JP2003335993A - インクジェット記録用水性インク - Google Patents

インクジェット記録用水性インク

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JP2003335993A JP2002268940A JP2002268940A JP2003335993A JP 2003335993 A JP2003335993 A JP 2003335993A JP 2002268940 A JP2002268940 A JP 2002268940A JP 2002268940 A JP2002268940 A JP 2002268940A JP 2003335993 A JP2003335993 A JP 2003335993A
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Shigemi Koga
成美 古賀
Kazuma Goto
数摩 後藤
Hideaki Ohira
英朗 大平
Masaya Fujioka
昌也 藤岡
Shunichi Higashiyama
俊一 東山
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    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/38Inkjet printing inks characterised by non-macromolecular additives other than solvents, pigments or dyes

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録画像においてフェザリングのないシャー
プな輪郭の高い印字品質及び良好な耐擦性を得ることが
でき、かつ、インクジェット記録装置の吐出ヘッド部の
金属部材における腐食を抑制して長期にわたるノズル吐
出安定性を得ることができるインクジェット記録用水性
インクを提供する。 【解決手段】 下記(a)群より選択される少なくとも
1種のアミン化合物、下記(b)群より選択される少な
くとも1種の界面活性剤、着色剤、及び、水を含有する
インクジェット記録用水性インク。 (a)群 下記一般式(1)で表されるアミン化合物、
N−n−ブチルエタノールアミン、1,4−ビス(3−
アミノプロピル)ピペラジン及びベンジルアミンからな
る群。 (b)群 下記一般式(2)で表される界面活性剤、下
記一般式(3)で表される界面活性剤及び下記一般式
(4)で表される界面活性剤からなる群。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンターに用いるインクジェット記録用水性インクに関
する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、例えば、静
電吸引方式;圧電素子を用いてインクに機械的振動又は
変位を与える方式;インクを加熱することにより気泡を
発生させ、その時に発生する圧力を利用する方式等のイ
ンク吐出方式によりインク小滴を形成し、それらの一部
又は全部を紙等の被記録材に付着させて記録を行うもの
である。
【0003】このようなインクジェット記録方式に使用
するインクジェット記録用インクとしては、水溶性染料
又は顔料を、水と水溶性有機溶剤からなる液媒体に溶解
又は分散させたものが知られている。このようなインク
ジェット記録用インクは、インクジェット記録方式に用
いるのに最適の性能特性を有することが要求される。具
体的には、例えば、記録紙に画像形成した際に、記録紙
の繊維に沿った不規則なインクの流れや繊維間への不規
則なインクの浸透(以下、フェザリングともいう)がな
く、画像の輪郭がシャープな高い印字品質であること;
記録紙に画像形成したときの乾燥が速く耐擦性が良好で
あること;インクジェットヘッドに使用されている樹脂
材料や金属材料を腐食せず、ノズルの目詰まりを発生す
ることなく長期にわたり安定した噴射が可能であること
等が要求される。
【0004】このような性能特性を満足するために、従
来、多くの手法が用いられてきた。特許文献1には、イ
ンクの表面張力を高くすることにより、記録紙表面での
インクの浸透性を抑制し、フェザリングの少ない高い印
字品質を得る技術が開示されている。しかしながら、イ
ンクの記録紙への浸透が遅いことにより、乾燥性が悪く
なり耐擦性を悪化させるという問題があった。これに対
して、特許文献2には、不飽和結合を有する界面活性剤
と2級又は3級のアルキル基を有する界面活性剤とを併
用することにより、フェザリングの少ない高い印字品質
を保ったままインクの浸透性を向上させ、速乾性を得る
技術が開示されている。
【0005】一方、上記圧電素子を利用したインクジェ
ットプリンターの吐出ヘッドは、金属部材が直接インク
と接触する構造を有するものが多く、特に水系インクを
使用する場合には、上記金属部材が水系インクによって
腐食され、フィルター及びノズルでの目詰まりや不吐出
の原因となってしまうことがあるという問題があった。
【0006】
【特許文献1】特開平8−259864号公報
【特許文献2】特開2001−226617号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、鋭意検
