JP2003305723A - 樹脂/繊維質複合シートのリサイクル方法、及びそれを利用して得られる再生材料と再生製品 - Google Patents

樹脂/繊維質複合シートのリサイクル方法、及びそれを利用して得られる再生材料と再生製品

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JP2003305723A
JP2003305723A JP2002113311A JP2002113311A JP2003305723A JP 2003305723 A JP2003305723 A JP 2003305723A JP 2002113311 A JP2002113311 A JP 2002113311A JP 2002113311 A JP2002113311 A JP 2002113311A JP 2003305723 A JP2003305723 A JP 2003305723A
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fibrous
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Shintaro Hayashida
信太郎 林田
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 壁紙等の樹脂と繊維質とからなる樹脂/繊維
質複合シートの廃材から、その樹脂成分と繊維質成分の
それぞれを、別個に再利用できる様なリサイクル方法と
その用途を提供する。 【解決手段】 樹脂/繊維質複合シート10を粉砕し
て、樹脂成分主体の樹脂片rと繊維質成分主体の繊維質
片fとが混在した粉砕物とした後、空気中での該樹脂片
と繊維質片との質量差(嵩密度差)を利用した乾式分離
方式により、その粉砕物から樹脂片と繊維質片とを分離
する。分離には遠心力と重力も利用するとより効率的で
ある。得られた樹脂片を使用した再生樹脂材料から再生
樹脂製品が得られ、一方、繊維質片を使用した再生繊維
質材料から再生繊維質製品が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、塩ビ壁紙
等の如き樹脂/繊維質複合シートのリサイクル方法に関
する。特に、樹脂/繊維質複合シートの廃材から、樹脂
成分と繊維質成分のそれぞれを別個に再利用可能とする
リサイクル方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境に対する配慮、有限な地
球資源に対する循環活用等の観点から、可能な限りもの
を再生利用する事が重要になってきている。そこで、循
環型社会を目指して、例えばペットボトルや古紙等と、
そのリサイクル率も上昇してきているものもある。しか
し、これらの様に、製品材料成分が樹脂単体或いは紙単
体等と、その廃棄物の成分が単一系であるものは、分別
回収を実施することで、再利用も比較的容易である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、製品材
料成分が単一系では無いものは、相応のリサイクル方法
が必要となる。例えば、建材分野で使用される製品の一
つである壁紙である。壁紙の中でも代表的である塩化ビ
ニル樹脂製の壁紙は、平成13年施行の「資源有効利用
促進法」にて「指定表示製品」として指定され、廃棄時
には該当製品であると判別できる様に、分別回収の表示
を行う事が決められており、有益なリサイクル方法が望
まれている。
【0004】壁紙は、図4の断面図の壁紙40で概念的
に示す如く、例えば、裏打紙という繊維質シート41上
に塩化ビニル樹脂層42を積層した後、絵柄等を適宜印
刷した様な構成の樹脂/繊維質複合シートと言う複合系
の製品である。従って、壁紙は、他の製品と区別して分
別回収しても、単一系成分の製品リサイクルとは異な
り、複合系製品であるが故に、それが、リサイクル用途
拡大の障害となっている。
【0005】すなわち、壁紙が、樹脂の成形品の様に樹
脂主体のものであれば、それをそのまま成形樹脂材料と
して利用するのは比較的容易であるが、樹脂分以外に紙
