JP2003313191A - 有機ハロシランの製造方法 - Google Patents

有機ハロシランの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 反応器内に金属珪素、銅触媒及び助触媒
を含む触体を仕込み、オルガノハライドを含むガスを導
入、反応させて、下記一般式(1) Rn(H)mSiX(4-n-m) (1) (式中、Rは炭素数1〜6の1価炭化水素基、Xはハロ
ゲン原子を示し、n、mは0〜3、n+m=1〜3を満
足する整数である。)で示される有機ハロシランを製造
する方法において、触体として、上記触体中にセシウム
含有化合物を微細化して分散化させたものを使用するこ
とを特徴とする有機ハロシランの製造方法。 【効果】 本発明の有機ハロシランの製造方法によれ
ば、より少ない添加量のセシウム含有化合物でジオルガ
ノジハロシランの選択率を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機ハロシランの
工業的製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】有機ハ
ロシランの合成方法に関しては、米国特許第2,38
0,995号公報においてE.Rochowが銅触媒に
よる金属珪素とアルキルハライドとの直接法を開示して
以来、銅触媒の存在下で用いる種々の助触媒に関するも
の、反応装置に関するもの、反応時の添加物に関するも
の等、数多くの研究者によって、その成果の向上が報告
されてきた。有機ハロシランの工業的合成においては、
シリコーン樹脂にもっとも多用されるジオルガノジハロ
シランの選択性、シランの生成速度及び金属珪素の有効
シランへの高転換率が重要とされる。
【0003】ジオルガノジハロシランの選択性は、生成
シラン中の重量比(或いはモル比)、及びT/D比によ
り評価される。
【0004】生成有機ハロシラン中に含まれる物質とし
ては、ジオルガノジハロシラン(D)、トリ有機ハロシ
ラン(M)、オルガノトリハロシラン(T)等が挙げら
れ、オルガノヒドロジハロシラン(H)やオルガノハロ
ジシラン類も生成する。特に、この直接法による有機ハ
ロシラン類を原料とするシリコーンの製造業者におい
て、高留分と呼ばれるジシラン類は有効な製品への誘導
が少なく、ほとんどが残渣として廃棄されている。
【0005】T/D比とは、全生成有機ハロシラン中の
オルガノトリハロシランとジオルガノジハロシランの組
成比であり、T/D比は小さいほど好ましい。一方、有
機ハロシランの生成速度は、STY(Space Ti
me Yield)値を用いる。STY値は、反応器内
に保持される金属珪素重量に対する単位時間当たりの生
成粗有機ハロシランの重量である。これら、生成ジ有機
ハロシランの組成の向上、或いはT/D比の低下及びS
TY値を向上させるため、触媒、助触媒を中心とした種
々の研究がなされてきた。
【0006】特公昭63−43400号公報では、ジメ
チルジクロロシランの選択性を高めるために、珪素と触
媒の合計重量に対して0.05〜4%のセシウム及び、
30〜1000ppmの錫を含有する銅触媒の存在下で
ジメチルジクロロシランを製造する方法が開示され、ジ
メチルジクロロシランの選択率を向上させることが報告
されている。しかしながら、セシウム含有化合物は高価
であるという問題があった。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、有機ハロシランの工業的製造において、生成し
たジオルガノジハロシランの組成向上、有機ハロシラン
の生成速度向上、金属珪素の有効シランへの転化率をよ
り低コストで実現する有機ハロシランの製造方法を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、
セシウム含有化合物を触体中に微細化、高分散化させ存
在させることにより、高価な助触媒であるセシウム含有
化合物が少ない使用量でも、ジオルガノジハロシランの
