JP2003339645A - 医療分野におけるフォトレタッチソフトウェアを用いた画像解析方法 - Google Patents

医療分野におけるフォトレタッチソフトウェアを用いた画像解析方法

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JP2003339645A JP2002148561A JP2002148561A JP2003339645A JP 2003339645 A JP2003339645 A JP 2003339645A JP 2002148561 A JP2002148561 A JP 2002148561A JP 2002148561 A JP2002148561 A JP 2002148561A JP 2003339645 A JP2003339645 A JP 2003339645A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 体組織を撮影した画像において、従来、肉眼
では認識することができない画像部分から、初めから潜
在し今まで見落としていた情報を抽出する。 【解決手段】 透過光または反射光下で、撮影機材を用
いて体組織を撮影した動画像から2つのフレーム画像を
抜き出して、その2つの画像間の差分をとって差分画像
を取得し、その差分画像のコントラストを強調し、さら
にラップフィルムをかけたような効果を与える処理を行
う医療用画像解析処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療分野で撮影された
画像データの解析処理に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタルカメラやデジタルビデオ
カメラの発達に伴い、それらの機材で撮影したデジタル
画像データは、画素数も増大し、多くの情報が含まれて
いる。そして、それらの画像データの中において肉眼で
認識できる情報は一部であって、肉眼では認識すること
ができない隠れた情報が多数存在する。このような肉眼
では確認できなかった情報に加工処理を施すことで、そ
の隠れた情報を見ることができる。上記の様に、デジタ
ル画像データを必要に応じて加工することをフォトレタ
ッチ(英語表記photo retouch)と言い、このフォトレ
タッチを行う画像処理ソフトウェアをフォトレタッチソ
フトウェアと言う。
【0003】フォトレタッチソフトウェアは、パーソナ
ルコンピュータやワークステーションなどのコンピュー
タのアプリケーションソフトウェアとして市販されてお
り、主にデザインや写真現像などの視覚的に美感を起こ
させることを生業としている業種で利用されている。こ
れらの業種での目的は、画像データの加工処理により、
視覚を通じて鑑賞者または消費者の関心を惹き付けるこ
とである。このように、従来フォトレタッチソフトウェ
アは画像データに対して美感を引き起こさせるように演
出すために用いられ、科学技術や医療など科学的事実が
求められる分野での画像解析の分析を目的に用いられる
ことはなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、医療分野では、
多くの画像データが使用され、診断や研究に利用されて
いる。例えば、レントゲン写真やエックス線CT画像、M
RI画像、患部を映したビデオ画像などが上げられる。
レントゲン写真やエックス線CT画像、MRI画像など直
接肉眼で確認することのできない画像についての画像処
理は、3次元レンダリングに代表される解析処理が発達
している。一方、ビデオカメラを内視鏡に組み込んだビ
デオスコープ(または電子スコープともいう)による画
像は、患部をありのままの状態を肉眼で認識できるの
で、上述した直接肉眼で確認することのできない画像の
画像処理ほど、画像処理への関心が大きくない。ビデオ
スコープによる画像は、リアルタイムで生体の患部を確
認する目的で使用され、画像処理としては主に画像デー
タの拡大、または解像度の高低変化が挙げられる。この
ようにビデオスコープによる画像は、もともと肉眼で認
識できる画像部分を対象にしか画像処理がされなかっ
た。しかし、近年、ビデオカメラの発達により高解像度
のビデオスコープ画像が得られるようになった。このビ
デオスコープ画像には、非常に多くの情報が含まれてお
