JP2003290845A - ハイドロフォーム加工方法及びハイドロフォーム加工用金型 - Google Patents
ハイドロフォーム加工方法及びハイドロフォーム加工用金型Info
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Abstract
で成形可能なハイドロフォーム加工方法及びそれを実施
するための金型を提供すること。 【解決手段】 金属管1を金型7、8に装着し、型締め
した後で、金属管に内圧と管軸方向押し込み力を負荷す
るハイドロフォーム加工方法において、金属管断面の一
方向に金属管を拡管させた後で、金属管断面において前
記一方向と直角方向に金属管を拡管すること。もしく
は、金属管断面の一方向に前記金属管を拡管させた後
で、前記金属管断面において前記一方向と直角方向に金
属管を拡管させ中間製品とし、その中間製品を最終製品
形状の金型に装着し、ハイドロフォーム加工すること。
Description
部品やサスペンション系部品等の製造に用いられるもの
で、金属管を分割した金型に入れ、当該金型を型締めし
た後、金属管内に内圧と管軸方向の押し力を負荷するこ
とにより所定形状に成形するハイドロフォーム加工方法
及びハイドロフォーム加工用金型に関する。
減によるコスト削減や軽量化等の手段の一つとして自動
車分野で注目を浴びており、欧米では数年前から既に実
車に採用され、国内でも1999年から実車への適用も
開始した。それ以降、ハイドロフォーム加工の適用部品
は年々増加し、その市場規模は大幅に拡大してきた。
とプレス加工を比較した際、技術的にハイドロフォーム
加工の方が優れる点の一つに、大変形が可能であるとい
うことが挙げられる。図1にハイドロフォーム加工(●
印)とプレス加工(□印)において発生する歪状態図を
示す。一般にプレス加工では、等2軸引張状態から平面
歪状態を経て単軸引張状態までの領域で変形が行われ
る。等2軸引張状態とは、X方向の引張歪がX方向と直
角方向の引張歪と等しく働く状態をいい、平面歪状態と
は、X方向の歪が0で、X方向と直角方向の引張歪のみ
働く状態をいい、単軸引張状態とは、X方向の引張応力
が0で、X方向と直角方向の引張応力のみ働く状態をい
う。従って、プレス加工では材料の成形限界から見ると
変形能が少ない領域での変形となり、特に平面歪状態で
歪が進行すると破断しやすい。それに対し、ハイドロフ
ォーム加工では内圧を負荷すると同時に軸押しを負荷す
るため、材料に剪断変形を与えることが可能になり、歪
の状態も単軸引張から純粋剪断状態の領域で変形が進行
する。純粋剪断状態とは、X方向の圧縮歪がX方向と直
角方向の引張歪と等しく働く状態をいう。従って、材料
の成形限界から見ると、変形能が非常に広い領域での加
工となるため、その結果、大変形が可能になる。すなわ
ち言い換えると、ハイドロフォーム加工で大変形の加工
を実現するためには、いかに純粋剪断側に歪の状態をも
っていくかにかかっていると言っても過言ではない。
しを積極的に負荷させることが効果的であることは言う
までもない。しかし、単純に軸押しを増加させると当然
座屈という問題が発生する。この座屈を防止するには内
圧を高めることが効果的であるが、内圧を高めると言う
ことは、歪状態が剪断側から平面歪側に移動することを
意味するため、破断しやすくなる。従って、図2のよう
に金型がない自由バルジにおいては、座屈を起こさない
ためには単軸引張状態よりも平面歪側でしか成形できな
い(森ら:塑性と加工 vol.29 no.325(1988) p.131より
抜粋)。
イドロフォーム加工)で剪断変形が実現できていた理由
は、金型の拘束による効果のためである。周囲に金型が
存在するため、自由バルジの場合よりも座屈を抑制する
ことが可能になる。また、金型があるため自由バルジの
場合よりも内圧を高圧にすることが可能になり、それに
よって更に金型との密着が高まり、座屈抑制に効果があ
る。このようにT−成形においては、金型の存在ゆえに
座屈を抑えながら剪断変形を実現することができるた
め、大変形が可能になる。
い形状として図3のような例がある。しかし、これらの
例に共通していることは、何れもある1つの面上で拡管
或いは枝管張出しをしているという点である。例えば、
長方形拡管の例では、素管をYZ平面上でY方向にのみ
拡管しており、Z方向には拡管していない。
が1つの面上だけに制限されていない。例えば正方形拡
管や半球拡管の例では素管をYZ平面上で、Y方向に拡
管するだけでなくZ方向にも拡管している。このような
例では、素管の一部が金型に接触するまでは、自由バル
ジと同じ状態になるため、座屈を起こさずに剪断変形を
