JP2003298164A - レーザー発振方法およびレーザー装置 - Google Patents

レーザー発振方法およびレーザー装置

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JP2003298164A
JP2003298164A JP2002325909A JP2002325909A JP2003298164A JP 2003298164 A JP2003298164 A JP 2003298164A JP 2002325909 A JP2002325909 A JP 2002325909A JP 2002325909 A JP2002325909 A JP 2002325909A JP 2003298164 A JP2003298164 A JP 2003298164A
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智之 和田
Takayo Ogawa
貴代 小川
Hideo Tashiro
英夫 田代
Hiroshi Machida
博 町田
Mikio Higuchi
幹雄 樋口
Kohei Kodaira
紘平 小平
Tomohiro Shonai
智博 庄内
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ネオジウムを原子数の比率で1%を越える高濃
度で添加したNd:GdVO結晶などのような、レー
ザー活性イオンを所定の濃度で添加した結晶よりなるレ
ーザー発振方法およびレーザー装置を提供する。 【解決手段】レーザー媒質を励起光により励起してレー
ザー発振するレーザー発振方法において、フローティン
グゾーン法により、レーザー活性イオンとしてネオジウ
ムが原子数の比率で2%乃至15%の濃度となるように
添加されたガドリニウムバナデイト結晶よりなるレーザ
ー媒質を利用するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー発振方法
およびレーザー装置に関し、さらに詳細には、励起光に
より励起されてレーザー発振するレーザー媒質を用いた
レーザー発振方法およびレーザー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、レーザー活性イオンとしてネ
オジウム(Nd)が添加(以下、「ドープ」と適宜に称
する。)されたガドリニウムバナデイト(GdVO
結晶であるネオジウム添加ガドリニウムバナデイト(以
下、「Nd:GdVO」と適宜称する。)結晶は、レ
ーザー媒質としての有用性が期待されている。
【0003】しかしながら、Nd:GdVO結晶は作
成が困難であって、Nd:GdVO 結晶の結晶成長は
研究段階で行われているに過ぎないのが現状であり、製
品化はほとんど行われていない。
【0004】一方、製品化されて販売されているNd:
GdVO結晶は、ネオジウムの添加濃度が原子数の比
率にして1%以下のものであって、ネオジウムの添加濃
度が低いことが指摘されていた。また、十分な光学特性
を保障しているものはなかった。
【0005】このため、Nd:GdVO結晶と同じレ
ーザー発振波長域を持ち、かつ、現時点において固体レ
ーザー媒質として市場の中心を占めているネオジウム添
加イットリウムアルミニウムガーネット(以下、「N
d:YAG」と適宜称する。)結晶やネオジウム添加イ
ットリウムバナデイト(以下、「Nd:YVO」と適
宜称する。)結晶と比較すると、Nd:GdVO結晶
の持つ優位性を生かし切れておらず、市場への普及には
至っていないというのが現状である。
【0006】
【特許文献1】特開2001−223423
【0007】
【非特許文献1】 Tomohiro Shonai et al. Materials Research Bullet
in 35(2000)225−232 例えば、特許文献1には、TGT(Temperatu
re Gradient Technique)法によ
り、ネオジウムを高濃度で添加したNd:YAG結晶が
開示されている。
【0008】また、非特許文献1には、フローティング
ゾーン法によりネオジウムを添加したNd:YVO
晶が開示されている。
【0009】また、従来においては、Nd:GdVO
結晶を作成する際に、レーザー活性イオンとしてネオジ
ウムを原子数の比率で1%を越える高濃度で添加するこ
とが困難であったため、Nd:GdVO結晶の主吸収
帯である波長808nm以外の波長帯の励起光の励起に
よるレーザー発振は、現在に至るまで実用化されていな
かった。
【0010】即ち、現在市販されているネオジウムの添
加濃度の低いNd:GdVO結晶は励起光の吸収が全
体的に低いため、波長808nmである主吸収帯以外で
の励起は困難であり、仮に励起によりレーザー発振が行
われたとしても、吸収することのできるエネルギーが小
さいため効率が悪く、有効に出力を得ることができなか
った。
【0011】このため、レーザー媒質としてネオジウム
を原子数の比率で1%を越える高濃度で添加したNd:
GdVO結晶の作成方法や、ネオジウムを原子数の比
率で1%を越える高濃度で添加したNd:GdVO
晶をレーザー媒質とするレーザー発振方法や、ネオジウ
ムを原子数の比率で1%を越える高濃度で添加したN
