JP2003322203A - 遊隙充填引張型制震構造 - Google Patents

遊隙充填引張型制震構造

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JP2003322203A JP2002128529A JP2002128529A JP2003322203A JP 2003322203 A JP2003322203 A JP 2003322203A JP 2002128529 A JP2002128529 A JP 2002128529A JP 2002128529 A JP2002128529 A JP 2002128529A JP 2003322203 A JP2003322203 A JP 2003322203A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐震強度に優れた露出型柱脚構造および筋か
い等の金属構造であって、地震によって生ずる遊隙を自
動的に充填し、地震エネルギーを吸収する機能に優れた
遊隙充填引張型制震構造を提供する。 【解決手段】 アンカーキルト6もしくは筋かい自体の
伸びによりナット7とベースプレート4の間隙に対し、
挿入型楔10をコイルバネ14の付勢力によって挿入
し、生じた遊隙を順に自動充填することにより、アンカ
ーキルトもしくは筋かいに有効に継続して地震エネルギ
を吸収させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は遊隙充填引張型制震構造
に関しより詳しくは耐震強度に優れた露出型柱脚構造お
よび筋かい等の金属構造であって、塑性変形によって地
震エネルギを吸収する機能に優れた遊隙充填引張型制震
構造に関する。
【0002】
【従来技術と課題】従来、露出型柱脚等のコンクリート
基礎鋼柱脚構造ないし筋かいは、地震被害対策の要点で
あり、破壊エネルギの最も集中する場所である事が判っ
ている。
【0003】そしてここで生じる引張応力部材であるア
ンカーボルトもしくは筋かい部材の引張塑性変形によっ
て、遊隙(遊び)が生じ、早急な繰返し震動の場合、次
の引張応力がかかるまでに必ず遊隙が生まれるために構
造物として必要な強度が出ず、必要とする塑性域におけ
るエネルギ吸収が充分に行えないという問題点があっ
た。
【0004】従来の露出型柱脚は地震に対しアンカーボ
ルトを降伏させ、アンカーボルトの塑性伸びのみで地震
エネルギの吸収を行っている。この場合露出型柱脚の復
元力特性(荷重−変形履歴曲線)はスリップ型となる
が、柱脚により多くの地震エネルギを吸収させようとす
ると、必然に第1層において大きな層間変形角を生じる
事になる。
【0005】そしてこの荷重−変形履歴曲線上のスリッ
プは、アンカーボルトの塑性伸びによってベースプレー
トとナット間に生じる遊隙によって発生する事が実例お
よび実験観察の結果明らかになった。これらの対策とし
ては次のようなものがあった。
【0006】従来例としては特開平10−299081
に記載の発明のように、柱脚の回転剛性を小さくするた
め、べースプレートとアンカーボルトナットの間に弾性
バネを挿入するものがあつた。また特開2002−44
22のように柱脚を角鞘状の鞘管で支持するものも提案
されているが、これはアンカーボルトで固定したベース
プレートを切り離し、4箇のエネルギ吸収部材である低
降伏点鋼片を介して柱脚が自由に回動する事を許す手段
であって、これらは、所謂ピン柱脚もしくは半固定柱脚
と呼ばれるもので、本発明のように繰返し与えられる震
動に対して有効な固着とはならない事が明らかである。
【0007】即ち前記先行技術ではアンカーボルトの塑
性変形で以て地震エネルギを有効に吸収する事が出来な
かった。
【0008】一方従来のアンカーボルトはネジ部で破断