等の繊維質を含んでいる樹脂/繊維質複合シートという
複合系では、そのままでは成形樹脂材料として再利用し
ずらいからである。それは、この様な樹脂/繊維質複合
シートの廃棄物を微粉砕しても、粉砕物の中には樹脂成
分と共に繊維質も混入している為に、この様な粉砕物を
成形樹脂材料として用いると、成形時の繊維質の焦げ、
加熱溶融時の流動性低下による成形不良等の問題がある
からである。
【0006】かといって、特に壁紙等の塩化ビニル樹脂
製品の場合は、ポリエチレン等の塩素非含有の他の樹脂
製品とは異なり、廃棄物処理として燃焼処理による熱エ
ネルギーへの転換再利用というリサイクル方法では、燃
焼条件に配慮しないと有害ガスを発生する事が懸念され
る。従って、その廃棄物を、有害ガスが発生しない様な
条件で高炉に於けるコークス代替原料として燃焼させる
試みも成されている。しかし、燃焼処理をするよりか
は、その樹脂成分は樹脂原料として、また、繊維質成分
は繊維質原料として、それぞれを再生利用するのが、資
源循環の観点から望ましい。
【0007】なお、壁紙に於いては、塩化ビニル樹脂で
あるが故の上記の如き問題点に対しては、近年、その樹
脂にポリオレフィン系樹脂等の塩化ビニル樹脂以外の樹
脂を使用することで、廃棄時有害ガス発生の懸念を回避
した仕様のものも出始めている。しかし、塩化ビニル樹
脂を使用しなくても、依然として、樹脂と繊維質とを用
いた樹脂/繊維質複合シートであり、この様な複合系製
品の廃材に対する有益なリサイクル方法が望まれている
事には変わりない。
【0008】また、リサイクルは、製品使用後への対処
以外にも、製品製造段階での産業廃棄物に対する対処策
も重要である。例えば、上記した壁紙を例にとれば、製
造し易い様に広幅・長尺とした巻取り物から、市販の製
品サイズとしての適宜の幅・長さの小巻にして出荷する
のが普通である。この為に、幅方向両側の耳等が不要部
分として発生し、この不要部分も再利用するのが望まれ
ている。
【0009】そして、壁紙に於いて、高炉燃焼処理等の
燃焼処理以外のリサイクル方法としては、その紙成分を
水で分離し古紙としてリサイクルするのは不可能である
為に、その廃材を微粉砕して樹脂と繊維質とが混合した
状態の粉砕物とした後、これを高周波ウェルダー処理で
板状物としたり、押出機でペレット状物としたりするリ
サイクル方法が提案されている(特開平6−11483
8号公報、特開平6−126745号公報等参照)。し
かし、これらのリサイクル方法では、樹脂と繊維質とは
分離せず混在されたままであり、樹脂中には紙が多量に
混ざっており、製品品質上の問題(外観、成形性等)も
ある。
【0010】一方、壁紙から樹脂成分を分離するリサイ
クル方法としては、塩化ビニル樹脂製の壁紙を例にとれ
ば、その廃材を有機溶剤に溶解して、その溶液を蒸留し
て樹脂成分を分離回収するリサイクル方法(特開平5−
17616号公報)も提案されている。しかし、この方
法では、有機溶剤を使用したり加熱する必要がある点
で、環境への配慮を考えると難がある。
【0011】すなわち、本発明の課題は、壁紙等の如き
樹脂/繊維質複合シートの廃材から、有機溶剤等を使用
せずに、樹脂成分と繊維質成分のそれぞれを、別個に再
利用可能とするリサイクル方法を提供することである。
そして、得られた再生材料の用途を開拓することであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明では、樹脂と繊維質とからなる樹脂/繊
維質複合シートのリサイクル方法において、樹脂/繊維
質複合シートを粉砕して、樹脂成分主体の樹脂片と繊維
質成分主体の繊維質片とが混在した粉砕物とした後、空
気中での該樹脂片と繊維質片との質量差を利用した乾式
分離方式により、樹脂片と繊維質片とを分離する様にし
た。
【0013】この様な構成のリサイクル方法とすること
で、壁紙等の樹脂/繊維質複合シートから、その樹脂成
分と繊維質成分を分離でき、それぞれを独立した原材料
として再利用可能となる。しかも、樹脂成分と繊維質成
分の分離は、空気中でのそれらの質量差を利用した乾式
分離方式である為に、有機溶剤は使用しなくても良く、