り、肉眼で認識できる情報は、ビデオスコープ画像とし
て取り込まれた全情報の一部分にすぎない。
【0005】そこで、本発明の課題は、医療分野におけ
る肉眼では認識できない画像部分のデータに着目し、そ
の肉眼では認識できない画像部分のデータから重要な情
報を取得する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
透過光または反射光下で、撮影機材を用いて体組織を撮
影した時系列に連続している画像データ群より、同一空
間を撮影した互いに所定の時間差のある2つのフレーム
画像データを選択する第1の処理と、前記第1の処理に
より選択した2つのフレーム画像データの同一座標にあ
るそれぞれの画素の階調値の差分をとり、前記差分をと
る処理をすべての同一座標にある画素について行う第2
の処理と、前記第2の処理により得られた画像データの
明暗の際立ち具合を増大する第3の処理と、前記第3の
処理により得られた画像データの最も明るい部分または
前記最も明るい部分の周辺をさらに明るくし、及び前記
第3の処理により得られた画像データ中の隣接する画素
間の階調値差の勾配が大きい場合、画素間の階調値勾配
を緩やかにする第4の処理とを実行することを特徴とす
る医療用画像解析処理方法である。
【0007】また、請求項2記載の発明は、透過光また
は反射光下で、撮影機材を用いて体組織を撮影した時系
列に連続している画像データ群より、同一空間を撮影し
た互いに所定の時間差のある2つのフレーム画像データ
を選択する第1の処理と、前記第1の処理により選択し
た2つのフレーム画像データの同一座標にあるそれぞれ
の画素の階調値の差分をとり、前記差分をとる処理をす
べての同一座標にある画素について行う第2の処理と、
前記第2の処理により得られた画像データの明暗の際立
ち具合を増大する第3の処理と、前記第3の処理により
得られた画像データの最も明るい部分または前記最も明
るい部分の周辺をさらに明るくし、及び前記第3の処理
により得られた画像データ中の隣接する画素間の階調値
差の勾配が大きい場合、画素間の階調値勾配を緩やかに
する第4の処理と、さらに前記第4の処理により得られ
た画像データを白黒階調反転させる第5の処理とを実行
することを特徴とする医療用画像解析処理方法である。
【0008】また、請求項3記載の発明は、透過光また
は反射光下で、撮影機材を用いて体組織を撮影した動画
像データの1つのフレーム画像データ、または、透過光
または反射光下で、撮影機材を用いて体組織を撮影した
1つの静止画像データに対し、前記画像データの明暗の
際立ち具合を大きくする第1の処理と、前記第1の処理
により得られた画像データの最も明るい部分または前記
最も明るい部分の周辺をさらに明るくし、及び前記第1
の処理により得られた画像データ中の隣接する画素間の
階調値差の勾配が大きい場合、画素間の階調値勾配を緩
やかにする第2の処理とを実行することを特徴とする医
療用画像解析処理方法である。
【0009】また、請求項4記載の発明は、透過光また
は反射光下で、撮影機材を用いて体組織を撮影した動画
像データの1つのフレーム画像データ、または、透過光
または反射光下で、撮影機材を用いて体組織を撮影した
1つの静止画像データに対し、前記画像データの明暗の
際立ち具合を大きくする第1の処理と、前記第1の処理
により得られた画像データの最も明るい部分または前記
最も明るい部分の周辺をさらに明るくし、及び前記第1
の処理により得られた画像データ中の隣接する画素間の
階調値差の勾配が大きい場合、画素間の階調値勾配を緩
やかにする第2の処理と、さらに前記第2の処理により
得られた画像データを白黒階調反転させる第3の処理と
を実行することを特徴とする医療用画像解析処理方法で
ある。
【0010】また、請求項5記載の発明は、請求項1乃
至4のいずれか1項記載の医療用画像解析処理方法にお
ける前記各処理を、コンピュータに実行させるための医
療用画像解析プログラムである。
【0011】
【発明の実施の形態】それでは、まず上記で掲げた請求
項1から請求項4で記載されている体組織の撮影方法に
ついて詳述する。撮影の対象となる脳組織などの体組織
に対して光を照射しビデオカメラやビデオスコープなど
の撮像機材で撮影する。ここで光の照射方法として、反
射光としての照射方法と透過光としての照射方法との2
