JP2003282411A - リソグラフィー用のダイヤモンドウェハ、マスクブランクス及びマスク並びにダイヤモンドウェハの製造方法 - Google Patents

リソグラフィー用のダイヤモンドウェハ、マスクブランクス及びマスク並びにダイヤモンドウェハの製造方法

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JP2003282411A JP2002083933A JP2002083933A JP2003282411A JP 2003282411 A JP2003282411 A JP 2003282411A JP 2002083933 A JP2002083933 A JP 2002083933A JP 2002083933 A JP2002083933 A JP 2002083933A JP 2003282411 A JP2003282411 A JP 2003282411A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスクと半導体基板とを挟ギャップ化し高解
像の露光を実現すると共に、万が一マスクと半導体基板
とが接触した場合にもマスクの破損を回避できるリソグ
ラフィー用のダイヤモンドウェハ、マスクブランクス及
びマスク並びにダイヤモンドウェハの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 ダイヤモンドウェハ13は、透過膜12
の被転写体側の面であって照射光等の吸収体16を配設
する部位にガスクラスターイオンビームの照射によって
表面粗さがRms=0.1〜10nmの底面17cを有
する凹部17が設けられたことを特徴とする。マスクブ
ランクス10aは、ダイヤモンドウェハ13の凹部17
の底面17c上に吸収膜16aが形成されたことを特徴
とする。マスク10は、吸収膜16aを所望の転写パタ
ーンに形成してなる吸収体16の厚さをT、凹部17深
さをHとすると、T≦Hであることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体装置の集
積回路の形成に用いられるリソグラフィー用のダイヤモ
ンドウェハ、マスクブランクス及びマスク並びにダイヤ
モンドウェハの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、被転写体である半導体基板に
マスクを介して露光光源から光線等を照射してマスク上
に形成された集積回路パターンを半導体基板に転写し、
エッチング工程等を経て半導体基板に集積回路を形成す
るリソグラフィー技術が知られている。この技術におい
て用いられるステッパ(露光装置)では、通常、照射光
の吸収膜によって形成されるマスクの面上の集積回路パ
ターンをレンズを介して縮小することで、半導体基板に
転写される集積回路パターンを高集積化している。そし
て近年、半導体装置の集積回路の更なる高集積化に伴
い、転写解像性を高めるため、例えばKrFレーザー
(波長248nm)、ArFレーザー(波長193n
m)のようなエキシマレーザー、電子線、X線(波長1
nm)といった、より波長の短い露光光源を用いたステ
ッパが実用化されつつある。
【0003】上記のような短波長の露光光源を用いるス
テッパでは、照射光等の回折現象による解像力の低下を
無くすと共に焦点深度を深めるため、縮小露光で用いら
れていたレンズを廃して等倍露光とし、高解像の露光を
正確に行うことを可能としている。また、レンズを廃す
ることにより装置の簡素化ができると共に、規格化され
た露光光源の照射面積(例えば50mm×50mm)を
縮小することなく半導体基板に照射することができるた
め、露光面積を最大限に設けることができる。
【0004】ここで図8に示すように、例えばX線を露
光光源とするステッパ1においては、SRリング4から
取り出されたX線5をマスク10を介して被転写体であ
る半導体基板2に照射し、半導体基板2の面上に形成さ
れたレジスト膜3に集積回路パターンを転写するもので
ある。一方マスク10は、透過孔14を有する例えばシ
リコンからなるマスク基板11の面上にその透過孔14
を覆うようにX線透過率の非常に良い人工ダイヤモンド
の透過膜12が形成され、透過孔14を覆うメンブレン
(自立膜部)15の面上に所望の集積回路パターンを有
するX線の吸収体16が形成されてなるものである。
【0005】このマスク10は、等倍露光に対応するた
めに、縮小露光の場合と比べて一層の高精度化が要求さ
れている。そのため、吸収体16の配設部位であるメン
