JP2003342890A - 強力の優れた複合合成紙およびその製造方法 - Google Patents

強力の優れた複合合成紙およびその製造方法

Info

Publication number
JP2003342890A
JP2003342890A JP2002153955A JP2002153955A JP2003342890A JP 2003342890 A JP2003342890 A JP 2003342890A JP 2002153955 A JP2002153955 A JP 2002153955A JP 2002153955 A JP2002153955 A JP 2002153955A JP 2003342890 A JP2003342890 A JP 2003342890A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
synthetic paper
core
sheath
polyethylene
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002153955A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsu Takahashi
達 高橋
Toshihiro Ogino
敏広 荻野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Priority to JP2002153955A priority Critical patent/JP2003342890A/ja
Publication of JP2003342890A publication Critical patent/JP2003342890A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙の特徴である柔軟性や、通気性を低下させ
ることなく、引裂強力に代表される強度や衝撃耐性に通
じる伸び特性を大きく向上した合成紙を提供する。 【解決手段】 ポリエチレンを鞘成分とし、芯成分に鞘
成分より30℃以上高い融点を有する高融点重合体を配
した芯鞘型長繊維からなる不織布の片面または両面に、
ポリオレフィン合成パルプからなる合成紙が積層され
て、少なくとも不織布を構成するポリエチレンが溶融ま
たは軟化することにより両層が一体化していることを特
徴とする強力の優れた複合合成紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】合成紙としては、従来からポリオレフィ
ンや塩化ビニルあるいはポリスチレンなどの熱可塑性合
成樹脂フィルムからなるものやポリオレフィンなどの合
成パルプをベースとした抄紙からなるものが知られてい
る。これらは、天然パルプからなるいわゆる天然紙が有
する印刷適正等の特性を有しながら、天然紙の欠点であ
った耐水性を補うことで、天然紙では性能上満たされる
ことができなかった用途へ展開されている。
【0002】しかしながら、前者においては、フィルム
がゆえ、通気性に劣るという欠点があり、また、後者の
合成パルプからなる抄紙においては、さらに幅広い用途
へ展開していくためには、さらなる機械的強度の向上が
望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、紙の特徴で
ある柔軟性や、通気性を低下させることなく、上記の問
題、すなわち、引裂強力に代表される強度や衝撃耐性に
通じる伸び特性を大きく向上した合成紙を提供するもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成すべく、鋭意検討の結果、本発明に到達した。
【0005】すなわち、本発明は、ポリエチレンを鞘成
分とし、芯成分に鞘成分より30℃以上高い融点を有す
る高融点重合体を配した芯鞘型長繊維からなる不織布の
片面または両面に、ポリオレフィン合成パルプからなる
合成紙が積層されて、少なくとも不織布を構成するポリ
エチレンが溶融または軟化することにより両層が一体化
していることを特徴とする強力の優れた複合合成紙を要
旨とするものである。
【0006】また、本発明は、ポリエチレンを鞘成分と
し、芯成分に鞘成分より30℃以上高い融点を有する高
融点重合体を配した芯鞘型長繊維からなる不織布の片面
または両面に、ポリオレフィン合成パルプからなる合成
紙を積層した積層体を、一対の熱ロール間に通して、加
熱、加圧することにより、少なくとも不織布を構成する
ポリエチレンを溶融または軟化させ、両層を一体化する
ことを特徴とする強力の優れた複合合成紙の製造方法を
要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いる芯鞘型長繊維から
なる不織布は、合成紙の強度等を向上させるための補強
材となるものである。
【0008】芯鞘型長繊維の鞘成分を構成するポリエチ
レンとしては、高密度ポリエチレンの他、中密度ポリエ
チレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ンなどが挙げられる。
