JP2003293029A - チタン含有鋼の溶製方法 - Google Patents

チタン含有鋼の溶製方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】Ti炭硫化物が分散し、被削性の良好なチタン
含有鋼を、高いTi歩留りと良好なTi含有量の制御性
のもとで溶製できる溶製方法の提供。 【解決手段】C:0.1〜0.6%, Si:0.1〜1.5%, Mn:0.4〜2.0
%, Ti:0.04〜0.25%,S:0.01〜0.2%, Al:0.0005〜0.10%,
T.O:0.005%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からな
るチタン含有鋼の溶製方法であって、溶鋼中のSiおよび
Al含有量(%)は Si+10Al≧0.2 で表される関係を満た
し、取鍋内スラグのCaO,MgOおよびSiO2含有量(%)は
2.3≦(CaO+MgO)/SiO2 ≦5.0 で表される関係を満
たし、TiO2含有量は2〜30%であり、TiO2含有量(%)とT
i含有量(%)とは 50≦TiO2/Tiで表される関係を満たす
ように調整する。造滓剤としてTiO2を含有する酸化物
を取鍋内スラグに添加して上記のように調整することが
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、TiおよびSを含
有し、高い被削性を有するチタン含有鋼の溶製方法に関
する。更に詳しくは、主として機械構造用鋼として用い
られる、Ti炭硫化物が分散し高い被削性を有するチタ
ン含有鋼を、高いTi添加歩留りとTi含有量の良好な
制御性のもとで溶製できる溶製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高い被削性の得られる機械構造用鋼とし
て、TiおよびSを含有させることによりTi炭硫化物
を分散させ、被削性を高めたチタン含有鋼が広く用いら
れている。
【0003】例えば、特開平9−53142号公報に
は、TiおよびSを多量に含有する耐疲労特性に優れた
非調質鋼材およびその製造方法が開示され、また特開平
10−195599号公報には、強度と靱性に優れた快
削非調質鋼が開示されている。
【0004】これらの開示された鋼は、質量%で、Ti
含有量が0.04〜0.25%または0.05〜1.0
%、および、S含有量が0.01〜0.1%または0.
01〜0.2%を基本的な組成範囲とし、Ti硫化物ま
たはTi炭硫化物を微細に分散させることにより、高い
機械的特性および快削性を持たせたチタン含有鋼であ
る。
【0005】これらのチタン含有鋼の溶製方法に関し
て、特開平9−53142号公報では真空溶解炉を用い
て通常の方法で溶製すること、また特開平10−195
599号公報では真空溶解炉を用いること、さらにTi
脱酸生成物の生成を避けるための脱酸剤の添加順序につ
いて、それぞれ記載があるが、詳細な溶製方法について
開示がない。また、特開平10−195599号公報に
は、酸素含有量が0.015%以下、望ましくは0.0
10%以下であれば、硬質な酸化物系介在物による被削
性の低下は避けられるとの記載があるが、その具体的な
溶製方法については記載されていない。
【0006】特開平11−310848号公報には、T
i:0.04〜1.0%、S:0.01〜0.2%を含
有する鋼において、Ti硫化物もしくはTi炭硫化物ま
たはその両者と金属相とからなる共晶組織部を有する高
強度で被削性の改善された非調質鋼材用連続鋳造鋳片が
開示されている。しかし、ここで開示されているのは、
鋼の連続鋳造方法およびそれ以降の製造工程における製
造条件であって、詳細な溶製方法については開示がな
い。
【0007】特開2000−345234号公報には、
溶鋼にTiを添加する方法として、スラグに酸化チタン
含有物質およびアルミニウム含有物質を投入し、アルミ
ニウムで酸化チタンを還元する方法が開示されている。
しかし、スラグ中のSiO2濃度が低いCaO−Al2
3−TiO2 系スラグの場合には、スラグの滓化性が悪
く、実用には耐えない。
【0008】酸素との親和力の高いTiを0.04%以
上含有するチタン含有鋼の溶鋼では、溶製中に溶鋼中の
Tiと取鍋内スラグとが反応しやすく、機械構造用鋼の
必要条件である全酸素含有量の低減、すなわち高清浄化
を達成することが困難な場合が多い。また、溶鋼中のT
iは酸化による損失が著しいことから、Tiの添加歩留
りは低下しやすく、その制御も難しい。したがって、添
加するTiのコスト上昇および製鋼プロセスにおける時
間の延長に伴う製造コストの上昇という問題がある。
【0009】また、溶鋼中に残存する酸化物系介在物の
融点を低下させて融体とすることにより介在物を球状化
するとともに、軟質化することが、切削工具の摩耗抑制
に有効であるが、Tiを0.04%以上含有するチタン
含有鋼における低融点酸化物の組成、および鋼の溶製条
件は知られていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、Ti
およびSを含有させてTi炭硫化物を分散させ、高い被
削性の得られるチタン含有鋼を、高いTi添加歩留りと
Ti含有量の良好な制御性のもとで溶製できる溶製方法
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、Tiを
0.04質量%以上含有するチタン含有鋼において、上
記の課題を達成するため、前記した従来技術の問題点、
すなわち、全酸素(以下「T.O」ともいう)含有量の
低減(以下「低酸素化」ともいう)、Tiの添加歩留り
とその制御性の向上、および酸化物系介在物の低融点化
について検討を加え、以下の知見を得た。
【0012】(a)溶鋼中にTiを含有する場合には、
Tiは酸素との親和力が高いため、Tiは大気およびス
ラグによって酸化されやすい。Tiの酸化状態が相違す
ることによって溶鋼の脱酸状態は変化する。脱酸により
生成したTiの酸化物が溶鋼中を浮上してスラグとメタ
ルの界面でスラグに捕捉されれば、溶鋼中には酸化物と
して残留しないため、溶鋼は清浄化され低酸素化が達成
される。しかし、生成したTi酸化物が溶鋼中を完全に
浮上せずに溶鋼中に残留する場合は、鋼の清浄度は悪化
し、低酸素化は達成されない。
【0013】(b)従来は、Si、Alなどの脱酸用元
素の含有量を増加させることによって、溶鋼および鋼の
低酸素化および添加合金元素の酸化損失の抑制を図って
きた。しかし、Ti含有鋼では、これらの脱酸用元素の
含有量を増加させても、その溶製過程において取鍋内ス
ラグによってTiの酸化損失が発生する。これは、溶鋼
中のTiが取鍋内スラグ中のSiO2 によって酸化され
るためである。スラグとメタルの界面でTiなどの元素
の酸化損失が生じると、鋼中の全酸素量が増加し、上記
(a)で述べたとおり、鋼の低酸素化が阻害される。そ
こで、脱酸用のSi、Alなどの元素の含有量をいたず
らに高めるのではなく、単独ではTiよりも若干脱酸能
力が低いSiに着目して種々の試験を行い、さらに、以
下の(c)〜(f)の知見を得た。
【0014】(c)溶鋼中のSi含有量を0.1〜1.
