JP2003294667A - ガス検出装置、車両用オートベンチレーションシステム - Google Patents

ガス検出装置、車両用オートベンチレーションシステム

Info

Publication number
JP2003294667A
JP2003294667A JP2002095844A JP2002095844A JP2003294667A JP 2003294667 A JP2003294667 A JP 2003294667A JP 2002095844 A JP2002095844 A JP 2002095844A JP 2002095844 A JP2002095844 A JP 2002095844A JP 2003294667 A JP2003294667 A JP 2003294667A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
sensor
gas
sensor output
output value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002095844A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4028745B2 (ja
Inventor
Yuji Kimoto
祐治 木元
Hiroko Iwasaki
裕子 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2002095844A priority Critical patent/JP4028745B2/ja
Publication of JP2003294667A publication Critical patent/JP2003294667A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4028745B2 publication Critical patent/JP4028745B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスセンサ素子のセンサ抵抗値が湿度等によ
ってドリフトしても、比較的短時間でこの影響を無くし
て、ガス濃度変化検知を再開できるガス検出装置及び車
両用オートベンチレーションシステムを提供する。 【解決手段】 ガス検出装置10は、ガスセンサ素子1
を含むセンサ抵抗値変換回路12を有し、取得したA/
Dコンバータ15で取得したセンサ出力値S(n)を用
いてガス濃度変化を検知する。センサ出力値S(n)
は、センサ抵抗値Rsの変化によって変化するほか、セ
ンサ抵抗値変換回路12に入力するパルス信号Scのデ
ューティ比DTの変化によっても変化する。センサ抵抗
値Rsのドリフトにより、センサ出力値が偏った値とな
ると、合わせ込み処理において、パルス信号Scの現在
のデューティ比DTを、算出して得た狙いデューティ比
DTに一挙に更新する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスセンサ素子を
用いて環境中の特定ガスの濃度変化を検出するガス検出
装置および車両用オートベンチレーションシステムに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、鉛−フタロシアニンを用いた
り、WO3やSnO2などの金属酸化物半導体を用いた
ガスセンサ素子などが知られている。これらは、環境中
のNOxなどの酸化性ガスやCO、HC(ハイドロカー
ボン)など還元性ガスなど、特定のガスの濃度変化によ
ってそのセンサ抵抗値が変化するために、このセンサ抵
抗値の変化によって特定のガス濃度の変化を検出可能で
ある。また、このようなガスセンサ素子を用いたガス検
出装置も知られている。さらには、このガス検出装置を
用いた各種の制御システム、例えば、車室外空気の汚染
状況に応じて、車室内への外気導入・内気導入を切り替
えるためのフラップ開閉制御を行う車両用オートベンチ
レーションシステムや、喫煙などによる室内空気の汚染
を検知し、空気清浄機の制御を行うシステムなどが知ら
れている。
【0003】このようなガスセンサ素子を用いたガス検
出装置では、ガスセンサ素子のセンサ抵抗値変化を、電
圧(センサ電圧)変化に変換して用いることが多い。例
えば、固定抵抗とガスセンサ素子を直列に接続して定電
圧を印加し、分圧点の電位をセンサ電圧とする。以降
は、このセンサ電圧をアナログ微分してガス検知をおこ
なうものなどアナログ信号処理によりガス検知を行うも
ののほか、センサ電圧をAD変換してデジタルのセンサ
信号とし、さらに微分処理や積分処理等を行うなどデジ
タル処理によってガス検知をするものが知られている。
【0004】しかし、上記のようなガスセンサ素子は、
その電気的特性(センサ抵抗値)が特定ガスの濃度変化
だけでなく、温度や湿度、風速などの環境の影響によっ
ても大きく変動する性質を有する。例えば、特定ガスが
存在しない環境下でも、センサ抵抗値が10kΩから1
MΩとなるなど、数10倍〜数100倍の範囲で変化す
ることがある。そのため、上述の固定抵抗とガスセンサ
素子を用いてセンサ電圧を得る場合には、温度や湿度の
よるセンサ抵抗値のドリフト(変動)により、特定ガス
の濃度変化が無くても固定抵抗との抵抗比が大きく変動
し、極端な場合には、分圧点の電位であるセンサ電圧が
定電圧あるいは接地電圧付近の値に偏ってしまうことが
ある。このようにセンサ電圧が偏った状態では、ガス濃
度の変化によるセンサ電圧の変化幅が小さく制限されて
しまい、適切にガス濃度の変化を検知できなくなる。ま
た、起動後、長時間わたってセンサ抵抗値がわずかずつ
変化し続け、安定するまでに数時間などの長時間かかる
素子もある。このような素子では、時間の経過とともに
センサ電圧が徐々に偏ってしまうこともあり得る。
【0005】そこで、特開平9−304320号公報に
は、調整用電圧制御手段を設け、検知部の端子電圧(セ
ンサ電圧に相当)が上限閾値以上か下限閾値以下の状態
が所定時間継続すると、端子電圧が設定値になる様にF
ETなどの電圧−抵抗変換素子に印加する調整用電圧を
再調節し、検知を再開する汚染度合検出装置が開示され
ている。このようにすることで、端子電圧(センサ電
圧)に偏りが生じても、適宜が設定値になるように再調
整されるので、適切に検知を行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この公
報の開示からはこの再調整を行うことのみが開示されて
おり、その具体的手法が明確でない。しかるに、再調整
の期間中、あるいはそれに続き端子電圧(センサ電圧)
が安定するまでの期間は、端子電圧が変動しても調整用
電圧の変動によるものなのか、ガス濃度の変化によるも
のなのかを識別できない。このため、再調整の手法とし
て、端子電圧を設定値に近づけるべく、調整用電圧を若
干変化させその後の端子電圧を測定し、さらに調整用電
圧を変化させるか否かを判断し、必要なときはさらに変
化させるというように、調整用電圧を徐々にさせる手法
を採ると、再調整の期間が長くなり、結果としてガス濃
度の変化が検知困難あるいは検知不能である期間が長く
なる。
【0007】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであって、ガスセンサ素子のセンサ抵抗値が湿度等
によってドリフトしても、比較的短時間でこの影響を無
くして、ガス濃度変化検知を再開することのできるガス
検出装置、及びこれを用いた車両用オートベンチレーシ
ョンシステムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】そしてそ
の解決手段は、特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗値が
変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であっ
て、センサ出力値を取得する取得手段であって、上記セ
ンサ抵抗値の変化及び上記取得手段に入力される入力信
号におけるパラメータ値の変化に応じて変化するセンサ
出力値を、上記入力信号のパラメータ値を固定した状態
で、所定サイクル時間毎に取得する取得手段と、上記セ
ンサ出力値を用いて上記特定ガスの濃度の高低を検知す
る濃度検知手段と、上記特定ガスの濃度が低いときに濃
度低信号を発生する濃度低信号発生手段と、上記ガス検
出装置の起動し続く初期期間の経過後、上記濃度低信号
を発生している期間において、更新条件を満たしたとき
に、上記入力信号の現在のパラメータ値を新たなパラメ
ータ値に更新するパラメータ更新手段であって、上記新
たなパラメータ値に固定した入力信号を用いたときに、
上記取得手段において、所定の基準センサ出力値にほぼ
等しい上記センサ出力値が取得されるようになる上記新
たなパラメータ値を取得して更新するパラメータ更新手
段と、を備えるガス検出装置である。
【0009】本発明のガス検出装置では、ガスセンサ素
子のセンサ抵抗値がドリフトにより変化してセンサ出力
値に偏りが生じた場合でも、濃度低信号を発生している
期間のうち、更新条件を満たしたときに、取得手段にお
いてセンサ出力値として基準センサ出力値が取得される
ような新たなパラメータ値に更新する。このため、パラ
メータ値の更新後は、強制的にセンサ出力値が基準セン
サ出力値に等しくなるようにされる。従って、その後ガ
ス検知を再開すると、特定ガスの濃度変化があった場合
に、センサ出力値の変化幅を大きく採れるから、適切に
特定ガスの検出を行うことができる。しかも、この新た
なパラメータ値は、現在の値から徐々に変化させるので
はない。つまり、新たなパラメータ値を用いたとする
と、センサ出力値は基準センサ出力値に等しくなるよう
な、そういう新たなパラメータ値を取得し、それを用い
る。このため、一挙にパラメータ値が更新され、これに
よって、得られるセンサ出力値も基準センサ出力値に等
しい値にさせられる。従って、パラメータ値の更新に伴
うガス検知の困難期間を短くすることができる。また、
本発明では、濃度低信号発生手段で濃度低信号を発生し
ているタイミングで更新を行う。濃度高信号を発生して
いる期間など、濃度低信号発生手段で濃度低信号を発生
していない期間には、センサ出力値が偏った値となって
いる場合であっても、その偏りがセンサ抵抗値のドリフ
トによって生じたのか、ガス濃度の上昇あるいは減少に
よって生じたのかの判断ができない。また、この期間に
パラメータ値の更新をすると、センサ出力値が変動する
ため、濃度低下によるセンサ出力値の変動を見逃し、濃
度低下の検知ができない危険もあるからである。
【0010】さらに、上記ガス検出装置であって、前記
センサ抵抗値が上昇したときに前記センサ出力値が変化
する方向を第1方向とし、その逆方向を第2方向とした
とき、前記パラメータ更新手段における前記更新条件を
満たしたときとは、前記センサ出力値が第1所定期間に
わたって第1限界値よりも第1方向側の値となったと
き、及び、前記センサ出力値が第2所定期間にわたって
第2限界値よりも第2方向側の値となったとき、のいず
れかを満たしたときであるガス検出装置とすると良い。
【0011】一般に、ガス濃度が低いと判断されて濃度
低信号が出されている期間であっても、ノイズなどの影
響でセンサ出力値が一時的に第1限界値よりも第1方向
側の値となる(例えば第1限界値を上回る)あるいは一
時的に第2限界値よりも第2方向側の値となる(例えば
第2限界値を下回る)ことは有り得ると考えられる。し
かるに、これに対し、センサ出力値が第1所定期間にわ
たって第1限界値よりも第1方向側の値となる状態が継
続した場合や、センサ出力値が第2所定期間にわたって
第2限界値よりも第2方向側の値となる状態が継続した
場合には、もはやこのようなノイズ等の影響ではなく、
センサ抵抗値がドリフトによって大きく変動したため
に、センサ出力値が第1所定期間にわたって第1限界値
よりも第1方向側の値となり、あるいは第2所定期間に
わたって第2限界値よりも第2方向側の値となったと判
断できる。本発明のガス検出装置では、更新条件として
上記条件を採用したから、センサ抵抗値がドリフトした
ときには、パラメータ値が一挙に更新されてセンサ出力
値が基準センサ出力値に等しくなるように調整される。
従って、その後ガス検知を再開すると、特定ガスの濃度
変化があった場合に、センサ出力値の変化幅を大きく採
れるから、再び、適切に特定ガスの検出を行うことがで
きる。一方、ノイズなどによってパラメータ値を誤って
更新することが無い。なお、第1所定期間と第2所定期
間の長さは、異なっていても良い。
【0012】さらに他の解決手段は、特定ガスの濃度に
応じてセンサ抵抗値が変化するガスセンサ素子を用いる
ガス検出装置であって、センサ出力値を取得する取得手
段であって、上記センサ抵抗値の変化及び上記取得手段
に入力される入力信号におけるパラメータ値の変化に応
じて変化するセンサ出力値を、上記入力信号のパラメー
タ値を固定した状態で、所定サイクル時間毎に取得する
取得手段と、上記センサ出力値を用いて上記特定ガスの
濃度の高低を検知する濃度検知手段と、上記特定ガスの
濃度が低いときに濃度低信号を発生する濃度低信号発生
手段と、上記ガス検出装置の起動に続く初期期間の経過
後、上記濃度低信号を発生している期間において、更新
条件を満たしたときに、上記入力信号の現在のパラメー
タ値を新たなパラメータ値に更新するパラメータ更新手
段であって、上記センサ抵抗値が上昇したときに上記セ