討を行った結果、アルカノールアミン等のアミン化合物
をインクジェット記録用水性インクに添加することによ
り、アルカノールアミン等のアミン化合物が金属表面に
緻密な被膜を形成し、腐食に対する保護膜として吐出ヘ
ッド部の金属部材の腐食を抑制する働きを示し、吐出ヘ
ッドのフィルター及びノズルでの目詰まりを抑制し長期
にわたり安定した噴射を可能とすることを見出した。
【0008】しかしながら、界面活性剤とアミン化合物
を含有した水性インクにおいて、フェザリングの少ない
高い印字品質、記録画像の耐擦性、金属腐食抑制による
長期のノズル吐出安定性、これらすべての特性を、すべ
て満たすことは困難であり、界面活性剤及びアミン化合
物の種類によっては、記録画像においてフェザリングが
生じ、輪郭がシャープではなくなり、印字品質が劣化し
てしまう。
【0009】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、記録画像においてフェザリング
のないシャープな輪郭の高い印字品質及び良好な耐擦性
を得ることができ、かつ、インクジェット記録装置の吐
出ヘッド部の金属部材における腐食を抑制して長期にわ
たるノズル吐出安定性を得ることができるインクジェッ
ト記録用水性インクを提供することを目的とするもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(a)群
より選択される少なくとも1種のアミン化合物、下記
(b)群より選択される少なくとも1種の界面活性剤、
着色剤、及び、水を含有するインクジェット記録用水性
インクである。 (a)群 下記一般式(1)で表されるアミン化合物、
N−n−ブチルエタノールアミン、1,4−ビス(3−
アミノプロピル)ピペラジン及びベンジルアミンからな
る群。
【0011】
【化5】
【0012】一般式(1)中、側鎖(A)は水素原子又
はメチル基を表し、側鎖(B)はヒドロキシル基を含有
する基を表し、側鎖(C)は水素原子又はヒドロキシル
基を表し、qは5以下の整数である。
【0013】(b)群 下記一般式(2)で表される界
面活性剤、下記一般式(3)で表される界面活性剤及び
下記一般式(4)で表される界面活性剤からなる群。
【0014】
【化6】
【0015】一般式(2)中、Rはアルキル基を表
し、x+y=5〜15の整数である。
【0016】
【化7】
【0017】一般式(3)中、zは9以下の整数であ
る。
【0018】
【化8】
【0019】一般式(4)中、Rはアルキル基を表
す。以下に本発明を詳述する。
【0020】本発明のインクジェット記録用水性インク
は、下記一般式(1)で表されるアミン化合物、N−n
−ブチルエタノールアミン、1,4−ビス(3−アミノ
プロピル)ピペラジン及びベンジルアミンからなる群よ
り選択される少なくとも1種のアミン化合物を含有す
る。
【0021】本発明者らは、鋭意検討を行った結果、ア
ルカノールアミン等のアミン化合物をインクジェット記
録用水性インクに添加することにより、アルカノールア
ミン等のアミン化合物が金属表面に緻密な被膜を形成
し、腐食に対する保護膜として吐出ヘッド部の金属部材
の腐食を抑制する働きを示し、吐出ヘッドのフィルター
及びノズルでの目詰まりを抑制し長期にわたり安定した
噴射を可能とすることを見出した。
【0022】上記アルカノールアミンとしては特に限定
されず、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン等を挙げることができる。
【0023】これらのアミン化合物と界面活性剤とが併
用されたインクジェット記録用水性インクの多くは、記
録画像においてフェザリングが生じ、輪郭がシャープで
はなくなり、印字品質が劣化してしまうが、このうち、
下記一般式(1)で表されるアミン化合物、N−n−ブ
チルエタノールアミン、1,4−ビス(3−アミノプロ
ピル)ピペラジン及びベンジルアミンからなる群より選
択されるアミン化合物と、下述の特定の界面活性剤とが
併用されたインクジェット記録用水性インクは、界面活
性剤を含有することにより達成できる良好な耐擦性と、
アミン化合物を含有することにより達成できる、鉄、ニ
ッケル、又は、鉄若しくはニッケルを含有する合金から
なる金属部材の腐食抑制効果とを有し、かつ、記録画像
においてフェザリングのないシャープな輪郭の高い印字
品質を得ることができる。
【0024】
【化9】
【0025】上記一般式(1)中、側鎖(A)は水素原
子又はメチル基を表し、側鎖(B)は、ヒドロキシル基
を含有する基を表し、側鎖(C)は、水素原子又はヒド
ロキシル基を表し、qは5以下の整数である。qが5以
下では、インクへの溶解性が良好であり、qが3以下の
とき溶解性がより良好である。
【0026】上記一般式(1)で表されるアミン化合物
としては特に限定されず、例えば、トリイソプロパノー
ルアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン等を挙げ
ることができる。
【0027】上記一般式(1)で表されるアミン化合物
は、側鎖(B)がヒドロキシエチル基又は2−ヒドロキ
シプロピル基であり、かつ、qは3以下の整数であるこ
とが好ましい。上記側鎖(B)がヒドロキシエチル基又
は2−ヒドロキシプロピル基であり、かつ、qは3以下
の整数である上記一般式(1)で表されるアミン化合物
は、本発明のインクジェット記録用水性インクへの溶解