する事が多かったが、最近の転造ネジつきアンカーボル
トではネジ部の強度が高いためこのような事がなく、シ
ャフト部の塑性伸びを、例えば伸び率10%程度まで期
待出来るようになった。加えてベースプレートについて
もこれの曲げ変形を少なくし、すなわちアンカーボルト
の伸び変形抵抗に比して、より変形抵抗を大きくし剛体
化する事の方が地震エネルギの吸収に有効である事が判
って来た。
【0009】また筋かいの場合、特開平11−3644
4のように所謂アンボンドブレース(Unbond b
race)があるが、これは引張と圧縮の両応力に抵抗
出来るメリットがあるものの、筋かい材が断面大となる
と共に複雑化大型化するため、X字型筋かい構造にする
事が困難となり、K字型ないしV字型筋かいを設ける必
要が生じるなどの問題点があった。加えてアンボンドブ
レースは前記遊隙対策にはならなかった。
【0010】そこで本発明者は、鋭意実験研究の結果こ
の遊隙をなくす事によってスリップ現象を除去し、従来
よりも層間変形角を小さくし、より大きい地震エネルギ
を吸収可能とする本発明に到達した。
【0011】当初遊隙充填手段としては実験途中でアン
カーボルトや筋かいのナットを増し締めする事で行って
効果を確認したが、実際の建築物に応用する場合、これ
を自動化する必要があり、更に実験研究の結果、本発明
のような自動充填機構を備える遊隙充填型制震構造と呼
ぶ本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち本発明者は鋭意実験・研究の結
果、遊隙自動充填機構を工夫、導入する事により、引張
抵抗力のみを有効活用し、アンカーボルトないし筋かい
の塑性域における引張変形のみで地震エネルギを吸収す
るようにする事が出来るようになった。また従来例では
圧縮応力による座屈対策のために必要としたようなアン
ボンドブレースを用いる事なく圧縮側に座屈が生じず、
継続的に充分引張応力に耐える筋かいを得る事が出来る
ようになった。
【0013】
【発明の目的】本発明の第1の目的は、低周波振動が付
与される時、先の震動によって生じる遊隙の悪影響を後
の震動時に及ばなくする事である。
【0014】本発明の第2の目的は特に建築物の鉄骨固
定脚柱のモーメントに対するエネルギ吸収能を増し、ま
た筋かいの場合も層間変形角を小さくして遊隙なく直ち
に変形抵抗を発揮出来るようにする事である。
【0015】本発明の第3の目的は荷重−変形履歴曲線
が、露出型柱脚では従来のスリップ型でなくボウタイ型
(原点立上がり型)となり、筋かいでも同様に従来のス
リップ型でなく、紡錘型となり、エネルギ吸収が有効に
行われるようになり、また、コンピュータによる変形予
測もしくは強度計算がし易くなるようにする事である。
【0016】
【発明の構成】本発明により、繰返し引張応力を受けた
場合、引張応力部材が塑性変形する事により震動エネル
ギを吸収する引張型制震構造において、先に生じた遊隙
を自動充填する自動充填機構を備え、次に与えられる引
張応力によって遊隙なく引張応力部材の変形が開始され
るようにした事を特徴とする遊隙充填引張型制震構造
(請求項1)、遊隙充填引張型制震構造が、主として建
築、土木構造における露出型柱脚もしくは筋かい用であ
る請求項1に記載の遊隙充填引張型制震構造(請求項
2)、自動充填機構が、弾性体付勢による挿入型楔を備
える自動充填機構である請求項1ないし2に記載の遊隙
充填引張型制震構造(請求項3)、挿入型楔の傾斜角θ
が15°≦θ≦75°、好ましくは30°≦θ≦60°
である請求項3に記載の遊隙充填引張型制震構造(請求
項4)、弾性体が、コイルバネ、つるまきバネ、板バ
ネ、ゴムクッションの内1または2以上の組合せである
請求項3ないし4に記載の遊隙充填引張型制震構造(請
求項5)、挿入型楔とベースプレートおよび/もしくは