ンサ出力値が変化する方向を第1方向とし、その逆方向
を第2方向としたとき、上記センサ出力値が第1所定期
間にわたって第1限界値よりも第1方向側の値となった
ときには、上記取得手段において、上記新たなパラメー
タ値に固定した入力信号を用いたときに、所定の基準セ
ンサ出力値にほぼ等しい上記センサ出力値が取得される
ようになる上記新たなパラメータ値を取得して更新し、
前記センサ出力値が第2所定期間にわたって第2限界値
よりも第2方向側の値となったときには、上記取得手段
において、現在の上記センサ出力値よりも基準センサ出
力値に近いセンサ出力値が取得されるように、上記現在
のパラメータ値を徐々に更新するパラメータ更新手段
と、を備えるガス検出装置である。
【0013】パラメータ値を更新するに当たり、値を一
挙に大きく変えて取得されるセンサ出力値を基準センサ
出力値に等しくしようとする場合、ガスセンサ素子の特
性のバラツキや取得手段におけるコンデンサ、抵抗その
他の電子部品の特性のバラツキなどが大きいときには、
部品の組み合わせなどによっては、基準センサ出力値を
飛び超えて更新前とは逆側に偏った値にまでセンサ出力
値が変化させられてしまうことがあり得る。すると、再
びパラメータ値の更新が行われることがあり、これらが
繰り返されると基準センサ出力値にほぼ等しいセンサ出
力値を得ることができなかったり、得るのに異常に長い
時間が掛かる事態が発生する危険がある。本発明のガス
検出装置では、センサ出力値が第1所定期間にわたって
第1限界値よりも第1方向側の値となったときは、パラ
メータ値を一挙に変化させて更新する。一方、センサ出
力値が第2所定期間にわたって第2限界値よりも第2方
向側の値となったときには、パラメータ値を徐々に変化
させて更新する。従って、上記のような事態になること
が無く、ガスセンサ素子や取得手段の電子部品の特性の
バラツキが有っても、適切なパラメータ値に収束させる
ことができる。しかも、ガスセンサ素子(とりわけWO
3からなるガスセンサ素子)は、起動後、センサ抵抗値
が上昇する方向に変化しながら安定する傾向があるの
で、たとえ初期期間の経過後でも、センサ出力値が第1
所定期間にわたって第1限界値よりも第1方向側の値と
なってパラメータ値を更新する機会が、逆の場合に比し
て多い傾向にある。従って、更新する機会が多い方につ
いて、パラメータ値を一挙に変化させて更新するように
したので、更新時のガス検出困難期間を短くすることが
でき都合がよい。
【0014】さらに、上記いずれか1項に記載のガス検
出装置であって、前記パラメータ更新手段は、前記新し
いパラメータ値を、現在の前記センサ出力値と前記現在
のパラメータ値とを用いて取得するガス検出装置とする
と良い。
【0015】本発明のガス検出装置では、新しいパラメ
ータ値を、現在のセンサ出力値と現在のパラメータ値と
を用いて取得するので適切に、新しいパラメータ値を得
ることができる。なお、新しいパラメータ値(例えば新
しいデューティ比)を取得する手法としては、算出式か
らの算出や数値マップからの選択などにより直接に更新
すべきパラメータ値を得る手法のほか、現在のパラメー
タ値から算出式やマップなどにより、変更すべき量を求
めることで、間接的に(結果として)新しいパラメータ
値を得る場合も含まれる。
【0016】さらに、上記ガス検出装置であって、前記
パラメータ更新手段は、所定の算出式に従い、前記現在
のセンサ出力値と前記現在のパラメータ値とを用いて更
新すべき前記新たなパラメータ値を得るガス検出装置と
するのが好ましい。
【0017】本発明のガス検出装置では、所定の算出式
を用いたので、更新すべき新たなパラメータ値を得るの
に、ガス検出装置で消費するメモリが少なくても、パラ
メータ値を得ることができる。従って、安価にできる。
【0018】あるいは、前記ガス検出装置であって、前
記パラメータ更新手段は、前記現在のセンサ出力値と前
記現在のパラメータ値とに対応づけて更新すべき前記新
たなパラメータ値を複数記憶した記憶手段と、上記現在
のセンサ出力値及び上記現在のパラメータ値に基づい
て、これに対応する上記パラメータ値を上記記憶手段か
ら選択して得るガス検出装置とするのが好ましい。
【0019】本発明のガス検出装置では、記憶手段を用
いたので、ガス検出装置でメモリを多く消費するもの
の、容易にパラメータ値を得ることができる。また算出
式の導出、関数化等の作業が不要である。
【0020】さらに、上記いずれか1項に記載のガス検
出装置であって、前記ガスセンサ素子は、前記特定ガス
が無いときの上記センサ抵抗値を零点センサ抵抗値R0
とし、その後上記特定ガスの濃度を所定値としたときの
上記センサ抵抗値を第1センサ抵抗値R1としたとき、
比R1/R0が、上記零点センサ抵抗値R0の変化に拘
わらず、ほぼ一定に保たれる特性を有し、前記取得手段
は、前記パラメータ値を一定として、前記センサ抵抗値
の対数値と前記センサ出力値との関係をグラフ化したと
きに、単調に変化し、上記パラメータ値によらず、グラ
フの形状がほぼ同一となる上記センサ出力値の範囲を有
する特性を備え、前記基準センサ出力値は、上記グラフ
の形状がほぼ同一となるセンサ出力値の範囲内の値であ
るガス検出装置とすると良い。
【0021】本発明のガス検出装置では、ガスセンサ素
子として、ドリフトによって特定ガスが無い(例えば、
ガス濃度が0ppm)のときの零点センサ抵抗値R0が
変動しても、特定ガスの濃度を所定値(例えば1pp
m)としたときの第1センサ抵抗値R1との比R1/R
0が、ほぼ一定となる特性を有するガスセンサ素子を用
いる。しかも、パラメータ値を一定として、センサ抵抗
値の対数値とセンサ出力値の関係をグラフに表したと
き、各パラメータ値についてのグラフの形状が、パラメ
ータ値によらず、ほぼ同一となるセンサ出力値の範囲を
有する。つまり、具体的に言うと、片対数グラフを用
い、対数軸にセンサ抵抗値を割り当ててセンサ出力値と
の関係をグラフに表したとき、パラメータ値を一定とし
た各グラフは、特定のセンサ出力値の範囲で形状がほぼ
同じとなる(例えば、図3におけるセンサ電圧値2.0
〜2.5Vの範囲)。また、基準センサ出力値は、この
範囲内の値とされている。
【0022】本発明のガス検出装置では、ガスセンサ素
子のセンサ抵抗値がドリフトによって変動した場合で
も、濃度低信号発生時で更新条件を満たしたときに、パ
ラメータ更新手段でパラメータ値を更新し、強制的にセ
ンサ出力値として基準センサ出力値が取得されるように
する。換言すればセンサ抵抗値が零点センサ抵抗値R0
となっているときに、パラメータ値を更新して、センサ
出力値を所定の基準センサ出力値に合わせ込む。このた
め、その後、特定ガスの濃度が上昇したとき、パラメー
タ値の値に違いがあっても、得られるセンサ出力値はほ
ぼ同じ値となる。ガスセンサ素子が、比R1/R0が一
定となる性質を有しているため、及びセンサ抵抗値の対
数値とセンサ出力値との関係のグラフが、特定のセンサ
出力値の範囲でパラメータ値によらずほぼ同一であるた
めである。センサ抵抗値a,b,c,dについて、a/
b=c/dであるとき、片対数グラフで表すと、センサ
抵抗値a,b同士間の距離と、センサ抵抗値c,d同士
間の距離とは同じとなる(loga−logb=log(a/b)
=log(c/d)=logc−logdである)からである。
【0023】具体例で説明する(図3参照)。ガスセン
サ素子として、特定ガス濃度が0ppmのときR0=1
0kΩであり、濃度1ppmのときR1=15kΩとな
るが、ドリフトによってもしR0=100kΩとなった
場合には、R1=150kΩなる特性のガスセンサ素子
を用いたとする。つまり、このガスセンサ素子は、1p
pmの濃度の場合には、R0の1.5倍のセンサ抵抗値
R1となる特性を備えるとする。ここで、特定ガスが無
い状態でR0=10kΩとなっているときに、入力信号
のパラメータ値を調整して(図3において、デューティ
比を98.40%とする)、強制的にセンサ出力値を基
準センサ出力値=2.0Vとする。その後に特定ガス濃
度を1ppmとしたときには、R1=15kΩとなる。
このときのセンサ出力値=2.5Vであったとする。
【0024】その後、ガスセンサ素子のセンサ抵抗値が
ドリフトによって変動してしまい、零点センサ抵抗値R
0のときの値が100kΩとなったとする。すると、セ
ンサ出力値は例えば4.0Vなど上限値に近い値に偏っ
てしまう。この状態で特定ガスの濃度が1ppm(R1
=150kΩ)となったとしても、センサ出力値は4.
3V程度にしかならないので、変化量が少なくなり適切
にガス検出ができないことがある。しかし、例えば入力
信号のデューティ比などのパラメータ値を更新する(図
3において、デューティ比を9.36%にする)こと
で、強制的にセンサ出力値=2.0Vとする。ここで、
パラメータ値を一定とした各グラフは、特定のセンサ出
力値の範囲で形状がほぼ同じとなるから、2.5Vがこ
の範囲内であるとすれば、R1=15kΩ(R0=10
kΩの1.5倍)のときにセンサ出力値=2.5Vであ
ったのであるから、R1=150kΩ(R0=100k
Ωの1.5倍)となったときにも、センサ出力値=2.
5Vとなる。つまり、ガスセンサ素子にドリフトが生じ
ても、このような調整後には、特定ガスの濃度変化によ
ってセンサ出力値は同様に変化することとなる。
【0025】このため、あるガスセンサ素子を用いたガ
ス検出装置に着目すると、ドリフトによって零点センサ
抵抗値R0がどのような値となっていても、例えば特定
ガス濃度が1ppmとなったら同じセンサ出力値が得ら
れるようになるから、零点センサ抵抗値R0のドリフト
によらず、センサ出力値を用いて特定ガス濃度の高低を
検知することができる。
【0026】さらに、上記ガス検出装置であって、前記
取得手段は、前記入力信号である、第1の電位状態と第
2の電位状態とを有する繰り返し波形のパルス信号が入
力されるパルス入力点と、コンデンサと、上記パルス入
力点に上記第1の電位状態の信号が入力されている期間
に、充電用抵抗器を介して上記コンデンサを充電する充
電回路と、上記パルス入力点に上記第2の電位状態の信
号が入力されている期間に、放電用抵抗器を介して上記
コンデンサを放電させる放電回路と、を含み、上記充電
回路の充電用抵抗器及び放電回路の放電用抵抗器のいず
れかは前記ガスセンサ素子を含み、上記充電回路の充電
電流及び上記放電回路の放電電流のいずれかは上記ガス
センサ素子のセンサ抵抗値の変化に応じて変化し、上記
コンデンサの一端であって、上記ガスセンサ素子におけ
るセンサ抵抗値の変化により電位が変化する動作点の電
位を用いて、前記センサ出力値を取得し、前記入力信号
のパラメータ値は、上記パルス入力点に入力される、上
記パルス信号の上記第1の状態と第2の状態とのデュー
ティ比であり、前記パラメータ更新手段は、上記デュー
ティ比を更新するガス検出装置とすると良い。
【0027】本発明のガス検出装置では、入力信号をパ
ルス信号とし、そのデューティ比をパラメータ値とする
と、取得手段におけるセンサ抵抗値とセンサ出力値(動
作点の電位)との関係は、パラメータ値を一定として、
センサ抵抗値の対数値とセンサ出力値との関係をグラフ
化したときに、単調に変化し、パラメータ値(デューテ
ィ比)によらず、グラフの形状がほぼ同一となるセンサ
出力値の範囲を有する特性を持つ。このため、簡単な構
成で、零点センサ抵抗値R0のドリフトによらず、セン
サ出力値を用いて特定ガス濃度の高低を検知することが
できる。
【0028】さらに、上記いずれか1項に記載のガス検
出装置であって、前記初期期間において、初期更新条件
を満たしたときに、前記取得手段において、現在の前記
センサ出力値よりも基準センサ出力値に近いセンサ出力
値が取得されるように、前記現在のパラメータ値を徐々
に更新する初期パラメータ更新手段を備えるガス検出装
置とすると良い。
【0029】一般に初期期間中は、ヒータの加熱により
ガスセンサ素子の温度が大きく変動するなどにより、そ
のセンサ抵抗値が大きく変動する。このため、初期期間
の経過後とは異なり、センサ出力値が基準センサ出力値
になるようにパラメータ値を一挙に変更したとしても、
狙い通りにセンサ出力値を基準センサ出力値にあるいは
それに近い値にできるとは限らない。むしろ困難であ
り、適切なパラメータ値に収束できない危険性がある。
本発明のガス検出装置では、初期期間には入力信号のパ
ラメータ値を新たなパラメータ値に徐々に更新するの
で、パラメータ値を適切な値に収束することができる。
【0030】さらに、上記いずれか1項に記載のガス検
出装置を含む車両用オートベンチレーションシステムと
すると良い。
【0031】この車両用オートベンチレーションシステ
ムでは、センサ抵抗値のドリフトによるセンサ出力値が
偏ったときに、パラメータ値一挙に更新することで、相
対的に短時間でガス検知を再開できるから、適切なフラ
ップの開閉を行うことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】(実施形態1)本発明の第1の実
施形態について、図1〜図8に示す図面等を参照しつつ
説明する。図1は、本実施形態1にかかるガス検出装置
10及び車両用オートベンチレーションシステム100
の概略を示す構成図である。このシステム100は、特
定ガスの濃度変化に応じて濃度信号LVを出力するガス
検出装置10と、フラップ34を回動させて、内気取り
入れ用ダクト32及び外気取り入れ用ダクト33のいず
れかをダクト31に接続させる換気系30と、濃度信号
LVに従って換気系30のフラップ34を制御する電子
