質を産生するために、原核生物または
真核生物において発現され得る。組換えタンパク質は、インビトロおよびエキソ
ビボバイオアッセイおよびヒトを含む哺乳動物におけるインビボ移植によって示
されるように、ネイティブ形態、短縮形態、変異体形態、融合物形態、または、
骨、軟骨、または他の型の組織の形成を含み得る他の活性化形態で存在し得る。
【0091】 (形態形成タンパク質刺激因子(MPSF)) 本発明に従う方法において使用される形態形成タンパク質刺激因子(MPSF
)は、新脈管形成を誘導する形態形成タンパク質の能力を刺激し得る因子である
。1つの実施形態において、新脈管形成は、前駆細胞からの血管組織形成の誘導
を含む。本発明の別の実施形態において、有効量のMPSFを同時投与すること
によって、哺乳動物における形態形成タンパク質の脈管形成活性を改善するため
の方法が提供される。MPSFは、形態形成タンパク質による新脈管形成に対し
て相加的な効果を与え得る。好ましくは、MPSFは、形態形成タンパク質によ
る新脈管形成に対して相乗的な効果を有する。
【0092】 本発明の形態形成タンパク質によって、増加および/または分化するように誘
導される前駆細胞は、好ましくは哺乳動物細胞である。好ましい前駆細胞として
は、哺乳動物の内皮細胞の前駆細胞、その全ての初期発生前駆細胞、およびそこ
から発生する全ての細胞が挙げられる。しかし、形態形成タンパク質は、進化全
体で高度に保存され、そして、非哺乳動物前駆細胞はまた、同じ種または交雑種
の形態形成タンパク質およびMPSFの組み合わせによって、刺激されるようで
ある。従って、スキームが、逆の免疫学的反応を引き起こすことなく、ヒトに異
種細胞を移植するのに利用可能となる場合、本明細書中に示される手順に従って
、形態形成タンパク質およびMPSFによって刺激された非ヒト前駆細胞は、ヒ
トにおける組織再生および組織修復において有用であることが想定される。
【0093】 1つ以上のMPSFは、誘導されるのに所望の組織型ならびに形態形成タンパ
ク質およびMPSFが投与される部位に従って、1つ以上の形態形成タンパク質
と協力して使用のために選択される。形態形成タンパク質/MPSFの特定の選
択およびそれらが組み合わされる相対的濃度は、本明細書中に記載される手順を
使用して、選択された処置部位において、誘導される組織型を最適化するために
、体系的に変化し得る。
【0094】 本発明の好ましい形態形成タンパク質刺激因子(MPSF)は、ホルモン、サ
イトカインおよび増殖因子からなる群から選択される。1つの好ましい実施形態
において、骨原性タンパク質と協力して新脈管形成を誘導するためのMPSFは
、以下の群から選択される少なくとも1つの化合物を含む:線維芽細胞増殖因子
(FGF)、特に酸性(aFGF)および塩基性FGF(bFGF)、形質転換
増殖因子−β(TGF−β)、形質転換増殖因子−α(TGF−α)、上皮増殖
因子(EGF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、内皮細胞増殖因子(ECGF
)、インシュリン様増殖因子−1(IGF−1)、肝細胞増殖因子(HGF)、
血小板活性化因子(PAF)、インターロイキン−8(IL−8)、胎盤増殖因
子(PGF)、プロリィフェリン(proliferin)、B61、可溶性血
管細胞接着分子−1(SVCAM−1)、可溶性E−セレクチン、エフリン(e
phrin)、12−ヒドロキシエイコサテトラエン酸、HIV−1のtatタ
ンパク質、アンジオゲニン(angiogenin)、プロスタグランジン、特
にPGE2、およびそのアミノ酸改変体。骨原性タンパク質と協力して新脈管形
成を誘導するためのより好ましいMPSFは、塩基性線維芽細胞増殖因子(bT
GF)、血小板由来形質転換増殖因子−β1(TGF−β1)およびそのアミノ
酸改変体からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む。1つの最も
好ましいMPSPは、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)およびそのアミノ
酸改変体である。別の最も好ましいMPSFは、血小板由来形質転換増殖因子−
β1(TGF−β)およびそのアミノ酸改変体である。
【0095】 本発明の別の好ましい実施形態において、MPSFは、別のMPSFの生物活
性を増加し得る化合物または薬剤を含む。MPSF生物活性を増加する薬剤は、
例えば、合成、半減期、結合タンパク質およびレセプターのような他の分子との
反応性、またはMPSFのバイオアベイラビリティーを増加する薬剤を含む。こ
れらの薬剤は、ホルモン、増殖因子、ペプチド、サイトカイン、タンパク質また
は脂質のようなキャリア分子、またはMPSFの発現または安定性を増加する他
の因子を含み得る。
【0096】 例えば、選択されたMPSFがFGFの場合、その生物活性を増加する薬剤は
、硫酸ヘパランプロテオグリカン(HSPG)(これは、本発明に従ってMPS
Fとして機能し得る)を含む。
【0097】 好ましくは、MPSFは、哺乳動物における形態形成タンパク質の組織誘導活
性を相乗的に刺激し得る量で存在する。哺乳動物に投与される場合に組織形成を
必要に応じて誘導する形態形成タンパク質およびMPSFの相対的な濃度は、本
明細書中に記載される手順を使用して、当業者によって経験的に決定される。
【0098】 (推定形態形成タンパク質刺激因子を試験する) 選択された形態形成タンパク質の血管形成活性を刺激し得るMPSFを同定す
るために、適切なアッセイを選択する。最初に、形態形成タンパク質の血管形成
活性を刺激し得るMPSFを同定するためにインビトロアッセイを実行すること
が好ましい。有用なインビトロアッセイは、関連した分化経路を相関することが
公知のマーカーをモニターするアッセイである(実施例1〜3を参照のこと)。
【0099】 実施例5〜6は、新脈管形成に対するその影響を決定するために、そして、M
PSFの有効濃度を同定および最適化するために、骨原性タンパク質OP−1を
使用する実験を記載する。OP−1は、いくらかの脈管形成活性を有する。従っ
て、血管形成関連マーカーの発現を調べるインビトロアッセイを使用して、OP
−1と協力して機能する1つ以上のMPSFを同定し得る。
【0100】 (新脈管形成アッセイを使用して推定MPSFを試験する) 新脈管形成活性について、OP−1を用いて潜在的なMPSFを試験するため
の好ましいアッセイは、絨毛尿膜(CAM)アッセイである。このCAMアッセ
