JP2003503313A - 細胞増殖及び細胞死を変調する方法及び組成物 - Google Patents

細胞増殖及び細胞死を変調する方法及び組成物

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Abstract

(57)【要約】 悪性細胞及び正常細胞の抗癌剤感受性に及ぼすFGFの作用を変調する方法及び組成物を提供する。具体的には、実質性及び軟組織の腫瘍、転移性病巣、白血病及びリンパ腫において、FGFによって誘導される広域抗癌剤耐性を阻害する方法及び組成物を提供する。好ましくは、当該組成物は、少なくとも一つのFGF阻害剤を、例えば抗微小管剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、インターカレート剤、シグナル伝達経路に干渉できる薬剤(例えばプロテインキナーゼC阻害剤、例えば抗ホルモン、例えば成長因子受容体に対する抗体、など)、アポトーシス及び/又はネクローシスを促進する作用因子、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、及び放射線などの細胞傷害性作用因子と組み合わせて含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連出願 本出願は、言及をもって以下全ての内容をここに編入することとする、199
9年12月23日提出の米国暫定出願第60/172,031号、題名「細胞増
殖の変調」;1999年6月3日提出の米国暫定出願第60/137,345号
、題名「転移部位のFGF依存性又はFGF誘導性化学療法抵抗性を診断し、防
止し、及び克服する方法」;1999年11月17日提出の米国暫定出願第60
/165,983号、題名「可逆的広域抗癌剤耐性をもたらす遺伝子及び遺伝子
産物と、同遺伝子及び遺伝子産物を阻害する方法」;及び2000年3月7日提
出の米国暫定出願第60/187,445号、題名「細胞増殖及び細胞死を変調
する方法及び組成物」の優先権を主張するものである。
【0002】 発明の背景 癌治療に対する腫瘍細胞の耐性や、転移性疾患における癌治療の効果の限界、
そしてホストに対する癌治療の望ましくない毒性は、患者を処置する上で大きな
三つの課題である。
【0003】 前臨床試験で化学療法に対して起きる耐性機序でよく観察されるのは、薬剤排
出タンパク質の過発現である(Lum, B. L. et al. (1993) Cancer 72, 3502-351
4; Barrard, M. A. et al. (1997) Gen. Pharmacol. 28, 639-645; Fidler, I.
J. (1999) Cancer Chemother. Pharmacol. 43. S3-S10.)。しかしながら、少な
くともいくつかの臨床試験では、患者の薬剤排出タンパク質を阻害しても、化学
療法の効果が著しく向上しないことがあり(Ferry, D. R., et al. (1996) Eur.
J. Cancer 32:1070-1081; Broxterman, H. J., et al. (1996) Eur. J. Cancer
32:1024-1033)、他の耐性機序があることが分かる。
【0004】 化学療法及び放射線などの癌治療は増殖性細胞をターゲットとしており、従っ
て造血細胞、胃腸管の内張になっている細胞及び毛嚢を含め、継続的に新生を行
っている正常なホストの組織に対して望ましくない毒性を及ぼす。癌治療で誘導
される骨髄抑制は、エリスロポエチン、顆粒球コロニ刺激因子及び顆粒球−マク
ロファージコロニ刺激因子を含め、造血成長因子を利用すれば少なくとも部分的
に克服される(Gabrilove, J. L. and Goldie, D. W. (1993) In: Cancer, Prin
ciples and Practice of Oncology (eds. DeVita, v. T. et al., J. B. Lippin
cot Co., Philadelphia)。他方、抗癌剤で誘導される胃腸管毒性及び脱毛を克
服する治療法はない。
【0005】 従って、腫瘍及び正常細胞が抗癌剤の細胞傷害性を逃れる新規な機序を特定し
、腫瘍細胞でこのような耐性を克服する方法及び作用因子を特定し、そして、癌
治療での望ましくない毒性から正常なホスト組織を防御するためにこれらの耐性
機序を利用する方法及び作用因子を特定する必要がある。
【0006】 発明の概要 本発明は、少なくとも部分的に、抗癌剤に対する広域耐性が数多くの腫瘍及び
転移性病巣で誘導されるときに塩基性線維芽細胞成長因子(basic Fibroblast Gr
owth Factor)(bFGF)が果たす役割を解明したこと、及び、bFGF誘導性耐性が
増幅されるときに酸性FGF(acidic FGF)が果たす役割を解明したことに、基づく
ものである。aFGF/bFGFの阻害剤は、抗癌剤のインビトロ及びインビボでの活性
を向上させ、また肺転移を含めたヒト異種移植片腫瘍やマウスの皮下腫瘍を収縮
させ、根絶する。本発明の方法はFGFアンタゴニストを利用して抗癌剤の抗腫瘍
作用を増強するものである。FGFアゴニスト(例えばaFGF、例えばbFGF)は、非
癌性の正常な腸上皮細胞に対する、抗癌剤の細胞傷害性を減少させる。本発明の
方法はFGFアゴニストを利用して正常な細胞を抗癌剤の細胞傷害性作用から防御
するものである。
【0007】 従って、概略的には、本発明は、例えば悪性細胞又は良性の高増殖性細胞など
の高増殖性細胞など、細胞の増殖を減じる又は阻害する、又は細胞の殺生を高め
るなど、望ましくない細胞の成長又は分裂を阻害する方法を特徴とするものであ
る。この方法は、一緒にしたときに、細胞の増殖を減じるもしくは阻害する、又
は細胞の殺生を誘導するのに効果的な量の、少なくとも一つの細胞傷害性作用因
子(例えば細胞増殖抑制性の作用因子、例えば細胞死を起こさせる作用因子)と
、少なくとも一つのFGFアンタゴニストとに、細胞を接触させることを含む。好
ましくは、前記の望ましくない細胞とは、樹立腫瘍細胞であるとよい。
【0008】 別の態様では、本発明は、被験体において細胞傷害性作用因子などの作用因子
の効果を向上させる方法を特徴とする。この方法は、 例えば細胞傷害性作用因子などの少なくとも一つの作用因子を被験体に投与す
ることと、 少なくとも一つのFGFアンタゴニストを被験体に投与することと を含む。
【0009】 このFGFアンタゴニストは、細胞傷害性作用因子などの当該作用因子の効果を
、このFGFアンタゴニストの非存在下での細胞傷害性作用因子の効果に比較して
、高める。
【0010】 ある好適な実施例では、このFGFアンタゴニストは、例えば樹立腫瘍などの癌
に対する細胞傷害性作用因子の効果を高める。
【0011】 別の態様では、本発明は、被験体において、望ましくない細胞の成長又は分裂
を阻害する、又は、樹立腫瘍細胞又は良性の高増殖性細胞などの望ましくない細
胞(例えば高増殖性細胞)の殺生を誘導する、方法を特徴とする。この方法は、
被験体の望ましくない細胞の成長又は分裂を特徴とする疾患を処置又は防止する
ために用いることができる。この方法は、一緒にしたときに、望ましくない細胞
の成長もしくは分裂を減じるもしくは阻害する、又は殺生を誘導するのに(例え
ば治療上又は予防上)効果的な量の、少なくとも一つの細胞傷害性作用因子(例
えば細胞増殖抑制性の作用因子、例えば細胞死を起こさせる作用因子)と、少な
くとも一つのFGFアンタゴニストとを、被験体に投与することを含む。好ましく
は、前記の望ましくない細胞とは、樹立腫瘍細胞であるとよい。
【0012】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストは、限定はしないが抗微小管
剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗剤、有
糸分裂阻害剤、アルキル化剤、インターカレート剤、シグナル伝達経路に干渉で
きる薬剤(例えばプロテインキナーゼC阻害剤、例えば抗ホルモン剤、例えば成
長因子受容体に対する抗体など)、アポトーシス及び/又はネクローシスを促進
する薬剤、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、及び放射線を
含め、広域の細胞傷害性作用因子、即ち、多様な構造及び作用機序を持つ作用因
子、に対するFGF誘導性耐性を阻害又は減少させるものである。
【0013】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストはbFGFの阻害剤を含んで成る
【0014】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストはaFGFの阻害剤を含んで成る
【0015】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストは少なくとも一つのbFGF阻害
剤及び少なくとも一つのaFGF阻害剤を含む。
【0016】 ある好適な実施例では、前記aFGF阻害剤は、bFGF阻害剤の作用を増強するもの
である。
【0017】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストは、例えばFGF分子のその受容
体への結合を阻害するなど、細胞外で作用する。
【0018】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストは、例えばFGF受容体の細胞内
ドメインと相互作用する、FGFの細胞内での働きを阻害するなど、細胞内で作用
する。
【0019】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストは、FGF分子又はFGF受容体に
結合できる;FGFの受容体への結合を遮断する;FGFの受容体への結合を促す分子
とFGFとの相互作用を遮断する;及び/又は、FGF受容体の作用を下方調節する、
ものである。好ましくは、このFGF分子はbFGF及び/又はaFGFであるとよい。
【0020】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストはスラミン以外である。
【0021】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストは、例えばFGF又はFGF受容体
に対する抗体などの抗体以外である。
【0022】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストは、インビトロ条件下にある
培養腫瘍細胞中で、FGF(例えばaFGF及び/又はbFGF)によって誘導される、抗
癌剤に対する耐性を阻害する又は逆行させるものである。培養細胞に対する効果
の検査は、実施例XVに解説する系を用いて行うことができる。
【0023】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストは、被験体における細胞傷害
性作用因子などの作用因子の効果を、当該FGFアンタゴニストの非存在下でのこ
の細胞傷害性作用因子の効果に比較して、向上させるものである。好ましくは、
前記FGFアンタゴニストが、樹立腫瘍に対する細胞傷害性作用因子の効果を向上
させるとよい。
【0024】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストの存在量は、FGF(例えばbFGF
及び/又はaFGF)の働きを遮断するには充分であるが、(i)細胞増殖の著しい
阻害、(ii)ヒト及び/又は動物の腫瘍細胞での著しい細胞死、(iii)例
えばヒト被験体など、被験体における測定可能な抗腫瘍効果、及び/又は、(i
v)著しい細胞周期停止、のうちの一つ又はそれ以上を引き起こすには充分でな
い、量である。培養細胞に対する効果の検査は、実施例XVに解説する系を用い
て行うことができる。
【0025】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストが投与されるレベルは、細胞
傷害性作用因子が薬理学的に活性な濃度で血漿中に存在するときに、当該血漿中
濃度のFGFアンタゴニストが存在する結果として(i)著しい細胞周期停止、(
ii)著しい細胞死、又は(iii)細胞成長の著しい阻害、のうちの一つ又は
それ以上以上が起きないようなレベルである。例えば、この血漿中濃度は、同じ
濃度のFGFアンタゴニストを培養細胞に与えたときに、この処置された培養細胞
の少なくとも10、より好ましくは少なくとも25、より好ましくは少なくとも
50、より好ましくは少なくとも70、より好ましくは少なくとも80、より好
ましくは少なくとも90、そして最も好ましくは少なくとも99%が、FGFアン
タゴニストでの処置後、(i)周期中にある細胞がその細胞周期の進行を続ける
、(ii)細胞が生存したままでいる、又は(iii)細胞が増殖可能なままで
いる、のうちの一つ又はそれ以上の状態を続行できるようなレベルである。培養
細胞に対する効果の検査は、実施例XVに解説する系を用いて行うべきである。
【0026】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストが投与されるレベルは、上述
したような著しい細胞周期停止、著しい細胞死、又は細胞成長の著しい阻害を起
こさないながらも、細胞傷害性作用因子による処置に腫瘍細胞を感作させるよう
なレベルである。好ましくは、FGFアンタゴニストのこのようなレベルの結果、F
GFによって媒介される、細胞傷害性作用因子に対する腫瘍細胞の耐性などのFGF
媒介化学療法抵抗性が著しく阻害されるとよい。好ましくは、このFGFアンタゴ
ニストにより、FGF媒介化学療法抵抗性が少なくとも10、より好ましくは少な
くとも25、より好ましくは少なくとも50、より好ましくは少なくとも70、
より好ましくは少なくとも80、より好ましくは少なくとも90、そして最も好
ましくは少なくとも99%、阻害されるとよい。培養細胞に対する効果の検査は
、実施例XVに解説する系を用いて行うことができる。
【0027】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストを投与する期間、又は、前記F
GFアンタゴニストを、例えば、細胞傷害性作用因子の細胞傷害性効果を高めるの
に充分な血漿中濃度など、ある治療的レベルで維持する期間は、180日未満、
より好ましくは90日未満、より好ましくは60日未満、そして最も好ましくは
30日未満である。
【0028】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストを投与する期間、又は、前記F
GFアンタゴニストを、例えば、細胞傷害性作用因子の細胞傷害性効果を高めるの
に充分な血漿中濃度など、ある治療的レベルで維持する期間は、前記細胞傷害性
作用因子を投与する期間、又は、前記細胞傷害性作用因子をある治療的レベルで
維持する期間よりも、著しく早い時期に開始したり、又は、著しく遅い時期に終
了しない。
【0029】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストを投与する期間、又は、前記F
GFアンタゴニストを、例えば、細胞傷害性作用因子の細胞傷害性効果を高めるの
に充分な血漿中濃度など、ある治療的レベルで維持する期間は、細胞傷害性作用
因子を投与する最後の日、又は、細胞傷害性作用因子が治療的レベルで存在した
最後の日、から後の180日未満、より好ましくは90日未満、より好ましくは
60日未満、そして最も好ましくは30日未満に終了する。
【0030】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストを投与する期間、又は、前記F
GFアンタゴニストを、例えば、細胞傷害性作用因子の細胞傷害性効果を高めるの
に充分な血漿中濃度など、ある治療的レベルで維持する期間は、細胞傷害性作用
因子を投与する最初の日、又は、細胞傷害性作用因子が治療的レベルで存在する
最初の日、から前の180日未満、より好ましくは90日未満、より好ましくは
60日未満、そして最も好ましくは30日未満に開始する。
【0031】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストは、タンパク質又はペプチド
であるか、例えばモノクローナルなどや、マウス抗体又はヒト抗体などの抗体で
あるか、又は、これらの抗原結合フラグメントである。好ましくは、前記モノク
ローナル抗体はヒト抗体であるとよい。抗体は、IgG(例えばIgG1、IgG2、IgG3
、IgG4)、IgM、IgA1、IgA2、IgD、IgEを含め、様々なアイソタイプのものでも
よい。好ましくは、抗体はIgGアイソタイプであるとよい。この抗体は(例えばI
gG1又はIgG4抗体など)完全長のものでも、又は、(例えばFab、F(ab')2、Fv又
は一本鎖Fvフラグメントなど)抗原結合フラグメントだけを含むものであっても
よい。
【0032】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストは、例えばキメリック抗体又
はヒト化抗体などの組換え抗体、又は、これらの抗原結合フラグメントでもよく
、例えば可変領域を有するか、又は、ヒト以外(例えばマウス)の抗体由来の少
なくとも相補性決定領域(CDR)を有し、残りの部分はヒト由来であるもので
あってもよい。
【0033】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストはFGF分子の一フラグメントで
ある。好ましくは、前記FGFフラグメントは、受容体への結合をめぐってFGF分子
と競合するものであるとよい。
【0034】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストは小分子である(例えばコン
ビナトリアル・ライブラリから選択されるなど)。
【0035】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストは、例えばスラミン、スラミ
ンの構造類似体、抗FGF抗体、抗FGF受容体抗体、ペントサンポリスルフェート、
スコポラミン、アンジオスタチン、スプラウティ(sprouty)、エストラジオー
ル、カルボキシメチルベンジルアミンデキストラン(CMBD7)、スラジスタ(sur
adista)、インシュリン様成長因子結合プロテイン-3、エタノール、ヘパリン(
例えば6-O-脱硫酸ヘパリン)、低分子量ヘパリン、ヘパラン硫酸、硫酸プロタミ
ン、トランスフォーミング増殖因子ベータ、シクロスポリンA、又はbFGFに対す
るRNAリガンドなど、ここに開示したものから選択される。
【0036】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストはヘパリンである。
【0037】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストは低分子量ヘパリンである。
【0038】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストはヘパラン硫酸である。
【0039】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストは抗FGF抗体である。
【0040】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストはスラミンである。
【0041】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストはスラミンであり、このスラ
ミンは、FGF(例えばbFGF及び/又はaFGF)により誘導される、抗癌剤への耐性
を遮断するには充分であるが、(i)細胞増殖の著しい阻害、(ii)ヒト及び
/又は動物の腫瘍細胞における著しい細胞死、(iii)例えばヒトの被験体な
ど、被験体における測定可能な抗腫瘍効果、及び/又は、(iv)細胞周期の停
止、のうちの一つ又はそれ以上を生ずるには充分でない濃度で、存在する。培養
細胞に対する効果の検査は、実施例XVに解説する系を用いて行うことができる
【0042】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストはスラミンであり、それが投
与されるレベルは、細胞傷害性作用因子が薬理学的に活性な濃度で血漿中に存在
するときに、当該血漿中濃度のスラミンが存在する結果として(i)著しい細胞
周期停止、(ii)著しい細胞死、又は(iii)細胞成長の著しい阻害、のう
ちの一つ又はそれ以上が起きないようなレベルである。例えば、この血漿中濃度
は、同じ濃度のスラミンを培養細胞に与えたときに、この処置された培養細胞の
少なくとも10、より好ましくは少なくとも25、より好ましくは少なくとも5
0、より好ましくは少なくとも70、より好ましくは少なくとも80、より好ま
しくは少なくとも90、そして最も好ましくは少なくとも99%が、スラミンで
の処置後、(i)周期中にある細胞がその細胞周期の進行を続ける、(ii)細
胞が生存したままでいる、又は(iii)細胞が増殖可能なままでいる、のうち
の一つ又はそれ以上の状態を続行できるようなレベルである。培養細胞に対する
効果の検査は、実施例XVに解説する系を用いて行うことができる。
【0043】 好ましくは、スラミンは、濃度が約0.1から100μg/ml、好ましくは
約1から85μg/ml、より好ましくは約5から60μg/ml、さらにより
好ましくは約10から50μg/ml、そして最も好ましくは15から45μg
/mlの範囲になるような量、投与されるとよい。スラミンの薬物動態は、半減
期が5.5時間、4.1日及び78日といった三相的な濃度減少を特徴とする。
全身クリアランスは、0.0095リットル/時間/mである(Jodrell et a
l 81994) J Clin Oncol 12:166-175)。当業者であれば、薬物動態の原則に基づ
き、96時間かけて約90μg/ml(63μM)から約18μg/ml(13
μM)に血漿中濃度を減少させるには、平均的患者には当初ほぼ240mg/m
の用量を与えるべきであると、計算できる。96時間という時間を一例として
選んだが、その理由は、一般にスラミンと一緒に投与するのに用いられる細胞傷
害性作用因子の多くの血漿中濃度は、96時間の時点でそれらの治療的レベルを
下回るレベルに減少するからである。同様な計算を行えば、好適なスラミン血漿
中濃度を他の所望の処置期間にわたって送達するための当初のスラミン用量を特
定できる。同様に、処置サイクル後半の血漿中濃度を調節するための維持用量も
計算できる。
【0044】 ある好適な実施例では、総スラミン暴露量は、好ましくは96時間にわたって
800μM-日未満、好ましくは96時間にわたって600μM-日未満、好ましく
は96時間にわたって500μM-日未満、好ましくは96時間にわたって400
μM-日未満、好ましくは96時間にわたって300μM-日未満、好ましくは96
時間にわたって252μM-日未満、好ましくは96時間にわたって200μM-日
未満、好ましくは96時間にわたって150μM-日未満、好ましくは96時間に
わたって100μM-日未満、そして最も好ましくは96時間にわたって52μM-
日未満である。μM-日で表されたこの総スラミン暴露量は、(例えば24時間の
間の平均マイクロモル濃度など)μM-日での薬剤血漿中濃度と、日数での処置期
間との積である。例えば、13μMのスラミンを四日間、被験体に与えたときの
処置では、総薬剤暴露量は、96時間にわたって52μM-日となる。
【0045】 好ましくは、スラミンを、血漿中濃度が100μM未満、好ましくは80μM未
満、好ましくは50μM未満、好ましくは25μM未満、より好ましくは15μM
未満、そして最も好ましくは10μM未満となるような量、投与するとよい。好
ましくは、この血漿中濃度を、細胞傷害性作用因子の治療的濃度を維持する期間
を越えて20日未満、好ましくは15日未満、好ましくは12日未満、好ましく
は10日未満、より好ましくは8日未満、そして最も好ましくは5日未満、維持
するとよい。
【0046】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストはスラミンであり、このスラ
ミンを投与する期間、又は、FGF媒介性耐性を阻害する又は逆行させるのに充分
な血漿中濃度もしくは細胞傷害性作用因子の効果を高めるのに充分な血漿中濃度
に、このスラミンを維持する期間は、180日未満、より好ましくは90日未満
、より好ましくは60日未満、そして最も好ましくは30日未満である。
【0047】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子の投与の直前又は前の3日、2日
又は1日以内にスラミンを投与し、細胞傷害性作用因子の血漿中濃度が治療的レ
ベルを下回った直後に終了する。
【0048】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストはスラミンであり、このスラ
ミンを投与する期間、又は、FGF媒介性耐性を阻害する又は逆行させるのに充分
な血漿中濃度もしくは細胞傷害性作用因子の効果を高めるのに充分な血漿中濃度
に、このスラミンを維持する期間は、細胞傷害性作用因子を投与する期間、又は
、細胞傷害性作用因子を治療的レベルに維持する期間よりも、著しく早い時期に
開始したり、又は、著しく遅い時期に終了したりしない。
【0049】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストはスラミンであり、このスラ
ミンを投与する期間、又は、FGF媒介性耐性を阻害する又は逆行させるのに充分
な血漿中濃度もしくは細胞傷害性作用因子の効果を高めるのに充分な血漿中濃度
に、このスラミンを維持する期間は、細胞傷害性作用因子を投与する最後の日、
又は、細胞傷害性作用因子が治療的レベルで存在する最後の日から、180日未
満、より好ましくは90日未満、より好ましくは60日未満、そして最も好まし
くは30日未満、後に終了する。
【0050】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストはスラミンであり、このスラ
ミンを投与する期間、又は、FGF媒介性耐性を阻害する又は逆行させるのに充分
な血漿中濃度もしくは細胞傷害性作用因子の効果を高めるのに充分な血漿中濃度
に、このスラミンを維持する期間は、細胞傷害性作用因子を投与する最初の日、
又は、細胞傷害性作用因子が治療的レベルで存在する最初の日から、180日未
満、より好ましくは90日未満、より好ましくは60日未満、そして最も好まし
くは30日未満前に、開始する。
【0051】 ここに解説した方法は、細胞傷害性作用因子(例えば表2に解説した作用因子
)の抗腫瘍効果を高めるためにスラミンを利用するが、このときスラミンの用量
は、当該細胞傷害性作用因子が血漿中に薬理学的に活性な濃度で存在するときに
、ほ乳類で100μg/ml未満、好ましくは75μg/ml未満、最も好まし
くは50μg/ml未満の血漿中濃度を送達するように選択する。このスラミン
用量は、少なくとも一個の抗癌剤の投与前、投与と同時、又は、投与後に、投与
される。ここに提供した動物実験では、10mg/kgの大量スラミン用量を週
に二回、3週間静脈投与してマウスを処置すると、抗癌剤(例えばパクリタキセ
ル、ドキソルビシンなど)の抗腫瘍効果が高まるが、更なる体重減少には至らな
いことが分かる。この用量は、スラミンの血漿中濃度が、投与後72時間で約1
0μM(〜14μg/ml)になるように計算されている(実施例IX、表4及
び5、図7を参照されたい)。当業の方法では、高用量のスラミンを、単独で、
又は、細胞傷害性作用因子と組み合わせて用いるが、ヒト被験体の場合、スラミ
ンの血漿中濃度を150から300μg/mlの間に維持することが、測定可能
な抗腫瘍効果を生むのに必要である(Eisenberger et al (1995) J Clin Oncol
13:2174-2186)。スラミンの血漿中濃度を150から300μg/mlの間に維
持することを狙った典型的なスラミン投薬スケジュールでは、最初の週の初期投
与では2100mg/mにし、その後の用量を6ヶ月以上の期間、28日ごと
に繰り返すステップから成るが、このその後の用量はベイズの薬物動態法を用い
て調節する(Dawson et al (1998) Clin Cancer Res 4:37-44, Falcone et al (
1999) Cancer 86:470-476)。さらに他の細胞傷害性作用因子と組み合わせてス
ラミンを用いる当業の方法では、しばしば、他方の細胞傷害性作用因子に関する
頻度及び処置期間よりも、頻度の高いスケジュール又はより長い期間、スラミン
が投与される。例えば、アンドロゲン非依存性前立腺癌の処置でスラミン及びド
キソルビシンを組み合わせる場合、ドキソルビシンによる処置の期間は最長で2
0週であったが、スラミン処置の期間は最長で45週であった(Tu et al (1998
) Clin Cancer Res 4:1193-1201)。例えば、ホルモン耐性前立腺癌の処置でス
ラミン及びマイトマイシンCを組み合わせる場合、スラミンは毎週与えられたが
、他方マイトマイシンCは5週ごとに与えられた(Rapoport et al (1993) Ann
Oncol 4:567-573)。これらの用量及び慢性処置では、スラミンは以下の毒性を
ヒトの患者で起こす。即ち、副腎不全、凝固障害、末梢ニューロパチー、及び近
位筋脱力、である(Dorr and Von Hoff, Cancer Chemotherapy Handbook, 1994,
pp 859-866)。これらの毒性の出現率及び重篤度は累計用量に対して正に関係
しており、ここに解説する方法で抑えられる。
【0052】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストは抗FGF抗体である。好ましく
は、この抗FGF抗体は、FGF(例えばbFGF及び/又はaFGF)により誘導される、抗
癌剤への耐性を遮断するには充分であるが、(i)細胞増殖の著しい阻害、(i
i)ヒト及び/又は動物の腫瘍細胞における著しい細胞死、(iii)例えばヒ
トの被験体など、被験体における測定可能な抗腫瘍効果、及び/又は、(iv)
細胞周期の停止、のうちの一つ又はそれ以上を生ずるには充分でない濃度で、存
在するとよい。
【0053】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストは抗FGF抗体であり、それが投
与されるレベルは、細胞傷害性作用因子が薬理学的に活性な濃度で血漿中に存在
するときに血漿中に、その濃度の抗FGF抗体が存在する結果として(i)著しい
細胞周期停止、(ii)著しい細胞死、又は(iii)細胞成長の著しい阻害、
のうちの一つ又はそれ以上が起きないようなレベルである。例えば、この血漿中
濃度は、同じ濃度のこの抗FGF抗体を培養細胞に与えたときに、この処置された
培養細胞の少なくとも10、より好ましくは少なくとも25、より好ましくは少
なくとも50、より好ましくは少なくとも70、より好ましくは少なくとも80
、より好ましくは少なくとも90、そして最も好ましくは少なくとも99%が、
このFGF抗体での処置後、(i)周期中にある細胞がその細胞周期の進行を続け
る、(ii)細胞が生存したままでいる、又は(iii)細胞が増殖可能なまま
でいる、のうちの一つ又はそれ以上の状態を続行できるようなレベルである。培
養細胞に対する効果の検査は、実施例XVに解説する系を用いて行うことができ
る。
【0054】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストは抗FGF抗体であり、この抗FG
F抗体を投与する期間、又は、FGF媒介性耐性を阻害するもしくは逆行させるのに
充分な血漿中濃度もしくは細胞傷害性作用因子の効果を高めるのに充分な血漿中
濃度に、この抗FGF抗体を維持する期間は、180日未満、より好ましくは90
日未満、より好ましくは60日未満、そして最も好ましくは30日未満である。
【0055】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストは抗FGF抗体であり、この抗FG
F抗体を投与する期間、又は、FGF媒介性耐性を阻害する又は逆行させるのに充分
な血漿中濃度もしくは細胞傷害性作用因子の効果を高めるのに充分な血漿中濃度
に、この抗FGF抗体を維持する期間は、細胞傷害性作用因子を投与する期間、又
は、細胞傷害性作用因子を治療的レベルに維持する期間よりも、著しく早い時期
に開始したり、又は、著しく遅い時期に終了したりしない。
【0056】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストは抗FGF抗体であり、この抗FG
F抗体を投与する期間、又は、FGF媒介性耐性を阻害する又は逆行させるのに充分
な血漿中濃度もしくは細胞傷害性作用因子の効果を高めるのに充分な血漿中濃度
に、この抗FGF抗体を維持する期間は、細胞傷害性作用因子を投与する最後の日
、又は、細胞傷害性作用因子が治療的レベルで存在する最後の日から、180日
未満、より好ましくは90日未満、より好ましくは60日未満、そして最も好ま
しくは30日未満、後に終了する。
【0057】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストは抗FGF抗体であり、この抗FG
F抗体を投与する期間、又は、FGF媒介性耐性を阻害する又は逆行させるのに充分
な血漿中濃度もしくは細胞傷害性作用因子の効果を高めるのに充分な血漿中濃度
に、この抗FGF抗体を維持する期間は、細胞傷害性作用因子を投与する最初の日
、又は、細胞傷害性作用因子が治療的レベルで存在する最初の日から、180日
未満、より好ましくは90日未満、より好ましくは60日未満、そして最も好ま
しくは30日未満前に、開始する。
【0058】 ある好適な実施例では、本方法は、充実性腫瘍細胞、軟組織腫瘍細胞、転移性
腫瘍細胞、白血病性腫瘍細胞、及びリンパ系腫瘍細胞からなる群より選択される
高増殖性細胞の増殖を阻害する、又は、殺生を高めるものである。
【0059】 ある好適な実施例では、本方法は、線維性腫瘍の高増殖性細胞の増殖を阻害す
る、又は、殺生を高めるものである。
【0060】 ある好適な実施例では、前記疾患は、例えば肉腫、癌腫、腺癌、リンパ腫、又
は白血病などの癌である。
【0061】 ある好適な実施例では、前記疾患は、樹立腫瘍を含む癌である。
【0062】 ある好適な実施例では、前記疾患は、実質性腫瘍を含む癌である。
【0063】 ある好適な実施例では、前記疾患は、転移性病巣を含む癌である。
【0064】 ある好適な実施例では、前記疾患は、白血病を含む癌である。
【0065】 ある好適な実施例では、前記疾患は、リンパ腫を含む癌である。
【0066】 ある好適な実施例では、前記疾患は、例えば線維肉腫、筋肉腫、脂肪肉腫、軟
骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内
皮肉腫、滑膜肉腫、中皮腫、ユーイング腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、胃癌、食
道癌、結腸癌、直腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮癌、頭部及び頚
部の癌、皮膚癌、脳の癌、扁平上皮癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢腺癌、髄
様癌、気管支癌、腎細胞癌、ヘパトーム、胆道癌、絨毛上皮腫、精上皮腫、胎児
性癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、睾丸癌、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、
膀胱癌、上皮癌、グリオーマ、星状細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣
細胞腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神
経芽腫、網膜芽細胞腫、白血病、リンパ腫、又はカポジ肉腫など、癌である。
【0067】 ある好適な実施例では、前記疾患には、FGF分子が、(好ましくは高レベルで
)発現されている組織から形成される腫瘍又は転移性細胞などの細胞や、又は、
aFGF、bFGF及び/又はFGF産生細胞又は組織に接触又は暴露した細胞、を含む癌
が含まれる。
【0068】 ある好適な実施例では、前記疾患には、例えば乳房、前立腺、腎臓、膀胱、肝
臓、肺臓、リンパ節、結腸、直腸、皮膚、脳、膵臓、子宮頸、卵巣、喉頭、咽頭
、口腔粘膜の組織から形成される転移性細胞などの細胞を有する癌や、頭部及び
頚部の癌、造血系由来の癌、又は、リンパ系由来の癌が含まれる。
【0069】 ある好適な実施例では、前記疾患は、例えば被験体において少なくとも一週間
、好ましくは二週間、好ましくは一ヶ月、好ましくは二ヶ月、より好ましくは三
ヶ月、より好ましくは六ヶ月、そして最も好ましくは六ヶ月を越える期間、成長
した腫瘍など、樹立腫瘍を含む癌である。
【0070】 好ましくは、樹立腫瘍が臨床により診断できるとよい。
【0071】 好ましくは、樹立腫瘍を、例えばX線、CATスキャン、又はMRIなどの診
断手段を用いて視覚化できるとよい。
【0072】 好ましくは、樹立腫瘍を、例えば前立腺癌の場合は前立腺特異的抗原、特定の
乳癌の場合はHer2/neu、卵巣癌の場合はCA125などの腫瘍マーカを検出したり、
又は、遺伝子変化を検出することにより、診断できるとよい。
【0073】 好ましくは、樹立腫瘍を、例えば肺癌の場合は喀痰中の血液、結腸癌の場合は
便中の血液、膀胱癌の場合は尿中の血液、乳癌の場合は乳房中のしこり、疼痛、
又は頭痛など、病的変化の検出によって、診断できるとよい。
【0074】 好ましくは、樹立腫瘍を、例えば患者の喀痰、便、尿、等々、患者のサンプル
を生化学検査して診断できるとよい。
【0075】 好ましくは、樹立腫瘍を、例えば形態の異常、異常な核対細胞質比、異常な組
織構造、異常な組織の器質化、又は異常な組織組成など、被験体由来の細胞を形
態学的に分析して、診断できるとよい。
【0076】 好ましくは、樹立腫瘍が、検死又は生検の際に可視、触知可能、又は発見可能
なものであるとよい。
【0077】 ある好適な実施例では、前記疾患は、例えば肺癌、腎癌、グリオーマ、黒色腫
、又は化学療法抵抗性の癌や、化学療法に対してほとんど又は全く有意な応答を
見せない化学療法抵抗性である転移性癌などの癌を含む。
【0078】 ある好適な実施例では、前記高増殖性細胞は、良性の病巣中に見られる。
【0079】 ある好適な実施例では、前記疾患は、乾癬、嚢胞、良性の前立腺過形成、及び
子宮内膜症からなる群より選択される。
【0080】 ある好適な実施例では、前記疾患は、例えば口腔乳頭腫、口又は咽頭の中心巨
細胞肉芽腫、口腔の良性のセメント芽細胞腫、口内斑点、胃のポリープ、胃の腺
腫、小腸腺腫、小腸肉芽腫、小腸乳頭腫、小腸膨大細胞腫、小腸神経鞘腫、結腸
ポリープ、結腸腺腫、クローン病、肝腺腫、肝硬変、胆管乳頭腫症、膵臓腺腫、
膵管過形成、腎膨大細胞腫、腎乳頭腫、膀胱の腺腫、膀胱マラコプラキー、膀胱
偽肉腫、子宮内膜症、良性の前立腺過形成、陰茎の紅色肥厚症、陰門、膣、又は
子宮頸のポリープ及び乳頭腫、子宮内膜のポリープ、腺腫、乳頭腫、又は平滑筋
腫、卵巣嚢胞、乳房の線維嚢胞症、乳房の脂肪腫、硬化性腺疾患、血管腫、乳房
の腺管過形成、線維腺腫、腺筋上皮腫、過誤腫、皮膚の母斑、遺伝性皮膚症、骨
の線維症、線維性骨異形成症、軟骨形成不全症、硬化性骨形成不全、軸性骨軟化
症、線維形成不全、骨腫、類骨骨腫、骨芽腫、骨軟骨腫、内軟骨腫、軟骨粘液線
維腫、軟骨芽腫、滑膜脂肪腫、内分泌器の腺腫、甲状腺腫、グレーブズ病、副腎
過形成、副腎腺腫、副腎MEN I症候群、副腎骨髄脂肪腫など、良性の過形成性疾
患からなる群より選択される。
【0081】 ある好適な実施例では、被験体はヒトなどのほ乳類である。例えばこの被験体
は、癌患者などの患者である。被験体は非小細胞肺癌の患者であってもよく、こ
の患者は、パクリタキセル、カルボプラチン、及び、スラミンなどのFGFアンタ
ゴニストの組合せにより、又は、ゲムシタビン、シスプラチン、及び、スラミン
などのFGFアンタゴニストの組合せにより、処置を受ける。被験体はホルモン抵
抗性の前立腺癌患者でもよく、この患者は、エスラムスチンホスフェート、タキ
ソテル、及び、スラミンなどのFGFアンタゴニストの組合せにより、又は、ドキ
ソルビシン、ケトコナゾール、及び、スラミンなどのFGFアンタゴニストの組合
せにより、処置を受ける。被験体は転移性乳癌患者であってもよく、この患者は
シクロホスファミド、ドキソルビシン、5-フルオロウラシル、及び、スラミンな
どのFGFアンタゴニストの組合せにより、又は、ドキソルビシン、タキソテル、
及び、スラミンなどのFGFアンタゴニストの組合せにより、処置を受ける。被験
体はHER2/neuオンコジーンを過発現している進行乳癌患者でもよく、この患者
は、HER2/neu阻害剤(例えばHER2/neu抗体)及びスラミンなどのFGFアンタゴ
ニストに、パクリタキセル又はシスプラチンを加えて、又は加えずに、処置を受
ける。被験体は進行した又は転移性の結腸直腸癌患者でもよく、この患者は、イ
リノテカン、及び、スラミンなどのFGFアンタゴニストの組合せにより、処置を
受ける。被験体は進行結腸癌患者でもよく、この患者は5-フルオロウラシル、ロ
イコボリン、及び、スラミンなどのFGFアンタゴニストの組合せにより、処置を
受ける。
【0082】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、抗微小管剤、トポイソメラー
ゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤、アル
キル化剤、インターカレート剤、シグナル伝達経路に干渉できる薬剤(例えばプ
ロテインキナーゼC阻害剤、例えば抗ホルモン、例えば成長因子の受容体に対す
る抗体など)、アポトーシス及び/又はネクローシスを促進する薬剤、インター
フェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、及び放射線からなる群より選択さ
れる。
【0083】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、抗微小管剤、トポイソメラー
ゼII阻害剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、インターカレート
剤、シグナル伝達経路に干渉できる薬剤(例えばプロテインキナーゼC阻害剤、
例えば抗ホルモン、例えば成長因子の受容体に対する抗体など)、インターフェ
ロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、及び放射線からなる群より選択される
【0084】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、抗微小管剤、トポイソメラー
ゼI阻害剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、インターカレート剤
、シグナル伝達経路に干渉できる薬剤(例えばプロテインキナーゼC阻害剤、例
えば抗ホルモン、例えば成長因子の受容体に対する抗体など)、インターフェロ
ン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、及び放射線からなる群より選択される。
【0085】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、抗微小管剤、トポイソメラー
ゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、イ
ンターカレート剤、シグナル伝達経路に干渉できる薬剤(例えばプロテインキナ
ーゼC阻害剤、例えば抗ホルモン、例えば成長因子の受容体に対する抗体など)
、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、及び放射線からなる群
より選択される。
【0086】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、抗微小管剤、トポイソメラー
ゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤、シグ
ナル伝達経路に干渉できる薬剤(例えばプロテインキナーゼC阻害剤、例えば抗
ホルモン、例えば成長因子の受容体に対する抗体など)、インターフェロン、イ
ンターロイキン、腫瘍壊死因子、及び放射線からなる群より選択される。
【0087】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、抗微小管剤、トポイソメラー
ゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤、アル
キル化剤、インターカレート剤、シグナル伝達経路に干渉できる薬剤(例えばプ
ロテインキナーゼC阻害剤、例えば抗ホルモン、例えば成長因子の受容体に対す
る抗体など)、インターフェロン、インターロイキン、及び放射線からなる群よ
り選択される。
【0088】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、抗微小管剤、トポイソメラー
ゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤、アル
キル化剤、インターカレート剤、シグナル伝達経路に干渉できる薬剤(例えばプ
ロテインキナーゼC阻害剤、例えば抗ホルモン、例えば成長因子の受容体に対す
る抗体など)、インターロイキン、腫瘍壊死因子、及び放射線からなる群より選
択される。
【0089】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、抗微小管剤、有糸分裂阻害剤
、シグナル伝達経路に干渉できる薬剤(例えばプロテインキナーゼC阻害剤、例
えば抗ホルモン、例えば成長因子の受容体に対する抗体など)、インターロイキ
ン、及び放射線からなる群より選択される。
【0090】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、以下に開示したものから選択
される。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビン
ブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、
カンプトテシン、トポテカン、塩酸イリノテカン(例えばカンプトサール)、ド
キソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン
、テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロ
ン、5-フルオロウラシル、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグア
ニン、リン酸フルダラビン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲム
シタビン、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L-
アスパレート=PALA,N-ホスホールアセチル-L-アスレート(PALA)、ペントスタ
チン、N-ホスホールアセチル-L-アスパレート=PALA、ペントスタチン、5-アザ
シチジン、5-アザ-C、BCNU=カルムスチン,5-アザシチジン,5-アザ-5-アザ-2'-デ
オキシシチジン、アデノシンアラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラフ
ァー、UFT(ウラシル及びフトラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウ
リジン、5-フルオロウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウ
レア、ジヒドロレンクロラムブシル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン
、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU
=カルムスチン,BCNU(例えばカルムスチン)、メルファラン、チオテパ、ブスル
ファン、クロラムブシル、プリカマイシン、ダカルバジン、リン酸イフォスファ
ミド、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、ウラシルマスタード、
ピポブラマン、4-イポメアノール、ジヒドロレンペロン(dihydrolenperone)、
スピロムスチン、ゲルデナマイシン(geldenamycin)、サイトカラシン、デプシ
ペプチド、ルプロン、ロイプロリド(例えばルプロン)、ケトコナゾール、タモ
キシフェン、ゴセレリン(ゾルダックス(Zoledax))、フルタミド、4'-シアノ
-3-(4-例えばゾルダックス(Zoledax))、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フル
オロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)
プロピオンアニリド、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20(例え
ばリツキサン)、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インタ
ーフェロンガンマ、インターロイキン2、インターロイキン4、インターロイキ
ン12、腫瘍壊死因子、及び放射線、がある。
【0091】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、以下に開示したものから選択
される。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビン
ブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(ドセタキセル)、トポテ
カン、塩酸イリノテカン(例えばカンプトサール)、ドキソルビシン、エトポシ
ド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロ
キサントロン、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン
酸フルダラビン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲムシタビン、
アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L-アスパレー
ト=PALA、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシシチジン、ア
デノシンアラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファー、UFT(ウラシル
及びフトラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、5-フルオロウ
リジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレア、ジヒドロレンク
ロラムブシル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、カルボプラチン、オ
キサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU=カルムスチン、メルファラン、チオ
テパ、ブスルファン、クロラムブシル、プリカマイシン、ダカルバジン、リン酸
イフォスファミド、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、ウラシル
マスタード、ピポブラマン、4-イポメアノール、ジヒドロレンペロン(dihydrol
enperone)、スピロムスチン、ゲルデナマイシン(geldenamycin)、サイトカラ
シン、デプシペプチド、ルプロン、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴセレリ
ン(ゾルダックス(Zoledax))、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェ
ニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)プロピオ
ンアニリド、イダルビシン、テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メルバ
ロン、塩酸ピロキサントロン、5-フルオロウラシル、メトトレキセート、6-メル
カプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラビン、シタラビン(Ara-C)、
トリメトレキセート、ゲムシタビン、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、
N-ホスホールアセチル-L-アスパレート(PALA)、ペントスタチン、5-アザシチ
ジン、5-アザ-2'-デオキシシチジン、アデノシンアラビノシド(Ara-A)、クラ
ドリビン、フトラファー、UFT(ウラシル及びフトラファーの組合せ)、5-フル
オロ-2'-デオキシウリジン、5-フルオロウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリ
ジン、ヒドロキシウレア、ジヒドロレンクロラムブシル(dihydrolenchlorambuc
il)、チアゾフリン、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、マイ
トマイシンC、BCNU(例えばカルムスチン)、メルファラン、チオテパ、ブスル
ファン、クロラムブシル、プリカマイシン、ダカルバジン、リン酸イフォスファ
ミド、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、ウラシルマスタード、
ピポブラマン、4-イポメアノール、ジヒドロレンペロン(dihydrolenperone)、
スピロムスチン、ゲルデナマイシン(geldenamycin)、サイトカラシン、デプシ
ペプチド、ロイプロリド(例えばルプロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン
、ゴセレリン(例えばゾラデックス)、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロ
フェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)プロ
ピオンアニリド、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20(例えばリ
ツキサン)、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフ
ェロンガンマ、インターロイキン2、インターロイキン4、インターロイキン1
2、腫瘍壊死因子、及び放射線、がある。
【0092】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は以下に開示したものから選択さ
れる。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビンブ
ラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル アムサクリン(例えばドセ
タキセル)、カンプトテシン、トポテカン、塩酸イリノテカン(例えばカンプト
サール)、エトポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、エピルビシン、メ
ルバロン、塩酸ピロキサントロン、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-
チオグアニン、リン酸フルダラビン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセー
ト、ゲムシタビン、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセ
チル-L-アスパレート=PALA、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デ
オキシシチジン、アデノシンアラビノシド(Ara-A)、イダルビシン、テニポシ
ド、アムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロン、5-フル
オロウラシル、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン
酸フルダラビン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲムシタビン、
アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L-アスパレー