リサイクル操作自体も環境に配慮したものとなる。以上
の結果、例えば、塩化ビニル樹脂等を用いた壁紙等に対
するリサイクル策として、燃焼処理を回避し且つ資源の
循環再利用への道が開け、実用的で利便性があり有益な
リサイクルの展開が確保される。
【0014】また、本発明の樹脂/繊維質複合シートの
リサイクル方法は、上記方法に於いて、樹脂片と繊維質
片とを分離する上記乾式分離方式にて、遠心力と重力も
利用する様にした。
【0015】この様に、樹脂片と繊維質片との分離に、
その質量差以外に、更に遠心力と重力をも利用すること
で、大量の処理物を効率的に分離できる。
【0016】また、本発明の再生樹脂材料は、上記いず
れかの樹脂/繊維質複合シートのリサイクル方法によっ
て分離された樹脂片を用いた樹脂材料とした。この様な
構成とすることで、繊維質混入が少なくより純度の高い
樹脂材料となる。従って、樹脂材料として有益なものと
なる。
【0017】また、本発明の再生繊維質材料は、上記い
ずれかの樹脂/繊維質複合シートのリサイクル方法によ
って分離された繊維質片を用いた繊維質材料とした。こ
の様な構成とすることで、樹脂分混入が少なくより純度
の高い繊維質材料となる。従って、繊維質材料として有
益なものとなる。
【0018】また、本発明の再生樹脂製品は、前記再生
樹脂材料を原材料として使用した製品とした。この様な
構成とすることで、繊維質混入を少なくできるので、再
生樹脂材料の用途展開が図れる。
【0019】また、本発明の再生繊維質製品は、前記再
生繊維質材料を原材料として使用した製品とした。この
様な構成とすることで、樹脂混入を少なくできるので、
再生繊維質材料の用途展開が図れる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0021】先ず、図1は、本発明による樹脂/繊維質
複合シートのリサイクル方法を、その或る一形態で概念
的に例示する概念図である。不要となった壁紙等の樹脂
/繊維質複合シート10は、粉砕機20に投入して細か
く粉砕する。粉砕機では、樹脂/繊維質複合シートを機
械的に粉砕する。粉砕の結果、得られた粉砕物は、樹脂
成分主体の樹脂片と繊維質成分主体の繊維質片とが混在
した混合物となる。なお、樹脂/繊維質複合シートにお
ける繊維質としては、壁紙等では、代表的には木材パル
プを用いて製造される紙に由来するパルプ繊維である
が、繊維質としては、パルプ繊維以外に、ナイロン、テ
トロン、ポリエステル等の合成繊維であっても良い。一
方、樹脂としては、壁紙等では代表的には塩化ビニル樹
脂であるが、この他、ポリエチレン、ポリプロピレン等
のオレフィン系樹脂やアクリル樹脂等の各種ビニル系樹
脂等の合成樹脂であり、該樹脂は成形用途には熱可塑性
樹脂が好ましい。なお、樹脂/繊維質複合シートが壁紙
の場合には、その樹脂成分に対して、繊維質成分の割合
は通常15〜30質量%程度である。
【0022】ここで、図2(A)及び(B)の概念図に
よって、樹脂片rと繊維質片fとの、相対的な形状の違
いを示す。樹脂片rは、どちらかと言うと塊状であるの
に対して、繊維質片fは細長い繊維の形状をした繊維状
である。なお、同図では繊維質片は繊維1本1本が独立
した状態を描いてあるが、複数の繊維が絡み合って結合
した状態の繊維質片でも良い。粉砕機によって、壁紙の
様な樹脂/繊維質複合シートは、この様な塊状の樹脂片
rと、繊維状の繊維質片fとに細かく粉砕することがで
きる。なお、樹脂片rに多少の繊維質が混入しているも
のがあっても良く、また、繊維質片fに多少の樹脂が固
着する等しているものがあっても良い。樹脂片rの大き
さは、例えば、数mm程度(例えば2mm程度)の大き
さにまで粉砕するのが好ましい。4mm以下まで粉砕す
ると、樹脂と繊維質とがそれぞれ比較的分離独立した粉
砕物にできる。しかし、例えば5mm以上であると、前
記2mm程度の場合と比較して、樹脂中にはまだ繊維質
が混入し一体化した塊状となっている場合が多く、その
後の分離操作を行って、それぞれの純度を上げ難い。た
だ、樹脂片を2mm未満にすると繊維質片が細かくなり