イは、脈管形成反応の測定である。この手順は、一般に以下の様である。
【0101】 第1に、MPSFは、MPSFの1つ以上の濃度を選択することによって、そ
して、それらを単独または形態形成タンパク質の存在下で試験することによって
、同定される(実施例5〜6)。第2に、形態形成タンパク質と協力して、最適
な好ましい相乗的な組織誘導を達成するのに必要なMPSFの量は、用量応答曲
線を作成することによって決定される。
【0102】 必要に応じて、形態形成タンパク質および第1のMPSFによって誘導される
脈管形成活性を刺激または他に変更する1つ以上のさらなるMPSFが同定され
得、そして、新しい多重因子用量応答曲線が作成され得る。
【0103】 (形態形成タンパク質およびMPSFの有用性) 形態形成タンパク質単独、または本発明のMPSFと組み合わせた形態形成タ
ンパク質は、血管組織形成が必要である種々の傷害または病理の処置を可能にす
る。この形態形成タンパク質単独、または本発明のMPSFと組み合わせた形態
形成タンパク質は、新脈管形成を刺激することによって、傷害または病理を改善
または治療し得る。
【0104】 本発明の1つの実施形態において、この形態形成タンパク質が、BMP−2ま
たはGDF−5でないという条件で、有効量の形態形成タンパク質を投与するこ
とによって、哺乳動物中で新脈管形成を誘導するための方法が、提供される。本
発明の別の実施形態において、有効量の形態形成タンパク質刺激因子を、形態形
成タンパク質と同時投与することによって、哺乳動物中の形態形成タンパク質の
脈管形成誘導活性を改善するための方法が、提供される。
【0105】 1つの好ましい実施形態において、形態形成タンパク質刺激因子は、形態形成
タンパク質による新脈管形成に対する相乗的効果を与える。別の好ましい実施形
態において、形態形成タンパク質刺激因子は、形態形成タンパク質による新脈管
形成に対して相加的効果を与える。
【0106】 形態形成タンパク質およびMPSFは、哺乳動物の所望の部位で投与され得、
その結果、形態形成タンパク質およびMPSFは、哺乳動物の適切な前駆細胞に
アクセス可能である。形態形成タンパク質およびMPSFの組み合わせを使用し
て、新脈管形成を誘導する場合、これらは、標的部位に同時または別々のいずれ
かで投与され得る。例えば、形態形成タンパク質が最初に投与され、次いで、M
PSFが投与される。好ましい実施形態において、標的部位は、血管組織欠損部
位である。
【0107】 (実施例1:絨毛尿膜(CAM)アッセイ) 受精したニワトリの卵(Lowman Brown)を、インキュベートし、
そして、記載されるようにインキュベーションの3日目または4日目にビーズ移
植のために調製した(Vuら、Lab.Invest.,53,499−508
頁(1985);Gouldら、Life Sci.,56,587−594頁
(1995)、Kirchnerら、Microvasc.Res.,51,1
−14頁(1996))。タンパク質ペレットを、インキュベーションの10日
目に絨毛尿膜(CAM)上に穏やかに配置した。次いで、卵を収穫まで回転する
ことなくインキュベートした。インキュベーションの15日目(すなわち、5日
の総移植期間後)、CAMをリン酸緩衝化ホルマリン(10%溶液)を用いて、
インサイチュで固定した。
【0108】 (実施例2:巨視的分析) 各処置群内で、無作為に選択されたCAMを、Wild M400フォトマク
ロスコープ(Wild Heerbrugg Ltd.,Switzerlan
d)を使用して写真撮影した。このCAMの光学顕微鏡写真を、多少の改変を用
いて、以前に記載されるように(Vuら、前出;Flammeら、Develo
pment,111,683−690頁(1991):Olivoら、Anat
.Rec.,234,105−115頁(1992))、遮蔽した様式で視覚的
に評価した。結果は以下のように記載される:(i)反応なし:血管は、ビーズ
の周りおよびCAMの周囲に分布していない、(ii)疑問な反応:血管は、C
AMの周囲から放射線状に広がり、そして、スポークホイール様パターンでビー
ズに向って方向的に移動する、または(iii)ポジティブ反応:血管は、顕著
なスポークホイールパターンで、ビーズの周りの領域をカバーする。
【0109】 (実施例3:顕微鏡分析) ペレットおよびCAMの隣接組織を、外科的に切除し、ホルマリンに配置し、
エタノールを介して脱水し、そして、記載されるようにパラフィンワックスに包
埋する(YangおよびMoses,J.Cell.Biol.111、731
−341頁(1990))。組織の連続切片を、5μmで切断し、ガラススライ
ド上に固定し、そして、改変Goldner毛状体技術を使用して染色した(R
ipamontiら、Matrix,12,369−380頁(1992);R
ipamontiら、Bone Morphogenetic Protein
s:Biology、Biochemistry and Reconstru
ctive Surgery,Lindholm T.S.編、131−145
頁(1996);BradburyおよびRae,Bone,Theory a
nd Practice of Histological Techniqu
es,BancroftおよびStevens編、113−138頁(1996
);Pageら、Bone,Theory and Practice of
Histological Techniques,BancroftおよびS
tevens編、309−340頁(1996))。染色は、核を青−黒色、赤
血球を赤色、細胞質を赤−紫色、フィブリンを赤色、そしてコラーゲンを青色に
する。切片を、光学顕微鏡によって調査し、そして、Provis AX70研
究顕微鏡(Olympus Optical,Co.,Japan)を使用して
写真撮影した。代表的な組織学的切片を、色モニターを用いて、Pentium
(登録商標)コンピューターにインストールされたコンピューターソフトウェア
(Flexible Image Analysis System(登録商標
)第2.15版、CSIR,South Africa)で補助して、顕微鏡的
に評価した。
【0110】 平均のCAMの厚み(μm)を、以前に記載されたもの(YangおよびMo
ses、前出)を少し改変して、測定した。簡単に言うと、全CAMの幅(外関
節、中関節、および内胚葉関節)を、移植ビーズ下の中央の領域およびこのビー
ズから離れた末梢領域にわたって、5つの定期的に間隔をおいたサンプル点の個
々の距離のアレイを用いて測定した。この点の間隔は、使用者の偏りを減少させ
