JP2003284557A - 新規バクロウィルス移入ベクターおよび外来遺伝子発現用の組換えバクロウィルス - Google Patents

新規バクロウィルス移入ベクターおよび外来遺伝子発現用の組換えバクロウィルス

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JP2003284557A
JP2003284557A JP2002083673A JP2002083673A JP2003284557A JP 2003284557 A JP2003284557 A JP 2003284557A JP 2002083673 A JP2002083673 A JP 2002083673A JP 2002083673 A JP2002083673 A JP 2002083673A JP 2003284557 A JP2003284557 A JP 2003284557A
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Jyh-Lyh Juang
ジャン ジー−リー
Dung-Fang Lee
リー ドゥン−ファン
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Alarvita Biolife Corp
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National Health Research Institutes
Alarvita Biolife Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】検出可能選択マーカーの発現なしに非許容細胞
における外来標的タンパク質の発現を可能にする、組換
えウィルスを基にしたベクターに関する組成物および方
法を提供する。 【解決手段】組換えウィルスをスクリーニングするため
に用いる宿主細胞において活性であるが、外来標的タン
パク質の発現に用いられる非許容細胞(例えば、非許容
昆虫細胞または哺乳類細胞)においてサイレントである
プロモーターによって制御される検出可能選択マーカー
をコードする核酸配列と、ベクターはまた非許容細胞に
おいて活性であるプロモーターの制御下に標的タンパク
質をコードする外来核酸配列とを含む非許容細胞に感染
可能な組換えウィルス。この系によって選択マーカーウ
ィルスプラークスクリーニングの間は発現されるが、標
的タンパク質が産生される間は発現されないことが可能
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【関連出願】本出願は引用することにより本明細書の一
部とする2001年3月23日に出願された米国仮出願第60/27
7,893号の特典を主張する。
【0002】
【背景】バクロウィルスは自然状態では主に鱗翅目の昆
虫に感染するDNAウィルスのファミリー(バクロウィル
ス科)である。バクロウィルスは昆虫細胞において外来
遺伝子をある期間発現させるために用いられている。最
も研究されたバクロウィルスの1つにオートグラファカ
リフォルニカマルチプル核多角体病ウィルス(AcMNPV)が
ある。
【0003】バクロウィルスは多量の外来(非バクロウ
ィルス)タンパク質を発現できるが、これは内生ポリヘ
ドリンおよびp10プロモーター(双方ともバクロウィル
スの天然の生活環の後期に強力に活性を持つ)によって
なされる。バクロウィルスの天然の宿主範囲はウィルス
の所定の細胞における複製能の点から規定されることが
多いが、バクロウィルスは非天然(非許容)宿主細胞、
例えば哺乳類細胞(例えば、Hofmannら, 1995, Proc. N
atl. Acad. Sci. USA 92, 10099-10103; Boyceら, 199
6, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93, 12348-2352; Shoj
iら, 1997, J. Gen. Virol. 78, 2657-2664;および Yap
ら, 1997, Virology 231, 192-200参照)およびショウ
ジョウバエ細胞(Pennockら, 1984, Mol. Cell. Biol.
4, 399-406)に侵入して遺伝物質を発現することができ
る。
【0004】従来のバクロウィルス発現系はa)バクロウ
ィルスは通常ヒトにとっては病原性でない、b)ウィルス
は血清を含まない培地で増殖させることができ、108pfu
/mlを超える力価まで増殖し、さらにc)ウィルスゲノム
(約80ないし230kb)は大きな外来DNA分子を受容すると
いう利点を提供する。従来のバクロウィルス発現系はa)
タンパク質発現が細胞溶解をもたらし得る、およびb)あ
る種のバクロウィルスが一時期宿主に感染する場合、別
のバクロウィルスの同一の宿主への侵入(連続感染)は
非許容となるという点で限定されている。連続感染(重
複感染)が許容でないので、従来のバクロウィルスを利
用して宿主において異なる時点で2種以上の遺伝子を発
現させることはできない。
【0005】
【概要】本発明は検出可能選択マーカーの発現なしに非
許容細胞(例えば、非許容昆虫細胞または哺乳類細胞)
における外来標的タンパク質の発現を可能にする、組換
えウィルスを基にしたベクター、例えば、バクロウィル
スを基にしたベクターの開発に基づいている。バクロウ
ィルスを基にしたベクターは、組換えウィルスをスクリ
ーニングするために用いられる宿主細胞(例えば、Sf21
またはSf9細胞)において活性であるが、外来標的タン
パク質の発現のために用いられる非許容細胞(例えば、
ショウジョウバエ細胞および哺乳類細胞)ではサイレン
トであるプロモーターによって制御される検出可能選択
マーカーをコードする核酸配列を含む。ベクターはまた
非許容細胞において活性であるが宿主細胞において不活
性であるプロモーターの制御下に標的タンパク質をコー
ドする外来核酸配列を含む。この系により選択マーカー
がウィルスプラークスクリーニングの間は発現されるが
標的タンパク質が産生される間は発現されないことが可
能となる。さらに、本発明の組換えウィルスは非許容昆
虫宿主細胞に連続的に感染でき、同一の非許容昆虫細胞
における複数の標的タンパク質の発現を可能にする。
【0006】従って、ある態様では本発明は、宿主細胞
培養物において活性であり、かつ、非許容細胞において
不活性である第1のプロモーターに機能しうる形で連結
された検出マーカーをコードする第1の核酸配列を含
み、かつ、非許容細胞において活性である第2のプロモ
ーターに機能しうる形で連結された外来タンパク質をコ
ードする第2の核酸配列も含む組換えウィルス、例え
