JP2003327450A - ガラスセラミック誘電体材料 - Google Patents
ガラスセラミック誘電体材料Info
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- Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
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Abstract
アルミナと同等であり、しかもマイクロ波領域の周波数
において、誘電損失が低く、共振周波数の温度係数がゼ
ロに近い焼結体を得ることが可能なガラスセラミック誘
電体材料を提供する。 【解決手段】 焼成すると、ディオプサイド(CaMg
Si2O6)と、チタナイト(CaTi(SiO4)O)
及び/又はチタニア(TiO2)を析出する性質を有す
るガラス粉末を含むことを特徴とする。具体的には、質
量百分率で、ガラス粉末50〜100%、セラミック粉
末0〜50%からなり、ガラス粉末がSiO 2 35〜
65%、CaO 10〜30%、MgO 10〜20
%、TiO2 12〜30%の組成を有することを特徴
とする。
Description
周波領域においてアルミナと同等の誘電率を有し、誘電
損失が低く、共振周波数の温度係数がゼロに近いため
に、マイクロ波用回路部品の作製に好適なガラスセラミ
ック誘電体材料に関するものである。
ミック基板材料等の回路部品材料として、アルミナセラ
ミック材料や、ガラス粉末とセラミック粉末からなるガ
ラスセラミック材料が知られている。特にガラスセラミ
ック材料は、機械的強度はアルミナセラミック材料に比
べて劣るものの、1000℃以下の温度で焼成すること
ができるため、導体抵抗の低いAg、Cu等と同時焼成
することができるという長所がある。
代表される移動体通信機器、衛星放送、衛星通信、CA
TV等に代表されるニューメディア機器に使用されるマ
イクロ波用回路部品材料には、0.1GHz以上の高周
波領域における誘電損失が低いことが要求される。そこ
でディオプサイド系結晶を析出するガラスセラミック材
料が提案されている。例えば特許文献1には、この種の
材料が開示されている。
品自身が共振器として機能することを求められる場合が
あり、その場合は共振周波数が温度によって変化しない
という温度安定性が求められる。
プサイド系のガラスセラミック材料は、高周波領域での
誘電損失が低い焼結体を得られるという特徴を有してい
る。ところが誘電率が6〜8程度とアルミナより低い。
また、共振周波数の温度係数が−65ppm/℃と温度
安定性が悪い。
焼成でき、誘電率がアルミナと同等であり、しかもマイ
クロ波領域の周波数において、誘電損失が低く、共振周
波数の温度係数がゼロに近い焼結体を得ることが可能な
ガラスセラミック誘電体材料を提供することである。
を行ったところ、ディオプサイドに加え、さらにチタナ
イトやチタニアを析出させることにより、アルミナと同
等の誘電率が得られると同時に共振周波数の温度係数が
ゼロに近づくことを見いだし、本発明として提案するも
のである。
焼成すると、ディオプサイド(CaMgSi2O6)と、
チタナイト(CaTi(SiO4)O)及び/又はチタ
ニア(TiO2)を析出する性質を有することを特徴と
する。
SiO2 35〜65%、CaO10〜30%、MgO
10〜20%、TiO2 12〜30%含有すること
を特徴とする。
焼成すると、ディオプサイド(CaMgSi2O6)と、
チタナイト(CaTi(SiO4)O)及び/又はチタ
ニア(TiO2)を析出する性質を有するガラス粉末を
含むことを特徴とする。
は、SiO2 35〜65%、CaO 10〜30%、
MgO 10〜20%、TiO2 12〜30%含有す
るガラス粉末からなることを特徴とする。
ミック粉末等を含み得る。またグリーンシートの形態で
提供され得る。
結晶として、ディオプサイド(CaMgSi2O6)と、
チタナイト(CaTi(SiO4)O)及び/又はチタ
ニア(TiO2)が存在することを特徴とする。
プサイド(CaMgSi2O6)と、チタナイト(CaT
i(SiO4)O)及び/又はチタニア(TiO2)が存
在するガラスセラミック焼結体からなる誘電体層を有す
ることを特徴とする。
すると、低誘電損失のディオプサイドに加え、ディオプ
サイドよりも高誘電率であるチタナイトやチタニアを析
出したガラスセラミック焼結体となる。
られるガラスセラミック焼結体の高周波領域(0.1G
Hz以上)での誘電率を9〜10、誘電損失を20以下
に調整することができる。なお、チタナイトやチタニア