性が良好である。
【0028】上記一般式(1)で表されるアミン化合
物、N−n−ブチルエタノールアミン、1,4−ビス
(3−アミノプロピル)ピペラジン及びベンジルアミン
からなる群より選択される少なくとも1種のアミン化合
物の本発明のインクジェット記録用水性インクにおける
含有量は、本発明のインクジェット記録用水性インクの
全量に対して0.01〜10重量%であることが好まし
い。0.01重量%未満であると、金属部材に対する充
分な腐食抑制効果を得ることができないことがある。1
0重量%を超えると、本発明のインクジェット記録用水
性インクが必要以上に増粘するため、吐出が困難となっ
たり、記録紙上での乾燥が極端に遅くなる等の問題を生
じたりすることがある。より好ましくは0.1〜3重量
%である。
【0029】本発明のインクジェット記録用水性インク
は、下記一般式(2)で表される界面活性剤、下記一般
式(3)で表される界面活性剤及び下記一般式(4)で
表される界面活性剤からなる群より選択される少なくと
も1種の界面活性剤を含有する。
【0030】
【化10】
【0031】上記一般式(2)中、Rはアルキル基を
表し、x+y=5〜15の整数である。x+yが上記範
囲内であると、適当な界面活性作用を持ち、必要な浸透
性をインクに与えることができる。
【0032】上記一般式(2)で表される界面活性剤と
しては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンオ
レイルアミン、ポリオキシエチレンラウリルアミン等の
ポリオキシエチレンアルキルアミン等を挙げることがで
きる。このうち市販されているものとしては、例えば、
エソミンC/15(x+y=5)、エソミンC/20
(x+y=10)、エソミンC/25(x+y=1
5)、エソミンS/15(x+y=5)、エソミンS/
20(x+y=10)、エソミンS/25(x+y=1
5)、エソミンT/15(x+y=5)、エソミンT/
20(x+y=10)、エソミンT/25(x+y=1
5)(以上、ライオンアクゾ社製)等を挙げることがで
きる。
【0033】
【化11】
【0034】上記一般式(3)中、zは9以下の整数で
ある。zが9以下であると、適当な界面活性作用を持
ち、必要な浸透性をインクに与えることができる。
【0035】上記一般式(3)で表される界面活性剤と
しては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンラ
ウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル等を挙げることができる。このうち市販されているも
のとしては、例えば、エマルゲン103、エマルゲン1
04P、エマルゲン105、エマルゲン106、エマル
ゲン108(以上、花王社製)等を挙げることができ
る。
【0036】
【化12】
【0037】上記一般式(4)中、Rはアルキル基を
表す。
【0038】上記一般式(4)で表される界面活性剤と
しては特に限定されず、例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノ
ールアミド、ラウリル酸ジエタノールアミド等を挙げる
ことができる。このうち市販されているものとしては、
例えば、プロファンエキストラ24、プロファンエキス
トラ128エキストラ(以上、三洋化成工業社製)等を
挙げることができる。
【0039】上記一般式(2)で表される界面活性剤、
上記一般式(3)で表される界面活性剤及び上記一般式
(4)で表される界面活性剤から選択される少なくとも
1種の界面活性剤の本発明のインクジェット記録用水性
インクにおける含有量は、本発明のインクジェット記録
用水性インクの全量に対して0.01〜10重量%であ
ることが好ましい。0.01重量%未満であると、記録
紙への充分な浸透作用が得られないことがある。10重
量%を超えると、表面張力を吐出ヘッドへの導入性や吐
出安定性を保つことが困難となることがある。より好ま
しくは0.1〜3重量%である。
【0040】本発明のインクジェット記録用水性インク
は、着色剤を含有する。上記着色剤としては、染料及び
顔料のいずれも使用することができる。上記染料として
は特に限定されないが、例えば、直接染料、酸性染料を
好適に用いることができる。具体的には、例えば、C.
I.ダイレクトブラック17、19、32、51、7
1、108、146、154、168;C.I.ダイレ
クトブルー6、22、25、71、86、90、10
6、199;C.I.ダイレクトレッド1、4、17、
28、83、227;C.I.ダイレクトイエロー1
2、24、26、86、98、132、142;C.
I.ダイレクトオレンジ34、39、44、46、6
0;C.I.ダイレクトバイオレット47、48;C.
I.ダイレクトブラウン109;C.I.ダイレクトグ
リーン59;C.I.アシッドブラック2、7、24、
26、31、52、63、112、118;C.I.ア
シッドブルー9、22、40、59、93、102、1
04、113、117、120、167、229、23
4;C.I.アシッドレッド1、6、32、37、5
1、52、80、85、87、92、94、115、1
81、256、289、315、317;C.I.アシ
ッドイエロー11、17、23、25、29、42、6
1、71;C.I.アシッドオレンジ7、19;C.