ト(PALA)、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシシチジン、
アデノシンアラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファー、UFT(ウラシ
ル及びフトラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、5-フルオロ
ウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレア、ジヒドロレン
クロラムブシル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、シスプラチン、カ
ルボプラチン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(例えばカルムスチ
ン)、メルファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、プリカマイシ
ン、ダカルバジン、リン酸イフォスファミド、シクロホスファミド、ナイトロジ
ェンマスタード、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-イポメアノール、ジヒ
ドロレンペロン(dihydrolenperone)、スピロムスチン、ゲルデナマイシン(ge
ldenamycin)、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロリド、(例えばルプ
ロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例えばゾラデックス)
、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-
2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、抗Her2/neu抗体(
例えばハーセプチン)、抗CD20(例えばリツキサン)、インターフェロンアルフ
ァ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン2、
インターロイキン4、インターロイキン12、腫瘍壊死因子、及び放射線、があ
る。
【0093】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は以下に開示したものから選択さ
れる。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビンブ
ラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、カ
ンプトテシン、トポテカン、塩酸イリノテカン(例えばカンプトサール)、ドキ
ソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン、
テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロン
、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラビ
ン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲムシタビン、アシビシン、
アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L-アスパレート(PALA)、
ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシシチジン、アデノシンア
ラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファー、UFT(ウラシル及びフトラ
ファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、5-フルオロウリジン、5'
-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレア、ジヒドロレンクロラムブシ
ル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、シスプラチン、カルボプラチン
、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(例えばカルムスチン)、メルフ
ァラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、プリカマイシン、ダカルバ
ジン、リン酸イフォスファミド、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスター
ド、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-イポメアノール、ジヒドロレンペロ
ン(dihydrolenperone)、スピロムスチン、ゲルデナマイシン(geldenamycin)
、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロリド(例えばルプロン)、ケトコ
ナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例えばゾラデックス)、フルタミド、
4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチル-3'-(
トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプ
チン)、抗CD20(例えばリツキサン)、インターフェロンアルファ、インターフ
ェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン2、インターロイキ
ン4、インターロイキン12、腫瘍壊死因子、及び放射線、がある。
【0094】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は以下に開示したものから選択さ
れる。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビンブ
ラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、カ
ンプトテシン、トポテカン、塩酸イリノテカン(例えばカンプトサール)、ドキ
ソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン、
テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロン
、5-フルオロウラシル、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニ
ン、リン酸フルダラビン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲムシ
タビン、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L-ア
スパレート(PALA)、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシシ
チジン、アデノシンアラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファー、UFT
(ウラシル及びフトラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、5-
フルオロウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレア、ジヒ
ドロレンクロラムブシル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、シスプラ
チン、カルボプラチン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(例えばカ
ルムスチン)、メルファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、プリ
カマイシン、ダカルバジン、リン酸イフォスファミド、シクロホスファミド、ナ
イトロジェンマスタード、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-イポメアノー
ル、ジヒドロレンペロン(dihydrolenperone)、スピロムスチン、ゲルデナマイ
シン(geldenamycin)、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロリド(例え
ばルプロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例えばゾラデッ
クス)、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒド
ロキシ-2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、抗Her2/neu
抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20(例えばリツキサン)、インターフェロン
アルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキ
ン2、インターロイキン4、インターロイキン12、腫瘍壊死因子、及び放射線
、がある。
【0095】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は以下に開示したものから選択さ
れる。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビンブ
ラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、カ
ンプトテシン、トポテカン、塩酸イリノテカン(例えばカンプトサール)、ドキ
ソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン、
テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロン
、5-フルオロウラシル、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニ
ン、リン酸フルダラビン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲムシ
タビン、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L-ア
スパレート(PALA)、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシシ
チジン、アデノシンアラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファー、UFT
(ウラシル及びフトラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、5-
フルオロウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレア、ジヒ
ドロレンクロラムブシル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、シスプラ
チン、カルボプラチン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(例えばカ
ルムスチン)、メルファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、プリ
カマイシン、ダカルバジン、リン酸イフォスファミド、シクロホスファミド、ナ
イトロジェンマスタード、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-イポメアノー
ル、ジヒドロレンペロン(dihydrolenperone)、スピロムスチン、ゲルデナマイ
シン(geldenamycin)、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロリド(例え
ばルプロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例えばゾラデッ
クス)、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒド
ロキシ-2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、抗Her2/neu
抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20(例えばリツキサン)、インターフェロン
アルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキ
ン2、インターロイキン4、インターロイキン12、及び放射線、がある。
【0096】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は以下に開示したものから選択さ
れる。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビンブ
ラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、カ
ンプトテシン、トポテカン、塩酸イリノテカン(例えばカンプトサール)、ドキ
ソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン、
テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロン
、5-フルオロウラシル、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニ
ン、リン酸フルダラビン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲムシ
タビン、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L-ア
スパレート(PALA)、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシシ
チジン、アデノシンアラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファー、UFT
(ウラシル及びフトラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、5-
フルオロウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレア、ジヒ
ドロレンクロラムブシル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、シスプラ
チン、カルボプラチン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(例えばカ
ルムスチン)、メルファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、プリ
カマイシン、ダカルバジン、リン酸イフォスファミド、シクロホスファミド、ナ
イトロジェンマスタード、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-イポメアノー
ル、ジヒドロレンペロン(dihydrolenperone)、スピロムスチン、ゲルデナマイ
シン(geldenamycin)、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロリド(例え
ばルプロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例えばゾラデッ
クス)、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒド
ロキシ-2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、抗Her2/neu
抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20(例えばリツキサン)、インターフェロン
ベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン2、インターロイキン4、
インターロイキン12、腫瘍壊死因子、及び放射線、がある。
【0097】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は以下に開示したものから選択さ
れる。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビンブ
ラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、ト
ポテカン、塩酸イリノテカン(例えばカンプトサール)、エトポシド、ミトキサ
ントロン、ダウノルビシン、イダルビシン、テニポシド、アムサクリン、エピル
ビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロン、メトトレキセート、6-メルカプト
プリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラビン、シタラビン(Ara-C)、トリメ
トレキセート、ゲムシタビン、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホス
ホールアセチル-L-アスパレート(PALA)、ペントスタチン、5-アザシチジン、5
-アザ-2'-デオキシシチジン、アデノシンアラビノシド(Ara-A)、クラドリビン
、フトラファー、UFT(ウラシル及びフトラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-
デオキシウリジン、5-フルオロウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒ
ドロキシウレア、ジヒドロレンクロラムブシル(dihydrolenchlorambucil)、チ
アゾフリン、カルボプラチン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(例
えばカルムスチン)、メルファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル
、プリカマイシン、ダカルバジン、リン酸イフォスファミド、シクロホスファミ
ド、ナイトロジェンマスタード、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-イポメ
アノール、ジヒドロレンペロン(dihydrolenperone)、スピロムスチン、ゲルデ
ナマイシン(geldenamycin)、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロリド
(例えばルプロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例えばゾ
ラデックス)、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2
-ヒドロキシ-2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、抗Her2
/neu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20(例えばリツキサン)、インターフ
ェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン2、インターロイキ
ン4、インターロイキン12、及び放射線、がある。
【0098】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は以下に開示したものから選択さ
れる。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビンブ
ラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、ド
キソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン
、テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロ
ン、5-フルオロウラシル、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグア
ニン、リン酸フルダラビン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲム
シタビン、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L-
アスパレート(PALA)、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシ
シチジン、アデノシンアラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファー、U
FT(ウラシル及びフトラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、
5-フルオロウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレア、ジ
ヒドロレンクロラムブシル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、シスプ
ラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(例えば
カルムスチン)、メルファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、プ
リカマイシン、ダカルバジン、リン酸イフォスファミド、シクロホスファミド、
ナイトロジェンマスタード、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-イポメアノ
ール、ジヒドロレンペロン(dihydrolenperone)、スピロムスチン、ゲルデナマ
イシン(geldenamycin)、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロリド(例
えばルプロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例えばゾラデ
ックス)、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒ
ドロキシ-2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、抗Her2/n
eu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20(例えばリツキサン)、インターフェロ
ンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイ
キン2、インターロイキン4、インターロイキン12、腫瘍壊死因子、及び放射
線、がある。
【0099】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は以下に開示したものから選択さ
れる。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビンブ
ラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、カ
ンプトテシン、トポテカン、塩酸イリノテカン(例えばカンプトサール)、5-フ
ルオロウラシル、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リ
ン酸フルダラビン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲムシタビン
、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L-アスパレ
ート(PALA)、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシシチジン
、アデノシンアラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファー、UFT(ウラ
シル及びフトラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、5-フルオ
ロウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレア、ジヒドロレ
ンクロラムブシル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、シスプラチン、
カルボプラチン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(例えばカルムス
チン)、メルファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、プリカマイ
シン、ダカルバジン、リン酸イフォスファミド、シクロホスファミド、ナイトロ
ジェンマスタード、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-イポメアノール、ジ
ヒドロレンペロン(dihydrolenperone)、スピロムスチン、ゲルデナマイシン(
geldenamycin)、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロリド(例えばルプ
ロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例えばゾラデックス)
、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-
2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、抗Her2/neu抗体(
例えばハーセプチン)、抗CD20(例えばリツキサン)、インターフェロンアルフ
ァ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン2、
インターロイキン4、インターロイキン12、腫瘍壊死因子、及び放射線、があ
る。
【0100】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は以下に開示したものから選択さ
れる。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビンブ
ラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、カ
ンプトテシン、トポテカン、塩酸イリノテカン(例えばカンプトサール)、ドキ
ソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン、
テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロン
、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU
(例えばカルムスチン)、メルファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブ
シル、プリカマイシン、ダカルバジン、リン酸イフォスファミド、シクロホスフ
ァミド、ナイトロジェンマスタード、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-イ
ポメアノール、ジヒドロレンペロン(dihydrolenperone)、スピロムスチン、ゲ
ルデナマイシン(geldenamycin)、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロ
リド(例えばルプロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例え
ばゾラデックス)、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル
)-2-ヒドロキシ-2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、抗
Her2/neu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20(例えばリツキサン)、インタ
ーフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、イン
ターロイキン2、インターロイキン4、インターロイキン12、腫瘍壊死因子、
及び放射線、がある。
【0101】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は以下に開示したものから選択さ
れる。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビンブ
ラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、カ
ンプトテシン、トポテカン、塩酸イリノテカン(例えばカンプトサール)、ドキ
ソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン、
テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロン
、5-フルオロウラシル、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニ
ン、リン酸フルダラビン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲムシ
タビン、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L-ア
スパレート(PALA)、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシシ
チジン、アデノシンアラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファー、UFT
(ウラシル及びフトラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、5-
フルオロウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレア、ジヒ
ドロレンクロラムブシル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、スピロム
スチン、ゲルデナマイシン(geldenamycin)、サイトカラシン、デプシペプチド
、ロイプロリド(例えばルプロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴセレ
リン(例えばゾラデックス)、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニル
スルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)プロピオンア
ニリド、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20(例えばリツキサン
)、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガ
ンマ、インターロイキン2、インターロイキン4、インターロイキン12、腫瘍
壊死因子、及び放射線、がある。
【0102】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は以下に開示したものから選択さ
れる。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビンブ
ラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、カ
ンプトテシン、トポテカン、塩酸イリノテカン(例えばカンプトサール)、ドキ
ソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン、
テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロン
、5-フルオロウラシル、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニ
ン、リン酸フルダラビン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲムシ
タビン、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L-ア
スパレート(PALA)、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシシ
チジン、アデノシンアラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファー、UFT
(ウラシル及びフトラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、5-
フルオロウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレア、ジヒ
ドロレンクロラムブシル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、シスプラ
チン、カルボプラチン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(例えばカ
ルムスチン)、メルファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、プリ
カマイシン、ダカルバジン、リン酸イフォスファミド、シクロホスファミド、ナ
イトロジェンマスタード、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-イポメアノー
ル、ジヒドロレンペロン(dihydrolenperone)、スピロムスチン、ゲルデナマイ
シン(geldenamycin)、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロリド(例え
ばルプロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例えばゾラデッ
クス)、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒド
ロキシ-2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、抗Her2/neu
抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20(例えばリツキサン)、インターロイキン
2、インターロイキン4、インターロイキン12、腫瘍壊死因子、及び放射線、
がある。
【0103】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、以下に開示するものから選択
される。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビン
ブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、
スピロムスチン、ゲルデナマイシン(geldenamycin)、サイトカラシン、デプシ
ペプチド、ロイプロリド(例えばルプロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン
、ゴセレリン(例えばゾラデックス)、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロ
フェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)プロ
ピオンアニリド、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20(例えばリ
ツキサン)、インターロイキン2、インターロイキン4、インターロイキン12
、及び放射線、がある。
【0104】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子はパクリタキセル、インターフェ
ロンアルファ、ゲムシタビン、フルダラビン、イリノテカン、カルボプラチン、
シスプラチン、タキソテル、ドキソルビシン、エピルビシン、5-フルオロウラシ
ル、UFT、タモキシフェン、ゴセレリン、ケトコナゾール、抗Her2/neu抗体(例
えばハーセプチン)、抗CD20、ロイプロリド(例えばルプロン)及びフルタミド
である。
【0105】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子はパクリタキセル、ゲムシタビン
、フルダラビン、イリノテカン、カルボプラチン、シスプラチン、タキソテル、
ドキソルビシン、エピルビシン、5-フルオロウラシル、UFT、タモキシフェン、
ゴセレリン、ケトコナゾール、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD2
0、ロイプロリド(例えばルプロン)及びフルタミドである。
【0106】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子はパクリタキセル、インターフェ
ロンアルファ、ゲムシタビン、フルダラビン、イリノテカン、カルボプラチン、
タキソテル、ドキソルビシン、エピルビシン、5-フルオロウラシル、UFT、タモ
キシフェン、ゴセレリン、ケトコナゾール、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプ
チン)、抗CD20、ロイプロリド(例えばルプロン)及びフルタミドである。
【0107】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子はパクリタキセル、インターフェ
ロンアルファ、ゲムシタビン、フルダラビン、イリノテカン、カルボプラチン、
シスプラチン、タキソテル、エピルビシン、5-フルオロウラシル、UFT、タモキ
シフェン、ゴセレリン、ケトコナゾール、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプチ
ン)、抗CD20、ロイプロリド(例えばルプロン)及びフルタミドである。
【0108】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子はパクリタキセル、インターフェ
ロンアルファ、ゲムシタビン、フルダラビン、イリノテカン、カルボプラチン、
シスプラチン、タキソテル、ドキソルビシン、エピルビシン、UFT、タモキシフ
ェン、ゴセレリン、ケトコナゾール、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプチン)
、抗CD20、ロイプロリド(例えばルプロン)及びフルタミドである。
【0109】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子はパクリタキセル、インターフェ
ロンアルファ、ゲムシタビン、フルダラビン、イリノテカン、カルボプラチン、
シスプラチン、タキソテル、5-フルオロウラシル、UFT、タモキシフェン、ゴセ
レリン、ケトコナゾール、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20、
ロイプロリド(例えばルプロン)及びフルタミドである。
【0110】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子はパクリタキセル、インターフェ
ロンアルファ、ゲムシタビン、フルダラビン、イリノテカン、タキソテル、ドキ
ソルビシン、エピルビシン、5-フルオロウラシル、UFT、タモキシフェン、ゴセ
レリン、ケトコナゾール、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20、
ロイプロリド(例えばルプロン)及びフルタミドである。
【0111】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子はパクリタキセル、インターフェ
ロンアルファ、ゲムシタビン、フルダラビン、イリノテカン、カルボプラチン、
シスプラチン、タキソテル、ドキソルビシン、エピルビシン、タモキシフェン、
ゴセレリン、ケトコナゾール、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD2
0、ロイプロリド(例えばルプロン)及びフルタミドである。
【0112】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子はパクリタキセル、ゲムシタビン
、フルダラビン、イリノテカン、タキソテル、タモキシフェン、ゴセレリン、ケ
トコナゾール、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20、ロイプロリ
ド(例えばルプロン)及びフルタミドである。
【0113】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、通常の化学療法で用いられる
量に等しい、又は、通常の化学療法で用いられる量よりも少ない量で、存在する
。例えば、パクリタキセル及びカルボプラチンをFGFアンタゴニストと併用する
場合、パクリタキセルの用量は225mg/m以下であり、カルボプラチンの
用量は、未処置の患者では総濃度−時間の積が6−7mg/ml分以下になり、
又は、既に化学療法を受けた患者では4−5mg/ml分以下になるように選択
し、この処置を三週間ごとに繰り返す。例えば、リン酸エストラムスチン及びタ
キソテルをFGFアンタゴニストと併用する場合、エストラムスチンの一日当たり
の経口用量は、1400mg以下であり、タキソテルの用量は1時間かけて70
mg/m以下であり、この処置を3週毎に繰り返す。例えば、ドキソルビシン
及びケトコナゾールをFGFアンタゴニストと併用する場合、ドキソルビシンの一
週間当たりの用量は、24時間輸注で20mg/m以下であり、ケトコナゾー
ルの一日当たりの合計経口用量は1200mg以下である。例えば、シクロホス
ファミド、ドキソルビシン及び5-フルオロウラシルをFGFアンタゴニストと併用
する場合、シクロホスファミドの静脈投与量は500mg/m以下であり、ド
キソルビシンの用量は50mg/m以下であり、そして5-フルオロウラシルの
用量は500mg/m以下であり、この処置を4週間毎に繰り返す(5-フルオ
ロウラシルのこの用量は、二週間の間、一週間に一回投与するが、ドキソルビシ
ン及びシクロホスファミドのこの用量は、4週間ごとに一回、投与する)。例え
ば、ハーセプチン及びシスプラチンをFGFアンタゴニストと併用する場合、ハー
セプチン用量は0日目には250mg以下であり、その後100mg以下の用量
を9週毎に投与し、そしてシスプラチン用量を1日目、29日目及び57日目に
75mg/m以下とする。例えば、イリノテカンをFGFアンタゴニストと併用
する場合は、4週間毎のイリノテカン用量は125mg/m以下であり、この
処置サイクルは、4週間の投薬、及び、2週間の休薬である。例えば、イリノテ
カンをFGFアンタゴニストと併用する場合、イリノテカンの用量は3週間毎に3
50mg/mである。例えば5-フルオロウラシル及びロイコボリンをFGFアン
タゴニストと併用した場合、5日毎の5-フルオロウラシルの大量静脈投与量は4
25mg/m以下であり、5日毎のロイコボリンの大量静脈投与量は20mg
/m以下であり、この処置サイクルは1週間の投薬、及び、4週間の休薬であ
る。例えば、ゲムシタビン及びシスプラチンをFGFアンタゴニストと併用する場
合、ゲムシタビンの3週間毎の用量は1000mg/m以下であり、第2日目
に単独で投与するシスプラチンの用量は100mg/m以下であり、この処置
を4週間毎に繰り返す。
【0114】 ある好適な実施例では、この方法はさらに、同じ又は異なる細胞傷害性作用因
子を繰り返し投薬することを含む。
【0115】 ある好適な実施例では、この方法はさらに、同じ又は異なるFGFアンタゴニス
トを繰り返し投薬することを含む。
【0116】 ある好適な実施例では、前記の細胞傷害性作用因子及びFGFアンタゴニストは
、同時か、又は、重複する期間内に投与され;前記作用因子及びFGFアンタゴニ
ストは、異なる時点で投与され;前記作用因子が最初に投与され、そしてその後
にFGFアンタゴニストが投与され;FGFアンタゴニストが最初に投与され、そして
その後に前記作用因子が投与される。
【0117】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子を全身又は局所投与する。例えば
、この作用因子を、非経口(例えば皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮内、髄腔
内、等々)、嚢内(即ち膀胱内)、前立腺内、経口、鼻孔、直腸、局所、及び/
又は、経皮的に投与することができる。
【0118】 ある好適な実施例では、前記のFGFアンタゴニストを全身又は局所投与する。
例えば、このFGFアンタゴニストを、非経口(例えば皮下、静脈内、筋肉内、腹
腔内、皮内、髄腔内、等々)、嚢内(即ち膀胱内)、前立腺内、経口、鼻孔、直
腸、局所、及び/又は、経皮的に投与することができる。
【0119】 ある好適な実施例では、ここに解説した方法は、さらに、処置前又は処置中に
被験体のFGFレベル(例えばaFGF及び/又はbFGF)を観察することを含む。好ま
しくは、被験体に投与されるFGFアンタゴニストの量を、被験体内に存在するFGF
レベルに基づいて決定するとよく、例えば、被験体内のFGF濃度が低い場合には
、FGFが媒介する化学療法耐性を克服するのに必要なFGFアンタゴニストの用量は
、より低用量となる。
【0120】 別の態様では、本発明は、例えば細胞の殺生を阻害するか、又は、細胞(例え
ば分裂中の細胞、好ましくは急速で分裂中の細胞)の増殖能を防御する方法を特
徴とし、例えば、被験体内で急速に分裂中の細胞を、細胞傷害性作用因子(例え
ば細胞増殖抑制性作用因子、例えば細胞死を引き起こす作用因子など)などが原
因で起きる殺生、成長もしくは分裂の阻害、又は、他の破壊のうちの一つ又はそ
れ以上から、防御する方法などを特徴とする。本方法は、少なくとも一つのFGF
アゴニストを有効量、被験体に投与することで、前記の細胞傷害性作用因子によ
る損傷から分裂中の細胞を防御する、又は、この損傷を軽減するなど、この細胞
を処置することを含む。
【0121】 ある好適な実施例では、当該の細胞は、例えば胃腸管又は食道管の細胞など、
体表面又は体腔の細胞;毛嚢細胞;造血幹細胞などの造血細胞、である。
【0122】 ある好適な実施例では、前記細胞は、胃腸管又は食道管の内張の一部である。
【0123】 ある好適な実施例では、本方法は、毛髪の喪失を阻害し;体重減少を阻害し;
胃腸管機能の喪失を阻害し;造血作用の喪失を阻害する。
【0124】 ある好適な実施例では、本方法は、さらに、例えば抗増殖性作用因子、例えば
抗癌剤、例えば放射線、例えばインターフェロン、例えばインターロイキン、例
えば腫瘍壊死因子など、の少なくとも一つの細胞傷害性作用因子(例えば細胞増
殖抑制性作用因子、例えば細胞死を引き起こす作用因子など)を、被験体に投与
することを含む。
【0125】 ある好適な実施例では、前記の細胞傷害性作用因子は放射線以外であり、例え
ば投与化合物である。
【0126】 ある好適な実施例では、前記の細胞傷害性作用因子は代謝拮抗物質以外の化合
物である。
【0127】 ある好適な実施例では、前記のFGFアゴニストは経口、局所、例えば局部、又
はエクスビボにより投与される。例えば、前記のFGFアゴニストを、毛嚢を処置
するために局所的に投与してもよい。別の実施例では、骨髄細胞などの細胞をエ
クスビボで処置してもよい。
【0128】 ある好適な実施例では、前記のFGFアゴニストを、例えば胃腸管、骨髄、又は
皮膚など、一つの部位に局所的に投与する。
【0129】 ある好適な実施例では、前記のFGFアゴニストを骨髄に直接注射する。
【0130】 ある好適な実施例では、前記のFGFアゴニストを、例えば頭皮外部になど、局
所的に塗布する。
【0131】 ある好適な実施例では、前記のFGFアゴニストの塗布の結果、体循環内へ著し
く吸収されない、及び/又は、被験体の腫瘍細胞の増殖を増加させるのに充分な
血液もしくは血漿中濃度に著しくならない。
【0132】 ある好適な実施例では、前記のFGFアゴニストを、このFGFアゴニストの有意な
全身投与又は有意な全身レベルとならないような方法で、被験体に投与し、例え
ば、腫瘍の化学療法抵抗性を促進するようなFGFアゴニスト血中レベルの上昇を
招かない方法で、投与する。FGFアゴニストの全身投与又はレベルは、それを被
験体に投与する前及び後で血中のFGFアゴニストレベルを調べれば、評価できる
。こうして、これら二つのレベルをインビトロでテストし、細胞傷害性作用因子
が媒介する腫瘍細胞に対する抗腫瘍性効果への影響を比較できる。好ましくは、
投与後のFGFアゴニスト血中レベルが、細胞傷害性作用因子のIC50を、このF
GFアゴニストを被験体に投与する前のFGFアゴニスト血液レベルの存在下での当
該細胞傷害性作用因子のIC50に比較して、30%未満、好ましくは20%未
満、好ましくは10%未満、好ましくは5%未満、そして最も好ましくは1%未
満、増加させるとよい。培養細胞に対する効果の検査は、実施例XVに解説する
系を用いて行うことができる。
【0133】 ある好適な実施例では、被験体はヒトなどのほ乳類である。例えば、被験体は
癌患者などの患者である。例えば、被験体は非小細胞肺癌患者であり、この患者
は、パクリタキセル、カルボプラチン、又はスラミンなどのFGFアンタゴニスト
のうちの二つ又はそれ以上の組合せか、又は、ゲムシタビン、シスプラチン、又
はスラミンなどのFGFアンタゴニストのうちの二つ又はそれ以上の組合せで、処
置を受ける。例えば、患者はホルモン抵抗性前立腺癌患者であり、この患者は、
リン酸エストラムスチン、タキソテル、又はスラミンなどのFGFアンタゴニスト
のうちの二つ又はそれ以上の組合せか、又は、ドキソルビシン、ケトコナゾール
、スラミンなどのFGFアンタゴニストのうちの二つ又はそれ以上の組合せで、処
置を受ける。例えば、患者は転移性乳癌患者であり、この患者は、シクロホスフ
ァミド、ドキソルビシン、5-フルオロウラシル、又は、スラミンなどのFGFアン
タゴニストのうちの二つ又はそれ以上の組合せで、処置を受ける。例えば、患者
はHER/2/neuオンコジーンが過発現している進行性乳癌患者であり、この患者は
、ハーセプチン及びスラミンに、パクリタキセル又はシスプラチンを加えて、又
は加えずに、処置を受ける。例えば、患者は進行した又は転移性の結腸直腸癌患
者であり、この患者は、イリノテカン又はスラミンなどのFGFアンタゴニストの
うちの一つ又はそれ以上により、処置を受ける。例えば、患者は進行結腸癌患者
であり、この患者は5-フルオロウラシル、ロイコボリン、又はスラミンなどのFG
Fアンタゴニストのうちの二つ又はそれ以上の組合せにより、処置を受ける。
【0134】 ある好適な実施例では、この処置は、前記細胞を、前記細胞傷害性処置の細胞
傷害性効果(例えば細胞増殖抑制性、例えば細胞の殺生、例えば毛髪の喪失)な
どの影響から防御するものである。
【0135】 ある好適な実施例では、FGFアゴニストは、bFGF、aFGF、又はbFGF及びaFGF、
又はこれらの一フラグメント又は一類似体を含んで成る。bFGF及びaFGFを併用投
与する場合、これらには、好ましくは相乗効果など、相加的効果があるであろう
。FGFアゴニストは、前記細胞を、前記細胞傷害性処置による、例えば細胞傷害
性効果(例えば細胞増殖抑制性、例えば細胞の殺生、例えば毛髪の喪失)などの
影響から防御するのに充分な濃度になる量、投与される。FGFアゴニストの投与
を繰り返し行って、前記細胞傷害性処置の期間全体を通じて、及び/又は、細胞
傷害性効果を生じるのに充分な血漿中濃度に、細胞傷害性作用因子を維持する期
間全体を通じて、防御を提供してもよい。
【0136】 ある好適な実施例では、前記FGFアゴニストを投与する期間、又は、前記FGFア
ゴニストを、例えば、細胞傷害性作用因子の細胞傷害性効果から細胞を防御する
のに充分な血漿中濃度など、ある治療的レベルで維持する期間は、180日未満
、より好ましくは90日未満、より好ましくは60日未満、そして最も好ましく
は30日未満である。
【0137】 ある好適な実施例では、前記FGFアゴニストを投与する期間、又は、前記FGFア
ゴニストを、例えば、細胞傷害性作用因子の細胞傷害性効果から細胞を防御する
のに充分な血漿中濃度など、ある治療的レベルで維持する期間は、前記細胞傷害
性作用因子を投与する期間、又は、前記細胞傷害性作用因子をある治療的レベル
で維持する期間よりも、著しく早い時期に開始したり、又は、著しく遅い時期に
終了しない。
【0138】 ある好適な実施例では、前記FGFアゴニストを投与する期間、又は、前記FGFア
ゴニストを、例えば、細胞傷害性作用因子の細胞傷害性効果から細胞を防御する
のに充分な血漿中濃度など、ある治療的レベルで維持する期間は、細胞傷害性作
用因子を投与する最後の日、又は、細胞傷害性作用因子が治療的レベルで存在す
る最後の日、から後の180日未満、より好ましくは90日未満、より好ましく
は60日未満、そして最も好ましくは30日未満に終了する。
【0139】 ある好適な実施例では、前記FGFアゴニストを投与する期間、又は、前記FGFア
ゴニストを、例えば、細胞傷害性作用因子の細胞傷害性効果から細胞を防御する
のに充分な血漿中濃度など、ある治療的レベルで維持する期間は、細胞傷害性作
用因子を投与する最初の日、又は、細胞傷害性作用因子が治療的レベルで存在す
る最初の日、から前の180日未満、より好ましくは90日未満、より好ましく
は60日未満、そして最も好ましくは30日未満に開始する。
【0140】 ある好適な実施例では、前記FGFアゴニストはペプチド又は小分子である。
【0141】 ある好適な実施例では、前記FGFアゴニストは非タンパク性である。
【0142】 ある好適な実施例では、ここに解説した方法で用いる細胞傷害性作用因子は、
抗微小管剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮
抗剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、インターカレート剤、シグナル伝達経路
に干渉できる薬剤(例えばプロテインキナーゼC阻害剤、例えば抗ホルモン、例
えば成長因子の受容体に対する抗体など)、アポトーシス及び/又はネクローシ
スを促進する薬剤、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、及び
放射線からなる群より選択される。
【0143】 ある好適な実施例では、ここに解説した方法で用いる細胞傷害性作用因子は、
抗微小管剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、有糸分
裂阻害剤、アルキル化剤、インターカレート剤、シグナル伝達経路に干渉できる
薬剤(例えばプロテインキナーゼC阻害剤、例えば抗ホルモン、例えば成長因子
の受容体に対する抗体など)、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死
因子、及び放射線からなる群より選択される。
【0144】 ある好適な実施例では、ここに解説した方法で用いる細胞傷害性作用因子は、
抗微小管剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮
抗剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、インターカレート剤、シグナル伝達経路
に干渉できる薬剤(例えばプロテインキナーゼC阻害剤、例えば抗ホルモン、例
えば成長因子の受容体に対する抗体など)、インターフェロン、インターロイキ
ン、及び腫瘍壊死因子からなる群より選択される。
【0145】 ある好適な実施例では、ここに解説した方法で用いる細胞傷害性作用因子は、
抗微小管剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、有糸分
裂阻害剤、アルキル化剤、インターカレート剤、シグナル伝達経路に干渉できる
薬剤(例えばプロテインキナーゼC阻害剤、例えば抗ホルモン、例えば成長因子
の受容体に対する抗体など)、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死
因子からなる群より選択される。
【0146】 ある好適な実施例では、ここに解説した方法で用いる細胞傷害性作用因子は、
