JP2003290484A - 遊技機 - Google Patents

遊技機

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JP2003290484A
JP2003290484A JP2002096724A JP2002096724A JP2003290484A JP 2003290484 A JP2003290484 A JP 2003290484A JP 2002096724 A JP2002096724 A JP 2002096724A JP 2002096724 A JP2002096724 A JP 2002096724A JP 2003290484 A JP2003290484 A JP 2003290484A
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Application number
JP2002096724A
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English (en)
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Shohachi Ugawa
詔八 鵜川
Masanori Kinoshita
真紀 木下
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特別な演出の発生率の制御部分をさほど変更
することなく容易に他機種に流用することができる遊技
機を提供する。 【解決手段】 可変表示装置9を制御する表示制御手段
101Aは、複数の判定テーブル101a〜101nに
もとづいて可変表示装置9においてすべり停止等の特別
演出を行うか否か決定する特別態様実行制御手段101
Bを含む。特別態様実行制御手段101Bは、遊技制御
手段31Aから変動パターンコマンドを受信すると、特
別演出を行うか否かを決定する。また、複数の判定テー
ブル101a〜101nにおいて、リーチ状態を形成す
る識別情報の1つ手前の識別情報を導出するときと、リ
ーチ状態を形成する識別情報の1つ後の識別情報を導出
するときとで、異なる判定テーブルを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の可変表示部
において識別情報を所定の配列に従って可変表示を実行
可能な可変表示手段を備え、複数の可変表示部に表示さ
れた識別情報の表示結果が特定の識別情報の組合せとな
ったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可
能となるパチンコ機等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】遊技機として、遊技球などの遊技媒体を
発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けら
れている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞する
と、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。
さらに、表示状態が変化可能な可変表示部が設けられ、
可変表示部の表示結果があらかじめ定められた特定の表
示態様となった場合に所定の遊技価値を遊技者に与える
ように構成されたものがある。
【0003】遊技価値とは、遊技機の遊技領域に設けら
れた可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者
にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利
な状態となるための権利を発生させたりすることや、景
品遊技媒体払出の条件が成立しやすくなる状態になるこ
とである。また、入賞等の所定の条件成立に応じて所定
量の遊技球やコインが付与されたり得点が加算されたり
する場合に、それらを価値または有価価値と呼ぶことに
する。
【0004】パチンコ遊技機では、特別図柄(識別情
報)を表示する可変表示部の表示結果があらかじめ定め
られた特定の表示態様の組合せとなることを、通常、
「大当り」という。大当りが発生すると、例えば、大入
賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技
状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個
(例えば10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口
は閉成する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数
(例えば15ラウンド)に固定されている。なお、各開
放について開放時間(例えば29.5秒)が決められ、
入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大
入賞口は閉成する。また、大入賞口が閉成した時点で所
定の条件(例えば、大入賞口内に設けられているVゾー
ンへの入賞)が成立していない場合には、大当り遊技状
態は終了する。
【0005】また、可変表示装置において最終停止図柄
(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図
柄が、所定時間継続して、特定表示態様と一致している
状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状
態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動した
り、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結
果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している
状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)にお
いて行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状
態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出
を含む可変表示をリーチ可変表示という。リーチ状態に
おいて、変動パターンを通常状態における変動パターン
とは異なるパターンにすることによって、遊技の興趣が
高められている。そして、可変表示装置に可変表示され
る図柄の表示結果がリーチ状態となる条件を満たさない
場合には「はずれ」となり、可変表示状態は終了する。
遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつ
つ遊技を行う。
【0006】遊技機における遊技進行はマイクロコンピ
ュータ等による遊技制御手段によって制御される。可変
表示装置に表示される識別情報の可変表示の態様が多岐
に渡るので可変表示制御に関するプログラムの容量は大
きい。従って、プログラム容量に制限のある遊技制御手
段のマイクロコンピュータで可変表示装置に表示される
識別情報等を制御することは困難であり、遊技制御手段
のマイクロコンピュータとは別の表示制御用のマイクロ
コンピュータ(表示制御手段)を用いることが得策であ
る。
【0007】表示制御用のマイクロコンピュータを設け
た場合、遊技制御手段は、遊技制御状態と可変表示制御
状態との同期をとるために、遊技の進行に応じて適宜表
示制御用のマイクロコンピュータに制御信号を送る必要
がある。その場合、可変表示部に表示される識別情報、
特に、可変表示終了時の停止識別情報を指定するための
制御信号が表示制御用のマイクロコンピュータに送出さ
れる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】リーチ状態とする場合
に、所定確率で、リーチ状態となるか否かに関わる図柄
(例えば、左、右、中の順番で停止される場合において
は、右図柄)について、例えばすべりを行う演出などの
特別な演出によって可変表示させる制御を行い、遊技の
興趣を向上させた遊技機がある。
【0009】また、リーチ状態とはならない場合であっ
ても、例えば1図柄の差でリーチ状態とならない場合
(例えば、左図柄が「7」で、右図柄が「6」または
「8」となる場合)に、リーチ状態への期待感が高めら
れるように、リーチ状態となるか否かに関わる図柄につ
いて特別な演出により可変表示を行うものもある。さら
に、遊技演出をより豊富にするために、1図柄の差とは
異なる図柄差でリーチ状態とならない場合にも、特別な
演出により可変表示が行われる場合もある。
【0010】特別な演出の発生率を、機種によって変え
たい場合がある。例えば、+1図柄の差でリーチ状態と
ならない場合の特別な演出の発生率を変えず、−1図柄
の差でリーチ状態とならない場合の特別な演出の発生率
を変えたいような場合がある。そのような場合であって
も、特別な演出の発生率が変更されるのであるから、特
別な演出の発生率に関する制御部分を変更しなければな
らない。通常、特別な演出の発生率に関する制御部分
は、マイクロコンピュータと、マイクロコンピュータが
実行するプログラムと、実行に際してマイクロコンピュ
ータが使用するデータとで構成されるが、プログラムま
たはデータを大幅に変更しなければならないという課題
がある。
【0011】そこで、本発明は、リーチ状態となるか否
かに関わる識別情報についての特別な可変表示を実行可
能である場合に、特別な演出の発生率の制御部分をさほ
ど変更することなく容易に他機種に流用することができ
る遊技機を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による遊技機は、
複数の可変表示部(例えば可変表示装置9における左中
右の3つの図柄表示エリア)において識別情報を所定の
配列(例えば図柄番号順)に従って可変表示を実行可能
な可変表示手段(例えば可変表示装置9)を備え、複数
の可変表示部に表示された識別情報の表示結果が特定の
識別情報の組合せ(例えば左中右が同一の図柄)となっ
たときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大
当り遊技状態)に制御可能となる遊技機であって、可変
表示手段の表示に関連する制御を行う電気部品制御手段
(例えば遊技制御手段および表示制御手段)を備え、複
数の可変表示部のうち識別情報の導出によりリーチ状態
を形成することが可能となるリーチ形成用可変表示部
(例えば、最後から2番目に停止する識別情報を表示す
る図柄表示エリア)において、所定の特別態様(例え
ば、すべり停止、再変動演出、遮蔽演出などの特別演出
を行う制御)により識別情報の導出を行う特別可変表示
制御と、特別態様とは異なる通常態様(例えば、すべり
停止などの特別演出がなされない態様)により識別情報
の導出を行う通常可変表示制御とを実行可能であり、電
気部品制御手段が、リーチ形成用可変表示部に導出され
うる識別情報に対応し、リーチ形成用可変表示部に特別
態様により識別情報の導出を行うか否かを決定するため
に用いられる複数の判定テーブル(例えば図24,図3
1に示される特別演出判定用テーブルにおける特別演出
振分テーブル)と、判定テーブルを用いて特別態様によ
り識別情報の導出を行うか否かを決定する特別態様実行
制御手段(例えば表示制御手段における特別演出選択処
理を行う部分)とを含み、少なくとも、リーチ形成用可
変表示部に所定の配列におけるリーチ状態を形成する識
別情報の1つ手前の識別情報を導出するときに特別態様
実行制御手段が使用する判定テーブルと、所定の配列に
おけるリーチ状態を形成する識別情報の1つ後の識別情
報を導出するときに特別態様実行制御手段が使用する判
定テーブルとを、各々独立して設けた(例えばテーブル
2,4)ことを特徴とする。
【0013】複数の判定テーブルは、例えば、リーチ形
成用可変表示部に所定の配列におけるリーチ状態を形成
する識別情報の1つ手前の識別情報を導出するときに用
いられる判定テーブル(例えばテーブル2)と、リーチ
形成用可変表示部に所定の配列におけるリーチ状態を形
成する識別情報の1つ後の識別情報を導出するときに用
いられる判定テーブルと(例えばテーブル4)のうちの
少なくともいずれか一方を使用した場合の特別態様の発
生率が、リーチ形成用可変表示部に所定の配列における
リーチ状態を形成しない識別情報を導出するときに用い
られる他の判定テーブル(例えばテーブル3,5)を使
用した場合の特別態様の発生率よりも高くなるように形
成されている。
【0014】特別態様実行制御手段が、リーチ形成用可
変表示部に導出されうる複数の識別情報すべてについ
て、所定の配列における相互の差数(例えば図柄番号の
差)を特定可能であり、リーチ状態を形成する識別情報
(例えば左図柄に対応)とリーチ形成用可変表示部に導
出される識別情報(例えば右図柄)との差数(例えば図
柄番号差)に応じて、使用する判定テーブルを選択する
ように構成されていてもよい。
【0015】リーチ状態を形成する識別情報の1つ後の
識別情報をリーチ形成用可変表示部へ導出するときと、
リーチ状態を形成する識別情報の1つ手前の識別情報を
リーチ形成用可変表示部へ導出するときとで、特別態様
の発生率が異なる(例えばテーブル2とテーブル4によ
る特別演出発生率を異ならせる)ように構成されていて
もよい。
【0016】電気部品制御手段が、遊技の進行を制御す
る遊技制御手段(例えばCPU56等)と、遊技制御手
段からのコマンドに応じて可変表示手段を制御する表示
制御手段(例えば表示制御用CPU101等)とを含
み、遊技制御手段が、識別情報の可変表示の実行期間を
特定する変動パターンコマンド(例えば変動パターン指
定の表示制御コマンド)を表示制御手段に送信可能であ
り、特別態様実行制御手段は表示制御手段に含まれ、変
動パターンコマンドの受信にもとづいて特別態様により
識別情報の導出を行うか否かを決定する(例えば変動パ
ターン指定の表示制御コマンドの受信に応じて特別演出
選択処理を実行)ように構成されていてもよい。
【0017】複数の判定テーブルは、例えば、リーチ形
成用可変表示部にリーチ状態を形成する識別情報を導出
するときに用いられるリーチ用判定テーブル(例えばテ
ーブル1)を含み、リーチ用判定テーブルを使用した場
合の特別態様の発生率が、リーチ形成用可変表示部に所
定の配列におけるリーチ状態を形成する識別情報の1つ
手前の識別情報を導出するときに用いられる判定テーブ
ル(例えばテーブル2)、および所定の配列におけるリ
ーチ状態を形成する識別情報の1つ後の識別情報を導出
するときに用いられる判定テーブル(例えばテーブル
4)を使用した場合の特別態様の発生率よりも高くなる
ように形成されている。
【0018】複数の判定テーブルが、所定の配列におけ
るリーチ状態を形成する識別情報の1つ手前の識別情報
を導出するとき、および所定の配列におけるリーチ状態
を形成する識別情報の1つ後の識別情報を導出するとき
以外でリーチ形成用可変表示部にリーチ状態を形成しな
い識別情報を導出するときに共通に用いられる1種類の
判定テーブル(例えばテーブル3)を含むように構成さ
れていてもよい。
【0019】複数の判定テーブルが、所定の配列におけ
るリーチ状態を形成する識別情報の1つ手前の識別情報
を導出するとき、および所定の配列におけるリーチ状態
を形成する識別情報の1つ後の識別情報を導出するとき
以外でリーチ形成用可変表示部にリーチ状態を形成しな
い識別情報を導出するときに用いられる判定テーブルと
して、リーチ形成用可変表示部に導出される識別情報と
リーチ状態を形成する識別情報との差が大きくなるにつ
れて、特別態様の発生率が低くなるような複数の判定テ
ーブル(例えばテーブル3,5)を含むように構成され
ていてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
の一実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態にお
ける遊技機としては、LCD(Liquid Crystal Displa
y)等からなる可変表示装置により特図ゲームを行う遊
技機であり、プリペイドカードによって球貸しを行うカ
ードリーダ(CR:Card Reader )式の第1種パチンコ
遊技機を例にとって説明する。しかし、適用対象となる
遊技機は、これに限るものではなく、パチンコ遊技機等
の弾球遊技機であっても、例えば、第2種あるいは第3
種に分類される遊技機や、一般電役機、またはパチコン
と呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構
わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを
行うCR式パチンコ遊技機だけでなく、現金によって球
貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。まず、
CR式の第1種パチンコ遊技機の全体の構成について説
明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、
図2は遊技盤の前面を示す正面図である。
【0021】パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成
された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取
り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊
技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に
形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対
して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構
部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けら
れる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構
造体である。
【0022】図1に示すように、パチンコ遊技機1は、
額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠
2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供
給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技
球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハ
ンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2
の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられてい
る。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その
板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体であ
る。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されて
いる。
【0023】遊技領域7の中央付近には、それぞれが識
別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示部を
含む可変表示装置(特別可変表示部)9が設けられてい
る。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、
「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。
なお、可変表示部は固定的な領域であってもよいが、遊
技進行中に、可変表示装置9の表示領域において移動し
たり大きさが変化してもよい。また、可変表示装置9に
は、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動
入賞記憶数を表示する4つの特別図柄始動記憶表示エリ
ア(始動記憶表示エリア)18が設けられている。有効
始動入賞(始動入賞記憶数が4未満のときの始動入賞)
がある毎に、表示色を変化させる(例えば青色表示から
赤色表示に変化させる)始動記憶表示エリア18を1増
やす。そして、可変表示装置9の可変表示が開始される
毎に、表示色が変化している始動記憶表示エリア18を
1減らす。すなわち表示色をもとの状態に戻す。
【0024】なお、図柄表示エリアと始動記憶表示エリ
ア18とが区分けされて設けられているので、可変表示
中も始動入賞記憶数が表示された状態とすることができ
る。また、始動記憶表示エリア18を図柄表示エリアの
一部に設けるようにしてもよく、この場合には、可変表
示中は始動入賞記憶数の表示を中断するようにすればよ
い。また、この実施の形態では、始動記憶表示エリア1
8を可変表示装置9に設けるようにしているが、始動入
賞記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)
を可変表示装置9とは別個に設けるようにしてもよい。
【0025】可変表示装置9の下方には、始動入賞口1
4としての可変入賞球装置15が設けられている。始動
入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導か
れ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、
始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装
置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレ
ノイド16によって開状態とされる。
【0026】可変入賞球装置15の下部には、特定遊技
状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開
状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20
は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技
盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域)
に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉
板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出され
る。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換え
るためのソレノイド21Aも設けられている。
【0027】ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッ
チ32aで検出されると、普通図柄始動入賞記憶が上限
に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。そし
て、普通図柄表示器10において表示状態が変化する可
変表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器10
の表示の可変表示が開始される。普通図柄表示器10に
おいて表示状態が変化する可変表示を開始できる状態で
なければ、普通図柄始動入賞記憶の値が1増やされる。
普通図柄表示器10の近傍には、普通図柄始動入賞記憶
数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図
柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32へ
の入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯
するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の
可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減ら
す。なお、特別図柄と普通図柄とを一つの可変表示装置
で可変表示するように構成することもできる。その場合
には、特別可変表示部と普通可変表示部とは1つの可変
表示装置で実現される。
【0028】この実施の形態では、左右のランプ(点灯
時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによ
って普通図柄の可変表示が行われ、可変表示は所定時間
(例えば29.2秒)継続する。そして、可変表示の終
了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとす
るか否かは、ゲート32に遊技球が入賞したときに抽出
された乱数の値が所定の当り判定値と一致したか否かに
よって決定される。普通図柄表示器10における可変表
示の表示結果が当りである場合に、可変入賞球装置15
が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が入賞
しやすい状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の
状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、
遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
【0029】さらに、特別遊技状態としての確変状態で
は、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄に
なる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の
開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が高めら
れ、遊技者にとってさらに有利になる。また、確変状態
等の所定の状態では、普通図柄表示器10における可変
表示期間(変動時間)が短縮されることによって、遊技
者にとってさらに有利になるようにしてもよい。
【0030】遊技盤6には、複数の入賞口29,30,
33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,3
3への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30
a,33a,39aによって検出される。遊技領域7の
左右周辺には、遊技中に点滅表示される飾りランプ25
が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収する
アウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上
部には、効果音や音声を発する2つのスピーカ27が設
けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28
a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けら
れている。
【0031】そして、この例では、左枠ランプ28bの
近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51
が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れ
たときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置さ
れ、プリペイドカードが挿入されることによって球貸し
を可能にするカードユニット50も示されている。
【0032】カードユニット50には、使用可能状態で
あるか否かを示す使用可表示ランプ151、カードユニ
ット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応してい
るのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット
50内にカードが投入されていることを示すカード投入
表示ランプ154、記録媒体としてのカードが挿入され
るカード挿入口155、およびカード挿入口155の裏
面に設けられているカードリーダライタの機構を点検す
る場合にカードユニット50を解放するためのカードユ
ニット錠156が設けられている。
【0033】打球発射装置から発射された遊技球は、打
球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域
7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口ス
イッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始で
きる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄が
可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始でき
る状態でなければ、始動入賞記憶数を1増やす。
【0034】可変表示装置9における特別図柄の可変表
示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特
別図柄の組み合わせが大当り図柄(特定表示態様)であ
ると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板2
0が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例え
ば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開
閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞しV入賞ス
イッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20
の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例
えば15ラウンド)許容される。
【0035】停止時の可変表示装置9における特別図柄
の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)
の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が
高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさ
らに有利な状態(特別遊技状態)となる。
【0036】図3は、主基板31における回路構成の一
例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御
基板37、ランプ制御基板35、音制御基板70、発射
制御基板91および図柄制御基板80も示されている。
主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1
を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ32a、始
動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントス
イッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,
39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、
賞球カウントスイッチ301Aおよびクリアスイッチ9
21からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路5
8と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、
開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内
の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路
53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59と
が搭載されている。
【0037】なお、図3には示されていないが、カウン
トスイッチ短絡信号もスイッチ回路58を介して基本回
路53に伝達される。また、ゲートスイッチ32a、始
動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントス
イッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,
39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、
賞球カウントスイッチ301A等のスイッチは、センサ