パターンある。反射光とは、体組織から離れた光源から
光を照射し、その照射光が体組織表面で反射されたもの
である。一方、透過光とは、体組織に光源を接した状態
または体組織近傍に光源を設置した状態で光を照射し、
光が体組織内を通過し体組織外に出たものである。これ
らの2パターンの照射方法による撮影方法があるが、用
いる光としては透過光の方が好ましい。なぜなら、反射
光を用いて撮影の対象となる体組織を撮影した場合、そ
の体組織の表面近くの薄い層にしか光が照射していない
ので、反射光から得られる情報は少なく、体組織の表面
近くの情報のみであるが、透過光を用いて撮影の対象と
なる体組織を撮影した場合、体組織を通過した光は、体
組織内の情報を含み情報量が反射光に比べて多いからで
ある。このように体組織の透過光を得る具体的方法は、
本発明者の以下の研究報告がある。脳組織の透過光を得
るために、直径1mmの微小ランプを脳組織に挿入し脳表
より約1mmのところに固定して点灯すると、その微小
ランプ周辺の脳組織が赤く染まって見え(Am J Physiol
235:H56-H63,1978)(Am J Physiol 245:H385-H398,
1983)、また、直径約200ミクロンのグラスファイバー
を前述の報告と同様に用いる(Am J Physiol 279:H129
1-H1298,2000)ということである。
【0012】光照射後、ビデオカメラやビデオスコープ
などの撮像機材で、撮影の対象としている体組織を撮影
して、撮影して取得した画像データを記録媒体に記録す
る。請求項1及び2記載の発明では、記録媒体に記録し
た画像データは、時系列に連続している複数のフレーム
画像データの集合であり、それぞれのフレーム画像は互
いに時間差のある画像、つまり、動画像である。この画
像データをパーソナルコンピュータ、ワークステーショ
ンなどのコンピュータに転送して、コンピュータ上でこ
の後の処理を行う。画像解析ソフトウェアを用いて、上
記のフレーム画像データ群から2つのフレーム画像デー
タを任意に取り出し、この2つのフレーム画像の差分を
とり、差分画像として取得する。画像解析ソフトウェア
の一例として、シオンイメージがある。シオンイメージ
(英語表記Scion Image、ScionCorporation社製)は、
医学、生物学で幅広く用いられている画像解析ソフトウ
ェアであり、細胞数のカウント、電気泳動パターンの解
析、画像の3次元化などの画像中に含まれる必要な情報
を取り出す用途で用いられる。このシオンイメージを用
いると動画像を70msのオーダーでコマ送りができる
ので、70msごとのフレーム画像を取得することがで
きる。さらに、このシオンイメージを用いて、2つのフ
レーム画像の差分画像を取得することができる。差分画
像とは、2つの画像の共通部分を差し引いた相互の異な
る部分のデータのみの画像である。フレーム画像はデジ
タル画像であるが、このデジタル画像とは、自然界に存
在するアナログ画像情報を撮像機材などのハードウェ
ア、または、ソフトウェアなどにより標本化、量子化し
た画像のことである。標本化、量子化された画像は、画
素の集合であって、それぞれの画素には、画像の明るさ
に相当する階調値(濃度値または輝度値ともいう)を持
っている。この階調値は8ビットの画像データであれ
ば、256段階の階調値が存在する。白黒画像の場合で
は、256階調の白黒が表現でき、階調値1が白のと
き、階調値256は黒となり、その中間である階調値は
128である。このように、白黒多階調で表現されるこ
とをグレイスケールという。ここで、画像間演算のう
ち、画像間の差分をとる処理をする。このとき、階調値
同士を引き算した結果に中央の中間階調値(グレイスケ
ールが256階調の場合、その中央の中間階調値は12
8となる。)を加算しておく。このようにすれば、同一
階調値同士の差分は、0とならずに128となり、差分
画像上では白と黒の中間色の灰色、すなわち階調値12
8で表される。したがって、同一空間を撮影した互いに
時間差のある2つのフレーム画像の同一座標にあるそれ
ぞれの画素の階調値の差分をとる場合、それぞれの画素
の階調値が同一であれば、差の階調値は128となり、
色は白黒の中間色である灰色となる。また、同一空間を
撮影した互いに時間差のある2つのフレーム画像の同一
座標にあるそれぞれの画素の階調値の差分をとる場合、