d:GdVO結晶をレーザー媒質としたレーザー装置
の提案が強く望まれていた。
【0012】なお、本明細書においては、レーザー活性
イオンとしてネオジウムを原子数の比率で1%を越える
高濃度で添加したNd:GdVO結晶を総称して、単
に「高濃度Nd添加GdVO結晶」あるいは「高濃度
Nd:GdVO結晶」と適宜に称することとする。
【0013】また、上記と同様な背景から、レーザー媒
質としてレーザー活性イオンたるTm,Ho,Er,C
rイオンなどを高濃度で添加した単結晶である、例え
ば、Tm:YVOやTm:GdVOなどの作成方法
や、当該単結晶をレーザー媒質とするレーザー発振方法
や、当該単結晶をレーザー媒質としたレーザー装置の提
案が強く望まれていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うな従来の技術に対する要望に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、レーザー活性イオンを所
定の濃度で添加した結晶よりなるレーザー媒質を用いた
レーザー発振方法およびレーザー装置を提供しようとす
るものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1に記載の発明は、レーザー媒
質を励起光により励起してレーザー発振するレーザー発
振方法において、フローティングゾーン法により、レー
ザー活性イオンとしてネオジウムが原子数の比率で2%
乃至15%の濃度となるように添加されたガドリニウム
バナデイト結晶よりなるレーザー媒質を利用するように
したものである。
【0016】また、本発明のうち請求項2に記載の発明
は、レーザー媒質を励起光により励起してレーザー発振
するレーザー発振方法において、フローティングゾーン
法により作成されたレーザー活性イオンが所定の濃度に
添加された結晶よりなるレーザー媒質を、主吸収帯であ
る波長帯とは異なる波長帯の励起光の励起によりレーザ
ー発振するようにしたものである。
【0017】また、本発明のうち請求項3に記載の発明
は、レーザー媒質を励起光により励起してレーザー発振
するレーザー発振方法において、レーザー活性イオンと
してネオジウムが原子数の比率で1%を越える濃度とな
るように添加されたガドリニウムバナデイト結晶よりな
るレーザー媒質を、主吸収帯である波長808nm帯と
は異なる波長帯の励起光の励起によりレーザー発振する
ようにしたものである。
【0018】また、本発明のうち請求項4に記載の発明
は、レーザー媒質を励起光により励起してレーザー発振
するレーザー発振方法において、レーザー活性イオンと
してネオジウムが原子数の比率で2%乃至15%の濃度
となるように添加されたガドリニウムバナデイト結晶よ
りなるレーザー媒質を、主吸収帯である波長808nm
帯とは異なる波長帯の励起光の励起によりレーザー発振
するようにしたものである。
【0019】また、本発明のうち請求項5に記載の発明
は、本発明のうち請求項3または請求項4のいずれか1
項に記載の発明において、上記主吸収帯である波長80
8nm帯とは異なる波長帯の励起光として、波長880
nm帯の励起光を用いるようにしたものである。
【0020】また、本発明のうち請求項6に記載の発明
は、共振器内にレーザー媒質を配置し、上記レーザー媒
質に励起光を入射することにより上記共振器内において
レーザー発振を生じさせて、上記共振器からレーザー光
を出射させるレーザー装置において、上記レーザー媒質
は、フローティングゾーン法により作成されたレーザー
活性イオンが所定の濃度に添加された結晶よりなるレー
ザー媒質としたものである。
【0021】また、本発明のうち請求項7に記載の発明
は、共振器内にレーザー媒質を配置し、上記レーザー媒
質に励起光を入射することにより上記共振器内において
レーザー発振を生じさせて、上記共振器からレーザー光
を出射させるレーザー装置において、上記レーザー媒質
は、レーザー活性イオンとしてネオジウムが原子数の比
率で1%を越える濃度となるように添加されたガドリニ
ウムバナデイト結晶としたものである。
【0022】また、本発明のうち請求項8に記載の発明
は、本発明のうち請求項7に記載の発明において、上記
レーザー媒質は、上記ネオジウムが原子数の比率で2%
乃至15%の濃度となるように添加されたものとしたも
のである。
【0023】また、本発明のうち請求項9に記載の発明
は、本発明のうち請求項7または請求項8のいずれか1
項に記載の発明において、上記レーザー媒質を、主吸収
帯である波長808nm帯とは異なる波長帯の励起光の
励起によりレーザー発振するようにしたものである。
【0024】また、本発明のうち請求項10に記載の発
明は、本発明のうち請求項9に記載の発明において、上
記主吸収帯である波長808nm帯とは異なる波長帯の
励起光として、波長880nm帯の励起光を用いるよう
にしたものである。
【0025】また、本発明のうち請求項11に記載の発
明は、本発明のうち請求項6、請求項7、請求項8、請
求項9または請求項10のいずれか1項に記載の発明に
おいて、上記励起光は半導体レーザー励起により入射さ
れるようにしたものである。
【0026】また、本発明のうち請求項12に記載の発