ば、バクロウィルスを特徴とする。
【0007】もう1つの態様では、本発明は例えば、非
許容細胞の感染に関するウィルスプラークの選択法を特
徴とする。この方法は宿主細胞において活性であるが非
許容細胞ではサイレントであるプロモーターに機能しう
る形で連結された検出マーカーをコードする第1の核酸
配列と非許容細胞において活性である第2のプロモータ
ーに機能しうる形で連結された外来核酸配列を含んでな
る第2の核酸配列とを含む、非許容細胞に感染可能な組
換えウィルス、例えば、バクロウィルスを提供し、宿主
細胞培養物にその組換えバクロウィルスを感染させ、さ
らに検出マーカーの発現を検出することによってウィル
スプラークを同定することを含む。
【0008】もう1つの態様では、本発明は非許容細胞
においてタンパク質を製造する方法を特徴とする。この
方法は組換えウィルス、例えば、本明細書に記載される
ウィルス、例えば、本明細書に記載されるバクロウィル
スを提供し、宿主細胞培養物にその組換えウィルスを感
染させ、検出マーカーの発現を同定することによってウ
ィルスプラークを選択し、選択したウィルスプラークか
らウィルスを増幅し、さらに非許容細胞に増幅したウィ
ルスを感染させることを含む。非許容細胞はそれにより
外来核酸配列にコードされるタンパク質を産生し、か
つ、検出可能マーカーを発現しない。
【0009】好ましい実施形態では、非許容細胞はin v
itroで感染を受ける。もう1つの好ましい実施形態で
は、非許容細胞はin vivoで感染を受ける。好ましく
は、本方法は非許容細胞、例えば、非許容昆虫細胞に組
換えウィルス、例えば、本明細書に記載される同一また
は異なるウィルスを再感染させる工程をさらに含む。本
方法は同一の宿主細胞における複数のタンパク質の発現
を可能にする重複感染系を提供する。これにより本系は
ツー・ハイブリッドスクリーニングアッセイにおいて有
用である。
【0010】本発明の態様の各々において、本明細書に
記載される好ましい組換えウィルスはバクロウィルスで
ある。好ましい実施形態では、本明細書に記載される非
許容細胞は昆虫細胞、例えば、ショウジョウバエ細胞
(例えば、S2細胞もしくはKc細胞)または蚊細胞(例え
ばC6/36細胞)、または哺乳類細胞(好ましくはヒト細
胞、例えば、ヒト一次細胞もしくは樹立細胞系)であ
る。宿主細胞において活性であり、かつ、非許容細胞に
おいて不活性である好ましいプロモーターとしては、例
えば、ウィルスポリヘドリンプロモーターまたはP10プ
ロモーターが挙げられる。非許容細胞、例えば、哺乳類
細胞において活性である好ましいプロモーターとして
は、例えば、CMVプロモーター、RSVプロモーター、また
はSV40プロモーターが挙げられる。非許容細胞、例え
ば、昆虫細胞において活性であるその他の好ましいプロ
モーターとしては熱ショックタンパク質プロモーター
(例えば、hsp70)、OPIE2プロモーター、MTプロモータ
ー、またはアクチン5Cプロモーターが挙げられる。検出
マーカーは好ましくは蛍光タンパク質、例えば、緑色蛍
光タンパク質(GFP)または増強GFP(EGFP)である。
【0011】本明細書において「外来核酸配列」とは、
天然のウィルスゲノムの一部でないいずれかの核酸配列
を指す。かかる配列としては、通常、感染を受ける非許
容細胞に存在する核酸配列が挙げられる。また、通常、
感染を受ける非許容細胞には存在しない配列(例えば、
その他の細胞の、またその他の種の関連および/または
非関連遺伝子)も含まれる。「非許容」とは、細胞に関
する場合には細胞が本明細書に記載されるウィルスに複
製させないこと、およびウィルスに細胞内で溶菌相に入
らせないことを意味する。しかしながら、かかる非許容
細胞は本明細書に記載されるウィルスの感染を受け、ウ
ィルスの核酸配列にコードされるタンパク質を産生し得
る。「機能しうる形で連結された」とは、プロモーター
と第2の核酸配列間の機能的連結を意味し、これではプ
ロモーター配列は第2の配列に相当するDNA配列の転写を
開始および/または媒介することができる。機能しうる
形で連結された配列は隣接し、しかも、2種のタンパク
質コード領域を連結する必要がある場合には隣接し、か
つ、同一のリーディングフレームに存在し得る。「タン
パク質」または「標的タンパク質」とはいずれの長さの
ペプチドも指す。
【0012】本発明の1以上の実施形態の詳細は、添付
の図面および以下の説明に示されている。本発明のその
他の特徴、目的、および利点は説明および図面から、ま
た特許請求の範囲から明らかとなる。
【0013】
【詳細な説明】本明細書に記載されるバクロウィルス発
現法は非許容細胞、例えば、非許容昆虫細胞または哺乳
類細胞における標的タンパク質の発現を可能にする。標
的タンパク質は選抜マーカーの発現なしに発現され得
る。検出可能選抜マーカーは、マーカーが標的タンパク
質発現に用いられる非許容細胞ではサイレントであるプ
ロモーターを介して発現されるので、ウィルスプラーク
スクリーニング工程の間だけ発現される。
【0014】本明細書に記載されるウィルスおよび方法
において有用な検出マーカーとしては、例えば、酵素、
色素産生、蛍光、または発光特性を有するために検出可
能であるいずれかのリポーター分子が挙げられる。有用
な検出可能マーカーとしては蛍光タンパク質、例えば、
GFP、EGFP、およびDsRed(Matzら, Nat. Biotechnology,
17:969-973)、ルシフェラーゼ、クロラムフェニコール
アセチルトランスフェラーゼ(CAT)、β-ガラクトシダー
ゼ、β-ラクタマーゼ、または分泌胎盤アルカリホスフ
ァターゼが挙げられる。その機能が、例えば、適当な色
素産生または蛍光発生基質によって検出され得る、その
他のリポーター分子およびその他の酵素が当技術分野で
知られている。
【0015】さらに、本明細書に記載されるバクロウィ
ルスを基にした発現法は昆虫細胞の重感染を可能にす
る。2種の同種バクロウィルスでの連続感染によるタン
パク質発現への妨害は全くなかった。従って、本発明を
非酵母系において複数のタンパク質を発現するための強
力な方法として利用できる。本ウィルスおよび方法のこ
の特性は以下に記載されるようにツー・ハイブリッドス
クリーニングを実施する際に有用である。バクロウィルス(Baculovirus) 本明細書に記載される組換えウィルスは非許容細胞、例
えば、昆虫細胞または哺乳類細胞において外来標的タン
パク質(例えば、治療タンパク質)を発現するよう設計
される。好ましくは、組換えウィルスは組換えタンパク
質を産生するための非溶菌系の一部である。
【0016】請求される方法に使用するのに好ましいウ
ィルスにはバクロウィルスAcMNPVがある。使用できるバ