以下に開示したものから選択される。この細胞傷害性作用因子の例には、パクリ
タキセル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキ
ソテル(例えばドセタキセル)、トポテカン、カンプトテシン、塩酸イリノテカ
ン(例えばカンプトサール)、ドキソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン
、ダウノルビシン、イダルビシン、テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、
メルバロン、塩酸ピロキサントロン、5-フルオロウラシル、メトトレキセート、
6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラビン、トリメトレキセー
ト、ゲムシタビン、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセ
チル-L-アスパレート(PALA)、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-
デオキシシチジン、アデノシンアラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラ
ファー、UFT(ウラシル及びフトラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシ
ウリジン、5-フルオロウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシ
ウレア、ジヒドロレンクロラムブシル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリ
ン、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BC
NU(例えばカルムスチン)、メルファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラム
ブシル、プリカマイシン、ダカルバジン、リン酸イフォスファミド、シクロホス
ファミド、ナイトロジェンマスタード、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-
イポメアノール、ジヒドロレンペロン(dihydrolenperone)、スピロムスチン、
ゲルデナマイシン(geldenamycin)、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプ
ロリド(例えばルプロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(ゾ
ラデックス)、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2
-ヒドロキシ-2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、抗Her2
/neu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20(例えばリツキサン)、インターフ
ェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インター
ロイキン2、インターロイキン4、インターロイキン12、腫瘍壊死因子、及び
放射線、がある。
【0147】 ある好適な実施例では、ここに解説した方法で用いる細胞傷害性作用因子は、
以下に開示したものから選択される。この細胞傷害性作用因子の例には、パクリ
タキセル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキ
ソテル(例えばドセタキセル)、トポテカン、カンプトテシン、塩酸イリノテカ
ン(例えばカンプトサール)、ピラゾフリン、ドキソルビシン、エトポシド、ミ
トキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン、テニポシド、アムサクリン、
エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロン、5-フルオロウラシル、メト
トレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラビン、シ
タラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲムシタビン、アシビシン、アラノ
シン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L-アスパレート=PALA、アスパレ
ート(PALA)、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシシチジン
、アデノシンアラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファー、UFT(ウラ
シル及びフトラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、5-フルオ
ロウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレア、ジヒドロレ
ンクロラムブシル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、シスプラチン、
カルボプラチン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(例えばカルムス
チン)、メルファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、プリカマイ
シン、ダカルバジン、リン酸イフォスファミド、シクロホスファミド、ナイトロ
ジェンマスタード、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-イポメアノール、ジ
ヒドロレンペロン(dihydrolenperone)、スピロムスチン、ゲルデナマイシン(
geldenamycin)、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロリド(例えばルプ
ロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(ゾラデックス)、フル
タミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチ
ル-3'-(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、抗Her2/neu抗体(例えば
ハーセプチン)、抗CD20(例えばリツキサン)、インターフェロンアルファ、イ
ンターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン2、インタ
ーロイキン4、インターロイキン12、及び腫瘍壊死因子、がある。
【0148】 ある好適な実施例では、ここに解説した方法で用いる細胞傷害性作用因子は、
以下に開示したものから選択される。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキ
セル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテ
ル(例えばドセタキセル)、トポテカン、カンプトテシン、塩酸イリノテカン(
例えばカンプトサール)、ドキソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダ
ウノルビシン、イダルビシン、テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メル
バロン、塩酸ピロキサントロン、5-フルオロウラシル、メトトレキセート、6-メ
ルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラビン、トリメトレキセート、
ゲムシタビン、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル
-L-アスパレート(PALA)、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオ
キシシチジン、アデノシンアラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファ
ー、UFT(ウラシル及びフトラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリ
ジン、5-フルオロウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレ
ア、ジヒドロレンクロラムブシル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、
シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(
例えばカルムスチン)、メルファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシ
ル、プリカマイシン、ダカルバジン、リン酸イフォスファミド、シクロホスファ
ミド、ナイトロジェンマスタード、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-イポ
メアノール、ジヒドロレンペロン(dihydrolenperone)、スピロムスチン、ゲル
デナマイシン(geldenamycin)、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロリ
ド(例えばルプロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(ゾラデ
ックス)、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒ
ドロキシ-2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、抗Her2/n
eu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20(例えばリツキサン)、インターフェロ
ンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイ
キン2、インターロイキン4、インターロイキン12、及び腫瘍壊死因子、及び
放射線、がある。
【0149】 ある好適な実施例では、ここに解説した方法で用いる細胞傷害性作用因子は、
以下に開示したものから選択される。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキ
セル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテ
ル(例えばドセタキセル)、トポテカン、カンプトテシン、塩酸イリノテカン(
例えばカンプトサール)、ドキソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダ
ウノルビシン、イダルビシン、テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メル
バロン、塩酸ピロキサントロン、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラ
チン、マイトマイシンC、BCNU(例えばカルムスチン)、メルファラン、チオテ
パ、ブスルファン、クロラムブシル、プリカマイシン、ダカルバジン、リン酸イ
フォスファミド、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、ウラシルマ
スタード、ピポブラマン、4-イポメアノール、ジヒドロレンペロン(dihydrolen
perone)、スピロムスチン、ゲルデナマイシン(geldenamycin)、サイトカラシ
ン、デプシペプチド、ロイプロリド(例えばルプロン)、ケトコナゾール、タモ
キシフェン、ゴセレリン(例えばゾラデックス)、フルタミド、4'-シアノ-3-(
4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチル-3'-(トリフルオロメ
チル)プロピオンアニリド、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20
(例えばリツキサン)、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、
インターフェロンガンマ、インターロイキン2、インターロイキン4、インター
ロイキン12、腫瘍壊死因子、及び放射線、がある。
【0150】 ある好適な実施例では、ここに解説した方法で用いる細胞傷害性作用因子は、
以下に開示したものから選択される。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキ
セル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテ
ル(例えばドセタキセル)、トポテカン、カンプトテシン、塩酸イリノテカン(
例えばカンプトサール)、ドキソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダ
ウノルビシン、イダルビシン、テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メル
バロン、塩酸ピロキサントロン、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラ
チン、マイトマイシンC、BCNU(例えばカルムスチン)、メルファラン、チオテ
パ、ブスルファン、クロラムブシル、プリカマイシン、ダカルバジン、リン酸イ
フォスファミド、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、ウラシルマ
スタード、ピポブラマン、4-イポメアノール、ジヒドロレンペロン(dihydrolen
perone)、スピロムスチン、ゲルデナマイシン(geldenamycin)、サイトカラシ
ン、デプシペプチド、ロイプロリド(例えばルプロン)、ケトコナゾール、タモ
キシフェン、ゴセレリン(ゾラデックス)、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フル
オロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)
プロピオンアニリド、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20(例え
ばリツキサン)、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インタ
ーフェロンガンマ、インターロイキン2、インターロイキン4、インターロイキ
ン12、及び腫瘍壊死因子、がある。
【0151】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子はパクリタキセル、インターフェ
ロンアルファ、ゲムシタビン、フルダラビン、イリノテカン、カルボプラチン、
シスプラチン、タキソテル、ドキソルビシン、エピルビシン、5-フルオロウラシ
ル、UFT、タモキシフェン、ゴセレリン、ケトコナゾール、抗Her2/neu抗体(例
えばハーセプチン)、抗CD20、ロイプロリド(ルプロン)及びフルタミドである
【0152】 別の態様では、本発明は、少なくとも一つのFGFアンタゴニストと、少なくと
も一つの細胞傷害性作用因子(例えば細胞増殖抑制性作用因子、細胞死を引き起
こす作用因子など)と、薬学的に容認可能な担体とを含有する医薬組成物を特徴
とし、このとき前記のFGFアンタゴニストは、高増殖性細胞の増殖を減少させる
又は阻害する上で、又は、高増殖性細胞の殺生を高める上で、細胞傷害性作用因
子の効果を高めるのに充分な量、存在する。
【0153】 ある好適な実施例では、前記の医薬組成物は、ここに解説した方法を実施する
際の指示と一緒に梱包されている。
【0154】 ある好適な実施例では、前記の医薬組成物は、bFGFの阻害剤;aFGFの阻害剤;
又は、bFGF阻害剤及びaFGF阻害剤を含有する
【0155】 ある好適な実施例では、前記のFGFアンタゴニストは、インビトロ条件下の培
養腫瘍細胞中で、FGF(例えばaFGF及び/又はbFGF)により誘導される、抗癌剤
に対する耐性を、阻害又は逆行させる。培養細胞に対する効果の検査は、実施例
XVに解説する系を用いて行うことができる。
【0156】 ある好適な実施例では、前記のFGFアンタゴニストは、広域の細胞傷害性作用
因子に対する、腫瘍細胞の耐性を阻害又は減少させる。
【0157】 ある好適な実施例では、前記のFGFアンタゴニストは:FGF分子又はFGF受容体
に結合できる;FGFの受容体への結合を遮断する;FGFの受容体への結合を促す分
子に対するFGFの相互作用を遮断する;FGF受容体の働きを下方調節する;タンパ
ク質又はペプチドである;例えばモノクローナル、ジアボディ(diabody)、マ
ウス抗体、ヒト抗体、ヒト化又はキメリック抗体、又は、これらの抗原結合フラ
グメント、例えばFab、F(ab)'2、Fv又は一本鎖Fvフラグメント、である;切端
型FGF分子又はその一フラグメントである。
【0158】 ある好適な実施例では、前記のFGFアンタゴニストは細胞外で働き、例えば、F
GF受容体の細胞外ドメインに対するFGF分子の結合を阻害するなどである。
【0159】 ある好適な実施例では、前記のFGFアンタゴニストは細胞内で働き、例えば、F
GF受容体の細胞内ドメインに対するFGF分子の結合を阻害するなどである。
【0160】 ある好適な実施例では、前記のFGFアンタゴニストは細胞内で働き、例えばFGF
の細胞内での作用を阻害するなどである。
【0161】 ある好適な実施例では、前記のFGFアンタゴニストは細胞外で働き、例えばFGF
分子のその受容体への結合を阻害するなどである。
【0162】 ある好適な実施例では、前記のFGFアンタゴニストはここに開示したものから
選択され、例えばスラミン、スラミンの構造類似体、抗FGF抗体、抗FGF受容体抗
体、ペントサンポリスルフェート、スコポラミン、アンジオスタチン、スプラウ
ティ(sprouty)、エストラジオール、カルボキシメチルベンジルアミンデキス
トラン(CMDB7)、スラジスタ(suradista)、インシュリン様成長因子結合タン
パク-3、エタノール、ヘパリン(例えば6-O-脱硫酸ヘパリン)、低分子量ヘパリ
ン、ヘパラン硫酸、硫酸プロタミン、トランスフォーミング増殖因子ベータ、シ
クロスポリンA、又はbFGFに対するRNAリガンドなどである。
【0163】 ある好適な実施例では、前記FGFアンタゴニストはスラミンである。
【0164】 ある好適な実施例では、前記のFGFアンタゴニストは、受容体への結合をめぐ
ってFGf分子と競合する、FGF分子の一フラグメントであり、;このFGFアンタゴ
ニストは小分子である。
【0165】 ある好適な実施例では、前記のFGFアンタゴニストは小分子であり、コンビナ
トリアル・ライブラリから選択される。
【0166】 ある好適な実施例では、前記の細胞傷害性作用因子は、抗微小管剤、トポイソ
メラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤
、アルキル化剤、インターカレート剤、シグナル伝達経路に干渉できる薬剤(例
えばプロテインキナーゼC阻害剤、例えば抗ホルモン、例えば成長因子の受容体
に対する抗体など)、アポトーシス及び/又はネクローシスを促進する薬剤、イ
ンターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、及び放射線からなる群より
選択される。
【0167】 ある好適な実施例では、前記の細胞傷害性作用因子は、抗微小管剤、トポイソ
メラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、インターカレ
ート剤、シグナル伝達経路に干渉できる薬剤(例えばプロテインキナーゼC阻害
剤、例えば抗ホルモン、例えば成長因子の受容体に対する抗体など)、インター
フェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、及び放射線からなる群より選択さ
れる。
【0168】 ある好適な実施例では、前記の細胞傷害性作用因子は、抗微小管剤、トポイソ
メラーゼII阻害剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、インターカ
レート剤、シグナル伝達経路に干渉できる薬剤(例えばプロテインキナーゼC阻
害剤、例えば抗ホルモン、例えば成長因子の受容体に対する抗体など)、インタ
ーフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、及び放射線からなる群より選択
される。
【0169】 ある好適な実施例では、前記の細胞傷害性作用因子は、抗微小管剤、トポイソ
メラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化
剤、インターカレート剤、シグナル伝達経路に干渉できる薬剤(例えばプロテイ
ンキナーゼC阻害剤、例えば抗ホルモン、例えば成長因子の受容体に対する抗体
など)、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、及び放射線から
なる群より選択される。
【0170】 ある好適な実施例では、前記の細胞傷害性作用因子は、抗微小管剤、トポイソ
メラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤
、シグナル伝達経路に干渉できる薬剤(例えばプロテインキナーゼC阻害剤、例
えば抗ホルモン、例えば成長因子の受容体に対する抗体など)、インターフェロ
ン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、及び放射線からなる群より選択される。
【0171】 ある好適な実施例では、前記の細胞傷害性作用因子は、抗微小管剤、トポイソ
メラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤
、アルキル化剤、インターカレート剤、シグナル伝達経路に干渉できる薬剤(例
えばプロテインキナーゼC阻害剤、例えば抗ホルモン、例えば成長因子の受容体
に対する抗体など)、インターフェロン、インターロイキン、及び放射線からな
る群より選択される。
【0172】 ある好適な実施例では、前記の細胞傷害性作用因子は、抗微小管剤、トポイソ
メラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤
、アルキル化剤、インターカレート剤、シグナル伝達経路に干渉できる薬剤(例
えばプロテインキナーゼC阻害剤、例えば抗ホルモン、例えば成長因子の受容体
に対する抗体など)、インターロイキン、腫瘍壊死因子、及び放射線からなる群
より選択される。
【0173】 ある好適な実施例では、前記の細胞傷害性作用因子は、抗微小管剤、有糸分裂
阻害剤、シグナル伝達経路に干渉できる薬剤(例えばプロテインキナーゼC阻害
剤、例えば抗ホルモン、例えば成長因子の受容体に対する抗体など)、インター
ロイキン、及び放射線からなる群より選択される。
【0174】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、以下に開示したものから選択
される。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビン
ブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、
カンプトテシン、トポテカン、塩酸イリノテカン(例えばカンプトサール)、ド
キソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン
、テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロ
ン、5-フルオロウラシル、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグア
ニン、リン酸フルダラビン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲム
シタビン、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L-
アスパレート(PALA)、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシ
シチジン、アデノシンアラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファー、U
FT(ウラシル及びフトラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、
5-フルオロウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレア、ジ
ヒドロレンクロラムブシル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、シスプ
ラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(例えば
カルムスチン)、メルファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、プ
リカマイシン、ダカルバジン、リン酸イフォスファミド、シクロホスファミド、
ナイトロジェンマスタード、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-イポメアノ
ール、ジヒドロレンペロン(dihydrolenperone)、スピロムスチン、ゲルデナマ
イシン(geldenamycin)、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロリド(例
えばルプロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例えばゾラデ
ックス)、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒ
ドロキシ-2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、抗Her2/n
eu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20(例えばリツキサン)、インターフェロ
ンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイ
キン2、インターロイキン4、インターロイキン12、腫瘍壊死因子、及び放射
線、がある。
【0175】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、以下に開示したものから選択
される。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビン
ブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、
トポテカン、塩酸イリノテカン(例えばカンプトサール)、ドキソルビシン、エ
トポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン、テニポシド、ア
ムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロン、5-フルオロウ
ラシル、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フル
ダラビン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲムシタビン、アシビ
シン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L-アスパレート(PAL
A)、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシシチジン、アデノ
シンアラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファー、UFT(ウラシル及び
フトラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、5-フルオロウリジ
ン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレア、ジヒドロレンクロラ
ムブシル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、シスプラチン、カルボプ
ラチン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(例えばカルムスチン)、
メルファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、プリカマイシン、ダ
カルバジン、リン酸イフォスファミド、シクロホスファミド、ナイトロジェンマ
スタード、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-イポメアノール、ジヒドロレ
ンペロン(dihydrolenperone)、スピロムスチン、ゲルデナマイシン(geldenam
ycin)、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロリド(例えばルプロン)、
ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例えばゾラデックス)、フルタ
ミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチル
-3'-(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、抗Her2/neu抗体(例えばハ
ーセプチン)、抗CD20(例えばリツキサン)、インターフェロンアルファ、イン
ターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン2、インター
ロイキン4、インターロイキン12、腫瘍壊死因子、及び放射線、がある。
【0176】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、以下に開示したものから選択
される。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビン
ブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、
カンプトテシン、トポテカン、塩酸イリノテカン(例えばカンプトサール)、ド
キソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン
、テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロ
ン、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラ
ビン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲムシタビン、アシビシン
、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L-アスパレート(PALA)
、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシシチジン、アデノシン
アラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファー、UFT(ウラシル及びフト
ラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、5-フルオロウリジン、
5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレア、ジヒドロレンクロラムブ
シル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、シスプラチン、カルボプラチ
ン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(例えばカルムスチン)、メル
ファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、プリカマイシン、ダカル
バジン、リン酸イフォスファミド、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタ
ード、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-イポメアノール、ジヒドロレンペ
ロン(dihydrolenperone)、スピロムスチン、ゲルデナマイシン(geldenamycin
)、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロリド(例えばルプロン)、ケト
コナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例えばゾラデックス)、フルタミド
、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチル-3'-
(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、抗Her2/neu抗体(例えばハーセ
プチン)、抗CD20(例えばリツキサン)、インターフェロンアルファ、インター
フェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン2、インターロイ
キン4、インターロイキン12、腫瘍壊死因子、及び放射線、がある。
【0177】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、以下に開示したものから選択
される。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビン
ブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、
カンプトテシン、トポテカン、塩酸イリノテカン(例えばカンプトサール)、ド
キソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン
、テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロ
ン、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラ
ビン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲムシタビン、アシビシン
、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L-アスパレート(PALA)
、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシシチジン、アデノシン
アラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファー、UFT(ウラシル及びフト
ラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、5-フルオロウリジン、
5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレア、ジヒドロレンクロラムブ
シル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、シスプラチン、カルボプラチ
ン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(例えばカルムスチン)、メル
ファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、プリカマイシン、ダカル
バジン、リン酸イフォスファミド、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタ
ード、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-イポメアノール、ジヒドロレンペ
ロン(dihydrolenperone)、スピロムスチン、ゲルデナマイシン(geldenamycin
)、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロリド(例えばルプロン)、ケト
コナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例えばゾラデックス)、フルタミド
、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチル-3'-
(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、抗Her2/neu抗体(例えばハーセ
プチン)、抗CD20(例えばリツキサン)、インターフェロンアルファ、インター
フェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン2、インターロイ
キン4、インターロイキン12、腫瘍壊死因子、及び放射線、がある。
【0178】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、以下に開示したものから選択
される。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビン
ブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、
カンプトテシン、トポテカン、塩酸イリノテカン(例えばカンプトサール)、ド
キソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン
、テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロ
ン、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラ
ビン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲムシタビン、アシビシン
、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L-アスパレート(PALA)
、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシシチジン、アデノシン
アラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファー、UFT(ウラシル及びフト
ラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、5-フルオロウリジン、
5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレア、ジヒドロレンクロラムブ
シル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、シスプラチン、カルボプラチ
ン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(例えばカルムスチン)、メル
ファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、プリカマイシン、ダカル
バジン、リン酸イフォスファミド、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタ
ード、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-イポメアノール、ジヒドロレンペ
ロン(dihydrolenperone)、スピロムスチン、ゲルデナマイシン(geldenamycin
)、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロリド(例えばルプロン)、ケト
コナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例えばゾラデックス)、フルタミド
、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチル-3'-
(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、抗Her2/neu抗体(例えばハーセ
プチン)、抗CD20(例えばリツキサン)、インターフェロンアルファ、インター
フェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン2、インターロイ
キン4、インターロイキン12、腫瘍壊死因子、及び放射線、がある。
【0179】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、以下に開示したものから選択
される。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビン
ブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、
カンプトテシン、トポテカン、塩酸イリノテカン(例えばカンプトサール)、ド
キソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン
、テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロ
ン、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラ
ビン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲムシタビン、アシビシン
、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L-アスパレート(PALA)
、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシシチジン、アデノシン
アラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファー、UFT(ウラシル及びフト
ラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、5-フルオロウリジン、
5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレア、ジヒドロレンクロラムブ
シル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、シスプラチン、カルボプラチ
ン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(例えばカルムスチン)、メル
ファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、プリカマイシン、ダカル
バジン、リン酸イフォスファミド、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタ
ード、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-イポメアノール、ジヒドロレンペ
ロン(dihydrolenperone)、スピロムスチン、ゲルデナマイシン(geldenamycin
)、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロリド(例えばルプロン)、ケト
コナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例えばゾラデックス)、フルタミド
、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチル-3'-
(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、抗Her2/neu抗体(例えばハーセ
プチン)、抗CD20(例えばリツキサン)、インターフェロンアルファ、インター
フェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン2、インターロイ
キン4、インターロイキン12、腫瘍壊死因子、及び放射線、がある。
【0180】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、以下に開示したものから選択
される。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビン
ブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、
カンプトテシン、トポテカン、塩酸イリノテカン(例えばカンプトサール)、ド
キソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン
、テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロ
ン、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラ
ビン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲムシタビン、アシビシン
、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L-アスパレート(PALA)
、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシシチジン、アデノシン
アラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファー、UFT(ウラシル及びフト
ラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、5-フルオロウリジン、
5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレア、ジヒドロレンクロラムブ
シル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、シスプラチン、カルボプラチ
ン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(例えばカルムスチン)、メル
ファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、プリカマイシン、ダカル
バジン、リン酸イフォスファミド、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタ
ード、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-イポメアノール、ジヒドロレンペ
ロン(dihydrolenperone)、スピロムスチン、ゲルデナマイシン(geldenamycin
)、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロリド(例えばルプロン)、ケト
コナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例えばゾラデックス)、フルタミド
、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチル-3'-
(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、抗Her2/neu抗体(例えばハーセ
プチン)、抗CD20(例えばリツキサン)、インターフェロンアルファ、インター
フェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン2、インターロイ
キン4、インターロイキン12、腫瘍壊死因子、及び放射線、がある。
【0181】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、以下に開示したものから選択
される。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビン
ブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、
トポテカン、塩酸イリノテカン(例えばカンプトサール)、エトポシド、ミトキ
サントロン、ダウノルビシン、イダルビシン、テニポシド、アムサクリン、エピ
ルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロン、メトトレキセート、6-メルカプ
トプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラビン、シタラビン(Ara-C)、トリ
メトレキセート、ゲムシタビン、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホ
スホールアセチル-L-アスパレート(PALA)、ペントスタチン、5-アザシチジン
、5-アザ-2'-デオキシシチジン、アデノシンアラビノシド(Ara-A)、クラドリ
ビン、フトラファー、UFT(ウラシル及びフトラファーの組合せ)、5-フルオロ-
2'-デオキシウリジン、5-フルオロウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン
、ヒドロキシウレア、ジヒドロレンクロラムブシル(dihydrolenchlorambucil)
、チアゾフリン、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、マイトマ
イシンC、BCNU(例えばカルムスチン)、メルファラン、チオテパ、ブスルファ
ン、クロラムブシル、プリカマイシン、ダカルバジン、リン酸イフォスファミド
、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、ウラシルマスタード、ピポ
ブラマン、4-イポメアノール、ジヒドロレンペロン(dihydrolenperone)、スピ
ロムスチン、ゲルデナマイシン(geldenamycin)、サイトカラシン、デプシペプ
チド、ロイプロリド(例えばルプロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴ
セレリン(例えばゾラデックス)、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェ
ニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)プロピオ
ンアニリド、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20(例えばリツキ
サン)、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン
2、インターロイキン4、インターロイキン12、及び放射線、がある。
【0182】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、以下に開示したものから選択
される。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビン
ブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、
ドキソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシ
ン、テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサント
ロン、5-フルオロウラシル、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグ
アニン、リン酸フルダラビン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲ
ムシタビン、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L
-アスパレート(PALA)、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキ
シシチジン、アデノシンアラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファー
、UFT(ウラシル及びフトラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジ
ン、5-フルオロウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレア
、ジヒドロレンクロラムブシル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、シ
スプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(例
えばカルムスチン)、メルファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル
、プリカマイシン、ダカルバジン、リン酸イフォスファミド、シクロホスファミ
ド、ナイトロジェンマスタード、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-イポメ
アノール、ジヒドロレンペロン(dihydrolenperone)、スピロムスチン、ゲルデ
ナマイシン(geldenamycin)、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロリド
(例えばルプロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例えばゾ
ラデックス)、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2
-ヒドロキシ-2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、抗Her2
/neu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20(例えばリツキサン)、インターフ
ェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インター
ロイキン2、インターロイキン4、インターロイキン12、腫瘍壊死因子、及び
放射線、がある。
【0183】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、以下に開示したものから選択
される。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビン
ブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、
カンプトテシン、トポテカン、塩酸イリノテカン(例えばカンプトサール)、5-
フルオロウラシル、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、
リン酸フルダラビン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲムシタビ
ン、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L-アスパ
レート(PALA)、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシシチジ
ン、アデノシンアラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファー、UFT(ウ
ラシル及びフトラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、5-フル
オロウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレア、ジヒドロ
レンクロラムブシル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、シスプラチン
、カルボプラチン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(例えばカルム
スチン)、メルファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、プリカマ
イシン、ダカルバジン、リン酸イフォスファミド、シクロホスファミド、ナイト