明は、波長880nm帯の励起光が、ネオジウムイオン
を基底準位から3/2準位へ励起するようにしたも
のである。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しなが
ら、本発明によるレーザー発振方法およびレーザー装置
の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0028】まず、図1には、本発明の実施の形態の一
例によるレーザー媒質を作成するための手法であるフロ
ーティングゾーン法(Floating Zone M
ethod:なお、以下においては、「FZ法」と適宜
に称する。)の模式図が示されている。
【0029】即ち、本発明においては、FZ法と称され
る手法によって、高濃度ネオジウム添加ガドリニウムバ
ナデイト結晶や、レーザー活性イオンたるTm,Ho,
Er,Crイオンなどを所定の濃度で添加した単結晶で
あるTm:YVOやTm:GdVOなどのレーザー
媒質を作成するものである。
【0030】ここで、FZ法とは、炉10内おいて、高
温・高圧で焼結させた原料棒12に赤外光源(Infr
ared Source)としてのハロゲンランプ(H
alogen Lamp)14からの赤外光を集光させ
て溶融させ、種結晶と原料棒12との間に溶融帯(フロ
ーティングゾーン:Floating zone)16
を形成し、その溶融帯16を一方向に移動させることに
より結晶を形成させていくという方法である。
【0031】従って、FZ法により高濃度ネオジウム添
加ガドリニウムバナデイト結晶を作成する場合には、ま
ず、原料棒12としてネオジウムとガドリニウムとバナ
デイトとを高温・高圧で焼結させたものを用意する。次
に、この原料棒12にハロゲンランプ14からの赤外光
を集光させて溶融させ、種結晶と原料棒12との間に溶
融帯16を形成し、その溶融帯16を一方向に移動させ
ることにより、高濃度ネオジウム添加ガドリニウムバナ
デイト結晶を形成させていくものである。
【0032】このFZ法によれば、例えば、高濃度ネオ
ジウム添加ガドリニウムバナデイト結晶として、レーザ
ー活性イオンとしてネオジウムが原子数の比率で1%を
越える濃度ととなるように添加された高濃度ネオジウム
添加ガドリニウムバナデイト結晶を得ることができ、例
えば、レーザー活性イオンとしてネオジウムが原子数の
比率で2%乃至15%の濃度となるように添加された高
濃度ネオジウム添加ガドリニウムバナデイト結晶を得る
ことができた。
【0033】なお、上記した濃度は、例えば、原料棒1
2に所定の濃度のNdを焼結させることにより、任意の
濃度に制御することができる。
【0034】また、このFZ法によれば、例えば、直径
3mm、長さ50mmの高濃度ネオジウム添加ガドリニ
ウムバナデイト結晶を作成することができた。
【0035】なお、原料棒に赤外光を照射するハロゲン
ランプ14としては、例えば、出力が1.5kWのハロ
ゲンランプを用いることができる。
【0036】ところで、従来、ネオジウム添加ガドリニ
ウムバナデイト結晶を作成するに当たっては、チョコラ
ルスキー法(以下、「Cz法」と適宜に称する。)など
の引き上げ法が用いられてきた。
【0037】しかしながら、ネオジウム添加ガドリニウ
ムバナデイト結晶の特徴として、原料であるバナデイト
の融点が約1700℃と高いため、坩堝や育成雰囲気に
制限があり、良質な結晶を作成することが困難であっ
た。
【0038】このため、従来のネオジウムの添加濃度が
原子数の比率にして1%以下の低濃度のネオジウム添加
ガドリニウムバナデイト結晶においては、波長808n
m帯の主吸収帯にしかレーザー発振可能な吸収係数のピ
ークが存在しなかった。従って、従来のネオジウムの添
加濃度が原子数の比率にして1%以下の低濃度のネオジ
ウム添加ガドリニウムバナデイト結晶をレーザー媒質と
して用いてレーザー発振させるためには、主吸収帯であ
る波長808nm帯にあわせた発振波長808nmのレ
ーザーダイオードによる励起光によって励起する必要が
あった。
【0039】一方、本発明によるFZ法では、坩堝を使
用しないとともに育成雰囲気に制限がないので、従来の
問題点であった坩堝や育成雰囲気の制限が解消され、高
濃度かつ良質な結晶の育成が可能になった。
【0040】このため、本発明により作成された高濃度
ネオジウム添加ガドリニウムバナデイト結晶は、波長8
08nm帯に吸収係数のピークが最大の主吸収帯を持つ
が、その周囲にもレーザー発振可能な吸収係数のピーク
を持つ吸収帯が存在する。従って、本発明により作成さ
れた高濃度ネオジウム添加ガドリニウムバナデイト結晶
においては、主吸収帯以外の吸収帯にあわせた発振波長
の励起光を用いても、レーザー発振を起こさせることが
可能となった。
【0041】ところで、レーザーにおいては、入射光の
波長と出射光の波長との比(量子変換効率)以上に大き
な出力を得ることができない。
【0042】本発明により作成された高濃度ネオジウム
添加ガドリニウムバナデイト結晶をレーザー媒質として
用いた場合には、同じ波長の光を発振させる場合でも、
複数の吸収帯のなかから量子変化効率を最も大きくでき
る励起光の波長を選択することが可能となり、高効率な
発振を行うことができるようになる。
【0043】ここで、上記したFZ法を用いて作成され