ブレン15の表面粗さをできるだけ小さくし、その面上
に形成される吸収体16の加工前の状態である吸収膜1
6aの膜質を安定させることで、吸収体16が形成する
微細な集積回路パターン(線幅30nm〜0.1μm)
を正確なものとしている。更に、透過膜12を平均膜厚
1〜20μmに形成することでメンブレン15を薄膜化
し、X線透過率をより高めている。そして、半導体基板
2とマスク10とが20〜30μmの微小ギャップ(図
中におけるG)で対向配置され、マスク10を介して半
導体基板2にX線5が照射される。このように、微小ギ
ャップで半導体基板2に対向配置される高精度なマスク
10を介して、半導体基板2に短波長の光線を照射する
ことにより、高集積化された集積回路パターンを高解像
で転写することが可能となる。半導体基板2上の一箇所
に集積回路パターンの転写が完了すると、マスク10は
ステッパ1によって一度半導体基板2から離れ、半導体
基板2の面方向で相対移動した後に、他箇所に再度微小
ギャップで対向配置されて転写を開始する。この工程を
繰り返しながら半導体基板2の全域に順次集積回路パタ
ーンが転写されていく。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな等倍露光のステッパ1においては、マスク10と半
導体基板2とが直接近接して対向配置されているため、
例えばマスク10が他箇所に移動して再度半導体基板2
に近接するような時にマスク10と半導体基板2とが接
触した場合、マスク10のメンブレン15の面上に形成
される吸収体16が半導体基板2に先あたりし、強度的
に最も弱いメンブレン15に優先的に負荷が加わってし
まうため、マスク10が容易に破損してしまうという問
題がある。また、更なる高解像の露光を行うため、マス
ク10と半導体基板2とのギャップを10〜20μm又
はそれ以上に近接させることが要求されており、上記問
題の対策がより重要となっている。そこでこの発明は、
マスクと半導体基板等の被転写体とを挟ギャップ化し高
解像の露光を実現すると共に、万が一マスクと被転写体
とが接触した場合にもマスクの破損を回避できるリソグ
ラフィー用のダイヤモンドウェハ、マスクブランクス及
びマスク並びにダイヤモンドウェハの製造方法を提供す
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載した発明は、透過孔を有するマスク
基板の被転写体側の面上に前記透過孔を覆うようにダイ
ヤモンドの透過膜が形成されてなるリソグラフィー用の
ダイヤモンドウェハにおいて、前記透過膜の被転写体側
の面であって照射光等の吸収体を配設する部位に凹部が
設けられたことを特徴とする。このように構成すること
で、吸収体は、透過膜の被転写体側の一般面よりも低い
位置にある凹部の底面上に配設されるため、透過膜の被
転写体側の一般面からの突出量を減少させる又は吸収体
の突出を無くすことが可能となる。また、吸収体の配設
部位の透過膜をより薄膜化することが可能となる。ここ
で、上記の照射光等とは、電子線、X線を含む概念であ
る。
【0008】また、請求項2に記載した発明は、前記凹
部の周縁部が前記透過孔の周縁部を覆う範囲に形成され
たことを特徴とする。このように構成することで、透過
膜の被転写体側の一般面と凹部の底面との変化部分と、
透過膜のみで構成される自立膜部とマスク基板の面上に
形成される透過膜の被支持膜部との境界部分とを、異な
る位置に設けることができるため、マスクに負荷が加わ
った場合、構造的に最も弱い自立膜部にかかる負荷を低
減することが可能となる。また、凹部の底面を照射光等
の透過部分である透過孔よりも広く形成できるため、凹
部の底面上に配設される吸収体を透過孔の開口範囲で最
大限に形成することができる。従って、マスクの露光面
積を最大限に設けることが可能となる。
【0009】また、請求項3に記載した発明は、前記凹
部はガスクラスターイオンビームの照射によって成形さ
れ、その底面の表面粗さがRms=0.1〜10nmで
あることを特徴とする。このように構成することで、吸
収体の加工前の状態である吸収膜が、表面粗さがRms
(二乗平均表面粗さ)=0.1〜10nmまで高精度に
平坦化された底面上に形成されるため、吸収膜の膜質を
高めることが可能となる。
【0010】また、請求項4に記載した発明は、マスク
基板上にダイヤモンドの透過膜を形成する工程と、透過
膜のみで構成されるメンブレンを形成する工程とを含む
リソグラフィー用のダイヤモンドウェハの製造方法にお
いて、前記透過膜の被転写体側の面であって照射光等の