選択率を向上させることを知見し、本発明をなすに至っ
たものである。
【0009】具体的には、セシウム含有化合物として特
公昭63−43400号公報でも使用されている塩化セ
シウムは、融点642℃であり、金属珪素と有機ハライ
ドから有機ハロシランを製造する反応における通常の反
応温度では、容易に溶融しないことや、潮解性があるた
め保存状態次第では容易に凝集してしまい大きな塊にな
ってしまう。そのため、反応器内のセシウム助触媒が有
効に作用せず、過剰に添加しないと効果が現れないと考
えられる。そこで、本発明者は、セシウム含有化合物を
より微細化、高分散化させれば、少量の添加でジオルガ
ノジハロシランの選択性を向上させると考え、本発明に
至った。本発明の方法によれば、より少ない添加量のセ
シウム含有化合物でジオルガノジハロシランの選択率を
向上させることができる。
【0010】従って、本発明は、反応器内に金属珪素、
銅触媒及び助触媒を含む触体を仕込み、オルガノハライ
ドを含むガスを導入、反応させて、下記一般式(1) Rn(H)mSiX(4-n-m) (1) (式中、Rは炭素数1〜6の1価炭化水素基、Xはハロ
ゲン原子を示し、n、mは0〜3、n+m=1〜3を満
足する整数である。)で示される有機ハロシランを製造
する方法において、触体として、上記触体中にセシウム
含有化合物を微細化して分散化させたものを使用するこ
とを特徴とする有機ハロシランの製造方法を提供する。
【0011】以下、本発明につき詳しく説明する。本発
明の有機ハロシランの製造方法で得られる有機ハロシラ
ンは、上記一般式(1)で表される有機ハロシランであ
る。この場合、上記一般式(1)において、Rは炭素数
1〜6の1価炭化水素基であり、炭素数1〜6のアルキ
ル基、アルケニル基、アリール基等が挙げられ、メチル
基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基
が特に好ましい。n、mは0〜3、n+m=1〜3を満
足する整数であり、特に、nは2が好ましく、mは0が
好ましく、n+m=2であることが好ましい。Xのハロ
ゲン原子としては、塩素、臭素、フッ素が挙げられ、こ
の中で塩素が好ましい。
【0012】ここで、金属珪素は、通常、珪素の純度が
97重量%以上、特に純度が98重量%以上のものを用
いることが好ましい。また、金属珪素は粉砕し、適当な
粒度を持った粉末として使用することが好ましく、反応
器として流動層反応器又は撹拌層反応器を用いる場合
は、金属珪素粉末に良好な流動性を持たせるために、金
属珪素粉末の粒子径は篩分による重量基準累積分布曲線
の50%に相当する粒径として5〜150μmの範囲と
することが好ましい。
【0013】銅触媒としては銅粉末、スタンピング銅、
アトマイズ銅等の単体銅(金属銅)、あるいは酸化第一
銅、酸化第二銅や、塩化銅等のハロゲン化銅、酢酸銅等
の種々形態のものを用いることができる。また、助触媒
として、亜鉛、錫、アンチモン、砒素、リン等の種々の
促進剤を用いてもよいが、この場合、銅との合金等の形
態で用いてもよく、銅との合金としては、Cu−Zn、
Cu−Sn、Cu−Zn−Sn(又はSb、As、P)
等が例示される。また、単独で用いる形態において、助
触媒として具体的には金属亜鉛、塩化亜鉛、酸化亜鉛、
酢酸亜鉛等の亜鉛化合物、金属錫、塩化錫、酸化錫等の
錫化合物、金属アンチモン、塩化アンチモン、酸化アン
チモン等のアンチモン化合物、金属アルミニウム、塩化
アルミニウム、酸化アルミニウム等のアルミニウム化合
物、金属リン、リン化銅、三塩化リン、酸化リン等の無
機リン化合物等を例示することができる。この中で亜
鉛、錫、リンが好ましい。これらは1種単独で又は2種
以上を併用してもよい。
【0014】また、銅触媒及び助触媒は、粉末として用
いるのが好ましく、金属珪素粉末の粒子径は篩分による
重量基準累積分布曲線の50%に相当する粒径として5
〜150μmの範囲とすることが好ましい。
【0015】銅触媒の配合量は、金属珪素粉末100部