クロウィルスのその他の例としては、限定されるもので
はないが、ボンビックス・モリ(Bombyx mori)核多角体
病ウィルス、オルギア・シュードツガタ(Orgyia pseudo
tsugata)単核多角体病ウィルス、イラクサギンウワバ単
核多角体病ウィルス、ヘリオスチス・ゼア(Helioththis
zea)バクロウィルス、マイマイガバクロウィルス、ク
リプトフレビア・ロウコトレタ(Cryptophlebialeucotre
ta)顆粒症ウィルス、ウシエビ型バクロウィルス、ノシ
メマダラメイガ顆粒症ウィルス、ヨトウガ核多角体病ウ
ィルス、またはブズラ・スプレッサリア(Buzura suppre
ssaria)核多角体病ウィルスが挙げられる。
【0017】種々の外来遺伝要素を有するバクロウィル
スを操作するための標準的な手順は当技術分野で十分に
知られている。組換えバクロウィルスを昆虫またはその
細胞に導入する手順も十分に知られている。例えば、Pf
eiferら, 1997, Gene 188:183-190;およびClemら, 199
4, J Virol 68:6759-6762参照。必要に応じて、バクロ
ウィルスゲノムは、ヒト複製起点を保持するよう設計で
きる。かかる配列は、例えば、Burhansら, 1994, Scien
ce 263:639-640で同定されており、ヒト細胞における複
製を容易にすることができる。エプスタイン・バーウィ
ルス複製開始点などのその他の複製開始点およびトラン
ス活性化因子はヒト細胞における遺伝子発現を容易にす
ることができる。所望により、ウィルスを1種以上の外
来遺伝子を発現するよう設計できる。必要に応じて、ウ
ィルスを特定の細胞種へのウィルスのターゲッティング
を容易にするよう設計できる。さらに、ウィルスが特定
の受容体を標的とするようウィルスを化学修飾できる。
【0018】必要に応じて、バクロウィルスをその宿主
細胞において増殖に欠陥があるよう設計できる。かかる
バクロウィルスの株は付加された安全性を提供でき、か
つ、相補パッケージング系統で増殖させられる。欠陥バ
クロウィルスの例としてはIE1などの前初期遺伝子が欠
失しているものがある。この欠失は酵母における標的組
換えによって作出することができ、欠陥ウィルスはIE1
遺伝子産物が供給される昆虫細胞において複製できる。非許容細胞 本発明の組換えバクロウィルスの宿主は系の設計または
特異性の考慮によって異なり得る。本明細書に記載され
る組換えバクロウィルスおよび方法のための適当な宿主
の選択および決定は当業者が利用できる知識および技術
内にある。本発明の組換えバクロウィルスに好適な宿主
としては、限定されるものではないが、昆虫から脊椎動
物にわたる種に由来する細胞が挙げられる。好ましい宿
主には昆虫由来細胞および哺乳類細胞がある。
【0019】本発明の標的タンパク質発現に好適な昆虫
由来細胞としては昆虫群、好ましくはS2細胞、Kc細胞、
およびC6/36細胞などの昆虫連続継代細胞系に由来する
細胞が挙げられる。本発明の組換えバクロウィルスに好
適な哺乳類細胞としては一次細胞、例えば、ヒト一次細
胞、およびネズミ、ラット、ブタまたはヒト供給源に由
来する細胞系統などの哺乳類種に由来する細胞系統が挙
げられる。標的タンパク質の発現 本明細書に記載される組換えウィルスおよび方法は広範
囲の細胞、例えば、本明細書に記載される非許容細胞に
おける標的タンパク質の発現に有用である。好ましい標
的タンパク質には治療タンパク質がある。例えば、本発
明は患者(例えば、ヒトなどの哺乳類)において遺伝子
発現における欠陥を補正するタンパク質をコードする核
酸配列を発現するために使用できる。本明細書に記載さ
れる方法を用いて発現させるための候補である治療タン
パク質の種類の例としては、ワクチン、抗体、生物学的
に活性なペプチド、サイトカインおよびその受容体、成
長因子およびその受容体、ホスホジエステラーゼ、代謝
酵素、キナーゼ、ホスファターゼ、腫瘍抗原、ウィルス
外被、ウィルスコア、ウィルス様粒子、表面抗原が挙げ
られる。
【0020】本発明は明らかな欠陥のない細胞における
標的タンパク質の発現を容易にするために使用できる。
例えば、本発明は患者の細胞において生理学的に必須の
因子(例えば、ホルモンまたは成長因子)を発現させ、
患者にその因子を供給するために使用できる。本発明は
細胞において調節遺伝子または転写因子をコードする遺
伝子を発現させ別の遺伝子の発現を制御するために使用
できる。必要に応じて、癌を治療する方法において、腫
瘍抑制遺伝子(例えば、p53、Rb)を細胞において発現
させることができる。その他の有用な遺伝子産物として
はRNAデコイにおいて使用するためのRNA分子、抗原、ま
たは遺伝子発現を阻害するリボソームに基づく方法が挙
げられる。必要に応じて、本発明は細胞において5-フル
オロシトシンなどのその産物が薬物またはプロドラッグ
の活性を変更するシトシン処理(cytosine demeans)など
の遺伝子を発現させるために使用できる。
【0021】発現に好ましい遺伝子としては正常な細胞
において発現されるタンパク質をコードする遺伝子が挙
げられる。これらの遺伝子をバクロウィルスにサブクロ
ーニングすることは通常の分子生物学技術で容易に達成
できる。特に、哺乳類への投与のためには、バクロウィ
ルスは医薬上許容される非毒性賦形剤および担体(例え
ば、生理食塩水)と混合することによって医薬組成物に
処方できる。哺乳類(ヒトなど)における本発明の実施
では、バクロウィルスを非経口投与における使用のため
に(例えば、静脈注射、動脈内注射、腹膜内注入、くも
膜下注入、領域への直接注射(例えば、筋内注射)のた
めに)、特に液体溶液または懸濁液の形態に調製でき
る。バクロウィルスはまた鼻腔内または気管支内投与の
ために、特に点鼻薬またはエアゾールの形態にも調製で
きる。本発明を実施するもう1つの方法では、バクロウ
ィルスを用いて治療される患者の外細胞に感染させ、次
いで感染を受けた細胞を治療される患者に投与する。こ
の方法では、細胞は治療される哺乳類の自己のものであ
っても異種のものであってもよい。細胞は本明細書に提
供される指針を当技術分野で公知のものと組み合わせて
用いて培養し、バクロウィルスに感染させる(例えば、
Grossmanら, 1994, Nature Genetics 6:335参照)。次
いで、この細胞を患者に注射によって(例えば、腹膜腔
への、または静脈注射による)投与できる。
【0022】患者に投与されるべきバクロウィルス量ま
たは感染細胞数および投与頻度は外来遺伝子の発現を検
出する方法の感受性、用いるプロモーターの強度、治療
される疾患の重篤度、およびウィルスの標的細胞などの
種々の因子によって異なる。一般に、ウィルスは約0.1
