JP2003278063A - 耐火用炭素繊維フェルト - Google Patents

耐火用炭素繊維フェルト

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JP2003278063A JP2002076242A JP2002076242A JP2003278063A JP 2003278063 A JP2003278063 A JP 2003278063A JP 2002076242 A JP2002076242 A JP 2002076242A JP 2002076242 A JP2002076242 A JP 2002076242A JP 2003278063 A JP2003278063 A JP 2003278063A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐火性の高い炭素繊維フェルトを提供する。 【解決手段】 バインダー樹脂で接合された炭素繊維集
合体で構成されている炭素繊維フェルトにおいて、前記
炭素繊維として、異方性ピッチ系炭素繊維を用い、耐火
性を向上させる。前記炭素繊維は、平均繊維径0.3〜
20μm(特に0.5〜5μm)程度、平均繊維長0.
5〜20mm(特に1〜15mm)程度の極細炭素繊維
で構成してもよい。前記炭素繊維フェルトの嵩密度は
0.1〜30kg/m3(1〜30kg/m3)程度であ
ってもよい。前記バインダー樹脂は、熱硬化性樹脂(例
えば、フェノール系樹脂)で構成してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異方性ピッチ系炭
素繊維で構成され、高温での使用に適した耐火用フェル
ト及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維は、耐熱性、機械的強度、耐久
性などに優れるため、様々な用途に用いられ、例えば、
各種の補強材や断熱材などとして使用されている。補強
材としては、例えば、プラスチックの補強材として用い
ることにより、航空機やスポーツ用品、電子・電気用品
などの構成材料として広く用いられている。しかし、プ
ラスチックを含む組成物である以上、耐火性については
限界があり、用途が限定されている。
【0003】断熱材としては、例えば、半導体や機能性
セラミックスなどの分野において、真空炉、半導体単結
晶成長炉、セラミックス焼結炉、C/Cコンポジット焼
成炉などの高温処理炉の断熱材用充填材として使用され
ている。特に、セルロース繊維や酢酸セルロースなどを
分解して製造された等方性炭素繊維フェルトは、高温処
理炉の断熱材用充填材の他、化学的耐食性にも優れるの
で、腐食性物質の濾過材や触媒の担体、化学用装置の被
覆物質として広く利用されている。
【0004】特開平2−227244号公報には、複数
層の炭素繊維製フェルトが、炭化物や黒鉛化物で接合さ
れた成形断熱材であって、各層を形成する炭素繊維製フ
ェルトの嵩密度が、接合面と直角な方向に嵩密度が段階
的に減少している成形断熱材が開示されている。また、
特開平2−258245号公報には、炭素繊維フェルト
が渦巻状に巻回積層され、前記炭素繊維フェルトが積層
層間に存在する樹脂の炭化物で一体化され、炭素繊維フ
ェルト層が波打つことなく円周方向に連続して積層され
ている成形断熱材が開示されている。しかし、これらの
断熱材においても、高熱に対する耐性は充分でなく、耐
火用フェルトとしての使用は困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、耐火性の高い炭素繊維フェルト及びその製造方法を
提供することにある。
【0006】本発明の他の目的は、嵩密度が小さくても
耐火性を向上できる炭素繊維フェルト及びその製造方法
を提供することにある。
【0007】本発明のさらに他の目的は、炭素繊維フェ
ルトの耐火性を改善できる方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意検討を重ねた結果、異方性ピッチか
ら得られる炭素繊維を用いることにより、耐火性の高い