I.アシッドバイオレット49等を好適に用いることが
できる。これらの染料は、単独で用いられてもよく、2
種以上が併用されてもよい。
【0041】上記染料の本発明のインクジェット記録用
水性インクにおける含有量は、本発明のインクジェット
記録用水性インクの全量に対して0.1〜20重量%で
あることが好ましく、より好ましくは0.3〜15重量
%、更に好ましくは0.5〜10重量%である。
【0042】上記顔料としては、無機顔料及び有機顔料
のいずれも使用することができる。上記顔料としては特
に限定されないが、例えば、カーボンブラック、アゾ系
顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、
キナクリドン系顔料、チオインジゴ系顔料、トリフェニ
ルメタン系レーキ顔料、オキサジン系レーキ顔料等が好
適に用いられる。具体的には、黄色系としては、例え
ば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、
6、7、10、11、12、13、14、15、16、
17、65、74、83等を挙げることができる。赤色
系としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、
2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、15、16、17、18、19、21、2
2、23、30、31、32、37、38、39、4
0、49、50、51、52、53、55、60、6
4、83、87、88、89、90、112、114、
122、123、163等を挙げることができる。青色
系としては、例えば、C.I.ピグメントブルー2、
3、15、16、22、25等を挙げることができる。
黒色系としては、例えば、C.I.ピグメントブラック
1、7等を挙げることができる。
【0043】上記顔料としては、表面改質処理がされて
分散剤なしでも安定した分散ができる自己分散可能なも
のが好ましい。分散剤を必要とする顔料では、使用する
分散剤によっては、インクの記録紙に対する浸透性のバ
ランスがくずれて印字品質が悪化してしまうことがあ
る。上記表面改質は、カルボキシル基、カルボニル基、
ヒドロキシル基等の親水性官能基又はその塩を、顔料の
表面に直接又はアルキル、アルキルエーテル、アリール
基等を介して結合することにより行われる。具体的に
は、例えば、水中で顔料表面を酸化剤により酸化する化
学的処理により親水性官能基を導入する方法、親水性官
能基又は親水性官能基を含有する活性種を顔料表面にグ
ラフトさせる方法等を挙げることができる。
【0044】上記自己分散可能な顔料としては特に限定
されないが、市販されているもののうち、カーボンブラ
ックとしては、例えば、CAB−O−JET200、C
AB−O−JET300(以上、キャボット社製)、ボ
ンジェットブラックCW1(オリエント化学工業社製)
等が好ましい。
【0045】上記顔料の本発明のインクジェット記録用
水性インクにおける含有量は、本発明のインクジェット
記録用水性インクの全量に対して、固形分として1〜2
0重量%であることが好ましい。この範囲であれば、充
分な印字濃度を得ることができる。
【0046】本発明のインクジェット記録用水性インク
は、水を含有する。上記水としては、脱イオン水(純
水)を使用することが好ましい。上記水の本発明のイン
クジェット記録用水性インクにおける含有量は、本発明
のインクジェット記録用水性インクの全量に対して40
重量%以上であることが好ましい。40重量%未満であ
ると、本発明のインクジェット記録用水性インクの通常
時の粘度を正常に噴射可能な低粘度に保つことができな
いことがある。
【0047】本発明のインクジェット記録用水性インク
には、更に必要に応じて、公知の水溶性有機溶剤、及
び、防腐防カビ剤等を添加してもよい。上記水溶性有機
溶剤は、主としてインクジェットヘッドの先端部におけ
るインクからの析出の発生、乾固防止を目的として使用
される。上記水溶性有機溶剤としては、揮発性が低く、
染料溶解性が高く、顔料粒子の分散安定性を阻害しない
ものが好ましい。具体的には、吸湿性の高い材料から選
ばれ、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペ
ンタエリスリトール等のポリオール類;2−ピロリド