るために、重ね合わせた格子グリッド(Zeiss Integration
Platte II)の補助によって決定した。各代表的なサンプル区画におい
て、厚みの比率(中心に配置された領域の平均の厚み/末梢の非反応性領域の平
均の厚み)を計算した。膜の厚みにおけるこれらの相対的な変化を、その領域に
おける血管および線維組織の数、サイズまたは密度の変化と結び付けて、種々の
CAMの血管形成応答の全体的な評価に使用した。
【0111】 この定性的な評価に基づいて、異なる処置群を以下のように分類した:(I)
弱い(毛細血管および線維組織は限定された増加またはこの増加を伴わない、C
AMの厚みのごくわずかな増加または増加なし)、(ii)中程度(毛細血管お
よび線維組織の中程度の増加を伴う、CAMの厚みにおける中程度の増加)、(
iii)強い(毛細血管および線維組織の拡張性の増加を伴う、CAMの厚みの
中程度の増加)または(iv)非常に強い(毛細血管および線維組織の拡張性の
増加を伴う、CAMの厚みの拡張性の増加)。実験を、4連で実行し、少なくと
も3回反復した。
【0112】 (実施例4:統計的な分析) 定量的なデータ(顕微鏡評価および厚みの比率)を、それぞれ、GraphP
ad PrismTM、第2版(San Diego,USA)を用いて、2方
向分散分析または1方向分散分析(ANOVA)によって分析した。p<0.0
5における結果を、有意とみなした。
【0113】 (実施例5:OP−1誘導脈管形成に対するbFGFおよびTGF−βの相乗
効果−顕微鏡分析) 図1および9は、ニワトリ絨毛尿膜(CAM)に対する、モルフォゲンである
pTGF−β1(20ng)、bFGF(500ng)またはhOP−1(10
0および1000ng)の単一適用およびhOP−1/bFGF(100/10
0ng)またはhOP−1/pTGF−β1(100/5および100/20n
g)の2成分適用が、BSA(500ng)コントロール(12.5%)と比較
して、有意に高い陽性の脈管形成スコア(50.0%以上)を実証したことを示
す。hOP−1/bFGFおよびhOP−1/pTGF−β1の組合わせは、最
も高い陽性応答数(75%以上)を誘発した。最も高い疑わしい血管形成応答数
(37.5%)が、低い用量のhOP−1(100ng)によって生成された。
これらのモルフォゲンはまた、コントロール(62.5%)と比較して、より低
い非応答性の脈管形成スコア(25%以下)を示した;hOP−1/pTGF−
β1の組合わせは、最も低い数値の非応答性スコア(0%)を誘発した。
【0114】 (実施例6:OP−1誘導新脈管形成に対するbFGFおよびTGF−βの相
乗効果−顕微鏡分析) (A.CAMの厚み) 図2〜8は、pTGF−β1(20ng)、bFGF(500ng)およびh
OP−1(100ngおよび1000ng)に浸漬したビーズに近接したCAM
領域が、BSA(500ng)コントロールと比較して、CAMの厚みにおける
有意な増加を示したことを示す。さらに、hOP−1/bFGF(100/10
0ng)およびhOP−1/pTGF−β1(100/5および100/20n
g)の二成分の組み合わせは、それぞれのモルフォゲンの単一適用よりも、CA
Mの厚みに有意に高い増加が誘発された。hOP−1/pTGF−β1の組合わ
せは、膜の厚みの最も高い増加を誘発した。反応性CAMの厚みにおける増加の
全ては、細胞形態における有意な変化(有核の赤血球を有する血管の数およびサ
イズにおける増加ならびに線維組織密度における増加(線維増殖)を含む)によ
って達成された。
【0115】 (B.全体の脈管形成スコア) コントロール:500ng BSAで浸漬したビーズは、CAMの全体の厚み
にごくわずかな変化(図2)、および弱いまたはごくわずかなCAMの全体の脈
管形成反応(図10)を引き起こした。図3に示されるように、ビーズの真下の
CAMの外胚葉、中胚葉および内胚葉は、曝露されていない隣接するCAMと比
較した場合、実質的に正常なパターンを発生した。外胚葉および内胚葉は、CA
Mの全体の広がりにおいて平坦な単層または単一の上皮であった。外胚葉は、皮
内毛細血管の正常な発達を示した。中胚葉は、中心に局在しかつ外胚葉にも隣接
した有核赤血球を含む分散した血管を有する別々に配置された線維組織を主に示
した。内胚葉に隣接した中胚葉は、血管を欠損していた。
【0116】 pTGF−β1:20ng pTGF−β1の適用によって、反応性CAMの
厚みの中程度の増加(図2)および中程度の全体的な脈管形成応答(図10)が
生じた。図4は、反応中心が、内胚葉に隣接した中胚葉の領域に主に位置したこ
とを示す。中胚葉の非常に顕著な拡張または厚み、内胚葉の非常に強力な層化が
存在し、これには層化した上皮の最も外側の細胞層の流出の徴候を伴った。中胚
葉はまた、広範囲に及ぶ毛細血管の数の増加、ならびに内胚葉に隣接した線維芽
細胞および結合組織線維(青く染色されるコラーゲン線維を含む)の凝集を介し
た間葉細胞密度の増加によって特徴付けられる。いくつかの区分において、外胚
葉は、二分子層の扁平上皮に変化した。
【0117】 bFGF:500ng bFGFの適用は、反応性CAMの厚みの中程度の増
加(図2)および強度な全体の脈管形成応答(図10)を生じた。この反応の組
織学的特徴は、この応答が、外胚葉および内胚葉の両方の強度な層化によって特
徴付けられたことを示す(図5)。拡張した中胚葉は、大きな毛細血管の増加な
らびに最も主に外胚葉および内胚葉の両方に隣接した領域における新規の毛細血
管の密度および線維組織の密度の増加によって特徴付けられた。青く染色される
コラーゲン線維は、反応性中胚葉に広範に分布した。層状外胚葉に類似の形態学
的外観を有し、そしてこの外胚葉におそらく隣接した細胞のクラスターが、中胚
葉に観察された。
【0118】 hOP−1:100ngおよび1000ngのhOP−1適用は、それぞれ、
反応性CAMの厚みに用量依存性の中程度から高度の増加(図2)および中程度
から強度の全体的な脈管形成応答(図10)を引き起こした。100ng hO
P−1に対するCAMの反応(図6A)は、外胚葉に部分隣接(subadja
cent)した中胚葉の領域に主に局在した。外胚葉の強度の層化および内胚葉
の弱い増殖が存在した。中胚葉は拡張し、多数の毛細血管および広汎性の線維組
織が、外胚葉付近の領域に主に分布していた。1000ngのhOP−1に対す
る反応(図6B)はまた、外胚葉に部分隣接した中胚葉領域に主に限定されたが
、100ngのhOP−1によって誘発された応答よりも強度であった。外胚葉