炭素繊維フェルトが得られることを見出し、本発明を完
成した。
【0009】すなわち、本発明の耐火用フェルトは、炭
素繊維集合体と、この集合体の炭素繊維を接合するため
のバインダー樹脂とで構成されている炭素繊維フェルト
であって、前記炭素繊維が、異方性ピッチ系炭素繊維で
構成されている。また、前記炭素繊維は、平均繊維径
0.3〜20μm(特に0.5〜5μm)、平均繊維長
0.5〜20mm(特に1〜15mm)程度の炭素繊維
で構成されていてもよい。前記炭素繊維フェルトの嵩密
度は1〜30kg/m3(特に3〜25kg/m3)程度
であってもよい。前記バインダー樹脂は、熱硬化性樹脂
で構成されていてもよい。
【0010】本発明には、バインダー樹脂で炭素繊維集
合体を接合して炭素繊維フェルトを製造する方法であっ
て、炭素繊維として、異方性ピッチ系炭素繊維を用いる
耐火用フェルトの製造方法も含まれる。また、本発明に
は、バインダー樹脂で接合された炭素繊維集合体で構成
された炭素繊維フェルトにおいて、炭素繊維として異方
性ピッチ系炭素繊維を用いることにより、炭素繊維フェ
ルトの耐火性を向上させる方法も含まれる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の炭素繊維フェルトは、バ
インダー樹脂で接合された綿状炭素繊維集合体で構成さ
れている。炭素繊維集合体は、通常、炭素繊維がランダ
ムに絡み合ったウェブである。
【0012】[炭素繊維]本発明では、耐火性を向上さ
せるため、炭素繊維として、異方性ピッチから得られた
炭素繊維(異方性ピッチ系炭素繊維)を用いる。異方性
ピッチとしては、例えば、縮合多環式炭化水素を重合し
て得られた異方性ピッチを使用することができる。縮合
多環炭化水素としては、例えば、6員環が縮合した多環
式炭化水素(ナフタレン、テトラリン、アントラセン、
フェナントレン、フェナレン、トリフェニレン、ピレン
など)や、6員環と5員環とが縮合した多環式炭化水素
(インデン、インダセン、アセナフテン、アセナフチレ
ン、フルオレンなど)、5員環が縮合した多環式炭化水
素(ペンタレンなど)などが挙げられる。
【0013】異方性ピッチにおける異方性とは、光学的
な異方性割合が90%以上のピッチである。
【0014】異方性ピッチ系炭素繊維は、例えば、ピッ
チ系繊維を生成させるための紡糸工程、ピッチ系繊維の
融着を防止するための不融化又は耐炎化工程、及び不融
化又は耐炎化処理されたピッチ系繊維を炭化処理する焼
成工程を経て製造することができる。これらの工程は、
非連続的に行ってもよいし、連続的に行ってもよい。
【0015】紡糸工程では、慣用の紡糸方法が使用で
き、例えば、加熱溶融した異方性ピッチを紡糸ノズルか
ら吐出させるとともに、紡糸ノズルの周囲から加熱ガス
を噴出させるメルトブロー法を用いることができる。
【0016】不融化又は耐炎化工程では、例えば、不融
化炉において、150〜350℃、好ましくは160〜
340℃程度の酸化性気体(例えば、空気)を供給して
加熱することができる。
【0017】焼成工程では、例えば、焼成炉において、
不活性雰囲気又は真空下、400〜4000℃、好まし
くは500〜3000℃、さらに好ましくは700〜2
500℃程度で加熱する方法を使用できる。焼成工程で
は、温度2000〜4000℃(好ましくは2300〜
3300℃)程度で黒鉛化(グラファイト化)してもよ
い。
【0018】異方性ピッチ系炭素繊維の平均繊維径は、
例えば、0.3〜20μm、好ましくは0.5〜10μ
m、さらに好ましくは0.5〜5μm(特に0.5〜3
μm)程度である。異方性ピッチ系炭素繊維は、耐火性
を高めるため、0.5〜5μm(例えば、1〜3μm、
特に1〜2μm)程度の極細炭素繊維であるのが好まし
い。繊維径は、例えば、紡糸ノズル径を制御することに
より調整できる。極細繊維は、例えば、紡糸ノズルの吐
出口の直径を0.2〜0.5mm程度とし、ピッチの加
熱溶融温度や吐出速度、加熱ガスの温度や噴出速度を調
整することにより得られる。
【0019】異方性ピッチ系炭素繊維の平均繊維長は、
例えば、0.5〜20mm、好ましくは1〜15mm、