楔受けとの摩擦面が挿入方向にのみ移動可能な一方向ク
ラッチである請求項3ないし5に記載の遊隙充填引張型
制震構造(請求項6)、荷重−変形履歴曲線が常時原点
立上がりボウタイ型をなす請求項1ないし6に記載の露
出型柱脚である遊隙充填引張型制震構造(請求項7)お
よび2本の筋かいの荷重−変形履歴曲線が紡錘型をなす
請求項1ないし6に記載のX字型筋かいである遊隙充填
引張型制震構造(請求項8)が提供される。
【0017】以下に実施例を用いて本発明を詳細に説明
する。
【0018】
【実施例】図1は震動開始前の柱脚部側面図、図2は震
動1/2サイクル後の柱脚部側面図、図3は震動1サイ
クル後の柱脚部側面図、図4は図1のA−A矢視図、図
5は図2のB−B矢視図、図6は図3のC−C矢視図、
図7は挿入型楔の斜視図、図8は軸力Nと反時計廻りの
モーメントMを受けた時の柱脚部側面図、図9は次に軸
力Nと時計廻りのモーメントM'を受けた時の柱脚部側
面図、図10は次に復元して左右アンカーボルトネジ部
ナットとベースプレート間に塑性伸びによって遊隙
,Gが生じた状況を示す柱脚部側面図、図11は
一方向クラッチを用いた実施例1の側面図、図12は従
来例(遊隙充填なし)(軸力Nが作用しない場合)の荷
重−変形履歴グラフ、図13は実施例1(軸力Nが作用
しない場合)の荷重−変形履歴グラフ、図14は従来例
(遊隙充填なし)(軸力Nが作用する場合)の荷重−変
形履歴グラフ、図15は実施例1(軸力Nが作用する場
合)の荷重−変形履歴グラフ、図16は震動開始前の実
施例2の側面図、図17は震動1サイクル後の実施例2
側面図、図18は実施例2の荷重−変形履歴グラフであ
る。
【0019】図1〜18において、1は実施例1、20
0は実施例2、2は柱脚部、4はベースプレート、6は
アンカーボルト、6Aはアンカーボルトネジ部、7はナ
ット、10,10A,10Bは夫々挿入型楔、挿入前の
挿入型楔、挿入後の挿入型楔であり、10Kはボルト長
孔,10Pは傾斜壁、10Sは傾斜面,11は楔受け、
13はバネ受け、、G,G,Gは遊隙、Nは軸
力、Mはモーメント、Cは圧縮反力、Vは引張反力、W
は隅肉溶接部、14Aは圧縮されたコイルバネ、14B
は伸びたコイルバネ、20はコンクリート基礎,30は
一方向ベアリング、31はニードルローラ、32,33
はベアリングレース、32Aは傾斜溝、34は可動リテ
ーナ、35は押引きコイルバネである。 <実施例1>先ず、柱脚部において、1/2サイクルだ
け震動が与えられた時、すなわち柱脚部に柱脚方向の軸
力Nと反時計方向のモーメントMが掛ると柱脚部は図8
のような状態となり、ベースプレート左端部を支点とし
て左側に傾く。そしてベースプレート4の剛性が高いと
右側アンカーボルト6は短い弾性変形の後降伏し、略鉛
直方向の引張塑性変形を生じる。ここで震動エネルギが
アンカーボルト6に吸収される事になる。同様に図9は
時計方向のモーメントM'が加わる場合である。
【0020】アンカーボルトの材質はJISG3138
建築構造用圧延棒鋼のSNR400A,SNR400
B,SNR490B等が最も普通に用いられるが、筋か
い材を含む本発明用途には、一般に降伏比が比較的小さ
く(75%以下)、加工硬化係数が比較的小さい塑性伸
びし易い材料が望ましい。経済性を度外視すれば上記軟
鋼材の他にZn−Al合金等を超塑性材料として用いる
事も出来る。
【0021】図7に斜視図を示す挿入型楔について説明
する。素材は靭性のある鋳鋼製が望ましい。
【0022】次に図9のようにモーメントMの反対方向
(時計方向)に逆モーメントM'が働くとベースプレー
ト4の右端部を支点として左側のアンカーボルトが引張
られて伸びる事になる。すなわち1サイクル以上の繰返
し荷重が与えられると左右1対のアンカーボルトが長手