た高濃度ネオジウム添加ガドリニウムバナデイト結晶の
うちで、ネオジウムの濃度が2%、5%、10%、即
ち、ネオジウムの原子数の比率が2%、5%、10%の
三種類の結晶について、その吸収スペクトルの測定結果
を図2に示す。なお、図2においては、横軸に[nm]
単位で波長(Wavelength)をとり、縦軸に
[cm−1]単位で吸収係数(Absorption
coefficient)をとっている。
【0044】図2から明らかなように、添加されるネオ
ジウムの濃度が高くなるに従い、励起光の吸収は大幅に
増加する。例えば、添加されるネオジウムの濃度が5%
の高濃度ネオジウム添加ガドリニウムバナデイト結晶で
は、吸収係数は808nmにおいて100[cm−1
以上である。
【0045】また、図2に示すように、高濃度ネオジウ
ム添加ガドリニウムバナデイト結晶は、レーザー発振可
能な吸収帯として、一般にレーザーダイオードによる励
起に用いられている波長808nmの主吸収帯のほか
に、波長750nm周辺にピークを持つ吸収帯と波長8
80nm周辺にピークを持つ吸収帯とが存在する。
【0046】これらのなかで波長880nm周辺にピー
クを持つ吸収帯に着目すると、波長880nmの吸収帯
における励起時の量子変換効率は「0.83(880/
1060=0.83)」となり、波長808nmの吸収
帯における励起時の量子変換効率である「0.75(8
08/1060=0.75)に比べて約10%増加し、
その分の損失が熱に変わることによる出力の低下を防ぐ
ことができる。
【0047】図3には、図4を参照しながら後述する本
発明によるレーザー装置を用いて、波長880nm帯で
ある波長879nmの励起光で、ネオジウムの濃度、即
ち、ネオジウムの原子数の比率が5%の高濃度ネオジウ
ム添加ガドリニウムバナデイト結晶(Nd5%添加G
d:VO結晶)を励起した実験結果の入出力特性が示
されている。
【0048】なお、図3においては、横軸に[W]単位
で吸収されたパワー(Absorbed Powe
r)、即ち、励起光の入力パワーをとり、縦軸に[W]
単位で出力パワー(Output Power)、即
ち、Nd5%添加Gd:VO結晶から発振されるレー
ザー光の出力パワーをとっている。
【0049】次に、原子数の比率で2%、5%、10%
のネオジウムがドープされた高濃度ネオジウム添加ガド
リニウムバナデイト結晶などのように、レーザー活性イ
オンとしてネオジウムを原子数の比率で1%越える濃度
で添加した高濃度ネオジウム添加ガドリニウムバナデイ
ト結晶をレーザー媒質として用いて構成されたレーザー
装置について説明する。
【0050】まず、図4には、高濃度ネオジウム添加ガ
ドリニウムバナデイト結晶をレーザー媒質として用いて
構成されたレーザー装置のなかで、パルス発振動作させ
るレーザー装置が示されている。
【0051】この図4に示すレーザー装置100は、レ
ーザー媒質たる高濃度ネオジウム添加ガドリニウムバナ
デイト結晶102と、励起光を生成するためのチタンサ
ファイアレーザー104と、全反射鏡106、108
と、集光レンズ110と、出射ミラー112とを有して
構成されている。
【0052】ここで、チタンサファイアレーザー104
は、パルス発振動作させる励起光を生成するための励起
光源としての励起レーザーであって、波長が880nm
であり、最大出力パワーが平均して40mWであり、パ
ルス幅が80nsの1kHz繰り返しのチタンサファイ
アレーザーである。
【0053】また、高濃度ネオジウム添加ガドリニウム
バナデイト結晶102は、「縦5mm×横5mm×厚さ
1mm」の大きさにカットされており、チタンサファイ
アレーザー104と対向する第1表面102aは、波長
が1063nmの光を全反射するとともに波長が880
nmの光に対して無反射となるようにコーティングを施
され、出射ミラー112と対向する第2表面102b
は、波長が1063nmの光に対して無反射となるよう
にコーティングを施されている。
【0054】さらに、出射ミラー112は、高濃度ネオ
ジウム添加ガドリニウムバナデイト結晶102と対向す
る面が曲率半径50mmの凹面112aとして形成され
るとともに、他方の面が平坦面112bとして形成され
ている。また、凹面112aは、波長が1064nmの
光の反射率が90%となるようなコーティングを施され
ていて、凹面鏡として構成されている。なお、平坦面1
12bには、コーディングは施されていない。
【0055】なお、集光レンズ110は、溶融石英硝子
により形成されており、100mmの焦点距離を備える
ようになされている。
【0056】従って、このレーザー装置100において
は、第1表面102aと凹面112aとにより共振器が
構成されることになり、この共振器内にレーザー媒質と
して高濃度ネオジウム添加ガドリニウムバナデイト結晶
102が配置されていることになる。なお、共振器のキ
ャビティ長は3cmに設定している。
【0057】以上の構成において、チタンサファイアレ
ーザー104から出射された励起光を、全反射鏡10
6、108を介して集光レンズ110に入射すると、集
光レンズ110は励起光を高濃度ネオジウム添加ガドリ
ニウムバナデイト結晶102に集光して入射する。
【0058】このようにすると、共振器内においてレー