それぞれの画素の階調値が同一でないとき、差の階調値
は128にはならない。この差の階調値が128になら
ないということは、時間差により階調値が変化した、つ
まり、画像中の被写体が動いたということを意味する。
【0013】上記の操作により、同一空間を撮影した互
いに時間差のある2つのフレーム画像の同一座標にある
それぞれの画素の階調値を差し引いた差分画像を求める
ことができ、この差分画像より、2つのフレーム画像間
で変化した部分の情報のみを得ることができる。
【0014】この取得した差分画像には、2つのフレー
ム画像間で変化した部分の情報のみ含まれているが、肉
眼でその情報を識別するのは困難であるので、画像処理
ソフトウェアのフィルタ機能を用いて肉眼で識別できる
ようにする。フォトレタッチソフトウェアの一例とし
て、フォトショップ(「PHOTOSHOP」はアドビ
システムズ社の登録商標である)がある。また、フィル
タ機能とは、フォトレタッチソフトウェアが有している
機能であって、たとえば、画像に含まれる輪郭のみを抽
出したり、画像を歪めたり、ぼかしを入れたり、モザイ
ク効果を調整したり、ノイズを調整するなどの様々な視
覚効果を画像に対して与えることができる。本発明で
は、このフィルタ機能のうち、「コントラスト」「ラッ
プ」「階調反転」がある。
【0015】「コントラスト」とは、画像の明るい部分
と暗い部分の明るさの比を表し、コントラストを高める
と色彩がくっきりし、見やすい画像になる。コントラス
トの値が低すぎると、明るい部分と暗い部分の差がはっ
きり現れない 。また、コントラストを高くすると画像
の輪郭がはっきりするが、逆にコントラストを低くする
と画像の輪郭がはっきりせず、見やすい画像にならな
い。このコントラストの制御方法として濃度ヒストグラ
ムがある。濃度ヒストグラムとは画像の濃度値の分布を
表し、画像の濃度レベルを調査するのに極めて有効なも
のである。たとえば、暗い画像では低い濃度域に分布が
偏り、明るい画像では高い濃度域に分布が偏る。このヒ
ストグラムの分布位置と形状を変化、つまり強調(エン
ハンスメントという)処理することで、コントラストを
制御することができる。
【0016】また、「ラップ」とは、画像中に移ってい
る個々の物体に対してラップフィルムをかけたような効
果を与えるフィルタである。「ラップ」では、画像中の
最も明るい部分またはその周辺を強調してさらに明るく
し、かつ画像中に含まれる輪郭部分をぼかす、つまり、
隣接する画素の階調値差の勾配が大きい画素間の階調値
勾配を緩やかにする処理が行われている。フォトショッ
プではこのラップ効果を、ラップをかけた部分の明るさ
を「ハイライト(最も明るい部分、またはその周辺)の
強さ」で、ラップと画像との起伏を「滑らかさ」で調整
することで実現している。
【0017】また、「階調反転」とは、ネガ画像を取得
するためのフィルタ機能である。ネガ画像とはポジ画像
(階調反転させる前の画像)の階調度を反転させたも
の、つまり、白いものは黒く、黒いものは白く、という
ような白黒を反転させた画像のことで、グレイスケール
の最大階調度から各画素の階調度を引くことによって実
現できる。
【0018】以上のフィルタ機能を上記の差分画像に対
して行うことにより、肉眼で認識できなかったものが、
肉眼で認識できるようになる。一方、請求項3及び4記
載の発明では、記録媒体に記録した画像データは、必ず
しも動画像である必要はなく、静止画像でもよい。なぜ
ならば、請求項3及び4記載の発明で使用する画像デー
タは1つであり、時間差による違いを確認する必要がな
いためである。したがって、画像データは、ビデオカメ
ラなどの動画像を撮影する撮影機材だけでなく、デジタ
ルカメラなどの静止画像を撮影する撮影機材を用いても
よい。ビデオカメラなどの動画像を撮影する撮影機材で
撮影した場合、上記の請求項1及び2記載の発明で説明
したのと同様に動画像データをコンピュータへ転送し、
コンピュータ上でシオンイメージなどの画像解析ソフト
ウェアを用いて、転送された動画像から1つのフレーム
画像を取り出して、静止画像を取得する。また、デジタ
ルカメラなどの静止画像を撮影する撮影機材で撮影した
場合、撮影した静止画像をコンピュータへ転送し、静止
画像を取得する。上記の操作で取得した静止画像を、フ
ォトショップなどの画像処理ソフトウェアのフィルタ機