過ぎて紙としては抄けなくなる傾向があり、樹脂片は2
〜4mm程度の大きさが良い。
【0023】なお、粉砕機20にはシート状物に適した
ものであれば良く、固定刃・回転刃等による公知のもの
を使用できる。なお、特に壁紙用としては、例えば特開
平5−247863号公報で開示された如き、粉砕機等
でも良い。なお、同号公報による粉砕機は、ターボミル
型粉砕機に類似しているが、異なる点を挙げれば、回転
軸が垂直方向に配置され、ガス流を別動力のファンで発
生させる点である。
【0024】そして、粉砕機20によって細かく粉砕し
て得られた粉砕物は、このままでは、樹脂成分主体の樹
脂片rと繊維質成分主体の繊維質片fとが混在した混合
物のままであり、再生材料としての利用価値が低いか
ら、本発明では、さらにこの後、この粉砕物から樹脂成
分が多い樹脂片rと、繊維質成分が多い繊維質片fとに
分離する。この分離は、前述した従来技術で述べた如
く、有機溶剤に樹脂分を溶解して、それを蒸留しても一
応は可能ではあるが、この分離方法では有機溶剤を使用
する点で、環境への影響を配慮すると必ずしも好ましい
ものではない。そこで、本発明では、粉砕物からの樹脂
と繊維質との分離には、有機溶剤を使用する様な湿式に
よる分離操作は行わずに、空気下で行う乾式の分離操作
によって行う。
【0025】すなわち、本発明による樹脂/繊維質複合
シートのリサイクル方法に於ける分離操作は、上記の如
くして得た、樹脂成分主体の樹脂片と繊維質成分主体の
繊維質片とが混在した粉砕物に対して、空気中での該樹
脂片と繊維質片との質量差を利用した乾式分離方式によ
り行う。そこで、図1の概念図で示す如く、樹脂/繊維
質複合シート10を粉砕機20で粉砕して得られた粉砕
物は、気流と共に搬送し乾式分離方式の分離機30に供
給し、該分離機30で樹脂片rと繊維質片fとに分離す
る。なお、図示は省略するが、前記気流は送風機で駆動
する。
【0026】なお、空気中での樹脂片と繊維質片との質
量差とは、より厳密な表現をするならば、これらの空気
流に対する空気抵抗差も加味した嵩密度差である。但
し、感覚的且つ直感的には、質量差の方が馴染み易いの
で、本発明では、嵩密度差とは言わずに質量差と表現す
る事とする。
【0027】樹脂片rと繊維質片fとは、前述図2の如
く、それらの形状差による空気抵抗の違いが大きい。つ
まり、繊維質片fは、その繊維の一本或いは複数本の集
合体が呈する質量に対して嵩が高く(嵩密度小)、それ
が気層下で受ける空気抵抗が大きい。しかし、樹脂片r
の方は、繊維質片fに比べて嵩は小さく(嵩密度大)、
その一つの塊が呈する質量に対して、それが気層下で受
ける空気抵抗は小さい。なお、空気抵抗とは、樹脂片或
いは繊維質片と、空気とが相対的に移動する場合の空気
から受ける抵抗である。なお、空気抵抗が発生する場合
とは、空気が流れていて樹脂片或いは繊維質片が静止し
ている場合、空気が静止していて樹脂片或いは繊維質片
が移動している場合、空気も、樹脂片或いは繊維質片の
どちらも移動しているが、その移動速度が相対的に異な
る場合等がある。従って、空気中での樹脂片と繊維質片
との質量差を利用した乾式分離方式としては、基本的に
は、これらいずれの場合でも良い。
【0028】従って、本発明で利用する、空気中での分
離物(樹脂片と繊維質片)の質量差を利用した乾式分離
方式としては、例えば、篩(ふるい)選別機に於いて、
篩上に空気流を吹付けて、相対的に質量が小さい(軽
い)繊維質片は吹き飛ばし、相対的に質量が大きい(重
い)樹脂片は、篩を通過させて分離する方式も採用でき
る。空気流の併用によって、篩上での繊維質片の滞留を
防ぎ効率的な分離が成される。
【0029】また、本発明で利用する、空気中での分離
物の質量差を利用した乾式分離方式としては、質量差以
外に更に、遠心力と重力も利用する方式でも良く、この
方式では、分離性能が良く、空気流の動きが効率的とな
り、大量の処理物をより効率的に分離出来る点で好まし
い。
【0030】図3は、この質量差、遠心力及び重力を利
用する乾式分離方式について、その或る一形態を概念的
に示す概念図である。同図に示す乾式分離方式による分
離機30は、いわゆるサイクロンと呼ばれている分離機
