JP2003342201A - 遺伝子細胞治療剤 - Google Patents

遺伝子細胞治療剤

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JP2003342201A
JP2003342201A JP2003077314A JP2003077314A JP2003342201A JP 2003342201 A JP2003342201 A JP 2003342201A JP 2003077314 A JP2003077314 A JP 2003077314A JP 2003077314 A JP2003077314 A JP 2003077314A JP 2003342201 A JP2003342201 A JP 2003342201A
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cells
cell
hhgf
nih3t3
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Keiichi Fukuda
恵一 福田
Yoshiki Sawa
芳樹 澤
Toshiichi Nakamura
敏一 中村
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CARDIO CORP
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 目的疾患治療用遺伝子及び細胞死誘導剤
の標的遺伝子を発現可能に保持してなる細胞を含有する
遺伝子細胞治療剤;並びに当該細胞と細胞死誘導剤を組
み合せてなる遺伝子細胞治療剤キット。 【効果】 本発明の遺伝子治療用細胞は、目的疾患治療
用遺伝子が発現することは確認済みであり、生体内に投
与すれば理論上100%の効率で目的疾患治療用遺伝子が
発現する。また、目的疾患の治療効果を確認した後、前
記遺伝子治療用細胞に組み込まれた細胞死誘導剤の標的
遺伝子に対応する細胞死誘導剤を投与すれば、この細胞
に対して選択的に細胞死誘導剤が作用し、この細胞の死
滅を誘導できるので、この細胞を生体内から消失させる
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、治療効率が高く、
かつ遺伝子療法の制御が可能な遺伝子細胞治療剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】遺伝子
治療には、患者の細胞を採取して、体外で目的疾患治療
用遺伝子を導入した後、再移植する手法(ex vivo法)
と、遺伝子直接導入法(直接法)とがある。このうち、
直接法は、ex vivo法に比べて簡便性、普遍性等の利点
を有することから、開発がさかんに行われている。しか
し、プラスミドベクターやウイルスベクターは、体内に
おける標的細胞へのトランスフェクション効率が低く、
遺伝子発現が制御できない等の欠点がある。
【0003】これに対し、ex vivo法は、目的遺伝子の
発現効率は高いものの、自家移植が原則であることか
ら、細胞の調製に長い時間と多額の経費を要すること、
免疫拒絶反応を抑制する必要があること、また一旦移植
した細胞の増殖を制御ができない等の欠点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】従って、本発明の目的
は、ex vivo法による遺伝子治療の欠点を改善するこ
と、すなわち、遺伝子発現効率が高く、かつ治療後の細
胞を制御でき、自家移植を必要としない遺伝子細胞療法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は、種々
検討した結果、一つの細胞に目的疾患治療用遺伝子及び
細胞死誘導剤の標的遺伝子をトランスフェクションし、
これらの両遺伝子が発現可能に保持された細胞を用いれ
ば、移植後の目的疾患治療用遺伝子の発現効率が原則と
して100%であることから治療効率が高く、治療終了後
に細胞死誘導剤を投与すれば当該細胞の死滅を誘導可能
であり、複数回の投与を行わなければ、自家移植によら
なくとも免疫拒絶反応が生じないことから異種移植も可
能になることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、目的疾患治療用遺伝
子及び細胞死誘導剤の標的遺伝子を発現可能に保持して
なる細胞を含有する遺伝子細胞治療剤を提供するもので
ある。また、本発明は、目的疾患治療用遺伝子及び細胞
死誘導剤の標的遺伝子を発現可能に保持してなる細胞、
並びに細胞死誘導剤を組み合せてなる遺伝子細胞治療剤
キットを提供するものである。さらに、本発明は、目的
疾患治療用遺伝子及び細胞死誘導剤の標的遺伝子を発現
可能に保持してなる細胞を、ヒトを含む動物に投与し、
目的疾患治療用遺伝子発現後細胞死誘導剤を投与するこ
とを特徴とする遺伝子細胞治療法を提供するものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる細胞は、目的
疾患治療用遺伝子と細胞死誘導剤の標的遺伝子とを発現
可能に保持してなる細胞である。ここで、目的疾患治療
用遺伝子としては、目的疾患治療用タンパク全長をコー
ドするDNA、目的疾患治療用タンパク部分長をコードす
るDNA等が挙げられる。