〜800の感染効率(moi)で投与し;好ましくはmoiは約5〜
200であり;より好ましくはmoiは約10〜100である。バ
クロウィルスの細胞への送達および外来遺伝子の発現は
遺伝子発現をアッセイするための標準的な技術を用いて
モニターできる。例えば、AcMNPVの細胞への送達はサザ
ンもしくはノーザンブロッティング、スロットもしくは
ドットブロッティング、またはin situハイブリダイゼ
ーションなどの通常の手順によって(PCRによって増幅
するか、またはせずに)AcMNPV DNAまたはRNAを検出す
ることでモニターできる。AcMNPVの核酸とハイブリダイ
ズする好適なプローブ、プロモーターまたは外来遺伝子
は分子生物学の当業者によって便宜に調製できる。
【0023】細胞における外来遺伝子の発現は、その細
胞を有する患者から得られた細胞または体液(例えば、
血清)を遺伝子に対応するRNAまたはタンパク質につい
てアッセイすることで追跡することができる。分子生物
学者によって通常用いられる検出技術(例えば、ノーザ
ンまたはウェスタンブロッティング、in situハイブリ
ダイゼーション、スロットまたはドットブロッティン
グ、PCR増幅、SDS-PAGE、免疫染色、RIA、およびELIS
A)を遺伝子発現の測定のために使用できる。
【0024】細胞において外来遺伝子を発現することの
治療有効性は細胞を有する患者を疾患の既知の徴候また
は症状についてモニターすることで評価できる。治療法
の評価のためのパラメーターは医学の当業者には公知で
ある。ツー・ハイブリッド系 酵母ツー・ハイブリッド系は酵母(サッカロミセス・セ
レビシエ(Saccharomyces cerevisiae))細胞における相
互作用パートナーの同定またはタンパク質-タンパク質
相互作用の検出のために広範囲に適用されている。高等
真核細胞を基にしたツー・ハイブリッド系は酵母ツー・
ハイブリッド系スクリーニングから得られたタンパク質
相互作用パートナーを確認する強力な補完的アプローチ
であり得る。本明細書に記載されるバクロウィルスを基
にした発現法により非許容細胞の重複感染が可能となる
ので、これらの方法は同一の宿主細胞に複数の外来タン
パク質を導入するための効率的な遺伝子移入媒体を提供
する。従って、本明細書に記載される方法は高等真核細
胞、例えば、昆虫細胞または哺乳類細胞などの非許容細
胞と関連してツー・ハイブリッドスクリーニングを実施
するのに有用である。
【0025】ツー・ハイブリッド法は2種のタンパク質
間の相互作用を示す転写活性化の回復を利用する。酵母
を基にしたツー・ハイブリッド系の例として、酵母GAL4
転写アクチベーターは、例えば、DNA結合ドメイン(DNA-
BD)および転写活性化ドメイン(AD)を含む。2種の異なる
クローニングベクターを用いて、これらのGAL4ドメイン
と、互いに強力に相互作用するタンパク質をコードする
遺伝子との別個の融合物を作製する。組換えハイブリッ
ドタンパク質は酵母リポーター菌株において同時発現
し、酵母核に向かう。ツー・ハイブリッドの標的および
候補タンパク質の一部が互いに相互作用する場合には、
DNA-BDはそのADに拘束される。従って、ツー・ハイブリ
ッド相互作用の結果として、GAL4転写アクチベーターが
機能的に再構成され、上流GAL4結合部位を有するリポー
ター遺伝子(例えば、lacZ、HIS3、β-ガラクトシダー
ゼ、ルシフェラーゼ、またはEGFP)の転写を活性化す
る。これによりタンパク質相互作用が表現型的に検出可
能となる。哺乳類ツー・ハイブリッド系も異なるAD(単
純ヘルペスウィルスのVP16タンパク質などの)とリポー
ター遺伝子(CATなどの)を用いるという点を除いて同
様に働く。かかるアッセイを実施するための基本技術は
当技術分野で公知である。
【0026】本発明のツー・ハイブリッド法は細胞に、
同時または異なる時点で、そのゲノムが標的タンパク質
をコードする外来核酸配列を保持する多数の組換えバク
ロウィルスを導入し、細胞が外来配列が発現される条件
下で生存するのを可能にし、外来配列にコードされるタ
ンパク質間/の中の相互作用をモニターすること含む。
組換えバクロウィルスを保持する細胞は溶菌相に入ら
ず、異なる時点で連続感染され、本発明のツー・ハイブ
リッド法は組換えバクロウィルスの細胞への導入をより
便宜で、かつ、適応性があるものにし、さらにずっと有
利な異なる時点での組換えウィルスの導入をもたらす。
この方法の1つの利点は相互作用タンパク質の同定のみ
が可能となるばかりでなく、これらのタンパク質のクロ
ーニングされた遺伝子をすぐに使用できるようにすると
いうことである。さらに、ツー・ハイブリッド法は微
弱、かつ、一時的な相互作用を検出することも多い。精
製標的タンパク質も抗体も必要としない。アッセイはin
vivoで実施するので調べられるタンパク質はよりその
天然のコンホメーションにあると考えられる。ツー・ハ
イブリッド法を用いて2種の既知のタンパク質(その相
当する遺伝子がクローニングされている)が相互作用す
るかどうかを調べられる。ひとたび、2種のタンパク質
が相互作用することが示されれば、さらなる解析により
相互作用に直接的に関与する領域を特定できる。ツー・
ハイブリッド法のもう1つの重要な適用は標的タンパク
質と相互作用するこれまでには知られていないタンパク
質を同定することである。
【0027】
【実施例】実施例1:哺乳類細胞での発現のための組換
えバクロウィルスの構築および生産哺乳類-バクロウィ
ルスシャトルベクターを宿主細胞におけるようにポリヘ
ドリンプロモーターの制御下で検出マーカー(ウィルス
プラーク選択マーカー)としてEGFPを採用するよう設計
した。ポリヘドリンプロモーターは非許容細胞において
サイレントである。非許容細胞における標的遺伝子発現
の例示および検出を容易にするために、CMV-IEプロモー
ターの制御下にイソギンチャク由来の赤色蛍光性DsRed
遺伝子を包含する発現カセットを構築した。本実施例に
おいて、DsRedは本明細書に記載される方法を用いて発
現され得る多数の標的タンパク質の一例に過ぎない。本
発明の組換えバクロウィルスはpBacPAK8(Clontech)由来
のシャトルベクターを用いて構築した。
【0028】まず、pBacEGFPをBamHIおよびPacI部位を
用いて検出マーカーをコードするヌクレオチド配列(EG
FPのPCR産物)をpBACPAK8にクローニングすることによ
って構築した。EGFP断片はプライマー5'-CAGGATCCGCCAC
CATGGTGAGCAAGGGCG-3'(配列番号1)、および5'-AGCAA
TTAATTAATGAACATGTCGAGCAGGTAC-3'(配列番号2)を用