と称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出
できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)
であれば、その名称を問わない。スイッチと称されてい
るものがセンサと称されているもの等でもよいこと、す
なわち、スイッチが遊技媒体検出手段の一例であること
は、他の実施の形態でも同様である。
【0038】また、基本回路53から与えられるデータ
に従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装
置9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞
球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを
示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等
の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載さ
れている。
【0039】基本回路53は、ゲーム制御用のプログラ
ム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用さ
れる記憶手段(変動データを記憶する手段)としてのR
AM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU5
6およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態で
は、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されて
いる。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコン
ピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータ
は、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、R
OM54およびI/Oポート部57は外付けであっても
内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54
に格納されているプログラムに従って制御を実行するの
で、以下、CPU56が実行する(または、処理を行
う)ということは、具体的には、CPU56がプログラ
ムに従って制御を実行することである。このことは、主
基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについ
ても同様である。
【0040】また、RAM(CPU内蔵RAMであって
もよい。)55の一部または全部が、電源基板910に
おいて作成されるバックアップ電源によってバックアッ
プされているバックアップRAMである。すなわち、遊
技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RA
M55の一部または全部の内容は保存される。
【0041】遊技球を打撃して発射する打球発射装置は
発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モー
タ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力
は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわ
ち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の
操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御され
る。
【0042】この実施の形態では、ランプ制御基板35
に搭載されているランプ制御手段が、遊技盤に設けられ
ている普通図柄始動記憶表示器41および装飾ランプ2
5の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天
枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28
c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御
を行う。なお、各ランプはLEDその他の種類の発光体
でもよく、この実施の形態および他の実施の形態で用い
られているLEDも他の種類の発光体でもよい。すなわ
ち、ランプやLEDは発光体の一例である。また、特別
図柄を可変表示する可変表示装置9および普通図柄を可
変表示する普通図柄表示器10の表示制御は、図柄制御
基板80に搭載されている表示制御手段によって行われ
る。
【0043】各制御手段は遊技機に設けられている電気
部品の制御を行うので、以下、各制御手段を電気部品制
御手段といい、電気部品制御手段が搭載された基板を電
気部品制御基板ということがある。電気部品とは、遊技
機に設けられている部品(機構部品や回路等)であって
電気的に動作するものである。電気部品制御手段とし
て、例えば、電気部品としての球払出装置を制御する払
出制御手段、電気部品としての演出用の可変表示装置の
制御を行う表示制御手段、電気部品としての演出制御用
の発光体(ランプやLED)の制御を行うランプ制御手
段、電気部品としての演出用のスピーカからの音発生の
制御を行う音制御手段がある。また、演出用の電気部品
を制御する表示制御手段、ランプ制御手段、音制御手段
等を演出制御手段ということがある。
【0044】図4は、図柄制御基板80内の回路構成
を、可変表示装置9の一実現例であるLCD(液晶表示
装置)82、普通図柄表示器10、主基板31の出力ポ
ート(ポート0,2)570,572および出力バッフ
ァ回路620,62Aとともに示すブロック図である。
出力ポート(出力ポート2)572からは8ビットのデ
ータが出力され、出力ポート570からは1ビットのス
トローブ信号(INT信号)が出力される。また、この
実施の形態では、コマンドデータをパラレル通信(この
例では8ビットパラレル)によって送信する構成として
いるが、シリアル通信によってやりとりされるようにし
てもよい。
【0045】表示制御用CPU101は、制御データR
OM102に格納されたプログラムに従って動作し、主
基板31からノイズフィルタ107および入力バッファ
回路105Bを介してINT信号が入力されると、入力
バッファ回路105Aを介して表示制御コマンドを受信
する。入力バッファ回路105A,105Bとして、例
えば汎用ICである74HC540,74HC14を使
用することができる。なお、表示制御用CPU101が
I/Oポートを内蔵していない場合には、入力バッファ
回路105A,105Bと表示制御用CPU101との
間に、I/Oポートが設けられる。
【0046】そして、表示制御用CPU101は、受信
した表示制御コマンドに従って、LCD82に表示され
る画面の表示制御を行う。具体的には、表示制御コマン
ドに応じた指令をVDP(ビデオディスプレイプロセッ
サ)103に与える。VDP103は、キャラクタRO
M86から必要なデータを読み出す。VDP103は、
入力したデータに従ってLCD82に表示するための画
像データを生成し、R,G,B信号および同期信号をL
CD82に出力する。
【0047】なお、図4には、VDP103をリセット
するためのリセット回路83、VDP103に動作クロ
ックを与えるための発振回路85、および使用頻度の高
い画像データを格納するキャラクタROM86も示され
ている。キャラクタROM86に格納される使用頻度の
高い画像データとは、例えば、LCD82に表示される
人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等からな
る画像などである。
【0048】入力バッファ回路105A,105Bは、
主基板31から図柄制御基板80へ向かう方向にのみ信
号を通過させることができる。従って、図柄制御基板8
0側から主基板31側に信号が伝わる余地はない。すな
わち、入力バッファ回路105A,105Bは、入力ポ
ートともに不可逆性情報入力手段を構成する。図柄制御
基板80内の回路に不正改造が加えられても、不正改造
によって出力される信号が主基板31側に伝わることは
ない。
【0049】高周波信号を遮断するノイズフィルタ10
7として、例えば3端子コンデンサやフェライトビーズ
が使用されるが、ノイズフィルタ107の存在によっ
て、表示制御コマンドに基板間でノイズが乗ったとして
も、その影響は除去される。また、主基板31のバッフ
ァ回路620,62Aの出力側にもノイズフィルタを設
けてもよい。
【0050】なお、主基板31とランプ制御基板35と
の間のランプ制御コマンドの信号送受信部分の構成や、
主基板31と音制御基板70との間の音制御コマンドの
信号送信部分の構成は、上述した図4に示した主基板3
1と図柄制御基板80との間の表示制御コマンドの信号
送受信部分と同様に構成される。
【0051】次に遊技機の動作について説明する。図5
は、主基板31における遊技制御手段(CPU56およ
びROM,RAM等の周辺回路)が実行するメイン処理
を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投
入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになる
と、CPU56は、ステップS1以降のメイン処理を開
始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必
要な初期設定を行う。
【0052】初期設定処理において、CPU56は、ま
ず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込
モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタ
ックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定す
る(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの
初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス
(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)お
よびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステッ
プS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定
する(ステップS6)。
【0053】この実施の形態で用いられるCPU56
は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回
路(CTC)も内蔵している。また、CTCは、2本の
外部クロック/タイマトリガ入力CLK/TRG2,3
と2本のタイマ出力ZC/TO0,1を備えている。
【0054】この実施の形態で用いられているCPU5
6には、マスク可能な割込のモードとして以下の3種類
のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が
発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設
定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタック
にセーブする。
【0055】割込モード0:割込要求を行った内蔵デバ
イスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3
バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よっ
て、CPU56は、RST命令に対応したアドレスまた
はCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行す
る。リセット時に、CPU56は自動的に割込モード0
になる。よって、割込モード1または割込モード2に設
定したい場合には、初期設定処理において、割込モード
1または割込モード2に設定するための処理を行う必要
がある。
【0056】割込モード1:割込が受け付けられると、
常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
【0057】割込モード2:CPU56の特定レジスタ
(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力
する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成
されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すな
わち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値と
され下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示さ
れるアドレスである。従って、任意の(飛び飛びではあ
るが)偶数番地に割込処理を設置することができる。各
内蔵デバイスは割込要求を行うときに割込ベクタを送出
する機能を有している。
【0058】よって、割込モード2に設定されると、各
内蔵デバイスからの割込要求を容易に処理することが可
能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込
処理を設置することが可能になる。さらに、割込モード
1とは異なり、割込発生要因毎のそれぞれの割込処理を
用意しておくことも容易である。上述したように、この
実施の形態では、初期設定処理のステップS2におい
て、CPU56は割込モード2に設定される。
【0059】次いで、CPU56は、入力ポートを介し
て入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を
1回だけ確認する(ステップS7)。その確認において
オンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化
処理を実行する(ステップS11〜ステップS14)。
【0060】クリアスイッチ921がオンの状態でない
場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバック
アップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデ
ータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か
確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行わ
れていないことを確認したら、CPU56は初期化処理
を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデ
ータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理にお
いてバックアップRAM領域に設定されるバックアップ
フラグの状態によって確認される。この例では、バック
アップフラグ領域に「55H」が設定されていればバッ
クアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の
値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を
意味する。
【0061】バックアップありを確認したら、CPU5
6は、バックアップRAM領域のデータチェック(この
例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ス
テップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停
止時処理にて同一の処理によって算出され保存されてい
るチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給
停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRA
M領域のデータは保存されているはずであるから、チェ
ック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック
結果が正常でないということは、バックアップRAM領