方向に引張応力を受け、塑性伸びが生じる(図10参
照)。
【0023】ところが、図9のような従来例では夫々遊
隙G,Gが生じるので、荷重−変形履歴曲線が図1
2もしくは図14のようになり、再引張位置は原点復帰
せず、スリップ型となるので、制震効果が乏しい。
【0024】従来例において、因みに図14の場合は軸
力Nが作用する場合であり、図12の場合は軸力Nが作
用しない場合である。
【0025】ところが本発明実施例1では挿入型楔が遊
隙G,G…に挿入して遊隙を塞ぐので図13,図1
5のように荷重−変形履歴曲線が原点立ち上がり型(ボ
ウタイ型)となりスリップが生じないから、地震エネル
ギが吸収され易くなり、制震効果が大きくなる。
【0026】なお本発明の挿入型楔の傾斜角(頂角)θ
は15°≦θ≦75°であり、更に好ましくは30°≦
θ≦60°でなければならない。
【0027】その限定理由について以下に述べる。
【0028】先ずθは、15°に達しないと挿入型楔の
水平移動距離の割に略鉛直方向の距離を稼げないので実
際的でないからであり、また楔受けの厚みが小さくなり
過ぎ、剛性が小さくなる恐れがあるからであり、75°
を超えると逆に挿入型楔の水平移動距離に比して鉛直移
動距離が大きくなり過ぎ、また挿入型楔挿入後の斜面摩
擦力が小さくなるだけでなく、ベースプレートの上に露
出するアンカーボルト頭部が長大となり、力学的に不安
定となるので不都合であるからである。
【0029】更に望ましくは30°≦θ≦60°である
が、この限定理由は次の通りである。
【0030】θが30°よりも小さいと本発明範囲では
あるものの挿入型楔が全体として薄くなり、剛性が保ち
難くなる傾向があり、かつ限られたベースプレート表面
積で本発明を実施し難くなるからである。またθが60
°を超えると本発明範囲であってもやや挿入型楔高さが
大きくなり、前述のようにアンカーボルト頭部長が長目
になるので安定性がやや保ち難くなるからである。また
挿入型楔の製造工程においても30°≦θ≦60°の場
合は最も取り扱い易いメリットもある。
【0031】なお、挿入型楔を押す弾性体はコイルバネ
の代わりに、つるまきバネや、板バネもしくはゴムクッ
ションを用いる事も出来る。またこれらを2以上組み合
せてもよい。挿入型楔とベースプレートおよび楔受けと
の摩擦面は各摩擦面について摩擦係数が長期に(例えば
50年)に亘って楔挿入方向に小さく、後退方向には高
く保たれるような表面仕上げ、例えばサンドブラスト処
理および/もしくは亜鉛めっき処理等の表面処理をする
事が望ましい。
【0032】挿入型楔はアンカーボルトの塑性伸びに生
じた遊隙G,G…を充填するためのものであり、ベ
ースプレートと楔受の間に無理矢理圧入させるものでは
ないから、前記コイルバネ等の弾性体付勢力は挿入型楔
を地震で生じた前記遊隙に間髪を入れず直ちに自動挿入
する程度の強さで足りる。この点は筋かいの実施例2で
も同様である。
【0033】これらの摩擦面の一部もしくは全部には挿
入方向にのみ移動可能な一方向クラッチ30もしくは同
様な傾向のある表面処理を加える事が望ましい(図11
参照)。すなわち挿入型楔とベースプレートもしくは楔
受けとの摩擦面の摩擦係数は楔挿入方向の摩擦係数をμ
in、後退方向のそれをμoutとすると、少なくとも
μin<μoutである事が望ましい。
【0034】図11にニードルローラと傾斜溝付きベア
リングレースと可動リテーナでなる一方向クラッチを挿
入型楔下面とベースプレート上面間に用いた例の断面図
を示す。
【0035】これは挿入方向に引張られる押引きコイル
バネで繋がれた可動リテーナ34により、ニードルロー
ラ31,31…が傾斜溝の深い方に押されるため、挿入
方向にのみ移動可能となり、逆方向にはニードルローラ
上下間に強大な圧力が加わって停止するものである。こ
の型の一方向クラッチは特開平10−61743に開示