【0008】ここで目的疾患治療用タンパクとしては、
細胞増殖因子、サイトカイン等が挙げられる。ここで、
サイトカインには、ケモカインも含まれ、その例として
は、腫瘍壊死因子(TNF)、インターロイキン類、リンホ
カイン、GCSF、MCSF、GMCSF、SCF、MCP-1等が挙げられ
る。細胞増殖因子には、狭義の細胞増殖因子及び各種成
長因子が含まれる。さらには各種の血管形成誘導因子、
神経成長誘導因子、骨形成誘導因子、軟骨形成誘導因
子、組織修復因子が含まれる。血管形成誘導因子として
は、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、線維芽細胞増殖因子
(FGF)、アンギオポイエチン、肝細胞増殖因子(HGF)、組
織修復因子等が挙げられる。成長因子としては、各種の
細胞成長因子、例えばエリスロポエチン、神経細胞成長
因子、軟骨形成因子、骨形成因子(BMP等)等が挙げられ
る。また部分長タンパクは活性部分ポリペプチド、生体
内タンパクの拮抗物質として働く不活型のリガンドや細
胞内シグナル伝達ドメインを欠失させた受容体が挙げら
れる。
【0009】これらのタンパクをコードする遺伝子のう
ち、血管形成誘導因子をコードするDNA、例えばVEGF、F
GF、アンギオポイエチン、HGF等をコードするDNAが特に
好ましい。これらの血管形成誘導因子をコードするDNA
を用いれば、心筋梗塞、狭心症等の虚血性心疾患や末梢
循環障害に対する血管形成遺伝子治療が可能となる。
【0010】細胞死誘導剤の標的遺伝子は、遺伝子治療
後に、外来性の細胞死誘導剤を投与して、前記細胞を選
択的に死滅させるためのものであるから、正常細胞には
存在しない遺伝子であって、外来性の細胞死誘導剤の標
的遺伝子であるのが望ましい。当該細胞死誘導剤として
は、細胞を壊死(直接壊死及び増殖抑制による壊死も含
む)又は自然死させる成分、例えば抗ウイルス剤、抗癌
剤、アポトーシス促進剤等の標的遺伝子が好ましい。よ
り具体的には、単純ヘルペスウイルスのチミジンキナー
ゼ遺伝子、水痘ウイルスのチミジンキナーゼ、大腸菌の
シトシンデアミナーゼが挙げられる。これらの遺伝子を
用いた場合の抗ウイルス剤としてはアシクロビル、ガン
シクロビル、6-メトシキプリン、アラビノヌクレオシ
ド、抗癌剤としては5-フルオロシトシン等が挙げられ
る。
【0011】これらの遺伝子が導入されるべき細胞とし
ては、生体内で増殖可能な細胞であれば特に限定されな
いが、目的疾患部位の細胞又はそれに近似した細胞が好
ましい。本発明においては、本発明による遺伝子治療が
効率が高いことから短期間の投与で十分な治療効果が得
られる可能性が高い。かかる短期間の投与による治療を
行う場合には、当該細胞は、自家細胞、すなわち患者由
来の細胞である必要はなく、同種細胞あるいは異種細胞
でもよい。
【0012】本発明の遺伝子治療用細胞は、例えば、細
胞に目的疾患治療用遺伝子発現プラスミドをトランスフ
ェクションして、永続的なトランスフェクションが生じ
た細胞を選択し、この細胞にさらに細胞死誘導剤の標的
遺伝子発現プラスミドをトランスフェクションして、永
続的なトランスフェクションが生じた細胞を選択するこ
とにより調製できる。
【0013】ここで発現プラスミドの調製に用いられる
発現ベクターとしては、動物細胞の発現ベクターとして
用いられているものであれば特に制限されず、例えばpU
C-SRα、pGK、pcDNA3.1、pCMV-Script、pBK-CMV/pBK-RS
V、pcDNA6/TR等が挙げられる。これらの発現ベクターに
目的遺伝子を組み込むには、通常の制限酵素とDNAライ
ゲースを用いればよい。また、永続的なトランスフェク
ションの有無を確認するには、各種薬剤耐性遺伝子の導
入と、当該薬剤存在下の培養による選択によって行うこ
とができる。
【0014】また、最終的に得られた細胞が、目的遺伝
子を発現するか否かは、mRNAの発現と発現タンパクの産
生を確認することにより行うことができる。mRNAの発現
はRT-PCR法により行うことができ、発現タンパクの産生
は、免疫学的測定法により行うことができる。
【0015】かくして得られた本発明の遺伝子治療用細
胞は、目的疾患治療用遺伝子が発現することは確認済み
であり、生体内に投与すれば理論上100%の効率で目的
疾患治療用遺伝子が発現する。また、目的疾患の治療効
果を確認した後、前記遺伝子治療用細胞に組み込まれた
細胞死誘導剤の標的遺伝子に対応する細胞死誘導剤を投
与すれば、この細胞に対して選択的に細胞死誘導剤が作
用し、この細胞を死滅させることができるので、この細
胞を生体内から消失させることができる。また使用する
細胞は基本的に同種あるいは異種の細胞であるので、本
細胞移植以後に開始した免疫抑制剤を中止すれば、すみ
やかに拒絶反応により消失する。
【0016】本発明による遺伝子治療用細胞は、疾患部
位への局所投与が特に好ましい。投与量は、疾患の種
類、症状等により異なるが、目的疾患治療用遺伝子の発
現効率が高いので、計算して投与することができる。投
与にあたっては、これらの細胞は各種緩衝剤、生理食塩
液等に分散して投与するのが好ましい。また、治療後細
胞を消失させるための細胞死誘導剤は、当該細胞死誘導
剤に用いられている投与手段により、投与することがで
きる。例えば、抗ウイルス剤等の場合、臨床的に認めら