ザー発振を生じ、出射ミラー112の平坦面112bか
らレーザー光が出射されることになる。
【0059】上記したように、図3は本願発明者による
実験結果を示すグラフであり、図4に示すレーザー装置
100において、高濃度ネオジウム添加ガドリニウムバ
ナデイト結晶102として原子数の比率で5%のネオジ
ウムがドープされた高濃度ネオジウム添加ガドリニウム
バナデイト結晶を用いた場合における入出力特性のグラ
フが示されている。図3に示されているように、スロー
プ効率は50%である。
【0060】次に、図5には、高濃度ネオジウム添加ガ
ドリニウムバナデイト結晶をレーザー媒質として用いて
構成されたレーザー装置のなかで、CW(連続波)発振
動作させるレーザー装置が示されている。この図5に示
すレーザー装置は、半導体レーザー励起固体レーザー装
置として構成されている。
【0061】なお、図5に示すレーザー装置の構成にお
いて、図4に示すレーザー装置100の構成と同一ある
いは相当する構成に関しては、図4において用いた符号
と同一の符号を用いて示すこととし、その詳細な構成な
らびに作用の説明は省略する。
【0062】この図5に示すレーザー装置200は、レ
ーザー媒質たる高濃度ネオジウム添加ガドリニウムバナ
デイト結晶102と、励起光としてのビームを生成する
ための励起光源としてのレーザーダイオード202と、
レーザーダイオード202を加熱するためのヒートシン
ク204と、レーザーダイオード202から出射された
励起光としてのビームを高濃度ネオジウム添加ガドリニ
ウムバナデイト結晶102に集光して入射するグラディ
エントインデックスレンズ206と、出射ミラー208
とを有して構成されている。
【0063】ここで、レーザーダイオード202は、G
aAs/GaAlAsの200μmのシングルストライ
プレーザーダイオードであり、波長が25℃で880n
mであり、最大出力パワーが2Wである。
【0064】また、ヒートシンク204は、銅製のブロ
ックよりなるものであるが、水冷により冷却されてい
る。
【0065】さらに、出射ミラー208は、高濃度ネオ
ジウム添加ガドリニウムバナデイト結晶102と対向す
る面が曲率半径750mmの凹面208aとして形成さ
れるとともに、他方の面が平坦面208bとして形成さ
れている。また、凹面208aは、波長が1064nm
の光の反射率が95%となるようなコーティングを施さ
れていて、凹面鏡として構成されている。なお、平坦面
208bには、コーディングは施されていない。
【0066】なお、グラディエントインデックスレンズ
206は、1.8mmの直径を備えている。

従って、このレーザー装置200においては、第1表面
102aと凹面208aとにより共振器が構成されるこ
とになり、この共振器内にレーザー媒質として高濃度ネ
オジウム添加ガドリニウムバナデイト結晶102が配置
されていることになる。なお、共振器のキャビティ長は
3cmに設定している。
【0067】また、このレーザー装置200における半
導体レーザー励起は、レーザー発振により共振器を往復
する光の光軸と略一致する方向からレーザー媒質たる高
濃度ネオジウム添加ガドリニウムバナデイト結晶102
に励起光を入射する縦励起である。
【0068】以上の構成において、レーザーダイオード
202から出射された励起光としてのビームを、グラデ
ィエントインデックスレンズ206に入射すると、グラ
ディエントインデックスレンズ206はビームを高濃度
ネオジウム添加ガドリニウムバナデイト結晶102に集
光して入射する。
【0069】このようにすると、共振器内においてレー
ザー発振を生じ、出射ミラー208の平坦面208bか
らレーザー光が出射されることになる。
【0070】上記したように、ネオジウムを原子数の比
率で1%を越える高濃度で添加したNd:GdVO
晶を用いることにより、主吸収帯である波長808nm
帯以外の波長帯(例えば、波長880nm帯である。)
の吸収帯での励起を行ってレーザー発振させることが可
能となる。
【0071】即ち、ネオジウムを高濃度に添加すること
によって、Nd:GdVO結晶の持つ吸収係数が飛躍
的に増加するため、従来の技術により作成されたネオジ
ウムが低濃度に添加されたNd:GdVO結晶では困
難であった吸収係数の小さな波長域での励起が可能とな
ったものである。
【0072】また、ネオジウムを原子数の比率で1%を
越える高濃度で添加したNd:GdVO結晶を用い
て、主吸収帯である波長808nm帯以外の波長帯(例
えば、波長880nm帯である。)の吸収帯を選択して
励起することにより、主吸収帯である波長808nm帯
を選択して励起するよりも量子変換効率を向上させるこ
とが可能となり、高効率なレーザー発振を得ることがで
きるようになる。
【0073】さらに、ネオジウムを原子数の比率で1%
を越える高濃度で添加したNd:GdVO結晶を用い
ると、主吸収帯である波長808nm帯以外の波長帯
(例えば、波長880nm帯である。)の吸収帯を選択
して励起することが可能であるので、従来においては励
起光源は主吸収帯である808nmに発振波長を持つレ
ーザーダイオードに限定されていたが、励起光源の選択
の裕度を広げることができる。
【0074】次に、図6には、図7を参照しながら後述
する本発明によるレーザー装置を用いて、ネオジウムを