ロジェンマスタード、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-イポメアノール、
ジヒドロレンペロン(dihydrolenperone)、スピロムスチン、ゲルデナマイシン
(geldenamycin)、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロリド(例えばル
プロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例えばゾラデックス
)、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキ
シ-2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、抗Her2/neu抗体
(例えばハーセプチン)、抗CD20(例えばリツキサン)、インターフェロンアル
ファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン2
、インターロイキン4、インターロイキン12、腫瘍壊死因子、及び放射線、が
ある。
【0184】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、以下に開示したものから選択
される。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビン
ブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、
カンプトテシン、トポテカン、塩酸イリノテカン(例えばカンプトサール)、ド
キソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン
、テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロ
ン、5-フルオロウラシル、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグア
ニン、リン酸フルダラビン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲム
シタビン、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L-
アスパレート(PALA)、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシ
シチジン、アデノシンアラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファー、U
FT(ウラシル及びフトラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、
5-フルオロウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレア、ジ
ヒドロレンクロラムブシル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、、スピ
ロムスチン、ゲルデナマイシン(geldenamycin)、サイトカラシン、デプシペプ
チド、ロイプロリド(例えばルプロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴ
セレリン(例えばゾラデックス)、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェ
ニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)プロピオ
ンアニリド、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20(例えばリツキ
サン)、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロ
ンガンマ、インターロイキン2、インターロイキン4、インターロイキン12、
腫瘍壊死因子、及び放射線、がある。
【0185】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、以下に開示したものから選択
される。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビン
ブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、
カンプトテシン、トポテカン、塩酸イリノテカン(例えばカンプトサール)、ド
キソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン
、テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロ
ン、5-フルオロウラシル、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグア
ニン、リン酸フルダラビン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲム
シタビン、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L-
アスパレート(PALA)、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシ
シチジン、アデノシンアラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファー、U
FT(ウラシル及びフトラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、
5-フルオロウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレア、ジ
ヒドロレンクロラムブシル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、シスプ
ラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(例えば
カルムスチン)、メルファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、プ
リカマイシン、ダカルバジン、リン酸イフォスファミド、シクロホスファミド、
ナイトロジェンマスタード、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-イポメアノ
ール、ジヒドロレンペロン(dihydrolenperone)、スピロムスチン、ゲルデナマ
イシン(geldenamycin)、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロリド(例
えばルプロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例えばゾラデ
ックス)、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒ
ドロキシ-2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、抗Her2/n
eu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20(例えばリツキサン)、インターフェロ
ンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイ
キン2、インターロイキン4、インターロイキン12、及び放射線、がある。
【0186】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、以下に開示したものから選択
される。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビン
ブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、
カンプトテシン、トポテカン、塩酸イリノテカン(例えばカンプトサール)、ド
キソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン
、テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロ
ン、5-フルオロウラシル、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグア
ニン、リン酸フルダラビン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲム
シタビン、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L-
アスパレート(PALA)、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシ
シチジン、アデノシンアラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファー、U
FT(ウラシル及びフトラファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、
5-フルオロウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレア、ジ
ヒドロレンクロラムブシル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、シスプ
ラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(例えば
カルムスチン)、メルファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、プ
リカマイシン、ダカルバジン、リン酸イフォスファミド、シクロホスファミド、
ナイトロジェンマスタード、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-イポメアノ
ール、ジヒドロレンペロン(dihydrolenperone)、スピロムスチン、ゲルデナマ
イシン(geldenamycin)、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロリド(例
えばルプロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例えばゾラデ
ックス)、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒ
ドロキシ-2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、抗Her2/n
eu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20(例えばリツキサン)、インターロイキ
ン2、インターロイキン4、インターロイキン12、腫瘍壊死因子、及び放射線
、がある。
【0187】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、以下に開示したものから選択
される。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビン
ブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、
スピロムスチン、ゲルデナマイシン(geldenamycin)、サイトカラシン、デプシ
ペプチド、ロイプロリド(例えばルプロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン
、ゴセレリン(例えばゾラデックス)、フルタミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロ
フェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)プロ
ピオンアニリド、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20(例えばリ
ツキサン)、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフ
ェロンガンマ、インターロイキン2、インターロイキン4、インターロイキン1
2、及び放射線がある。
【0188】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、パクリタキセル、インターフ
ェロンアルファ、ゲムシタビン、フルダラビン、イリノテカン、カルボプラチン
、シスプラチン、タキソテル、ドキソルビシン、エピルビシン、5-フルオロウラ
シル、UFT、タモキシフェン、ゴセレリン、ケトコナゾール、抗Her2/neu抗体(
例えばハーセプチン)、抗CD20、ロイプロリド(例えばルプロン)及びフルタミ
ドである。
【0189】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、パクリタキセル、ゲムシタビ
ン、フルダラビン、イリノテカン、カルボプラチン、シスプラチン、タキソテル
、ドキソルビシン、エピルビシン、5-フルオロウラシル、UFT、タモキシフェン
、ゴセレリン、ケトコナゾール、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプチン)、抗C
D20、ロイプロリド(例えばルプロン)及びフルタミドである。
【0190】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、パクリタキセル、インターフ
ェロンアルファ、ゲムシタビン、フルダラビン、イリノテカン、カルボプラチン
、タキソテル、ドキソルビシン、エピルビシン、5-フルオロウラシル、UFT、タ
モキシフェン、ゴセレリン、ケトコナゾール、抗Her2/neu抗体(例えばハーセ
プチン)、抗CD20、ロイプロリド(例えばルプロン)及びフルタミドである。
【0191】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、パクリタキセル、インターフ
ェロンアルファ、ゲムシタビン、フルダラビン、イリノテカン、カルボプラチン
、シスプラチン、タキソテル、エピルビシン、5-フルオロウラシル、UFT、タモ
キシフェン、ゴセレリン、ケトコナゾール、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプ
チン)、抗CD20、ロイプロリド(例えばルプロン)及びフルタミドである。
【0192】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、パクリタキセル、インターフ
ェロンアルファ、ゲムシタビン、フルダラビン、イリノテカン、カルボプラチン
、シスプラチン、タキソテル、ドキソルビシン、エピルビシン、UFT、タモキシ
フェン、ゴセレリン、ケトコナゾール、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプチン
)、抗CD20、ロイプロリド(例えばルプロン)及びフルタミドである。
【0193】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、パクリタキセル、インターフ
ェロンアルファ、ゲムシタビン、フルダラビン、イリノテカン、カルボプラチン
、シスプラチン、タキソテル、5-フルオロウラシル、UFT、タモキシフェン、ゴ
セレリン、ケトコナゾール、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20
、ロイプロリド(例えばルプロン)及びフルタミドである。
【0194】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、パクリタキセル、インターフ
ェロンアルファ、ゲムシタビン、フルダラビン、イリノテカン、タキソテル、ド
キソルビシン、エピルビシン、5-フルオロウラシル、UFT、タモキシフェン、ゴ
セレリン、ケトコナゾール、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20
、ロイプロリド(例えばルプロン)及びフルタミドである。
【0195】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、パクリタキセル、インターフ
ェロンアルファ、ゲムシタビン、フルダラビン、イリノテカン、カルボプラチン
、シスプラチン、タキソテル、ドキソルビシン、エピルビシン、タモキシフェン
、ゴセレリン、ケトコナゾール、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプチン)、抗C
D20、ロイプロリド(例えばルプロン)及びフルタミドである。
【0196】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、パクリタキセル、ゲムシタビ
ン、フルダラビン、イリノテカン、タキソテル、タモキシフェン、ゴセレリン、
ケトコナゾール、抗Her2/neu抗体(例えばハーセプチン)、抗CD20、ロイプロ
リド(例えばルプロン)及びフルタミドである。
【0197】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、従来の化学療法で用いられて
いる量に等しい、又は、より少ない量、存在する。
【0198】 ある好適な実施例では、前記の高増殖性細胞は癌細胞である。
【0199】 ある好適な実施例では、前記の高増殖性細胞は、良性の病巣に見られるもので
ある。
【0200】 ある好適な実施例では、前記の疾患は、乾癬、嚢胞、良性の前立腺過形成、及
び子宮内膜症からなる群より選択される。
【0201】 ある好適な実施例では、前記疾患は、例えば口腔乳頭腫、口又は咽頭の中心巨
細胞肉芽腫、口腔の良性のセメント芽細胞腫、口内斑点、胃ポリープ、胃の腺腫
、小腸腺腫、小腸肉芽腫、小腸乳頭腫、小腸の膨大細胞腫、小腸神経鞘腫、結腸
ポリープ、結腸腺腫、クローン病、肝腺腫、肝硬変、胆管乳頭腫症、膵臓腺腫、
膵管過形成、腎膨大細胞腫、腎乳頭腫、膀胱の腺腫、膀胱マラコプラキー、膀胱
偽肉腫、子宮内膜症、良性の前立腺過形成、陰茎の紅色肥厚症、陰門、膣、又は
子宮頸のポリープ及び乳頭腫、子宮内膜のポリープ、腺腫、乳頭腫、又は平滑筋
腫、卵巣嚢胞、乳房の線維嚢胞症、乳房の脂肪腫、硬化性腺疾患、血管腫、乳房
の腺管過形成、線維腺腫、腺筋上皮腫、過誤腫、皮膚の母斑、遺伝性皮膚症、骨
の線維症、線維性骨異形成症、軟骨形成不全症、硬化性骨形成不全、軸性骨軟化
症、線維形成不全、骨腫、類骨骨腫、骨芽腫、骨軟骨腫、内軟骨腫、軟骨粘液線
維腫、軟骨芽腫、滑膜脂肪腫、内分泌器の腺腫、甲状腺腫、グレーブズ病、副腎
過形成、副腎腺腫、副腎MEN I症候群、副腎骨髄脂肪腫など、良性の過形成性疾
患からなる群より選択される。
【0202】 別の態様では、本発明は、少なくとも一つのFGFアゴニストと、薬学的に容認
可能な担体と、を含む医薬組成物を特徴とし、このとき当該のFGFアゴニストは
、前記細胞傷害性作用因子から、例えば急速に分裂中の細胞などの細胞を防御す
るのに、又は、細胞の損傷を減少させるのに、効果的な量、存在する。
【0203】 ある好適な実施例では、前記の医薬組成物は、ここに解説した方法を実施する
際の指示と一緒に梱包されている。
【0204】 ある好適な実施例では、前記のFGFアゴニストは、bFGF;aFGF;又は、bFGF及
びaFGF、又はこれらの一フラグメント又は類似体を含んで成る。
【0205】 ある好適な実施例では、前記のFGFアゴニストは、bFGF、又は、その一フラグ
メント又は類似体を含んで成る。
【0206】 ある好適な実施例では、前記のFGFアゴニストはペプチド又は小分子である。
【0207】 ある好適な実施例では、前記のFGFアゴニストは非タンパク質性である。
【0208】 ある好適な実施例では、当該の細胞は、例えば胃腸管又は食道管の細胞など、
体表面又は体腔の細胞;毛嚢細胞;造血幹細胞などの造血細胞、である。
【0209】 ある好適な実施例では、当該の細胞は、胃腸管又は食道管の内張の一部である
【0210】 別の態様では、本発明は、FGFアンタゴニスト/アゴニストを他の細胞傷害性
作用因子と組み合わせて投与するためのキットに関する。ある実施例では、この
キットは、一個の薬剤担体中に調合されたFGFアンタゴニスト/アゴニストと、
適宜、一個又はそれ以上の別の製剤中に調合された少なくとも一個の細胞傷害性
作用因子と、を含んで成る。
【0211】 ある好適な実施例では、当該キットには、ここに解説した方法を実施する際の
指示が含まれる。
【0212】 別の態様では、本発明は、FGFポリペプチド、又はFGF受容体由来ポリペプチド
、又はFGFのその受容体への結合を促すプロテオグリカンの一フラグメントと、
薬学的に容認可能な担体とを、新生物疾患に対して被験体を免疫処置するのに効
果的な量、含んで成るワクチンを特徴とする。新生物疾患に対する免疫処置は、
部分的でも、又は完全なものでもよい。前記のワクチンは、癌患者を処置したり
、又は、新生物疾患の発生、常習性、及び/又は、転移性のうちの一つ又はそれ
以上を防止するのに、用いることができる。例えば、腫瘍を外科術により取り除
いた患者に対し、腫瘍の再発を防止するのに投与してもよいであろう。
【0213】 ある好適な実施例では、当該の被験体は、例えばヒトなどのほ乳類である。
【0214】 ある好適な実施例では、当該の被験体は癌患者ではない。
【0215】 ある好適な実施例では、当該の被験体は、正常組織の良性の過形成が原因で起
きる不調を有する患者である。
【0216】 ある好適な実施例では、当該の被験体は、例えば癌患者などの患者である。例
えば、この被験体は緩解期にある患者でも、又は、(従来の化学療法を単独で、
又は、ここに解説した方法と組み合わせて行った)処置中の患者でもよい。例え
ば、被験体は、非小細胞肺癌患者であってもよく、この患者は、パクリタキセル
、カルボプラチン、又はスラミンなどのFGFアンタゴニストのうちの二つ又はそ
れ以上の組合せか、又は、ゲムシタビン、シスプラチン、又はスラミンなどのFG
Fアンタゴニストのうちの二つ又はそれ以上の組合せで、処置を受ける。例えば
、被験体はホルモン抵抗性前立腺患者であってもよく、この患者は、リン酸エス
トラムスチン、タキソテル、又はスラミンなどのFGFアンタゴニストのうちの二
つ又はそれ以上の組合せか、又は、ドキソルビシン、ケトコナゾール、又は、ス
ラミンなどのFGFアンタゴニストのうちの二つ又はそれ以上の組合せで、処置を
受ける。例えば、被験体は転移性乳癌患者であってもよく、この患者は、シクロ
ホスファミド、ドキソルビシン、5-フルオロウラシル、又は、スラミンなどのFG
Fアンタゴニストのうちの二つ又はそれ以上の組合せで、処置を受ける。例えば
、被験体はHER/2/neuオンコジーンが過発現している進行性乳癌患者であっても
よく、この患者は、HER2/neu阻害剤(例えばHER2/neu抗体)、及び/又は、ス
ラミンなどのFGFアンタゴニストに、パクリタキセル又はシスプラチンを加えて
、又は加えずに、処置を受ける。被験体は進行した又は転移性の結腸直腸癌患者
でもよく、この患者は、イリノテカン、又は、スラミンなどのFGFアンタゴニス
トのうちの一つ又はそれ以上により、処置を受ける。例えば、被験体は進行結腸
癌患者でもよく、この患者は5-フルオロウラシル、ロイコボリン、又はスラミン
などのFGFアンタゴニストのうちの二つ又はそれ以上の組合せにより、処置を受
ける。また被験体は、例えば成人白血病や、初期のびまん性前立腺癌など、緩解
期にあるが再発の可能性の高い癌患者であってもよい。
【0217】 別の態様では、本発明は、例えば増殖性の疾患や悪性の疾患などを処置したり
、又は、細胞傷害性作用因子から細胞を防御する上での、化合物の効果を評価す
る方法を特徴とする。本方法は: 前記化合物を、例えばaFGF又はbFGFなどのFGFに接触させることと、 この化合物の、FGF活性を阻害又は促進する能力を評価することと を含み、但し阻害は疾患を治療する効果に相関付けられ、促進は細胞防御に相関
付けられる。
【0218】 ある好適な実施例では、本方法は、さらに、化合物をテストして、例えば抗癌
剤など、細胞を殺生する又は細胞成長を阻害する作用因子の効果を、例えば増加
させるなど、変調させることができるかを、調べることを含む。これは、その化
合物及び前記作用因子を、一緒に又は別々に、テスト細胞又は生物に投与するこ
とで、行える。
【0219】 ある好適な実施例では、本方法は、さらに、化合物をテストして、例えば抗癌
剤など、細胞を殺生する又は細胞成長を阻害する作用因子の効果を、例えば増加
させるなど、FGF(例えばbFGF及び/又はaFGF)の存在下で変調させることがで
きるかを、調べることを含む。これは、その化合物と、前記作用因子と、FGFと
を、一緒に又は別々に、テスト細胞又は生物に投与することで、行える。
【0220】 ある好適な実施例では、本方法は、さらに、化合物をテストして、例えば細胞
傷害性作用因子又は抗癌剤など、細胞を殺生する又は細胞成長を阻害する作用因
子から、細胞を防御できるかを、調べることを含む。これは、その化合物及び前
記作用因子の両方を、一緒に又は別々に、テスト細胞又は生物に投与することで
、行える。
【0221】 ある好適な実施例では、本方法は: 例えば培養細胞、形質転換細胞、癌又はテスト生物由来の細胞など、細胞を提
供することと、 前記化合物を前記細胞(又はテスト生物)に投与して、FGF活性、細胞増殖、
細胞死、又は、例えば転移性腫瘍成長などの腫瘍成長を評価することと を含む。
【0222】 ある好適な実施例では、前記の疾患は、肉腫、癌腫、アデノ癌腫、リンパ腫、
又は白血病を含む癌である。
【0223】 ある好適な実施例では、前記の疾患は、充実性腫瘍を含む癌である。
【0224】 ある好適な実施例では、前記の疾患は、白血病を含む癌である。
【0225】 ある好適な実施例では、前記の疾患は、リンパ腫を含む癌である。
【0226】 ある好適な実施例では、前記の疾患は、転移性病巣を含む癌である。
【0227】 ある好適な実施例では、前記疾患には、例えば転移性細胞など、FGF分子が発
現されている組織から形成される細胞を含有する癌や、又は、aFGF、bFGF及び/
又はFGF産生細胞又は組織と接触している又は暴露している細胞を含有する癌が
含まれる。
【0228】 ある好適な実施例では、前記疾患には、例えば転移性細胞などの細胞を有し、
乳房、前立腺、腎臓、膀胱、肝臓、肺、リンパ節、結腸、直腸、皮膚、脳、膵臓
、子宮頸管、卵巣、喉頭、咽頭、口腔粘膜、の組織から形成される癌や、頭部及
び頚部の癌、造血系由来の癌、又は、リンパ系の癌が含まれる。
【0229】 ある好適な実施例では、前記疾患は、例えば線維肉腫、筋肉腫、脂肪肉腫、軟
骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内
皮肉腫、滑膜肉腫、中皮腫、ユーイング腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、胃癌、食
道癌、結腸癌、直腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮癌、頭部及び頚
部の癌、皮膚癌、脳の癌、扁平上皮癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢腺癌、髄
様癌、気管支癌、腎細胞癌、ヘパトーム、胆道癌、絨毛上皮腫、精上皮腫、胎児
性癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、睾丸癌、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、
膀胱癌、上皮癌、グリオーマ、星状細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣
細胞腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神
経芽腫、網膜芽細胞腫、白血病、リンパ腫、又はカポジ肉腫など、癌である。
【0230】 ある好適な実施例では、前記疾患は、例えば口腔乳頭腫、口又は咽頭の中心巨
細胞肉芽腫、口腔の良性のセメント芽細胞腫、口内斑点、胃ポリープ、胃の腺腫
、小腸腺腫、小腸肉芽腫、小腸乳頭腫、小腸の膨大細胞腫、小腸神経鞘腫、結腸
ポリープ、結腸腺腫、クローン病、肝腺腫、肝硬変、胆管乳頭腫症、膵臓腺腫、
膵管過形成、腎膨大細胞腫、腎乳頭腫、膀胱の腺腫、膀胱マラコプラキー、膀胱
偽肉腫、子宮内膜症、良性の前立腺過形成、陰茎の紅色肥厚症、陰門、膣、又は
子宮頸のポリープ及び乳頭腫、子宮内膜のポリープ、腺腫、乳頭腫、又は平滑筋
腫、卵巣嚢胞、乳房の線維嚢胞症、乳房の脂肪腫、硬化性腺疾患、血管腫、乳房
の腺管過形成、線維腺腫、腺筋上皮腫、過誤腫、皮膚の母斑、遺伝性皮膚症、骨
の線維症、線維性骨異形成症、軟骨形成不全症、硬化性骨形成不全、軸性骨軟化
症、線維形成不全、骨腫、類骨骨腫、骨芽腫、骨軟骨腫、内軟骨腫、軟骨粘液線
維腫、軟骨芽腫、滑膜脂肪腫、内分泌器の腺腫、甲状腺腫、グレーブズ病、副腎
過形成、副腎腺腫、副腎MEN I症候群、副腎骨髄脂肪腫など、良性の過形成性疾
患からなる群より選択される。
【0231】 ある好適な実施例では、前記化合物はタンパク質又はペプチドである。
【0232】 ある好適な実施例では、前記化合物は、例えば小分子(例えばコンビナトリア
ル・ライブラリの一構成分子など)などの化学物質である。
【0233】 ある好適な実施例では、前記細胞傷害性作用因子は、抗微小管剤、トポイソメ
ラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤、
アルキル化剤、インターカレート剤、シグナル伝達経路に干渉できる薬剤(例え
ばプロテインキナーゼC阻害剤、例えば抗ホルモン、例えば成長因子の受容体に
対する抗体など)、アポトーシス及び/又はネクローシスを促進する薬剤、イン
ターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、又は放射線からなる群より選
択される。
【0234】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、以下に開示したものから選択
される。細胞傷害性作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビン
ブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)、
トポテカン、カンプトテシン、塩酸イリノテカン(例えばカンプトサール)、ド
キソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン
、テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロ
ン、5-フルオロウラシル、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグア
ニン、リン酸フルダラビン、シタラビン(Ara-C)、トリメトレキセート、ゲム
シタビン、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホールアセチル-L-
アスパレート=PALA,N-ホスホールアセチル-L-アスパレート(PALA)、ペントス
タチン、5-アザシチジン、5-アザ-5-アザ-2'-デオキシシチジン、アデノシンア
ラビノシド(Ara-A)、クラドリビン、フトラファー、UFT(ウラシル及びフトラ
ファーの組合せ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、5-フルオロウリジン、5'
-デオキシ-5-フルオロウリジン、ヒドロキシウレア、ジヒドロレンクロラムブシ
ル(dihydrolenchlorambucil)、チアゾフリン、シスプラチン、カルボプラチン
、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(例えばカルムスチン)メルファ
ラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、プリカマイシン、ダカルバジ
ン、リン酸イフォスファミド、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード
、ウラシルマスタード、ピポブラマン、4-イポメアノール、ジヒドロレンペロン
(dihydrolenperone)、スピロムスチン、ゲルデナマイシン(geldenamycin)、
サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロリド(例えばルプロン)、ケトコナ
ゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(ゾラデックス)、フルタミド、4'-シア
ノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチル-3'-(トリフ
ルオロメチル)プロピオンアニリド、ハーセプチン、抗CD20(例えばリツキサン
)、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガ
ンマ、インターロイキン2、インターロイキン4、インターロイキン12、腫瘍
壊死因子、及び放射線、がある。
【0235】 ある好適な実施例では、細胞傷害性作用因子は、パクリタキセル、インターフ
ェロンアルファ、ゲムシタビン、フルダラビン、イリノテカン、カルボプラチン
、シスプラチン、タキソテル、ドキソルビシン、エピルビシン、5-フルオロウラ
シル、UFT、タモキシフェン、ゴセレリン、HER2/neu抗体(例えばハーセプチン
)、抗CD20、ロイプロリド(ルプロン)及びフルタミドである。
【0236】 ある好適な実施例では、当該の細胞は急速に分裂中の細胞、胃腸管の細胞、又
は、毛嚢細胞、又は造血細胞、例えば造血幹細胞などである。
【0237】 別の態様では、本発明は、例えば抗癌剤に対する腫瘍の耐性レベルを調べるな
どのために、試料を分析する方法を特徴とする。本方法は: 一つ又はそれ以上のFGF遺伝子又は遺伝子産物のレベルを評価することを含み
、このとき、対照に比較して、この一つ又はそれ以上のFGF遺伝子又は遺伝子産
物のレベルが増加又は減少していることが、抗癌剤に対する腫瘍耐性の存在の指
標となる。
【0238】 ある好適な実施例では、例えば被験体から採った試料など、当該の試料は、望
ましくない増殖を有する組織試料であり、例えば良性過形成性組織の試料や、原
発腫瘍、転移性腫瘍、又は白血病から採った試料である。
【0239】 ある好適な実施例では、FGF遺伝子又は遺伝子産物の発現は、bFGF、aFGF、TSC
22、VEGF、GAFA1、GAFA2、GAFA3(当初、米国暫定出願第60/137,345
号ではFSC1、FSC2、FSC3、と指定された)、及びTFII-Iからなる群より選択され
る。
【0240】 ある好適な実施例では、本方法は:ほ乳類から採った試料、ヒト被験体から採
った試料;及び、癌患者から採った試料に対して;標的のFGFが採取された個人
が薬剤又は他の処置を受けるべきかを決定する;ある疾患について、又は、処置
に対する耐性が起きる素質について、個人を診断する;疾病又は疾患を段階付け
る;ための治療上の決定の一部として、行われる。
【0241】 ある好適な実施例では、本方法はさらに、FGF発現レベルに基づき、例えば特
定の抗癌処置、例えば特定のFGFアンタゴニスト、又は、これらの投薬量など、
一つの治療法を選ぶことを含む。
【0242】 いくつかの実施例では、細胞又は試料から採った核酸(又はタンパク質)を、
例えばDNAチップアレイなどのポジショナル・アレイ上で分析する。従って、
好適な実施例では、本方法は: 複数の捕獲プローブのアレイを提供することで試料を分析するステップであっ
て、この捕獲プローブはそれぞれ、前記アレイ上に載った複数の他の捕獲プロー
ブから位置的に区別可能であり、また各々の位置的に区別可能な捕獲プローブに
は、例えばある一個のFGF遺伝子又は遺伝子産物を特定できる抗体又は核酸プロ
ーブなど、固有の試薬が含まれている、ステップと、 前記試料を捕獲プローブのアレイとハイブリダイズさせて、試料の配列を解析
するステップと を含む。
【0243】 別の態様では、本方法には、被験体の、例えば増殖性疾患、例えば良性の過形
成性疾患、例えば悪性の疾患などの疾患を段階付ける方法が含まれる。本方法は
: 前記患者からの、例えば癌試料、組織、体液、例えば尿、血液、又はCSF、
生検、などの試料を提供するステップと、 一つ又はそれ以上のFGF遺伝子産物に選択的にハイブリダイズする核酸プロー
ブに、例えば前記癌試料を接触させるなどにより、一つ又はそれ以上のFGF遺伝
子の発現を評価するステップと を含み、対照に比較して、前記一つ又はそれ以上のFGF遺伝子又は遺伝子産物の
レベルが増加していることは、例えば悪性疾患など、疾患の一段階の指標となる
【0244】 ある好適な実施例では、FGF遺伝子又は遺伝子産物は、bFGF、aFGF、TSC22、VE
GF、GAFA1、GAFA2、GAFA3(当初、米国暫定出願第60/137,345号ではF
SC1、FSC2、FSC3、と指定された)、及びTFII-Iからなる群より選択される。
【0245】 ある好適な実施例では、本発明は、:ほ乳類から採った試料、ヒト被験体から
採った試料;例えば、良性の過形成性疾患患者から採った試料、例えば癌患者か
ら採った試料、に対して;標的の核酸又はタンパク質が採取された個人が薬剤又
は他の処置を受けるべきかを決定する;ある疾患について、又は、処置に対する
耐性が起きる素質について、個人を診断する;疾病又は疾患を段階付ける;ため
に、行われる。
【0246】 ある好適な実施例では、本方法はさらに、FGF発現レベルに基づき、例えば特
定の抗癌処置、又は、その投薬量など、一つの治療法を選ぶことを含む。
【0247】 ある好適な実施例では、プロモータなどのFGF遺伝子制御因子の制御下にある
、例えば緑色蛍光たんぱく又は他のマーカタンパク質など、シグナル物質の発現
を評価することにより、FGF遺伝子の発現を評価する。
【0248】 いくつかの実施例では、細胞又は試料から採った核酸(又はタンパク質)を、
例えばDNAチップアレイなどのポジショナル・アレイ上で分析する。従って、
好適な実施例では、本方法は: 複数の捕獲プローブのアレイを提供することで試料を分析するステップであっ
て、この捕獲プローブはそれぞれ、前記アレイ上に載った複数の他の捕獲プロー
ブから位置的に区別可能であり、また各々の位置的に区別可能な捕獲プローブに
は、例えばある一個のFGF遺伝子又は遺伝子産物を特定できる抗体又は核酸プロ
ーブなど、固有の試薬が含まれている、ステップと、 前記試料を捕獲プローブのアレイとハイブリダイズさせて、試料の配列を解析
するステップと を含む。
【0249】 別の態様では、本発明は、被験体の、例えば増殖性疾患、例えば悪性の疾患、
例えば良性の高増殖性疾患、などの疾患を診断する方法を特徴とする。本方法は
: 前記患者からの、例えば癌試料、組織、体液(例えば血液、尿、痰又はCSF
)、生検、などの試料を提供するステップと、 一つ又はそれ以上のFGF遺伝子に選択的にハイブリダイズする核酸プローブか
、又は、一つ又はそれ以上のFGF遺伝子産物に特異的に結合する抗体、に、例え
ば前記試料を接触させるなどにより、一つ又はそれ以上のFGF遺伝子の発現を評
価するステップと を含み、対照に比較して、前記一つ又はそれ以上のFGF遺伝子又は遺伝子産物の
レベルが増加又は減少していることは、例えば悪性疾患など、疾患の存在又は非
存在の指標となる。
【0250】 ある好適な実施例では、FGF関連遺伝子又は遺伝子産物は、bFGF、aFGF、TSC22
、VEGF、GAFA1、GAFA2、GAFA3(当初、米国暫定出願第60/137,345号
ではFSC1、FSC2、FSC3、と指定された)、及びTFII-Iからなる群より選択される
【0251】 ある好適な実施例では、プロモータなどのFGF遺伝子制御因子の制御下にある
、例えば緑色蛍光たんぱく又は他のマーカタンパク質など、シグナル物質の発現
を評価することにより、FGF遺伝子の発現を評価する。
【0252】 いくつかの実施例では、細胞又は試料から採った核酸(又はタンパク質)を、
例えばDNAチップアレイなどのポジショナル・アレイ上で分析する。従って、
好適な実施例では、本方法は、さらに: 複数の捕獲プローブのアレイを提供することで試料を分析するステップであっ
て、この捕獲プローブはそれぞれ、前記アレイ上に載った複数の他の捕獲プロー
ブから位置的に区別可能であり、また各々の位置的に区別可能な捕獲プローブに
は、例えばある一個のFGF遺伝子又は遺伝子産物を特定できる抗体又は核酸プロ
ーブなど、固有の試薬が含まれている、ステップと、 前記試料を捕獲プローブのアレイとハイブリダイズさせて、試料の配列を解析
するステップと を含む。
【0253】 別の態様では、本発明は、患者における、例えば増殖性疾患、例えば悪性の疾
患、などの疾患の処置の効果を評価する方法を特徴とし、この方法は: 前記患者からの、例えば癌試料、組織、体液(例えば血液、尿、痰、CSF)
、生検、などの試料を提供するステップと、 一つ又はそれ以上のFGF遺伝子に選択的にハイブリダイズする核酸プローブか
、又は、一つ又はそれ以上のFGF遺伝子産物に特異的に結合する抗体、に、例え
ば前記癌試料を接触させるなどにより、一つ又はそれ以上のFGF遺伝子の発現を
評価するステップと を含み、処置前の発現レベルに比較して、処置後に得られた試料中で前記一つ又
はそれ以上のFGF遺伝子又は遺伝子産物のレベルが、例えば減少や増加など、変
化していることは、前記疾患の処置の効果の指標である。
【0254】 ある好適な実施例では、本方法は、さらに、FGF発現レベルに基づき、例えば
特定の抗癌処置、又は、その投薬量など、一つの治療法を選ぶことを含む。
【0255】 ある好適な実施例では、FGF関連遺伝子又は遺伝子産物は、bFGF、aFGF、TSC22
、VEGF、GAFA1、GAFA2、GAFA3(当初、米国暫定出願第60/137,345号
ではFSC1、FSC2、FSC3、と指定された)、及びTFII-Iからなる群より選択される
【0256】 ある好適な実施例では、プロモータなどのFGF遺伝子制御因子の制御下にある
、例えば緑色蛍光たんぱく又は他のマーカタンパク質など、シグナル物質の発現
を評価することにより、FGF遺伝子の発現を評価する。
【0257】 いくつかの実施例では、細胞又は試料から採った核酸(又はタンパク質)を、
例えばDNAチップアレイなどのポジショナル・アレイ上で分析する。従って、
好適な実施例では、本方法はさらに: 複数の捕獲プローブのアレイを提供することで試料を分析するステップであっ
て、この捕獲プローブはそれぞれ、前記アレイ上に載った複数の他の捕獲プロー
ブから位置的に区別可能であり、また各々の位置的に区別可能な捕獲プローブに
は、例えばある一個のFGF遺伝子又は遺伝子産物を特定できる抗体又は核酸プロ
ーブなど、固有の試薬が含まれている、ステップと、 前記試料を捕獲プローブのアレイとハイブリダイズさせて、試料の配列を解析
するステップと を含む。
【0258】 別の態様では、本発明は、例えば化合物の投与などの処置の、例えば増殖性疾
患、例えば悪性疾患など、疾患を治療する上での処置の効果を評価する方法を特
徴とする。本方法は: 例えば培養細胞、形質転換細胞、癌又はテスト生物由来の細胞など、細胞を提
供するステップと、 前記処置を前記細胞(又はテスト生物)に投与して、一つ又はそれ以上のFGf
遺伝子の発現を、例えば前記細胞(又はテスト生物)の試料を、一つ又はそれ以
上のFGF遺伝子に選択的にハイブリダイズする核酸プローブか、又は、一つ又は
それ以上のFGF遺伝子産物に特異的に結合する抗体、に接触させるなどにより評
価するステップと を含み、前記処置を行った試料中の前記一つ又はそれ以上のFGF遺伝子又は遺伝
子産物のレベルが、例えば処置を行わない発現レベルなどに比較して、例えば減
少しているなど変化していることは、前記疾患を処置する上でのその化合物の効
果の指標となる。
【0259】 ある好適な実施例では、FGF遺伝子又は遺伝子産物は、bFGF、aFGF、TSC22、VE
GF、GAFA1、GAFA2、GAFA3(当初、米国暫定出願第60/137,345号ではF
SC1、FSC2、FSC3、と指定された)、及びTFII-Iからなる群より選択される。
【0260】 ある好適な実施例では、プロモータなどのFGF遺伝子制御因子の制御下にある
、例えば緑色蛍光たんぱく又は他のマーカタンパク質など、シグナル物質の発現
を評価することにより、FGF遺伝子の発現を評価する。
【0261】 いくつかの実施例では、細胞又は試料から採った核酸(又はタンパク質)を、
例えばDNAチップアレイなどのポジショナル・アレイ上で分析する。従って、
好適な実施例では、本方法はさらに: 複数の捕獲プローブのアレイを提供することで試料を分析するステップであっ
て、この捕獲プローブはそれぞれ、前記アレイ上に載った複数の他の捕獲プロー
ブから位置的に区別可能であり、また各々の位置的に区別可能な捕獲プローブに
は、例えばある一個のFGF遺伝子又は遺伝子産物を特定できる抗体又は核酸プロ
ーブなど、固有の試薬が含まれている、ステップと、 前記試料を捕獲プローブのアレイとハイブリダイズさせて、試料の配列を解析
するステップと を含む。
【0262】 本発明の他の特徴及び長所は、以下の詳細な説明及び請求の範囲から明かとな
るであろう。
【0263】 発明の詳細な説明 本発明は、少なくとも部分的に、bFGFが、抗癌剤に対する広域耐性を、数多く
の実質性組織及び軟組織の腫瘍、転移性病巣や、正常な非癌性腸上皮において誘
導するという発見に基づくものである。bFGFにより誘導された耐性は、aFGFによ
り増幅された。一実施例では、本発明は、aFGF/bFGFの阻害剤が、インビトロ及
びインビボで、化学療法の活性を高め、よく樹立したヒト肺転移や、マウスのヒ
ト皮下異種移植片腫瘍を収縮させ、根絶させたことを提示する。従って、本発明
は、部分的に、抗癌剤に対するFGF誘導耐性を阻害する方法及び組成物を提供す
るものである。一実施例では、FGF阻害剤を、例えば抗微小管剤、トポイソメラ
ーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤、ア
ルキル化剤、インターカレート剤、シグナル伝達経路に干渉できる薬剤(例えば
プロテインキナーゼC阻害剤、例えば抗ホルモン、例えば成長因子の受容体に対
する抗体など)、アポトーシス及び/又はネクローシスを促進する薬剤、インタ
ーフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、及び放射線など、他の細胞傷害
性作用因子と一緒に投与する。FGF阻害剤(例えばスラミン、例えばFGF抗体など
)を抗癌剤(パクリタキセル、インターフェロンα、ゲムシタビン、フルダラビ
ン、イリノテカン、カルボプラチン、シスプラチン、タキソテル、ドキソルビシ
ン、エピルビシン、5-フルオロウラシル、UFT、タモキシフェン、ゴセレリン、
ハーセプチン、抗CD20、ロイプロリド(ルプロン)及びフルタミド)と組み合わ
せて得られる効果は、高められ、そして時には相乗的であるために、これらの抗
癌剤の効果を向上させることに加え、これらの抗癌剤の投与量を低くでき、ひい
ては、被験体(例えば患者)における副作用の誘導を軽減できる。例えば、被験
体は非小細胞肺癌患者であり、この患者は、パクリタキセル、カルボプラチン、
及びスラミンの組合せか、又は、ゲムシタビン、シスプラチン、及びスラミンの
組合せで、処置を受ける。例えば、患者はホルモン抵抗性前立腺癌患者であり、
この患者は、リン酸エストラムスチン、タキソテル、及びスラミンの組合せか、
又は、ドキソルビシン、ケトコナゾール、及びスラミンの組合せで、処置を受け
る。例えば、患者は転移性乳癌患者であり、この患者は、シクロホスファミド、
ドキソルビシン、5-フルオロウラシル、及びスラミンの組合せで、処置を受ける
。例えば、患者はHER/2/neuオンコジーンが過発現している進行性乳癌患者であ
り、この患者は、HER2/neu抗体(例えばハーセプチン)及びスラミンに、パク
リタキセル又はシスプラチンを加えて、又は加えずに、処置を受ける。例えば、
患者は進行した又は転移性の結腸直腸癌患者でもよく、この患者は、イリノテカ
ン及びスラミンの組合せで、処置を受ける。例えば、患者は進行結腸癌患者であ
り、この患者は5-フルオロウラシル、ロイコボリン、及びスラミンの組合せによ
り、処置を受ける。
【0264】 充実性の軟組織の腫瘍及び転移性腫瘍の調整培地(CM)で、ヒト及びげっ歯
類の腫瘍細胞で複数の抗癌剤に対する耐性が誘導された実例を挙げる。これらの
CMには、高レベルのaFGF及びbFGFが含まれていた(実施例II−IIIを参照
されたい)。bFGF特異的モノクローナル抗体を用いてbFGFを阻害したり、免疫沈
降法でbFGFを取り除くと、CMで誘導された、抗癌剤に対する耐性が完全に逆転
したが、他方、aFGFを阻害/除去すると、部分的な逆転が起きた(実施例IVを
参照されたい)。aFGF及び/又はbFGFを枯渇させ、次に各ヒト組換えタンパク質
で再構成したCMを用いると、bFGFでは耐性が誘導され、aFGFではされないと、
判明した。aFGFはbFGF効果を増幅することが見いだされた。aFGF及びbFGFでは、
CMでの効果が完全に説明がつき、これらのタンパク質が、抗癌剤に対する耐性
の誘導及び維持に関与していることが示唆された(実施例IVを参照されたい)
。FGFで誘導されたこの耐性は、細胞内の薬剤蓄積量の減少が原因でも、細胞増
殖の変化が原因でもなく(実施例XIIを参照されたい)、従って新規な後成的
耐性機構であることが分かる。
【0265】 活性CMで見られるように、高レベルのaFGF及びbFGFにより、抗チューブリン
/抗微小管剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、代謝
拮抗剤、アルキル化剤、インターカレート剤、シグナル伝達経路に干渉できる薬
剤(例えばプロテインキナーゼC阻害剤)、及びアポトーシス及び/又はネクロ
ーシスを促進する薬剤を含め、様々な作用機序を持つ少なくとも58種の抗癌剤
に対する広域耐性が誘導された(例えば実施例II及びVIIを参照されたい)
実例を挙げる。パクリタキセル(抗微小管剤)、ドキソルビシン(トポイソメラ
ーゼI阻害剤)及び5-フルオロウラシル(代謝拮抗剤)に対する耐性をaFGF/bF
GFが誘導することが、前立腺、肺、咽頭、結腸及び乳房を含む様々なヒト充実性
腫瘍由来の多数の癌細胞株や、薬剤排出タンパク質、即ちp-糖たんぱくをコード
するmadr1遺伝子の安定なトランスフェクションから得られたヒト乳癌細胞株で
、検出された(実施例VIIIを参照されたい)。aFGF/bFGFはさらに、フルダ
ラビン(代謝拮抗剤)に対するヒト白血病細胞の耐性を誘導した(実施例VII
Iを参照されたい)。
【0266】 さらに、FGF抗体及びスラミンを含むFGF阻害剤や、aFGF/bFGFを含む多数の成
長因子の阻害剤は、FGFにより誘導される耐性を逆転させると共に、抗チューブ
リン/抗微小管剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、
代謝拮抗剤、アルキル化剤、インターカレート剤、シグナル伝達経路に干渉でき
る薬剤(例えばプロテインキナーゼC阻害剤)、及びアポトーシス及び/又はネ
クローシスを促進する薬剤を含め、様々な作用機序を持つ少なくとも58種の抗
癌剤を含む、抗癌剤のインビトロでの活性を高める(実施例V及びVIIを参照
されたい)ことを示す。FGF誘導性耐性の逆転は、インビトロ条件下で測定可能
な細胞傷害性を生じないようなスラミン濃度で起きた(実施例VIを参照された
い)。インビボ条件下では、スラミンを測定可能な抗腫瘍活性も対ホスト毒性を
生じないような用量で加えると、化学療法の治療効果が高まり、マウスのよく樹
立したヒト肺転移が収縮かつ根絶し、またマウスの皮下の大型のヒト前立腺異種
移植片が収縮し、その際、化学療法による対ホスト毒性も高められなかった(実
施例IXを参照されたい)。
【0267】 付属の実施例では、さらに(a)ホスト組織において腫瘍細胞が存在すると細
胞外bFGFレベルが上昇したこと、(b)腫瘍中のbFGFレベルは、腫瘍の位置及び
大きさで決まること、及び(c)bFGFレベルにより、ヒト患者の腫瘍の、抗癌剤
に対する感受性が決まること、を実証している(実施例Xを参照されたい)。さ
らに、付属の実施例では、(例えば抗チューブリン/抗微小管剤、トポイソメラ
ーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、アルキル化剤、及び代謝拮抗剤な
ど)様々な構造及び作用機序を持ついくつかの抗癌剤で、ヒト前立腺細胞を処置
すると、細胞外bFGFレベルが著しく上昇したことを示す(実施例XIを参照され
たい)。まとめると、これらの実施例は、(a)腫瘍細胞の存在を検出するため
の、FGF遺伝子発現及びレベルの利用、(b)耐性の程度を調べるための、腫瘍
中のFGF発現及びレベルの利用、(c)FGF阻害剤の投薬量を決定するための、腫
瘍中のFGF遺伝子発現及びレベルの利用、及び(d)化学療法で以前に処置され
た患者は、化学療法抵抗性を示す傾向にあること、を示すものである。後者は、
癌治療に失敗して腫瘍の再発した患者を処置するにはFGF阻害剤を利用する必要
性があることを、示している。
【0268】 付属の実施例では、例えばスラミン、ヘパリン、低分子量ヘパリン、ヘパラン
硫酸など、FGFアンタゴニストは、bFGFのその結合部位への結合を阻害すること
を実証している(実施例XVI)。
【0269】 付属の別の実施例では、FGFアゴニスト(例えばaFGF、bFGF)は、非癌性の腸
上皮に対する、例えばパクリタキセル及びドキソルビシンなどの抗癌剤の毒性を
減少させたことを実証している(実施例XIV)。従って、本発明はさらに、aF
GF及びbFGFを単独で、又は、組み合わせて用いて、抗癌剤の望ましくない対ホス
ト毒性を処置する又は防止する方法及び組成物を提供するものである。
【0270】 要約すると、ここに解説した発見は、なかんずく、(a)癌細胞が充実性腫瘍
の固有な微環境を利用すると共に、転移して細胞傷害性攻撃をかいくぐる新規な
後成的機序、(b)抗癌剤に対する腫瘍感受性において、細胞外成長因子が果た
す重要な役割、(c)抗癌剤をaFGF/bFGF阻害剤と組み合わせて用いる新規な癌
処置例、(d)正常な非癌性のホスト細胞を、抗癌剤の望ましくない毒性から防
御できる新規な機序及び方法、及び(e)個々の患者について治療的決定を下す
ためにbFGFレベルを利用する方法、を実証する。
【0271】 本発明をさらに説明する前に、本明細書、実施例、及び付属の請求の範囲で用
いたいくつかの用語を、便宜上、ここに集める。
【0272】 ペプチド、タンパク質、及びポリペプチドという用語は、ここでは互換可能に
用いられている。
【0273】 ここで用いられた用語「線維芽成長因子」又は「FGF」とは、増殖、分化、移
動、形態発生、組織維持、及び創傷の治癒及び修復を含む多種の細胞プロセスの
強力な調節因子であるポリペプチドファミリーの一員を言う(Clarke et al. (19
93) J. Cell Sci.106: 121-133; Cuevas et al. (1988) Biochem. Biophys. Res
. Commun. 156: 611-618; Burgess, W.H. and Maciag, T (1989) Ann. Rev. Bio
chem. 58: 575-606; Rifkin, D.B. and Moscatelli, D. (1989) J. Cell Biol.
109:1-6)。FGFファミリーには、現在、少なくとも19種の構造上及び機能上関
連するタンパク質があり、酸性及び塩基性のFGF、FGF-1及びFGF-2がそれに含ま
れ、それぞれ;int2 (FGF-3); hst (FGF-4); FGF-5; hst2 (FGF-6); ケラチノサ
イト成長因子(FGF-7); アンドロゲン誘導成長因子(FGF-8); グリア活性化因子 (
FGF-9); FGF-10-19 (Galzie, Z. et al. (1997) Biochem. Cell. Biol., 75:669
-685; Yamasaki, M. et al. (1996) J. Biol. Chem, 271:15918-15921; Smallwo
od, P.M. et al. (1996) Proc. Natl. Acad. Sci USA, 93:9850-9857; McWhirte
r, J.R. et al. (1997) Development, 124:3221-3232; Hoshikawa, M. et al. (
1998) Biochem. Biophys. Res. Comm., 244:187-191; Hu, M.C.T. et al. (1998
) Mol. Cell. Biol., 18:6063-6074; and Nishimura, T. et al. (1999) Biochi
m. Biophy. Acta, 1444:148-151)である。好ましくは、用語FGFとは、それぞれ
酸性及び塩基性のFGF、FGF-1及びFGF-2を言う。 (レビューはGalzie, Z. et al.