さらに好ましくは3〜12mm程度である。なお、短繊
維で構成された極細炭素繊維は、通常、マット状の形態
であり、不融化又は耐炎、炭化処理で絡まって、綿状繊
維集合体となる場合が多い。
【0020】異方性ピッチ系炭素繊維は、等方性ピッチ
炭素繊維や他の炭素繊維と組み合わせてもよい。他の炭
素繊維としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PA
N)系炭素繊維、フェノール樹脂系炭素繊維、再生セル
ロース系炭素繊維(例えばレーヨン系炭素繊維、ポリノ
ジック系炭素繊維等)、セルロース系炭素繊維、ポリビ
ニルアルコール系炭素繊維等が例示できる。炭素繊維中
の異方性ピッチ系炭素繊維の割合は、50重量%以上、
好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量
%以上である。
【0021】炭素繊維の他に、無機繊維(例えば、ガラ
ス繊維、アルミノケイ酸繊維、酸化アルミニウム繊維、
炭化ケイ素繊維、ホウ素繊維、金属繊維等)などの耐火
性の高い他の繊維を含んでいてもよい。他の繊維の割合
は、炭素繊維100重量部に対して、30重量部以下、
好ましくは10重量部以下程度である。
【0022】[バインダー樹脂]バインダー樹脂として
は、熱可塑性樹脂(例えば、ビニル系樹脂、アクリル系
樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、熱可塑性
ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂等)、熱硬化性
樹脂等(例えば、ポリウレタン系樹脂、不飽和ポリエス
テル系樹脂、フェノール系樹脂等)が使用できる。これ
らのバインダー樹脂のうち、熱硬化性樹脂が好ましく使
用できる。
【0023】熱硬化性樹脂としては、フェノール系樹脂
(レゾール型、ノボラック型フェノール樹脂等)、ポリ
イミド系樹脂(ポリエーテルイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリアミノビスマレイミドなど)、アミノ系樹脂
(尿素樹脂、メラミン樹脂など)、フラン樹脂、ポリウ
レタン系樹脂、エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂など)、不飽和ポリエステル系樹脂、ジアリル
フタレート樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化性アクリ
ル系樹脂、シリコーン系樹脂などが例示できる。熱硬化
性樹脂には、慣用の硬化剤を使用してもよい。これらの
熱硬化性樹脂のうち、耐火性の点から、フェノール系樹
脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂など、特に、
フェノール系樹脂が好ましい。
【0024】これらのバインダー樹脂は、単独で又は二
種以上組み合わせて使用できる。バインダー樹脂の割合
は、炭素繊維100重量部に対して、1〜50重量部、
好ましくは3〜40重量部、さらに好ましくは5〜30
重量部程度である。
【0025】[炭素繊維フェルト]炭素繊維フェルトの
嵩密度は、1〜30kg/m3で、好ましくは3〜25
kg/m3、さらに好ましくは5〜25kg/m3程度で
ある。耐火性の点からは、嵩密度は大きい方が好まし
い。
【0026】炭素繊維フェルトの厚みは、用途によって
選択すればよく、特に限定されないが、例えば、1〜1
00mm、好ましくは5〜50mm、さらに好ましくは
10〜30mm程度である。
【0027】本発明の炭素繊維フェルトは、バインダー
樹脂で炭素繊維集合体(例えば、炭素繊維ウェブ)を接
合させて得られる。バインダー樹脂が熱硬化性樹脂の場
合は、バインダー樹脂を炭素繊維集合体(例えば、炭素
繊維ウェブ)に付着させた後、バインダー樹脂を硬化さ
せて炭素繊維フェルトを得ることができる。
【0028】炭素繊維集合体(例えば、炭素繊維ウェ
ブ)へのバインダー樹脂の付与方法は、バインダー樹脂
溶液に含浸する方法に限らず、バインダー樹脂溶液をス