域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なってい
ることを意味する。そのような場合には、内部状態を電
力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供
給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初
期化処理を実行する。
【0062】チェック結果が正常であれば、CPU56
は、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部
品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すた
めの遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そし
て、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プ
ログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのア
ドレスに復帰する。
【0063】なお、この実施の形態では、バックアップ
フラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップ
RAM領域のデータが保存されているか否かを確認して
いるが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、
バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、
状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
【0064】初期化処理では、CPU56は、まず、R
AMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定
の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普
通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、
特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、
賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御
状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期
値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS1
2)。さらに、サブ基板(この実施の形態では払出制御
基板35および各演出制御基板)を初期化するための初
期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する
(ステップS13)。初期化コマンドとして、可変表示
装置9に表示される初期図柄を示すコマンド(図柄制御
基板80に対して)や賞球ランプ51および球切れラン
プ52の消灯を指示するコマンド等がある。
【0065】そして、2ms毎に定期的にタイマ割込が
かかるようにCPU56に設けられているCTCのレジ
スタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、
初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時
間定数レジスタ)に設定される。
【0066】初期化処理の実行(ステップS11〜S1
4)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理
(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステ
ップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処
理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割
込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新
処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割
込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数と
は、可変表示装置9に表示される図柄を決定するための
乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発
生するためのカウンタのカウント値を更新する処理であ
る。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を
発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理で
ある。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定す
るための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用
乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定する
ための乱数である。後述する遊技制御処理において、大
当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周する
と、そのカウンタに初期値が設定される。
【0067】なお、表示用乱数更新処理が実行されると
きには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理
が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タ
イマ割込処理における処理と競合してしまうのを避ける
ためである。すなわち、ステップS17の処理中にタイ
マ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生
するためのカウンタのカウント値を更新してしまったの
では、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。し
かし、ステップS17の処理中では割込禁止状態にして
おけば、そのような不都合が生ずることはない。
【0068】タイマ割込が発生すると、CPU56は、
レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図
6に示すステップS21〜S33の遊技制御処理を実行
する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、ス
イッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動
口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口
スイッチ24a等のスイッチの検出信号を入力し、それ
らの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS2
1)。
【0069】次に、遊技制御に用いられる大当り判定用
の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタの
カウント値を更新する処理を行う(ステップS22)。
CPU56は、さらに、初期値用乱数を生成するための
カウンタのカウント値を更新する処理および表示用乱数
を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理
を行う(ステップS23,S24)。
【0070】図7は、各乱数を示す説明図である。各乱
数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用さ
れる。 (1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する
(大当り判定用) (2)ランダム2−1〜2−3(ランダム2):特別図
柄の左中右のはずれ図柄決定用(特別図柄左中右) (3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄の組合
せを決定する(大当り図柄決定用) (4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する
(変動パターン決定用) (5)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチ
とするか否かを決定する(リーチ判定用) (6)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させ
るか否か決定する(普通図柄当り判定用) (7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ラ
ンダム1初期値決定用) (8)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ラ
ンダム6初期値決定用)
【0071】図6に示された遊技制御処理におけるステ
ップS22では、CPU56は、(1)の大当り判定用
乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、および(6)の
普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカ
ウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判
定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または
初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、
上記(1)〜(8)の乱数以外の普通図柄に関する乱数
等も用いられている。
【0072】さらに、CPU56は、特別図柄プロセス
処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御
では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序
で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当
する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄
プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更
新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステッ
プS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示
器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図
柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて
実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、
遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0073】次いで、CPU56は、特別図柄に関する
表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して
表示制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマ
ンド制御処理:ステップS27)。また、普通図柄に関
する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定
して表示制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄
コマンド制御処理:ステップS28)。
【0074】さらに、CPU56は、例えばホール管理
用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確
率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う
(ステップS29)。
【0075】また、CPU56は、入賞口スイッチ29
a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球
個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS
30)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,
33a,39aの何れかがオンしたことにもとづく入賞
検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出
制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載され
ている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コ
マンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0076】そして、CPU56は、始動入賞記憶数の
増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS3
1)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認でき
るようにするための試験信号を出力する処理である試験
端子処理を実行する(ステップS32)。さらに、所定
の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令
を行う(ステップS33)。可変入賞球装置15または
開閉板20を開状態または閉状態としたり、大入賞口内
の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回
路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21,2
1Aを駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ
(ステップS34)、割込許可状態に設定する(ステッ
プS35)。
【0077】以上の制御によって、この実施の形態で
は、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。
なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御
処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割
込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、
遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにし
てもよい。
【0078】図8は、この実施の形態で用いられる左右
中図柄の一例を示す説明図である。図8に示すように、
この実施の形態では、左右中図柄として表示される各図
柄は、左右中で同一の10図柄である。図柄番号0の図
柄が表示されると、次に、図柄番号9の図柄が表示され
る。そして、左右中図柄が、例えば、「1」、「3」、
「5」、「7」または「9」で揃って停止すると、大当
りとなる確率が向上した状態である高確率状態となる。
すなわち、それらが確変図柄となる。
【0079】図9は、CPU56が実行する特別図柄プ
ロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートで
ある。図9に示す特別図柄プロセス処理は、図6のフロ
ーチャートにおけるステップS25の具体的な処理であ
る。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、
変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)を行い、
遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入
賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオ
ンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞
する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、
始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った
後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S308
のうちのいずれかの処理を行う。変動短縮タイマは、特
別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定
するためのタイマである。
【0080】特別図柄通常処理(ステップS300):
特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。
特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入
賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、
特別図柄の可変表示の結果、大当りとするか否か決定す
る。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をス
テップS301に移行するように更新する。
【0081】特別図柄停止図柄設定処理(ステップS3
01):特別図柄の可変表示後の左中右図柄の停止図柄
を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラ
グ)をステップS302に移行するように更新する。
【0082】変動パターン設定処理(ステップS30
2):特別図柄の可変表示の変動パターン(可変表示態
様)を、ランダム4の値に応じて決定する。また、変動
時間タイマをスタートさせる。このとき、図柄制御基板
80に対して、左中右最終停止図柄と変動態様(変動パ
ターン)を指令する情報とが送信される。そして、内部
状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に
移行するように更新する。
【0083】特別図柄変動処理(ステップS303):
所定時間(ステップS302の変動時間タイマで示され
た時間)が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフ
ラグ)をステップS304に移行するように更新する。
【0084】特別図柄停止処理(ステップS304):
可変表示装置9において表示される全図柄が停止される
ように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す表示
制御コマンドが送信される状態に設定する。そして、停
止図柄が大当り図柄の組み合わせである場合には、内部
状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に
移行するように更新する。そうでない場合には、内部状
態をステップS300に移行するように更新する。
【0085】大入賞口開放開始処理(ステップS30
5):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的に
は、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイ
ド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセス
タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定
し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態
(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行
するように更新する。
【0086】大入賞口開放中処理(ステップS30
6):大入賞口ラウンド表示の表示制御コマンドを図柄
制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成
立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口の閉成条件
が成立したら、内部状態をステップS307に移行する
ように更新する。
【0087】特定領域有効時間処理(ステップS30
7):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大
当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大
当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウ
ンドがある場合には、内部状態をステップS305に移
行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当
り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全
てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS
308に移行するように更新する。
【0088】大当り終了処理(ステップS308):大
当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制
御を表示制御手段に行わせるための制御を行う。そし
て、内部状態をステップS300に移行するように更新
する。
【0089】図10は、この実施の形態で用いられる変
動パターンの一例を示す説明図である。図10におい
て、「EXT」とは、2バイト構成の表示制御コマンド
における2バイト目のEXTデータを示す。つまり、特
別図柄の各変動パターンと表示制御コマンドとは1対1
に対応付けられている。また、「時間」は特別図柄の変
動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
【0090】なお、「通常変動」とは、リーチ態様を伴
わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」とは、
リーチ態様を伴うが変動結果(停止図柄)が大当りを生
じさせるものとならない変動パターンである。「リーチ
A」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持
つ変動パターンである。また、リーチ態様が異なると
は、リーチ変動時間において異なった態様の変動態様
(速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをい
う。例えば、「ノーマル」では単に1種類の変動態様に
よってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチ
A」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様
を含むリーチ態様が実現される。
【0091】また、「リーチB」は、「ノーマルリー
チ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変
動パターンである。そして、「リーチC」は、「ノーマ
ルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」とは異な
るリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、「リー
チA」、「リーチB」および「リーチC」では、大当り
となる場合と大当りとならない場合とがある。
【0092】この実施の形態では、さらに、短縮表示パ
ターンが用いられる。短縮表示パターンは、左中右の図
柄の変動時間が例えば1.0秒という極めて短い変動パ
ターンである。
【0093】なお、この実施の形態では、高確率時(確
変中)でも低確率時(非確変中=通常状態)でも変動パ
ターン1〜14の変動パターンが用いられるが、高確率
時には変動パターン1〜14のそれぞれの変動時間を短
くするようにしてもよい。また、高確率時に用いられる
変動パターン群(使用されうる複数の変動パターン)と
低確率時に用いられる変動パターン群とを別にしてもよ
い。
【0094】図11は、始動入賞が生じたときに実行さ
れる始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を示
すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理にお
いて、CPU56は、始動入賞記憶数が最大値である4
に達しているかどうか確認する(ステップS111)。
始動入賞記憶数が4に達していなければ、始動入賞記憶
数を1増やし(ステップS112)、大当り判定用乱数
等の各乱数の値を抽出し、それらを始動入賞記憶数の値
に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納
する(ステップS113)。なお、乱数を抽出すると
は、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を
読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすること
である。ステップS114では、図7に示された乱数の
うち、ランダム1〜ランダム5が抽出される。そして、
入賞時演出設定処理を実行する(ステップS115)。
【0095】図12は、特別図柄プロセス処理における
特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチ
ャートである。特別図柄通常処理において、CPU56
は、特別図柄の変動を開始することができる状態(例え
ば特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示
す値となっている場合)には(ステップS51)、始動
入賞記憶数の値を確認する(ステップS52)。具体的
には、始動入賞カウンタのカウント値を確認する。な
お、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を
示す値となっている場合とは、可変表示装置9において
図柄の変動がなされていず、かつ、大当り遊技中でもな
い場合である。
【0096】始動入賞記憶数が0でなければ、始動入賞
記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数
値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納す
るとともに(ステップS53)、始動入賞記憶数の値を
1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステ
ップS54)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=
2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱
数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に
格納する。
【0097】次いで、CPU56は、乱数格納バッファ
から大当り判定用乱数を読み出し(ステップS55)、
大当り判定モジュールを実行する(ステップS56)。
大当りとすることに決定した場合には(ステップS5
7)、CPU56は、大当りフラグをセットする(ステ
ップS58)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を
特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ス
テップS59)。
【0098】図13は、特別図柄プロセス処理における
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)を示す
フローチャートである。特別図柄停止図柄設定処理にお
いて、CPU56は、大当りフラグがセットされている
か否か確認する(ステップS61)。大当りフラグがセ
ットされている場合には、大当り図柄用乱数(ランダム
3)の値(ステップS53において読み出したランダム
3)に従って大当り図柄を決定する(ステップS6
2)。この実施の形態では、ランダム3の値に応じた大
当り図柄テーブルに設定されている図柄番号の各図柄
が、大当り図柄として決定される。大当り図柄テーブル
には、複数種類の大当り図柄の組み合わせのそれぞれに
対応した左中右の図柄番号が設定されている。そして、
特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に
対応した値に更新する(ステップS63)。
【0099】大当りフラグがセットされていない場合に
は、CPU56は、リーチ判定モジュールを実行する
(ステップS65)。ここでは、リーチ判定モジュール
において、ステップS53で保存領域から読み出したラ
ンダム3の値すなわち乱数値バッファに格納されている
値にもとづいてリーチとするか否かの決定が行われる
(ステップS64)。また、ランダム2−1の値に従っ
て左右図柄を決定し、ランダム2−2の値に従って中図
柄を決定する(ステップS67)。ここで、決定された
中図柄が左右図柄と一致した場合には、中図柄に対応し
た乱数の値に1加算した値に対応する図柄を中図柄の停
止図柄として、大当り図柄と一致しないようにする。そ
して、ステップS63に移行する。
【0100】ステップS66においてリーチしないこと
に決定された場合には、はずれの場合の停止図柄の決定
を行う(ステップS68)。具体的には、ステップS5
3で読み出した値、すなわち抽出されているランダム2
−1の値に従って左図柄を決定し、ランダム2−2の値
に従って中図柄を決定するとともに、ランダム2−3の
値に従って右図柄を決定する。なお、ここでは、左右図
柄が一致した場合には右図柄を1図柄ずらし、リーチに
もならないはずれとなるようにする。そして、ステップ
S63に移行する。なお、ステップS62において確変
図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後に確変
状態に移行することを示す確変フラグがセットされる。
【0101】次に、遊技制御手段から表示制御手段に対
する制御コマンドの送出方式について説明する。図14
は、主基板31から図柄制御基板80に送信される表示
制御コマンドの信号線を示す説明図である。図14に示
すように、この実施の形態では、表示制御コマンドは、
表示制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31か
ら図柄制御基板80に送信される。また、主基板31と
図柄制御基板80との間には、ストローブ信号(表示制
御INT信号)を送信するための表示制御INT信号の
信号線も配線されている。なお、図14には、表示制御
コマンドの例が示されているが、他の電気部品制御基板
への制御コマンドも、8本の信号線と1本のINT信号
の信号線によって送信される。
【0102】この実施の形態では、表示制御コマンドは
2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンド
の分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種
類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)
は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビッ
ト7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマン
ド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよ
い。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御
コマンドを用いてもよい。
【0103】図15に示すように、表示制御コマンドの
8ビットの表示制御コマンドデータは、表示制御INT
信号に同期して出力される。図柄制御基板80に搭載さ
れている表示制御手段は、表示制御INT信号が立ち上
がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデ
ータの取り込み処理を開始する。従って、表示制御手段