原子数の比率で2%の濃度で添加した高濃度ネオジウム
添加ガドリニウムバナデイト結晶(Nd2%添加Gd:
VO結晶)を、波長808nmの励起光と波長880
nm帯である波長879nmの励起光とで励起した場合
の比較実験結果の入出力特性が示されている。
【0075】なお、図6においては、横軸に[mW]単
位で吸収されたパワー(Absorbed Powe
r)、即ち、励起光の入力パワーをとり、縦軸に[m
W]単位で出力パワー(Output Power)、
即ち、Nd2%添加Gd:VO結晶から発振されるレ
ーザー光の出力パワーをとっている。
【0076】図6から理解されるように、Nd2%添加
Gd:VO結晶は高濃度にネオジウムを添加している
ため、非常に高いレーザー発振効率が得られた。具体的
には、レーザー発振のスロープ効率は波長808nmの
励起光の場合で67%であり、波長880nm帯である
波長879nmの励起光の場合で78%であった。
【0077】即ち、波長880nm帯である波長879
nmで励起した場合には、波長808nmの励起と比較
すると、エネルギー変換効率の違いとほぼ同じく、約1
0%ほどスロープ効率が向上している。
【0078】次に、図7に示すレーザー装置について説
明すると、この図7に示すレーザー装置は、レーザー媒
質たるネオジウムを原子数の比率で2%の濃度で添加し
た高濃度ネオジウム添加ガドリニウムバナデイト結晶3
02と、パルス発振動作させる励起光を生成するための
励起光源としての励起レーザーたるチタンサファイアレ
ーザー304と、全反射鏡306、308と、励起光の
強度ならびに偏光を調整するためのλ/2波長板320
ならびにグランレーザープリズム(Granlaser
prism)322と、集光レンズ310と、出射ミ
ラー312とを有して構成されている。
【0079】ここで、チタンサファイアレーザー304
は、コンピューター制御により波長を700nmから9
50nmまでの範囲で任意に選択することができ、最大
出力パワーが平均して200mWであり、パルス幅が1
00nsの繰り返し1kHzのレーザーである。
【0080】なお、図6に示す実験結果を得た実験にお
いては、コンピューター制御により波長808nmまた
は波長879nmの光を選択して励起光として用いた。
【0081】また、高濃度ネオジウム添加ガドリニウム
バナデイト結晶302は、「直径8mm×厚さ1mm」
の大きさにカットされており、チタンサファイアレーザ
ー304と対向する第1表面302aは、波長が106
3nmの光を全反射するとともに波長が879nmの光
に対して無反射となるようにコーティングを施され、出
射ミラー312と対向する第2表面302bは、波長が
1063nmの光に対して無反射となるようにコーティ
ングを施されている。
【0082】さらに、出射ミラー312は、高濃度ネオ
ジウム添加ガドリニウムバナデイト結晶302と対向す
る面が、曲率半径200mmの凹面312aとして形成
されるとともに、他方の面が平坦面312bとして形成
されている。また、凹面312aは、波長が1064n
mの光の反射率が80%となるようなコーティングを施
されていて、部分反射凹面鏡として構成されている。な
お、平坦面312bには、コーディングは施されていな
い。
【0083】なお、集光レンズ310は、溶融石英硝子
で形成されており、120mmの焦点距離を備えてい
る。
【0084】従って、このレーザー装置300において
は、第1表面302aと凹面312aとにより共振器が
構成されることになり、この共振器内にレーザー媒質と
して高濃度ネオジウム添加ガドリニウムバナデイト結晶
302が配置されていることになる。なお、共振器のキ
ャビティ長は3mmに設定している。
【0085】以上の構成において、チタンサファイアレ
ーザー304から出射された励起光を、全反射鏡30
6、308、λ/2波長板320、グランレーザープリ
ズム322を介して集光レンズ110に入射すると、集
光レンズ310は励起光を集光して高濃度ネオジウム添
加ガドリニウムバナデイト結晶302に集光して入射す
る。
【0086】このようにすると、共振器内においてレー
ザー発振を生じ、出射ミラー312の平坦面312bか
らレーザー光が出射されることになる。
【0087】なお、グランレーザープリズム322はあ
る一定の方向に偏光した光だけを透過させるため、λ/
2波長板320を回転させることによってグランレーザ
ープリズム322を透過する励起光の量を変化させるこ
とができる。これにより、高濃度ネオジウム添加ガドリ
ニウムバナデイト結晶302に入射する励起光のパワー
を調整した。
【0088】また、上記したように高濃度ネオジウム添
加ガドリニウムバナデイト結晶に波長880nm帯の励
起光を入射することによりレーザー発振が生じるという
ことは、波長880nm帯の励起光がネオジウムイオン
を基底準位から3/2準位へ励起することを意味し
ている。
【0089】なお、上記した実施の形態は、以下に説明
する(1)乃至(4)に示すように変形してもよい。
【0090】(1)上記した実施の形態においては、ネ
オジウムを原子数の比率で2%、5%または10%の濃
度でガドリニウムバナデイト結晶に添加した場合につい
て詳細に説明したが、これに限られるものではないこと