制御アセンブリ20とを備える。
【0033】ガス検出装置10は、ガスセンサ素子1を
含むセンサ抵抗値変換回路2と、その出力であるセンサ
電圧値VsをA/D変換するA/Dコンバータ15とマ
イクロコンピュータ16とを有する。ガスセンサ素子1
は、特定ガスの濃度によってそのセンサ抵抗値Rsが変
化する、具体的には、NOx等の酸化ガスの濃度が上昇
するとそのセンサ抵抗値Rsが高くなる、WO3からな
る酸化物半導体系のガスセンサ素子である。なお、本実
施形態1に用いるガスセンサ素子1は、特定ガスの濃度
に応じてセンサ抵抗値Rsが変化するほか、温度・湿度
などの環境変化によっても変化(ドリフト)する。セン
サ抵抗値Rsの変化の範囲は、通常1kΩ〜10MΩの
範囲で変化するものである。
【0034】センサ抵抗値変換回路2は、ガスセンサ素
子1を駆動して、この素子1のセンサ抵抗値Rsの変化
に応じた下記する動作点Pdの電圧(センサ電圧値V
s)を得るための回路であり、後述するようなパルス信
号Scを入力するパルス入力端子7と、センサ出力端子
8とを有する。このパルス入力端子7には、抵抗値Rc
(本実施形態では100kΩ)の固定抵抗器5とダイオ
ード6が直列に接続され、静電容量C(本実施形態では
1μF)を有し一端4Bが接地されたコンデンサ4の他
端4Aと接続している。さらに、上記したガスセンサ素
子1は、このコンデンサ4と並列に配置され、その一端
1Bが接地され、他端1Aがコンデンサ4の他端4Aと
接続している。なお、この接続点が、センサ抵抗値Rs
の変化によってその電位が変化する動作点Pdである。
センサ出力端子8にはこの動作点Pdの電位(センサ電
圧値Vs)が導かれている。また、ダイオード6は、コ
ンデンサ4をカソードとした向きで接続されている。
【0035】このセンサ電圧値VsをA/Dコンバータ
15で所定間隔毎(本実施形態では0.4sec毎)にA/D
変換して、デジタル値のセンサ出力値S(n)とする。
nは順序を表す一連の整数である。その後、マイクロコ
ンピュータ16の入力端子17に入力する。マイクロコ
ンピュータ16は、公知の構成である演算を行うマイク
ロプロセッサ、プログラムやデータを一時記憶しておく
RAM、プログラムやデータを保持するROMなどを含
む。なお、A/Dコンバータ15をも含む構成とするこ
ともできる。このセンサ出力値S(n)を後述するフローに
従ってマイクロコンピュータ16で処理することによ
り、ガスセンサ素子16のセンサ抵抗値Rsやその変化
などからNOxなど酸化性ガスの濃度を算出する。A/
Dコンバータ15は、0〜5Vを8ビットのデジタル値
に変換するものであり、分解能は約20mV(≒5V/
8=19.5mV)である。
【0036】さらにこのマイクロコンピュータ16の出
力端子18からは、電子制御アセンブリ20を制御する
ための濃度高信号と濃度低信号のいずれかの濃度信号L
Vが出力される。この電子制御アセンブリ20は、自動
車の内気循環及び外気取り入れを制御する換気系30の
フラップ34を制御するものである。この換気系30
は、本実施形態では具体的には、自動車室内につながる
ダクト31に、二股状に接続された、内気を取り入れ循
環させる内気取り入れ用ダクト32と外気を取り入れる
外気取り入れ用ダクト33とを切り替えるフラップ34
を制御するものである。電子制御アセンブリ20のう
ち、フラップ駆動回路21は、マイクロコンピュータ1
6の出力端子18からの濃度信号LV、本実施形態に即
して言えば、NOxなどの酸化性ガス成分の濃度が上昇
したか下降したかを示す濃度信号LVに従って、アクチ
ュエータ22を作動させフラップ34を回動させて、内
気取り入れ用ダクト32及び外気取り入れ用ダクト33
のいずれかをダクト31に接続させる。
【0037】例えば、図2のフローチャートに示すよう
に、ステップS1で初期設定を行った後、ステップS2
で濃度レベル信号LVを取得し、ステップS3で濃度信
号LVが濃度高信号であるか否か、つまり濃度高信号発
生中であるか否かを判断する。ここで、Noつまり濃度
低信号発生中の場合には、特定ガスの濃度が低いのであ
るから、ステップS4において、フラップ34の全開を
指示する。これにより、フラップ34が回動して、外気
取り入れ用ダクト33がダクト31に接続され、外気が
車室内に取り入れられる。一方、ステップS3において
Yesつまり濃度高信号発生中の場合には、車室外の特
定ガスの濃度が高いのであるから、ステップS5におい
て、フラップ34の全閉を指示する。これにより、フラ
ップ34が回動して、内気取り入れ用ダクト32がダク
ト31に接続され、外気導入が遮断されると共に、内気
循環となる。
【0038】ダクト31内には、空気を圧送するファン
35が設置されている。なお、フラップ駆動回路21
は、濃度信号LVだけに応じてフラップ34を開閉する
ようにしても良いが、例えば、マイクロコンピュータな
どを用い、ガス検出装置10による濃度信号LVの他、
図1中破線で示すように、例えば室温センサや湿度セン
サ、外気温センサなどからの情報をも加味して、フラッ
プ34を開閉するようにしても良い。
【0039】さらに、マイクロコンピュータ16は、そ
の制御出力端子16CTから、後述するフローチャート
に従って決定されるデューティ比DTを有するパルス信
号Scを出力する。このパルス信号Scによってセンサ
抵抗値変換回路2が駆動される。このパルス信号Sc
は、図1下方の円内に示すように、0V(接地電位)と
+5Vとの2つの電位が交互に現れるパルス信号であ
り、繰り返し周波数fp(本実施形態ではfp=5kH
z)であり、+5V電位(第1の電位)を時間t1継続
し、0V(第2の電位)を時間t2継続する。従って、
このパルス信号Scのデューティ比DT(%)は、DT
=100×t1/(t1+t2)で与えられる。t1と
t2の和が繰り返し周期Tp(=t1+t2)である。
本実施形態では、制御出力端子16CTとしてマイクロ
コンピュータ16のオープンドレイン端子を用いた。な
お、マイクロコンピュータ16等は、+5Vの片電源で
駆動される。
【0040】次いで、センサ抵抗値変換回路2の動作及
び特性について説明する。パルス信号Scのうち第1の
電位(ハイレベル)である+5Vがパルス入力端子7に
印加されると、ダイオード6がONして、固定抵抗器5
及びダイオード6を通じてコンデンサ4に充電される。
つまり、固定抵抗器5とダイオード6は、パルス入力端
子7が第1の電位状態にあるときに、コンデンサ4に充
電する充電回路を構成している。従って、この期間t1
にはコンデンサ4の両端間の電圧(充電電圧)が上昇す
る。なお、この充電の時定数(第1の時定数)τ1は、
τ1=C・Rc・Rs/(Rc+Rs)である。一方、
パルス信号Scのうち第2の電位(ローレベル)である
0Vがパルス入力端子7に印加されると、ダイオード6
がOFFするので、コンデンサ4に充電された電荷は、
ガスセンサ素子1を通じて放電される。つまり、コンデ
ンサ4と並列に接続されたガスセンサ素子1は、パルス
入力端子7が第2の電位状態にあるときに、コンデンサ
4を放電させる放電回路を構成している。したがって、
この期間t2には、コンデンサ4の両端間の電圧(充電
電圧)が下降する。なお、この放電の時定数(第2の時
定数)τ2は、τ2=C・Rsである。
【0041】このセンサ抵抗値変換回路2は以上のよう
に動作するので、パルス信号Scを繰り返し入力するこ
とで、時間t1の間に充電される電荷と時間t2の間に
放電される電荷とが均衡した定常状態となり、図1上方
の円内に示すように、センサ電圧値Vsは、リップル電
圧Vrの若干のリップルを有するものの、ほぼ一定値と
なる。ここで、パルス信号Scの周波数fpは、リップ
ル電圧VrがA/D変換回路19の分解能約20mVを
下回るような十分高い周波数に設定するのが好ましく、
そこで本実施形態では、上記したようにfp=5kHz
としている。このため、リップル電圧Vrによるセンサ
出力値S(n)の変動が生じない。
【0042】なお、リップル分を除去するため、A/D
コンバータ15とセンサ出力端子8との間に低域フィル
タを介在させても良い。このようにすると、センサ電圧
値Vsに重畳されるノイズをも除去できるので、ノイズ
の多い環境で使用する場合には特に好ましい。
【0043】次いで、このセンサ抵抗値変換回路2につ
いて、ガスセンサ素子1のセンサ抵抗値Rsを変化させ
た場合のセンサ電圧値Vs(センサ出力値S(n))の
変化を図3に示す。パラメータとしてパルス信号Scの
デューティ比DT(%)を用いている。なお、実際に
は、ガスセンサ素子1に代えて、可変抵抗器を図1に示
す回路に取り付けて、センサ電圧値Vsを測定した。容
易に理解できるように、パルス信号Scのデューティ比
DTが一定でも、センサ抵抗値Rsが変化すると、セン
サ電圧値Vsが変化する。センサ抵抗値Rsが大きくな
ると放電の時定数τ2が大きくなって放電されにくくな
り、再び充電される電荷と放電される電荷とが均衡する
まで、コンデンサ4の充電電圧が高くなるからである。
【0044】なお、上記したように、パルス信号の周波
数fp=5kHz、固定抵抗器5の抵抗値Rc=100
kΩ、コンデンサ14の静電容量C=1μFである。こ
のグラフから判るように、デューティ比DTを一定とし
た場合、センサ抵抗値Rsの増加に応じてセンサ電圧値
Vsが単調かつ緩やかに増加している。このため、印加
しているパルス信号Scのデューティ比DTを一定値に
固定しておけば、センサ抵抗値Rsの変化が、センサ電
圧値Vs及びこれをA/D変換したセンサ出力値S
(n)の変化に反映されるから、センサ出力値S(n)
によって、特定ガスの濃度変化を検知することができ
る。また、グラフから容易に理解できるように、このセ
ンサ抵抗値変換回路2を用いれば、適切なデューティ比
DTを設定することで、センサ抵抗値Rsが数桁(例え
ば1kΩ〜10MΩまで4桁)分変化しても、測定可能
であることが判る。
【0045】その上、このグラフは、ガスセンサ素子1
のセンサ抵抗値Rsが温度や湿度などの環境によって大
きく変化(ドリフト)した場合にも、パルス信号Scの
デューティ比DTを変化させることで、センサ電圧値V
sを適当な範囲に変化させて、精度良く酸化性ガスの濃
度変化を検出できることを示している。例えば、デュー
ティ比DT=50%のパルス信号Scをセンサ抵抗値変
換回路2に入力していたときに、センサ抵抗値Rsが環
境の変化で100kΩ以上の値に変化した場合(Rs>
500kΩ)を想定する。この場合には、センサ電圧値
Vs約4.4Vの高い値に偏ってしまう。この状態でさ
らに酸化性ガスの濃度が増えたためにセンサ抵抗値Rs
が若干上昇したとしても、グラフの傾きが小さいのでセ
ンサ電圧値Vsの変化が小さく、正確に酸化性ガスの濃
度変化を検知することは難しい。
【0046】これに対し、パルス信号Scのデューティ
比DTをDT=3.12%に変更すると、センサ電圧値
Vsは約2.6Vになり、グラフの傾きも大きくなる。
このため、この状態でさらに酸化性ガスの濃度が増えて
センサ抵抗値Rsが若干上昇すると、センサ電圧値Vs
が大きく変化する。従って、正確に特定ガスの濃度変化
を検知することができる。つまり、このようにしてパル
ス信号Scのデューティ比DTを変化させることで、セ
ンサ電圧値Vsをガス検知処理の容易な範囲内にしてお
くことができ、酸化性ガス(特定ガス)の濃度変化を精
度良く検知することができる。さらに、ガスセンサ素子
1の特性にバラツキがある場合にも、パルス信号Scの
デューティ比DTを変化させることで、バラツキを吸収
して測定可能であることも判る。
【0047】上記説明から理解できるように、このガス
検出装置10では、センサ抵抗値Rsが上昇したとき、
センサ出力値S(n)は増加する方向に変化する。従っ
て、本実施形態において、センサ出力値S(n)(セン
サ電圧値Vs)が増加する方向が第1方向であり、減少
する方向が第2方向である。また、センサ出力値S
(n)はセンサ電圧値VsをA/D変換して得た値(デ
ジタル値)であるため、このセンサ出力値S(n)を用
いて説明すると大小関係が判りにくくなる場合がある。
そこで、センサ出力値S(n)に代えて、対応するセン
サ電圧値Vsの値を用いて説明することがある。
【0048】ところで、ガスセンサ素子1は、酸化性ガ
スが無いときのセンサ抵抗値Rsを零点センサ抵抗値R
0とし、その後、酸化性ガスガスの濃度を所定値とした
ときのセンサ抵抗値を第1センサ抵抗値R1としたと
き、比R1/R0が、零点センサ抵抗値R0の変化に拘
わらず、ほぼ一定に保たれる特性を有することが判って
いる。従って、酸化性ガスが無い(例えば、酸化性ガス
濃度が0ppm)環境下での零点センサ抵抗値R0が、
湿度等によるドリフトによって変動しても、その後、酸
化性ガスの濃度を所定値(例えば1ppm)としたとき
の第1センサ抵抗値R1との比R1/R0が、ドリフト
しなかった場合とほぼ一定となる特性を有する。従っ
て、例えば、酸化性ガスの濃度が1ppmの時の比R1
/R0が、1.5のガスセンサ素子の場合、零点センサ
抵抗値R0=10kΩであった場合、その後酸化性ガス
濃度が1ppmになると、第1センサ抵抗値R1=15
kΩになる。また、ドリフトによってある時、零点セン
サ抵抗値R0=100kΩであった場合、その後酸化性
ガス濃度が1ppmになると、第1センサ抵抗値R1=
150kΩになる。
【0049】一方、デューティ比DTが異なる各グラフ
について、例えば、センサ電圧値Vs=2.0〜2.5
Vの範囲を見ると、いずれのグラフについても、ほぼ同
じ形状、具体的には、ほぼ同じ傾きの直線になっている