吸収体を配設する部位にガスクラスターイオンビームの
照射によって表面粗さがRms=0.1〜10nmの底
面を有する凹部を形成する工程を含むことを特徴とす
る。この方法により、ダイヤモンドのような堅い物質の
凹加工を行うと共に、ガスクラスターイオンビームの特
性として加工面が高精度に平坦化されることを有効利用
して、凹部の底面の全域をRms=0.1〜10nmま
で高精度に平坦化することが可能となる。ここで、凹部
の周縁形状はその加工工程を短縮させるために最小限の
広さとすることが望ましく、従って透過孔の周縁形状に
沿った短形状であることが望ましい。この場合、通常の
ドライエッチングや機械研磨によって凹部の底面の全域
を高精度に平坦化することが困難であるため、ガスクラ
スターイオンビームの特性の利用が特に有効である。
【0011】また、請求項5に記載した発明は、前記ダ
イヤモンドウェハの被転写体側の面上に照射光等の吸収
膜が形成されてなるリソグラフィー用のマスクブランク
スにおいて、前記ダイヤモンドウェハの凹部の底面上に
前記吸収膜が形成されたことを特徴とする。このように
構成することで、高精度に平坦化された凹部の底面上に
吸収膜を形成することができるため、面粗さによるスト
レスのない膜質の高い吸収膜を形成することが可能とな
る。
【0012】また、請求項6に記載した発明は、前記マ
スクブランクスの吸収膜が所望の転写パターンを有する
吸収体に形成されてなるリソグラフィー用のマスクにお
いて、前記吸収体の厚さをT、前記凹部深さをHとする
と、T≦Hであることを特徴とする。このように構成す
ることで、透過膜の凹部の底面上に形成された吸収体の
厚さ方向の突出上面を、透過膜の被転写体側の一般面と
同一かそれよりも突出させないことが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面と共に説明する。図1は本発明に係るリソグラフィー
用のマスク10の斜視説明図である。同図に示すよう
に、この実施の形態によるマスク10は、例えばシリコ
ンからなる円盤状のマスク基板11の一方の面に、人工
ダイヤモンドの透過膜12を形成してなるダイヤモンド
ウェハ13を基に構成されている。ダイヤモンドウェハ
13の中央部には、50mm×50mmの透過孔14が
形成されており、この透過孔14を覆う透過膜12のみ
で構成される部分がメンブレン15となる。
【0014】メンブレン15のマスク基板11側と反対
側の面には、図示しない反射防止膜を介して(無い場合
もある)、例えば金属W、タンタルTa等からなり、所
望の集積回路パターンに形成された照射光等(電子線、
X線を含む)の吸収体16が設けられている。このよう
な構成を有するマスク10が、図示しないステッパ1に
おいて、その透過膜12側を被転写体である半導体基板
2側に、マスク基板11側を露光光源6側に向くように
配置される。
【0015】図2は図1におけるA−A線に沿う断面図
である。同図に示すように、マスク基板11はその中央
部が除去されており、露光光源6側(図2においては下
方側)に向かって広がる略テーパ状の周面14aを有す
る透過孔14が形成されている。マスク基板11の半導
体基板2側(図2においては上方側)の面上には、透過
孔14を覆うように透過膜12が形成されている。マス
ク基板11と透過膜12との界面11aと、透過孔14
の周面14aとの稜線は50mm×50mmの短形状を
形成しており、その稜線が透過孔14の周縁部14bと
なる。また、この周縁部14bで囲まれた透過膜12の
みで構成される部分がメンブレン15となる。尚、透過
膜12のマスク基板11の面上に形成される部分を被支
持膜部15aとする。
【0016】そして、透過膜12の半導体基板2側の面
には、その一般面12aと平行な底面17cを有する凹
部17が設けられている。この凹部17は透過膜12の
一般面12aに対して略垂直に設けられた周面17aを
有しており、その周面17aと底面17cとの稜線が凹
部17の周縁部17bとなる。そして、この周縁部17
bは、透過孔14の周縁部14bよりも広い範囲で設け
られている。
【0017】ここで、凹部17は周知のガスクラスター
イオンビームGCIBの照射によって形成されている。
透過膜12の一般面12aの表面粗さはRms=30〜
100nm程度であるが、凹部17の底面17cにおい
ては、ガスクラスターイオンビームGCIBの特性によ
り凹部17の凹加工と同時に底面17cが高精度に平坦
化されており、その表面粗さは最良でRms=0.1n
mまで平坦化されている。また、凹部17は0.2〜
1.0μmの範囲内で一定の深さとなるように形成され