能を用いて、肉眼では識別できない部分の画像データを
肉眼で識別できるようにする。利用するフィルタ機能
は、上記と同様に「コントラスト」「ラップ」「階調反
転」である。
【0019】ところで、請求項1乃至4記載の本発明は
大別して請求項1及び2と、請求項3及び4との2種類
に分類される。請求項1及び2記載の発明では2つのフ
レーム画像を取り扱い、請求項3及び4記載の発明では
1つの静止画像を取り扱っているが、このことに伴い画
像解析の精度が大きく異なってくる。請求項3及び4記
載の発明は、1つの静止画像に画像に対して「コントラ
スト」の強調及び「ラップ」処理を行うと、肉眼では認
識できなかった潜在情報の一部分を顕在化することがで
きるが、さらに精度の向上を図るための発明が請求項1
及び2記載の発明であり、この発明では2つのフレーム
画像の差分をとり、その差分画像に対して「コントラス
ト」の強調及び「ラップ」処理を行うのである。
【0020】以上より、本発明者は本発明の方法をビデ
オ−コンピュータ−エンハンスト−コントラスト−ラッ
プ(VCEC-Wrap)法と呼んでいる。また、請求項5記載
の発明は、コンピュータ上で起動しているオペレーティ
ングシステム(OSともいう)で動作するコンピュータ
プログラムであって、請求項1から4記載のうちいずれ
か1つの発明における各処理を実行させるものである。
【0021】
【実施例】観測方法及び画像解析を図1の本発明の一連
の流れを示す図に従って説明する。透過光による観測の
ため、全身麻酔をしたSD系ラットの脳組織に短いグラス
ファイバーを埋め込み、暗室で波長λ=550±10nmの透
過光を照射し、着目している2mm×2mm四方の脳表面の画
像を撮影機材1(レンズ:ニコン社製、SITカメラ:浜
松ホトニクス社製)を用いて撮影する。レンズの焦点深
度は約±100μmであり、焦点面から±300μm離れてい
る物体には完全にピントが合わない。感覚運動野の皮層
には、深さ約400μm、幅約2mmの容積である毛細血
管が存在するが、この毛細血管の直径の変化や血流の変
化を検出することができる範囲にレンズの測定スケール
制御つまみを微調整する。毛細血管より小さい4μm×4
μmの空間分解能で撮影した512×512画素の映像は、8
ビットのデジタル映像であり、その撮影した映像をパー
ソナルコンピュータ2へ伝送する。伝送した映像は、フ
レーム画像取込ソフトであるシオン4(正式名称Scion
LG-3、Scion Corporation社製、Scion Imageの1つの種
類である。以下、シオンと省略する。)を使って、15H
zでコマ送りをし、70ms毎のフレーム画像3を作成す
る。
【0022】連続している2つのフレーム画像の差分を
とるために以下を実施した。シオン4に取り込んだ画像
の透過光の変化は自動的に8ビット画像に変換される。
この8ビット画像に変換されるということは、1画素に
つき1(最も明るい)〜256(最も暗い)の256のいずれ
かの明暗レベルを有することである。この明暗の中間レ
ベルは128(図2の画像D参照)となる。そして、この8
ビット画像は、256スケールの白黒画像として表れる。
【0023】図2は、シオン及びフォトショップを用い
た画像処理の結果を示す図であり、図2に含まれる画像
A、画像B、画像C、画像D、画像E、画像F、画像G
を、それぞれ図2A、図2B、図2C、図2D、図2
E、図2F、図2Gで表すこととする。図2Aは波長55
0nmの光を透過させた脳皮層内の血管についての全情報
を含んでいる制御画像である。しかしながら、その情報
の多くは肉眼では識別することができない。背景の層に
隠された血管の一部を抽出するために、フォトショップ
5のフィルタ機能の「ラップ」を使って、ぼんやりした
ものをラッピングして個々のグループとして光学的シグ
ナルの境界を画定し、血管の輪郭をはっきり確認するこ
とができる。さらに、血管の輪郭をもっとよく見たいな
ら、フィルタ機能の「階調反転」により白と黒を反転さ
せると、よりいっそう血管の輪郭をはっきり確認するこ
とができる。図2Bは図2Aにラップ処理した画像であ
り、図2Aでは肉眼で認識できなかった血管をラップ処
理を行うことで画像上に浮き出て、肉眼で認識すること
ができる。図2Cは、図2Bに対して階調反転処理によ
り白黒を反転した画像であり、よりいっそう血管の筋道
が確認できる。ただし、図2B、図2Cのように1つの