から見ると、表示制御INT信号は、表示制御コマンド
データの取り込みの契機となる取込信号に相当する。
【0104】表示制御コマンドは、表示制御手段が認識
可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例で
は、表示制御INT信号のレベルが変化することであ
り、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば表示制
御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれ
ぞれに応じて表示制御INT信号が1回だけパルス状
(矩形波状)に出力されることである。なお、表示制御
INT信号は図15に示された極性と逆極性であっても
よい。
【0105】図16は、図柄制御基板80に送出される
表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図
16に示す例において、コマンド8000(H)〜80
0E(H)は、特別図柄を可変表示する可変表示装置9
における特別図柄の変動パターンを指定する表示制御コ
マンドである。なお、変動パターンを指定するコマンド
(変動パターンコマンド)は変動開始指示も兼ねてい
る。また、コマンド800E(H)は、短縮表示パター
ンを指定するコマンドである。
【0106】コマンド88XX(H)(X=4ビットの
任意の値)は、普通図柄の変動パターンに関する表示制
御コマンドである。コマンド89XX(H)は、普通図
柄の停止図柄を指定する表示制御コマンドである。コマ
ンド8A00(H)は、普通図柄の可変表示の停止を指
示する表示制御コマンドである。
【0107】コマンド91XX(H)、92XX(H)
および93XX(H)は、特別図柄の左中右の停止図柄
を指定する表示制御コマンドである。「XX」には図柄
番号が設定される。また、コマンドA000(H)は、
特別図柄の可変表示の停止を指示する表示制御コマンド
である。コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始か
ら大当り遊技終了までの間に送出される表示制御コマン
ドである。そして、コマンドC000(H)〜EXXX
(H)は、特別図柄の変動および大当り遊技に関わらな
い可変表示装置9の表示状態に関する表示制御コマンド
である。
【0108】コマンドC3XX(H)は、始動入賞が生
じたときに送信される判定結果コマンドである。判定結
果コマンドは、特別図柄の可変表示の実行条件が成立し
たときに遊技制御手段が判定した識別情報の可変表示態
様(変動パターン)の種類等の判定結果を示すコマンド
である。そして、C300(H)ははずれ入賞指定の表
示制御コマンド(はずれ入賞指定コマンド)であり、C
301(H)はリーチ入賞指定の表示制御コマンド(リ
ーチ入賞指定コマンド)であり、C302(H)は非特
定大当り入賞指定の表示制御コマンド(非特定大当り入
賞指定コマンド)であり、C303(H)は特定大当り
入賞指定の表示制御コマンド(特定大当り入賞指定コマ
ンド)である。また、コマンドD000(H)は、客待
ちデモンストレーションを指定する表示制御コマンドで
ある。
【0109】コマンドE0XX(H)は、可変表示装置
9における始動入賞記憶数を表示する表示エリアにおい
て、表示色を変化させる始動記憶表示エリア18の個数
を示す表示制御コマンドである。例えば、表示制御手段
は、各始動記憶表示エリア18のうち「XX(H)」で
指定される個数の始動記憶表示エリア18の表示色を変
化させる。すなわち、コマンドE0XX(H)は、保留
個数という情報を報知するために設けられている表示エ
リアの制御を指示するコマンドである。なお、表示色を
変化させる始動記憶表示エリア18の個数に関するコマ
ンドが、表示色を変化させるエリアの個数の増減を示す
ように構成されていてもよい。また、この実施の形態で
は、始動入賞記憶の上限値は4であるから、「XX」は
0〜4のいずれかである。
【0110】また、コマンドE400(H)は、高確率
状態から低確率状態になったときに送信されるコマンド
であり、コマンドE401(H)は、低確率状態から高
確率状態になったときに送信されるコマンドである。
【0111】図柄制御基板80の表示制御手段は、主基
板31の遊技制御手段から上述した表示制御コマンドを
受信すると図16に示された内容に応じて可変表示装置
9および普通図柄表示器10の表示状態を変更する。
【0112】なお、ランプ制御手段および音制御手段に
も、表示制御コマンドと同じ形態のランプ制御コマンド
および音制御コマンドが送信される。ランプ制御手段
は、ランプ制御コマンドを受信するとランプ・LEDの
表示状態を変更し、音制御手段は、音制御コマンドを受
信するとスピーカ27からの音出力態様を変更する制御
を行う。
【0113】また、可変表示の開始を示す可変表示開始
指定コマンドおよび可変表示態様を特定可能な可変表示
態様指定コマンドは、変動パターン指定の表示制御コマ
ンドで実現され、識別情報の表示結果を特定可能な識別
情報指定コマンドは、左図柄指定、中図柄指定、右図柄
指定の表示制御コマンドで実現され、可変表示の終了を
示す可変表示終了指定コマンドは、特別図柄停止の表示
制御コマンドで実現されている。また、この実施の形態
では、変動パターン指定の表示制御コマンドが可変表示
の開始を示す可変表示開始指定コマンドおよび可変表示
態様を特定可能な可変表示態様指定コマンドとして兼用
されているが、可変表示開始指定コマンドと可変表示態
様を特定可能な可変表示態様指定コマンドとを別にして
もよい。
【0114】次に、表示制御手段の動作を説明する。図
17は、表示制御用CPU101が実行するメイン処理
を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、
RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また表示制御
の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を
行うための初期化処理が行われる(ステップS70
1)。その後、表示制御用CPU101は、タイマ割込
フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ
処理に移行する。図18に示すように、タイマ割込が発
生すると、表示制御用CPU101は、タイマ割込フラ
グをセットする(ステップS711)。メイン処理にお
いて、タイマ割込フラグがセットされていたら、表示制
御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップ
S703)、以下の表示制御処理を実行する。
【0115】この実施の形態では、タイマ割込は2ms
毎にかかる。すなわち、表示制御処理は、2ms毎に起
動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理
ではフラグセットのみがなされ、具体的な表示制御処理
はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で
表示制御処理を実行してもよい。
【0116】表示制御処理において、表示制御用CPU
101は、まず、受信した表示制御コマンドを解析する
(コマンド解析実行処理:ステップS704)。次いで
表示制御用CPU101は、表示制御プロセス処理を行
う(ステップS705)。表示制御プロセス処理では、
制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に
対応したプロセスを選択して実行する。そして、乱数カ
ウンタを更新する処理を実行する(ステップS70
6)。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの
確認を行う処理に戻る。なお、所定にタイミングで読み
出される乱数カウンタのカウント値が、特別演出を行う
か否か決定するために用いられる乱数値となる。
【0117】次に、主基板31からの表示制御コマンド
受信処理について説明する。図19は、主基板31から
受信した表示制御コマンドを格納するためのコマンド受
信バッファの一構成例を示す説明図である。この例で
は、2バイト構成の表示制御コマンドを6個格納可能な
リングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられ
る。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバ
ッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そし
て、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示す
コマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信
個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしも
リングバッファ形式でなくてもよく、例えば、図柄指定
コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド
受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコ
マンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受
信バッファ)のようなバッファ構成としてもよい。音制
御手段や、ランプ制御手段においても同様に、リングバ
ッファ形式でないバッファ形式としてもよい。この場
合、表示制御手段、音制御手段、ランプ制御手段は、変
動パターンなどの格納領域に格納される最新のコマンド
にもとづき制御される。これにより、主基板31からの
指示に迅速に対応することができる。
【0118】図20は、コマンド解析処理(ステップS
704)の具体例を示すフローチャートである。主基板
31から受信された表示制御コマンドは受信コマンドバ
ッファに格納されるが、コマンド解析処理では、表示制
御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納され
ているコマンドの内容を確認する。
【0119】コマンド解析処理において、表示制御用C
PU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマ
ンドが格納されているか否か確認する(ステップS61
1)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウ
ンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定
される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格
納されていない場合である。コマンド受信バッファに受
信コマンドが格納されている場合には、表示制御用CP
U101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを
読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読
出ポインタの値を+1しておく。
【0120】受信した表示制御コマンドが特別図柄左指
定の表示制御コマンド(91XX(H))であれば(ス
テップS613)、表示制御用CPU101は、「X
X」で示される左図柄を示すデータを、RAMにおける
左図柄格納領域に格納する(ステップS614)。ま
た、特別図柄中指定の表示制御コマンド(92XX
(H))であれば(ステップS616)、表示制御用C
PU101は、「XX」で示される中図柄を示すデータ
を、RAMにおける中図柄格納領域に格納する(ステッ
プS617)。そして、特別図柄右指定の表示制御コマ
ンド(93XX(H))であれば(ステップS61
8)、表示制御用CPU101は、「XX」で示される
右図柄を示すデータを、RAMにおける右図柄格納領域
に格納する(ステップS619)。
【0121】また、受信した表示制御コマンドが変動パ
ターン指定の表示制御コマンドであれば(ステップS6
21)、表示制御用CPU101は、そのコマンドのE
XTデータを変動パターンデータ格納領域に格納し(ス
テップS622)、変動パターン受信フラグをセットす
る(ステップS623)。そして、ステップS612で
読み出した受信コマンドがその他の表示制御コマンドで
ある場合には、受信コマンドに対応するフラグをセット
する(ステップS625)。
【0122】図21は、図17に示されたメイン処理に
おける表示制御プロセス処理(ステップS705)を示
すフローチャートである。表示制御プロセス処理では、
表示制御プロセスフラグの値に応じてステップS800
〜S806のうちのいずれかの処理が行われる。各処理
において、以下のような処理が実行される。
【0123】変動パターンコマンド受信待ち処理(ステ
ップS800):コマンド受信割込処理によって、変動
時間を特定可能な表示制御コマンド(変動パターンコマ
ンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パ
ターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パ
ターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変
動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、
変動パターン指定の表示制御コマンドが受信されたこと
が確認された場合にセットされる(ステップS62
3)。
【0124】特別演出選択処理(ステップS801):
特別演出を行うか否かを決定する。
【0125】全図柄変動開始処理(ステップS80
2):左中右図柄の変動が開始されるように制御する。
【0126】図柄変動中処理(ステップS803):変
動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タ
イミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視す
る。また、左右図柄の停止制御を行う。
【0127】全図柄停止待ち設定処理(ステップS80
4):変動時間の終了時に、全図柄停止を指示する表示
制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受
信していたら、図柄の変動を停止し停止図柄(確定図
柄)を表示する制御を行う。
【0128】大当り表示処理(ステップS805):変
動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示
の制御を行う。
【0129】大当たり遊技中処理(ステップS80
6):大当たり遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口
開放前表示や大入賞口開放時表示の表示制御コマンドを
受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
【0130】図22は、変動パターンテーブル毎に設定
されているプロセスデータの一構成例を示す説明図であ
る。プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と表示制
御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成
されている。各表示制御実行データには、変動パターン
を構成する各変動態様が記載されている。また、プロセ
スタイマ設定値には、その変動態様での変動時間が設定
されている。表示制御用CPU101は、プロセスデー
タ参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間
だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で図
柄を変動表示させる制御を行う。
【0131】図22に示すプロセスデータは、図柄制御
基板80におけるROMに格納されている。プロセスデ
ータは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されて
いる。また、特別演出の種類に応じて用意されている。
例えば、変動パターン10で特別演出を実行する場合の
プロセスデータは、変動パターン10で特別演出を実行
しないる場合のプロセスデータとは別に用意されてい
る。従って、表示制御用CPU101は、変動パターン
と特別演出の種類(行うか行わないか)とに応じて、使