プレーする方法、バインダー樹脂を直接塗布又は散布す
る方法等が挙げられる。
【0029】バインダー樹脂溶液において、バインダー
樹脂と溶媒の割合(重量比)は、溶媒/バインダー樹脂
=99/1〜50/50、好ましくは95/5〜55/
45、さらに好ましくは90/10〜60/40程度で
ある。
【0030】溶媒としては、バインダー樹脂の種類によ
って異なるが、慣用の溶媒を用いることができ、例え
ば、水、アルコール類(例えば、エタノール、イソプロ
パノール等)、ハロゲン化炭化水素類(例えば、塩化メ
チレンなど)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエ
チルケトン等)、エステル類(酢酸エチルなど)、エー
テル類(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン等)、セロソルブ類(例えば、メチルセロソルブ、エ
チルセロソルブ等)、芳香族炭化水素類(トルエンな
ど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサンなど)、脂環族炭化
水素類(シクロヘキサンなど)等が例示できる。これら
の溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用でき
る。
【0031】バインダー樹脂が熱硬化性樹脂の場合、熱
硬化性樹脂を熱硬化させるための温度は、熱硬化性樹脂
の種類によって異なるが、通常、50〜400℃、好ま
しくは70〜300℃、さらに好ましくは100〜30
0℃程度あり、硬化時間は、通常、1分間〜24時間、
さらに好ましくは1分間〜10時間、さらに好ましくは
3分間〜1時間程度である。熱硬化性樹脂としてフェノ
ール樹脂を用いる場合、例えば、150〜300℃(特
に180〜270℃)程度の温度で、1〜10分間(3
〜7分間)程度硬化させてもよい。
【0032】炭素繊維フェルトは、積層してもよい。ま
た、厚み方向に密度勾配を設けてもよい。
【0033】なお、炭素繊維フェルトの嵩密度を高める
ために、バインダー樹脂を付着させた炭素繊維ウェブを
ニードルパンチなどで機械的に圧縮してもよい。
【0034】炭素繊維のフェルト化工程は、前記炭素繊
維の製造工程と非連続的に行ってもよいし、連続的に行
ってもよい。
【0035】なお、必要であれば、バインダー樹脂を焼
成し、炭素化又は黒鉛化してもよい。
【0036】本発明の炭素繊維フェルトでは、異方性ピ
ッチ系炭素繊維を用いることにより、耐火性を向上でき
るとともに、高温又は高熱に対する耐性が高い。また、
機械的特性や耐久性が優れる。従って、この炭素繊維フ
ェルト又はこのフェルトで形成された成形品は、断熱
材、充填材、補強材、緩衝材等の各種材料に用いること
ができる。特に、200〜500℃、特に300〜40
0℃程度の高温でも物性の劣化が抑制されているので、
高い安全性が要求される耐火用フェルト、例えば、航空
機、高速鉄道車両、宇宙船等の高速輸送機の耐火用フェ
ルトに適している。
【0037】
【発明の効果】本発明では、異方性ピッチ系炭素繊維を
用いるので、炭素繊維フェルトの耐火性を向上できる。
特に、嵩密度が小さくても優れた耐火性を示す。この耐
火用フェルトは、機械的特性や耐久性が優れるととも
に、優れた耐火性を示す。
【0038】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。なお、耐火性は以下の方法で測定した。
【0039】[耐火性]得られたフェルトをガスバーナ
ー(熱量:6300kJ/時間、バーナーとフェルトと
の間隔:150mm)を用いて、燃焼させてフェルトに
孔が空くまでの時間を測定した。この時間が長いほど耐
火性が高い。
【0040】実施例1 縮合多環式炭化水素を重合して得られた異方性ピッチを
320℃で溶融紡糸した。次いで、この繊維を空気雰囲
気で300℃、30分間加熱して不融化処理した。さら
に、750℃の不活性ガス雰囲気中で30分間加熱して
炭化処理することによって、平均繊維径1.5μmの異
方性炭素繊維が得られた。この炭素繊維に20重量%の