実現することができなくなり、その結果、拡管率は大き
くできなかった。
方向が一方向に制限されない形状の部品をハイドロフォ
ームによって加工することを可能にしたハイドロフォー
ム加工方法及びハイドロフォーム用金型を提供すること
を目的とする。
め、本発明の要旨とするところは下記の通りである。 (1)金属管を分割した金型に装着し、型締めした後
で、前記金属管に内圧と管軸方向押し込み力を負荷する
ハイドロフォーム加工方法において、前記金属管断面の
一方向に前記金属管を拡管させた後で、前記金属管断面
において前記一方向と直角方向に前記金属管を拡管する
ことを特徴とするハイドロフォーム加工方法。 (2)金属管を金属管断面の一方向に拡管させた後で、
最終製品形状の金型に装着し、前記金属管断面において
前記一方向と直角方向に金属管を拡管することを特徴と
する前記(1)記載のハイドロフォーム加工方法。 (3)金属管を分割した金型に装着し、型締めした後
で、前記金属管に内圧と管軸方向押し込み力を負荷する
ハイドロフォーム加工方法において、前記金属管断面の
一方向に前記金属管断管を拡管させた後で、前記金属管
断面において前記一方向と直角方向に前記金属管を拡管
させ中間製品とし、その中間製品を最終製品形状の金型
に装着し、ハイドロフォーム加工することを特徴とする
ハイドロフォーム加工方法。 (4)金属管を分割した金型に装着し、型締めした後
で、前記金属管に内圧と管軸方向押し込み力を負荷する
ハイドロフォーム加工に用いられる一対の金型であっ
て、前記一対の金型は金属管が拡管可能な空洞部と、前
記空洞部に対応する拡管方向と直角方向に、成形初期の
金属管外面から最終形状の金属管外面まで位置制御自在
な可動金型を有することを特徴とするハイドロフォーム
加工用金型。
この例を用いて本発明の詳細を説明する。まず、金属管
1を下金型2に装着し、上金型3を閉める。この時、金
型2、3の空洞部の形状は、金属管1の径に対して、水
平方向にのみ拡管されるような形状にし、垂直方向には
拡管されないような形状にしておく。次に、セットされ
た管1の内部に内圧を負荷すると同時に左右の端部を軸
押しパンチ4、5で管軸方向に押し込み、中間製品6の
形状まで仕上げる。このように、垂直方向に拡管しない
ように水平方向のみ拡管すると、材料に剪断変形を負荷
することが可能になり、大きな拡管率まで成形できる。
ここまでを、第1ハイドロフォーム工程とする。
金型2、3から取り出し、最終製品形状に対応する別の
下金型7に装着し、別の上金型8を閉める。この時、金
型7、8の空洞部の形状は、中間製品6の形状に対し
て、垂直方向にのみ拡管されるような形状にし、水平方
向には拡管されないような形状にしておく。次に、セッ
トされた中間製品6の内部に内圧を負荷すると同時に左
右の端部を軸押しパンチ9、10で管軸方向に押し込
み、最終製品11の形状まで仕上げる。この第2ハイド
ロフォーム工程では、水平方向に拡管しないように垂直
方向のみ拡管しているため、やはり第1ハイドロフォー
ム工程と同様に、材料に剪断変形を負荷することが可能
になり、大きな拡管率まで成形できる。この結果、最終
的には、管1に対して水平方向および垂直方向とも拡管
された最終製品11が完成させる。
で水平方向に拡管し、第2ハイドロフォーム工程で垂直
方向に拡管したが、当然その逆でも構わなく、すなわ
ち、第1ハイドロフォーム工程で垂直方向、第2ハイド
ロフォーム工程で水平方向に拡管しても、本発明の効果
を同様に得ることができる。また、第1ハイドロフォー
ム工程で成形した中間製品を第2ハイドロフォーム工程
にセットする際に、同じ向きに入れる必要はなく、例え
ば90°傾けた方向で中間製品をセットしても良い。こ
の場合、第2ハイドロフォーム工程の金型空洞部の方向
は、第1ハイドロフォーム工程の金型空洞部の方向と同
じになる。
率を上げる方法に図6のようなカウンターパンチや管軸
方向に可動する可動金型等がある(SchulerのMetal For
mingHandbookより抜粋)が、それらの方法を各ハイドロ
フォーム工程に使用すると、各工程における拡管率を更
に上げることが可能になり、最終的な拡管率も更に向上
できる。
カウンターパンチ12、13を、第2ハイドロフォーム
工程で可動金型14、15、16、17を使用した例で
ある。また図5の例では、第1ハイドロフォーム工程と
第2ハイドロフォーム工程とで別々の金型を用いて加工
したが、これを同一金型20、21内で加工した例が図
8である。一対の金型20、21は金属管1が拡管可能
な空洞部を水平方向に有し、空洞部に対応する拡管方向
と直角方向(上下方向)に、成形初期の金属管外面から
最終形状の金属管外面まで位置制御自在な可動金型2