ている。凹部17の深さが0.2μmより浅いと、その
底面17cに形成される吸収体16が透過膜12の一般
面12aから突出し、この発明の効果が低下してしま
う。また、1.0μmより深いとメンブレン15の強度
が大きく低下してしまう。
【0018】そして、凹部17の底面17c上であって
透過孔14の周縁部14bの内側の範囲には、つまりメ
ンブレン15には、0.2〜0.3μmの厚さを有する
吸収体16が形成されている。この吸収体16は、底面
17c上に製膜された吸収膜16aを所望の集積回路パ
ターンに形成してなるものである。吸収膜16aは、底
面17cが高精度に平坦化されているため、面粗さによ
る歪みや残留応力等のストレスが少ない。従って、高集
積化された集積回路パターンを形成する場合でも、微細
な線幅で正確に形成することが可能となる。また、凹部
17の深さ(図中におけるH)が吸収体16の厚さ(図
中におけるT)と同一がそれよりも深く形成されている
ため、吸収体16の突出上面16bが透過膜12の一般
面12aから突出することはない。尚、吸収膜16aが
集積回路パターンに形成される前の状態のデバイスをマ
スクブランクス10aとする。
【0019】以上の構成により、半導体基盤2とマスク
10とが万が一接触した場合でも、吸収体16が半導体
基盤2に先あたりすることがなく、マスク基板11の面
上に形成される透過膜12の被支持膜部15a及び吸収
体16の突出上面16bが同時に接触するか被支持膜部
15aのみが接触するため、メンブレン15が優先的に
ダメージを受けることがなく、マスク10と半導体基盤
2とを狭ギャップ化した場合でもマスク10の破損を回
避することができる。
【0020】また、凹部17が形成されたことにより、
メンブレン15が薄膜化されて照射光等の透過率を一層
向上させている。更に、凹部17は透過孔14よりも広
く形成されているため、露光面積を最大限に設けること
ができる。そして、凹部17の底面17cが高精度に平
坦化されているため、そこに形成される吸収体16の加
工前の吸収膜16aの膜質を高めて微細な転写パターン
を正確に形成することができる。
【0021】そして、凹部17の周縁部17bが透過孔
14の周縁部14bを避けた位置に形成されているた
め、メンブレン15に負荷が加わった場合に、透過膜1
2の一般面12aと凹部17の底面17cとの変化部分
での応力集中と、メンブレン15と被支持膜部15aと
の境界部分での応力集中とが、同一箇所で生じることを
防止することができる。従って、マスク10の破損を回
避することができる。特に、シリコンとダイヤモンドと
いった熱物性が異なる材料を組み合わせて形成されるダ
イヤモンドウェハ13においては、その界面11aにス
トレスが生じているため、透過孔14の周縁部14bの
応力集中を低減することの効果が高い。
【0022】次に、この発明に係るマスク10の製造方
法について、X線リソグラフィー用マスクを例に説明す
る。先ず、シリコン単結晶から切り出された例えば直径
100mm、厚さ2000μmの寸法のマスク基板11
を形成する。そして、その上面をRms=0.1〜0.
5nmに鏡面加工し、人工ダイヤモンドを蒸着すること
で、図3に示すように透過膜12(膜厚2μm)を有す
るダイヤモンドウェハ13を形成する。
【0023】そして、ダイヤモンドウェハ13の透過膜
12の上面であって、透過孔14の周縁部14bよりも
広い範囲に、周知のガスクラスターイオンビームGCI
Bの照射によって0.2〜1.0μmの範囲内で一定の
深さを有する凹部17を形成する。更に、マスク基板1
1の下面を覆い且つその中央部に50mm×50mmの
孔を有する保護シートを密着させ、その孔部分に露出し
たマスク基板11をエッチング溶液で溶解除去すること
で、図4に示すように透過孔14及びその透過孔14を
覆うメンブレン15を形成する。
【0024】ここで、ガスクラスターイオンビームGC
IBについて図7を用いて説明する。同図に示すよう
に、ガスクラスターイオンビーム装置50は、主として
クラスター生成部51と、イオン化部52と、加速照射
部53とから構成されている。クラスター生成部51で
は、アルゴンガス等の原料ガスを高圧で真空中に噴出す
ることにより、原料ガスが断熱膨張により凝縮して原料
ガス原子の集団であるクラスター55が生成される。生
成されたクラスター55はイオン化部52でイオン化さ
れ、加速照射部53の加速電圧により加速されてガスク
ラスターイオンビームGCIBとなり被加工物54に照
射される。照射されたガスクラスターイオンビームGC
IBは被加工物54に衝突してその加工表面54aをス