いてpEGFP-1(Clontech)からPCR増幅した。第2に、pcDNA
3(Invitrogen)に由来する2.6kbのNru IおよびStu I断片
(SV40複製開始点の後ろにマルチプルクローニング部位
ポリアデニル化シグナルを含むCMV-IEプロモーターを含
有する)をpBacEGFPにEcoRV部位で挿入してpBacEGFP/CM
Vとした。pDsRed-N1(Clontech)由来のDsRedを標的遺伝
子として含むシャトルベクターpBacEGFP/CMV DsRedはp
BacEGFP/CMVのEcoR IおよびNot I部位に挿入した。得ら
れたバクロウィルス哺乳類シャトルベクター、pBacEGFP
/CMV DsRedが図1(B)に示されている。
【0029】組換えバクロウィルス(BacEGFP/CMV DsRe
d)は慣例の技術によって、BacPAK系(Clontech)によって
作製し、さらにそれをS.フルギペルダ(frugiperda)(フ
ォール・アーミーワーム)(fall armyworm)Sf21細胞
(許容細胞系統)において増殖させることで増幅した。
蛍光顕微鏡観察により、組換えウィルスは感染を受けた
Sf21細胞から発せられる緑色蛍光シグナルをスクリーニ
ングすることで容易に同定できる。この可視マーカーは
宿主細胞における組換えウィルスのスクリーニングを著
しく容易にするだけでなく、組換えバクロウィルスにと
って推定変異原であり得るニュートラルレッド色素の厄
介な染色手順をしなくてもよいようにした。 実施例2:組換えバクロウィルスによる非許容哺乳類細胞
の形質導入および標的タンパク質発現の検出 従来の細胞培養技術を用いて維持したHeLaおよびCos-1
細胞を6ウェルの培養皿にウェルあたり2×105個の細胞
で播種した。培養培地を除去し、実施例1のように調製
したウィルス種菌で100の感染効率(moi)で置換した。感
染を受けた細胞を40rpmで振盪しながら37℃にて1時間イ
ンキュベートした。ウィルスを培養物から除去し後、1m
Mのトリコスタチン(TSA)(ヒストン脱アセチル化阻害剤
と同定されている)を含む新鮮培地を細胞に加えて37℃
にてさらに24時間インキュベートした。
【0030】24時間インキュベーションした後、細胞培
養物をEGFPおよびDsRed発現について共焦点顕微鏡観察
およびウェスタンブロット解析によって調べた。共焦点
蛍光顕微鏡観察によって、HeLaおよびCos-1細胞の双方
とも広範囲の標的タンパク質DsRed発現を示したが、EGF
Pシグナル(プラークアッセイ選択マーカー)は検出さ
れなかった。この発見はEGFPまたはDsRedのいずれかに
対して向けられた抗体をプローブとする組換えウィルス
によって形質導入された細胞抽出物のメンブランのウェ
スタンブロット解析によって確認された。EGFPはGFPポ
リクローナル抗体(Clontech、カタログ番号:8363-2)に
よって検出した。
【0031】これらのデータはEGFP選択マーカーは哺乳
類細胞においてサイレントであり、CMV-IEの制御下で標
的遺伝子のみが発現されたということを明確に示してい
る。これらの実施例は哺乳類細胞におけるバクロウィル
ス媒介性タンパク質発現についての極めて便宜なプラー
クアッセイ法を示す。可視EGFP選択マーカーはプラーク
選択およびウィルス力価決定に関する操作を著しく単純
化し、容易にする。特に、これらの実施例は選択マーカ
ーの宿主特異的発現は哺乳類細胞における標的遺伝子発
現の可能性ある競合および干渉を排除し得るということ
を示す。 実施例3:哺乳類細胞の組換えバクロウィルスによる重複
感染 ある種のバクロウィルスに感染した哺乳類細胞が別のバ
クロウィルスの感染およびタンパク質発現を遮断するか
どうか推定するために、HeLa細胞をBacEGFP/CMV DsRed
およびBacEGFP/CMV EGFPで同時感染させるかまたは、前
記の2種のウィルスによって4時間の間隔で逐次感染させ
た。EGFPはGFPポリクローナル抗体(Clontech、カタログ
番号:8363-2)によって検出し、DsRedはDsRedポリクロー
ナル抗体(Clontech、カタログ番号:8370-1)によって検
出した。36時間インキュベーションした後、細胞抽出物
をEGFPおよびDsRedに対して向けられた抗体をプローブ
とするウェスタンブロットによって解析した。HeLa細胞
では、単一のバクロウィルス感染、2種のバクロウィル
スでの同時感染または逐次感染の間に明らかな相違は認
められなかった。2種のバクロウィルスでの連続感染に
よるタンパク質発現への干渉は認められなかった。S2細
胞における蛍光標的遺伝子同時発現の共焦点顕微鏡観
察。BacEGFP/CMV DsRedおよびBacEGFP/CMV EGFPは同時
感染させるか、4時間の間隔で逐次感染させるのいずれ
かとした。96%より多い細胞が組換えウィルスの同時感
染によってか重感染のいずれかによって2種のタンパク
質の同時発現を示した。 実施例4:非許容昆虫細胞における発現のための組換えバ
クロウィルスの構築および生産ポリヘドリンプロモーターによって駆動されるEGFP遺伝
子を保持する組換えウィルス 本実施例では、EGFP遺伝子をポリヘドリンプロモーター
の制御下に配置する。このプロモーターはSf21細胞にお
いて活性であるが、ショウジョウバエS2細胞ではサイレ
ントである。EGFPをリポーター遺伝子として用いてトラ
ンスフェクション効率および関連するタンパク質発現レ
ベルを推定した。プラスミドpBacEGFPはEGFP PCR産物を
pBacPAK8(Clontech)にBamHIおよびPac I部位でサブクロ
ーニングすることで構築し、EGFP PCR産物は特異的プラ
イマーを用いてpEGFP-1(Clontech)から増幅した。PCRに
用いたプライマーは以下の通りであった: 5EGFP/BamH I: 5'CAGGATCCGCCACCATGGTGAGCAAGGGCG(配列番号1);お
よび 3EGFP/PucI: 3TCGTTAATTAATTACTTGTACAGCTCGTCCATG(配列番号2)。
【0032】プラークをスクリーニングして選び、前記
のように蛍光顕微鏡によってEGFP発現を可視化すること
で力価を算出した。非許容昆虫細胞において活性であるプロモーターによっ
て駆動されるEGFP遺伝子を保持する組換えウィルス hsp70プロモーターおよびアクチン5CプロモーターをSV4
0ポリアデニル化配列と組み合わせてpBacEGFPに組み込
み、それぞれpBacEGFP/hsp70およびPBACEGFP/アクチン5
Cを構築した。それらは双方ともバクロウィルスポリヘ
ドリン(PH)プロモーターに隣接し、かつ、それと反対の
配向にあった。EGFP遺伝子(pEGFP-1に由来する)をpBa