(重量部、以下同じ)に対して銅重量に換算して0.1
〜10部、特に2〜8部とすることが好ましい。また、
助触媒の配合量は、その種類、形態等に応じた公知の配
合量において適宜選択され、例えば、亜鉛の配合量は金
属珪素粉末100部に対して0.05〜1部、錫、アン
チモン及び砒素の配合量は金属珪素粉末100部に対し
ていずれか1種類あるいは合計で0.001〜0.05
部、特に0.005〜0.01部とするのが好ましい。
なお、亜鉛化合物等の化合物の場合は、それぞれの金属
に換算して上記量となるように添加することが好まし
い。
【0016】一方、金属珪素と反応させて、有機ハロシ
ランを得るためのオルガノハライドとしては、製造すべ
き有機ハロシラン、即ち、下記一般式(1) Rn(H)mSiX(4-n-m) (1) (式中、Rは炭素数1〜6の1価炭化水素基、Xはハロ
ゲン原子を示し、n、mは0〜3、n+m=1〜3を満
足する整数である。)で示される有機ハロシランのRの
種類に応じて選定され、具体的には、塩化メチル、塩化
エチル、塩化プロピル、塩化ベンゼン、臭化メチル、臭
化エチル、臭化プロピル、臭化ベンゼン等を例示するこ
とができる。この中で塩化メチル、塩化ベンゼンが好ま
しく、特に工業的に最も有効なものは塩化メチルであ
り、これを用いて製造されるジメチルジクロロシランは
多くのシリコーン樹脂の原料として幅広い用途がある。
オルガノハライドは予め昇温し、ガス化した後、反応器
へ送入する。この場合、オルガノハライドガスを単独で
送入してもよいし、不活性ガスと併せて粉末が流動化す
る量を送入してもよい。送入されるガス量は、用いる反
応器の直径と空塔速度から適宜決定される。なお、オル
ガノハライドの使用量は、ガスの空塔速度が最小流動化
速度以上であり、粉体が激しく飛散しないような速度で
あることが好ましい。
【0017】本発明で使用されるセシウム含有化合物
は、塩化セシウム、臭化セシウム、ヨウ化セシウム、酢
酸セシウム、炭酸セシウム等のセシウム含有化合物を例
示することができる。この中では、塩化セシウムが好ま
しい。
【0018】セシウム含有化合物の使用量は、金属珪素
重量に対してセシウム含有量が、50〜10000pp
m、特に300〜8000ppmであることが好まし
い。
【0019】セシウム含有化合物を、触体中に微細化、
分散化させる方法は問わないが、好ましい方法として、
セシウム含有化合物を単独、又はセシウム含有化合物
と、金属珪素粉末、銅触媒粉末、助触媒粉末、不活性粉
末からなる群から選ばれる1種又は2種以上との混合物
に対し、メカノフュージョン装置、ボールミル、撹拌ミ
ル、遊星ミル、高速回転粉砕機、ジェット粉砕機、剪断
ミル、ローラーミル、又はスタンプミルで処理して得ら
れたものを、触体中に含有させることが挙げられる。上
記装置に、セシウム含有化合物を単独で、又はセシウム
含有化合物と、金属珪素粉末、銅触媒粉末、助触媒粉
末、不活性粉末のうちの1種類の粉末、又は、複数の粉
末との混合物を投入、上記装置を用いて処理することに
より、セシウム含有化合物を触体中に、細かくかつ高分
散化させることができる。この場合、セシウム含有化合
物と金属珪素粉末、銅触媒粉末、助触媒粉末、不活性粉
末のうち少なくとも1種の粉末と共に処理することが好
ましい。処理により得られたセシウム含有化合物、又は
セシウム含有化合物と金属珪素粉末等の混合物は、篩分
による重量基準累積分布曲線の50%に相当する粒径と
して5〜150μmの範囲とすることが好ましい。
【0020】ここで、不活性粉末は、有機ハロシランと
金属珪素から有機ハロシランを製造する、いわゆるRo
chow反応において、反応に関与しない粉末であれ
ば、特に種類は問わないが、例えば、シリカ、アルミナ
等を用いることができる。これらの不活性粉末の粒子径
は、金属珪素粉末と同様に、篩分による重量基準累積分
布曲線の50%に相当する粒径として5〜150μmの
範囲とすることが好ましい。
【0021】例えば、メカノフュージョン装置(AM−
15F)は、図1に示したように、ケーシング1内に原