パッタする。この時、衝突によってクラスター55を形
成していた原子が分離し、被加工物54の加工表面54
aと平行に飛散することで加工表面54aの突起をスパ
ッタし、加工表面54aが高精度に平坦化される。
【0025】上記ガスクラスターイオンビームGCIB
を用いて人工ダイヤモンドからなる透過膜12に凹部1
7を形成するに際して、その底面17cの高精度な平坦
化を伴う凹加工を行うためのガスクラスターイオンビー
ムGCIBの主要パラメータを下記に示す。 ・クラスター生成室圧力:4000〜10000 To
rr ・加速電圧:20〜50 Kev ・イオン化電圧:200〜500 V ・イオン化電流:200〜500 mA ・照射量:3e+17〜1e+19 ions/cm2
【0026】人工ダイヤモンドのような硬い材料に凹部
17を形成するにあたって、通常のドライエッチングで
加工を行った場合は、凹部17の底面17cの表面粗さ
が荒くなってしまう。また、機械研磨を行っても凹部1
7の周縁部17b付近まで研磨することは困難である。
上記のガスクラスターイオンビームGCIBを用いれ
ば、凹部17を形成すると共にその底面17c全域の高
精度な平坦化が可能であるため、生産効率が向上すると
共に凹部17の底面17cに形成されるX線の吸収膜1
6aの膜質を高めることができる。
【0027】上記ガスクラスターイオンビームGCIB
の照射によって形成された凹部17の底面17cは、そ
の表面粗さがRms=0.1〜10nmに仕上げられて
おり、図5に示すようにその底面17c上であって透過
孔14の周縁部14bの内側の範囲に、つまりメンブレ
ン15に、図示しない反射防止膜を介して、例えばTa
膜又はW−Ti合金膜(Ti:1.5%含有)等からな
るX線の吸収膜16aを平均膜厚0.2〜0.3μmで
製膜し、マスクブランクス10aを形成する。
【0028】最後に、吸収膜16aの表面に、所望の集
積回路パターンを描くように電子ビームを走査させた後
にエッチング工程を経て、集積回路パターンを有する吸
収体16が形成されて、図6に示すリソグラフィー用の
マスク10が完成する。
【0029】上述のように製造されたリソグラフィー用
のマスク10において、ダイヤモンドウェハ13の凹部
17をガスクラスターイオンビームGCIBによって形
成することにより、凹部17の凹加工とその底面17c
の高精度な平坦化加工とを同時に行うことができるた
め、ダイヤモンドウェハの製造工数を低減できる。ま
た、短形状の凹部17においても、その底面17cの全
域が高精度に平坦化されるため、その面上に形成される
吸収膜16aの膜質が高まり、微細な集積回路パターン
を正確に形成することができる。
【0030】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1に記
載した発明によれば、吸収体の、透過膜の被転写体の一
般面からの突出量を減少させる又は吸収体の突出を無く
すことが可能となるため、マスクと被転写体とをより挟
ギャップ化することができる。また、吸収体の配設部位
の透過膜をより薄膜化することが可能となるため、照射
光等の透過性をより高めることができる。従って、より
高解像の露光が可能となり、半導体装置の一層の高集積
化に対応できる効果がある。
【0031】また、請求項2に記載の発明によれば、マ
スクに負荷が加わった場合、構造的に最も弱い自立膜部
にかかる負荷を低減することが可能となるため、自立膜
部の強度を高め、マスクが容易に破損することを防止で
きる効果がある。また、マスクの露光面積を最大限に設
けることが可能となるため、半導体装置の一層の高集積
化に対応できる効果がある。
【0032】また、請求項3に記載の発明によれば、吸
収膜が形成される底面を高精度に平坦化することで吸収
体の膜質を高めることが可能となるため、微細な転写パ
ターンを正確に形成することができる効果がある。
【0033】また、請求項4に記載の発明によれば、凹
部の形成とその底面の全域の高精度な平坦化とを同時に
行うことが可能となるため、ダイヤモンドウェハの製造
工数を低減できる効果がある。
【0034】また、請求項5に記載の発明によれば、膜
質の高い吸収膜を形成することが可能となるため、その
吸収膜を所望の転写パターンに形成するに際して、微細
な線幅のパターンを正確に形成することができる効果が
ある。
【0035】また、請求項6に記載の発明によれば、吸
収体の厚さ方向の突出上面が透過膜の被転写体側の一般
面と同一かそれよりも突出させないことが可能となるた
め、万が一マスクと被転写体とが接触した場合に、透過