cEGFP/hsp70およびEGFP/アクチン5CにEcoR IおよびNot
I部位でサブクローニングしてpBacEGFP/hsp70 EGFPおよ
びpBacEGFP/アクチン5C EGFPを得た(図1(C)および
(D)参照)。構築したバクロウィルストランスファー
ベクターはポリヘドリンプロモーターに隣接し、かつ、
同一の配向に、かつ、ポリAに隣接してポリヘドリンプ
ロモーターと反対の配向に、ならびに、ポリAに隣接し
てポリヘドリンプロモーターと同一の配向に外来プロモ
ーターを含む。ポリヘドリンプロモーターに隣接し、か
つ、これと反対の配向にあるhsp70またはアクチン5Cプ
ロモーターのいずれかの位置は高EGFP発現を示し得ると
いうことがわかった。しかしながら、その他のプロモー
ターの配列も機能する。
【0033】組換えバクロウィルス、BacEGFP/hsp70EGF
PおよびBacERGFP/アクチン5C EGFPはBacPAK系(Clontec
h)を用いて作製した。ウィルスは10%ウシ胎児血清(Life
Technologies)を含むグレース培地で27℃にて維持した
Sf21細胞において増殖させることでさらに増幅した。Sf
21細胞に組換えウィルスを感染させる場合には、EGFP発
現は蛍光顕微鏡によって検出した。単一の緑色クローン
を拾い上げ、蛍光マーカーとしてEGFPを用いてウィルス
力価を計数することが便宜であった。 実施例5:組換えバクロウィルスによる非許容昆虫細胞の
形質導入および標的タンパク質発現の検出 S2細胞を24ウェル培養プレートにウェルあたり106個の
細胞で播種し、10%ウシ胎児血清(Life Technologies)を
添加した改変M3培地(Sigma)で23.5℃にて維持した。S2
細胞を実施例3におけるように構築した個々のウィルス
とともに指示された感染効率(moi)で40rpmで振盪しなが
ら室温にて1時間インキュベートした。ウィルスを除去
した後、新鮮培地で置換し、S2細胞を23.5℃にてインキ
ュベートした。EGFP発現は感染の36時間後に、それぞれ
細胞あたり10プラーク形成単位(pfu)のmoiでBacEGFP/hs
p70 EGFPおよびBacEGFP/アクチン5C EGFPに侵されたS2
細胞において蛍光顕微鏡でモニターした。ウィルスポリ
ヘドリンプロモーターはS2細胞では活性でないのでEGFP
はBacEGFPに侵されたS2細胞において検出されなかっ
た。
【0034】ウェスタンブロット解析のために、細胞ペ
レットをサンプリングバッファー(2%SDS、10%グリセロ
ール、6.25mM Tris)に加え、煮沸し、変性ポリアクリ
ルアミドゲルによって解析し、タンパク質をセミドライ
ヤー(Bio-Rad)によってイモビロン-Pトランスファーメ
ンブラン(Millipore)にトランスファーし、標準的な方
法を用いて免疫ブロッティングした。EGFPはGFPポリク
ローナル抗体(Clontech、カタログ番号:8363-2)によっ
て検出した。EGFP発現は細胞をBacEGFP/hsp70 EGFPおよ
びBacEGFP/アクチン5C EGFPに感染させることで検出さ
れたが、細胞をBacEGFPに感染させることでは検出され
なかった。トランスフェクションデータからはアクチン
5Cプロモーターはhsp70プロモーターよりもより活性で
あるが、この系ではhsp70プロモーターはアクチン5Cプ
ロモーターよりもより高い発現レベルを有するというこ
とがわかった。この結果はhsp70プロモーターまたはア
クチン5Cプロモーターの制御下にあるEGFPはバクロウィ
ルス媒介性遺伝子送達によってEGFPを発現するというこ
とを示す。バクロウィルス媒介性遺伝子発現の感染効率 バクロウィルス媒介性遺伝子発現の用量応答をアッセイ
するために、S2細胞をBacEGFP/hsp70 EGFPの用量を増加
させて曝露し、感染の36時間後に共焦点顕微鏡およびフ
ローサイトメトリーによって検出した。
【0035】共焦点顕微鏡検査では、moi1、10、100お
よび200でBacEGFP/hsp70 EGFPに侵されたS2細胞を集め
てポリリジンコートしたマイクロスライドグラスにおい
て30分間インキュベートした。細胞をPBSで二回洗浄
し、カバーグラスで覆い、培地(PBS中の6%のグリセロ
ール中の2%の没食子酸n-プロピル、pH8.0)を入れて密
閉した。EGFP発現はライカTCS NT共焦点顕微鏡によって
検出した。フローサイトメトリーアッセイでは、S2細胞
を回収しPBSに再懸濁した。データ収集はBecton Dickin
son FACSCalibarフローサイトメーターで実施した。リ
ニアフロー(LenearFlow)(商標)グリーンフローサイト
メトリー強度校正キット(Molecular ProbeのL-14822)を
フローサイトメトリー実験に使用するための校正した強
度標準として用いた。標準を参照して、S2細胞における
EGFP発現を相対蛍光強度として定量化した。
【0036】共焦点顕微鏡およびフローサイトメトリー
実験のこれらの結果(3種の独立した感染の平均)は感
染効率は細胞あたり100pfuのmoiで最大(95%〜96%)に
達し、より高いmoiでも感染効率は増加しなかったとい
うことを示す。従って、100moiでの感染はS2細胞におい
て最大のタンパク質を発現させるのに十分である。バクロウィルスにより媒介される遺伝子発現の時間経過
検討 バクロウィルスにより媒介される遺伝子発現の時間経過
をアッセイするために、S2細胞をBacEGFP/hsp70 EGFPに
曝し、時間を増加しながら検出した。S2細胞を40rpmで
振盪しながら25℃にて1時間BacEGFP/hsp70 EGFPウィル
スに曝し、次いで、種々の時点で細胞を回収し、フロー
サイトメトリーによって回収した細胞を定量化した(表
1A)。平均EGFP発現と感染効率の双方とも感染後24〜
36時間でピークに達し、感染後60時間で低下した。平均
EGFP発現と感染効率の経時的減少の原因は細胞分裂によ
るウィルスDNA複製の不足であり得る(Carbonellら, 198
5 J.Virol. 56, 153-160)。従って、EGFPを発現する細
胞のパーセンテージは経時的に低下する。フローサイト
メトリーによるEGFP発現の平均とトリパンブルーアッセ
イによる細胞増殖の双方の結果によれば、EGFP発現レベ
ルは36時間で最大に達すると結論づけられる。S2細胞へのバクロウィルスにより媒介される遺伝子送達
は非溶菌性である S.フルギペルダ(フォール・アーミーワーム)Sf9細胞は1
0%のウシ胎児血清(Life Technologies)を含むグレース
培地で27℃にて維持した。High Five(商標)細胞はHig