ン、N−メチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム
等のラクラム類;尿素、チオ尿素、エチレン尿素、1,
3−ジメチルイミダゾリジノン類等の尿素類;マルチト
ール、ソルビトール、グルコノラクトン、マルトース等
の糖類等を挙げることができる。これらの水溶性有機溶
剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されても
よい。
【0048】上記水溶性有機溶剤の本発明のインクジェ
ット記録用水性インクにおける含有量は、本発明のイン
クジェット記録用水性インクの全量に対して5〜40重
量%であることが好ましい。5重量%未満であると、湿
潤作用が不充分となり、析出、乾固等の問題を生じるこ
とがある。40重量%を超えると、インクが必要以上に
増粘することで、吐出困難となったり、記録紙上での乾
燥が極端に遅くなったりする等の問題を生じることがあ
る。より好ましくは7〜40重量%であり、更に好まし
くは10〜40重量%である。
【0049】本発明のインクジェット記録用水性インク
は、細孔から微細小液滴を吐出することにより紙面上に
画像を形成するインクジェット記録装置に使用されるも
のであり、なかでも、吐出ヘッド部へのインク供給経路
内に鉄、ニッケル、又は、鉄若しくはニッケルを含有す
る合金からなる金属部材を有するインクジェット記録装
置に使用されることにより上記金属部材の腐食を抑制す
る効果を発揮することができる。
【0050】本発明のインクジェット記録用水性インク
は、上記一般式(1)で表されるアミン化合物、N−n
−ブチルエタノールアミン、1,4−ビス(3−アミノ
プロピル)ピペラジン及びベンジルアミンからなる群よ
り選択される少なくとも1種のアミン化合物を含有する
ことにより、金属部材の腐食を抑制して長期のノズル吐
出安定性を得ることができる。本発明のインクジェット
記録用水性インクは、更に、下記一般式(2)で表され
る界面活性剤、下記一般式(3)で表される界面活性剤
及び下記一般式(4)で表される界面活性剤から選択さ
れる少なくとも1種の界面活性剤を含有することによ
り、これらが浸透剤として作用し、フェザリングのない
高い印字品質を保ったまま、良好な耐擦性が得られるよ
うに、表面張力を低下させることができる。本発明のイ
ンクジェット記録用水性インクは、上述の特定の構造を
有するアミン化合物と、特定の構造を有する界面活性剤
とを組み合わせることにより、記録画像においてフェザ
リングのないシャープな輪郭の高い印字品質及び良好な
耐擦性を得ることができ、かつ、インクジェット記録装
置の吐出ヘッド部の金属部材における腐食を抑制して長
期にわたるノズル吐出安定性を得ることができるもので
ある。
【0051】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
【0052】(実施例1)着色剤としてCAB−O−J
ET300(キャボット社製、カーボンブラックミルベ
ース、顔料分15重量%)顔料分散液33.3g、水溶
性有機溶剤としてグリセリン20g、ジプロピレングリ
コール5g、上記一般式(2)で表される界面活性剤で
あるエソミンC/15(ライオンアクゾ社製、ノニオン
性界面活性剤、x+y=5)0.2g、上記一般式
(1)で表されるアミン化合物であるトリイソプロパノ
ールアミン0.2gを混合し、超純水を加えて全量を1
00gとした。この混合液を1時間攪拌して、孔径5μ
mのメンブランフィルターにて濾過し、顔料分5重量%
のインクジェット記録用水性インクを作製した。
【0053】(実施例2)着色剤としてCAB−O−J
ET300(キャボット社製、カーボンブラックミルベ
ース、顔料分15重量%)顔料分散液の代りに、ボンジ
ェットブラックCW1(オリエント化学工業社製、カー
ボンブラックミルベース、顔料分20重量%)顔料分散
液を用いたこと以外は実施例1と同様にして顔料分5重
量%のインクジェット記録用水性インクを作製した。
【0054】(実施例3)着色剤としてCAB−O−J
ET300(キャボット社製、カーボンブラックミルベ
ース、顔料分15重量%)顔料分散液の代りに、C.
I.ダイレクトレッド227を用いたこと以外は実施例
1と同様にして染料分2重量%のインクジェット記録用
水性インクを作製した。
【0055】(実施例4)着色剤としてCAB−O−J
ET300(キャボット社製、カーボンブラックミルベ
ース、顔料分15重量%)顔料分散液の代りに、C.