料を投入し、ケーシング1を回転させ、原料をケーシン
グ1内周壁に遠心力で押し付けるとともに、インナーピ
ース2とケーシング1との間で剪断力を与え、金属珪素
粉末、銅触媒粉末、助触媒粉末、及び不活性粉末表面に
セシウム含有化合物を高分散化させる。ケーシング1内
周壁とインナーピース2との間で改質された原料は、イ
ンナーピース2後方に固定されたスクレーパー3で掻き
落とされ、再度上記剪断力が与えられる処理が繰り返さ
れる。なお、ケーシング1は、摩擦熱による異常昇温を
避けるために冷却される。即ち、メカノフュージョン
は、回転するケーシング1と固定されたインナーピース
2によって粉体粒子に圧縮、剪断、序枠作用を与えるこ
とができる。スクレーパー3は、インナーピース2とケ
ーシング1の間で圧縮された粉体をケーシング1から掻
き落とすためにある。本装置は、単一のあるいは複数の
素材粒子に機械的エネルギーを加えて、表面融合、
分散・混合、粒径制御を行うことができる。
【0022】なお、実際の運転では、モーター動力とイ
ンナーピース部での粉体粒子の温度を測定して、運転の
目安とする。
【0023】ここで、上記ケーシング1の回転数、ケー
シング1とインナーピース2との間のクリアランスS
は、使用する装置に応じて適宜選択されるが、AM−1
5F型メカノフュージョン装置の場合、回転数は300
〜3000rpm、特に800〜2200rpmである
ことが好ましく、クリアランスは0.1〜10mm、特
に0.5〜5mmであることが好ましい。
【0024】上記処理は、非酸化性雰囲気下で行うこと
が好ましい。この非酸化性雰囲気としては、窒素ガス、
アルゴンガス、水素ガス又はこれらの混合ガスとするこ
とができる。
【0025】金属珪素粉末及び/又は不活性粉末と、セ
シウム含有化合物との適切な配合量は重量比で、100
0:1〜10:1が好ましく、特に1000:3〜10
0:1が好ましい。
【0026】次に、セシウム含有化合物を、触体中に微
細化、高分散化させる好ましい方法として、金属珪素粉
末、銅触媒粉末、助触媒粉末、不活性粉末からなる群か
ら選ばれる1種又は2種以上の粉末を、セシウム含有化
合物溶液中に分散するか又は上記粉末にセシウム含有化
合物溶液を噴霧させた後、非酸化性雰囲気下で乾燥さ
せ、得られたものを、触体中に含有する方法が挙げられ
る。
【0027】ここで、セシウム含有化合物溶液中の溶媒
としては水が好ましい。非酸化性雰囲気としては窒素、
アルゴン、水素又はこれらの混合ガスを用いることがで
きる。この方法によって得られるセシウム担持金属珪素
粉末に対するセシウムの処理量は1000:1〜10:
1が好ましく、特に1000:3〜100:1の範囲が
好ましい。セシウム含有化合物の添加は、微粉末の形態
で行うことによる高分散化も可能であるが、微粉末は反
応中、導入ガス流に同伴されて系外に飛散したり、保存
中に空気中の水分と接触させると固まってしまうことが
ある。
【0028】本発明の有機ハロシランの製造方法は、反
応器内に金属珪素、銅触媒及び助触媒を含む触体を仕込
み、触体中に微細化、高分散化させたセシウム含有化合
物を使用し、オルガノハライドを含むガスを導入、反応
させるものである。
【0029】本発明の有機ハロシランの製造方法におい
て、触体の加熱又は触体への触媒活性付与工程で反応器
の触体の流動化に用いる不活性ガスは、窒素ガス、ヘリ
ウムガス、アルゴンガス等が例示されるが、経済性の点
から、窒素ガスを用いることが好ましい。これらの工程
における不活性ガスの流速は触体の流動化開始速度以上
であればよいが、特に流動化開始速度の5倍程度が好ま
しい。不活性ガスの流速をこの範囲より小さくすると触
体の均一な流動化が困難となり、一方、不活性ガスの流
速をこの範囲より大きくすると、金属珪素粉末の飛散が
増加したり、不活性ガスのロスや熱のロスが増加する場
合がある。また、不活性ガスとオルガノハライドを循環
使用することが好ましい。
【0030】上記のように触体への触媒の活性付与を行
った後、反応器にオルガノハライドを導入し、オルガノ