の非常に強度な層化および内胚葉の中程度の細胞拡張が存在した。中胚葉は、拡
大し、新しい毛細血管および非常に密集した線維組織が、外胚葉に部分隣接した
領域に主に分布した。これ以前に、外胚葉内毛細血管は、血管を含まない層状外
胚葉の直下に位置した。中胚葉において、水症性細胞および壊死性細胞が、層化
された外胚葉の細胞に同一な形態学的外観を示すいくつかの細胞群で観察された
。両用量のhOP−1によって(図6Aおよび6B)、中胚葉中の有核赤血球を
伴う複数の拡大した血管が存在した。
【0119】 hOP−1/bFGF:100ng hOP−1と100ng bFGFの二
成分適用によって、反応性CAMの厚みに中程度から高度の増加(図2)、なら
びに非常に強度な脈管形成応答(図10)が生じた。この組合わせは、外胚葉、
中胚葉、および内胚葉の強度な変化を引き起こした(図7)。外胚葉上皮は、層
化および細胞の肥厚に加えて円柱形態を獲得した内胚葉細胞を介して厚くなった
。中胚葉は、より強化され、CAMの反応性領域を介して広範に分布した線維芽
細胞および小さい血管の増加した密度を示した。主に青に染色されるコラーゲン
を含む線維組織は、非常に密集し、そして反応性中胚葉の外周部にわたって広が
った。
【0120】 hOP−1/pTGF−β1:100ng hOP−1とpTGF−β1(5
ngおよび20ng)の二成分適用は、反応性CAMの厚みの非常に高い増加(
図2)および非常に強度な全体の脈管形成応答(図10)を示した。CAMの厚
みにおける増加は、適用した全ての形態形成タンパク質およびMPSFの間で最
も高かった。CAMの3つ全ての層は、非常に強度な肥厚によって特徴付けられ
た(図8Aおよび8B)。両方の適用から生じる応答は、間葉組織および付随す
る線維組織の高い凝集ならびに大きい血管および小さい血管の拡張性の増殖によ
って特徴付けられた。層化した外胚葉の細胞に形態学的に同一な細胞群内に位置
する中胚葉に、死細胞もまた存在した。CAM組織によるゲルビーズの付随する
発達は、しばしば明確であった(図8B)。
【0121】 本発明者らは、本発明の多数の実施形態を記載してきたが、本発明者らの基本
的な構造が変更されて、本発明の方法を利用する他の実施形態を提供し得ること
は、明らかである。従って、本発明の範囲が、例として提示された特定の実施形
態によるよりも、添付の特許請求の範囲によって規定されるべきであることが認
識される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、BSA(500ng)、pTGF−β1(20ng)、bFGF(5
00ng)、hOP−1(100ngおよび1000ng)、hOP−1/bF
GF(100/100ng)またはhOP−1/pTGF−β1(100/5n
gおよび100/20ng)に浸したAffigel(登録商標)Blue G
elアガロースビーズの適用後5日で写真撮影したニワトリ絨毛尿膜(CAM)
における巨視的な脈管形成反応を評価するために使用される、代表的な等級の例
示である。(A)応答なし:周辺CAMおよび適用部位周辺での血管の分布にお
いて変化なし。(B)不確かな応答:血管は、適用部位に対してより高い方向性
で周辺CAMから発する。(C)陽性の応答:周辺CAMからの血管は、適用部
位周辺でスポーク様の様式で集中する。BSA=ウシ血清アルブミン;pTGF
−β1=血小板由来トランスフォーミング増殖因子−β1;bFGF=塩基性繊
維芽細胞増殖因子;hOP−1=ヒト骨形成タンパク質−1。棒線は1mm。
【図2】 図2は、BSA(500ng)、pTGF−β1(20ng)、bFGF(5
00ng)、hOP−1(100ngおよび1000ng)、hOP−1/bF
GF(100/100ng)またはhOP−1/pTGF−β1(100/5n
gおよび100/20ng)に浸したAffigel(登録商標)Blue G
elアガロースビーズの適用に応答するニワトリ絨毛尿膜(CAM)の相対的な
厚さの比である。BSA=ウシ血清アルブミン;pTGF−β1=血小板由来ト
ランスフォーミング増殖因子−β1;bFGF=塩基性繊維芽細胞増殖因子;h
OP−1=ヒト骨形成タンパク質−1。値=平均値±標準偏差、全てのサンプル
群についてN=5、ANOVAによるp<0.05。
【図3】 図3は、5日間の500ngのウシ血清アルブミン(BSA)への曝露後の、
代表的なコントロール処理したニワトリ絨毛尿膜(CAM)の断面である。ビー
ズの近傍の領域は、中胚葉性(me)間質を囲む薄い外胚葉性(ec)上皮およ
び内胚葉性(en)上皮を有する正常な構造を示す。いくつかのゲルビーズ(g
)のもともとの位置は、CAMの外胚葉性表面における湾入によって区別可能で
ある。中胚葉は、主に、広い細胞間の空間においてまばらにかつ大まかに整列し
た繊維芽細胞からなる。有核の赤血球を有する大きい血管(bv)の発生は、中
胚葉において観察された。外胚葉は、皮内毛細管(iec)の正常な発達を示す
。青く染色されたコラーゲン線維は、中胚葉内のいくつかの領域にまばらに分布
する。ゼラチン(gl)の痕跡は、ビーズの間、およびビーズと層状の外胚葉と
の間の領域に残る。尺度の棒線=50μm。
【図4】 図4は、20ngのpTGF−β1の適用後の、ニワトリ絨毛尿膜(CAM)
の組織学的応答である。はっきりと厚くなった中胚葉(me)および広範に層状
化した内胚葉(en)が存在する。毛細管(ca)の広範な増殖が、中胚葉全体
にわたって観察される。主に中胚葉の内胚葉性の部分に局在する、線維性結合組
織(ct)の別々の蓄積および濃縮は、毛細管の数の増大を伴う。青く染色され
たコラーゲン線維は、反応中心の位置における中胚葉内の濃縮された線維性組織
中に高密度に広がる。内胚葉細胞の脱落(矢頭)が観察される。尺度の棒線=1
00μm。
【図5】 図5は、500ngのbFGFへの曝露後の、ニワトリ絨毛尿膜(CAM)の
組織学的応答である。はっきりと厚くなった中胚葉(me)ならびに広範に層状
化した外胚葉(ec)および内胚葉(en)の両方が存在する。繊維芽細胞の豊
富な結合性組織(ct)の高密度な蓄積は、中胚葉の外胚葉性部分および内胚葉
性部分の両方に近接した領域に位置する。毛細管(ca)および多数の青く染色
されたコラーゲン線維は、反応性中胚葉の全体にわたって広く広がる。層状の外
胚葉に類似の外観を有する細胞の塊(cd)は、中胚葉内に包埋される。青く染
色されたコラーゲン線維は、反応中心の位置における中胚葉内の濃縮された線維
性組織において高密度に広がり、そして中胚葉の中心部分において良好に広がる