静止画像に対して、「ラップ」処理後に「階調反転」処
理をして得られる情報は、従来肉眼で認識することがで
きなかった情報であるが、この情報は元の静止画像に潜
在している情報の全情報ではない。さらに、制度を上げ
るため、以下に示すように2つのフレーム画像の差分を
とる方法を用いる。
【0024】図2D、図2E、図2F、図2Gは差分画
像であり、オリジナルの画像である図2Aと内容が異な
っているように見える。しかし、これらの内容のすべて
は図2Aの画像とその70ms後の画像にもともと含まれて
いた今まで肉眼で識別できなかった情報が、画像表面に
浮かび上がっただけである。肉眼で識別できる大きな血
管がこの技術によって一線を画されることは、以下より
明らかである。図2Dの画像は、図2Aから図2Aを差
し引いた結果生じた差分画像であり、階調値が128の均
一な画像データの一部を表している。つまり、2つのフ
レーム画像間で互いに違いがなければ、図2Dのように
階調値が128の均一な画像となることを示している。こ
こで、ある1つのフレーム画像をF0、そのフレーム画
像の70ms後のフレーム画像をF1と表す。また、コ
ントラストのn%強調はEn、ラップはW、階調反転は
Rで表す。図2Eは、図2A(F0)と約70ms(15Hz)
後の次のフレーム(F1)との間の差分をとり、コント
ラストを80%強調(E80)後の差分イメージである
(以下、F1−F0,E80,15Hzと表す。)。図2Eは明ら
かに図2Dとは異なっており、図2Aと約70ms後の次の
フレームとの画像間で変化のあった部分が存在している
ということを示している。図2Eでは、変化しない大き
な血管は除去され、小さい血管が見えるようになる。な
ぜなら、理論的には、70ms間隔の空間再分布で血管の変
化が抽出されるからである。図2F(F1−F0、E80
W、R、15Hz)は、図2Eにラップ処理をした図であ
り、図2Eと図2Fは約6μm(この大きさは2画素よ
り小さく、1画素より大きい)の小さい血管を示す。こ
の小さい血管は毛細血管を表している。しかしながら、
差分画像中の小さな血管の直径は、フォトショップのコ
ントラストの強調の程度に依存している。図2G(F1
−F0、E30、W、R、15Hz)の画像は、図2Fのコン
トラストの強調を30%に下げた場合であり、このとき
毛細血管の直径は15μmから30μm大きくなり、複
雑に絡み合った血管は、さらに毛細血管の様子を呈して
きた。この毛細血管の直径が大きくなった理由は、ぼや
けている周辺の毛細血管まで一緒にラップ処理したため
と推測できる。以上の毛細血管は、肉眼で認識できる大
きな血管と同じ場所に見ることができる。すなわち、毛
細血管は実質的には大きな血管の下に存在するというこ
とを意味する。
【0025】以上より、本発明を用いると従来確認する
ことができなかった毛細血管の存在を確認することが可
能となり、従来診断することが困難であった毛細血管の
状態や血流の情報を知ることが可能となるので、病気の
早期発見、早期治療に貢献できる。
【0026】ところで、本実施例では、15Hzでコマ送
りをし、70ms毎のフレーム画像群を用いたが、このフレ
ーム画像間の時間差は、70msに制限されたものではな
く、撮影対象物との関係で決定される。本実施例では、
70ms間隔の空間再分布で毛細血管の変化が抽出されるの
で、70ms毎のフレーム画像群を用いたのである。
【0027】
【発明の効果】従来、脳組織表面などに代表される体組
織の画像は、肉眼で認識できる部分の画像データしか注
目されず、その肉眼で認識できる部分のみの評価で終わ
っていた。しかし、本発明を用いれば、肉眼では確認で
きない画像部分から初めから潜在し、今まで見落として
いた情報を抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一連の流れを示す図である。
【図2】シオン及びフォトショップを用いた画像処理の
結果を示す図である。
【符号の説明】
1.撮影機材 2.コンピュータ 3.動画像のフレーム画像 4.シオン 5.フォトショップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C061 CC06 JJ19 NN03 NN05 SS21 UU03 UU08 WW01 WW08 5B057 AA07 BA02 CA02 CA08 CA12 CA16 CB02 CB08 CB12 CB16 CC01 CE03 CE04 CE11 CE20 DB02 DB05 DB09 DC22 DC23 DC32