(1997) Biochem. Cell. Biol., 75:669-685 and Burgess, W.H. and Maciag, T
(1989) Ann. Rev. Biochem. 58: 575-606)。
【0274】 ここで用いた用語「FGF受容体」又は「FGFR」とは、細胞外マトリックス中に
チロシンキナーゼ活性又はヘパラン硫酸プロテオグリカンを持つFGF結合ポリペ
プチドを言う。チロシンキナーゼ受容体に関する限り、現在では四つの遺伝子が
FGF受容体をコードし(FGFR-1、FGFR-2、FGFR-3、及びFGFR-4)、選択的なRN
Aスプライシングにより多種のタンパク質アイソホームを生成できることが知ら
れている。FGFRの構造は、三つの免疫グロブリン様ドメインを持つ細胞外領域と
、膜貫通領域と、リガンドの結合で活性化する細胞質ゾルのチロシンキナーゼド
メインと、から成る。FGFが結合すると、この受容体が二量体化して、受容体が
チロシン残基上で自己リン酸化し、細胞内シグナル伝達カスケードが活性化する
。用語「FGFR」にはまた、例えば成長因子のタンパク質分解からの防御、局在化
、保管、及び内部移行など、FGF作用を媒介する、細胞外マトリックスにあるヘ
パラン硫酸プロテオグリカンが含まれる(Faham, S. et al. (1998) Curr. Opin
. Struct. Biol., 8:578-586)。ヘパラン硫酸プロテオグリカンは、低親和性FGF
受容体として働いて、FGFをその認識FGFRに提示するよう働いたり、及び/又は
、受容体のオリゴマー化を促進するよう働いていると考えられる (Galzie, Z. e
t al. (1997) Biochem. Cell. Biol., 75:669-685)。
【0275】 ここで用いられるように、「FGFアンタゴニスト」とは、FGF分子の活性、酸性
、安定性を(完全に又は部分的に)阻害する作用因子を言う。好ましくは、FGF
アンタゴニストは、細胞外又は細胞内で働いて、例えば、FGF受容体の細胞外ド
メイン又は細胞内ドメインへの、FGF分子の結合を阻害したり、例えば、FGF受容
体の活性化で開始する細胞内シグナリングを遮断するなど、するとよい。例えば
、この阻害剤は、FGF受容体の細胞内ドメインに結合するか、又は、FGF受容体の
活性化の結果生ずる下流の作用を遮断する。対照的に、「FGFアゴニスト」とは
、FGF分子の活性、産生、安定性を強めるか、又は、FGF受容体を活性化させる作
用因子を言う。
【0276】 ここで用いる用語「FGFの特異的阻害剤」とは、スラミン以外のFGFアンタゴニ
ストを言う。
【0277】 ここで用いる用語「細胞傷害性作用因子」、「抗癌剤」及び「抗腫瘍性作用因
子」はここでは互換可能に用いられており、高増殖性細胞の成長又は増殖を阻害
する(例えば細胞増殖抑制性作用因子)か、又は、高増殖性細胞の殺生を誘導す
る性質を有する作用因子を言う。好ましくは、細胞傷害性作用因子は、例えば充
実性腫瘍、軟組織の腫瘍、転移性病巣、リンパ腫、又は白血病などの新生物の発
生又は進行を阻害又は逆転するとよく、又は、この細胞傷害性作用因子は、良性
の過形成性成長の発生又は進行を阻害又は逆転するものである。
【0278】 ここで用いるFGFアンタゴニスト及び細胞傷害性作用因子の「治療上有効量」
とは、組み合わせて、患者などの被験体に一回又は複数回の用量を投与すると、
高増殖性細胞の成長又は増殖を阻害する、又は、殺生を誘導する上で有効である
ような、このような作用因子の量を言う。このような成長の阻害又は殺生は、患
者などの被験体の生存率が、このような処置の非存在下で予測される生存率より
も延長されたり、又は、このような処置の非存在下に比較したときの被験体の予
後が何らかの態様で向上することに、反映される。この文言は、FGFアゴニスト
に用いる場合、一回又は複数回の用量を投与したときに、患者などの被験体の細
胞を、細胞傷害性作用因子などの作用因子による傷害から防御する上で効果的で
あるような、このような作用因子の量を言う。
【0279】 ここで用いるFGFアンタゴニスト及び細胞傷害性作用因子の「予防上効果的な
量」とは、組み合わせて、患者などの被験体に一回又は複数回の用量を投与する
と、新生物による疾患状態の発症又は再発の発生を防止する、又は、遅らせる上
で有効であるような、このような作用因子の量を言う。この文言は、FGFアゴニ
ストに用いる場合、一回又は複数回の用量を投与したときに、患者などの被験体
の細胞への、細胞傷害性作用因子などの作用因子による傷害を防止する、又は、
遅らせる上効果的であるような、このような作用因子の量を言う。
【0280】 ここで用いる文言「被験体」とは、ヒト及びヒト以外の動物を含むものとして
、意図されている。好適なヒト動物には、高増殖性細胞の異常な活動を特徴とす
る疾患を有するヒトの患者が含まれる。本発明において用語「ヒト以外の動物」
には、例えばヒト以外の霊長類、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ニワトリ、
両生類、は虫類、等々、例えばほ乳類及び非ほ乳類の、あらゆる脊椎動物が含ま
れる。好ましくは、被験体は、例えば癌患者や、例えば良性の過形成性疾患の患
者など、ヒトの患者である。
【0281】 ここで用いる、例えば新生物細胞、例えば良性の過形成性細胞など、高増殖性
細胞の「成長又は増殖を阻害する」とは、その成長及び転移を遅らせる、干渉す
る、中断させる、又は、停止させることを言い、新生物の成長の完全な消失を必
ずしも示すものではない。
【0282】 ここで用いる、例えば新生物細胞、例えば良性の過形成性細胞など、高増殖性
細胞の「殺生を誘導する」とは、このような細胞の部分的又は完全な消失を言い
、新生物の成長の完全な消失を必ずしも示すものではない。
【0283】 用語「誘導する」、「阻害する」、「強める」、「上昇させる」、「増加させ
る」、「減少させる」等々は、二つの状態間の量的違いを指し、これら二つの状
態間にある少なくとも統計学的に有意な違いを言う。例えば、「高増殖性細胞の
成長を阻害するのに効果的な量」とは、その細胞の成長速度が、未処置の細胞か
ら少なくとも統計学的に異なることを意味する。このような用語はここでは、例
えば、細胞増殖の速度に用いられる。
【0284】 ここで用いる用語「過増殖性」、「過形成性」、「悪性」、及び「新生物性」
は互換可能に用いられており、急速な増殖又は新形成を特徴とする異常な状態又
は状況にあるような細胞を言う。これらの用語には、組織病理学的種類又は侵襲
の程度に関係なく、あらゆる種類の過増殖性成長、過形成性成長、癌性成長又は
腫瘍発生プロセス、転移性の組織又は悪性形質転換細胞、組織、もしくは臓器を
含むものと、意図されている。「病的な高増殖性」細胞とは、悪性の腫瘍成長を
特徴とする疾患状態や、良性の高増殖性及び過形成性細胞を特徴とする疾患状態
で発生する細胞である。
【0285】 用語「新形成」の通常の医学的意味は、例えば新形成性細胞成長など、正常な
成長制御への応答が失われた結果起きる「新しい細胞の成長」を言う。「過形成
」とは、異常な速度で成長している細胞を言う。しかし、ここで用いる限り、こ
れらの用語、新生物及び過形成を互換可能に用いている場合があり、それらの話
の流れから分かるように、異常な速度で成長している細胞を一般に言う。新形成
及び過形成には、良性、前悪性、又は悪性のいずれでもよい「腫瘍」が含まれる
【0286】 用語「癌腫」は、当業者に認識された用語であり、呼吸器系の癌腫、胃腸管系
の癌腫、性尿器系の癌腫、睾丸癌腫、乳房の癌腫、前立腺の癌腫、内分泌系の癌
腫、及び黒色腫を含め、上皮組織及び内分泌組織の悪性病変を言う。癌腫の例に
は、子宮頸、肺、前立腺、乳房、頭部及び頚部、結腸及び卵巣の組織から形成さ
れるものがある。この用語にはさらに、癌腫性組織及び肉腫性組織から成る悪性
腫瘍を含む癌肉腫などが含まれる。「腺癌」とは、腺組織由来の癌腫や、又は、
腫瘍細胞が認識可能な腺癌構造を形成しているような癌腫を言う。
【0287】 用語「肉腫」は当業者に認識されている用語であり、間葉細胞由来の悪性腫瘍
を言う。
【0288】 ここで用いる用語「白血病」又は「白血病性癌」とは、造血系及び免疫系(血
液及びリンパ系)のあらゆる癌又は新形成を言う。これらの用語は、血液及び骨
髄中に白血球及びそれらの前駆体が不正に増殖及び発生することで認められる、
造血臓器の悪性疾患を言う。骨髄腫とは、血液、骨髄細胞に起きる別の種類の腫
瘍を言う。リンパ腫とは、リンパ組織の腫瘍を言う。ここで用いる用語「免疫グ
ロブリン」及び「抗体」とは、少なくとも二つの重鎖(H鎖)と、二つの軽鎖(
L鎖)とを、ジスルフィド結合で相互に結合させて有する糖タンパク質を言う。
各重鎖は、一個の重鎖可変領域(ここではHCVR又はVHと略す)と、一個の重鎖定
常領域とから成る。重鎖定常領域は、三つのドメイン、CH1、CH2及びCH3から成
る。各軽鎖は、一個の軽鎖可変領域(ここではLCVR又はVLと略す)と、一個の軽
鎖定常領域とから成る。軽鎖定常領域は一個のドメインCLから成る。VH領域及び
VL領域をさらに小さく分割すると、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる、より
保存された領域の間にある、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変領域にな
る。各VH及びVLは、以下の順:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4、でアミ
ノ末端からカルボキシ末端まで並んだ三つのCDR及び四つのFRから成る。重鎖及
び軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを有する。抗体の定常領
域は、免疫系の多種の細胞(例えばエフェクタ細胞)や、伝統的な補体系の第一
コンポーネント(C1q)を含め、ホスト組織又は因子への免疫グロブリンの結合
を媒介できる。
【0289】 ここで用いる抗体の「抗原結合部分」(又は単に「抗体部分」)とは、抗原(
例えば標的抗原)に対する特異的結合能を残した、抗体の一つ又はそれ以上のフ
ラグメントを言う。抗体の「抗原結合部分」と言う用語に包含される結合フラグ
メントの例には、(a)VL、VH、CL及びCH1ドメインから成る一価のフラグメン
トであるFabフラグメント、;(b)ヒンジ領域でジスルフィド架橋により繋が
った2個のFabフラグメントを含んで成る二価のフラグメントである F(ab')2
ラグメント、;(c)VHドメイン及びCH1ドメインから成るFdフラグメント、(
d)抗体の一本の腕のVH及びCH1ドメインから成るFvフラグメント、(e)一個
のVHドメインから成るdAbフラグメント(Ward et al., (1989) Nature 341:544-5
46)、及び(f)単離された相補性決定領域(CDR)、がある。さらに、FVフラグ
メントの二つのドメインVL及びVHは、別々の遺伝子にコードされているが、これ
らを、合成リンカを用いた組み換え法により接合すると、VL及びVH領域を対にし
て一価の分子を形成している一個のタンパク質鎖にすることができる(一本鎖Fv
(scFV)としても知られる;例えば Bird et al. (1988) Science 242:423-426;
及び Huston et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883を参照
されたい)。このような一本鎖抗体は、抗体の「抗原結合部分」という用語が包
含するところである。これらの抗体フラグメントは、当業者に公知の従来技術を
用いて得ることができ、これらフラグメントの実用性は、手を加えていない抗体
と同じ態様でスクリーニングされる。
【0290】 ここで用いる用語「モノクローナル抗体」とは、単一の分子組成を持つ抗体分
子を言う。モノクローナル抗体の組成は、特定のエピトープに対して単一の結合
特異性及び親和性を呈する。従って、用語「ヒトモノクローナル抗体」とは、ヒ
ト生殖細胞系免疫グロブリン配列由来の可変領域及び定常領域を有する、単一の
結合特異性を呈する抗体である。一実施例では、ヒトモノクローナル抗体は、一
個のハイブリドーマにより生成されるが、このハイブリドーマは、ヒト重鎖移植
遺伝子及び軽鎖移植遺伝子を含むゲノムを有する、トランスジェニックマウスな
どのヒト以外のトランスジェニック動物から取り出したB細胞を、不死化細胞に
融合させたものである。
【0291】 ここで用いる用語「組換えヒト抗体」は、組換えにより作製された、発現させ
た、創出された、又は、単離された、あらゆるヒト抗体を含むものと意図されて
おり、例えば、ヒト免疫グロブリン遺伝子についてトランスジェニックである動
物(例えばマウス)から単離された抗体;ホスト細胞にトランスフェクトした組
換え発現ベクタを用いて発現させた抗体;組換え、コンビナトリアルヒト抗体ラ
イブラリから単離した抗体;又は、他のDNA配列になるようヒト免疫グロブリン
遺伝子配列をスプライシングさせる方法を含む何らかの他の方法で作製した、発
現させた、創出した、又は、単離した抗体、などがある。このような組換えヒト
抗体の有する可変領域及び定常領域は、ヒト生殖細胞免疫グロブリン配列を由来
とするものとなる。しかしながら、いくつかの実施例では、このような組換えヒ
ト抗体にインビトロで変異誘発を行って(又は、ヒトIg配列についてトランスジ
ェニックである動物を用いる場合は、体細胞変異誘発をインビボで行って)、組
換え抗体のVH領域及びVL領域のアミノ酸配列が、ヒト生殖細胞VH配列及びVL配列
に由来又は関係するが、ヒト抗体生殖細胞レパートリにはインビボでは天然に存
在しないかも知れない配列とする。
【0292】 高増殖性細胞の活性を阻害する方法 ある態様では、本発明は、少なくとも一つの細胞傷害性作用因子と、少なくと
も一つのFGFアンタゴニストとに細胞を接触させることにより、高増殖精細胞の
増殖を阻害する、及び/又は、高増殖性細胞の殺生を高める方法を特徴とする。
概略的には、本方法は、組み合わせたときに、細胞の増殖を減じるもしくは阻害
するか、又は、細胞殺生を誘導するのに効果的な量の、少なくとも一つの細胞傷
害性作用因子及び少なくとも一つのFGFアンタゴニストに、病的高増殖性細胞を
接触させるステップを含む。本方法は、例えばインビトロ又はエクスビボなど、
培養中の細胞で行ってもよく、又は、インビボ治療プロトコルの一部としてなど
、被験体内にある細胞に対して行ってもよい。この治療計画は、ヒト又は他の動
物の被験体に対して行うことができる。本発明の併用療法の持つ高い治療効果を
鑑みると、抗癌剤を用いた従来の毒性の高い計画に代わる将来性ある方法が期待
できる。
【0293】 FGFアンタゴニストは単独で利用してもよいが、当該の方法は好ましくは、例
えば抗微小管剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、代
謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、インターカレート剤、シグナル伝達
経路に干渉できる薬剤(例えばプロテインキナーゼC阻害剤、例えば抗ホルモン
、例えば成長因子受容体に対する抗体、など)、アポトーシス及び/又はネクロ
ーシスを促進する作用因子、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因
子、及び放射線など、他の抗癌性作用因子と組み合わせるとよい。FGF阻害剤(
例えばスラミン、例えばFGF抗体など)を抗癌剤(パクリタキセル、インターフ
ェロンα、ゲムシタビン、フルダラビン、イリノテカン、カルボプラチン、シス
プラチン、タキソテル、ドキソルビシン、エピルビシン、5-フルオロウラシル、
UFT、タモキシフェン、ゴセレリン、ケトコナゾール、ハーセプチン、抗CD20、
ロイプロリド(ルプロン)及びフルタミド)と組み合わせて得られる効果は、高
められ、そして時には相乗的であるために、これらの抗癌剤の効果を向上させる
ことに加え、これらの抗癌剤の投与量を低くでき、ひいては、被験体における副
作用の誘導を軽減することができる。
【0294】 当該の方法は、例えば肺、乳房、リンパ系、胃腸管(例えば結腸)、及び性尿
器管(例えば前立腺)、咽頭などの多様な臓器系を冒す悪性腫瘍や、大半の結腸
癌、直腸癌、腎細胞癌、前立腺癌及び/又は睾丸腫瘍、肺の非小細胞癌、小腸癌
、及び、食道癌などの悪性腫瘍を含む腺癌を治療するのに、有用であろう。処置
の可能な充実性腫瘍の例には、線維肉腫、筋肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性
肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜肉
腫、中皮腫、ユーイング腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、胃癌、食道癌、結腸癌、
直腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮癌、頭部及び頚部の癌、皮膚癌
、脳の癌、扁平上皮癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢腺癌、髄様癌、気管支癌
、腎細胞癌、ヘパトーム、胆道癌、絨毛上皮腫、精上皮腫、胎児性癌、ウィルム
ス腫瘍、子宮頸癌、睾丸癌、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌
、グリオーマ、星状細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣細胞腫、松果体
腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽腫、網膜芽
細胞腫、白血病、リンパ腫、又はカポジ肉腫がある。
【0295】 さらに当該の方法を用いて、例えば骨髄系、リンパ系又は赤血球系から生ずる
造血系起源細胞又はそれらの前駆細胞の過形成/新形成細胞の増殖を阻害したり
、又は殺生を誘導できよう。例えば、本発明は、限定はしないが、急性前骨髄白
血病(APML)、急性骨髄性白血病(AML)及び慢性骨髄性白血病(CML)を含む多
様な骨髄性疾患の処置を考察している(レビューはVaickus, L. (1991) Crit. R
ev. Oncol./Hemotol. 11:267-97)。本方法で処置できるであろうリンパ系の悪
性腫瘍には、限定はしないが、B-系ALL及びT系ALLを含む急性リンパ芽球性白血
病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、前リンパ球性白血病(PLL)、線毛細
胞白血病(HLL)、及びワルデンストレーム大グロブリン血症(WM)がある。本発
明の処置法により考察されているさらに別の形の悪性リンパ腫には、限定はしな
いが、非ホジキンリンパ腫及びその変異種、末梢T細胞リンパ腫、成人T細胞白
血病/リンパ腫(ATL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、大型顆粒球リンパ球白
血病(LGF)及びホジキン病、がある。
【0296】 さらに本方法を用いて、良性過形成性成長の増殖を阻害したり、又は、その殺
生を誘導できよう。
【0297】 FGFアンタゴニスト 本発明の方法及び組成物中で用いるFGFアンタゴニストは、例えばタンパク質
又はペプチド、又は小分子など、化学物質であってもよい。好ましくはFGFアン
タゴニストは、bFGFの阻害剤、aFGFの阻害剤、又は、この両者の阻害剤であると
よい。例えば、FGFアンタゴニストは、FGF分子に結合できても、FGFの受容体へ
の結合を促す分子に結合できても、又は、FGF受容体に結合できるものでもよく
、こうして、FGF分子の受容体(例えばチロシンキナーゼ受容体及び/又はヘパ
ラン硫酸プロテオグリカン)への結合を遮断できるものである。さらにFGFアン
タゴニストは、例えばFGF受容体の活性化を開始する細胞内シグナリングを遮断
するなど、FGF受容体の働きを下方調節するであろう。例えば、この阻害剤は、F
GF受容体の細胞内ドメインに結合するか、又は、FGF受容体の活性化の結果起き
る下流の作用を遮断する。
【0298】 FGFの作用に拮抗するであろう化学物質の例には、スラミン、スラミンの構造
類似体、ペントサンポリスルフェート、スコポラミン、アンジオスタチン、スプ
ラウティ(sprouty)、エストラジオール、カルボキシメチルベンジルアミンデ
キストラン(CMDB7)、スラジスタ(suradista)、インシュリン様成長因子結合
タンパク-3、エタノール、ヘパリン(例えば6-O-脱硫酸ヘパリン)、低分子量ヘ
パリン、硫酸プロタミン、シクロスポリンA、又はbFGFに対するRNAリガンドな
どがある。FGFアンタゴニストはさらに、コンビナトリアル・ライブラリの一構
成分子であるなど、小分子であってもよい。
【0299】 好適なFGFアンタゴニストはスラミンである。好ましくは、スラミンの存在濃
度は、FGF(例えばbFGF及び/又はaFGF)が誘導する抗癌剤に対する耐性を遮断
するには充分であるが、ヒト及び/又は動物の腫瘍細胞において、著しい細胞傷
害性(例えば細胞増殖の著しい阻害、例えば著しい細胞死など)を生ずるには充
分でなく、細胞周期の著しい停止を引き起こすには充分でなく、及び/又は、ヒ
ト被験体など、被験体において測定可能な抗腫瘍効果を生ずるには充分でない、
濃度であるとよい。好ましくは、スラミンの投与量は、血漿中濃度が約0.1か
ら100マイクログラム/ml、好ましくは約1から85マイクログラム/ml
、より好ましくは約5から60マイクログラム/ml、さらにより好ましくは約
10から50マイクログラム/ml、そして最も好ましくは15から45マイク
ログラム/mlになるような量である。
【0300】 FGF活性に拮抗するであろうタンパク質又はペプチドの例には、以下に解説す
るように、例えばモノクローナル抗体又はその一抗原フラグメントなど、抗体が
ある。あるいは、FGFアンタゴニストは、FGF分子の一フラグメントである。好ま
しくは、このFGFフラグメントは、FGF分子と、受容体への結合をめぐって競合す
るとよい。さらにFGFアンタゴニストは、トランスフォーミング増殖因子ベータ
又はその一フラグメントであってもよい。
【0301】 免疫グロブリン FGF活性に拮抗するであろうタンパク質又はペプチドの例には、例えばモノク
ローナル抗体、マウス抗体又はヒト抗体などの抗体や、その抗原結合フラグメン
トがある。好ましくは、このモノクローナル抗体はヒト抗体であるとよい。例え
ば、このヒト抗体は、一個のハイブリドーマにより生成することができるが、こ
のハイブリドーマは、ヒト重鎖移植遺伝子及び軽鎖移植遺伝子を含むゲノムを有
する、トランスジェニックマウスなどのヒト以外のトランスジェニック動物から
取り出したB細胞を不死化細胞に融合させたものである。この抗体は、IgG (例
えば IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、IgM、IgA1、IgA2、IgD、又は IgEを含め、多種
のアイソタイプのものでもよい。好ましくは、この抗体はIgGアイソタイプであ
る。この抗体は完全長(例えばIgG1又はIgG4抗体)でもよく、又は、(例えばFa
b、F(ab')2、 Fv 又は一本鎖Fvフラグメントなど)一個の抗原結合フラグメン
トのみを含有するものでもよい。
【0302】 bFGF及びFGFに対するいくつかの抗体が市販されており、本発明の方法及び組
成物中に容易に利用できる。市販されているbFGFに対する抗体の例には、(a)
シグマF 9666、抗ヒトモノクローナル、クローン番号FA-88、ホスト:マウス、
種類:IgG2a; (b)シグマF5521、ポリクローナル、ホスト:ウサギ、及び(c
)オンコジーンPC316L、抗ウシ+抗ヒト、ポリクローナル、ホスト:ウサギ、種
類:IgG、がある。
【0303】 市販されているaFGFに対する抗体の例には、(a)シグマF6162、抗ヒト、モ
ノクローナル、クローン番号FB-8、ホスト:マウス、種類:IgG1;(b)シグマ
F5537、抗ヒト、ポリクローナル、ホスト:ウサギ、種類:IgG;(c)シグマF3
393、抗ウシ、ポリクローナル、ホスト:ウサギ、;(d)オンコジーンPC15、
抗ヒト、ポリクローナル、AB-1、ホスト:ウサギ、種類:IgG;(e)オンコジ
ーンPC16、抗ヒト、ポリクローナル、AB-2、ホスト:ウサギ、種類:IgG; (f
)オンコジーンGF22、抗ヒト、モノクローナル、クローン番号3H3、AB-3、ホス
ト:マウス、種類: IgG1; (g)オンコジーンGF23L、抗ヒト、モノクローナル
、クローン番号98、 AB-4、ホスト:マウス、種類: IgG1; (h)オンコジーン
GF24、抗ヒト、モノクローナル、クローン番号52、AB-5、ホスト:マウス、種類
:IgG2b;及び、(i)オンコジーンpC194L、抗ヒト、ポリクローナル、AB-6、ホ
スト:ヤギ、種類:IgG、がある。
【0304】 あるいは、このFGF抗体を、当業で公知の方法で作製することもできる。例え
ば従来のモノクローナル抗体法、例えば、ケーラー及びミルステインの標準的な
体細胞ハイブリダイゼーション技術、Kohler and Milstein (1975) Nature 256:
495など、多種の技術で抗FGF抗体を作製できる。原則的には体細胞ハイブリダ
イゼーション法が好ましいが、例えばBリンパ球のウィルス又は腫瘍発生形質転
換法など、モノクローナル抗体を生成する他の方法を利用することもできる。ハ
イブリドーマを作製するのに好適な動物系は、マウス系である。マウスを用いた
ハイブリドーマ作製は、大変良く確立された方法である。融合に向けた免疫化脾
細胞の単離のための免疫処置プロトコル及び技術は当業で公知である。融合相手
(例えばマウス骨髄細胞)及び融合法も公知である。
【0305】 ヒトタンパク質を狙ったヒトモノクローナル抗体(mAb)は、マウス系でなく
て完全なヒト免疫系を持つトランスジェニックマウスを用いて作製が可能である
。これらのトランスジェニックマウスから採った脾細胞を目的の抗原で免疫処置
したものを用いて、ある一個のヒトタンパク質のエピトープに対して特異的な親
和性を持つヒトmAbを分泌するハイブリドーマが作製されている(例えば Wood
らの国際出願WO 91/00906、Kucherlapati らのPCT公報WO 91/10741; Lonberg ら
の国際出願WO 92/03918; Kay らの国際出願92/03917; Lonberg, N. et al. (199
4) Nature 368:856-859; Green, L.L. et al. (1994) Nature Genet. 7:13-21;
Morrison, S.L. et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:6851-6855; Br
uggeman et al. (1993) Year Immunol 7:33-40; Tuaillon et al. (1993) Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 90:3720-3724; Bruggeman et al. (1991) Eur J Immuno
l 21:1323-1326を参照されたい)。
【0306】 さらにモノクローナル抗体は、組換えDNA技術の当業で公知の他の方法を用い
ても作製できる。「コンビナトリアル抗体展示」法と呼ばれる代替的な方法が、
特定の抗原特異性を持つ抗体フラグメントを同定及び単離するために開発されて
おり、この方法を用いて、モノクローナル抗体を作製することができる(コンビ
ナトリアル抗体展示法の解説については、例えばSastry et al. (1989) Proc. N
atl. Acad. Sci. USA 86:5728; Huse et al. (1989) Science 246:1275; and Or
landi et al. (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:3833; Larrick et al. (
1991), Biotechniques 11:152-156; Larrick et al. (1991), Methods: Compani
on to Methods in Enzymology 2:106-110を参照されたい)。
【0307】 例示的な実施例では、RNAを、例えば末梢血細胞、骨髄、又は脾臓のプレパラ
ーとなどからBリンパ球を、標準的プロトコル(例えば米国特許第4,683,202号;
Orlandi, et al.(1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:3833-3837; Sastry e
t al. (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:5728-5732; and Huse et al. (1
989) Science 246:1275-1281を参照されたい) を用いて単離する。重鎖と、各κ
及びλ軽鎖の定常領域に特異的なプライマと、シグナル配列を狙ったプライマと
を用いて、一本目のストランドのcDNAを合成する。重鎖及び軽鎖の両方の可
変領域を、可変領域PCRプライマを用いて、それぞれ単独又は組み合わせて増
幅し、適したベクタ内に連結させ、さらに操作を加えて展示パッケージを作製す
る。増幅プロトコルで用いるオリゴヌクレオチド・プライマは、非反復配列もし
くは縮重配列でもよく、又は縮重位置にイノシンを取り入れたものであってもよ
い。さらに制限エンドヌクレアーゼ認識配列をプライマに取り入れて、増幅済み
断片をベクタ内に、発現時の所定のフレームワークで、クローニングできるよう
にしてもよい。
【0308】 免疫処置で得られた抗体レパートリからクローンされたV遺伝子ライブラリは
、好ましくは糸状ファージを由来とする、一集団の展示パッケージで発現させる
と、抗体展示ライブラリを作製できる。理想的には、この展示パッケージは、大
変大型のふ入りの抗体展示ライブラリのサンプリングや、一回毎のアフィニティ
分離後の迅速なソーティング、及び、精製済みの展示パッケージから抗体遺伝子
を簡単に単離できるような系を含むとよい。ファージ展示ライブラリを作製する
市販のキットに加え(例えばファルマシア・リコンビナント・ファージ抗体系、
カタログ番号27-9400-01; 及びストラタジーン SurfZAPTMファージ展示キット、
カタログ番号240612)、ふ入りの抗体展示ライブラリを作製する際の利用に特に
なじむ方法及び試薬の例を、例えば Ladner らの米国特許第 5,223,409号; Kang
らの国際公報 WO 92/18619; Dower らの国際公報 WO 91/17271; Winter らの国
際公報WO 92/20791; Markland らの国際公報WO 92/15679; Breitling らの国際
公報WO 93/01288; McCafferty らの国際公報WO 92/01047; Garrard らの国際公
報 WO 92/09690; Ladner らの国際公報 WO 90/02809; Fuchs et al. (1991) Bio
/Technology 9:1370-1372; Hay et al. (1992) Hum Antibody Hybridomas 3:81-
85; Huse et al. (1989) Science 246:1275-1281; Griffiths et al. (1993) EM
BO J 12:725-734; Hawkins et al. (1992) J Mol Biol 226:889-896; Clackson
et al. (1991) Nature 352:624-628; Gram et al. (1992) Proc. Natl. Acad. S
ci. USA 89:3576-3580; Garrad et al. (1991) Bio/Technology 9:1373-1377; H
oogenboom et al. (1991) Nuc Acid Res 19:4133-4137; 及びBarbas et al. (19
91) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:7978-7982に見ることができる。
【0309】 いくつかの実施例では、重鎖及び軽鎖のV領域ドメインを同じポリペプチド上
に発現させ、柔軟なリンカで接合して、一本鎖Fvフラグメントを形成し、次にこ
のscFV遺伝子を所望の発現ベクタ又はファージゲノム内にクローンすることがで
きる。McCafferty et al. (1990) Nature 348:552-554に概略を見られるように
、柔軟な(Gly4-Ser)3リンカで接合した、一個の抗体の完全なVHドメイン及びVL
ドメインを用いると、一本鎖抗体を作製でき、この一本鎖抗体により、展示パッ
ケージを抗原親和性に基づいて分離可能にできる。次に、この抗原に対して免疫
反応性の単離されたscFV抗体を、当該の方法で用いる製剤に調合することができ
る。
【0310】 展示パッケージ(例えば糸状ファージ)の表面上に展示させた抗体ライブラリ
は、次に、標的抗原、又は、そのペプチドフラグメントでスクリーニングして、
標的抗原に対する特異性を有する抗体を発現するパッケージを特定及び単離する
。選択された抗体をコードする核酸は、この展示パッケージ(例えばファージゲ
ノム)から回収し、他の発現ベクタ内に、標準的な組換えDNA技術を用いてサ
ブクローンしてもよい。
【0311】 表面タンパク質に対する親和性の高い特異的抗体分子は、例えばライブラリの
スクリーニングを含む方法(Ladner, R.C., らの米国特許第5,233,409号; Ladner
, R.C., らの米国特許第5,403,484号)など、当業で公知の方法に基づいて作製す
ることができる。さらに、これらのライブラリの方法をスクリーンに用いて、抗
体の構造決定基を真似た結合決定基を得ることができる。
【0312】 特に、特定の抗体分子のFv結合表面は、タンパク質対タンパク質の相互作用の
原理に基づき、その標的リガンドと相互作用するため、VH及びVL(後者はκ鎖種
でもλ鎖種でもよい)に関する配列データは、当業者に公知のタンパク質操作技
術の基本である。結合決定基を持つタンパク質表面の詳細は、既に決定されてい
る三次元構造を、NMR研究又は結晶データから得られた他の抗体からモデリング
することにより、抗体配列情報から得ることができる。例えばBajorath, J. and
S. Sheriff, (1996) Proteins: Struct., Funct., and Genet. 24, 152-157; S
. Paul, Ed., Methods in Molecular Biol. 51, Antibody Engineering Protoco
ls, Humana Press, Totowa, NJ, pp 17-49のWebster, D.M. and A. R. Rees (19
95) "Molecular modeling of antibody-combining sites" ;及びMethods in Mo
lecular Biol.51, op. cit., pp 1-15 のJohnson, G. et al. (1995) "Seqhunt:
A program to screen aligned nucleotide and amino acid sequences," を参
照されたい。
【0313】 ある実施例では、ふ入りのペプチドライブラリを、一集団の展示パッケージに
発現させて、ペプチド展示ライブラリを作製する。理想的には、この展示パッケ
ージは、大変大型のふ入りのペプチド展示ライブラリのサンプリングや、一回毎
のアフィニティ分離後の迅速なソーティング、及び、精製済みの展示パッケージ
から、ペプチドをコードしている遺伝子を簡単に単離できるような系を含むとよ
い。ペプチド展示ライブラリは、例えば原核生物及びウィルス中などに作っても
よく、このライブラリは迅速に増幅でき、比較的に操作が簡単であり、また多数
のクローンの作製を可能とするものである。好適な展示パッケージには、例えば
増殖期細菌細胞、細菌胞子、そして最も好ましくは細菌ウィルス(特にDNAウ
ィルス)がある。しかしながら、本発明は、さらに酵母及びそれらの胞子、を含
む真核細胞を、潜在的な展示パッケージとして用いることも考察している。ファ
ージ展示ライブラリについては上述した。
【0314】 用語「改変した」又は「組換え」抗体は、さらに、例えばモノクローナル抗体
、キメラ抗体、及びヒト化抗体など、例えば抗体の一部を削除、追加、又は置換
などして改変してある抗体を含むものと、意図されている。例えば、ヒンジ領域
を削除して、一価の抗体を作製するなどすれば、抗体を改変できる。その抗体が
少なくとも一個の特異的な抗原結合領域を有する限り、いかなる改変も、本発明
の範囲内にある。
【0315】 キメリックマウス−ヒトモノクローナル抗体(即ちキメラ抗体)は、当業で公
知の組換えDNA技術により作製できる(Robinson らの国際特許公報 PCT/US86
/02269; Akiraらのヨーロッパ特許出願184,187; Taniguchi, Mのヨーロッパ特許
出願171,496; Morrison らのヨーロッパ特許出願173,494; Neuberger らの国際
出願WO 86/01533; Cabilly らの米国特許 No. 4,816,567; Cabilly らのヨーロ
ッパ特許出願 125,023; Better et al. (1988) Science 240:1041-1043); Liu e
t al. (1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:3439-3443; Liu et al. (1987)
J. Immunol. 139:3521-3526; Sun et al. (1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA
84:214-218; Nishimura et al. (1987) Canc. Res. 47:999-1005; Wood et al.