。ゼラチン(gl)の残渣は、ビーズの間、および外胚葉の近傍に位置する。尺
度の棒線=100μm。
【図6】 図6は、hOP−1に対するニワトリ絨毛尿膜(CAM)の曝露によって誘導
される組織学的効果である。(A)100ngのhOP−1は、大まかに整列し
た中胚葉(me)内で複数の拡大した血管(bv)の発達を誘導し、いくつかは
その管腔内に有核の赤血球を有する。数の増大した毛細管(ca)および規定さ
れた線維性結合組織(ct)(青く染色されたコラーゲン線維を含む)の凝集は
、中胚葉の外胚葉性区域内に存在する。外胚葉(ec)および内胚葉(en)の
両方は、多層の上皮に形質転換される。外胚葉細胞の脱落(矢頭)は、はっきり
と明確である。尺度の棒線=50μm。(B)1000ngのhOP−1は、非
常に拡大した中胚葉(me)の外胚葉性セグメントにおいて多数の毛細管(ca
)および結合組織の線維(ct)の蓄積を誘導した。外胚葉(ec)は、血管の
ない多層の扁平上皮に形質転換される。先の外胚葉内の毛細管は、ここで、外胚
葉の層状上皮の下部に位置し、上皮下の毛細管(sec)を形成する。内胚葉(
en)の細胞は、多層の構造に整列される。水腫細胞および壊死細胞は、その厚
くなった中胚葉に包埋された層状外胚葉に形態学的に類似する細胞の塊(cd)
において見られる。尺度の棒線=50μm。
【図7】 図7は、hOP−1/bFGFの組み合わせ(100/100ng)の適用後
のニワトリ絨毛尿膜(CAM)の組織学的反応である。有核の赤血球を有する多
数の拡張した血管(bv)および毛細管(ca)は、水腫状の中胚葉(me)内
に広く分布する。青く染色されたコラーゲン線維からなる線維性結合組織(ct
)は、非常に高密度であり、そして反応性中胚葉の厚さ全体にわたって広く分布
する。内胚葉(en)および外胚葉(ec)(この断面にはない)は、層状化に
よって厚くなった。尺度の棒線=50μm。
【図8】 図8は、hOP−1/pTGF−β1への曝露後のニワトリ絨毛尿膜(CAM
)の応答である。(A)hOP−1/pTGF−β1(100/5ng):CA
Mの3つ全ての層の非常に顕著な厚化が存在する。多層化された内胚葉(en)
は、絨毛様のパターンを示す。広範な毛細管(ca)および線維性組織(ct)
は、多くの拡張した血管(bv)を含む、反応性の中胚葉(me)全体にわたっ
て位置する。青く染色されたコラーゲン線維は、外胚葉および内胚葉に隣接する
領域の位置で、中胚葉内の濃縮された線維性組織において高密度に広がり、中胚
葉の中心部分において良好に広がった。層状の外胚葉と類似の外観を有する細胞
の塊(cd)は、中胚葉に包埋される。内胚葉の脱落(矢頭)は、はっきりと見
られる。尺度の棒線=50μm。(B)hOP−1/pTGF−β1(100/
20ng):広範な線維性組織(ct)の濃縮および顕著に多数の毛細管(ca
)が存在する。ビーズ(g)の封入の証拠は、はっきりと顕著である。青く染色
されたコラーゲンを含む高密度な結合組織の線維は、封入されたビーズの区域を
取り巻く領域に整列される。多層化された内胚葉(en)は、絨毛様であり、そ
して厚くなった外胚葉には、血管がない。内胚葉の脱落(矢頭)は、はっきりと
見られる。尺度の棒線=100μm。
【図9】 図9は、Affigel(登録商標)Blue Gelアガロースビーズを使
用したpTGF−β1、bFGF、hOP−1、hOP−1/bFGFまたはh
OP−1/pTGF−β1の適用に対する、ニワトリ絨毛尿膜(CAM)の新脈
管形成応答の顕微鏡写真の評価である。全てのサンプル群についてN=8;AN
OVAによるp<0.05。BSA=ウシ血清アルブミン;pTGF−β1=血
小板由来トランスフォーミング増殖因子−β1;bFGF=塩基性繊維芽細胞増
殖因子;hOP−1=ヒト骨形成タンパク質−1。
【図10】 図10は、Affigel(登録商標)Blue Gelアガロースビーズを
使用したpTGF−β1、bFGF、hOP−1、hOP−1/bFGFまたは
hOP−1/pTGF−β1の適用に対する、ニワトリ絨毛尿膜(CAM)の新
脈管形成応答の定性的な順位である。量はナノグラム量である。全てのサンプル
群についてN=5。BSA=ウシ血清アルブミン;pTGF−β1=血小板由来
トランスフォーミング増殖因子−β1;bFGF=塩基性繊維芽細胞増殖因子;
hOP−1=ヒト骨形成タンパク質−1。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 27/02 A61P 29/00 101 29/00 101 35/00 35/00 C07K 14/475 // C07K 14/475 14/515 14/515 A61K 37/02 ZNA (72)発明者 ラモシェビ, レンシャ ナサニエル 南アフリカ 1809 ヨハネスバーグ, ポ ピムビル, ホワイト シティ ジャバ ブ, エイ ムコンザ ストリート 456 Fターム(参考) 4C084 AA01 AA02 AA19 BA14 BA22 BA26 CA62 DA12 DB52 DB54 DB58 MA02 MA66 NA14 ZA331 ZA361 ZA961 ZB151 ZB261 ZC351 4H045 AA10 BA10 CA40 DA01 EA28 FA74

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有効量の形態形成タンパク質を投与することによって哺乳動
    物において新脈管形成を誘導するための方法であって;ここで、該形態形成タン
    パク質は、BMP−2でもGDF−5でもない、方法。
  2. 【請求項2】 形態形成タンパク質を有効量の形態形成タンパク質刺激因子
    と同時投与することによって、哺乳動物において該形態形成タンパク質の新脈管
    形成誘導活性を改善するための方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の方法であって、ここで、前記形態形成タン
    パク質刺激因子は、前記形態形成タンパク質による新脈管形成に対して付加効果
    を有する、方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の方法であって、ここで、前記形態形成タン
    パク質刺激因子は、前記形態形成タンパク質による新脈管形成に対して相乗効果
    を有する、方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法であって、ここで