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透過光または反射光下で、撮影機材を用
    いて体組織を撮影した時系列に連続している画像データ
    群より、同一空間を撮影した互いに所定の時間差のある
    2つのフレーム画像データを選択する第1の処理と、 前記第1の処理により選択した2つのフレーム画像デー
    タの同一座標にあるそれぞれの画素の階調値の差分をと
    り、前記差分をとる処理をすべての同一座標にある画素
    について行う第2の処理と、 前記第2の処理により得られた画像データの明暗の際立
    ち具合を増大する第3の処理と、 前記第3の処理により得られた画像データの最も明るい
    部分または前記最も明るい部分の周辺をさらに明るく
    し、及び前記第3の処理により得られた画像データ中の
    隣接する画素間の階調値差の勾配が大きい場合、画素間
    の階調値勾配を緩やかにする第4の処理とを実行するこ
    とを特徴とする医療用画像解析処理方法。
  2. 【請求項2】 透過光または反射光下で、撮影機材を用
    いて体組織を撮影した時系列に連続している画像データ
    群より、同一空間を撮影した互いに所定の時間差のある
    2つのフレーム画像データを選択する第1の処理と、 前記第1の処理により選択した2つのフレーム画像デー
    タの同一座標にあるそれぞれの画素の階調値の差分をと
    り、前記差分をとる処理をすべての同一座標にある画素
    について行う第2の処理と、 前記第2の処理により得られた画像データの明暗の際立
    ち具合を増大する第3の処理と、 前記第3の処理により得られた画像データの最も明るい
    部分または前記最も明るい部分の周辺をさらに明るく
    し、及び前記第3の処理により得られた画像データ中の
    隣接する画素間の階調値差の勾配が大きい場合、画素間
    の階調値勾配を緩やかにする第4の処理と、 さらに前記第4の処理により得られた画像データを白黒
    階調反転させる第5の処理とを実行することを特徴とす
    る医療用画像解析処理方法。
  3. 【請求項3】 透過光または反射光下で、撮影機材を用
    いて体組織を撮影した動画像データの1つのフレーム画
    像データ、または、透過光または反射光下で、撮影機材
    を用いて体組織を撮影した1つの静止画像データに対
    し、前記画像データの明暗の際立ち具合を大きくする第
    1の処理と、 前記第1の処理により得られた画像データの最も明るい
    部分または前記最も明るい部分の周辺をさらに明るく
    し、及び前記第1の処理により得られた画像データ中の
    隣接する画素間の階調値差の勾配が大きい場合、画素間
    の階調値勾配を緩やかにする第2の処理とを実行するこ
    とを特徴とする医療用画像解析処理方法。
  4. 【請求項4】 透過光または反射光下で、撮影機材を用
    いて体組織を撮影した動画像データの1つのフレーム画
    像データ、または、透過光または反射光下で、撮影機材
    を用いて体組織を撮影した1つの静止画像データに対
    し、前記画像データの明暗の際立ち具合を大きくする第
    1の処理と、 前記第1の処理により得られた画像データの最も明るい
    部分または前記最も明るい部分の周辺をさらに明るく
    し、及び前記第1の処理により得られた画像データ中の
    隣接する画素間の階調値差の勾配が大きい場合、画素間
    の階調値勾配を緩やかにする第2の処理と、 さらに前記第2の処理により得られた画像データを白黒
    階調反転させる第3の処理とを実行することを特徴とす
    る医療用画像解析処理方法。
  5. 【請求項5】 前記請求項1乃至4のいずれか1項記載
    の医療用画像解析処理方法における前記各処理を、コン
    ピュータに実行させるための医療用画像解析プログラ
    ム。
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