は勿論であり、ネオジウムをガドリニウムバナデイト結
晶に添加する濃度は、原子数の比率で1%を越える濃度
のような高濃度であればよいものであり、好ましくは2
%以上の濃度であり、より好ましくは2%乃至15%の
濃度である。
【0091】(2)上記した実施の形態においては、半
導体レーザー励起は端面励起によるものとしたが、これ
に限られるものではないことは勿論であり、レーザー発
振により共振器を往復する光の光軸の軸方向と略直交す
る方向からレーザー媒質に励起光を入射する側面励起に
より、半導体レーザー励起を行うようにしてもよい。
【0092】(3)上記した実施の形態においては、レ
ーザー媒質として高濃度でネオジウムを添加したガドリ
ニウムバナデイト結晶について説明したが、本発明を適
用することができるレーザー媒質はこれに限定されるも
のではないことは勿論である。例えば、レーザー媒質と
してレーザー活性イオンたるTm,Ho,Er,Crイ
オンなどを高濃度で添加した単結晶である、例えば、T
m:YVOやTm:GdVOなどにも本発明を適用
することが可能である。なお、その際には、焼結体の濃
度を制御などを行うことが好ましい。
【0093】(4)上記した実施の形態ならびに上記し
た(1)乃至(3)に示す変形例は、適宜に組み合わせ
て用いるようにしてもよい。
【0094】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、レーザー活性イオンを所定の濃度で添加し
た結晶よりなるレーザー媒質を用いたレーザー発振方法
およびレーザー装置を提供することができるという優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例によるレーザー媒質
を作成するための手法であるフローティングゾーン法
(Floating Zone Method:なお、
以下においては、「FZ法」と適宜に称する。)の模式
図である。
【図2】本願発明者による実験結果を示すグラフであ
り、本発明による高濃度ネオジウム添加ガドリニウムバ
ナデイト結晶のうちで、ネオジウムの濃度が2%、5
%、10%、即ち、ネオジウムの原子数の比率が2%、
5%、10%の三種類の結晶について、その吸収スペク
トルの測定結果を示すグラフである。なお、横軸は[n
m]単位で波長(Wavelength)を示し、縦軸
は[cm−1]単位で吸収係数(Absorption
coefficient)を示している。
【図3】本願発明者による実験結果を示すグラフであ
り、図4に示すレーザー装置において、高濃度ネオジウ
ム添加ガドリニウムバナデイト結晶として原子数の比率
で5%のネオジウムがドープされた高濃度ネオジウム添
加ガドリニウムバナデイト結晶を用いた場合における入
出力特性のグラフである。なお、横軸は[W]単位で吸
収されたパワー(Absorbed Power)を示
し、縦軸は[W]単位で出力パワー(Output P
ower)を示している。
【図4】高濃度ネオジウム添加ガドリニウムバナデイト
結晶をレーザー媒質として用いて構成されたレーザー装
置のなかで、パルス発振動作させるレーザー装置を示す
概略構成説明図である。
【図5】高濃度ネオジウム添加ガドリニウムバナデイト
結晶をレーザー媒質として用いて構成されたレーザー装
置のなかで、CW(連続波)発振動作させるレーザー装
置を示す概略構成説明図である。
【図6】本願発明者による実験結果を示すグラフであ
り、図7に示すレーザー装置において、高濃度ネオジウ
ム添加ガドリニウムバナデイト結晶として原子数の比率
で2%のネオジウムがドープされた高濃度ネオジウム添
加ガドリニウムバナデイト結晶を用いた場合における入
出力特性のグラフである。なお、横軸は[W]単位で吸
収されたパワー(Absorbed Power)を示
し、縦軸は[W]単位で出力パワー(Output P
ower)を示している。
【図7】高濃度ネオジウム添加ガドリニウムバナデイト
結晶をレーザー媒質として用いて構成されたレーザー装
置のなかで、パルス発振動作させるレーザー装置を示す
概略構成説明図である。
【符号の説明】
10 炉 12 原料棒 14 ハロゲンランプ(Halogen
Lamp) 16 溶融帯(フローティングゾーン:
Floatingzone) 100、200、300 レーザー装置 102、302 高濃度Nd添加YA
G単結晶 102a、302a 第1表面 102b、302b 第2表面 104、304 チタンサファイアレ
ーザー 106、108、306、308 全反射鏡 110、310 集光レンズ 112、208、312 出射ミラー 112a、208a、312a 凹面 112b、208b、312b 平坦面 202 レーザーダイオード 204 ヒートシンク 206 グラディエントインデックスレ
ンズ 320 λ/2波長板 322 グランレーザープリズム(Gr