れている投与量を認められている投与手段により投与す
ればよい。
【0017】本発明の遺伝子細胞治療剤キットは、前記
の遺伝子治療用細胞と細胞死誘導剤とを組み合せてなる
が、前述のように細胞死誘導剤としては抗癌剤、抗ウイ
ルス剤等の市販のものを用いてもよい。
【0018】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれに何ら限定されるものではない。
【0019】A.方法 (1)細胞培養 NIH3T3細胞は、10%ウシ胎児血清(FBS)とペニシリン
(100μg/ml)/ストレプトマイシン(250ng/ml)/ア
ンフォテリシンB(85μg/ml)を添加したDubecco修正Ea
gle培地(DMEM)中で、5%CO2を含む加湿大気下、37℃
にて培養し、3日ごとに継代した。
【0020】(2)hHGFおよびチミジンキナーゼ(T
K)遺伝子の安定なトランスフェクション HGF cDNAは、pUC-SRα発現ベクタープラスミドのNotI部
位に挿入した(Nakamura, T. et al, Nature 1989; 342:
440-443、Hayashi, S. et al, Biochem. Biophys. Re
s. Commun. 1996; 220: 539-545)。単純ヘルペスウイル
スのTK遺伝子は、pGK発現ベクタープラスミドのEcoRI-H
indIII部位に挿入した(Adra CN et al,Gene 1987; 60:
65-74: Mcknight SL, Nucleic Acids Res. 1980; 8: 59
49-5964)。pPURおよびpcDNA3.1/Hygro(+)は、それぞれ
ピューロマイシンおよびハイグロマイシン耐性を真核細
胞に与える。これらのプラスミドは、両者のDNA分子が
完全に組み込まれた組換え体を選択する目的で、別のプ
ラスミドとコトランスフェクションすることができる。
トランスフェクションにはEffectene試薬(QIAGEN)を
用いた。pUC-SRα/hHGFとpPURをNIH3T3細胞にコトラン
スフェクションしたのち、ピューロマイシン非耐性細胞
をピューロマイシン(3μg/ml)で除去し、hHGF産生細
胞を選択した(NIH3T3+hHGF)。次に、pGK/TKおよびpcD
NA3.1/Hygro(+)プラスミドを、NIH3T3+hHGF細胞に同様
にコトランスフェクションした。ハイグロマイシン非耐
性細胞をハイグロマイシン(200μg/ml)で除去し、ヒ
トHGFとTKを産生している細胞を選択した(NIH3T3+hHGF
+TK)。
【0021】(3)逆転写ポリメラーゼチェインリアク
ション(RT-PCR) HGF mRNAの発現はRT-PCRにより解析した。TRIzol試薬
(GIBCOBRL, Gaithersburg, Maryland, USA)を用い
て、成熟マウス肝およびNIH3T3細胞から全RNAを抽出し
た。hHGF用に使用したプライマーは、フォワード:5'-G
CCTCTGGTTCCCCTTCAATAG-3'、リバース:5'-CCATGAGACCT
CGATAACTCTCC-3'である(Ueda H, Ann. Thorac.Sarg; 19
99; 67: 1726-1731)。PCR条件は次のとおりだった:変
性94℃30秒のあと、アニーリング55℃60秒および伸長72
℃60秒。PCR産物は3%NuSieveアガロースゲルにて電気
泳動し、臭化エチジウム染色後観察した。
【0022】(4)hHGFの酵素結合免疫吸着アッセイ NIH3T3細胞を6cmディッシュに1×106細胞/ディッシュ
の密度となるように蒔き、48時間培養した。10%FBSを
添加した新しいDMEM 2mlで培地を交換し、24時間培養し
たのち、培地中のHGF産生を抗hHGFモノクローナル抗体
(Institute ofImmunology, Tokyo, Japan)を用いるEL
ISAで測定した(Hayashi S,et al, Circ.1999: 100[Supp
l. II]: II-301-II-308、Nakamura Y. et al, Biochem.
Biophys. Res. Commun. 1995; 215: 483-488、Yamada
A, et al, Biomed. Res. 1995; 16: 105-114)。抗体に
交差反応性がないため、このELISAシステムはhHGFのみ
を特異的に検出する。
【0023】(5)マウス虚血後肢モデル 研究で使用された全ての実験手順とプロトコールは、
「慶應大学医学部動物管理使用委員会」の審査・承認を
受けており、NIH Guide for the Care and Use of Labo
ratory Animals「実験動物の管理使用に関するNIH指
針」に準拠したものである。NIH3T3細胞移植に対する生
理学的反応をマウス虚血後肢モデル(Couffimhal T, et
al, Am. J. Pathol. 1998; 152: 1667-1679、Murohara
T, et al, J.Clin. Invest. 1998; 101: 2567-2578)で
検討した。同一週齢(8週)のオスBALB/cヌードマウス
(18〜32g)(Japan CLEA, Tokyo, Japan)をジエチル
エーテルで麻酔した。左後肢中央の大腿動脈直上部に皮