h Five(商標)細胞培養培地(Invitrogen)で27℃にて維
持した。Sf21、Sf9およびHigh Five(商標)細胞を100m
oiでBacEGFP/hsp70 EGFPウィルスとともにインキュベー
トした。バクロウィルスに侵された宿主細胞Sf21、Sf9
およびHigh Five(商標)は溶菌経路に推移するという
ことがわかった。
【0037】S2細胞におけるバクロウィルスの感染が溶
菌経路に推移するか否かを検出するために、S2細胞を10
0moiでBacEGFP/hsp70 EGFPウィルスに曝し、トリパンブ
ルーアッセイによってS2細胞生存率を測定した。バクロ
ウィルスに侵されたS2細胞の細胞生存および細胞増殖は
30日にわたってでさえ干渉されないということがわかっ
た。バクロウィルスを保持するSf21、Sf9およびHigh Fi
ve(商標)細胞は溶菌性であるが、バクロウィルスを保
持するS2細胞は非溶菌性である。 実施例6:ショウジョウバエS2細胞の組換えバクロウィル
スでの重複感染 ある種のバクロウィルスに侵されたショウジョウバエS2
細胞が別のバクロウィルスの感染およびタンパク質発現
を遮断するか否かを推定するために、ショウジョウバエ
S2細胞を100のMOIでBacEGFP/hsp70 dCdc2(HAタグをつけ
た)、BacEGFP/hsp70 ena、およびBacEGFP/hsp70 EGFPに
同時感染させるか、または前記の3種のウィルスによっ
て4時間の間隔で逐次感染させた。EGFPはGFPポリクロー
ナル抗体(Clontech、カタログ番号:8363-2)によって検
出し;HAエピトープはHAモノクローナル抗体(BAbCO、カ
タログ番号:MMS-101R)によって検出し;enaはenaポリク
ローナル抗体(Juang JLおよびFM Hoffmann:1999, Oncog
ene 37:5138-5147)によって検出した。36時間インキュ
ベートした後、細胞抽出物をEGFP、HA、およびenaに対
して向けられた抗体をプローブとするウェスタンブロッ
トによって解析した。S2細胞において単一のバクロウィ
ルス感染、2種のバクロウィルスでの同時感染または逐
次感染間に明らかな相違は認められなかった。2種のバ
クロウィルスでの連続感染によるタンパク質発現への干
渉は認められなかった。BacEGFP/hsp70 DsRedおよびBac
EGFP/hsp70 EGFPは同時感染させるかまたは4時間の間隔
で逐次感染させるのいずれかとした。S2細胞における蛍
光標的遺伝子同時発現についての共焦点顕微鏡の結果は
組換えウィルスの同時感染によって、または重感染のい
ずれかによって96%より多い細胞が2種のタンパク質の同
時発現を示したということを示す。
【0038】要約して、本実施例で示される発現系と従
来系の間の比較を以下に示す。
【0039】
【表1】
【0040】実施例7:S2、Sf9、Sf21およびHigh Five
(商標)細胞間のタンパク質発現の比較共通のバクロウ
ィルス発現系と比較される本明細書に記載される方法に
よって発現されたタンパク質量を定量化した。106個のS
2細胞をmoi100でBacEGFP/hsp70EGFPに感染させ、36時間
インキュベートした。S2細胞の半量をDCタンパク質アッ
セイ(BIO-RAD)によって総タンパク質を測定するために
回収し、もう半量を用いてウェスタンブロットによって
S2におけるEGFP発現を検出した。定量的タンパク質標準
として、333ng、100ng、33.3ngおよび10ngのGFP(Clonte
ch)をゲルにのせた。ウェスタンブロットの結果はFUJIF
ILMホスホイメージ(PhosphoImage)FLA-2000によって解
析した。EGFP発現効率は総細胞タンパク質量に対するEG
FP量である。Sf9、Sf21およびHigh Five(商標)細胞も
同一の方法で処理したが最大タンパク質発現を評価する
ために3日間インキュベートした。すべてのデータは3回
反復した。
【0041】これらの細胞系統におけるEGFP発現を定量
するために、100moiのBacEGFP/hsp70 EGFPで36時間感染
を受けた5×105個のS2細胞から53ngの注目されるタンパ
ク質を得、他方、100moiのBacEGFPで72時間感染を受け
た105個のSf9、Sf21、およびHigh Five(商標)細胞か
ら17ng、30ngおよび71ngのタンパク質を得た。S2、Sf
9、Sf21およびHigh Five(商標)細胞において発現され
たタンパク質収率の比較では、S2細胞におけるEGFP収率
はSf9およびSf21細胞においてよりも高かったが、High
Five(商標)細胞においてよりも低かった。S2細胞にお
けるタンパク質発現はSf9、Sf21およびHigh Five(商
標)細胞に匹敵する。
【0042】本開示の範囲において列挙される文献およ
び出版物はすべて参照することにより本明細書の一部と
する。本明細書に提供される実施例は他を排除すること
を意味するものではない。前記の本発明の実施形態の多
くのその他の変法および修飾が本発明の精神および範囲
から逸脱することなく実施される。従って、その他の実
施形態は以下の請求の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【図1A】バクロウィルストランスファーベクターpBac
EGFPのマップを示す。
【図1B】バクロウィルストランスファーベクターpBac
EGFP/CMVDsRedのマップを示す。
【図1C】バクロウィルストランスファーベクターpBac
EGFP/hsp70 EGFPのマップを示す。
【図1D】バクロウィルストランスファーベクターpBac
EGFP/アクチン5C EGFPのマップを示す。
フロントページの続き (72)発明者 ジー−リー ジャン 台湾,台北,シジャー シティー,グオシ ン ストリート,レーン 16,28番地,6 階 (72)発明者 ドゥン−ファン リー 台湾,タイナン,アンピン チウ,アンピ ン ロード,レーン 75,アレー 3,5 番地 Fターム(参考) 4B024 AA20 CA04 DA02 DA20 EA02 FA02 FA10 GA11 4B064 AG01 CA10 CA19 CC24 4B065 AA90X AA95X AA95Y AA99Y AB01 BA01 CA24

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】宿主細胞において活性であり、かつ、非許
    容細胞において不活性である第1のプロモーターに機能
    しうる形で連結された検出マーカーをコードする第1の
    核酸配列、および非許容細胞において活性である第2の