ことが判る。このため、デューティ比DT=98.40
%のグラフで見ると、センサ抵抗値10kΩの場合には
センサ電圧値Vs=2.0Vとなり、センサ抵抗値15
kΩの場合にはセンサ電圧値Vs=2.5Vとなる。ま
た、デューティ比DT=9.36%のグラフで見ると、
センサ抵抗値100kΩの場合にセンサ電圧値Vs=
2.0Vとなり、センサ抵抗値150kΩの場合にセン
サ電圧値Vs=2.5Vとなる。従って、零点センサ抵
抗値R0=10kΩであった場合に、センサ電圧値Vs
=2.0Vとなるようにパルス信号Scのデューティ比
をDT=98.40%にしておけば、酸化性ガス濃度が
1ppmになると、センサ電圧値Vs=2.5Vとな
る。
【0050】一方、零点センサ抵抗値R0=100kΩ
であった場合に、センサ電圧値Vs=2.0Vとなるよ
うにパルス信号Scのデューティ比をDT=9.36%
にしておけば、酸化性ガス濃度が1ppmになると、セ
ンサ電圧値Vsは、同じくVs=2.5Vとなる。この
ことから、パルス信号Scのデューティ比DTを適切に
選択して、センサ電圧値Vsが2.0〜2.5Vの範
囲、あるいはその近傍の値となるようにしておけば、た
とえドリフトによって零点センサ抵抗値R0が変動して
も、酸化性ガスの濃度変化によるセンサ電圧値Vsの変
化量がほぼ同じとなることが判る。このため、このセン
サ電圧値Vs(センサ出力値S(n))を用いれば、ド
リフトの有無に拘わらず、同様の精度で酸化性ガスを検
知できることになる。
【0051】次いで、本実施形態のガス検出装置10の
動作について、図4〜図8に示すフローチャートを参照
して説明する。まず図4に示すメインルーチンのフロー
チャートを用いて、その処理の概要を説明する。自動車
のエンジンが始動すると、ガス検出装置10の制御フロ
ーが開始される。まず、ステップS10において、初期
設定がなされ、初期期間経過後、ステップS20のガス
検知処理において、センサ出力値S(n)を用いてガス
の濃度変化の有無が検出される。さらに、ステップS3
0では、濃度低信号の発生中であるか否かを判断し、発
生中(Yes)の場合にはステップS40に進む。一
方、発生していない場合(No)にはステップS20の
ガス検知処理に戻る。後述するように、ガス濃度が高く
なった場合には、センサ電圧値Vs(センサ出力値S
(n))の変動の中にガス濃度の変化による成分が含ま
れており、ドリフトによるセンサ電圧値Vs(センサ出
力値S(n))の変動を分離することができない。この
ため、濃度低信号が発生していないときには、デューテ
ィ比DTの更新を行わないようにするためである。さら
に、ステップS40では、デューティ比更新可能か否
か、つまりデューティ比DTを現在の設定値から新たな
値に更新できる余地があるか否かを判断する。本実施形
態のガス検出装置では、設定しうる最大のデューティ比
(98.40%)及び最小のデューティ比(1.58%)がある。従
って、現在の設定値が最大のデューティ比である場合に
これよりも大きなデューティ比に更新しようとするこ
と、あるいは現在の設定値が最小のデューティ比である
場合にこれよりも小さなデューティ比に更新しようとす
ることは、原理的に不可能である。従って、このような
場合(No)には、ステップS50に進まず、ステップ
S20のガス検知処理に戻る。
【0052】次いで、ステップS50では、合わせ込み
の要否を判断する。さらに、ステップS60で必要に応
じてデューティ比DTを更新し、ステップS20のガス
検知処理に戻る。かくして、必要に応じてパルス信号S
cのデューティ比DTを更新しながら、ガス検知処理を
行えるから、湿度等によりセンサ抵抗値Rsにドリフト
が生じても、適切なセンサ出力値S(n)が得られる範
囲で、その処理を行うことができる。このため、適切に
ガス濃度変化を検知することができる。
【0053】次いで、各ステップの詳細について説明す
る。まず、ステップS10に相当する初期設定のサブル
ーチンを、図5を用いて説明する。自動車の起動直後な
どの初期段階では、ヒータによる加熱でガスセンサ素子
1の温度が急激に上昇するため、そのセンサ抵抗値Rs
も大きく変動する、一般的には一旦低下してから上昇す
る。そこで、ガスセンサ素子1の温度がほぼ定常温度と
なり、センサ抵抗値がほぼ安定するまでの期間は、初期
期間として、別途の処理を行うこととしている。まずス
テップS11では、各種の初期設定を行う。メモリの初
期化したり、ガスセンサ素子1を加熱するヒータ(図示
しない)に電流を流す等の処理である。その後、ステッ
プS12で、記憶されていた初期デューティ比DTsを
用いて、このデューティ比DTsを有するパルス信号S
cをセンサ抵抗値変換回路2のパルス入力端子7に印加
する。これにより、センサ抵抗値Rsに応じたセンサ電
圧値Vsが発生するので、ステップS13でこれを取り
込み、センサ出力値S(n)を得る。
【0054】次いで、ステップS14では、S(n)≧
SB+△S1の式により、S(n)を比較する。ここ
で、基準センサ出力値SBは、具体的には、基準センサ
電圧値Vsb=2.0VをA/D変換したときの値に相
当する。また、第1所定値△S1は、ドリフトによりセ
ンサ出力値S(n)が増加する方向に変化した場合に、
デューティ比DTの更新を行うか否かを決定する値であ
る。従って、例えば、Vs=3.0VをA/D変換した
値が、S(n)=SB+△S1に相当する。S(n)≧
SB+△S1(Yes)の場合にはステップS16に進
み、Noの場合にはステップS15に進む。ステップS
15では、S(n)≦SB−△S2の式により、S
(n)を比較する。ここで、第2所定値△S2は、セン
サ出力値S(n)が減少する方向に変化した場合に、デ
ューティ比DTの更新を行うか否かを決定する値であ
る。従って、例えば、Vs=1.0VをA/D変換した
値が、SB−△S2に相当する。さらに、Yesの場合
にはステップS17に進み、Noの場合には、メインル
ーチン(図4参照)に戻る。
【0055】一方、ステップS16では、パルス信号S
cのデューティ比DTをDT=DT−△DTによって更
新する。ここで、△DTは変化分である。従って、デュ
ーティ比DTは、△DT分だけ小さな値とされるので、
図3のグラフから容易に理解できるように、同じセンサ
抵抗値Rsで比較すると、得られるセンサ電圧値Vsが
更新前より小さな値となる。従って、センサ出力値S
(n)も小さな値となる。ステップS17では、これと
は逆に、パルス信号Scのデューティ比DTをDT=D
T+△DTによって更新する。従って、デューティ比D
Tは、△DT分だけ大きな値とされるので、同じセンサ
抵抗値Rsで比較すると、得られるセンサ電圧値Vsが
更新前より大きな値となる。従って、センサ出力値S
(n)も大きな値となる。ステップS16,S17の後
には、ステップS18で安定待ちを行う。デューティ比
DTの変更に伴って、センサ抵抗値変換回路2に過渡変
動が生じる。このため、センサ電圧値Vsが安定するま
で待つのである。具体的には、0.8秒間待つ。その
後、ステップS13に戻りセンサ出力値S(n)を再び
取得する。かくして、パルス信号Scのデューティ比D
Tは、SB−△S2≦S(n)≦SB+△S1となるま
で、徐々にデューティ比DTが変更される。
【0056】次いで、ステップS20に相当するガス検
知処理のサブルーチンを、図6を用いて説明する。まず
ステップS21では、センサ信号つまりセンサ出力電位
Vsを所定のサイクル時間ごとにA/D変換したセンサ
出力値S(n)を順次読み込む。ステップS22では、
ステップ60の合わせ込み処理(詳細は後述する)にお
いて、安定待ちタイマをセットしたか否かを判断する。
上記したように、デューティ比DTを変更すると、セン
サ抵抗値変換回路2に過渡変動が生じる。このため、セ
ンサ電圧値Vsが安定するまでの期間に得られたセンサ
出力値S(n)を用いて、ガス濃度変化を検知すること
は困難である。そこで、安定待ちの期間(安定待ちタイ
マがセットされている期間:Yes)はガス濃度変化の
検知処理を行わないようにしたためである。
【0057】一方、ステップS22でNoのときは、ス
テップS23に進み、公知の手法で酸化性ガスの濃度の
変化を検知の処理を行い、メインルーチンに戻る。この
ステップS23の詳細な内容は提示しないが、酸化性ガ
スの濃度が上昇するとセンサ出力値S(n)が大きくな
り、濃度が低下するとセンサ出力値が小さくなる関係に
なっているので、センサ出力値の演算処理によって、酸
化性ガスの濃度変化を検知する。これにより、ガス濃度
が低い場合には、これを示す濃度低信号を発生し、逆に
ガス濃度の上昇を検知すると濃度低信号から濃度高信号
に切り換えるようにされている。具体的な演算処理の仕
方としては、過去のセンサ出力値と現在のセンサ出力値
との差分値(微分値)から濃度変化を検知するものが挙
げられる。また、センサ出力値の積分値を用いるもの、
移動平均値を用いるものなども挙げられる。さらに、
下式によって求めたベース値B(n)を用いるものも挙
げられる。式:B(n)=B(n−1)+k{S(n)
−B(n−1)}、ここで、係数kは、0<k<1。あ
るいは、式:B(n)=B(n−1)+k1{S(n)
−B(n−1)}−k2{S(n)−S(n−x)}、
ここで、第1係数k1は0<k1<1、第2係数k2は
k2>0、xは正の整数(例えばx=5)。例えば、セ
ンサ出力値S(n)とこのベース値B(n)との差分値
の大小判断から、濃度変化を検知する。
【0058】次いで、ステップS50に相当する合わせ
込み要否判断のサブルーチンを、図7を用いて説明す
る。まずステップS51では、S(n)≧SB+△S1
の式により、S(n)を比較する。ここで、基準センサ
出力値SB、及び第1所定値△S1は、初期設定(ステ
ップS10)のサブルーチン(図5参照)と同様であ
る。S(n)≧SB+△S1(Yes)の場合にはステ
ップS52に進み、Noの場合にはステップS53に進
む。ステップS52では、次述する引き下げタイマの計
時中であるか否かを判断する。計時中でない場合(N
o)には、ステップS55に進み、引き下げタイマの計
時を開始し、メインルーチンに戻る。一方、計時中(Y
es)の場合には、ステップS54に進み、引き下げタ
イマが100秒経過したか否かを判断する。100秒経
過前の場合(No)には、そのままメインルーチンに戻
る。一方、100秒経過した場合には、ステップS56
で引き下げフラグをセットし、メインルーチンに戻る。
濃度低信号の発生中でありながら、つまり酸化性ガスが
無い状態でありながら、センサ出力値S(n)が、10
0秒間にわたってS(n)≧SB+△S1を維持し続け
たのであるから、センサ出力値S(n)が大きな値とな
ったのは、ドリフトによるものであると考えられるから
である。そこで、後述する合わせ込み処理によってデュ
ーティ比DTを引き下げるように、ステップS56で引
き下げフラグをセットしたのである。一方、ステップS
53では、引き下げタイマをリセットし、ステップS5
7に進む。S(n)≧SB+△S1の状態を100秒間
維持できなかったのであるから、必ずしもセンサ出力値
S(n)の上方への偏りがドリフトによるものとは言え
ないため、引き下げタイマをリセットしたのである。
【0059】続いて、ステップS57以降では、上記と
逆の処理を行う。即ち、ステップS57では、S(n)
≦SB−△S2の式により、S(n)を比較する。ここ
で、基準センサ出力値SB及び第2所定値△S2は、初
期設定のサブルーチン(図5参照)と同様である。S
(n)≦SB−△S2(Yes)の場合にはステップS
58に進み、Noの場合にはステップS59に進む。ス
テップS58では、次述する引き上げげタイマの計時中
であるか否かを判断する。計時中でない場合(No)に
は、ステップS5Bに進み、引き上げタイマの計時を開
始し、メインルーチンに戻る。一方、計時中(Yes)
の場合には、ステップS5Aで、引き上げタイマが5秒
経過したか否かを判断する。5秒経過前の場合(No)
には、そのままメインルーチンに戻る。一方、5秒経過
した場合には、ステップS5Cで引き上げフラグをセッ
トして、メインルーチンに戻る。濃度低信号の発生中で
ありながら、センサ出力値S(n)が、5秒間にわたっ
てS(n)≦SB−△S2を維持し続けたのであるか
ら、センサ出力値S(n)が小さな値となったのは、ド
リフトによる可能性が高いと考えられるからである。一
方、ステップS59では、引き上げタイマをリセット
し、メインルーチンに戻る。S(n)≦SB+△S2の
状態を5秒間維持できなかったのであるから、センサ出
力値S(n)の下方への偏りがドリフトによるものとは
言えないためである。なお、上記では引き上げタイマが
5sec経過してからステップS5Cで引き上げフラグ
をセットするようにした。しかし、5sec待つまでも
なくドリフトであると判断できる場合には、図7に破線
で示すように、ステップS57でYesと判断された
ら、直ちにステップS5Cで引き上げフラグをセット
し、ステップS57でNoと判断されたら、直ちにメイ
ンルーチンに戻るようにしても良い。
【0060】次いで、ステップS60に相当する合わせ
込み処理のサブルーチンを、図8を用いて説明する。ま
ずステップS61では、上記した合わせ込み要否判断
(ステップS50、具体的にはステップS56)におい
て、セットされた可能性のある引き下げフラグが実際に
セットされているか否かを判断する。セットされている
場合(Yes)には、ステップS63に進み、セットさ
れていない場合にはステップS62に進む。ステップS
62では、同様に先のステップS5Cにおいて、セット