【0009】芯鞘型長繊維の芯成分は、鞘成分より30
℃以上高い融点を有する高融点重合体を配する。鞘成分
との融点差が30℃未満であると、合成紙との積層一体
化の際の熱加工処理により、芯成分までもが熱の影響を
受けて、繊維の形態が維持されず、本発明の目的を達成
することができなくなり好ましくない。
【0010】芯成分に配する高融点重合体としては、ポ
リエステル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリプロピ
レン系重合体が挙げられる。なかでも、強力の優れたポ
リエステル系重合体を用いることが好ましく、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートや、
あるいは主繰り返し単位がエチレンテレフタレートから
なり、従来公知のイソフタル酸やアジピン酸等の酸成分
や、プロピレングリコールやジエチレングリコール等の
グリコール成分が共重合してなる共重合ポリエステルが
挙げられる。本発明においては、特にポリエチレンテレ
フタレートを芯成分に配することが好ましい。
【0011】鞘成分を構成するポリエチレン、芯成分を
構成する高融点重合体には、必要に応じて、酸化防止剤
や紫外線吸収剤、顔料、艶消剤等の添加剤を繊維の形成
性に支障をきたさない程度加えてもよい。特に、酸化チ
タンや炭酸カルシウムなどの無機化合物などを、添加す
ることにより、例えば、複合合成紙の隠蔽性や白度の向
上、印刷性の向上が期待できるため、より好ましい。
【0012】芯鞘型長繊維における鞘成分と芯成分との
複合比(質量比)は、8/2〜2/8であることが好ま
しい。鞘成分の比率が8/2を超えると、補強材として
の十分な強力が得られなくなるため、本発明の目的が達
成できない傾向となる。一方、鞘成分の比率が2/8未
満となると、合成紙との接着剤となる成分が減少するた
め、合成紙との一体性に劣るものとなる。
【0013】芯鞘型長繊維の単糸繊度は、7デシテック
ス以下であることが望ましい。7デシテックスを超える
と、得られる複合合成紙に粗硬感が生じるために好まし
くない。一方、単糸繊度の下限については特に限定しな
いが、1デシテックス程度とする。単糸繊度が1デシテ
ックス未満となると、通気性が劣る傾向となり、また、
補強材としての十分な強力が得られなくなるため、本発
明の目的が達成できにくい。
【0014】芯鞘型長繊維の断面形状は、通常の円形断
面のほか、異形断面であっても構わないが、特に高度な
表面平滑性を求められる場合には、扁平度(長軸と短軸
との比)が2〜20程度の扁平断面形状を有する長繊維
を用いることがより好ましい。
【0015】本発明に用いる不織布の目付は、10〜7
0g/m2であること好ましい。10g/m2未満である
と、得られる複合合成紙の引裂強力等が十分に向上せ
ず、本発明が目的とするものが得られにくい。一方、7
0g/m2を超えると、複合合成紙としての柔軟性と通
気性を維持できない傾向となる。
【0016】本発明に用いる合成紙は、ポリオレフィン
合成パルプから構成される。ここで、ポリオレフィンと
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成パルプ
が好ましい。また、合成紙においては、ポリオレフィン
合成パルプ以外に、針葉樹パルプ等の天然パルプや、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、ナイロン等からなるショ
ートカット繊維を混合したものであってもよい。
【0017】合成紙は、公知の抄造機を用いて、抄紙法
により得られたものを用いればよい。すなわち、合成紙
の構成素材となるポリオレフィン合成パルプ、あるい
は、ポリオレフィン合成パルプに天然パルプやショート
カット繊維を混合したものを水に分散して紙料を調整
し、場合によっては、バインダー樹脂を加えてもよい。
得られた紙料は、公知の抄紙法により抄紙し、乾燥させ
て合成紙とする。乾燥させる際は、熱風乾燥機を用いる
とよい。また、乾燥後に加熱・加圧ロールを通すことに
より、合成紙の一部を熱溶融させて、より強力を向上さ
せてもよい。
【0018】本発明の複合合成紙は、前記芯鞘型長繊維
からなる不織布の片面または両面に、前記合成紙が積層
され、少なくとも不織布を構成するポリエチレンが溶融
または軟化することにより両層が一体化している。
【0019】本発明の複合合成紙は、以下の製造方法に
より得ることができる。
【0020】ポリエチレンを鞘成分とし、芯成分に鞘成
分より30℃以上高い融点を有する高融点重合体を配し
た芯鞘型長繊維からなる不織布の片面または両面に、ポ
リオレフィン合成パルプからなる合成紙を積層した積層
体を、一対の熱ロール間に通して、加熱、加圧すること
により、少なくとも不織布を構成するポリエチレンを溶
融または軟化させ、両層を一体化する。このときの加熱
温度は、不織布を構成するポリエチレンを溶融または軟
化させる温度であって、不織布を構成する高融点重合体
の繊維形態を維持できる温度とする。
【0021】不織布を構成するポリエチレンと、合成紙