切を加えた。次いで大腿動脈を静かに露出し、大腿動脈
の近位部を7-0絹縫合糸で結紮した。動脈を覆う皮膚を4
-0絹縫合糸で閉鎖した。
【0024】(6)hHGF持続産生NIH3T3細胞の移植 上記の後肢虚血モデルマウス(n=124)を無作為に3群に
分割した。実験実施中に死亡したマウスはなかった。対
照群には0.2ml生理食塩液(n=14)またはNIH3T3(n=1
4)を投与し、実験群(n=96)にはNIH3T3+hHGF+TKを投
与した。各細胞は0.2ml DMEMに懸濁し、手術後第1日に
虚血大腿骨格筋の2つの異なる箇所に移植した。細胞移
植ないし生理食塩液注入後、第4週の時点で虚血肢組織
の血管新生と側副血管形成を解析した。
【0025】(7)レーザードップラー血液潅流解析 虚血(左)/正常(右)後肢の血液潅流率は、レーザー
ドップラー潅流イメージ(LDPI)システム(Mmoor LDI,
Moor Instruments, USA)(Murohara T, et al, J. Cli
n. Invest, 1998; 101: 2567-2578、Shintani, S, et a
l, Circ. 2001;103: 897-903)を用いて測定した。血液
潅流が少ない部位や無い部位は濃青色で示され、潅流間
隔が最高の部位は赤〜白で示される。
【0026】(8)病理組織学的検査 側副血管は、後肢筋より作成された切片における微小血
管の数を測定することにより、光学顕微鏡的に評価し
た。細胞移植から4週後に、頸部脱臼により動物を屠殺
した。骨を注意深く除去したのち、全後肢筋を約5つの
小片としてさいの目状に切り、OCT混合物(Miles Inc.,
Elkhart, IN)に包埋し、液体窒素中で瞬間凍結して、
使用時まで-80℃で保存した。クリオスタット上で、組
織標本から7μmの厚さの横断切片を切り出した(Takeshi
ta S, et al, J. Clin. Invest. 1994; 93: 662-672)。
内皮細胞検出のための免疫組織化学的染色は、ウサギ抗
ヒトvon Willebrand因子(vWF)およびセイヨウワサビ・
ペルオキシダーゼを結合させた不活性ポリマー担体(DA
KO JAPAN CO., Ltd.)を用いて実施した(Hayashi S, et
al,Circ. 1999; 100[Suppl.II]: II-301-II-308)。組織
切片は2%パラホルムアルデヒドで5分間固定したのち、
更に3%メタノールで15分間固定した。内因性のペルオ
キシダーゼ活性をブロックするために、切片を3%過酸
化水素水中で10分間インキュベートした。適切に希釈し
た抗体との切片のインキュベーションは、室温で1時間
行った。染色には、過酸化水素を0.0225%の濃度で含む
0.05mol/lトリス緩衝食塩液(pH7.6)中に溶解した0.05
% 3,3'-ジアミノベンジジン・4塩酸塩(DAB、褐色反応
生成物)とともに、切片を10分間インキュベートした。
後染色には、切片をMayerのヘマトキシリン液(Wako Pu
re Chemical Industries, Ltd.,Japan)と3分間インキ
ュベートし、流水蒸留水で洗滌したのちマウントした。
【0027】(9)微小血管造影 側副血管の形成状況を血管造影で評価した。血管造影手
順は、つくば市の国立高エネルギー物理学研究所フォト
ンファクトリーにて実施した。このイメージングシステ
ムの詳細は文献に従った(Takeshita S, et al, J. Cli
n. Invest. 1994; 93: 662-670、Takeshita S, et al,
Circ. 1997; 95: 805-808)。簡単に説明すると、これは
単色シンクロトロン放射光と空間分解能30μmの高解像
度ビデオシステムを用いたものである。マウスはペント
バルビタールナトリウム(50μg/g)で麻酔した。ポリ
エチレンカテーテルを小切開創から右総頸動脈にカニュ
ーレ挿入した。血管造影は、総量1mlの非イオン性造影
剤を血管造影用自動注入器を用いて注入することにより
行い、後肢血管のイメージをデジタルイメージとしてコ
ンピューターに保存した。血管造影スコアの計算には、
各血管造影図の上に固定グリッドを重ね、造影血管の総
数を数えた。
【0028】(10)ガンシクロビルによる増殖阻害アッ
セイ 9-(1,3-ジヒドロキシ-2-プロポキシメチル)グアニン
(ガンシクロビル)はTKにより活性化され、適当な濃度
のガンシクロビルはTK発現細胞を選択的に抑制する(Sme
e DF., et al, Antimicrob. Agents, Chemother. 1983;
23: 676-682、Cho HS et al, Acta. Oncol. 1997; 38:
1093-1097)。NIH3T3+hHGFないしNIH3T3+hHGF+TK細胞を
6ウエルプレートに、1×105細胞/ウエルとなるように
蒔き、24時間培養した。10% FBSを添加した新しいDMEM
2.5mlで培地を交換したのち、0〜1mg/mlの範囲のガン
シクロビルで細胞を72時間処理した。細胞を新しいDMEM
で洗滌し、トリプシン処理したのち、生細胞数を数え
た。
【0029】(11)移植細胞による腫瘤形成とガンシク
ロビルおよびTKによる腫瘤形成阻害 虚血後肢モデルマウス(n=42)を無作為に2群に分割し