(1985) Nature 314:446-449; 及びShaw et al. (1988) J. Natl Cancer Inst. 8
0:1553-1559を参照されたい)。
【0316】 さらにキメラ抗体は、抗原結合に直接関与しないFv可変領域の配列を、ヒトFv
可変領域の同等の配列に置換することによって、ヒト化させることができる。ヒ
ト化キメラ抗体の概略的レビューは、Morrison, S. L. (1985) Science 229:120
2-1207 and by Oi et al. (1986) BioTechniques 4:214に記載されている。これ
らの方法は、一個の重鎖又は軽鎖の少なくとも一方から 免疫グロブリンFv可変
領域の全部又は一部をコードする核酸配列を単離、操作及び発現させることを含
む。このような核酸の源は当業者に公知であり、例えば、抗GPIIbIIIa抗体産生
ハイブリドーマである7E3から得てもよい。このキメラ抗体、又は、その一フラ
グメント、をコードする組換えDNAをこうして適当な発現ベクタ内にクローン
することができる。適したヒト化抗体は、選択によっては、CDR置換で作製し
てもよい。米国特許5,225,539; Jones et al. (1986) Nature 321:552-525; Ver
hoeyan et al. (1988) Science 239:1534; 及び Beidler et al. (1988) J. Imm
unol. 141:4053-4060。
【0317】 ある特定のヒト抗体のすべてのCDRを、非ヒトCDRの少なくとも一部に置
換したり、又は、そのCDRのうちの僅かにいくつかを、非ヒトCDRに置換し
てもよい。ヒト化抗体をFc受容体に結合させるのに必要な数のCDRを置換する
だけでよい。
【0318】 ヒト抗体のCDRの少なくとも一部分を、非ヒト抗体由来CDRに置換できれ
ばいかなる方法を用いて抗体をヒト化させてもよい。ウィンター氏は、本発明の
ヒト化抗体を作製するのに利用できそうな方法を解説している(英国特許出願 G
B 2188638A)。このヒトCDRを、オリゴヌクレオチド部位指定変異誘発法を用
いて、非ヒトCDRに置換してもよい。
【0319】 さらに、特定のアミノ酸を置換、削除又は追加してあるキメラ抗体及びヒト化
抗体も本発明の範囲内にある。特に、好適なヒト化抗体は、例えば抗原への結合
を高めるためなど、フレームワーク領域内にアミノ酸置換を有するものである。
例えば、マウスCDRを有するヒト化抗体においては、ヒトのフレームワーク領
域内にあるアミノ酸を、マウス抗体の対応する位置にあるアミノ酸に置換するこ
とができる。このような置換を行うと、ヒト化抗体の抗原に対する結合が場合に
よっては向上することが知られている。アミノ酸を追加、削除又は置換してある
抗体を、ここでは改変された抗体又は変更された抗体と呼ぶ。
【0320】 細胞傷害性作用因子 FGFアンタゴニストは、少なくとも一つの細胞傷害性作用因子と組み合わせ
て投与するのが好ましい。ここで言う「組み合わせて」という用語は、当該作用
因子は、実質的に同時期に、即ち、同時にか又は連続してか、何れかで投与され
ることを言う。連続的に投与される場合は、第二の化合物を投与開始した時点で
、二つの化合物の最初のものが、処置効果を所望する部位において、有効濃度で
依然として検出可能であることが好ましい。
【0321】 例えば、FGFアンタゴニストは、従来の癌化学療法との併用療法において用
いてよい。白血病及び他の腫瘍のための従来の処置投薬計画には、放射線、抗腫
瘍剤、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、又はこれらの内の
二つ又はそれ以上の作用因子の組み合わせがある。
【0322】 例えば、本発明の方法には、少なくとも一つのFGF阻害剤の利用に加えて、
一つ又はそれ以上の他の抗腫瘍作用因子を含めてよい。典型的な併用療法には、
例えば、以下の表2に解説した作用因子の使用が含まれており、限定はされない
が、それらの作用因子の例には、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビンブラス
チン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソテル(例えばドセタキセル)等の抗チ
ューブリン/抗微小管剤と、トポテカン、カンプトテシン、塩酸イリノテカン(
例えばカンプトサール)等のトポイソメラーゼI阻害剤と、ドキソルビシン、エ
トポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン、テニポシド、ア
ムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロン等のトポイソメ
ラーゼII阻害剤と、5-フルオロウラシル、メトトレキセート、6-メルカプトプ
リン、6-チオグアニン、リン酸フルダラビン、シタラビン(Ara-C)、トリメト
レキセート、ゲムシタビン、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホ
ールアセチル-L-アスパレート(PALA)、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-
アザ-2'-デオキシシチジン、アデノシンアラビノシド(Ara-A)、 クラドリビン
、フトラファー、UFT(ウラシル及びフトラファーの組み合わせ)、5-フルオロ-
2'-デオキシウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、チアゾフリン 等の代
謝拮抗剤と、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、マイトマイシ
ンC、BCNU(例えばカルムスチン)、メルファラン、チオテパ、ブスルファン、
クロラムブシル、プリカマイシン、ダカルバジン、リン酸イフォスファミド、シ
クロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、ウラシルマスタード、ピポブラ
マン、4-イポメアノール等のアルキル化剤と、ジヒドロレンペロン(dihydrolen
perone)、スピロムスチン、ゲルデナマイシン(geldenamycin)、サイトカラシ
ン、デプシペプチド等の、シグナル伝達経路に干渉することを介して及び/又は
未知の作用機序を介して作用する作用因子と、ロイプロリド(例えばルプロン)
、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例えばゾラデックス)、フル
タミド、4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチ
ル-3'-(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド等の抗ホルモンと、ハーセプ
チン、抗CD20(リツキサン)等の、成長因子が成長因子受容体に結合するのを阻
害する作用因子と、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、イン
ターフェロンガンマ等のインターフェロンと、インターロイキン2、インターロ
イキン4、インターロイキン12等のインターロイキンと、腫瘍壊死因子と、放
射線と、がある。
【0323】 FGF阻害剤と組み合わせて用いることができる付加的な作用因子の例には、
ヒドロキシウレア、アザチオプリン、アミノプテリン、トリメトプリン(trimet
hoprin)、ピリメタミン、ピリトレキシム(pyritrexim)、DDMP(2,4 ジアミノ
- 5(3',4' ジクロロフェニル)6メチルピリミジン)、5,10-ジデアザテトラヒド
ロフォレート、10-プロパルギル-5,8ジデアザフォレート(CB3717)、10-エチル-1
0-デアザ-アミノプテリン、デオキシシチジン、5-アザ-シトシンアラビノシド、
N-4-パルミトイル-アラC、2’-アジド-2'-デオキシ-アラC、N4-ベヘノイル-アラ
C、CCNU(ロムスチン)、エストラムスチン、MeCCNU、トリエチレンメラミン、
トレニモン(trenimon)、ジメチルブスルファン、ストレプトゾトシン、クロロ
ゾトシン(chlorozotocin)、プロカルバジン、ヘクサメチルメラミン(hexamet
hylmelamine)(アルトレタミン(Altretamine))、ペンタメチルメラミン(pent
amethylmelamine)(PMM)、テトラプラチン(tetraplatin)、オクサリプラチン
、プラチナ-DACH、アジリジニルベンゾキノーネ(aziridinylbenzoquinone)(AZ
Q)、ブレオマイシン、タリソマイシンS10 b(tallysomycinS10 b)、リブロマイシ
ン(liblomycin)、ペプレオマイシン(pepleomycin)、アスパラギナーゼ、(エ
ルスパール(Elspar))、ペガスパルガーゼ(pegaspargase)(オンカスパール(
Oncaspar))、(クラドルビン(Cladrbine))(ロイスタチン(leustatin))、
ポルフィマー(porfimer)ナトリウム(ホトフリン(Photofrin))、アモノフィ
ド(amonofide)、デオキシスペルグアリン(deoxyspergualin)、ジヒドロレン
ペロン(dihydrolenperone)、フラボン酢酸、硝酸化ガリウム、及びヘキサメチ
レンテトラミンビスアセタミン(HMBA)、がある。
【0324】 処置すべき高増殖性疾患の種類にしたがって、細胞傷害性作用因子の特定の組
み合わせを用いてもよい。例えば、放射線に加えて、通常は互いの組み合わせで
あるが、以下の薬剤を用いて急性の白血病を処置することが多い。即ち、ビンク
リスチン、プレドニゾン、メトトレキサート、メルカプトプリン、シクロホスフ
ァミド及びシタラビンである。慢性の白血病の場合は、例えば、フルダラビン、
ブスルファン、メルファラン及びクロラムブチルを組み合わせて用いることがで
きる。肺癌では、パクリタクセルとカルボプラチンの組み合わせ、又はゲムシタ
ビン(gemcitabine)とシスプラチンの組み合わせを用いる。ホルモン不応性前
立腺癌の場合は、リン酸エストラムスチンとタキソテルの組み合わせ、又はドキ
ソルビシンとケトコナゾールの組み合わせを用いる。転移性乳癌には、シクロホ
スファミド、ドキソルビシン及び5-フルオロウラシルの組み合わせを用いる。HE
R2/neuオンコジーンを過発現している進行性乳癌には、抗Her2/neu抗体(例えば
ハーセプチン)とシスプラチンの組み合わせを用いる。進行性又は転移性結腸直
腸癌には、5-フルオロウラシルとロイコボリンの組み合わせを用いる。従来の抗
癌剤はすべて、毒性が高く且つ処置を受けている間患者を著しく不快にする傾向
があるので、強力な治療には、癌細胞を一つ残らず破壊しないと、その残存細胞
が増殖して再発を引き起こすことになるという前提がある。同様に、細胞傷害性
作用因子を用いて良性過形成疾患の処置もできる。例えば、乾癬は5-フルオロウ
ラシルで処置する。
【0325】 処置の開始は、作用因子の適量を下回る投与量から行うとよい。その後、この
投与量を、このような状況下で最適効果に達するまで少しずつ分量を増加させて
いくべきである。便宜上、所望であれば、一日当たりの総投与量を分割して一日
かけて部分用量を投与してよい。治療上の抗腫瘍有効用量及び予防的な抗腫瘍有
効用量のFGF阻害剤又は細胞傷害性作用因子は、一日につき体重1キログラム
当たり(mg/kg/日)、約0.1ミリグラムから約100mg/kg/日ま
での幅があると予測される。
【0326】 動物、例えばイヌ、齧歯動物(例えば以下の実施例を参照されたい)等の腫瘍
の予防もしくは治療、又は良性の高増殖性疾患の予防もしくは治療に有効である
と確認された化合物は、ヒトの腫瘍の処置にも有用であろう。ヒトの腫瘍を処置
する当業者には、動物の研究で得られたデータから、ヒトに対する化合物の投与
量及び投与経路が分かるであろう。概略的に言えば、ヒトにおける投与量及び投
与経路は、体表面積に関して調整すれば、動物の場合と類似しているものと見込
まれる。
【0327】 FGF阻害剤及び細胞傷害性作用因子の治療上の抗腫瘍有効量及び予防上の抗
腫瘍有効量は、内科医又は獣医師(いわゆる「主治医」)によって容易に決定で
きる。投与量は、患者の要件によって様々であり、処置しようとする状態の重篤
度及び具体的な適用薬剤による。用量の決定に際して、当該主治医が考慮する要
因は数多いが、それらには、限定はされないが、関与する具体的な高増殖性/腫
瘍性細胞、特定の薬剤の薬力薬理学的な特徴及びその投与態様及び経路、処置に
とって好ましい時間的経過、哺乳類の種、その大きさ、年齢及び全体的な健康度
、関係する特定の疾患、疾患の程度又は併発症状又は重篤度、個々の患者の応答
、投与する特定の化合物、投与の方法、投与薬剤の生物学的利用能の特徴、選択
した用量の投薬計画、同時処置の種類、及び他の関連状況がある。例えば、米国
特許第5,427,916号に、個々の患者の抗腫瘍性治療の有効性を予測する
方法が記載されている。一つの実施例において、本発明では、bFGFレベルに
よって抗癌剤に対する腫瘍の感受性が決定されており、例えば、このFGF発現
のレベルに基づく特定の抗癌剤処置又はその投与量など治療態様の選択を含めて
、治療上の決定に腫瘍におけるbFGFレベルの利用が記載されている。
【0328】 したがって、本発明の別の態様は、FGFアンタゴニスト/アゴニストを他の
治療化合物と組み合わせて投与するためのキットに関する。一つの実施例では、
当該キットは、薬学的担体内に製剤されたFGFアンタゴニスト/アゴニストと
、一つ又はそれ以上の別々の薬学的製剤中に適正に製剤された、少なくとも一つ
の細胞傷害性作用因子とを包含する。
【0329】 医薬組成物 別の態様では、本発明は薬学的に許容可能な組成物に関し、それら組成物は、
薬学的に許容可能な担体中に、少なくとも一つの細胞傷害性作用因子を加えて又
は加えずに製剤された、治療有効用量の少なくとも一つのFGFアンタゴニスト
/アゴニストを含んで成る。
【0330】 ある好適な実施例では、以下に説明されているように、本発明の医薬組成物は
、固相又は液相の形態で投与するために特別に製剤されてもよく、以下のように
適合した組成物があり、その例には、(a)例えば、飲薬(水性又は非水性溶液
又は懸濁液)、錠剤、ボルス、粉末剤、顆粒剤、軟膏、口内洗浄剤、ヒドロゲル
等の経口投与、(b)例えば、無菌の溶液又は懸濁液等のように皮下、筋肉内又
は静脈内注射等による非経口投与、(c)例えば、腹腔内滴注、嚢内(即ち膀胱
内)滴注、髄腔内投与等の体腔内投与(d)例えば、前立腺内投与等の器官内投
与、(e)例えば、皮膚に塗布する乳剤、軟膏剤又は噴霧剤等の局所投与、(f
)例えば、膣坐剤、乳剤、泡沫、浣腸剤、坐剤等の膣内又は直腸内投与、又は(
g)例えば、エーロゾル水、リポソーム製剤又は(一つ又はそれ以上の)作用因
子を含有する固相粒子等のエーロゾル剤がある。
【0331】 以下の実施例に説明されているようなインビトロアッセイ及び動物研究、又は
それに類似したアッセイ(例えば、用いる細胞又は動物の選択が異なる)を使っ
て、FGFアンタゴニスト/アゴニスト及び/又は細胞傷害性作用因子、又はそ
の組み合わせの「有効量」を測定することができる。通常の当業者であれば、上
記アッセイ又は類似アッセイで用いる組み合わせにおいて、適正用量の個々の化
合物をそれぞれ選択するであろう。細胞活性の変化又は細胞増殖を利用して、選
択した用量が、化合物の特定の組み合わせに関する「有効用量」となっているか
どうかを測定する。同様に、投薬計画も有効用量の成分に影響を与える可能性が
ある。説明の如く、FGFアンタゴニスト/アゴニストを、他の(一つ又はそれ
以上の)細胞傷害性作用因子の投与前に、同時投与で、又は投与後に、被験体に
投与することができる。また、時差的投薬量ばかりでなく、数分割した投与量も
、一日当たりで又は連続して投与することができるし、或いはその分量は、治療
状況の緊急度による必要性に比例して増減してもよい。
【0332】 本明細書で使用する「薬学的に許容可能な」という文言は、これらのFGFア
ンタゴニスト/アゴニスト及び/又は細胞傷害性作用因子、このような化合物を
含有する組成物、及び/又は投与量態様を指し、これらは、健全な医学的判断の
範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー性応答又は他の問題や合併症を伴わず
に、合理的な利益/危険比に対応して、ヒト及び動物の組織と接触させて用いる
のに適切である。
【0333】 ここで用いる「薬学的に許容可能な担体」という文言は、例えば、液相又は固
相の充填剤、希釈剤、溶剤又は被包物質等の、被験化学物質を身体の一つの器官
又は部位から身体の一つの器官又は部位に運搬又は輸送することに関与する、医
薬的に許容可能な物質、組成物又は媒介体のことを言う。それぞれの担体は、製
剤の他成分と適合性があり且つ患者には無害性である、という意味において「許
容可能」でなければならない。医薬的に許容可能な担体となり得る物質の幾つか
の例には、(a)ラクトース、ブドウ糖及び蔗糖等の糖質、(b)コーンスター
チ及びバレイショデンプン等のデンプン類、(c)カルボキシルメチルセルロー
スナトリウム、カルボキシメチルセルロース及びエチルセルロース、酢酸セルロ
ース等のセルロース及びその誘導体、(d)トラガカント末、(e)麦芽、(f
)ゼラチン、(g)タルク、(h)カカオ脂及び坐薬ワックス等の賦形剤、(i
)落花生油、綿実油、ベニバナ油、胡麻油、オリーブ油、コーン油及び大豆油等
の油剤、(j)プロピレングリコール等のグリコール、(k)グリセリン、ソル
ビトール、マンニトール及びポリエチレングリコール等のポリオル、(l)オレ
イン酸エチル及びラウリン酸エチル等のエステル、(m)寒天、(n)水酸化マ
グネシウム及び水酸化アルミニウム等の緩衝剤(o)アルギン酸、(p)発熱性
物質なしの水、(q)等張性食塩水、(r)リンゲル液、(s)エチルアルコー
ル、(t)リン酸緩衝液、及び(u)医薬製剤で用いる他の非毒性適合物質、が
ある。同様に、着色剤、剥離剤、被覆剤、甘味、着香及び芳香剤、保存剤、及び
抗酸化剤ばかりでなく、湿潤剤、乳化剤及び硫酸ラウリル酸ナトリウム、ステア
リン酸マグネシウム等の潤滑剤も当該組成物に存在する。
【0334】 薬学的に許容される抗酸化剤の例には、(a)アスコルビン酸、システイン塩
酸水和物、亜硫酸ナトリウム、異性重亜硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム及びそ
の同類の水性抗酸化剤、(b)アスコルビン酸パルミテート、ブチルヒドロキシ
アニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食
子酸プロピル、アルファトコフェロール及びその同類の油溶性抗酸化剤、(c)
クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン
酸及びその同類の金属キレート化剤がある。
【0335】 本発明のFGFアンタゴニスト/アゴニスト及び/又は細胞傷害性作用因子を
含有する組成物は、便宜上、単位剤形の存在量であってよい。担体物質と組み合
わせて単一剤形を生成することができる活性成分の用量は、処置中のホスト、具
体的な投与態様によって様々であろう。概略的に言えば、当該投与量は、100
パーセント中、約1パーセントから99パーセントまでの活性成分、好ましくは
約5パーセントから約70パーセントまでの活性成分、最も好ましくは約10パ
ーセントから約30パーセントまでの活性成分の用量幅であろう。
【0336】 経口投与に適切な本発明による組成物の形態は、カプセル剤、カシェ剤、丸剤
、錠剤、トローチ剤(通常は蔗糖及び、アカシア又はトラガカント等の着香した
基剤を用いる)、粉末剤、顆粒剤、ヒドロゲル、又は水性ないしは非水性の溶液
や懸濁液として、水中油形又は油中水形乳剤として、又はエリキシル剤やシロッ
プ剤として、又は香錠(ゼラチン及びグリセリン、又は蔗糖及びアカシア等の不
活性基剤を用いる)、及び/又は口腔洗浄剤及びその同類であり、それぞれが活
性成分として、所定用量のFGFアンタゴニスト/アゴニスト及び/又は細胞傷
害性作用因子を含有する。化合物によっては、ボルス、舐剤又は軟膏剤として投
与してもよい。
【0337】 経口投与用の本発明による固相剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖剤、粉末剤
、顆粒剤、ヒドロゲル及びその同類)では、活性成分は、クエン酸ナトリウム又
はリン酸2カルシウムのような、一つ又はそれ以上の医薬的に許容可能な担体と
混合される。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合は、医薬組成物が緩衝剤を包含し
ていてもよい。類似タイプの固相組成物も、高分子量ポリエチレングリコール及
びその同類ばかりでなく、ラクトース、即ち乳糖のような賦形剤を用いた、軟充
填及び硬質充填ゼラチンカプセル剤内の充填剤として用いてもよい。
【0338】 本発明の医薬組成品の錠剤及び他の固相剤形、例えば糖剤、カプセル剤、丸剤
、顆粒剤及びヒドロゲル等には、随意に切れ込みを入れても、又は、腸溶性コー
チング及び医薬/製薬業で周知の他コーチング等のコーチング及びシェルと一緒
に調製してもよい。例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースを種々の分量で
用いて、所望の放出曲線、他のポリママトリックス、リポソーム、ナノ粒子、ヒ
ドロゲル及び/又は微小球にして、含有成分を緩慢に又は制御して放出するよう
に、これらの固相剤形を調製してもよい。これらは又、例えば、バクテリア停留
フィルタを介して濾過したり、又は無菌水又は何らかの他の無菌で注射可能な媒
体において使用直前に溶解可能な無菌固相組成物の形態で、滅菌剤を混合するこ
とによって滅菌してよい。これらの組成物は、随意に乳白剤を含有させてもよく
、さらに(一つ又はそれ以上の)活性成分のみを放出するか、又は胃腸管の一定
部位に優先的に放出するか、又は遅延した態様で随意に放出する組成物からなっ
ていてもよい。使用可能な包埋組成物の例には、重合体物質及びろう剤がある。
活性成分も、適正であれば、一つ又はそれ以上の上述した賦形剤を含有する。
【0339】 本発明のFGFアンタゴニスト/アゴニスト及び/又は細胞傷害性作用因子を
経口投与する液相剤形には、医薬的に許容可能な乳濁液、マイクロエマルジョン
、溶液、懸濁液、シロップ剤及びエリキシル剤がある。活性成分の他に、液相剤
形は、当業者で一般的に用いられる不活性希釈剤を含有することもでき、それら
の希釈剤の例には、水の他に、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、
1,3−ブチレングリコール、油剤(特に、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽
油、オリーブ油、ヒマシ油及び胡麻油)、グリセロール、テトラヒドロフリルア
ルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタン脂肪酸エステル及びこれらの
混合物の、他の溶剤、可溶化剤及び乳化剤がある。
【0340】 FGFアンタゴニスト/アゴニスト及び/又は細胞傷害性作用因子の他に、懸
濁液には懸濁化剤があり、それらの例には、例えばエトキシ化したイソステアリ
ルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル及びポリオキシエチレ
ンソルビタンエステル、マイクロクリスタリンセルロース、メタ水酸化アルミニ
ウム、ベントナイト、寒天及びトラガカント、及びこれらの混合物がある。
【0341】 直腸内又は膣内に投与する本発明の医薬組成物は、坐剤として提供してもよく
、その挫剤は、一つ又はそれ以上のFGFアンタゴニスト/アゴニスト及び/又
は細胞傷害性作用因子を、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、座
薬用ろう又はサリチル酸塩からなる、適切で、非刺激性賦形剤又は担体の一つ又
はそれ以上と混合することで調製でき、またそれは、室温では固相であるが、体
温では液相となり、したがって直腸内又は膣内では溶解して有効薬剤を放出する
ことができる。
【0342】 膣内投与に適切な本発明の組成物は、当業者に適切であると既知の担体には、
膣坐剤、タンポン、乳剤、ジェル剤、ローション剤、軟膏剤、泡沫剤又は噴霧製
剤がある。
【0343】 本発明のFGFアンタゴニスト/アゴニスト及び/又は細胞傷害性作用因子の
局所的又は経皮的な投与用の剤形には、粉剤、噴霧剤、軟膏、糊剤、乳剤、ロー
ション剤、ジェル剤、溶液、貼付剤及び吸入剤がある。当該FGFアンタゴニス
ト/アゴニスト及び/又は細胞傷害性作用因子は、無菌の条件下で、医薬的に許
容可能な担体及び、必要な場合は任意の保存剤、緩衝剤又は噴霧体と混合しても
よい。
【0344】 FGFアンタゴニスト/アゴニスト及び/又は細胞傷害性作用因子の他に、軟
膏、乳剤及びジェル剤は賦形剤を含有してもよく、それらの賦形剤の例には、動
物性及び植物性脂肪、油剤、ろう剤、パラフィン、デンプン、トラガカント、セ
ルロース誘導体、ポリエチルグリコール、シリコーン、ベントナイト、珪酸、タ
ルクおよび酸化亜鉛、又はこれらの混合物等がある。
【0345】 FGFアンタゴニスト/アゴニスト及び/又は細胞傷害性作用因子は、選択に
よっては、エロゾールによって投与できる。これは、エロゾール水溶液、リポソ
ーム製剤又は化合物を含有する固相粒子を調製することで達成する。非水(例え
ば、過フッ化炭化水素噴霧体)懸濁液を用いることもできよう。音波噴霧吸入器
は、薬剤を剪断作用(この化合物を劣化させる原因となり得る)に暴露させるの
を最小限に抑えるので、好ましい。
【0346】 経皮パッチには、FGFアンタゴニスト/アゴニスト及び/又は細胞傷害性作
用因子を制御して身体に送出させるという他の利点がある。このような剤形は、
作用因子を適正な媒体に溶解又は分散させることで作ることができる。吸収増進
剤も用いることができ、皮膚を貫通するペプチドミメティックのフラックスを増
大させる。このようなフラックスの吸収率は、吸収率制御膜を与えるか又はこの
ペプチドミメティックを重合体マトリックス又はゲル剤に分散させるか、何れか
の方法で制御することができる。
【0347】 眼用製剤、眼軟膏剤、粉末剤、溶液等も、本発明の範囲内にあると考慮される
【0348】 非経口及び/又は体腔内投与に適切な本発明の医薬組成物は、一つ又はそれ以
上のFGFアンタゴニスト/アゴニスト及び/又は細胞傷害性作用因子と、一つ
又はそれ以上の医薬的に許容可能な無菌で等張性のある水性又は非水性溶液、分
散液、懸濁液又は乳濁液、又は、無菌の注射可能な溶液又は分散液中に戻して使
用直前に再構成することができる無菌粉末剤との組み合わせからなっており、抗
酸化剤、緩衝剤、静菌剤、当該製剤を処置対象であるレシピエントの血液か又は
懸濁剤もしくは増粘剤と、等張にする溶質、を含有してもよい。
【0349】 薬剤の効果を持続させるために、皮下又は筋肉注射による薬剤の吸収を遅延さ
せることが望ましい場合がある。これは、水溶性の乏しい結晶性又は無晶形物質
の懸濁液を用いることにより達成できる。投与後の薬剤吸収率は、その溶解率に
依存しており、更にこの溶解率は結晶の大きさ及び結晶の形状による。或いは、
非経口投与の薬剤形態を遅延して吸収させるには、油質媒体内に当該薬剤を溶解
又は懸濁させることで達成する。
【0350】 注射可能な又は移植可能なデポー剤形は、ポリラクチド−ポリグリコリドのよ
うな生体分解性重合体内にFGFアンタゴニスト/アゴニスト及び/又は細胞傷
害性作用因子のマトリックス(例えば、マイクロカプセル、例えばシリンダー、
例えばディスク)を形成することによって作る。重合体に対する薬剤の比率によ
り、及び用いる具体的な重合体の性質により、薬剤放出率が制御される。生体分
解性重合体の例には、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)がある。デポ
ー注射製剤も体組織と適合性のあるリポソーム又はマイクロエマルジョン内に当
該薬剤を閉じこめることによって調製できる。デポー製剤は、FGFアンタゴニ
スト/アゴニスト及び/又は細胞傷害性作用因子を局所的に送出できるように、
担癌の器官及び/又は体腔(例えば膀胱、例えば腹膜内腔、例えば鞘内から脳組
織へ)に直接的に投与することもできる。
【0351】 「投与」という用語は、FGFアンタゴニスト/アゴニスト及び/又は細胞傷
害性作用因子の被験体を作用させるために、それを導入する経路を含むことが意
図されている。用いられる投与経路の例には、注射(皮下、静脈内、非経口、腹
膜内及び鞘内など)、嚢内(例えば膀胱)、前立腺内、経口、吸入 、直腸内及
び経皮的なものがある。医薬製剤は、当然なことであるが、それぞれの投薬経路
に適切な形態で提供される。例えば、これらの製剤は、錠剤又はカプセル形態で
、注射、吸入、点眼、軟膏、座薬等によって投与される。FGFアンタゴニスト
/アゴニスト及び/又は細胞傷害性作用因子は、単独で投与しても、上述の如く
別の作用物質との組み合わせ又は医薬的に許容可能な担体との併用の何れか又は
双方で投与できる。FGFアンタゴニスト/アゴニスト及び/又は細胞傷害性作
用因子の投与は、他の作用物質の投与前でも、その物質と同時でも、又はその物
質の投与後でも可能である。更に、FGFアンタゴニスト/アゴニスト及び/又
は細胞傷害性作用因子は、それを活性代謝物又はさらに活性のある代謝物へイン
ビボで転化するプロフォームで投与することもできる。
【0352】 ここで用いる「非経口投与」及び「非経口に投与される」という文言は、経腸
及び局所投与以外の投与態様のことを言っており、通常は注射によってなされ、
限定はされないが、静脈内、筋肉内、動脈内、鞘内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮
内、腹膜内、経気管、皮下、表皮下、関節、被膜下、蜘蛛膜下、髄腔内、胸骨内
注射及び点滴がある
【0353】 ここで使われる「全身投与」、「全身に投与される」、「末梢投与」及び「末
梢に投与される」という文言は、FGFアンタゴニスト/アゴニスト及び/又は
細胞傷害性作用因子が患者の組織全体に進入し、したがって代謝及び同様の作用
を受けるような、それの投与を言う。
【0354】 選択した投与経路に関係なく、FGFアンタゴニスト/アゴニスト及び/又は
細胞傷害性作用因子(適切な水和物の形態で用いてもよい)及び/又は本発明の
医薬組成物は、当業者に既知の従来の方法で医薬的に許容可能な剤形に製剤され
る。
【0355】 ワクチン 本発明はワクチンにも関し、このワクチンは、被験体(好ましくは哺乳動物、
より好ましくはヒト)を腫瘍に対して免疫処置するのに有効な、免疫原性用量の
FGFポリペプチド又はそのフラグメント、FGF受容体由来のポリペプチド(
FGFRポリペプチド)又はそのフラグメント、又は生理学的に許容可能な無毒
性媒体内に分散させて、FGFをその受容体に結合させるのを助長するプロテオ
グリカン(PG)からなる。当該FGF又はFGFRポリペプチド、又はPGは
、組換えによって、さもなければ生物学的に合成又は調製可能であり、単量体型
又は多量体型のFGF又はFGFRポリペプチド、又はPGの、一つ又はそれ以
上のエピトープに対応する一つ又はそれ以上のアミノ酸配列を包含する。次に、
これらのポリペプチドは、防御免疫を誘導する能力を有するワクチンと一体化す
ることができる。このようなポリペプチドの抗原性を増強させる技術には、多重
結合構造への組み込み、例えばキーホールリンペットヘモシニアン(KLH)又
はジフテリアトキソイド等の高免疫原性タンパク質担体への結合、及びアジュバ
ント又は任意の他の免疫応答増強物質と組み合わせての投薬、が含まれる。
【0356】 単量体型もしくは多量体型のFGFポリペプチドのエピトープに対応するアミ
ノ酸配列は、化学合成手段によって、もしくは遺伝子的に変更した微生物又はそ
れらの培養媒質を具える生物学的供給源から精製することによって得ることもで
きる。Lerner、"Synthetic Vaccines" Sci. Am. 248(2): 66-74 (1983)を参照さ
れたい。当該ポリペプチドは、他のタンパク質のフラグメント(例えば融合タン
パク質として合成する場合等)を含む他のタンパク質/ポリペプチドと結合され
たり、又は合成ないし生物学的由来の、他の抗原性又は非抗原性ポリペプチドに
連結されてもよい。例えば当該ワクチンの有効度を高めるために、FGF又はF
GFRポリペプチド、又はPGを、免疫原性及び/又は抗原性タンパク質又はポ
リペプチドに融合させることが望ましい場合がある。
【0357】 「FGF又はFGFRポリペプチド、又はPGのエピトープ」は、自然原生の
タンパク質又はポリペプチドのアミノ酸配列変異が、免疫原性であり、且つ腫瘍
性疾病に対する保護免疫性及び/又は抗腫瘍化効果を与える場合があるという実
用的な可能性を含むことが理解されよう。可能な配列変異には、限定はされない
が、アミノ酸の置換、伸長、削除、切断、補間及びこれらの混合がある。これら
の変異を包含するポリペプチドに免疫原性があり、且つこのようなペプチドによ
って誘発された抗体が自然原生のFGFポリペプチドと十分な程度に交差反応し
て、ワクチンを投与した場合に保護免疫性及び/又は抗腫瘍活性を与えるならば
、これらの変異は、本発明の意図する範囲内にある。このようなワクチン組成物
は、一般的に用いられる「フロイント完全アジュバント」、サポニン、硫酸アル
ミニウムカリウム等ばかりでなく、免疫学的に許容可能な希釈剤及び担体を含む
、生理学的に許容可能な媒質と結合することができる。投与は、FGF又はFG
FRポリペプチド、又はPGを免疫学的有効用量でなされ、好ましくは、レシピ
エントの体重1キログラム当たり、0.01から10.0マイクログラムまでの
免疫学的に活性のあるFGF又はFGFRポリペプチド、又はPGの単位投与量
となる用量で投与されよう。全保護的投与量は、0.1から約100マイクログ
ラムの抗原用量の幅でよい。
【0358】 投与経路、抗原投与量、注射の本数及び頻度は、すべて当業者の技術範囲内に
ある最適化に関する事柄である。
【0359】 FGF又はFGFRポリペプチド、又はPGに対する抗イディオタイプ抗体も
ワクチンとして有用であり、且つ同様に製剤可能であることも更に評価されよう
【0360】 実施例 以下に記載の本発明は、後述の例を参照することでさらに容易に理解すること
ができるが、それは本発明のある様態または実施例を具体化することのみを目的
としており、本発明を限定するものではない。
【0361】 添付した例に用いた試薬及び実験プロトコルを以下に簡単に記載する。
【0362】 化学薬品及び試薬 マウス抗ヒトaFGF及びbFGFモノクローナル抗体は、シグマ社から入手し、乳酸
脱水素酵素(LDH)検定、ブロモデオキシウリジン(BrdU)ELISA、及びヒト組換えr-
aFGF及びr-bFGFは、べーリンガーマンハイム社から入手した。抗aFGF抗体は天然
aFGF及びヒト組換えaFGFと反応し、bFGFとは交差反応しない。(Ichimori, Y. et
al. (1991) Biochem, Biophys Res. Commun. 175:291-297)。抗bFGF抗体は18kD
aヒトr-bFGFを用いて生成され、bFGFに特異的でaFGFとは交差反応しない(Watana
be, H. et al. (1991) Biochem, Biophys Res. Commun. 175:229-235)。r-aFGF
及びr-bFGFはモノマーペプチドで、アミノ末端の余分なチオニン以外は14kDaヒ
トaFGFまたは18kDaヒトbFGFと同一である(Jaye, M. et al. (1986) Science, 23
3: 541-545; Bohlen, P. et al. FEBS Letters 18:177-181)。
【0363】 腫瘍及び培養物 ヒト前立腺PC3腫瘍細胞及びラット正常腸管上皮IEC6細胞は、アメリカンタイ
プカルチャーコレクションから入手した。ラットMAT-LyLu腫瘍細胞及びPC3-LN細
胞は、それぞれジョン・アイザック博士とジョイ・ウェア博士から入手した。
【0364】 ラットMAT-LyLu腫瘍細胞のオリジナルクローンをオスコペンハーゲンラットの
後脚に移植したところ、移植部位に原発性腫瘍が生じ、その原発性腫瘍が0.5g以
上の大きさに達したところで、まず鼠径リンパ節へ転移させ、続いて50%の動物
の肺に転移させた(Isaacs, J. T. et al. (1981)Invest. Urol. 19:20-23)。リ
ンパ節及び肺転移腫瘍の連続再移植を行い、100%の動物においてさらに迅速に転
移を生じるサブクローンを得た(リンパ節転移ではn=24、肺転移ではn=12)。
【0365】 原発性及び転移性腫瘍の対を、その同じ宿主から外科的に取り出した。非壊死
部分の断片を組織培養物として培養した。コラゲナーゼ、EDTA、及びトリプシン
で腫瘍断片(~1g)を培養して、単一細胞懸濁液(生存率>95%)を得た。組織培養
物(腫瘍断片~1mm3)及び単層を、9%熱不活性ウシ胎仔血清(FBS)補足培地で培養
した(Yen, W.C. et al. (1996) Pharm. Res. 13:1305-1312)。
【0366】 調整培地におけるたんぱく質の収集及び分析 腫瘍組織培養物(腫瘍断片50から100mgにつき50ml)および単層培養物(細胞8x1
07個につき40ml)を無血清培地で24時間インキュベーションし、そこから調整培
地を収集した。CMのアリコートを乾燥凍結して10,000倍に濃縮し、0.1mMのフッ
化フェニルメチルスルホニル水溶液中で還元してから、15%SDS-PAGE(85Vで25時
間)上で分析した。たんぱく質のバンドを銀染色試薬で可視化した。ウェスタン
ブロッティングのために、たんぱく質をポリアクリルアミドゲルからニトロセル
ロースフィルタへ電気泳動で移し、その後、5%脱脂乳の100mM トリス/150mM Na
Cl/1% ツイーン20(pH 7.6)溶液とaFGFまたはbFGFモノクローナル抗体5mg/mlで順
次インキュベーションを行った。抗体免疫応答バンドを化学蛍光ブロッティング
で可視化した。濃縮CM中のaFGF及びbFGF量を、ウェスタンブロットのバンドの強
度とr-aFGF及びr-bFGFサンプルの標準曲線から導いたバンドの強度を比較して定
量化した。標準曲線は、r-aFGFが3から100ng、及びr-bFGFが1から160ngの間は一
次的であった。
【0367】 CM及び組換えr-bFGF/r-aFGFの前処理 薬物処理の前に、細胞を4日間、1%FBS(最終たんぱく質濃度を2mg/mlに調整
)を補足した、腫瘍CMまたはr-aFGF及び/もしくはr-bFGF含有培地でインキュベ
ートした。この培地は一日おきに新しくした。
【0368】 インビトロ抗腫瘍活性評価 組織培養物中の抗増殖薬物作用を、オートラジオグラフィで定量化して3H-チ
ミジンの取り込み阻害として測定し(Yen, W.C. et al . (1996) Pharm. Res. 13
:1305-1312) 、また、単層については、スルホローダミンB検定によりBrdU取り
込み阻害または全たんぱく質減少量として測定した(Au, J.L.-S et al. (1998)
Cancer Res. 58:2141-2148)。後者では、二つの検定法では質的に類似した結果
が得られた。96時間薬物処理により誘発された細胞死滅は、培養培地へのLDH放
出により監視した。LDH活性はテトラゾリウムからホルマザンへの転換(490nmで
検出)により監視した。
【0369】 免疫沈殿によるCMからのaFGF及びbFGFの除去 aFGFまたはbFGFを、プロテインG PLUS/プロテインAアガロース(オンコジーン
社製))の存在下で、それぞれのモノクローナル抗体(1mg/ml)で免疫沈殿させ
た。この方法は、元のCM中のbFGF量を、ELISA(オンコジーン社製)による検出
限界の5pg/ml未満に減少させ、濃縮CM中のaFGF量をウェスタンブロットによる検
出限界未満に減少させた。
【0370】 例1:抗ガン剤に対する耐性への腫瘍環境及び腫瘍位置の寄与 本例は、(a)充実性及び転移性腫瘍中に存在する細胞外因子によって媒介され
る広域スペクトル化学抵抗性の新規発生遺伝学的機序、(b)転移部位からの腫瘍
除去、及び/または腫瘍の局所環境の破壊におけるこれらの因子の損失、を示す
三つの研究について記載する。これらの結論を支持する結果を、下記表1に示す
。本研究は、パクリタキセル(抗微細管剤)ドキソルビシン(トポイソメラーゼ
II型阻害剤)、及び5-フルオロウラシル(代謝拮抗剤)などを含む、様々な構造
及び作用機序を有する抗ガン剤を用いて行われた。三種類すべての薬剤について
、類似の結果が見られた。
【0371】 第一の研究は、充実性腫瘍の不均質細胞型及び三次元構造を維持した、ラット
の原発性腫瘍及び転移性腫瘍の組織培養物における化学感受性と、同じ腫瘍のト
リプシン脱凝集によって得られた細胞の対応する単層培養物の化学感受性を比較
した。組織培養物の化学感受性が2−40倍低下しており、充実性腫瘍に固有の環
境が化学抵抗性に重要な役割を果たしていたことを示唆する。第二の研究は、肺
転移腫瘍の組織培養物及び初期単層培養物はリンパ節転移腫瘍のものよりも耐性
が高く、さらにリンパ節転移のものは皮下原発性腫瘍よりも耐性が高いことを示
し、腫瘍の位置が化学的抵抗性の程度を決定することを示唆した。第三の研究は
、肺及びリンパ節転移腫瘍から誘導した単層は、三代継代後に化学抵抗性を失い