を構成するポリオレフィン系重合体とは、相溶性が良好
であるため、溶融または軟化したポリエチレンにより、
不織布と合成紙は、強固に積層一体化し、両者の境界面
は、ほぼ無くなる。したがって、本発明の複合合成紙
は、不織布と合成紙との層間を剥離させようとも層間の
剥離は生じず、材料剥離の状態となる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。本実施例中の各特性値は、以下のような方法にて
求めた。
【0023】(1)単糸繊度(デシテックス) 吸引装置により牽引細化した繊維について電子顕微鏡を
用いて、密度補正を行いもとめた。 (2)引張強力(N) JIS P 8113 (3)伸度(%) JIS P 8113、JIS P 8132 (4)引裂強力(N) JIS P 8116
【0024】実施例1 ポリエチレンテレフタレート(融点256℃)を芯成
分、高密度ポリエチレン(融点130℃)を鞘成分と
し、複合比が1/1(質量比)である円形断面の芯鞘型
複合長繊維を溶融紡出し、エアーサッカーにて単糸繊度
3デシテックスになるよう引き取り、延伸後のフィラメ
ントをネット上に、単位面積(m2)当りの質量が20
gの不織ウエブとなるように捕集した。得られた不織ウ
エブをエンボスロールとスムースロールからなる熱エン
ボス装置にて熱圧着して不織布を得た。
【0025】一方、ポリエチレン合成パルプ(70質量
%)と、ポリプロピレン(芯)/ポリエチレン(鞘)か
らなる芯鞘複合型のショートカットファイバー(30質
量%)とからなる合成紙であって、単位面積(m2)当
りの質量が30gのものを用意した。
【0026】得られた不織布の両面に前記合成紙を積層
し、この積層体を一対の平滑ロール(ロール表面温度を
125℃に設定)からなる熱ロール間に通して、加熱・
加圧し、複合合成紙を得た。
【0027】得られた複合合成紙の物性は、引張強力7
1.7N(タテ方向)、23.1N(ヨコ方向)、伸度
39.3%(タテ方向)、49.6%(ヨコ方向)、引
裂強力1.67Nであり、機械的強力に優れたものであ
り、また、不織布と合成紙との層の境界はなく、一体化
したものであった。
【0028】比較例1 実施例1において、不織布を構成する芯鞘型複合長繊維
に変えて、ポリエチレンテレフタレート単一成分からな
る長繊維を用いたこと以外は、実施例1と同様にして複
合合成紙を得た。
【0029】得られた複合合成紙は、不織布層と合成紙
層とが、十分に複合一体化されてなく、容易に剥離する
ことができ、本発明の目的とするものではなかった。
【0030】
【発明の効果】本発明の複合合成紙によれば、鞘成分に
ポリエチレンを配した特定の芯鞘型長繊維不織布と、ポ
リオレフィン合成パルプからなる合成紙とが積層され、
不織布を構成するポリエチレンを介して両層が一体化し
ているものである。不織布は、長繊維からなり、また、
芯成分が繊維形態を維持しているので強力に優れるた
め、合成紙の補強材の役割を担い、得られる複合合成紙
は、引張強力、引裂強力等の機械的強力に優れ、また、
衝撃耐性に通じる伸び特性に優れる。
【0031】また、補強材となる不織布は、通気性およ
び柔軟性に優れたものであるため、合成紙の通気性、柔
軟性を損なうことはなく、これを維持した状態で複合合
成紙を得ることができる。
【0032】また、不織布と合成紙とが一体化するため
の接着成分となる鞘成分がポリエチレンであり、合成紙
を構成するポリオレフィン合成パルプとの相溶性に優れ
るため、得られる複合合成紙は、層間の剥離が生じるこ
となく一体化している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D04H 3/14 D04H 3/14 A D21H 27/38 D21H 27/38 Fターム(参考) 4F100 AK03B AK04A AK41A BA02 DG02B DG10B DG15A DG20A EC03 EJ19 GB71 JK01 JK08 JK10 4L047 AA14 AA21 AA27 AB03 AB10 BA09 CA07 CB01 4L055 AF15 AF33 AF47 AJ01 BE14 EA20 FA13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンを鞘成分とし、芯成分に鞘
    成分より30℃以上高い融点を有する高融点重合体を配
    した芯鞘型長繊維からなる不織布の片面または両面に、
    ポリオレフィン合成パルプからなる合成紙が積層され
    て、少なくとも不織布を構成するポリエチレンが溶融ま
    たは軟化することにより両層が一体化していることを特
    徴とする強力の優れた複合合成紙。
  2. 【請求項2】 芯鞘型長繊維を構成する芯成分がポリエ
    チレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1
    記載の複合合成紙。
  3. 【請求項3】 ポリエチレンを鞘成分とし、芯成分に鞘
    成分より30℃以上高い融点を有する高融点重合体を配