用するプロセスデータを選択する。
【0132】この実施の形態では、演出制御手段として
の表示制御手段は、遊技制御手段によって決定された左
中右の停止図柄にもとづいて、特別演出を実行するか否
かを決定する。そして、可変表示演出において、決定し
た演出内容の特別演出を実行する。
【0133】図23は、特別演出の一例を示す説明図で
ある。この例では、特別演出として、右図柄すべり演出
が実行される。右図柄すべり演出は、左図柄を停止状態
または仮停止状態(例えば揺れ変動状態)とした後の右
図柄の変動において、右図柄を低速変動から高速変動ま
たは中速変動に切り替えた後に停止状態または仮停止状
態(例えば揺れ変動状態)とする演出である。なお、図
柄が仮停止状態となった場合には、例えば、全図柄が最
終停止するときに停止状態とされる。また、図柄が停止
状態または仮停止状態となるときが、識別情報が導出さ
れた状態である。
【0134】なお、特別停止とは異なる通常停止では、
右図柄は、変動速度が切り替えられることなく停止状態
または仮停止状態(例えば揺れ変動状態)となる。
【0135】特別演出において、例えば、表示制御用C
PU101は、可変表示装置9において左中右の特別図
柄が高速変動されるように制御を行う(図23
(A))。次いで、左図柄を低速変動により所定数の図
柄を更新したあと、「7」を揺れ変動状態で表示させる
(図23(B))。また、右図柄を低速変動させて所定
数の図柄を更新したあと(図23(C))、高速変動ま
たは中速変動させてすべり演出を実行し(図23
(D))、その後に「6」を停止状態または仮停止状態
(揺れ変動状態)で表示させる(図23(E))。
【0136】なお、すべり演出は、図柄を確認すること
ができる程度の中速で図柄変動されるものであっても、
図柄を確認することができない程度の高速で図柄変動さ
れるものであってもよい。また、すべり演出は、例えば
中速となったあとに低速に戻り、さらに高速に変化する
ものなど、変動速度が複数回変更されるものであっても
よい。さらに、高速変動または中速変動させてすべり演
出(高速すべり演出)を実行するのではなく、右図柄が
停止状態または仮停止状態(揺れ変動状態)となった
後、左図柄が停止状態または仮停止状態(揺れ変動状
態)となる直前でスロー変動(低速変動よりも遅い変
動)して停止状態または仮停止状態(揺れ変動状態)と
なるようにし、図柄の変動状態が遊技者に容易に視認さ
れるようにする態様であってもよい。
【0137】図24は、左中右の最終停止図柄が揃わな
い場合(リーチとするが大当りとしない場合とリーチに
もしない場合)に用いられる特別演出判定用テーブルの
構成例を示す説明図である。特別演出判定用テーブル
は、図柄制御基板80におけるROMに格納されてい
る。
【0138】図24に示すように、特別演出判定用テー
ブルは、左右図柄の図柄差と、それに対応する特別演出
発生率に関わるデータが設定されている複数の判定テー
ブルとしての特別演出振分テーブル(テーブル1〜4)
を含む。特別演出発生率に関わるデータとは、特別演出
を行うことに対応する1つまたは複数の数値と、特別演
出を行わないことに対応する複数の数値である。なお、
図24には発生率の数値が示されているが、各特別演出
振分テーブルには、実際には、特別演出を行うことに対
応する数値と、特別演出を行わないことに対応する数値
とが設定されている。
【0139】表示用CPU101は、所定の乱数値と特
別演出振分テーブルに設定されている数値とを比較し、
乱数値が特別演出を行うことに対応する数値と一致すれ
ば特別演出を行うことに決定し、乱数値が特別演出を行
わないことに対応する数値と一致すれば特別演出を行わ
ないことに決定する。
【0140】図24に示すように、特別演出振分テーブ
ルは、左右の図柄差が0の場合(リーチとする場合に用
いられるリーチ用判定テーブル)に用いられるもの、左
右の図柄差が−1の場合に用いられるもの、左右の図柄
差が+1の場合に用いられるもの、およびその他の場合
に用いられるものの4種類ある。なお、図24には、1
0種類の図柄差に応じて、それぞれのテーブルが示され
ているが、実際には、ROMには4種類のテーブルが格
納されている。
【0141】また、図24に示すように、リーチ用判定
テーブル(テーブル1)を使用した場合の特別演出の発
生率が、リーチ状態を形成する識別情報の1つ手前の識
別情報を導出するときに用いられる判定テーブル(テー
ブル2)、およびリーチ状態を形成する識別情報の1つ
後の識別情報を導出するときに用いられる判定テーブル
(テーブル4)を使用した場合の特別演出の発生率より
も高くなるように形成されている。従って、特別演出
は、リーチ状態になる可能性を予告するための予告演出
としての役割も果たしている。さらに、リーチ用判定テ
ーブルおよびリーチ状態を形成する識別情報の前後の識
別情報を導出するときに用いられる判定テーブル(テー
ブル2,4)以外の判定テーブル(テーブル3)を使用
した場合の特別演出の発生率は、リーチ状態を形成する
識別情報の前後の識別情報を導出するときに用いられる
判定テーブル(テーブル2,4)を使用した場合の特別
演出の発生率よりも低くなるように形成されている。
【0142】図25は、図21に示された表示制御プロ
セス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理
(ステップS800)を示すフローチャートである。変
動パターンコマンド受信待ち処理において、表示制御用
CPU101は、変動パターン受信フラグがセットされ
たか否か確認する(ステップS871)。セットされて
いたら、そのフラグをリセットする(ステップS87
2)。そして、表示制御プロセスフラグの値を特別演出
選択処理(ステップS801)に対応した値に変更する
(ステップS873)。
【0143】図26は、図21に示された表示制御プロ
セス処理における特別演出選択処理(ステップS80
1)を示すフローチャートである。特別演出選択処理
(ステップS801)において、表示制御用CPU10
1は、まず、コマンド解析処理において停止図柄を示す
情報が格納された図柄格納リアから停止図柄を示す情報
を読み出す。そして、大当りとすることに決定されてい
れば(例えば左中右の停止図柄が一致)、大当り用の特
別演出判定用テーブルと所定の乱数値とを用いて特演出
を行うか否か決定する(ステップS812,S81
3)。
【0144】大当りとすることに決定されていなけれ
ば、左右図柄差を算出する(ステップS814)。図柄
格納リアに格納されている停止図柄を示す情報は例えば
図柄番号であり、表示制御用CPU101は、左図柄の
図柄番号と右図柄の図柄番号の差を左右図柄差とする。
そして、乱数カウンタのカウント値を読み出して乱数値
を取得する(ステップS815)。また、ステップS8
14で算出した図柄に応じた特別演出振分テーブルを選
択する(ステップS816)。そして、選択した特別演
出振分テーブルに設定されている各数値と乱数値とを比
較して、乱数値が特別演出を行うことに対応する数値と
一致すれば特別演出を行うことに決定し、乱数値が特別
演出を行わないことに対応する数値と一致すれば特別演
出を行わないことに決定する(ステップS817)。そ
の後、表示制御プロセスフラグの値を全図柄変動開始処
理(ステップS802)に対応した値に変更する(ステ
ップS818)。
【0145】なお、特別演出選択処理は、遊技制御手段
から変動パターン指定の表示制御コマンドを受信したら
直ちに実行されている。すなわち、変動パターン指定の
表示制御コマンドの受信にもとづいて特別態様により識
別情報の導出を行うか否かが決定されている。
【0146】図27は、表示制御プロセス処理における
全図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフロー
チャートである。全図柄変動開始処理において、表示制
御用CPU101は、まず、使用するプロセスデータを
選択する(ステップS881)。そして、表示制御実行
データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる
(ステップS882)。また、プロセスデータ中の表示
制御実行データ1にもとづいてLCD制御を行う(ステ
ップS883)。例えば、表示制御実行データ1の内容
に応じた信号を、LCDによる可変表示装置9に与え
る。なお、表示制御実行データにはROMのアドレスが
設定され、そのアドレスから始まる領域に、より詳細な
制御データを格納しておき、それらの制御データに従っ
てLCD制御を行うように構成してもよい。
【0147】その後、変動時間タイマ(特別図柄の変動
時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS88
4)、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に
対応した値にする(ステップS885)。
【0148】図28は、表示制御プロセス処理における
図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャ
ートである。図柄変動中処理において、表示制御用CP
U101は、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ス
テップS833)、表示制御実行データの切替を行う
(ステップS834)。すなわち、プロセスデータにお
いて、次に設定されているプロセスタイマをスタートさ
せるとともに、その次に設定されている表示制御実行デ
ータの内容に従ってVDP103を制御する。従って、
VDP103は、表示制御実行テーブルの内容に応じて
可変表示装置9の表示状態を制御する。
【0149】そして、変動時間タイマがタイムアウトし
ていたら(ステップS835)、特別図柄停止の表示制
御コマンドの受信を監視するための監視タイマをスター
トさせ(ステップS836)、表示制御プロセスフラグ
の値を全図柄停止待ち処理に対応した値にする(ステッ
プS837)。
【0150】特別演出を行うことに決定されている場合
には、左図柄が停止した後、例えば右図柄が停止する直
前で変動速度の切替が行われるが、そのような制御は、
プロセスデータにもとづいて実行される。すなわち、変
動速度の切替時点でプロセスタイマがタイムアウトする
ようにプロセスデータが設定され、さらに、変動速度の
切替後の変動速度を示すデータがプロセスデータが設定
されている。すなわち、表示制御用CPU101は、プ
ロセスデータに設定されているデータにもとづいて、特
別演出の制御も実行することができる。
【0151】その後、主基板31から全図柄停止の表示
制御コマンドを受信したら、表示制御用CPU101
は、左中右図柄を最終停止させるように制御する。
【0152】この実施の形態では、図24に示されたよ
うに、リーチ決定用図柄(3図柄のうち2番目に停止ま
たは仮停止する図柄、この実施の形態では右図柄)とし
てリーチとなる図柄を導出する場合に用いられる特別演
出振分テーブル(テーブル1)の他に、リーチ決定用図
柄としてリーチとならない図柄を導出する場合に用いら
れる特別演出振分テーブル(テーブル2,3,4)が用
意されている。そして、少なくとも、リーチ決定用図柄
としてリーチとなる図柄の前後図柄を導出する場合に用
いられる特別演出振分テーブルは別である(テーブル
2,4)。従って、例えば、リーチ決定用図柄としてリ
ーチとなる図柄の前図柄を導出する場合の特別演出発生
率のみを変えたいようなときには、テーブル2の内容の
みを変更すればよく、特別演出判定用テーブルの変更は
容易である。
【0153】上記の実施の形態では、特別演出として高
速すべり変動(通常態様とは異なる特別態様による識別
情報の導出としての高速すべり停止)を例示したが、特
別演出は、そのような態様に限られない。例えば、図2
9に例示するように、特別演出が再変動演出であっても
よい。図29に示す例では、表示制御手段は、可変表示
装置9において左中右の特別図柄が高速変動されるよう
に制御を行い(図29(A))、次いで、左図柄を低速
変動により所定数の図柄を更新した後、例えば「7」を
揺れ変動状態で表示させ(図29(B))、右図柄を低
速変動させて所定数の図柄を更新したあと、仮停止図柄
(例えば停止図柄の3図柄前などのようにあらかじめ定
められている)である例えば「3」を揺れ変動状態で表
示させる(図29(C))。そして、右図柄を再度高速
変動させた後(図29(D))、例えば「6」を揺れ変
動状態で表示させる(図29(E))。なお、再変動演
出は、複数回再度の高速変動が実行されるものであって
もよい。
【0154】図30は、特別演出として右図柄遮蔽演出
が実行される場合の可変表示装置9の表示状態の例を示
す説明図である。図30に示すように、表示制御手段
は、可変表示装置9において左中右の特別図柄が高速変
動されるように制御を行う(図30(A))。次いで、
左図柄を低速変動により所定数の図柄を更新した後、例
えば「7」を揺れ変動状態で表示させる(図30
(B))。また、右図柄を低速変動させて所定数の図柄
を更新させる際に、所定の遮蔽キャラクタ(ここではカ
ーテン)を登場させ(図30(C))、右図柄を遮蔽す
る(図30(D))。そして、遮蔽キャラクタによる遮
蔽状態を解除して揺れ変動状態で表示されている「6」
を視認可能な状態とする(図30(E))。ここで、遮
蔽キャラクタは、例えばカーテンに限らず、他のキャラ
クタであってもよい。また、右図柄を遮蔽することがで
きれば、どのような手段によって遮蔽するようにしても
よい。
【0155】なお、図29および図30に示された各図
柄は単なる例示であって、図29および図30に示され
た図柄で仮停止または停止する場合に特別演出が実行さ
れるようになっているというわけではない。
【0156】また、特別演出として複数の態様(例え
ば、すべり演出、再変動演出、遮蔽演出)を用意し、表
示制御手段は、特別演出を行うことに決定した場合に
は、乱数値にもとづいて、いずれの特別演出を用いるの
かを選択するようにしてもよい。
【0157】また、上記の実施の形態では、リーチ決定
用図柄としてリーチとならない図柄を導出する場合に、
リーチとなる図柄の前後図柄以外の図柄を導出する場合
に用いられる特別演出振分テーブルは1種類であった
(図24におけるテーブル3参照)。しかし、リーチと
なる図柄の前後図柄以外の図柄を導出する場合に用いら
れる特別演出振分テーブルを、図柄差毎に、または、複
数の図柄差グループ毎に設けてもよい。
【0158】図31は、リーチとなる図柄の前後図柄以
外の図柄を導出する場合に用いられる特別演出振分テー
ブルを、2つの図柄差グループ(±2,±3のグループ
と±4,5のグループ)のそれぞれに対して特別演出振
分テーブル(±2,±3のグループのテーブル3と、±
4,5のグループのテーブル5)を設けた場合の特別演
出判定用テーブルの構成例を示す説明図である。また、
図31に示された例では、図柄差が大きくなる程、特別
演出の発生率が低下するように設定されている。従っ
て、停止図柄の図柄差にもとづく遊技者の期待度(図柄
差が小さいほど期待度は高い)と、特別演出にもとづく
期待度(特別演出が発生した方が期待度が高い)とをか
け離れたものにしないようにすることができる。
【0159】このように複数の判定テーブルが、リーチ
形成用可変表示部にリーチ状態を形成しない識別情報を
導出する場合に、所定の配列におけるリーチ状態を形成
する識別情報の1つ手前の識別情報を導出するとき、お
よび所定の配列におけるリーチ状態を形成する識別情報
の1つ後の識別情報を導出するとき以外で用いられる判
定テーブルとして、リーチ形成用可変表示部に導出され
る識別情報とリーチ状態を形成する識別情報との差が大
きい場合に特別態様の発生率が低くなるように形成され
た複数の判定テーブルを含むように構成されていてもよ
い。
【0160】なお、図31に示された例では、2つの図
柄差グループ毎に特別演出振分テーブルを設けたが、図
柄差をさらに細かく分けて、より他種類の特別演出振分
テーブルを設けてもよい。
【0161】図32は、本発明の概要を示す概念図であ
る。図32に示すように、可変表示装置9を制御する表
示制御手段101Aは、複数の判定テーブル101a〜
101nにもとづいて可変表示装置9においてすべり停
止等の特別演出を行うか否か決定する特別態様実行制御
手段101Bを含む。特別態様実行制御手段101B
は、遊技制御手段31Aから変動パターンコマンドを受
信すると、特別演出を行うか否かを決定する。また、複
数の判定テーブル101a〜101nにおいて、リーチ
状態を形成する識別情報の1つ手前の識別情報を導出す
るときと、リーチ状態を形成する識別情報の1つ後の識
別情報を導出するときとで、異なる判定テーブルを使用
する。
【0162】なお、上記の実施の形態では、遊技機は、