た。さまざまな数(1×104、1×105、1×106、1×107
2×107、および4×107)のNIH3T3+hHGF+TK細胞を虚血後
肢モデルマウスに移植し、生理食塩液(ビークル)0.1m
lを毎日経口投与して4週間維持した(対照群、n=27)。
ガンシクロビル投与群では、4×107のNIH3T3+hHGF+TK細
胞を同様に移植し、2週間維持したのち、ガンシクロビ
ル50μg/gを1日1回、2〜4週間経口投与した(n=15)。
【0030】(12)統計処理 値は平均値±SDで示した。平均値の差の有意性をANOVA
で検討した。対照群と投与群の統計学的比較は、ノンパ
ラメトリックFisher多重比較検定を用いて行った。有意
と考えられるレベルはp<0.05とした。
【0031】B.結果 (1)永続的にトランスフェクションされたNIH3T3細胞
におけるhHGF mRNAの発現 永続的hHGFトランスフェクションNIH3T3細胞は、ピュー
ロマイシン処理後2週間の時点で採取し、TKトランスフ
ェクションNIH3T3+hHGF細胞は、更に2週間ハイグロマイ
シンで処理したのち採取した。hHGF mRNAの発現につい
て解析を行った。hHGF cDNA発現プラスミドおよびマウ
ス肝を、それぞれ陽性、陰性対照として用いた。NIH3T3
+hHGFおよびNIH3T3+hHGF+TK細胞の両者でhHGF mRNAが発
現されていることを確認した(図1)。
【0032】hHGF遺伝子をトランスフェクションしたNI
H3T3細胞におけるhHGF mRNAの発現は、成熟マウス肝
(2)、NIH3T3(3)、NIH3T3+hHGF(4)およびNIH3T3+h
HGF+TK(5)から調製した全RNAを用いてRT-PCRで解析し
た。プライマーセットはhHGFは特異的に検出するが、マ
ウスHGFは検出しない。hHGF cDNA発現プラスミド(pUC-S
Rα/hHGF)(1)を陽性対照として用いた。MはΦXHaeIII
分子サイズマーカーを示す。
【0033】(2)NIH3T3+hHGFおよびNIH3T3+hHGF+TK
細胞におけるhHGFタンパク質の産生 hHGFタンパク質の産生は、調整培地を用いてELISAで測
定した。野生型NIH3T3細胞では調整培地中にhHGFは検出
されなかった。永続的にトランスフェクションされたNI
H3T3細胞からは、hHGFタンパク質が分泌されていること
を確認した。NIH3T3+hHGFおよびNIH3T3+hHGF+TK細胞
は、hHGFタンパク質をそれぞれ17.3±1.4および19.1±
2.0pg/106細胞/24時間の割合で産生していた(図
2)。使用した抗体はマウスHGFとは交差反応しなかっ
た。図2の値は、細胞数で補正したHGF濃度として表す。
各群ともn=5。p<0.001対NIH3T3。
【0034】(3)ガンシクロビルによる増殖阻害アッ
セイ hHGFが、さまざまなタイプの細胞の細胞増殖、細胞運動
性、形態形成を制御していることはよく知られている。
hHGF発現プラスミドのトランスフェクションが、NIH3T3
細胞自身の細胞増殖に影響を与える可能性を調べるため
に、対照細胞とhHGFトランスフェクションNIH3T3細胞の
in vitroの細胞数を測定した(図3)。hHGFプラスミド
のNIH3T3細胞へのトランスフェクションは、細胞の増殖
速度をわずかに上昇させるようであるが、第3日の時点
では有意ではなかった。NIH3T3+hHGF細胞へのTK遺伝子
のトランスフェクションは、それらの増殖速度に影響を
与えなかった。
【0035】次に、NIH3T3+hHGFおよびNIH3T3+hHGF+TK
細胞に対するガンシクロビルの増殖阻害作用について検
討した(図4)。NIH3T3+hHGF細胞の生存率は、10-6g/ml
濃度のガンシクロビルでは影響を受けず、10-7g/mlを超
える濃度では用量相関的に阻害された。これに対して、
NIH3T3+hHGF+TK細胞の生存率はガンシクロビルが、10 -8
g/mlを超える濃度で低下し、10-6g/mlを超える濃度では
ほとんど全ての細胞が生存不能だった。NIH3T3+hHGF+TK
細胞に対するガンシクロビルのIC50は、NIH3T3+hHGF細
胞に対するIC50の約1000倍低かった。これらの所見よ
り、TKプラスミド遺伝子が効率よくトランスフェクショ
ンされたこと、そして、ガンシクロビルを、対照細胞に
は影響を与えない10-6g/mlの濃度で用いると、TK遺伝子
を発現している細胞はほとんど生存不能であることが確
認された。図4中、各群ともn=5である。
【0036】NIH3T3+hHGF+TK細胞にガンシクロビルを用
いた後の該細胞の膜におけるEGFP蛍光を検出した
(図5)。細胞死はアポトーシスによることが示され
た。
【0037】(4)hHGF産生細胞療法は、マウス虚血後
肢モデルにおける血管新生と側副血管形成を促進した。
hHGF産生細胞の移植が虚血後肢の潅流を改善するかどう
かを評価するために、細胞移植後4週間における虚血後
肢の壊死率を算定した。後肢の虚血は、足部壊死、足指
壊死、または壊死なしの3群に分類した。足部または足
指の壊死率は、生理食塩液注入マウス(対照)では、そ
れぞれ35.7%と42.9%だった。pUC-SRα/hHGF群におけ
る足部及び足指の壊死率は、それぞれ20.0%と40.0%であ
り、アデノウィルスベクタープラスミドAd.CA-hHGF群に