孔の開口範囲に形成されている吸収体の突出上面のみが
先あたりすることを防止できる。従って、強度的に最も
弱い自立膜部に負荷が集中することを防止することがで
き、マスクと被転写体とを挟ギャップ化した場合でもマ
スクの破損を回避することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の斜視説明図である。
【図2】 図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】 ダイヤモンドウェハの加工前の断面図であ
る。
【図4】 ダイヤモンドウェハの加工後の断面図であ
る。
【図5】 マスクブランクスの断面図である。
【図6】 マスクの断面図である。
【図7】 ガスクラスターイオンビーム装置の構成説明
図である。
【図8】 従来のX線を露光光源とするステッパの構成
説明図である。
【符号の説明】
2 半導体基板 10 マスク 10a マスクブランクス 11 マスク基板 12 透過膜 13 ダイヤモンドウェハ 14 透過孔 14b 周縁部 15 メンブレン 16 吸収体 16a 吸収膜 17 凹部 17b 周縁部 17c 底面 GCIB ガスクラスターイオンビーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/30 541S (72)発明者 松木 竜一 茨城県那珂郡那珂町向山1002−14 三菱マ テリアル株式会社総合研究所那珂研究セン ター内 (72)発明者 大島 秀夫 茨城県那珂郡那珂町向山1002−14 三菱マ テリアル株式会社総合研究所那珂研究セン ター内 (72)発明者 足立 美紀 茨城県那珂郡那珂町向山1002−14 三菱マ テリアル株式会社総合研究所那珂研究セン ター内 (72)発明者 松尾 二郎 京都府京都市左京区吉田本町 京都大学 工学部イオン工学実験施設内 Fターム(参考) 2H095 BA01 BB01 BB35 BC10 BC27 BC28 5C034 BB05 5F046 AA25 BA02 GD02 GD03 GD07 GD13 5F056 AA22 EA04 FA03 FA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透過孔を有するマスク基板の被転写体側
    の面上に前記透過孔を覆うようにダイヤモンドの透過膜
    が形成されてなるリソグラフィー用のダイヤモンドウェ
    ハにおいて、前記透過膜の被転写体側の面であって照射
    光等の吸収体を配設する部位に凹部が設けられたことを
    特徴とするリソグラフィー用のダイヤモンドウェハ。
  2. 【請求項2】 前記凹部の周縁部が前記透過孔の周縁部
    を覆う範囲に形成されたことを特徴とする請求項1記載
    のリソグラフィー用のダイヤモンドウェハ。
  3. 【請求項3】 前記凹部はガスクラスターイオンビーム
    の照射によって成形され、その底面の表面粗さがRms
    =0.1〜10nmであることを特徴とする請求項1,
    2記載のリソグラフィー用のダイヤモンドウェハ。
  4. 【請求項4】 マスク基板上にダイヤモンドの透過膜を
    形成する工程と、透過膜のみで構成されるメンブレンを
    形成する工程とを含むリソグラフィー用のダイヤモンド
    ウェハの製造方法において、前記透過膜の被転写体側の
    面であって照射光等の吸収体を配設する部位にガスクラ
    スターイオンビームの照射によって表面粗さがRms=
    0.1〜10nmの底面を有する凹部を形成する工程を
    含むことを特徴とするリソグラフィー用のダイヤモンド
    ウェハの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3の何れかに記載のダイヤモ
    ンドウェハの被転写体側の面上に照射光等の吸収膜が形
    成されてなるリソグラフィー用のマスクブランクスにお
    いて、前記ダイヤモンドウェハの凹部の底面上に前記吸
    収膜が形成されたことを特徴とするリソグラフィー用の
    マスクブランクス。
  6. 【請求項6】 請求項4記載のマスクブランクスの吸収
    膜が所望の転写パターンを有する吸収体に形成されてな
    るリソグラフィー用のマスクにおいて、前記吸収体の厚
    さをT、前記凹部深さをHとすると、T≦Hであること
    を特徴とするリソグラフィー用のマスク。
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