、原発性腫瘍の単層と同等の薬物感受性を持つようになり、化学感受性はすべて
の代に継続されることを示している。これは、細胞を転移世代から除去した場合
、転移腫瘍の化学抵抗性が逆転することを示唆している。
【0372】
【表1】
【0373】 例II:充実性及び転移性腫瘍における細胞外因子に起因する抗ガン剤への耐性の
誘導 本例は、転移性腫瘍中の細胞外因子による化学抵抗性の誘発を立証し、単層に
おける転移性腫瘍細胞の継代によるこれらの因子の漸進的減少を示唆する実験に
ついて記載する。 ラット腫瘍培養物からCMを採取し、化学感受性への作用を評価した。この実験
及び次の実験は、ラット原発性腫瘍細胞及びヒト前立腺腫瘍細胞を用いて行われ
た。量的に類似した結果は、両方のタイプの細胞において得られ、その観察の一
般的性質を示唆した(図1)。転移性腫瘍の組織細胞物及び初期単層培養物に由
来するCM(活性転移性腫瘍CM)と呼ぶ)は、3から10倍の薬物耐性を誘発したが
(p<0.05)、転移性腫瘍の後期単層から得たCM及び原発性腫瘍から得たCM(不活
性CMと呼ぶ)は影響を及ぼさなかった。
【0374】 例III:抗ガン剤に対する耐性を誘導する細胞外因子のうちのいくつかとしてのb
FGF及びaFGFの同定 本例は、腫瘍細胞から採取した調整培地(CM)においてaFGF及びbFGFの濃度が
上昇することを示す実験を記載する。 腫瘍細胞を抗ガン剤に耐性にする細胞外因子の正体を、活性及び不活性CMにお
けるたんぱく質を比較して明らかにした(表1)。略述すると、原発性腫瘍、リ
ンパ節腫瘍及び肺腫瘍から採取した活性CM及び同じ腫瘍の初期単層培養物(第0
代)から採取した活性CMを、同じ腫瘍の後期単層培養物(第3代)から採取した
不活性CMと比較した。免疫ブロッティングをマウス抗ヒトaFGF及びbFGF抗体で行
った。比較として、r-aFGF(20ng)及びr-bFGF(5ng)で対照レーンを処理した。
【0375】 活性CMは二種類のたんぱく質の濃度が2から7倍高く、それらは免疫ブロッテ
ィングによりaFGF(約4kDa)及びbFGF(約18kDa)と同定された。いくつかの観測か
らこれらのたんぱく質と耐性には因果関係が示唆される。まず、異なる腫瘍培養
系のCMにおけるaFGF/bFGF濃度の順位は、これらの培養物の化学抵抗性の順位と
同一だった。二番目に、単層中の転移性腫瘍の継代におけるこれらたんぱく質の
漸進的減少は、これら単層CMの化学抵抗性の誘発力の減少と一致する。三番目に
、転移性腫瘍(第3代)の単層におけるたんぱく質量が原発性腫瘍の単層におけ
るたんぱく質量と同量になるまで減少すると、両方の培養物中において薬物感受
性が等しくなった。四番目に、単層培養物において、CMのaFGF/bFGF濃度は相対
化学抵抗性に有意に相関していた(p<0.0001、ピアソン検定)。
【0376】 例IV:抗ガン剤への耐性における細胞外aFGF及びbFGFの役割 本例では、(a)細胞外aFGF及びbFGFが抗ガン剤に対する広域スペクトル耐性の
誘発及び維持に関与し、(b)aFGFではなくbFGFが耐性を誘発するのに必要である
のに対し、aFGFはbFGF作用を増幅する、ということを一括して示す六つの研究に
ついて記載する。
【0377】 第一の研究は、細胞外aFGF及びbFGFの特異的阻害因子、すなわちモノクローナ
ル抗体(図2A)を用いた。活性CMの欠如下では、aFGFまたはbFGFの抗体での処理
は薬物活性を変化させず、抗体は基線化学感受性に影響を与えないということを
示唆した。活性CMの存在下では、bFGF抗体はCM誘発化学抵抗性の濃度依存的な逆
転を生じ、抗体が5mg/mlで完全に逆転するが、非特異的抗体(つまり、非免疫ウ
サギIgG)は影響を及ぼさなかった。aFGFでは、抗体処理が部分的にCM誘発耐性
を逆転させ、最大の逆転は抗体が1mg/mlの時の約60%で、濃度が5倍高い時に有
意な逆転がそれ以上起こることはなかった。第二の研究は、免疫沈殿により活性
CMからaFGF及び/またはbFGFを除去した場合の影響を評価した。bFGFを除去する
と耐性もなくなるが、aFGFを除去してもCM作用が部分的に逆転するだけであった
。これら二つの研究から、aFGF及びbFGFは両方とも耐性に関与しているが、役割
は異なっていることを示唆している。
【0378】 第三の研究は、aFGF及び/またはbFGFが耐性に必要であるかどうかを明らかに
した。内因性aFGF及び/またはbFGFを活性CMから免疫沈殿法で除去してから、組
換えたんぱく質を用いてCMを再構築した。内因性aFGFまたはbFGFのいずれかをCM
から除去した場合、それぞれの組換え相対物を内因性レベルに相当する濃度で添
加すると、耐性を完全に回復した(図2B)。いずれのたんぱく質もCMから除去し
た場合、(a)r-aFGFを添加しても耐性は誘発されないが、r-bFGFを添加すると濃
度依存的耐性を生じ、aFGFではなくbFGFが耐性に必要であることを示唆し、(b)
耐性を回復させるために必要な外因性r-bFGFの濃度は、内因性aFGFが存在する場
合、未変性CMの内因性bFGF濃度の55倍であった(つまり、約0.9ng/mlに対して50
ng/ml)。後者の知見は、aFGFによるbFGF作用の増幅を示唆している。これは、四
番目の研究により実証されており、その研究では、内因性たんぱく質の生理学的
濃度と同じ濃度のr-aFGF及びr-bFGFでaFGF/bFGF欠乏CM を再構築した場合の、化
学抵抗性の完全回復を示している。五番目の研究では、耐性を誘発するためにr-
aFGF及びr-bFGFのみを用いることにより、aFGF及びbFGFが化学抵抗性の主因であ
ることを実証した(図3)。r-aFGFのみの場合は作用しないが、r-bFGFは濃度依
存性の耐性を誘発した。CM中の内因性たんぱく質と同じ濃度のr-aFGF/r-bFGF(
すなわち、0.16から0.32ng/ml のr-aFGFに1ng/mlのr-bFGFを加える)を組み合わ
せると、CMと同程度の耐性を生じ、たんぱく質の濃度が高い場合には耐性はさら
に大きくなった。
【0379】 上述のように観察された化学抵抗性は主に抗増殖性薬物作用として測定される
。第六の研究では、薬物の細胞死滅作用を測定した。類似の知見が観察され、つ
まり活性転移性腫瘍CM及びr-bFGFは薬物による細胞死滅に対する耐性を誘発した
が、r-aFGFは耐性は誘発しなかったがr-bFGF作用を促進した(図4)。従って、
FGF誘発耐性は、抗増殖及び細胞死滅作用の両方に応用される。
【0380】 例V:aFGF及びbFGF阻害因子を用いた、抗ガン剤に対する腫瘍細胞感受性の促進
に関するインビトロデータ 本例は、aFGF及び/またはbFGF阻害因子が抗ガン剤に対する腫瘍感受性を促進
したことを示す。
【0381】 図2Aは、それぞれのモノクローナル抗体を用いたaFGF及び/またはbFGFの阻害
が、パクリタキセル、ドキソルビシン及び5-フルオロウラシルのヒト及び齧歯類
腫瘍細胞に対する細胞毒性を促進したとことを示している。同様に、図2Bは、抗
aFGFモノクローナル抗体及び/または抗bFGFモノクローナル抗体が、細胞培養培
地からaFGF及び/またはbFGFを除去するために用いられた場合の、同様の知見を
示す。出願者はさらに、別のaFGF及びbFGF阻害因子、すなわちスラミンがFGF誘
発耐性を逆転させ、インビトロ及び/またはインビボ条件下で少なくとも58種類
の抗ガン剤の活性を促進させることを示す(例VIIIも参照)。
【0382】 スラミンは負電荷を帯びた分子で、aFGF及びbFGFを含む複数の成長因子の作用
を阻害する (Middaugh, C.R. et al. (1992) Biochem. 31:9016-9024)。図5に
、スラミンの添加により、ラットMAT-LyLu腫瘍細胞、ヒト前立腺PC3腫瘍細胞、
及びPC3転移性サブラインつまりPC3-LN細胞におけるパクリタキセル、ドキソル
ビシン、5-フルオロウラシルに対するCM誘発耐性の濃度依存性逆転を生じたこと
を示す、インビトロ実験の結果を示す。スラミンが10から15mMの時に完全に逆転
し、例VIに示すように、単独で用いても抗腫瘍性作用はなかった。
【0383】 例VI:著しい細胞毒性を生じない低濃度スラミンを用いた抗ガン剤活性の促進に
関するインビトロデータ 本例は、スラミンによる抗ガン剤活性の促進が、FGF誘発化学抵抗性を完全に
阻害するには十分であるが著しい細胞毒性を生じるには十分ではない低スラミン
濃度において生じることを示す。
【0384】 図6は、例V及びVIIに記載の研究に用いた腫瘍細胞株におけるスラミンの濃度
応答曲線を示す。スラミンを単独で用いた場合、ブロモデオキシウリジン取り込
み(すなわちIC50)の50%減に必要なスラミン濃度は、ラットMAT-LyLu腫瘍細胞
においては235マイクロモル、ヒト前立腺PC3腫瘍細胞では93マイクロモル、及び
ヒト前立腺PC3-LN腫瘍細胞では98マクロモルであった。これらのIC50値はFGF誘
発耐性を完全に逆転させるのに必要な濃度の6から200倍(1から15マイクロモル
、例V及びVII及び表2参照)高い。1から15マイクロモル濃度では、スラミンは
測定可能な細胞毒性を生じなかった(すなわち細胞数及び/または増殖指数が<1
0%減)。したがって、スラミンによる抗ガン剤の抗腫瘍作用の促進が、スラミン
の無毒性濃度において生じている。
【0385】 二番目の研究は、スラミンが、抗ガン剤に対するFGF誘発耐性の阻害に十分な
濃度において、bFGFとそのレセプタとの結合を完全に阻害できるかどうかを明ら
かにするために行われた。本研究はラットMAT-LyLu腫瘍細胞をモデル腫瘍細胞と
して用い、ドキソルビシン及びパクリタキセルをモデル抗ガン剤として用いて行
われた。耐性を誘発するために用いられたCMは肺転移性腫瘍の組織培養物から収
集した(表1参照)。抗bFGF抗体を5mg/ml加えた。その結果は、1.6マイクロモ
ルのスラミン存在下のドキソルビシン及びパクリタキセルのIC50は、抗体の有無
にかかわらず、それぞれ、13及び14nMで変化のないままであったことを示してい
る。これは、スラミンとbFGF抗体が同一の作用機序を共有しており、1から2マイ
クロモル濃度のスラミン単独でもbFGF誘発耐性を完全に阻害したということを示
唆している。
【0386】 例VII:抗ガン剤の広域スペクトルはスラミンによって逆転させられたaFGF/bFGF
誘発耐性を示す 本例は、aFGF及びbFGFが、抗チューブリン/抗微細管剤、トポイソメラーゼI
阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗剤、アルキル化剤、及びシグナル
伝達経路障害剤を含む作用機序の広域スペクトルを有する、少なくとも5種類の
抗ガン剤に対する耐性を誘発することを示すデータを、表2(後述)にまとめた
【0387】 実験条件は、以下に略述する。ヒト前立腺PC3腫瘍細胞を、aFGFとbFGFで96
時間前処理してから、15マイクロモルのスラミンを使用して、または使用しない
で96時間薬物処理した。細胞数を、全たんぱく質濃度を測定するスルホローダミ
ンB検定を使用して測定した。表2に記載の薬物はすべて、(a)aFGFとbFGFの併用
により誘発された耐性(すなわち高IC50値)、及び(b)スラミン処理による耐性
の逆転(すなわち、スラミン処理が、IC50値をFGF処理なしの場合の元の値まで
減少させた)を示した。FGF誘発耐性はFGF濃度に依存し、FGF濃度が高いと耐性
も高かった。
【0388】
【表2】
【0389】 例VIII:抗ガン剤に対するaFGF/bFGF誘発耐性は多数のガン細胞株中で検出され
る 本例は、前立腺、肺、咽頭、大腸、乳房及び血液を含む、ヒト及び動物の異な
る臓器に由来する多数のガン細胞株、及び薬物排出を担うp-糖たんぱく質をコー
ド化するmdrl遺伝子を安定に形質移入するヒト乳ガン細胞株における、パクリタ
キセル、ドキソルビシン、5-フルオロウラシル、及び/またはフルダラビンに対
する耐性を、aFGF及びbFGFが誘発することを示すデータを表3にまとめる。
【0390】 実験条件は以下に略述する。細胞をヒト組換えr-aFGF及び/またはr-bFGFで9
6時間前処理してから、薬物で96時間処理する。ヒト前立腺、肺、咽頭、大腸
、及び乳房のガン細胞に由来する細胞についての研究では、薬物効果をBrdU取り
込み阻害により測定した。ヒト白血病細胞についての研究では、薬物効果を代謝
活性細胞の数を測定するMTT検定により測定した(Alley, M.C. et al (1988) Can
cer Res 48:589-601)。
【0391】 充実性腫瘍に由来する細胞株の場合には、結果は、aFGF単独では耐性を誘発し
ないが、bFGF単独で5つの細胞株A549(前立腺PC3、乳房MCF7、mdrl形質移入乳
房BC19、肺A549、前立腺MAT-LyLu)に耐性を誘発したが、残りの細胞株2種(咽
頭FaDu、大腸HT29)では誘発しなかったということを示唆している。しかし、r-
aFGF及びr-bFGFの組み合わせでは7種すべての細胞株に耐性を誘発し、細胞によ
ってaFGF及びbFGFの要求が異なることを示唆した。結果はさらに、r-aFGFがr-bF
GF作用を50倍以上増幅することを示している(例えば、r-aFGF 1ng/mlとr-bFGF
1ng/mlを併用する場合はr-bFGF 50ng/ml単独よりも大きな耐性を誘発した)。
【0392】 ヒト白血病細胞株、すなわちCCRF-CEMの場合には、r-aFG(1ng/ml)及びr-bFGF(
1ng/ml)の併用はフルダラビンに対する耐性を誘導し、96時間処理の場合には
、50%を生じるために必要なフルダラビン濃度は、FGFが無い場合には4マイクロ
モルであったが、FGFがある場合には6マイクロモルに上昇した。
【0393】
【表3】
【0394】 例IX:スラミンの無毒性投与量を用いた、定着腫瘍に対する抗ガン剤活性の促進
についてのインビボデータ 本例は、ヒト異種移植片腫瘍を数個有している免疫不全マウスにおける、パク
リタキセルまたはドキソルビシンの抗腫瘍効果の促進についての追加データを提
供する、4つの研究について記載する。
【0395】 スラミンがある場合または無い場合のパクリタキセルまたはドキソルビシンの
活性を、免疫不全マウス(オスBalb/c nu/nuマウス、生後6-8週)について評価
した。動物のケアはオハイオ州立大学のガイドラインに従って行った。ヒト腫瘍
モデルは、(a)ヒトPC3-LN腫瘍細胞の静脈注射に由来する肺転移腫瘍、(b)肺に
ヒトPC3細胞の直接注射に由来する肺腫瘍、及び(c)PC3腫瘍の皮下移植を含む
いくつかを用いた。4つの研究を行った。すべての研究において、薬物処理は、
腫瘍が定着した後に、尾部静脈経由の静脈投与で行った。第一及び第二の研究は
静脈PC3-LN肺転移モデルを用いた。略述すると、ヒトPC3-LN細胞を免疫不全マウ
スに、尾部静脈を経由して静脈注射した。この方法は100%の動物の肺に転移を
生じた(Ware, J.L. et al. (1985) Exp. Cell Biol. 53:163-169)。4週間後、
腫瘍の定着を無作為に選択した動物二匹を目視で検査して決定し、この二匹に直
径1mmほどの腫瘍結節が少なくとも5個現れたときに、残りの動物の薬物処理を
開始した。マウスには、化学療法剤、スラミン10mg/kg、または化学療法剤とス
ラミンの併用を、生理食塩水または食塩水200mlの静脈注射(1分間かけて)で
送達した化学療法剤は第一の研究ではドキソルビシン(5mg/kg)、第二の研究で
はパクリタキセル(タキソール15mg/kg)であった。処理は週に二回を三週間行っ
た。齧歯類の予備薬物動態データは、これらの投与量では72時間経過時点の血漿
濃度が、ドキソルビシンでは約10nM、パクリタキセルでは5-7nM、及びスラミン
では10マイクロモルになるであろうことを示唆する。例VIに示したように、スラ
ミン濃度はFGF誘発化学抵抗性を逆転させるのに十分であった。ドキソルビシン
及びパクリタキセル濃度は、PC3-LN細胞の単層培養物中のIC50値の近傍か、それ
以上である(すなわちドキソルビシンでは17nM、パクリタキセルでは8nM)。選
択したスラミン投与量は、他のマウス腫瘍に対するインビボ抗腫瘍活性を有して
いない(Chahinian, A.P. et al. (1998) J. Surg. Oncol. 67:104-111; Shin, R
., et al. (1997) Scand. J. Gastroenterol. 32:824-828)。薬物処理終了の3
日後、動物を安楽死させてその肺を取り出し、ブアン液に固定して腫瘍結節を見
えるようにしてから、組織学的評価のために処理した。腹側表面からの深さ200-
300mmにあり5つすべての肺葉を有している組織断片(厚さ5ミクロン)を採取
した。アドビ社製フォトショップを用いて、腫瘍で占められた肺表面積(ピクセ
ル数で計数)を全肺面積の分率として計算した。残留腫瘍の腫瘍細胞数、及び各
腫瘍のアポトーシス細胞の分率も、顕微鏡で測定した。アポトーシス細胞は経時
的に消滅するので、アポトーシスの程度の第二の尺度は残留腫瘍中の非アポトー
シス細胞の密度であった。 これは、無作為に選定した拡大率400倍の顕微鏡
視野中で、非アポトーシス腫瘍細胞数を計数して決定する。平均して、動物1匹
につき10視野、または対照及びスラミン群では1,500個を超える細胞、ドキソル
ビシン群では600個を超える細胞を計数した。一匹の動物につき5個未満の腫瘍
結節が残った併用療法の場合、残留細胞(動物一匹につき細胞20から600個)を
すべて計数した。
【0396】 どちらの研究も、スラミンが、定着したヒト肺転移腫瘍を有するマウスにおけ
る薬物のインビボ抗腫瘍効果を促進していることを示している。
【0397】 表4は、ドキソルビシンについての結果である。スラミン単独では有意な抗腫
瘍作用も毒性も見られなかった。ドキソルビシン単独では、腫瘍を根絶すること
はできなかったが、腫瘍サイズを約80%縮小させ、アポトーシス細胞の分率を三
倍にし、残留腫瘍中の非アポトーシス細胞の密度を半減させ、体重を20%減少さ
せた。対照群及び単一剤群の動物はすべて肺の腹側及び背側表面上に視認できる
腫瘍を有していたが、ドキソルビシン/スラミン併用群の動物では肺表面に視認
できる腫瘍が見られたのは40%のみであった。対照群及び単一剤群のすべての動
物の肺組織の組織断片には、顕視的腫瘍病変が見られたが、ドキソルビシン/ス
ラミン併用群の動物では、顕視的腫瘍病変が見られたのは58%のみであった。し
たがって、ドキソルビシン療法にスラミンを加えると、抗腫瘍作用を有意に促進
し、(a)動物の42%の腫瘍を根絶し、(b)残留腫瘍が見られた残りの58%の場合、
腫瘍サイズがさらに縮小し(さらに10倍)、非アポトーシス細胞の密度が減少
し(さらに4倍)、アポトーシス細胞分率が増加する(さらに3倍)結果となっ
た。ドキソルビシンにスラミンを加えても、体重の減少を促進することはなく、
スラミンがドキソルビシンの宿主毒性を促進させないことを示唆した。
【0398】
【表4】
【0399】 同様の知見が、パクリタキセルへのスラミンの作用についても認められた。表
5は、スラミン単独では有意な抗ガン作用も毒性も見られなかったことを示して
いる。パクリタキセル単独では、非アポトーシス細胞密度を約70%減少させ、ア
ポトーシス細胞の分率を13倍増加させ、体重を約7%減少させた。パクリタキセル
療法にスラミンを加えると、抗腫瘍作用を有意に促進し、さらに非アポトーシス
細胞の密度を減少させ(さらに30倍)、アポトーシス細胞分率をほぼ倍にする結
果となった。パクリタキセル療法にスラミンを加えても、体重の減少を促進する
ことはなく、スラミンはパクリタキセルの宿主毒性を促進させないことを示唆し
た。
【0400】
【表5】
【0401】 第三の研究は、臓器内腫瘍細胞注射により定着させた肺腫瘍におけるドキソル
ビシン活性の促進を示す。略述すると、PC3細胞を免疫不全マウスの肺に直接注
射した(肺一個につき細胞2.5 x 106個)。腫瘍定着(5日目)は無作為に選定
した動物を目視で検査した。残りの動物は、ドキソルビシン単独(5,8,11日目
にそれぞれ10mg/kgを三回投与)、スラミン単独(20mg/kgを三回投与)または両
方の併用を静脈内大量注射により投与した。動物は12日目に安楽死させた。肺を
取り出し、残留腫瘍について目視で検査した。初めの二つの研究に記載の通り、
組織断片を採取し顕微鏡で検査した。未処理対照群(n=4)及びスラミン群(n=3)の
動物はすべて腫瘍を有したが、ドキソルビシン群(n=4)には腫瘍のないものが1
匹(n=4)見られ、ドキソルビシン/スラミン併用群の動物はすべて腫瘍がなか
った(100%)。併用群と他の三つの群の差は有意であった(p<0.04)。これらのデー
タは、スラミンがドキソルビシンの抗腫瘍活性を促進したことを示している。 第4の研究は、スラミンが、皮下塊状腫瘍においてドキソルビシンの抗腫瘍効
果を促進したことを示す。略述すると、PC3細胞(5x106個)を皮下注射した。腫瘍
定着後に薬物処理を開始した(スラミン10mg/kg、ドキソルビシン5mg/kg、また
は両方を併用、週に2回で3週間投与)。 平均腫瘍サイズは初めの処理の時に1
50mgだった。
【0402】 図7Aは、(a)未処理対照群及びスラミン群では腫瘍サイズは3から4倍に増大し
、スラミン単独では抗ガン作用がなかったことを示唆し、(b)ドキソルビシン単
独では腫瘍の成長を減速させたが、腫瘍の退縮はひきおこさず、(c)ドキソルビ
シンとスラミンの併用は、第一週の間は腫瘍の成長を減速し、三週間の処理終了
時までには腫瘍を退縮させた、ということを示している。動物の体重についての
結果(図7B)は、(a)スラミン単独では体重減少を引き起こさなかった、(b)ドキ
ソルビシンでは17%の体重減少を生じた、(c)ドキソルビシンにスラミンを加える
と体重減少を促進しなかった、ということを示唆している。
【0403】 例X:腫瘍中のaFGF及びbFGF量、腫瘍サイズ、及び抗ガン剤に対する腫瘍感受性
の関係 本例は、腫瘍中のaFGF及びbFGF量と腫瘍サイズの相関、及び腫瘍中のbFGF量と
抗ガン剤に対する腫瘍感受性の相関を示す。第一の実験では、組織における細胞
外bFGF量に腫瘍細胞が与える影響を検証した。略述すると、ヒト前立腺PC3腫瘍
細胞を、皮内または免疫不全マウスの肺へ直接移植した。腫瘍を、動物から取り
出し、約10mgを組織培養物として培養した。培養培地を24時間経過時点で収集し
、bFGFについて分析した。bFGF量はPC3細胞では2pg/106細胞(約2pg/mg)、正常
肺組織では0.13pg/mg、正常皮膚組織では0.62pg/mg、PC3含有肺腫瘍では3.2pg/m
g、及びPC3含有皮膚腫瘍では11.3pg/mgであった。したがって、腫瘍含有組織のb
FGF量は腫瘍細胞及び正常組織中のbFGF量の合計を上回り、腫瘍細胞の存在がbFG
F量を上昇させたことを示唆した。上昇率は、肺では25倍、皮膚では18倍で
あった。比較のため、マウス脳は組織1mg当たりbFGFを0.027pg含有し、肝臓は組
織1mg当たりbFGFを0.636pg含有した。その結果は、(a)bFGF量は組織によって異
なり、(b)腫瘍細胞の存在はbFGF量を有意に上昇させた、ということを示唆して
いる。
【0404】 第二の研究では、細胞外bFGF量と腫瘍サイズの関係を検証した。ヒト前立腺PC
3腫瘍細胞を、免疫不全マウスに皮下移植した。皮下腫瘍を1から7週間後に宿
主動物から取り出し、約200mgを組織培養物として培養した。培養培地を24時
間経過時点で収集し、ELISAでbFGF濃度を分析した。bFGF量は経時的に増加し、
第一週の27pg/mlから、第2週には56mg/ml、第3週には77pg/ml、第4週から第
7週の間にはプラトーレベルに達して80から87pg/mlであった。第1,2及び3
週のbFGF量の差異は、統計的に有意である。これは、bFGF量と腫瘍サイズの正の
相関を示唆している。
【0405】 第三の研究は、ヒト腫瘍中のaFGF及びbFGF量と抗ガン剤への腫瘍感受性との関
係を検証した。本研究は、ヒト患者から採取した膀胱、乳房、頭頸部、卵巣及び
前立腺腫瘍を含む、腫瘍96個を用いて行った。パクリタキセルをモデル薬物と
して使用した。略述すると、膀胱腫瘍の組織培養物を、パクリタキセルで24時
間、残りの腫瘍を96時間処理した。薬物誘発抗増殖性をDNA前駆体取り込みの
阻害により測定し、アポトーシスを形態学的変化及びニックを有するDNAの標識
により測定した。aFGF、bFGF及び薬物耐性に寄与することが知られているその他
のたんぱく質(すなわちmdrl p-糖たんぱく質、p53及びbcl-2)を、免疫組織化
学染色により検出した。
【0406】 腫瘍の64%(61/96)がbFGF染色で陽性を示した。aFGFは膀胱腫瘍中に高く発現
した。卵巣及び前立腺腫瘍は中等度のaFGF量を有し、頭頸部及び乳房腫瘍では低
い正の割合であった。aFGFは細胞質中にのみに見られた。パクリタキセルは腫瘍
の84%で抗増殖性を生じ、腫瘍の96%でアポトーシスを誘発した。bFGF発現は、
パクリタキセル誘発抗増殖性への耐性(p<0.001)とパクリタキセル誘発アポトー
シス(p=0.13)に相関した。多重回帰及び赤池情報量基準を用いた統計解析は、腫
瘍の段階、等級、増殖指数、及びbFGF、p-糖たんぱく質、p53、及びbcl-2たんぱ
く質の発現を示し、bFGF発現は抗増殖作用及びヒト患者から採取した腫瘍中のパ
クリタキセルの全細胞毒性(すなわち、抗増殖性とアポトーシス)に対する耐性
の最良の指標であった。bFGFにaFGFを加えることで、相関が良くなる(表6)。
【0407】 総括すると、これらの結果は、腫瘍中のaFGF及びbFGF量は腫瘍の位置及び腫瘍
サイズによって決定され、そのためaFGF/bFGF値は抗ガン剤への腫瘍感受性を決
定するということを示唆している。腫瘍中のFGF量の変化は、FGF量を個々の患者
の治療法を決定するために使用することができることを示唆している。
【0408】
【表6】
【0409】 例XI:ガン細胞を抗ガン剤で処理すると細胞外bFGFが増加する 本例は、ヒト前立腺PC3腫瘍細胞を様々な作用機序及び化学構造を有する少な
くとも7種類の抗ガン剤(例えば、抗微小管、トポイソメラーゼI阻害剤、トポ
イソメラーゼII阻害剤、DNAアルキル化剤)で処理すると、細胞外bFGF量を増加
させることを示すデータを、表7(下記)にまとめる。
【0410】 実験データを以下に略述する。ヒト前立腺PC3腫瘍細胞を、72時間薬物で処理
した。処理終了時の残存細胞数をコールターカウンタで計数した。細胞外bFGF濃
度をELISAで測定した。乳酸脱水素酵素(LDH)の細胞外培養培地への放出は、細
胞死を示しており、細胞内容物の培養培地への放出の尺度となる。細胞外bFGF量
の上昇が細胞死及び溶解によるbFGF放出に起因する場合、bFGFの上昇は同程度の
LDHの上昇を伴うと考えられる。これの場合、細胞外bFGF量が高くなり、bFGF対L
DHの比が一定になるであろう。反対に、細胞溶解以外のプロセスによる細胞から
のbFGF産生量及びbFGF放出量の増加による細胞外bFGFの上昇の場合は、bFGF量が
高くなり、bFGF対LDHの比も高くなると考えられる。
【0411】 表7に記載の結果は、すべての検査済み薬物による処理により、細胞外bFGF量
が3から30倍高くなった(p<0.05)ことを示している。 これらの高bFGF量は、細胞
数が80%も減少しているにもかかわらず生じており、細胞一個当たりの薬物処理
済み細胞のbFGF産生量が、未処理対照と比較してさらに大きくなっていることを
示唆した。bFGF量の上昇は高いbFGF対LDH比を伴い、細胞外bFGF量の上昇が、生
細胞からのbFGFの産生または放出の上昇に少なくとも部分的に起因していること
を示唆した。
【0412】 薬物処理により腫瘍細胞の細胞外bFGF量が上昇するということは、化学療法で
治療されている患者は化学抵抗性を示す可能性が高いということを示唆している
。そしてまた、これは、ガン療法に失敗したり腫瘍が再発した患者を治療するた
めに、FGF阻害剤を使用する必要性を示唆している。
【0413】
【表7】
【0414】 例XII:抗ガン剤へのFGF耐性は薬物蓄積の変化にも細胞増殖性の変化にも起因し
ない 本例は、抗ガン剤へのFGF誘発耐性は、過去に報告された薬物排出の促進及び
細胞増殖性の変化に関与する化学抵抗性機序とは異なる、新規の機序であること
を示す。
【0415】 実験条件を以下に略述する。ヒト前立腺PC3腫瘍細胞及びラットMAT-LyLu腫瘍
細胞を、肺転移腫瘍の組織培養物から採取した活性CMがある場合と無い場合、ま
たはr-bFGFがある場合に、3Hパクリタキセル(ヒトPC3細胞に1nM、及びラット腫
瘍細胞に10nM)、14Cドキソルビシン(それぞれ50及び100nM)、及び3H-5-フル
オロウラシル(どちらの細胞にも500nM)(Au, J.L.-S. et al. (1998) supra)で
処理した。細胞外薬物濃度は、ヒト及びラット細胞内のIC50値(50%阻害濃度)
に基づいて選択した。三種類すべての薬物について、PC3細胞における4時間経
過時点に達したプラトー細胞内薬物濃度、及びラット細胞における1時間経過時
点(ドキソルビシン及び5-フルオロウラシル)及び4時間経過時点(パクリタキ
セル)に達したプラトー細胞内薬物濃度を測定した。
【0416】 その結果、これらの処理が腫瘍細胞中の薬物蓄積を変化させず、ヒトPC3腫瘍
細胞ではパクリタキセル、ドキソルビシン、及び5-フルオロウラシルの濃度はそ
れぞれ約0.5、40 、及び約0.1pmol/106細胞個、ラット腫瘍細胞では約1、80、及び24 pnol/106
胞個(それぞれn=6)で変化がなかったということが示された。したがって、FGF
誘発化学抵抗性は、過去に薬物排出たんぱく質の過剰発現として報告されたよう
な薬物蓄積の減少に起因するものではない(Lum, B.L. et al. (1993) Cancer 72
, 3502-3514; Barrand, M.A. et al. (1997) Gen. Pharmacol. 28, 639-645; Fi
dler, I.J. (1999) Cancer Chemother. Pharmacol. 43:S3-S10)。
【0417】 CMまたはr-bFGFによる処理は、指数関数的に増殖する細胞の倍増時間も変化さ
せず、ラット腫瘍細胞では17時間、PC3腫瘍細胞では24時間変化しないままであ
った。したがって、FGF誘発化学抵抗性は細胞増殖性の変化に起因するものでは
ない。
【0418】 例XIII:FGFは抗ガン剤に対する広域スペクトル耐性の新規発生遺伝学的機序を
誘発する ここに記載する知見は、(a)充実性腫瘍及び転移性腫瘍に固有の、ガン細胞が
細胞毒性の傷害を免れるための微環境を利用することによる新規遺伝発生学的機
序を示し、(b)腫瘍感受性における細胞外増殖因子の化学治療法への重要な役割
を確立し、(c)化学療法とaFGF/bFGF阻害剤の併用による新規治療パラダイムを示
唆する。
【0419】 これらの結果は、細胞外aFGF/bFGFにより主に媒介され、細胞内薬物蓄積や細
胞増殖性に著しい変化をもたらさない、広域スペクトル抗ガン薬物耐性の新規機
序を確立する。細胞外aFGF/bFGFの阻害による耐性の逆転は、これらのたんぱく
質とそのレセプタの結合が関与する機序を示唆する。
【0420】 細胞外aFGF/bFGFの濃度と腫瘍位置の相関、及び転移性腫瘍の脱凝集と単層に
おける脱凝集細胞の継代に起因するこれらのたんぱく質の漸進的減少は、aFGF/b
FGF濃度と腫瘍増殖環境の間に関係があることを示唆する。ここに開示した、転
移性腫瘍のbFGF濃度が原発性腫瘍よりも高いという知見は、転移ガン患者の尿中
bFGF濃度が局所ガン患者よりも高いということと一致する(Huang, A. et al. (1
994) Exp. Cell Res. 213, 335-339)。活性転移性腫瘍CM及び患者に見られる濃
度のaFGF/bFGFにより誘発された著しい耐性は、この耐性機序の重要性及び臨床
的関連性を示唆し、転移性腫瘍のaFGF/bFGF濃度の上昇が、転移性疾患の化学療
法の効力を限定する重要な機序であるということを示唆している。充実性腫瘍の
局所環境におけるaFGF/bFGF濃度が、収集の間に500から1000倍希釈されるCMの濃
度を超過する可能性が高いことから、インビボ化学抵抗性の程度はCMにより誘発
された耐性の3から10倍高いと考えられる。
【0421】 例XIV:FGFによる抗ガン剤の細胞毒性からの消化管細胞の保護 本例は、非ガン性腸管上皮をaFGF及びbFGFで処理すると、パクリタキセルやド
キソルビシンなどの抗ガン剤の毒性からこれらの細胞を保護することを示す。
【0422】 略述すると、正常ラット腸管上皮細胞(IEC6)を使用した。これらの細胞は正常
な非ガン性腸管上皮に由来した。細胞をaFGF 1ng/ml及びbFGF 1ng/mlで96時間処
理してから、ドキソルビシン及びパクリタキセルで24時間処理した。薬物効果は
、処理済み細胞のブロモデオキシウリジン取り込みの減少を未処理細胞と比較し
て測定した。結果は、ドキソルビシンのIC50は、aFGF及びbFGFがない場合の292n
MからaFGF及びbFGFがある場合の544nMへと上昇し、パクリタキセルのIC50は491n
Mから1446nMに上昇した。これは、aFGF/bFGF処理が正常腸管細胞を抗ガン剤の毒
性から保護していることを示唆する。
【0423】 例XV:細胞培養系 細胞培養検定実験は、ラット前立腺MAT-LyLu腫瘍細胞、及びヒト前立腺PC3腫
瘍細胞または転移性サブラインPC3-LN細胞で行ってもよい。本発明の要求がこれ
ら三種類の細胞のいずれかに当てはまる場合、FGFアンタゴニストの選択及び投
与は本発明の使用に適切である。好ましくはPC3細胞を用いる。
【0424】 ヒト前立腺PC3腫瘍細胞はアメリカンタイプカルチャーコレクションから入手
できる。ラットMAT-LyLu腫瘍細胞及びPC3-LN細胞はジョン・アイザックス博士(
ジョーンズ・ホプキンス大学)及びジョイ・ウェア博士(バージニア大学)から
、それぞれ入手した。PC3及びPC3-LN細胞の倍増時間は約24時間で、MAT-MAT-LyL
u細胞は約15から17時間である。三種類すべての細胞株は5% CO2及び95%空気を有
する加湿環境で37℃で単層として培養されなければならない。PC3細胞及びPC3-L
N細胞は、9%熱不活化ウシ胎仔血清、2mM l-グルタミン、100mg/mlゲンタマイシ
ン、及び95mg/mlセホタキシムを補足したRPMI 1640培地中で維持しなければなら
ない。MAT-LyLu細胞は、100mg/mlゲンタマイシン、95mg/mlセホタキシム、及び9
%熱不活化ウシ胎仔血清を補足したRPMI 1640培地中で維持しなければならない。
【0425】 細胞はトリプシンを用いて亜密集培地から収集し、プラントの前に新鮮培地に
再懸濁する。90%を超える生存率の細胞は、トリパンブルー排除により選出し、
スラミンなどのFGFアンタゴニストの細胞毒性を評価するために用いた。細胞を
、96穴マイクロタイタープレートに、薬物処理期間の終了時に密集しないよう
な密度で蒔く。細胞は、無薬物培地で20から24時間増殖して、プレート表面
に接触させる。その後、細胞をFGFアンタゴニスト含有培養培地で、少なくとも
4対数目盛にわたる濃度でインキュベートする。薬物効果は、例えばセルプロリ
ファレーションELISA BrdU(べーリンガーマンハイム社製)などでBrdU取り込み
阻害として測定する。
【0426】 例XVI:FGFとFGFレセプタの結合の阻害 本例は、FGFアンタゴニストによる、FGFとFGFレセプタの結合阻害について記
載する。
【0427】 数種のFGFアンタゴニスト(スラミン、ヘパリン、低分子量ヘパリン、硫酸ヘ
パラン)が、ヒト前立腺ガンPC3細胞及びヒト乳ガンMCF7細胞のFGFレセプタへの 125 I-bFGFの結合に与える作用を研究した。略述すると、24穴プレートの16mmウ
ェル一個につき細胞を1x105個蒔いて、結合実験の前48時間沈降させた。実験
当日、細胞を0.15%ゼラチンを補足した無血清DMEM中で、37℃で2時間インキュ
ベートした。その後、細胞を氷冷したリン酸塩緩衝食塩水で二回洗浄した。各種
濃度のbFGFアンタゴニストの冷却DMEM結合バッファ溶液(100ml、25mM HEPES、0
.15% ゼラチンを含有する、pH7.5)及び各種濃度の125I-bFGF(100ml)の同バッフ
ァ溶液のアリコートを各ウェルに加えた。インキュベーション終了時、その細胞
を氷冷リン酸塩緩衝食塩水1mlで3回洗浄するか、または氷冷リン酸塩緩衝食塩
水で二回洗浄後2M NaClの25mM HEPES溶液1ml、pH7.5、で一回洗浄した。その細
胞を0.5% トリトン X-100 0.25mlで抽出し、その抽出物の放射能をガンマ線シン
チレーションカウンタで測定した。
【0428】 表8にまとめたその結果は、FGFアンタゴニストが、PC3及びMCF7細胞における 125 I-bFGFの高い親和性及び結合全体を阻害したことを示す。
【0429】
【表8】
【0430】 例XVII:細胞外bFGFが誘発する遺伝子的変化 ディファレンシャルディスプレイを用いて、bFGF誘発多剤耐性に関与する下流
遺伝子の同定を行った。これらの遺伝子は、bFGF誘発化学抵抗性を示す細胞株(
すなわちヒト前立腺ガンPC3細胞)におけるこれらの遺伝子の発現へのbFGFの影
響を、bFGF誘発化学抵抗性を示さない細胞株(すなわちヒト頭頸部ガンFaDu細胞
)における影響と比較することにより同定した。この方法により、PC3細胞にお
けるbFGF処理により変化したがFaDu細胞においては変化しなかった遺伝子が同定
された。同定された遺伝子は、bFGF誘発多剤耐性と関連がある可能性が高い。
【0431】 ディファレンシャルディスプレイでは、全RNAを細胞から分離し、一本鎖cDNA
に逆転写した。TとPのプライマ対を使用してPCRを行った。プライマの1対では
約50から100本のバンドが表れた。cDNAバンドが約6000本表れるTとPのプライマ
対90組を使用した。bFGF処理後、PC3細胞において密度の増減のいずれかが見ら
れたバンドは14本だった。これらのバンドのうち5本がPC細胞においては再現
可能に変化したが、FaDu細胞はそうならなかった。これらのバンドをゲルから切
り出し、再増幅してpGEM-Tベクタにクローニングした。9種類の異なるクローン
を同定し、配列決定した。遺伝子配列をNCBIジェンバンクのデータと比較した。
比較の結果、5種類のクローンは過去に報告された遺伝子に一致し、4種類のク
ローンは未報告のもので新規遺伝子の可能性があった。薬物耐性ガン細胞用のプ
ライマを合成した。9種類のクローンのうち、5種類はbFGF処理により再現可能
に変化したが、残りの4種類のクローンにはbFGFは影響しなかった。既知の遺伝
子のうちの2種類、TSC22及びVEGFの発現は、20から40%増加したが、三種類の
新規遺伝子(仮にFSC-1、FSC-2、及びFSC-3と命名する)の発現は、65%、300%及
び40%誘発された。TSC22及びVEGFがbFGFによって調節されるかどうかは不明であ
る。
【0432】 転写因子TFII-Iの発現も、細胞外bFGFによって上方調節されることが明らかに
なった。ディファレンシャルディスプレイ、クローニング及びシーケンシング技
術を用いて、ヒトPAC及びBACクローンの数セグメントと部分的(すなわち60%)
にしか一致が見られない別のcDNA(256bp)を同定し、これは未報告の遺伝子であ
ることが示唆された。
【0433】 等価物 当業者であれば、ごく通常の実験を用いるのみで、ここに説明された本発明
の特定の実施例の等価物を数多く認識し、又は確認できることであろう。このよ
うな等価物は、以下の請求の範囲の包含するところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 腫瘍培養物から採取した調整培地(CM)を使用したラットMAT-LyLu腫
瘍細胞の単層培養物における、パクリタキセル、ドキソルビシン、及び5-フルオ
ロウラシルに対する耐性の誘発を示すグラフである。薬物耐性の誘発は、処理サ
ンプルのブロモデオキシウリジン(BrdU)取り込みを対照と比較して測定し、増殖
活性の変化として検出した。上段:原発性腫瘍のCM。中段:リンパ節転移腫瘍の
CM。下段:肺転移腫瘍のCM。各段において、CMなしの対照(白丸)、組織培養物
CMの添加(黒丸)、初期単層培養物の添加(第0代、黒四角)、後期単層培養物
のCMの添加(第3代、黒逆三角)。原発性腫瘍培養物のCMの曲線と後期単層転移
腫瘍培養物の曲線は対照曲線と重なっている。ヒトPC3腫瘍細胞についても類似
の結果が得られた。
【図2】 aFGF/bFGFの阻害または除去によるCM誘発耐性の逆転を示すグラフで
ある。 図2Aは、表示のように、aFGFまたはbFGFに対するモノクローナル抗体を用いて
、CM誘発耐性の逆転(処理済みサンプルのBrdU取り込みの変化を対照サンプルと
比較して測定することにより、MAT-LyLu細胞の増殖活性の変化として検出)を示
している。CM源はaFGF実験については肺組織培養物、bFGF実験については初期単
層肺培養物であった。この研究には4種類の対照、すなわち、CMなし(左側の実
曲線、白丸)、aFGFまたはbFGF抗体5mg/mlを添加するがCMなし(黒逆三角、左側
の対照曲線と重なっている)、CMを添加するが抗体なし(右側実曲線、白四角)
、CM及び非特異性抗体IgGの添加(5mg/ml、黒菱形、右側CM-対照曲線と重なって
いる)を用いた。点曲線は右から左へ向かって、aFGFまたはbFGF抗体の添加で濃
度が0.05mg/mlの場合(黒丸)、濃度0.1mg/mlの場合(黒四角)、濃度1または0.