ハライドと金属珪素とを気−固接触反応させることによ
り有機ハロシランを得ることができる。
【0031】なお、本発明において、反応は230〜6
00℃、特に250〜500℃の温度範囲で行うことが
好ましい。また、反応器としては、流動層反応器、撹拌
層反応器、固定層反応器等を用いることができ、工業的
には連続的な流動層反応器が好ましい。
【0032】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。なお、下記例中の部は重量部を示す。
【0033】[実施例1]塩化セシウムと平均70μm
の金属珪素粉末を、重量比1000:3の割合で混合
し、ホソカワミクロン(株)製「メカノフュージョン」
装置(AM−15F)を用い、撹拌動力1.0kW、ケ
ーシング回転数1,200rpmの条件で窒素気流下で
処理を行った。次に平均70μmの金属珪素粉末90
部、上記で得られたセシウム処理金属珪素粉末10部、
酸化銅よりなる触媒混合物5部を内径50mm、高さ5
00mmの反応器で塩化メチルを流し、下記条件、及び
表1に示した反応温度で反応を行った。反応速度及び有
効シラン組成(%)を表1に示す。 反応時間:6時間 反応器内圧:1.2kg/cm2 ガス流量:1.0NL/min
【0034】[実施例2]塩化セシウムと平均70μm
の金属珪素粉末を、重量比500:1の割合で混合し、
ホソカワミクロン(株)製「メカノフュージョン」装置
(AM−15F)を用い、撹拌動力1.0kW、ケーシ
ング回転数1,200rpmの条件で窒素気流下で処理
を行った。次に平均70μmの金属珪素粉末50部、上
記で得られたセシウム処理金属珪素粉末50部、金属銅
よりなる触媒混合物4部を内径50mm、高さ500m
mの反応器で塩化メチルを流し、実施例1と同じ条件、
及び表1に示した反応温度で反応を行った。反応速度及
び有効シラン組成(%)を表1に示す。
【0035】[実施例3]塩化セシウムと平均70μm
の金属珪素粉末を、重量比500:1の割合で混合し、
ホソカワミクロン(株)製「メカノフュージョン」装置
(AM−15F)を用い、撹拌動力1.0kW、ケーシ
ング回転数1,200rpmの条件で窒素気流下で処理
を行った。次に平均70μmの金属珪素粉末50部、上
記で得られたセシウム処理金属珪素粉末50部、酸化銅
よりなる触媒混合物5部を内径50mm、高さ500m
mの反応器で塩化メチルを流し、実施例1と同じ条件、
及び表1に示した反応温度で反応を行った。反応速度及
び有効シラン組成(%)を表1に示す。
【0036】[実施例4]塩化セシウムと平均70μm
の金属珪素粉末を、重量比1000:3の割合で混合
し、ホソカワミクロン(株)製「メカノフュージョン」
装置(AM−15F)を用い、撹拌動力1.0kW、ケ
ーシング回転数1,200rpmの条件で窒素気流下で
処理を行った。次に上記で得られたセシウム処理シリカ
粉末100部、酸化銅よりなる触媒混合物5部を内径5
0mm、高さ500mmの反応器で塩化メチルを流し、
実施例1と同じ条件、及び表1に示した反応温度で反応
を行った。反応速度及び有効シラン組成(%)を表1に
示す。
【0037】[実施例5]塩化セシウムと平均70μm
のシリカ粉末を、重量比100:1の割合で混合し、ホ
ソカワミクロン(株)製「メカノフュージョン」装置
(AM−15F)を用い、撹拌動力1.0kW、ケーシ
ング回転数1,200rpmの条件で窒素気流下で処理
を行った。次に平均70μmの金属珪素粉末100部、
上記で得られたセシウム処理シリカ粉末10部、酸化銅
よりなる触媒混合物5部を内径50mm、高さ500m
mの反応器で塩化メチルを流し、実施例1と同じ条件、
及び表1に示した反応温度で反応を行った。反応速度及
び有効シラン組成(%)を表1に示す。
【0038】[実施例6]塩化セシウムと平均100μ
mの金属珪素粉末を、重量比500:1の割合で混合
し、ホソカワミクロン(株)製「メカノフュージョン」
装置(AM−15F)を用い、撹拌動力1.0kW、ケ