5%とし、溶鋼中のSiとAlの含有量に関する後述の
(イ)式で表される関係を満足させ、さらにスラグ中の
SiO2 含有量の適正化に関する後述の(ロ)式で表さ
れる関係を満足させることにより、溶鋼の低酸素化とT
iの酸化損失抑制の両立が可能である。
【0015】(d)上記(c)で述べた溶鋼中のSiお
よびスラグ中のSiO2 含有量の条件下で、スラグ中の
TiO2 含有量を溶鋼中のTi含有量に応じた適正範囲
とすることにより、Tiの酸化損失を抑制し、Ti含有
量の制御性を向上することができる。
【0016】具体的には、溶鋼中のTi含有量を0.0
4〜0.25%、取鍋内スラグ中のTiO2 含有量を2
〜30%とし、取鍋内スラグ中のTiO2 の含有量と溶
鋼中のTi含有量とを後述の(ハ)式で表される関係を
満足するように調整することである。
【0017】(e)取鍋内スラグ中のTiO2 の含有
量、およびスラグ中のTiO2 の含有量と溶鋼中のTi
含有量との比の値を上記(d)で述べたように調整する
には、造滓剤としてTiO2 を含有する酸化物を取鍋内
スラグに添加することが好ましい。
【0018】すなわち、スラグ中のSiO2 含有量を適
正化すると、後述するとおり、スラグ中のほとんどのT
i酸化物の価数は4価となることから、スラグ中にTi
2を添加して、スラグ中のTiO2 含有量を増加させ
ても、TiO2 は溶鋼の酸化の要因とはならず、Tiの
添加歩留りおよびTi含有量の制御性を向上することが
できる。
【0019】(f)溶鋼中のAl含有量を0.0005
〜0.005質量%および全Ca(以下「T.Ca」と
もいう)含有量を0.0001〜0.005質量%と
し、取鍋内スラグ中のAl23 含有量を3〜12質量
%に調整することが好ましい。
【0020】すなわち、残存する酸化物系介在物は低融
点であれば被削性は向上するが、チタン含有鋼において
低融点化できる介在物は、CaOを含有し、介在物中の
Al 23 含有量が低い、TiO2−CaO−SiO2
Al23−MgO系の介在物である。この成分系の介
在物は、製鋼温度で融体となるように低融点化が可能で
ある。
【0021】このような介在物を得るためには、前記
(c)〜(e)で述べた溶製条件に加えて、溶鋼中のA
l含有量、T.Ca含有量および取鍋内スラグ中のAl
23含有量を上記(f)で述べたように調整して溶製
すればよい。
【0022】本発明は、上記(a)〜(f)の知見に基
づいて完成されたものであり、その要旨は、下記の
(1)〜(3)に示すチタン含有鋼の溶製方法にある。
【0023】(1)質量%で、C:0.1〜0.6%、
Si:0.1〜1.5%、Mn:0.4〜2.0%、T
i:0.04〜0.25%、S:0.01〜0.2%、
Al:0.0005〜0.10%、およびT.O:0.
005%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からな
るチタン含有鋼の溶製方法であって、溶鋼中のSiおよ
びAl含有量は下記式(イ)で表される関係を満足し、
取鍋内スラグの組成はCaO、SiO2 、Al23
TiO2 およびMgOを主成分として、下記式(ロ)で
表される関係を満足し、取鍋内スラグ中のTiO2 含有
量は2〜30%であり、スラグ中のTiO2 含有量と溶
鋼中のTi含有量とが下記式(ハ)で表される関係を満
足するように調整するチタン含有鋼の溶製方法。 Fn≧0.2 ・・・・・・・・・・・・・・(イ) ただし、 Fn=Si+10×Al 2.3≦(CaO+MgO)/SiO2 ≦5.0 ・・(ロ) 50≦TiO2 /Ti ・・・・・・・・・・(ハ) ここで、Si、AlおよびTiは、それぞれ溶鋼中のS
i、AlおよびTiの含有量を表し、CaO、MgO、
SiO2 およびTiO2 は、それぞれ取鍋内スラグ中の
CaO、MgO、SiO2 およびTiO2 の含有量を表
す。
【0024】(2)前記(1)に記載のチタン含有鋼の
溶製方法において、造滓剤としてTiO2 を含有する酸
化物を取鍋内スラグに添加することにより、取鍋内スラ
グ中のTiO2 含有量が2〜30%、スラグ中のTiO
2 含有量と溶鋼中のTi含有量とが下記式(ハ)で表さ
れる関係を満足するように調整することが好ましい。 50≦TiO2 /Ti ・・・・・・・・・・・(ハ) ここで、TiO2 およびTiは、それぞれスラグ中のT
iO2 の含有量および溶鋼中のTiの含有量を表す。
【0025】(3)前記(1)または(2)に記載のチ
タン含有鋼の溶製方法において、溶鋼中のAl含有量が
0.0005〜0.005%、T.Ca含有量が0.0
001〜0.005%、取鍋内スラグ中のAl23
有量が3〜12%となるように調整することが好まし
い。
【0026】本発明で規定する「チタン含有鋼」とは、
チタン含有炭素鋼またはチタン含有低合金鋼をいい、上
記(1)に記載されるとおり、C:0.1〜0.6%、
Si:0.1〜1.5%、Mn:0.4〜2.0%、T
i:0.04〜0.25%、S:0.01〜0.2%、
およびAl:0.0005〜0.10%、T.O量:
0.005%以下を含有し、必要に応じて、Cr:0.