おける足部及び足指の壊死率は、それぞれ10.0%と40.0%
だった。NIH3T3細胞移植群における足部及び足指の壊死
率は、それぞれ14.3%と35.7%で、細胞移植そのものも
虚血肢の潅流をある程度改善する可能性が示唆された。
これに対して、NIH3T3+hHGF+TK群における足部及び足指
の壊死率は、それぞれ5.8%と14.5%だった(図6)。NI
H3T3+hHGF+TK群では、移植により壊死率は驚異的に低下
し、hHGF産生細胞移植が虚血肢モデルを改善する有効な
方法であることが示された。
【0038】(5)微小血管造影 壊死率の成績は、hHGF産生細胞の移植が、in vivoの虚
血後肢の血管新生と側副血管形成を促進することを示し
た。次に、細胞移植の4週後に虚血後肢の微小血管造影
を施行した。代表的な血管造影図と血管造影スコアをそ
れぞれ図7及び図8に示した。hHGF産生細胞の移植は、側
副血管形成を強く誘導した。これらの側副血管の直径は
約0.15mmで小動脈のレベルと考えられた。
【0039】更に、虚血肢の皮膚を剥離して、表層の動
脈や静脈も観察した。径が大きく長い血管は、NIH3T3+h
HGF+TK細胞移植群の虚血肢では観察できたが、NIH3T3群
には認められなかった(図9)。
【0040】(6)微小血管の密度とサイズ 虚血後肢の骨格筋のvWF(von Willebrand因子)に対する
免疫染色の代表的な顕微鏡写真を図10a〜iに示す。免疫
染色は、NIH3T3+hHGF+TK移植群(図10c,d)では、非常に
多数の微小血管の存在を明瞭に示したが、生理食塩液注
入群(図10a)およびNIH3T3移植群(図10b)では微小血管の
数は少なかった。骨格筋の血管形成において、移植細胞
を囲む領域(図10e)と移植細胞から離れた領域(ひ腹
筋、図10f)とで有意な差異はなかった。定量的な解析
では、虚血部位の微小血管密度は、NIH3T3+hHGF+TK移植
群では、他の2群よりも有意に高いことがわかった(図1
1)。更に、vWF陽性微小血管の最大径は他の2群よりも
有意に大きかった(図12)。
【0041】(7)血管の成熟 血管の成熟を、虚血骨格筋の3つの連続した凍結部分を
染色することにより調べた。驚くべきことに、NIH3T3+h
HGF+TK移植群においては血管の殆どはvWF及びα-SMA共
に陽性であった(図10g,h、図13)。しかし、弾性線維陽
性細胞は、生理食塩液注入群及びNIH3T3移植群と比べて
増加していなかった(図10i,図13)。この発見は、NIH3T3
+hHGF+TK細胞移植治療が、毛細管レベルだけでなく微小
血管(細動脈)レベルにおいても血管形成を強く誘発し
たが、大きい血管レベルにおいては血管形成を行わない
ことを示す。
【0042】(8)レーザードップラー血液潅流 虚血後肢の皮下血液潅流を解析するために、LDPI解析を
実施した。代表的なイメージを図14a〜fに示す。大腿動
脈結紮直後には、血液潅流は後肢全域で観察されなかっ
た(a)。生理食塩液注入群およびNIH3T3細胞移植群で
は、大腿近位部の潅流は4週の時点で回復していたが、
足関節よりも遠位の後肢の潅流は著明に減少していた
(b,c)。NIH3T3+HGF+TK(104細胞)移植群では、虚血
後肢の潅流はほとんど対照(非虚血)レベルまで回復し
たが、かかとよりも遠位の潅流は対照レベルに比べてわ
ずかに減少していた(d)。NIH3T3+HGF+TK(4×107
胞)移植群では、虚血後肢の潅流は対照群の後肢よりも
はるかに大きく(e)、虚血後肢の血液潅流の回復に
は、この細胞数では多すぎるか、投与期間が長すぎるこ
とがわかった。
【0043】図15は、種々のHGF産生法についての定量
的分析結果を示す。pUC-SRα/hHGF群及びAd.CA-hHGF群
における血液灌流速度は、対照群の後肢のそれぞれ87.7
%および93.3%であり、生理食塩液注入群よりも高かっ
た。これと対照的に、NIH3T3+HGF+TK(4×107細胞)移
植群の血液灌流速度は132.6%であり、他の方法よりもず
っと高かった。図16は虚血肢における血液灌流速度は投
与量(移植細胞数)に依存して増加したことを示す。
【0044】(9)ガンシクロビルとTKを用いるin viv
o細胞制御 虚血肢の血液潅流回復を適正レベルに調節するために、
このモデルにNIH3T3+hHGF+TK細胞(4×107細胞)を移植
し、LDPIレベルを連日観察して、血液潅流のレベルが対
照レベルに達した時点(2週間)で、ガンシクロビルの
経口連日投与を開始した。この方法を用いることによ
り、虚血肢の血液潅流速度を対照肢(非虚血肢)と同じ
レベルに調節することができた(図14f)。種々の群の
虚血/非虚血肢の血液潅流速度を定量した(図17)。こ
れらの所見は、hHGF産生NIH3T3細胞の移植により、血液
潅流を対照レベルまで改善できることを示す。
【0045】図18は、血液潅流に対するガンシクロビル
の阻害作用の定量的分析結果を示す。図19に示された結
果は、4週間のガンシクロビル投与が増殖停止に充分で
あることを示唆する。ガンシクロビル投与によるアポト
ーシスのため、移植したNIH3T3+HGF+TK細胞が消失して
から少なくとも3ヶ月、改良された血液潅流が維持され
た(図20)。
【0046】1×107個以上の細胞を移植した場合、4週