された可能性のある引き上げフラグが実際にセットされ
ているか否かを判断する。セットされている場合(Ye
s)には、ステップS63に進み、メインルーチンに戻
る。
【0061】ステップS63では、後述する安定待ちタ
イマが計時中であるか否か、つまり、デューティ比DT
が変更された直後で、センサ出力値S(n)が安定する
までの待機している期間内であるか否かを判断する。計
時中(Yes)の場合にはステップS64に進む。一
方、Noの場合には、ステップS65に進み、以降でパ
ルス信号Scのデューティ比DTを更新する作業を進め
る。本実施形態では、ステップS65で狙いのデューテ
ィ比DTを算出する。センサ抵抗値変換回路2のコンデ
ンサ等の部品の容量や抵抗値は既知であるから、現在の
センサ出力値S(n)、従って、この基となった現在の
センサ電圧値Vsと、現在のデューティ比DTとから、
現在のセンサ抵抗値Rsが算出できる(図3のグラフ参
照)。従って、現在のセンサ抵抗値Rsのとき、新たな
デューティ比(狙いデューティ比)の値を幾つとすれ
ば、基準センサ電圧値Vsb=2.0Vに等しいセンサ
電圧値Vs、及び基準センサ出力値SBに等しいセンサ
出力値S(n)を得ることができるかも算出することが
できる。さらに簡易には、現在のセンサ出力値S(n)
と現在のデューティ比DTとを与えて狙いデューティ比
DTを得る算出式を設定しておくこともできる。本実施
形態では、この算出式により狙いデューティ比DTを算
出する。このようにすると、算出式を記憶しておけば容
易に狙いデューティ比DTを算出できる。また、後述す
る変形形態1のように多くのメモリを必要としない利点
もある。
【0062】次いで、ステップS66で安定待ちタイマ
期間を算出する。次述するように、現在のデューティ比
をステップS65で算出した狙いデューティ比に変更す
ると、センサ電圧値Vs及びこれをA/D変換したセン
サ出力値S(n)は、図3に示すグラフに従って変化す
る。例えば、デューティ比DT=98.40%の場合
に、センサ電圧値Vs=4.0Vであった場合、デュー
ティ比DT=9.36%に変更すると、得られるセンサ
電圧値Vs=2.0Vになる。なお、この場合、センサ
抵抗値Rs=100kΩとなっている。しかし、このよ
うに一挙にデューティ比を変更すると、センサ抵抗変換
回路2には過渡的な変化が生じるため、デューティ比の
変更後、センサ電圧値Vs及びセンサ出力値S(n)が
安定するまで、カス検知処理(ステップS20)を行う
ことは適当でない。そこで、本実施形態では、この安定
までの期間を待つためのタイマを一律の所定時間(例え
ば0.8秒間)に設定することとした。なお、タイマ期
間を適切に設定できるようにするため、図8に破線で示
すように、ステップS66でそのタイマ期間を算出する
こともできる。このタイマ期間は、現在のセンサ出力値
S(n)と現在のデューティ比DTとから算出すればよ
い。また、さらに簡易には、現在のセンサ出力値S
(n)と現在のデューティ比DTとを与えてタイマ期間
を得る算出式を得ておき、これによってタイマ期間を算
出することもできる。
【0063】その後、ステップS67で、パルス信号S
cの現在のデューティ比DTを、ステップS65で得た
狙いデューティ比(新たなデューティ比)に変更する。
初期設定(ステップS10)では、デューティ比DTを
徐々に変更したのと異なり、本ステップS67では、新
しいデューティ比に一挙に変更する。これにより、セン
サ出力値S(n)からデューティ比更新の要否を判断
し、デューティ比を更新するにあたり、更新と判断とを
繰り返して徐々に変更する方式に比して、更新を1回で
済ますことができ更新に要する期間を短くすることがで
きる。既に説明したように、デューティ比DTを変更す
ると、ガス濃度の変化がないにも拘わらず、センサ電圧
値Vsやセンサ出力値S(n)が変化するから、過去に
得られたセンサ出力値S(n−1),S(n−2)…と
の関連が不明となり、デューティ比DTの更新の間ある
いはそれに続いてセンサ出力値S(n)が安定するまで
の期間には、適切にガス濃度の変動を捉えることができ
ない虞がある。本実施形態では、デューティ比の更新に
要する期間を短くすることで、逆にガス検知を行う期間
を長くとることができる。その後は、ステップS68で
安定待ちタイマをスタートさせ、メインルーチンに戻
る。安定待ちタイマがセットされていると、既にステッ
プS22でYesと判断されるので、ガス検知は行われ
ない。
【0064】ステップS63でYesと判断され、ステ
ップS64に進むと、安定待ちタイマ期間が経過したか
否かを判断する。経過前(No)の場合には、メインル
ーチンに戻る。一方、タイマ期間を経過した場合(Ye
s)には、更新後ある程度期間が経過し、センサ電圧値
Vs及びセンサ出力値S(n)の過渡変動がおさまった
と考えられるので、ステップS69に進み、安定待ちタ
イマをリセットし、ステップS6Aで引き下げフラグあ
るいは引き上げフラグをリセットしてメインルーチンに
戻る。これにより、ステップS22でNoと判断される
ので、再び取得したセンサ出力値S(n)を用いてガス
濃度変化の検知が行われるようになる。
【0065】かくして、本実施形態では、ガス濃度が低
い状態を示す濃度低信号の発生期間中で、センサ電圧値
Vsが基準センサ電圧値Vsbから大きく外れた場合、
つまりセンサ出力値S(n)が、S(n)≧SB+△S
1あるいはS(n)≦SB−△S2であって、この状態
が所定時間以上継続した場合には、パルス信号Scの現
在のデューティ比DTを一挙に新たなデューティ比に変
更して、センサ出力値S(n)=SBとなるようにす
る。具体的には、例えば、センサ電圧値Vs=1.0〜
3.0Vの範囲から外れた場合であって、それが第1方
向である上側には100秒、あるいは第2方向である下
側には5秒以上継続した場合には、パルス信号Scの現
在のデューティ比DTを一挙に新たなデューティ比に変
更して、センサ電圧値Vs=2.0Vとなるようにす
る。
【0066】このため、ガスセンサ素子1のセンサ抵抗
値Rsがドリフトによって変動しても、センサ出力値S
(n)が適切な範囲(SB−△S2≦S(n)≦SB+
△S1)になるようにされるから、ドリフトの影響を排
して酸化性ガスの濃度変化を適切に検知することができ
る。しかも、デューティ比を一挙に更新するから、更新
に伴うガス濃度変化の検知(ステップS23)を行わな
い期間を最小限に止め、多くの時間をガス濃度変化の検
知に当てることができる。
【0067】(変形形態1)次いで、本発明の変形形態
1について説明する。本変形形態1は、上記した実施形
態1とほぼ同様であるが、メインルーチン(図4参照)
における合わせ込み処理(ステップS60)が若干異な
る。従って、この合わせ込み処理のフローのみ図9を参
照して説明する。実施形態1と同じく、ステップS6
1,S62で、引き下げフラグ及び引き上げフラグがセ
ットされているか否かを判断する。いずれもセットされ
ていない場合はメインルーチンに戻る。一方、いずれか
がセットされている場合には、実施形態1と同じくステ
ップS63に進み、安定待ちタイマが計時中であるか否
かを判断し、Noの場合には、ステップS165に進
む。ステップS165では、現在のセンサ出力値S
(n)と現在のデューティ比DTとを用いる点では実施
形態1と同じであるが、算出式に基づいて狙いデューテ
ィ比を算出した実施形態1と異なり、狙いデューティ比
が多数記憶されているメモリマップから適切な狙いデュ
ーティ比を選択する。このようにすると、メモリマップ
から選択することで、大きなメモリ領域を要するが、算
出式の導出などを行う必要が無く、また、直ちに狙いデ
ューティ比を得ることができるメリットがある。
【0068】さらに、ステップS166では、現在のセ
ンサ出力値S(n)と現在のデューティ比DTとを用い
る点では実施形態1と同じであるが、算出式に基づいて
安定待ちタイマ期間を算出した実施形態1と異なり、安
定待ちタイマ期間をメモリマップから選択する。この場
合も同様に、メモリマップから選択することで、大きな
メモリ領域を要するが、算出式の導出などを行う必要が
無く、また、直ちに狙いデューティ比を得ることができ
るメリットがある。また、合わせ込み処理の残余の部分
は、実施形態1と同じであるので説明を省略する。
【0069】かくして、本変形形態1でも、ガスセンサ
素子1のセンサ抵抗値Rsがドリフトによって変動して
も、センサ出力値S(n)が適切な範囲になるようにさ
れるから、ドリフトの影響を排して酸化性ガスの濃度変
化を適切に検知することができる。しかも、デューティ
比を一挙に更新するから、更新に伴うガス濃度変化の検
知(ステップS23)を行わない期間を最小限に止め、
多くの時間をガス濃度変化の検知に当てることができ
る。
【0070】(変形形態2)次いで、本発明の変形形態
2について説明する。本変形形態2は、上記した実施形
態1とほぼ同様であるが、メインルーチン(図4参照)
における合わせ込み処理(ステップS60)が若干異な
る。従って、この合わせ込み処理のフローのみ図10を
参照して説明する。実施形態1と同じく、ステップS6
1,S62で、引き下げフラグ及び引き上げフラグがセ
ットされているか否かを判断する。いずれもセットされ
ていない場合はメインルーチンに戻る。一方、いずれか
がセットされている場合には、実施形態1と同じくステ
ップS63に進み、安定待ちタイマが計時中であるか否
かを判断し、Noの場合には、ステップS265に進
む。ステップ265では、現在のセンサ出力値S(n)
と現在のデューティ比DTとを用いる点では実施形態1
と同じであるが、算出式に基づいて狙いデューティ比を
算出した実施形態1と異なり、現在のデューティ比DT
から変化させるべきデューティ比の大きさである差分デ
ューティ比DDTを算出する。その後、ステップS26
7において、パルス信号Scのデューティ比DTをDT
=DT+DDTに基づいて更新する。以降は、実施形態
1と同じく、ステップS68で安定待ちタイマをスター
トさせてメインルーチンに戻る。また、合わせ込み処理
の残余の部分は、実施形態1と同じであるので説明を省
略する。
【0071】かくして、本変形形態2でも、ガスセンサ
素子1のセンサ抵抗値Rsがドリフトによって変動して
も、センサ出力値S(n)が適切な範囲になるようにさ
れるから、ドリフトの影響を排して酸化性ガスの濃度変
化を適切に検知することができる。しかも、デューティ
比を一挙に更新するから、更新に伴うガス濃度変化の検
知(ステップS23)を行わない期間を最小限に止め、
多くの時間をガス濃度変化の検知に当てることができ
る。
【0072】(変形形態3)次いで、本発明の変形形態
3について説明する。前記した実施形態1では、センサ
出力値S(n)が、S(n)≧SB+△S1となってデ
ューティ比DTを引き下げる場合にも、S(n)≦SB
−△S2となってデューティ比DTを引き上げる場合に
も、合わせ込み処理(ステップS60、図8参照)によ
って、現在のデューティ比を一挙に新たなデューティ比
に更新した。これに対し、本変形形態3では、デューテ
ィ比を引き下げる場合には、実施形態1と同じく一挙に
デューティ比を更新するが、デューティ比を引き上げる
場合には、デューティ比を徐々に変化させる点で異な
る。そこで、メインルーチン(図4参照)における合わ
せ込み処理のフローのみ図11を参照して説明する。
【0073】ステップS61では、実施形態1と同じ
く、引き下げフラグがセットされているか否かを判断す
る。セットされていない場合(No)はステップS36
Bに進む。一方、セットされている場合(Yes)に
は、ステップS63に進む。以降は、実施形態1と同様
である。つまり、狙いデューティ比DTを算出し(S6
5)、デューティ比DTを一挙に更新し(S67)、安
定待ちタイマのスタートさせる(S68)。それ以降
は、タイマ期間の経過を待って引き下げフラグをリセッ
トする(S64、S69,S36A)。
【0074】ステップS36Bでは、引き上げフラグが
セットされているか否かを確認し、Noの場合はメイン
ルーチンに戻る。一方、セットされている場合には(Y
es)、ステップS36Cに進み、安定待ちタイマの計
時中であるか否かを判断する。Noの場合には、ステッ
プS36Eで現在のデューティ比DTを△DT分だけわ
ずかに増加させる(DT=DT+△DT)。その後、必
要に応じて、図11に破線で示すステップS36Fにお
いて適切な安定待ちタイマ期間を選択し、ステップS3
6Gで安定待ちタイマをスタートさせ、メインルーチン
に戻る。
【0075】ステップS36CでYesの場合には、ス
テップS36Dに進み、安定待ちタイマ期間が経過した
か否かを判断する。経過前(No)の場合には、メイン
ルーチンに戻る。一方、タイマ期間を経過した場合(Y
es)には、センサ電圧値Vs及びセンサ出力値S
(n)の過渡変動がおさまったと考えられるので、ステ
ップS36Hに進み、安定待ちタイマをリセットする。
さらに、ステップS36Iでは、基準センサ出力値SB
と変更後に得られた現在のセンサ出力値S(n)とを比
較する。具体的には、SB−S(n)<T2を判断す
る、ここで、T2はしきい値である。基準センサ出力値
SBと現在のセンサ出力値S(n)との差がしきい値T
2よりも小さい場合(Yes)には、ステップS36J
に進み、引き上げフラグをリセットする。現在のセンサ
出力値S(n)が基準センサ出力値SBに近い値とな
り、デューティ比の変更が完了したと考えられるからで
ある。一方、Noの場合には、ステップS36Eに進
み、再びデューティ比DTをわずかに増加させ、以降の