03〜2.0%、V:0.01〜0.3%、Mo:0.
01〜0.5%、Nb:0.001〜0.05%、C
u:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜2.0%、
REM(希土類元素):0.0001〜0.03%、M
g:0.0001〜0.01%、Se:0.01〜0.
5%、Te:0.01〜0.5%およびB:0.000
1〜0.02%のうちの1種類または2種類以上を含有
し、残部がFeおよび不純物からなる鋼を指す。なお、
T.O含有量とは、鋼中の全酸素含有量をいい、鋼中に
酸化物として存在する酸素量、および固溶している酸素
量の総和を指す。また、T.Ca含有量とは、鋼中の全
Ca含有量をいい、鋼中に介在物として存在するCa
量、および固溶しているCa量の総和を指す。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明における鋼およびスラグの
化学組成を限定した理由を以下に詳しく説明する。な
お、以下の説明において、特に断らない限り、「%」は
「質量%」を意味する。
【0028】(A)鋼の化学組成 C:0.1〜0.6%:機械構造用鋼としての鋼の強度
を得るのに必要な元素である。その含有量が0.1%未
満では強度が不足し、一方、0.6%を超えると機械構
造用鋼として必要な靱性が得られない。そこで、C含有
量の範囲を0.1〜0.6%とした。強度と靱性のバラ
ンスの観点からは、0.2〜0.5%の範囲が好まし
い。
【0029】Si:0.1〜1.5%:鋼の脱酸および
フェライト強化のために必要な元素である。その含有量
が0.1%未満では脱酸効果が不充分であり、一方、
1.5%を超えると靱性が不足する。そこで、Si含有
量の範囲を0.1〜1.5%とした。また、フェライト
強化および靱性のバランスの観点からは、0.15〜
1.3%の範囲が好ましい。
【0030】Mn:0.4〜2.0%:固溶強化によ
り、鋼の疲労強度の向上を図るために必要な元素であ
る。その含有量が0.4%未満では充分な疲労強度が得
られず、一方、2.0%を超えると焼き入れ性が高くな
りすぎて、ベイナイトあるいは島状マルテンサイト組織
が生成しやすくなり、耐久比(疲労強度/引張り強さ)
が低下する。そこで、Mn含有量の範囲を0.4〜2.
0%とした。
【0031】Ti:0.04〜0.25%:本発明の重
要な構成であるTi炭硫化物の形成に必要な元素であ
る。その含有量が0.04%未満では、被削性を得るた
めに必要な量の炭硫化物が形成されず、一方0.25%
を超えるとTiCの生成による靱性の低下をきたす。そ
こで、Ti含有量の範囲を0.04〜0.25%とし
た。またTiは高価であるため、コストの観点からは、
必要な被削性を得るに足る最小のTi含有量が好まし
い。好ましい範囲は0.10〜0.20%である。
【0032】S:0.01〜0.2%:被削性を確保す
るために必須の元素である。Sを含有することにより分
散したTi炭硫化物およびMnSなどの硫化物が形成さ
れ、それらの切り欠き効果、潤滑効果および構成刃先効
果などによって、高い被削性が得られる。S含有量が
0.01%未満では、快削鋼としての充分な被削性が得
られず、一方、0.2%を超えるとTi炭硫化物および
硫化物の量が過剰となり、これらが亀裂発生の起点とな
って、機械構造用鋼としての機械的特性を満たさなくな
る。そこで、S含有量の範囲を0.01〜0.2%とし
た。好ましい範囲は0.04〜0.18%である。 Al:0.0005〜0.10%:鋼の脱酸に必要な元
素であるとともに、酸化物系介在物の融点を低下させる
ために微量の含有で有効に作用する元素である。含有量
が0.0005%未満では酸化物系介在物中のAl2
3 濃度が低下しすぎて、介在物の融点を低下させる効果
が得られない。一方、0.10%を超えると脱酸剤とし
ての効果が飽和し、合金コストの上昇をまねく。そこ
で、Al含有量の範囲を0.0005〜0.10%とし
た。酸化物系介在物の融点を低下させるためには、後述
するように0.005%以下であることが好ましい。
【0033】なお、本発明においてAlとは、酸可溶A
l(sol.Al)をいう。
【0034】T.O:0.005%以下:鋼中のT.O
は、鋼中の酸化物系介在物の量を増加させる。酸化物系
介在物には硬質なものが多く、工具を損傷させて被削性
を低下させる。特に大型の酸化物系介在物は、被削性の
低下におよぼす影響が大きい。また、酸化物系介在物は
亀裂発生の起点となることから、鋼材の疲労特性や靭性
といった機械的特性も劣化させる。一方、T.O含有量
が0.005%以下では、上記の被削性、疲労特性およ
び靭性の悪化が認められなくなる。酸化物系介在物の量
が減少することに加えて、酸化物粒子の粒径分布も小粒
側にシフトし、直径50μmを超える酸化物粒子の個数
が減少するからである。そこで、T.O含有量の範囲を
0.005%以下とした。好ましくは、0.003%以
下である。
【0035】本発明に係る溶製方法が対象とする鋼に
は、前記のC、Si、Mn、Ti、SおよびAl以外
に、Feの一部に代えて、Cr:0.03〜2.0%、
V:0.01〜0.3%、Mo:0.01〜0.5%、
Nb:0.001〜0.05%、Cu:0.01〜1.
0%、Ni:0.01〜2.0%、REM(希土類元
素):0.0001〜0.03%、Mg:0.0001
〜0.01%、Se:0.01〜0.5%、Te:0.
01〜0.5%およびB:0.0001〜0.02%の
うちの1種類または2種類以上を含有させてもよい。
【0036】Cr、V、Mo、Nb、Cu、Niおよび
B:これらの元素は、含有させることにより、組織の微
細化、固溶強化、析出強化あるいは焼き入れ性の向上に
より、鋼の強度、特に疲労強度を向上させる効果を有す
る。一方、これらの強化元素の含有は、いずれも合金コ
ストを上昇させ、また、過剰に含有させると、強化によ
って靱性あるいは熱間加工性を劣化させる。したがっ
て、含有させる場合は、それぞれ前記の値の範囲内で含
有させることが好ましい。
【0037】REMおよびMg:これらの元素は、含有
させることにより、MnSの一部をREMの硫化物およ
びMgSに置換して、圧延時にMnSを伸展しにくくす
る効果を有する。したがって、材料特性の異方性、すな
わち機械的特性についての圧延方向とそれ以外の方向と
の差違が改善される。しかし、これらの元素は過度に含
有させると、Ti炭硫化物の生成を抑制する。したがっ
て、含有させる場合は、それぞれ前記の値の範囲内で含
有させることが好ましい。
【0038】SeおよびTe:これらの元素は、Sと類
似の化学的性質を有することから、含有させることによ
り、Mn(S、Se)およびMn(S、Te)を形成
し、被削性を改善する効果を有する。しかし、過度に含
有させると熱間脆性を生じ、また合金コストを上昇させ
る。したがって、含有させる場合は、それぞれ前記の値
の範囲内で含有させることが好ましい。
【0039】なお、Cr、V、Mo、Nb、Cu、N
i、B、SeおよびTeを含有させても、前記の範囲内
の含有量であれば、低酸素化、Ti歩留向上および酸化
物系介在物組成制御の効果には影響しない。また、RE
MおよびMgは、酸素およびSとの親和力が大きいた
め、それぞれ前記含有量の上限値を超えて含有した場合
に、酸化物系介在物の組成制御は難しくなるが、低酸素
化およびTi歩留向上の効果に悪影響をおよぼすことは
ない。 Fn≧0.2:本発明の方法では、溶鋼の化学組成を上
記の範囲の値とすることに加えて、さらに、前記の
(イ)式で規定されるFnの値を0.2以上とする。そ
の理由は、以下のとおりである。
【0040】鋼中のTi含有量は、被削性向上のための
Ti炭硫化物の生成量や材料特性によって決められるこ
とから、その含有量はTi:0.04〜0.25%であ
る。したがって、脱酸元素であるSiおよびAlによる
鋼の低酸素化およびTiの酸化損失を抑制するための調
整が必要である。
【0041】そこで、チタン含有鋼において、低酸素化
に必要なSiおよびAlの含有量の下限について検討を
行った。これらの脱酸元素を用いる場合に想定される取
鍋内スラグ組成であるCaO−SiO2−TiO2−Al
23−MgO系のスラグの存在下で、Ti含有溶鋼の
脱酸実験を行った。その結果、後述する本発明の範囲内
の取鍋内スラグ組成の場合には、溶鋼中のSiおよびA
lの含有量がそれぞれ、Si:0.1〜1.5%、A
l:0.0005〜0.10%で、かつ、前述の(イ)
式により表される関係を満足すれば、鋼の低酸素化およ
びTiの酸化損失の抑制がともに達成できることが判明
した。
【0042】前述の(イ)式で規定されるFnの値が
0.2未満では、溶鋼中のT.O含有量が高くなり、ま
た溶鋼中のTiの酸化による損失も増大する。Fnの上
限は特に限定されないが、脱酸能が飽和すること、およ
びの脱酸剤コストの上昇を抑える観点からは1.5以下
とすることが好ましい。 (B)取鍋内スラグの化学組成 (CaO+MgO)/SiO2 :2.3〜5.0:本発
明では、取鍋内スラグの組成をCaO、SiO2、Al2
3、TiO2 およびMgOを主成分とし、前述の
(ロ)式により表されるとおり、(CaO+MgO)/
SiO2 の値を2.3〜5.0とする。
【0043】取鍋内スラグ組成をCaO、SiO2、A
23、TiO2 およびMgOを主成分の組成とする
のは、前述のとおり、この成分系の介在物であれば、充
分な低融点化が図れ、製鋼温度で融体とすることができ
るからである。介在物は、製鋼温度で融体であれば、界
面張力により凝集して球状化するため、浮上分離されや
すい。また、溶鋼中に残存しても、低融点の介在物は軟
質であること、および球状化していることから、切削工
具の摩耗を低減でき、被削性を向上することができる。
【0044】取鍋内スラグ中のTiO2 含有量が高い条
件で、溶鋼中のTiの酸化損失を調べたところ、(Ca
O+MgO)/SiO2 の値が2.3〜5.0であれ
ば、スラグ中のSiO2 活量が充分低く、Siによる脱
酸反応がTiの酸化損失を抑制できることを見出した。
すなわち、(CaO+MgO)/SiO2 の値が2.3
未満では、SiO2 活量が高く、Si脱酸も十分ではな
いので溶鋼中のTiの酸化損失が大きく、またT.O含
有量も高くなる。
【0045】一方、(CaO+MgO)/SiO2 の値
が5.0を超えると上記の効果は飽和し、また取鍋内ス
ラグが滓化不良になって実操業に支障をきたすという問
題が生じる。また、鋼材の種類によっては、フェライト
組織の強化のために鋼中のSi含有量を高くする場合が
ある。その場合に、(CaO+MgO)/SiO2 の値
を高くするためには、取鍋内スラグ中の(CaO+Mg
O)の含有量を多くする必要があり、そのような組成の
取鍋内スラグとするには、CaO等の媒溶剤添加量が多
くなり現実的でなくなるからである。 TiO2 :2〜30%、50≦TiO2 /Ti:取鍋内
スラグ中のTiO2 の含有量は2〜30%とし、かつ、
前記(ハ)式により表されるとおり、TiO2 /Tiの
値を50以上とする。
【0046】このように調整することにより、溶鋼中の
Tiの酸化損失速度が低下し、Tiの添加歩留りが安定
する。すなわちスラグ中のTiO2 含有量が2%未満で
は、溶鋼中のTi含有量が0.04%であっても、Ti
の酸化損失が発生するからであり、一方、TiO2 含有
量が30%を超えると、スラグの滓化が不良となるから
である。また、TiO2 /Tiの値が50未満では、な
お溶鋼中のTiの酸化損失の速度が著しく大きい。な
お、150を超えると、金属Ti添加による調整の場合
には高価なTiを損失することになる。また、後述する
取鍋スラグ中へのTiO2 含有酸化物の添加の場合に
は、過剰な添加により熱的損失を招くことになる。した
がって、好ましくは150以下である。
【0047】本発明では、取鍋内スラグ中のTiO2
含有量を2〜30%とし、かつ、TiO2 /Tiの値を
50以上に調整するために、造滓剤としてTiO2 を含
有する酸化物を取鍋内スラグに添加するのが好ましい。
その理由を以下に述べる。
【0048】スラグ中のTi酸化物は、便宜上、全てT
iO2 と記載しているが、価数で表示すれば、製鋼反応
が生じる温度および酸素分圧下では、Tiは3価または
4価である。すなわち、酸化物として化学式で表示すれ
ば、Ti23 およびTiO 2 である。また、これらの
存在比率は、その系の酸素分圧およびスラグ組成により
変化する。ところで、スラグ中にTi23 が存在する
場合に、Tiの酸化を考慮してTiO2 を添加すると、
TiO2 から酸素が放出され、TiO2 が酸化源となる
可能性がある。スラグ中の3価のTiと4価のTiの比
率は、スラグ中のSiO2 の含有量に依存し、本発明で
規定する範囲のようにSiO2 活量が低い範囲のスラグ
では大部分のTiは4価として存在する。
【0049】したがって、本発明において、(CaO+
MgO)/SiO2 の値が2.3〜5.0の条件で、T
iO2 添加によりTi歩留まりの向上と低酸素化の両立
が図られるのは、(CaO+MgO)/SiO2 の値が
上記の範囲の場合には、SiO2 活量が充分に低く、4
価のTiO2 が大部分であり、TiO2 を添加しても酸
化源とはならないからである。
【0050】取鍋内スラグへのTiO2 の添加量は、ス
ラグ量と目標のスラグ中のTiO2含有量とで決められ
る。その際、スラグ中のTiO2 含有量は、たとえば、
TiO2 /Tiの値を100として求めればよい。ま
た、TiO2 の添加方法については、転炉または電気炉
などの製鋼炉から出鋼した後、必要に応じて除滓した
後、TiO2 を含む媒溶剤をCaO、SiO2 などとと
もに投入すればよい。望ましくは、溶鋼中へのTi添加
に先行して、スラグ中に添加するのがよい。TiO 2
含む媒溶剤は、FeOなどの低級酸化物が少なく、か
つ、安価な媒溶剤が望ましく、例えば、ルチルサンド
(砂状の金紅石)が適している。
【0051】Al:0.0005〜0.005%、T.
Ca:0.0001〜0.005%、Al23 :3〜
12%:本発明では、溶鋼中のAl含有量を0.000
5〜0.005%、T.Ca含有量を0.0001〜
0.005%、取鍋内スラグ中のAl23 含有量を3
〜12%に調整するのが好ましい。その理由を以下に述
べる。
【0052】本発明が対象とする鋼では、Ti炭硫化
物、Ti硫化物およびMn硫化物への応力集中による切
削域での切り屑分断効果、および潤滑効果により、被削
性が向上する。さらに、低酸素化により、酸化物系介在
物によって切削工具の表面がミクロ的に切削されてすり
減る、いわゆるアブレイシブ磨耗も発生しにくくなり、
工具寿命の向上と安定に寄与する。
【0053】また、残留する酸化物系介在物を低融点化
することにより、高速域での超硬工具による切削におい
て、ベラーク付着による工具磨耗の抑制効果が得られ
る。したがって、本発明が対象とするチタン含有鋼にお
いて、酸化物系介在物の融点が低下するスラグ組成の領
域およびそのスラグ組成に調整する製鋼条件が見出され
れば、さらなる高速域における切削性の向上が達成でき
る。
【0054】そこで、チタン含有鋼の酸化物系介在物を
低融点化できる介在物組成の範囲を把握するため、C:
0.47%、Ti:0.05〜0.17%、Si:0.
9%、Mn:1.0%、およびS:0.1〜0.17%
の鋼組成において、AlおよびCa含有量を変化させて
種々の鋼を溶製し、溶鋼中の介在物組成と形態との関係
を調査した。
【0055】その結果、Al:0.0005〜0.00
5%およびT.Ca:0.0001〜0.005%の範
囲であれば、球状を呈する酸化物が観察され、それらは
CaOを含有し、かつ介在物中のAl23 含有量が特
定の範囲に限定されたTiO 2−CaO−SiO2−Al
23−MgO系の多成分系介在物であった。そこで球
状介在物が観察された実験での介在物の平均化学組成を
調査したところ、CaO:10〜30%、Al23
5〜40%、TiO2 :20〜60%、MgO:3〜1
0%、およびSiO2 :3〜15%であった。
【0056】すなわち、TiO2−SiO2−MgO酸化
物系介在物をベースとして、溶鋼中のAl含有量が0.
0005%以上であれば、介在物中のAl23 含有量
は5%以上となり、同Al含有量が0.005%以下で
あれば、介在物中のAl2 3 含有量が40%以下とな
る。また、T.Ca含有量が0.0001〜0.005
%の範囲内で、介在物中のCaO含有量が10〜30%
の範囲となり、介在物の組成は低融点の組成になる。な
お、T.Ca含有量が0.005%を超えて過剰に存在
しても、本発明が対象とするS含有量の高い鋼では、C
aSが生成するだけであり、Caの効果は飽和する。
【0057】さらに、Al:0.0005〜0.005
%およびT.Ca:0.0001〜0.005%となる
製鋼条件について検討したところ、スラグ組成が前記
(2)で示された組成条件に加えて、スラグ中のAl2
3 含有量を3〜12%とすれば達成できることが判明
した。その理由は、Al23 含有量が3%未満ではス
ラグ−メタル間の反応により溶鋼中のAl含有量は0.
0005%未満となり、一方、Al23 含有量が12
%を超えると溶鋼中のAl含有量は0.005%を超え
るからである。
【0058】溶鋼中へのCaの添加は、通常の粉体吹き
込み、ワイヤ添加等の方法を用いることができる。Ca
含有量の制御の難しさを考慮すれば、取鍋での二次精錬
の末期または鋳造直前の段階が好ましい。
【0059】スラグ中のAl23 含有量は、転炉の出
鋼時におけるAl23 を含む一部のスラグの取鍋への
流出、Al23 成分を含む耐火物の溶損、および脱酸
剤としてのAlの大気による酸化などにより影響を受け
る。したがって、これらのAlの供給源を抑制するとと
もに、生石灰等の媒溶剤量、Alを含有する脱酸剤の投
入を制限することによりスラグ中のAl23 含有量を
調整することができる。また、スラグ中のAl23
有量を3%未満にするには耐火物や合金鉄としてAlを
含有しない材料を使用する必要が生じ、製鋼コストが増
加する。 その他のスラグ組成:スラグのその他の成分についての
好適組成は以下のとおりである。
【0060】スラグ中のMgOの供給源は、転炉の出鋼
時におけるMgOを含む一部のスラグの流出、MgO成
分を含む耐火物の溶損、および媒溶剤中のMgO成分な
どであり、スラグ中MgO含有量はこれらの影響を受け
る。MgO含有量が25%以上では、スラグの滓化性が
悪化するとともに、(CaO+MgO)/SiO2 の値
を5.0以下に調整することが難しくなる。したがっ
て、MgO含有量は25%未満が好ましい。
【0061】FeOおよびMnOは、Tiの酸化損失に
つながることから、それらの含有量は低いことが望まし
く、FeO含有量は1%以下、MnO含有量は2%以下
が好ましい。
【0062】さらに、CaF2 は、CaO−SiO2
TiO2−Al23−MgO系スラグの滓化性の保持、
および溶鋼中のSの損失の抑制の観点から、以下の範囲
に調整することが望ましい。すなわち、CaF2 を、前
記CaO−SiO2−TiO2−Al23−MgO系ス
ラグに対して、外数で10%以下含有させることが好ま
しい。
【0063】スラグ組成の調整方法は、転炉などの製鋼
炉から出鋼した後、必要に応じて除滓した後、生石灰、
珪砂、およびドロマイトなどの媒溶剤を添加すればよ
い。さらに必要に応じて、取鍋精錬時に媒溶剤の追加に
より調整して精錬末期に目標組成となるようにする。
【0064】
【実施例】スラグ精錬を模擬できる誘導加熱炉を用い
て、本発明による低酸素化、Ti添加歩留りの向上、お
よびTi含有量の制御性の向上を確認するための試験を
行った。
【0065】SiおよびAlの本発明による下限を調べ
るために、C:0.40〜0.42%、Mn:1.1〜
1.14%、S:0.12〜0.15%、P:0.00
1〜0.015%を含有する155kgの鋼を1580
〜1620℃の温度範囲で溶解した。また、一部の試験
では、Cr、V、MgおよびSeのうちの複数元素を添
加した。酸化鉄などを添加してスラグおよびTiを添加
する前のT.O含有量が0.01%程度となるように成
分の調整を行った。
【0066】次いで、SiおよびAl含有量を調整する
とともに、T.O含有量を0.007〜0.009%の
範囲に調整した。その後、CaO−SiO2−TiO2
Al 23−MgO系スラグを添加した。スラグ量は、
溶鋼1kg当たり約30gとした。スラグ中の(CaO
+MgO)/SiO2 の値が2.9程度、Al23
有量が6〜10%、TiO2 含有量が16〜20%とな
るように試薬を配合し、調整した。さらに、Tiを添加
し、約5〜10分後にTi含有量が0.05〜0.08
%となった時の、SiおよびAl含有量と到達T.O含
有量との関係を調査した。
【0067】表1に、溶解した鋼の化学組成を示す。
【0068】
【表1】
【0069】試験番号A1〜A4は、T.O含有量が
0.005%以下の範囲まで到達した例であり、試験番
号A5〜A8は、T.O含有量が0.005%を超えた
ままの例である。
【0070】図1は、溶鋼中のSiおよびAl含有量と
到達T.O含有量との関係を示す図である。図中の
( )内の数字はT.O含有量をppm単位で示す。ま
た、図中の■印で表示した点は溶鋼中のT.O含有量が
0.005%以下に達した試験結果を表し、□印で表示
した点は溶鋼中のT.O含有量が0.005%を超えた
ままの試験結果を表す。
【0071】Al含有量が0.0005%以上、Si含
有量が0.1%以上、かつ、AlとSiの含有量が前記
(イ)式で表される関係を満足する領域において、T.
O含有量が50ppm以下となることが判明した。
【0072】次に、本発明におけるスラグ組成とTiの
酸化損失による減少速度、および歩留との関係を調べる
ために、C:0.39〜0.43%、Mn:0.95〜
1.01%、S:0.098〜0.16%、P:0.0
1〜0.017%を含有する155kgの鋼を1580
〜1620℃の温度範囲で溶解した。また、一部の試験
では、Cr、V、Mgのうちの複数元素を添加した。酸
化鉄などを添加してスラグおよびTiを添加する前の
T.O含有量が0.01%程度となるように成分の調整
を行った。
【0073】次いで、Si含有量を0.69〜0.90
%の範囲に、Al含有量を0.0005〜0.013%
の範囲に調整して、T.O含有量を0.007〜0.0
09%の範囲とし、その後、CaO−SiO2−TiO2
−Al23−MgO系スラグを添加した。スラグ量
は、溶鋼1kg当たり約30gとし、試薬を配合して調
整することにより、スラグ中の(CaO+MgO)/S
iO2 、Al23 含有量、およびTiO2 含有量を変
化させた。
【0074】さらに、Tiを所定量添加し、180〜1
020秒保持した後、溶鋼組成およびスラグ組成を分析
してTiの酸化損失による減少速度およびTi歩留を調
査した。
【0075】表2に、溶鋼組成、スラグ組成、およびス
ラグの滓化性の評価結果を示す。
【0076】
【表2】
【0077】試験番号B1〜B5は、式(ロ)の値が
2.3〜5.0の範囲内にある例であり、試験番号B6
およびB7は、式(ロ)の値が2.3未満の例であり、
試験番号B8は、式(ロ)の値が5.0を超える例であ
る。
【0078】図2は、スラグ中の(CaO+MgO)/
SiO2 の値と溶鋼中のT.O含有量との関係を示す図
である。図中の■印で表示した点は本発明例を表し、□
印で表示した点は比較例を表す。なお、図3および4に
おける表示も同様である。同図に示すように、(CaO
+MgO)/SiO2 の値が2.3以上の場合に、溶鋼
中のT.O含有量は0.005%以下となる。
【0079】Ti歩留りは、Ti添加量に対する溶鋼中
の残存Ti量の割合を算出することにより、また、Ti
含有量の減少速度は、Tiの減少が一次反応に従うとし
たときの見掛けの減少速度定数、−(1/t)×ln
(Ti/Ti0)を求めることにより、それぞれを評価
した。ここで、Tiは任意の時刻のTi含有量(%)
を、Ti0 は、初期のTi含有量(%)を、そして、t
はTi添加後の経過時間(s)を表す。その際、Ti含
有量は0.08〜0.20%である。
【0080】図3は、スラグ中の(CaO+MgO)/
SiO2 の値と溶鋼中の見掛けのTi減少速度定数との
関係を示す図である。
【0081】(CaO+MgO)/SiO2 の値が2.
3以上の場合に、見掛けのTi減少速度定数は0.00
15(1/s)以下となり、Tiの減少速度が低下し
て、Ti含有量の制御性は向上する。
【0082】図4は、スラグ中の(CaO+MgO)/
SiO2 の値と溶鋼中のTi添加歩留りとの関係を示す
図である。
【0083】(CaO+MgO)/SiO2 が2.3以
上で、Ti添加歩留は35%以上となり、同値が2.3
未満の場合と比較して、Ti添加歩留りは向上し、Ti
の酸化損失が抑制されることが明らかである。一方、同
値が5.0を超えると、滓化が不良となり、問題であっ
た。次に、スラグ中のTiO2 含有量と溶鋼中のTi含
有量との比、すなわちTiO2/Tiの値の適正な下限
値を確認するための試験を行った。溶鋼の化学組成は、
C:0.45%、Si:0.7%、Mn:1.0%、
S:0.17%、P:0.015%とした。スラグは、
CaO−SiO2−TiO2−Al23−MgO系のもの
を用意し、(CaO+MgO)/SiO2 の値が2.5
〜3.0となるように調整し、Tiを添加後、180〜
1020秒後のTiO2/Tiの値とTi減少速度定数
との関係を調査した。
【0084】図5は、TiO2/Tiの値と、溶鋼中の
見掛けのTi減少速度定数との関係を示す図である。こ
こで、図中の◆印は式(ロ)の値が本発明の範囲内にあ
るものを表し、□印は本発明の範囲外のものを表す。
【0085】TiO2 /Tiの値が50以上では、見掛
けのTi減少速度定数は0.0015(1/s)未満と
なり、Tiの酸化損失が抑制され、Ti含有量の制御性
が向上する。なお、TiO2 /Tiの値が150を超え
ると、Ti減少速度は小さいものの、その効果は飽和し
ている。
【0086】さらに、溶鋼の低酸素化およびTi添加歩
留まりの向上におよぼすスラグ中へのTiO2 添加の効
果を確認するための試験を行った。溶鋼の化学組成は
C:0.45%、Si:0.7%、Mn:1.0%、
S:0.17%、P:0.015%、Al:0.002
%とした。スラグはCaO−SiO2−TiO2−Al2
3−MgO系であり、スラグ中へTiO2 を添加した
場合の配合量は、溶鋼中の目標Ti含有量に対して、T
iO2 /Tiの値が100となるように調整した。(C
aO+MgO)/SiO2 の値は2.5〜3.0となる
ように調整し、Ti添加後180〜1020秒後のT.
O含有量およびTi添加歩留りを調査した。
【0087】図6は、溶鋼中のT.O含有量に対するス
ラグ中へのTiO2 添加の効果を示す図であり、図7
は、溶鋼中のTi添加歩留りに対するスラグ中へのTi
2 添加の効果を示す図である。
【0088】TiO2 の添加により、Tiの酸化損失は
抑制される。Tiの酸化損失によって溶鋼中に生成する
酸化物系介在物量は減少し、T.O含有量は減少する。
さらには、Ti添加歩留りも向上する。次にCa含有量
およびAl含有量を限定した場合の本発明における効果
を示す。溶鋼の化学組成をC:0.45%、Si:0.
7%、Mn:1.0%、S:0.17%、P:0.01
5%とした。スラグはCaO−SiO2−TiO2−Al
23−MgO系であり、スラグ中へのTiO2 添加量
は、溶鋼中の目標Ti含有量に対して、TiO2 /Ti
の値が100となるように配合し、(CaO+MgO)
/SiO2 の値は2.5〜3.0となるように調整し
た。その後Tiを添加し、180〜660秒経過した後
に、必要に応じてCa添加処理を行い、溶鋼成分のTi
が0.07〜0.11%、Caが0.0001〜0.0
06%、Alが0.0004〜0.006%とした後、
介在物形態および組成を調べるため、溶鋼から直径20
mm、高さ40mmの大きさのボンブサンプルを採取し
た。なお、ボンブサンプル採取段階でのスラグ組成は、
(CaO+MgO)/SiO2の値が2.5〜3.0、
TiO2 /Tiの値が50〜150、およびAl23
含有量が5〜13%の範囲であった。
【0089】図8は、溶鋼中のT.Ca含有量およびA
l含有量と介在物の形態との関係を示す図である。ここ
で、図中の●印で表示した点は介在物形態が球状である
ことを示し、□印で表示した点は介在物がTiO2 系で
あることを示し、△印で表示した点は介在物がCaS系
であることを示し、そして◇印で表示した点は介在物が
Al23 系であることを示す。
【0090】採取したボンブサンプルを横断面方向に切
断して研磨した後、その面に観察される酸化物系介在物
の組成をエネルギー分散型X線分析装置にて調べるとと
もに、その形態をつぎのように分類した。
【0091】すなわち、i)角部が少なく球状のもの
は、ボンブサンプル採取段階で溶融状態を呈していたと
認められる介在物であり、ii)それ以外のものは、角部
がある介在物、または採取段階ではすでに固体状態を呈
していた介在物である、として分類した。
【0092】介在物の形状の判定は、直径1〜10μm
の範囲にある10個の介在物を無作為に抽出し、その個
数の50%以上の介在物が呈する形態を以て、その介在
物の形態を代表する形態とした。介在物の化学組成につ
いては、それらの組成の算術平均値を以て介在物の化学
組成とした。図8から、溶鋼中のT.Ca:0.002
〜0.0050%、Al:0.0005〜0.005%
の範囲内においては、酸化物系介在物の組成は低融点の
組成、すなわち溶鋼段階において溶融状態であることを
示す球状の形態であることが判明した。また、これら球
状を呈した介在物は、CaO−SiO2−TiO2−Al
23−MgO系の多成分系であり、その平均化学組成
は、CaO:10〜30%、SiO2 :3〜15%、T
iO2 :20〜60%、Al23 :5〜40%、およ
びMgO:3〜10%であることも明らかとなった。
【0093】図9は、スラグ中のAl23 含有量およ
び溶鋼中のAl含有量と生成介在物の形態との関係を示
す図である。
【0094】同図から、以下のことが判明した。スラグ
中のAl23 含有量が12%を超えると、溶鋼中のA
l含有量が0.005%を超え、生成する介在物もAl
2 3 系となる。また、スラグ以外の合金などからのA
lの供給を極力低減した状態で、スラグ中のAl23
含有量を3%未満とした場合には、Al含有量が0.0
004%となり、介在物はTiO2 系となる。すなわ
ち、スラグ中のAl2 3 含有量が3〜12%の場合
に、介在物は球状の形態を呈することが確認された。
【0095】図8および9の結果より、溶鋼中のT.C
aを0.002〜0.005%、Alを0.0005〜
0.005%とし、スラグ中のAl23 含有量を3〜
12%に調整すれば、酸化物系介在物が低融点化し、被
削性向上の観点から好ましいことが裏付けられた。
【0096】
【発明の効果】本発明の溶製方法によれば、Tiおよび
Sを含有することによりTi炭硫化物を分散させ、高い
被削性が得られるチタン含有鋼を、Tiの高い添加歩留
りとTi含有量の良好な制御性のもとで溶製できるの
で、機械構造用鋼として必要な高清浄化の達成および製
造コストの低減に大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶鋼中のSiおよびAl含有量と到達T.O含
有量との関係を示す図である。
【図2】スラグ中の(CaO+MgO)/SiO2 の値
と溶鋼中のT.O含有量との関係を示す図である。
【図3】スラグ中の(CaO+MgO)/SiO2 の値
と溶鋼中の見掛けのTi減少速度定数との関係を示す図
である。
【図4】スラグ中の(CaO+MgO)/SiO2 の値
と溶鋼中のTi添加歩留りとの関係を示す図である。
【図5】スラグ中のTiO2 含有量と溶鋼中のTi含有
量との比TiO2/Tiの値と、溶鋼中の見掛けのTi
減少速度定数との関係を示す図である。
【図6】溶鋼中のT.O含有量に対するスラグ中へのT
iO2 添加の効果を示す図である。
【図7】溶鋼中のTi添加歩留りに対するスラグ中への
TiO2 添加の効果を示す図である。
【図8】溶鋼中のT.Ca含有量およびAl含有量と介
在物の形態との関係を示す図である。
【図9】スラグ中のAl23 含有量および溶鋼中のA
l含有量と生成介在物の形態との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 38/00 301 C22C 38/00 301M 38/14 38/14 (72)発明者 鬼頭 啓 福岡県北九州市小倉北区許斐町1番 株式 会社住友金属小倉内 Fターム(参考) 4K013 AA06 BA08 BA14 CB01 CB03 CB09 CF03 CF13 EA03 EA05 EA18 EA19 EA25 EA28

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】質量%で、C:0.1〜0.6%、Si:
    0.1〜1.5%、Mn:0.4〜2.0%、Ti:
    0.04〜0.25%、S:0.01〜0.2%、A
    l:0.0005〜0.10%、および全酸素含有量:
    0.005%以下を含有し、残部がFeおよび不純物か
    らなるチタン含有鋼の溶製方法であって、溶鋼中のSi
    およびAl含有量は下記式(イ)で表される関係を満足
    し、取鍋内スラグの組成はCaO、SiO2 、Al2
    3 、TiO2 およびMgOを主成分として、下記式
    (ロ)で表される関係を満足し、取鍋内スラグ中のTi
    2 含有量は2〜30%であり、スラグ中のTiO2
    有量と溶鋼中のTi含有量とが下記式(ハ)で表される
    関係を満足するように調整することを特徴とするチタン
    含有鋼の溶製方法。 Fn≧0.2 ・・・・・・・・・・・・・・(イ) ただし、 Fn=Si+10×Al 2.3≦(CaO+MgO)/SiO2 ≦5.0 ・・(ロ) 50≦TiO2 /Ti ・・・・・・・・・・(ハ) ここで、 Si、AlおよびTiは、それぞれ溶鋼中のSi、Al
    およびTiの含有量を表し、CaO、MgO、SiO2
    およびTiO2 は、それぞれ取鍋内スラグ中のCaO、
    MgO、SiO2 およびTiO2 の含有量を表す。
  2. 【請求項2】造滓剤としてTiO2 を含有する酸化物を
    取鍋内スラグに添加することにより、取鍋内スラグ中の
    TiO2 含有量が2〜30%、スラグ中のTiO2 含有
    量と溶鋼中のTi含有量とが下記式(ハ)で表される関
    係を満足するように調整することを特徴とする請求項1
    に記載のチタン含有鋼の溶製方法。 50≦TiO2 /Ti ・・・・・・・(ハ) ここで、 TiO2 およびTiは、それぞれスラグ中のTiO2
    含有量および溶鋼中のTiの含有量を表す。
  3. 【請求項3】溶鋼中のAl含有量が0.0005〜0.
    005%、全Ca含有量が0.0001〜0.005
    %、および取鍋内スラグ中のAl23 含有量が3〜1
    2%となるように調整することを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載のチタン含有鋼の溶製方法。
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