    、前記形態形成タンパク質は、新脈管形成を誘導し得る骨形成タンパク質である
    、方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法であって、ここで
    、前記形態形成タンパク質は、以下:BMP−3、BMP−4、BMP−5、B
    MP−6、OP−1(BMP−7)、BMP−8、BMP−9、BMP−10、
    BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−15、C
    OP−5、COP−7およびこれらのアミノ酸配列改変体からなる群より選択さ
    れるアミノ酸配列を含む、方法。
  7. 【請求項7】 前記形態形成タンパク質が単量体種である、請求項1〜4の
    いずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の方法であって、ここで、前記単量体種が、
    以下:OP−1、BMP−5、BMP−6、BMP−8、GDF−6、GDF−
    7およびこれらのアミノ酸配列改変体からなる群より選択される、方法。
  9. 【請求項9】 前記形態形成タンパク質がジスルフィド結合した二量体種を
    含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の方法であって、ここで、前記二量体種が
    、以下:OP−1、BMP−5、BMP−6、BMP−8、GDF−6、GDF
    −7およびこれらのアミノ酸配列改変体からなる群より選択されるポリペプチド
    を含む、方法。
  11. 【請求項11】 前記形態形成タンパク質がOP−1である、請求項1〜4
    のいずれか1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法であって、ここ
    で、前記形態形成タンパク質は、宿主細胞において組換えDNA分子の発現によ
    って産生される、方法。
  13. 【請求項13】 請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法であって、ここ
    で、前記形態形成タンパク質刺激因子が、以下:酸性線維芽細胞増殖因子(aF
    GF)、塩基性線維芽細胞増殖因子FGF(bFGF)、トランスフォーミング
    増殖因子−β(TGF−β)、トランスフォーミング増殖因子−α(TGF−α
    )、上皮増殖因子(EGF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、内皮細胞増殖因
    子(ECGF)、インスリン様増殖因子−1(IGF−1)、肝細胞増殖因子(
    HGF)、血小板活性化因子(PAF)、インターロイキン−8(IL−8)、
    胎盤増殖因子(PGF)、プロリフェリン、B61、可溶性血管細胞接着分子−
    1(SVCAM−1)、可溶性Eセレクチン、エフリン、12−ヒドロキシエイ
    コサテトラエン酸、HIV−1のtatタンパク質、アンギオゲニン、プロスタ
    グランジンおよびこれらのアミノ酸配列改変体からなる群より選択される少なく
    とも1つの化合物を含む、方法。
  14. 【請求項14】 請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法であって、ここ
    で、前記形態形成タンパク質刺激因子が、以下:塩基性線維芽細胞増殖因子(b
    FGF)、血小板由来トランスフォーミング増殖因子−β1(TGF−β1)、
    およびこれらのアミノ酸配列改変体からなる群より選択される少なくとも1つの
    化合物を含む、方法。
  15. 【請求項15】 請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法であって、ここ
    で、前記形態形成タンパク質刺激因子が、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF
    )およびこれらのアミノ酸配列改変体からなる群より選択される、方法。
  16. 【請求項16】 請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法であって、ここ
    で、前記形態形成タンパク質刺激因子が、血小板由来トランスフォーミング増殖
    因子−β1(TGF−β1)およびこれらのアミノ酸配列改変体からなる群より
    選択される、方法。
  17. 【請求項17】 請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法であって、ここ
    で、前記形態形成タンパク質および前記形態形成タンパク質刺激因子が、標的部
    位に同時に投与される、方法。
  18. 【請求項18】 請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法であって、ここ
    で、前記形態形成タンパク質および前記形態形成タンパク質刺激因子が、標的部
    位に別々に投与される、方法。
  19. 【請求項19】 前記標的部位が血管組織の欠損である、請求項17に記載
    の方法。
  20. 【請求項20】 前記標的部位が血管組織の欠損である、請求項18に記載
    の方法。
JP2001572121A 2000-03-31 2001-03-23 形態形成タンパク質および形態形成タンパク質刺激因子を用いた新脈管形成を誘導するための方法 Withdrawn JP2003528922A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/540,466 US20030104977A1 (en) 2000-03-31 2000-03-31 Methods for inducing angiogenesis using morphogenic proteins and stimulatory factors
US09/540,466 2000-03-31
PCT/US2001/009451 WO2001074379A2 (en) 2000-03-31 2001-03-23 Methods for inducing angiogenesis using morphogenic proteins and stimulatory factors