処理を進める。かくして、デューティ比DTはSB−S
(n)<T2となるまで徐々に変更される。
【0076】なお、本変形形態3では、引き下げの場合
に一挙に更新するようにした。ガス検出装置10は、車
両を起動するとヒータを通電してガスセンサ素子1を加
熱する。加熱によってセンサ抵抗値Rsは上昇する方向
に変化しながら安定になる傾向がある。しかも、ガスセ
ンサ素子1のヒータ加熱によるセンサ抵抗値Rsの安定
までには、場合によっては数10分から数時間かかるこ
とがあり、初期設定(ステップS10)の期間(初期期
間)に、センサ出力値S(n)を基準センサ出力値SB
に近い値に合わせ込んでおいても、その後にセンサ抵抗
値Rsが上昇してしまう場合がしばしば生じる。つま
り、デューティ比DTを引き下げる場合が引き上げる場
合より頻繁に生じる可能性が高い。そこで、本変形形態
3では発生する可能性の高いデューティ比の引き下げに
ついて一挙に更新して、ガス濃度変化の検知を行わない
期間を少なくするようにしている。
【0077】(変形形態4)次いで、本発明の変形形態
4について説明する。上記実施形態1では、センサ抵抗
値変換回路2においてガスセンサ素子1をコンデンサ4
と並列に配置したが、他の形態とすることもできる。本
変形形態4のガス検出装置60は、上記した実施形態1
とほぼ同様であるが、センサ抵抗値変換回路62の構成
が異なる例である。そこで、このセンサ抵抗値変換回路
62についてのみ、図12を参照して説明する。
【0078】センサ抵抗値変換回路62は、実施形態1
のセンサ抵抗値変換回路2と同じく、ガスセンサ素子6
1を駆動して、この素子61のセンサ抵抗値Rsの変化
に応じた下記する動作点Pdの電圧(センサ電圧値V
s)を得るための回路であり、パルス信号Scを入力す
るパルス入力端子7と、センサ出力端子8とを有する。
パルス入力端子7とセンサ出力端子8との間に、固定抵
抗器66とパルス入力端子7側をアノードとした第1ダ
イオード67とが直列に接続されたRD直列回路68
と、ガスセンサ素子61とパルス入力端子7側をカソー
ドとした第2ダイオード65が直列に接続されたSD直
列回路69とが、並列に接続されている。また、RD直
列回路68及びSD直列回路69とセンサ出力端子8と
の間に、一端64Bが接地されたコンデンサ64の他端
64Aが接続されている。なお、コンデンサの他端64
Aがセンサ抵抗値Rsの変化によって電位が変化する動
作点Pdである。センサ出力端子8にはこの動作点Pd
の電位が導かれている。
【0079】このセンサ抵抗値変換回路62でも、セン
サ抵抗値Rsの変化によって、センサ電圧値Vsが変化
し、これをA/D変換したセンサ出力値S(n)が変化
するほか、パルス入力端子7に入力するパルス信号Sc
のデューティ比DTを変化させることによっても、セン
サ電圧値Vs及びセンサ出力値S(n)を変化させるこ
とができる。なお、このセンサ抵抗値変換回路62につ
いてガスセンサ素子61のセンサ抵抗値Rsを変化させ
た場合のセンサ電圧値Vs(センサ出力値S(n))の
変化については図示しないが、容易に理解できるよう
に、前記したセンサ抵抗値変換回路における図3のグラ
フに似た特性を示す。従って、このようなセンサ抵抗値
変換回路62を有するガス検出装置60、及びこれを用
いた車両用オートベンチレーションシステム160にお
いても、実施形態1と同様に酸化性ガスの濃度変化を検
知し、さらには、フラップ34の開閉を行うことができ
る。
【0080】(実施形態2)さらに、実施形態2にかか
るガス検出装置70および車両用オートベンチレーショ
ン一ステム170について説明する。前記した実施形態
1では、コンデンサ4及び固定抵抗器5、ダイオード6
を用いたセンサ抵抗値変換回路2を用いて、センサ抵抗
値Rsの変化に従って変動する動作点Pdを作り、その
動作点Pdの電位をセンサ電圧値Vsとして用いた。こ
れに対し、本実施形態では、直流電流源を用いたセンサ
抵抗値変換回路72によって、センサ抵抗値Rsに応じ
て変化するセンサ電圧値Vsを得る点で異なるので、こ
のセンサ抵抗値変換回路72についてのみ、図13を参
照して説明する。
【0081】このセンサ抵抗値変換回路72は、酸化性
ガスの濃度によってセンサ抵抗値Rsが変化するガスセ
ンサ素子71と、これに電流を流す直流電流源73とを
有する。直流電流源73は、最大でA/Dコンバータ1
5及びマイクロコンピュータ16の電源電位と略同一電
圧を出力でき、制御端子73CTによって、その電流値
I1を制御できる。ガスセンサ素子71は、その両端7
1A,71Bがそれぞれ直流電流源73の端子73A,
73Bと接続している。このうち端子73Aとの接続点
Pdは、センサ抵抗値Rsの変化によってその電位が変
化する動作点である。さらに、この動作点Pdのセンサ
電圧値Vsが、センサ出力端子8に導かれている。この
センサ電圧値Vsは、A/Dコンバータ15でセンサ出
力値S(n)に変換されマイクロコンピュータ16で処
理され、その変化などからガス濃度の変化を検出する。
一方、マイクロコンピュータ16の制御出力端子16C
Tからは、制御信号Siが出力され、この制御信号Si
に従って、直流電流源73の電流量I1が制御される。
この際、ガスセンサ素子11に適切な一定の電流量I1
を流すように、制御信号Siのパラメータ値が決められ
る。なお、直流電流源73の電流量I1を制御する制御
信号Siとしては、直流電圧信号やパルス信号などが挙
げられ、そのパラメータ値としては、直流電圧信号にお
いては直流電圧値が挙げられる。また、パルス信号にお
いては、デューティ比や振幅、パルス信号で与えられる
コード値などが挙げられる。
【0082】このように、直流電流源73を用いると、
電流値I1を一定として、ガスセンサ素子71のセンサ
抵抗値Rsとセンサ電圧値Vs(センサ出力値S
(n))との関係を表すと、図14のグラフに示すよう
になる。従って、容易に理解できるように、本実施形態
2でも、センサ抵抗値Rsがドリフトによって変化し
て、センサ電圧値Vsが偏った値となった場合には、電
流値I1を変化させることで、従って、電流値I1を制
御する制御信号Siのパラメータ値を制御することで、
センサ電圧値Vsを適切な値に合わせ込むことができる
から、その後は再びセンサ電圧値Vsが適切な範囲に入
っている状態で、ガスの濃度変化の検知を行うことがで
きる。
【0083】さらに、この図14のグラフから判るよう
に、電流値I1が異なる各グラフについて、例えば、セ
ンサ電圧値Vs=2.0〜2.5Vの範囲を見ると、い
ずれのグラフについても、ほぼ同じ形状、具体的には、
ほぼ同じ傾きの直線になっていることが判る。従って、
実施形態1の場合と同じく、制御信号Siのパラメータ
値(例えば直流電圧信号における直流電圧値)を適切に
選択して、センサ電圧値Vsが2.0〜2.5Vの範
囲、あるいはその近傍の値となるようにしておけば、た
とえドリフトによって零点センサ抵抗値R0が変動して
も、酸化性ガスの濃度変化によるセンサ電圧値Vsの変
化量がほぼ同じとなることが判る。このため、このセン
サ電圧値Vs(センサ出力値S(n))を用いれば、ド
リフトの有無に拘わらず、同様の精度で酸化性ガスを検
知できることになる。
【0084】このような特性のセンサ抵抗値変換回路7
2を有するガス検出装置70についても、上記実施形態
1と同様のフローチャートに従って、合わせ込み処理に
おいて制御信号Siのパラメータ値を一挙に更新するこ
とで、パラメータ値の更新に伴うガス検知困難期間を最
小限に止め、多くの時間をガス検知に当てることができ
る。
【0085】なお、このような直流電流源73を用いた
センサ抵抗値変換回路72及び車両用オートベンチレー
ションシステ170の具体例としては、図15に示すF
ET86を用いたセンサ抵抗値変換回路82を有するガ
ス検出装置80及び車両用オートベンチレーションシス
テム180が挙げられる。このセンサ抵抗値変換回路8
2では、FET86とガスセンサ素子81とは直列に接
続され、FET86のソース端子86Sは電源電位Vc
cに接続し、ガスセンサ素子81の一方の端81Bは接
地されている。FET86のドレイン端子86Dとガス
センサ素子81の他方の端81AとのFET−センサ接
続点Pdは動作点であり、そのセンサ電圧値Vsは、A
/Dコンバータ15でセンサ出力値S(n)に変換さ
れ、マイクロコンピュータ16内で処理され、その変化
によりガス検知が行われる。
【0086】FET86は、ゲート端子86Gを有し、
このゲート端子86Gに入力される直流電圧信号Saの
直流電圧値Vcによって、ソース−ドレイン間、及びガ
スセンサ素子81を流れるドレイン電流I4の電流量を
電子的に変化させることができる。なお、マイクロコン
ピュータ16は、制御出力端子16CTから、実施形態
1と同様に、デューティ比DTのパルス信号Scを出力
する。このパルス信号Scは、抵抗素子88Rとコンデ
ンサ88Cとからなる平滑回路88で平滑化されて、直
流電圧信号SaとしてFET86のゲート端子86Gに
入力される。パルス信号Scのデューティ比DTを変化
させることで、直流電圧信号Saの直流電圧値(ゲート
電圧)Vcを変化させることができる。従って、動作点
Pdのセンサ電圧値Vsは、センサ抵抗値Rsの変化に
よって変化するほか、直流電圧信号Saを介して、パル
ス信号Scのデューティ比DTによっても変化させるこ
とができる。このため、センサ抵抗値変換回路82を有
するガス検出装置80についても、上記実施形態1と同
様のフローチャートに従って、合わせ込み処理において
パルス信号Scのデューティ比DTを一挙に更新するこ
とで、デューティ比DTの更新に伴うガス検知困難期間
を最小限に止め、多くの時間をガス検知に当てることが
できる。
【0087】以上において、本発明を実施形態1,2及
び変形形態1〜4に即して説明したが、本発明は上記実
施形態等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでも
ない。例えば、上記実施形態等では、酸化性ガスの濃度
変化に反応するガスセンサ素子1等を用いた例を示した
が、還元性ガスに反応するガスセンサ素子や、酸化性ガ
ス及び還元性ガスのいずれにも反応するガスセンサ素子
を用いる場合にも、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1にかかるガス検出装置、及びこのガ
ス検出装置を用いた車両用オートベンチレーションシス
テムの構成を示す構成図である。
【図2】図1に示す車両用オートベンチレーションシス
テムにおける制御の内容を示すフローチャートである。
【図3】図1に示すガス検出装置において、入力したパ
ルス信号のデューティ比をパラメータ値として、ガスセ
ンサ素子のセンサ抵抗値Rsを変化させたときに生じる
センサ電圧値Vsの変化を示すグラフである。
【図4】図1に示すガス検出装置の制御のうち、メイン
ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図5】図4に示すガス検出装置の制御のうち、初期設
定の内容を示すフローチャートである。
【図6】図4に示すガス検出装置の制御のうち、ガス検
知処理の内容を示すフローチャートである。
【図7】図4に示すガス検出装置の制御のうち、合わせ
込み要否判断の内容を示すフローチャートである。
【図8】図4に示すガス検出装置の制御のうち、合わせ
込み処理の内容を示すフローチャートである。
【図9】変形形態1にかかる合わせ込み処理の内容を示
すフローチャートである。
【図10】変形形態2にかかる合わせ込み処理の内容を
示すフローチャートである。
【図11】変形形態3にかかる合わせ込み処理の内容を
示すフローチャートである。
【図12】変形形態4にかかるガス検出装置、及びこの
ガス検出装置を用いた車両用オートベンチレーションシ
ステムの構成を示す構成図である。
【図13】実施形態2にかかるガス検出装置、及びこの
ガス検出装置を用いた車両用オートベンチレーションシ
ステムの構成を示す構成図である。
【図14】図13に示すガス検出装置において、ガスセ
ンサ素子に流す電流量をパラメータ値として、ガスセン
サ素子のセンサ抵抗値Rsを変化させたときに生じるセ
ンサ電圧値Vsの変化を示すグラフである。
【図15】実施形態2の具体的な形態を示すガスセンサ
駆動回路及びガスセンサ素子を用いた制御システムの構
成を示す回路図及びブロック図である。
【符号の説明】
1,61 ガスセンサ素子 2,62,72 センサ抵抗値変換回路 73 電流源 4,64 コンデンサ 5,66 固定抵抗器 6,65,67 ダイオード 7 パルス入力端子(パルス入力点) 8 センサ出力端子 10,60 ガス検出装置 15 A/Dコンバータ 16 マイクロコンピュータ 19 センサ出力値取得回路(取得手段) 20 電子制御アセンブリ 21 フラップ駆動回路 22 アクチュエータ 30 換気系 31,32,33 ダクト 34 フラップ 100,160,170,180 車両用オートベンチ
レーションシステム Rs センサ抵抗値 Vs センサ電圧値 S(n) センサ出力値 LV 濃度信号 Sc パルス信号(入力信号) DT デューティ比(パラメータ値) SB 基準センサ出力値 Sa 直流電圧信号(入力信号) Vc 直流電圧値(パラメータ値)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G046 AA02 AA11 AA13 AA22 AA23 DC01 FA04 FA08 FB02 FE28 FE39 FE46