の析出量はTiO2の含有量で調整することが可能であ
る。例えばチタナイトやチタニアの析出量を増やしたい
場合には、TiO2の含有量を多くすればよい。
iO2、CaO、MgO、TiO2を主成分とし、これら
の主成分の含有量が合量で80質量%以上、好ましくは
90質量%以上である結晶性のガラス粉末を用いればよ
い。上記成分が合量で80質量%未満の場合、異種結晶
が析出したり、或いは所望の結晶が析出しなくなり易
い。
%、CaO 10〜30%、MgO10〜20%、Ti
O2 12〜30%含有するガラスを用いることが望ま
しい。
した理由を以下に述べる。
ーであるとともに、ディオプサイド、チタナイトの構成
成分となり、その含有量は35〜65%、好ましくは4
0〜55%である。SiO2が35%より少ないとガラ
ス化し難く、65%より多いと1000℃以下での焼成
が困難になり、導体や電極としてAgやCuを用いるこ
とが難しくなる。
成成分となり、その含有量は10〜30%、好ましくは
15〜25%である。CaOが10%より少ないとこれ
らの結晶が析出し難くなって誘電損失が高くなり、もし
くは誘電率が上がらず、30%より多いとガラス化し難
くなる。
り、その含有量は10〜20%、好ましくは12〜17
%である。MgOが10%より少ないと結晶が析出し難
くなり、20%より多いとガラス化し難くなる。
あり、かつチタナイト、チタニアの構成成分となり、そ
の含有量は12〜30%、好ましくは15〜27%であ
る。TiO2が12%より少ないとチタナイトやチタニ
アが析出し難くなり、誘電率が十分に高くならない。ま
た共振周波数の温度係数が−10ppm/℃よりも低く
なる。30%より多くなると誘電率が高くなりすぎると
同時に共振周波数の温度係数が10ppm/℃よりも高
くなる。
等の特性を損なわない範囲で他成分を添加してもよい。
例えば 溶解性向上のためにSrOを10%まで、Ba
Oを10%まで、化学耐久性向上のためにZrO2を1
0%まで添加することができる。ただしこれらの他成分
の含有量は、合量で20%未満に制限することが望まし
い。
上記した特徴を有するガラス粉末のみで構成されてもよ
いが、得られる焼結体の曲げ強度、靭性等の特性を改善
する目的でセラミック粉末と混合してもよい。この場
合、セラミック粉末の混合量は50質量%以下が好まし
い。セラミック粉末の割合をこのように限定した理由
は、セラミックス粉末が50%より多いと緻密化し難く
なるためである。
Hzでの誘電率が16以下、誘電損失が10×10-4以
下であるセラミック粉末を用いることが望ましい。例え
ばアルミナ、クリストバライト、フォルステライト、ジ
ルコン、ジルコニア等を使用することができる。セラミ
ック粉末の誘電率が16を超えるとガラスセラミック焼
結体の誘電率が高くなり易い。また0.1〜10GHz
での誘電損失が10×10−4を越えるセラミック粉末
を使用するとガラスセラミックス焼結体の誘電損失が高
くなり易く好ましくない。
を用いた回路部品の製造方法を述べる。
ミック粉末の混合粉末に、所定量の結合剤、可塑剤及び
溶剤を添加してスラリーを調製する。結合剤としては例
えばポリビニルブチラール樹脂、メタアクリル酸樹脂
等、可塑剤としては例えばフタル酸ジブチル等、溶剤と
しては例えばトルエン、メチルエチルケトン等を使用す
ることができる。
ド法によってグリーンシートに成形する。その後、この
グリーンシートを乾燥させ、所定寸法に切断してから、
機械的加工を施してスルーホールを形成し、導体や電極
となる低抵抗金属材料をスルーホール及びグリーンシー
ト表面に印刷する。次いでこのようなグリーンシートの
複数枚を積層し、熱圧着によって一体化する。
ことによってガラスセラミック焼結体を得る。このよう
にして作製された焼結体は、内部や表面に導体や電極を
備えている。なお焼成温度は1000℃以下、特に80
0〜950℃程度の温度であることが好ましい。
当たり、グリーンシートを用いる例を挙げたが、本発明
はこれに限定されるものではなく、一般にセラミックの
製造に用いられる各種の方法を適用することが可能であ
る。
セラミック焼結体上にSi系やGaAs系の半導体素子
のチップ等を接続することで、ガラスセラミック焼結体
からなる誘電体層を有するマイクロ波用回路部品を得る
ことができる。
〜6)及び比較例(試料No.7)を示すものである。
を調合した後、白金坩堝に入れて1400〜1500℃
で3〜6時間溶融してから、水冷ローラーによって薄板
状に成形した。次いでこの成形体を粗砕した後、アルコ
ールを加えてボールミルにより湿式粉砕し、平均粒径が
1.5〜3μmのガラス粉末とした。さらに試料No.