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003528922A true JP2003528922A (ja) 2003-09-30

Family

ID=24155572

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001572121A Withdrawn JP2003528922A (ja) 2000-03-31 2001-03-23 形態形成タンパク質および形態形成タンパク質刺激因子を用いた新脈管形成を誘導するための方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20030104977A1 (ja)
EP (1) EP1267910A2 (ja)
JP (1) JP2003528922A (ja)
AU (1) AU2001250962A1 (ja)
CA (1) CA2402586A1 (ja)
WO (1) WO2001074379A2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012517482A (ja) * 2009-02-12 2012-08-02 ストライカー コーポレイション 障害および疾患に対する全身治療のためのTGF−βスーパーファミリーメンバー含有タンパク質の末梢投与
JP2012517483A (ja) * 2009-02-12 2012-08-02 ストライカー コーポレイション TGF−βスーパーファミリーメンバー含有タンパク質の最小に侵襲性の全身送達のための組成物および方法

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2104678C (en) 1991-03-11 2002-05-14 Charles M. Cohen Protein-induced morphogenesis
US6992066B2 (en) * 1998-10-16 2006-01-31 Zimmer Orthobiologics, Inc. Povidone-containing carriers for polypeptide growth factors
US7087577B2 (en) * 1998-10-16 2006-08-08 Zimmer Orthobiologies, Inc. Method of promoting natural bypass
US7232802B2 (en) * 2001-12-21 2007-06-19 Zimmer Orthobiologics, Inc. Compositions and methods for promoting myocardial and peripheral angiogenesis
EP4140497A1 (en) 2013-04-08 2023-03-01 President and Fellows of Harvard College Compositions for rejuvenating skeletal muscle stem cells
US20160220640A1 (en) * 2013-06-11 2016-08-04 The Brigham And Women's Hospital, Inc. Methods and compositions for increasing neurogenesis and angiogenesis
IL301476A (en) 2016-01-06 2023-05-01 Harvard College Treatment with GDF11 prevents weight gain, improves glucose loading and reduces hepatosteatosis
WO2019144053A1 (en) * 2018-01-19 2019-07-25 President And Fellows Of Harward College Gdf11 variants and uses thereof
CN114470162B (zh) * 2022-01-28 2023-02-03 浙江大学 Gdf6及其过表达试剂在制备心肌细胞保护剂中的应用

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5008196A (en) * 1987-08-21 1991-04-16 Monsanto Company Stimulation of endothelial cell growth
US5011691A (en) * 1988-08-15 1991-04-30 Stryker Corporation Osteogenic devices
US5324819A (en) * 1988-04-08 1994-06-28 Stryker Corporation Osteogenic proteins
US5284756A (en) * 1988-10-11 1994-02-08 Lynn Grinna Heterodimeric osteogenic factor
CA2071137A1 (en) * 1991-07-10 1993-01-11 Clarence C. Lee Composition and method for revitalizing scar tissue
US5270300A (en) * 1991-09-06 1993-12-14 Robert Francis Shaw Methods and compositions for the treatment and repair of defects or lesions in cartilage or bone
ATE238417T1 (de) * 1991-11-04 2003-05-15 Inst Genetics Llc Rekombinante knochenmorphogenetische protein heterodimere, zusammensetzungen und verfahren zur verwendung
US5837676A (en) * 1993-10-18 1998-11-17 Long Island Jewish Medical Center Use of scatter factor to enhance angiogenesis
US5399677A (en) * 1993-12-07 1995-03-21 Genetics Institute, Inc. Mutants of bone morphogenetic proteins