である。サイクロンは集塵機としても使用されるが、分
級機としても使用され、樹脂片と繊維質片とを分離する
ことができる。樹脂片と繊維質片との分離効率の調整
は、分離機に通す気流量をダンパーで調整する等して行
うことができる(図1のダンパー31参照)。この様な
分離機に、樹脂片と繊維質片との混合物となった粉砕物
を投入する。投入は、空気の気流によって搬送し投入す
ることができる。なお、分離機の内部では、同図で概念
的に示す如く、外部からの空気を内壁の接線方向に導入
することで、気流は内壁に沿って渦巻き状に旋回する。
その結果、分離機内部に投入された粉砕物は、該気流に
よって、その樹脂片と繊維質片とに遠心力が作用し、質
量の大きい方の樹脂片は内壁に寄せられるが、質量の小
さい方の繊維質片fは気流と共に、分離機上方の出口か
ら排出される。そして、内壁に寄せられた樹脂片rは、
重力の作用によって、分離機の下方に落下し、その下方
の出口から排出される。なお、粉砕物の分離機内部への
投入は、上記内壁接線方向に導入する空気と共に搬送し
投入しても良いが、それとは別に投入して内部で旋回気
流に乗せても良い。また、遠心力を与えるには、上記の
如き内壁接線方向に気流を導入する事での渦巻旋回気流
の他に、回転羽根によって気流を旋回させても良い。
【0031】上述してきた如きリサイクル方法によっ
て、樹脂/繊維質複合シートの廃材に対する資源循環再
利用としての有益な用途展開が可能となる。すなわち、
従来の樹脂と繊維質とが未分離の粉砕物のままでは、例
えば成形樹脂材料として再利用しようとした場合に、繊
維質が混入しているので、異形押出成形等の成形に使用
すると、樹脂加熱時の流動性が低下して成形適性が低下
してしまう。従って、この様な粉砕物はそのままでは、
成形樹脂原料としては不適当なものであった。しかしな
がら、本発明によるリサイクル方法で処理する事によっ
て、繊維質の混入を少なくでき、得られた樹脂片は成形
樹脂原料として容易に循環再利用できる様になるのであ
る。また、繊維質片の方も、樹脂混入量が少ないので、
繊維質材料として容易に循環再利用できる様になる。
【0032】すなわち、本発明による再生樹脂材料は、
以上説明した如きリサイクル方法によって、樹脂/繊維
質複合シートから分離された樹脂片を用いた樹脂材料で
ある。上述リサイクル方法にて樹脂/繊維質複合シート
から分離された樹脂片を再生樹脂材料の原料或いはそれ
自体として用いることで、繊維質混入量の少ない再生樹
脂材料が得られる。
【0033】なお、該再生樹脂材料としては、前記樹脂
片のみでも良いが、必要に応じ適宜、その他の材料を混
合した樹脂材料としても良い。例えば、バージン樹脂、
充填剤、着色剤、可塑剤、熱安定剤、難燃剤、帯電防止
剤、光安定剤、滑剤、防カビ剤、発泡剤等である。これ
らの中でも、バージン樹脂について、樹脂/繊維質複合
シートが壁紙の場合を例に説明すれば、本発明のリサイ
クル方法で得られた樹脂片を、再生樹脂材料に用いれ
ば、該樹脂材料中には繊維質混入量を少なくできるの
で、該樹脂材料には、異形押出成形等の成形樹脂材料と
しても容易に利用可能な程度の良好なる成形適性が得ら
れる様になる。なお、繊維質混入量が多いと成形適性が
悪くなり、繊維質が焦げて押出時に詰まってしまった
り、成形品が割れたり、異物として目立ったりする成形
不具合が発生する。また、上記充填剤としては、例え
ば、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、シリカ等の無
機質粉末等が使用される。また、押出成形、異形押出成
形、射出成形等等の成形用途に使用する場合には、再生
樹脂材料は、成形に適した状態のものとすると良い。具
体的には、例えば、再生樹脂材料とする樹脂片に、更に
必要に応じて、バージン樹脂、充填剤、各種添加剤を、
バンバリーミキサー等のミキサーで混合した上、ペレタ
イザーでペレット化する等して、成形に適した状態の再
生樹脂材料とすると良い。
【0034】そして、再生樹脂製品として、この様な再
生樹脂材料を原材料として使用すれば、その再生樹脂材
料中には繊維質混入が少なくできるので、押出成形品、