    プロモーターに機能しうる形で連結された外来核酸配列
    を含む第2の核酸配列を含んでなる、非許容細胞に感染
    可能な組換えウィルス。
  2. 【請求項2】バクロウィルスである、請求項1に記載の
    組換えウィルス。
  3. 【請求項3】哺乳類細胞において第1のプロモーターが
    不活性であり、かつ、第2のプロモーターが活性であ
    る、請求項2に記載の組換えウィルス。
  4. 【請求項4】ヒト細胞において第1のプロモーターが不
    活性であり、かつ、第2のプロモーターが活性である、
    請求項2に記載の組換えウィルス。
  5. 【請求項5】一次ヒト細胞において第1のプロモーター
    が不活性であり、かつ、第2のプロモーターが活性であ
    る、請求項2に記載の組換えウィルス。
  6. 【請求項6】非許容昆虫細胞において第1のプロモータ
    ーが不活性であり、かつ、第2のプロモーターが活性で
    ある、請求項2に記載の組換えウィルス。
  7. 【請求項7】非許容ショウジョウバエ細胞において第1
    のプロモーターが不活性であり、かつ、第2のプロモー
    ターが活性である、請求項6に記載の組換えウィルス。
  8. 【請求項8】第1のプロモーターがウィルスポリヘドリ
    ンプロモーターである、請求項1に記載のウィルス。
  9. 【請求項9】第1のプロモーターがP10プロモーターであ
    る、請求項1に記載の組換えウィルス。
  10. 【請求項10】第2のプロモーターがCMVプロモーター、
    RSVプロモーター、またはSV40プロモーターである、請
    求項3に記載の組換えウィルス。
  11. 【請求項11】第2のプロモーターが熱ショックタンパ
    ク質プロモーター、オルギア・シュードツガタ前初期プ
    ロモーター、メタロチオネイン(MT)プロモーター、また
    はアクチン5Cプロモーターである、請求項6に記載の組
    換えウィルス。
  12. 【請求項12】検出マーカーが蛍光タンパク質である、
    請求項1に記載の組換えウィルス。
  13. 【請求項13】蛍光タンパク質がGFP、EGFP、EYFP、ECF
    P、EBFP、またはDsRedである、請求項12に記載の組換
    えウィルス。
  14. 【請求項14】宿主細胞培養物において活性であり、か
    つ、非許容細胞において不活性である第1のプロモータ
    ーに機能しうる形で連結された検出マーカーをコードす
    る第1の核酸配列、および非許容細胞において活性であ
    る第2のプロモーターに機能しうる形で連結された外来
    核酸配列を含んでなる第2の核酸配列を含む、非許容細
    胞に感染可能な組換えウィルスを提供し、 宿主細胞培養物にその組換えバクロウィルスを感染さ
    せ、さらに検出マーカーの発現を検出することによって
    ウィルスプラークを同定し、 それにより非許容細胞の感染に関してウィルスプラーク
    を選択することを含んでなる、非許容細胞の感染に関す
    るウィルスプラークの選択方法。
  15. 【請求項15】提供する組換えウィルスがバクロウィル
    スである、請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】哺乳類細胞において第1のプロモーター
    が不活性であり、かつ、第2のプロモーターが活性であ
    る組換えウィルスを提供する、請求項15に記載の方
    法。
  17. 【請求項17】ヒト細胞において第1のプロモーターが
    不活性であり、かつ、第2のプロモーターが活性である
    組換えウィルスを提供する、請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】非許容昆虫細胞において第1のプロモー
    ターが不活性であり、かつ、第2のプロモーターが活性
    である組換えウィルスを提供する、請求項15に記載の
    方法。
  19. 【請求項19】非許容ショウジョウバエ細胞において第
    1のプロモーターが不活性であり、かつ、第2のプロモー
    ターが活性である組換えウィルスを提供する、請求項1
    8に記載の方法。
  20. 【請求項20】第1のプロモーターがウィルスポリヘド
    リンプロモーターまたはP10プロモーターである組換え
    ウィルスを提供する、請求項15に記載の方法。
  21. 【請求項21】第2のプロモーターがCMVプロモーター、
    RSVプロモーター、SV40プロモーター、熱ショックタン
    パク質プロモーター、OPIE2プロモーター、MTプロモー
    ター、またはアクチン5Cプロモーターである組換えウィ
    ルスを提供する、請求項15に記載の方法。
  22. 【請求項22】宿主細胞培養物において活性であり、か
    つ、非許容細胞において不活性である第1のプロモータ
    ーに機能しうる形で連結された検出マーカーをコードす
    る第1の核酸配列と、非許容細胞において活性である第2
    のプローターに機能しうる形で連結された産物をコード
    する外来核酸配列を含んでなる第2の核酸配列とを含
    む、非許容細胞に感染可能な組換えウィルスを提供し、 宿主細胞培養物にその組換えウィルスを感染させ、 検出マーカーの発現を同定することによってウィルスプ
    ラークを選択し、 選択したウィルスプラークからウィルスを増幅し、さら
    に非許容細胞に増幅したウィルスを感染させ、それによ
    り非許容細胞が外来核酸配列にコードされるタンパク質
    を産生し、かつ、検出マーカーを発現しないことを含ん
    でなる、非許容細胞におけるタンパク質の製造方法。
  23. 【請求項23】非許容細胞に組換えウィルスを再感染さ
    せる工程をさらに含んでなる、請求項22に記載の方
    法。
  24. 【請求項24】提供する組換えウィルスがバクロウィル
    スである、請求項22に記載の方法。
  25. 【請求項25】感染を受ける非許容細胞が哺乳類細胞で
    ある、請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】感染を受ける非許容細胞が昆虫細胞であ
    る、請求項24に記載の方法。
  27. 【請求項27】非許容細胞がin vitroで感染を受ける、
    請求項24に記載の方法。
  28. 【請求項28】非許容細胞がin vivoで感染を受ける、
    請求項24に記載の方法。
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