US5928939A (en) * 1995-03-01 1999-07-27 Ludwig Institute For Cancer Research Vascular endothelial growth factor-b and dna coding therefor
BR9704385A (pt) * 1996-08-19 1999-05-11 Hoechst Ag Novas antibióticos de polieno 3874 h1 a h6 processos para a sua preparação e uso
US5980887A (en) * 1996-11-08 1999-11-09 St. Elizabeth's Medical Center Of Boston Methods for enhancing angiogenesis with endothelial progenitor cells
US6034062A (en) * 1997-03-13 2000-03-07 Genetics Institute, Inc. Bone morphogenetic protein (BMP)-9 compositions and their uses
AU1276399A (en) * 1997-11-07 1999-05-31 Genetics Institute Inc. Neuronal uses of bmp-11
US6027917A (en) * 1997-12-10 2000-02-22 Genetics Institute, Inc. Bone morphogenetic protein (BMP)-17 and BMP-18 compositions

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012517482A (ja) * 2009-02-12 2012-08-02 ストライカー コーポレイション 障害および疾患に対する全身治療のためのTGF−βスーパーファミリーメンバー含有タンパク質の末梢投与
JP2012517483A (ja) * 2009-02-12 2012-08-02 ストライカー コーポレイション TGF−βスーパーファミリーメンバー含有タンパク質の最小に侵襲性の全身送達のための組成物および方法

Also Published As

Publication number Publication date
AU2001250962A1 (en) 2001-10-15
US20030104977A1 (en) 2003-06-05
WO2001074379A3 (en) 2002-03-21
CA2402586A1 (en) 2001-10-11
EP1267910A2 (en) 2003-01-02
WO2001074379A2 (en) 2001-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7638495B2 (en) Peptides as solubilizing excipients for transforming growth factor β proteins
Rohrer et al. Basic fibroblast growth factor (bFGF) and transforming growth factor beta (TGF-β) act as stop and go signals to modulate postnatal ocular growth in the chick
US20070191276A1 (en) Compositions and therapeutic methods using morphogenic proteins, hormones and hormone receptors
US9200048B2 (en) High activity growth factor mutants
JP2002505851A (ja) 骨形態形成タンパク(bmp)−17およびbmp−18の組成物
JP2003506086A (ja) TGF−βファミリーの単量体タンパク質
JP2003528922A (ja) 形態形成タンパク質および形態形成タンパク質刺激因子を用いた新脈管形成を誘導するための方法
US7147839B2 (en) Methods for evaluating tissue morphogenesis and activity
McCormick et al. Neural regenerative strategies incorporating biomolecular axon guidance signals
Kinkl et al. Fibroblast growth factor receptor (FGFR) and candidate signaling molecule distribution within rat and human retina
EP1398039A1 (en) Morphogenic proteins for enhancing cognitive function
US20070066525A1 (en) Compositions and therapeutic methods using morphogenic proteins
EP1722810A1 (en) Combination of morphogenic proteins having tissue inductive properties
US20080293654A1 (en) Therapeutic methods using Smads
US20100168029A1 (en) Methods for treating bone tumors
AU773990B2 (en) Compositions and therapeutic methods using morphogenic proteins, hormones and hormone receptors
JP2003516766A (ja) 形態形成タンパク質応答阻害エレメントを用いた、形態形成タンパク質アナログを同定するための方法および組成物
US20070122396A1 (en) Morphogenic proteins and stimulatory factors in gene therapy

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080603