ーシング回転数1,200rpmの条件で窒素気流下で
処理を行った。次に平均70μmの金属珪素粉末50
部、上記で得られたセシウム処理金属珪素粉末50部、
金属銅よりなる触媒混合物4部を内径50mm、高さ5
00mmの反応器で塩化メチルを流し、実施例1と同じ
条件、及び表1に示した反応温度で反応を行った。反応
速度及び有効シラン組成(%)を表1に示す。
【0039】[実施例7]塩化セシウムを水に溶解し、
2.0重量%の水溶液を作製し、この水溶液500ml
に平均70μmの金属珪素粉末500gを添加し、均一
に撹拌後金属珪素を濾別し、乾燥窒素気流中150℃で
乾燥した。このようにして作製したセシウム担持金属珪
素粉末に対するセシウムの処理量は0.08%であっ
た。次に上記で得られたセシウム担持金属珪素粉末10
0部、酸化銅よりなる触媒混合物6部を内径50mm、
高さ500mmの反応器で塩化メチルを流し、実施例1
と同じ条件、及び表1に示した反応温度で反応を行っ
た。反応速度及び有効シラン組成(%)を表1に示す。
【0040】[実施例8]塩化セシウムを水に溶解し、
4.0重量%の水溶液を作製し、この水溶液500ml
に平均70μmの金属珪素粉末500gを添加し、均一
に撹拌後金属珪素を濾別し、乾燥窒素気流中150℃で
乾燥した。上記で得られたセシウム担持金属珪素粉末に
対するセシウムの処理量は0.13%であった。次に上
記で得られたセシウム担持金属珪素粉末100部、酸化
銅よりなる触媒混合物6部を内径50mm、高さ500
mmの反応器で塩化メチルを流し、実施例1と同じ条
件、及び表1に示した反応温度で反応を行った。反応速
度及び有効シラン組成(%)を表1に示す。
【0041】[実施例9]塩化セシウム1kgをボール
ミルで10時間処理し、粉砕された塩化セシウムを目開
き45μmの篩で分級した。次に平均70μmの金属珪
素粉末100部、上記で得られたボールミル処理された
塩化セシウム0.1部、酸化銅よりなる触媒混合物5部
を内径50mm、高さ500mmの反応器で塩化メチル
を流し、実施例1と同じ条件、及び表1に示した反応温
度で反応を行った。反応速度及び有効シラン組成(%)
を表1に示す。
【0042】[実施例10]塩化セシウム1kgをボー
ルミルで10時間処理し、粉砕された塩化セシウムを目
開き45μmの篩で分級した。次に平均70μmの金属
珪素粉末100部、上記で得られたボールミル処理され
た塩化セシウム0.25部、酸化銅よりなる触媒混合物
5部を内径50mm、高さ500mmの反応器で塩化メ
チルを流し、実施例1と同じ条件、及び表1に示した反
応温度で反応を行った。反応速度及び有効シラン組成
(%)を表1に示す。
【0043】[比較例1]平均70μmの金属珪素粉末
100部、酸化銅よりなる触媒混合物5部を内径50m
m、高さ500mmの反応器で塩化メチルを流し、実施
例1と同じ条件、及び表1に示した反応温度で反応を行
った。反応速度及び有効シラン組成(%)を表1に示
す。
【0044】[比較例2]平均70μmの金属珪素粉末
100部、酸化銅よりなる触媒混合物5部、塩化セシウ
ム0.03部を内径50mm、高さ500mmの反応器
で塩化メチルを流し、実施例1と同じ条件、及び表1に
示した反応温度で反応を行った。反応速度及び有効シラ
ン組成(%)を表1に示す。
【0045】[比較例3]平均70μmの金属珪素粉末
100部、酸化銅よりなる触媒混合物5部、塩化セシウ
ム0.1部を内径50mm、高さ500mmの反応器で
塩化メチルを流し、実施例1と同じ条件、及び表1に示
した反応温度で反応を行った。反応速度及び有効シラン
組成(%)を表1に示す。
【0046】[比較例4]平均70μmの金属珪素粉末
100部、金属銅よりなる触媒混合物5部、塩化セシウ
ム0.3部を内径50mm、高さ500mmの反応器で
塩化メチルを流し、実施例1と同じ条件、及び表1に示
した反応温度で反応を行った。反応速度及び有効シラン
組成(%)を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明の有機ハロシランの製造方法によ