射出成形品、異形押出成形品等として、有益な再生樹脂
材料の用途展開を図ることが可能となる。その結果、樹
脂/繊維質複合シートの廃材に対して有益なリサイクル
展開が図れる様になるのである。なお、押出成形品の場
合は形状が単純なものに限定されるが、射出成形品の場
合は自由な形の三次元立体形状が形成できる。これらに
対して、異形押出成形品の場合では、柱状物ではあるが
断面任意の成形品が得られる。
【0035】ここで、異形押出成形品としての再生樹脂
製品を例にとって、その用途例を挙げれば、例えば、
(樹脂製の)紙管、パイプ等の管物、扉、扉枠、窓枠等
の建具、回縁、幅木、額縁(モール)等の造作部材、箪
笥、キャビネット、机、食卓等の家具の部材、配管モー
ル、或いは、間仕切材、天井材等の建築物内装材、或い
は建築物外装材等が挙げられる。
【0036】一方、本発明による再生繊維質材料は、以
上説明した如きリサイクル方法によって、樹脂/繊維質
複合シートから分離された繊維質片を用いた繊維質材料
である。上述リサイクル方法にて樹脂/繊維質複合シー
トから分離された繊維質片を再生繊維質材料の原料或い
はそれ自体として用いることで、樹脂混入量の少ない再
生繊維質材料が得られる。なお、該再生繊維質材料とし
ては、前記繊維質片のみでも良いが、必要に応じ適宜、
その他の材料を混合した繊維質材料としても良い。例え
ば、バージン繊維であり、繊維質がパルプ繊維である場
合にはバージンパルプ等である。
【0037】そして、再生繊維質製品として、上記の様
な再生繊維質材料を原材料として使用すれば、その再生
繊維質材料中には樹脂混入を少なくできるので、例え
ば、段ボールの中芯等の各種繊維質製品等として、有益
な再生繊維質材料の用途展開を図ることが可能となる。
その結果、その繊維質成分としても、樹脂/繊維質複合
シートの廃材に対して有益なリサイクル展開が図れる様
になるのである。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳述する。
【0039】〔実施例1〕樹脂/繊維質複合シートとし
ては壁紙の廃材を使用した。この壁紙は、坪量100g
/m2の裏打紙上に塩化ビニル樹脂層による発泡樹脂層
を設けてから絵柄印刷した後、更に表面を熱圧でエンボ
ス加工して凹凸模様を設けた、塩ビ系の壁紙である。な
お、この壁紙の廃材は、該壁紙の製造工程にて発生した
スリッター屑である。
【0040】そして、該廃材をシート用の粉砕機で、メ
ッシュサイズ2mmまで細かく粉砕して粉砕物を得た。
該粉砕物は、図2で概念的に示した様な、塊状の樹脂片
rと、細い繊維状の繊維質片fとの混合物であった。次
に、この混合物からなる粉砕物を気相での分離機によっ
て、樹脂主体の樹脂片と、裏打紙に基くパルプ繊維によ
る繊維質主体の繊維質片とに分離した。該分離機はサイ
クロン方式の分離機で、質量差と、遠心力と重力とを利
用する乾式分離方式の分離機である。分離機を通過する
気流量を出口側のダンパー(図1参照)の開度で調整し
た結果、分離された樹脂片中の繊維質の混入割合は、5
質量%まで減らして樹脂分の純度を上げることができ
た。なお、分離前の粉砕物ではその樹脂分に対して繊維
質分は20質量%であった。
【0041】なお、樹脂成分に対する繊維質成分の割合
は、該樹脂片或いは粉砕物をテトラヒドロフラン(TH
F)溶剤に溶かし、溶剤に不溶な紙の繊維質を濾紙で濾
過し乾燥して、濾過された繊維質の質量を測定すること
で算出した。
【0042】そして、上記の如くして得られた樹脂片を
用いて再生樹脂材料を作製すべく、該樹脂片100質量
部に対して、バージン塩化ビニル樹脂100質量部と、
充填剤として炭酸カルシウム50質量部とを、バンバリ
ーミキサーを使用して混ぜた後、ペレタイザーで成形用
樹脂材料としてペレット化した。そして、再生樹脂製品
として、このペレットを用いた異形押出成形にて、外形
直径33mm、肉厚2mmの中空円柱状の異形押出成形
品を作製した。なお、この成形品は、小巻用の樹脂製の
紙管として使用できるものであった。一方、分離して得
られた繊維質片は、ダンボールの中芯として使用できる