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗値が変
    化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、 センサ出力値を取得する取得手段であって、上記センサ
    抵抗値の変化及び上記取得手段に入力される入力信号に
    おけるパラメータ値の変化に応じて変化するセンサ出力
    値を、上記入力信号のパラメータ値を固定した状態で、
    所定サイクル時間毎に取得する取得手段と、 上記センサ出力値を用いて上記特定ガスの濃度の高低を
    検知する濃度検知手段と、 上記特定ガスの濃度が低いときに濃度低信号を発生する
    濃度低信号発生手段と、 上記ガス検出装置の起動し続く初期期間の経過後、上記
    濃度低信号を発生している期間において、更新条件を満
    たしたときに、上記入力信号の現在のパラメータ値を新
    たなパラメータ値に更新するパラメータ更新手段であっ
    て、 上記新たなパラメータ値に固定した入力信号を用いたと
    きに、上記取得手段において、所定の基準センサ出力値
    にほぼ等しい上記センサ出力値が取得されるようになる
    上記新たなパラメータ値を取得して更新するパラメータ
    更新手段と、を備えるガス検出装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のガス検出装置であって、 前記センサ抵抗値が上昇したときに前記センサ出力値が
    変化する方向を第1方向とし、その逆方向を第2方向と
    したとき、 前記パラメータ更新手段における前記更新条件を満たし
    たときとは、 前記センサ出力値が第1所定期間にわたって第1限界値
    よりも第1方向側の値となったとき、及び、 前記センサ出力値が第2所定期間にわたって第2限界値
    よりも第2方向側の値となったとき、 のいずれかを満たしたときであるガス検出装置。
  3. 【請求項3】特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗値が変
    化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、 センサ出力値を取得する取得手段であって、上記センサ
    抵抗値の変化及び上記取得手段に入力される入力信号に
    おけるパラメータ値の変化に応じて変化するセンサ出力
    値を、上記入力信号のパラメータ値を固定した状態で、
    所定サイクル時間毎に取得する取得手段と、 上記センサ出力値を用いて上記特定ガスの濃度の高低を
    検知する濃度検知手段と、 上記特定ガスの濃度が低いときに濃度低信号を発生する
    濃度低信号発生手段と、 上記ガス検出装置の起動に続く初期期間の経過後、上記
    濃度低信号を発生している期間において、更新条件を満
    たしたときに、上記入力信号の現在のパラメータ値を新
    たなパラメータ値に更新するパラメータ更新手段であっ
    て、 上記センサ抵抗値が上昇したときに上記センサ出力値が
    変化する方向を第1方向とし、その逆方向を第2方向と
    したとき、 上記センサ出力値が第1所定期間にわたって第1限界値
    よりも第1方向側の値となったときには、上記取得手段
    において、上記新たなパラメータ値に固定した入力信号
    を用いたときに、所定の基準センサ出力値にほぼ等しい
    上記センサ出力値が取得されるようになる上記新たなパ
    ラメータ値を取得して更新し、 前記センサ出力値が第2所定期間にわたって第2限界値
    よりも第2方向側の値となったときには、上記取得手段
    において、現在の上記センサ出力値よりも基準センサ出
    力値に近いセンサ出力値が取得されるように、上記現在
    のパラメータ値を徐々に更新するパラメータ更新手段
    と、を備えるガス検出装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載
    のガス検出装置であって、 前記パラメータ更新手段は、 前記新しいパラメータ値を、現在の前記センサ出力値と
    前記現在のパラメータ値とを用いて取得するガス検出装
    置。
  5. 【請求項5】請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載
    のガス検出装置であって、 前記ガスセンサ素子は、前記特定ガスが無いときの上記
    センサ抵抗値を零点センサ抵抗値R0とし、その後上記
    特定ガスの濃度を所定値としたときの上記センサ抵抗値
    を第1センサ抵抗値R1としたとき、比R1/R0が、
    上記零点センサ抵抗値R0の変化に拘わらず、ほぼ一定
    に保たれる特性を有し、 前記取得手段は、前記パラメータ値を一定として、前記
    センサ抵抗値の対数値と前記センサ出力値との関係をグ
    ラフ化したときに、単調に変化し、上記パラメータ値に
    よらず、グラフの形状がほぼ同一となる上記センサ出力
    値の範囲を有する特性を備え、 前記基準センサ出力値は、上記グラフの形状がほぼ同一
    となるセンサ出力値の範囲内の値であるガス検出装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載のガス検出装置であって、 前記取得手段は、 前記入力信号である、第1の電位状態と第2の電位状態
    とを有する繰り返し波形のパルス信号が入力されるパル
    ス入力点と、 コンデンサと、 上記パルス入力点に上記第1の電位状態の信号が入力さ
    れている期間に、充電用抵抗器を介して上記コンデンサ
    を充電する充電回路と、 上記パルス入力点に上記第2の電位状態の信号が入力さ
    れている期間に、放電用抵抗器を介して上記コンデンサ
    を放電させる放電回路と、を含み、 上記充電回路の充電用抵抗器及び放電回路の放電用抵抗
    器のいずれかは前記ガスセンサ素子を含み、上記充電回
    路の充電電流及び上記放電回路の放電電流のいずれかは
    上記ガスセンサ素子のセンサ抵抗値の変化に応じて変化
    し、 上記コンデンサの一端であって、上記ガスセンサ素子に
    おけるセンサ抵抗値の変化により電位が変化する動作点
    の電位を用いて、前記センサ出力値を取得し、 前記入力信号のパラメータ値は、上記パルス入力点に入
    力される、上記パルス信号の上記第1の状態と第2の状
    態とのデューティ比であり、 前記パラメータ更新手段は、上記デューティ比を更新す
    るガス検出装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載
    のガス検出装置であって、 前記初期期間において、初期更新条件を満たしたとき
    に、前記取得手段において、現在の前記センサ出力値よ
    りも基準センサ出力値に近いセンサ出力値が取得される
    ように、前記現在のパラメータ値を徐々に更新する初期
    パラメータ更新手段を備えるガス検出装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載
    のガス検出装置を含む車両用オートベンチレーションシ
    ステム。
JP2002095844A 2002-03-29 2002-03-29 ガス検出装置、車両用オートベンチレーションシステム Expired - Fee Related JP4028745B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002095844A JP4028745B2 (ja) 2002-03-29 2002-03-29 ガス検出装置、車両用オートベンチレーションシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002095844A JP4028745B2 (ja) 2002-03-29 2002-03-29 ガス検出装置、車両用オートベンチレーションシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003294667A true JP2003294667A (ja) 2003-10-15
JP4028745B2 JP4028745B2 (ja) 2007-12-26