I.ダイレクトブルー199を用いたこと以外は実施例
1と同様にして染料分2重量%のインクジェット記録用
水性インクを作製した。
【0056】(実施例5)上記一般式(2)で表される
界面活性剤であるエソミンC/15(ライオンアクゾ社
製、ノニオン性界面活性剤、x+y=5)の代りに、上
記一般式(2)で表される界面活性剤であるエソミンS
/15(ライオンアクゾ社製、ノニオン性界面活性剤、
x+y=5)を用いたこと以外は実施例1と同様にして
顔料分5重量%のインクジェット記録用水性インクを作
製した。
【0057】(実施例6)着色剤としてCAB−O−J
ET300(キャボット社製、カーボンブラックミルベ
ース、顔料分15重量%)顔料分散液の代りに、ボンジ
ェットブラックCW1(オリエント化学工業社製、カー
ボンブラックミルベース、顔料分20重量%)顔料分散
液を用いたこと以外は実施例5と同様にして顔料分5重
量%のインクジェット記録用水性インクを作製した。
【0058】(実施例7)上記一般式(2)で表される
界面活性剤であるエソミンC/15(ライオンアクゾ社
製、ノニオン性界面活性剤、x+y=5)の代りに、上
記一般式(3)で表される界面活性剤であるエマルゲン
106(花王社製、ノニオン性界面活性剤)を用いたこ
と以外は実施例1と同様にして顔料分5重量%のインク
ジェット記録用水性インクを作製した。
【0059】(実施例8)着色剤としてCAB−O−J
ET300(キャボット社製、カーボンブラックミルベ
ース、顔料分15重量%)顔料分散液の代りに、ボンジ
ェットブラックCW1(オリエント化学工業社製、カー
ボンブラックミルベース、顔料分20重量%)顔料分散
液を用いたこと以外は実施例7と同様にして顔料分5重
量%のインクジェット記録用水性インクを作製した。
【0060】(実施例9)上記一般式(2)で表される
界面活性剤であるエソミンC/15(ライオンアクゾ社
製、ノニオン性界面活性剤、x+y=5)の代りに、上
記一般式(4)で表される界面活性剤であるプロファン
エキストラ24(三洋化成工業社製、ノニオン性界面活
性剤)を用いたこと以外は実施例1と同様にして顔料分
5重量%のインクジェット記録用水性インクを作製し
た。
【0061】(実施例10)着色剤としてCAB−O−
JET300(キャボット社製、カーボンブラックミル
ベース、顔料分15重量%)顔料分散液の代りに、ボン
ジェットブラックCW1(オリエント化学工業社製、カ
ーボンブラックミルベース、顔料分20重量%)顔料分
散液を用いたこと以外は実施例9と同様にして顔料分5
重量%のインクジェット記録用水性インクを作製した。
【0062】(実施例11)上記一般式(1)で表され
るアミン化合物であるトリイソプロパノールアミンの代
りに、上記一般式(1)で表されるアミン化合物である
N−n−ブチルジエタノールアミンを用いたこと以外は
実施例1と同様にして顔料分5重量%のインクジェット
記録用水性インクを作製した。
【0063】(実施例12)着色剤としてCAB−O−
JET300(キャボット社製、カーボンブラックミル
ベース、顔料分15重量%)顔料分散液の代りに、ボン
ジェットブラックCW1(オリエント化学工業社製、カ
ーボンブラックミルベース、顔料分20重量%)顔料分
散液を用いたこと以外は実施例11と同様にして顔料分
5重量%のインクジェット記録用水性インクを作製し
た。
【0064】(実施例13)上記一般式(2)で表され
る界面活性剤であるエソミンC/15(ライオンアクゾ
社製、ノニオン性界面活性剤、x+y=5)の代りに、
上記式(3)で表される界面活性剤であるエマルゲン1
06(花王社製、ノニオン性界面活性剤)を用いたこと
以外は実施例11と同様にして顔料分5重量%のインク
ジェット記録用水性インクを作製した。
【0065】(実施例14)着色剤としてCAB−O−
JET300(キャボット社製、カーボンブラックミル
ベース、顔料分15重量%)顔料分散液の代りに、ボン
ジェットブラックCW1(オリエント化学工業社製、カ
ーボンブラックミルベース、顔料分20重量%)顔料分
散液を用いたこと以外は実施例13と同様にして顔料分
5重量%のインクジェット記録用水性インクを作製し
た。
【0066】(実施例15)上記一般式(1)で表され
るアミン化合物であるトリイソプロパノールアミンの代
りに、N−n−ブチルエタノールアミンを用いたこと以
外は実施例1と同様にして顔料分5重量%のインクジェ
ット記録用水性インクを作製した。
【0067】(実施例16)上記一般式(2)で表され
る界面活性剤であるエソミンC/15(ライオンアクゾ
社製、ノニオン性界面活性剤、x+y=5)の代りに、
上記一般式(3)で表される界面活性剤であるエマルゲ
ン106(花王社製、ノニオン性界面活性剤)を用いた
こと以外は実施例15と同様にして顔料分5重量%のイ
ンクジェット記録用水性インクを作製した。
【0068】(実施例17)上記一般式(1)で表され
るアミン化合物であるトリイソプロパノールアミンの代
りに、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン
を用いたこと以外は実施例1と同様にして顔料分5重量
%のインクジェット記録用水性インクを作製した。
【0069】(実施例18)上記一般式(2)で表され