リーチとならず左右の停止図柄の差が±1図柄でない場
合にも特別演出を実行可能であるように構成されている
が、リーチとする場合、およびリーチとならず左右の停
止図柄の差が±1図柄である場合にのみ特別演出を実行
可能であるように構成されていても本発明を適用するこ
とができる。
【0163】また、上記の実施の形態では、3リールの
場合で左リール、右リール、中リールの順で識別情報と
しての図柄が導出される場合を例示したので、リーチ形
成用可変表示部は、可変表示装置9において右図柄を可
変表示する可変表示部である。しかし、導出順が左中右
でない場合でも、2番目に図柄が導出される可変表示部
がリーチ形成用可変表示部に相当する。また、3リール
以外の場合でも、リーチ態様を引き起こす可変表示部が
リーチ形成用可変表示部である。
【0164】また、上記の実施の形態において、「特定
遊技状態」とは、所定の遊技価値が付与された遊技者に
とって有利な状態を意味する。具体的には、「特定遊技
状態」は、例えば、例えば可変入賞球装置の状態が打球
が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態(大当り遊技
状態)、遊技者にとって有利な状態となるための権利が
発生した状態、景品遊技媒体払出の条件が成立しやすく
なる状態などの、所定の遊技価値が付与された状態であ
る。
【0165】また、上記の実施の形態において、「特別
遊技状態」とは、大当りとなりやすい遊技者にとって有
利な状態を意味する。具体的には、「特別遊技状態」
は、例えば、特別図柄が大当り図柄で揃う確率が高確率
状態とされる確変状態、単位時間あたりの普通図柄の変
動回数が高められる時短状態、可変入賞球装置15の開
成期間や開成回数が高められる開放延長状態などの大当
りとなる確率が高められている高確率状態である。な
お、時短状態は、可変入賞球装置15の開放回数が高め
られていることから単位時間あたりの入賞回数が増加
し、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数が高めら
れるので、大当りとなる確率が高められている状態とい
える。また、同様に、開放延長状態は、可変入賞球装置
15の開成期間や開成回数が高められていることから単
位時間あたりの入賞回数が増加し、単位時間あたりの特
別図柄の可変表示回数が高められるので、大当りとなる
確率が高められている状態といえる。
【0166】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明で
は、遊技機を、電気部品制御手段が、リーチ形成用可変
表示部に導出されうる識別情報に対応し、リーチ形成用
可変表示部に特別態様により識別情報の導出を行うか否
かを決定するために用いられる複数の判定テーブルと、
判定テーブルを用いて特別態様により識別情報の導出を
行うか否かを決定する特別態様実行制御手段とを含み、
リーチ形成用可変表示部に所定の配列におけるリーチ状
態を形成する識別情報の1つ手前の識別情報を導出する
ときに特別態様実行制御手段が使用する判定テーブル
と、所定の配列におけるリーチ状態を形成する識別情報
の1つ後の識別情報を導出するときに特別態様実行制御
手段が使用する判定テーブルとを各々独立して設けた構
成にしたので、リーチ状態となるか否かに関わる識別情
報について特別態様による演出を実行可能である場合
に、リーチ状態を形成する識別情報の前後の識別情報の
それぞれについて特別態様の発生率を容易に変更するこ
とができ、特別態様の発生率の制御部分(プログラムや
データ等)をさほど変更することなく容易に他機種に流
用することができる効果がある。
【0167】請求項2記載の発明では、複数の判定テー
ブルが、リーチ形成用可変表示部に所定の配列における
リーチ状態を形成する識別情報の1つ手前の識別情報を
導出するときに用いられる判定テーブルと、リーチ形成
用可変表示部に所定の配列におけるリーチ状態を形成す
る識別情報の1つ後の識別情報を導出するときに用いら
れる判定テーブルとのうちの少なくともいずれか一方を
使用した場合の特別態様の発生率が、リーチ形成用可変
表示部に所定の配列におけるリーチ状態を形成しない識
別情報を導出するときに用いられる他の判定テーブルを
使用した場合の特別態様の発生率よりも高くなるように
形成されているので、リーチ状態に近い状態で識別情報
が導出されるときには他の状態で識別情報が導出される
ときに比べて高い確率で特別態様が発生し、遊技者に対
する遊技の興趣を向上させることができる。
【0168】請求項3記載の発明では、特別態様実行制
御手段が、リーチ形成用可変表示部に導出されうる複数
の識別情報すべてについて、所定の配列における相互の
差数を特定可能であり、リーチ状態を形成する識別情報
とリーチ形成用可変表示部に導出される識別情報との差
数に応じて使用する判定テーブルを選択するように構成
されているので、識別情報の差数にもとづいて特別態様
とするか否かを判定する場合に、容易に判定を行うこと
ができる。
【0169】請求項4記載の発明では、リーチ状態を形
成する識別情報の1つ後の識別情報をリーチ形成用可変
表示部へ導出するときと、リーチ状態を形成する識別情
報の1つ手前の識別情報をリーチ形成用可変表示部へ導
出するときとで、特別態様の発生率が異なるように構成
されているので、リーチ状態を形成する識別情報の1つ
手前の識別情報をリーチ形成用可変表示部へ導出する際
に特別態様の発生率を高くするなど、遊技者の期待感に
見合った演出を行うことができる。
【0170】請求項5記載の発明では、遊技制御手段
が、識別情報の可変表示の実行期間を特定する変動パタ
ーンコマンドを表示制御手段に送信可能であり、特別態
様実行制御手段が、変動パターンコマンドの受信にもと
づいて特別態様により識別情報の導出を行うか否かを決
定するように構成されているので、遊技制御手段の負担
を軽減することができる。
【0171】請求項6記載の発明では、複数の判定テー
ブルが、リーチ形成用可変表示部にリーチ状態を形成す
る識別情報を導出するときに用いられるリーチ用判定テ
ーブルを含み、リーチ用判定テーブルを使用した場合の
特別態様の発生率が、リーチ形成用可変表示部に所定の
配列におけるリーチ状態を形成する識別情報の1つ手前
の識別情報を導出するときに用いられる判定テーブル、
および所定の配列におけるリーチ状態を形成する識別情
報の1つ後の識別情報を導出するときに用いられる判定
テーブルを使用した場合の特別態様の発生率よりも高く
なるように形成されているので、リーチ状態になること
への期待感が特別態様の発生によって低減してしまうよ
うなことは防止される。
【0172】請求項7記載の発明では、複数の判定テー
ブルが、所定の配列におけるリーチ状態を形成する識別
情報の1つ手前の識別情報を導出するとき、および所定
の配列におけるリーチ状態を形成する識別情報の1つ後
の識別情報を導出するとき以外でリーチ形成用可変表示
部にリーチ状態を形成しない識別情報を導出するときに
共通に用いられる1種類の判定テーブルを含むように構
成されているので、全体のテーブルの容量を低減するこ
とができる。
【0173】請求項8記載の発明では、複数の判定テー
ブルが、所定の配列におけるリーチ状態を形成する識別
情報の1つ手前の識別情報を導出するとき、および所定
の配列におけるリーチ状態を形成する識別情報の1つ後
の識別情報を導出するとき以外でリーチ形成用可変表示
部にリーチ状態を形成しない識別情報を導出するときに
用いられる判定テーブルとして、リーチ形成用可変表示
部に導出される識別情報とリーチ状態を形成する識別情
報との差が大きくなるにつれて特別態様の発生率が低く
なるような複数の判定テーブルを含むように構成されて
いるので、差が大きいとき、すなわちリーチ状態を形成
する識別情報からかけ離れた識別情報がリーチ形成用可
変表示部に導出されるときに特別態様があまり発生しな
いようにできるため、特別態様の発生によるリーチ状態
になることへの期待感を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ遊技機を正面からみた正面図であ
る。
【図2】 ガラス扉枠を取り外した状態での遊技盤の前
面を示す正面図である。
【図3】 遊技制御基板(主基板)の回路構成例を示す
ブロック図である。
【図4】 図柄制御基板の回路構成例を示すブロック図
である。
【図5】 主基板におけるCPUが実行するメイン処理
を示すフローチャートである。
【図6】 2msタイマ割込処理を示すフローチャート
である。
【図7】 各乱数を示す説明図である。
【図8】 左右中図柄の一例を示す説明図である。
【図9】 特別図柄プロセス処理を示すフローチャート
である
【図10】 変動パターンの一例を示す説明図である。
【図11】 始動口スイッチ通過処理を示すフローチャ
ートである。
【図12】 特別図柄通常処理を示すフローチャートで
ある。
【図13】 特別図柄停止図柄設定処理を示すフローチ
ャートである。
【図14】 制御コマンドのコマンド形態の一例を示す
説明図である。
【図15】 制御コマンドを構成する8ビットの制御信
号とINT信号との関係を示すタイミング図である。
【図16】 表示制御コマンドの内容の一例を示す説明
図である。
【図17】 表示制御用CPUが実行するメイン処理を
示すフローチャートである。
【図18】 タイマ割込処理を示すフローチャートであ
る。
【図19】 コマンド受信バッファの構成を示す説明図
である。
【図20】 コマンド解析処理を示すフローチャートで
ある。
【図21】 表示制御プロセス処理を示すフローチャー
トである。
【図22】 プロセスデータの一構成例を示す説明図で
ある。
【図23】 特別演出の一例を示す説明図である。
【図24】 大当りとしない場合に用いられる特別演出
判定用テーブルの構成例を示す説明図である。
【図25】 変動パターンコマンドコマンド受信待ち処
理を示すフローチャートである。
【図26】 特別演出選択処理を示すフローチャートで
ある。
【図27】 全図柄変動開始処理を示すフローチャート
である。
【図28】 図柄変動中処理を示すフローチャートであ
る。
【図29】 特別演出の他の例を示す説明図である。
【図30】 特別演出の他の例を示す説明図である。
【図31】 大当りとしない場合に用いられる特別演出
判定用テーブルの他の構成例を示す説明図である。
【図32】 本発明の概要を示す概念図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機 9 可変表示装置 31 主基板 56 CPU 80 図柄制御基板 101 表示制御用CPU

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の可変表示部において識別情報を所
    定の配列に従って可変表示可能な可変表示手段を備え、
    当該複数の可変表示部に表示された識別情報の表示結果
    が特定の識別情報の組合せとなったときに遊技者にとっ
    て有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機であっ
    て、 前記可変表示手段の表示に関わる制御を行う電気部品制
    御手段を備え、 前記複数の可変表示部のうち前記識別情報の導出により
    リーチ状態を形成することが可能となるリーチ形成用可
    変表示部において、所定の特別態様により前記識別情報
    の導出を行う特別可変表示制御と、前記特別態様とは異
    なる通常態様により前記識別情報の導出を行う通常可変
    表示制御とを実行可能であり、 前記電気部品制御手段は、 前記リーチ形成用可変表示部に導出されうる識別情報に
    対応し、前記リーチ形成用可変表示部に前記特別態様に
    より識別情報の導出を行うか否かを決定するために用い
    られる複数の判定テーブルと、 前記判定テーブルを用いて前記特別態様により識別情報
    の導出を行うか否かを決定する特別態様実行制御手段と
    を含み、 少なくとも、前記リーチ形成用可変表示部に前記所定の
    配列におけるリーチ状態を形成する識別情報の1つ手前
    の識別情報を導出するときに前記特別態様実行制御手段
    が使用する判定テーブルと、前記所定の配列におけるリ
    ーチ状態を形成する識別情報の1つ後の識別情報を導出
    するときに前記特別態様実行制御手段が使用する判定テ
    ーブルとを、各々独立して設けたことを特徴とする遊技
    機。
  2. 【請求項2】 複数の判定テーブルは、リーチ形成用可
    変表示部に所定の配列におけるリーチ状態を形成する識
    別情報の1つ手前の識別情報を導出するときに用いられ
    る判定テーブルと、前記リーチ形成用可変表示部に前記
    所定の配列におけるリーチ状態を形成する識別情報の1
    つ後の識別情報を導出するときに用いられる判定テーブ
    ルとのうちの少なくともいずれか一方を使用した場合の
    特別態様の発生率が、前記リーチ形成用可変表示部に前
    記所定の配列におけるリーチ状態を形成しない識別情報
    を導出するときに用いられる他の判定テーブルを使用し
    た場合の特別態様の発生率よりも高くなるように形成さ
    れている請求項1記載の遊技機。
  3. 【請求項3】 特別態様実行制御手段は、リーチ形成用
    可変表示部に導出されうる複数の識別情報すべてについ
    て、所定の配列における相互の差数を特定可能であり、
    リーチ状態を形成する識別情報とリーチ形成用可変表示
    部に導出される識別情報との差数に応じて、使用する判
    定テーブルを選択する請求項1または請求項2記載の遊
    技機。
  4. 【請求項4】 リーチ状態を形成する識別情報の1つ後
    の識別情報をリーチ形成用可変表示部へ導出するとき
    と、リーチ状態を形成する識別情報の1つ手前の識別情
    報を前記リーチ形成用可変表示部へ導出するときとで、
    特別態様の発生率が異なる請求項1から請求項3のうち
    のいずれかに記載の遊技機。
  5. 【請求項5】 電気部品制御手段は、遊技の進行を制御
    する遊技制御手段と、 該遊技制御手段からのコマンドに応じて可変表示手段を
    制御する表示制御手段とを含み、 前記遊技制御手段は、識別情報の可変表示の実行期間を
    特定する変動パターンコマンドを前記表示制御手段に送
    信可能であり、 特別態様実行制御手段は、前記表示制御手段に含まれ、
    前記変動パターンコマンドの受信にもとづいて、特別態
    様により識別情報の導出を行うか否かを決定する請求項
    1から請求項4のうちのいずれかに記載の遊技機。
  6. 【請求項6】 複数の判定テーブルは、リーチ形成用可
    変表示部にリーチ状態を形成する識別情報を導出すると
    きに用いられるリーチ用判定テーブルを含み、 前記リーチ用判定テーブルを使用した場合の特別態様の
    発生率が、前記リーチ形成用可変表示部に前記所定の配
    列におけるリーチ状態を形成する識別情報の1つ手前の
    識別情報を導出するときに用いられる判定テーブル、お
    よび前記所定の配列におけるリーチ状態を形成する識別
    情報の1つ後の識別情報を導出するときに用いられる判
    定テーブルを使用した場合の特別態様の発生率よりも高
    くなるように形成されている請求項1から請求項5のう
    ちのいずれかに記載の遊技機。
  7. 【請求項7】 複数の判定テーブルは、所定の配列にお
    けるリーチ状態を形成する識別情報の1つ手前の識別情
    報を導出するとき、および前記所定の配列におけるリー
    チ状態を形成する識別情報の1つ後の識別情報を導出す
    るとき以外でリーチ形成用可変表示部にリーチ状態を形
    成しない識別情報を導出するときに共通に用いられる1
    種類の判定テーブルを含む請求項1から請求項6のうち
    のいずれかに記載の遊技機。
  8. 【請求項8】 複数の判定テーブルは、所定の配列にお
    けるリーチ状態を形成する識別情報の1つ手前の識別情
    報を導出するとき、および前記所定の配列におけるリー
    チ状態を形成する識別情報の1つ後の識別情報を導出す
    るとき以外でリーチ形成用可変表示部にリーチ状態を形
    成しない識別情報を導出するときに用いられる判定テー
    ブルとして、リーチ形成用可変表示部に導出される識別
    情報とリーチ状態を形成する識別情報との差が大きくな
    るにつれて、特別態様の発生率が低くなるような複数の
    判定テーブルを含む請求項1から請求項6のうちのいず
    れかに記載の遊技機。
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