2〜6については、表に示したセラミック粉末(平均粒
径2μm)を添加し、混合粉末とした。
て、焼成温度、析出結晶、誘電率、誘電損失を測定し
た。
は、880〜900℃の低温で焼成可能であり、焼成後
にディオプサイド結晶の他に、チタナイト結晶やチタニ
ア結晶が析出していることが確認された。また2.4G
Hzの周波数で誘電率が9.2〜9.8とアルミナと同
等の誘電率であり、しかも誘電損失が小さかった。さら
に、共振周波数の温度係数が−7〜7ppm/℃とゼロ
に近い値となった。一方、比較例である試料No.7
は、誘電率が7.8と低かった。また、共振周波数の温
度係数が−65ppm/℃とゼロから離れた値となっ
た。
結体にインクを塗布した後に拭き取り、インクが残らな
い(=緻密に焼結した)試料のうち最低の温度で焼成し
たものの焼成温度を記載した。
した後、X線回折によって求めた。
い、空洞共振器(測定周波数2.4GHz)を使用して
25℃の温度での値を求めた。
試料をJIS R1627により求めた。(共振周波数
15GHz)
誘電体材料は、1000℃以下の低温で焼成することが
可能であり、導体損失の低いAgやCuを導体として使
用可能である。しかもその焼結体は、誘電率が9〜10
とアルミナに近いため、アルミナと置換して使用する場
合に回路設計を大幅に変更する必要がない。さらに0.
1GHz以上の高周波領域において低い誘電損失とゼロ
に近い共振周波数の温度係数を有している。従ってマイ
クロ波用回路部品用途に好適である。
Claims (16)
- 【請求項1】 焼成すると、ディオプサイド(CaMg
Si2O6)と、チタナイト(CaTi(SiO4)O)
及び/又はチタニア(TiO2)を析出する性質を有す
る誘電体材料用ガラス粉末。 - 【請求項2】 SiO2、CaO、MgO、TiO2を組
成中に含み、これらの成分の含有量が合量で80質量%
以上であることを特徴とする請求項1の誘電体材料用ガ
ラス粉末。 - 【請求項3】 ガラス粉末が、質量百分率で、SiO2
35〜65%、CaO 10〜30%、MgO 10
〜20%、TiO2 12〜30%含有することを特徴
とする請求項1又は2の誘電体材料用ガラス粉末。 - 【請求項4】 請求項1〜3の何れかのガラス粉末を含
むことを特徴とするガラスセラミック誘電体材料。 - 【請求項5】 さらにセラミック粉末を含むことを特徴
とする請求項4のガラスセラミック誘電体材料。 - 【請求項6】 セラミック粉末が、0.1〜10GHz
において、誘電率が16以下、かつ誘電損失が10×1
0-4以下であることを特徴とする請求項5のガラスセラ
ミック誘電体材料。 - 【請求項7】 質量百分率でガラス粉末50〜100
%、セラミック粉末0〜50%であることを特徴とする
請求項5のガラスセラミック誘電体材料。 - 【請求項8】 請求項4〜7の何れかのガラスセラミッ
ク誘電体材料を含むことを特徴とするグリーンシート。 - 【請求項9】 質量百分率で、SiO2 35〜65
%、CaO 10〜30%、MgO 10〜20%、T
iO2 12〜30%含有することを特徴とする誘電体
材料用ガラス粉末。 - 【請求項10】 請求項9のガラス粉末を含むことを特
徴とするガラスセラミック誘電体材料。 - 【請求項11】 さらにセラミック粉末を含むことを特
徴とする請求項10のガラスセラミック誘電体材料。 - 【請求項12】 請求項10又は11のガラスセラミッ
ク誘電体材料を含むことを特徴とするグリーンシート。 - 【請求項13】 析出結晶として、ディオプサイド(C
aMgSi2O6)と、チタナイト(CaTi(Si
O4)O)及び/又はチタニア(TiO2)が存在するこ
とを特徴とするガラスセラミック焼結体。 - 【請求項14】 請求項4〜7、9〜11の何れかのガ
ラスセラミック誘電体材料を焼成してなることを特徴と
するガラスセラミック焼結体。 - 【請求項15】 請求項8又は12のグリーンシートを
焼成してなることを特徴とするガラスセラミック焼結
体。 - 【請求項16】 ディオプサイド(CaMgSi2O6)
と、チタナイト(CaTi(SiO4)O)及び/又は
チタニア(TiO2)が存在するガラスセラミック焼結
体からなる誘電体層を有することを特徴とするマイクロ
波用回路部品。
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JP2017071550A (ja) * | 2011-11-24 | 2017-04-13 | ショット アクチエンゲゼルシャフトSchott AG | 高周波数領域における誘電体としてのガラスセラミック |
CN112194374A (zh) * | 2019-07-08 | 2021-01-08 | Tdk株式会社 | 玻璃陶瓷烧结体及配线基板 |
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