れば、より少ない添加量のセシウム含有化合物でジオル
ガノジハロシランの選択率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】メカノフュージョン装置の説明図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 インナーピース 3 スクレーバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠原 紀夫 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社群馬事業所内 (72)発明者 谷藤 陽一 東京都千代田区大手町二丁目6番1号 信 越化学工業株式会社内 (72)発明者 犬飼 鉄也 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社群馬事業所内 (72)発明者 荒又 幹夫 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社群馬事業所内 Fターム(参考) 4H039 CA92 CF90 4H049 VN01 VP01 VQ12 VR22 VR32 VS99 VT03 VT04 VT06 VT10 VT29 VU36

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応器内に金属珪素、銅触媒及び助触媒
    を含む触体を仕込み、オルガノハライドを含むガスを導
    入、反応させて、下記一般式(1) Rn(H)mSiX(4-n-m) (1) (式中、Rは炭素数1〜6の1価炭化水素基、Xはハロ
    ゲン原子を示し、n、mは0〜3、n+m=1〜3を満
    足する整数である。)で示される有機ハロシランを製造
    する方法において、触体として、上記触体中にセシウム
    含有化合物を微細化して分散化させたものを使用するこ
    とを特徴とする有機ハロシランの製造方法。
  2. 【請求項2】 セシウム含有化合物を単独、又はセシウ
    ム含有化合物と、金属珪素粉末、銅触媒粉末、助触媒粉
    末、不活性粉末からなる群から選ばれる1種又は2種以
    上との混合物に対し、剪断力を付与する処理を行うこと
    により得られたものを、触体中に含有させることを特徴
    とする請求項1記載の有機ハロシランの製造方法。
  3. 【請求項3】 剪断力がメカノフュージョン装置、ボー
    ルミル、撹拌ミル、遊星ミル、高速回転粉砕機、ジェッ
    ト粉砕機、剪断ミル、ローラーミル、又はスタンプミル
    による処理によって付与されることを特徴とする請求項
    2記載の有機ハロシランの製造方法。
  4. 【請求項4】 金属珪素粉末、銅触媒粉末、助触媒粉
    末、不活性粉末からなる群から選ばれる1種又は2種以
    上の粉末を、セシウム含有化合物溶液中に分散するか又
    は上記粉末にセシウム含有化合物溶液を噴霧させた後、
    非酸化性雰囲気下で乾燥させ、得られたものを、触体中
    に含有させることを特徴とする請求項1記載の有機ハロ
    シランの製造方法。
  5. 【請求項5】 反応温度が230〜600℃であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 触体中のセシウム含有量が、金属珪素重
    量に対して50〜10000ppmである請求項1〜5
    のいずれか1項記載の製造方法。
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JP2006525943A (ja) * 2002-12-09 2006-11-16 ロディア・シミ アルキルハロシランの直接合成のための触媒系及び方法
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