る界面活性剤であるエソミンC/15(ライオンアクゾ
社製、ノニオン性界面活性剤、x+y=5)の代りに、
上記一般式(3)で表される界面活性剤であるエマルゲ
ン106(花王社製、ノニオン性界面活性剤)を用いた
こと以外は実施例17と同様にして顔料分5重量%のイ
ンクジェット記録用水性インクを作製した。
【0070】(実施例19)上記一般式(1)で表され
るアミン化合物であるトリイソプロパノールアミンの代
りに、ベンジルアミンを用いたこと以外は実施例1と同
様にして顔料分5重量%のインクジェット記録用水性イ
ンクを作製した。
【0071】(実施例20)上記一般式(2)で表され
る界面活性剤であるエソミンC/15(ライオンアクゾ
社製、ノニオン性界面活性剤、x+y=5)の代りに、
上記一般式(3)で表される界面活性剤であるエマルゲ
ン106(花王社製、ノニオン性界面活性剤)を用いた
こと以外は実施例19と同様にして顔料分5重量%のイ
ンクジェット記録用水性インクを作製した。
【0072】(比較例1〜4)上記一般式(1)で表さ
れるアミン化合物であるトリイソプロパノールアミンの
代りに、上記一般式(1)で表されるアミン化合物以外
のアミン化合物であるトリエタノールアミンを用いたこ
と以外は実施例1〜4と同様にして顔料分5重量%のイ
ンクジェット記録用水性インクを作製し、比較例1〜4
のインクジェット記録用水性インクとした。
【0073】(比較例5及び6)上記一般式(1)で表
されるアミン化合物であるトリイソプロパノールアミン
の代りに、上記一般式(1)で表されるアミン化合物以
外のアミン化合物であるジエタノールアミンを用いたこ
と以外は実施例1及び2と同様にして顔料分5重量%の
インクジェット記録用水性インクを作製し、比較例5及
び6のインクジェット記録用水性インクとした。
【0074】(比較例7及び8)上記一般式(1)で表
されるアミン化合物であるトリイソプロパノールアミン
の代りに、上記一般式(1)で表されるアミン化合物以
外のアミン化合物であるN−エチルジエタノールアミン
を用いたこと以外は実施例1及び2と同様にして顔料分
5重量%のインクジェット記録用水性インクを作製し、
比較例7及び8のインクジェット記録用水性インクとし
た。
【0075】(比較例9及び10)上記一般式(1)で
表されるアミン化合物であるトリイソプロパノールアミ
ンの代りに、上記一般式(1)で表されるアミン化合物
以外のアミン化合物であるN−エチルモノエタノールア
ミンを用いたこと以外は実施例1及び2と同様にして顔
料分5重量%のインクジェット記録用水性インクを作製
し、比較例9及び10のインクジェット記録用水性イン
クとした。
【0076】(比較例11及び12)上記一般式(1)
で表されるアミン化合物であるトリイソプロパノールア
ミンの代りに、上記一般式(1)で表されるアミン化合
物以外のアミン化合物であるN−メチルモノエタノール
アミンを用いたこと以外は実施例1及び2と同様にして
顔料分5重量%のインクジェット記録用水性インクを作
製し、比較例11及び12のインクジェット記録用水性
インクとした。
【0077】(比較例13及び14)上記一般式(2)
で表される界面活性剤であるエソミンC/15(ライオ
ンアクゾ社製、ノニオン性界面活性剤、x+y=5)の
代りに、上記一般式(2)で表される界面活性剤、上記
一般式(3)で表される界面活性剤及び上記一般式
(4)で表される界面活性剤以外の界面活性剤であるオ
ルフィンE1010(日信化学社製)を用いたこと以外
は実施例1及び2と同様にして顔料分5重量%のインク
ジェット記録用水性インクを作製し、比較例13及び1
4のインクジェット記録用水性インクとした。
【0078】(比較例15及び16)上記一般式(1)
で表されるアミン化合物であるトリイソプロパノールア
ミンを用いずに純水をその分多く用いたこと以外は実施
例1及び2と同様にして顔料分5重量%のインクジェッ
ト記録用水性インクを作製し、比較例15及び16のイ
ンクジェット記録用水性インクとした。
【0079】(比較例17及び18)上記一般式(2)
で表される界面活性剤であるエソミンC/15(ライオ
ンアクゾ社製、ノニオン性界面活性剤、x+y=5)を
用いずに純水をその分多く用いたこと以外は実施例1及
び2と同様にして顔料分5重量%のインクジェット記録
用水性インクを作製し、比較例17及び18のインクジ
ェット記録用水性インクとした。
【0080】実施例1〜20及び比較例1〜18で作製
したインクジェット記録用水性インクの組成を表1に示
した。
【0081】
【表1】
【0082】(評価)実施例1〜20及び比較例1〜1
8で作製したインクジェット記録用水性インクについて
フェザリング、耐擦性、吐出性及び金属腐食性により評
価を行った。
【0083】評価1:フェザリング インクジェット記録用水性インクを用いて、MFC−3
100C(ブラザー工業社製)により、XEROX42
00紙に英数文字を印字した。印字後1時間以上放置し
た後、文字のシャープさ及び文字から発生しているフェ
ザリングについて顕微鏡及び目視により観察し、その画
像に与える影響について目視により判断し、以下の基準
にて評価した。 ◎:文字がシャープで、フェザリングがほとんどない。 ○:文字がシャープで、フェザリングが若干あるが目立
たない。 △:文字がシャープでなく、フェザリングがやや目立