されている。
【0036】<実施例2>実施例2は本発明を筋かいの
引張変形に応用した例である。
【0037】図16は繰り返し荷重を受ける前のX字型
筋かいの側面図、図17はX字配置の筋かいに塑性伸び
を起させるような少なくとも1/2サイクルの繰り返し
荷重を受けた後のX字型筋かい側面図である。
【0038】図1〜図18において、更に15A,15
Bは筋かい、17,18はブラケット、17A,18A
は筋かい取付部、19はコイルバネ受け、21は鉛直
枠、22は水平枠、25は耐力壁である。
【0039】通常は図16のように筋かいは1対の鉛直
枠21と水平枠22とに囲まれた耐力壁25内でX字型
に配置されており、鉛直枠21,水平枠22で囲まれた
1ブロックが耐力壁25をなしている。耐力壁25に剪
断力S,Sが働くと夫々筋かい15A,15Bの順
に引張り力が働き、降伏すると塑性伸びが生じて地震エ
ネルギが吸収される。
【0040】その他方の筋かい15B,15Aには夫々
遊隙G,Gが生じるので、実施例1の場合と同様に
挿入型楔10A,10Aが前記遊隙G,Gに挿入
し、遊隙G,Gは充填されてから、耐力壁25にか
かる剪断力による歪みは地震サイクル後にはスリップが
なくなり、荷重−変形履歴曲線は図18のように紡錘型
となる。
【0041】
【発明の効果】本発明を実施する事により、前記目的の
すべてが達成される。すなわち低周波震動が付与される
時、先の震動によって生じる遊隙の悪影響を後の震動時
に及ばなくする事が出来る。
【0042】また建築物の鉄骨固定脚柱のモーメントに
対するエネルギ吸収能を増し、筋かいの場合も層間変形
角を小さくして遊隙なく直ちに筋かい部材の変形抵抗を
発揮出来るようになった。
【0043】更に荷重−変形履歴曲線が、露出型柱脚で
は従来のスリップ型でなくボウタイ型(原点立上がり
型)となり、筋かいでも同様に従来のスリップ型でな
く、紡錘型となり、エネルギ吸収が有効に行われるよう
になるので、コンピュータによる変形予測もしくは強度
計算がし易くなるという効果をもたらす。
【0044】また本発明の挿入型楔でなる遊隙自動充填
機構は構造簡単、廉価であり乍ら、作動が確実であり、
上記の効果を容易に得る事が出来る。
【0045】更に詳しくは、筋かいに本発明を用いる
と、次のような利点を有する筋かいを得ることが可能と
なる。 (1)筋かいに圧縮力が作用しない。そのために、座屈
防止のための設計が不要である。 (2)筋かい引張力が作用しはじめとすぐに引張抵抗を
始めるためスリップ型の復元力特性にはならない。その
ため、筋かいとしてのエネルギ吸収能力が最大限に発揮
できる。 (3)引張力だけに抵抗するため、筋かいとしての復元
力特性は最も簡単な完全弾塑性体モデルとなる。断面積
と降伏応力度のみで筋かいを予測できる。更に、端部接
合部を保有耐力設計しておれば、筋かいの材長と限界ひ
ずみ度から限界層間変形角も簡単に算出できる。 (4)地震後に筋かいがどの程度塑性伸びを起したか簡
単に測定できると共に、その後の余寿命(伸び能力)に
ついても検討可能である。 (5)既存の筋かいについても、端部接合部のわずかな
改良により本発明装置は取り付け可能なので、耐震改修
の際に、改良型復元力特性を有する筋かいに取り替える
ことが容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】震動開始前の柱脚部側面図。
【図2】震動1/2サイクル後の柱脚部側面図。
【図3】震動1サイクル後の柱脚部側面図。
【図4】図1のA−A矢視図。
【図5】図2のB−B矢視図。
【図6】図3のC−C矢視図。
【図7】挿入型楔の斜視図。
【図8】軸力Nと反時計廻りのモーメントMを受けた時
の柱脚部側面図。
【図9】次に軸力Nと時計廻りのモーメントM'を受け
た時の柱脚部側面図。