の時点で境界明瞭な細胞塊(NIH3T3+hHGF+TK)を観察し
た(図21)。組織学的な検索では、注入部位に境界明瞭
な1個の細胞塊が認められたが、これらの細胞塊は隔離
されており隣接組織に浸潤していなかった(図22A)。N
IH3T3+hHGF+TK細胞の移植後2週間の時点で、2または4週
間のガンシクロビル経口連日投与を開始し、組織標本の
検索を行った(図22B,C)。NIH3T3+hHGF+TK細胞は、細
胞塊中心から徐々にアポトーシスを示し、4週の時点で
は全ての移植細胞が観察不能となった。周囲の骨格筋細
胞及び形成した血管はガンシクロビル投与の影響を受け
なかった。細胞クラスターを全体的に且つ明瞭にX-gal1
で染色した(図22D)。これらの細胞塊は非血管性腫瘍
であり、ガンシクロビル投与後に完全に消失したことか
ら、細胞塊はドナー由来であることが確認された。
【0047】上記の結果から、本発明の血管形成遺伝子
細胞療法には次のような長所があることがわかった。 (1)この血管形成遺伝子細胞療法では、これまでのVEG
F、FGFないしHGFを用いた報告に比べて、より有効な血
管新生と側副血管形成が得られた。(2)TKとガンシク
ロビルを組み合わせて用いることにより、血管新生と側
副血管形成をLDBPを観察しながら制御することが可能だ
った。(3)何らかの理由で血管形成療法を中止したい
場合には、いつでも血管形成遺伝子増殖療法を中止でき
る。(4)プラスミド又はウイルスベクターを用いる場
合のように漏出または拡散により、hHGF遺伝子が非標的
器官あるいは非標的細胞に発現される可能性がない。
(5)遺伝子のトランスフェクション効率は常に100%な
ので、血管形成効果は容易に予測可能である。これに対
して、プラスミドまたはウイルスベクターを用いる場合
には、トランスフェクション効率は常に変動する。
(6)患者に迅速な血管形成が必要な場合には、細胞ベ
クターはより優れた効果を発揮する。プラスミドないし
ウイルスベクターを用いる場合では最大発現まで1週間
を要し、最大発現の持続期間も短いからである。
【0048】
【発明の効果】本発明の遺伝子治療用細胞は、目的疾患
治療用遺伝子が発現することは確認済みであり、生体内
に投与すれば理論上100%の効率で目的疾患治療用遺伝
子が発現する。また、目的疾患の治療効果を確認した
後、前記遺伝子治療用細胞に組み込まれた細胞死誘導剤
の標的遺伝子に対応する細胞死誘導剤を投与すれば、こ
の細胞に対して選択的に細胞死誘導剤が作用し、この細
胞の死滅を誘導できるので、この細胞を生体内から消失
させることができる。さらに本法では同種細胞あるいは
異種細胞を用いるため治療中に使用していた免疫抑制剤
を中止することにより、拒絶反応により、移植細胞は完
全に消失する。
【0049】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Cardio Incorporated Fukuda, Keiichi <120> Gene-modified Cell Therapeutic Agent <130> P01081503 <150> JP 2002-078717 <151> 2002-03-20 <160> 2 <170> PatentIn version 3.1 <210> 1 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed primer based on hHGF gene <400> 1 gcctctggtt ccccttcaat a 21 <210> 2 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed primer based on hHGF gene <400> 2 ccatgagacc tcgataactc tcc 23
【図面の簡単な説明】
【図1】hHGF遺伝子をトランスフェクションしたNIH3T3
細胞におけるhHGF mRNAの発現を示す図である。(M)φ×
HaeIIIマーカー、(1)pUC-SRα/hHGF、(2)肝臓、(3)NIH3
T3、(4)NIN3T3+hHGF、(5)NIH3T3+hHGF+TK。
【図2】hHGF遺伝子をトランスフェクションしたNIH3T3
細胞におけるhHGFタンパクの産生を示す図である。
【図3】in vitroのNIH3T3細胞増殖に対するhHGFおよび
/またはTK遺伝子の影響を示す図である。各群ともn=
3。
【図4】NIH3T3+hHGF+TK細胞に対するガンシクロビルの
増殖阻害作用を示す図である。
【図5】NIH3T3+hHGF+TK細胞にガンシクロビルを用いた
後、該細胞の膜をアネキシンV-EGFPで染色してアポトー
シス細胞を撮影した図である。
【図6】虚血後肢の壊死率を示す図である。
【図7】虚血肢の血管造影図である。
【図8】NIH3T3+hHGF+TK移植群の血管造影像をスコア
化した結果を示す図である。
【図9】マウス後肢の皮膚を剥離して表層の血管を撮影
した図である。
【図10】虚血骨格筋の組織学的切片の代表的な顕微鏡
写真を示す。スケールバー、100μm。(a)生理食塩水注
入群、(b)NIH3T3移植群、(c)、(d)NIH3T3+hHGF+TK移植
群、(e)移植細胞クラスターに近い領域、(f)移植細胞か
ら離れた領域(ひ腹筋)、(g)-(i)NIH3T3+hHGF+TK移植