ち、実用上問題あり。 ×:文字がシャープでなく、フェザリングが明らかに目
立ち、実用には向かない。
【0084】評価2:耐擦性 インクジェット記録用水性インクを用いて、MFC−3
100C(ブラザー工業社製)により、XEROX42
00紙に英数文字を印字した。印字後、一定の放置時間
が経ってから印字物の上に白紙の同じ紙を重ね、100
gの平滑な重りを置き、すばやく印字物を抜き取った。
抜き取った後の印字物の印字部が汚れなくなるのに必要
な上記放置時間を測定し、以下の基準にて評価した。 ○:15秒以内 ×:16秒以上
【0085】評価3:吐出性 インクジェット記録用水性インクを用いて、MFC−3
100C(ブラザー工業社製)により印刷を行い、吐出
安定性確認及び吐出応答性確認を行った。上記吐出安定
性確認では、5℃、20℃、40℃の各雰囲気温度でそ
れぞれ24時間の連続して吐出を行った。上記吐出応答
性確認では、1分間の間欠吐出を100回行うことと、
任意の吐出後、2ヶ月間放置し、再度吐出が行われるか
どうかの確認をした。上記吐出安定性確認及び上記吐出
応答性確認ともに噴射が良好であり、インクジェットヘ
ッドの先端部で目詰まりすることなく印刷できた場合を
○とし、それ以外の場合を×とした。
【0086】評価4:金属腐食性 インクジェット記録用水性インクに、インク供給経路内
の金属部材の原料に用いられる鉄とニッケルとの合金か
らなる金属片を浸漬し、60℃で2週間放置した。上記
放置の前後で上記金属片の表面を目視で観察し、インク
に浸漬したことによる腐食の進行度について以下の基準
により評価した。 ○:金属片表面に腐食の発生なし、又は、若干の変色の
み発生あり。 ×:金属片表面に腐食の発生あり。
【0087】評価1〜4の結果を表2に示した。
【0088】
【表2】
【0089】表2に示したように、実施例1〜20で作
製したインクジェット記録用水性インクは、これを用い
ることで、文字がシャープでフェザリングのない良好な
印字品質が得られ、耐擦性が良好であり、インクジェッ
トヘッドの先端部で目詰まりが起こらず吐出性が良好で
あり、かつ、金属腐食性が低かった。一方、比較例1〜
18で作製したインクジェット記録用水性インクは、フ
ェザリング、耐擦性、吐出安定性及び金属腐食性のいず
れかの評価において問題を有していた。
【0090】
【発明の効果】本発明は、上述の構成よりなるので、記
録画像においてフェザリングのないシャープな輪郭の高
い印字品質及び良好な耐擦性を得ることができ、かつ、
インクジェット記録装置の吐出ヘッド部の金属部材にお
ける腐食を抑制して長期にわたるノズル吐出安定性を得
ることができるインクジェット記録用水性インクを提供
することができる。
フロントページの続き (72)発明者 後藤 数摩 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内 (72)発明者 大平 英朗 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内 (72)発明者 藤岡 昌也 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内 (72)発明者 東山 俊一 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA05 EA13 FC01 2H086 BA59 4J039 AE07 BC07 BC12 BC33 BE01 BE02 BE22 CA06 GA24

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(a)群より選択される少なくとも
    1種のアミン化合物、下記(b)群より選択される少な
    くとも1種の界面活性剤、着色剤、及び、水を含有する
    ことを特徴とするインクジェット記録用水性インク。 (a)群 下記一般式(1)で表されるアミン化合物、
    N−n−ブチルエタノールアミン、1,4−ビス(3−
    アミノプロピル)ピペラジン及びベンジルアミンからな
    る群。 【化1】 一般式(1)中、側鎖(A)は水素原子又はメチル基を
    表し、側鎖(B)はヒドロキシル基を含有する基を表
    し、側鎖(C)は水素原子又はヒドロキシル基を表し、
    qは5以下の整数である。 (b)群 下記一般式(2)で表される界面活性剤、下
    記一般式(3)で表される界面活性剤及び下記一般式
    (4)で表される界面活性剤からなる群。 【化2】 一般式(2)中、Rはアルキル基を表し、x+y=5
    〜15の整数である。 【化3】 一般式(3)中、zは9以下の整数である。 【化4】 一般式(4)中、Rはアルキル基を表す。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表されるアミン化合物
    は、側鎖(B)がヒドロキシエチル基又は2−ヒドロキ
    シプロピル基であり、かつ、qは3以下の整数であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用水
    性インク。
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