an laser prism)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 智之 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究所 内 (72)発明者 小川 貴代 埼玉県和光市本町11−58−307 株式会社 メガオプト内 (72)発明者 田代 英夫 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究所 内 (72)発明者 町田 博 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 エヌイーシートーキン株式会社内 (72)発明者 樋口 幹雄 北海道北広島市北進町2−1−9−403 (72)発明者 小平 紘平 北海道札幌市北区あいの里3−9−4−1 (72)発明者 庄内 智博 北海道札幌市中央区南9条西9丁目1−23 Fターム(参考) 4G077 AA02 BC40 CE03 EB01 HA02 NA05 5F072 AB20 AK01 JJ02 JJ20 KK03 KK18 KK30 PP07 PP10 RR01 SS06 SS10

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザー媒質を励起光により励起してレ
    ーザー発振するレーザー発振方法において、 フローティングゾーン法により、レーザー活性イオンと
    してネオジウムが原子数の比率で2%乃至15%の濃度
    となるように添加されたガドリニウムバナデイト結晶よ
    りなるレーザー媒質を利用するレーザー発振方法。
  2. 【請求項2】 レーザー媒質を励起光により励起してレ
    ーザー発振するレーザー発振方法において、 フローティングゾーン法により作成されたレーザー活性
    イオンが所定の濃度に添加された結晶よりなるレーザー
    媒質を、主吸収帯である波長帯とは異なる波長帯の励起
    光の励起によりレーザー発振するレーザー発振方法。
  3. 【請求項3】 レーザー媒質を励起光により励起してレ
    ーザー発振するレーザー発振方法において、 レーザー活性イオンとしてネオジウムが原子数の比率で
    1%を越える濃度となるように添加されたガドリニウム
    バナデイト結晶よりなるレーザー媒質を、主吸収帯であ
    る波長808nm帯とは異なる波長帯の励起光の励起に
    よりレーザー発振するレーザー発振方法。
  4. 【請求項4】 レーザー媒質を励起光により励起してレ
    ーザー発振するレーザー発振方法において、 レーザー活性イオンとしてネオジウムが原子数の比率で
    2%乃至15%の濃度となるように添加されたガドリニ
    ウムバナデイト結晶よりなるレーザー媒質を、主吸収帯
    である波長808nm帯とは異なる波長帯の励起光の励
    起によりレーザー発振するレーザー発振方法。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4のいずれか1項
    に記載のレーザー発振方法において、 前記主吸収帯である波長808nm帯とは異なる波長帯
    の励起光は、波長880nm帯の励起光であるレーザー
    発振方法。
  6. 【請求項6】 共振器内にレーザー媒質を配置し、前記
    レーザー媒質に励起光を入射することにより前記共振器
    内においてレーザー発振を生じさせて、前記共振器から
    レーザー光を出射させるレーザー装置において、 前記レーザー媒質は、フローティングゾーン法により作
    成されたレーザー活性イオンが所定の濃度に添加された
    結晶よりなるレーザー媒質であるレーザー装置。
  7. 【請求項7】 共振器内にレーザー媒質を配置し、前記
    レーザー媒質に励起光を入射することにより前記共振器
    内においてレーザー発振を生じさせて、前記共振器から
    レーザー光を出射させるレーザー装置において、 前記レーザー媒質は、レーザー活性イオンとしてネオジ
    ウムが原子数の比率で1%を越える濃度となるように添
    加されたガドリニウムバナデイト結晶であるレーザー装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のレーザー装置におい
    て、 前記レーザー媒質は、前記ネオジウムが原子数の比率で
    2%乃至15%の濃度となるように添加されたものであ
    るレーザー装置。
  9. 【請求項9】 請求項7または請求項8のいずれか1項
    に記載のレーザー装置において、 前記レーザー媒質を、主吸収帯である波長808nm帯
    とは異なる波長帯の励起光の励起によりレーザー発振す
    るものであるレーザー装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のレーザー装置におい
    て、 前記主吸収帯である波長808nm帯とは異なる波長帯
    の励起光は、波長880nm帯の励起光であるレーザー
    装置。
  11. 【請求項11】 請求項6、請求項7、請求項8、請求
    項9または請求項10のいずれか1項に記載のレーザー
    装置において、 前記励起光は半導体レーザー励起により入射されるもの
    であるレーザー装置。
  12. 【請求項12】 波長880nm帯の励起光が、ネオジ
    ウムイオンを基底準位から3/2準位へ励起するレ
    ーザー発振方法。
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