5mg/mlの場合(黒三角)、及び5mg/mlの場合(白逆三角)である。ヒトPC3前立
腺腫瘍細胞についても類似の結果が見られた。 図2Bは、(a)免疫沈降によってaFGF及び/またはbFGFを除去することによるド
キソルビシンへのCM誘発耐性の逆転、及び(b)ヒト組換えたんぱく質(0.16ng/ml
r-aFGF及び/または0.9ng/ml r-bFGF)を用いたFGF免疫沈殿CMの再構築による
耐性の回復、を示す。この研究はラットMAT-LyLu腫瘍細胞を使用して行われた。
CM誘発耐性の逆転は、処理済みサンプルのBrdU取り込みの変化を対照サンプルと
比較して測定して検出した。CM源は、aFGF及びbFGFのいずれについても肺組織培
養物であった。この研究には二種類の対照、つまり、CMなし(左側実曲線、白丸
)、及びCMあり(右側実曲線、白四角)を使用した。左上はCMからbFGFを引いた
もの(黒四角)、CMからaFGFを引いてr-aFGFを加えたもの(黒丸、右側CM-対照
曲線と重なる)。右上はCMからbFGFを引いたもの(黒四角、左側対照曲線と重な
る)、CMからbFGFを引いてr-bFGFを加えたもの(黒丸、右側CM対照曲線と重なる
)。左下はCMからaFGF及びbFGFを引いたもの(黒四角)及びCMからaFGF及びbFGF
を引いてaFGFを加えたもの(黒丸)で、曲線は、両方とも左側対照曲線と重なる
。中央下は、CMからaFGF及びbFGFを引いたもの(黒四角、左対照曲線と重なる)
、CMからaFGF及びbFGFを引いてr-bFGFを加えたもの(黒丸)。右下は、CMからaF
GF及びbFGFを引いたもの(黒四角、左側対照曲線と重なる)、CMからaFGF及びbF
GFを引いてr-aFGF及びr-bFGFを加えたもの(黒丸、右側CM-対照曲線と重なる)
【図3】 CM欠如下で、r-aFGF単独使用、r-bFGF単独使用、またはr-aFGFとr-
bFGFの併用による、ヒト前立腺PC3腫瘍細胞におけるパクリタキセル、ドキソル
ビシン、及び5-フルオロウラシルへの耐性の誘発を示すグラフである。この研究
は、ヒト前立腺PC3腫瘍細胞(ここに示す)及びラットMAT-LyLu腫瘍細胞を用い
て行われた。FGFによる耐性の誘発は、処理済みサンプルのBrdU取り込みの変化
を対照サンプルに対して測定することにより検出した。この研究には2種類の対
照、CMなし(左側実曲線、白丸)、肺組織培養物のCMあり(右側実曲線、白四角
)を使用した。上段は、r-aFGFを1 ng/ml(黒丸)、10 ng/ml(黒四角)、50 ng
/ml(黒逆三角)を添加したもの。点曲線3本はすべて左側対照曲線と重なる。
中段は、r-bFGFを添加したもの。点曲線は左から右に向かって、1 ng/ml(黒丸
、左側対照曲線と重なる)、10 ng/ml(黒四角)、及び50 ng/ml(黒逆三角、右
側CM-対照曲線と重なる)である。下段、r-aFGF/r-bFGFを併用添加したもの。点
曲線は左から右に向かって、0.04及び1 ng/ml(黒四角、左側対照曲線と重なる
)、0.08及び1 ng/ml(白菱形)、0.16及び1 ng/ml(黒逆三角)、0.32及び1 ng
/ml(黒丸)、及びそれぞれ1ng/ml(白逆三角)。ラットMAT-LyLu腫瘍細胞につ
いても類似の結果を得た。
【図4】 ドキソルビシン処理に起因する細胞死滅に対するFGF誘発耐性を示
すグラフである。PC3細胞における薬物誘発細胞死は、培養培地への乳酸脱水素
酵素(LDH)の放出によって監視する。結果は、処理済みサンプルと未処理サンプ
ルの比として表す。対照サンプルの値の変化は10%未満であった。曲線は、上か
ら下に向かって、CMまたはFGFなし(白丸)、aFGF 0.9 ng/mlの添加(黒逆三角
、上部対照曲線と重なる)、bFGF 0.9 ng/mlの添加(黒丸)、aFGF 0.16 ng/ml
及びbFGF 0.9 ng/mlの添加(黒菱形)、肺腫瘍組織培養物のCM(白四角)、aFGF
0.9 ng/ml及びbFGF 0.9 ng/ml(黒四角)。パクリタキセル及び5-フルオロウラ
シルにも類似の結果が見られた。
【図5】 ラットMAT-LyLu腫瘍細胞、ヒト前立腺PC3及びPC3-LN腫瘍細胞にお
けるスラミンの濃度上昇の細胞毒性を示す、グラフ3つである。これらの結果は
、スラミンが、1から15マイクロモル濃度の場合、測定可能な細胞毒性(すなわ
ち、BrdU取り込みの減少が10%未満)を生じなかったことを示す。対応するIC50
値(すなわち、BrdU取り込みが50%減となるのに必要なスラミン濃度)は、ラッ
ト腫瘍細胞では235マイクロモル、PC3細胞では93マイクロモル、PC3-LN細胞では
98マイクロモルである。
【図6】 インビトロ条件下における、ドキソルビシン、パクリタキセル、及
び5-フルオロウラシルの細胞毒性の促進を示す、グラフ3つを示す。この研究は
、ラットMAT-LyLu腫瘍細胞(ここに示す)及びヒト前立腺PC3及びPC3-LN腫瘍細
胞を用いて行われた。細胞毒作用は、処理済みサンプルのBrdU取り込みの変化を
対照サンプルと比較して測定して検出した。この研究には2種類の対照、つまり
、CMもスラミンもなし(左側実曲線、白丸)、肺組織培養物のCMはあるがスラミ
ンはなし(右側実曲線、白四角)を用いた。点曲線は右から左に向かって、スラ
ミンの添加が5mM(黒丸)、10mM(黒四角)、及び15mM(黒逆三角)。PC3及びPC3-LN
細胞についても類似の結果を得た。
【図7】 塊状ヒト前立腺PC3異種移植片腫瘍を皮下に有する免疫不全マウスに
おけるドキソルビシン活性がスラミンに媒介されて促進されたことを示す二つの
グラフである。 図7Aは、処理時間に対する腫瘍重量の変化(初期重量に対する実験重量として
表示)を示す。 図7Bは、処理時間に対する動物の体重の変化を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/00 A61P 17/06 39/395 35/00 A61P 17/06 35/02 35/00 35/04 35/02 43/00 121 35/04 A61K 37/02 43/00 121 37/43 (31)優先権主張番号 60/172,031 (32)優先日 平成11年12月23日(1999.12.23) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/187,445 (32)優先日 平成12年3月7日(2000.3.7) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,S E,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT ,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA, ZW (71)出願人 ウィンティーズ エム ジュローム アメリカ合衆国 43235 オハイオ州 コ ロンバス パームリーフコート 2287 2287 Palmleaf Court, Columbus, OH 43235 U. S. A. (72)発明者 オウ ジェシー エル エス アメリカ合衆国 43235 オハイオ州 コ ロンバス、パームリーフコート 2287 (72)発明者 ウィンティーズ エム ジュローム アメリカ合衆国 43235 オハイオ州 コ ロンバス、パームリーフコート 2287 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA03 AA20 BA03 DB70 MA02 MA52 MA55 MA59 MA60 MA63 NA05 ZA891 ZB261 ZB271 ZC032 ZC751 4C085 AA03 AA14 CC23 4C086 AA01 AA02 EA27 MA02 MA04 MA52 MA55 MA56 MA59 MA63 NA05 ZA89 ZB26 ZB27 ZC75 4C206 AA01 AA02 HA30 MA02 MA04 MA72 MA75 MA76 MA79 MA80 MA83 NA05 ZA89 ZB26 ZB27 ZC75

Claims (77)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被験体に少なくとも一つの細胞傷害性作用因子を投与すること
    と、 被験体に少なくとも一つのFGFアンタゴニストを投与することと を含み、前記FGFアンタゴニストが、前記FGFアンタゴニストの非存在下での前記
    細胞傷害性作用因子の効果に比較して、前記細胞傷害性作用因子の効果を高める
    、被験体における細胞傷害性作用因子の効果を向上させる方法。
  2. 【請求項2】 一緒にしたときに、高増殖性細胞の成長又は増殖を阻害するの
    に効果的である量、又は、高増殖性細胞の死を誘導するのに効果的である量、の
    少なくとも一つの細胞傷害性作用因子及び少なくとも一つのFGFアンタゴニスト
    を、被験体に投与することを含む、被験体において高増殖性細胞の成長又は増殖
    を阻害する方法。
  3. 【請求項3】 一緒にしたときに、腫瘍細胞の成長又は増殖を阻害するのに効
    果的である量の少なくとも一つの細胞傷害性作用因子及び少なくとも一つのFGF
    アンタゴニストを、被験体に投与することを含む、被験体において腫瘍細胞の成
    長又は増殖を阻害する、又は、腫瘍細胞の死を誘導する、方法。
  4. 【請求項4】 一緒にしたときに、樹立腫瘍の成長又は増殖を減じる又は阻害
    するのに効果的である量、樹立腫瘍の細胞死を誘導するのに効果的である量、又
    は、樹立腫瘍の大きさを減じるのに効果的な量、の少なくとも一つの細胞傷害性
    作用因子及び少なくとも一つのFGFアンタゴニストを、ヒトの被験体に投与する
    ことを含む、ヒトの被験体において腫瘍細胞の望ましくない成長又は増殖を阻害
    する、又は、腫瘍細胞の殺生を誘導する、方法。
  5. 【請求項5】 一緒にしたときに、腫瘍細胞の成長又は増殖を阻害するのに効
    果的である量、又は、腫瘍の細胞死を誘導するのに効果的である量、の少なくと
    も一つの細胞傷害性作用因子及び少なくとも一つのFGFアンタゴニストを、被験
    体に投与することを含み、前記FGFアンタゴニストがスラミン以外である、被験
    体において腫瘍細胞の成長又は増殖を阻害する、又は、腫瘍細胞の死を誘導する
    、方法。
  6. 【請求項6】 一緒にしたときに、樹立腫瘍の成長又は増殖を減じる又は阻害
    するのに効果的である量、樹立腫瘍の細胞死を誘導するのに効果的である量、又
    は、樹立腫瘍の大きさを減じるのに効果的な量、の少なくとも一つの細胞傷害性
    作用因子及び少なくとも一つのFGFアンタゴニストを、被験体に投与することを
    含み、前記樹立腫瘍が、肺癌、腎細胞癌、神経膠腫、黒色腫、化学療法抵抗性腫
    瘍、及び転移性腫瘍からなる群より選択される、被験体において樹立腫瘍の望ま
    しくない増殖を阻害する、又は、樹立腫瘍の殺生を誘導する、方法。
  7. 【請求項7】 一緒にしたときに、樹立肺腫瘍の成長又は増殖を減じる又は阻
    害するのに効果的である量、肺樹立腫瘍の細胞死を誘導するのに効果的である量
    、又は、樹立肺腫瘍の大きさを減じるのに効果的な量、の少なくとも一つの細胞
    傷害性作用因子及び少なくとも一つのFGFアンタゴニストを、被験体に投与する
    ことを含む、被験体において樹立腫瘍の望ましくない増殖を阻害する、又は、樹
    立腫瘍の殺生を誘導する、方法。
  8. 【請求項8】 前記FGFアンタゴニストが、bFGF阻害剤又はaFGF阻害剤を含ん
    で成る、請求項1、2、3、4、又は5のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記FGFアンタゴニストが、bFGF阻害剤及びaFGF阻害剤を含ん
    で成る、請求項1、2、3、4、又は5のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記FGFアンタゴニストが、FGF分子又はFGF受容体に結合す
    ることができる、請求項1、2、3、4、又は5のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記FGFアンタゴニストがタンパク質又はペプチドである、
    請求項1、2、3、4、又は5のいずれかに記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記FGFアンタゴニストがモノクローナル抗体又はその抗原
    結合フラグメントである、請求項1、2、3、4、又は5のいずれかに記載の方
    法。
  13. 【請求項13】 前記モノクローナル抗体が抗FGF抗体である、請求項12に
    記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記アンタゴニストが、切端されたFGF分子、又は、その一
    フラグメントである、請求項10に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記FGFアンタゴニストがスラミンである、請求項4又は6
    のいずれかに記載の方法。
  16. 【請求項16】 総スラミン暴露量が一日当たり52マイクロモル未満である
    、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 総スラミン暴露量が一日当たり252マイクロモル未満であ
    る、請求項15に記載の方法。
  18. 【請求項18】 スラミンを、約0.1から100μg/mlの間の濃度にな
    る量、投与する、請求項15に記載の方法。
  19. 【請求項19】 スラミンを、約15から45μg/mlの間の濃度になる量
    、投与する、請求項15に記載の方法。
  20. 【請求項20】 スラミンの投与期間が、細胞傷害性作用因子を投与する最後
    の日から後の180日未満に終了する、請求項15に記載の方法。
  21. 【請求項21】 スラミンの投与期間が、細胞傷害性作用因子を投与する最後
    の日から後の30日未満に終了する、請求項15に記載の方法。
  22. 【請求項22】 スラミンの投与期間が、細胞傷害性作用因子を投与する最初
    の日から前の180日未満に開始する、請求項15に記載の方法。
  23. 【請求項23】 スラミンの投与期間が、細胞傷害性作用因子を投与する最初
    の日から前の30日未満に開始する、請求項15に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記FGFアンタゴニストを、前記アンタゴニストの血漿中濃
    度の結果、著しい細胞周期の停止、著しい細胞死、又は、細胞成長の著しい阻害
    、を生じないようなレベルで投与する、請求項4又は6のいずれかに記載の方法
  25. 【請求項25】 前記FGFアンタゴニストを、前記アンタゴニストの血漿中濃
    度の結果、樹立腫瘍が細胞傷害性作用因子による処置に感作するようなレベルで
    投与する、請求項4又は6のいずれかに記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記FGFアンタゴニストがヘパリンである、請求項1、2、
    3、4、又は5のいずれかに記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記FGFアンタゴニストが低分子量ヘパリンである、請求項
    1、2、3、4、又は5のいずれかに記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記FGFアンタゴニストがヘパラン硫酸である、請求項1、
    2、3、4、又は5のいずれかに記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記腫瘍が、線維肉腫、筋肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原
    性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜
    肉腫、中皮腫、ユーイング腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、胃癌、食道癌、結腸癌
    、直腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮癌、頭部及び頚部の癌、皮膚
    癌、脳の癌、扁平上皮癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢腺癌、髄様癌、気管支
    癌、腎細胞癌、ヘパトーム、胆道癌、絨毛上皮腫、精上皮腫、胎児性癌、ウィル
    ムス腫瘍、子宮頸癌、睾丸癌、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、膀胱癌、上皮
    癌、グリオーマ、星状細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣細胞腫、松果
    体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽腫、網膜
    芽細胞腫、白血病、リンパ腫、又はカポジ肉腫からなる群より選択される、請求
    項3、4、又は5のいずれかに記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記樹立腫瘍が、FGF分子が発現している組織又は細胞;aFG
    F、bFGF又はその両方に接触しているか、又は、暴露している組織又は細胞;及
    び、FGFを産生している組織又は細胞、からなる群より選択される組織又は細胞
    から形成される癌を含んで成る、請求項4に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記高増殖性疾患が、FGF分子が発現している組織又は細胞
    ;aFGF、bFGF又はその両方に接触しているか、又は、暴露している組織又は細胞
    ;及び、FGFを産生している組織又は細胞、からなる群より選択される組織又は
    細胞から形成される望ましくない成長を含んで成る、請求項2に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記被験体がほ乳類である、請求項1、2、3、4、又は5
    のいずれかに記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記被験体がヒトである、請求項32に記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記細胞傷害性作用因子が、抗微小管剤、トポイソメラーゼ
    I阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤、アルキ
    ル化剤、インターカレート剤、シグナル伝達経路に干渉できる薬剤、アポトーシ
    ス及び/又はネクローシスを促進する薬剤、インターフェロン、インターロイキ
    ン、腫瘍壊死因子、及び放射線からなる群より選択される、請求項1、2、3、
    4、又は5のいずれかに記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記細胞傷害性作用因子が、パクリタキセル、インターフェ
    ロンアルファ、ゲムシタビン、フルダラビン、イリノテカン、カルボプラチン、
    シスプラチン、タキソテル、ドキソルビシン、エピルビシン、5-フルオロウラシ
    ル、UFT、タモキシフェン、ゴセレリン、ケトコナゾール、抗Her2/neu受容体、
    抗CD20、ロイプロリド(ルプロン)及びフルタミドである、請求項34に記載の
    方法。
  36. 【請求項36】 前記細胞傷害性作用因子及びFGFアンタゴニストを同時に投
    与する、請求項1、2、3、4、又は5のいずれかに記載の方法。
  37. 【請求項37】 反復的な投薬量の同じ又は異なる細胞傷害性作用因子を投与
    する、請求項1、2、3、4、又は5のいずれかに記載の方法。
  38. 【請求項38】 反復的な投薬量の同じ又は異なるFGFアンタゴニストを投与
    する、請求項1、2、3、4、又は5のいずれかに記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記細胞傷害性作用因子を非経口、経口、局所局部、鼻孔、
    直腸、局所、又は経皮投与する、請求項1、2、3、4、又は5のいずれかに記
    載の方法。
  40. 【請求項40】 前記FGFアンタゴニストを非経口、経口、局所局部、鼻孔、
    直腸、局所、又は経皮投与する、請求項1、2、3、4、又は5のいずれかに記
    載の方法。
  41. 【請求項41】 前記FGFアンタゴニストを被験体に投与する前に、被験体のF
    GFレベルを観察することをさらに含む、請求項1、2、3、4、又は5のいずれ
    かに記載の方法。
  42. 【請求項42】 被験体に投与するFGFアンタゴニスト量を、少なくとも部分
    的に、前記FGFアンタゴニストを投与する前に前記観察ステップで調べた、被験
    体中のFGFレベルに基づいて決定する、請求項41に記載の方法。
  43. 【請求項43】 前記FGFアンタゴニストが、樹立腫瘍に対する前記細胞傷害
    性作用因子の効果を高める、請求項1に記載の方法。
  44. 【請求項44】 細胞傷害性作用因子に対する腫瘍細胞の化学療法抵抗性が阻
    害されるよう、前記腫瘍細胞にFGFアンタゴニストを投与することを含む、前記
    細胞傷害性作用因子に対する腫瘍細胞の化学療法抵抗を阻害する方法。
  45. 【請求項45】 前記腫瘍細胞が被験体内にある、請求項44に記載の方法。
  46. 【請求項46】 前記腫瘍細胞が、被験体の樹立腫瘍内にある、請求項45に
    記載の方法。
  47. 【請求項47】 前記FGFアンタゴニストが特異的FGF阻害剤である、請求項4
    4に記載の方法。
  48. 【請求項48】 良性の増殖性組織の異常な成長又は増殖が関与する疾患を処
    置又は防止する方法であって、一緒にしたときに、前記組織の成長又は増殖を阻
    害するのに効果的な量、又は、高増殖性細胞の死を誘導するのに効果的な量、の
    少なくとも一つの細胞傷害性作用因子及び少なくとも一つの特異的FGF阻害剤に
    、前記組織を接触させることを含む、方法。
  49. 【請求項49】 前記疾患が、乾癬、嚢胞、良性の前立腺過形成、及び子宮内
    膜症からなる群より選択される、請求項48に記載の方法。
  50. 【請求項50】 前記疾患が、口腔乳頭腫、口又は咽頭の中心巨細胞肉芽腫、
    口腔の良性のセメント芽細胞腫、口内斑点、胃のポリープ、胃の腺腫、小腸腺腫
    、小腸肉芽腫、小腸乳頭腫、小腸膨大細胞腫、小腸神経鞘腫、結腸ポリープ、結
    腸腺腫、クローン病、肝腺腫、肝硬変、胆管乳頭腫症、膵臓腺腫、膵管過形成、
    腎膨大細胞腫、腎乳頭腫、膀胱の腺腫、膀胱マラコプラキー、膀胱偽肉腫、子宮
    内膜症、良性の前立腺過形成、陰茎の紅色肥厚症、陰門、膣、又は子宮頸のポリ
    ープ及び乳頭腫、子宮内膜のポリープ、腺腫、乳頭腫、又は平滑筋腫、卵巣嚢胞
    、乳房の線維嚢胞症、乳房の脂肪腫、硬化性腺疾患、血管腫、乳房の腺管過形成
    、線維腺腫、腺筋上皮腫、過誤腫、皮膚の母斑、遺伝性皮膚症、骨の線維症、線
    維性骨異形成症、軟骨形成不全症、硬化性骨形成不全、軸性骨軟化症、線維形成
    不全、骨腫、類骨骨腫、骨芽腫、骨軟骨腫、内軟骨腫、軟骨粘液線維腫、軟骨芽
    腫、滑膜脂肪腫、内分泌器の腺腫、甲状腺腫、グレーブズ病、副腎腺腫、副腎ME
    N I症候群、及び副腎骨髄脂肪腫からなる群より選択される、請求項48に記載
    の方法。
  51. 【請求項51】 細胞傷害性作用因子による細胞の殺生を抑制する、又は、細
    胞傷害性作用因子が起こす損傷から細胞の増殖能を防御する方法であって、少な
    くとも一つのFGFアゴニストを有効量、被験体に投与することにより、前記細胞
    傷害性作用因子による損傷から細胞を防御する、又は、この損傷を軽減すること
    を含み、前記細胞が、体表面又は体腔の細胞及び造血細胞からなる群より選択さ
    れ、前記細胞傷害性作用因子が放射線以外の作用因子である、方法。
  52. 【請求項52】 前記体表面が、胃腸管の内張である、請求項51に記載の方
    法。
  53. 【請求項53】 bFGF、aFGF、又は、この両方の組合せ、を投与する、請求項
    51に記載の方法。
  54. 【請求項54】 前記少なくとも一つのFGFアゴニストを経口又はエクスビボ
    投与する、請求項51に記載の方法。
  55. 【請求項55】 細胞傷害性作用因子による毛嚢細胞の細胞殺生を阻害する、
    又は、毛嚢細胞の増殖能を、細胞傷害性作用因子による損傷から防御する方法で
    あって、有効量の少なくとも一つのFGFアゴニストを被験体に投与することで、
    前記細胞傷害性作用因子から毛嚢細胞を防御する、又は、毛嚢細胞への損傷を減
    じることを含み、前記FGFアゴニストの投与が、前記FGFアゴニストの著しい全身
    投与とはならない、方法。
  56. 【請求項56】 前記少なくとも一つのFGFアゴニストを局所投与する、請求
    項55に記載の方法。
  57. 【請求項57】 少なくとも一つのFGFアンタゴニストと、少なくとも一つの
    細胞傷害性作用因子と、薬学的に容認可能な担体とを含んで成る医薬組成物であ
    って、前記FGFアンタゴニストが、高増殖性細胞の増殖を減じる又は阻害する上
    で、又は、高増殖性細胞の殺生を高める上で、前記細胞傷害性作用因子の効果を
    高めるのに効果的な量、存在する、医薬組成物。
  58. 【請求項58】 前記医薬組成物が、bFGFの阻害剤;aFGFの阻害剤、又は、bF
    GF阻害剤及びaFGF阻害剤を含む、請求項57に記載の方法。
  59. 【請求項59】 少なくとも一つのFGFアゴニストと、薬学的に容認可能な担
    体とを含んで成り、前記FGFアゴニストが、前記細胞傷害性作用因子から、急速
    に分裂中の細胞を防御するのに効果的な量、又は、急速に分裂中の細胞の損傷を
    減じるのに効果的な量、存在する、医薬組成物。
  60. 【請求項60】 前記FGFアゴニストが、bFGF;aFGF;又はbFGF及びaFGF、又
    は、これらの一フラグメントもしくは類似体を含んで成る、請求項59に記載の
    医薬組成物。
  61. 【請求項61】 FGFポリペプチドと、薬学的に容認可能な担体とを、新生物
    疾患に対して被験体を免疫処置するのに効果的な量、含んで成るワクチン。
  62. 【請求項62】 FGF受容体由来ポリペプチドと、薬学的に容認可能な担体と
    を、新生物疾患に対して被験体を免疫処置するのに効果的な量、含んで成るワク
    チン。
  63. 【請求項63】 FGFのその受容体への結合を促すプロテオグリカンの一フラ
    グメントと、薬学的に容認可能な担体とを、新生物疾患に対して被験体を免疫処
    置するのに効果的な量、含んで成るワクチン。
  64. 【請求項64】 薬学的担体内に調合されたFGFアンタゴニストと、適宜、一
    個又はそれ以上の別々の製剤中に調合された少なくとも一つの細胞傷害性作用因
    子と、を含んで成る、FGFアンタゴニストを、他の細胞傷害性作用因子と併用投
    与するためのキット。
  65. 【請求項65】 薬学的担体内に調合されたFGFアゴニストと、適宜、一個又
    はそれ以上の別々の製剤中に調合された少なくとも一つの細胞傷害性作用因子と
    、を含んで成る、FGFアゴニストを、他の細胞傷害性作用因子と併用投与するた
    めのキット。
  66. 【請求項66】 被験体の増殖性疾患を診断する方法であって、 被験体からの試料を提供することと、 一つ又はそれ以上のFGF遺伝子又は遺伝子産物の前記試料中での発現を評価す
    ることと、を含んで成り、前記一つ又はそれ以上のFGF遺伝子又は遺伝子産物の
    レベルが増加又は減少していることが、前記疾患の存在又は非存在の指標となる
    、方法。
  67. 【請求項67】 前記FGF遺伝子又は遺伝子産物のうちの前記一つ又はそれ以
    上が、bFGF、aFGF、TSC22、VEGF、GAFA1、GAFA2、GAFA3、及びTFII-Iからなる群
    より選択される、請求項66に記載の方法。
  68. 【請求項68】 前記疾患が悪性疾患である、請求項66に記載の方法。
  69. 【請求項69】 テスト生物を提供することと、 前記処置を前記テスト生物に投与することと、 一つ又はそれ以上のFGf遺伝子の発現を評価することと を含み、前記処置を行った試料中の前記一つ又はそれ以上のFGF遺伝子又は遺伝
    子産物のレベルが、処置を行わない発現レベルに比較して、変化していることが
    、前記疾患を処置する上でのその化合物の効果の指標となる、増殖性疾患を処置
    する処置の効果を評価する方法。
  70. 【請求項70】 前記FGF遺伝子又は遺伝子産物のうちの前記一つ又はそれ以
    上が、bFGF、aFGF、TSC22、VEGF、GAFA1、GAFA2、GAFA3、及びTFII-Iからなる群
    より選択される、請求項69に記載の方法。
  71. 【請求項71】 患者からの試料を提供することと、 一つ又はそれ以上のFGF遺伝子の発現を評価することと を含み、処置前の発現レベルに比較して、処置後に得られた試料中で前記一つ又
    はそれ以上のFGF遺伝子又は遺伝子産物のレベルが、減少又は増加していること
    が、前記疾患の処置の効果の指標となる、患者における増殖性疾患の処置の効果
    を評価する方法。
  72. 【請求項72】 前記FGF遺伝子のうちの前記一つ又はそれ以上が、bFGF、aFG
    F、TSC22、VEGF、GAFA1、GAFA2、GAFA3、及びTFII-Iからなる群より選択される
    、請求項71に記載の方法。
  73. 【請求項73】 一つ又はそれ以上のFGF遺伝子又は遺伝子産物のレベルを評
    価することを含み、対照に比較して、一つ又はそれ以上のFGF遺伝子又は遺伝子
    産物のレベルが増加又は減少していることが、細胞傷害性作用因子に対する耐性
    の存在の指標となる、細胞傷害性作用因子に対する腫瘍の耐性レベルについて、
    試料を分析する方法。
  74. 【請求項74】 前記試料が、望ましくない増殖を有する組織の試料である、
    請求項73に記載の方法。
  75. 【請求項75】 前記FGF遺伝子又は遺伝子産物が、bFGF、aFGF、TSC22、VEGF
    、GAFA1、GAFA2、GAFA3、及びTFII-Iからなる群より選択される、請求項73に
    記載の方法。
  76. 【請求項76】 被験体からの試料を提供することと、 一つ又はそれ以上のFGF遺伝子の発現を評価することと を含み、対照に比較して、前記一つ又はそれ以上のFGF遺伝子又は遺伝子産物の
    レベルが増加又は減少していることが、疾患の一段階の指標となる、被験体の増
    殖性疾患を段階付ける方法。
  77. 【請求項77】 前記一つ又はそれ以上のFGF遺伝子が、bFGF、aFGF、TSC22、
    VEGF、GAFA1、GAFA2、GAFA3、及びTFII-Iからなる群より選択される、請求項7
    3に記載の方法。
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