筋の連続した3つの凍結部分。それぞれ(g)vWF、(h)α-
SMA、(i)エラスティヤ ファンギーソン染色(EVG)につ
いて免疫組織化学的に染色したもの。
【図11】図10のいくつかの視野を無作為に観察した、
微小血管の数の定量的解析結果を示す。各群あたりn=2
0。
【図12】vWF陽性血管の最大径の分布を示す。各群と
もn=25。
【図13】3つの連続する凍結部分を使用した、血管の
成熟の比較を示す図である。vWF陽性血管の殆どはNIH3T
3+hHGF+TK移植マウス中のα-SMAを用いて染色した。n=2
0。
【図14】虚血肢LDPIの代表的イメージを示す図であ
る。a:術後第1日の対照マウス。b-f:移植後4週。b:生
理食塩液注入、c:NIH3T3(4×107細胞)移植、d:NIH3T3
+hHGF+TK(1×104細胞)移植、e:4×107細胞NIH3T3+hHG
F+TK(4×107細胞)移植。f:NIH3T3+hHGF+TK(4×107
胞)移植2週後からガンシクロビルを経口で2週間投与し
た。
【図15】虚血/非虚血肢の血液潅流率の定量的分析結
果を示す図である。(1)術後第1日の対照マウス。
(2)〜(6):移植後4週。(2):生理食塩液注入、
(3):pUC-SRα/hHGF群、(4):Ad.CA-hHGF群、(5):NIH3T
3移植群、(6):NIH3T3+hHGF+TK移植群。
【図16】移植したNIH3T3+hHGF+TK細胞の数に依存して
増加した虚血/非虚血肢における血液灌流速度を示す図
である。
【図17】種々の群における、虚血/非虚血肢の血液潅
流速度の定量的解析結果を示す図である。(1)術後第1
日の対照マウス。(2)〜(6):移植後4週。(2):生
理食塩液注入、(3):NIH3T3(4×107細胞)移植、
(4):NIH3T3+hHGF+TK(1×104細胞)移植、(5):4×1
07細胞NIH3T3+hHGF+TK(4×107細胞)移植。(6)及び
(7):NIH3T3+hHGF+TK(4×107細胞)移植2週後から、
ガンシクロビルを経腹腔的にそれぞれ2、4週間投与。
【図18】NIH3T3+hHGF+TK細胞(4×107細胞)を移植
し、その2週後、ガンシクロビル(50mg/Kg/日)をいろい
ろな時間投与した場合の虚血/非虚血肢の血液潅流速度
の定量的分析結果を示す図である。
【図19】NIH3T3+hHGF+TK細胞(4×107細胞)移植から
2週後、種々の濃度のガンシクロビルを更に2週間投与
した場合の虚血/非虚血肢の血液潅流速度の定量的分析
結果を示す図である。
【図20】NIH3T3+hHGF+TK細胞(4×107細胞)移植、及
びガンシクロビル投与後の虚血/非虚血肢の血液潅流速
度の定量的分析結果を示す図である。
【図21】NIH3T3+hHGF+TK細胞移植後の腫瘤形成率を
示す図である。
【図22】(A)-(C):NIH3T3細胞の代表的なHE染色顕微鏡
写真を示す。A:移植NIH3T3+hHGF+TK(4×107細胞)。B
とC:NIH3T3+hHGF+TK(4×107細胞)移植2週後から、GCV
を経口的にそれぞれ2ないし4週間投与した。スケールバ
ー、100μm。D:X-galで染色した細胞塊。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 敏一 大阪府高槻市高見台4−1 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA03 BA21 CA04 CA05 DA02 EA04 FA10 GA11 GA18 HA08 HA14 HA17 4C084 AA02 AA13 BA44 DB62 MA01 NA05 NA10 ZA752

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目的疾患治療用遺伝子及び細胞死誘導剤
    の標的遺伝子を発現可能に保持してなる細胞を含有する
    遺伝子細胞治療剤。
  2. 【請求項2】 目的疾患治療用遺伝子が、目的疾患治療
    用タンパク全長をコードするDNA、及び目的疾患治療用
    タンパク部分長をコードするDNAから選ばれる遺伝子で
    ある請求項1記載の治療剤。
  3. 【請求項3】 目的疾患治療用遺伝子が、細胞増殖因子
    及びサイトカインから選ばれるタンパクをコードするDN
    Aである請求項1又は2記載の治療剤。
  4. 【請求項4】 細胞死誘導剤の標的遺伝子が、抗ウイル
    ス剤の標的遺伝子、抗癌剤の標的遺伝子及びアポトーシ
    ス促進剤の標的遺伝子から選ばれる遺伝子である請求項
    1〜3のいずれか1項記載の治療剤。
  5. 【請求項5】 目的疾患治療用遺伝子及び細胞死誘導剤
    の標的遺伝子を発現可能に保持してなる細胞、並びに細
    胞死誘導剤を組み合せてなる遺伝子細胞治療剤キット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006137597A1 (ja) 2005-06-24 2006-12-28 Teijin Pharma Limited 新規生理物質nesfatinとその関連物質、およびそれらの用途

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