Family

ID=29239157

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002095844A Expired - Fee Related JP4028745B2 (ja) 2002-03-29 2002-03-29 ガス検出装置、車両用オートベンチレーションシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4028745B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017506759A (ja) * 2014-02-14 2017-03-09 ローズマウント・アナリティカル・インコーポレーテッドRosemount Analytical Inc. 半導体式ガス検出センサの診断
JP2019105487A (ja) * 2017-12-12 2019-06-27 Tdk株式会社 ガスセンサ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017506759A (ja) * 2014-02-14 2017-03-09 ローズマウント・アナリティカル・インコーポレーテッドRosemount Analytical Inc. 半導体式ガス検出センサの診断
JP2019105487A (ja) * 2017-12-12 2019-06-27 Tdk株式会社 ガスセンサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP4028745B2 (ja) 2007-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110730919B (zh) 液体透镜反馈和控制
US7098675B2 (en) Capacitance change detection device
US4953056A (en) Current detection apparatus for use in electromagnetic actuator drive circuit
US7084644B2 (en) Circuit arrangement for capacitive humidity measurement and method for operating the same
JP3367930B2 (ja) 制御システム
JP4091163B2 (ja) 信号入力装置,制御装置及び誘導性負荷の電流制御装置
JPH0612718B2 (ja) 除電器のイオンバランス制御装置
JP2003294667A (ja) ガス検出装置、車両用オートベンチレーションシステム
EP0279865A1 (en) Temperature sensing element
US20210293733A1 (en) Method for operating a gas sensor device and gas sensor device for ascertaining pieces of information about an air quality
JPH03257373A (ja) 角速度検出器
JP4758278B2 (ja) ガス検出装置
JP3718399B2 (ja) 酸素濃度センサの素子抵抗検出装置
CN111344561B (zh) 用于运行气体传感器设备的方法和气体传感器设备
JPH0575445A (ja) Cpuの発振周波数変動の補正装置および補正方法
JP4317640B2 (ja) 制御システム
JPH04292732A (ja) 空気清浄機の汚染度感知装置及びその方式
US10901441B2 (en) Controller for providing resistance value controlling power usage in a temperature controller
CN107064436B (zh) 微机电系统传感器的气体检测方法、传感器及存储介质
JP4455789B2 (ja) ガス検知装置、車両用オートベンチレーションシステム
JPH10185615A (ja) 経年変化に対応したセンサ補正装置
JP2009198373A (ja) ガス検出装置
JP4659438B2 (ja) ガス検知装置及びオードベンチレーションシステム
KR940002335B1 (ko) 공기청정기의 자동오염 조절방법 및 장치
JP3206326B2 (ja) 電気調理器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040902

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061128

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070925

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071012

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111019

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111019

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121019

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121019

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131019

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees