JP2003292700A - 軟質プロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

軟質プロピレン系樹脂組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた柔軟性、透明性および耐熱性を有する
新規な軟質プロピレン系樹脂組成物の提供。 【解決手段】 実質的に下記ブロック (I) およびブロ
ック (II) から構成されることを特徴とする軟質プロピ
レン系樹脂組成物。 ブロック (I): プロピレン系重合体であって、該重合体
中にhead to tail結合からなるプロピレン単位連鎖部を
有し、該連鎖部がアイソタクチックブロックを含むステ
レオブロック構造を有するプロピレン系重合体。 ブロック (II): 少なくともプロピレンおよびエチレン
を共重合成分として含有する共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な軟質プロピ
レン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】柔軟性、透明性、耐熱性を有する軟質樹
脂として、軟質塩化ビニルは従来より広く用いられてい
る。しかしながら、塩化ビニルは、焼却の際に有害な物
質を発生させるため、軟質塩化ビニルに代わる新規な軟
質樹脂の開発が望まれている。樹脂のコストを考慮する
と、オレフィン系の軟質樹脂がその候補のひとつとして
挙げられる。
【0003】たとえば、エチレンとα-オレフィンの共
重合により結晶性を低下させたエチレン系樹脂は、良好
な柔軟性と透明性を有することが知られている。しかし
ながら、このようなエチレン系樹脂においては、柔軟性
と透明性を向上させるために、コモノマーであるα-オ
レフィンの含量を上げると、一般に耐熱性も同時に低下
し、柔軟性、透明性、耐熱性の三者を同時に満足させる
ことがきわめて困難である。
【0004】一方、プロピレン系の軟質樹脂として、チ
ーグラーナッタ触媒やメタロセン触媒を用いて製造され
るアタクチックポリプロピレンが従来より知られてい
る。これらのうち、チーグラーナッタ触媒を用いて製造
されるアタクチックポリプロピレンは、分子量分布や立
体規則性分布が広いため、一般にべたつき成分が多く、
フィルムやシートへの応用は困難であった。また、メタ
ロセン触媒を用いて製造されるアタクチックポリプロピ
レンの場合には、分子量分布や立体規則性分布を狭くす
ることは可能であるものの、アタクチックポリプロピレ
ンが本質的に非晶性ポリマーであるため耐熱性に劣って
おり、上述のエチレン系共重合体と同様に、柔軟性、透
明性、耐熱性を同時に満足させることはできなかった。
【0005】また、アイソタクチックおよびアタクチッ
ク部分を有するステレオブロック構造のポリプロピレン
が知られているが、アイソタクチック部分が多いと結晶
性が高いために柔軟性が悪く、アイソタクチック部分を
減らすと、柔軟性および透明性は向上するが、耐熱性が
悪化してべたつきも顕著になるという欠点があり、柔軟
性、透明性および耐熱性を同時に満足させることはでき
なかった。また、従来公知のステレオブロック構造のポ
リプロピレンは、前記したようにべたつきが一般に顕著
であり、このため不活性炭化水素溶媒中の重合により製
造されていた。
【0006】さらに、アタクチックポリプロピレンおよ
びエチレン・プロピレン共重合体を含む軟質ポリプロピ
レン系樹脂組成物も検討されているが、アタクチックポ
リプロピレンおよびエチレン・プロピレン共重合体の両
者が、融点を示さないか、示したとしても低融点である
ため、上記アタクチックポリプロピレンと同様に耐熱性
に劣っており、柔軟性、透明性および耐熱性を同時に満
足させることはできなかった。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた柔
軟性、透明性および耐熱性を兼ね備えた新規な軟質ポリ
プロピレン系樹脂組成物を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、軟質ポリ
プロピレン系樹脂中のプロピレン連鎖部の構造を制御す
ることにより、上述の問題を解決できると考えた。とり
わけ、軟質ポリプロピレン系樹脂中のプロピレン連鎖部
の構造を制御し、かつ、ゴム質成分との組成物とするこ
とにより、上述の問題をさらに有効に解決できると考え
た。すなわち、軟質ポリプロピレン系樹脂中のポリプロ
ピレン部分が巨視的には低結晶性であり、微視的には微
結晶が存在し、この微結晶が組成物中に分散した構造を
形成できれば、柔軟性、透明性および耐熱性の三者を同
時に満足する樹脂を設計できると考えた。
【0009】こうした考えのもとに、軟質プロピレン系
樹脂組成物の設計に鋭意取り組んだ結果、プロピレン連
鎖部の構造がアイソタクチックブロックを含むステレオ
ブロック構造である軟質プロピレン系樹脂とゴム質成分
との組成物である軟質プロピレン系樹脂組成物が、上述
の課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
また、プロピレン連鎖部の構造を精密に制御することに
よって得られる軟質プロピレン系樹脂も、上述の課題を
解決できることを見出し、本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明の第1の要旨は、実質的
にブロック(I)およびブロック(II)から構成されること
を特徴とする軟質プロピレン系樹脂組成物に存する。 ブロック (I): プロピレン系重合体であって、該重合体
中のhead to tail結合からなるプロピレン単位連鎖部を
有し、該連鎖部が、アイソタクチックブロックを含むス
テレオブロック構造を有するプロピレン系重合体。 ブロック (II): 少なくともプロピレンおよびエチレン
を含む共重合体。
【0011】また、本発明の第2の要旨は、下記要件
(ア)〜(エ) を満足することを特徴とする軟質プロピレ
ン系樹脂組成物に存する。 要件 (ア): JIS K 7113に準拠して測定した引張弾性率
が10 MPa以上、300 MPa以下。 要件 (イ): JIS K 7105に準拠して測定した内部平行光
線透過率が70%以上、100%以下。 要件 (ウ): DSCで測定した融点ピークのピークトップ温
度が100℃以上、165℃以下の範囲に存在する。 要件(エ): JIS K 7365にしたがって測定したかさ密度が
0.3g/cm3以上である軟質プロピレン系樹脂の粒子から実
質的になること。
【0012】さらに、本発明の第3の要旨は、ステレオ
ブロック構造を有する軟質プロピレン系樹脂組成物であ
って、JIS K 7365にしたがって測定したかさ密度が0.3g
/cm3以上である軟質プロピレン系樹脂の粒子から実質的
になることを特徴とする軟質プロピレン系樹脂組成物に
存する。なお、ステレオブロックポリプロピレン自体は
広く知られているが、ステレオブロックポリプロピレン
とゴム質成分、とりわけ、エチレン・プロピレン共重合
体を混合した軟質樹脂組成物は、これまで知られていな
かった。すなわち、従来ステレオブロックポリプロピレ
ン自身が、一種のゴム質成分であるため、他のゴム質成
分を混合すること自体想起しえなかったものと考えられ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の軟質プロピレン系樹脂組成物は、実質的に以下
に説明するブロック (I) およびブロック (II) から構
成され、ブロック (I) およびブロック (II) がそれぞ
れ単位重合鎖上に存在する、いわゆる真のブロック共重
合体、両ブロックの物理的混合物あるいはこれらの混合
物のいずれをも含む。ブロック (I) ブロック (I) は、重合体のhead to tail結合からなる
プロピレン単位連鎖部が、アイソタクチックブロックを
含むステレオブロック構造を有するプロピレン系重合体
である。該プロピレン系重合体の分子量は特に限定され
ないが、通常重量平均分子量で5万以上、好ましくは10
万以上であって、通常200万以下、好ましくは100万以下
である。なお、該プロピレン系重合体の分子量とは、本
発明の軟質プロピレン系樹脂組成物がブロック(I) とブ
ロック (II) との真のブロック共重合体である場合、該
樹脂組成物を構成する一の共重合体に含まれるブロック
(I) の重合体に由来する部分の合計の分子量を意味
し、両ブロックの物理的混合物である場合、ブロック
(I) の重合体の分子量を意味する。
【0014】本発明における重量平均分子量の測定は、
オルトジクロロベンゼンなどを溶媒として、市販の装置
を用いて従来公知の方法で行われる。具体的には、はじ
めに、試料20 mgを30 mlのバイアル瓶に採取し、安定剤
としてBHTを0.04 wt%含有するオルトジクロロベンゼン2
0 gを添加する。135℃に加熱したオイルバスを用いて試
料を溶解させた後、孔径3 μmのPTFE (ポリテトラフル
オロエチレン) フィルターにて熱濾過を行い、ポリマー
濃度0.1 wt% の試料溶液を調製する。次に、カラムとし
てTSKgel GMH-HT (30 cm×4本) およびRI検出器を装着
したWaters社製GPC 150CVを使用し、GPC測定を行う。測
定条件としては、試料溶液のインジェクション量: 500
μl、カラム温度: 135℃、溶媒: オルトジクロロベンゼ
ン、流量: 1.0 ml/minを採用する。分子量の算出に際し
ては、標準試料として市販の単分散のポリスチレンを使
用し、該ポリスチレン標準試料およびポリプロピレンの
粘度式から、保持時間と分子量に関する校正曲線を作成
し、プロピレン重合体の分子量の算出を行う。なお、粘
度式としては、[η] = KMαを使用し、ポリスチレンに
対しては、K = 1.38E-4、α = 0.70、ポリプロピレンに
対しては、K = 1.03E-4、α = 0.78を使用する。
【0015】ブロック (I) のプロピレン系重合体と
は、プロピレンを含む重合体で実質的に構成されてお
り、具体的には例えば、(i) プロピレンの単独重合体、
ならびに(ii) プロピレンと、エチレンおよび/または
炭素数4〜20のα-オレフィンとの共重合体を意味する。
好ましいプロピレン系重合体としては、プロピレンの単
独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン
・1-ブテン共重合体およびプロピレン・エチレン・1-ブ
テン共重合体等が挙げられる。
【0016】プロピレン系重合体が共重合体である場合
には、プロピレン単位以外のオレフィン単位の含有量は
少ない方が最終的に得られる軟質プロピレン系樹脂組成
物のべたつきが抑えられるため好ましい。すなわち、ブ
ロック (I) を構成するプロピレン系共重合体中のプロ
ピレン単位以外のオレフィン単位の含有率として通常10
mol% 以下であって、5 mol%以下が好ましく、3 mol%
以下がさらに好ましい。
【0017】本発明の軟質ポリプロピレン系樹脂組成物
は、ブロック (I) の重合体中のhead to tail結合から
なるプロピレン単位連鎖部を有し、該連鎖部がアイソタ
クチックブロックを含むステレオブロック構造を有する
ことに一つの特徴を有する。ここで、アイソタクチック
ブロックとは、少なくとも4個のプロピレンが、頭-尾
(head to tail) 結合で結合し、かつ、メチル分岐の絶
対配置がすべて同一である部分構造である。このような
部分構造の存在は、13C-NMRスペクトルにおいて、mmmm
あるいはmmmrに帰属されるピ−クの存在により確認され
る。
【0018】また、本発明において、ステレオブロック
構造とは、該アイソタクチックブロックが、アイソタク
チックブロック以外の部分構造、すなわち、立体規則性
が乱れたプロピレン連鎖によって連結されている構造を
示す。このような部分構造の存在は、ブロック (I) を
構成する重合体の13C-NMRスペクトルにおいて、rmmr、m
mrr、mmrm、rmrr、rmrm、rrrr、rrrm、mrrmに帰属され
るピ−クのすべて、もしくは一部の存在により確認され
る。
【0019】なお、アタクチックポリプロピレンは、部
分的にアイソタクチックブロックを少量含んでいるが、
これは、プロピレン単量体のメチル分岐の絶対配置が統
計的にランダムに配置されており、ステレオブロックポ
リプロピレンとは異なる。ステレオブロックポリプロピ
レンという概念は、たとえば、D. T. Mallin et al.,J.
Am. Chem. Soc., 112, 2030 (1990)、G. W. Coates et
al., Science, 267,217 (1995) などの文献で、すでに
公知である。
【0020】本発明においては、以下の方法で13C-NMR
スペクトルを測定する。試料350〜500 mgを、10 mm φ
のNMR用サンプル管中で、約2.2 mlのオルトジクロロベ
ンゼンを用いて完全に溶解させる。次いで、ロック溶媒
として約0.2 mlの重水素化ベンゼンを加え、均一化させ
た後、130℃でプロトン完全デカップリング法により測
定を行う。測定条件は、フリップアングル90°、パルス
間隔5T1以上 (T1は、メチル基のスピン-格子緩和時間の
うち最長の値) とする。プロピレン重合体において、メ
チレン基およびメチン基のスピン-格子緩和時間はメチ
ル基のそれよりも短いので、この測定条件では、すべて
の炭素の磁化の回復は99% 以上である。なお、定量精度
を上げるため、13C核の共鳴周波数として125 MHz以上の
NMR装置を使用し、20時間以上の積算を行うのが好まし
い。
【0021】ケミカルシフトは、頭-尾 (head to tail)
結合からなるプロピレン単位連鎖部の10種類のペンタ
ッド (mmmm, mmmr, rmmr, mmrr, mmrm, rmrr, rmrm, rr
rr,rrrm, mrrm) のうち、メチル分岐の絶対配置がすべ
て同一である、すなわち、mmmmで表されるプロピレン単
位5連鎖の第3単位目のメチル基にもとづくピークのピー
クトップのケミカルシフトを21.8 ppmとして設定し、こ
れを基準として他の単位5連鎖の第3単位目のメチル基に
もとづくピークのピークトップのケミカルシフトを決定
する。この基準では、例えば、その他のプロピレン単位
5連鎖の場合、ピークトップのケミカルシフトはおおむ
ね次のようになる。すなわち、mmmr: 21.5〜21.7 ppm、
rmmr: 21.3〜21.5 ppm、mmrr: 21.0〜21.1 ppm、mmrmお
よびrmrr: 20.8〜21.0 ppm、rmrm: 20.6〜20.8 ppm、rr
rr: 20.3〜20.5 ppm、rrrm: 20.1〜20.3 ppm、mrrm: 1
9.9〜20.1 ppmである。なお、これらのペンタッドに由
来するピークのケミカルシフトは、NMRの測定条件によ
って多少の変動があること、および、ピークは必ずしも
単一ピーク (single peak) ではなく、微細構造にもと
づく複雑な分裂パターン (split pattern) を示すこと
が多い点に注意して帰属を行う必要がある。
【0022】ブロック (I) の重合体が以下の条件 (A)
〜(C) の少なくとも一つを満たすと、本発明の軟質プロ
ピレン系重合体はより好ましい物性を得ることができ、
(A)〜(C)の全てを満たすと、更に好ましい物性を得るこ
とができる。(A)〜(C) の少なくとも一つ、または全て
を満たしたうえで、さらに、要件 (D) を満たす場合
に、より好ましい性質の軟質プロピレン系樹脂組成物が
得られる。なお、条件 (A)〜(D) はブロック (I) の重
合体の結晶性を規定する条件であり、条件 (A) および
(B) はプロピレンの位置不規則性、条件 (C) は立体規
則性、そして条件 (D) はステレオブロック性に関す
る。
【0023】条件 (A) 重合体の主鎖に、2,1-挿入したプロピレン単量体および
/または1,3-挿入したプロピレン単量体に基づく位置不
規則単位が存在すること。さらに、全プロピレン挿入に
対する2,1-挿入と1,3-挿入に基づく位置不規則単位が存
在することが好ましい。
【0024】本要件を満たすと本発明の軟質プロピレン
系重合体は柔軟性に関してさらに好ましい結果を得るこ
とができる。全プロピレン挿入に対する2,1-挿入と1,3-
挿入に基づく位置不規則単位の比率の和は通常0.05%以
上、好ましくは0.1%以上、さらに好ましくは0.5%以上
であって、通常5%以下、好ましくは4.5%以下、さらに
好ましくは4%以下である。以下、(A)-1; ブロック (I)
を構成する重合体がプロピレンの単独重合である場合
と (A)-2; ブロック (I) を構成する重合体がプロピレ
ンとエチレンおよび/または炭素数4〜20のα-オレフィ
ンである場合とに分けて説明する。
【0025】(A)-1; ブロック (I) を構成する重合体が
プロピレンの単独重合である場合 プロピレンの重合は、メチレン基が触媒の活性サイトと
結合する1,2-挿入で規則的に進行するのが普通である
が、まれに、2,1-挿入あるいは1,3-挿入することがあ
る。2,1-挿入で重合されたプロピレン単量体は、重合体
主鎖中において、下記部分構造 (I) および (II)で表さ
れる位置不規則単位を形成する。また、1,3-挿入で重合
されたプロピレン単量体は、重合体主鎖中において、下
記部分構造 (III) で表される位置不規則単位を形成す
る。
【0026】
【化3】 全プロピレン挿入に対する2,1-挿入したプロピレンの割
合、および、1,3-挿入したプロピレンの割合は、下記式
で計算される。
【0027】
【数1】 式中、ΣI (x-y) は、13C-NMRスペクトルにおいて、x p
pmからy ppmに現れる信号の積分強度和を表し、ΣI (CH
3) は、末端を除く全メチル基に由来する信号の積分強
度和である。これは、次の式で求められる。
【0028】
【数2】 なお、14.5〜18.0 ppmに現れる信号は、2,1-挿入したプ
ロピレンのメチル基の炭素に由来するものであり、19.5
〜24.4 ppmに現れる信号は、1,2-挿入したプロピレンの
メチル基の炭素に由来するものである。また、27.5〜2
8.0 ppmに現れる信号は、1,3-挿入したプロピレン中の2
個のメチレン炭素に由来するものである。
【0029】(A)-2; ブロック (I) を構成する重合体が
プロピレンとエチレンおよび/または炭素数4〜20のα-
オレフィンの単独重合である場合13 C-NMRスペクトルにもとづいて (A)-1と同様の解析を
行うことにより、2,1-挿入と1,3-挿入に基づく位置不規
則単位の量を定量することができる。このような位置不
規則単位は、一般に重合体の結晶性を低下させるため、
本発明においては、重合体の柔軟性を向上させる作用を
しているものと考えられる。かりに、こうした位置不規
則単位がないとすると、プロピレン重合体の結晶性を低
下させる手段としては、立体規則性を低下させるか、あ
るいは、コモノマー量を増やすしかない。これらの方法
では、一般に、重合体のべたつきが顕著になる傾向があ
り、応用上好ましくない。したがって、柔軟性ならびに
べたつきを考慮すると、位置不規則単位を適度に主鎖に
持つ構造が、両者のバランス上好ましいと言える。
【0030】条件 (B) 2,1-挿入したプロピレン単量体と1,3-挿入したプロピレ
ン単量体に基づく位置不規則単位の両者が主鎖中に存在
すること。本発明のブロック (I) を構成する重合体に
2,1-挿入したプロピレン単量体および1,3-挿入したプロ
ピレン単量体の両者に基づく位置不規則単位が主鎖中に
存在するものが、より効果的に結晶性を低下させ、重合
体の柔軟性を向上させるうえで好ましい。また、1,3-挿
入に基づく位置不規則単位の比率が2,1-挿入に基づく位
置不規則単位の比率よりも多い方が、べたつきなどを総
合した性能において良好な物性となるため、より一層好
ましい。
【0031】条件 (C) 重合体中のhead to tail結合からなるプロピレン単位連
鎖部に、rmrmで表されるペンタッドに帰属される部分構
造が存在し、その存在比率が、head to tail結合からな
るプロピレン単位連鎖部の全ペンタッドに対して7% 以
下存在すること。
【0032】本発明の軟質プロピレン系樹脂組成物は、
構成するブロック (I) が、本要件を満たす場合、柔軟
性に関して好ましい性質が得られる。なお、rmrmで表さ
れるペンタッドが存在していれば柔軟性が向上するが、
全ペンタッドに対して0.2%以上存在することが好まし
い。rmrmなる部分構造は、触媒の立体規制 (stereo-con
trol) に関して、エラーが2回続けて起こることを意味
する。したがって、このような部分構造の存在は、ブロ
ック (I) の重合体の結晶性が効果的に乱されることに
なり、柔軟性に富む樹脂を得ることができる。7%を越え
ると、樹脂がべたつく傾向にあるため、7% 以下とする
ことが好ましい。
【0033】条件 (D) 重合体中のhead to tail結合からなるプロピレン単位連
鎖部のメチル基の炭素原子に由来する13C-NMRピークを
観測し、mmmmで表されるペンタッドに帰属されるピーク
のピークトップのケミカルシフトを21.8 ppmとした際
に、19.8 ppmから22.2 ppmに現れるピークの総面積Sに
対し、21.8 ppmをピークトップとするピークの面積S1
比率が40% 以上かつ95% 以下であり、かつ、21.5〜21.7
ppmをピークトップとするピークの面積をS2としたと
き、4 + (2S1/S2 )> 5(すなわちS1/S 2 >0.5)である
こと。
【0034】上記Sに対するS1の比率の範囲は、通常40%
以上、好ましくは50% 以上であって、95% 以下、好ま
しくは92% 以下である。頭-尾 (head to tail) 結合か
らなるプロピレン単位連鎖部の全10種類のペンタッド
は、Sで表される19.8 ppmから22.2 ppmの間にケミカル
シフトを示し、Sに対するS1の比率は、ブロック (I) を
構成する重合体のステレオブロック性と関連している。
一般に、Sに対するS1の比率が高いほど、ブロック (I)
を構成する重合体の結晶性が高くなる傾向がある。Sに
対するS1の比率が95% を越えると、結晶性が高くなりす
ぎ、最終的に得られるプロピレン系樹脂の柔軟性が大き
く損なわれる。逆に、Sに対するS1の比率が40% 未満で
は、樹脂のべたつきが顕著になり、これも好ましくな
い。
【0035】また、本発明においては、5 < 4 + (2S1/S
2)であるが、好ましくは、9 < 4 +(2S1/S2)であって、
通常 4 + (2S1/S2)< 500、好ましくは、4 + (2S1/S2)<
300である。4 + (2S1/S2)に関する性質は、Waymouthら
により、アイソタクチックブロックインデックス (BI)
と名づけられた指数 (特表平9-510745号: 参照) と密接
な関連がある。BIは、重合体のステレオブロック性を表
す指標であり、BI = 4 + 2 [mmmm] / [mmmr] で定義さ
れる。より具体的には、BIは、4個以上のプロピレン単
位を有するアイソタクチックブロックの平均連鎖長を表
す (J. W. Collete et al., Macromol., 22, 3858 (198
9); J. C. Randall, J. Polym. Sci. Polym. Phys. E
d., 14, 2083 (1976)) 。統計的に完全なアタクチック
ポリプロピレンの場合、BI = 5となる。したがって、BI
= 4 + 2 [mmmm] / [mmmr] > 5は、重合体中に含まれる
アイソタクチックブロックの平均連鎖長が、アタクチッ
クポリプロピレンのそれよりも長いことを意味する。ま
た、一般に、アイソタクチックプロピレン連鎖におい
て、結晶化可能な最小単位は、モノマー数4とされてい
る。
【0036】本発明の場合、4 + (2S1/S2)は、上述のBI
と完全には同一でないものの、おおむね対応しているこ
とから、4 + (2S1/S2)> 5という要件は、本発明の重合
体が、アタクチックポリプロピレンとは異なり、さら
に、結晶化可能な連鎖長のアイソタクチックブロックを
含有することを意味する。なお、本発明の目的は、柔軟
性・透明性・耐熱性を兼ね備えた新規な軟質ポリプロピ
レン系樹脂組成物の提供であるが、このうち、柔軟性と
耐熱性を両立させるひとつの良い手段が、ブロック (I)
への立体規則性分布、あるいは、結晶性分布の導入で
ある。すなわち、ブロック (I) を、全体としては比較
的低立体規則性あるいは比較的低結晶性としながら、か
つ、立体規則性もしくは結晶性の異なるポリマー鎖の混
合物としてブロック (I) を形成させることにより、柔
軟性と耐熱性を両立させることができる。こうした立体
規則性分布もしくは結晶性分布の導入は、たとえば、立
体規制能の異なる2種以上の触媒の混合物を用いて重合
を行ったり、立体規制能の異なる触媒で重合した重合体
を重合後にブレンドすることによって製造することがで
きる。また、こうした立体規則性分布や、結晶性分布
は、CFC (Cross Fractionation Chromatograph) によ
り、溶出温度分布として観測することができる。
【0037】ブロック (II) ブロック (II) は、プロピレンおよびエチレンを共重合
成分として含有し、必要に応じて炭素数4〜20のα-オレ
フィンを共重合成分として含有するもので、ブロック
(I)とは異なる共重合体である。該共重合体中のエチレ
ンと必要に応じて用いられる炭素数4〜20のα-オレフィ
ンとの含量の合計は0.1〜40 mol% である。エチレンと
炭素数4〜20のα-オレフィンとの比率は特に限定され
ず、目的とする共重合体に応じて適宜調製する。該共重
合体の好ましい様態としては、プロピレン・エチレン共
重合体や、プロピレン・1-ブテン共重合体、プロピレン
・エチレン・1-ブテン共重合体などが挙げられる。ブロ
ック (II) の共重合体の分子量は特に限定されないが、
重量平均分子量で通常5万以上、好ましくは10万以上で
あって、通常200万以下、好ましくは100万以下である。
該共重合体の分子量とは、本発明の軟質プロピレン系樹
脂組成物がブロック (I) とブロック (II) との真のブ
ロック共重合体である場合、該樹脂組成物を構成する一
の共重合体に含まれるブロック (II) の共重合体に由来
する部分のトータルの分子量を意味し、両ブロックの物
理的混合物である場合、ブロック (II) の共重合体の分
子量を意味する。
【0038】共重合体中のエチレンと必要に応じて用い
られる炭素数4〜20のα-オレフィンとの含量の合計が0.
1〜40 mol%でない場合には、物性の低下が起きる。例え
ば、共重合体中のエチレンと、必要に応じて用いられる
炭素数4〜20のα-オレフィンとの含量の合計が40 mol%
を越えると、柔軟性は得られるものの透明性の低下が起
こりやすくなるため、40 mol%以下とするのが好まし
い。より好ましい含量は5〜40mol%であり、更に好まし
くは7〜30mol%、特に好ましくは10〜25mol%である。
【0039】軟質プロピレン系樹脂組成物 本発明の軟質プロピレン系樹脂組成物は、実質的にブロ
ック (I) とブロック(II) から構成される軟質プロピレ
ン系樹脂であるが、実質的にとは、本発明の軟質プロピ
レン系樹脂組成物が、必須成分としてブロック (I) お
よびブロック(II) を含有し、両者の合計量が、少なく
とも軟質プロピレン系樹脂組成物全体の80重量%以上で
あることであり、軟質プロピレン系樹脂組成物全体に対
して通常20重量%以下、なかでも10重量%以下であれば、
従来公知の添加剤、フィラー、顔料、ミネラルオイル、
樹脂改質材などの任意成分の添加を妨げるものではな
い。
【0040】ブロック (I) とブロック (II) の比率に
ついては、ブロック (I) を、ブロック (I) とブロック
(II) の合計に対して、通常5重量%以上、好ましくは20
重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上であって、通
常95重量%以下、好ましくは85重量%以下、さらに好まし
くは80重量%以下含む。そして、ブロック (II) を、ブ
ロック (I) とブロック (II) の合計に対して、通常5重
量%以上、好ましくは15重量%以上、さらに好ましくは20
重量%以上であって、通常95重量%以下、好ましくは80重
量%以下、さらに好ましくは70重量%以下含む。
【0041】本発明の軟質プロピレン系樹脂組成物の分
子量は特に限定されないが、実用的な応用を考えると、
重量平均分子量Mwとして通常7万以上、好ましくは13万
以上、さらに好ましくは16万以上であって、通常200万
以下、好ましくは100万以下である。分子量が7万以下で
あると、引張り強度等の力学物性が低下し、べたつきが
顕著になる。また、分子量が200万以上であると成形性
に劣るため好ましくない。なお、該軟質プロピレン系樹
脂組成物の分子量とは、本発明の軟質プロピレン系樹脂
組成物がブロック (I) とブロック (II) との真のブロ
ック共重合体である場合、該樹脂組成物を構成する一の
共重合体を対象とした分子量であり、両ブロックの物理
的混合物である場合、ブロック (I) の重合体およびブ
ロック (II) の共重合体の分子量である。
【0042】軟質プロピレン系樹脂組成物の製造方法 本発明の要件を満たす樹脂組成物が製造できる方法であ
れば特に限定されず、任意の製造方法を用いることがで
きる。一般的には、まずブロック (I) を第1段階重合工
程で生成させ、次いで、ブロック (II) を第2段階重合
工程で製造する方法や、ブロック (I) とブロック (II)
を別途重合し、それぞれを物理的に混合して製造する
方法が例示されるが、ブロック (I) とブロック (II)
を2段階の重合で行う、いわゆるブロック共重合体の製
造が好ましい。すなわち、各重合反応において、同様の
メタロセン触媒を使用することによって、製造コストを
抑えることや、製造工程や設備を簡略化できる点で工業
的に有利である。
【0043】ブロック (I) の製造方法 ブロック (I) の特徴の一つとして、アイソタクチック
ブロックを含むステレオブロック構造を有することが挙
げられるが、アイソタクチックブロックを含むステレオ
ブロック構造を得るためには、(a) ポリプロピレンのエ
ピ化 (epimerization) による製造方法、ならびに触媒
に特徴のある製造方法として、(b) Ziegler-Natta触
媒、(c) いわゆるCollette触媒、および、(d) シングル
サイト触媒による製造方法を挙げることができる。 (a) ポリプロピレンのエピ化 (epimerization) による
製造方法 U. W. Suter et al., J. Am. Chem. Soc., 14, 528 (19
81) によると、アイソタクチックポリプロピレンをPd/C
やPd/Al2O3のような触媒でエピ化(異性化)させること
により、アタクチックポリプロピレンが得られる。本論
文には、統計的にほぼ完全なアタクチックポリプロピレ
ンの生成しか報告されていないが、アイソタクチックポ
リプロピレンからアタクチックポリプロピレンに至る途
中で反応を止めることによって、ステレオブロックポリ
プロピレンの製造が可能となり、エピ化の温度と時間に
よってステレオブロック構造の制御が可能である。な
お、この製造法は、ミクロタクティシティの制御が比較
的難しく、反応に高温を必要とする。
【0044】(b) Ziegler-Natta触媒による製造方法 Ziegler-Natta触媒による製造方法は、古くから知られ
ている。Nattaは、J. Polym. Sci., 34, 531 (1959) な
らびに、U.S. Patent 3,175,999において、TiCl 3系触媒
にてプロピレン重合体を製造し、該重合体から溶媒分別
によってステレオブロックポリプロピレンを得ている。
また、U.S. Patent 4,971,936において、Mg担持型触媒
を用いるステレオブロックポリプロピレンの製造法が公
開されている。ステレオブロック性を制御するために
は、ルイス塩基の添加で触媒の立体規則性を制御する方
法や、溶媒の種類、温度により、分別で得られるポリマ
ーの結晶性を制御する方法が挙げられる。なお、これら
の方法においては、アイソタクチックポリプロピレンや
アタクチックポリプロピレンが大量に副生するため、目
的とするステレオブロックポリプロピレンを単独で得よ
うとすると、Nattaのように重合体の溶媒分別などの手
法が必要となる。
【0045】(c) いわゆるCollette触媒による製造方法 いわゆるCollette触媒による製造方法も公知である (U.
S. Patent 4,335,225;J. W. Collette et al., Macromo
lecules, 22, 3851 (1989) など) 。Collette触媒は、
一般式R4M/Al2O3で表される触媒であり、Rとしては、ベ
ンジル基やネオフィル基などが、Mとしてはジルコニウ
ムが主として用いられている。この触媒を用いることに
より、ステレオブロックポリプロピレンを製造すること
が可能であり、重合温度および上記Rを変化させること
でステレオブロック構造が変化することが知られてい
る。なお、この触媒でもアイソタクチックポリプロピレ
ンの副生は避けられない。また、分子量分布ならびに立
体規則性分布が広く、かつ、分子量が一般にかなり高く
なる。
【0046】(d) シングルサイト触媒による製造方法 近年、メタロセン触媒のようなシングルサイト触媒によ
るステレオブロックポリプロピレンの製造方法が知られ
るようになった。上述の (a)〜(c) の製造方法がいくつ
かの欠点を有しているのに対して、シングルサイト触媒
による製造方法は、本発明の軟質プロピレン系樹脂組成
物を製造するのに最も適している。これは、一般にシン
グルサイト触媒が、リガンドのデザインによりミクロタ
クティシティを制御できること、分子量分布や立体規則
性分布がシャープであることなどが理由として挙げられ
る。シングルサイト触媒のなかでも、メタロセン触媒が
ミクロタクティシティを精密に制御できる点で、好適に
用いられる。ミクロタクティシティは、リガンドの構造
や、温度、助触媒などの重合条件により制御される。前
記したD. T. Mallin et al., J. Am. Chem. Soc., 112,
2030 (1990) 、G.W. Coates et al., Science, 267, 2
17 (1995) は、メタロセン触媒によるステレオブロック
ポリプロピレンの製造例である。
【0047】また、本発明の特徴の一つである、主鎖中
における2,1-挿入および/または1,3-挿入の量を制御す
る方法については、(i) 重合触媒の構造によって制御す
る方法、(ii) 重合温度によって制御する方法、(iii)
モノマー濃度によって制御する方法、(iv) 重合時の水
素濃度によって制御する方法等を挙げることができる。
2,1-挿入および/または1,3-挿入量の温度依存性や、モ
ノマー濃度依存性、水素濃度依存性は、使用する触媒に
よって異なるので一概に言うことはできない。したがっ
て、使用する触媒の性質にもとづいて、これらの条件を
制御する。
【0048】rmrmで表されるペンタッドの比率を全ペン
タッドに対して7%以下に制御するためには、例えば、C1
-対称性メタロセン触媒を用いる場合には、触媒のリガ
ンドで決定され、一例を挙げれば、アズレン系のC1-対
称性メタロセン触媒を用いることにより可能になる。S1
とS2を40 < S1/S < 95 (%) および4 + S1/S2 > 5の範囲
に制御する方法としては、(i) 重合触媒の構造によって
制御する方法、(ii) 重合温度によって制御する方法、
(iii) モノマー濃度によって制御する方法; 等を挙げる
ことができる。S1, S2の温度依存性や、モノマー濃度依
存性は、使用する触媒によって異なるので一概に言うこ
とはできない。したがって、使用する触媒の性質にもと
づいて、これらの条件を制御する。
【0049】上記の通り、ステレオブロック構造を有す
るポリプロピレンを得るためには、(d) シングルサイト
触媒による製造方法が好ましく、シングルサイト触媒の
中でも、架橋基を有するC1-対称性アンサ-メタロセン
(ansa-metallocene) がより好ましい。非架橋のメタロ
センも本発明の軟質プロピレン系樹脂組成物の製造に適
用できるが、一般に架橋基を有するアンサ-メタロセン
の方が、熱安定性などに優れているため、特に工業的な
見地から好ましい。そして、架橋基を有するC1-対称性
アンサ-メタロセンの中でも、共役5員環配位子を有する
架橋された4族遷移金属化合物のC1-対象性を有するメタ
ロセンがさらに好ましい。このような遷移金属化合物は
公知であり、それをα-オレフィン重合用触媒成分とし
て使用することも知られている。
【0050】以下、上記した (d) シングルサイト触媒
によるブロック (I) の製造法の一例として、メタロセ
ン触媒を用いた場合について説明する。反応原料は、プ
ロピレンならびにエチレンおよび/または炭素数4〜20
のα-オレフィンから、目的とする構成成分に応じて任
意に選択し、目的とする重合体の構成割合によって各成
分の量を決定する。
【0051】重合方法に特に制限はなく、プロパン、ブ
タン、ヘキサン、ヘプタンおよびトルエン等の不活性炭
化水素溶媒中で行う方法、液化α-オレフィン中で行う
方法、または実質的に溶媒を使用しない気相重合で行う
方法を挙げることができる。溶媒を使用しないのがより
好ましい。生成した重合体が媒体に溶解する、いわゆる
溶液重合でもよい。
【0052】シングルサイト触媒を用い、ブロック (I)
を第1段階重合工程で生成させ、次いで、ブロック (I
I) を第2段階重合工程で製造する場合、第1段階で生成
するブロック(I)が全重合体生成量に占める割合につい
ては特に制限はないが、通常は5〜95重量%、好ましくは
20〜85重量%、さらに好ましくは30〜80重量%となるよう
に重合温度および重合時間を設定する。重合温度は通常
-20〜150℃、好ましくは0〜100℃の範囲である。分子量
調節剤としては水素が好ましい。
【0053】本発明のブロック (I) を得るためには、
メタロセン触媒は、以下の触媒成分[A] を必須成分と
し、触媒成分 [B] を含有することが好ましい。触媒成
分 [B]が触媒成分 [C] を含有するとさらに好ましい。 触媒成分 [A]: メタロセン 触媒成分 [B]: 助触媒 触媒成分 [C]: 有機アルミニウム化合物 以下、各成分につき説明する。 触媒成分 [A]: メタロセン 本発明プロピレン重合体の製造に好ましく用いられるメ
タロセンは、一般式:Q(C5H4-aR2 a)(C5H4-bR3 b )MXYで表
されるC1-対称性メタロセンであり、Qは2つの共役5員環
配位子を架橋する結合性基を、Mは周期律表4族遷移金属
を、XおよびYは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、
炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化
水素基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基、炭素数1〜
20のリン含有炭化水素基または炭素数1〜20のケイ素含
有炭化水素基を、R2およびR3はそれぞれ独立して、炭素
数1〜40、好ましくは1〜20の炭化水素基、ハロゲン、炭
素数1〜40、好ましくは1〜20のハロゲン含有炭化水素
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ケイ素含有炭化
水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基また
はホウ素含有炭化水素基を示す。また、隣接する2個のR
2および/またはR3がそれぞれ結合して4〜10員環を形成
していてもよい。aおよびbは、それぞれ独立して、0≦a
≦4、0≦b≦4を満足する整数である。
【0054】2個の共役5員環配位子の間を架橋する結合
性基Qとしては、具体的には下記のようなものが挙げら
れ、Qが炭素を含む場合の炭素数は通常1〜20である。す
なわち、メチレン基、エチレン基のようなアルキレン
基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン
基、フェニルメチリデン基、ジフェニルメチリデン基の
ようなアルキリデン基、ジメチルシリレン基、ジエチル
シリレン基、ジプロピルシリレン基、ジフェニルシリレ
ン基、メチルエチルシリレン基、メチルフェニルシリレ
ン基、メチル-t-ブチルシリレン基、ジシリレン基、テ
トラメチルジシリレン基のようなケイ素含有架橋基、ジ
メチルゲルミレン基、ジエチルゲルミレン基、ジフェニ
ルゲルミレン基、メチルフェニルゲルミレン基のような
ゲルマニウム含有架橋基、アルキルフォスフィンジイル
基、イミノ基等である。これらのうち、アルキレン基、
アルキリデン基、ケイ素含有架橋基、ゲルマニウム含有
架橋基が特に好ましく用いられる。
【0055】上記一般式において、R2および/またはR3
は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル
基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチ
ル基、イソペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル
基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニ
ル基、デシル基、フェニル基、t-ブチルフェニル基、ナ
フチル基等の置換されていてもよい炭素数1〜40の炭化
水素基、フルオロメチル基、フルオロエチル基、フルオ
ロフェニル基、フルオロナフチル基、フルオロビフェニ
ル基、クロロメチル基、クロロエチル基、クロロフェニ
ル基、クロロナフチル基、クロロビフェニル基等のハロ
ゲンを含有していてもよい炭素数1〜40の炭化水素基、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコ
キシ基、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ペンタメ
チルフェノキシ基等のアリールオキシ基、トリメチルシ
リル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基等
のケイ素含有炭化水素基、または、リン含有炭化水素
基、窒素含有炭化水素基、ホウ素含有炭化水素基であ
る。
【0056】R2が複数個存在するときは、それらは同一
でも異なっていてもよい。また、2個のR2がシクロペン
タジエニル環の隣接する炭素原子に存在する場合は、相
互に結合して4〜10員環を形成し、インデニル基、テト
ラヒドロインデニル基、フルオレニル基、オクタヒドロ
フルオレニル基、アズレニル基、ヘキサヒドロアズレニ
ル基等となってもよい。同様に、R3が複数個存在すると
きは、それらは同一でも異なっていてもよい。また、2
個のR3がシクロペンタジエニル環の隣接する炭素原子に
存在する場合は、相互に結合して4〜10員環を形成し、
インデニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレニ
ル基、オクタヒドロフルオレニル基、アズレニル基、ヘ
キサヒドロアズレニル基等となってもよい。本発明にお
いては、一般式: Q(C5H4-aR2 a)(C5H4-bR3 b )MXYで表さ
れるメタロセンがC1-対称性を有していればよいので、C
1-対称性が保持されるかぎり、R2とR3は同じであっても
良いし、異なっていてもよい。
【0057】Mは、周期律表4族から選ばれる遷移金属原
子であり、なかでもチタニウム、ジルコニウム、ハフニ
ウムが好ましく、ジルコニウム、ハフニウムがさらに好
ましい。XおよびYは、それぞれ独立して水素原子、ハロ
ゲン原子、アミノ基、ならびに炭素数1〜20、好ましく
は1〜10の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含
有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、アルコキシ基、ア
ルキルアミド基、炭素数1〜20、好ましくは1〜12のリン
含有炭化水素基およびケイ素含有炭化水素基等である。
XとYは同一でも異なっていてもよい。これらのうちハロ
ゲン、炭化水素基およびアルキルアミド基が好ましい。
【0058】Mがジルコニウムである場合、この遷移金
属化合物の具体例としては、 (1) ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエ
ニル) (2-メチル-1-インデニル) ジルコニウム] (2)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2,4-ジメチル-1-インデニル) ジルコニウム] (3)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2-メチル-4-フェニル-1-インデニル) ジルコニウ
ム] (4)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2-メチル-4-イソプロピル-1-インデニル) ジルコ
ニウム] (5)ジクロロ [ジメチルシリレン (9-フルオレニル) (2,
4-ジメチル-1-インデニル) ジルコニウム] (6)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2-エチル-4-メチル-1-インデニル) ジルコニウム] (7)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2-エチル-4-フェニル-1-インデニル) ジルコニウ
ム] (8)ジクロロ [エチレン (シクロペンタジエニル) (2-メ
チル-1-インデニル) ジルコニウム] (9)ジクロロ [エチレン (シクロペンタジエニル) (2,4-
ジメチル-1-インデニル)ジルコニウム] (10)ジクロロ [エチレン (シクロペンタジエニル) (2-
メチル-4-フェニル-1-インデニル) ジルコニウム] (11)ジクロロ [エチレン (シクロペンタジエニル) (2-
メチル-4-イソプロピル-1-インデニル) ジルコニウム] (12)ジクロロ [エチレン (9-フルオレニル) (2,4-ジメ
チル-1-インデニル) ジルコニウム] (13)ジクロロ [エチレン }8197 (シクロペンタジエニ
ル) (2-エチル-4-メチル-1-インデニル) ジルコニウム] (14)ジクロロ [エチレン (シクロペンタジエニル) (2-
エチル-4-フェニル-1-インデニル) ジルコニウム] (15)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2-メチルテトラヒドロ-1-インデニル) ジルコニウ
ム] (16)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2,4-ジメチルテトラヒドロ-1-インデニル) ジルコ
ニウム] (17)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2-メチル-4-フェニルテトラヒドロ-1-インデニル)
ジルコニウム] (18)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2-メチル-4-イソプロピルテトラヒドロ-1-インデ
ニル) ジルコニウム] (19)ジクロロ [ジメチルシリレン (2-メチル-1-シクロ
ペンタジエニル) (2,4-ジメチルテトラヒドロ-1-インデ
ニル) ジルコニウム] (20)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2-エチル-4-メチルテトラヒドロ-1-インデニル)
ジルコニウム] (21)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2-エチル-4-フェニルテトラヒドロ-1-インデニル)
ジルコニウム] (22)ジクロロ [エチレン (シクロペンタジエニル) (2-
メチルテトラヒドロ-1-インデニル) ジルコニウム] (23)ジクロロ [エチレン (シクロペンタジエニル) (2,4
-ジメチルテトラヒドロ-1-インデニル) ジルコニウム] (24)ジクロロ [エチレン (シクロペンタジエニル) (2-
メチル-4-フェニルテトラヒドロ-1-インデニル) ジルコ
ニウム] (25)ジクロロ [エチレン (シクロペンタジエニル) (2-
メチル-4-イソプロピルテトラヒドロ-1-インデニル) ジ
ルコニウム] (26)ジクロロ [エチレン (9-フルオレニル) (2,4-ジメ
チルテトラヒドロ-1-インデニル) ジルコニウム] (27)ジクロロ [エチレン (シクロペンタジエニル) (2-
エチル-4-メチルテトラヒドロ-1-インデニル) ジルコニ
ウム] (28)ジクロロ [エチレン (シクロペンタジエニル) (2-
エチル-4-フェニルテトラヒドロ-1-インデニル) ジルコ
ニウム] 等が例示される。
【0059】また、チタニウム化合物、ハフニウム化合
物等の他の第4〜6族遷移金属化合物についても、上記と
同様の化合物が挙げられる。なお、これらの化合物につ
いては、複数の異なる構造を有する化合物の混合物を用
いてもよい。複数の異なる構造を有する化合物の混合物
を用いることにより、本発明のブロック (I) に立体規
則性分布を導入することができる。立体規則性分布の導
入は、柔軟でありながら、比較的高い融点を有する樹脂
の設計を可能とするため、本発明においては、好ましい
様態のひとつである。またさらに、公知の三塩化チタン
を主成分とする固体触媒やマグネシウム、チタン、ハロ
ゲンを必須成分として含有する担体担持型触媒を補助的
に用いることもできる。
【0060】本発明において、特に好ましく用いられる
遷移金属化合物は、下記の一般式 (I) で表され、かつC
1-対称性を有する化合物である。
【0061】
【化4】 一般式 (I) 中、A1およびA2は、異なる共役5員環配位子
であって、A1およびA2の少なくとも一方は、共役5員環
配位子上の隣接した置換基が結合し、5員環の2原子を含
めて形成された7〜10員の縮合環を有し、Qは、2つの共
役5員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基、Mは、
周期律表4族から選ばれる遷移金属原子を示し、そし
て、XおよびYは、それぞれ独立して、Mと結合した水素
原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルキルアミド基、
ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、窒素含有
炭化水素基、リン含有炭化水素基、ケイ素含有炭化水素
基、硫黄含有基を示す。
【0062】上記の共役5員環配位子の典型例として
は、例えば、置換シクロペンタジエニル基を挙げること
が出来る。該置換基の具体例としては、炭素数が通常1
〜40、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜15の炭化水
素基を挙げることができる。例えば、メチル基、エチル
基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブ
チル基、イソブチル基、ペンチル基、シクロペンチル
基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、フェ
ニル基、ナフチル基、ブテニル基、ブタジエニル基、ト
リフェニルカルビル基などが挙げられる。
【0063】上記の炭化水素基以外の置換基としては、
ケイ素、酸素、窒素、リン、ホウ素、硫黄などの原子を
含有する炭化水素残基が挙げられる。その典型例として
は、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、フリル
基、トリメチルシリル基、ジエチルアミノ基、ジフェニ
ルアミノ基、ピラゾリル基、インドリル基、カルバゾリ
ル基、ジメチルフォスフィノ基、ジフェニルフォスフィ
ノ基、ジフェニルホウ素基、ジメトキシホウ素基、チエ
ニル基などが挙げられる。
【0064】その他の置換基としては、ハロゲン原子又
はハロゲン含有炭化水素基などが挙げられる。その典型
的例としては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素、トリクロ
ロメチル基、クロロフェニル基、クロロビフェニル基、
クロロナフチル基、トリフルオロメチル基、フルオロフ
ェニル基、フルオロビフェニル基、フルオロナフチル
基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
【0065】また、前記したように、A1およびA2の少な
くとも一方は、共役5員環配位子上の隣接した置換基が
結合し、5員環の2原子を含めて7〜10員の縮合環を形成
する。このような具体例としては、アズレン等の化合物
やその誘導体を挙げることができる。さらに具体的に
は、ヒドロアズレニル基、メチルヒドロアズレニル基、
エチルヒドロアズレニル基、ジメチルヒドロアズレニル
基、メチルエチルヒドロアズレニル基、メチルイソプロ
ピルヒドロアズレニル基、メチルフェニルイソプロピル
ヒドロアズレニル基、各種アズレニル基の水添体、ビシ
クロ-[6.3.0]-ウンデカニル基、メチル-ビシクロ-[6.3.
0]-ウンデカニル基、エチル-ビシクロ-[6.3.0]-ウンデ
カニル基、フェニル-ビシクロ-[6.3.0]-ウンデカニル
基、メチルフェニル-ビシクロ-[6.3.0]-ウンデカニル
基、エチルフェニル-ビシクロ-[6.3.0]-ウンデカニル
基、メチルジフェニル-ビシクロ-[6.3.0]-ウンデカニル
基、メチル-ビシクロ-[6.3.0]-ウンデカジエニル基、メ
チルフェニル-ビシクロ-[6.3.0]-ウンデカジエニル基、
エチルフェニル-ビシクロ-[6.3.0]-ウンデカジエニル
基、メチルイソプロピル-ビシクロ-[6.3.0]-ウンデカジ
エニル基、ビシクロ-[7.3.0]-ドデカニル基及びその誘
導体、ビシクロ-[7.3.0]-ドデカジエニル基及びその誘
導体、ビシクロ-[8.3.0]-トリデカニル基及びその誘導
体、ビシクロ-[8.3.0]-トリデカジエニル基及びその誘
導体などが例示される。
【0066】上記の各基の置換基としては、前述した炭
化水素基、ケイ素、酸素、窒素、リン、ホウ素、硫黄な
どの原子を含有する炭化水素基、ハロゲン原子又はハロ
ゲン含有炭化水素基などが挙げられる。Qは、2つの共役
5員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基を示す。
すなわち、Qは、2価の結合性基であり、A1とA2とを架橋
する。Qの種類に特に制限はないが、その具体例とし
て、炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜12の2価の炭化
水素基またはハロゲン化炭化水素基、具体的には、アル
キレン基、シクロアルキレン基、アリーレン等の不飽和
炭化水素基、ハロアルキレン基、ハロシクロアルキレン
基、シリレン基またはオリゴシリレン基、炭素数が通常
1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素基またはハロゲン化
炭化水素基を置換基として有するシリレン基またはオリ
ゴシリレン基、ゲルミレン基、炭素数が通常1〜20の炭
化水素基またはハロゲン化炭化水素基を置換基として有
するゲルミレン基などを挙げることができる。これらの
中では、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレ
ン基、炭化水素基を置換基として有するシリレン基また
はゲルミレン基が好ましい。
【0067】Mは、周期律表4族から選ばれる遷移金属原
子を示し、好ましくは、ジルコニウムまたはハフニウム
である。XおよびYは、それぞれ独立して、Mと結合した
水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルキルアミド
基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、窒素
含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、ケイ素含有炭化
水素基、硫黄含有基を示す。上記の各炭化水素基におけ
る炭素数は、通常1〜20、好ましくは1〜12である。これ
らの中では、水素原子、塩素原子、メチル基、イソブチ
ル基、フェニル基、ジメチルアミド基、ジエチルアミド
基、スルフィナト基が好ましい。
【0068】本発明における遷移金属化合物の具体例と
しては次の化合物が挙げられる。 (29)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (30)ジクロロ [ジメチルシリレン (2-メチル-1-シクロ
ペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハ
フニウム (31)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2-メチル-4-フェニル-4H-1-アズレニル)] ハフニ
ウム (32)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2-メチル-4-イソプロピル-4H-1-アズレニル)] ハ
フニウム (33)ジクロロ [ジメチルシリレン (2-エチル-1-シクロ
ペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハ
フニウム (34)ジクロロ [ジメチルシリレン (9-フルオレニル)
(2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (35)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2-エチル-4-メチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウ
ム (36)ジクロロ [ジメチルシリレン (2-メチル-1-シクロ
ペンタジエニル) (2-エチル-4-メチル-4H-1-アズレニ
ル)] ハフニウム (37)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2-エチル-4-フェニル-4H-1-アズレニル)] ハフニ
ウム (38)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2-エチル-4-イソプロピル-4H-1-アズレニル)] ハ
フニウム (39)ジクロロ [ジメチルシリレン (9-フルオレニル) (2
-エチル-4-メチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (40)ジクロロ [ジメチルシリレン (2,3-ジメチル-1-シ
クロペンタジエニル) (2-エチル-4-メチル-4H-1-アズレ
ニル)] ハフニウム (41)ジクロロ [エチレン (シクロペンタジエニル) (2,4
-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (42)ジクロロ [エチレン (2-メチル-1-シクロペンタジ
エニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (43)ジクロロ [エチレン (シクロペンタジエニル) (2-
メチル-4-フェニル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (44)ジクロロ [エチレン (シクロペンタジエニル) (2-
メチル-4-イソプロピル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (45)ジクロロ [エチレン (2-メチル-1-シクロペンタジ
エニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (46)ジクロロ [エチレン (9-フルオレニル) (2,4-ジメ
チル-4H-1-アズレニル)]ハフニウム (47)ジクロロ [エチレン (シクロペンタジエニル) (2-
エチル-4-メチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (48)ジクロロ [エチレン (2-メチル-1-シクロペンタジ
エニル) (2-エチル-4-メチル-4H-1-アズレニル)] ハフ
ニウム (49)ジクロロ [ジメチルシリレン (2-メチル-1-シクロ
ペンタジエニル) (2-エチル-4-フェニル-4H-1-アズレニ
ル)] ハフニウム (50)ジクロロ [ジメチルシリレン (2-メチル-1-シクロ
ペンタジエニル) (2-エチル-4-イソプロピル-4H-1-アズ
レニル)]ハフニウム (51)ジクロロ [エチレン (9-フルオレニル) (2-エチル-
4-メチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (52)ジクロロ [エチレン (9-フルオレニル) (2-エチル-
4-イソプロピル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (53)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2-n-プロピル-4-メチル-4H-1-アズレニル)] ハフ
ニウム (54)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2-イソプロピル-4-メチル-4H-1-アズレニル)] ハ
フニウム (55)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2-n-ブチル-4-メチル-4H-1-アズレニル)] ハフニ
ウム (56)ジクロロ [ジメチルシリレン (2-メチル-1-シクロ
ペンタジエニル) (2-n-プロピル-4-メチル-4H-1-アズレ
ニル)] ハフニウム (57)ジクロロ [ジメチルシリレン (2-メチル-1-シクロ
ペンタジエニル) (2-イソプロピル-4-メチル-4H-1-アズ
レニル)] ハフニウム (58)ジクロロ [ジメチルシリレン (2-メチル-1-シクロ
ペンタジエニル) (2-n-ブチル-4-メチル-4H-1-アズレニ
ル)] ハフニウム (59)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2,4,8-トリメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (60)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2,4,6-トリメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (61)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2,4,7-トリメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (62)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2,4-ジメチル-6-イソプロピル-4H-1-アズレニル)]
ハフニウム (63)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2,4-ジメチル-7-イソプロピル-4H-1-アズレニル)]
ハフニウム (64)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2,4-ジメチル-8-イソプロピル-4H-1-アズレニル)]
ハフニウム (65)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2,4-ジメチル-6-エチル-4H-1-アズレニル)] ハフ
ニウム (66)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2,4-ジメチル-7-エチル-4H-1-アズレニル)] ハフ
ニウム (67)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2,4-ジメチル-8-エチル-4H-1-アズレニル)] ハフ
ニウム (68)ジクロロ {[ジ (クロロメチル) シリレン] (シクロ
ペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)} ハ
フニウム (69)ジクロロ {[ジ (4-クロロフェニル) シリレン] (シ
クロペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニ
ル)} ハフニウム (70)ジクロロ [ジメチルメチレン (シクロペンタジエニ
ル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (71)ジクロロ [ジメチルゲルミレン (シクロペンタジエ
ニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (72)ジクロロ [ジメチルゲルミレン (2-メチル-1-シク
ロペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)]
ハフニウム (73)ジクロロ [ジメチルゲルミレン (2,3-ジメチル-1-
シクロペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニ
ル)] ハフニウム (74)ジクロロ [ジメチルゲルミレン (9-フルオレニル)
(2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (75)ジクロロ [ジメチルゲルミレン (シクロペンタジエ
ニル) (2-エチル-4-メチル-4H-1-アズレニル)] ハフニ
ウム (76)ジクロロ [ジメチルゲルミレン (シクロペンタジエ
ニル) (2-n-プロピル-4-メチル-4H-1-アズレニル)] ハ
フニウム (77)ジクロロ [ジメチルゲルミレン (シクロペンタジエ
ニル) (2-イソプロピル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (78)ジクロロ [ジメチルゲルミレン (シクロペンタジエ
ニル) (2-n-ブチル-4-メチル-4H-1-アズレニル)] ハフ
ニウム (79)ジクロロ [ジメチルゲルミレン (2-メチル-1-シク
ロペンタジエニル) (2-エチル-4-メチル-4H-1-アズレニ
ル)] ハフニウム (80)ジクロロ [ジメチルゲルミレン (2,3-ジメチル-1-
シクロペンタジエニル) (2-エチル-4-メチル-4H-1-アズ
レニル)] ハフニウム (81)ジクロロ [ジメチルゲルミレン (9-フルオレニル)
(2-エチル-4-メチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (82)ジクロロ [ジメチルゲルミレン (2-メチル-1-シク
ロペンタジエニル) (2-n-プロピル-4-メチル-4H-1-アズ
レニル)] ハフニウム (83)ジクロロ [ジメチルゲルミレン (2,3-ジメチル-1-
シクロペンタジエニル) (2-n-プロピル-4-メチル-4H-1-
アズレニル)] ハフニウム (84)ジクロロ [ジメチルゲルミレン (9-フルオレニル)
(2-n-プロピル-4-メチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウ
ム (85)ジクロロ [ジメチルシリレン (3-トリメチルシリル
-1-シクロペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレ
ニル)] ハフニウム (86)ジクロロ [ジメチルシリレン (3-トリメチルシリル
-1-シクロペンタジエニル) (2-エチル-4-メチル-4H-1-
アズレニル)] ハフニウム (87)ジクロロ [ジメチルゲルミレン (3-トリメチルシリ
ル-1-シクロペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズ
レニル)] ハフニウム (88)ジクロロ [ジメチルゲルミレン (3-トリメチルシリ
ル-1-シクロペンタジエニル) (2-エチル-4-メチル-4H-1
-アズレニル)] ハフニウム (89)ジブロモ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (90)ジブロモ [ジメチルシリレン (2-メチル-1-シクロ
ペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハ
フニウム (91)ジブロモ [ジメチルシリレン (2,3-ジメチル-1-シ
クロペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニ
ル)] ハフニウム (92)ジブロモ [ジメチルシリレン (9-フルオレニル)
(2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (93)ジヨード [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (94)ジヨード [ジメチルシリレン (2-メチル-1-シクロ
ペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハ
フニウム (95)ジヨード [ジメチルシリレン (2,3-ジメチル-1-シ
クロペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニ
ル)] ハフニウム (96)ジヨード [ジメチルシリレン (9-フルオレニル)
(2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (97)ジメチル [ジメチルシリレン (シクロペンタジエニ
ル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (98)ジメチル [ジメチルシリレン (2-メチル-1-シクロ
ペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハ
フニウム (99)ジメチル [ジメチルシリレン (2,3-ジメチル-1-シ
クロペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニ
ル)] ハフニウム (100)ジメチル [ジメチルシリレン (9-フルオレニル)
(2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (101)ジヒドリド [ジメチルシリレン (シクロペンタジ
エニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (102)ジヒドリド [ジメチルシリレン (2-メチル-1-シク
ロペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)]
ハフニウム (103)ジヒドリド [ジメチルシリレン (2,3-ジメチル-1-
シクロペンタジエニル)(2,4-ジメチル-4H-1-アズレニ
ル)] ハフニウム (104)ジヒドリド [ジメチルシリレン (9-フルオレニル)
(2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (105)ビス (ジメチルアミド) [ジメチルシリレン (シク
ロペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)]
ハフニウム (106)ビス (ジメチルアミド) [ジメチルシリレン (2-メ
チル-1-シクロペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4H-1-ア
ズレニル)] ハフニウム (107)ビス (ジメチルアミド) [ジメチルシリレン (2,3-
ジメチル-1-シクロペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4H-
1-アズレニル)] ハフニウム (108)ビス (ジメチルアミド) [ジメチルシリレン (9-フ
ルオレニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニ
ウム (109)ビスフェノキシ [ジメチルシリレン (シクロペン
タジエニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニ
ウム (110)ビスフェノキシ [ジメチルシリレン (2-メチル-1-
シクロペンタジエニル)(2,4-ジメチル-4H-1-アズレニ
ル)] ハフニウム (111)ビスフェノキシ [ジメチルシリレン (2,3-ジメチ
ル-1-シクロペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズ
レニル)] ハフニウム (112)ビスフェノキシ [ジメチルシリレン (9-フルオレ
ニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (113)ビスメタンスルフィナト [ジメチルシリレン (シ
クロペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニ
ル)] ハフニウム (114)ビスメタンスルフィナト [ジメチルシリレン (2-
メチル-1-シクロペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4H-1-
アズレニル)] ハフニウム (115)ビスメタンスルフィナト [ジメチルシリレン (2,3
-ジメチル-1-シクロペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4H
-1-アズレニル)] ハフニウム (116)ビスメタンスルフィナト [ジメチルシリレン (9-
フルオレニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフ
ニウム(117)ビストリフルオロメタンスルフィナト [ジ
メチルシリレン (シクロペンタ ジエニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウ
ム (118)ビストリフルオロメタンスルフィナト [ジメチル
シリレン (2-メチル-1-シクロペンタジエニル) (2,4-ジ
メチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (119)ビストリフルオロメタンスルフィナト [ジメチル
シリレン (2,3-ジメチル-1-シクロペンタジエニル) (2,
4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (120)ビストリフルオロメタンスルフィナト [ジメチル
シリレン (9-フルオレニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズ
レニル)] ハフニウム (121)ビス-p-トルエンスルフィナト [ジメチルシリレン
(シクロペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレ
ニル)] ハフニウム (122)ビス-p-トルエンスルフィナト [ジメチルシリレン
(2-メチル-1-シクロペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4
H-1-アズレニル)] ハフニウム (123)ビス-p-トルエンスルフィナト [ジメチルシリレン
(2,3-ジメチル-1-シクロペンタジエニル) (2,4-ジメチ
ル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (124)ビス-p-トルエンスルフィナト [ジメチルシリレン
(9-フルオレニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)]
ハフニウム (125)ジクロロ [ジメチルシリレン (1-インデニル) (2,
4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (126)ジクロロ [ジメチルシリレン (2-メチル-1-インデ
ニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (127)ジクロロ [ジメチルシリレン (1-インデニル) (2-
エチル-4-メチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (128)ジクロロ [ジメチルシリレン (2-メチル-1-インデ
ニル) (2-エチル-4-メチル-4H-1-アズレニル)] ハフニ
ウム (129)ジブロモ [ジメチルシリレン (1-インデニル) (2,
4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (130)ジブロモ [ジメチルシリレン (2-メチル-1-インデ
ニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (131)ジブロモ [ジメチルシリレン (1-インデニル) (2-
エチル-4-メチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (132)ジブロモ [ジメチルシリレン (2-メチル-1-インデ
ニル) (2-エチル-4-メチル-4H-1-アズレニル)] ハフニ
ウム (133)ジヨード [ジメチルシリレン (1-インデニル) (2,
4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (134)ジヨード [ジメチルシリレン (2-メチル-1-インデ
ニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (135)ジヨード [ジメチルシリレン (1-インデニル) (2-
エチル-4-メチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (136)ジヨード [ジメチルシリレン (2-メチル-1-インデ
ニル) (2-エチル-4-メチル-4H-1-アズレニル)] ハフニ
ウム (137)ジメチル [ジメチルシリレン (1-インデニル) (2,
4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (138)ジメチル [ジメチルシリレン (2-メチル-1-インデ
ニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (139)ジメチル [ジメチルシリレン (1-インデニル) (2-
エチル-4-メチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (140)ジメチル [ジメチルシリレン (2-メチル-1-インデ
ニル) (2-エチル-4-メチル-4H-1-アズレニル)] ハフニ
ウム (141)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエ
ニル) (2,4-ジメチル-4H-5,6,7,8-テトラヒドロ-1-アズ
レニル)] ハフニウム (142)ジクロロ [ジメチルシリレン (2-メチル-1-シクロ
ペンタジエニル) (2,4-ジメチル-4H-5,6,7,8-テトラヒ
ドロ-1-アズレニル)] ハフニウム (143)ジクロロ [ジメチルシリレン (2-メチル-1-インデ
ニル) (2,4-ジメチル-4H-5,6,7,8-テトラヒドロ-1-アズ
レニル)] ハフニウム (144)ジクロロ [ジメチルシリレン (9-フルオレニル)
(2,4-ジメチル-4H-5,6,7, 8-テトラヒドロ-1-アズレニル)] ハフニウム (145)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエ
ニル) (2-クロロメチル-4-メチル-4H-1-アズレニル)]
ハフニウム (146)ジクロロ [ジメチルシリレン (シクロペンタジエ
ニル) (2-メチル-4-クロロメチル-4H-1-アズレニル)]
ハフニウム (147)ジクロロ [ジメチルシリレン (2-メチル-1-インデ
ニル) (2-メチル-4-フェニル-4H-1-アズレニル)] ハフ
ニウム (148)ジクロロ [ジメチルシリレン (2-メチル-1-インデ
ニル) (2-メチル-4-イソプロピル-4H-1-アズレニル)]
ハフニウム (149)ジクロロ [ジメチルシリレン (2-メチル-1-インデ
ニル) (2-メチル-4-イソブチル-4H-1-アズレニル)] ハ
フニウム (150)ジクロロ [ジメチルシリレン (1,2,3,4,5,6,7,8-
オクタヒドロ-9-フルオレニル) (2-メチル-4-フェニル-
4H-1-アズレニル)] ハフニウム (151)ジクロロ [ジメチルシリレン (1,2,3,4,5,6,7,8-
オクタヒドロ-9-フルオレニル) (2-メチル-4-イソブチ
ル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (152)ジクロロ [ジメチルシリレン (1,2,3,4,5,6,7,8-
オクタヒドロ-9-フルオレニル) (2-メチル-4-イソプロ
ピル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (153)ジクロロ [ジメチルシリレン (2-メチル-1-インデ
ニル) (2-メチル-4-フェニル-4H-1-アズレニル)] ハフ
ニウム (154)ジクロロ [ジメチルシリレン (2-メチル-1-インデ
ニル) (2-メチル-4-(4-t-ブチルフェニル)-4H-1-アズレ
ニル)] ハフニウム (155)ジクロロ [ジメチルシリレン (2-メチル-1-インデ
ニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハフニウム (156)ジクロロ [ジメチルシリレン (2-メチルベンゾ
[e] インデニル) (2-メチル-4-フェニル-4H-1-アズレニ
ル)] ハフニウム (157)ジクロロ [ジメチルシリレン (2-メチルベンゾ
[e] インデニル) (2,4-ジメチル-4H-1-アズレニル)] ハ
フニウム (158)ジクロロ [ジメチルシリレン (2-メチル-5,6-シク
ロトリメチレン-1-インデニル) (2-メチル-4-フェニル-
4H-1-アズレニル)] ハフニウム また、先に例示した化合物の中心金属 M がハフニウム
の代わりに、チタン、ジルコニウムに代わった化合物も
例示することが出来る。これらは2種以上組み合わせて
用いてもよい。また、重合を多段で行う場合に、重合の
第1段階終了時や第2段階の重合開始前に、新たに遷移金
属成分を追加してもよい。前記したように、複数の異な
る構造を有する化合物の混合物を用いることにより、本
発明のブロック (I) に立体規則性分布を導入すること
ができる。立体規則性分布の導入は、柔軟でありなが
ら、比較的高い融点を有する樹脂の設計を可能とするた
め、本発明においては、好ましい様態のひとつである。 触媒成分 [B]: 助触媒 本発明において [B] 成分の助触媒としては、必須成分
として (1) 有機アルミニウムオキシ化合物、(2) 成分
[A] と反応して成分 [A] をカチオンに交換することが
可能なイオン性化合物、(3) ルイス酸、(4) ケイ酸塩を
除くイオン交換性層状化合物、および無機ケイ酸塩、か
らなる群より選択される一種以上の物質を含むものであ
る。
【0069】[B]-(1) 有機アルミニウムオキシ化合物 有機アルミニウムオキシ化合物としては、具体的には、
次の一般式 (II)、(III)、(IV) で表される化合物が挙
げられる。
【0070】
【化5】 各一般式中、R3は、水素原子または炭化水素残基、好ま
しくは炭素数1〜10、特に好ましくは、炭素数1〜6の炭
化水素残基を示す。また、複数のR3はそれぞれ同一でも
異なっていてももよい。またpは0〜40、好ましくは2〜3
0の整数を示す。
【0071】一般式 (II) および (III) で表される化
合物は、アルミノキサンとも呼ばれる化合物であって、
一種類のトリアルキルアルミニウムまたは二種類以上の
トリアルキルアルミニウムと水との反応により得られ
る。具体的には、(a) 一種類のトリアルキルアルミニウ
ムと水とから得られる、メチルアルミノキサン、エチル
アルミノキサン、プロピルアルミノキサン、ブチルアル
ミノキサン、イソブチルアルミノキサン、(b) 二種類の
トリアルキルアルミニウムと水とから得られる、メチル
エチルアルミノキサン、メチルブチルアルミノキサン、
メチルイソブチルアルミノキサン等が挙げられる。これ
らの中では、メチルアルミノキサン、メチルイソブチル
アルミノキサンが好ましい。上記のアルミノキサンは、
複数種併用することも可能である。そして、上記のアル
ミノキサンは、公知の様々な条件下に調製することがで
きる。
【0072】一般式 (IV) で表される化合物は、一種類
のトリアルキルアルミニウムまたは二種類以上のトリア
ルキルアルミニウムと次の一般式 (V) で表されるアル
キルボロン酸との10:1〜1:1 (モル比) の反応により得
ることができる。一般式 (V)中、R4は、炭素数1〜10、
好ましくは炭素数1〜6の炭化水素残基またはハロゲン化
炭化水素基を示す。
【0073】
【化6】 R4−B(OH)2 (V) 具体的には、以下の様な反応生成物、すなわち、(a) ト
リメチルアルミニウムとメチルボロン酸の2:1の反応
物、(b) トリイソブチルアルミニウムとメチルボロン酸
の2:1反応物、(c) トリメチルアルミニウムとトリイソ
ブチルアルミニウムとメチルボロン酸の1:1:1反応物、
(d) トリメチルアルミニウムとエチルボロン酸の2:1反
応物、(e) トリエチルアルミニウムとブチルボロン酸の
2:1反応物などを挙げることができる。
【0074】[B]-2: 成分 [A] と反応して成分 [A] を
カチオンに変換することが可能なイオン性化合物 成分 [A] と反応して成分 [A] をカチオンに変換するこ
とが可能なイオン性化合物としては、一般式 (VI) で表
される化合物が挙げられる。
【0075】一般式 (VI) 中、Kはカチオン成分であっ
て、例えば、カルボニウムカチオン、トロピリウムカチ
オン、アンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、
スルホニウムカチオン、ホスフォニウムカチオン等が挙
げられる。また、それ自身が還元されやすい金属の陽イ
オンや有機金属の陽イオン等も挙げられる。
【0076】
【化7】[K]n+[Z]n- (VI) 上記のカチオンの具体例としては、トリフェニルカルボ
ニウム、ジフェニルカルボニウム、シクロヘプタトリエ
ニウム、インデニウム、トリエチルアンモニウム、トリ
プロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、N,N-
ジメチルアニリニウム、ジプロピルアンモニウム、ジシ
クロヘキシルアンモニウム、トリフェニルホスホニウ
ム、トリメチルホスホニウム、トリス (ジメチルフェニ
ル) ホスホニウム、トリス (ジメチルフェニル)ホスホ
ニウム、トリス (メチルフェニル)ホスホニウム、トリ
フェニルスルホニウム、トリフェニルスルホニウム、ト
リフェニルオキソニウム、トリエチルオキソニウム、ピ
リリウム、銀イオン、金イオン、白金イオン、銅イオ
ン、パラジウムイオン、水銀イオン、フェロセニウムイ
オン等が挙げられる。
【0077】上記の一般式 (VI) 中、Zは、アニオン成
分であり、成分 [A] が変換されたカチオン種に対して
対アニオンとなる成分 (一般には非配位の成分) であ
る。Zとしては、例えば、有機ホウ素化合物アニオン、
有機アルミニウム化合物アニオン、有機ガリウム化合物
アニオン、有機ヒ素化合物アニオン、有機アンチモン化
合物アニオン等が挙げられ、具体的には次の化合物が挙
げられる。すなわち、(a)テトラフェニルホウ素、テト
ラキス (3,4,5-トリフルオロフェニル) ホウ素、テトラ
キス {3,5-ビス (トリフルオロメチル) フェニル} ホウ
素、テトラキス {3,5-ジ (t-ブチル) フェニル} ホウ
素、テトラキス (ペンタフルオロフェニル) ホウ素等、
(b) テトラフェニルアルミニウム、テトラキス (3,4,5-
トリフルオロフェニル) アルミニウム、テトラキス {3,
5-ビス (トリフルオロメチル) フェニル} アルミニウ
ム、テトラキス {3,5-ジ (t-ブチル) フェニル} アルミ
ニウム、テトラキス (ペンタフルオロフェニル) アルミ
ニウム等、(c) テトラフェニルガリウム、テトラキス
(3,4,5-トリフルオロフェニル) ガリウム、テトラキス
{3,5-ビス (トリフルオロメチル) フェニル} ガリウ
ム、テトラキス{3,5-ジ (t-ブチル) フェニル} ガリウ
ム、テトラキス (ペンタフルオロフェニル) ガリウム
等、(d) テトラフェニルリン、テトラキス (ペンタフル
オロフェニル) リン等、(e)テトラフェニルヒ素、テト
ラキス (ペンタフルオロフェニル) ヒ素等、(f) テトラ
フェニルアンチモン、テトラキス (ペンタフルオロフェ
ニル) アンチモン等、(g) デカボレート、ウンデカボレ
ート、カルバドデカボレート、デカクロロデカボレート
等である。
【0078】[B]-3: ルイス酸 ルイス酸、特に成分 [A] をカチオンに変換可能なルイ
ス酸としては、種々の有機ホウ素化合物、金属ハロゲン
化合物、固体酸などが例示され、その具体例としては次
の化合物が挙げられる。すなわち、(a) トリフェニルホ
ウ素、トリス (3,5-ジフルオロフェニル) ホウ素、トリ
ス (ペンタフルオロフェニル) ホウ素等の有機ホウ素化
合物、(b) 塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ
化アルミニウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウ
ム、ヨウ化マグネシウム、塩化臭化マグネシウム、塩化
ヨウ化マグネシウム、臭化ヨウ化マグネシウム、塩化マ
グネシウムハイドライド、塩化マグネシウムハイドロオ
キシド、臭化マグネシウムハイドロオキシド、塩化マグ
ネシウムアルコキシド、臭化マグネシウムアルコキシド
等の金属ハロゲン化合物、(c) アルミナ、シリカ・アル
ミナ等の固体酸などを挙げることができる。
【0079】[B]-4: ケイ酸塩を除くイオン交換性層状
化合物または無機ケイ酸塩 ケイ酸塩を除くイオン交換性層状化合物は、イオン結合
等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積
み重なった結晶構造をとる化合物であり、含有するイオ
ンが交換可能なものを言う。ケイ酸塩を除くイオン交換
性層状化合物は、六方最密パッキング型、アンチモン
型、CdCl2 型、CdI2型等の層状の結晶構造を有するイオ
ン結晶性化合物等を例示することができる。具体的に
は、α-Zr(HAsO4 )2・H2O、α-Zr(HPO4)2、α-Zr(KPO4)2
・3H2O、α-Ti(HPO4)2、α-Ti(HAsO4)2・H2O、α-Sn(HP
O4)2・H2O、γ-Zr(HPO4)2、γ-Ti(HPO4)2、γ-Ti(NH4PO
4)2・ H2O等の多価金属の結晶性酸性塩があげられる。
【0080】また、無機ケイ酸塩としては、粘土、粘土
鉱物、ゼオライト、珪藻土等が挙げられる。これらは、
合成品を用いてもよいし、天然に産出する鉱物を用いて
もよい。粘土、粘土鉱物の具体例としては、アロフェン
等のアロフェン族、ディッカイト、ナクライト、カオリ
ナイト、アノーキサイト等のカオリン族、メタハロイサ
イト、ハロイサイト等のハロイサイト族、クリソタイ
ル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モン
モリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロ
ナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、
バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、イライ
ト、セリサイト、海緑石等の雲母鉱物、アタパルジャイ
ト、セピオライト、パイゴルスカイト、ベントナイト、
木節粘土、ガイロメ粘土、ヒシンゲル石、パイロフィラ
イト、リョクデイ石群等が挙げられる。これらは混合層
を形成していてもよい。
【0081】人工合成物としては、合成雲母、合成ヘク
トライト、合成サポナイト、合成テニオライト等が挙げ
られる。これら具体例のうち好ましくは、ディッカイ
ト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト等のカ
オリン族、メタハロサイト、ハロサイト等のハロサイト
族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の
蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデラ
イト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等の
スメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト
鉱物、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母鉱物、合
成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニ
オライトが挙げられ、特に好ましくはモンモリロナイ
ト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サ
ポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュ
ライト等のバーミキュライト鉱物、合成雲母、合成ヘク
トライト、合成サポナイト、合成テニオライトが挙げら
れる。
【0082】これら、ケイ酸塩を除くイオン交換性層状
化合物、または無機ケイ酸塩は、そのまま用いてもよい
が、塩酸、硝酸、硫酸等による酸処理および/または、L
iCl、NaCl、KCl、CaCl2 、MgCl2 、Li2SO4、MgSO4、ZnS
O4、Ti(SO4)2、Zr(SO4 )2、Al2 (SO4 )3等の塩類処理を
行ったほうが好ましい。なお、処理にあたり、対応する
酸と塩基を混合して反応系内で塩を生成させて処理を行
ってもよい。また、粉砕や造粒等の形状制御を行っても
よく、粒子性状に優れたブロック共重合体を得るために
は、造粒することが好ましい。また、上記成分は、通常
脱水乾燥してから用いる。これら [B] 成分の必須成分
としては、得られるブロック共重合体の粒子性状や、重
合活性の面で、[B]-(4) のケイ酸塩を除くイオン交換性
層状化合物、または無機ケイ酸塩を用いることが好まし
い。 触媒成分 [C]: 有機アルミニウム化合物 触媒成分 [C] は、触媒成分 [B] の任意成分である有機
アルミニウム化合物である。該有機アルミニウム化合物
は、AlR1 mZ3-m (式中、R1は、炭素数1〜20の炭化水素
基、Zは、水素、ハロゲン、アルコキシ基もしくはアリ
ールオキシ基、mは0<m≦3の数) で示される化合物であ
り、具体的にはトリメチルアルミニウム、トリエチルア
ルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチ
ルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、または
ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミ
ニウムエトキシド等のハロゲンもしくはアルコキシ含有
アルキルアルミニウム、または、ジエチルアルミニウム
ハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド
等の水素含有有機アルミニウム化合物である。またこの
他、メチルアルミノキサン等のアルミノキサン等も使用
できる。これらのうち、特に好ましいのはトリアルキル
アルミニウムである。これら任意成分は2種以上組み合
わせて用いてもよい。また、重合の第1段階開始後や終
了時、また、第2段階の重合開始前、開始後等に、新た
に任意成分 [C] を追加してもよい。
【0083】本発明で好適に用いられるメタロセン触媒
は、触媒成分 [A] および触媒成分[B] 、任意に触媒成
分 [C] の接触によって得られるが、その接触方法につ
いては特に限定されない。この接触は、触媒調製時だけ
でなく、α-オレフィンによる予備重合時または、α-オ
レフィンの重合時に行ってもよい。触媒各成分の接触
時、または接触後にポリエチレン、ポリプロピレン等の
重合体、シリカ、アルミナ等の無機酸化物の固体を共存
させるか、もしくは接触させてもよい。
【0084】接触は窒素等の不活性ガス中、ペンタン、
ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の不活性炭
化水素溶媒中で行ってもよい。これらの溶媒は、水や硫
黄化合物などの被毒物質を除去する操作を施したものを
使用するのが好ましい。接触温度は、-20℃ないし、使
用する溶媒の沸点の間で行い、特には、室温から使用す
る溶媒の沸点の間で行うのが好ましい。
【0085】触媒各成分の使用量は、触媒成分 [B] と
して、ケイ酸塩を除くイオン交換性層状化合物、または
無機ケイ酸塩を用いる場合は、触媒成分 [B] 1gあたり
触媒成分 [A] が0.0001〜10 mmol、好ましくは0.001〜5
mmolであり、触媒成分 [C]が0〜10,000 mmol、好まし
くは0.01〜100 mmolである。また、触媒成分 [A] 中の
遷移金属と触媒成分 [C] 中のアルミニウムの原子比が
1:0〜1,000,000、好ましくは、1:0.1〜100,000である。
【0086】このようにして得られた触媒は、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の不活
性炭化水素溶媒で洗浄して使用してもよいし、洗浄せず
に用いてもよい。洗浄の際に、必要に応じて新たに [C]
成分を組合せて用いてもよい。この際に用いられる
[C] 成分の量は、[A] 成分中の遷移金属に対する [C]
成分中のアルミニウムの原子比で1:0〜10,000になるよ
うにするのが好ましい。
【0087】触媒として、エチレン、プロピレン、1-ブ
テン、1-ヘキセン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテ
ン、3-メチル-1-ブテン、ビニルシクロアルカン、スチ
レン等のα-オレフィンを予備的に重合し、必要に応じ
て洗浄したもの使用することもできる。この予備重合は
窒素等の不活性ガス中、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素溶媒中で行
ってもよいし、液体プロピレン中で行ってもよい。
【0088】ブロック (II) の製造方法 ブロック (II) の製造方法は、特に限定されず、従来公
知の方法をとることができる。たとえば、三塩化チタン
触媒や、塩化マグネシウム担持型チタン系触媒の存在下
に、プロピレンとエチレン、必要に応じて、炭素数4〜2
0のα-オレフィンとの共重合を行わせる方法が挙げられ
る。
【0089】本発明における好ましい様態は、第1段階
で生成した重合体の存在下に、第1段階で使用した触媒
の少なくとも一部を失活させることなく、第2段階とし
て、プロピレンとエチレン、必要に応じて、炭素数4〜2
0のα-オレフィンとの共重合を行わせる方法である。な
お、これら第1段階および第2段階の重合の後、第3段階
以降の重合を追加的に行ってもよい。重合反応はプロパ
ン、ブタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン等の不活性
炭化水素や液化α-オレフィン等の液体の存在下あるい
は不在下に行われる。生成重合体が媒体に溶解するいわ
ゆる溶液重合であってもよい。これらのうち、実質的に
溶剤不存在下で重合を行うのが好ましい。触媒として
は、シングルサイト触媒が好ましい。本発明において
は、共重合体中のエチレンと、必要に応じて用いられる
炭素数4〜20のα-オレフィンとの含量の合計が、0.1〜4
0 mol% 、好ましくは5〜40mol%になるように重合条件を
制御する。一般的には、プロピレンとコモノマーである
エチレン、さらに、必要に応じて用いられる炭素数4〜2
0のα-オレフィンの重合反応器への供給比率を制御する
ことによって、この要件を満たすようにする。
【0090】第2段階で得られる重合体の量、また、必
要に応じて第3段階以降の重合段階を追加する場合に
は、第2段階以降で得られる重合体の量の合計量につい
ては、通常、全重合体生成量の95〜5重量%、好ましくは
80〜15重量%、さらに好ましくは70〜20重量%となるよう
に重合温度および重合時間が選ばれる。重合温度は、通
常0から100℃、好ましくは20から90℃の範囲から選ばれ
る。
【0091】また、本発明の軟質プロピレン系樹脂組成
物は、以下の要件 (ア)〜(エ) を満たすものである。 要件 (ア): JIS K 7113に準拠して測定した引張弾性率
が10 MPa以上、300 MPa以下。 要件 (イ): JIS K 7105に準拠して測定した内部平行光
線透過率が70%以上、100%以下。 要件 (ウ): DSCで測定した融点ピークのピークトップ温
度が100℃以上、165℃以下の範囲に存在する。 要件 (エ): 該軟質プロピレン系樹脂組成物が、JIS K 7
365にしたがって測定したかさ密度が0.3 g/cm3以上であ
る軟質プロピレン系樹脂の粒子から実質的になること。
【0092】以下、各要件について説明する。要件
(ア) は、柔軟性に関する要件であり、本発明の組成物
が、柔軟性に富む組成物であることを示す。この要件で
規定する引張弾性率は、具体的には以下の方法により測
定する。JIS K 7113に記載の2号形試験片を、厚さ2m
m、200mm角のプレスシートから打ち抜いて調製する。こ
の試験片のつかみ部分を、試験機(島津製作所(株)製
AG2000)のつかみ具に取り付ける。試験片に伸び計を取
り付け、引張り速度を50mm/minに設定して試験機を始動
し、弾性変形域内の規定するひずみに達するときまでの
荷重−伸び曲線を連続的又は適当なほぼ平均したひずみ
間隔で記録する。得られる引張応力−ひずみ曲線の初め
の直線部分を用いて、下記式により計算する。
【0093】
【数3】Em=Δσ/Δε (ここで、Emは引張弾性率(MPa)、Δσは直線上の2点
間の元の平均断面積による応力の差、Δεは同じ2点間
のひずみの差をそれぞれ表す。) 引張弾性率は、10 MPa以上、好ましくは15 MPa以上、よ
り好ましくは20 MPa以上であって、300 MPa以下、好ま
しくは250 MPa以下、より好ましくは200 MPa以下であ
る。
【0094】引張弾性率が10 MPa未満では、柔軟性が高
すぎ、結晶性成分が不足するために耐熱性が劣る傾向に
あり好ましくない。一方、引張弾性率が300 MPaを超え
ると、柔軟性が不足するばかりでなく、樹脂の結晶化度
が上がり、透明性も悪化するため好ましくない。要件
(イ) は、透明性に関する要件であり、本発明の組成物
が、透明性に優れた組成物であることを示す。
【0095】光線透過率の測定は、具体的には以下の方
法により測定する。50mm角の試験片を調製する。標準白
色板を取り付けて、装置(日本電色工業(株) ND-1001D
P)の指示を100(T1)に合わせ、入射光量を調整する。
標準白色板を取り付けたままで試験片を取り付けて、全
光線透過量(T2)を測定する。標準白色板及び試験片を
取り外し、ライトトラップを取り付けて装置の散乱光量
(T3)を測定する。ライトトラップを取り付けたままで
試験片を取り付けて、装置と試験片による散乱光量
(T4)を測定する。下記式により、光線透過率を算出す
る。
【0096】
【数4】Tp=T2−(T4-T3)(T2/100) (ここで、Tpは平行光線透過率(%)を表す。) 内部平行光線透過率は、70%以上、好ましくは75%以上、
より好ましくは80%以上である。
【0097】内部平行光線透過率が70%未満では透明性
が不足し、本発明の応用のひとつである軟質塩化ビニル
樹脂の代替が困難になるため好ましくない。要件 (ウ)
は、耐熱性に関する要件であり、本発明の組成物が優れ
た耐熱性を有することを示す。DSCによる融点ピークの
ピークトップ温度は、DuPont社製熱分析システムTA2000
を使用して、以下の方法で求める。試料 (約5〜10 mg)
を200℃で3分間融解後、10℃/minの速度で30℃まで降温
した後に、10℃/minで200℃まで昇温することにより融
解曲線を得て、最後の昇温段階における主吸熱ピークの
ピークトップ温度を融点として求める。
【0098】融点ピークのピークトップ温度は100℃以
上、好ましくは120℃以上、より好ましくは140℃以上で
あって、165℃以下、好ましくは162℃以下、より好まし
くは160℃以下である。融点ピークのピークトップ温度
が100℃未満では、耐熱性が不十分であり、加熱して使
用する用途において、該樹脂の使用が困難になり好まし
くない。一方、融点ピークトップ温度が165℃を超える
と、柔軟性が損なわれる傾向にあるとともに、透明性も
悪化する傾向にあるため好ましくない。
【0099】要件 (エ) は、本発明の組成物が、粒子状
の樹脂から得られることを示す。これは、本発明の組成
物は、べたつきが少ないことを示しており、工業的な生
産上、また実用上有利な性質である。かさ密度は、具体
的には以下の方法により測定する。JIS K 7365の図1に
示す漏斗を用意し、これを下部開口部がシリンダー(受
器:体積100ml±0.5ml、内径45ml±5mm)の上20〜30mm
になるように、かつ、それと軸が一致するように、垂直
に保持する。漏斗の下部開口部のダンパーを閉じ、その
中によく混合した試料110〜120mlを入れる。速やかにダ
ンパーを引き抜き、材料を受器の中に流下させる。受器
が一杯になったら、受器から盛り上がった材料を直線上
の板ですり落とす。はかりを用いて、受器の内容物の質
量を、0.1gのケタまで計る。試験した材料のみかけ密度
(g/cm3)は、下記の式で計算する。
【0100】
【数5】m/V (ここで、mは受器の内容物の質量(g)、Vは受器の体
積(cm3)、すなわち100 cm 3をそれぞれ表す。) かさ密度は0.3 g/cm3以上、好ましくは0.32 g/cm3
上、より好ましくは0.35g/cm3以上であって、通常0.5 g
/cm3以下、好ましくは0.48 g/cm3以下、より好ましくは
0.46 g/cm3以下である。
【0101】かさ密度が0.3 g/cm3未満では、気相2段重
合で本発明の樹脂組成物を製造する際に、粒子流動性が
不足するとともに、反応器における粒子の滞留量が減少
するため、生産性が悪化し、好ましくない。一方、かさ
密度が0.5 g/cm3を超えると、反応器内において粒子の
パッキングが密になりすぎ、特に気相重合の際に粒子と
ガスの混合が十分行われず、好ましくない。
【0102】本発明に係る軟質ポリプロピレン系樹脂組
成物は、この上記要件(ア)〜(エ)を満たすことによ
り、柔軟性、透明性、耐熱性に優れると同時に、べたつ
きの少ない組成物を提供することができる。このような
要件を満たす組成物の製造法に、特に制限はないが、一
例として気相2段重合による、前述のブロック(I)お
よびブロック(II)から構成される組成物の製造法を
挙げることができる。これは、気相重合で1段目にブロ
ック(I) を重合し、2段目にブロック(II) を重合する方
法である。上述のように、本発明の軟質プロピレン系樹
脂組成物はべたつきが少ないため、従来困難とされてい
た低引張弾性率領域の樹脂組成物の気相重合が可能とな
っている。気相重合は、一般に生産性が高く、製造コス
トが低廉であるため、工業上その価値はきわめて大き
い。なお、気相2段重合の実施方法に特に制限はなく、1
槽の重合槽で段階的にブロック (I) とブロック (II)
を製造する方法や、2槽連続の重合槽で、1槽目でブロッ
ク (I) を重合し、ブロック (I) を製造した触媒の存在
下で引き続き2槽目でブロック (II) を重合する方法な
どを挙げることができる。なお、ブロック(I) とブロッ
ク (II) の重合順序を逆にして、先にブロック (II) を
重合し、次いでブロック (I)を重合することもできる。
こうした気相重合では、通常重合終了後に、本発明の軟
質プロピレン系樹脂組成物が、粒子状の重合体として得
られる。このようにして製造される軟質プロピレン系樹
脂組成物が、前記した要件 (ア)〜(エ) を満たすように
するための方法に限定はないが、一例として、以下の方
法を挙げることができる。すなわち、触媒としては、前
記した一般式 (I) で表され、かつC1-対称性を有するメ
タロセンと粘土鉱物、および必要に応じて有機アルミニ
ウム化合物からなる触媒を使用する。このような触媒
で、かつ、ブロック (I) の重合を行った際に、13C-NMR
で測定したアイソタクチックペンタッド (mmmm) が90%
未満であり、かつ、立体規則性分布が生じるような触媒
を選択する。立体規則性分布については、要件 (ウ) を
満たすべく、高融点成分が生じるように、触媒と重合条
件を選択する。ついでブロック (II) を重合し、ブロッ
ク (I) とブロック (II) の比率を制御し、要件 (ア)
を満たすようにする。一般に、引張弾性率は、ブロック
(I) のアイソタクチックペンタッドと得られた樹脂組
成物中のブロック(II)の重量分率とで、効率的に制御可
能である。なお、ブロック (II) の重合の際に、ブロッ
ク(II)中のエチレン含量を制御し、要件(イ) を満たす
ようにする。一般に、透明性については、ブロック (I
I) 中のエチレン含量が主要な支配因子であり、これを
比較的低くすることによって、要件(イ)の充足が可能と
なる。また、要件 (エ) の充足のためには、分子量およ
び立体規則性が比較的低い成分の生成量が過度にならな
いように、触媒を選択することが好ましい。また、重合
温度を下げて平均分子量を比較的高くすることも要件
(エ) の充足のために好ましい。さらに、触媒の成分の
ひとつである粘土鉱物の粒径を比較的大きくすることも
要件 (エ) の充足のために好ましい。特に、粘土鉱物の
重量平均粒径を30 μ より大きくすることにより、粒子
のべたつきが抑制され、重合体粒子のかさ密度を向上さ
せることが可能となる。またべたつきの少ない粒子状の
重合体は、気相重合に用いる触媒の担体に平均粒径とし
て30ミクロン以上の大粒径粒子を用いる方法、ブロック
(I)の製造後に、アルコール、アミン、エーテル、エ
ステル、カルボン酸、ケトン、アルデヒド等のルイス塩
基を活性抑制剤の存在下、ブロック(II)を製造する
方法、シリカ等の微粒子の存在下にブロック(I)およ
び/またはブロック(II)を重合する方法、によって
も製造することができる。
【0103】また、たとえば物理ブレンドのような手法
で、要件 (ア)〜(ウ) を満足する樹脂組成物を形成し、
それを粉砕したり、造粒する等して、要件 (エ) を充足
させ、本発明の要件(ア)〜(エ)を満たす軟質プロピ
レン系樹脂組成物を製造することもできる。一例を挙げ
ると、アイソタクチックペンタッド (mmmm) が90%未満
のポリプロピレンをメタロセン触媒を用いて製造し、別
途、低エチレン含量のプロピレン・エチレン共重合体を
チーグラーナッタ触媒もしくはメタロセン触媒などで製
造し、これらを押出機などを用いて混練する。この際、
必要に応じて、チーグラーナッタ触媒で製造したホモポ
リプロピレンを同時に混練してもよい。混練後、ペレタ
イザーを用いて造粒する。なお、造粒後、さらに粉砕処
理してもよい。
【0104】さらに本発明の軟質ポリプロピレン系樹脂
組成物は、ステレオブロック構造を有する軟質ポリプロ
ピレン系樹脂組成物であって、JIS K 7365にしたがって
測定したかさ密度が0.3 g/cm3以上である軟質プロピレ
ン系樹脂の粒子から実質的になることを特徴とするもの
である。係るかさ密度の要件は、上述した通り、組成物
のべたつきが少ないことを示すものである。上記と同
様、かさ密度は0.3 g/cm3以上、好ましくは0.32 g/cm3
以上、より好ましくは0.35 g/cm3以上であって、通常0.
5 g/cm3以下、好ましくは0.48 g/cm3以下、より好まし
くは0.46 g/cm3以下である。
【0105】かさ密度が0.3 g/cm3未満では、気相2段重
合で本発明の樹脂組成物を製造する際に、粒子流動性が
不足するとともに、反応器における粒子の滞留量が減少
するため、生産性が悪化し、好ましくない。一方、かさ
密度が0.5 g/cm3を超えると、反応器内において粒子の
パッキングが密になりすぎ、特に気相重合の際に粒子と
ガスの混合が十分行われず、好ましくない。
【0106】本発明で得られる軟質ポリプロピレン系樹
脂組成物は、高いかさ密度を有する粒子からなるので、
工業上きわめて有用である。具体的には、気相2段重合
で係る組成物を製造する際、高いかさ密度を有する粒子
は粒子流動性に優れるため、反応器や移送配管内での付
着・閉塞が抑制され、長期にわたる連続安定運転が可能
となる。またかさ密度が高いと、反応器内に粒子の滞留
量を高く保てるため、触媒単位重量あたりの重合体生成
量を上げることができ、触媒費用の低減が可能となる。
【0107】係る軟質ポリプロピレン系樹脂組成物は、
例えば既知の方法でステレオブロック構造を有する樹脂
組成物を形成し、それを粉砕したり、造粒する等して、
かさ密度の要件を満たすことにより製造できる。一例を
挙げると、アイソタクチックペンタッド (mmmm) が90%
未満のポリプロピレンをメタロセン触媒を用いて製造
し、別途、低エチレン含量のプロピレン・エチレン共重
合体をチーグラーナッタ触媒もしくはメタロセン触媒な
どで製造し、これらを押出機などを用いて混練する。こ
の際、必要に応じて、チーグラーナッタ触媒で製造した
ホモポリプロピレンを同時に混練してもよい。混練後、
ペレタイザーを用いて造粒する。なお、造粒後、さらに
粉砕処理してもよい。
【0108】軟質プロピレン系樹脂の改質 本発明の軟質プロピレン系樹脂組成物には、その優れた
柔軟性、透明性、耐熱性を損なわない範囲で、プロピレ
ン単独重合体、プロピレン・α-オレフィン共重合体、
プロピレン・α-オレフィンブロック共重合体等の各種
プロピレン系重合体や、高圧法ポリエチレン、エチレン
・α-オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重
合体、エチレン・ノルボルネン共重合体等のエチレン系
重合体、ポリブテン-1、スチレンとブタジエンのブロッ
ク共重合体の水添物等を添加してもよい。
【0109】また、プロピレン系重合体の透明性向上に
常用されるα-晶結晶核剤、β-晶結晶核剤を添加しても
良い。さらには、柔軟性等を付与するために配合される
鉱物油等のゴム用軟化剤が配合されてもよい。本発明の
軟質プロピレン系樹脂組成物には、さらに、その他の各
種樹脂やゴム、ガラス繊維、炭酸カルシウム、シリカ、
タルク、マイカ、クレー等の充填材、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム等の難燃材、酸化防止剤、光安
定剤、帯電防止剤、滑剤、分散剤、中和剤、石油樹脂等
の粘着剤、ブロッキング防止剤等の各種添加剤が、必要
に応じて配合されてもよい。
【0110】本発明の軟質プロピレン系樹脂組成物は、
その用途に応じて従来公知の架橋剤、架橋助剤の存在
下、動的に架橋することもでき、また、無水マレイン酸
等のα,β-不飽和カルボン酸を有機過酸化物の存在下に
グラフトすることもできる。
【0111】軟質プロピレン系樹脂組成物の用途 本発明の軟質プロピレン系樹脂組成物は、柔軟性、透明
性、耐熱性に優れているため、従来のエチレン系材料、
プロピレン系材料の他、軟質PVC、熱可塑性エラストマ
ーが用いられている種々の分野において、単体として、
あるいは主成分として、好適に用いることができる。成
形方法は特に限定されないが、フィルム・シートにおい
ては、ポリオレフィンに適用されているインフレーショ
ン法、Tダイ法、カレンダー法等により製膜され、単
層、あるいは、2層以上の各種層を適宜必要に応じて設
けることもできる。積層化に際しては、押し出しラミネ
ート法、熱ラミネート法、ドライラミネート法等も可能
であり、また、フィルムを一軸あるいは二軸延伸するこ
とも可能である。延伸法としては、ロール法、テンター
法、チューブラー法等が挙げられる。さらに、通常工業
的に利用されるコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処
理、オゾン処理等の表面処理を施すこともできる。
【0112】本発明の軟質プロピレン系樹脂組成物の優
れた柔軟性、透明性、耐熱性を生かして、積層体を構成
する場合、他の層を構成する材料としては、プロピレン
単独重合体、プロピレン・α-オレフィン共重合体、プ
ロピレン・α-オレフィンブロック共重合体等の各種プ
ロピレン系重合体や、高圧法ポリエチレン、エチレン・
α-オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、EVOH、エチレン・ノルボルネン共重合体等のエチレ
ン系重合体、ポリブテン-1、ポリ4-メチルペンテン-1
(TPX樹脂) 等の各種オレフィン系共重合体や、無水マレ
イン酸等で変性された接着性ポリオレフィン、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリエステル系エラストマー等を挙
げることができる。
【0113】フィルム・シート分野における用途 本発明の軟質プロピレン系樹脂組成物またはその改質物
のフィルム・シート分野における用途は特に限定されな
いが、一例として、下記のような用途を挙げることがで
きる。すなわち、包装用ストレッチフィルム、業務用ま
たは家庭用ラップフィルム、パレットストレッチフィル
ム、ストレッチラベル、シュリンクフィルム、シュリン
クラベル、シーラント用フィルム、レトルト用フィル
ム、レトルト用シーラントフィルム、熱溶着フィルム、
熱接着フィルム、熱封緘用フィルム、バッグ・イン・ボ
ックス用シーラントフィルム、レトルトパウチ、スタン
ディングパウチ、スパウトパウチ、ラミネートチュー
ブ、重袋、繊維包装フィルム等の食品、雑貨等包装分
野、ハウス用フィルム、マルチフィルム等の農業用フィ
ルム分野、輸液バッグ、高カロリー輸液や腹膜透析用
(CAPD) 等の複室容器、腹膜透析用の排液バッグ、血液
バッグ、尿バッグ、手術用バッグ、アイス枕、アンプル
ケース、PTP包装等の医療用フィルム・シート分野、土
木遮水シート、止水材、目地材、床材、ルーフィング、
化粧フィルム、表皮フィルム、壁紙等の建材関連分野、
レザー、天井材、トランクルーム内張、内装表皮材、制
震シート、遮音シート等の自動車部品分野、ディスプレ
ーカバー、バッテリーケース、マウスパッド、携帯電話
ケース、ICカード入れ、CD-ROMケース等の弱電分野、ハ
ブラシケース、パフケース、化粧品ケース、目薬等医薬
品ケース、ティッシュケース、フェイスパック等のトイ
レタリーまたはサニタリー分野、文具用フィルム・シー
ト、クリアファイル、ペンケース、手帳カバー、デスク
マット、キーボードカバー、ブックカバー、バインダー
等の事務用品関連分野、家具用レザー、ビーチボール等
の玩具、傘、レインコート等の雨具、テーブルクロス、
ブリスターパッケージ、風呂蓋、タオルケース、ファン
シーケース、タグケース、ポーチ、お守り袋、保険証カ
バー、通帳ケース、パスポートケース、刃物ケース等の
一般家庭用、雑貨分野、再帰反射シート、合成紙等が挙
げられる。また、基材に粘着材が塗布され、粘着性が付
与されたフィルム・シート分野として、粘着テープ、マ
ーキングフィルム、半導体またはガラス用ダイシングフ
ィルム、表面保護フィルム、鋼鈑・合板保護フィルム、
自動車保護フィルム、包装・結束用粘着テープ、事務・
家庭用粘着テープ、接合用粘着テープ、塗装マスキング
用粘着テープ、表面保護用粘着テープ、シーリング用粘
着テープ、防食・防水用粘着テープ、電気絶縁用粘着テ
ープ、電子機器用粘着テープ、貼布フィルム、バンソウ
コウ基材フィルム等医療・衛生材用粘着テープ、識別・
装飾用粘着テープ、表示用テープ、包装用テープ、サー
ジカルテープ、ラベル用粘着テープ等が挙げられる。
【0114】射出成形、押出し成形分野における用途 本発明の軟質プロピレン系樹脂組成物またはその改質物
の射出成形、押出し成形分野における用途は特に限定さ
れないが、一例として、下記のような用途を挙げること
ができる。すなわち、電気・電子部品分野における電
線、コード類、ワイヤーハーネス等の被覆材料、絶縁シ
ート、自動車部品における、コントロールケーブル被覆
材、エアーバッグ・カバー、マッドガード、バンパー、
ブーツ、エアホース、ランプパッキン類、ガスケット
類、ウィンドウモール等の各種モール、サイトシール
ド、、ウェザーストリップ、グラスランチャンネル、グ
ロメット類、制震・遮音部材、家電、弱電分野における
各種パッキン類、グリップ類、ベルト類、足ゴム、ロー
ラー、プロテクター、吸盤、冷蔵庫等のガスケット類、
OA機器用各種ロール類、ホース、チューブ等の管状成形
体、異型押し出し品、レザー調物品、咬合具、ソフトな
触感の人形類等の玩具類、ペングリップ、ハブラシ柄等
の一般雑貨類、ハウスウェア、タッパーウェア等の容器
類、結束バンド、ブロー成形による輸液ボトル、食品用
ボトル、化粧品用等のパーソナルケア用のボトル等各種
ボトル、医療用部品におけるカテーテル、シリンジ、シ
リンジガスケット、点滴筒、チューブ、ポート、キャッ
プ、ゴム栓、ディスポーザブル容器等、が挙げられ、ま
た、発泡成形による用途も可能である。
【0115】繊維、不織布分野における用途 本発明の軟質プロピレン系樹脂組成物またはその改質物
の繊維、不織布分野における用途は特に限定されない
が、一例として、下記のような用途を挙げることができ
る。すなわち、連続紡糸、連続捲縮糸、短繊維、モノフ
ィラメント等の繊維、フラットヤーン、メルトブロー
法、スパンボンド法による不織布にすることにより、紙
おむつ等の衛材、手術用衣服、手袋等の医療用、カーペ
ット、その裏地、ロープ等の用途が挙げられる。また、
これら不織布やモノフィラメント、フラットヤーン、ス
リットテープ等の編物と、フィルム・シートのラミネー
トによる、帆布、テント材、幌、フレキシブルコンテナ
ー、レジャーシート、ターポリン等が挙げられる。
【0116】改質材における用途 本発明の軟質プロピレン系樹脂組成物またはその改質物
は、ポリプロピレンとの親和性に優れていることから、
ポリプロピレンの改質に好適に使用することができる。
改質により、柔軟性、透明性、靭性等のほか、熱シール
性、耐衝撃性、添加剤との親和性が改良され、成形体表
面の改良にも使用することができる。また、その熱融着
性を生かしたホットメルト接着剤、タッキファイヤー、
アスファルト改質、ビチューメン改質、防水加工紙等も
用途の一例として挙げられる。
【0117】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれら
実施例によって制約を受けるものではない。なお、実施
例において、MFRは、ASTM-D-1238に従って測定した。第
2段階で生成する共重合体中に含まれるエチレンと、必
要に応じて用いられる炭素数4〜20のα-オレフィンとの
含量の合計については、13C-NMRにて測定した。
【0118】軟質プロピレン系樹脂および/または軟質
プロピレン系樹脂組成物の融点は、本文中に記載の方法
に従って求めた。本発明で得られた軟質プロピレン系樹
脂組成物の物性は、以下の方法で作成したサンプルを用
いて下記 (a)〜(d) に従って測定した。すなわち、軟質
プロピレン系樹脂組成物100重量部に対して、酸化防止
剤として、テトラキス [メチレン-3-(3',5'-ジ-t-ブチ
ル-4'-ヒドロキシフェニル) プロピオネート] メタン
(日本チバガイギー社製「IRGANOX 1010」)を0.05重量部
、トリス (2,4-ジ-t-ブチルフェニル) ホスファイト
(日本チバガイギー社製「IRGAFOS 168」) を0.05重量
部、中和剤として協和化学工業社製「DHT-4A」を0.03重
量部添加し、ラボプラストミルを用いて設定温度200
℃、150 rpmで1分間溶融混練した後、(株) 神藤金属社
油圧式プレス成形機を用いて、設定温度200℃、圧力100
kg/cm2で厚さ2 mmのプレスシートサンプルを作成し
た。 (a) 密度: かさ密度は、前記の通りJIS K 7365に準拠し
て測定し、真密度はJISK 7112に準拠して測定し、水中
置換法にて測定した。 (b) 硬度: JIS K 7215に準拠し、タイプDのデュロメー
タ硬さを測定した。 (c) 引張特性: JIS K 7113に準拠し、2号形試験片を用
いて、温度23℃、引張速度50 mm/minにて、引張弾性率
および引張破断点伸びを測定した。 (d) 内部平行光線透過率: JIS K 7105に準拠して測定し
た。
【0119】実施例1 (1) ジクロロ {1,1'-ジメチルシリレン [2-メチル-1-イ
ンデニル] [2-メチル-4-フェニル-4H-アズレニル]} ハ
フニウムの合成 以下の合成は、すべて、乾燥窒素雰囲気下、一般的なシ
ュレンクテクニックを用いて行った。溶媒として用いた
トルエン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルは、
使用前に金属ナトリウムとベンゾフェノンケチル上で乾
燥させた。n-ヘキサンについては、関東化学社製の脱水
n-ヘキサンを使用した。
【0120】2-メチルインデン (9.8 g, 75.3 mmol) と
n-ヘキサン (100 ml) のサスペンジョンに、-70℃で、n
-ブチルリチウムのn-ヘキサン溶液 (50.0 ml, 79.5 mmo
l, 1.59 N) をシリンジで10分間で滴下した。攪拌しな
がら、2時間かけてゆっくり室温まで昇温した。室温で
さらに20時間攪拌後、得られた淡黄色サスペンジョンか
ら、固体成分をカニューレで濾別した。濾別した固体を
30 mlのn-ヘキサンで2回洗浄し、恒量になるまで減圧下
に乾燥し、9.6 gのリチウム塩 (Li[2-Me-C9H6])を得
た。
【0121】これとは別に、2-メチルアズレン (5.6 g,
39.7 mmol) を120 mlのn-ヘキサンに溶解し、0℃で、
フェニルリチウムのシクロヘキサン・ジエチルエーテル
溶液(40.0 ml, 42.4 mmol, 1.06 N) をシリンジで10分
間で滴下した。得られた濃青色溶液を0℃で3時間攪拌し
た後、0.5時間かけて室温まで昇温した。ベージュ色の
サスペンションから固体成分をカニューレで濾別し、得
られた固体を50 mlのn-ヘキサンで2回洗浄した。減圧下
に恒量まで乾燥し、9.0 gのリチウム塩 (Li[2-Me-4-Ph-
4H-C10H6]) を得た。
【0122】ジメチルジクロロシラン (7.7 g, 60.0 mm
ol) と乾燥ジエチルエーテル (50 ml) の溶液を0℃に冷
却し、先に得られたリチウム塩 (Li[2-Me-C9H6], 2.7
g, 20.0 mmol) のテトラヒドロフラン・ジエチルエーテ
ル溶液 (90 ml, テトラヒドロフラン/ジエチルエーテ
ル=1/2) を80分間にわたって滴下した。得られた白色サ
スペンジョンを、引き続き0℃で1時間攪拌し、さらに室
温で1時間攪拌した。攪拌終了後、サスペンジョンをカ
ニューレで濾過した。透明な濾液から減圧下に溶媒を除
去し、さらに、0.5 mmHgで恒量になるまで溶媒除去を行
い、ごく薄い黄色のオイルとしてジメチル (2-メチル-1
-インデニル) クロロシランを得た (4.5 g) 。
【0123】先に得られたリチウム塩 (Li[2-Me-4-Ph-4
H-C10H6], 4.5 g, 20.0 mmol) のジエチルエーテル (60
ml)・テトラヒドロフラン (30 ml) 混合溶液に、N-メ
チルイミダゾール (50 μmol) を添加し、溶液を0℃ま
で冷却した。ここに、ジメチル (2-メチル-1-インデニ
ル) クロロシラン (4.5 g, 20.0 mmol) のジエチルエー
テル溶液 (60 ml) を、10分間で滴下した。滴下後、室
温まで昇温し、さらに室温で2時間攪拌した。攪拌終了
後、50 mlの氷水を加えて反応をクエンチした。有機層
を分液ロートで分離し、分離した有機層を30 mlの水で
洗浄した。水層から、50 mlのジエチルエーテルを用い
て2回抽出を行い、先に得られた有機層と合わせ、硫酸
マグネシウム上で乾燥させた。溶媒をロータリーエバポ
レーターで除去した後、得られた暗黄色オイルを恒量に
なるまで、0.4 mmHgで減圧下に保持し、ジメチル (2-メ
チル-1-インデニル) (2-メチル-4-フェニル-4H-1-アズ
レニル)シラン (8.1 g) を得た。
【0124】ここで得られたジメチル (2-メチル-1-イ
ンデニル) (2-メチル-4-フェニル-4H-1-アズレニル) シ
ラン (2.9 g, 7.1 mmol) のn-ヘキサン溶液 (120 ml)
に、n-ブチルリチウムのn-ヘキサン溶液 (9.4 ml, 14.9
mmol, 1.59 N) を0℃でシリンジにて5分間で添加し
た。引き続き0℃で1.5時間攪拌した後、室温で17.5時間
攪拌した。得られたサスペンジョンをカニューレで濾過
し、得られた固体を30 mlのn-ヘキサンで2回洗浄した。
減圧下に固体を乾燥し、黄褐色の粉末としてジメチル
(2-メチル-1-インデニル) (2-メチル-4-フェニル-4H-1-
アズレニル) シランのジリチウム塩 (3.0 g) を得た。
【0125】得られたジリチウム塩 (0.42 g, 1.0 mmo
l) と四塩化ハフニウム (0.32 g, 1.0 mmol) を不活性
ガス雰囲気下、グローブボックス中で秤量し、グローブ
ボックス中の100 ml丸底フラスコ (磁気攪拌子を装入し
たもの) に加えた。丸底フラスコをグローブボックスか
ら取り出し、速やかに-70℃まで冷却した。ここに、蒸
留したトルエン (45 ml) とジエチルエーテル (5 ml)
をシリンジで添加し、得られた混合物を-70℃で3時間攪
拌、ついで、室温で18時間攪拌した。得られたサスペン
ジョンをカニューレで濾過し、濾液から揮発分を減圧下
に除去し、粘稠な固体を得た。得られた固体を10 mlのn
-ヘキサン中に加え、30分間攪拌した。カニューレ濾過
でn-ヘキサンの上澄みを分離した。固体残渣からは、10
mlのn-ヘキサンで4回抽出を行い、カニューレ濾過でn-
ヘキサンの上澄みを分離した。なお、各抽出操作におい
ては、少なくとも10分間激しい攪拌を行った。抽出液を
合わせて減圧下に溶媒を除去し、容量を約5 mlとした。
得られた黄色のサスペンジョンを-10℃まで冷却し、48
時間保持した。冷却後、得られたサスペンジョンをカニ
ューレで濾過し、淡黄色の固体残渣を減圧下に乾燥し、
目的とするジクロロ{1,1'-ジメチルシリレン [2-メチル
-1-インデニル] [2-メチル-4-フェニル-4H-アズレニ
ル]} ハフニウムを黄色粉末として得た。収量は76mg、
収率は12%であった。
【0126】(2) 粘土鉱物の化学処理 300 ml丸底フラスコに、脱塩水 (113 ml)、水酸化リチ
ウム無水物 (16.3 g)および硫酸 (66.4 g) を採取し、
攪拌下に溶解させた。この溶液に、市販の造粒モンモリ
ロナイト (水澤化学社製ベンクレイSL, 41.6 g) を分散
させ、10分間かけて沸騰するまで昇温し、沸点(108℃)
で140分間攪拌を行った。その後、脱塩水600 mlを加え
て冷却し、得られたスラリーを濾過してウェットケーキ
を回収した。回収したケーキを1,000 mlビーカーにて、
脱塩水 (600 ml) を用いて再度スラリー化し、濾過を行
った。この操作を2回繰り返した。最終的に得られたケ
ーキを、空気下100℃で 3時間乾燥し、化学処理モンモ
リロナイト (37.1 g) を得た。
【0127】(3) 重合 実施例1(2) で得られた化学処理モンモリロナイト (0.5
2 g) に、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液 (0.4
5 mmol/ml, 2.3 ml) を加え、室温で1時間撹拌した。こ
の懸濁液にトルエン (20 ml) を加え、撹拌後、上澄み
を除いた。この操作を2回繰り返して粘土スラリーを得
た。
【0128】別のフラスコに、東ソー・アクゾ社製トリ
イソブチルアルミニウム (0.045 mmol)を採取し、実施
例1(1) で得られたジクロロ {1,1'-ジメチルシリレン
[2-メチル-1-インデニル] [2-メチル-4-フェニル-4H-ア
ズレニル]} ハフニウム (2.95mg, 4.51 μmol) のトル
エン希釈液を加え、室温で5分間撹拌した。この錯体溶
液全量に、上記粘土スラリーを固形分換算で 161.5 mg
加え、室温で40分間撹拌し、触媒スラリーを得た。
【0129】次いで、内容積2リッターの誘導撹拌式オ
ートクレーブ内に、上記触媒スラリーを全量導入した。
オートクレーブ内に装着した触媒フィーダー内に、トリ
イソブチルアルミニウム (0.50 mmol) を導入し、オー
トクレーブ内に、30℃で液化プロピレン (100 ml) を導
入して10分間予備重合を行った。予備重合後、触媒フィ
ーダーを加圧して、トリイソブチルアルミニウム (0.50
mmol) を液化プロピレン中に導入した。30℃で液化プ
ロピレン(500 ml) をさらに導入して加熱した。65℃ま
で昇温後、同温度で90分間撹拌を継続した。撹拌終了
後、未反応モノマーをパージして重合を停止し、プロピ
レンの単独重合体 (ブロック(I)) を得た。オートクレ
ーブの重合前後の重量変化から収量を測定したところ、
113 gであった。
【0130】オートクレーブから得られたプロピレン単
独重合体 (ブロック(I)) の一部 (15 g) を抜き出した
後、再度オートクレーブを65℃まで昇温し、プロピレン
およびエチレンを導入してプロピレンとエチレンの共重
合、すなわちブロック (II)の重合を開始した。なお、
モノマー組成は、エチレン32 mol%、プロピレン68 mol%
とし、圧力は2.0 MPaとした。反応中は、モノマー組成
および圧力が一定となるようにエチレン/プロピレンの
混合ガスを導入した。65℃で100分間反応を行った後、
未反応モノマーをパージして重合を停止した。得られた
プロピレン系樹脂組成物は、235 gであった。
【0131】(4) プロピレン系樹脂組成物の解析と評価 実施例1(3)で一部抜き出されたブロック (I) について
解析を行った。13C-NMRで測定した結果、head to tail
結合からなるプロピレン単位連鎖部のミクロタクティシ
ティは、mmmm = 89.9%, mmmr = 3.6%, rmmr = 0.2%, mm
rr = 3.0%, mmrm+ rmrr = 1.2%, rmrm = 0.6%, rrrr =
0.1%, rrrm = 0.4%, mrrm = 1.0% であり、ステレオブ
ロックポリプロピレンであった。また、Sに対するS1
比率は89.9%、4 + 2S1/S2 = 53.9であった。また、全プ
ロピレン挿入に対し、プロピレンの2,1-挿入に基づく位
置不規則単位の量は0.5%、プロピレンの1,3-挿入に基づ
く位置不規則単位の量は0.2%であった。なお、ブロック
(I) のMFRは、4.0 g/10minであった。ブロック (I) に
ついてDSC測定を行ったところ、融点ピークは150.4℃、
結晶融解熱量は36.7 J/gであった。
【0132】次に、ブロック (II) に関する解析を行っ
た。収量より、得られたプロピレン系樹脂組成物中のブ
ロック (II) の含量は、58.3 wt%であった。これとIRに
て測定した該プロピレン系樹脂組成物中のエチレン含量
より、ブロック (II) 中のエチレン含量を求めたところ
11.6 mol%であった。さらに、該プロピレン系樹脂組成
物の評価をプレスシートで行った。真密度 =0.8835 g/c
m3, D硬度 = 56, 引張弾性率 = 280 MPa、引張破断点伸
び > 1000%,内部光線透過率 = 73.4%、融点 = 150.0℃
であった。得られたプレスシートは、柔軟性・透明性・
耐熱性ともに良好であり、かつ、べたつきもなかった。
【0133】実施例2 (1) ジクロロ {1,1'-ジメチルシリレン [2-メチル-1-イ
ンデニル] [2-メチル-4-フェニル-4H-アズレニル]} ジ
ルコニウムの合成 実施例1(1) で得られたジメチル (2-メチル-1-インデニ
ル) (2-メチル-4-フェニル-4H-1-アズレニル) シラン
(2.9 g, 7.1 mmol) のn-ヘキサン溶液 (120 ml)に、n-
ブチルリチウムのn-ヘキサン溶液 (9.4 ml, 14.9 mmol,
1.59 N) を0℃でシリンジにて5分間で添加した。引き
続き0℃で1.5時間攪拌した後、室温で17.5時間攪拌し
た。得られたサスペンジョンをカニューレで濾過し、得
られた固体を30 mlのn-ヘキサンで2回洗浄した。減圧下
に固体を乾燥し、黄褐色の粉末としてジメチル (2-メチ
ル-1-インデニル) (2-メチル-4-フェニル-4H-1-アズレ
ニル)シランのジリチウム塩 (3.0 g) を得た。
【0134】得られたジリチウム塩 (0.42 g, 1.0 mmo
l) と四塩化ジルコニウム (0.23 g,1.0 mmol) を不活性
ガス雰囲気下、グローブボックス中で秤量し、グローブ
ボックス中の100 ml丸底フラスコ (磁気攪拌子を装入し
たもの) に加えた。丸底フラスコをグローブボックスか
ら取り出し、速やかに-70℃まで冷却した。ここに、蒸
留したトルエン (45 ml) とジエチルエーテル (5 ml)
をシリンジで添加し、得られた混合物を-70℃で3時間攪
拌、ついで、室温で16時間攪拌した。得られたサスペン
ジョンをカニューレで濾過し、濾液から揮発分を減圧下
に除去し、粘稠な固体を得た。得られた固体を10 mlのn
-ヘキサン中に加え、30分間攪拌した。カニューレ濾過
でn-ヘキサンの上澄みを分離した。固体残渣からは、10
mlのn-ヘキサンで4回抽出を行い、カニューレ濾過でn-
ヘキサンの上澄みを分離した。なお、各抽出操作におい
ては、少なくとも10分間激しい攪拌を行うとともに、時
々加熱も行った。抽出液を合わせて減圧下に溶媒を除去
し、容量を約5 mlとした。得られた黄色のサスペンジョ
ンを-10℃まで冷却し、一晩保持した。冷却後、得られ
たサスペンジョンをカニューレで濾過し、黄色の固体残
渣を減圧下に乾燥し、目的とするジクロロ {1,1'-ジメ
チルシリレン [2-メチル-1-インデニル] [2-メチル-4-
フェニル-4H-アズレニル]} ジルコニウムを黄色粉末と
して得た。収量は82 mg、収率は15%であった。
【0135】(2) 重合 実施例1(2) で得られた化学処理モンモリロナイト (0.5
1 g) に、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液 (0.4
5 mmol/ml, 2.3 ml) を加え、室温で1時間撹拌した。こ
の懸濁液にトルエン (20 ml) を加え、撹拌後、上澄み
を除いた。この操作を2回繰り返して粘土スラリーを得
た。
【0136】別のフラスコに、東ソー・アクゾ社製トリ
イソブチルアルミニウム (0.15 mmol) を採取し、実施
例2(1) で得られたジクロロ {1,1'-ジメチルシリレン
[2-メチル-1-インデニル] [2-メチル-4-フェニル-4H-ア
ズレニル]} ジルコニウム (8.56 mg, 15.1 μmol) のト
ルエン希釈液を加え、室温で5分間撹拌した。この錯体
溶液を全量、上記粘土スラリーに加え、室温で40分間撹
拌し、触媒スラリーを得た。
【0137】次いで、内容積2リッターの誘導撹拌式オ
ートクレーブ内に、ここで得られた触媒スラリーを全量
導入した。次いで、オートクレーブ内に装着した触媒フ
ィーダー内にトリイソブチルアルミニウム (0.50 mmol)
を導入した。オートクレーブ内に、30℃で液化プロピ
レン (100 ml) を導入し、10分間予備重合を行った。予
備重合後、触媒フィーダーを加圧してトリイソブチルア
ルミニウム (0.50 mmol) を液体プロピレン中に導入し
た。30℃でさらに、液化プロピレン (500 ml)を導入
し、加熱を行った。50℃まで昇温後、同温度で90分間撹
拌を継続した。撹拌終了後、未反応モノマーをパージし
て重合を停止し、プロピレンの単独重合体(ブロック
(I)) を得た。オートクレーブの重合前後の重量変化か
ら収量を測定したところ、98 gであった。
【0138】オートクレーブから得られたプロピレン単
独重合体 (ブロック(I)) の一部 (15 g) を抜き出した
後、再度オートクレーブを40℃まで昇温し、プロピレン
およびエチレンを導入してプロピレンとエチレンの共重
合、すなわちブロック (II)の重合を開始した。なお、
モノマー組成は、エチレン25 mol%、プロピレン75 mol%
とし、圧力は2.0 MPaとした。反応中は、モノマー組成
および圧力が一定となるようにエチレン/プロピレンの
混合ガスを導入した。40℃で17分間反応を行った後、未
反応モノマーをパージして重合を停止した。得られたプ
ロピレン系樹脂組成物は、260 gであった。
【0139】(3) プロピレン系樹脂組成物の解析と評価 実施例2(2)で一部抜き出されたブロック (I) について
解析を行った。13C-NMRで測定した結果、head to tail
結合からなるプロピレン単位連鎖部のミクロタクティシ
ティは、mmmm = 76.4%, mmmr = 7.1%, rmmr = 1.2%, mm
rr = 6.2%, mmrm+ rmrr = 2.8%, rmrm = 1.4%, rrrr =
0.8%, rrrm = 1.4%, mrrm = 2.7% であり、ステレオブ
ロックポリプロピレンであった。また、Sに対するS1
比率は76.4%、4 + 2S1/S2 = 25.5であった。また、全プ
ロピレン挿入に対し、プロピレンの2,1-挿入に基づく位
置不規則単位の量は0.6%であった。なお、プロピレンの
1,3-挿入に基づく位置不規則単位の量はごくわずかであ
り、正確な定量はできなかった。なお、GPCで測定した
ブロック (I) の重量平均分子量Mwは82,000、Mw/Mnは3.
2であった。
【0140】次に、ブロック (II) に関する解析を行っ
た。収量より、得られたプロピレン系樹脂組成物中のブ
ロック (II) の含量は、68.1 wt%であった。これとIRに
て測定した該プロピレン系樹脂組成物中のエチレン含量
より、ブロック (II) 中のエチレン含量を求めたところ
16.5 mol%であった。さらに、該プロピレン系樹脂組成
物の評価を、実施例1(4)と同様にして、プレスシートで
行った。得られたプレスシートは、柔軟性・透明性とも
に良好であった。
【0141】比較例1 (1) ジクロロ {1,1'-ジメチルシリレンビス [2-エチル-
4-(2-フルオロ-4-ビフェニリル)-4H-アズレニル]} ハフ
ニウムのラセミ体の合成2-フルオロ-4-ブロモビフェニ
ル (6.35 g, 25.3 mmol) を、ジエチルエーテル(50 ml)
とn-ヘキサン (50 ml) の混合溶媒に溶かし、t-ブチル
リチウムのn-ペンタン溶液 (33 ml, 50.6 mmol, 1.54
N) を-78℃で滴下した。-10℃で2時間攪拌し、この溶液
に2-エチルアズレン (3.55 g, 22.8 mmol) を加え、室
温で2時間攪拌した。n-ヘキサン (30 ml) を加え、上澄
みをデカンテーションで除去した。さらに、この操作を
もう一度繰り返した。得られた黄色沈殿に、0℃でn-ヘ
キサン (30 ml) とテトラヒドロフラン (40 ml) を加え
た。次いで、N-メチルイミダゾール (50 μl) とジメチ
ルジクロロシラン (1.4 ml, 11.4 mmol) を加え、室温
まで昇温し、室温で1時間攪拌した。この後、希塩酸を
加え、分液して後有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、
減圧下に溶媒を留去すると、ジメチルシリレンビス (2-
エチル-4-(2-フルオロ-4-ビフェニル)-1,4-ジヒドロア
ズレン)の粗生成物 (8.3 g) が得られた。
【0142】次に、上記で得られた粗生成物をジエチル
エーテル (30 ml) に溶かし、-70℃でn-ブチルリチウム
のn-ヘキサン溶液 (14.9 ml, 22.8 mmol, 1.53 N) を滴
下し、徐々に昇温して、室温で一夜攪拌した。さらに、
トルエン (200 ml) を加え、-70℃に冷却し、四塩化ハ
フニウム (3.6 g, 11.4 mmol) を加え、徐々に昇温し、
室温で4時間攪拌した。得られたスラリーから、減圧下
に大部分の溶媒を留去し、ジエチルエーテル (50 ml)
を加え、得られたスラリーを濾過した。ジエチルエーテ
ル (5 ml × 2)、エタノール (15 ml × 2)、n-ヘキサ
ン (10 ml × 2)で洗浄すると、ジクロロ {1,1'-ジメチ
ルシリレンビス [2-エチル-4-(2-フルオロ-4-ビフェニ
リル)-4H-アズレニル]} ハフニウムのラセミ・メソ混合
物 (4.53g, 収率42%) が得られた。得られたラセミ・メ
ソ混合物を1H-NMRで分析した結果、ラセミ体76.6%、メ
ソ体23.4%の混合物であることがわかった。
【0143】ここで得られたラセミ・メソ混合物 (4.5
g) をジクロロメタン (35 ml) に懸濁し、高圧水銀灯
(100 W) を用いて1時間光照射した。減圧下に溶媒を留
去し、得られた固体にトルエン (25 ml) とジクロロメ
タン (11 ml) を加え、60℃に加熱すると均一溶液とな
った。減圧下にジクロロメタンを留去すると結晶が析出
した。得られた結晶を濾過して、ヘキサン (5 ml) で2
回洗浄し、減圧下乾燥すると、ラセミ体 (1.79 g) が得
られた。
【0144】(2) 重合 錯体として、比較例1(1)で得られたものを使用し、触媒
仕込み量を1/3にした以外は、実施例1(3) と同様にして
重合を行った。第1段階の重合で得られたプロピレンの
単独重合体 (ブロック(I)) の収量は、122 gであった。
また、オートクレーブから得られたプロピレン単独重合
体 (ブロック(I)) の一部 (15 g) を抜き出した後、プ
ロピレンとエチレンの共重合、すなわちブロック (II)
の重合を行い、最終的に得られたプロピレン系樹脂組成
物は、319 gであった。
【0145】(3) プロピレン系樹脂組成物の解析と評価 比較例1(2)で一部抜き出されたブロック (I) について
解析を行った。13C-NMRにて、head to tail結合からな
るプロピレン単位連鎖部のミクロタクティシティを測定
したところ、実質的にmmmmのみ存在し、ステレオブロッ
クポリプロピレンではなく、アイソタクチックポリプロ
ピレンであった 。S/S1は、ほぼ100%であった。また、
全プロピレン挿入に対し、プロピレンの2,1-挿入に基づ
く位置不規則単位の量は0.2%、プロピレンの1,3-挿入に
基づく位置不規則単位の量は0.2%であった。なお、ブロ
ック (I) のMFRは4.0 g/10minであった。
【0146】次に、ブロック (II) に関する解析を行っ
た。収量より、得られたプロピレン系樹脂組成物中のブ
ロック (II) の含量は、66.5 wt%であった。これとIRに
て測定した該プロピレン系樹脂組成物中のエチレン含量
より、ブロック (II) 中のエチレン含量を求めたところ
11.0 mol%であった。さらに、該プロピレン系樹脂組成
物の評価を、実施例1(4)と同様にして、プレスシートで
行った。真密度 = 0.8881 g/cm3, D硬度 = 61, 引張弾
性率 = 495 MPa、引張破断点伸び > 854%, 内部光線透
過率 = 61.6%、融点 = 157.5℃であった。得られたプレ
スシートは、柔軟性・透明性ともに、実施例1で得られ
たものと比較して不良であった。
【0147】実施例3 (1) ジクロロ {1,1'-ジメチルシリレン [2-メチルベン
ゾ [e] インデニル] [2-メチル-4-フェニル-4H-アズレ
ニル]} ハフニウムの合成 2-メチルベンゾ[e]インデン (1.87 g, 10.4 mmol) を脱
水したn-ヘキサン (38ml) に溶解させた溶液に、n-ブチ
ルリチウム (1.59 M, 6.6 ml, 10.5 mmol) を0℃でシリ
ンジにて添加した。はじめ透明だった溶液は、しだいに
濁り、沈殿を形成した。白色懸濁液を室温で24時間攪拌
し、カニューレにて濾過した。得られた白色固体を乾燥
n-ヘキサン (10 ml×2回) で洗浄し、減圧下に乾燥して
ふわふわした白色固体 (1.84 g, 収率 = 95%) を得た。
【0148】ここで得られた白色固体 (2-メチルベンゾ
[e] インデニルリチウム, 0.94 g,5.1 mmol) を乾燥テ
トラヒドロフラン/ジエチルエーテル (40 ml, 1/1 v/v)
に溶解させた。一方、ジメチルジクロロシラン (2.60
g, 20.2 mmol) を乾燥テトラヒドロフラン/ジエチルエ
ーテル (20 ml, 1/1 v/v) に溶解させ、この溶液を、先
に得られた2-メチルベンゾ [e] インデニルリチウムの
溶液に、-5℃にて1時間かけて滴下した。滴下終了後、
速やかに0℃に昇温して攪拌し、さらに室温で2時間攪拌
した。淡黄色サスペンジョンから減圧下に溶媒を除去
し、黄色ペーストを得た。このペーストから乾燥ジエチ
ルエーテル (10 ml×3回) で抽出操作を行い、得られた
溶液をカニューレにて濾過した。濾液を集め、減圧下に
溶媒を除去した後、恒量になるまで減圧乾燥を行い、2-
メチルベンゾ [e] インデニルジメチルクロロシランの
粘稠な黄色オイルを得た (1.35 g, 収率 = 100%)。 400 MHz 1H-NMR (CDCl3, 室温): δ 8.01 (d, J=8.04 H
z, 1H), 7.79 (d, J=7.80 Hz, 1H), 7.54 (m, 2H), 7.4
4-7.35 (m, 2H), 7.16 (s, 1H), 3.73 (s, 1H),2.31
(s, 3H), 0.29 (s, 3H), 0.06 (s, 3H) ここで得られた2-メチルベンゾ [e] インデニルジメチ
ルクロロシラン (1.35g, 5.1 mmol)を乾燥ジエチルエー
テル (30 ml) に溶解させた。一方、実施例1(1) 記載の
方法で得られた2-メチル-4-フェニル-4H-アズレニルリ
チウム (1.13 g,5.1 mmol) を、別途、N-メチルイミダ
ゾール (10 μmol) を含む乾燥テトラヒドロフラン/ジ
エチルエーテル(30 ml, 1/1 v/v)に溶解させた。ここで
得られた溶液を、前記2-メチル-4-フェニル-4H-アズレ
ニルリチウムの湯溶液に、温度0℃にて15分間で添加し
た。0℃で1時間攪拌し、さらに室温で2時間攪拌した。
その後、30 mlの氷水を反応混合物に加え、迅速に攪拌
して反応をクエンチした。水層を分離し、ジエチルエー
テル (30 ml×2回) で抽出を行った。油層を集め、硫酸
マグネシウムで乾燥させた後濾過し、溶媒ならびに揮発
分を除去した。さらに揮発分を完全に除去し、粗生成物
を粘稠な暗褐色のオイルとして得た。ここで得られた粗
生成物を、 n-ヘキサンを溶媒として、テトラヒドロフ
ランにて不活性化したシリカゲルカラムを通して精製し
た。生成物を含むフラクションを集め、溶媒を除去し、
さらに減圧乾燥して黄褐色の固体生成物を得た (1.72
g, 収率 =76%) 。
【0149】ここで得られた固体生成物の全量を乾燥n-
ヘキサン (25 ml) に溶解させ、この溶液に、-78℃でn-
ブチルリチウムのn-ヘキサン溶液 (1.58 M, 5.1 ml, 8.
0 mmol) を、シリンジを用いて5分間で添加した。混合
物を-78℃で攪拌し、ゆっくりと室温まで昇温させた
後、室温にて終夜攪拌を行った。黄色みを帯びたサスペ
ンジョンを窒素雰囲気下、1.5時間還流し、熱時濾過を
行った。固体残渣をn-ヘキサン (15 ml×2回) で洗浄
し、減圧乾燥を行い、ジリチオ {1,1'-ジメチルシリレ
ン [2-メチルベンゾ [e] インデニル] [2-メチル-4-フ
ェニル-4H-アズレニル]} の黄褐色粉末 (1.80 g, 収率
= 100%) を得た。
【0150】不活性ガス雰囲気で満たされたグローブボ
ックス内で、ジリチオ {1,1'-ジメチルシリレン [2-メ
チルベンゾ [e] インデニル] [2-メチル-4-フェニル-4H
-アズレニル]} (0.469 g, 1.0 mmol) および四塩化ハフ
ニウム (0.320 g, 1.0 mmol) を秤量し、ガス導入コッ
クを備えた100 ml丸底フラスコに加えた。フラスコをグ
ローブボックスから取り出し、-5℃の冷浴に浸した。乾
燥トルエン (70 ml)および乾燥ジエチルエーテル (10 m
l) をシリンジにて加えた後、サスペンジョンを15時間
攪拌した。この間、温度は徐々に室温まで上昇した。得
られたサスペンジョンをセライト濾過し、減圧下に溶媒
を除去し、黄色の粗錯体 (0.696 g,収率 = 99%) を得
た。1H-NMRにて得られた粗錯体を分析したところ、主成
分は2種類の異性体であった。粗錯体にトルエン (5 ml
×3回) による抽出操作を施し、固体残渣を減圧乾燥
し、ジクロロ {1,1'-ジメチルシリレン [2-メチルベン
ゾ[e] インデニル] [2-メチル-4-フェニル-4H-アズレニ
ル]} ハフニウムを淡黄色の粉末 (0.13 g, 収率 = 19
%) として得た。1H-NMRおよびNOE測定による分析の結
果、主成分はexo-syn異性体であり、マイナー成分はexo
-anti異性体であった。なお、exo-syn/exo-anti=10/1
(mol比) であった。トルエン抽出液から溶媒を除去して
減圧乾燥し、n-ヘキサン (10 ml×3回) で洗浄したとこ
ろ、オレンジ色の粉末 (0.41 g, 収率 = 58%) が得られ
た。1H-NMRによる分析の結果、これはexo-anti異性体が
主成分の錯体であり、exo-syn/exo-anti=1/2.5 (mol比)
であった。 exo-anti異性体: 400 MHz 1H-NMR (CDCl3, 室温): δ
8.03 (d, J=7.83 Hz, 1H), 7.71 (d, J=7.83 Hz, 1H),
7.55 (m, 2H), 7,46 (m, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.33 (m,
2H), 7.23 (m, 2H), 7.16 (m, 1H), 6.92 (d, J=11.6
Hz, 1H), 6.18(m,1H), 5.96 (m, 1H), 5.88 (m, 1H),
5.48 (s, 1H),5.04 (br. s, 1H), 2.59 (s, 3H), 2.14
(s, 3H), 1.20 (s, 3H), 1.13 (s, 3H) exo-syn異性体: 400 MHz 1H-NMR (CDCl3, 室温): δ 8.
06 (d, J=7.83Hz, 1H),7.77 (d, J=7.83Hz, 1H), 7.60
(m, 2H), 7.52 (t,J=7.33Hz, 1H), 7.35-7.15 (m, 6H),
6.97 (d, J=11.62Hz, 1H), 6.04 (m, 1H), 5.82 (m, 1
H), 5.70 (m, 1H), 5.55 (s, 1H), 4.71 (br. s, 1H),
2.59 (s, 3H), 2.37 (s, 3H), 1.23 (s, 3H), 1.13 (s,
3H)
【0151】(2) 粘土鉱物の化学処理 300 ml丸底フラスコに、脱塩水 (94 ml)、硫酸リチウム
1水和物 (14.5 g) および硫酸 (21.9g) を採取し、攪拌
下に溶解させた。この溶液に、市販の造粒モンモリロナ
イト (水澤化学社製ベンクレイSL, 29.4g) を分散さ
せ、10分間かけて沸騰するまで昇温し、沸点(105℃) で
120分間攪拌を行った。その後、脱塩水200 mlを加えて
冷却し、得られたスラリーを濾過してウェットケーキを
回収した。回収したケーキを1,000 mlビーカーにて、脱
塩水 (500 ml) を用いて再度スラリー化し、濾過を行っ
た。この操作を2回繰り返した。最終的に得られたケー
キを、空気下100℃で 3時間乾燥し、化学処理モンモリ
ロナイト (24.0 g) を得た。
【0152】(3) 予備重合 実施例3(2) で得られた化学処理モンモリロナイト (1.0
2g) を200℃で2時間減圧乾燥した。これに、トリエチル
アルミニウムのトルエン溶液 (0.50 mmol/ml,4.0 ml)
を加え、室温で30分間撹拌した。この懸濁液にトルエン
(25ml) を加え、撹拌後、上澄みを除いた。この操作を
2回繰り返して粘土スラリーを得た。
【0153】別のフラスコに、東ソー・アクゾ社製トリ
イソブチルアルミニウム (0.06 mmol) と、実施例3(1)
で得られたジクロロ {1,1'-ジメチルシリレン [2-メチ
ルベンゾ [e] インデニル] [2-メチル-4-フェニル-4H-
アズレニル]} ハフニウム (exo-syn/exo-anti = 10/1
(mol比), 21.1 mg, 30.0 μmol) を加えてあらかじめ反
応させトルエン溶液とした。この錯体溶液全量を上記粘
土スラリーに加え、室温で1時間撹拌し、触媒スラリー
を得た。
【0154】次いで、内容積2リッターの誘導撹拌式オ
ートクレーブ内に、上記触媒スラリーを全量導入した。
さらに、トリイソブチルアルミニウム (0.06 mmol) を
含有するトルエン(90 ml) を導入し、オートクレーブ内
に、30℃で液化プロピレン (30 ml) を導入し、30℃で9
0分間予備重合を行った。得られた予備重合触媒スラリ
ーを200 ml丸底フラスコに回収し、上澄みを除いた後、
トリイソブチルアルミニウム (0.018 mmol) を含有した
トルエン(70 ml) で洗浄した。この予備重合触媒は、固
体触媒成分1 gあたりポリプロピレン4.0 gを含有してい
た。
【0155】(4) プロピレン単独重合 (ブロックIの重
合) 精製窒素で置換された、いかり型攪拌翼を内蔵する2リ
ッターの誘導攪拌式オートクレーブに、トリイソブチル
アルミニウムのトルエン溶液 (0.1 mmol/ml)を5.0 ml装
入した。実施例3(3) で得られた予備重合触媒スラリー
を、固体触媒成分として100.0 mg装入し、液化プロピレ
ン625 gを装入した。その後60℃まで昇温し、重合開始
とした。150分後に、モノマーをパージして重合を終わ
らせた。重合前後のオートクレーブ重量変化からポリプ
ロピレンの収量を測定したところ、329 gであった。
【0156】得られた重合体を分析したところ、以下の
結果が得られた。13C-NMRで測定した結果、head to tai
l結合からなるプロピレン単位連鎖部のミクロタクティ
シティは、mmmm = 71.3%, mmmr = 8.2%, rmmr = 0.9%,
mmrr = 8.4%, mmrm + rmrr =3.7%, rmrm = 2.0%, rrrr
= 0.7%, rrrm = 1.1%, mrrm = 3.9% であり、ステレオ
ブロックポリプロピレンであった。また、Sに対するS1
の比率は71.3%、4 + 2S 1/S2 = 21.4であった。また、全
プロピレン挿入に対し、プロピレンの2,1-挿入に基づく
位置不規則単位の量は0.1%、プロピレンの1,3-挿入に基
づく位置不規則単位の量は0.1%であった。なお、MFR
は、4.2 g/10minであった。また、DSC測定を行ったとこ
ろ、融点ピークは145.3℃、結晶融解熱量は52.2 J/gで
あった。o-ジクロロベンゼンを溶媒として、CFC測定を
行ったところ、5℃未満の溶出成分以外に、60℃および1
00℃付近に溶出ピークが観測され、5℃未満の溶出成分
量は12.9 wt%, Mn = 41,000, Mw = 275,000, Mw/Mn =
6.7であり、5℃以上135℃未満の溶出成分量は87.1 wt%
であり、Mn = 73,000, Mw = 249,000, Mw/Mn = 3.4であ
った。
【0157】(5) プロピレン・エチレン共重合 (ブロッ
クIIの重合) 精製窒素で置換された、いかり型攪拌翼を内蔵する2リ
ッターの誘導攪拌式オートクレーブに、トリイソブチル
アルミニウムのトルエン溶液 (0.1 mmol/ml)を5.0 ml装
入した。実施例3(3) で得られた予備重合触媒スラリー
を、固体触媒成分として90.4 mg装入し、液化プロピレ
ン500 gを装入した。さらにエチレンをエチレン分圧と
して0.70 MPa装入後、45℃まで昇温し、重合開始とし
た。100分後に、モノマーをパージして重合を終わらせ
た。重合前後のオートクレーブ重量変化よりプロピレン
・エチレン共重合体の収量を求めたところ、218 gであ
った。なお、重合中、気相部のエチレン濃度をガスクロ
マトグラフにより求めたところ、平均18.7 mol% であっ
た。
【0158】得られた共重合体を分析したところ、以下
の結果が得られた。13C-NMRにて求めた共重合体中のエ
チレン含量は 3.9 mol% であった。また、MFRは、9.2 g
/10minであった。DSC測定を行ったところ、融点ピーク
は115.6℃、結晶融解熱量は28.9 J/gであった。o-ジク
ロロベンゼンを溶媒としてCFC測定を行ったところ、5℃
未満の溶出成分は33.7 wt%であり、該成分は、Mn = 43,
000, Mw = 197,000, Mw/Mn=4.6であった。また、5℃以
上135℃未満の溶出成分は、66.3 wt%であり、該成分
は、Mn = 62,000, Mw = 219,000, Mw/Mn=3.5であった。
【0159】(6) 物性測定 実施例3(4) および (5) で得られた重合体を、前記した
方法にて、ラボプラストミルを用いて溶融混練し、軟質
プロピレン系樹脂組成物を得た。なお、ブロック (I)
とブロック (II)の比率は、重量比で35/65とした。ここ
で得られた軟質プロピレン系樹脂組成物を用いて、前記
した方法にて、プレス成形機を用いてプレスシートサン
プルを作成し、得られたプレスシートの物性測定を行っ
た。真密度 = 0.8805 g/cm3, D硬度 = 57, 引張弾性率
= 221 MPa、引張破断点伸び = 895%, 内部光線透過率 =
85.9%、融点 = 143.6℃であった。得られたプレスシー
トは、柔軟性・透明性・耐熱性ともに良好であり、か
つ、べたつきもなかった。
【0160】実施例4 (1) 粘土鉱物の化学処理 300 ml丸底フラスコに、脱塩水 (94 ml)、硫酸リチウム
1水和物 (14.5 g) および硫酸 (21.9g) を採取し、攪拌
下に溶解させた。この溶液に、市販の造粒モンモリロナ
イト (水澤化学社製ベンクレイSL, 30.5 g) を分散さ
せ、10分間かけて沸騰するまで昇温し、沸点(105℃) で
120分間攪拌を行った。その後、脱塩水200 mlを加えて
冷却し、得られたスラリーを濾過してウェットケーキを
回収した。回収したケーキを1,000 mlビーカーにて、脱
塩水 (500 ml) を用いて再度スラリー化し、濾過を行っ
た。この操作を2回繰り返した。最終的に得られたケー
キを、空気下100℃で 3時間乾燥し、化学処理モンモリ
ロナイト (26.2 g) を得た。
【0161】(2) 予備重合F-511のデータ 実施例4(1) で得られた化学処理モンモリロナイト (1.5
6 g) を200℃で2時間減圧乾燥した。これに、トリエチ
ルアルミニウムのトルエン溶液 (0.50 mmol/ml, 6.0 m
l) を加え、室温で30分間撹拌した。この懸濁液にトル
エン (25 ml) を加え、撹拌後、上澄みを除いた。この
操作を2回繰り返して粘土スラリーを得た。
【0162】別のフラスコに、東ソー・アクゾ社製トリ
イソブチルアルミニウム (0.047 mmol)と、実施例3(1)
で得られたジクロロ {1,1'-ジメチルシリレン [2-メチ
ルベンゾ [e] インデニル] [2-メチル-4-フェニル-4H-
アズレニル]} ハフニウム (exo-syn/exo-anti = 5/1 (m
ol比), 16.48 mg, 23.4 μmol) を加え、トルエン溶液
とした。この錯体溶液全量を上記粘土スラリーに加え、
室温で1時間撹拌し、触媒スラリーを得た。
【0163】次に、内容積2リッターの誘導撹拌式オー
トクレーブ内に、上記触媒スラリーを全量導入した。ト
リイソブチルアルミニウム (0.043 mmol) を含有するト
ルエン(100 ml) を導入し、オートクレーブ内に、30℃
で液化プロピレン (30 ml) を導入し、30℃で120分間予
備重合を行った。得られた予備重合触媒スラリーを200m
l丸底フラスコに回収し、上澄みを除いた後、トリイソ
ブチルアルミニウム (0.018 mmol) を含有したトルエン
(70 ml) で洗浄した。この予備重合触媒は、固体触媒
成分1 gあたりポリプロピレン4.3 gを含有していた。
【0164】(3) 気相2段重合 内容積2リッターの誘導撹拌式オートクレーブ内に、100
℃で乾燥した大粒径ポリプロピレン110 gを導入し、減
圧窒素置換した。その後、トリイソブチルアルミニウム
(0.20 mmol) を導入し、オートクレーブ内に装着した
触媒フィーダー内に、上記予備重合触媒を固体触媒成分
として67.2 mg導入した。オートクレーブを加熱し、50
℃で、触媒フィーダーから予備重合触媒をオートクレー
ブ内に導入し、プロピレンを導入しながらさらに加熱し
た。65℃まで昇温後、圧力を1.8MPaとし、同温度で180
分間反応を継続した。反応中は、圧力一定となるように
プロピレンガスを導入した。反応終了後、未反応モノマ
ーをパージして重合を停止し、プロピレンの単独重合体
(ブロック (I)) を得た。オートクレーブの重合前後の
重量変化から収量を測定したところ、68 gであった。
【0165】オートクレーブを60℃まで昇温し、プロピ
レンおよびエチレンを導入してプロピレンとエチレンの
共重合、すなわちブロック (II) の重合を開始した。な
お、モノマー組成は、エチレン29 mol%、プロピレン71
mol% とし、圧力は2.1 MPaとした。反応中は、モノマー
組成および圧力が一定となるようにエチレンおよびプロ
ピレンの混合ガスを導入した。60℃で120分間反応を行
った後、未反応モノマーをパージして重合を停止した。
重合停止後、篩い分けにより最初に加えた大粒径ポリプ
ロピレンと、目的とする気相2段重合品による軟質プロ
ピレン系樹脂組成物とを分別し、軟質プロピレン系樹脂
組成物を粒子状の重合体として得た。収量は146 gであ
り、かさ密度は0.37 g/cm3であった。
【0166】(4) 物性評価 実施例4(3)で得られたブロック (II) に関する解析を行
った。収量より、得られたプロピレン系樹脂組成物中の
ブロック (II) の含量は、53.4 wt%であった。これと13
C-NMR にて測定した該プロピレン系樹脂組成物中のエチ
レン含量より、ブロック (II) 中のエチレン含量を求め
たところ10.5 mol%であった。さらに、実施例4(3)で得
られた軟質プロピレン系樹脂組成物粒子を用いて、前記
した方法により混練およびプレスシート作成を行い、該
プレスシートの物性評価を行った。真密度 = 0.8780 g/
cm3, D硬度 = 47, 引張弾性率 = 113 MPa、引張破断点
伸び = 1074%, 内部光線透過率 = 84.5%、融点 = 148.9
℃であった。得られたプレスシートは、柔軟性・透明性
・耐熱性ともに良好であり、かつ、べたつきもなかっ
た。
【0167】(5) ブロック (I) の構造解析 実施例4(3) と同様にして、別途、ブロック (I) の重合
を行った。得られた重合体を13C-NMRにて解析したとこ
ろ、以下の結果を得た。head to tail結合からなるプロ
ピレン単位連鎖部のミクロタクティシティは、mmmm = 7
3.2%, mmmr = 8.0%, rmmr = 0.8%, mmrr = 8.1%, mmrm
+ rmrr = 3.9%, rmrm = 1.6%, rrrr = 0.5%, rrrm = 1.
1%, mrrm = 2.8% であり、ステレオブロックポリプロピ
レンであった。また、Sに対するS1の比率は73.2%、4 +
2S1/S2 = 22.3であった。また、全プロピレン挿入に対
し、プロピレンの2,1-挿入に基づく位置不規則単位の量
は0.1%、プロピレンの1,3-挿入に基づく位置不規則単位
の量は0.2%であった。
【0168】実施例5 (1) 粘土鉱物の化学処理 300 ml丸底フラスコに、脱塩水 (94 ml)、硫酸リチウム
1水和物 (14.5 g) および硫酸 (22.1g) を採取し、攪拌
下に溶解させた。この溶液に、市販の造粒モンモリロナ
イト (水澤化学社製ベンクレイSL, 29.4g) を分散さ
せ、20分間かけて沸騰するまで昇温し、103℃ で120分
間攪拌を行った。その後、脱塩水400 mlを加えて冷却
し、得られたスラリーを遠心分離後、上澄み液をデカン
テーションしてウェットケーキを回収した。回収したケ
ーキを1,000 mlビーカーにて、脱塩水 (400 ml) を用い
て再度スラリー化し、同様に遠心分離及びデカンテーシ
ョンを行った。この操作を2回繰り返した。最終的に得
られたケーキを、空気下100℃で 3時間乾燥し、化学処
理モンモリロナイト (23.8 g) を得た。
【0169】(2) 予備重合 実施例5(1) で得られた化学処理モンモリロナイト (0.
52 g) を200℃で2時間減圧乾燥した。乾燥後の重量は、
0.48 gであった。これに、トリエチルアルミニウムのト
ルエン溶液 (0.45 mmol/ml, 2.1 ml) を加え、室温で30
分間撹拌した。この懸濁液にトルエン (20 ml) を加
え、撹拌後、上澄みを除いた。この操作を2回繰り返し
て粘土スラリーを得た。
【0170】別のフラスコに、東ソー・アクゾ社製トリ
イソブチルアルミニウム (0.36mmol) と、実施例3(1)
で得られたジクロロ {1,1'-ジメチルシリレン [2-メチ
ルベンゾ [e] インデニル] [2-メチル-4-フェニル-4H-
アズレニル]} ハフニウム(exo-syn/exo-anti = 10/1 mo
l比, 123.6 mg, 175.6 μmol) を加え、あらかじめ反応
させトルエン溶液とした。この錯体溶液(2.96 μmol/m
l, 2.4ml) を上記粘土スラリーに加え、室温で10分間撹
拌し、トルエンを追加して濃度調製を行い、触媒スラリ
ー (50.0 mg/ml) を得た。
【0171】次いで、精製窒素で置換された、いかり型
攪拌翼を内蔵する2リッターの誘導攪拌式オートクレー
ブに、上記触媒スラリーを3.0 ml、およびトルエン50 m
lを導入した。さらに、トリイソブチルアルミニウム
(0.25 mmol) を含有するトルエン (2.5 ml) をオートク
レーブ内に装着した触媒フィーダ内に導入し、オートク
レーブ内に、30℃で液化プロピレン (50 g) を導入し、
30℃で10分間予備重合を行った。予備重合終了後、オー
トクレーブ内に残留したプロピレンをパージし、触媒フ
ィーダ内のトリイソブチルアルミニウムを圧入した。
【0172】(3) プロピレン単独重合 (ブロック (I)
の重合) 実施例 5(2) で得られた予備重合触媒入りオートクレ
ーブに、トルエン650 mlおよび液化プロピレン150 gを
装入した。その後50℃まで昇温し、重合開始とした。50
℃におけるオートクレーブ内圧は 0.7 MPa であった。5
0℃で120分間、内圧0.7 MPaが保持されるように液化プ
ロピレンをフィードした。120分後、オートクレーブの
内温を 40℃まで急冷した。この間、モノマーのパージ
は行わなかった。
【0173】(4) プロピレン・エチレン共重合 (ブロッ
ク (II) の重合) あらかじめ別の2リッターの誘導攪拌式オートクレーブ
をエチレン/プロピレン混合ガス用バッファータンクと
して準備した。このタンクにエチレン 0.50 MPaおよび
液化プロピレン250 gを装入し、タンクの全重量を秤量
した。このタンクを加熱して65℃に保温した。実施例
5 (3) に引き続き、実施例 5 (3) で用いた誘導攪拌
式オートクレーブの内温を 40℃に調整後、液化プロピ
レン75 gを装入した。さらにエチレンをエチレン分圧と
して0.60 MPa装入後、40℃で重合開始とした。重合開始
時のオートクレーブ内圧は 1.0 MPaであった。40℃で90
分間、内圧1.0 MPaが保持されるように、バッファータ
ンクから混合ガスをフィードした。90分後、メタノール
を圧入して重合を停止し、モノマーをパージした。内容
物を回収し、溶媒を除去したところ、ブロック (I) お
よび (II) の組成物として重合体243 gが得られた。プ
ロピレン・エチレン共重合時のエチレン/プロピレン混
合ガスの消費量は198gであった。なお、重合中、気相部
のエチレン濃度をガスクロマトグラフにより求めたとこ
ろ、平均22.1 mol% であった。
【0174】得られた重合体を分析したところ、以下の
結果が得られた。ブロック (II) におけるエチレン含量
をIRにて求めたところ、4.2 mol% であった。また、ブ
ロック (I) および (II) からなる組成物のMFRは、10.0
g/10minであった。ブロック (I) および (II) からな
る組成物のDSC測定を行ったところ、融点ピークは145.7
℃、結晶融解熱量は11.2 J/gであった。なお、該組成物
は、ゴム状の塊状物として得られ、かさ密度の測定はで
きなかった。
【0175】(5) 物性測定 実施例 5 (4) で得られた重合体を、前記した方法に
て、ラボプラストミルを用いて溶融混練し、軟質プロピ
レン系樹脂組成物を得た。ここで得られた軟質プロピレ
ン系樹脂組成物を用いて、前記した方法にて、プレス成
形機を用いてプレスシートサンプルを作成し、得られた
プレスシートの物性測定を行った。真密度= 0.8694 g/c
m3, D硬度 = 82, 引張弾性率 = 34 MPa、引張破断点伸
び > 941%, 内部光線透過率 = 85.5%、融点 = 147.0℃
であった。得られたプレスシートは、柔軟性・透明性・
耐熱性ともに良好であり、かつ、べたつきもなかった。
【0176】(6) ブロック (I) の構造解析 実施例 5 (3) と同様にしてブロック(I)の重合を行っ
た。得られた重合体を1 3C-NMRで測定した結果、head to
tail結合からなるプロピレン単位連鎖部のミクロタク
ティシティは、mmmm = 69.4%, mmmr = 7.8%, rmmr = 1.
0%, mmrr = 7.7%,mmrm + rmrr = 5.3%, rmrm = 2.7%, r
rrr = 0.9%, rrrm = 1.6%, mrrm = 3.5%であり、ステレ
オブロックポリプロピレンであった。また、Sに対するS
1の比率は69.4%、4 + 2S1/S2 = 21.8であった。また、
全プロピレン挿入に対し、プロピレンの2,1-挿入に基づ
く位置不規則単位の量は0.4%、プロピレンの1,3-挿入に
基づく位置不規則単位の量は0.3%であった。なお、MFR
は、3.5 g/10minであった。また、DSC測定を行ったとこ
ろ、融点ピークは146.5℃、結晶融解熱量は38.9 J/gで
あった。
【0177】
【発明の効果】本発明を用いることにより、柔軟性・透
明性・耐熱性に優れたプロピレン系軟質樹脂組成物が得
られる。また、本発明では、高価なアルミノキサンや有
機ホウ素化合物を使用せず、さらに、気相重合も可能で
あり、この場合には重合溶媒も不要であるため、良好な
物性を有するプロピレン系軟質重合体を安価に製造する
ことができる。よって、本発明は工業的にきわめて価値
が高い。
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 直正 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内 (72)発明者 山田 書佳 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内 (72)発明者 ブルース シン 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BB12W BB15X GA01 GB01 GC00 GK00 GL00 GQ00 4J026 HA04 HA27 HA35 HA38 HB03 HB04 HB20 HB27 HB35 HB38 HB45 HB47 4J128 AA01 AC01 AC28 AD08 AD15 AD19 BA01A BA01B BB01A BB01B BC12A BC12B BC15A BC15B BC25A BC25B CA30B DA02 DB05A EA01 EA02 EB04 EC01 ED01 ED02 GA15

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に下記ブロック (I) およびブロ
    ック (II) から構成されることを特徴とする軟質プロピ
    レン系樹脂組成物。 ブロック (I): プロピレン系重合体であって、該重合体
    中にhead to tail結合からなるプロピレン単位連鎖部を
    有し、該連鎖部がアイソタクチックブロックを含むステ
    レオブロック構造を有するプロピレン系重合体。 ブロック (II): 少なくともプロピレンおよびエチレン
    を共重合成分として含有する共重合体。
  2. 【請求項2】 ブロック (I) のプロピレン系重合体
    が、(i) プロピレンの単独重合体、あるいは、(ii) プ
    ロピレンと、エチレンおよび/または炭素数4〜20のα-
    オレフィンとの共重合体である、請求項1に記載の軟質
    プロピレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ブロック (II) が、プロピレンおよびエ
    チレンの共重合体である請求項1または2に記載の軟質
    プロピレン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ブロック (II) が、プロピレン、エチレ
    ンおよび炭素数4〜20のα-オレフィンの共重合体である
    請求項1または2に記載の軟質プロピレン系樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 ブロック (II) におけるエチレンあるい
    はエチレンおよび炭素数4〜20のα-オレフィンとの含量
    の合計がブロック (II) の共重合体の0.1 mol%以上40 m
    ol% 以下である、請求項3または4に記載の軟質プロピ
    レン系樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 ブロック (II) におけるエチレンあるい
    はエチレンおよび炭素数4〜20のα-オレフィンとの含量
    の合計がブロック (II) の共重合体の5 mol%以上40 mol
    % 以下である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の軟
    質プロピレン系樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 ブロック (I) が下記条件 (A) を満たす
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の軟質プロピレン系
    樹脂組成物。 (A) 重合体の主鎖中に、2,1-挿入したプロピレン単量体
    および/または1,3-挿入したプロピレン単量体に基づく
    位置不規則単位が存在すること。
  8. 【請求項8】 ブロック (I) が下記条件 (B) を満たす
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の軟質プロピレン系
    樹脂組成物。 (B) 重合体の主鎖中に、2,1-挿入したプロピレン単量体
    と、1,3-挿入したプロピレン単量体に基づく位置不規則
    単位の両者が存在する。
  9. 【請求項9】 ブロック (I) が下記条件 (C) を満たす
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の軟質プロピレン系
    樹脂組成物。 (C) 重合体中のhead to tail結合からなるプロピレン単
    位連鎖部に、rmrmで表されるペンタッドに帰属される部
    分構造が存在し、その存在比率が、head to tail結合か
    らなるプロピレン単位連鎖部の全ペンタッドに対して7%
    以下であること。
  10. 【請求項10】 ブロック (I) が下記性質 (D) を有す
    る請求項1〜9のいずれか1項に記載の軟質プロピレン
    系樹脂組成物。 (D) 重合体中のhead to tail結合からなるプロピレン単
    位連鎖部のメチル基の炭素原子に由来する13C-NMRスペ
    クトルを測定し、mmmmで表されるペンタッドに帰属され
    るピークのピークトップのケミカルシフトを21.8 ppmと
    した際に、19.8 ppmから22.2 ppmに現れるピークの総面
    積Sに対し、21.8 ppmをピークトップとするピークの面
    積S1の比率が40% 以上かつ95% 以下であり、かつ、21.5
    〜21.7 ppmをピークトップとするピークの面積をS2とし
    たとき、4 + (2S1/S2 )> 5であること。
  11. 【請求項11】 下記要件 (ア)〜(エ) を満足すること
    を特徴とする軟質プロピレン系樹脂組成物。 要件 (ア): JIS K 7113に準拠して測定した引張弾性率
    が10 MPa以上、300 MPa以下。 要件 (イ): JIS K 7105に準拠して測定した内部平行光
    線透過率が70%以上、100%以下。 要件 (ウ): DSCで測定したピークのピークトップ温度が
    100℃以上、165℃以下の範囲に存在する。 要件 (エ): JIS K 7365にしたがって測定したかさ密度
    が0.3 g/cm3以上である軟質プロピレン系樹脂の粒子か
    ら実質的になること。
  12. 【請求項12】 ステレオブロック構造を有する軟質プ
    ロピレン系樹脂組成物であって、JIS K 7365にしたがっ
    て測定したかさ密度が0.3 g/cm3以上である軟質プロピ
    レン系樹脂の粒子から実質的になることを特徴とする軟
    質プロピレン系樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 シングルサイト触媒を用いて重合反応
    されてなる請求項1〜12のいずれか1項に記載の軟質
    プロピレン系樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 シングルサイト触媒が、下記触媒成分
    [A] を必須成分とするメタロセン触媒である請求項1
    3に記載の軟質プロピレン系樹脂組成物。 触媒成分 [A]: 下記一般式 (I) で表される共役5員環配
    位子を含むC1対称性を有する遷移金属錯体。 【化1】 (一般式 (I) 中、A1およびA2は、異なる共役5員環配位
    子であって、A1およびA2の少なくとも一方は、共役5員
    環配位子上の隣接した置換基が結合し、5員環の2原子を
    含めて形成された7〜10員の縮合環を有し、Qは、2つの
    共役5員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基、M
    は、周期律表4族から選ばれる遷移金属原子を示し、そ
    して、XおよびYは、それぞれ独立して、Mと結合した水
    素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アミノ基、ハロゲ
    ン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、窒素含有炭化水
    素基、リン含有炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基を示
    す。)
  15. 【請求項15】 シングルサイト触媒が、下記触媒成分
    共触媒 [B] を含有し、触媒成分 [B]が、ケイ酸塩を除
    くイオン交換性層状化合物または無機ケイ酸塩を必須成
    分とし、触媒成分 [C] を任意成分とすることを特徴と
    する請求項14に記載の軟質プロピレン系樹脂組成物。 触媒成分 [B]: 助触媒 触媒成分 [C]: 有機アルミニウム化合物
  16. 【請求項16】 触媒成分 [C] が、一般式(VII) 【化2】AlR1 mZ3-m (VII) (式中、R1は、炭素数1〜20の炭化水素基、Zは、水素、
    ハロゲン原子、アルコキシ基もしくはアリールオキシ
    基、mは0 < m ≦ 3の数) で示される化合物であること
    を特徴とする、請求項15に記載の軟質プロピレン系樹
    脂組成物。
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