【図10】次に復元して左右アンカーボルトネジ部ナッ
トとベースプレート間に塑性伸びによって遊隙G,G
が生じた状況を示す柱脚部側面図。
【図11】一方向クラッチを用いた実施例1の側面図。
【図12】従来例(遊隙充填なし)(軸力Nが作用しな
い場合)の荷重−変形履歴グラフ。
【図13】実施例1(軸力Nが作用しない場合)の荷重
−変形履歴グラフ。
【図14】従来例(遊隙充填なし)(軸力Nが作用する
場合)の荷重−変形履歴グラフ。
【図15】実施例1(軸力Nが作用する場合)の荷重−
変形履歴グラフ。
【図16】震動開始前の実施例2の側面図。
【図17】震動1サイクル後の実施例2側面図。
【図18】実施例2の荷重−変形履歴グラフ。
【符号の説明】
1 実施例1 200 実施例2 2 柱脚部 4 ベースプレート 6 アンカーボルト 6A アンカーボルトネジ部 7 ナット 10 挿入型楔 10A 挿入前の挿入型楔 10B 挿入後の挿入型楔 10K ボルト長孔 10P 傾斜壁 10S 傾斜面 11 楔受け 13 バネ受け G,G,G 遊隙 N 軸力 M モーメント C 圧縮反力 V 引張反力 W 隅肉溶接部 14A 圧縮されたコイルバネ 14B 伸びたコイルバネ 20 コンクリート基礎 30 一方向ベアリング 31 ニードルローラ 32,33 ベアリングレース 32A 傾斜溝 34 可動リテーナ 35 押引きコイルバネ 15A,15B 筋かい 17,18 ブラケット 17A,18A 筋かい取付部 19 コイルバネ受け 21 鉛直枠 22 水平枠 25 耐力壁
フロントページの続き Fターム(参考) 2E125 AA04 AA33 AA45 AB13 AC15 AC18 AG20 CA05 CA33 CA63 CA64 CA65 3J048 AA01 AD05 AD14 BC02 DA04 EA38

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繰返し引張応力を受けた場合、引張応力部
    材が塑性変形する事により震動エネルギを吸収する引張
    型制震構造において、先に生じた遊隙を自動充填する自
    動充填機構を備え、次に与えられる引張応力によって遊
    隙なく引張応力部材の変形が開始されるようにした事を
    特徴とする遊隙充填引張型制震構造。
  2. 【請求項2】遊隙充填引張型制震構造が、主として建
    築、土木構造における露出型柱脚もしくは筋かい用であ
    る請求項1に記載の遊隙充填引張型制震構造。
  3. 【請求項3】自動充填機構が、弾性体付勢による挿入型
    楔を備える自動充填機構である請求項1ないし2に記載
    の遊隙充填引張型制震構造。
  4. 【請求項4】挿入型楔の傾斜角θが15°≦θ≦75
    °、好ましくは30°≦θ≦60°である請求項3に記
    載の遊隙充填引張型制震構造。
  5. 【請求項5】弾性体が、コイルバネ、つるまきバネ、板
    バネ、ゴムクッションの内1または2以上の組合せであ
    る請求項3ないし4に記載の遊隙充填引張型制震構造。
  6. 【請求項6】挿入型楔とベースプレートおよび/もしく
    は楔受けとの摩擦面が挿入方向にのみ移動可能な一方向
    クラッチである請求項3ないし5に記載の遊隙充填引張
    型制震構造。
  7. 【請求項7】荷重−変形履歴曲線が常時原点立上がりボ
    ウタイ型をなす請求項1ないし6に記載の露出型柱脚で
    ある遊隙充填引張型制震構造。
  8. 【請求項8】2本の筋かいの荷重−変形履歴曲線が紡錘
    型をなす請求項1ないし6に記載のX字型筋かいである
    遊隙充填引張型制震構造。
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