ものであった。
【0043】
【発明の効果】(1)本発明のリサイクル方法によれ
ば、壁紙等の樹脂/繊維質複合シートから、その樹脂成
分と繊維質成分を分離でき、それぞれを独立した原材料
として再利用可能となる。しかも、樹脂成分と繊維質成
分の分離は、空気中でのそれらの質量差を利用した乾式
分離方式である為に、有機溶剤は使用しなくても良く、
リサイクル操作自体も環境に配慮したものとなる。以上
の結果、例えば、塩化ビニル樹脂等を用いた壁紙等に対
するリサイクル策として、燃焼処理を回避し且つ資源の
循環再利用への道が開け、実用的で利便性があり有益な
リサイクルの展開が確保される。 (2)更に、樹脂片と繊維質片とを分離する乾式分離方
式にて、遠心力と重力も利用する様にすれば、大量の処
理物を効率的に分離できる。
【0044】(3)また、本発明の再生樹脂材料によれ
ば、繊維質混入が少なくより純度の高い樹脂材料とな
る。従って、樹脂材料として有益なものとなる。ひいて
は、樹脂/繊維質複合シートの樹脂成分側から、有益な
リサイクル展開が図れる。 (4)また、本発明の再生繊維質材料によれば、樹脂分
混入が少なくより純度の高い繊維質材料となる。従っ
て、繊維質材料として有益なものとなる。ひいては、樹
脂/繊維質複合シートの繊維質成分側から、有益なリサ
イクル展開が図れる。 (5)また、本発明の再生樹脂製品によれば、繊維質混
入が少ない製品が可能であり、再生樹脂材料の用途展開
が図れる。ひいては、樹脂/繊維質複合シートの樹脂成
分側から、有益なリサイクル展開が図れる。 (6)また、本発明の再生繊維質製品によれば、樹脂混
入が少ない製品が可能であり、再生繊維質材料の用途展
開が図れる。ひいては、樹脂/繊維質複合シートの繊維
質成分側から、有益なリサイクル展開が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂/繊維質複合シートのリサイクル
方法を概念的に示す概念図。
【図2】樹脂片と繊維質片の外形形状の差を概念的に示
す概念図。
【図3】本発明での乾式分離方式の或る一形態を概念的
に示す概念図。
【図4】樹脂/繊維質複合シートである壁紙の構成例を
概念的に示す断面図。
【符号の説明】
10 樹脂/繊維質複合シート 20 粉砕機 30 分離機 31 ダンパー 40 壁紙(樹脂/繊維質複合シート) 41 繊維質シート 42 塩化ビニル樹脂層 f 繊維質片 r 樹脂片

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂と繊維質とからなる樹脂/繊維質複
    合シートのリサイクル方法において、 樹脂/繊維質複合シートを粉砕して、樹脂成分主体の樹
    脂片と繊維質成分主体の繊維質片とが混在した粉砕物と
    した後、空気中での該樹脂片と繊維質片との質量差を利
    用した乾式分離方式により、樹脂片と繊維質片とを分離
    する、樹脂/繊維質複合シートのリサイクル方法。
  2. 【請求項2】 樹脂片と繊維質片とを分離する上記乾式
    分離方式にて、遠心力と重力も利用する、樹脂/繊維質
    複合シートのリサイクル方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の樹脂/繊維質複合
    シートのリサイクル方法によって分離された樹脂片を用
    いた、再生樹脂材料。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の樹脂/繊維質複合
    シートのリサイクル方法によって分離された繊維質片を
    用いた、再生繊維質材料。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の再生樹脂材料を原材料と
    して使用した、再生樹脂製品。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の再生繊維質材料を原材料
    として使用した、再生繊維質製品。
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