4、25を有する。このようにすると、金型機構は複雑
になるが、金型数が削減できてコスト的には有利であ
る。また、一体型金型においても図6の例のようなカウ
ンターパンチや可動金型を併用すると、より大きな拡管
率まで成形可能になり有利な成形となる。
いる際には垂直方向の拡管を制限しており、また垂直方
向に拡管している際には水平方向の拡管を制限している
ため、どうしても最終製品形状は単純な形状になってし
まう場合が多い。そこで、自動車部品のように複雑な形
状に仕上げるには更にもう一工程加えると有効である。
すなわち、上述の第1・第2ハイドロフォーム工程(或
いは一体型金型による加工工程)によって最終製品相当
の拡管率まで管を拡管し、中間製品26とした後で、最
終部品形状の金型に装着し、形状のみ整えるような第3
ハイドロフォーム加工を行う(図9参照)。当該方法に
より複雑形状でかつ拡管率の大きな部品のハイドロフォ
ーム加工も可能になる。中間製品26の成形は第1、第
2ハイドロフォーム工程を同一の金型で実施しても良
い。金属管として、鋼管、ステンレス管、アルミニウム
管、チタン管等を使用できる。
63.5mm、板厚2.3mm、長さ500mm、材質JIS
規格STKM11A(機械構造用炭素鋼鋼管)を用い
た。図10に示すように、加工する製品形状としては、
正方形に拡管する形状で、正方形の1辺の長さを150
mm、コーナーRは8mm、拡管部の管軸方向長さを100
mmとした。
て、水平方向に拡管し中間製品を得た。その際、軸押し
量は、左右とも50mmで内圧は最大30MPaで成形し
た。この第1ハイドロフォーム工程により、素管径に対
して約2.1倍に拡管された。次に、上記で成形された
中間製品を最終製品形状となる第2ハイドロフォーム金
型に装着し、垂直方向に拡管した。その際、軸押し量
は、左右とも40mmで内圧は最大36MPaで成形した。
この第2ハイドロフォーム工程により、素管径に対して
約2.9倍に拡管された。
ない従来方法でも成形を行った。すなわち、第1ハイド
ロフォーム工程を省略し、素管を、第2ハイドロフォー
ム工程の金型に直接挿入して成形した。その結果、軸押
しと内圧をどんなに調整しても、拡管箇所の金型まで接
触することもなく、バーストあるいは座屈が生じて成形
ができなかった。
ックとなり加工できなかった大拡管率のハイドロフォー
ム加工が可能になり、その結果ハイドロフォーム適用部
品の範囲が拡大する。それにより、冒頭に述べたような
自動車部品のコスト削減や軽量化の効果に寄与できる。
状態の説明図。
例の説明図。
例の説明図。
図。
ーパンチや可動金型を併用した場合の説明図。
加工方法例の説明図。
ハイドロフォーム加工方法例の説明図。
金型) 25 第1第2工程一体型前側カウンターパンチ(可動
金型) 26 第2ハイドロフォーム工程後の中間製品 27 第3ハイドロフォーム工程下金型 28 第3ハイドロフォーム工程上金型 29 第3ハイドロフォーム工程左軸押しパンチ 30 第3ハイドロフォーム工程右軸押しパンチ
Claims (4)
- 【請求項1】 金属管を分割した金型に装着し、型締め
した後で、前記金属管に内圧と管軸方向押し込み力を負
荷するハイドロフォーム加工方法において、前記金属管
断面の一方向に前記金属管を拡管させた後で、前記金属
管断面において前記一方向と直角方向に前記金属管を拡
管することを特徴とするハイドロフォーム加工方法。 - 【請求項2】 金属管を金属管断面の一方向に拡管させ
た後で、最終製品形状の金型に装着し、前記金属管断面
において前記一方向と直角方向に金属管を拡管すること
を特徴とする請求項1記載のハイドロフォーム加工方
法。 - 【請求項3】 金属管を分割した金型に装着し、型締め
した後で、前記金属管に内圧と管軸方向押し込み力を負
荷するハイドロフォーム加工方法において、前記金属管
断面の一方向に前記金属管を拡管させた後で、前記金属
管断面において前記一方向と直角方向に金属管を拡管さ
せ中間製品とし、その中間製品を最終製品形状の金型に
装着し、ハイドロフォーム加工することを特徴とするハ
イドロフォーム加工方法。 - 【請求項4】 金属管を分割した金型に装着し、型締め
した後で、前記金属管に内圧と管軸方向押し込み力を負
荷するハイドロフォーム加工に用いられる一対の金型で
あって、前記一対の金型は金属管が拡管可能な空洞部
と、前記空洞部に対応する拡管方向と直角方向に、成形
初期の金属管外面から最終形状の金属管外面まで位置制
御自在な可動金型を有することを特徴とするハイドロフ
ォーム加工用金型。
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