    した芯鞘型長繊維からなる不織布の片面または両面に、
    ポリオレフィン合成パルプからなる合成紙を積層した積
    層体を、一対の熱ロール間に通して、加熱、加圧するこ
    とにより、少なくとも不織布を構成するポリエチレンを
    溶融または軟化させ、両層を一体化することを特徴とす
    る強力の優れた複合合成紙の製造方法。
JP2002153955A 2002-05-28 2002-05-28 強力の優れた複合合成紙およびその製造方法 Pending JP2003342890A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002153955A JP2003342890A (ja) 2002-05-28 2002-05-28 強力の優れた複合合成紙およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002153955A JP2003342890A (ja) 2002-05-28 2002-05-28 強力の優れた複合合成紙およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003342890A true JP2003342890A (ja) 2003-12-03

Family

ID=29770864

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002153955A Pending JP2003342890A (ja) 2002-05-28 2002-05-28 強力の優れた複合合成紙およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003342890A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017078243A (ja) * 2015-10-22 2017-04-27 ユニチカ株式会社 積層不織布およびその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017078243A (ja) * 2015-10-22 2017-04-27 ユニチカ株式会社 積層不織布およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5133835A (en) Printable, high-strength, tear-resistant nonwoven material and related method of manufacture
US5246772A (en) Wetlaid biocomponent web reinforcement of airlaid nonwovens
WO2001090481A1 (fr) Papier multicouche pelable en au moins deux feuilles minces
KR102343534B1 (ko) 부직포, 및 이것을 표피재로서 이용한 복합 흡음재
KR20140000244A (ko) 고효율 필터
GB2160475A (en) A soft nonwoven laminate
JPWO2013147051A1 (ja) 不織繊維シート及びその製造方法並びにフィルター
JP2009000843A (ja) 複合吸音材
JP5199537B2 (ja) ポリ乳酸系複合繊維及びこれを用いた不織布とクッション材
US5403444A (en) Printable, high-strength, tear-resistant nonwoven material and related method of manufacture
JP3017097B2 (ja) 複合紙及びその製造方法
EP0042150B1 (en) Bulky non-woven fabric of polybutylene terephthalate continuous filaments
JP2006241654A (ja) ポリエステル湿式不織布および繊維製品
JP2003342890A (ja) 強力の優れた複合合成紙およびその製造方法
JP4671883B2 (ja) 食品液抽出用複合繊維シート
JP4692229B2 (ja) 積層シート
JPH1018154A (ja) 積層体
JP2000226738A (ja) 複合繊維及びこの複合繊維を用いた繊維シート
KR101009750B1 (ko) 폴리에스테르 장섬유 스펀본드 부직포 및 이의 제조방법
JPH081078Y2 (ja) 合成紙
JPH0534931Y2 (ja)
JPH11131352A (ja) 水切り濾過用不織布
JP4303163B2 (ja) 感熱孔版原紙用ポリエステル繊維薄葉紙
JPH10245759A (ja) 積層された起毛調不織布
WO2007035525A2 (en) Method for producing synthetic non-woven reinforced natural fiber substrates