フェノール樹脂水溶液を用いて、嵩密度5kg/m3
7.5kg/m3、10kg/m3の炭素繊維フェルト
(厚み25mm)を製造した。
【0041】実施例2 縮合多環式炭化水素を重合して得られた異方性ピッチを
320℃で溶融紡糸した。次いで、この繊維を空気雰囲
気で300℃、30分間加熱して不融化処理した。さら
に、750℃の不活性ガス雰囲気中で30分間加熱して
炭化処理することによって、平均繊維径13μmの異方
性炭素繊維が得られた。この炭素繊維に20重量%のフ
ェノール樹脂水溶液を用いて、嵩密度10kg/m3
15kg/m3、20kg/m3の炭素繊維フェルト(厚
み25mm)を製造した。
【0042】比較例1 石炭タールから得られた等方性ピッチを300℃で溶融
紡糸した。次いで、この繊維を空気雰囲気で320℃、
30分間加熱して不融化処理した。さらに、750℃の
不活性ガス雰囲気中で30分間加熱して炭化処理するこ
とによって、平均繊維径1.5μmの等方性炭素繊維が
得られた。この炭素繊維に20重量%のフェノール樹脂
水溶液を用いて、嵩密度5kg/m3、7.5kg/
3、10kg/m3の炭素繊維フェルト(厚み25m
m)を製造した。
【0043】比較例2 石炭タールから得られた等方性ピッチを300℃で溶融
紡糸した。次いで、この繊維を空気雰囲気で320℃、
30分間加熱して不融化処理した。さらに、750℃の
不活性ガス雰囲気中で30分間加熱して炭化処理するこ
とによって、平均繊維径13μmの等方性炭素繊維が得
られた。この炭素繊維に20重量%のフェノール樹脂水
溶液を用いて、嵩密度10kg/m3、15kg/m3
20kg/m3の炭素繊維フェルト(厚み25mm)を
製造した。
【0044】実施例及び比較例で得られた炭素繊維フェ
ルトについて、耐火性を評価した結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1の結果から明らかなように、実施例の
フェルトでは、高い耐火性を示している。特に、嵩密度
が大きいほど耐火性が向上し、繊維径が小さいほど耐火
性が向上している。これに対して、比較例のフェルトで
は、耐火性が充分でない。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維集合体と、この集合体の炭素繊
    維を接合するためのバインダー樹脂とで構成されている
    炭素繊維フェルトであって、前記炭素繊維が、異方性ピ
    ッチ系炭素繊維で構成されている耐火用フェルト。
  2. 【請求項2】 炭素繊維が、平均繊維径0.3〜20μ
    m、平均繊維長0.5〜20mmの炭素繊維で構成され
    ている請求項1記載のフェルト。
  3. 【請求項3】 炭素繊維フェルトの嵩密度が1〜30k
    g/m3である請求項1記載のフェルト。
  4. 【請求項4】 炭素繊維ウェブと、このウェブの炭素繊
    維を接合するための熱硬化性樹脂とで構成された炭素繊
    維フェルトであって、前記フェルトの嵩密度が3〜25
    kg/m3であり、前記炭素繊維が、平均繊維径0.5
    〜5μm、平均繊維長1〜15mmの異方性ピッチ系極
    細炭素繊維で構成されている耐火用フェルト。
  5. 【請求項5】 バインダー樹脂で炭素繊維集合体を接合
    して炭素繊維フェルトを製造する方法であって、炭素繊
    維として、異方性ピッチ系炭素繊維を用いる耐火用フェ
    ルトの製造方法。
  6. 【請求項6】 バインダー樹脂で接合された炭素繊維集
    合体で構成された炭素繊維フェルトにおいて、炭素繊維
    として異方性ピッチ系炭素繊維を用いることにより、炭
    素繊維フェルトの耐火性を向上させる方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006077342A (ja) * 2004-09-08 2006-03-23 Toray Ind Inc 航空機用内装材

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